JP4560185B2 - 電線付き導体薄膜シートと電線付き導体薄膜シートの製造方法 - Google Patents

電線付き導体薄膜シートと電線付き導体薄膜シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄い導体層と薄い絶縁層とを有し該導体層に電線の芯線が接合した電線付き導体薄膜シート及び該電線付き導体薄膜シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体としての自動車には、搭載される種々のランプや種々のモータなどの電子機器にバッテリなどの電源から電極を供給したり制御装置から制御信号を送ったりするためにワイヤハーネスが配索されている。前述したワイヤハーネスは複数の電線などを備えている。
【0003】
これらの電線には、それぞれの芯線に外部からのノイズが侵入することを防止するために、シールド電線が用いられることがある。シールド電線は、導電性を有する編組からなるシールド部を備えている。このシールド部が、前記芯線内にノイズが侵入することを防止する。
【0004】
ここで、近年、前述したワイヤハーネスの低コスト化を図ることが望まれている。このために、前記シールド部を備えない電線を複数本束ね、これらの複数本の電線に薄膜の導体層を有する導体薄膜シートを巻き付けて、ワイヤーハーネスを構成することが提案されている。このような構成にすることによって、低コスト化とノイズの侵入防止とを図ることが提案されている。また、このような構成においても、前記ノイズを取り出すために、前記導体層にアース電線または端子などを取り付ける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記導体層は、電線に巻き付けるために可撓性を有する必要が生じ、比較的薄く形成されることが望まれる。このため、前記導体層にアース電線などを取り付けるために、導体薄膜シートに孔を開けて、該孔に前述したアース電線などの端部を通した後、ワッシャ、ボルト、ナットなどを用いて導体薄膜シートとアース電線とを接続することが考えられる。
【0006】
この場合、前記アース電線の被覆部の一部を除去するなどの皮むき作業が必要となるなどの、組み立てにかかる工数が増加することが考えられる。また、ワッシャ、ボルト、ナットなどの部品が必要になるので、部品点数が増加する。したがって、コストが高騰することが考えられる。さらに、前述したボルトとナットなどを締め付ける際に、導体層が破損して、確実に前述したアース電線を導体層に接続できないことが考えられる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、薄膜の導体層に電線を確実に接続できかつ低コストな電線付き導体薄膜シート及び該電線付き導体薄膜シートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電線付き導体薄膜シートは、導体層と前記導体層に積層された絶縁層とを有する導体薄膜シートと、導電性を有する一本の芯線と前記芯線を被覆する絶縁性を有する被覆部とを備えた電線と、を備え、前記電線の端部が導体薄膜シートの平面でU字状に曲げられて当該導体薄膜シートに重ねられ、かつU状に曲げられた部分を挟んだ2箇所で前記電線の芯線と前記導体薄膜シートの導体層とが互いに接合していることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の本発明の電線付き導体薄膜シートは、請求項1に記載の電線付き導体薄膜シートにおいて、前記U状に曲げられた部分を挟んだ2箇所で前記導体薄膜シートの絶縁層と前記電線の被覆部とが互いに溶着していることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の本発明の電線付き導体薄膜シートは、請求項1又は請求項2に記載の電線付き導体薄膜シートにおいて、前記導体薄膜シートの導体層がアルミまたはアルミニウム合金を含んでおり、前記電線の芯線が銅または銅合金を含んでおり、前記導体薄膜シートの絶縁層と前記電線の被覆部とはそれぞれ合成樹脂からなることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の本発明の電線付き導体薄膜シートは、請求項1又は請求項2に記載の電線付き導体薄膜シートにおいて、前記導体薄膜シートの導体層は銅または銅合金を含みかつ外表面にすずまたはすず合金からなるメッキ層が形成されており、前記電線の芯線が銅または銅合金を含んでおり、前記導体薄膜シートの絶縁層と前記電線の被覆部