JPH11230760A - 半導体振動ジャイロセンサ - Google Patents

半導体振動ジャイロセンサ

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JPH11230760A
JPH11230760A JP10050052A JP5005298A JPH11230760A JP H11230760 A JPH11230760 A JP H11230760A JP 10050052 A JP10050052 A JP 10050052A JP 5005298 A JP5005298 A JP 5005298A JP H11230760 A JPH11230760 A JP H11230760A
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diaphragm
electrode
axis
weight
electrodes
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JP10050052A
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English (en)
Inventor
Masanori Amemori
雅典 雨森
Jun Mizuno
潤 水野
Yoshitaka Kanai
義隆 金井
Nottmayer Kai
ノットマイヤー カイ
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つのセンサで角速度と加速度の計測が可能
で、しかも量産性に富む半導体振動ジャイロセンサを提
供する。 【解決手段】 第1及び第2の駆動電極19,20に所定の
励振信号を印加すると、第1乃至第4の錘10a〜10dが音
叉振動子と同様な状態で振動し、その際、ダイアフラム
12の面に直交する方向に沿う軸を中心とした角速度が作
用すると、第1及び第2の角速度検出電極21,22におけ
る静電容量変化として角速度の計測ができる。また、ダ
イアフラム12と加速度検出電極23との間隙が変化するよ
うな加速度が生ずると、加速度検出電極23における静電
容量変化として、加速度の計測ができるようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるコリオリ
力の発生を検知して、角速度等の計測を可能とした振動
ジャイロセンサに係り、特に、計測能力の拡大を図った
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のセンサとしては、例え
ば、特開平7−301536号公報に示されたように、
いわゆる音叉振動子を設けると共に、この音叉振動子の
平面部分に磁気抵抗素子を配設し、音叉振動子を振動さ
せた状態において、振動子の長手軸方向を中心とした回
転力が作用した際に、音叉振動子に生ずるコリオリの力
に起因する捩れ振動によって、磁気抵抗素子の抵抗値の
変化を検出することで、角速度の計測を可能としたもの
が公知・周知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来のセンサの場合、一つの軸回りにおける角速
度の計測ができるだけであるので、例えば、車両等の装
置において、角速度の他に、加速度を測定したい場合に
は、加速度測定用のセンサを別個に設ける必要が生ず
る。また、複数の軸、例えば、各々互いに直交する3軸
における角度度の測定を望む場合にも、測定を所望する
軸毎に専用のセンサを設ける必要が生じ、設定スペース
の拡大を余儀なくされ、特に、車両のように、狭い設置
スペースに種々の部品等が配置されなければならないよ
うなものにおいては、設置スペースの拡大は解決容易な
問題ではない。さらに、複数のセンサを設けることは、
装置の高価格化を招くこととなるという問題がある。
【0004】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、一つのセンサで角速度と加速度の計測が可能で、し
かも量産性に富む半導体振動ジャイロセンサを提供する
ものである。また、本発明の他の目的は、複数の軸にお
ける角速度の計測が可能で、しかも量産性に富む半導体
振動ジャイロセンサを提供することにある。さらに、本
発明の他の目的は、消費電力が小さくて済む半導体振動
ジャイロセンサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る半導体振動ジャイロセンサは、半導体部材から形成さ
れたダイアフラムと、前記ダイアフラムに対向して設け
られ、所定の励振信号がそれぞれ印加される2つの駆動
電極と、前記ダイアフラムに対向して設けられ、前記ダ
イアフラムとの間の静電容量が検出される2つの角速度
検出用電極と、前記ダイアフラムの前記2つの駆動電極
及び前記2つの角速度検出用電極との対向面と反対側の
面上に設けられた4つの錘とを具備してなり、前記2つ
の駆動電極にそれぞれ励振信号が印加された状態におい
て、前記ダイアフラムと前記2つの駆動電極及び前記2
つの角速度検出用電極との対向方向に対して直交する方
向に沿った軸を中心に回転力が作用した際における前記
2つの角速度用検出電極と前記ダイアフラムとの間に得
られる静電容量の変化に基づいて角速度を計測可能とし
たものである。
【0006】かかる構成は、特に、2つの駆動電極に所
定の励振信号を印加した状態において、ダイアフラムと
電極の対向方向に沿った軸を中心に回転力が生じた際
に、錘に作用するコリオリの力によるダイアフラムの変
位に着目したものである。すなわち、4つの錘を適宜な
配置とすることで、2つを一組として、それぞれが丁度
音叉型振動子として、コリオリ力により振動し、ダイア
フラムが変位し、その変位は、そのダイアフラムの部位
と対向する位置に配置された電極との静電容量変化とし
て捉えることができ、その変化は、回転力すなわち、角
速度の大きさに応じたものとなるため、角速度の検出が
可能となるものである。
【0007】請求項4記載の発明に係る半導体振動ジャ
イロは、半導体部材から形成されたダイアフラムと、前
記ダイアフラムに対向して設けられ、所定の励振信号が
印加される駆動電極と、前記駆動電極の周囲において所
定の間隔を隔てて、前記ダイアフラムに対向するように
配設された一組のX軸検出電極と、前記駆動電極の周囲
において所定の間隔を隔て、前記一組のX軸検出電極が
配設された方向に対して直交する方向において前記ダイ
アフラムに対向するように配設された一組のY軸検出電
極と、前記一組のX軸検出電極及び前記一組のY軸検出
電極の各電極の一方の脇にそれぞれ配設された4つの第
1のZ軸検出電極と、前記一組のX軸検出電極及び前記
