JP5775800B2 - 1液常温架橋型水性被覆組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜防水工法(特にウレタン防水工法)用のトップコート、あるいは木材(建築物内装材、建築物外装材、各種床材、窯業建材その他の各種建材、木工家具などを含む)や金属(素材および成形物)、プラスチック(素材および成形物)などの塗装のためのトップコートもしくはプライマーコートとして使用される水性被覆組成物、とりわけ1液常温架橋型の水性被覆組成物に関するものである。
従来から、簡便に使用できかつ環境面や安全面で有利な1液タイプの常温乾燥用の水性塗料として、アクリル系共重合体水分散液が広く使用されている。この種のアクリル系共重合体水分散液からなる水性塗料は、塗装後の常温での成膜過程で、エマルジョン粒子同士の融着を必要とする。従って1液常温乾燥用水性塗料に用いられるアクリル系共重合体は、その造膜性の関係から、樹脂のガラス転移温度(Tg)を高くすることが困難であり、そのため耐汚染性が低く、耐水性等においても脆弱さは否めない。
一方、市場は年々高級化志向が強くなり、水性塗料についても、有機溶剤型ウレタン塗料に匹敵する耐久性、強靭性、さらには耐汚染性を有することが求められるようになっている。また最近では、環境衛生、消防法等の点からも、水性化が要求されてきていることもあり、そこで、有機溶剤型ウレタン塗料と同等の塗膜性能を有する1液常温乾燥型水性塗料の開発が強く望まれるようになっている。
上述のような要望に応えるための従来の対策としては、水酸基を含む水性アクリルポリオールと水分散ポリイソシアネートとの2液化した水性塗料が開発されており、この種の塗料では、融着に加えウレタン反応(架橋反応)が生起されることによって、耐候性、耐水性等の向上が図られている(特許文献1参照)。
しかしながらこのような2液架橋タイプの水性塗料では、2液を混合する手間の煩わしさに加え、2液混合後の可使時間(ポットライフ)に伴う色変化、光沢変化、増粘、仕上がり外観において不具合が生じていた。
また、鋼構造物の改修用途には、水分散エポキシ樹脂をアミンで硬化させる2液性下塗用の塗料があるが、これは反応速度が遅く、上塗塗料を塗布するまでに充分な時間を取る必要がある。
一方、水性1液タイプの塗料としても、エマルジョンにウレタン機能を付与する目的で、カルボニル基含有共重合体水分散液に、ヒドラジド残基を有するウレタン重合体水分散液を架橋反応させる試みが以前からなされてきている(特許文献2参照)。しかし、この組成物のみでは、ウレタン系防水材、建築内・外装材、金属素材・金属成型物、木材床材・木材成形物、窯業建材内・外装材、プラスチック素材向け用途に於ける造膜及び架橋時の脆弱さ、仕上がり外観、光沢、乾燥性、耐水性、さらには耐候性、屋外暴露汚染性等の点で、水性2液タイプの塗料と比較して劣らざるを得ず、満足できる品質は、得られていなかったのが実情である。
特開平2−105879号公報 特開平1−301761号公報
被覆組成物の用途は多岐にわたっており、塗装の対象物として様々のものがあると同時に、塗装目的、使用環境も様々である。しかしながら従来開発されている塗料用の被覆組成物は、特定の対象物、特定の使用環境、特定の使用目的については満足させることができるものもあったが、多岐にわたる用途のそれぞれに対して、充分な性能を発揮させ得る被覆組成物は稀であり、特に簡便な1液タイプの常温乾燥型であってしかも環境面や安全面に有利な水系の被覆組成物として、様々な用途で優れた塗膜性能を確保し得る被覆組成物は開発されていなかったのが実情である。
次に、主な用途別に、従来の塗料用の被覆組成物の問題点および解決すべき課題について説明する。
〔防水目的用途〕
建築物の防水工法(建築物内・外装含む)は、建築物の老朽化を防止し長寿命化させる効果があり、資源の有効利用及び廃材を低減させる上で重要である。
防水工法の方法としては、大別してアスファルト防水、シート防水、ウレタン防水(手塗り、超速硬化スプレー)がある。それぞれの防水工法においては、下地劣化を防ぎ、美観を付与する目的で、耐候性に優れた塗膜物性を有するトップコートを塗布するのが通常である。ここで、ウレタン防水層にトップコートを塗布する際には、充分な接着性を得るために溶剤系2液ポリウレタン樹脂からなるトップコートを塗布するのが一般的であるが、その場合、2液混合の煩わしさに加え2液混合後の可使時間(ポットライフ)に伴う色変化、光沢変化、増粘、仕上がり外観において不具合が生じる。
さらに、2液混合の煩わしさを解消するために1液化した場合には、分子量が充分ではないため、満足できる塗膜性能を得ることが困難となる。また、良好な塗膜性能を得るために高分子量化した場合には、高粘度となって、塗装作業性に問題が生じる。
近年環境問題改善のため、溶剤系ポリウレタン系塗料を水系2液化する動きが進められているが、その場合でも、溶剤系と同様に、2液混合の煩わしさに加え、2液混合後の可使時間(ポットライフ)に伴う色変化、光沢変化、増粘、仕上がり外観において不具合の改善は達成されていない。
そこで防水用トップコートの被覆組成物としては、耐候性などの塗膜性能が優れると同時に、塗装作業性、外観特性に優れたもの、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
〔金属ヘの塗装用:プライマーコート用・トップコート用〕
金属素材への塗装も、建築、建材部品の劣化を防止し、建築物の老朽化を防止し長寿命化させる効果がある。
金属素材への塗装としては、金属の劣化防止のため、耐食性や密着性に優れた化成処理被膜や溶剤系エポキシ系プライマー、粉体塗料を使用しているが、いずれも耐候性が劣るため耐久性に問題があり、そこで耐候性に優れた塗膜物性を有するウレタン系トップコートが望まれる。耐候性については、溶剤系として熱硬化型樹脂を用いることによって、あるいは2液型とすることによって、ある程度解決されて、既に長年使用されている。
しかし、近年は環境問題の観点から、また省エネの観点から、低温硬化型へのシフトや、有機溶剤の削減のためのトップコート塗料の水系2液化に動きが進められている。
金属素材を被塗物とした場合には、従来は、プライマー、トップコートとも、常温乾燥用水性塗料として水系アクリル系エマルジョンやポリウレタンディスパージョンを使用することが知られている。また、脂肪酸で変性させたエポキシ樹脂を、金属触媒の効果により、空気中で脱水縮合させる塗料組成物が知られているが、いずれも硬化反応が遅く、環境因子により安定した塗装作業性が得られない問題がある。
そこで金属素材に対するプライマーコート用として、耐食性、密着性、耐久性(耐候性)などの塗膜性能が優れると同時に、塗装作業性に優れたもの、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
金属素材に対するトップコートとしては、従来から、水に対し溶解可能な有機溶剤を含む水溶性型塗料が使用されているが、多量の有機溶剤の影響で、環境対応としては不充分である。また、金属に対する耐候性、耐食性等の物性も充分ではない。
金属プライマーコートの用途としては、金属密着性に優れた水分散性アクリル変性エポキシ樹脂を使用する1液型常乾塗料の技術が知られているが、これは、架橋構造を持たないため、充分な耐水性、耐食性が得られない。
また、水分散エポキシ樹脂をアミンで硬化させる2液性プライマーも知られているが、これは、2液混合の煩わしさに加え、硬化反応が遅いため、上塗塗料を塗布するまでに充分な時間を取る必要がある。
したがって金属素材に対するトップコート用としては、耐候性、耐食性、密着性、耐久性などの塗膜性能が優れると同時に、塗装作業性に優れたもの、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
〔木材用:特に木材床用〕
木材床(体育館・ホール・教室・スタジオ・店舗)補修用としては、塗膜の硬度、耐磨耗性、照明の映える光沢、レベリング性などが要求される。
従来から木材床補修用としては1液油性塗料(溶剤系)が多く使用されているが、近年環境問題改善の観点から、水性塗料の使用も増えており、特に官公庁関係では、水性塗料の指定が多い。
現状では、酸化重合タイプの1液水性が主流であるが、これは、乾燥性や、肉持性が劣る問題がある。。また水酸基含有のアクリルポリオールと水分散イソシアネートの2液反応により、物性及び肉持が良く乾燥の速い2液水性ウレタンの使用量も増えてきてはいるが、この場合、アクリルエマルジョンを使用するため、1液油性塗料(溶剤系)の様な、高光沢性、肉持性を得ることが困難である。
そこで、木材用、特に木材床用としては、高硬度、耐磨耗性、レベリング性、乾燥性や、肉持性、高光沢を有し、その他塗装作業性に優れた被覆組成物、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
