JPH11264802A - 検視方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高速で走行中のウェブの検視を行うための実用
的な検視方法および検視装置を提供する。 【解決手段】少なくともカメラと速度計と画像処理装置
と表示装置を有し、カメラを用いて入力画像を作成する
工程と、速度計から速度信号を作成する工程と、該速度
信号から逆フィルタを作成する工程と、該入力画像を該
逆フィルタを用いて画像の復元を行い復元画像を作成す
る工程と、該復元画像を表示装置に表示する工程を含む
検視方法及び装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙やプレスボード
等の生産ラインにおいて高速で走行中のウェブの検視を
行う検視方法および装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ウェブとは、紙や布の様な連続した布状
のものであるが、本発明ではこのウェブを切断した枚葉
のシートについても適用でき、ウェブとして表記する。
ここでは紙を例に説明する。

【０００３】従来、検視は出来上がった紙をオフライン
で目視により行ってきた。しかし、生産ラインにおいて
生産中に検視ができれば、生産の良否やラインの異常を
早期に発見することができる。このため、生産中に走行
する紙の検視ができる検視装置が望まれている。生産ラ
インとは、紙の生産で言えば、抄紙機、塗工機、カレン
ダ、スーパーカレンダ、ワインダー、カッター、梱包ラ
イン、等がある。

【０００４】紙のライン速度は速いものでは１５００ｍ
／分を超える速度があり、これを静止画像として取り出
すことは簡単ではない。特に、オフラインでの目視に代
用できる様な鮮明な画像を得ることは難しい。

【０００５】この様な高速に動いている物体の静止画像
を得る方法や装置が、いくつか知られている。

【０００６】例えば、高速なシャッターを用いて画像を
得るカメラがある。しかしこの場合、１０００ｍ／分の
ライン速度では、１／１００００秒のシャッターを用い
てもこのわずかな時間内に１．６６６ｍｍの移動が起こ
り画像はぼやける。

【０００７】また、フラッシュを用いる方法も知られて
いるが、高速シャッターを用いた場合と同様に問題は回
避できない。

【０００８】また、高速ビデオが知られているが、各一
瞬一瞬の画像は決して鮮明とは言えない。

【０００９】一方、劣化画像を画像処理により復元する
方法が知られている。朝倉書房出版の「画像工学ハンド
ブック」p223-p230（１９８６年）には、画像の復元に
ついて記述がある。しかし、劣化画像の復元はカメラか
らの画像情報だけでは難かしい。特に白い紙の様にほと
んど濃淡のない画像では、劣化画像のみから復元するこ
とは大変難しい。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このように、高速で走
行中のウェブの検視を行うための実用的な検視方法およ
び検視装置はなかった。

【００１１】本発明の目的は、高速で走行中のウェブの
検視を行うための実用的な検視方法および検視装置を提
供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、高速で
走行中のウェブの検視方法において、少なくともカメラ
と速度計と画像処理装置と表示装置を有し、カメラを用
いて入力画像を作成する工程と、速度計から速度信号を
作成する工程と、該速度信号から逆フィルタを作成する
工程と、該入力画像を該逆フィルタを用いて画像の復元
を行い復元画像を作成する工程と、該復元画像を表示装
置に表示する工程を含む検視方法が提供される。

【００１３】また本発明によれば、高速で走行中のウェ
ブの検視装置において、少なくともカメラと速度計と画
像処理装置と表示装置を有し、カメラを用いて入力画像
を作成する手段と、速度計から速度信号を作成する手段
と、該速度信号から逆フィルタを作成する手段と、該入
力画像を該逆フィルタを用いて画像の復元を行い復元画
像を作成する手段と、該復元画像を表示装置に表示する
手段を含む検視装置が提供される。

【００１４】

【発明の実施の形態】図面を使って、本発明の実施の形
態を説明する。図１は本発明による検視装置を示す構成
図である。

【００１５】カメラ１で検出された信号は入力画像作成
手段３１により２次元の入力画像として作成される。カ
メラとしては撮像管カメラ、ＣＣＤアレイセンサカメ
ラ、ＣＣＤラインセンサカメラ等が用いられる。また、
ここでは説明されないがカラーでもモノクロでも用いら
れる。

