JPH11279208A - 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法

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JPH11279208A
JPH11279208A JP10217398A JP10217398A JPH11279208A JP H11279208 A JPH11279208 A JP H11279208A JP 10217398 A JP10217398 A JP 10217398A JP 10217398 A JP10217398 A JP 10217398A JP H11279208 A JPH11279208 A JP H11279208A
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JP
Japan
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vinyl chloride
water
monomer
soluble
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JP10217398A
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Masahiko Sakamoto
聖彦 坂本
Tatsuya Ozaki
達也 尾崎
Yoshimitsu Nagatomo
義満 長友
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SHIN DAIICHI ENBI KK
Original Assignee
SHIN DAIICHI ENBI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したラテックス性状と重合体品質を得る
ことのできる、生産性の優れた、副資材を重合系内に均
一に仕込む簡便法を提供すること。 【解決手段】 塩化ビニルまたは塩化ビニルおよびこれ
と共重合し得る不飽和単量体の混合物を、重合反応に必
要な副資材と共に重合器に仕込んで水媒体中で乳化重合
または微細懸濁重合して塩化ビニル系重合体ラテックス
を製造するに際し、油溶性の副資材は単量体の仕込み配
管に接続する配管から添加し、水溶性の副資材は水の仕
込み配管に接続する配管から添加し、該接続部から重合
器に至るまでの単量体または/および水の仕込み配管内
で副資材が単量体または/および水に予備混合されて仕
込まれることを特徴とする塩化ビニル系重合体ラテック
スの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系重合体
ラテックスの製造方法に関し、詳しくは生産性に優れ、
かつ性状と品質の安定した塩化ビニル系重合体ラテック
スの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラテックス加工用のラテックスや、ペー
スト加工用のレジンを得る目的で、塩化ビニルの乳化重
合(播種乳化重合を含む)や微細懸濁重合(播種微細懸
濁重合を含む)が行われる。乳化重合は、水を分散媒と
し、アニオン性又はノニオン性界面活性剤の乳化剤、水
溶性の重合開始剤等を用いて冷却ジャケット付き耐圧重
合器中で比較的緩慢な攪拌を行いつつ、乳化剤の作用に
よって塩化ビニル単量体を微細な液滴に乳化させ、単量
体を包む界面活性剤ミセル層内で重合を進め、粒径0.
05〜0.5μmの範囲内でシャープなピークを有する
粒径分布の微小球形重合体粒子のラテックスを得るもの
である。乳化重合法よりも更に大きい粒径を有する粒子
のラテックスを得るために、乳化重合したラテックスを
種子として用い、乳化剤量をポリマー粒子の全表面積を
カバーするのに必要な理論量の20〜60%に保ちつつ
重合することにより、新たな微小粒子の生成を防ぎつつ
種子粒子のみを太らせるための被覆重合を行う播種乳化
重合が行われている。この場合の粒径分布は通常、被覆
重合により肥大化した0.9〜1.5μmの範囲内のシ
ャープな主ピークと副生した0.1〜0.3μmの範囲
内のシャープな副ピークとからなる分布を形成する。ま
た、ラテックスやペーストレジンを得る別の方法として
は、水を分散媒とし、単量体、界面活性剤、油溶性の重
合開始剤等の混合物をホモジナイザ等を用いて微細な液
滴に分散させたのち重合する微細懸濁重合や、微細懸濁
重合で得られた重合体の懸濁液を種子粒子として更に被
覆重合を行う播種微細懸濁重合等も行われている。微細
懸濁重合によるラテックス粒子の粒径分布は0.1〜
5.0μmに連続して広がり、約1.2μmの位置を頂
点とする山形の分布をとる。播種微細懸濁重合によるラ
テックス粒子は、0.1〜10μmに連続して広がり、
約1.3μmの位置に最頻粒径を有する粒径分布をと
る。
【0003】従来、上記の乳化重合や微細懸濁重合によ
り得られる塩化ビニル系重合体ラテックスは真に安定な
ラテックスとは言えず、重合反応中に重合体粒子が合一
して、ラテックス中に凝集物(コアギュラム)が混在す
ることが通常であった。ラテックス中に凝集物が混在す
ると移送配管の詰りによる操業トラブル、収率の低下、
濾過フィルターのメンテナンスの負担増、濾別凝集物の
廃棄処分等のラテックス製造上の手間やコスト増加の問
題が起きるばかりでなく、品質上でも濾過フィルターを
通過した小さな凝集粒子がラテックス塗布加工やペース
ト塗布加工に際して、加工品の表面にスジ引きや粒状突
起を発生させる問題があった。塩化ビニル系重合体は、
その成形品の用途に適した機械的強度を持たせるため、
また、加工条件に合わせた溶融特性を持たせるために、
適切な重合度が設定される。そのため、重合反応時に連
鎖移動剤を添加して重合体の重合度を低下させたり、架
橋剤を添加して重合度を上昇させることが行われる。
【0004】しかし、これらの乳化剤、重合開始剤、連
鎖移動剤、架橋剤等の油溶性または水溶性の副資材の添
加は一括して添加しているため、特に重合開始剤、連鎖
移動剤、架橋剤等の少量のものは重合器内で偏在してし
まい、それぞれの副資材の効果は粒子間で不均一になっ
ていた。重合系内で成分が不均一に分散することは、凝
集物の発生等ラテックスの安定性にも悪影響を与えてい
た。また、反応に必要な成分物質を重合器に個々に順次
仕込むことによる長い操作時間は、生産性の観点で問題
であった。そのため、副資材を重合系内に均一に仕込む
ことのできる簡便な方法の開発が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、簡便な方法で副資材を重合系内に均一に
仕込むことのできる、生産性の優れた塩化ビニル系重合
体ラテックスの製造方法を提供することを目的としてな
されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、副資材の溶解す
る単量体または/および水の仕込み時にその仕込みライ
ンにその副資材を導入することにより上記目的が達成さ
れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。かくして本発明によれば、塩化ビニルまた
