JPH11290307A - X線診断装置 - Google Patents

X線診断装置

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JPH11290307A
JPH11290307A JP10102978A JP10297898A JPH11290307A JP H11290307 A JPH11290307 A JP H11290307A JP 10102978 A JP10102978 A JP 10102978A JP 10297898 A JP10297898 A JP 10297898A JP H11290307 A JPH11290307 A JP H11290307A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの装置で回転撮影、ディジタル断層像、
三次元再構成、拡大撮影等の様々なイメージングを、解
像度の劣化や計算時間の増加を引き起こすことなく可能
とする。 【解決手段】 Cアーム4の両端部にX線発生部2と、
固体X線感応素子で形成された固体X線検出器3とを設
け、検出器回転機構6により、例えば画像再構成領域の
画素の並びに沿った断面に平行となるように固体X線検
出器3を回転駆動してX線入射角度を調整する。これに
より、1つの装置で回転撮影、ディジタル断層撮影、三
次元再構成等の様々なイメージングを可能とすることが
できるうえ、X線入射角度の調整により所望の拡大率で
の撮影を可能とすることができる。また、非線形変換処
理のためのリサンプリングを不要として、解像度の劣化
や計算時間の増加を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばX線診断装
置等に設けて好適なX線診断装置に関し、特に、X線検
出手段としてX線平面検出器を設け、このX線平面検出
器のX線入射角度を可変可能とすることにより、演算時
間や画質劣化を生ずることなく1台の装置で断層撮影、
回転撮影等をはじめ、様々な撮影を可能とすると共に、
X線平面検出器を用いながらにして任意の倍率での撮影
を可能としたX線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば略Cの字形状を有するCア
ームの両端部にX線源及びX線検出器を設けた循環器用
のX線診断装置が知られている。このX線診断装置にお
いては、Cアームを支える支軸を中心としたCアームの
支軸回転、及びCアームの形状に沿ってCアームがスラ
イドするスライド回転等が可能となっており、これによ
り、様々な方向及び角度での透視撮影が可能となってい
る。
【0003】また、主に消化器系の診断に用いるものと
して、起倒可能な寝台にX線検出器及びX線管球を取り
付けたX線診断装置が知られている。このX線診断装置
は、X線管球を円弧軌道上、又は寝台天板と平行な直線
軌道上を移動させながらX線撮影を行うことにより、断
層像を撮影する技術が知られている。
【0004】このX線診断装置による断層撮影原理を説
明すると、被検体を固定してX線源及びX線フィルムを
寝台に平行で且つ逆方向に移動すると、被検体の特定断
面上の任意の点は常にX線フィルムの対応する1点に投
影されることとなるが、この特定断面上以外の点は、X
線フィルムに線状の軌跡を描く。この結果、X線フィル
ム上においては、前記特定断面のフォーカスが合った画
像と、それ以外の暈けた画像を足し合わせた画像が得ら
れることとなる。そして、この画像からフォーカスの合
った特定断面の断層像を観察することができる。この特
定断面からずれた断面の断層像を観察したい場合は、X
線フィルムの移動量を変化させれば良い。例えば、前記
特定断面よりX線管球寄りの断面を観察したい場合はフ
ィルムの移動量を大きくし、逆に特定断面よりX線フィ
ルム寄りの断面を観察したい場合はフィルムの移動量を
小さくすれば良い。
【0005】データ収集系が高速かつ連続的なデータ収
集が可能なX線検出器の場合、全ての位置での画像を別
々の画像として(X線フィルムのように加算したもので
はなく)保存できるため、再構成したい断面の位置に応
じて画像をシフトして全ての画像を加算することによ
り、全ての断面の再構成を可能とすることができる。こ
れが、前記X線診断装置の断層撮影原理である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のX線診
断装置は、X線検出器がCアームの支持部によって拘束
されていたため撮影態様が限定されたものとなる。例え
ば、回転アームを支持部として持つ循環器用X線診断装
置は、所定の角度での撮影や回転撮影しか行うことがで
きない。このため、このような制限が、設計された撮影
装置の臨床応用上の自由度を低下させる問題があった。
すなわち、例えば冠状動脈の造影検査の場合、頭側方向
55度から足側方向35の間の角度付けが必要となるこ
とがある。このような深い角度付けを行おうとすると、
従来の循環器用のX線診断装置では、検出器の一部が被
検体又は寝台の天板に当接してしまい、十分深い角度付
けを行うことができなかった。
【0007】ここで、特願平9−109642号の特許
公開公報において、撮影したデジタル画像を非線形変換
することにより、例えば回転アームで撮影された画像を
断層装置で撮影された像に変換可能として前述の撮影上
の自由度に関する問題を解決する撮影装置が提案されて
いる。
【0008】しかし、この撮影装置は、撮影したデジタ
ル画像を非線形変換することで、画像のMTF(空間解
像度)の劣化を生ずるうえ、非線形変換に非常に多くの
演算処理を必要とし処理時間を要する問題がある。