一組のY軸検出電極の各電極の前記第1のZ軸検出電極
が配設されたと反対側の前記各電極の脇にそれぞれ配設
された4つの第2のZ軸検出電極と、前記ダイアフラム
の前記駆動電極、前記一組のX軸検出電極、前記一組の
Y軸検出電極、前記4つの第1のZ軸検出電極及び前記
4つの第2のZ軸検出電極との対向面と反対側の面上に
配設された4つの錘とを具備してなり、前記駆動電極に
励振信号が印加された状態において、前記一組のY軸検
出電極が配設された方向に沿った第1の軸を中心とする
回転力が作用した場合に、前記一組のX軸検出電極と前
記ダイアフラムとの間の静電容量の変化量に基づいて前
記第1の軸を中心として作用した角速度の計測を可能と
し、前記一組のX軸検出電極が配設された方向に沿った
第2の軸を中心とする回転力が作用した場合に、前記一
組のY軸検出電極と前記ダイアフラムとの間の静電容量
の変化量に基づいて前記第2の軸を中心として作用した
角速度の計測を可能とし、前記ダイアフラムを含む面に
直交する方向に沿った第3の軸を中心とする回転力が作
用した場合に、前記ダイアフラムと前記4つの第1のZ
軸検出検出電極との間の静電容量と、前記ダイアフラム
と前記4つの第2のZ軸検出電極との間の静電容量との
変化量に基づいて前記第3の軸を中心として作用した角
速度の計測を可能としたものである。
【0008】かかる構成は、特に、駆動電極に所定の励
振信号を印加し、4つの錘を所定の振動状態にした場合
において、全体に所定の軸を中心とした回転力が作用し
た際に、錘に作用するコリオリの力によるダイアフラム
の変位に着目したものである。すなわち、4つの錘を適
宜な配置とすることで、2つを一組として、それぞれが
丁度音叉型振動子として、コリオリ力により振動し、ダ
イアフラムが変位し、その変位は、そのダイアフラムの
部位と対向する位置に配置された電極との静電容量変化
として捉えることができ、その変化は、回転力すなわ
ち、角速度の大きさに応じたものとなるため、角速度の
検出が可能となるものである。特に、直交する3軸のそ
れぞれにおける角速度が可能となるように、電極を配置
して3軸方向での角速度の計測を可能とした点に特徴を
有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る半導体振動ジャイロセンサについて、図1乃至図30
を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する部材、配
置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の
範囲内で種々改変することができるものである。最初
に、第1の例について、図1乃至図14を参照しつつ説
明する。この第1の例における半導体振動ジャイロセン
サS1は、まず、概括的にその構造を述べれば、例えば
シリコン等の半導体部材を用いてなる平板状の上板部材
1と、例えばガラス等の非導電部材を用いてなる枠体2
と、この枠体2の内側に配設される錘部3と、例えばシ
リコン等の半導体部材を用いてなる支持板部材4と、例
えばガラス等の非導電部材を用いてなり、電極部5が形
成されてなる底板部材6とに大別されなるもので、いわ
ゆる4層構造に形成されたものとなっている(図1参
照)。
【0010】以下、詳述すれば、まず、錘部3は、ガラ
スを用いてなる四面体、より具体的には、例えば、立方
体状に形成されてなる4つの第1乃至第4の錘10a〜
10dを具備し、これら第1乃至第4の錘10a〜10
dが支持板部材4に次述するようにして配設されてなる
ものである(図2参照)。なお、便宜上、図2に示され
た支持板部材4の奥行き方向をX軸方向、図2において
支持板部材4の紙面左右方向をY軸方向、そして、これ
らX,Y軸方向に対して直交する方向Z軸方向と、それ
ぞれ定義する(図2参照)。最初に、支持板部材4につ
いて説明すれば、この支持板部材4は、シリコンを用い
て、外観が大凡平板状に形成されてなるもので、一方の
平面部分には、その底部が一部を除いて薄膜状となるよ
うに平面形状(XY平面上に現れる形状)が略正方形状
の凹部11が形成されており、底部はダイアフラム12
となっている(図1及び図2参照)。
【0011】また、この凹部11の底部の一部には、シ
リコンが削除されることなくそのまま残されて、4つの
第1乃至第4の錘支持部13a〜13dが形成されてい
る。すなわち、第1乃至第4の錘支持部13a〜13d
は、この第1の例においては、その縦断面形状(ZY平
面に現れる形状)が、例えば図1に示されたように逆台
形状となるよう全体が台錘形状に形成されてなるもの
で、Z軸方向における厚みは、凹部11周辺の部位と同
一となっている(図1参照)。そして、この第1の例に
おいては、第1乃至第4の錘支持部13a〜13dは、
凹部11の中心に対して略点対称に配設されたものとな
っており、この第1乃至第4の錘支持部13a〜13d
の頂部に、第1乃至第4の錘10a〜10dが、その一
面側で接合されて、第1乃至第4の錘支持部13a〜1
3dに載置されたものとなっている(図1及び図2参
照)。また、支持板部材4の一側部には、後述する底板
部材6に設けられている第1乃至第5の外部接続用電極
24a〜24eと外部との配線の接続を容易にするため
に、切り欠き部14が形成されている(図2参照)。な
お、支持板部材4における上述した第1乃至第4の錘1
0a〜10d、第1乃至第4の錘支持部13a〜13
d、ダイアフラム12等は、シリコン基板により、いわ
ゆる半導体製造技術を用いて一体形成されるものであ
る。
【0012】ガラスを用いてなる枠体2は、その平面形
状(XY平面に現れる形状)がいわゆる枠状に形成され
て、XY平面形状が矩形状の開口を有するものとなって
いる。そして、枠体2の一方の面は、支持板部材4の周
囲の面と接合され、先の開口部分に上述した錘部3が収
納されるようになっており、枠体2の他方の面には、上
板部材1が接合されるようになっている(図1参照)。
上板部材1は、その外観形状が平板状に形成されてな
り、丁度、先の第1乃至第4の錘10a〜10dに対向
する平面側の部位には、それぞれ間隙用凹部15a〜1
5dが形成されている(図1参照)。なお、図1におい
ては、間隙用凹部15a,15cのみが図示されてお
り、残りの間隙用凹部15b,15dは、図示を省略し
てある。
【0013】そして、この間隙用凹部15a〜15dに
よって、周囲に比較してそのZ軸方向の厚みが薄く形成
された部位は、ストッパ16として作用するものとなっ
ている。すなわち、複数のストッパ16は、この半導体
振動ジャイロセンサS1に、例えば過度の衝撃が加えら
れた際、第1乃至第4の錘10a〜10dがその衝撃に
より振動して、相互に激突する等して破損するようなこ
とを防止するためのものである。
【0014】また、4つの間隙用凹部15a〜15dの
