JPH1124706A - フィードバック制御装置 - Google Patents

フィードバック制御装置

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JPH1124706A
JPH1124706A JP18244497A JP18244497A JPH1124706A JP H1124706 A JPH1124706 A JP H1124706A JP 18244497 A JP18244497 A JP 18244497A JP 18244497 A JP18244497 A JP 18244497A JP H1124706 A JPH1124706 A JP H1124706A
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disturbance
transfer function
frequency
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JP18244497A
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Hidetoshi Ikeda
英俊 池田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期的な外乱あるいは指令信号を有するフィ
ードバック制御において、上記外乱あるいは指令信号に
含まれる周波数成分に対して、安定性良く定常偏差を無
くすことが困難であった。 【解決手段】 周期的な外乱あるいは指令信号に含まれ
る周波数において、ゲインが無限大あるいは極大にな
り、しかも位相が0度より遅れない伝達特性を持つ共振
制御装置24を他の制御装置23と直列に接続すること
により安定性良く定常偏差を零あるいは極小にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特定の周波数成
分を含む外乱の抑制が要求されるシステム、正弦波指令
への追従性が要求されるシステム、ならびに繰り返し波
形指令への追従性が要求されるシステムに用いるフィー
ドバック制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】システム制御における一般的なフィード
バック制御装置としては、PID(比例積分微分)制御
装置が広く用いられている。フィードバック制御装置が
適用される制御対象には、鉄鋼連続鋳造機のモールド液
面レベル制御やコンプレッサー制御のように特定の周波
数の外乱が存在するものや、無停電電源装置の電圧制御
のように特定の周波数の正弦波や繰り返し波形を指令信
号とする場合がある。フィードバック制御装置による制
御対象の例として、例えば“連鋳モールドレベル制御へ
の現代制御理論の適用:計装、Vol.38、No.11、1995、P
1〜P4 ”に記載された、鉄鋼連続鋳造機のモールド液面
レベル制御系について以下に示す。図9は鉄鋼連続鋳造
機のモールド液面レベル制御系の概略図である。連続鋳
造機1はタンディシュ2と呼ばれる溶綱槽から溶綱3を
モールド(鋳型)4へ流し込み、モールド4で連続して
凝固させながら支持ロール5により引き抜いていくこと
により、スラブ(鋳片)6(図示せず)を製造する。
【0003】このとき、モールド4内溶綱3の液面レベ
ル7はレベルセンサ8によって検出され、モールド4に
流れ込む溶綱3量とモールド4から引き抜かれるスラブ
6の量がバランスするように、制御装置9によって液面
レベル7を一定に保つように制御する。具体的には、レ
ベルセンサ8によって検出された液面レベル7に応じ
て、アクチュエータ10によりスライディングノズル1
1の開度を操作して、モールド4に流れ込む溶綱3量を
調節する。この鉄鋼連続鋳造機1においては、安全操業
および製造するスラブの品質向上のためにモールド液面
レベル7の安定化が不可欠な技術であり、従来では一般
的に、PI制御装置やPID制御装置によって制御され
ていた。
【0004】上記のような鉄鋼連続鋳造機1のモールド
液面レベル7制御系においては、操業条件によって様々
な外乱が発生する。例えば、バルジング12(支持ロー
ル5間のスラブ6の膨らみ)が原因となり、スラブ6の
引き抜き速度に比例した周波数でモールド液面レベル7
の変動が生じる。この引き抜き速度は通常一定だが、生
産性向上の目的から、引き抜き速度を早く設定すると、
上述のバルジングによる外乱の周波数も高くなる。
【0005】従来のPI制御やPID制御では、特定の
周波数成分を含む外乱や指令信号に対しては、その周波
数成分を持つ定常偏差が残り、またその周波数が制御帯
