JPH11285667A - 床被覆用水性塗料組成物の施工方法 - Google Patents

床被覆用水性塗料組成物の施工方法

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JPH11285667A
JPH11285667A JP9050798A JP9050798A JPH11285667A JP H11285667 A JPH11285667 A JP H11285667A JP 9050798 A JP9050798 A JP 9050798A JP 9050798 A JP9050798 A JP 9050798A JP H11285667 A JPH11285667 A JP H11285667A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水性系の塗り床材は、特に柔らかいアスファル
ト下地面では、数mm程度の塗膜厚になると下地への追
従性と耐摩耗性の両方の性能を具備することは困難であ
った。また、低温時における塗膜乾燥に要する時間が長
く、孔空き型紙での模様形成においても、型紙隙間への
滲み込みによって明瞭な凹凸が形成できなかった。。 【解決手段】特定の無機質繊維と無機質粉体を含有する
特定ガラス転移温度、顔料容積濃度の水性塗料組成物の
異なる2種を積層することにより、上層と下層との塗膜
物性の相乗効果により課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床に模様や色彩を
付与する床被覆用の水性塗料組成物の施工方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】従来、コンクリート、アスファルト等の無
味乾燥な床面に、色彩や模様を付与して美観を向上させ
る手法が行われている。
【0003】このような目的のために使用される材料と
しては、一般にポリウレタン系、エポキシ樹脂系、不飽
和ポリエステル系、メチルメタクリレートオリゴマー系
等の各種の床被覆用塗料組成物が用いられている。
【0004】例えば、ポリウレタン系塗り床材として
は、主剤にトリレンジイソシアネート等のポリイソシア
ネート化合物を、硬化剤としてポリエーテルポリオール
等のポリオール類を使用し、これに促進剤、充填材、顔
料、可塑剤、粘度低減剤などを配合、混練したものであ
る。
【0005】また、エポキシ樹脂系塗り床材としては、
ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ
樹脂等を主成分とする主剤部と、ポリアミン系化合物を
主成分とする硬化剤部からなる二液形のエポキシ樹脂結
合材に促進剤、充填材やその他の材料を添加調合したも
のである。
【0006】つぎに、不飽和ポリエステル系塗り床材と
しては、多塩基酸と多価アルコールを反応させてつくっ
た不飽和ポリエステルを、これと重合する単量体に溶解
した樹脂を主成分とする不飽和ポリエステル樹脂を主剤
とし、過酸化物を主体とする硬化剤と金属触媒を主成分
とする促進剤の組み合わせによる結合材に、充填材やそ
の他の材料を添加調合したものである。特に不飽和ポリ
エステル系塗り床材では、その硬化機構が酸化還元によ
るラジカル形成とその重合開始によるものであるところ
から、ラジカル生成を阻害する大気中の酸素の存在は、
硬化不良の原因となる。従って、さらにパラフィンワッ
クスを混入して、塗装直後の塗膜と大気との接触を回避
する遮蔽剤としている。
【0007】つぎに、メチルメタクリレートオリゴマー
系塗り床材は、硬化機構的には不飽和ポリエステル系塗
り床材と同様であるが、反応性が非常に高く硬化剤とし
て過酸化物のみを用いて(金属触媒を使用しない)硬化
させる。また、硬化機構が同様のため、同様にパラフィ
ンワックスを混入して、塗装直後の塗膜と大気との接触
を回避している。
【0008】これらの各塗り床材のうちポリウレタン系
及びエポキシ樹脂系については、有機溶剤を含有するも
のであるため、有機溶剤の揮発やそれに伴う臭気等の環
境保全の観点からその使用が問題視されてきている。ま
た、不飽和ポリエステル系やメチルメタクリレートオリ
ゴマー系は、それぞれ溶媒となるスチレンモノマー、メ
チルメタクリレートモノマー等の揮発やそれに伴う臭
気、さらに混入するパラフィンワックスが表面の耐汚染
性を低下させる点などのデメリットがある。
【0009】さらに、ポリウレタン系は主剤と硬化剤と
の混合により、主剤末端のイソシアネート基が硬化剤と
化学反応して、より大きな分子量となるとともに、分子
内にて三次元構造を形成して強固な結合を生じる。した
がって、主剤と硬化剤の混合比率を最適にしておかなけ
れば、形成された塗膜の物性が大きな変化を招き、当初
の品質を発揮できなくなる。つまり、主剤と硬化剤の比
率に非常に注意を要するとの手間がかかる。
【0010】エポキシ樹脂系も同様に主剤と硬化剤との
化学反応により、三次元構造を形成して強固な塗膜を形
成するため、主剤と硬化剤の比率に非常に注意を要する
との手間がかかる。さらに、エポキシ樹脂の硬化反応は
発熱反応の為、環境温度が非常に高いと可使時間が著し
く短くなったり、環境温度が非常に低い場合には塗膜が
硬化しないばかりか、塗り床材の粘度が非常に高くな
り、作業性が著しく損なわれる。
【0011】不飽和ポリエステル系、メチルメタクリレ
ートオリゴマー系は、その硬化反応が、酸化・還元によ
るラジカル生成とその重合開始機構を利用したものであ
るため、硬化に際して、ラジカル生成を阻害する物質、
例えば抗酸化性物質の混入を避けなければならない。ま
た、硬化剤や促進剤の添加量が非常に少量のため、それ
ぞれ精秤して、主剤との十分な混合が必要とされる。さ
らに、環境温度が高くなるほど硬化が早くなる傾向があ
るため、使用時の気温などに応じて硬化剤等の添加量の
増減が必要となる。
【0012】このような点から最近は、配合比率への注
意の必要性や環境の影響を受けやすい主剤、硬化剤の反
応によらず、有害な揮発性有機化合物を多量に含有しな
い合成樹脂エマルションを、その塗膜形成主要素とする
水性系の塗り床材をその部位によって使用するようにな
ってきた。