底部の略中央には、それぞれダンピング調整孔17が穿
設されており、第1乃至第4の錘10a〜10dの動き
に対する空気抵抗に基づくいわゆるダンピングが効きす
ぎることのないようにしている。なお、このダンピング
調整孔17は、半導体振動ジャイロセンサS1のいわゆ
るパッケージングが大気と略同じ状態とされる場合に必
要となるものであり、真空中でパッケージングが行われ
る場合には、ダンピングは軽減されるために、このダン
ピング調整孔17は不要となる。
【0015】次に、電極部5が形成されてなる底板部材
6は、その外周形状が上述した支持板部材4等と略同一
の矩形状に形成されたもので、一方の面、すなわち、支
持板部材4に対応する側の平面部分には、支持板部材4
と接合される部位が複数形成される一方、これらの部位
に対して所定の厚みだけガラスが除去されて、Z軸方向
での断面が先の部位に対して凹状(図1参照)となるよ
うに形成された電極配設部18を有するものとなってい
る(図3参照)。
【0016】そして、この電極配設部18において、次
述するように電極部5が形成されている。すなわち、電
極部5は、第1の駆動電極19、第2の駆動電極20、
第1の角速度用検出電極21、第2の角速度用検出電極
22及び加速度検出電極23並びに第1乃至第5の外部
接続用電極24a〜24eを主たる構成要素としてなる
ものである(図3及び図4参照)。第1及び第2の駆動
電極19,20並びに第1及び第2の角速度用検出電極
21,22は、加速度検出電極23を中心に、その周囲
に配設されたものとなっている(図4参照)。加速度検
出電極23は、底板部材6が先の支持板部材4に接合さ
れた状態において、先の第1乃至第4の錘10a〜10
dに囲まれたダイアフラム12の部位に略対向する位置
に設けられており、この第1の例においては、その平面
形状が略正方形状に形成されたものとなっている(図4
参照)。
【0017】一方、第1及び第2の駆動電極19,20
並びに第1及び第2の角速度用検出電極21,22は、
共に加速度検出電極23より大きな正方形状に形成され
た電極の一つの角が切り欠かれた平面形状を有してなる
もので、その切り欠き部分の辺が、加速度検出電極23
の一辺と間隙を介して対向するように配設されるものと
なっており、いずれも略同一の大きさに形成されたもの
となっている(図4参照)。そして、第1の駆動電極1
9は、第1及び第4の錘10a,10dと支持板部材4
の角部分に囲まれたダイアフラム12の部位に略対向す
る部位に配設されたものとなっている(図2乃至図5参
照)。第2の駆動電極20は、第2及び第3の錘10
b,10cと支持板部材4の角部分に囲まれたダイアフ
ラム12の部位に略対向する部位に配設されたものとな
っている(図2乃至図5参照)。
【0018】また、第1の角速度用検出電極21は、第
1及び第2の錘10a,10bと支持板部材4の角部分
に囲まれたダイアフラム12の部位に略対向する部位に
配設されたものとなっている(図2乃至図5参照)。そ
して、第2の角速度用検出電極22は、第3及び第4の
錘10c,10dと支持板部材4の角部分に囲まれたダ
イアフラム12の部位に略対向する部位に配設されたも
のとなっている(図2乃至図5参照)。
【0019】そして、これら第1及び第2の駆動電極1
9,20、第1及び第2の角速度用検出電極21,22
及び加速度検出電極23と第1乃至第4の錘10a〜1
0dとの相対的な位置関係は、図5に示されたように、
XY平面で見た場合、まず、第1の錘10aは、第1の
駆動電極19と第1の角速度用検出電極21の双方にい
わば跨るような位置となっている。また、第2の錘10
bは、第1の角速度用検出電極21と第2の駆動電極2
0の双方にいわば跨るような位置となっている。さら
に、第3の錘10cは、第2の駆動電極20と第2の角
速度用検出電極22の双方にいわば跨るような位置とな
っている。またさらに、第4の錘10cは、第1の駆動
電極19と第2の角速度用検出電極22の双方にいわば
跨るような位置となっている。
【0020】一方、第1乃至第5の外部接続用電極24
a〜24eは、何れも略正方形状に形成されて、先の支
持板部材4の切り欠き部14に対向する部位において、
適宜な間隔を隔てて、略直線上に配設されている(図3
及び図4参照)。そして、第1の外部接続用電極24a
と第1の駆動電極19とが、適宜に配設された第1の接
続用配線25aを介して接続されている(図3及び図4
参照)。また、第2の外部接続用電極24bと第1の角
速度用検出電極21とが、適宜に配設された第2の接続
用配線25bを介して接続されている(図3及び図4参
照)。さらに、第3の外部接続用電極24cと加速度検
出電極23とが、適宜に配設された第3の接続用配線2
5cを介して接続されている(図3及び図4参照)。さ
らに、第4の外部接続用電極24dと第2の駆動電極2
0とが、適宜に配設された第4の接続用配線25dを介
して接続されている(図3及び図4参照)。またさら
に、第5の外部接続用電極24eと第2の角速度用検出
電極22とが、適宜に配設された第5の接続用配線25
eを介して接続されている(図3及び図4参照)。
【0021】なお、これら第1及び第2の駆動電極1
9,20、第1及び第2の角速度用検出電極21,2
2、加速度検出電極23、第1乃至第5の外部接続用電
極24a〜24e及び第1乃至第5の接続用配線25a
〜25eは、導電性部材からなるもので、例えばアルミ
ニウム、銅等が好適である。
【0022】次に、上記構成における動作について図6
乃至図14を参照しつつ説明する。最初に、この半導体
振動ジャイロセンサS1の駆動方法と概略的な振動の形
態について、図6乃至図8を参照しつつ説明する。ま
ず、第1及び第2の駆動電極19,20には、いわゆる
励振信号として、それぞれ適宜な周波数を有する電圧を
交互に印加する。換言すれば、互いに180度位相が異
なる同一周波数の交流信号(または繰り返しパルス信
号)を印加する。なお、ダイアフラム12が形成された
支持板部材4は、上述の励振信号を発生する図示されな
い信号発生装置のいわゆる回路アースと共通の回路アー
スに接続されていることとする。
【0023】この励振信号の印加により、第1及び第2
の駆動電極19,20と対応するダイアフラム12の部
位との間には静電力が作用し、その結果、ダイアフラム
12が振動し、その振動と共に第1乃至第4の錘10a
〜10dも振動することとなる。このダイアフラム12
及び第1乃至第4の錘10a〜10dの振動の形態は、
後述するように、励振信号の周波数に応じて種々異なる
ものである。図6乃至図8には、このダイアフラム12
の振動に対する第1乃至第4の錘10a〜10dの変位
の状態が模式的に示されており、以下、同図を参照しつ
つ説明する。例えば、ダイアフラム12の第1乃至第4