とはそれぞれ合成樹脂からなることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の本発明の電線付き導体薄膜シートの製造方法は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の電線付き導体薄膜シートの製造方法において、前記導体薄膜シートの絶縁層に前記電線の被覆部を重ねて超音波溶着を行うことで、前記導体薄膜シートの導体層と前記電線の芯線とを互いに接合することを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の本発明の電線付き導体薄膜シートの製造方法は、請求項5に記載の電線付き導体薄膜シートの製造方法において、前記絶縁層と前記被覆部とを互いに近づける方向に加圧した後、徐々に加圧した力を弱めながら前記超音波溶着を行うことを特徴としている。
【0015】
請求項1に記載した本発明の電線付き導体薄膜シートによれば、導体薄膜シートの導体層に電線の芯線が接合されているので、部品点数が増加することを防止できる。
電線の端部がU字状に曲げられかつ前記端部に位置する被覆部と芯線とが、それぞれ絶縁層に溶着しているとともに導体層に接合している。このように、導体層と芯線との接合箇所の面積を増加させているので、導体層と芯線との接合箇所の機械的な強度をより一層向上させる。
【0016】
請求項2に記載した本発明の電線付き導体薄膜シートによれば、導体薄膜シートの絶縁層と電線の被覆部とが互いに溶着しているので、導体層と芯線との接合箇所の機械的な強度を向上させる。
【0018】
請求項3及び請求項4に記載した本発明の電線付き導体薄膜シートによれば、導体薄膜シートの導体層に電線の芯線が接合されているので、部品点数が増加することを防止できる。
【0019】
請求項5に記載した本発明の電線付き導体薄膜シートの製造方法によれば、導体薄膜シートの絶縁層に電線の被覆部を重ねて超音波溶着を行うので、導体薄膜シートに電線を取り付ける際に電線の被覆部を皮むきするなどの作業を行う必要が生じない。
【0020】
また、超音波溶着を行って、導体層と芯線とを接合させるので、導体薄膜シートに電線を取り付ける際に必要な部品点数が増加することを防止できる。さらに、超音波溶着を行って導体薄膜シートに電線を取り付けるので、超音波溶着を行う際に生じる摩擦熱によって、絶縁層と被覆部とが溶けて互いに溶着する。なお、超音波溶着中では、薄膜導体シートと電線とを互いに近づける方向に加圧する力を一定に保っても良く、変化させても良い。
【0021】
請求項6に記載した本発明の電線付き導体薄膜シートの製造方法によれば、絶縁層と被覆部とを互いに近づける方向に加圧する力を弱めながら超音波溶着を行うので、超音波溶着によって生じる摩擦熱が高くなると前述した加圧する力を徐々に弱くすることとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態にかかる電線付き導体薄膜シートを、図1ないし図4を参照して説明する。電線付き導体薄膜シート1は、図1及び図2に示すように、導体薄膜シートとしてのアルミラミネートシート(以下ALSと呼ぶ)2と、電線としての被覆電線3と、を備えている。
【0023】
ALS2は、薄い導体層4と、薄い絶縁層7と、を備えて、比較的薄いシート状に形成されている。導体層4は、導電性を有する金属からなる。導体層4は、可撓性を有している。導体層4は、少なくともアルミニウムまたはアルミニウム合金を含んでいる。絶縁層7は、第1絶縁層5と、第2絶縁層6と、を備えている。
【0024】
第1絶縁層5は、絶縁性を有する合成樹脂からなりかつALS2に積層されている。第1絶縁層5は、可撓性を有しかつポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate:PET)などからなる。第2絶縁層6は、絶縁性を有する合成樹脂からなりかつ第1絶縁層5に積層されている。第2絶縁層6は、可撓性を有しかつポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride:PVC)などからなる。
【0025】
被覆電線3は、断面形状が丸形に形成されている。被覆電線3は、断面丸形の芯線10と、この芯線10を被覆する被覆部11と、を備えている。芯線10は、導電性を有する金属からなる。芯線10は、可撓性を有している。芯線10は、少なくとも銅または銅合金を含んでいる。被覆部11は、絶縁性を有する合成樹脂からなる。被覆部11は、可撓性を有しかつポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride:PVC)などからなる。