【００１６】速度計２で検出された信号は速度信号作成
手段３２により速度信号が作成される。逆フィルタ作成
手段３３は速度信号を用いて逆フィルタを作成する。例
えばウェブの速度をs、カメラの露光時間を2T秒間とす
ると、逆フィルタH(u,v)は下記数式１、および数式２に
より求まる。ただし、ウェブはカメラのｘ軸に対してθ
方向に動いているものとする。

【００１７】

【数１】 w ＝πs（ucosθ＋vsinθ） （数式１）

【００１８】

【数２】H(u,v)＝（sin2Tw）／w （数式２）

【００１９】復元画像は入力画像と逆フィルタを用いて
画像復元手段３４により復元される。例えば、空間周波
数表現で入力画像をG(u,v)、逆フィルタをH(u,v)とする
と、空間周波数表現での復元画像F(u,v)は基本的には下
記数式３により求まる。求めた空間周波数表現での復元
画像F(u,v)から復元画像f(x,y)は逆フーリエ変換により
得られる。

【００２０】

【数３】F(u,v)＝G(u,v)/H(u,v) （数式３）

【００２１】ここではノイズがない場合で示したが、ノ
イズの対策はすでに知られている方法が用いられる。例
えば、逆フィルタの微少な値の部分を無効とする方法な
どがある。

【００２２】得られた復元画像は表示装置に表示され
る。表示装置はＣＲＴや液晶ディスプレイが一般的であ
るが、プリンタにハードコピーとして出すものもここで
は表示装置に含める。また、プリンタを併用することも
可能である。

【００２３】

【実施例】以下、本発明の実施例を示す。

【００２４】実施例１ カメラとしてソニー（株）のＸＣ−００３型ＣＣＤカメ
ラを用いた。画像処理装置としてデータキューブ社のMa
xPCIボードをパーソナルコンピュータに組み込んだもの
を用いた。画像処理装置のプログラムで１フレームの画
像を取り込む様にして入力画像を得た。速度計として
は、生産ラインに組み込んだエンコーダのパルスをパル
スカウンターで取り込み速度を割り出すものを用いた。
この速度信号を画像処理措置に取り込んだ。

【００２５】速度ｓと１フレームの取り込み時間2Tか
ら、上記数式１及び数式２により逆フィルタを作成し
た。ここで、ウェブの走行方向とカメラのy軸をあわせ
た。これにより逆フィルタの形状は簡単な形にすること
ができる。

【００２６】復元画像は入力画像と逆フィルタを用いて
上記数式３により求めた。求めた空間周波数表現での復
元画像から復元画像を逆フーリエ変換により得た。

【００２７】復元画像はＣＲＴに表示した。入力画像を
直接ＣＲＴに表示した場合に比べて復元画像は鮮明であ
った。

【００２８】以上、本発明を実施例に基づいて説明した
が、本発明はこの実施例には限定されず、種々変形可能
である。

【００２９】

【発明の効果】本発明により、高速で製造される紙を製
造中に検視する方法および装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による検視装置を示す構成図。

【符号の説明】

１ カメラ ２ 速度計 ３ 画像処理装置 ４ 表示装置 ３１ 入力画像作成手段 ３２ 速度信号作成手段 ３３ 逆フィルタ作成手段 ３４ 復元画像作成手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高速で走行中のウェブの検視方法におい
   て、少なくともカメラと速度計と画像処理装置と表示装
   置を有し、カメラを用いて入力画像を作成する工程と；
   速度計から速度信号を作成する工程と；該速度信号から
   逆フィルタを作成する工程と；該入力画像を該逆フィル
   タを用いて画像の復元を行い復元画像を作成する工程
   と；該復元画像を表示装置に表示する工程を含む検視方
   法。
2. 【請求項２】 高速で走行中のウェブの検視装置におい
   て、少なくともカメラと速度計と画像処理装置と表示装
   置を有し、カメラを用いて入力画像を作成する手段と；
   速度計から速度信号を作成する手段と；該速度信号から
   逆フィルタを作成する手段と；該入力画像を該逆フィル
   タを用いて画像の復元を行い復元画像を作成する手段
   と；該復元画像を表示装置に表示する手段を含む検視装
   置。