【0013】一方、コンクリート、アスファルト等の床
面に型が打ち抜かれた型紙シートや目地棒と塗材を組み
合わせて、模様や色彩からなる意匠を付与することも行
われている。このような型紙工法において使用される材
料も前述と同様の理由により、水性系の塗り床材が使用
されるようになってきた。
【0014】例えば、特開平4−14503号には、路
面または床面に着色顔料を含有する下塗り材を塗布した
後、裏面に粘着剤層を有し直線状や曲線状等に作製され
た合成樹脂片を複数上記下塗り材表面の所望箇所に貼着
して模様型となし、下塗り材表面にこの下塗り材と異色
の着色顔料を含有する上塗り材を塗布して乾燥硬化させ
た後、上記合成樹脂型片を剥がして上塗り材と型片剥離
部分の下塗り材により、凹凸模様を形成するようにした
カラー化粧舗装工法が記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般にコンクリートや
アスファルト等の床面に塗付する塗り床材においては、
主として下地への追従性と耐摩耗性の両方の性能が要求
される。このことは合成樹脂エマルションを塗膜結合材
とする、水性系の塗り床材においても同様である。しか
しながら、従来の水性系の塗り床材において、特に柔ら
かいアスファルト下地面において、数mm程度の塗膜厚
において、この両方の性能を具備することは困難であっ
た。すなわち、下地への追従性を重視するものは、必然
的に形成される塗膜を柔らかいものにせざるを得ず、結
果として耐摩耗性に劣り、表面の摩耗や汚染が大きくな
り、逆に耐摩耗性を重視するものは、必然的に形成され
る塗膜を硬いものにせざるを得ず、結果として下地追従
性に劣り、割れを生じることになっていた。本発明の解
決課題の第一は、このような下地への追従性と耐摩耗性
の両方の性能を具備する水性系の塗り床材の被覆方法を
見出すことである。
【0016】次に、水性系の塗り床材では、数mm程度の
厚塗りをした場合において、溶媒である水分の蒸発によ
る乾燥収縮(肉痩せ)が大きく、乾燥塗膜に割れが発生
する場合があった。また、低温時には水分の蒸発が遅く
なる結果、塗膜の乾燥に時間がかかり養生時間を非常に
要するという問題があった。本発明の解決課題の第二
は、水性系の塗り床材において、乾燥収縮が非常に小さ
くでき、低温時における塗膜乾燥に要する時間を短縮す
る水性系の塗り床材の被覆方法を見出すことである。
【0017】一方、先述のように塗り床材において、各
種の型を打ち抜いた型紙シートや目地棒を組み合わせ
て、意匠性に優れた模様を形成する方法は、床の美観向
上の点から非常に要望されている。しかしながら、一般
に床面はそれ自身が不陸等による凹凸があったり、傾斜
していたり、また、既存の塗り床材が残存していたりす
るため、まずそれらを平滑面に調整しなければ、型紙シ
ートや目地棒を貼り付けることができない。また、平滑
面の精度が高くないと、型紙シートや目地と平滑面との
間に隙間を生じ、続く凹凸形成材料を塗付した場合に、
隙間への滲み込みが生じ、凹凸模様の境界が不明瞭なも
のとなってしまう。このような下地の平滑化のために、
セメント系の下地調整材を用いる場合があるが、セメン
ト系下地調整材塗膜面に、型枠シートを用いて塗り床材
にて模様形成した場合には、その目地部分はセメント系
下地調整材が現れることになり、降雨による水分の影響
で目地部分からセメント系特有のエフロレッセンスを生
じることがあった。
【0018】したがって、本発明の解決課題の第三は、
水性系の塗り床材において、下地の不陸や凹凸を調整
し、平滑面を形成できると共に、塗付面への実用上十分
な密着性を有し、形成された平滑面の精度が高く、型紙
シートや目地棒を貼り付けて、凹凸模様形成材料を塗付
した場合、隙間への滲み込みが生じず、凹凸模様の境界
を明瞭なものとする水性系の塗り床材の被覆方法を見出
すことである。さらに本発明においては、塗り床材とし
ての基本性能であるノンスリップ効果においても当然優
れた性能を有していることが必要である。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明者らは水性塗り床材を下塗りと上塗り
に分離し、その配合の微妙に異なる水性塗り床材二層塗
りを行うことに想到し本発明を完成した。
【0020】すなわち、本発明は以下のI.〜IV.の各
々を包括するものである。 I.1.a.ガラス転移温度(以下、「Tg」とい
う。)が−20〜10℃の合成樹脂エマルションを含有
し、顔料容積濃度(以下、「PVC」という。)が30
〜50%の下記水性塗料組成物Aを第一層として塗装
し、 2.第一層が乾燥後に、続いてその表面に、b.Tgが
0〜20℃の架橋形合成樹脂エマルションを含有し、P
VCが40〜60%の下記水性塗料組成物Bを第二層と
して塗装することを特徴とする床被覆用水性塗料組成物
の施工方法。 水性塗料組成物A:c.繊維長5〜30μm、繊維径
0.05〜1μmの無機質繊維、d.粒径が45〜25
0μmの無機質粉体を混合した無機質粉粒体を含有す
る。 水性塗料組成物B:c.繊維長5〜30μm、繊維径
0.05〜1μmの無機質繊維、e.粒径が0.5〜4
5μmのものと45〜1000μmのものを混合した無
機質粉粒体を含有する。
【0021】II.1.a.合成樹脂エマルションの固形
分100重量部に対して、c.無機質繊維を5〜10重
量部、d.粒径が45〜250μmの無機質粉体を10
0〜200重量部含有する水性塗料組成物Aを第一層と
して膜厚0.5〜10mmとなるように塗装し、 2.第一層が乾燥後に、続いてその表面に、b.架橋形
合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、
c.無機質繊維を5〜10重量部、e.粒径が0.5〜
45μmのものと45〜1000μmのものを、重量比
率1:5〜1:15で混合した無機質粉粒体を150〜
300重量部含有する水性塗料組成物Bを第二層として
膜厚0.1〜3mmとなるように塗装することを特徴と
するI.に記載の床被覆用水性塗料組成物の施工方法。
【0022】III.無機質繊維がセピオライトであるこ
とを特徴とするI.又はII.に記載の床被覆用水性塗料