【0009】すなわち、撮影により得られたデジタル画
像は当然サンプリングされたものなのであるが、このデ
ジタル画像を前記非線形変換するには再度サンプリング
(リサンプリング)をしなければならない。このリサン
プリングは、デジタル画像を形成した際のサンプリング
ピッチとは異なるサンプリングピッチで再度サンプリン
グを行うものであるため、エリアシングエラーが発生し
やすくなる。また、リサンプリング点には濃度値が記録
されていないため、そのリサンプリング点における濃度
値を推定するための補間処理を必要とする。このような
ことから前記MTFの劣化を生ずる。
【0010】また、例えば回転アームの回転によりX線
管とX線検出器が1本の軸(回転軸)を中心にして回転
する回転運動において1点の濃度値を求める場合、例え
ば9回の加算演算と、4回の減算演算と、20回の乗算
演算と、2回の除算演算とが必要となる。前記非線形変
換においてはこの各演算を全ての画素、全ての方向に対
して行う必要がある。例えば、1024×1024[p
ixel2]の撮影画像を70枚撮影した場合、全ての
画像の濃度値を求めるには「1024×1024×7
0」回の前記演算を行う必要がある。このようなことか
ら前記非線形変換に非常に多くの演算処理を必要とし処
理時間を要する。なお、この演算回数は、X線管とX線
検出器が単純な回転運動を行う場合の例であるが、実際
に行われた運動がコニカルな運動等、複雑な運動であっ
た場合、この演算量及び処理時間はさらに増加すること
となる。
【0011】本発明は上述の課題に鑑みてなされたもの
であり、1つの装置で回転撮影、ディジタル断層像、三
次元再構成、拡大撮影等の様々なイメージングを、解像
度の劣化や計算時間の増加を引き起こすことなく可能と
することができるようなX線診断装置の提供を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るX線診断装
置は、上述の課題を解決するために対象物に対してX線
を曝射するX線発生手段と、前記対象物を透過したX線
像を電気信号に変換するX線平面検出器と、前記X線発
生部及びX線平面検出器を支持するアームと、前記アー
ムを回転可能に支持する支持手段と、前記X線平面検出
器と前記アームとの間に設けられ、前記平面検出器を回
転駆動することによりX線の入射角度を調整する入射角
度調整手段とを備える。
【0013】これにより、1つの装置で回転撮影、ディ
ジタル断層撮影、三次元再構成等の様々なイメージング
を可能とすることができるうえ、X線入射角度の調整に
より所望の拡大率での撮影を可能とすることができる。
【0014】また、撮影領域の離散的な画素と、固体X
線検出器で形成される画素とを対応させることができ
る。このため、撮影したデジタル画像を非線形変換処理
することなく、アフィン変換処理(拡大、縮小、シフ
ト)及び加算処理で三次元再構成画像を形成することが
できる。従って、デジタル断層撮影及び三次元再構成の
際、非線形処理を省略することができるため、演算時間
の短縮化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るX線診断装置
の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細
に説明する。
【0016】[第1の実施の形態]本発明に係るX線診
断装置は、例えば図1〜図4に示すようなシングルプレ
ーンのX線診断装置に適用することができる。この本発
明の第1の実施の形態となるX線診断装置は、「透視・
撮影モード」、「サブトラクション撮影モード」、「断
層撮影モード」、「再構成モード(サブトラクション無
し)」、「サブトラクション像の再構成モード」の計5
つの撮像モードを有しているのであるが、各撮像モード
に対応する全ての構成要件を一つの図面に図示すると、
図面が煩雑となり理解困難となるため、各撮像モードの
構成要件を図1〜図4に分けて示したものである。
【0017】(透視・撮影モードに対応する構成)ま
ず、このX線診断装置における透視・撮影モードに対応
する構成は、図1及び図13に示すように被検体が載置
される寝台1と、Cアーム4の両端部にそれぞれ設けら
れたX線発生部2及びX線平面検出器3と、X線平面検
出器3及びCアーム4の間に設けられた収縮可能な収縮
支持部18と、X線平面検出器3を回転駆動してX線の
入射角度を調整する検出器回転機構6とを有している。
Cアーム4は、床に据え付けられた支柱5により支持さ
れており、この支柱5とCアーム4との間には、Cアー
ム4をスライド回転軸を中心としてスライド回転可能に
支持するホルダ4aが設けられている。このホルダ4a
は、スライド回転軸と直交する回転軸を中心として回転
可能に支持する支柱5に取り付けられている。また、収
縮支持部18は、Cアーム4と検出器回転機構6との間
に設けられている。
【0018】また、このX線診断装置は、X線平面検出
器3からのアナログ的な撮像信号をデジタル化して出力
するA/D変換器7と、主にX線の照射角度等を検出す
る撮影条件設定部8と、この撮影条件設定部8により検
出された撮影条件を示すデータ(撮影条件データ)を記
憶する撮影条件メモリ9と、透視・撮影モード用の信号
処理が施された撮像信号をアナログ化して例えば表示部
11等に供給するD/A変換器10とを有している。
【0019】また、このX線診断装置は、前記A/D変
換器7及びD/A変換器10を接続する信号ライン間
に、A/D変換器7によりデジタル化された撮像信号を
一旦記憶する画像用メモリ12と、前記撮影条件メモリ
9に記憶されている撮影条件データに基づいて(X線平
面検出器3の回転角度に応じて)、画像用メモリ12に
記憶されている撮像信号にジオメトリ変換処理(台形変