は塩化ビニルおよびこれと共重合し得る不飽和単量体の
混合物を、重合反応に必要な副資材と共に重合器に仕込
んで水媒体中で乳化重合または微細懸濁重合して塩化ビ
ニル系重合体ラテックスを製造するに際し、油溶性の副
資材は単量体の仕込み配管に接続する配管から添加し、
水溶性の副資材は水の仕込み配管に接続する配管から添
加し、該接続部から重合器に至るまでの単量体または/
および水の仕込み配管内で副資材が単量体または/およ
び水に予備混合されて仕込まれることを特徴とする塩化
ビニル系重合体ラテックスの製造方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明方法は塩化ビニルの重合及
び塩化ビニルと共重合し得る不飽和単量体の共重合に適
用するもので、単量体混合物中の塩化ビニルの量が50
重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であ
ることがより好ましい。本発明方法において、塩化ビニ
ルと共重合し得るエチレン系不飽和単量体としては、例
えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系化合物;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;
アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n
−ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−
N,N−ジメチルアミノエチル等の不飽和モノカルボン
酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不
飽和アミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
の不飽和ニトリル;マレイン酸、フマール酸等の不飽和
ジカルボン酸並びにこれらのエステル及びこれらの無水
物;N−置換マレイミド類;ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル等のビニルエーテル;更に塩化ビニ
リデン等のビニリデン化合物等を挙げることができる。
【0008】本発明において、重合反応に必要な副資材
としては、乳化剤、乳化補助剤、重合開始剤、連鎖移動
剤、架橋剤等が挙げられる。これらが重合反応の成分と
して添加される形態は液状である。そのため固体の副資
材は溶剤または水に溶解されていることを要す。本発明
においては、これらの重合反応に必要な副資材につき、
油溶性のもの、水溶性のものを問わず、少なくとも1種
を単量体または/および水の仕込み配管に接続する配管
から添加するのである。乳化剤は水溶性副資材であり、
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のア
ルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウ
ム、テトラデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ラウリン
酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウム等の脂肪酸
塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェート
ナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルサルフェートナトリウム塩等のエトキシサルフェー
ト塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル燐酸エ
ステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエ
ステル等のノニオン性界面活性剤等を挙げることができ
る。乳化剤は初期添加のみの方法と、粒径の肥大化のた
めに重合の進行に合わせて追加添加をも行う方法とがあ
るが、使用量は単量体100重量部に対し、0.1〜5
重量部が好ましく、0.1〜3重量部が更に好ましい。
微細懸濁重合においては上記の乳化剤と共に乳化補助剤
として炭素数12〜20の高級アルコールや高級脂肪
酸、ソルビタントリステアレートのような油溶性極性物
質を単量体100重量部あたり0.5〜3重量部用いる
ことが多い。
【0009】重合開始剤の内、水溶性のものとしては、
過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素等の水溶性過酸化物や2,2′−アゾビ
ス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等の水溶
性アゾ化合物等を挙げることができる。これらの水溶性
開始剤の他、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒ
ドロパーオキシド等の油溶性のヒドロパーオキシドと、
水溶性の還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤を上
記水溶性開始剤の仲間として扱うことができる。これら
の水溶性開始剤は、単独であるいは2種類以上を組み合
わせて使用することができる。前記水溶性の還元剤とし
ては、ハイドロサルファイト、酸性亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム、スルフィン酸ナトリウム、l−アスコルビン酸ナト
リウム、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄ア
ンモニウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウ
ム等の水溶性のものが好適に使用される。油溶性の重合
開始剤としては、例えば、アセチルパーオキシド、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシ
ルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオキシド等の
ケトンパーオキシド;ベンゾイルヒドロパーオキシド、
クメンヒドロパーオキシド、p−シメンヒドロパーオキ
シド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、p
−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシ
ド;t−ブチルパーオキシビバレート等のパーオキシエ
ステル;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキ
シジカーボネート;アセチルシクロヘキシルスルホニル
パーオキシド等のスルホニルパーオキシド等の有機過酸
化物;これらの有機過酸化物とロンガリット等の還元剤
を組み合わせた酸化還元型重合開始剤;2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
化合物等を挙げることができる。重合開始剤の使用量
は、単量体100重量部に対して、通常0.01〜0.
