JPH11246475A - テトラカルボン酸の製造方法 - Google Patents

テトラカルボン酸の製造方法

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JPH11246475A
JPH11246475A JP4364898A JP4364898A JPH11246475A JP H11246475 A JPH11246475 A JP H11246475A JP 4364898 A JP4364898 A JP 4364898A JP 4364898 A JP4364898 A JP 4364898A JP H11246475 A JPH11246475 A JP H11246475A
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JP
Japan
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solvent
acid
hydrogen peroxide
tetracarboxylic acid
octane
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JP4364898A
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English (en)
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Yasuyuki Nakajima
康之 中島
Yoshikazu Otsuka
義和 大塚
Hideyuki Nawata
秀行 縄田
Takayasu Nihei
貴康 仁平
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、式(I)で表されるテ
トラシクロ[6.2.1.1〈3,6〉.0〈2,
7〉]ドデカ−4,9−ジエンをオゾン酸化した後、過
酸化水素で分解し式(II)で表されるビシクロ[3.
3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸
を得る際の発熱を制御し、収率を向上させる方法を提供
することにある。 【解決手段】 式(1)で表されるテトラシクロ[6.
2.1.1〈3,6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9
−ジエンをオゾン酸化した後、溶媒中で過酸化水素を用
いて酸化分解を行い、式(2)で表されるビシクロ
[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカル
ボン酸を得る方法において、過酸化水素での酸化分解に
おける溶媒として、酢酸を含む少なくとも一種の脂肪族
カルボン酸及び水よりなる混合溶媒を用いることを特徴
とするビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,
8−テトラカルボン酸の製造方法に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式(1)
【0002】
【化3】
【0003】で表されるテトラシクロ[6.2.1.1
〈3,6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエンを
オゾン酸化した後、酢酸を含む少なくとも一種の脂肪族
カルボン酸を溶媒として過酸化水素と酸化分解させるこ
とにより式(2)
【0004】
【化4】
【0005】で表されるビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−2,4,6,8−テトラカルボン酸の製造方法に関
するものである。本発明で得られる前記式(2)で表さ
れるビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8
−テトラカルボン酸はポリイミド等のポリマーの中間体
として利用される有用な化合物である。
【0006】
【従来の技術】前記式(2)で表されるビシクロ[3.
3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸
は、例えばジャーナル オブ アメリカン ケミカル
ソサイアティー(Jounal of American Chemical Societ
y), 81巻、4273ページ、1959年及びジャー
ナル オブ アメリカン ケミカル ソサイアティー
(Jounal of American Chemical Society), 82巻、
6342ページ、1960年に報告されている。これら
の文献では対応するテトラシクロ[6.2.1.1
〈3,6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエンよ
り過マンガン酸カリウムによる酸化反応が主であり、工
業的に利用するのは困難である。また一部オゾン酸化に
よる方法も述べられてあるが、蟻酸溶媒中で過酸化水素
処理を行っており文献にも記載のように極めて発熱が大
きく大変危険を伴い、工業的規模での適用は困難であ
る。収率的にも、これらの要因により極めて不満足なも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
るために、本発明者らはオゾン酸化における溶媒、反応
温度の検討、特にオゾニド生成後の酸化的分解時におけ
る溶媒、反応温度について詳しく検討を行い本発明を見
出した。本発明の目的は、テトラシクロ[6.2.1.
1〈3,6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエン
をオゾン酸化した後、過酸化水素で分解しビシクロ
[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカル
ボン酸を得る際の発熱を制御し、収率を向上させる方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、式
(1)
【0009】
【化5】
【0010】で表されるテトラシクロ[6.2.1.1
〈3,6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエンを
オゾン酸化した後、溶媒中で過酸化水素を用いて酸化分
解を行い、式(2)
【0011】
【化6】
【0012】で表されるビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−2,4,6,8−テトラカルボン酸を得る方法にお
いて、過酸化水素での酸化分解における溶媒として、酢
酸を含む少なくとも一種の脂肪族カルボン酸及び水より
なる混合溶媒を用いることを特徴とするビシクロ[3.
