JPH11317118A - 超電導線の接合方法 - Google Patents

超電導線の接合方法

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JPH11317118A
JPH11317118A JP10134259A JP13425998A JPH11317118A JP H11317118 A JPH11317118 A JP H11317118A JP 10134259 A JP10134259 A JP 10134259A JP 13425998 A JP13425998 A JP 13425998A JP H11317118 A JPH11317118 A JP H11317118A
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JP
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superconducting wire
joining
joining element
superconducting
concave groove
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JP10134259A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Fuse
俊明 布施
Kazuhito Shibayama
和仁 柴山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部の電気抵抗を小さく保ち、かつ接続部
寸法の増大を回避し、しかも煩雑な工程を経る必要のな
い超電導線の接合方法を提供する。 【解決手段】 超電導線1の絶縁被覆を除いた接合領域
を接合要素2の凹溝に挿入する。押し部材3を凹溝の開
放部に超電導線1と当接するように置き、超音波接合装
置4のテーブル5に固定する。チップ8を押し部材3に
当てて超電導線1の接合領域を加圧しながら、超音波を
超電導線1に発射して超電導線1と接合要素2および押
し部材3とを接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば長尺の超
電導線を得るために超電導線同士を接続するのに用いら
れる超電導線の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大形の超電導磁石用コイルの製作には極
めて超尺の超電導線が不可欠であり、超電導磁石の性能
を良好に保つためには超電導線の端から端まで継ぎ目の
全くない高品質の超電導線が好ましい。しかし、現状の
超電導線の製造技術では製作可能な長さに限界があり、
ある長さの超電導線を適当な接合方法を用いて継ぎ足
し、超尺の超電導線として仕上げることが行われてい
る。
【0003】この超電導線の接続の仕方で従来から多用
されているのははんだを用いて接合する方法である。通
常、はんだ材料の固有抵抗値は大きく、超電導線の電気
抵抗を増大させる原因となる。そのため、電気抵抗を低
下させるために接続長さを0.5m〜数m程度長くする
ことが行われているが、こうした方法は接続部寸法が大
きくなることが避けられず、望ましい方法とはいえな
い。
【0004】さらに、はんだで接合する方法に代わる有
力な方法に超電導線の安定化材を除去し、超電導フィラ
メントを露出させて固相接合するもの(たとえば、特開
平6−163140号公報など)、また、接続される双
方の超電導線の安定化材を薬品等を用いて除去し、フィ
ラメントを露出させて双方のフィラメントを適宜分割し
て束ねて重ね合わせ、接続ピースで覆って固相接合する
もの(特開平6−163140号公報)、さらに接続さ
れる双方の超電導線の接続部分の安定化材を除去し、互
いに重ね合わせながら、加圧して熱処理するもの(特開
昭63−55875号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のはんだ付けに代わる方法は接合部の電気抵抗を下げ、
かつ接続部寸法を小さくするうえでは有効であるもの
の、安定化材の除去のために硝酸等の溶液で処理する工
程が不可欠であり、フィラメント露出から接合を終了す
るまでの工程が極めて煩雑になる難点がある。また、超
電導線のフィラメントに安定化材を溶かすのに用いた薬
品が残り、接合において悪影響が生じる可能性がある。