〔木材用:特にコンテナ木材床用〕
コンテナ木床用(船積みコンテナ底床)は、耐汚染性、油ブリード抵抗性、臭気封止効果(魚粉・骨粉・飼料・アルコール・ココナッツ)、耐アルカリ洗浄性、塗装作業性が要求される。
従来から、コンテナ船が航海を終えた時のコンテナ床の塗り直しには、1液油性塗料(溶剤系)が使用されている。しかしながら、コンテナ床に要求される機能(耐汚染性、油ブリード抵抗性、臭気封止効果、耐アルカリ洗浄性)についてはクリアされておらず、特に油性塗料(溶剤系)のため、塗装作業性において臭いの問題が大きく、また乾燥に時間がかかるためにゴミの付着等の問題もある。
一方近年は、環境問題改善の観点から、水性塗料が使用されてきているが、上記の要求性能(耐汚染性、油ブリード抵抗性、臭気封止効果、耐アルカリ洗浄性)や塗装作業性を満足することは困難である。
そこで、木材用、特にコンテナ木材床用としては、耐汚染性、油ブリード抵抗性、臭気封止効果、耐アルカリ洗浄性、塗装作業性に優れた被覆組成物、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
〔木材用:特に木工家具仕上げ用〕
木工家具用仕上げ用の塗膜の要求特性としては、肉付性、目止性、光沢、硬度、導管への浸透性、耐白化性(耐沸騰水性)等があげられる。
従来から、溶剤系硝化綿ラッカー、2液アミノアルキッド、2液ポリウレタン等が多く使用されているが、近年は環境問題改善の観点から、1液・2液水系塗料の開発が盛んに進められている。しかしながら、肉付性、目止性、光沢、硬度、導管への浸透性、耐白化性(耐沸騰水性)等の性能が充分に得られず、ましてや塗装作業性においては、垂れ、額縁、艶むら等の改善がなされていない。
そこで木工家具仕上げ用としては、肉付性、目止性、光沢、硬度、導管への浸透性、耐白化性等の性能が優れると同時に塗装作業性に優れた被覆組成物、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
〔窯業建材内装・外装用〕
珪酸カルシウム板などの窯業建材内・外装用に求められる性能、塗装作業性としては、耐汚染性、耐薬品性、硬度、耐候性、フローコーター塗装性及び塗装直後積載時の不粘着性(接触跡残り)があげられる。
従来から、溶剤系アクリルウレタンをベースにフローコーター塗装にて量産しているが、近年は環境問題改善の観点から、2液水系塗料の開発が盛んに進められている。しかしながら、フローコーター塗装直後積載時の不粘着(接触跡残り)、性能の課題がクリアされていないのが実情である。すなわち、従来の2液水性塗料を応用しただけでは、低温・短時間強制乾燥では架橋反応が進まず、不粘着性をクリアすることが不可能である。
そこで窯業建材内装・外装用としては、耐汚染性、耐薬品性、硬度、耐候性、フローコーター塗装性ばかりでなく、不粘着性も優れた被覆組成物、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
〔プラスチック用〕
プラスチック素材への塗装の場合は、密着性、耐水性、耐候性、素材の劣化保護性、乾燥性、塗装作業性が要求される。プラスチック素材に対するトップコートとしては、従来から溶剤系2液塗料が使用されているが、2液混合の煩わしさ解消及び有機溶剤の削減の観点から、1液、2液水系化が進められている。しかしながら、水性2液では、溶剤系と同様に2液混合の煩わしさに課題が残る。また1液水性では、水に対し溶解可能な有機溶剤を使用した水溶性型塗料が使用されているが、この場合、有機溶剤を多量に含むため、環境対策としては不充分であり、さらに、不粘着性に課題が残る。
そこでプラスチック用としては、密着性、耐水性、耐候性、素材の劣化保護性、乾燥性、塗装作業性が優れると同時に、不粘着性も優れた被覆組成物、とりわけ1液水性タイプの常温乾燥型被覆組成物の開発が強く望まれている。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、基本的には、1液常温乾燥タイプ、特に1液常温架橋タイプの水性被覆組成物として、従来の2液タイプ、とりわけ2液架橋タイプの被覆組成物や、溶剤系の被覆組成物と比較して遜色のない性能を有し、しかも前述のような種々の用途、例えばウレタン系防水材、建築内・外装材、金属素材・金属成型物、木材床材・木材成形物、窯業建材内・外装材、プラスチック素材などの用途に使用される被覆組成物として、それぞれの用途に応じた要求を満足し得る被覆組成物を提供することを課題としている。
前述のような課題を解決するため、本発明者等が鋭意実験、検討を重ねた結果、次の(A)、(B)、(C)の三成分を同時に含有する組成物とすることによって、上記の課題を解決し得ることを見い出し、本発明をなすに至った。
すなわち、
(A)水性媒体中に分散された粒子内に、ヒドラジン構造を有する(すなわちヒドラジン残基を有する)ポリウレタンとカルボニル基含有アクリル系ポリマーとを含有させた1液常温架橋ポリマーエマルジョン、言い換えれば常温でケチミン反応により架橋し得る1液常温架橋ポリマーエマルジョンをベースとし、
(B)粒子内に、ガラス転移温度(Tg)が高い成分(高Tg成分))からなる部分と、ガラス転移温度(Tg)が低い成分(低Tg成分)からなる部分とを併せ持つポリウレタンディスパージョンと、
(C)平均粒子径が5〜140nmの範囲内にある超微粒子ナノエマルジョンと
を配合することによって、1液水性タイプとして常温で自己架橋し、各種性能が、従来の溶剤型や2液混合架橋タイプと比較して遜色なく、かつ前記各用途で要求される性能を満足し得る被覆組成物が得られることを見い出し、本発明に至った。
したがって本発明の基本的な態様(第1の態様)による1液常温架橋型水性被覆組成物は、水性媒体中に分散された粒子内に、ヒドラジン構造を有する(すなわちヒドラジン残基を有する)ポリウレタンとカルボニル基含有アクリル系ポリマーとを含有させた1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)と、粒子内に、ガラス転移温度(Tg)が高い成分(高Tg成分))からなる部分及びガラス転移温度(Tg)が低い成分(低Tg成分)からなる部分とを併せ持つポリウレタンディスパージョン(B)と、平均粒子径が5〜140nmの範囲内にある超微粒子ナノエマルジョン(C)とが配合されてなることを特徴とするものである。
このような本発明の基本的な態様の1液常温架橋型水性被覆組成物における、前記(A)の1液常温架橋ポリマーエマルジョン成分は、カルボニル基とヒドラジン残基とを同時に有しているため、塗膜の成膜時に常温架橋反応(ケチミン反応)を得ることができる。
この反応は、カルボニル基とヒドラジン基との脱水縮合反応であり、水の蒸発と同時に架橋反応が迅速に進行する。このとき、若干でも架橋反応が進行すれば、水に再分散しなくなることから、乾燥初期から耐水性等の塗膜物性の向上を図ることができる。またこの架橋反応は粒子間架橋であるため、架橋の反応点が粒子表面であり、そのため通常の自己架橋型(酸化硬化やアルコキシシランの加水分解縮合など)の反応と比べて、架橋密度が高いより緻密な塗膜を形成することができる。すなわちこの反応は、粒子間架橋反応であることから、硬化速度が速く、他の1液反応(酸化重合やシラノール基反応など)と比較して、架橋密度の高い塗膜を得ることができる。
また前記(B)のポリウレタンディスパージョンは、同一粒子内で高Tg成分と低Tg成分との、異なるTg成分を有している。高Tg成分は、Tg:100〜160℃であることが望ましく、このような高Tg成分は、塗膜に硬度(強靭性)と耐汚染性等の塗膜物性を付与する。一方、低Tg成分は、Tg:−50〜0℃であることが望ましく、この低Tg成分は、塗膜にフレキシブル性を充分に付与させると同時に、密着性等の塗膜物性を付与させるものである。
このように、異なる二つのTg特性を有するポリウレタンディスパージョンを配合することにより、塗膜に強靭性とフレキシブル性および密着性とを同時に付与することができる。さらに、ポリウレタンディスパージョンを、イオン性、骨格(ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート)などから適切に選定することによって、耐アルカリ性などの物性の向上を図ることも可能となる。
さらに前記(C)の超微粒子ナノエマルジョンは、平均粒子径が5〜140nmのものであり、このような超微粒の粒子を配合することにより、粒子間に大きな凝集力が作用するとともに、塗膜が細密構造となることから、各種物性の発現性を高めることができるとともに、塗膜に強靭さを付与することができ、また超微粒の粒子により基材への浸透性が良好となるため、塗膜の密着性向上に寄与する。