組成物の施工方法。
【0023】IV.水性塗料組成物Aを塗装し、塗膜が乾
燥した後に型材を貼り、その後、水性塗料組成物Bを塗
装し、塗装直後又は塗膜が乾燥した後に型材を除去する
ことを特徴とするI.からIII.の何れかに記載の床被覆
用水性塗料組成物の施工方法。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の水性塗料組成物Aで使用
する合成樹脂エマルションは、Tgが−20〜10℃で
あれば特に限定されるものではなく、製造方法も通常の
合成樹脂エマルションの重合方法によるものである。
【0025】この際に使用される重合性モノマーとして
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート等のアクリル系モノマー、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート等のメタクリル系モノマ
ー、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等からTg
が前述の範囲になるように適宜選択して使用することが
できる。但し、Tgや耐久性を考慮した場合には、アク
リル系モノマーとスチレンモノマーとの共重合エマルシ
ョンが好ましい。
【0026】本発明の水性塗料組成物Aで使用する合成
樹脂エマルションとは、架橋反応を生じる官能基モノマ
ーの組み合わせを含有する、又は含有しないものである
が、このような官能基モノマーとは、グリシジル基とカ
ルボキシル基、ヒドラジド基とカルボニル基、エポキシ
基とアミノ基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、自己
縮合する3級アミン−エピクロルヒドリンアダクト、弱
反応性イソシアネートとアミノ基、カルボキシル基とア
ジリジン基、自己縮合するアルコキシシリル基、カルボ
キシル基とカルボジイミド基、アセトアセテート基とケ
チミン基、α位にヘテロ原子を有するエステル基とアミ
ノ基等の組み合わせがあげられる。更に、各々の組み合
せのうち一方のみを含有して、他の重合性モノマーと架
橋反応を生じない場合も含む。
【0027】次に水性塗料組成物Bで使用する合成樹脂
エマルションとしては、架橋形であり、Tgが0〜20
℃のものであれば特に限定されるものではない。重合性
モノマーとしては、前述の水性塗料Aの合成樹脂エマル
ションと同様のものに加えて、架橋反応を生じる官能基
モノマーの組み合せの何れかを含有することが必要であ
る。
【0028】本発明では、水性塗料組成物Aとして、前
述の非架橋形合成樹脂エマルションを使用して、その顔
料容積濃度(以下、「PVC」という。)を30〜50
%に調整して第一層として塗装し、水性塗料組成物Bと
して、前述の架橋形合成樹脂エマルションを使用して、
そのPVCを40〜60%に調整して第二層として、第
一層乾燥後にその表面に塗装する。これにより、比較的
柔らかいアスファルトのような下地面においても、第一
層がこれに追従し、表面の耐摩耗性については第二層が
形成する強固な塗膜により十分なものとなる。
【0029】a.の合成樹脂エマルションのTgが−2
0℃より低い場合は、第一層の塗膜が軟らかすぎて、第
二層が追従できない。また、合成樹脂エマルションのT
gが10℃より高い場合は、床面がアスファルトのよう
な高弾性下地の場合に追従できず、経時でクラックを生
じる可能性がある。一方、架橋形合成樹脂エマルション
のTgが0℃より低い場合は、第二層の耐摩耗性が不十
分となり、20℃より高い場合は塗膜が硬すぎて、第二
層の耐衝撃性が不十分となる。また、水性塗料組成物A
のPVCが30%より低い場合は、水性塗料組成物A中
において、相対的にエマルションの方が多くなり、結果
として水分が多くなるため、低温での乾燥性及び内部強
度が低下する。逆に50%より高い場合は、相対的にエ
マルション量が少なくなり、下地への応力緩和性が低下
する。水性塗料組成物BのPVCが40%より低い場合
は、相対的にエマルションの方が多くなり、結果として
水分が多くなるため低温での乾燥性及び内部強度が低下
すると共に、ノンスリップ性も低下する。逆に60%よ
り高い場合は、相対的にエマルション量が少なくなり、
塗膜が脆くなるため、耐摩耗性、付着強度、応力緩和性
が低下する。
【0030】本発明においては、前述のI.に示したよ
うに、水性塗料組成物Aがc.繊維長5〜30μm、繊
維径0.05〜1μmの無機質繊維、d.粒径が45〜
250μmの無機質粉体を含有し、水性塗料組成物Bが
c.繊維長5〜30μm、繊維径0.05〜1μmの無
機質繊維、e.粒径が0.5〜45μmのものと45〜
1000μmのものを混合した無機質粉粒体を含有する
場合に、本発明の第二の解決課題である、水性系の塗り
床材における乾燥収縮の問題を非常に小さくでき、低温
時における初期の内部強度を発現させる時間を短縮する
ことができる。
【0031】これは、前述のような無機質繊維と無機質
粉体又は無機質粉粒体を含有することにより、塗膜の乾
燥収縮に対する緩衝効果が生じるとともに、水分の蒸発
が促進され、さらに塗膜内部強度を向上させるものであ
る。さらに、乾燥収縮が非常に少なく、内部強度が向上
しているため、第二層の架橋形合成樹脂エマルションを
使用した水性塗料組成物Bの塗装を、第一層が完全に乾
燥する以前、すなわち指触乾燥程度の状態において行な
うことができる。特にこの場合は、第二層が架橋形合成
樹脂エマルションを含有する水性塗料組成物のため、硬
化が非常に早いことともあいまって、時間短縮に非常な
効果が得られる施工方法である。
【0032】このような無機質繊維としては、繊維長5
〜30μm、繊維径0.05〜1μmの無機質繊維であ
れば特に限定されるものではないが、セピオライト、ウ
ォラストナイト、ガラス繊維等があげられる。
【0033】これらの中でも特にセピオライトは、乾燥
収縮に対する効果が大きいため好ましい。このようなセ
ピオライトは、原鉱石をボールミルやローラーミル等の
乾式粉砕手段によって細粉化して、塗料中に配合分散で
きるようにしたものが一般に使用される。