【0006】そこで、本発明の目的は接合部の電気抵抗
を小さく保ち、かつ接合部寸法の増大を回避し、しか
も、煩雑な工程を経る必要のない超電導線の接合方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に発明者らは研究を行った結果、次の接合方法が望まし
いことを見出した。すなわち、多芯構造の超電導線の一
端に他の超電導線あるいは電気機器と接続する導電性接
合要素を接合するにあたり、超電導線の絶縁被覆を除い
た接合領域を接合要素の凹溝に挿入し、押し部材を凹溝
の開放部に超電導線と当接するように置き、押し部材を
介して超電導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超
電導線に発射して超電導線と接合要素とを一体に接合す
る方法である。
【0008】この接合方法の利点は超電導線の安定化材
を除去する必要がなく、安定化材を残したまま超音波接
合法を用いて接合するので、安定化材を除去するなどの
煩雑な工程を経ることなく、超電導線を接合要素と接合
することができることである。
【0009】また、超音波接合法を用いたことにより接
合領域を導電性接合要素に冶金的に接合することがで
き、接合部の電気抵抗を小さく保つことが可能になる利
点がある。さらに、導電性接合要素を小形に構成するこ
とが可能になり、接続部寸法が増大するのを回避するこ
とができる利点がある。
【0010】特に、接合要素の凹溝の開放部を覆う押し
部材は凹溝と嵌合する台形状の押し部材として構成した
とき、押し部材が外れにくく、望ましい。
【0011】また、この押し部材は接合要素全体を覆う
環状の押し部材として構成したとき、接合部の強度が向
上して望ましい。これらの押し部材は接合要素と共に超
電導線に接合されるので、導電性材料で構成する。好ま
しいのは無酸素系銅であるが、これ以外の材料であって
もよい。
【0012】さらに、発明者らは上記の接合方法によら
ない、望ましい接合方法を見出した。すなわち、多芯構
造の超電導線の一端に他の超電導線あるいは電気機器と
接続する導電性接合要素を接合するにあたり、超電導線
の接合領域を接合要素の中心孔に挿入し、超音波を接合
要素の側面の複数個の開口から超電導線の接合領域に部
分的に発射して超電導線と接合要素とを一体に接合する
方法である。
【0013】この接合方法の利点は、安定化材を残した
まま、超音波接合法を用いて接合するので、安定化材を
除去するなどの煩雑な工程を経る必要がなく、超電導線
を接合要素と接合することが可能になることである。
【0014】また、超音波接合を用いたことにより接合
領域を導電性接合要素に冶金的に接合することができ、
接合部の電気抵抗を小さく保つことが可能になる利点が
ある。さらに、導電性接合要素を小形に構成することが
可能になり、接続部寸法が増大するのを回避することが
できる利点がある。
【0015】特に、超電導線の接合領域のうち、接合さ
れる一部接合領域について、予め超音波を用いて固化す
るのが超電導線と接合要素との接合が非常に強まり、好
ましい。
【0016】さらに、発明者らは上記の接合方法によら
ない、望ましい接合方法を見出した。すなわち、一つは
多芯構造の超電導線の一端に他の超電導線あるいは電気
機器と接続する硬質導電性接合要素を接合するにあた
り、超電導線の接合領域に軟質導電材を接合し、接合要
素に超電導線の接合領域が収容される凹溝を形成し、接
合要素の凹溝に超電導線の軟質導電材が凹溝底面に当接
されるように挿入し、超電導線の接合領域を加圧しなが
ら、超音波を超電導線に発射して超電導線と接合要素と
を一体に接合する方法である。
【0017】さらに、別の一つは多芯構造の超電導線の
一端に他の超電導線あるいは電気機器と接続する軟質導
電性接合要素を接合するにあたり、超電導線の接合領域
に硬質導電材を接合し、接合要素に超電導線の接合領域
が収容される凹溝を形成し、接合要素の凹溝に超電導線
の硬質導電材が凹溝底面に当接されるように挿入し、超
電導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超電導線に
発射して超電導線と接合要素とを一体に接合する方法で
ある。
【0018】また、別の一つは多芯構造の超電導線の一
端に他の超電導線あるいは電気機器と接続する硬質導電
性接合要素を接合するにあたり、超電導線の接合領域に
