JP2018060700A - 超電導線の接続方法及び接続装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】臨界電流値の低下を抑制できるとともに、低抵抗で超電導線を接続することのできる超電導線の接続方法及び接続装置を提供する。
【解決手段】超電導線の端部を、液体状態とした低融点の、金属又は合金からなる450℃以下の温度の溶媒に浸漬してマトリックスを溶媒中に溶解して除去する第1工程と、溶媒から超電導線の端部を引き上げ、マトリックスを除去した部分のフィラメントを、固体状態に変化した溶媒で被覆する第2工程と、接続する超電導線の、溶媒で被覆されたフィラメントを重ねた状態で、被覆材を介して、フィラメントの長さ方向に垂直な方向に、10MPa〜200MPaの範囲の加圧力を印加すると同時に、加圧方向と垂直な方向に摩擦摺動を印加することによってフィラメント間に介在する溶媒を排除してフィラメント同士を接合する第3工程とを具備している。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、超電導線の接続方法及び接続装置に関する。
一般に、超伝導マグネット等のコイルに使用される超電導線は、超電導材料であるNb−Ti合金等からなる多数本のフィラメントを、Cu等からなるマトリックス内に包含させた構造とされている。このような超電導線を用いた超電導機器では、超電導線のループに電流が流されるが、超電導線のループの形成には、複数の超電導線同士を接続する必要がある。永久電流モードと呼ばれる電流減衰を極めて小さなレベルまで抑制した状態で電流を流し続けることが要求される機器では、1×10-11Ω以下といった極めて小さい抵抗値となるように、超電導線同士を接続することが必要となる。
一般的に超電導線は、超電導性を有するはんだを用いて接続することができる。このはんだを用いた接続方法では、超電導線を包含する常伝導性のCu等からなるマトリックスや超電導性ではあるが臨界電流の低いはんだを介しての接続となる。このため、はんだを用いた接続方法で永久電流モードを実現するためには、接続部分の長さを長くし、例えば、数メートルにわたって線材同士を接続して、接続面積を大きくすることが必要となる。
そこで、永久電流モードで使用される超電導機器においては、超電導線のフィラメント同士を直接接続する固相拡散接合が行われている。この方法では、接続部のCu等からなるマトリックスを硝酸などの酸又はその溶液によって溶解除去してフィラメントを露出させる。そして、接続するフィラメント同士を組み合わせた後、真空などの雰囲気中において加圧しながら加熱することによって接続する。
また、接続部のCu等からなるマトリックスを酸によって溶解除去してフィラメントを露出させ、接続するフィラメント同士を組み合わせた後、Cuスリーブなどに通して圧着する方法も提案されている。
さらに近年では、Cu等からなるマトリックスを酸又はその溶液で溶解除去する代わりに、超電導線を液体の状態とされたSn等の低融点金属に含浸し、低融点金属中にCu等からなるマトリックスを溶解させる方法も提案されている。この方法では、低融点金属中でCu等からなるマトリックスを溶解させて除去するとともに、フィラメントを低融点金属で包含された状態とする。この後、接続するフィラメントをCuスリーブに入れて低融点金属の融点以上に加熱し、加熱した状態でプレスすることで、フィラメントの表面に付着した低融点金属をフィラメント間から排出し、フィラメントの直接接続を実現しようとするものである。
特開平6−196241号公報
Cu等からなるマトリックスを硝酸などの酸又はその溶液で除去する手法では、フィラメントの表面の酸化が避けられない。酸化膜は接続を阻害するため、接続工程では酸化膜の排除が不可欠となる。
固相拡散接合では、酸化膜を拡散により凝集させることで界面に酸化膜の存在しない領域を形成することができる。しかし、Nb−Ti合金では、αTi相を適当な間隔に分散させて磁気的安定性を高めた組織を形成しているため、酸化膜の拡散と同時にαTi相の粗大化と間隔増大が起こる。このため、拡散速度の大きい高温領域での処理ができず、非常に処理時間が長くなってしまう。特にこの工程は接続部位毎の処理が必要となるため、工程全体に対する影響が大きい。また、圧着接続では、酸化膜を塑性変形で部分的に破壊し、その部分でフィラメントを密着させることで接続を形成する。しかし、同時にフィラメントのくびれが発生するため臨界電流値が低下してしまう。