換処理)を施すジオメトリ変換部13と、ジオメトリ変
換部13によりジオメトリ変換処理が施された撮像信号
にアフィン変換処理を施してその歪みを補正するアフィ
ン変換部14とを有している。
【0020】また、このX線診断装置は、前記A/D変
換器7及びD/A変換器10を接続する信号ライン間
に、アフィン変換部14により歪み補正された撮像信号
に基づいて、例えばラプラシアン(二次微分オペレー
タ)等により画像のエッジ部分を強調処理するエッジ強
調部15と、例えばコントラスト、ブライトネスを調整
することにより、画像の明るさ、メリハリを調整する階
調変換部16とを有している。
【0021】(X線平面検出器3の構成)X線平面検出
器3としては、例えば縦×横の画素が4000画素×4
000画素のサイズのものが設けられており、図2に示
すように、入射されたX線の線量に応じた電荷を形成す
る複数の画素21と、この画素21に蓄積された電荷を
読み出すスイッチとして使用される複数の薄膜トランジ
スタ22(TFT)とからなる固体X線感応素子(X線
検出素子)を、列方向及び行方向に2次元アレイ状に配
列して構成されている。
【0022】各画素21は、後に説明する蛍光体(図6
に示す蛍光体48)によりX線を可視光に変換するよう
になっており、この可視光を感知し入射光量に応じた電
荷を形成するフォトダイオードと、このフォトダイオー
ドにより形成された電荷を蓄積するコンデンサ(蓄積用
コンデンサ)とで構成されている。
【0023】フォトダイオードのカソード端子と蓄積用
コンデンサの一方の端子との接続点は、電源ライン25
(25−1,25−2・・・25−n)により逆バイア
ス電源(−Vn)に接続されており、また、フォトダイ
オードのアノード端子と蓄積用コンデンサの他方の端子
との接続点はTFT22のソース端子に接続されてい
る。
【0024】TFT22のゲート端子は、各読出ライン
23(23−1,23−2・・・23−n)により各行
毎に共通に接続され、ライン駆動部24の各ライン出力
端子に接続されている。また、TFT22のドレイン端
子は、垂直転送ライン26(26−1,26−2・・・
26−n)により各列毎に共通に接続され、リードアウ
トアンプ27を介してマルチプレクサ28の各スイッチ
28−1,28−2・・・28−nにそれぞれ接続され
ている。
【0025】さらに詳しくは、各X線検出素子は、図6
に示すように支持体30上に形成された画素領域31
(PD:前記画素21に相当)及びTFT領域32(前
記TFT22に相当)で構成されている。支持体30上
には、TFT22のゲート電極33が形成されており、
その上からSiNx層34が積層されるかたちで設けら
れている。
【0026】TFT領域32上におけるSiNx層34
上には、多結晶シリコン層35(チャネル層)が積層さ
れており、この多結晶シリコン層35の図中両端部に、
n+a−Si層36を挟んでTFT22のドレイン電極
37及びソース電極38がそれぞれ積層されている。ま
た、このTFT領域32は、第1のポリイミド樹脂層4
4に覆われており、この第1のポリイミド樹脂層44上
に画素領域31の透明電極43同士を接続する金属電極
45が積層されている。
【0027】画素領域31上におけるSiNx層34上
には、前記ソース電極38に接続された透明電極39、
n+a−Si層40、ia−Si層41、p+ a−Si
層42、透明電極43が順に積層されており、これによ
りPin構造の前記フォトダイオードが形成されてい
る。
【0028】前記TFT領域32の金属電極45上及び
画素領域31の透明電極43上には、第2のポリイミド
樹脂層46が積層されており、この第2のポリイミド樹
脂層46上に透明保護膜47,蛍光体48及び光反射層
49が順に積層されている。
【0029】このような構成を有するX線平面検出器3
は、光反射層49により可視光を反射し、X線のみを取
り込む。蛍光体48は、取り込まれたX線を可視光に変
換する。この可視光は、透明保護膜47及び第2のポリ
イミド樹脂層46を透過し、さらに透明電極43を介し
て可視光に感度のある画素領域31(フォトダイオー
ド)により受光され、光量に応じた電荷とされる。この
電荷は、蓄積用コンデンサに蓄積され、読出ライン23
を介して各ライン毎に画素単位で画像信号として読み出
される。この読み出された画像信号はX線のエネルギに
比例したものであり、マルチプレクサ28及び出力端子
29を介して図1に示すA/D変換器7に供給される。
【0030】(透視・撮影モードの動作)次に、当該実
施の形態のX線診断装置における透視・撮影モードの動
作説明をする。
【0031】まず、この透視・撮影モードにおける撮像
を行う場合、オペレータは、システムコンソールを操作
して撮影角度(透視角度)、X線の曝射回数、インター
バル、管電圧、検出器観点角度、収縮支持部18の収縮
量等の撮影条件の入力を行う。この撮影条件を示す撮影
条件データは、撮影条件設定部8を介して撮影条件用メ
モリ9に一旦記憶される。撮影条件設定部8は、オペレ
ータから撮影角度(透視角度)が入力されると、これを
検出器回転機構6に供給する。
【0032】検出器回転機構6は、図7に示すようにモ
ータ51と、動力伝達部52と、検出器回転部53とで
構成されている。撮影条件設定部8から検出器回転角度
が供給されると、これに応じてモータ51が回転駆動さ
れ、このモータ51の回転力が動力伝達部52を介して
検出器回転機構6に伝達される。これにより、オペレー
タの操作に応じて、収縮支持部18及びCアーム4に対
するX線平面検出器3の角度を帰ることができる。当該
実施の形態の検出器回転機構6は、図13(a)に示す