硬質導電材を接合し、接合要素に超電導線の接合領域が
収容される凹溝を設けると共に、凹溝の内面に軟質導電
材層を形成し、接合要素の凹溝に超電導線の硬質導電材
が凹溝の軟質導電材層に当接されるように挿入し、超電
導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超電導線に発
射して超電導線と接合要素とを一体に接合する方法であ
る。
【0019】これらの接合方法の利点は硬質導電材を軟
質導電材に食い込ませるように接合するので、接合強度
がより強まり、接合部において剥離等が起こるのを確実
に防止することが可能になることである。
【0020】硬質導電材にはアルミナ分散銅が好ましい
が、これ以外の材料を用いてもよい。軟質導電材は軟化
させた無酸素銅でよい。一般に、硬質材同士の接合は超
音波接合法のために大出力が必要となるが、一方を軟質
材とすることにより出力はそれ程大きくする必要がな
い。双方が軟質材の場合、内部での減衰が大きく、望ま
しい接合が得られなくなる可能性がある。本発明はこれ
らの点を踏まえて望ましい組み合わせを研究し、一方に
硬質導電材、他方に軟質導電材を使用する接合方法を見
出した。
【0021】さらに、発明者らは超電導線を接合要素と
組み合わせる前に超電導線の芯間の隙間に導電性材料を
詰めることが望ましいことを見出した。
【0022】この接合方法の利点は隙間が導電性材料で
埋まり、超音波ビームが確実に接合要素との接合面に達
し、接合力を向上させることができることである。導電
性材料は無酸素銅粉が望ましいが、これ以外の材料を使
用してもよい。
【0023】さらに、上記の接合方法によらない次の望
ましい接合方法を見出した。すなわち、多芯構造の超電
導線の一端に他の超電導線あるいは電気機器と接続する
導電性接合要素を接合するにあたり、超電導線の接合領
域にはんだ層を形成し、接合要素に超電導線の接合領域
が収容される凹溝を設けると共に、凹溝の内面にはんだ
層を形成し、接合要素の凹溝に超電導線のはんだ層と接
合要素のはんだ層とが互いに接するように挿入し、超電
導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超電導線およ
びはんだ層に発射してはんだ層を接合部の外に除きつ
つ、超電導線と接合要素とを一体に接合する方法であ
る。
【0024】この接合方法の利点は超音波ビームで狙い
定めてはんだ層を溶融すればよく、はんだごて等による
加熱が不要となって極めて高能率な作業が可能になるこ
とである。このはんだは接合部から除くので、電気抵抗
が増大する懸念はなく、電気抵抗値が大きくなる不都合
は生じない。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施例1)超電導線は図1に示
すニオブチタンの超電導フィラメントを銅からなる安定
化材中に分散させた多芯構造の超電導線1を用意した。
これは超電導フィラメントを数本を一組として撚り、こ
の撚り線を撚って完成させたものである。素線の表面は
互いの間を絶縁する絶縁層で被覆されている。この超電
導線1に図に示す無酸素銅からなる一部を切り欠いてい
る断面円形の導電性接合要素2の開放部を埋める押し部
材3と共に超音波接合法を用いて接合した。
【0026】作業手順を詳しく述べると、初めに、超電
導線1の一端の撚りを解き、剥離剤を用いて素線表面の
絶縁層を落とし、その部分を再び撚り、撚り線とした。
次に、接合要素2および押し部材3をアセトンを用いて
脱脂し、各面を清浄した。この接合要素2には予め接合
される超電導線1の接合領域に見合う大きさの凹溝が形
成されている。次いで、超電導線1の接合領域を接合要
素2の凹溝に入れ、台形状の押し部材3を接合要素2の
軸方向に送りながら、超電導線1の接合領域の上部に置
き、その位置を固定した。
【0027】次に、組み合わせた超電導線1と接合要素
2とを図2に示す超音波接合装置4のテーブル5の上面
に載置し、テーブル5上にクランプ6を用いて固定し
た。次に、超音波接合装置4の振動体7を下降させ、チ
ップ8を押し部材3の上面に押し付けて加圧し、超音波
を発射させて超電導線1と接合要素2および押し部材3
とを一体に接合した。
【0028】接合後に、超音波接合装置4から超電導線
1を外に運び出し、双方の接合状態を詳しく調べた。超
電導線1は接合要素2および押し部材3と強固に接合
し、申し分ないことが確認された。本実施例によれば、