また本発明の第2の態様による1液常温架橋型水性被覆組成物は、前記第1の態様による1液常温架橋型水性被覆組成物において、その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜50重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合されたことを特徴とするものである。
ここで1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5重量%未満では、(A)1液架橋エマルジョン(A)の反応性が不充分となる。
また1液架橋エマルジョン(A)の固形分が50重量%を越えれば、(B)ポリウレタンディスパージョン(B)により示されるフレキシブル性、強靭性が不充分となるとともに、超微粒子ナノエマルジョンの凝集力、基材浸透性が不充分となる。
一方ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5重量%未満では、フレキシブル性、強靭性が不充分となる。
またポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が50重量%を越えれば、(A)1液架橋エマルジョン(A)の反応性、及び(C)超微粒子ナノエマルジョン(C)凝集力、基材浸透性が、不充分となる。
さらに超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5重量%未満では、その超微粒子ナノエマルジョン(C)の凝集力、基材浸透性が不充分となる。
さらに超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が50重量%を越えれば、1液架橋エマルジョン(A)の反応性、及びポリウレタンディスパージョン(B)のフレキシブル性、強靭性が不充分となる。
したがって本発明の被覆組成物においては、(A)、(B)、(C)の配合比を、上記のような範囲内とすることが望ましい。
さらに本発明の第3の態様による1液常温架橋型水性被覆組成物は、前記第1の態様の1液常温架橋型水性被覆組成物において、ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い成分(高Tg成分)のTgが100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い成分(低Tg成分)のTgが−50℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする。
このようにポリウレタンディスパージョン(B)の粒子における高Tg成分のTgを100℃〜160℃とし、低Tg成分のTgを−50℃〜0℃と設定することによって、塗膜に強靭性とフレキシブル性および密着性とを同時に付与することができる。
高Tg成分のTgが100℃未満では、充分に強靭性を付与することが困難となる。
また高Tg成分のTgが160℃を越えれば、フレキシブル性を失って被塗物に追従しづらくなり、密着性を付与することが困難となる。
一方、低Tg成分のTgが−50℃より低くなれば、塗膜表面が軟化して汚れの原因となる。
また低Tg成分のTgが0℃を越えれば、塗膜に充分なフレキシブル性および密着性を付与することが困難となる。
なお、低Tg成分のTgは−20℃以上であることが、より望ましい。
また本発明の第4の態様の1液常温架橋型水性被覆組成物は、前記第1の態様の1液常温架橋型水性被覆組成物において、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)を構成する超微粒子が、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂のうちから選ばれた1種以上からなることを特徴とするものである。
ここで、超微粒子ナノエマルジョン(C)の粒子材料は基本的には特に限定されないが、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂のうちから選ばれた1種以上からなる超微粒子を用いれば、成膜時の凝集力、下地への浸透性の点で有利となる。
また本発明の第5の態様の1液常温架橋型水性被覆組成物は、前記第1の態様の1液常温架橋型水性被覆組成物において、前記ポリウレタンディスパージョン(B)のガラス転移温度が0〜50℃であることを特徴とするものである。
1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のガラス転移温度(Tg)は、基本的には限定されないが、上記のように、通常は0℃〜50℃の範囲内が好ましい。すなわち、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgが0℃未満では、充分な塗膜硬度が得られなくなるおそれがあり、一方50℃を越えれば、常温での乾燥時において充分に架橋反応が進行せず、造膜性に劣り、充分な塗膜性能が得られなくなるおそれがある。
また本発明の第6の形態の1液常温架橋型水性被覆組成物は、前記第1の態様の1液常温架橋型水性被覆組成物において、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)のガラス転移温度が30℃〜50℃であることを特徴とするものである。
超微粒子ナノエマルジョン(C)のガラス転移温度(Tg)は、基本的には限定されないが、上記のように30℃〜50℃の範囲内が好ましい。すなわち超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgが30℃未満では、充分な塗膜硬度および乾燥性が得られなくなるおそれがあり、一方50℃を越えれば、常温での乾燥時において造膜性に劣り、充分な塗膜性能が得られなくなるおそれがある。
さらに、この発明の1液常温架橋型水性被覆組成物の代表的な用途としては、防水トップコート用、木材トップコート用(建築物内装材・外装材、建築物床材、コンテナ床材、木工家具などを含む)、窯業建材用、金属トップコート用、金属プライマーコート用、プラスチックのトップコート用がある。これらの用途においては、塗装対象素材や使用環境などの相違によって、要求特性も異なることがあり、そこで本発明の被覆組成物を構成する1液架橋エマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)の配合割合、およびポリウレタンディスパージョン(B)の高Tg成分、低Tg成分のTgについても、より望ましい範囲が若干異なる。各用途における、それぞれの好ましい範囲は、次の第7〜第12の態様の通りである。
第7の態様:防水トップコート用
防水トップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物としては、被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることが望ましい。
ここで、防水トップコート用の被覆組成物とは、主としてウレタン系防水材を手塗りやスプレーによって対象材上に塗布して、防水層を形成した後、その防水層表面に、耐候性を向上させるとともに、外観特性を良好にするためにトップコートとして塗布する塗膜用の被覆組成物を意味する。
防水トップコート用の被覆組成物として、上記の配合構成、ポリウレタンディスパージョンの高/低Tg特性とすることにより、密着性、耐水性、耐候性、耐薬品性、乾燥性、塗膜外観の要求を満たす事が可能となり、特に、1液架橋反応の反応性、高/低Tg特性高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力により、課題である汚染性・耐候性・ポットライフでの耐色変化について良好な性能を得ることができる。
また従来の高反射塗料は、高反射顔料及び高反射性を付与するためにガラスビーズ等を使用して高反射性を得ているが、従来の被覆組成物を使用した塗膜では、表面に生じる汚れにより高反射性を持続することが困難であった。しかるに本発明の防水トップコート用の被覆組成物では、耐汚染性が優れているため、高反射性の維持が容易となる。
なお防水トップコート用の被覆組成物における1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgは、既に述べたと同様に、0℃〜50℃の範囲内が好ましく、超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgも、既に述べたと同様に、30℃〜50℃の範囲内が好ましい。
第8の態様:木材トップコート用