【0026】
電線付き導体薄膜シート1は、被覆電線3の一部分3aに位置する被覆部11が絶縁層7と溶着し、かつ前記一部分3aに位置する芯線10が導体層4に金属結合した状態で接合している。電線付き導体薄膜シート1は、被覆電線3の一部分3aと、ALS2とが、超音波溶着機によって互いに固定されて得られる。なお、図示例では、前記一部分3aは、被覆電線3の端部に位置しており、本明細書に記した端部をなしている。
【0027】
超音波溶着機は、図3及び図4に示すように、チップ20と、このチップ20に相対するアンビル21と、図示しない発振機と、振動子と、コーンと、ホーンなどを備えている。超音波溶着機は、チップ20とアンビル21との間に互いに溶着する溶着対象物を挟み、これらのチップ20とアンビル21とを互いに近づける方向に加圧した状態で、発振機で振動子を振動させてこの振動をコーン、ホーン経由でチップ20に伝える。そして、超音波溶着機は、チップ20とアンビル21との間に挟んだ溶着対象物に超音波振動を加えて摩擦熱で該対象物を溶着させる。
【0028】
前記電線付き導体薄膜シート1を製造する際、即ち、ALS2と被覆電線3とを互いに固定する際には、まず、図3に示すように、チップ20とアンビル21との間にALS2と被覆電線3とを挟む。このとき、絶縁層7に被覆部11を重ね、かつアンビル21にALS2を載置し、被覆電線3にチップ20を当接させる。
【0029】
そして、図3中の矢印P1,P2に沿ってチップ20とアンビル21とを互いに近づける方向に加圧した後、発振機で振動子を振動させてこの振動をコーン、ホーン経由でチップ20に伝える。前述した加圧する力を一定に保ったまま、発振機の振動をチップ20に伝える。ALS2被覆電線3との間に、前述した振動に応じた摩擦熱が生じて、まず、絶縁層7及び被覆部11が溶ける。
【0030】
チップ20とアンビル21とが互いに近づく方向に加圧されているので、絶縁層7及び被覆部11が溶けると、導体層4と芯線10が接触する。互いに接触すると、導体層4と芯線10とは前述した摩擦熱によって溶融しない状態で固相のまま互いに金属結合する。
【0031】
即ち、導体層4と芯線10とは、いわゆる超音波溶着(超音波溶接または超音波接合ともいう)によって互いに接合される。絶縁層7と被覆部11とが互いに溶着し、かつ導体層4と芯線10とが互いに接合した前述した構成の電線付き導体薄膜シート1を得る。
【0032】
このように得られた電線付き導体薄膜シート1は、ワイヤハーネスを構成する複数束ねられた電線にALS2が巻かれるなどして、前記複数束ねられた電線のシールドを行う。また、前記被覆電線3は、所望のアース回路などと接続される。
【0033】
本実施形態によれば、超音波溶着によって導体層4と芯線10とが互いに接合されているので、ALS2に被覆電線3を取り付ける際にかかる工数及び部品点数の増加を抑制できる。したがって、電線付き導体薄膜シート1のコストの高騰を抑制できる。
【0034】
また、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねているため、ALS2に取り付ける際に、被覆電線3の一部分3aなどの被覆部11を除去する必要が生じない。即ち、被覆電線3を皮むきする必要が生じないので、ALS2に被覆電線3を取り付ける際にかかる工数をより一層抑制できる。したがって、電線付き導体薄膜シート1のコストの高騰をより一層抑制できる。
【0035】
超音波溶着によって導体層4と芯線10を接合する際に、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねている。このため、導体層4に被覆電線3を重ねて超音波溶着を行う場合と比較して、導体層4が破損することを防止できる。したがって、被覆電線3をALS2に確実に接続できる。
【0036】
また、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねているため、超音波溶着を行う際の摩擦熱によって絶縁層7と被覆部11とが溶けて互いに溶着している。
このため、導体層4と芯線10とを例えばワイヤボンディングなどによって互いに電気的に接続する場合などと比較して、導体層4と芯線10との接合箇所の機械的な強度を向上させることができる。したがって、被覆電線3をALS2に確実に接続できる。
【0037】