特に、台形状の押し部材3が接合要素2の凹溝と嵌合す
るので、接合部を引き剥がすような力が加わっても剥離
等が生じず、堅牢な超電導線1を得ることができる。
【0029】(実施例2)超電導線は上記の実施例1と
同様な超電導線1を用意した。この超電導線1に図3に
示す断面円形の無酸素銅からなる接合要素9を環状の押
し部材10と共に超音波接合法を用いて接合した。環状
の押し部材10は接合要素9の軸方向に送りながら、所
定の位置に固定した。この接合は先に述べたものと同一
の手順で実施した。
【0030】接合後に、超電導線1と接合要素9との接
合状態を詳しく調べた。超電導線1は接合要素9と強固
に接合し、簡単に剥離等が起こらないことが確認され
た。
【0031】本実施例によれば、特に、環状の押し部材
10を用いて超電導線1および接合要素9全体を取り囲
むようにしたので、接合部の強度を大きく向上させるこ
とができる。
【0032】(実施例3)超電導線は図4に示す接合領
域の一部に予め超音波を発射して部分的に固めた超電導
線11を用意した。この2箇所の固化部12を有する超
電導線11に図5(a)(b)に示す無酸素銅からなる
断面矩形の接合要素13を超音波接合法を用いて接合し
た。
【0033】超電導線11の接合領域を接合要素13の
中心孔14内に挿入し、接合要素13の側面の2箇所の
開口15から超電導線11の固化部12に向けて超音波
を発射し、超電導線11を接合要素13と一体に接合し
た。
【0034】接合後に、超音波接合箇所を調べたとこ
ろ、超電導線11は接合要素13と強固に接合し、申し
分ないことが確認された。
【0035】本実施例によれば、特に、超電導線11の
接合される一部接合領域を予め固めるようにしているの
で、接合要素13とより強固に接合することができる。
【0036】また、超電導線11を取り囲む接合要素1
3をボックス構造にすることが可能で、破損の生じにく
い堅牢な超電導線11を得ることができる。
【0037】(実施例4)超電導線は図6(a)に示す
超電導線16を用意した。この超電導線16の接合領域
の下部に予め軟化させた無酸素銅からなる軟質導電材1
7を接合した。一方、接合されるアルミナ分散銅からな
る断面円形の接合要素18には超電導線16に形状を合
わせた凹溝19を形成した。
【0038】次に、接合要素18の凹溝19の底面に超
電導線16の軟質導電材17の下面が当接されるように
挿入し、その位置を固定して超音波接合法を用いて接合
した。この接合中、チップを用いて超電導線16を加圧
した。
【0039】さらに、同様な超電導線16の接合領域の
下部に予め図6(b)に示すアルミナ分散銅からなる硬
質導電材20を接合した。一方、接合要素は無酸素銅か
らなる接合要素21を用意した。この接合要素21には
予め超電導線16に形状を合わせた凹溝22を形成し
た。
【0040】次に、接合要素21の凹溝22の底面に超
電導線16の硬質導電材20の下面が当接されるように
挿入し、その位置を固定して超音波接合法を用いて接合
した。この接合中、チップを用いて超電導多芯線16を
加圧した。
【0041】また、同様な超電導線16の接合領域の下
部に予め図6(c)に示すアルミナ分散銅からなる硬質
導電材20を接合した。一方、アルミナ分散銅からなる
接合要素18の凹溝19には予め軟化させた無酸素銅か
らなる軟質導電材層23を形成した。
【0042】次に、接合要素18の軟質導電材層23に
超電導線16の硬質導電材20が重なるように挿入し、
その位置を固定して超音波接合法を用いて接合した。こ
の接合中、チップを用いて超電導線16を加圧した。
【0043】これらのすべてについて、接合後に超音波
接合箇所を調べたところ、超電導線16は接合要素1
8、21と強固に接合し、簡単に剥離等が起こらないこ
とが確かめられた。
【0044】本実施例によれば、特に、アルミナ分散銅
からなる硬質導電材を無酸素銅からなる軟質導電材に食
い込ませるように接合するので、接合強度がより強ま
り、接合部で剥離等が起こるのを確実に防ぐことができ
る。
【0045】また、接合部が共に硬質材であると、強大
な超音波出力が必要となるが、本実施例では一方が必ず
軟質材であり、大きな出力は必要でなく、経済的な方法
として望ましい。
【0046】(実施例5)接合時に導電性材料を付加す
る方法を研究した。接合される超電導線は図7に示す超
電導線16を用意した。この超電導線16の隙間に無酸