木材トップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物としては、被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜50重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることが望ましい。
木材トップコート用の被覆組成物として、上記の配合構成、ポリウレタンディスパージョンの高/低Tg特性とすることにより、密着性、耐水性、耐候性、耐薬品性、乾燥性、塗膜外観の要求を満たす事が可能となる。特に、1液架橋反応の反応性、高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンの光沢性・フレキシブル性・強靭性、超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力により、硬度・光沢・肉持ち・乾燥性・外観などについて、良好な性能を得ることができる。
なお木材トップコートの用途としては、一般建築物の内装材および外装材のほか、体育館・ホール・教室・スタジオ・店舗などの木材床補修の用途、船積みコンテナ底床の木材床(コンテナ木材床)の用途、さらに木工家具の用途などがあり、これらのいずれにも、上記の木材トップコート用の被覆組成物を適用することができるが、これらの用途のうち、木材床補修のためのトップコート用途では、塗膜の硬度、耐磨耗性、光沢性、平滑性、乾燥性、肉持性が要求されるが、前記木材トップコート用の被覆組成物では、これらの木材床に特有の要求性能をも満足させることができる。但し、木材床補修の用途では、前述の配合のうち、1液架橋エマルジョン(A)の固形分を5〜40重量%の範囲内とすることがより好ましい。これは、木材床補修の用途では、特に耐摩耗性、耐ヒールマーク性が要求されるからである。
また上記の木材トップコートの用途のうち、コンテナ木材床の用途では、特に耐汚染性、耐薬品性(耐アルカリ洗浄性を含む)、耐油性(油ブリード抵抗性)、不粘着性、臭気封止効果が優れていることが要求されるが、前記木材トップコート用の被覆組成物では、これらのコンテナ木材床に特有の要求性能をも満足させることができる。
さらに、上記の木材トップコートの用途のうち、木工家具の用途、特に仕上げ用の用途においては、肉付性(肉持性)、目止性、光沢、硬度、下地への浸透性、耐白化性(耐湯性)が優れていることが要求されるが、前記木材トップコート用の被覆組成物では、これらの木工家具仕上げに特有の要求性能をも満足させることができる。
なお木材トップコート用の被覆組成物における1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgは、既に述べたと同様に、0℃〜50℃の範囲内が好ましく、超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgも、既に述べたと同様に、30℃〜50℃の範囲内が好ましい。
第9の態様:窯業建材用
窯業建材用の1液常温架橋型水性被覆組成物としては、被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜50重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることが望ましい。
窯業建材トップコート用の被覆組成物として、上記の配合構成、ポリウレタンディスパージョンの高/低Tg特性とすることにより、密着性、耐水性、耐候性、耐薬品性、乾燥性、塗膜外観などの要求を満たすことが可能となる。特に窯業建材トップコートの用途では、耐汚染性、耐薬品性、硬度、耐候性、フローコーター塗装性及び塗装直後積載時の不粘着性(接触跡残り)が優れていることが要求されるが、前記窯業建材トップコート用被覆組成物では、これらの窯業建材トップコートに特有の要求性能を充分にも満足させることができる。
なおここで窯業建材としては、珪酸カルシウム板が代表的であるが、そのほか繊維補強セメント板系サイジング材も含まれる。
なお窯業建材トップコート用の被覆組成物における1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgは、既に述べたと同様に、0℃〜50℃の範囲内が好ましく、超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgも、既に述べたと同様に、30℃〜50℃の範囲内が好ましい。
第10の態様:金属トップコート用
金属トップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物としては、被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が10〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が10〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子における高Tg成分のTgが100℃〜150℃の範囲内にあり、低Tg成分のTgが−50℃〜−10℃の範囲内にあることが望ましい。
金属トップコート用被覆組成物として、1液架橋エマルジョン(A)の固形分が40重量%を越えれば、強靭性、下地との密着性が低下することから、金属トップコート用被覆組成物における1液架橋エマルジョン(A)の固形分は5〜40重量%の範囲内とした。またポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が10重量%未満では、塗膜硬度が得られないことから、金属トップコート用被覆組成物におけるリウレタンディスパージョン(B)の固形分は10〜50重量%とした。さらにポリウレタンディスパージョン(B)の粒子における高Tg成分のTgが100℃未満、低Tg成分のTgが−50℃未満では充分な塗膜性能が得られず、また高Tg成分のTgが150℃を越えれば、塗膜の造膜性が不充分となって塗膜性能が得られないことになり、さらに低Tg成分のTgが−10℃を越えれば、充分なフレキシブル性が得られないことから、高Tg成分のTgは100℃〜150℃、低Tg成分のTgは−50℃〜−10℃とした。
金属トップコート用の被覆組成物として、上記の配合構成、ポリウレタンディスパージョンの高/低Tg特性とすることにより、密着性、耐水性、耐候性、耐食性、耐薬品性、乾燥性、塗膜外観などの要求を満たすことが可能となる。
なおここで金属トップコートが施される素材金属としては、アルミや鋼が代表的である。
なおまた、金属トップコート用の被覆組成物における1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgは、既に述べたと同様に、0℃〜50℃の範囲内が好ましく、超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgも、既に述べたと同様に、30℃〜50℃の範囲内が好ましい。
第11の態様:金属プライマーコート用
金属プライマーコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物としては、被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることが望ましい。
金属プライマーコート用の被覆組成物における1液架橋エマルジョン(A)の固形分が40重量%を越えれば、強靭性、素材への密着性が低下することから、1液架橋エマルジョン(A)の固形分は5〜40重量%とした。
金属プライマーコート用の被覆組成物として、上記の配合構成、ポリウレタンディスパージョンの高/低Tg特性とすることにより、密着性、耐水性、耐食性、作業性、乾燥性の要求を満たすことが可能となる。特に金属トップコートの用途では、耐食性および金属下地に対する密着性が優れていることが望まれるが、上記の構成では、超微粒子ナノエマルジョン(C)の平均粒径が5〜140nmと著しく微細であるため、ナノエマルジョン(C)の微細粒子が、1液架橋エマルジョン(A)やポリウレタンディスパージョン(B)の粒子間の隙間を埋めて粒子間を融着させることができ、そのため水や塩水などの浸透を防止して、高い耐食性を付与するとともに、下地に対する密着性を向上させることができるのである。
なおここで、金属プライマーコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物の塗膜(下塗膜)が形成される金属素材としては、鋼やアルミなどがある。
