JP2002128805A - 分散液の作成方法及び塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法 - Google Patents

分散液の作成方法及び塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法

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JP2002128805A
JP2002128805A JP2000331674A JP2000331674A JP2002128805A JP 2002128805 A JP2002128805 A JP 2002128805A JP 2000331674 A JP2000331674 A JP 2000331674A JP 2000331674 A JP2000331674 A JP 2000331674A JP 2002128805 A JP2002128805 A JP 2002128805A
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Kenichi Nishimine
健一 西峯
Tomoaki Nakagawa
知昭 中川
Yoichi Uchida
陽一 内田
Takeshi Yoshida
剛 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備を簡素化することで省スペース化、低コ
スト化を実現する、界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単
量体からなる分散液の作成方法、及びその分散液を微細
懸濁重合中に追加する重合方法を提供する。 【解決手段】 スタチックミキサーを用いることで容易
に塩化ビニル系単量体と界面活性剤水溶液の分散液を作
成し、これを重合反応中に該重合液に断続あるいは連続
的に追加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系単量
体の微細懸濁重合中に界面活性剤水溶液と塩化ビニル系
単量体からなる分散液を作成し、該重合液中に追加する
塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微細懸濁重合法は、塩化ビニルまたは塩
化ビニルとこれと共重合し得る単量体(以下、「塩化ビ
ニル系単量体」という。)、水、界面活性剤、単量体に
可溶な重合開始剤及びその他の重合助剤とを重合装置以
外の装置で高剪断下で分散した後、重合装置に移して攪
拌下で重合させ、樹脂の基本粒子径が0.2〜3μmの
微細な塩化ビニル樹脂の粒子を生成する方法である。
【0003】微細懸濁重合においては,均質化工程で均
質化された液滴は重合装置に移された後に昇温され所定
温度に到達した後に重合されるが、反応が進むにつれて
重合液の体積収縮が起こりジャケットの有効除熱面積が
減少するため重合装置の除熱能力が低下する事に加え
て、ジャケットの冷却水通水レベルが露出し重合装置壁
面や攪拌翼へのスケール付着を引き起こす。
【0004】この問題を解決するために、特願2000
−204152において界面活性剤水溶液、塩化ビニル
系単量体からなる分散液を重合反応中に重合液中に追加
する方法を開示している。この手段は生産性向上への寄
与は大きいが、特願2000−204152においては
追加する分散液を重合器外に併設した耐圧容器で予め作
成する方法を用いている。従ってこの方法においては、
余分な耐圧容器が必要となり、設備費がかかる上、この
ためのスペースが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
系単量体の微細懸濁重合中に、界面活性剤水溶液と塩化
ビニル系単量体からなる分散液を作成、追加するための
設備を簡素化し、省スペース化、低コスト化を実現する
とともに作業負荷を低減するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩化ビニ
ル系単量体と界面活性剤水溶液との分散液作成を鋭意検
討した結果、本発明を完成するに至った。本発明は、重
合器と接続する配管にスタチックミキサーを設け、そこ
で得られる界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単量体の分
散液を重合反応中に追加することを特徴とする塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法を提供する。また塩化ビニル系ペー
スト樹脂の製造方法としては主に微細懸濁重合、乳化重
合、シード乳化重合法等がありいずれにもこの方法が適
用できるが、特に微細懸濁重合法において効果的であ
る。
【0007】すなわち本発明の第1は、塩化ビニル系単
量体を油溶性重合開始剤とともに水性媒体中で均質化し
微細懸濁重合を行う際に、界面活性剤水溶液と塩化ビニ
ル系単量体をスタチックミキサーに導入し、塩化ビニル
系単量体と界面活性剤水溶液を分散混合し得られた分散
液を、重合を開始してから重合終了するまでの重合途中
に追加することを特徴とする塩化ビニル系ペースト樹脂
の製造方法に関する(請求項1)。