素銅粉24を詰め、超音波を発射させて固化した。次
に、この超電導線16の接合領域を図に示す無酸素銅か
らなる、凹溝を形成している断面矩形の接合要素25に
入れ、これに重ねて銅からなる平面状の押し部材26を
置き、超音波接合法を用いて接合した。この接合中、凸
形チップ27を使用して超電導線16を加圧した。
【0047】接合後に、超音波接合箇所を調べたとこ
ろ、超電導線16は接合要素23と強固に接合し、申し
分ないことが確かめられた。
【0048】本実施例によれば、特に、凸形チップ27
の凸面に倣い超電導線を変形させ、下面のみならず、側
面を密着させた状態で接合することができ、より強固な
接合を得ることが可能になる。
【0049】また、無酸素銅粉24からなる導電性材料
を詰め、超電導線16の隙間を埋めるので、超音波ビー
ムが確実に接合要素23との接合面に達し、接合力を向
上させることができる。
【0050】(実施例6)超音波ビームではんだを溶融
させ、接合要素を接合する方法を研究した。超電導線は
図8に示す超電導線16を用意した。この超電導線16
の接合領域に予めはんだ層28を形成した。一方、無酸
素銅からなる接合要素29には予め超電導線16に形状
を合わせて凹溝30を設け、そこにはんだ層31を形成
した。
【0051】次に、はんだ層28、31が互いに重なる
ように双方を組み合わせ、はんだ層28、31に超音波
を発射させて溶融させ、はんだを接合部から押し出しつ
つ、接合した。この接合中、チップを使用して超電導線
16を加圧した。
【0052】接合後に、超音波接合箇所を調べたとこ
ろ、超電導線16は接合要素29と強固に接合し、簡単
に剥離が起こらないことが確認された。
【0053】本実施例によれば、はんだ層28、31を
溶融するのに超音波ビームで狙いを定めて、そこだけを
溶融すれば良く、はんだごて等による加熱が不要で能率
よく作業を進めることができる。
【0054】また、接合部からはんだを除くようにした
ので、電気抵抗が増大するのを防ぐことが可能になる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、安
定化材を残したまま、超音波接合法を用いて接合するの
で、安定化材を除去するなどの煩雑な工程を経ることな
く、超電導線を接合要素と接合することができる。
【0056】また、超音波接合法を用いたことにより接
合領域を導電性接合要素に冶金的に接合することがで
き、接合部の電気抵抗を小さく保つことが可能である。
【0057】さらに、導電性接合要素を小形に構成する
ことが可能になり、接合部の寸法が増大するのを回避す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超電導線を示す断面図。
【図2】本発明方法に係る超音波接合工程を示すための
図。
【図3】本発明方法に係る超音波接合工程を示すための
図。
【図4】本発明に係る超電導線を示す斜視図。
【図5】(a)は本発明に係る接合要素を示す正面図。
(b)は(a)に示す接合要素の側面図。
【図6】(a)(b)(c)は本発明の接合前の超電導
線および接合要素を示す断面図。
【図7】本発明に係る超音波接合工程を示すための図。
【図8】本発明の接合前の超電導線および接合要素を示
す断面図。
【符号の説明】
1、11、16 超電導線 2、9、13、18、21 接合要素 3、10、26 押し部材 17 軟質導電材 20 硬質導電材 28、31 はんだ層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01R 43/02 ZAA H01R 43/02 ZAAA

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多芯構造の超電導線の一端に他の超電導
    線あるいは電気機器と接続する導電性接合要素を接合す
    るにあたり、前記超電導線の絶縁被覆を除いた接合領域
    を前記接合要素の凹溝に挿入し、押し部材を前記凹溝の
    開放部に該超電導線と当接するように置き、前記押し部
    材を介して該超電導線の接合領域を加圧しながら、超音
    波を超電導線に発射して該超電導線と該接合要素とを一
    体に接合する、超電導線の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記押し部材を台形状に形成し、前記接