さらに、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねて絶縁層7と被覆部11とを互いに溶着させているため、互いに接合しずらいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導体層4と、銅または銅合金からなる芯線10とを、確実に固定できる。したがって、被覆電線3をALS2により確実に接続できる。
【0038】
さらに、被覆電線3が断面丸形に形成されているので、チップ20とアンビル21とを互いに近づける力が、ALS2と被覆電線3とが互いに接触する箇所に集中することとなる。このため、摩擦熱によって溶けた絶縁層4及び被覆部11とが、導体層4と芯線10との間から速やかに除去される。導体層4と芯線10とが確実に接合する。したがって、ALS2に被覆電線3をより一層確実に接続できる。
【0039】
また、被覆電線3は、図5に示すように、その一部分3aがU字状に曲げられた状態で、超音波溶着機によって、ALS2に取り付けられても良い。図5に示す場合では、U字状に曲げられた一部分3aの二箇所に、導体層4と芯線10とが互いに接合された接合箇所を形成している。この場合でも、絶縁層7に被覆電線3を重ねて、超音波溶着が行われる。さらに、前述した二箇所の接合箇所のうち一箇所ずつ接合が行われても良く、二箇所同時に接合が行われても良い。
【0040】
この場合、部品点数と所要の工数を抑制してコストを抑制でき、かつ被覆電線3をALS2に確実に接続できることにくわえ、被覆電線3の一部分3aがU字状に曲げられているので、ALS2と被覆電線3との接合箇所の面積を増加させることが可能となる。したがって、ALS2と被覆電線3との接合箇所の機械的な強度をより一層向上させることが可能となって、ALS2に被覆電線3をより一層確実に固定できる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施形態にかかる電線付き導体薄膜シート1を、図6を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、導体薄膜シートとしてすずメッキ付き銅ラミネートシート2aを用いている。すずメッキ付き銅ラミネートシート2aは、互いに積層された導体層4とメッキ層12と前述した絶縁層7を備えている。
【0043】
導体層4は、少なくも銅又は銅合金を含んでいる。メッキ層12は導体層4の外表面に形成されている。メッキ層12は少なくもすず又はすず合金を含んでいる。すずメッキ付き銅ラミネートシート2aは、図6では、下から順にメッキ層12と導体層4と第1絶縁層5と第2絶縁層6とが積層されて形成されている。
【0044】
本実施形態の電線付き導体薄膜シート1も、前述した第1の実施形態と同様にチップ20とアンビル21とを備えた超音波溶着機を用いて、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aと被覆電線3とが接続される。このとき、電線付き導体薄膜シート1は、第2絶縁層6に被覆部11即ち被覆電線3が重ねられる。超音波溶着されて、導体層4と芯線10とが互いに接合しかつ絶縁層7と被覆部11とが互いに溶着する。
【0045】
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様に、超音波溶着によって導体層4と芯線10とが互いに接合されているので、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aに被覆電線3を取り付ける際にかかる工数及び部品点数の増加を抑制できる。したがって、電線付き導体薄膜シート1のコストの高騰を抑制できる。
【0046】
また、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねているため、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aに取り付ける際に、被覆電線3の一部分3aなどの被覆部11を除去する必要が生じない。即ち、被覆電線3を皮むきする必要が生じないので、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aに被覆電線3を取り付ける際にかかる工数をより一層抑制できる。したがって、電線付き導体薄膜シート1のコストの高騰をより一層抑制できる。
【0047】