3重量部であり、好ましくは0.02〜0.2重量部で
ある。ただし播種微細懸濁重合の種子として重合される
場合は後続の被覆重合反応のための開始剤の一部または
全部をも持たせるため油溶性重合開始剤を0.1〜2.
0重量部使用されることが多い。連鎖移動剤には、チオ
グリコール酸オクチルエステル、四塩化炭素、塩化メチ
レン、2−メルカプトエタノール、n−ブチルメルカプ
タン、イソプロピルベンゼン等の油溶性のものが挙げら
れる。架橋剤としてはジアリルフタレート、ジアリルマ
レート、ジアリルアジペート、ジアリルエーテル、トリ
アリルシアヌレート、エチレングリコールジビニルエー
テル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート等の油溶性のものが
挙げられる。
【0010】本発明においては、上記の重合反応に必要
な副資材を重合器に仕込む際に、油溶性、水溶性を問わ
ず少なくとも1種の副資材につき、単量体または/およ
び水の仕込み時に、単量体または/および水の仕込み配
管に接続する配管から添加して重合器までの配管内で該
副資材が単量体または/および水に予備混合されて仕込
まれる方法を採る。本発明において、どの副資材を上記
の予備混合に処すかは限定されない。乳化剤や乳化補助
剤のように比較的多量使用される副資材を選定すること
も好ましいが、使用量が単量体100重量部あたり0.
5重量部未満の少量使用のものを選定することが、遍在
予防の効果の上で、より好ましい。予備混合に処す副資
材が油溶性の場合は、単量体の仕込み配管に接続する配
管から添加し、接続部から重合器に至るまでの単量体の
仕込み配管内で該油溶性副資材が単量体に予備混合され
た状態で重合器に仕込まれるようにする。単量体の仕込
み時間帯の開始から5〜15%経過した時間に該油溶性
副資材の添加を開始し、単量体の仕込み時間体の開始か
ら85〜95%経過した時期に該油溶性副資材の添加が
終了するように計装を設定することが好ましい。また、
水溶性の副資材を、水の仕込み配管に接続する配管から
添加する場合も、接続部から重合器に至るまでの水の仕
込み配管内で該水溶性副資材が水に予備混合された状態
で重合器に仕込まれるようにする。その場合は、水の仕
込み時間帯の開始から5〜15%経過した時期に該水溶
性副資材の添加を開始し、水の仕込み時間帯の開始から
85〜95%経過した時期に該水溶性副資材の添加が終
了するように設定することが好ましい。
【0011】重合反応に必要な副資材の上記予備混合の
区間の配管容積は、添加する副資材の滞留時間が10〜
600秒となる範囲であることが好ましい。また、それ
ぞれの予備混合区間内にスタッティックミキサーを設置
することが好ましい。本発明方法によれば、重合反応開
始前に重合器内を単時間攪拌するだけで、系内をより均
一化することができる。従来、重合開始剤、還元剤、連
鎖移動剤、架橋剤等の副資材は重合器に配管またはマン
ホールから個別に仕込み、全成分の仕込み完了後重合器
内を攪拌する手順を採っていた。しかし、このように一
括して仕込んだ後に系内を均一混合化することは容易で
はない。それは乳化剤が単量体、油溶性副資材等を乳化
液滴として保護してしまうため、長時間攪拌しないと均
一分散が達成できないためと考えられる。本発明により
簡便な設備手直しで、副資材を容易に重合器内に均一に
仕込むことができ、それにより安定した重合反応が可能
となり、生成ラテックス中に凝集物の発生が少なく、粒
径、平均重合度、架橋度等の品質も安定する。また、油
溶性副資材は単量体と、水溶性副資材は水と同時に仕込
むので、仕込み操作時間の短縮により重合生産性の向上
効果も有する。
【0012】以下に本発明の態様を挙げる。 (1)塩化ビニルまたは塩化ビニルおよびこれと共重合
し得る不飽和単量体の混合物を、重合反応に必要な副資
材と共に重合器に仕込んで水媒体中で乳化重合または微
細懸濁重合して塩化ビニル系重合体ラテックスを製造す
るに際し、油溶性の副資材は単量体の仕込み配管に接続
する配管から添加し、水溶性の副資材は水の仕込み配管
に接続する配管から添加し、該接続部から重合器に至る
までの単量体または/および水の仕込み配管内で副資材
が単量体または/および水に予備混合されて仕込まれる
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体ラテックスの製造
方法。 (2)重合反応に必要な副資材を、単量体または/およ