の錘10a〜10dに囲まれた部位が静電力により電極
部5へ近づくように変位すると、第1乃至第4の錘10
a〜10dは、相互の間隔が小さくなるような方向に振
れることとなる(図6参照)。なお、図6乃至図8にお
いては、第1及び第3の錘10a,10cの振れの様子
が示されており、第2及び第4の錘10b,10dにつ
いては図示を省略してある。
【0024】一方、上述したダイアフラム12の部位が
電極部5から離間する方向へ変位すると、第1乃至第4
の錘10a〜10dも、相互の間隔が拡がる方向へ振れ
ることとなる(図7参照)。上述したダイアフラム12
の変位は、励振信号の振幅変化に伴い交互に生じて振動
状態となり、その結果、第1乃至第4の錘10a〜10
dも同様に上述した2つの状態を繰り返すことで振動状
態となる(図8参照)。
【0025】次に、励振信号の周波数に応じたより具体
的なダイアフラム12と第1乃至第4の錘10a〜10
dの典型的な振動の形態について図9乃至図13を参照
しつつ説明すれば、まず、図9は、励振信号の周波数が
780Hzの場合の振動の様子を模式的に示したもので
ある。この場合、ダイアフラム12は、第1乃至第4の
錘10a〜10dで囲まれた部位(図9においていわゆ
る網掛け状態に表示された部位)がZ軸方向で振動する
こととなる。そして、特に、図9において網掛けされた
部位が電極部5から離間する方向、換言すれば、図9に
おいて紙面裏面側から表面側へ変位した場合、第1乃至
第4の錘10a〜10dは、同図において実線矢印で示
された方向へ振れることとなる。なお、ダイアフラム1
2が逆に電極部5へ接近する方向へ変位した場合には、
第1乃至第4の錘10a〜10dは、図9において実線
矢印とは反対方向へ振れることとなる。
【0026】次に、励振信号の周波数を2019Hzと
した場合について説明する。この場合、図10におい
て、網掛けされたダイアフラム12の部位(第2及び第
3の錘10b,10cの間のダイアフラム12の部分)
がZ軸方向で振動すると共に、同図において点線で囲ま
れたダイアフラム12の部位(第1及び第4の錘10
a,10dの間のダイアフラム12の部位)が同じくZ
軸方向で振動することとなる。この2つの部位の振動
は、例えば、図10において、網掛けされたダイアフラ
ム12の部位(第2及び第3の錘10b,10cの間の
ダイアフラム12の部分)が電極部5から離間する方向
へ変位(換言すれば紙面裏面側から表面側へ変位)した
場合には、同図において点線で囲まれたダイアフラム1
2の部位(第1及び第4の錘10a,10dの間のダイ
アフラム12の部位)は、電極部5へ接近する方向へ変
位(換言すれば紙面表面側から裏面側へ変位)する状態
となるものである。
【0027】そして、上述のようにダイアフラム12が
変位した場合においては、第1の錘10aと第4の錘1
0dとが互いに接近する方向へ振れ(図10の実線矢印
参照)、第2の錘10bと第3の錘10cとは、互いに
離間する方向へ振れることとなる(図10の実線矢印参
照)。特に、この場合、第1及び第4の錘10a,10
dは、一組のいわゆる音叉型振動子として振動している
と捉えることができる。また、第2及び第3の錘10
b,10cも同様に一組の音叉型振動子として振動して
いると捉えることができるものである。
【0028】励振信号の周波数が2019Hzの場合、
振動の形態は、図10に示された形態の他にもう一つあ
り、その模式的な様子が図11に示されており、以下、
この振動の形態について説明する。この場合、振動のあ
る瞬間を捉えると、図11において、網掛けされた第1
及び第2の錘10a,10bの間のダイアフラム12の
部位が紙面裏面側から表面側へ変位すると同時に、図1
1において点線で囲まれた第3及び第4の錘10c,1
0dの間のダイアフラム12の部位が紙面表面側から裏
面側へ変位することとなる。そして、第1の錘10aと
第2の錘10bとが互いに離間する方向へ振れる(図1
1の実線矢印参照)一方、第3の錘10cと第4の錘1
0dとが互いに接近する方向へ振れることとなる(図1
1の実線矢印参照)。
【0029】次に、励振信号の周波数が2388Hzの
場合について図12を参照しつつ説明する。この場合、
振動のある瞬間を捉えると、図12に示されたように、
ダイアフラム12の網掛けされた2箇所の部位、すなわ
ち、第2の錘10bと第3の錘10cと支持板部材4の
角部とに囲まれた部位aと、第1の錘10aと、第4の
錘10dと支持板部材4の角部とに囲まれた部位bと
が、それぞれ紙面裏面側から紙面表面側へ変位すると同
時に、図12において、ダイアフラム12の点線で囲ま
れた2箇所の部位、すなわち、第1の錘10aと第2の
錘10bと支持板部材4の角部とに囲まれた部位cと、
第3の錘10cと第4の錘10dと支持板部材4の角部
とに囲まれた部位dとが、それぞれ紙面表側から裏面側
へ変位することとなる。そして、第1及び第2の錘10
a,10bは、部位cの方向へ振れる(図12の実線矢
印参照)一方、第3及び第4の錘10c,10dは、部
位dの方向へ振れることとなる(図12の実線矢印参
照)。
【0030】次に、励振信号の周波数が3322Hzの
場合について図13を参照しつつ説明する。この場合、
振動のある瞬間を捉えると、図13に示されたように、
第1の錘10aの周囲では、同図において第1の錘10
aの紙面左脇のダイアフラム12の部位(図13におい
て網掛けされた部位)eが紙面裏面側から表面側へ変位
すると同時に、第1の錘10aの紙面右脇のダイアフラ
ム12の部位(図13において点線で囲まれた部位)f
が紙面表面側から裏面側へ変位することとなる。また、
第2の錘10bの周囲では、図13において第2の錘1
0bの紙面上側のダイアフラム12の部位(図13にお
いて網掛けされた部位)gが紙面裏面側から表面側へ変
位すると同時に、第2の錘10bの紙面下側のダイアフ
ラム12の部位(図13において点線で囲まれた部位)
hが紙面表面側から裏面側へ変位することとなる。
【0031】さらに、第3の錘10cの周囲において
は、図13において第3の錘10cの紙面右脇のダイア
フラム12の部位(図13において網掛けされた部位)
iが紙面裏面側から表面側へ変位すると同時に、第3の
錘10cの紙面左脇のダイアフラム12の部位(図13
において点線で囲まれた部位)jが紙面表面側から裏面
側へ変位することとなる。またさらに、第4の錘10d
の周囲においては、図13において第4の錘10dの紙
面下側のダイアフラム12の部位(図13において網掛
けされた部位)kが紙面裏面側から表面側へ変位すると
同時に、第4の錘10dの紙面上側のダイアフラム12
の部位(図13において点線で囲まれた部位)lが紙面
表面側から裏面側へ変位することとなる。そして、第1
の錘10aは、部位fの方向へ、第2の錘10bは、部