Cu等からなるマトリックスを低融点金属に溶解する手法では、フィラメントが酸化することなくCu等からなるマトリックスを排除することができる。しかし、代わりに低融点金属がフィラメントを包含した状態となる。このため、低融点金属を排除するために別途、加熱しつつ加圧する工程を行っている。例えばSnに包含されたフィラメントを300℃に加熱した状態でプレスによって加圧し、Snを溶融させて排除する。従って、加熱装置が必要になるとともに、接続部を300℃に加熱するための十分な時間が必要となる。また、低融点金属を排出するには、フィラメントに垂直な方向に約100MPa〜400MPa程度の加圧力を印加する。このため、フィラメントのくびれによる劣化が進行してしまう。
本発明の目的は、臨界電流値の低下を抑制できるとともに、低抵抗で超電導線を接続することのできる超電導線の接続方法及び接続装置を提供することにある。
実施形態の超電導線の接続方法は、超電導物質からなる複数のフィラメントと、複数の前記フィラメントを包含するマトリックスとを有する超電導線の端部を、液体状態とした低融点の、金属又は合金からなる450℃以下の温度の溶媒に浸漬して前記マトリックスを前記溶媒中に溶解して除去する第1工程と、前記溶媒から前記超電導線の端部を引き上げ、前記マトリックスを除去した部分の前記フィラメントを、固体状態に変化した前記溶媒で被覆する第2工程と、接続する前記超電導線の、前記溶媒で被覆された前記フィラメントを重ねた状態で、被覆材を介して、前記フィラメントの長さ方向に垂直な方向に、10MPa〜100MPaの範囲の加圧力を印加すると同時に、加圧方向と垂直な方向に摩擦摺動を印加することによって前記フィラメント間に介在する前記溶媒を排除して前記フィラメント同士を接合する第3工程と、を具備している。
実施形態に係る超電導線の接続装置の構成を模式的に示す図。 実施形態に係る超電導線の接続方法を示すフロー図。 実施形態に係る超電導線の接続方法及び接続装置の構成を模式的に示す図。 インサート材を使用した場合の構成を模式的に示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態における超電導線の接続装置の構成を模式的に示す図である。また、図2は、実施形態における超電導線の接続方法を示すフロー図であり、図3は、実施形態における超電導線の接続方法及び接続装置の構成を模式的に示す図である。
本実施形態では、超電導物質からなる複数のフィラメントと、これらの複数のフィラメントを含有するCuまたはCu合金からなるマトリックスとを有する超電導線を接続する場合について説明する。
まず、図1を参照して実施形態に係る超電導線の接続装置の構成について説明する。図1に示すように、超電導線の接続装置100は、溶媒収容部110と、摩擦摺動接続部120とを具備している。
溶媒収容部110は、溶媒槽111を具備しており、この溶媒槽111内には、液体状態とした低融点の、金属又は合金からなる溶媒112が収容されている。溶媒槽111には、ヒータ等からなる温度調節機構113が配設されており、この温度調節機構113によって、溶媒112を450℃以下の所定の温度、例えば、250℃〜450℃に維持できるようになっている。
摩擦摺動接続部120は、超電導線を支持するための台座121と、台座121の上部に台座121と対向するように配設された加圧治具122を具備している。加圧治具122は、加圧機構123に接続されており、加圧治具122を上下動させることによって、所定の加圧力(本実施形態では、10MPa〜100MPaの範囲の加圧力)で台座121上に載置された超電導線をその長さ方向に垂直な方向(図中矢印A方向)に加圧できるようになっている。なお、本実施形態では、下側に配置された台座121を固定し、上側に配置された加圧治具122を上下動させる構成となっているが、下側の台座121を上下動させる構成としても、加圧治具122と台座121の双方を上下動させる構成としてもよい。
なお、台座121と加圧治具122との間には、超電導線のフィラメントを幅方向において挟持するための図示しない挟持機構が配設されており、この挟持機構によってフィラメントを挟持した状態で、台座121と、挟んだ幅より僅かに狭い幅の加圧治具122とによってフィラメントに加圧力が印加される。