3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸
の製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に本発明を詳細に説明す
る。式(1)で表されるテトラシクロ[6.2.1.1
〈3,6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエンを
溶媒に溶解し、その溶液にオゾンを導入し、オゾニドを
合成する。溶媒としてはオゾンに不活性なものであれば
すべて可能であり、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素
類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチ
ル等のエステル類、酢酸等のカルボン酸類、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類または水などを単独も
しくは混合溶媒として用いる。
【0014】溶媒量は通常基質の2〜500倍量用いら
れ、反応温度は−78℃〜30℃で反応させる。オゾン
は通常酸素または空気からオゾン発生器をもちいて生成
され、酸素または空気と共に0.1〜20%の濃度で溶
液に導入される。尚、本発明の原料化合物である式
(1)で表されるテトラシクロ[6.2.1.1〈3,
6〉.0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエンは、前記
の文献いずれにも記載されている方法により得ることが
できる。例えば2,5−ノボルナジエンとジシクロペン
タジエンをオートクレーブ中で190℃で20時間反応
させることにより得ることができる。
【0015】合成されたオゾニドは減圧下で溶媒を留去
し、酢酸を含む少なくとも一種の脂肪族カルボン酸に溶
解し、次の工程である過酸化水素を用いた酸化分解を行
う。もちろん酢酸を含む脂肪族カルボン酸を溶媒として
オゾニドを合成したときは溶媒留去の必要はない。過酸
化水素を用いた酸化分解に用いる溶媒として、酢酸以外
の脂肪族カルボン酸としては蟻酸、プロピオン酸、酪酸
または吉草酸などが挙げられるが、好ましくは酢酸単独
もしくは酢酸と蟻酸の混合溶媒が望ましい。
【0016】酢酸と蟻酸の混合割合は、99:1〜1:
99まで任意の割合で可能であるが、好ましくは90:
10〜50:50の割合である。次にこれらのオゾニド
溶液に30〜35%過酸化水素水を滴下してオゾニドを
酸化分解して一般式(2)で表されるビシクロ[3.
3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸
を得る。
【0017】溶媒量は通常オゾニドの5〜100倍量用
いられ、反応温度は0℃から溶媒の沸点まで可能である
が通常は20〜100℃で行う。過酸化水素水は基質の
2〜10倍モル量用いられる。溶媒中の水は、過酸化水
素水に含まれている量であり、意図的に特に加える必要
はない。またより安全性を考慮して、脂肪族カルボン酸
と過酸化水素水を先に加えておき、そこへオゾニドのカ
ルボン酸溶液を滴下していくこともできる。さらにはカ
ルボン酸を先に加えておき、そこへ過酸化水素水とオゾ
ニドのカルボン酸溶液を同時に滴下していく方法もでき
る。
【0018】通常反応の進行と共に、生成したテトラカ
ルボン酸は結晶として析出し、過酸化物の存在がなくな
るまで加熱反応させた後冷却し、生成したテトラカルボ
ン酸を濾取する。また場合によっては反応終了後溶媒類
を減圧留去し、得られた粗結晶をアセトン、アセトニト
リルなどの溶媒で洗浄し濾取することも可能である。一
般式(2)で表されるビシクロ[3.3.0]オクタン
−2,4,6,8−テトラカルボン酸は、2種類の立体
異性体が含まれるが、当然両異性体をも本発明の目的物
として得られるものである。
【0019】
【実施例】次に実施例を挙げ本発明の内容を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 テトラシクロ[6.2.1.1〈3,6〉.0〈2,
7〉]ドデカ−4,9−ジエン3.2gを酢酸54m
L、水6mLに溶解し、5〜10℃で攪拌しながらオゾ
ン濃度2〜3%の酸素ガスを約40L/hr.の早さで吹
き込んだ。1時間程でガスクロマトグラフィーにより原
料のジエン化合物の消失が確認されオゾニドが生成し
た。
【0020】次に、この溶液に室温で35%過酸化水素
水12mLを加え加熱した。70℃で1時間、90℃で
2時間反応したところで結晶の析出がみられた。さらに
90〜100℃で2時間反応し、ヨウ化カリ水溶液で過