位hの方向へ、第3の錘10cは、部位jの方向へ、第
4の錘10dは、部位lの方向へへ、それぞれ振れるこ
ととなる。なお、上述したそれぞれの振動形態において
示された励振信号の周波数は、あくまでも試験例であっ
て、ダイアフラム12の大きさや厚み等によって変わり
得るものであり、絶対的なものではない。
【0032】以上、代表的な振動の形態を説明したが、
この第1の例における半導体振動ジャイロセンサS1の
場合には、励振信号の周波数が2019Hzの場合であ
って、特に、図10に示された振動の形態を角速度の計
測に用いることとした。以下、この場合の動作について
図14を参照しつつ説明する。まず、前提として、Z軸
(同図において紙面表裏方向)を中心として作用する角
速度の計測を行うものとして以下説明する。すなわち、
先の図10に示された状態において、例えば、Z軸を中
心に回転力が作用したとし(例えば、図14において紙
面時計回りの方向に回転力が作用した場合)、角速度ω
が生じたとする。ここで、Z軸は、このセンサの略中心
を通るものと仮定する。
【0033】Z軸を中心とした回転により、第1乃至第
4の錘10a〜10dには、それぞれ錘10a〜10d
の振れる方向と直交する方向にコリオリ力が発生する
(図14参照)。すなわち、第1の錘10aが図14に
おいて実線矢印で示されたように第4の錘10dへ接近
する方向、すなわち、時計の9時と6時との略中間方向
へ振れた場合には、これと直交する方向、すなわち、9
時と12時との略中間方向にコリオリ力が作用すること
となる(図14の点線矢印参照)。また、第2の錘10
bが図14において実線矢印で示されたような方向、す
なわち、時計の12時と3時の略中間方向に振れた場合
には、これと直交する方向、すなわち、3時と6時との
略中間方向にコリオリ力が作用することとなる(図14
の点線矢印参照)。
【0034】さらに、第3の錘10cが時計の6時と9
時との略中間方向に振れた場合(図14の実線矢印参
照)には、これと直交する方向、すなわち、9時と12
時の略中間方向にコリオリ力が作用することとなる(図
14の点線矢印参照)。またさらに、第4の錘10dが
時計の12時と3時との略中間方向に振れた場合(図1
4の実線矢印参照)には、これと直交する方向、すなわ
ち、3時と6時の略中間方向にコリオリ力が作用するこ
ととなる(図14の点線矢印参照)。
【0035】上述のようにコリオリ力が第1乃至第4の
錘10a〜10dに作用する結果、このコリオリ力によ
るダイアフラム12の変位が生ずる。すなわち、第1の
角速度用検出電極21に対向するダイアフラム12の部
位は、第1及び第2の錘10a,10bにコリオリ力が
図14において点線矢印で示されたように作用した場
合、電極部5と離間する方向、すなわち、紙面裏面側か
ら表面側へ変位することとなる。その結果、このダイア
フラム12の部位と第1の角速度用検出電極21との間
の静電容量が、上述の変位に応じて減少することとな
る。
【0036】一方、第2の角速度用検出電極22に対向
するダイアフラム12の部位は、第3及び第4の錘10
c,10dにコリオリ力が図14において点線矢印で示
されたように作用した場合、電極部5へ接近する方向、
すなわち、紙面表面側から裏面側へ変位することとな
り、その変位の大きさは、先の第1の角速度用検出電極
21に対向するダイアフラム12の部位におけるものと
略同一である。その結果、このダイアフラム12の部位
と第2の角速度用検出電極22との間の静電容量が、上
述の変位に応じて増加することとなる。なお、上述した
第1の角速度用検出電極21に対向するダイアフラム1
2の部位の変位及び第2の角速度用検出電極22に対向
するダイアフラム12の部位の変位は、ダイアフラム1
2の振動におけるある瞬間のものであるので、実際に
は、交互にその変位の状態が変わるものである。すなわ
ち、上述のように第1の角速度用検出電極21に対向す
るダイアフラム12の部位が電極部5から離間する方向
へ変位した後は、逆に電極部5へ接近する方向へ変位
し、このとき、第2の角速度用検出電極22に対向する
ダイアフラム12の部位は、先とは逆に電極部5から離
間する方向へ変位することとなるものである。
【0037】ここで、第1の角速度用検出電極21によ
り検出される静電容量について、コリオリ力によるダイ
アフラム12の変位がない場合の静電容量をC0と、コ
リオリ力によるダイアフラム12の変位による静電容量
の変化分をΔCと、それぞれ定義すると、コリオリ力が
生じ、第1の角速度用検出電極21により検出される静
電容量が減少した際の静電量値は、C0−ΔCと表され
る。また、第2の角速度用検出電極22により検出され
る静電容量について、コリオリ力によるダイアフラム1
2の変位がない場合の静電容量を同じくC0と、コリオ
リ力によるダイアフラム12の変位による静電容量の変
化分をΔCと、それぞれ定義すると、コリオリ力が生
じ、第2の角速度用検出電極22により検出される静電
容量が増加した際の静電量値は、C0+ΔCと表され
る。
【0038】そして、この第1の角速度用検出電極21
により得られる静電容量値と第2の角速度用検出電極2
2により得られる静電容量値との差{(C0−ΔC)−(C
0+ΔC)}の絶対値を求めると、2ΔCとなり、その大
きさは、Z軸回りの角速度ωの大きさに応じたものとな
る。すなわち、第1の角速度用検出電極21から得られ
る静電容量と第2の角速度用検出電極22から得られる
静電容量の差の絶対値を得ることで、角速度の計測が可
能となる。
【0039】次に、加速度の計測について説明する。前
提として、先の角速度の計測の場合と同様に、Z軸方向
に加速度が作用する場合について説明する。例えば、加
速度が図14において紙面表裏方向へ作用したとする
と、ダイアフラム12は、慣性力により電極部5と離間
する方向、すなわち、換言すれば、図14において紙面
裏面側から表面側へ変位することとなり、その変位の大
きさは、加速度の大きさに対応したものとなる。これに
よって、加速度検出電極23と、対向するダイアフラム
12の部位とで形成される静電容量が変化する。すなわ
ち、この場合には、静電容量値は、加速度が作用する前
の状態から減少することとなる。一方、加速度が上述し
た方向と逆に作用した場合には、ダイアフラム12の変
位も逆となり、加速度検出電極23に得られる静電容量
は、加速度が作用する前を基準とすると増加することと
なる。したがって、加速度検出電極23に得られる静電
容量の変化により、加速度の方向とその大きさを計測す
ることができることとなる。
【0040】次に、第2の例について、図15を参照し
つつ説明する。この第2の例は、特に、上述した第1の
例に示された構成を有する半導体振動ジャイロセンサに
おける電極の他の配置例を示すもので、次述する電極配