【0008】本発明の第2は第1の発明において、界面
活性剤水溶液と塩化ビニル系単量体を、重量比75:2
5〜30:70の割合でスタチックミキサーに導入する
ことを特徴とする塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法
に関する(請求項2)。
【0009】本発明の第3は第1又は第2の発明におい
て、スタチックミキサー内での液の線速度が0.5m/
秒以上であることを特徴とする塩化ビニル系ペースト樹
脂の製造方法に関する(請求項3)。
【0010】本発明の第4は第1、第2又は第3の発明
において、重合転化率が最初に仕込んだ単量体量の30
重量%以下にあるときから追加を開始し、転化率が最初
に仕込んだ単量体の95重量%になるまでの重合途中で
分散液の追加を終了することを特徴とする塩化ビニル系
ペースト樹脂の製造方法に関する(請求項4)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の方法では、追加する分散液中の塩化ビニ
ル系単量体の濃度があまり低いと重合後の固形分濃度が
低下して乾燥工程の負荷が増し、またあまり高いと追加
分散液の安定性が低下し重合液内に入るまでに相分離し
てしまい重合液の安定性を低下させる傾向がある。これ
を防止するために、追加する分散液中の塩化ビニル系単
量体の割合を、25%以上かつ70%以下、好ましくは
45%以上60%以下の範囲に設定すればよい。
【0012】またスタチックミキサー内の流体の線速度
が遅すぎると分散が不十分となり重合器到達前に該分散
液が相分離し、分散液が不安定になる傾向となる。従っ
てスタチックミキサー内の線速度として0.5m/秒以
上、好ましくは0.8m/秒以上に設定すればよい。
【0013】なおスタチックミキサー内の線速度は以下
の数式により計算することが可能である。
【0014】
【数1】 また、界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単量体をスタチ
ックミキサーに導入する際に、図2に示すように流れ方
向に相分離した場合、スタチックミキサーでの分散が不
十分となり分散液の安定性が低下する傾向となる。その
ために、単量体及び界面活性剤水溶液の送液ポンプにチ
ャンバーを用いたり、送液部が複数連となっているポン
プを用いて脈流を無くすことで、界面活性剤水溶液及び
単量体をスタチックミキサーに導入する前に予め流れ方
向に対して垂直に2層に分離させた後、スタチックミキ
サーに導入すればよい。あるいは図3に示すように、単
量体と界面活性剤水溶液の合流部を界面活性剤水溶液の
送液管に単量体送液管を内挿する形のものを用いたり、
図4に示すようにスタチックミキサー導入前に予備混合
槽を設けて界面活性剤水溶液と単量体を予備混合した後
にスタチックミキサーに導入すればよい。
【0015】用いるスタチックミキサー(別名、静止型
混合攪拌器または管路内混合器)のエレメント数が少な
いと分散液の安定性が低下する傾向にあるので、8枚以
上、好ましくは10枚以上のものを用いるとよい。
【0016】分散液を構成する界面活性剤量は特に限定
されないが、追加する分散液中の単量体100重量部に
対して、通常0.1〜3重量部用いればよい。また該界
面活性剤の種類は特に限定されず、重合液に含まれる界
面活性剤と同じでも良いし、他の乳化剤を使用する事も
できる。またこの界面活性剤は、界面活性剤貯槽からラ
イン中で水と混合して適当な濃度に希釈しつつ供給して
もよいし、簡易なタンクにて溶解し供給してもよい。
【0017】重合液に該分散液を追加する場合は、重合
液に分散液を追加する開始時期が遅すぎると既にジャケ
ットの除熱面積が減少した後になり、またスケール付着
防止のため、冷水通水閉止を行うと本来の除熱のための
面積が確保できなくなる。これらを回避するために、好
ましくは重合を開始してから重合転化率が最初に仕込ん
だ単量体量の30%以下にある間に、更に好ましくは2
0%以下にある間に、最も好ましくは10%以下にある
間に追加を開始するとよい。
【0018】分散液の重合液への追加を終了する時間が
遅すぎると、重合時間の遅延を招きかえって重合生産性
を低下させることがある。これを回避する為に、重合体
生成量が最初に仕込んだ単量体の95%以下にある間
に、好ましくは90%以下にある間に追加を終了させる
とよい。
【0019】追加する分散液中の塩化ビニル系単量体量
が、あまり少なすぎると生成重合体量の増加が望めず生
産性向上には結びつきにくく、またあまり多すぎると重
合時間の遅延を招きかえって重合生産性を低下させる傾
向となる。従って、追加する分散液中の塩化ビニル系単
量体量を、最初に仕込んだ塩化ビニル系単量体100重
量部に対して3〜30重量部、好ましくは5〜20重量
部とするとよい。
【0020】分散液を重合液へ追加する方法は、連続的
に追加しても良いし、断続的に追加してもよい。また重
合中に分散液の追加により液面位置が重合開始時の液面
より高くなると内圧が上昇して危険になることがあるた
め、重合開始時の液面位置より高くならないように分散
液を追加するのが好ましい。重合中の液面位置は仕込み
原料の量および転化率から容易に計算でき、また転化率