域より高くなると、外乱が制御対象の出力に及ぼす影響
を小さくすることが全くできなくなる。特に、制御帯域
の限界付近の周波数成分をもつ外乱に対しては、外乱を
抑制するために制御のゲインを大きくすると制御系の安
定性が悪くなるため、かえって定常偏差の振幅を大きく
する現象が起きるという問題があった。このため、フィ
ードバック制御装置のゲインを小さくする必要が生じ、
その結果、過渡的な応答も悪くなるものであった。外乱
の影響を低減するために、外乱オブザーバを用いて外乱
を推定して補償する方式も提案されているが、定常偏差
を減少させるが無くすものではなく、同様の問題があっ
た。
【0006】また、繰り返し動作を伴うサーボやロボッ
トの位置制御等では、例えば“計測と制御:Vol.25、N
o.12、P.1111〜P1119 ”に記載された、繰り返し制御等
が定常偏差を無くす目的で提案されている。しかしなが
ら、繰り返し制御では、鉄鋼連続鋳造機のように制御対
象が積分特性を有する場合には、低周波数領域でのみ効
果的であるようなフィルタを用いて安定性を確保する必
要があり、そのようなフィルタは設計も複雑であるた
め、やはり、制御帯域の限界付近の周波数成分をもつ外
乱を抑制することは困難であった。
【0007】上記のような問題点を改善するために、制
御対象に対する指令あるいは外乱に含まれる周波数成分
に対して、ゲインが無限大、または極大となる正弦波伝
達関数を制御装置に導入するものが、特開平07−02
0906号公報に提案され、これにより、制御対象に対
する指令あるいは外乱に対して定常偏差が零とできるフ
ィードバック制御装置が実現できる。図10は、特開平
07−020906号公報に記載されたフィードバック
制御装置の構成図である。図に示すように、制御対象1
3は抵抗RとインダクタンスLの直列負荷であり、正弦
波の電流指令値14と出力電流15の偏差を制御装置1
6に入力し、出力電流15を制御する。ここで、制御装
置16は、正弦波伝達関数器17ならびに積分伝達関数
器18、比例伝達関数器19から構成され、それらを並
列に接続して用いている。また、正弦波の電流指令値1
4が含む周波数を周波数検出部20により検出して、正
弦波伝達関数器17における正弦波伝達関数17aが、
その周波数でゲインが無限大あるいは極大になるように
することにより、その成分の定常偏差を零にすることが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、閉ループ伝
達関数の位相遅れが180度のときの周波数において、
ゲインが0(dB)より小さいとき、その閉ループ伝達
関数は安定となる。一般に、開ループ伝達関数は、ゲイ
ンが低周波で0(dB)より大きく、高周波で0(d
B)より小さくなるように設計される。また、開ループ
伝達関数のゲインが0(dB)となる周波数を交差周波
数と呼び、交差周波数は制御帯域を意味する。この交差
周波数における位相余有(ゲインが0(dB)のとき、
安定限界である位相遅れ180度に対してどれだけ余裕
があるかを示すもの)が正であれば閉ループ伝達関数は
安定となる。しかしながら、上記従来例の正弦波伝達関
数器17における正弦波伝達関数17aは、正弦波の電
流指令値14が含む周波数において、ゲインが無限大あ
るいは極大になるとき、位相の変位が90度から−90
度に変化する。すなわち、この正弦波伝達関数17aを
接続することによって、位相をより遅らせることにな
り、組み合わせによっては、安定限界である位相遅れ1
80度を越えて位相余有が負となり、閉ループ伝達関数
が不安定となることがあった。また、3つの伝達関数器
17,18,19を並列に接続しており、それぞれの伝
達関数器17,18,19のゲイン設定が難しく、条件
によっては閉ループ伝達関数が同様に不安定となるもの
であった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解消す
るために成されたものであって、正弦波等の周波数成分
を含む外乱や指令信号に対して、安定的に定常偏差を無
くすことができる、信頼性の高いフィードバック制御装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
わるフィードバック制御装置は、制御対象に対する指令
信号を発生する手段を有し、上記指令信号と上記制御対
象の出力とを伝達関数器に入力し、この伝達関数器から
の出力信号で上記制御対象を制御する装置であって、上
記制御対象に入力する外乱が成分として含む周波数に対
して、ゲインが無限大あるいは極大となり、しかも位相
が0度より遅れない伝達特性を有する共振制御装置を上