ようにCアーム4のスライド回転と平行な軸を回転軸と
してX線平面検出器3を回転するように構成されてい
る。なお、図13(b)に示すようにCアーム4のスラ
イド回転軸に直交する軸を回転軸としてX線平面検出器
3を回転するように構成してもよく、また、Cアーム4
のスライド回転軸に直交する軸とCアーム4のスライド
回転軸に平行な軸の2軸を回転軸としてX線平面検出器
3を回転するように構成してもよい。また、オペレータ
により収縮支持部18の収縮量の増減が支持されると、
撮影条件設定部8は収縮支持部用のモータ(図示せ
ず。)を駆動して収縮支持部18の収縮量を変える。
【0033】具体的には、図8に示すように回転アーム
であるCアーム4を支持部とする当該X線診断装置は、
撮影初期において同図に実線で示すようにX線発生部2
とX線平面検出器3とが鉛直方向に並んでおり、また、
X線平面検出器3はX線焦点方向に対向している。この
状態でCアーム4が角度θ度回転した場合、従来は図8
中二点鎖線で示すようにX線平面検出器3が常にX線焦
点方向を向くのに対して、当該X線診断装置は、撮影条
件設定部8により検出された前記角度情報に基づいて、
X線平面検出器3をCアーム4の回転角度に合わせて前
記角度θ度分回転駆動する。これにより、図8中点線及
び一点鎖線で示すように、Cアーム4の回転角度に拘わ
らずX線平面検出器3が常に鉛直方向を向いているよう
に制御することができる。
【0034】次に、このようなX線平面検出器3の回転
駆動後にX線の曝射が行われる。このX線の曝射は、透
視時には少ない線量のX線を連続的に曝射するように、
また、撮影時には多い線量のX線を断続的に曝射するよ
うに行われる。このX線の曝射により形成されたX線像
は、X線平面検出器3により取り込まれアナログ的な撮
像信号としてA/D変換器7に供給される。A/D変換
器7は、この撮像信号をデジタル化し、これを画像メモ
リ12に供給する。画像メモリ12は、この撮像信号を
一旦記憶する。
【0035】ここで、従来のようにX線平面検出器3が
常にX線焦点方向を向くようにした場合、X線はX線平
面検出器3に対して略垂直に入射されるため、X線焦点
までの距離は、X線平面検出器3の検出面上のどの位置
でも略々同じとなるのであるが、上述のようにX線平面
検出器3を常に鉛直方向を向くように回転駆動すると、
X線平面検出器3に対して斜めにX線が入射されるよう
になるため、X線平面検出器3の検出面上の位置によっ
ては、X線焦点までの距離に大きな違いを生じ、撮像画
像に悪影響を及ぼす虞がある。
【0036】このため、ジオメトリ変換部13は、画像
用メモリ12に記憶されている撮像信号に対して、撮影
条件メモリ9に記憶されている撮影角度情報に応じた台
形変換処理を施す。すなわち、ジオメトリ変換部13
は、撮影条件メモリ9に記憶されている撮影位置情報
(撮影角度情報及び収縮支持部18の収縮量)からX線
平面検出器3の検出面上のX線が曝射される台形領域を
求め、この台形領域の画像データを矩形の画像データに
変換する。
【0037】次に、アフィン変換部14は、この台形変
換処理の施された撮像信号に対してアフィン変換処理
(幾何学的変換処理)を用いて例えば画像の拡大、縮
小、反転、平行移動処理等を施すことで各座標点を変換
し歪みの補正を行う。エッジ強調部15は、例えばラプ
ラシアン(二次微分オペレータ)等の高域強調フィルタ
により撮像画像のエッジ部分を強調処理する。そして、
階調変換部16は、前記座標変換された撮像信号に対し
て、コントラスト、ブライトネス等の階調補正(濃度補
正)を行い、これをD/A変換器10に供給する。D/
A変換器10は、デジタル的に前記各処理が施された撮
像信号をアナログ的な撮像信号に変換し、これを例えば
表示部11に供給する。これにより、被検体の所望の部
位の透視画像又は撮影画像を表示することができる。ま
た、デジタル断層撮影及び三次元再構成の際、非線形処
理を省略することができるため、演算時間の短縮化を図
ることができる。また、深い角度付けを行う際に検出器
の角度を検出器回転機構6により回転することができる
ため、従来のX線診断装置より深い角度付けを行うこと
ができる。
【0038】(サブトラクション撮影モードに対応する
構成)次に、このX線診断装置におけるサブトラクショ
ン撮影モードに対応する構成は、図2に示すように上述
の寝台1〜階調変換部16に加え、A/D変換器7から
供給されるライブ像から、画像用メモリ12に予め記憶
されているマスク像をサブトラクション処理するサブト
ラクション部55を有する構成となっている。
【0039】(サブトラクション撮影モードの動作)こ
のサブトラクション撮影モードにおいては、まず、被検
体に造影剤を注入せずに撮影を行い、この撮影により得
られた画像情報をマスク像として予め画像用メモリ12
に一旦記憶した後に、被検体に造影剤を注入して撮影を
開始する。この被検体に造影剤を注入した撮影により得
られた画像情報であるライブ像を画像用メモリ12に一
旦記憶する。
【0040】サブトラクション部55は、画像用メモリ
12からライブ像を読み出すと共に、これに対応するマ
スク像を該画像用メモリ12から読み出し、両者をサブ
トラクション処理(DSA:Digital Subtraction Angi
ography)することでサブトラクション像を形成する。
すなわち、サブトラクション部55は、撮影により得ら
れたライブ像をセーブしながら、対応するマスク像との
サブトラクション処理を行いサブトラクション像を形成
する。
【0041】このサブトラクション像は、前記ジオメト
リ変換部13〜階調変換部16により台形変換処理、ア
フィン変換処理、エッジ強調処理、階調変換処理がそれ
ぞれ施され、D/A変換器10によりアナログ化されて