また、台座121及び加圧治具122には、加圧方向と直行する方向(図中矢印B方向)に摩擦摺動を印加する摩擦摺動機構として、それぞれ超音波発生装置124が配設されている。超音波発生装置124等の摩擦摺動機構は、台座121及び加圧治具122の少なくとも一方に配設されていればよい。
次に、図2,3を参照して、実施形態に係る超電導線の接続方法について説明する。本実施形態に係る超電導線の接続方法では、まず図2に示すS1の工程(第1工程)を行う。この第1工程では、図3(a)に示すように、接続を行う超電導線101の端部を、液体状態とした低融点の、金属又は合金からなる250℃〜450℃の温度の溶媒112に浸漬する。そして、超電導線101の端部(接続を行う部分)のマトリックス102を溶媒112中に溶解して除去する。このマトリックス102を除去する部分の長さは、数十ミリ程度、例えば、50mm程度とする。
次に、図2に示すS2の工程(第2工程)を行う。この第2工程では、図3(b)に示すように、溶媒112から超電導線101の端部を引き上げ、マトリックス102を除去した部分のフィラメント103を、固体状態に変化した溶媒112aで被覆する。
次に、図2に示すS3の工程(第3工程)を行う。この第3工程では、図3(c)に示すように、接続する超電導線101の、固体状態に変化した溶媒112aで被覆されたフィラメント103を重ねた状態で、フィラメント103の周囲に被覆材104を配設する。被覆材104としては、例えば、箔状の導体、例えば銅箔を用いることができる。この場合、被覆材104で挟む、或いは被覆材104で包むようにして、フィラメント103の周囲に被覆材104を配設する。
そして、この状態でフィラメント103を摩擦摺動接続部120の台座121上に配置し、図示しない挟持機構によって固定する。そして、加圧機構123及び加圧治具122によって、被覆材104を介して、フィラメント103の長さ方向に垂直な方向(図中矢印A方向)に、10MPa〜100MPaの範囲の加圧力を印加する。これとともに、超音波発生装置124によって加圧方向と直行する方向(図中矢印B方向)に摩擦摺動を印加する。この加圧と摩擦摺動により、フィラメント103間に介在する固体状態に変化した溶媒112aを排除して、フィラメント103同士を接合する。
上記のように、フィラメント103に摩擦摺動が印加されると、フィラメント103間に介在する固体状態に変化した溶媒112aには、せん断応力が加えられるが、通常、低融点金属は低い応力から塑性流動するため、フィラメント103間から排除されて行く。このように、本実施形態においては、固体状態に変化した溶媒112aの排出は主としてフィラメント103界面のせん断方向に働く摩擦摺動力によって引き起こされる。そして、フィラメント103界面に対して垂直方向からの加圧力は、フィラメント103同士を接触させるのに必要な加圧力に留められている。このため、高い加圧力を印加することによるフィラメントの過度な接触に伴うくびれにより生じる臨界電流の劣化を抑制することができる。
(実施例)
以下、実施例について説明する。
実施例に用いた超電導線101は、複数のNb−Ti合金からなるフィラメント103と、これを包含するCuからなるマトリックス102とから構成されている。この超電導線101を樹脂製の巻き枠にコイル状に巻き付け、巻き枠から引き出された両端を接続した。超電導線101の両端の接続は、例1〜12について実施した。なお、表1に例1〜12の接続の条件、評価結果を示す。
Figure 2018060700
(マトリクスの除去工程)
例1〜12のうち、例11以外は、超電導線101の端部を、加熱されて液体状態とされた溶媒112(Sn浴)に浸漬し、十分マトリックス102が溶解した時点で溶媒112から引き出した。この際フィラメント103の表面は完全に固体化した溶媒112a(Sn)で被覆されていた。一方、例11では、濃硝酸に浸漬することでマトリックス102を除去し、フィラメント103を露出させた。この例11の場合、分析機能付きの透過電子顕微鏡を用いて確認したところ、フィラメント103の表面が極薄い酸化膜で覆われていた。
(接続工程)