は重合途中のラテックスをサンプリングし重量法により
知る事もできるし、ジャケットの除熱量から計算するこ
とが可能である。本発明の重合方法において使用できる
単量体は、塩化ビニル単独または塩化ビニルおよびこれ
と共重合し得る単量体との混合物である。本明細書にお
いては、これらを「塩化ビニル系単量体」と総称してい
る。
【0021】共重合し得る単量体は特に限定されるもの
ではないが、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフ
ィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
ラウリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビ
ニリデン等のビニリデン類、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びその酸無
水物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン
酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチル
ベンジル等の不飽和カルボン酸エステル類、スチレン、
αーメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニ
ル化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、更
にはジアリルフタレート等の架橋性モノマー等の、塩化
ビニルと共重合可能な全ての公知の単量体が使用でき
る。これらの単量体の使用量は、塩化ビニルとの混合物
中50重量%未満であるのが好ましい。
【0022】微細懸濁重合に用いられる界面活性剤は特
に限定されるものではないが、アニオン性界面活性剤が
通常単量体100重量部当たり0.1〜3重量部程度用
いられる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸、ア
ルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、ア
ルキルスルホコハク酸、α-オレフィンスルホン酸、ア
ルキルエーテルリン酸エステル等のカリウム、ナトリウ
ム、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0023】分散助剤として、ラウリルアルコール、ミ
リスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルア
ルコール等の高級アルコール類、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸類を
用いることができる。その他の重合助剤としては、芳香
族炭化水素、ポリビニルアルコール、ゼラチン、粒子径
調整剤(硫酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムなど)、
連鎖移動剤、抗酸化剤などが挙げられる。これらは単独
または二種類以上を組み合わせて用いる事ができる。
【0024】微細懸濁重合に用いる油溶性開始剤として
は、ジラウロイルパーオキサイド、ジ−3,5,5,ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパー
オキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキ
シピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート
等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物開始剤及び
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ系開始剤を用いることができる。これら
の開始剤の使用量は、全仕込み単量体に対して0.01
〜3重量%程度が一般的であるが、追加により重合時間
の延長を防止するために必要に応じて仕込みの開始剤量
を増量したり重合途中で追加することも可能である。
【0025】また、微細懸濁重合時の均質化において
は、一段または二段加圧式高圧ポンプ、コロイドミル、
遠心ポンプ、ホモジナイザー(ホモミキサー)、振動式
攪拌器、ノズルまたはオリフィスからの高圧噴出および
超音波などの公知の方法を用いる事ができる。重合反応
は通常の方法によって行なわれ、例えば重合温度は30
〜75℃であり、重合用の水量は重量で全単量体に対し
0.6〜3倍の範囲である。分散助剤やその他の重合助
剤の使用量も通常の量で良い。またスケール付着を防止
するために予め重合缶内壁面にスケール防止剤を塗布し
ておいたり、均質化液を昇温する前に窒素加圧をする事
が望ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。
【0027】本発明の分散液の製造方法を説明する概略
図を図1に示す。1は界面活性剤タンク、2は塩化ビニ
ル単量体タンク、3,4はポンプ、5はスタチックミキ
サー、6は重合器、7は耐圧ガラス管である。実施例及
び比較例において、作成した分散液を7の耐圧ガラス管