表示部11に供給される。これにより、撮影画像から所
望の部位を明確化したかたちのサブトラクション像を表
示部11に表示することができる。また、深い角度付け
を行う際に検出器の角度を検出器回転機構6により回転
することができるため、従来のX線診断装置より深い角
度付けを行うことができる。
【0042】(断層撮影モードに対応する構成)次に、
このX線診断装置における断層撮影モードに対応する構
成は、図3に示すように上述の寝台1〜画像用メモリ1
2及びアフィン変換部14に加え、所望の断層面の撮像
信号を加算処理する加算部56を有する構成となってい
る。
【0043】また、検出器回転機構6は、図7に示すよ
うにモータ51と、動力伝達部52と、検出器回転部5
3とで構成されている。撮影条件設定部8から検出器回
転角度が供給されると、これに応じてモータ51が回転
駆動され、このモータ51の回転力が動力伝達部52を
介して検出器回転機構6に伝達される。これにより、オ
ペレータの操作に応じて、収縮支持部18及びCアーム
4に対するX線平面検出器3の角度を帰ることができ
る。当該実施の形態の検出器回転機構6は、図13
(a)に示すようにCアーム4のスライド回転と平行な
軸を回転軸としてX線平面検出器3を回転するように構
成されている。なお、図13(b)に示すようにCアー
ム4のスライド回転軸に直交する軸を回転軸としてX線
平面検出器3を回転するように構成してもよく、また、
Cアーム4のスライド回転軸に直交する軸とCアーム4
のスライド回転軸に平行な軸の2軸を回転軸としてX線
平面検出器3を回転するように構成してもよい。また、
オペレータにより収縮支持部18の収縮量の増減が支持
されると、撮影条件設定部8は収縮支持部用のモータ
(図示せず。)を駆動して収縮支持部18の収縮量を変
える。
【0044】具体的には、図8に示すように回転アーム
であるCアーム4を支持部とする当該X線診断装置は、
撮影初期において同図に実線で示すようにX線発生部2
とX線平面検出器3とが鉛直方向に並んでおり、また、
X線平面検出器3はX線焦点方向に対向している。この
状態でCアーム4が角度θ度回転した場合、従来は図8
中二点鎖線で示すようにX線平面検出器3が常にX線焦
点方向を向くのに対して、当該X線診断装置は、撮影条
件設定部8により検出された前記角度情報に基づいて、
X線平面検出器3をCアーム4の回転角度に合わせて前
記角度θ度分回転駆動する。これにより、図8中点線及
び一点鎖線で示すように、Cアーム4の回転角度に拘わ
らずX線平面検出器3が常に鉛直方向を向いているよう
に制御可能となっている。
【0045】(断層撮影モードの動作)この断層撮影モ
ードでは、例えばCアーム4を−20度〜+20度の間
回転制御し、この撮影により得られた画像情報を画像用
メモリ12に一旦記憶する。そして、前記Cアーム4を
−20度〜+20度の間回転制御した間の画像情報がメ
モリ14に記憶された後に、図示しない設定手段にて任
意の断層面を設定する。アフィン変換部14は、この設
定された断層面にフォーカスが合うような各収集画像の
拡大・縮小率、及びシフト量に対応するアフィン変換処
理を画像用メモリ12から読み出した画像情報に施し、
これを加算部56に供給する。加算部56は、このアフ
ィン変換処理された画像を加算処理することにより、前
記設定された断層面の断層画像を形成し、これをD/A
変換器10を介して表示部11に供給する。これによ
り、表示部11上に任意の位置の断層画像を表示するこ
とができる。また、Cアームを用いた循環器用のX線診
断装置で比較的高速に断層像を得ることができる。
【0046】(再構成モードに対応する構成)次に、こ
のX線診断装置における再構成モードに対応する構成
は、図4に示すように上述の寝台1〜画像用メモリ1
2、アフィン変換部14に加え、画像用メモリ12から
読み出された撮像信号に例えばコンボリューションフィ
ルタ等による所定のフィルタリング処理を施すフィルタ
リング部57と、撮影条件メモリ9に記憶されている撮
影角度情報に応じてフィルタリング部57のフィルタ係
数を可変制御するフィルタリング係数可変部58とを有
する構成となっている。
【0047】(再構成モードの動作)まず、三次元再構
成画像の撮影を行う場合、三次元再構成原理から最低1
80度分の画像情報を必要とする。これに対して当該実
施の形態のX線診断装置は前述のようにシングルプレー
ンであるため、最初の90度を図8に示したようにX線
平面検出器3を回転駆動して撮影を行う。この最初の9
0度以上の撮影を行おうとするとX線平面検出器3のX
線フォーカス方向との角度が付き過ぎるため、目的の範
囲のデータがX線平面検出器3からはみ出してしまう。
このため、当該X線診断装置は、最初の90度の撮影が
終わった時点でX線平面検出器3の角度を図9に示すよ
うに90度回転駆動し、最初の90度の際の撮影と同様
にCアーム4の回転角度に拘わらずX線平面検出器3が
常に鉛直方向に直交する方向を向いているように制御す
る。これにより、三次元再構成に必要な180度分の画
像情報を得ることができる。
【0048】なお、画像情報の収集スピードに対してX
線平面検出器3の回転スピードは非常に遅いものであ
る。このため、X線平面検出器3の検出面が垂直にな
る、例えば図8の状態から図9の状態になるまでの画像
については、検出面と断層面が平行になっていないの
で、この間の画像のみは断層面に平行な面に一度投影す
るようにしてもよい。また、この間は、画像情報の収集
を行わないようにしてもよい。
【0049】ここで、この再構成モードには、撮影像と
ヌル像とのサブトラクション処理を実行するモードと、
ライブ像とマスク像とのサブトラクション処理を実行す