マトリックス102を除去した部分におけるフィラメント103同士の接続は、例1〜11では、摩擦摺動によって実施した。この場合、接続する2つのフィラメント103同士を重ねこれらを被覆材104(Cu箔)で被覆した状態で摩擦摺動接続部120の台座121に載せ、幅方向から挟持して固定した。そして、挟持した治具の間の間隔より僅かに狭い幅の加圧治具122でフィラメント103に加圧力を印加した。また、加圧治具122と台座121にそれぞれ超音波発生装置124から1500Wの超音波振動を印加することによって加圧治具122と台座121との間に摩擦摺動を加えた。超音波発生装置124からの超音波振動の周波数は20MHzとしたが、例えば15〜200MHz程度の周波数の超音波振動を使用することができる。
一方、例12では、加熱・加圧によってフィラメント103同士の接続を行った。例12の場合、マトリックス102を除去するとともにフィラメント103をSnで包含した2つのフィラメント103同士を重ねこれらを被覆材104(Cu箔)で被覆した状態で、ヒータ付きプレス上の台座に載せ、幅方向から挟持可能な治具によって挟持して固定した。そして、300℃まで加熱した後、挟持した治具の間の間隔より僅かに狭い幅の加圧治具でフィラメントに加圧力400MPaを印加した。
(インサート材)
例7のみインサート材105を用いた。この場合、図4に示すように、被覆材104(Cu箔)で被覆する前に、インサート材105としてのNb−Ti箔でフィラメント103を被覆し、その上から被覆材104(Cu箔)で被覆した。
(評価方法)
作製した例1〜12について、液体ヘリウムによって4Kまで冷却し、外部磁場によってコイルに誘導電流を印加した後一定時間放置し、電流の減衰から抵抗値を求めた。また、抵抗値が10−11Ω以下で良好な例及び例12については、臨界電流値も求めた。表1には、抵抗値が10−11Ω以下の場合、○印で、それより高い場合を×印で示している。臨界電流値については、相対的な比較により非常に良好な場合を◎印、良好な場合を○印、他に比べて劣る場合を×印で示している。
(Sn浴(溶媒112)の温度)(例1〜3,8)
Sn浴の温度を、例1〜3ではそれぞれ250℃、350℃、450℃、例8では500℃とした。この後、加圧力を50MPaとし、摩擦摺動により接続した。例1〜3ではいずれも抵抗値が10-11Ω以下となり、臨界電流値も良好な結果が得られた。一方、Sn浴の温度を500℃とした例8では抵抗値が10-9Ωオーダーとなり、抵抗値が高くなった。従って、Sn浴の温度は、溶媒の融点〜450℃とすることが好ましい。
また、Sn浴の温度を250℃とした例1では、マトリックス102の除去に6時間を要したが、Sn浴の温度を350℃とした例2、Sn浴の温度を450℃とした例3では、1時間以内にマトリックス102の除去が完了した。このため、Sn浴の温度は、350〜450℃とすることがさらに好ましい。
(接続の際の加圧力)(例4〜6,9,10)
例4〜6,9,10では、摩擦摺動による接続の際の加圧力を、例4は10MPa、例5は50MPa、例6は100MPaとし、例9では、5MPa、例10では200MPaとした。
例4〜6ではいずれも抵抗値が10-11Ω以下となり、臨界電流についても良好な結果が得られた。一方、加圧力を5MPaとした例9では、加圧力が過小なため十分なせん断力が得られず、Snの排出が不完全となり、フィラメント間の一部にSnが残留し、抵抗値も10-9Ωオーダーとなった。加圧力を200MPaとした例10では、加圧力が大きいため、フィラメントのくびれが大きく、臨界電流が例4の1/10以下となり、抵抗値についても良好な結果が得られなかった。以上の結果から、接続の際の加圧力は、10〜100MPaの範囲とすることが好ましい。
(硝酸に浸漬によるCuマトリックスの除去)(例11)
マトリックスの除去を、硝酸に浸漬して溶解除去する従来の手法で行った例11では、前述したとおり、フィラメントの表面が極薄い酸化膜で覆われていた。この例11について、加圧力50MPaにて摩擦摺動により接続し、評価を実施した。例11の抵抗値は10-9Ωオーダーとなり、抵抗値を十分に低下させることができなかった、
(加熱・加圧による接合)(例12)
加熱・加圧によってフィラメント同士の接続を行った例12では、抵抗値は10-9Ωオーダーとなり、フィラメントのくびれも大きく、臨界電流が例4の1/5以下となった。
(インサート材)(例7)
例7では、接続抵抗は10-11Ω以下となり、良好な結果が得られた。また、臨界電流値も例2の2倍まで増大し、より望ましい結果となった。