中に採取し、分散液の分離挙動を観察し、図5に示すよ
うなガラス管内の分離(塩化ビニル単量体の滴の浮上)
により、下記の基準に従い分散液の安定性を比較した。 ○:分散液採取後、30分間経過後も分離なし。 ×:分散液採取後、30分間経過するまでに分離が見ら
れた。 (参考例) 上下2段のジャケットを有する2500L耐圧容器に塩
化ビニル単量体825kg、イオン交換水825kg、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8kgとセ
チルアルコール8.25kgを仕込み、耐圧ホモジナイ
ザーにより均質化した。その後、2,2’ーアゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル0.75kgを上記2
500L容量の重合器に移送し、45℃に昇温して重合
を開始した。重合開始4時間目に、上部ジャケットの通
水をストップした。また重合圧力が初期圧力より1.5
kg/cm3に低下するまで重合し、残存単量体を重合
器より除いた。
【0028】重合後のラテックスよりスケールを32メ
ッシュ標準篩でこし取り、乾燥後この重量を測定した。
ラテックスは常法によりスプレー乾燥し、得られた粉体
をバンダムミルで粉砕しペースト樹脂を得た。結果を表
1に示す。
【0029】(実施例1)参考例1と同様に重合を開始
した。但し、重合器内温が45℃に到達してから3時間
経過した時点からドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムの1重量%水溶液と塩化ビニル単量体をそれぞれ2
0.9kg/時間、23.9kg/時間の速度で内径
3.4mm、エレメント数18のスタチックミキサーに
導入し、そこで得られた分散液を該重合液中に連続追加
し、8時間目に連続追加を終了した。なおその際のスタ
チックミキサー内の線速度は1.45m/秒、界面活性
剤水溶液:塩化ビニル単量体は47:53であり、合計
追加単量体量は119.5kgである。また追加を開始
した時点の初期仕込み単量体に対する重合転化率は25
%で、追加終了時の重合転化率は88%であった。また
重合終了後の全単量体に対する転化率は93%であっ
た。また上部ジャケットは通水したままであった。重合
後のラテックスは参考例と同様の手法を用いてペースト
樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0030】(実施例2)実施例1と同様に、重合器内
温が45℃に到達してから2時間経過した時点からドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1重量%水溶液と
塩化ビニル単量体をそれぞれ19.3kg/時間、20.
7kg/時間の速度で実施例1と同じスタチックミキサ
ーに導入し、そこで得られた分散液を該重合液中に連続
追加し、8時間目に連続追加を終了した。なおその際の
スタチックミキサー内の線速度は1.29m/秒、界面
活性剤水溶液:塩化ビニル単量体は48:52であり、
合計追加単量体量は124.2kgである。また追加を
開始した時点の初期仕込み単量体に対する重合転化率は
17%で、追加終了時の重合転化率は86%であった。
また重合終了後の全単量体に対する転化率は92%であ
った。また上部ジャケットは通水したままであった。重
合後のラテックスは参考例と同様の手法を用いてペース
ト樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0031】(実施例3)実施例1と同様に、重合器内
温が45℃に到達してから1時間経過した時点からドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1重量%水溶液と
塩化ビニル単量体をそれぞれ13.2kg/時間、2
6.4kg/時間の速度で実施例1と同じスタチックミ
キサーに導入し、そこで得られた分散液を該重合液中に
連続追加し、8時間目に連続追加を終了した。なおその
際のスタチックミキサー内の線速度は1.30m/秒、
界面活性剤水溶液:塩化ビニル単量体は33:67であ
り、合計追加単量体量は184.8kgである。また追
加を開始した時点の初期仕込み単量体に対する重合転化
率は6%で、追加終了時の重合転化率は82%であっ
た。また重合終了後の全単量体に対する転化率は91%
であった。また上部ジャケットは通水したままであっ
た。重合後のラテックスは参考例と同様の手法を用いて
ペースト樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0032】(実施例4)実施例1と同様に重合器内温
が45℃に到達してから1時間経過した時点からドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1重量%水溶液と塩
化ビニル単量体をそれぞれ9.2kg/時間、10.1
kg/時間の速度で実施例1と同じスタチックミキサー
に導入し、そこで得られた分散液を該重合液中に連続追
加し、8時間目に連続追加を終了した。なおその際のス
タチックミキサー内の線速度は0.62m/秒、界面活
性剤水溶液:塩化ビニル単量体は48:52であり、合