なおまた、金属プライマーコート用の被覆組成物における1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgは、既に述べたと同様に、0℃〜50℃の範囲内が好ましく、超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgも、既に述べたと同様に、30℃〜50℃の範囲内が好ましい。
第12の態様:プラスチックトップコート用
プラスチックトップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物としては、被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜40重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜30重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜150℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にあることが望ましい。
プラスチックトップコート用被覆組成物として、1液架橋エマルジョン(A)の固形分が40重量%を越えれば、強靭性、作業性が劣ることとなるから、プラスチックトップコート用被覆組成物における1液架橋エマルジョン(A)の固形分は5〜40重量%の範囲内とした。またポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5重量%未満では、塗膜硬度、強靭性が劣ることとなり、40重量%を越えれば、耐水性等の塗膜物性が劣ることとなるから、プラスチックトップコート用被覆組成物におけるリウレタンディスパージョン(B)の固形分は5〜40重量%とした。さらにプラスチックトップコート用被覆組成物における超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5重量%未満では、物性の発現性が劣ることとなり、30重量%を越えれば、(A)、(B)の特徴を低減することから、超微粒子ナノエマルジョン(C)は5〜30重量%とした。
プラスチックトップコート用の被覆組成物として、上記の配合構成、ポリウレタンディスパージョンの高/低Tg特性とすることにより、密着性、耐水性、耐汚染性、乾燥性、塗装作業性などの要求を満たすことが可能となる。特にプラスチックトップコートの用途では、密着性、耐水性、耐候性、素材の劣化保護性、乾燥性、塗装作業性が要求されるが、これらの要求特性を充分に満足させることができる。
なお上記のプラスチックトップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物は、HIPS(ハイインパクトスチロール樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合樹脂)のトップコートに最適であるが、その他、ポリカーボネート樹脂等に適用することも可能である。
なおプラスチックトップコート用の被覆組成物における1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のTgは、既に述べたと同様に、0℃〜50℃の範囲内が好ましく、超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgも、既に述べたと同様に、30℃〜50℃の範囲内が好ましい。
本発明の1液常温架橋型水性被覆組成物によれば、耐食性、耐候性、密着性、塗膜強度、耐久性、耐汚染性などの塗膜特性が優れ、しかも外観品質が良好な塗膜を形成することができ、しかも乾燥性などの塗装作業性の点でも優れており、特に簡便な1液水性タイプとして、従来の溶剤型被覆組成物や2液タイプの被覆組成物と遜色のない塗膜性能を発揮させることができる。しかも本発明の1液常温架橋型水性被覆組成物は、防水用トップコート、あるいは各種木材(建築物内装・外装、木材床補修、コンテナ木材床、木工家具など)、窯業建材、さらには金属のトップコートおよびプライマーコート、プラスチックのトップコートなど、広範な用途においてそれぞれの要求特性を充分に満足させることができる。
以下、本発明の1液常温架橋型水性被覆組成物についてより詳細に説明する。
本発明の1液常温架橋型水性被覆組成物は、その基本的な配合成分として、
(A)水性媒体中に分散された粒子内に、ヒドラジン構造を有するポリウレタンとカルボニル基含有アクリル系ポリマーとを含有させた1液常温架橋ポリマーエマルジョンと、
(B)粒子内にガラス転移温度が高い成分(高Tg成分)からなる部分とガラス転移温度が低い成分(低Tg成分)からなる部分とを併せ持つポリウレタンディスパージョンと、
(C)平均粒子径が5〜140nmの範囲内にある超微粒子ナノエマルジョン、
との3成分を有するものである。
(A)の1液常温架橋ポリマーエマルジョンは、前述のように、エマルジョンの粒子として、ポリウレタンーアクリル共重合体をベースとし、ポリウレタンの分子構造中にヒドラジン構造を有し(すなわち1以上のヒドラジン残基を有し)、しかもアクリル分子中にカルボニル基を有するものである。
このようなエマルジョンは、常温による成膜時に、カルボニル基とヒドラジン基の脱水縮合反応による常温架橋反応(ケチミン反応)が生じる。そしてこの反応は、粒子間架橋反応であることから、反応性が高くて、硬化速度が速く、他の1液反応(酸化重合やシラノール基反応)に比べて架橋密度の高い塗膜を得ることができる。
このような1液常温架橋ポリマーエマルジョンの構造及び架橋反応の例を、次の化学式で示す。架橋前のエマルジョンは、下記の化学式の左辺に示すような構造を有しており、成膜時に水が蒸発し始めて架橋反応(右辺)を生じることとなる。
Figure 0005775800
ここで、カルボニル基を含有したアクリル分子中のR及びRのアクリル単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリ酸ヘキシル、などのメタクリ酸エステル類、アクリル酸エステル類が挙げられる。さらに、上記したもののみならず、必要に応じて、また、本発明の効果を損なわない範囲で、その他重合性不飽和単量体も併用してもよい。
また、ヒドラジン構造を有するポリウレタン部(NHNHR)は、イソシアネート類とカルボキシルキ含有グリコールを必須成分としヒドラジン誘導体で鎖伸長することで得られる。
(B)のポリウレタンディスパージョンは、高Tg成分と低Tg成分とを同一粒子内で有する異相構造のポリウレタン粒子からなるものである。このような異相構造の粒子としては、コア部(中心部)とシェル部(表層部)とで異なるTgの成分を用いたもの、例えば同一粒子のコア部(中心部)が高Tg成分で形成され、シェル部(表層部)が低Tg成分で形成されたコンポジットタイプのポリウレタン粒子からなるディスパージョン、あるいは逆にコア部(中心部)が低Tg成分で形成され、シェル部(表層部)が高Tg成分で形成された複合タイプのポリウレタン粒子が代表的である。このような高/低Tgの複合タイプのポリウレタン粒子は、例えば、Tgが異なる複数の重合性単量体成分を各段で用いた多段の乳化重合により、高Tg部(ハードセグメント)及び低Tg部(ソフトセグメント)を併せ持つ構造となる。そして、用途により高Tg成分のTgおよび低Tg成分のTgが既に述べたような範囲内となるものを選択して使用すればよい。
(C)の超微粒子ナノエマルジョンは、平均粒子径が5〜140nmの範囲内にあるものである。ここで、超微粒子ナノエマルジョン(C)の粒子材料は、基本的には特に限定されないが、通常はアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂のうちから選ばれた1種以上からなる超微粒子を用いればよい。
さらに本発明の被覆組成物を用いて塗料を製造するにあたっては、適宜、顔料、充填剤、骨材、顔料分散剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤、防腐剤、防黴剤、PH調整剤、防錆剤などを、それぞれの目的に応じて選択、組合せることが出来る。さらに、顔料としては、超微粒子の顔料を用いることによって、構造粘性の付与、基材への浸透性、着色の安定性が可能となる。また、反射性の高い顔料を選定することによって、高反射性を付与することが可能となる。本発明の被覆組成物は、耐候性、耐水性、弾性、強靭性及び耐汚染性、酸性雨性に優れていることから、建築外装、橋梁および車両等の塗装に適しており、さらに水性塗料として一般溶剤系塗料に比べ、安全性面、臭気において利点の多いことから、室内用途として用いても適性がある。
また本発明被覆組成物を建築現場等において塗装する場合は、新築、改装を問わず適応することができる。また部分補修に適応することもできる。なお本発明被覆組成物を塗装する際には、スプレー、ローラー、刷毛等の各種塗装器具を使用することができる。塗装の際には、水を用いて希釈することも可能である。