【0034】また場合によっては、特開昭56−118
751号工法に記載のように、原鉱石の50〜150%
に相当する水の存在下にて解砕処理することにより形成
される、針状結晶や繊維状結晶組織が破壊されていない
ものが、揺変性の喪失の程度が低い為、より望ましい。
【0035】無機質繊維の繊維長が5μmより短い場合
は、乾燥収縮の緩和が不十分となり、30μmより長い
場合は、塗料中に分散しづらく、繊維の凝集物微粒子を
生じ、形成された塗膜表面が微細な凹凸状となってしま
う。また、無機質繊維の繊維径が0.05μmより小さ
い場合は、無機質繊維自体の強度がなく、塗膜形成時の
内部強度が低下する。1μmより大きい場合は、塗料の
粘性が劣る。
【0036】次に無機質粉体または無機質粉粒体とは、
水性塗料組成物Aにおいては粒径が45〜250μmの
ものを、水性塗料組成物Bにおいては、粒径が0.5〜
45μmと45〜1000μmのものを混合したもので
あり、一般に塗料中に体質顔料として配合するものであ
れば特に限定されるものではない。このような無機質粉
体としては、重質炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、
クレー、珪藻土、タルク、バライト粉、沈降性硫酸バリ
ウム、炭酸バリウム、珪砂、石英粉等があげられる。各
水性塗料組成物において粒径が範囲外となると、無機質
繊維との複合作用である乾燥収縮の緩和効果が十分に発
揮されない。
【0037】本発明の各水性塗料組成物は、前述の各構
成成分以外にも通常塗料に配合することが可能な各種の
添加剤、すなわち分散剤、増粘剤、湿潤調整剤、防腐
剤、抗菌剤、防藻剤、難燃剤等を配合することができ
る。また、着色顔料や着色骨材等の配合により色彩を付
与することが可能である。
【0038】本発明では、下地の凹凸を調整し平滑な表
面を形成し、比較的柔らかい下地にも追従する水性塗料
組成物Aと、耐久性と化粧性を付与する水性塗料組成物
Bを積層塗付することにより、比較的凹凸の有る床面に
おいても平滑で耐久性、耐摩耗性に優れた床面を形成す
ることができるものである。また、このような積層構造
により、床面の凹凸に起因する塗膜厚みの部分的なばら
つきが有るにも関わらず、乾燥収縮によるクラックを生
じることが無い。これは前述の各構成成分の組み合わせ
とともに、それら各構成成分の物性の規定によって得ら
れるものである。水性塗料組成物Aと水性塗料組成物B
の塗装方法は特に限定されない。但し、床面を考慮する
とローラー塗り、こて塗りが望ましい。
【0039】本発明の第二の解決課題である乾燥収縮の
問題は、水性塗料組成物Aにおいて、a.合成樹脂エマ
ルションの固形分100重量部に対して、b.無機質繊
維が5〜10重量部、c.その他の無機質粉体が100
〜200重量部、水性塗料組成物Bにおいては、d.架
橋形の合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対
して、b.無機質繊維が5〜10重量部、e.粒径が
0.5〜45μmのものと45〜1000μmのもの
を、重量比率1:5〜1:15で混合した無機質粉粒体
が150〜300重量部である時に最も効果が発揮され
る。また、その塗膜厚は水性塗料組成物Aが0.5〜1
0mm、水性塗料組成物Bが0.1〜3mmとするのが
塗膜の積層による効果が最も発揮され望ましい。
【0040】また、本発明の水性塗料組成物は、水性塗
料組成物Aを塗装し、塗膜が乾燥した後に目地棒や孔空
き型紙等の型材を貼り、続いて水性塗料組成物Bを塗装
した後に、それら型材を取り除くことにより、水性塗料
組成物Bによる凹凸模様を形成することができる。この
とき型材の厚みは水性塗料組成物Bの塗装膜厚となる。
このような型材としては、例えば特公平1−46189
号公報に記載のシートや特公平5−497号公報に記載
の型部材があげられる。また、これらの型材を取り除く
時期は、水性塗料組成物Bの厚みや型材の種類により、
未乾燥時または乾燥時の何れかを適宜選択することがで
きる。このような型材を用いた塗装においては、水性塗
料組成物Aと水性塗料組成物Bの塗装方法は特に限定さ
れない。但し、水性塗料組成物Bは、型材への充填塗装
を考慮するとこて塗りが望ましい。
【0041】このような型材を用いた凹凸模様形成の場
合も、前述のIV.に記載のように水性塗料組成物A、
水性塗料組成物B中の構成成分を特定のものとすること
により、下地の不陸や凹凸を調整し、平滑面を形成でき
ると共に、塗付面への実用上十分な密着性を有し、形成
された平滑面の精度が高く、型紙シートや目地棒を貼り
付けて、凹凸模様形成材料を塗付した場合、隙間への滲
み込みが生じず、凹凸模様の境界を明瞭なものとすると
いう、本発明の第三の課題を解決することができる。
【0042】ここで水性塗料組成物Aのb.無機質繊維
の繊維長が5μmより短い場合は、クラック防止効果が
不十分となり、30μmより長い場合は、塗料中に分散
しづらく、繊維の凝集物微粒子を生じ、形成された塗膜
表面が微細な凹凸状となり平滑面を造りにくい。また、
前述のような型材を用いた施工の場合に、型材と水性塗
料組成物A塗膜との間に微細な隙間ができ、水性塗料組
成物Bが型材の隙間に染み込む為、型材を用いた凹凸模
様の目地部分がぼやけた感じになる。つぎにb.無機質
繊維の量が5重量部より少ない場合は、厚塗り時のクラ
ックに追従できなくなり、10重量部より多い場合は、
塗料の粘性がチクソトロピックとなり、こてむらが出や
すくなり凹凸状となる。
【0043】c.無機質粉体の粒径が45μmより小さ
い場合は、微粒粉体の凝集力によりクラックを生じやす
くなり、250μmより大きい場合は、凹凸が大きいた
め、前述の型材を用いた施工の場合に、型材と水性塗料
組成物A塗膜との間に微細な隙間ができ、水性塗料組成
物Bが型材の隙間に染み込む為、型材を用いた凹凸模様
の目地部分がぼやけた感じになる。また、c.無機質粉
体が、100重量部より少ない場合は、初期の内部強度
が弱くなり、型材の除去の際に型材と共に剥がれてしま
う。200重量部より多い場合は、こてむらが出やすく
なり凹凸状となる。
【0044】ここで水性塗料組成物Bのd.架橋形合成