超音波溶着によって導体層4と芯線10を接合する際に、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねている。このため、導体層4に被覆電線3を重ねて超音波溶着を行う場合と比較して、導体層4が破損することを防止できる。さらに、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねているため、導体層4の表面に芯線10と接合しずらいすずなどからなるメッキ層12が形成されていても、このメッキ層12の影響を受けることなく被覆電線3をすずメッキ付き銅ラミネートシート2aに確実に接続できる。
【0048】
また、絶縁層7に被覆部11即ち被覆電線3を重ねているため、超音波溶着を行う際の摩擦熱によって絶縁層7と被覆部11とが溶けて互いに溶着している。
このため、導体層4と芯線10とを例えばワイヤボンディングなどによって互いに電気的に接続する場合などと比較して、導体層4と芯線10との接合箇所の機械的な強度を向上させることができる。したがって、被覆電線3をすずメッキ付き銅ラミネートシート2aに確実に接続できる。
【0049】
さらに、被覆電線3が断面丸形に形成されているので、チップ20とアンビル21とを互いに近づける力が、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aと被覆電線3とが互いに接触する箇所に集中することとなる。このため、摩擦熱によって溶けた絶縁層4及び被覆部11とが、導体層4と芯線10との間から速やかに除去される。導体層4と芯線10とが確実に接合する。したがって、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aに被覆電線3をより一層確実に接続できる。
【0050】
また、被覆電線3は、前述した第1の実施形態と同様に、一部分3aがU字状に曲げられた状態で、超音波溶着機によって、すずメッキ付き銅ラミネートシート2aに取り付けられても良い。
【0051】
また、前述した第1及び第2の実施形態では、一本の芯線10を有する被覆電線3とALS2またはすずメッキ付き銅ラミネートシート2aとを互いに固定しているが、本発明では、複数の導線が互いに撚られてなる撚線とこの撚線を被覆する被覆部とを有する被覆電線をALS2またはすずメッキ付き銅ラミネートシート2aに固定するようにしても良い。なお、この場合、導体層4と前記撚線とが互いに接合されることとなる。
【0052】
さらに、前述した第1及び第2の実施形態では、超音波溶着中にチップ20とアンビル21とを加圧する力を一定に保っている。しかしながら、本発明では、超音波溶着中に、時間の経過とともに前述した力を徐々に弱めても良い。この場合、摩擦熱によって薄い導体層4が溶けるなどの破損することを防止できる、したがって、ALS2またはすずメッキ付き銅ラミネートシート2aに被覆電線3をより確実に接続できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、導体薄膜シートの導体層に電線の芯線が接合されているので、部品点数が増加することを防止できる。したがって、コストの高騰を抑制できる。導体薄膜シートの導体層に電線の芯線が接合されているので、導体薄膜シートの導体層に確実に電線を接続できる。
電線の端部がU字状に曲げられかつ前記端部に位置する被覆部と芯線とが、それぞれ絶縁層に溶着しているとともに導体層に接合している。このように、導体層と芯線との接合箇所の面積を増加させているので、導体層と芯線との接合箇所の機械的な強度をより一層向上させる。したがって、コストの高騰を抑制できることにくわえ、導体薄膜シートの導体層により一層確実に電線を接続することができる。
【0054】
請求項2に記載の本発明によれば、導体薄膜シートの絶縁層と電線の被覆部とが互いに溶着しているので、導体層と芯線との接合箇所の機械的な強度を向上させる。したがって、コストの高騰を抑制できることにくわえ、導体薄膜シートの導体層により確実に電線を接続することができる。
【0056】
請求項3に記載の本発明によれば、導体薄膜シートの導体層に電線の芯線が接合されているので、部品点数が増加することを防止できる。したがって、コストの高騰を抑制できるとともに、導体薄膜シートの導体層に確実に電線を接続できる。
【0057】
請求項4に記載の本発明によれば、導体薄膜シートの導体層に電線の芯線が接合されているので、部品点数が増加することを防止できる。したがって、コストの高騰を抑制できるとともに、導体薄膜シートの導体層に確実に電線を接続できる。
【0058】
請求項5に記載の本発明によれば、導体薄膜シートの絶縁層に電線の被覆部を重ねて超音波溶着を行うので、導体薄膜シートに電線を取り付ける際に電線の被覆部を皮むきするなどの作業を行う必要が生じない。このため、製造にかかる工数を抑制できる。また、超音波溶着を行って、導体層と芯線とを接合させるので、導体薄膜シートに電線を取り付ける際に必要な部品点数が増加することを防止できる。したがって、電線付き導体薄膜シートのコストの高騰を抑制できる。