本発明組成物の塗付量は、特に限定されないが、通常は50g〜300g/m程度とすればよい。
また、本発明組成物を塗装した後の乾燥は、通常、常温で行えばよいが、加熱することも可能である。乾燥時間は、通常、常温で15分〜2時間程度で充分である。
以下、本発明の実施例を、比較例とともに示す。なお以下の実施例は、本発明の効果を説明するためのものであって、実施例に記載された構成、プロセス、条件が本発明の技術的範囲を限定するものでないことはもちろんである。
実施例1:防水材トップコート1
コンクリート材の表面に手塗りによりウレタン防水層を形成し、そのウレタン防水層表面に、表1に示すように、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほか着色用の顔料としてのチタン白などに水を加え、表1に示すような配合とした水性塗料を、ペイントローラーにより、200g/mの塗布量で塗布した。なお表1における各成分の配合割合は、いずれも重量割合で示す。表2以下の各表のうち、配合割合についての各表でも、すべて重量割合で示す。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)としては、粒子内にヒドラジン構造を有するポリウレタンとカルボニル基含有アクリル系ポリマーとを含有するエマルジョンとして、Tgが30℃のものを用いた。
またポリウレタンディスパージョン(B)としては、粒子のコア部が高Tg成分で形成され、シェル部が低Tg成分で形成された高/低Tg特性を有するものを用いた。このポリウレタンディスパージョン(B)の高Tg成分のTgは125℃、低Tg成分のTgは−25℃である。
さらに超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、平均粒径が90nmのアクリル樹脂からなるものを用いた。この超微粒子ナノエマルジョン(C)のTgは35℃である。
そのほか、表1中に示す超微粒子無機物(構造粘性剤)としては平均粒径が30nmの炭酸カルシウムを用い、造膜助剤としてはテキサノールを用い、顔料濡向上のための分散剤としては高分子ブロック共重合タイプを用い、消泡剤としてはシリコン系を用いた。
比較のため、表2に示すような配合の水系2液架橋タイプの従来の塗料(比較例1)を、前記と同様にウレタン防水層上に塗布した。
これらの塗膜について、表3に示すような試験・評価項目について、同表3に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表4に示す。
Figure 0005775800
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表4に示すように、従来の水系2液架橋架橋タイプの塗料(比較例1)は、ポットライフ試験で著しい色変化を生じた。汚染性・耐候性・乾燥性・タック感も実施例1の本発明品に比べ劣る結果となった。
これに対して実施例1の本発明品は、従来の水系2液架橋タイプ(比較例1)の塗料と比べて、汚染性・耐候性(SWOM、屋外曝露)、ポットライフ(色変化)、乾燥性、タック感で良好な結果を得た。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、汚染性・耐候性・ポットライフでの色変化に良好な結果を得られることが確認された。
実施例2:防水材トップコート2(高反射タイプ)
実施例1に示した防水用トップコート1の配合組成をベースとして、高反射性を有する顔料(アゾメチアゾ系黒顔料:商品名クロモファインブラックA‐1103(大日精化工業株式会社製:特公平4‐26348参照)を、表5に示すように配合して、高反射タイプの塗料とし、ウレタン防水層上に、ペイントローラーにより200g/mの塗布量で塗布した。なお1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表5において、A−1103(高反射黒)、酸化鉄オーカー、酸化鉄赤錆は、いずれも色調の調整のための顔料である。その他の造膜助剤、分散剤、消泡剤は、実施例1と同様である。
比較のため、表6に示すように反射材として平均粒径60μmのガラスビーズを配合した、水系アクリル系(未架橋)の従来の塗料(比較例2)を、前記と同様にウレタン防水層上に塗布した。
これらの塗膜について、表7に示すような試験・評価項目について、同表7に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表8に示す。
Figure 0005775800
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表8に示すように、水系未架橋をベースとした比較例2の高反射塗料は、屋外曝露の経過に伴って試験体表面に汚れが生じて反射性が低下し、塗膜表面温度が上昇する結果となった。すなわちガラスビーズの使用は、初期は高反射性を得られるが曝露により汚れ易い結果となる。
これに対して実施例2の本発明品は、良好な汚染性を有するところから、屋外曝露が長期間経過しても、高反射性を維持して、表面温度の上昇が少ないことが確認された。
実施例3:木材床用トップコート
床用木材の表面に下塗層を形成し、その下塗層の表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表9に示すような配合とした水性塗料を、刷毛塗りにより、100g/mの塗布量で塗布した。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表9において、レベリング剤としてはシリコン系レベリング剤を用い、増粘剤としてはポリウレタン樹脂系増粘剤を用いた。その他、造膜助剤、消泡剤は、実施例1と同様である。
比較のため、表10に示すような、従来の水系1液(比較例3)、水系2液(比較例4)、溶剤系1液(比較例5)の塗料を、木材床用トップコートとして塗布した。
なお下塗には、いずれもトップコートと同一の塗料を使用した。またインターバルを本発明品(実施例3)、水系1液(比較例3)、水系2液(比較例4)は4時間として塗り重ねを行い、溶剤系1液(比較例5)は、インターバル12時間として塗り重ねを行なった。
これらの塗膜について、表11に示すような試験・評価項目について、トップコート塗装後、7日目に、同表11に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表12に示す。
Figure 0005775800
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表12に示すように、比較例3の水系1液は硬度、肉持ちで、比較例5の溶剤系1液は、硬度、乾燥性で見劣りする結果が生じ、また比較例4の水系2液は、外観およびレベリング性で若干劣る結果が生じた。
これに対して実施例3の本発明品は、各比較例(水系1液の比較例3、水系2液の比較例4、および溶剤系1液の比較例5)に比べて、光沢、肉持ち、外観、乾燥性、硬度で良好な結果が得られた。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、硬度・光沢・肉持ち・乾燥性・外観での評価において良好な結果を得られることが確認された。
実施例4:木材コンテナ床用トップコート
コンテナ床用木材の表面に下塗層を形成し、その下塗層の表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表13に示すような配合とした水性塗料を、ペイントローラーにより、100g/mの塗布量で塗布した。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表13において、微粒子体質顔料としてはタルクを用い、また造膜助剤、消泡剤、増粘剤としては実施例3と同様のものを用いた。
比較のため、表14に示すような、従来の水系1液(比較例6)、水系2液(比較例7)、溶剤系1液(比較例8)を、木材コンテナ床用トップコートとして塗布した。
なお下塗には、いずれもトップコートと同一の塗料を使用した。またインターバルを本発明品(実施例4)、水系1液(比較例6)、水系2液(比較例7)は4時間として塗り重ねを行い、溶剤系1液(比較例8)は、インターバル12時間として塗り重ねを行なった。
これらの塗膜について、表15に示すような試験・評価項目について、トップコート塗装後、7日目に、同表15に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表16に示す。