記伝達関数器に含むものである。
【0011】この発明の請求項2に係わるフィードバッ
ク制御装置は、制御対象に対する指令信号を発生する手
段を有し、上記指令信号と上記制御対象の出力とを伝達
関数器に入力し、この伝達関数器からの出力信号で上記
制御対象を制御する装置であって、上記指令信号が成分
として含む周波数に対して、ゲインが無限大あるいは極
大となり、しかも位相が0度より遅れない伝達特性を有
する共振制御装置を上記伝達関数器に含むものである。
【0012】この発明の請求項3に係わるフィードバッ
ク制御装置は、共振制御装置の伝達特性を、伝達関数器
内に積の要素として含むものである。
【0013】この発明の請求項4に係わるフィードバッ
ク制御装置は、共振制御装置が下記式に示す伝達特性を
有するものである。
【数3】
【0014】この発明の請求項5に係わるフィードバッ
ク制御装置は、共振制御装置が下記式に示す伝達特性を
有するものである。
【数4】
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1であるフ
ィードバック制御装置の構成図を示す。21は鉄鋼連続
鋳造機のモールド液面レベル制御を行う場合の制御対象
である。22はフィードバック制御装置を構成する伝達
関数器であり、PI(比例積分)やPID(比例積分微
分)などの演算を行う制御装置23と共振制御装置24
により構成される。25は外乱に含まれる周波数を検出
する周波数検出部であり、例えばスラブの引き抜き速度
から外乱に含まれる周波数を検出する。26は指令信号
発生装置である。
【0016】次に動作を説明する。鉄鋼連続鋳造機のモ
ールド液面レベル制御を行う場合について説明するが、
この制御系については、従来技術の図9で示したものと
同様である。まず、制御対象21はスライディングノズ
ル11開度の指令を操作量uとして入力し、モールド液
面レベル7を制御量yとして検出する。アクチュエータ
10の動特性を一次遅れで近似すると、制御対象21の
伝達関数P(s)は下記の式3のように無駄時間特性と
積分特性と一次遅れの積で表される。
【0017】
【数5】
【0018】式3においてTdは無駄時間、Aは積分時
定数、ωaはアクチュエータの応答周波数である。伝達
関数器22は指令信号rと制御量yを入力し操作量uを
出力することにより制御量yが指令信号rに一致するよ
うに制御する。また伝達関数器22は、指令信号rと制
御量yの偏差を入力し、過渡的外乱や直流外乱に対して
良好に制御を行うためにPI(比例積分)演算やPID
(比例積分微分)演算などを行った結果を出力する制御
装置23と、制御装置23の出力を入力して操作量uを
出力する共振制御装置24を直列に接続して構成する。
ここで共振制御装置24は特定の周波数の外乱に対して
指令信号rと制御量yの偏差を小さくする働きをするも
ので、下記の式4に示す共振的伝達関数Cr(s)を有
する。
【0019】
【数6】
【0020】式4において、ωrは共振周波数であり、
検出した外乱の周波数に一致させる。この周波数ωr
おいて、式4の伝達特性はゲインが無限大となり、指令
信号rと制御量yとの定常偏差が零になるように制御さ
れる。
【0021】次に実施の形態1の制御原理について説明
する。まず制御装置23の原理について説明する。すな
わち制御装置23と共振制御装置24とが直列に接続さ
れた伝達関数器22において式4で表される共振制御装
置24の伝達特性におけるゲインKrを0とした場合に
ついて説明する。制御装置23は従来の一般的な制御装
置と同様で良く、PI演算やPID演算を行い、過渡的
外乱や直流外乱に対して良好な応答をするように制御を
行う。制御対象21の伝達関数P(s)、制御装置23
の伝達関数Cm(s)として、開ループ伝達関数P
(s)・Cm(s)のボード線図を図2に示す。図2に
示す様に、開ループ伝達関数P(s)・Cm(s)のゲ
インは、低周波で0(dB)より大きく、高周波で0
(dB)より小さくなるように設計される。また、開ル
ープ伝達関数のゲインが0(dB)となる周波数を交差
周波数ωc、位相が−180度になる周波数を安定限界
周波数ω1と呼ぶこととする。ここで、交差周波数ωc
制御帯域を意味する。
【0022】交差周波数ωcにおける位相余有が正であ
るため、この閉ループ伝達関数は安定であると言える。
また、安定限界周波数ω1におけるゲイン余有も正であ
り、その値は20log10(M)とする。ここで、上記
の位相余有が0度に近づけば閉ループ伝達関数が不安定
に近づき、交差周波数ωcに近い周波数成分で制御量y
の変動が大きく励起されるため、検出された外乱周波数
ωdが交差周波数ωcに近い場合は位相余有を例えば90