るモードとの2つのモードが設けられている。
【0050】(撮影像とヌル像とのサブトラクション処
理を実行するモード)このモードの場合、まず、撮影前
に寝台1上に例えば何も載置せずに撮影を行うことで得
られた、X線平面検出器3の各X線県検出素子の濃度ム
ラを示すヌル像の取り込みを行い、これを画像用メモリ
12に予め記憶しておく。
【0051】次に、前述のようにCアーム4を180度
分回転駆動して各角度毎の画像情報を撮影像として取り
込み、これらを画像用メモリ12に記憶する。サブトラ
クション部55は、この画像用メモリ12に記憶された
ヌル像と撮影像とのサブトラクション処理を行い、この
サブトラクション像をフィルタリング部57に供給す
る。
【0052】ここで、フィルタリング部57は、一例と
していわゆるフィルタードバックプロジェクション法に
より三次元再構成を行うために、サブトラクション処理
されたサブトラクション像に対して、例えばShepp & Lo
ganやRamachandran等の適当なコンボリューションフィ
ルタによりフィルタリング処理を施すのであるが、当該
X線診断装置においては、X線平面検出器3の検出面を
回転中常に撮影領域の画素の並びの断面に平行になるよ
うに制御して画像情報の取り込みを行うようになってい
る。投影角度が変わっても一定のコンボリューションフ
ィルタでフィルタリング処理すると、フィルタの幅が実
質的に角度によって変わっていることになり(X線平面
検出器3の回転角度が傾けば傾くほど、逆投影した時の
コンボリューションフィルタのフィルタリング幅が小さ
くなる。)、アーチファクトの原因となる。
【0053】このため、フィルタリング係数可変部58
は、撮影条件用メモリ9からそのサブトラクション像の
撮影角度を示す撮影角度情報を読み出し、この撮影角度
に応じてフィルタリング部57のフィルタ関数(フィル
タ係数)を可変制御する。具体的には、フィルタリング
係数可変部58は、フィルタリング部57のフィルタ関
数をq(t)、撮影角度をθとし、以下の数式に基づい
てこの撮影角度に応じたフィルタ関数q1をフィルタリ
ング部57に設定する。 q1(t)=q(cosθ・t)
【0054】これにより、図10に示すようにX線平面
検出器3の回転角度に応じてフィルタリング部57で用
いるコンボリューションフィルタのフィルタ幅を最適な
フィルタ幅に可変制御することができ三次元再構成画像
にアーチファクトが発生する不都合を防止することがで
きる。
【0055】次に、このように可変制御されたフィルタ
係数によりフィルタリング処理されたサブトラクション
像は画像用メモリ12に供給され、アフィン変換部14
により読み出される。アフィン変換部14は、オペレー
タにより設定された断層面にフォーカスが合うような各
画像情報の拡大・縮小率、及びシフト量に対応するアフ
ィン変換処理を画像用メモリ12から読み出したサブト
ラクション像に施し、これを加算部56に供給する。
【0056】加算部56は、このアフィン変換処理され
たサブトラクション像を加算処理(逆投影演算)するこ
とにより、前記設定された断層面の再構成画像を形成す
る。具体的には、図11に示すように撮影領域における
所望の断層面をH、この断層面からX線平面検出器3の
検出面までの距離をD、この断層面からX線発生部2の
焦点までの距離をLとすると、加算部56は、「L/
(D+L)」倍したサブトラクション像を所望の断層面
Hに加算して該所望の断層面Hの再構成画像を形成し、
これをD/A変換器10を介して表示部11に供給す
る。これにより、X線診断装置でありながら撮影像とヌ
ル像とのサブトラクション処理を実行して得られた任意
の位置の再構成画像を表示部11に表示することができ
る。
【0057】なお、再構成領域(撮影領域)は、X線発
生部2の全方向へのX線束に内接する円筒として定義さ
れる。この円筒内は、例えばX線平面検出器3の1つの
X線検出素子の幅に投影される再構成領域中心部での長
さで三次元的に離散化されているため、この離散点のデ
ータの再構成画像を得る必要がある。但し、この離散間
隔は1例であり、これは装置やメーカーによって違うこ
ともあるので、基本的には装置によって定義された離散
間隔を用いれば良い。
【0058】(ライブ像とマスク像とのサブトラクショ
ン処理を実行するモード)このモードの場合、オペレー
タは、まず、被検体に造影剤を注入せずに撮影を行い、
この撮影により得られた画像情報をマスク像として予め
画像用メモリ12に一旦記憶した後に、被検体に造影剤
を注入して撮影を開始する。また、この被検体に造影剤
を注入した撮影により得られた画像情報であるライブ像
を画像用メモリ12に一旦記憶する。
【0059】画像用メモリ12に造影剤注入前後の各画
像情報であるマスク像及びライブ像が記憶されると、サ
ブトラクション部55は両者のサブトラクション処理を
行い、このサブトラクション像をフィルタリング部57
に供給する。フィルタリング部57のフィルタリング係
数は、上述のようにフィルタリング係数可変部58によ
り撮影角度に応じて可変されている。フィルタリング部
57は、この可変されたフィルタリング係数を用いてサ
ブトラクション像のフィルタリング処理を行い、これを
アフィン変換部14に供給する。
【0060】アフィン変換部14は、オペレータにより
設定された断層面にフォーカスが合うような各画像情報
の拡大・縮小率、及びシフト量に対応するアフィン変換
処理を画像用メモリ12から読み出したサブトラクショ
ン像に施し、これを加算部56に供給する。加算部56
は、 加算部56は、このアフィン変換処理されたサブ
トラクション像を加算処理(逆投影演算)することによ