酸化物の消失を確認した後、室温まで空冷した。結晶を
濾過し、アセトン10mLで洗浄し、減圧下で2時間乾
燥してビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,
8−テトラカルボン酸2.5gを得た。さらに母液を減
圧下留去し、粗物をアセトン50mLで洗浄して2次晶
として0.8g濾取した。(収率57.0%)
【0021】実施例2 テトラシクロ[6.2.1.1〈3,6〉.0〈2,
7〉]ドデカ−4,9−ジエン38.4gをメタノール
600mLに溶解し、−30℃で攪拌しながらオゾン濃
度2〜3%の酸素ガスを約150L/hr.の早さで吹き
込んだ。約3時間程でガスクロマトグラフィーにより原
料のジエン化合物の消失が確認されオゾニドが生成し
た。減圧下30℃以下でメタノールを留去した。このオ
ゾニド化合物に酢酸150mL、蟻酸150mLを加え
溶解した。
【0022】別の反応容器に酢酸30mL,蟻酸30m
L,35%過酸化水素水144mLを入れ50〜60℃
に加熱した。これに先ほどのオゾニド溶液を、反応温度
を50〜60℃に維持しながら約1時間かけて滴下し
た。滴下終了後70℃で1時間反応させたところで結晶
の析出がみられた。さらに90℃で1時間、100℃で
1時間反応させ過酸化物の消失を確認した後、室温まで
空冷した。析出した結晶を濾過し、アセトン80mLで
洗浄し減圧下2時間乾燥してビシクロ[3.3.0]オ
クタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸43gを得
た。(収率61.9%)
【0023】比較例1 実施例2と同様にして合成したオゾニド化合物を蟻酸3
00mLに溶解した。この溶液に、室温下で35%過酸
化水素水144mLを加えて攪拌を行うと、約10分後
に発熱が始まりすぐに内温が100℃まで上昇し、ガス
の発生を伴って急激な反応となった。しばらく急激な反
応は続き、約30分後に内温は下がり始めた。2時間攪
拌放置して室温まで内温が低下した所で、析出した結晶
を濾過し、アセトン80mLで洗浄し、減圧下2時間乾
燥して、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,
6,8−テトラカルボン酸26gを得た。(収率37.
4%)
【0024】
【発明の効果】酢酸を含む少なくとも一種の脂肪族カル
ボン酸及び水を溶媒として用いることにより十分に発熱
をコントロールできうる穏やかな反応となりビシクロ
[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカル
ボン酸を大量に製造することが可能となった。またそれ
に付随して収率的にも改善を計ることができるようにな
った。この方法によりスケールアップも可能となり工業
的生産にも適用可能となりうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁平 貴康 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表されるテトラシクロ[6.2.1.1〈3,6〉.
    0〈2,7〉]ドデカ−4,9−ジエンをオゾン酸化を
    行った後、溶媒中で過酸化水素を用いて酸化分解を行
    い、式(2) 【化2】 で表されるビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,
    6,8−テトラカルボン酸を得る方法において、過酸化
    水素での酸化分解における溶媒として、酢酸を含む少な
    くとも一種の脂肪族カルボン酸及び水よりなる混合溶媒
    を用いることを特徴とするビシクロ[3.3.0]オク
    タン−2,4,6,8−テトラカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒として酢酸を含む少なくとも一種の
    脂肪族カルボン酸が、酢酸若しくは酢酸と蟻酸である請
    求項1記載のビシクロ[3.3.0]オクタン−2,
    4,6,8−テトラカルボン酸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010095604A1 (ja) * 2009-02-23 2010-08-26 日産化学工業株式会社 脂環式テトラカルボン酸の製造方法
JP2015127303A (ja) * 2013-12-27 2015-07-09 日産化学工業株式会社 脂環式テトラカルボン酸の製造方法

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