樹脂エマルションのTgが0℃より低い場合は、上塗材
に必要物性である耐摩耗性が劣り、d.架橋形合成樹脂
エマルションのTgが20℃より高い場合は、低温造膜
性が悪くなり、これを改良する為に造膜助剤を大量配合
するとかえって初期の塗膜強度や物性を悪くする結果と
なる。
【0045】b.無機質繊維の繊維長については、前述
の水性塗料組成物Aと同様に、5μmより短い場合は、
クラック防止効果が不十分となり、30μmより長い場
合は、塗料中に分散しづらく、繊維の凝集物微粒子を生
じ、形成された塗膜表面がブツブツ状となり外観を損ね
る結果となる。b.無機質繊維の量についても、前述の
水性塗料組成物Aと同様に5重量部より少ない場合は、
厚塗り時のクラックに追従できなくなり、10重量部よ
り多い場合は、塗料のチクソ性が上がり、こてむらが出
やすくなり凹凸状となる。
【0046】e.無機質粉粒体としては前述c.と同様
の組成の粉粒体を用いる。ここで無機質粉粒体の粒径が
0.5μmより小さい場合は、微粒粉体の凝集力により
クラックを生じやすくなり、1000μmより大きい場
合は、前述の型材を用いた施工の場合に、粒子径の大き
さに起因して、こて塗りを行った際の塗膜表面に骨材の
引きずられた筋跡が発生し美観を損ねる。また、重量比
率が1:5〜15の範囲を外れて45〜1000μmの
ものが少なくなると、クラックを生じやすくなり、45
〜1000μmのものが多くなると、粒子径の異なる粉
体の充填状態のバランスがくずれて、ピンホールを生じ
やすくなる。また、強度も若干低下する傾向になる。
e.無機質粉粒体が、150重量部より少ない場合は、
無機質粉粒体が沈降し、浮き上がった樹脂が塗膜表面に
局在化するため、表面が非常に滑りやすい状態になる。
300重量部より多い場合は、粘度が高くなり、こてむ
らが出やすくなり凹凸状となる他、塗膜が脆くなり、耐
摩耗性、付着強度、応力緩和性が劣る。
【0047】このような水性塗料組成物は、水性塗料組
成物Aが膜厚0.5〜10mmで塗装し乾燥後に、続い
て水性塗料組成物Bを膜厚0.1〜3mmで積層塗装す
るものであるが、このとき水性塗料組成物Aの膜厚が
0.5mmより薄いと下地の凹凸をカバーできない、1
0mmより厚いとクラックを生じる可能性がでてくる。
水性塗料組成物Bの膜厚が0.1mmより薄いと、こて
塗りの際に骨材のころがった跡を生じたり、水性塗料組
成物Aと水性塗料組成物Bの色相が異なる場合に、水性
塗料組成物B塗膜が透けて、水性塗料組成物Aの色相が
現れる。3mmより厚いと塗膜の内部硬化が遅くなり、
型材を除去する際に塗膜が剥離する可能性がある。
【0048】本発明の床被覆用水性塗料組成物の施工方
法においては、塗装する床面の状態によっては、プライ
マーを塗装してもよい。このようなプライマーとして
は、アクリル樹脂エマルション系、塩化ビニル樹脂エマ
ルション系等の水性形、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂
系、ウレタン樹脂系等の溶剤形が使用できる。また、よ
り耐候性、意匠性を高めるために、仕上材を塗付するこ
とも可能である。このような仕上材としては、アクリル
樹脂エマルション系、アクリル−ウレタン樹脂エマルシ
ョン系、加水分解性シリル基含有アクリル樹脂エマルシ
ョン系等の水性系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、
加水分解性シリル基含有アクリル樹脂系等の溶剤形エナ
メルないしはクリヤーが用いられる。
【0049】
【実施例】以下に本発明の効果を実証すべく、各種水性
塗料組成物を作製し、以下の試験方法に基づいて試験を
行った。
【0050】(試験方法) ・アスファルト追従性試験 30×30cmのアスファルトコンクリートの中央部
に、第一層(下層)、第二層(上層)それぞれの水性塗
料組成物を、下層となるものは5mmの塗膜厚で、上層
となるものは2mmの塗膜厚で20×20cmの範囲に
こて塗り塗装する。施工後、約1週間養生したのち、そ
の試験体を、夏場の炎天下のアスファルト下地を想定
し、70℃の恒温室に入れ、試験体が70℃に達した後
に、恒温室から取り出し、JISK 5400-1990 「塗料一般
試験方法」8.3.1 落球試験に用いる鉄球500gを使
用して、1mの高さから落とし、塗膜の状態を観察し
た。この時、異常の無いものを○、表面のへこみがある
ものを△、塗膜の割れ及びアスファルトと塗膜の剥離が
あるものを×として評価した。
【0051】・耐摩耗性試験 第一層(下層)、第二層(上層)それぞれの水性塗料組
成物を、エポキシ樹脂系プライマーを塗付・乾燥した、
大きさ100mm×100mm×1mmの鋼板にそれぞ
れ1mmの塗膜厚にてこて塗り塗装し乾燥後、1週間標
準状態に置いたものを、JISK 5400-1990 「塗料一般試
験方法」8.9 「耐摩耗性」に準じて摩耗減量(mg)
を算出した。
【0052】・ひび割れ(クラック)性試験 第一層(下層)、第二層(上層)それぞれの水性塗料組
成物を、アクリル樹脂エマルション系プライマーを塗付
・乾燥した大きさ200mm×300mm×3mmのス
レート板に下層となるものは10mmの塗膜厚で、上層
となるものは2mm塗膜厚でこて塗り塗装し、塗装直後
にJISA 6909-1981 「薄付け仕上塗材」5.7 「初期乾
燥によるひび割れ抵抗性」に準じて、風速3m/s±1
0%に調整した風洞内に入れ、6時間後に試験体を取り
出し、表面にひび割れ(クラック)が生じているかどう
かを目視にて確認した。このときひび割れの無いものを
×、ひび割れのあるものを○として評価した。
【0053】・上層にじみ性試験 アクリル樹脂エマルション系プライマーを塗付・乾燥し
た、大きさ910mm×910mm×6mmのスレート
板に、下層となる水性塗料組成物を1mmの塗膜厚で、
こてにて塗付し24時間乾燥後に、タイル模様に複数の
孔が開き、剥離性粘着剤層の積層された厚み1mmの型
紙を全面に貼り付けした。さらに、その型紙の孔部分に
上層となる水性塗料組成物をこてにて充填塗付した。こ
のとき上層となる水性塗料組成物が、型紙の孔部分か
ら、型紙と下層塗膜との粘着部分の隙間ににじみ込んで