Figure 0005775800
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表16に示すように、比較例6の水系1液は、特に封止効果、耐アルカリ性で、また比較例8の溶剤系1液は、特に耐油性、耐アルカリ性で見劣りする結果が生じ、また比較例7の水系2液は封止効果の点で若干見劣りする結果が生じた。
これに対して実施例4の本発明品は、比較品の水系1液(比較例6)、水系2液(比較例7)、溶剤系1液(比較例8)に比べ、封止効果、汚染性、耐油性、耐アルカリ性、不粘着で良好な結果を得た。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、封止効果、汚染性、耐油性、耐アルカリ性、不粘着での評価において良好な性能が得られることが確認された。
実施例5:木工家具用トップコート
木工家具用木材の表面に下塗層を形成し、その下塗層の表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表17に示すような配合とした水性塗料を、エアースプレーにより、60〜80g/mの塗布量で塗布した。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表17において、艶消剤としてはシリカ及びポリエチレン系ワックスを用い、造膜助剤、消泡剤としては前記同様のものを用いた。
比較のため、表18に示すような、従来の水系1液(比較例9)、水系2液(比較例10)、溶剤系2液(比較例11)を、木工家具用トップコートとして塗布した。
なお下塗には、それぞれトップコートと同一の塗料を使用した。またインターバルをすべて3時間として塗り重ねを行なった。
これらの塗膜について、表19に示すような試験・評価項目について、トップコート塗装後、7日目に、同表19に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表20に示す。
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表20に示すように、比較例9の水系1液は、特に硬度、肉付性、目止めで、また比較例10の水系2液は、特に肉付性、浸透性で見劣りする結果が生じた。
これに対して実施例5の本発明品は、比較例9の水系1液、比較例10の水系2液に比べ、硬度、肉付性、目止め、浸透性、耐白化性で良好な結果が得られた。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、硬度、肉付性、目止め、浸透性、耐白化性での評価において良好な性能が得られることが確認された。
なお比較例11の溶剤系2液は、性能的には本発明品と比べて特に劣らないが、作業性では劣っている。
実施例6:窯業建材用トップコート
窯業建材としての珪酸カルシウム板の表面に下塗層を形成し、その下塗層の表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表21に示すような配合とした水性塗料を、カーテンフローコーターにより、100g/mの塗布量で塗布した。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表21において、酸化チタンは素材着色・意匠性及び隠蔽のためのものであって、平均粒径0.24μmのものを用いた。同じく表21において、繊維素系粘性剤としてはHEC及びCMCを用い、体質顔料としてはタルク、炭カル、石英、アルミナを用いた。そのほか、造膜助剤、分散剤、消泡剤は前記と同様である。
比較のため、表22に示すような、従来の水系2液(比較例12)、溶剤系2液(比較例13)を、窯業建材用トップコートとして塗布した。
なお下塗には、いずれもトップコートと同一の塗料を使用した。またインターバルをすべて24時間として塗り重ねを行なった。
これらの塗膜について、表23に示すような試験・評価項目について、トップコート塗装後、20℃で7日乾燥後に、同表23に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表24に示す。
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表24に示すように、比較例12の水系2液は、特に焼付温度(PMT)限界、不粘着、耐汚染性で、また比較例13の溶剤系2液は、特に不粘着、耐汚染性で見劣りする結果が生じた。
これに対して実施例6の本発明品は、比較例12の水系2液、比較例13の溶剤系2液に比べて、不粘着性、耐薬品性、耐汚染性で良好な結果を得た。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、不粘着、硬度、耐薬品性、耐汚染性での評価において良好な性能が得られることが確認された。
実施例7:金属用トップコート用
素材表面にクロム酸化成被膜を施した建材用アルミニウム合金材の表面に下塗層を形成し、その下塗層の表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表25に示すような配合とした水性塗料を、エアースプレー塗装により、塗膜厚みが25〜35μmになるように塗布した。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表25において、チタン白、造膜助剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤は、前記と同様である。
比較のため、表26に示すような、従来の水系2液(比較例14)、水系1液(比較例15)、水溶性(比較例16)を、上記同様に下塗層までを施した建材用アルミニウム合金材のトップコートとして塗布した。
これらの塗膜について、表27に示すような試験・評価項目について、表27、表28に示すような方法・判定基準で試験・評価を行なった。その結果を表29に示す。
なお下塗としては、下塗としては、本発明品である金属用プライマーを使用して、その
下塗層上に各試験塗量を塗布し、7日間養生してから各試験項目を実施した。
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表29に示すように、比較例14の水系2液は、特に塗膜外観で、また比較例15の水系1液は、特に耐候性、乾燥性、塗膜外観で見劣りする結果が生じた。また比較例16の水溶性は密着性および塗膜外観以外のすべての面で劣っていた。
これに対して本発明品は、比較例14の水系2液、比較例15の水系21液、比較例16の水溶性に比べて、密着性、耐水性、耐候性、耐食性、耐薬品性、乾燥性、塗膜外観で良好な結果を得た。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、耐候性・耐薬品性、乾燥性、塗膜外観での評価において良好な性能が得られることが確認された。
実施例8:金属用プライマーコート用
構造用圧延鋼板の表面をトルエンにより脱脂処理した後、その表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表30に示すような配合とした水性塗料を、エアースプレーによって膜厚が35±5μmになるように塗装し、気温23℃で7日間乾燥させた。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表30において、鱗片状のリン酸亜鉛は、鱗片状のリン酸亜鉛は、タルクの代替として防錆性を高めるためのものである。同じく表30において、チタン白、分散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤としては前記と同様のものを用い、粘性制御剤としてはウレア系粘性制御剤を用いた。
比較のため、表31に示すような、従来の水系1液未架橋(比較例17)、水系2液(比較例18)、溶剤系1液(比較例19)を、前記と同様にトルエン脱脂した構造用圧延鋼板に、エアースプレーによって膜厚が35±5μmになるように塗装し、気温23℃で7日間乾燥させた。
さらに、これらのプライマー塗膜(アンダーコート)表面に、次のイ〜ニに記すような種々の条件で上塗(トップコート)を施した。
イ:常温乾燥: 本発明1液常温乾燥型トップコートを塗布した。
ロ:焼付型: 水系1液アクリルメラミン焼付型塗料を塗布した。
ハ:溶剤型: 常温乾燥1液酸化重合型変性アクリル樹脂塗料を塗布させた。
ニ:焼付型: 1液アクリルメラミン焼付型塗料を塗布させた。
アンダーコートだけの状態、及び上記のイ〜ニのトップコートを施した状態において、表32に示すような試験・評価項目について、表33に示すような判定基準で試験・評価を行なった。その結果を、アンダーコートについては表34に、トップコートについては表35に示す。