り、前記設定された断層面の再構成画像を形成し、これ
をD/A変換器10を介して表示部11に供給する。こ
れにより、X線診断装置でありながらマスク像とライブ
像とのサブトラクション処理を実行して得られた任意の
位置の再構成画像を表示部11に表示することができ
る。
【0061】以上の説明から明らかなように、当該第1
の実施の形態のX線診断装置は、Cアーム4の回転角度
に拘わらず、再構成領域の画素の並びに沿った断面に平
行となるようにX線平面検出器3を回転駆動してX線の
入射角度を調整することにより、1つの装置で「透視・
撮影モード」、「サブトラクション撮影モード」、「断
層撮影モード」、「再構成モード」の各モードにおける
様々な撮像を可能とすることができる。
【0062】また、加算部56における加算処理(逆投
影演算)は、X線平面検出器3の検出器回転機構6がな
い場合、画像を縮小(拡大)しながら検出面に平行な各
面で加算することと等しい。三次元断層面は離散的に定
義されているので、図12中点線で示すように検出面の
各点H1、H2・・・が三次元断層面の離散点P1に対
応する確率は非常に少なく、このため、離散点P1に対
応する点P3を前記点H1、H2で補間処理する等の無
駄な計算が必要となるのであるが、当該X線診断装置
は、X線平面検出器3の回転機構によって、図12中実
線で示すようにX線平面検出器3の検出面が三次元断層
面に対して平行に調整されるため、逆投影演算は図4に
示すようにアフィン変換部14及び加算部56によって
形成することができる。従って、非線形変換処理を行う
代わりに演算量の少ないアフィン変換処理を行うため、
画像処理時間の短縮化を図ることができる。さらに、汎
用のアフィン変換ボードを使用することができるため、
安価に高速化を図ることができる。
【0063】[第1の実施の形態の変形例]なお、以上
の第1の実施の形態の説明は、本発明に係るX線診断装
置をシングルプレーンのX線診断装置に適用したもので
あったが、本発明に係るX線診断装置はバイプレーンの
X線診断装置にも適用することができる。
【0064】この場合、上述の第1実施形態と同様にX
線平面検出器3をCアーム4の回転角度に基づいて回転
させながら画像情報の取り込みを行う。ただし、三次元
再構成のためには、90度以上(原理的には180度以
上)の角度の画像情報が必要であるため、このバイブレ
ーンのX線診断装置の場合は、第1のプレーンを図8に
示すように90度分回転制御し、第2のプレーンを図9
に示すようにこの第1のプレーンの回転角度を補うよう
に90度分回転制御して前記90度以上の画像情報の取
り込みを行う。そして、各プレーンの回転アームの投影
角度を変化させながら例えば1度間隔で撮影を繰り返
し、得られた回転角度例えば180度分の180パター
ンのX線強度分布を収集し三次元再構成を行う。
【0065】これにより、Cアームを用いた循環器用の
X線診断装置で断層像を得ることができる。また、上述
の第1の実施の形態で問題となっていた、最初の90度
の撮影が終わった時点から次の撮影位置に移動するまで
のタイムラグ(図8の状態から図9の状態になるまでの
タイムラグ)を考慮する必要がなくなる。
【0066】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態の説明をする。この第2の実施の形態は、
本発明に係るX線診断装置をシンクロトロンをX線発生
手段として有するX線診断装置に適用し、このシンクロ
トロンからのX線を、X線の入射角度を調整したX線平
面検出器3で検出することで所望の倍率の撮影画像を得
ることを可能としたものである。なお、この第2の実施
の形態の説明において、上述の第1の実施の形態のX線
診断装置と同じ動作を示す箇所には関連図中同じ符号を
付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】シンクロトロンは単色平行なX線を発生す
る装置として、近年多くの注目を浴びている。現在、最
も実用的なリアルタイムでX線の動画像を収集する検出
系としてはイメージインテンシファイヤ(I.I.)−
テレビジョン系(TV系)が知られているが、この検出
系として前記X線平面検出器3を用いると、I.I.に
比べ、MTFが高く、画像歪みがなく、濃度ムラがない
等多くの利点を得ることができる。しかし、その反面、
X線平面検出器3は、TV系による拡大処理が行えない
というような不利な面もある。
【0068】このため、当該第2の実施の形態のX線診
断装置は、図14に示すように検出器回転機構6により
X線平面検出器3を所望の倍率の撮影画像を得ることが
できるように、シンクロトロンからのX線の入射角度を
調整する。これにより、上述の第1の実施の形態と同じ
効果の他、撮影画像を所望の倍率に拡大して撮影可能と
する効果を得ることができる。
【0069】なお、この第2の実施の形態の説明では、
理解容易とするために縦横の一方のみを拡大する場合を
説明したが、実際にはX線平面検出器3の対角線を軸と
して回転することにより、対角線方向を拡大した画像を
収集することができる。
【0070】ただし、画像は一般的には画素の縦横サイ
ズが一致しているが、この例で得られた画像は、一方向
のみ細かい画素間隔で収集されている。この問題を解決
するために、デジタルズームに類似した方法で画像処理
的にもう一方向の拡大を行っても良い。
【0071】最後に、上述の各実施の形態の説明は、本
発明のほんの一例である。このため、本発明は、この各
実施の形態に限定されることはなく、この他、本発明に
係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば種々の変更が