【0059】
また、超音波溶着を行って導体薄膜シートに電線を取り付けるので、超音波溶着を行う際に生じる摩擦熱によって、絶縁層と被覆部とが溶けて互いに溶着する。したがって、導体層と芯線との接合箇所の機械的な強度を向上でき、導体薄膜シートの導体層に確実に電線を接続できる。
【0060】
さらに、超音波溶着を行って導体薄膜シートに電線を取り付けるので、導体層がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、芯線が銅または銅合金からなって、融接法及びろう付けなどの溶接方法によって互いに固定しずらい場合でも、導体層と芯線とを確実に接合できる。導体層の外表面に、前記芯線が接合しずらいすずなどを含んだメッキ層が形成されていても、導体層と芯線とを確実に接合できる。
【0061】
請求項6に記載の本発明によれば、絶縁層と被覆部とを互いに近づける方向に加圧する力を弱めながら超音波溶着を行うので、超音波溶着によって生じる摩擦熱が高くなると前述した加圧する力を徐々に弱くすることとなる。このため、超音波溶着を行う際に生じる摩擦熱などによって、導体層が溶けるなどして破損することを防止できる。したがって、導体薄膜シートの導体層により一層確実に電線を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる電線付き導体薄膜シートを示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線に沿った断面図である。
【図3】同実施形態の被覆電線と導体薄膜シートとを互いに固定する前の状態を示す断面図である。
【図4】同実施形態の被覆電線と導体薄膜シートとを互いに固定した後の状態を示す断面図である。
【図5】同実施形態の電線付き導体薄膜シートの変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる電線付き導体薄膜シートの断面図である。
【符号の説明】
1 電線付き導体薄膜シート
2 ALS(導体薄膜シート)
2a すずメッキ付き銅ラミネートシート(導体薄膜シート)
3 被覆電線(電線)
3a 一部分(端部)
4 導体層
7 絶縁層
10 芯線
11 被覆部

Claims (6)

  1. 導体層と前記導体層に積層された絶縁層とを有する導体薄膜シートと、
    導電性を有する一本の芯線と前記芯線を被覆する絶縁性を有する被覆部とを備えた電線と、を備え、
    前記電線の端部が導体薄膜シートの平面でU字状に曲げられて当該導体薄膜シートに重ねられ、かつU状に曲げられた部分を挟んだ2箇所で前記電線の芯線と前記導体薄膜シートの導体層とが互いに接合していることを特徴とする電線付き導体薄膜シート。
  2. 前記U状に曲げられた部分を挟んだ2箇所で前記導体薄膜シートの絶縁層と前記電線の被覆部とが互いに溶着していることを特徴とする請求項1記載の電線付き導体薄膜シート。
  3. 前記導体薄膜シートの導体層がアルミまたはアルミニウム合金を含んでおり、
    前記電線の芯線が銅または銅合金を含んでおり、
    前記導体薄膜シートの絶縁層と前記電線の被覆部とはそれぞれ合成樹脂からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線付き導体薄膜シート。
  4. 前記導体薄膜シートの導体層は銅または銅合金を含みかつ外表面にすずまたはすず合金からなるメッキ層が形成されており、
    前記電線の芯線が銅または銅合金を含んでおり、
    前記導体薄膜シートの絶縁層と前記電線の被覆部とはそれぞれ合成樹脂からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線付き導体薄膜シート。
  5. 前記導体薄膜シートの絶縁層に前記電線の被覆部を重ねて超音波溶着を行うことで、前記導体薄膜シートの導体層と前記電線の芯線とを互いに接合することを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の電線付き導体薄膜シートの製造方法。
  6. 前記絶縁層と前記被覆部とを互いに近づける方向に加圧した後、徐々に加圧した力を弱めながら前記超音波溶着を行うことを特徴とする請求項5記載の電線付き導体薄膜シートの製造方法。
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