び水の仕込み時間帯の開始から5〜15%経過した時期
に添加開始し、単量体または/および水の仕込み時間帯
の開始から85〜95%経過した時期に添加が終了する
上記(1)記載の塩化ビニル系重合体ラテックスの製造
方法。 (3)予備混合する区間の配管容積が副資材の滞留時間
10〜600秒になる範囲である上記(1)または
(2)記載の塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方
法。 (4)予備混合する区間にスタティックミキサーを設置
する上記(1)〜(3)記載のいずれかの塩化ビニル系
重合体ラテックスの製造方法。 (5)副資材が重合開始剤である上記(1)〜(4)記
載のいずれかの塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方
法。 (6)副資材が連鎖移動剤である上記(1)〜(5)記
載のいずれかの塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方
法。 (7)副資材が架橋剤である上記(1)〜(6)記載の
いずれかの塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。特記しない限り部数、%は重量基
準である。なお、実施例及び比較例において、塩化ビニ
ル系重合体ラテックスの評価は下記の方法により行っ
た。 (1)中心粒子径 レーザー散乱粒径分布測定装置[マルバーン社製、マス
ターサイザーMS20]を用いて累積粒径分布を測定
し、累積値が50重量%に当たる粒径として求める。 (2)凝集物量 得られたラテックスを、60メッシュの金網でろ過し、
金網上の凝集物を取得し、また、重合器内壁の付着物を
かき取り、合わせて乾燥後の重量を測定し、生成重合体
に対する凝集物の重量%で表した。
【0014】(3)平均重合度 乾燥して得られた塩化ビニル系樹脂粉体0.20grを
精度良く秤量して50mlメスフラスコに入れ、ニトロ
ベンゼンを40ml加えて温度100℃のエアバスに3
時間以上静置して溶解する。次いでメスフラスコを温度
30℃に調整した恒温槽に浸し、1時間経過後メスフラ
スコ内に50mlの標線までメスピペットでニトロベン
ゼンを追加する。次いでウベローデ粘度計を用いてJI
SK6921に則り、溶液の比粘度から平均重合度を求
める。 (4)ゾル粘度 重合反応を経て製造された塩化ビニル系重合体ラテック
スを60メッシュの金網でろ過した後スプレー乾燥して
得られた樹脂粉100重量部と可塑剤ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート60重量部とを、温度25℃、相対湿
度55%の恒温恒湿室中でらいかい機で混練してプラス
チゾルを調製し、4時間静置後のゾルの粘度をブルック
フィールド型粘度計〔トキメック(株)製、BL型〕、
ローター4を用いて6rpmで測定する。
【0015】実施例1 塩化ビニルの播種微細懸濁重合を行うに際し、種子を含
有するラテックスとして、塩化ビニル100重量部に対
してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量
部、ステアリルアルコール0.67重量部、ラウロイル
パーオキサイド0.5重量部を用いて反応温度48℃で
微細懸濁重合を行って得た中心粒子径0.55μmの重
合体粒子を固形分濃度27重量%含有するラテックス1
0Kgを採取して攪拌翼つきの内容積100リットルの
グラスライニング重合器に入れ、更に脱イオン水30K
g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム200g
rを添加して真空脱気した。次いで、塩化ビニル単量体
36Kgを重合器内に仕込む時、連鎖移動剤としてチオ
グリコール酸オクチルエステル70grを高圧定量ポン
プにより塩化ビニルの仕込み配管の、重合器直近の仕込
み弁から予備混合時間として20秒確保される位置に注
入した。チオグリコール酸オクチルエステルを塩化ビニ
ルの仕込み時間の始めから10−90%の時間帯にわた
って連続的に、仕込み配管内で塩化ビニルと混合しなが
ら添加した。その後攪拌翼を100rpmで回転しつつ
内容物を64℃に昇温して重合を開始した。重合開始後
8.5HRで重合率87%、重合圧力が重合開始時の圧
力を基準とし1.5Kg/cm2 低下した時点で重合終