いないかを目視にて確認する。このときにじみの無いも
のを○、若干にじみのあるものを△、明確ににじみが見
られるものを×として評価した。
【0054】・低温時付着性試験 アクリル樹脂エマルション系プライマーを塗付・乾燥し
た、大きさ910mm×910mm×6mmのスレート
板に、低温(5℃)の条件下にて、下層となる水性塗料
組成物を1mmの塗膜厚で、こてにて塗付し、16時間
乾燥後に、タイル模様に複数の孔が開き、剥離性粘着剤
層の積層された厚み1mmの型紙を全面に貼り付けし
た。さらに、その型紙の孔部分に上層となる水性塗料組
成物をこてにて充填塗付し、1時間後に型紙を除去した
場合に、下層の水性塗料組成物の塗膜が型紙と共に剥離
するかどうかを目視にて確認した。このとき剥離しない
ものを○、剥離するものを×として評価した。
【0055】・仕上がり性試験 前述の型材にじみ性試験の際に、下層となる水性塗料組
成物をこてにて塗装した場合および上層の水性塗料組成
物をこてにて塗装した場合の、塗膜表面のこてむらの状
態、および粗粒骨材の滑りによる筋跡の発生の状態を目
視にて確認した。このとき筋跡が無いものを○、筋跡が
若干あるものを△、非常に筋跡があるものを×として評
価した。
【0056】・耐エフロレッセンス性試験 前述の上層にじみ性試験および仕上がり性試験の際に用
いた試験体を1週間標準状態にて置いたものを、水中に
1日間浸漬し、その後引き上げて乾燥後、塗膜の表面状
態を目視にて確認する。このとき塗膜表面や目地部分に
エフロレッセンスが発生していないものを○、エフロレ
ッセンスの発生しているものを×として評価した。
【0057】(配合例1〜配合例20)本発明の効果確
認のために第一層(下層)、第二層(上層)となる各水
性塗料組成物について製造した。これらの水性塗料組成
物の製造に用いた原料は、表1に記載したものを用い各
配合は表2および表3に記載のようにした。
【表1】
【表2】
【表3】
【0058】(積層例1)表4に示したように下層とし
て配合例1、上層として配合例3を用い、前述の各試験
方法について試験を行った。結果は表5に示したように
すべての試験において良好な結果となった。すなわち形
成された塗膜が、 ・下地への追従性。 ・耐摩耗性に優れた表面の形成。 ・厚塗りにもかかわらずクラックを生じることがない。 ・下地の凹凸の補修。 ・型材を用いて各種の凹凸模様が形成可能。 ・目地におけるにじみ問題を生じることが無い。 という効果を有する優れた床被覆用水性塗料組成物の施
工方法であることが明確になった。
【0059】(積層例2)積層例1と同様に表4に示し
た各水性塗料組成物の組み合わせによって、下層、上層
を塗装し各試験を行った。結果は表5に示したようにす
べての試験において実施例1と同様に良好な結果となっ
た。
【0060】(積層例3)下層の水性塗料組成物とし
て、無機質繊維であるセピオライトの含有量が、本発明
における最も望ましい範囲より少ない配合例5を用い、
上層の水性塗料組成物として配合例4を用いた以外は、
積層例1と同様に各試験を行った。結果は表6に示した
ように、下層を10mmもの厚塗りとした場合には、ひ
び割れ性試験においてクラックを生じたが、下層を5m
m程度の厚みにした場合には、本発明の解決課題の第一
であるアスファルト追従性と耐摩耗性において良好な結
果となった。しかしながら、この下層の表面に型材を貼
り付けて上層を塗装し、その後型材を除去した際には下
層の付着強度が弱く剥離してしまった。
【0061】(積層例4)下層の水性塗料組成物とし
て、セピオライトの含有量が、本発明における最も望ま
しい範囲より多い配合例6を用い、上層の水性塗料組成
物として配合例4を用いた以外は、積層例1と同様に各
試験を行った。結果は表6に示したように、本発明の解
決課題の第一であるアスファルト追従性と耐摩耗性にお
いて良好な結果となり、また、本発明の解決課題の第二
である乾燥収縮においても良好な結果となった。しかし
ながら、下層の水性塗料組成物の粘性がチクソトロピッ
クなため、こて塗り時の塗膜表面が凹凸状となった。こ
のため、型材を貼り付けての上層の塗装時に目地部分に
おいて、上層の水性塗料組成物が型材と下層との隙間に
にじみ込んだ。その結果、型材除去後の上層の凹凸模様
凸部境界が不明瞭となってしまった。
【0062】(積層例5)下層の水性塗料組成物とし
て、PVCが本発明の規定する範囲より少ない配合例7
を用い、上層の水性塗料組成物として配合例4を用いた
以外は、積層例1と同様に各試験を行った。結果は表6
に示したように、下層が軟らかすぎて、上層が追従でき
ずクラックを生じた。すなわち本発明の解決課題の第一
であるアスファルト追従性さえ満たすことができなかっ
た。
【0063】(積層例6)下層の水性塗料組成物とし
て、PVCが本発明の規定する範囲より多い配合例8を
用い、上層の水性塗料組成物として配合例4を用いた以
外は、積層例1と同様に各試験を行った。結果は表6に
示したように、下層を10mmもの厚塗りとした場合に
は、ひび割れ性試験においてクラックを生じた。また、
下層を5mm程度の厚みにした場合にもクラックを生
じ、本発明第一の解決課題であるアスファルト追従性さ
え満たすことができなかった。
【0064】(積層例7)下層の水性塗料組成物として
配合例1を用い、上層の水性塗料組成物として、2種混
合の無機質粉粒体の混合比率が、本発明における最も望
ましい混合比率に対して、大粒径のものが少ない配合例
15を用いた以外は、積層例1と同様に各試験を行っ
た。結果は表6に示したように、本発明の解決課題の第
一であるアスファルト追従性と耐摩耗性において良好な
結果となった。しかしながら、相対的に微粒粉体の量が
増えるため、非常に乾燥速度が速い条件下においては、
微粒粉体の凝集力により上層にクラックを生じた。
【0065】(積層例8)下層の水性塗料組成物として
配合例1を用い、上層の水性塗料組成物として、2種混
合の無機質粉粒体の混合比率が、本発明において最も望
ましい混合比率に対して、大粒径のものが多い配合例1
6を用いた以外は、積層例1と同様に各試験を行った。
結果は表6に示したように、本発明の解決課題の第一で
あるアスファルト追従性と耐摩耗性において良好な結果