度近くまで大きく確保する必要がある。
【0023】次に、式4で表される共振的伝達特性を有
する共振制御装置24の原理について説明する。図3は
共振制御装置24の伝達特性のボード線図を示すもので
ある。この伝達特性は周波数ωrでゲインが無限大とな
る。また周波数ωrの前後で180度位相を遅らせる
が、式4の右辺第一項は定数であるためその位相は0度
であり、式4の右辺第二項の位相は+180度から0度
の範囲で変化する。したがって式4全体すなわち共振制
御装置24の位相は+180度から0度の範囲で変化
し、0度より遅れることは無い。また、図3において、
周波数ωrを越えて安定となったゲインの値Gは20l
og10(1+Kr)となる。
【0024】図4は共振制御装置24が適切に調整され
たときの開ループ伝達関数P(s)・Cr(s)・Cm
(s)のボード線図であり、図2と図3のゲインと位相
をそれぞれグラフ上で加算したものである。ここで、共
振制御装置24を無視した開ループ伝達関数P(s)・
Cm(s)は上述の図2のように安定が保たれるよう調
整する。また外乱周波数ωdでの開ループ伝達関数の位
相が−180度より大きいように調整されているとす
る。さらに共振制御装置24の共振周波数ωrは外乱周
波数ωdに一致させる。
【0025】このとき、安定限界周波数ω1において、
ゲインが0(dB)より小さければすなわち図4におけ
るゲイン余有が正であれば閉ループ伝達特性は必ず安定
である。すなわち、図2、図3よりM−(1+Kr)>
0であり、共振制御装置24の調整ゲインKrが(M−
1)より小さければ、安定である。ここでMは、共振制
御装置24を無視した開ループ伝達関数P(s)・Cm
(s)の安定限界周波数ω1におけるゲイン余有を示す
値である。したがって共振制御装置24の調整ゲインK
rを0から(M−1)未満内で少しずつ大きくすること
により、安定で、しかも周波数を含む外乱に対する定常
偏差を零にするような制御系が容易に得られる。
【0026】一般に特定の周波数ωdの正弦波外乱に対
して定常偏差を零にするためには、伝達関数器22と制
御対象21から構成される閉ループ伝達関数が安定であ
り、かつ伝達関数器22の伝達関数のゲインが外乱周波
数ωdで無限大になる必要がある。ここで、伝達関数器
22が±j・ωdの極を持つ制御装置は、そのゲインは
周波数ωdで無限大となるが、周波数ωdの前後で180
度位相を遅らせるため、安易に構成すると閉ループを不
安定にしやすい。この実施の形態では、共振制御装置2
4の伝達特性を、±j・ωdの極を持つとともに、その
調整に関わらず位相を0度より遅れないように構成した
ものである。この様に、共振制御装置24の伝達特性が
位相を遅らせないため、共振制御装置24を伝達関数器
22内に接続しても、位相余有の減少や安定限界周波数
の変動によるゲイン余有の減少を引き起こし難い。この
ため、閉ループ伝達関数の不安定化を引き起こし難く、
簡単な調整で周波数ωdを含む外乱に対して定常偏差を
零にすることが安定して可能になる。
【0027】また、制御装置23と共振制御装置24を
直列に構成して共振制御装置24の伝達特性を伝達関数
器22内に積の要素として含むため、伝達関数器22の
位相特性は制御装置23より位相が遅れることは無く、
不安定化を起こし難く、また調整も容易である。
【0028】この発明の実施の形態1における効果をシ
ミュレーションを用いて示す。図5は文献(「ROBU
ST MOLTEN STEEL LEVEL CON
TROL FOR CONTINUOUSCASTIN
G」、Kazuya Asano 他、Proceedings of the 35th Con
ference Decision and Control、P.1245〜P.1
250)に記載の鉄鋼連続鋳造機のモールド液面レベル
制御における制御対象および制御装置の定数をそのまま
用い、制御対象に0.3secの無駄時間がある場合
の、2rad/secの正弦波外乱に対する指令信号と
モールド液面レベルの偏差の応答を示す。図5(a)は
PI制御を行った場合を、図5(b)は文献に記載され
ているPI制御に外乱オブザーバを加えた場合を、図5
(c)はこの発明の実施の形態1による共振制御装置2
4を用いた場合を示す。従来のPI制御では外乱の影響
が定常的に残り、また従来のPI制御に外乱オブザーバ
を加えた方式では安定性が悪くなった結果、偏差の振幅
がより大きく励起されているが、上記実施の形態1によ
る方式では安定に定常偏差が零になることが分かる。
【0029】なお、式4では代表的な例として右辺第1
項を1としたが、他の定数でも良く式1が一般に用いら
れる。共振制御装置24を直列に他の制御装置23と接