以上説明した例1〜12のうち、実施例は、例1〜7であり、より好ましい実施例は、例2〜7、最も好ましい実施例は例7である。
なお、超電導線101のフィラメント103はNb−Ti合金に限らず、他の合金、例えばNb−Snであっても同様の効果が得られる。また、以上の実施例では低融点金属としてSnを用いたが、Inを用いても同様の効果が得られる。また、融点が450℃以下で、350〜450℃の範囲におけるCuの最大溶解度が5重量%以上の金属または合金であれば、Cuの溶解除去が可能であり、同様の効果が得られる。さらに、超電導線101のマトリックス102としては、Cuの他、例えばCu−NiなどのCu合金でもよい。さらに、摩擦摺動の印加については、超音波発振器以外に磁歪素子などを利用するものであってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100……超電導線の接続装置、101……超電導線、102……マトリックス、103……フィラメント、104……被覆材、105……インサート材、110……溶媒収容部、111……溶媒槽、112……溶媒、113……温度調節機構、120……摩擦摺動接続部、121……台座、122……加圧治具、123……加圧機構、124……超音波発生装置。

Claims (9)

  1. 超電導物質からなる複数のフィラメントと、複数の前記フィラメントを包含するマトリックスとを有する超電導線の端部を、液体状態とした低融点の、金属又は合金からなる450℃以下の温度の溶媒に浸漬して前記マトリックスを前記溶媒中に溶解して除去する第1工程と、
    前記溶媒から前記超電導線の端部を引き上げ、前記マトリックスを除去した部分の前記フィラメントを、固体状態に変化した前記溶媒で被覆する第2工程と、
    接続する前記超電導線の、前記溶媒で被覆された前記フィラメントを重ねた状態で、被覆材を介して、前記フィラメントの長さ方向に垂直な方向に、10MPa〜100MPaの範囲の加圧力を印加すると同時に、加圧方向と垂直な方向に摩擦摺動を印加することによって前記フィラメント間に介在する前記溶媒を排除して前記フィラメント同士を接合する第3工程と、
    を具備したことを特徴とする超電導線の接続方法。
  2. 前記溶媒の温度が350〜450℃であることを特徴とする請求項1記載の超電導線の接続方法。
  3. 前記超電導物質がNb−Ti合金からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線の接続方法。
  4. 前記マトリックスが、CuまたはCu合金からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の超電導線の接続方法。
  5. 前記低融点の金属または合金が、Sn、Inまたはこれらを含む合金であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の超電導線の接続方法。
  6. 前記被覆材が、箔状のCuまたはCu合金であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の超電導線の接続方法。
  7. フィラメントと前記被覆材の間に、Nb−Ti合金のインサート材を介在させることを特徴とする請求項6記載の超電導線の接続方法。
  8. 前記摩擦摺動を、超音波発振器により印加することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の超電導線の接続方法。
  9. 超電導物質からなる複数のフィラメントと、複数の前記フィラメントを包含するマトリックスとを有する超電導線同士を接続する超電導線の接続装置であって、
    液体状態とした低融点の、金属又は合金からなる溶媒を収容可能とされ、前記溶媒の温度を450℃以下の温度に温調する温度制御機構を具備した溶媒収容部と、
    接続する前記超電導線の、固体状態に変化した前記溶媒で被覆された前記フィラメントを重ねた状態で支持し、前記フィラメントの長さ方向に垂直な方向に、10MPa〜100MPaの範囲の加圧力を印加する加圧機構と、加圧方向と直行する方向に摩擦摺動を印加する摩擦摺動機構と、を有する接続部と、
    を具備したことを特徴とする超電導線の接続装置。
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