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表34、表35に示すように、比較例17の水系1液は、特に乾燥性で、比較例18の水系2液は、特に密着性、作業性、乾燥性に見劣りする結果が生じた。
これに対して実施例8の本発明品は、比較例17の水系1液未架橋、比較例18の水系2液、比較例19の溶剤系1液に比べ、密着性、乾燥性、作業性、耐食性で良好な結果を得た。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、密着性、耐水性、耐食性、作業性、乾燥性にの評価において良好な性能が得られることが確認された。
実施例9:プラスチック(HIPS、ABS)用トップコート
プラスチック素材としてHIPS樹脂を用い、その表面に、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)、そのほかを、表36に示すような配合とした水性塗料を、バーコーターNo.43により、15μmの塗膜厚で塗布した。
ここで、1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)、超微粒子ナノエマルジョン(C)としては、実施例1と同様のものを用いた。
なお表36において、造膜助剤、酸化チタン、分散剤、消泡剤、粘性剤としては前記と同様のものを用いた。
比較のため、表37に示すような、従来の水系1液(比較例20)、水系1液(比較例21)を、プラスチック用トップコートとして、前記同様にHIPS樹脂からなる素材表面に塗布した。
これらの塗膜について、表38に示すような試験・評価項目について、トップコート塗装後、50℃で20分乾燥させ、翌日に、同表38、表39に示すような方法で試験・評価を行なった。その結果を表40に示す。
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表40に示すように、比較例20の水系1液は、溶剤が多く含まれ、乾燥性、密着性は良いが未架橋であるため、耐久性が劣り、また比較例21の水系1液も、未架橋であるため乾燥性、耐久性が劣り、さらにアクリルエマルジョンの成分の影響で、密着性も劣る。
これに対して実施例9の本発明品は、比較例20、21の水系1液に比べ、乾燥性、光沢、密着性、耐水性、耐エタノール性で良好な結果が得られた。
これらの結果から、本発明品の場合、1液架橋エマルジョンを使用したことによる高反応性、また高/低Tg特性を持つポリウレタンディスパージョンのフレキシブル性・強靭性、さらに超微粒子ナノエマルジョンの浸透性・凝集力によって、乾燥性、光沢、密着性、耐水性、耐エタノール性に良好な性能が得られることが確認された。

Claims (12)

  1. 水性媒体中に分散された粒子内に、ヒドラジン構造を有するポリウレタンとカルボニル基含有アクリル系ポリマーとを含有させた1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)と、粒子内に、ガラス転移温度(Tg)が高い成分からなる部分及びガラス転移温度(Tg)が低い成分からなる部分を併せ持つポリウレタンディスパージョン(B)と、平均粒子径が5〜140nmの範囲内にある超微粒子ナノエマルジョン(C)とが配合されてなることを特徴とする1液常温架橋型水性被覆組成物。
  2. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において、
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜50重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合されたことを特徴とする1液常温架橋型水性被覆組成物。
  3. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において、
    前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い成分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い成分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする1液常温架橋型水性被覆組成物。
  4. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において、
    前記超微粒子ナノエマルジョン(C)を構成する超微粒子が、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂のうちから選ばれた1種以上からなることを特徴とする1液常温架橋型水性被覆組成物。
  5. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;、
    前記1液常温架橋ポリマーエマルジョン(A)のガラス転移温度が0〜50℃であることを特徴とする1液常温架橋型水性被覆組成物。
  6. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    前記超微粒子ナノエマルジョン(C)のガラス転移温度が30℃〜50℃であることを特徴とする1液常温架橋型水性被覆組成物。
  7. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする、防水トップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物。
  8. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜50重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする、木材トップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物。
  9. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜50重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする、窯業建材用の1液常温架橋型水性被覆組成物。
  10. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が10〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が10〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜150℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にあることを特徴とする、金属トップコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物。
  11. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜50重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜50重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜160℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜0℃の範囲内にあることを特徴とする、金属プライマーコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物。
  12. 請求項1に記載の1液常温架橋型水性被覆組成物において;
    その被覆組成物全体の固形分に対し、前記1液架橋エマルジョン(A)の固形分が5〜40重量%、前記ポリウレタンディスパージョン(B)の固形分が5〜40重量%、前記超微粒子ナノエマルジョン(C)の固形分が5〜30重量%の範囲内となるように配合され、かつ前記ポリウレタンディスパージョン(B)の粒子におけるガラス転移温度の高い部分のガラス転移温度が100℃〜150℃の範囲内にあり、ガラス転移温度の低い部分のガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にあることを特徴とする、プラスチックプライマーコート用の1液常温架橋型水性被覆組成物。
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