置を除けば、他の構成については、上述した第1の例と
同様のものである。したがって、以下の説明において
は、電極配置についてのみ説明することとする。なお、
図15においては、先に図4に示されたような第1の外
部接続用電極24aや第1の接続用配線25a等のよう
ないわば付属的なものの図示を省略してある。まず、図
15において、点線で表された4つの正方形イ,ロ,
ハ,ニは、第1乃至第4の錘支持部13a〜13d(図
2参照)のそれぞれの4つの頂点を、支持板部材4(図
2参照)へ投影し、それぞれ4つの投影された頂点を相
互に結んで形成される仮想的なものである。
【0041】そして、第1の駆動電極19Aは、正方形
イ,ニの対向する2つの頂点c1,c2近傍の部分が含ま
れるような位置に、また、第2の駆動電極20Aは、正
方形ロ,ハの対向する2つの頂点c3,c4近傍の部分が
含まれるような位置に、それぞれ配設されている(図1
5参照)。さらに、第1の角速度用検出電極21Aは、
正方形イ,ロの対向する2つの頂点c5,c6近傍の部分
が含まれるような位置に、また、第2の角速度用検出電
極22Aは、正方形ハ,ニの対向する2つの頂点c7,c
8近傍の部分が含まれるような位置に、それぞれ配設さ
れている(図15参照)。
【0042】特に、第1及び第2の角速度用検出電極2
1A,22Aを上述のような配置とするのは、先に、図
10で説明した振動形態において、頂点c5,c6,c7,c
8の付近に対応するダイアフラム12(図2参照)の部
位が最も変位が大となり、静電容量変化の検出に適する
ためである。
【0043】この第2の例の場合、これら第1及び第2
の駆動電極19A,20A並びに第1及び第2の角速度
用検出電極21A,22Aは、いずれも正方形状に形成
されたものとなっている。また、上述のように配設さ
れ、さらに、これら第1及び第2の駆動電極19A,2
0A並びに第1及び第2の角速度用検出電極21A,2
2Aの全体的な配置は、図15において、第1及び第2
の駆動電極19A,20A並びに第1及び第2の角速度
用検出電極21A,22Aの各々の角が丁度角を占める
ような正方形を仮想した場合、その正方形の角に、それ
ぞれ第1及び第2の駆動電極19A,20A並びに第1
及び第2の角速度用検出電極21A,22Aが位置する
ような配置となっている。
【0044】さらに、十字状に形成された加速度検出電
極23Aが、第1及び第2の駆動電極19A,20A並
びに第1及び第2の角速度用検出電極21A,22Aの
間に、これらと略等しい間隔を隔てて配設されている
(図15参照)。
【0045】かかる構成における角速度及び加速度の検
出動作は、先の第1の例において、図14を参照しつつ
述べたと同様であるので、ここでの詳細な説明は省略す
ることとする。なお、加速度検出電極23Aは、第1及
び第2の駆動電極19A,20A並びに第1及び第2の
角速度用検出電極21A,22Aに対して、略中央に位
置すればよいもので、図15に示されたように必ずしも
十字状に形成されたものである必要はない。また、第1
及び第2の駆動電極19A,20A並びに第1及び第2
の角速度用検出電極21A,22Aについても、図15
に示された配置に限定される必要はなく、特に、第1及
び第2の角速度用検出電極21A,22Aは、上述した
ようにダイアフラム12の変位が最大となる部位に対向
する部分を有するように配設されればよいものである。
【0046】次に、第3の例について、図16乃至図2
9を参照しつつ説明する。この第3の例における半導体
振動ジャイロセンサは、いわゆる4層構造である点は、
先の第1の例と同一のものであるが、第4層目となる底
板部材6内における電極部5Aの構成が後述するように
第1の例と異なるものであり、先の第1の例における半
導体振動ジャイロセンサが1軸における角速度及び1軸
における加速度の計測を可能としたものであるのに対し
て、この第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
は、3軸の角速度の計測を可能としたものである。
【0047】なお、図1及び図2に示された構成要素と
同一の構成要素については、同一の符号を付して、その
詳細な説明は省略し、以下、第1の例と異なる点を中心
に説明することとする。この第3の例における半導体振
動ジャイロセンサS2の底板部材6は、そこに設けられ
た電極部5Aの構成が第1の例における半導体振動ジャ
イロセンサS1と異なる点を除けば、他の部分について
は、第1の例における底板部材6と基本的に同一のもの
である(図1乃至図3並びに図16乃至図18参照)。
なお、図16においては、電極部5Aの第1乃至第7の
接続用配点26a〜26gについての図示は省略してあ
る。
【0048】すなわち、電極部5Aは、駆動電極30
と、2つのX軸検出電極31a,31bと、2つのY軸
検出電極32a,32bと、8つのZ軸検出電極33a
〜33d,34a〜34dと、第1乃至第7の外部接続
用電極24a〜24gとを主たる構成要素としてなるも
のである(図18乃至図20参照)。駆動電極30は、
略正方形状に形成されており、ダイアフラム12の第1
乃至第4の錘10a〜10dに囲まれた部位に略対向す
る位置に設けられている(図17乃至図20参照)。
【0049】長方形状に形成された第1のY軸検出電極
32aは、第1の錘10aが配設された支持板部材4の
部位に略対向する位置に配設されており、この第1のY
軸検出電極32aの右脇(図19において紙面右脇)に
第1の錘用第1のZ軸検出電極33aが、左脇(図19
において紙面左脇)に第1の錘用第2のZ軸検出電極3
4aが、それぞれ配設されており、これら2つのZ軸検
出用電極33a,34aは、第1のY軸検出電極32a
と略同一形状寸法に形成されたものとなっている(図1
9参照)。なお、この第3の例においては、これら第1
のY軸検出電極32a及び2つのZ軸検出電極33a,
34aは、その長手軸方向がX軸に沿うように配設され
ている(図19及び図20参照)。
【0050】第2のX軸検出電極31bは、第2の錘1
0bが配設された支持板部材4の部位に略対向する位置
に配設されており、この第2のX軸検出電極31bの上
側(図19において紙面上側)に第2の錘用第2のZ軸
検出電極34bが、下側(図19において紙面下側)に
第2の錘用第1のZ軸検出電極33bが、それぞれ配設
されており、これら第2のX軸検出電極31b及び2つ
のZ軸検出用電極33b,34bは、先の第1のY軸検
出電極32aと略同一形状寸法に形成されたものとなっ
ている(図19参照)。そして、これら第2のX軸検出
電極31b及び2つのZ軸検出電極33b,34bは、
その長手軸方向がY軸方向に沿うように配設されたもの
となっている(図19及び図20参照)。
【0051】第2のY軸検出電極32bは、第3の錘1