了させ攪拌停止し内容物を70℃に上げて未反応単量体
を回収した。その後内容物を取り出し、所定の条件にて
スプレー乾燥した。結果を表1に記す。
【0016】実施例2 内容積100リットルの撹拌機付き耐圧反応器に脱イオ
ン水30Kg、ラウリル硫酸ナトリウム350gr、炭
素数12〜18の高級アルコール385grを仕込んで
脱気した。次いで、塩化ビニル単量体35Kgを重合器
内に仕込む時、重合開始剤としてジ−2−エチルヘキシ
ルパーオキシジカーボネートの濃度70%のトルエン溶
液13grを、高圧定量ポンプにより塩化ビニルの仕込
み配管の、重合器直近の仕込み弁から予備混合時間とし
て20秒確保される位置に、また同時に架橋剤ジアリル
フタレート64gを、高圧定量ポンプにより塩化ビニル
の仕込み配管の、重合器直近の仕込み弁から予備混合時
間として20秒確保される位置に、それぞれ注入した。
重合開始剤およびジアリルフタレートは共に塩化ビニル
の仕込み時間の初めから8〜92%の時間帯にわたって
連続的に仕込み配管内で塩化ビニルと混合しながら添加
した。その後30分攪拌してから2段加圧式高圧ポンプ
で均質化した。次にこの分散液を脱気済みの内容積10
0リットルのグラスライニング重合器に移送し、47℃
まで昇温してこの温度で微細懸濁重合を行った。約15
時間経過後、圧力が1.0Kg/cm2 低下した転化率
82%の時点で重合終了させ未反応単量体を回収して内
容物を取り出しスプレー乾燥した。結果を表1に示す。
【0017】比較例1 連鎖移動剤チオグリコール酸オクチルエステル70gr
を塩化ビニルの仕込み終了後に、高圧定量ポンプで直接
重合器に添加した以外は実施例1と同様に行った。結果
を表1に記す。 比較例2 ジアリルフタレート64grを、塩化ビニルの仕込み終
了後に、高圧定量ポンプで直接重合器に添加した以外は
実施例2と同様に行った。結果を表1に記す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1と比較例1とを対比すると、共に
中心平均粒子径1.3μmの重合体粒子を濃度47%台
含有し、略同粘度のプラスチゾルを与えることのできる
塩化ビニル系重合体ラテックスが得られているが、実施
例1の方が凝集物発生量が少なくて安定なラテックスで
あった。また、平均重合度は、実施例1ではチオグリコ
ール酸オクチルエステルの使用量に照して妥当な700
であるのに対し、比較例1では750とやや高い地で、
連鎖移動剤が有効に働いていない結果を示した。また、
実施例2と比較例2とを対比すると、共に中心平均径
1.1μmの重合体粒子を濃度47%台含有し、同粘度
のプラスチゾルを与えることのできる塩化ビニル系重合
体ラテックスが得られているが、実施例2の方が凝集物
発生量が少なくて安定なラテックスであった。また、平
均重合度は、実施例2ではジアリルフタレートの使用量
に照して妥当な3500であるのに対し、比較例2では
3200とやや低い値で、架橋剤が有効に働いていない
結果を示した。
【0020】
【発明の効果】本発明方法により、容易に副資材を重合
器内に均一に仕込むことができ、それにより、生産性よ
く、安定した重合反応が可能となり、安定したラテック
ス性状および重合体品質を実現することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルおよびこれ
    と共重合し得る不飽和単量体の混合物を、重合反応に必
    要な副資材と共に重合器に仕込んで水媒体中で乳化重合
    または微細懸濁重合して塩化ビニル系重合体ラテックス
    を製造するに際し、油溶性の副資材は単量体の仕込み配
    管に接続する配管から添加し、水溶性の副資材は水の仕
    込み配管に接続する配管から添加し、該接続部から重合
    器に至るまでの単量体または/および水の仕込み配管内
    で副資材が単量体または/および水に予備混合されて仕
    込まれることを特徴とする塩化ビニル系重合体ラテック
    スの製造方法。
JP10217398A 1998-03-30 1998-03-30 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 Pending JPH11279208A (ja)

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