続する場合は、K0≠0となる。
【0030】実施の形態2.上記の実施の形態1におい
ては一定周波数の外乱に対して定常偏差が零になるよう
に共振制御装置24の伝達特性に式1を用いたが、観測
ノイズなどに対する伝達関数器22の出力の振動の減衰
を大きくする目的から、共振制御装置24の伝達特性を
下記の式2にして減衰ζを持たせ、共振周波数ωrで無
限大値でなく極大値を持つように構成すると、定常偏差
が完全に零にはならないが極小にする効果がある。
【0031】
【数7】
【0032】なお、上記実施の形態1および2におい
て、制御装置23の調整は固定して説明したが、閉ルー
プ伝達関数の安定性をより確実にするために、共振制御
装置24の調整ゲインKrを大きくするにしたがって制
御装置23のゲインを小さくするような調整も容易に考
えられる。
【0033】また、外乱周波数ωdが交差周波数ωcに近
い場合について説明したが、外乱周波数ωdが交差周波
数ωcよりかなり小さい場合にも全く同様に調整できる
ため、広い周波数範囲を対象に特定の周波数成分の外乱
に対する偏差を小さくすることが可能である。
【0034】実施の形態3.次に実施の形態3を説明す
る。図6は工作機械などに用いる電動機の位置制御装置
にこの発明を適用したフィードバック制御装置の構成図
である。27は機械系と電動機と電動機の速度制御装置
を含めた制御対象である。28は電動機位置制御装置と
して用いるこの発明のフィードバック制御装置を構成す
る伝達関数器である。29はP(比例)演算を行う制御
装置、30は共振制御装置であり、制御装置29と共振
制御装置30とを直列に接続して伝達関数器28を構成
する。31は周波数検出部であり、32は正弦波あるい
は周期的な指令信号を発生する指令信号発生装置であ
る。
【0035】次に動作を説明する。指令信号発生装置3
2は正弦波あるいは周期的な指令信号を発生し、伝達関
数器28は制御量である電動機回転角度yと指令信号r
とを入力し、適切な演算を行って操作量である速度指令
信号uを出力する。制御装置29は電動機回転角度yと
指令信号rの偏差を入力しP演算を行った結果を出力す
る。共振制御装置30は制御装置29の出力を入力し、
速度指令信号uを出力する。制御対象7は速度指令信号
uを入力し、電動機速度が速度指令信号uに追従するよ
うに制御されることにより電動機の回転角度yが制御さ
れる。
【0036】ここで共振制御装置30は指令信号rが含
む周波数成分に対して、指令信号rと電動機回転角度y
との偏差を小さくする働きをするもので、下記の式1に
示す共振的伝達特性Cr(s)を有する。
【0037】
【数8】
【0038】周波数検出部31は指令信号rに含まれる
周波数ωdを検出し、共振制御装置30の共振周波数ωr
を上記ωdに一致させることにより、指令信号の含む周
波数成分ωdに対して指令信号rと電動機回転角度yと
の定常偏差が零になるように制御される。
【0039】この実施の形態においても、共振制御装置
30の伝達特性が、位相を0度より遅れないように構成
されているため、閉ループ伝達関数の不安定化を引き起
こし難く、簡単な調整で指令信号が含む周波数成分にお
ける定常偏差を容易に零にできる。
【0040】次にこの発明の実施の形態3における効果
をシミュレーションを用いて示す。図7はこの発明のフ
ィードバック制御装置である電動機位置制御装置を用い
た場合の、三角波の位置指令信号に対するシミュレーシ
ョンを示す。図より、従来の制御装置では定常偏差が大
きいが、この発明のフィードバック制御装置では定常偏
差が小さくなることが分かる。図8はこの発明のフィー
ドバック制御装置である電動機位置制御装置を摩擦の有
るXYテーブルに用いた場合の、円軌道の指令信号に対
するシミュレーション結果を示す。図よりこの発明の方
式では、点線で示した指令信号とほぼ一致し定常偏差が
ほとんど無くなることが分かる。
【0041】なお、この場合も、上記実施の形態2で示
した式3で表される伝達特性を同様に共振制御装置30
に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】この発明に係るフィードバック制御装置
は、正弦波の、あるいは周期的な外乱が存在する場合
に、その外乱の周波数において、位相が0度より遅れる
ことなくゲインが無限大あるいは極大となる伝達特性を
有する共振制御装置を含むため、容易に定常的な偏差を
零、ありは極小にでき、しかも安定性に優れた制御が可
能になる。
【0043】また、この発明に係るフィードバック制御
装置は、正弦波のあるいは周期的な指令信号を用いる場
合に、その指令信号の周波数において、位相が0度より