となり、また、本発明の解決課題の第二である乾燥収縮
においても良好な結果となった。しかしながら、粒子径
の異なる無機質粉粒体の充填状態が崩れて上層にピンホ
ールを発生した。また、上層の水性塗料組成物の粘性が
変化するため、型材と下層の隙間ににじみ込む傾向とな
った。
【0066】(積層例9)下層の水性塗料組成物として
配合例1を用い、上層の水性塗料組成物として、2種混
合の無機質粉粒体の全体量が、合成樹脂エマルション固
形分に対して、本発明において最も望ましい量より少な
い配合例17を用いた以外は、積層例1と同様に各試験
を行った。結果は表6に示したように、本発明の解決課
題の第一であるアスファルト追従性と耐摩耗性において
良好な結果となり、また、本発明の解決課題の第二であ
る乾燥収縮においても良好な結果となった。しかしなが
ら、少ない骨材が上層中で沈降し、浮き上がった樹脂が
表面に局在化するため、表面が非常に滑りやすくなると
ともに、耐摩耗性が劣ることになる。また、上層の水性
塗料組成物の粘性が変化するため、型材と下層の隙間に
にじみ込む傾向となった。
【0067】(積層例10)下層の水性塗料組成物とし
て配合例1を用い、上層の水性塗料組成物として、2種
混合の無機質粉粒体の全体量が、合成樹脂エマルション
固形分に対して、本発明における最も望ましい量より多
い配合例18を用いた以外は、積層例1と同様に各試験
を行った。結果は表6に示したように、本発明の解決課
題の第一であるアスファルト追従性と耐摩耗性において
良好な結果となり、また、本発明の解決課題の第二であ
る乾燥収縮においても良好な結果となった。しかしなが
ら、上層の水性塗料組成物の粘度が高くなりこてむらを
生じた。また、こて塗り時に無機質粉粒体による筋跡を
生じた。
【0068】(積層例11)下層の水性塗料組成物とし
て、セピオライトの繊維長が本発明における最も望まし
い範囲より短い配合例9を用い、上層の水性塗料組成物
として配合例4を用いた以外は、積層例1と同様に各試
験を行った。結果は表6に示したように、下層を10m
mもの厚塗りとした場合には、ひび割れ性試験において
クラックを生じたが、下層を5mm程度の厚みにした場
合には、本発明の解決課題の第一であるアスファルト追
従性と耐摩耗性において良好な結果となった。しかしな
がら、同一配合量としては、単繊維の分だけ比表面積が
増加するため吸油量が増え、この結果、下層の表面が凹
凸状となり、仕上がり性の低下と型材を貼り付けた場合
の、上層の水性塗料組成物のにじみが発生する。その結
果、型材除去後の上層の凹凸模様凸部境界が不明瞭とな
ってしまった。
【0069】(積層例12)下層の水性塗料組成物とし
て、セピオライトの繊維長が本発明における最も望まし
い範囲より長い配合例10を用い、上層の水性塗料組成
物として配合例4を用いた以外は、積層例1と同様に各
試験を行った。結果は表6に示したように、本発明の解
決課題の第一であるアスファルト追従性と耐摩耗性にお
いて良好な結果となり、また、本発明の解決課題の第二
である乾燥収縮においても良好な結果となった。しかし
ながら、下層の水性塗料組成物中において、繊維長の長
いセピオライトが分散しづらく、繊維の凝集物を生じる
為、下層の表面が凹凸となり、型材を貼り付けての上層
の塗装時に目地部分において、上層の水性塗料組成物が
型材と下層との隙間ににじみ込んだ。その結果、型材除
去後の上層の凹凸模様凸部境界が不明瞭となってしまっ
た。
【0070】(積層例13)下層の水性塗料組成物とし
て、無機質粉体の粒径が、本発明における最も望ましい
範囲より小さい配合例11を用い、上層の水性塗料組成
物として配合例4を用いた以外は、積層例1と同様に各
試験を行った。結果は表6に示したように、下層を10
mmもの厚塗りとした場合には、ひび割れ性試験におい
てクラックを生じたが、下層を5mm程度の厚みにした
場合には、本発明の解決課題の第一であるアスファルト
追従性と耐摩耗性において良好な結果となった。しかし
ながら、下層の付着強度が若干弱いため表面に型材を貼
り付けて上層を塗装し、その後型材を除去した際に下層
が剥離してしまった。
【0071】(積層例14)下層の水性塗料組成物とし
て、無機質粉体の粒径が、本発明における最も望ましい
範囲より大きい配合例12を用い、上層の水性塗料組成
物として配合例4を用いた以外は、積層例1と同様に各
試験を行った。結果は表6に示したように、本発明の解
決課題の第一であるアスファルト追従性と耐摩耗性にお
いて良好な結果となり、また、本発明の解決課題の第二
である乾燥収縮においても良好な結果となった。しかし
ながら、下層の表面の凹凸が大きい為、型材と下層表面
との間に隙間が生じ易く、上層の塗装時に目地部分にお
いて、上層の水性塗料組成物が型材と下層との隙間にに
じみ込んだ。その結果、型材除去後の上層の凹凸模様凸
部境界が不明瞭となってしまった。
【0072】(積層例15)下層の水性塗料組成物とし
て配合例1を用い、上層の水性塗料組成物として、無機
質粉粒体の一方の粒子径が、本発明における最も望まし
い範囲より大きい配合例20を用いた以外は、積層例1
と同様に各試験を行った。結果は表6に示したように、
本発明の解決課題の第一であるアスファルト追従性と耐
摩耗性において良好な結果となり、また、本発明の解決
課題の第二である乾燥収縮においても良好な結果となっ
た。しかしながら、骨材の粒径が大きい為、上層の水性
塗料組成物をこて塗りした際に、骨材による筋跡が生じ
た。
【0073】(積層例16)下層の水性塗料組成物とし
て、合成樹脂エマルションのTgが、本発明における範
囲より高く、粒径が大きい無機質粉体を用いた配合例1
3を用い、上層の水性塗料組成物として配合例4を用い
た以外は、積層例1と同様に各試験を行った。結果は表
6に示したように、本発明の解決課題の第一であるアス
ファルト追従性においてクラックを生じた。さらに、上
層の水性塗料組成物が型材と下層との隙間ににじみ込ん
だ。
【0074】(積層例17)下層と上層の水性塗料組成
物として、共に合成樹脂エマルションが非架橋形の配合
例1及び配合例14を用いた以外は、積層例1と同様に
各試験を行った。結果は表6に示したように、共に非架