    合要素の凹溝の開放部に装着するにあたり、該押し部材
    を前記接合要素の軸方向に送り、該凹溝と嵌合するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の超電導線の接合
    方法。
  3. 【請求項3】 前記押し部材を環状に形成し、前記接合
    要素の凹溝の開放部に装着するにあたり、該押し部材を
    前記接合要素の軸方向に送り、該接合要素全体を覆うよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載の超電導線の接
    合方法。
  4. 【請求項4】 多芯構造の超電導線の一端に他の超電導
    線あるいは電気機器と接続する導電性接合要素を接合す
    るにあたり、前記超電導線の接合領域を前記接合要素の
    中心孔に挿入し、超音波を該接合要素の側面の複数個の
    開口から前記超電導線の接合領域に部分的に発射して該
    超電導線と該接合要素とを一体に接合する、超電導線の
    接合方法。
  5. 【請求項5】 前記超電導線の接合領域のうち、接合さ
    れる一部接合領域について、予め超音波を用いて固化す
    るようにしたことを特徴とする請求項4記載の超電導線
    の接合方法。
  6. 【請求項6】 多芯構造の超電導線の一端に他の超電導
    線あるいは電気機器と接続する硬質導電性接合要素を接
    合するにあたり、前記超電導線の接合領域に軟質導電材
    を接合し、前記接合要素に該超電導線の接合領域が収容
    される凹溝を形成し、前記接合要素の凹溝に該超電導線
    の軟質導電材が該凹溝底面に当接されるように挿入し、
    前記超電導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超電
    導線に発射して該超電導線と該接合要素とを一体に接合
    する、超電導線の接合方法。
  7. 【請求項7】 多芯構造の超電導線の一端に他の超電導
    線あるいは電気機器と接続する軟質導電性接合要素を接
    合するにあたり、前記超電導線の接合領域に硬質導電材
    を接合し、前記接合要素に該超電導線の接合領域が収容
    される凹溝を形成し、前記接合要素の凹溝に該超電導線
    の硬質導電材が該凹溝底面に当接されるように挿入し、
    前記超電導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超電
    導線に発射して該超電導線と該接合要素とを一体に接合
    する、超電導線の接合方法。
  8. 【請求項8】 多芯構造の超電導線の一端に他の超電導
    線あるいは電気機器と接続する硬質導電性接合要素を接
    合するにあたり、前記超電導線の接合領域に硬質導電材
    を接合し、前記接合要素に該超電導線の接合領域が収容
    される凹溝を設けると共に、該凹溝の内面に軟質導電材
    層を形成し、前記接合要素の凹溝に該超電導線の硬質導
    電材が該凹溝の軟質導電材層に当接されるように挿入
    し、前記超電導線の接合領域を加圧しながら、超音波を
    超電導線に発射して該超電導線と該接合要素とを一体に
    接合する、超電導線の接合方法。
  9. 【請求項9】 前記超電導線を前記接合要素と組み合わ
    せる前に該超電導線芯間の隙間に導電性材料を詰めるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか
    1項に記載の超電導線の接合方法。
  10. 【請求項10】 多芯構造の超電導線の一端に他の超電
    導線あるいは電気機器と接続する導電性接合要素を接合
    するにあたり、前記超電導線の接合領域にはんだ層を形
    成し、前記接合要素に該超電導線の接合領域が収容され
    る凹溝を設けると共に、該凹溝の内面にはんだ層を形成
    し、前記接合要素の凹溝に該超電導線のはんだ層と該接
    合要素のはんだ層とが互いに接するように挿入し、前記
    超電導線の接合領域を加圧しながら、超音波を超電導線
    およびはんだ層に発射して該はんだ層を接合部の外に除
    きつつ、該超電導線と該接合要素とを一体に接合する、
    超電導線の接合方法。
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