遅れることなくゲインが無限大あるいは極大となる伝達
特性を有する共振制御装置を含むため、容易に定常的な
偏差を零、あるいは極小にでき、しかも安定性に優れた
制御が可能になる。
【0044】また、この発明によると、共振制御装置の
伝達特性を伝達関数器内に積の要素として含むように構
成することにより、安定な調整をさらに容易に行える効
果を有する。
【0045】またこの発明によると、共振制御装置の伝
達特性を式1で示すものとしたため、周波数成分を含む
指令信号あるいは外乱に対して容易に定常偏差が零にで
き、安定性に優れたフィードバック制御装置が得られ
る。
【0046】またこの発明によると、共振制御装置の伝
達特性を式2で示すものとしたため、周波数成分を含む
指令信号あるいは外乱に対して容易に定常偏差が極小に
でき、安定性に優れたフィードバック制御装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に用いられるフィー
ドバック制御装置の構成を表すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における制御装置の
みを用いた場合の一巡伝達関数のボード線図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における共振制御装
置のボード線図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における一巡伝達関
数のボード線図である。
【図5】 この発明の実施の形態1の効果を表す時間応
答シミュレーション図である。
【図6】 この発明の実施の形態3で電動機位置制御装
置として用いられるフィードバック制御装置を表すブロ
ック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3の効果を表す三角波
位置指令に対する時間応答シミュレーション図である。
【図8】 本発明の実施の形態2の効果を表すXYテー
ブルの時間応答シミュレーション図である。
【図9】 従来例およびこの発明の実施の形態1におけ
る制御対象である鉄鋼連続鋳造機のモールド液面レベル
制御系の図である。
【図10】 従来例によるフィードバック制御装置の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 制御対象、22 伝達関数器、24 共振制御装
置、27 制御対象、28 伝達関数器、30 共振制
御装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象に対する指令信号を発生する手
    段を有し、上記指令信号と上記制御対象の出力とを伝達
    関数器に入力し、この伝達関数器からの出力信号で上記
    制御対象を制御するフィードバック制御装置において、
    上記制御対象に入力する外乱が成分として含む周波数に
    対して、ゲインが無限大あるいは極大となり、しかも位
    相が0度より遅れない伝達特性を有する共振制御装置を
    上記伝達関数器に含むことを特徴とするフィードバック
    制御装置。
  2. 【請求項2】 制御対象に対する指令信号を発生する手
    段を有し、上記指令信号と上記制御対象の出力とを伝達
    関数器に入力し、この伝達関数器からの出力信号で上記
    制御対象を制御するフィードバック制御装置において、
    上記指令信号が成分として含む周波数に対して、ゲイン
    が無限大あるいは極大となり、しかも位相が0度より遅
    れない伝達特性を有する共振制御装置を上記伝達関数器
    に含むことを特徴とするフィードバック制御装置。
  3. 【請求項3】 共振制御装置の伝達特性を、伝達関数器
    内に積の要素として含むことを特徴とする請求項1また
    は2記載のフィードバック制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、共振制御装
    置が下記式に示す伝達特性を有することを特徴とするフ
    ィードバック制御装置。 【数1】
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、共振制御装
    置が下記式に示す伝達特性を有することを特徴とするフ
    ィードバック制御装置。 【数2】
JP18244497A 1997-07-08 1997-07-08 フィードバック制御装置 Pending JPH1124706A (ja)

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