0cが配設された支持板部材4の部位に略対向する位置
に配設されており、この第2のY軸検出電極32bの左
脇(図19において紙面左脇)に第3の錘用第1のZ軸
検出電極33cが、右脇(図19において紙面右脇)に
第3の錘用第2のZ軸検出電極34cが、それぞれ配設
されており、これら第2のY軸検出電極32b及び2つ
のZ軸検出用電極33c,34cは、第1のY軸検出電
極32aと略同一形状寸法に形成されたものとなってい
る(図19参照)。なお、この第3の例においては、こ
れら第2のY軸検出電極32b及び2つのZ軸検出電極
33c,34cは、その長手軸方向がX軸に沿うように
配設されている(図19及び図20参照)。
【0052】第1のX軸検出電極31aは、第4の錘1
0dが配設された支持板部材4の部位に略対向する位置
に配設されており、この第1のX軸検出電極31aの上
側(図19において紙面上側)に第4の錘用第1のZ軸
検出電極33dが、下側(図19において紙面下側)に
第4の錘用第2のZ軸検出電極34dが、それぞれ配設
されており、これら第1のX軸検出電極31a及び2つ
のZ軸検出用電極33d,34dは、先の第1のY軸検
出電極32aと略同一形状寸法に形成されたものとなっ
ている(図19参照)。そして、これら第1のX軸検出
電極31a及び2つのZ軸検出電極33d,34dは、
その長手軸方向がY軸方向に沿うように配設されたもの
となっている(図19及び図20参照)。
【0053】一方、第1乃至第7の外部接続用電極24
a〜24gは、何れも略正方形状に形成されて、支持板
部材4の切り欠き部14に対向する部位において、適宜
な間隔を隔てて、略直線上に配設されている(図17乃
至図19参照)。そして、第1の外部接続用電極24a
に対して、第1の錘用第1のZ軸検出電極33a、第2
の錘用第1のZ軸検出電極33b、第3の錘用第1のZ
軸検出電極33c及び第4の錘用第1のZ軸検出電極3
3dが、これらの間を相互に接続するよう適宜に配設さ
れた第1の接続用配線26aを介して接続されている
(図19参照)。
【0054】第2の外部接続用電極24bには、第1の
Y軸検出電極32aが、適宜に配設された第2の接続用
配線26bを介して接続されている(図19参照)。第
3の外部接続用電極24cには、第1の錘用第2のZ軸
検出電極34a、第2の錘用第2のZ軸検出電極34
b、第3の錘用第2のZ軸検出電極34c及び第4の錘
用第2のZ軸検出電極34dが、これらの間を相互に接
続するよう適宜に配設された第3の接続用配線26cを
介して接続されている(図19参照)。
【0055】第4の外部接続用電極24dには、駆動電
極30が、適宜に配設された第4の接続用配線26dを
介して接続されている(図19参照)。第5の外部接続
用電極24eには、第2のX軸検出電極31bが、適宜
に配設された第5の接続用配線26eを介して接続され
ている(図19参照)。第6の外部接続用電極24fに
は、第1のX軸検出電極31aが、適宜に配設された第
6の接続用配線26fを介して接続されている(図19
参照)。第7の外部接続用電極24gには、第2のY軸
検出電極32bが、適宜に配設された第7の接続用配線
26gを介して接続されている(図19参照)。
【0056】かかる構成により、第1及び第2のX軸検
出電極31a,31b、第1及び第2のY軸検出電極3
2a,32b、第1乃至第4の錘用第1のZ軸検出電極
33a〜33d及び第1乃至第4の錘用第2のZ軸検出
電極34a〜34dと、これらに対向するダイアフラム
12の部位との間には、いわゆる平板コンデンサが形成
されることとなるが、特に、第1乃至第4の錘用第1の
Z軸検出電極33a〜33dと、これに対向するダイア
フラム12の部位との間で形成される平板コンデンサ
は、いわゆる並列接続された状態に形成されたものとな
っている。すなわち、電気回路として表せば、図21
(A)に示されたようにダイアフラム12が共通電極と
なり、これに対して第1乃至第4の錘用第1のZ軸検出
電極33a〜33dが、それぞれ対向電極となり、これ
ら第1乃至第4の錘用第1のZ軸検出電極33a〜33
dが相互に並列接続されて、第1の外部接続用電極24
aから4つの静電容量値の合成値が得られるものとなっ
ている。
【0057】また、第1乃至第4の錘用第2のZ軸検出
電極34a〜34dと、これに対向するダイアフラム1
2の部位との間で形成される平板コンデンサも同様に、
いわゆる並列接続された状態に形成されたものとなって
いる。すなわち、電気回路として表せば、図21(B)
に示されたようにダイアフラム12が共通電極となり、
これに対して第1乃至第4の錘用第2のZ軸検出電極3
4a〜34dが、それぞれ対向電極となり、これら第1
乃至第4の錘用第2のZ軸検出電極34a〜34dが相
互に並列接続されて、第3の外部接続用電極24cから
4つの静電容量の合成値が得られるものとなっている。
【0058】次に、上記構成における動作について説明
する。最初に、この半導体振動ジャイロセンサS2の駆
動方法と概略的な振動の形態について説明すれば、ま
ず、駆動電極30には、第4の外部接続用電極24dを
介して、いわゆる励振信号として、適宜な周波数を有す
る電圧を印加する。この励振信号の周波数としては、種
々選択可能であるが、測定精度等を考慮して後述するよ
うに所定の周波数が選択される。なお、ダイアフラム1
2が形成された支持板部材4は、上述の励振信号を発生
する図示されない信号発生装置のいわゆる回路アースと
共通の回路アースに接続されていることとする。
【0059】この励振信号の印加により、駆動電極30
と対応するダイアフラム12の部位との間には静電力が
作用し、その結果、ダイアフラム12が振動し、その振
動と共に第1乃至第4の錘10a〜10dも振動するこ
ととなる。このダイアフラム12の振動に対する第1乃
至第4の錘10a〜10dの振動の形態は、先に第1の
例において、図6乃至図8を用いて説明したのと基本的
に同一であり、特に、変わるところはないのでその詳細
な説明は省略することとする。
【0060】次に、励振信号の周波数に応じたより具体
的なダイアフラム12と第1乃至第4の錘10a〜10
dの典型的な振動の形態について図22乃至図26を参
照しつつ説明する。まず、図22は、励振信号の周波数
が780Hzの場合の振動の様子を模式的に示したもの
で、この場合、ダイアフラム12は、第1乃至第4の錘
10a〜10dで囲まれた部位(図22においていわゆ
る網掛け状態に表示された部位)がZ軸方向で振動する
こととなる。そして、特に、図22において網掛けされ
た部位が電極部5Aから離間する方向、換言すれば、図
22において紙面裏面側から表面側へ変位した場合に
は、第1乃至第4の錘10a〜10dは、同図において
実線矢印で示された方向へ振れることとなる。なお、ダ