可能であることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】本発明に係るX線診断装置は、1つの装
置で回転撮影、断層像撮影、三次元再構成、拡大撮影等
の様々なイメージングを、解像度の劣化や計算時間の増
加を引き起こすことなく可能とすることができる。この
ため、当該装置に対する臨床的な価値の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線診断装置を適用した第1の実
施の形態となるシングルプレーンのX線診断装置におけ
る透視・撮影モードに対応する構成を説明するためのブ
ロック図である。
【図2】前記第1の実施の形態のX線診断装置における
サブトラクション撮影モードに対応する構成を説明する
ためのブロック図である。
【図3】前記第1の実施の形態のX線診断装置における
断層撮影モードに対応する構成を説明するためのブロッ
ク図である。
【図4】前記第1の実施の形態のX線診断装置における
サブトラクション像の再構成モードに対応する構成を説
明するためのブロック図である。
【図5】前記第1の実施の形態のX線診断装置に設けら
れているX線平面検出器のブロック図である。
【図6】前記X線平面検出器の画素領域及びTFT領域
の断面図である。
【図7】前記X線平面検出器の回転駆動系のブロック図
である。
【図8】前記回転駆動系により回転駆動制御されるX線
平面検出器の各駆動状態を示す図である。
【図9】前記回転駆動系により回転駆動制御されるX線
平面検出器の他の駆動状態を示す図である。
【図10】前記回転駆動系により回転駆動されるX線平
面検出器の回転角度に応じてフィルタ幅が可変制御され
るコンボリューションフィルタを説明するためのフィル
タ特性図である。
【図11】前記X線平面検出器を回転駆動することで、
三次元再構成領域の画素のサンプル点と、X線平面検出
器のサンプル点が一致する様子を示す図である。
【図12】前記第1の実施の形態のX線診断装置の再構
成画像を形成する際の画素の加算処理を説明するための
図である。
【図13】前記回転駆動系によりX線平面検出器を回転
駆動することで、X線平面検出器が被検体に密着可能と
なる様子を示す図である。
【図14】シンクロトロンからの平行光により画像の拡
大撮影を図る本発明の第2の実施の形態のX線診断装置
を説明するための図である。
【符号の説明】
1…寝台、2…X線発生部、3…X線平面検出器、4…
Cアーム、5…支柱、6…検出器回転機構、7…A/D
変換器、8…撮影条件設定部、9…撮影条件用メモリ、
10…D/A変換器、11…表示部、12…画像用メモ
リ、13…ジオメトリ変換部、14…アフィン変換部、
15…エッジ強調部、16…階調変換部、55…サブト
ラクション部、56…加算部、57…フィルタリング
部、58…フィルタリング係数可変部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に対してX線を曝射するX線発生
    手段と、 前記対象物を透過したX線像を電気的な画像信号に変換
    するX線平面検出器と、 前記画像信号に画像処理を施す画像処理手段と、 前記X線平面検出器を支持する支持手段と、 前記X線平面検出器と前記支持手段との間に設けられ、
    前記平面検出器を回転駆動することによりX線の入射角
    度を調整する入射角度調整手段とを備えたことを特徴と
    するX線診断装置。
  2. 【請求項2】 前記入射角度調整手段は、前記支持手段
    の回転角度に応じて前記X線平面検出器の検出面が平行
    移動するように該X線平面検出器を回転駆動することを
    特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 【請求項3】 前記入射角度調整手段は、前記X線平面
    検出器の検出面が前記被検体の体軸に対して平行となる
    ように該X線平面検出器を回転駆動することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載のX線診断装置。
  4. 【請求項4】 前記入射角度調整手段は、前記X線平面
    検出器から得られた画像情報に対して所定のフィルタリ
    ング処理を施すフィルタリング手段と、 前記X線平面検出器に入射するX線の入射角度に応じ
    て、前記フィルタリング手段のフィルタ係数を可変制御
    するフィルタ係数可変制御手段とを有することを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項記載のX
    線診断装置。
  5. 【請求項5】 前記支持手段は、前記X線発生手段と前
    記X線平面検出器を支持するC形状のアームと、前記ア
    ームをスライド回転可能に支持するスライド支持手段
    と、前記スライド支持手段を回転可能に支持する回転支
    持手段とを備え、 前記入射角度調整手段は、前記アームと前記X線平面検
    出器との間に設けられたものであることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のうちいずれか1項記載のX線診断
    装置。
  6. 【請求項6】 前記画像処理手段は、前記入射角度に基
    づいてX線が入射する台形領域を求め、この台形領域の
    データを矩形の画像データに変換するものであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項記
    載のX線診断装置。
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