橋形のためアスファルト追従性試験においてへこみを生
じ、上層表面の硬度が不十分のため、耐摩耗性にも非常
に劣る結果となった。すなわち、本発明の第一の解決課
題さえも満たす事ができなかった。
【0075】(積層例18)下層の水性塗料組成物とし
て配合例1を用い、上層の水性塗料組成物として、合成
樹脂エマルションのTgが本発明の規定する範囲より低
い配合例19を用いた以外は、積層例1と同様に各試験
を行った。結果は表6に示したように上層表面の硬度が
不十分となり、耐摩耗性に非常に劣る結果となった。す
なわち、本発明の第一の解決課題さえも満たす事ができ
なかった。
【0076】(積層例19)下層と上層の水性塗料組成
物として、共に合成樹脂エマルションが架橋形の配合例
2及び配合例3を用いた以外は、積層例1と同様に各試
験を行った。結果は表6に示したように、すべての試験
において実施例1と同様に良好な結果となった。
【0077】(積層例20)下層の水性塗料組成物とし
てポリマーセメント系フィラーを用い、上層の水性塗料
組成物として配合例4を用いた以外は、積層例1と同様
に各試験を行った。結果は表6に示したように、ポリマ
ーセメントが硬いため、アスファルト追従性試験におい
て塗膜の割れを生じ、本発明の第一の解決課題さえも満
たす事ができなかった。また、下層のポリマーセメント
系フィラー層の表面が荒いためこて塗り時に筋跡を生じ
た。また、低温時にはセメントの硬化反応が不十分な
為、ポリマーセメント系フィラー層の基材への付着力が
弱くなり、下層の表面に型材を貼り付けて上層を塗装
し、その後型材を除去した際に下層が剥離してしまっ
た。さらに、水中への浸漬を行った場合は、目地部分に
白くエフロレッセンスを発生し、外観を損ねてしまっ
た。
【表4】
【表5】
【表6】
【0078】
【発明の効果】本発明は、溶剤形塗り床材に含有され
る、有害な揮発性有機化合物の含有量が比較的少なく、
従来の溶剤形や無溶剤形の場合のような、最適塗膜を得
るための配合比率への注意を必要とはしない、一液で常
温硬化可能な水性の塗り床材である。さらに、塗装下地
がアスファルトのような比較的柔らかいものの場合で
も、下地に追従できるとともに、塗膜表面の耐摩耗性等
の強度は十分有している。また、水の蒸発を必然とする
水性塗材の硬化機構により、低温時の反応性の遅さや、
水分蒸発による肉痩せを原因とするクラックの発生等の
問題を解決し、凹凸の激しい床面において第一層により
平滑面を形成し、第二層によって耐摩耗性に優れる表面
を形成する床面被覆施工方法である。また、第二層の施
工に際し、型材を用いて凹凸模様を形成する場合におい
ても、型材と第一層表面との隙間に第二層の水性塗料組
成物がにじみ込まないような状態となっているため、凸
部境界部の稜線が明確でシャープな凸部模様を形成する
ことが可能であるという効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.a.ガラス転移温度(以下、「Tg」
    という。)が−20〜10℃の合成樹脂エマルションを
    含有し、顔料容積濃度(以下、「PVC」という。)が
    30〜50%の下記水性塗料組成物Aを第一層として塗
    装し、 2.第一層が乾燥後に、続いてその表面に、b.Tgが
    0〜20℃の架橋形合成樹脂エマルションを含有し、P
    VCが40〜60%の下記水性塗料組成物Bを第二層と
    して塗装することを特徴とする床被覆用水性塗料組成物
    の施工方法。 水性塗料組成物A:c.繊維長5〜30μm、繊維径
    0.05〜1μmの無機質繊維、d.粒径が45〜25
    0μmの無機質粉体を混合した無機質粉粒体を含有す
    る。 水性塗料組成物B:c.繊維長5〜30μm、繊維径
    0.05〜1μmの無機質繊維、e.粒径が0.5〜4
    5μmのものと45〜1000μmのものを混合した無
    機質粉粒体を含有する。
  2. 【請求項2】1.a.合成樹脂エマルションの固形分1
    00重量部に対して、c.無機質繊維を5〜10重量
    部、d.粒径が45〜250μmの無機質粉体を100
    〜200重量部含有する水性塗料組成物Aを第一層とし
    て膜厚0.5〜10mmとなるように塗装し、 2.第一層が乾燥後に、続いてその表面に、b.架橋形
    合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、
    c.無機質繊維を5〜10重量部、e.粒径が0.5〜
    45μmのものと45〜1000μmのものを、重量比
    率1:5〜1:15で混合した無機質粉粒体を150〜
    300重量部含有する水性塗料組成物Bを第二層として
    膜厚0.1〜3mmとなるように塗装することを特徴と
    する請求項1に記載の床被覆用水性塗料組成物の施工方
    法。
  3. 【請求項3】無機質繊維がセピオライトであることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の床被覆用水性塗
    料組成物の施工方法。
  4. 【請求項4】水性塗料組成物Aを塗装し、塗膜が乾燥し
    た後に型材を貼り、その後、水性塗料組成物Bを塗装
    し、塗装直後又は塗膜が乾燥した後に型材を除去するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の
    床被覆用水性塗料組成物の施工方法。
JP09050798A 1998-04-03 1998-04-03 床被覆用水性塗料組成物の施工方法 Expired - Fee Related JP3445739B2 (ja)

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JP2012193591A (ja) * 2011-03-18 2012-10-11 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 舗装材

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