計追加単量体量は70.7kgである。また追加を開始
した時点の初期仕込み単量体に対する重合転化率は6%
で、追加終了時の重合転化率は90%であった。また重
合終了後の全単量体に対する転化率は94%であった。
また上部ジャケットは通水したままであった。重合後の
ラテックスは参考例と同様の手法を用いてペースト樹脂
を得た。結果を表1に示す。
【0033】(実施例5)実施例1と同様に、重合器内
温が45℃に到達してから3時間経過した時点からドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1重量%水溶液と
塩化ビニル単量体をそれぞれ10.5kg/時間、3
2.4kg/時間の速度で実施例1と同じスタチックミ
キサーに導入し、そこで得られた分散液を該重合液中に
連続追加し、8時間目に連続追加を終了した。なおその
際のスタチックミキサー内の線速度は1.42m/秒、
界面活性剤水溶液:塩化ビニル単量体は24:76であ
り、合計追加単量体量は162kgである。また追加を
開始した時点の初期仕込み単量体に対する重合転化率は
25%で、追加終了時の重合転化率は84%であった。
また重合終了後の全単量体に対する転化率は91%であ
った。また上部ジャケットは通水したままであった。重
合後のラテックスは参考例と同様の手法を用いてペース
ト樹脂を得た。結果を表1に示す。ジャケット挙動は良
好であったが、ラテックス中の粗粒量は多くなった。
【0034】(実施例6)スタチックミキサーを内径
7.0mm、エレメント数18のものを用いた以外は実
施例1と同様に重合を開始、分散液の作成、追加を行っ
た。その際のスタチックミキサー内の線速度は0.34
m/秒である。また追加を開始した時点の初期仕込み単
量体に対する重合転化率は25%で、追加終了時の重合
転化率は87%であった。また重合終了後の全単量体に
対する転化率は91%であった。また上部ジャケットは
通水したままであった。重合後のラテックスは参考例と
同様の手法を用いてペースト樹脂を得た。結果を表1に
示す。ジャケット挙動は良好であったが、ラテックス中
の粗粒量は多くなった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明により界面活性剤と塩化ビニル系
単量体からなる分散液の作成、及びその分散液を重合液
に追加する重合方法において、省スペース化及び設備の
簡易化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分散液の製造方法を説明する概略
図。
【図2】 界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単量体をス
タチックミキサーに導入する際、流れ方向に相分離した
場合を示す。
【図3】 図2の界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単量
体の合流点の拡大図。
【図4】 スタチックミキサー導入前に予備混合槽を設
けて界面活性剤水溶液と単量体を予備混合する。
【図5】 ガラス管内の分離(塩化ビニル単量体の滴の
浮上)を示す。
【符号の説明】 1:界面活性剤タンク、 2:塩化ビニル単量体タンク、 3:ポンプ、 4:ポンプ、 5:スタチックミキサー、 6:重合器、 7:耐圧ガラス管 8:界面活性剤水溶液、 9:塩化ビニル系単量体、 10:スタチックミキサー、 11:塩化ビニル系単量体の流れ方向、 12:界面活性剤の流れ方向 13:予備混合槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤
    とともに水性媒体中で均質化し微細懸濁重合を行う際
    に、界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単量体をスタチッ
    クミキサーに導入し、塩化ビニル系単量体と界面活性剤
    水溶液を分散混合し得られた分散液を、重合を開始して
    から重合終了するまでの重合途中に追加することを特徴
    とする塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 界面活性剤水溶液と塩化ビニル系単量体
    を、重量比75:25〜30:70の割合でスタチック
    ミキサーに導入することを特徴とする請求項1記載の塩
    化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 スタチックミキサー内での液の線速度が
    0.5m/秒以上であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合転化率が最初に仕込んだ単量体量の
    30重量%以下にあるときから追加を開始し、転化率が
    最初に仕込んだ単量体の95重量%になるまでの重合途
    中で分散液の追加を終了することを特徴とする、請求項
    1、2又は3記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方
    法。
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