イアフラム12が逆に電極部5Aへ接近する方向へ変位
した場合には、第1乃至第4の錘10a〜10dは、図
22において実線矢印とは反対方向へ振れることとな
る。
【0061】次に、励振信号の周波数を2019Hzと
した場合について説明する。この場合、図23におい
て、網掛けされたダイアフラム12の部位(第2及び第
3の錘10b,10cの間のダイアフラム12の部分)
がZ軸方向で振動すると共に、同図において点線で囲ま
れたダイアフラム12の部位(第1及び第4の錘10
a,10dの間のダイアフラム12の部位)が同じくZ
軸方向で振動することとなる。この2つの部位の振動
は、例えば、図23において、網掛けされたダイアフラ
ム12の部位(第2及び第3の錘10b,10cの間の
ダイアフラム12の部分)が電極部5Aから離間する方
向へ変位(換言すれば紙面裏面側から表面側へ変位)し
た場合には、同図において点線で囲まれたダイアフラム
12の部位(第1及び第4の錘10a,10dの間のダ
イアフラム12の部位)は、電極部5Aへ接近する方向
へ変位(換言すれば紙面表面側から裏面側へ変位)する
状態となるものである。
【0062】そして、上述のようにダイアフラム12が
変位した場合においては、第1の錘10aと第4の錘1
0dとが互いに接近する方向へ振れ(図23の実線矢印
参照)、第2の錘10bと第3の錘10cとは、互いに
離間する方向へ振れることとなる(図23の実線矢印参
照)。特に、この場合、第1及び第4の錘10a,10
dは、一組のいわゆる音叉型振動子として振動している
と捉えることができる。また、第2及び第3の錘10
b,10cも同様に一組の音叉型振動子として振動して
いると捉えることができるものである。
【0063】励振信号の周波数が2019Hzの場合、
振動の形態は、図23に示された形態の他にもう一つあ
り、その模式的な様子が図24に示されており、以下、
この振動の形態について説明する。この場合、振動のあ
る瞬間を捉えると、図24において、網掛けされた第1
及び第2の錘10a,10bの間のダイアフラム12の
部位が紙面裏面側から表面側へ変位すると同時に、図2
4において点線で囲まれた第3及び第4の錘10c,1
0dの間のダイアフラム12の部位が紙面表面側から裏
面側へ変位することとなる。そして、第1の錘10aと
第2の錘10bとが互いに離間する方向へ振れる(図2
4の実線矢印参照)一方、第3の錘10cと第4の錘1
0dとが互いに接近する方向へ振れることとなる(図2
4の実線矢印参照)。
【0064】次に、励振信号の周波数が2388Hzの
場合について図25を参照しつつ説明する。この場合、
振動のある瞬間を捉えると、図25に示されたように、
ダイアフラム12の網掛けされた2箇所の部位、すなわ
ち、第2の錘10bと第3の錘10cと支持板部材4の
角部とに囲まれた部位aと、第1の錘10aと、第4の
錘10dと支持板部材4の角部とに囲まれた部位bと
が、それぞれ紙面裏面側から紙面表面側へ変位すると同
時に、図25において、点線で囲まれたダイアフラム1
2の2箇所の部位、すなわち、第1の錘10aと第2の
錘10bと支持板部材4の角部とに囲まれた部位cと、
第3の錘10cと第4の錘10dと支持板部材4の角部
とに囲まれた部位dとが、それぞれ紙面表側から裏面側
へ変位することとなる。そして、第1及び第2の錘10
a,10bは、部位cの方向へ振れる(図25の実線矢
印参照)一方、第3及び第4の錘10c,10dは、部
位dの方向へ振れることとなる(図25の実線矢印参
照)。
【0065】次に、励振信号の周波数が3322Hzの
場合について図26を参照しつつ説明する。この場合、
振動のある瞬間を捉えると、図26に示されたように、
第1の錘10aの周囲では、同図において第1の錘10
aの紙面左脇のダイアフラム12の部位(図26におい
て網掛けされた部位)eが紙面裏面側から表面側へ変位
すると同時に、第1の錘10aの紙面右脇のダイアフラ
ム12の部位(図26において点線で囲まれた部位)f
が紙面表面側から裏面側へ変位することとなる。また、
第2の錘10bの周囲では、図26において第2の錘1
0bの紙面上側のダイアフラム12の部位(図26にお
いて網掛けされた部位)gが紙面裏面側から表面側へ変
位すると同時に、第2の錘10bの紙面下側のダイアフ
ラム12の部位(図26において点線で囲まれた部位)
hが紙面表面側から裏面側へ変位することとなる。
【0066】さらに、第3の錘10cの周囲において
は、図26において第3の錘10cの紙面右脇のダイア
フラム12の部位(図26において網掛けされた部位)
iが紙面裏面側から表面側へ変位すると同時に、第3の
錘10cの紙面左脇のダイアフラム12の部位(図26
において点線で囲まれた部位)jが紙面表面側から裏面
側へ変位することとなる。またさらに、第4の錘10d
の周囲においては、図26において第4の錘10dの紙
面下側のダイアフラム12の部位(図26において網掛
けされた部位)kが紙面裏面側から表面側へ変位すると
同時に、第4の錘10dの紙面上側のダイアフラム12
の部位(図25において点線で囲まれた部位)lが紙面
表面側から裏面側へ変位することとなる。そして、第1
の錘10aは、図26において紙面右側へ、第2の錘1
0bは、紙面下側へ、第3の錘10cは、紙面左側へ、
第4の錘10dは、紙面上側へ、それぞれ振れることと
なる。なお、上述したそれぞれの振動形態において示さ
れた励振信号の周波数は、あくまでも試験例であって、
ダイアフラム12の大きさや厚み等によって変わり得る
ものであり、絶対的なものではない。
【0067】以上、代表的な振動の形態を説明したが、
この第3の例における半導体振動ジャイロセンサS2の
場合には、角速度の計測にあたっては、励振信号の周波
数を780Hzとした場合の振動状態(図22参照)を
利用することとした。以下、この場合の動作について図
27乃至図29を参照しつつ説明する。最初に、Z軸
(同図において紙面表裏方向)を中心として作用する角
速度の計測を行う場合について図27を参照しつつ説明
する。
【0068】例えば、周波数780Hz又はその近傍の
周波数の励振信号が駆動電極30に印加され、図22を
参照しつつ先に説明したような振動状態にある場合にお
いて、Z軸を中心に反時計回りの回転が生じたとし、あ
る瞬間において、第1乃至第4の錘10a〜10dが図
27において実線矢印方向へ振れたとする。すなわち、
図27において言えば、Z軸がこの半導体振動ジャイロ
センサS2の略中心を通るものと仮定し、第1の錘10
aは、時計の12時方向へ、第2の錘10bは、時計の
3時方向へ、第3の錘10cは、時計の6時方向へ、第
4の錘10dは、時計の9時方向へ、それぞれ振れた際
に、Z軸を中心に反時計回り方向の回転力が作用する
と、各錘10a〜10dには、それぞれの振れ方向と直
交するコリオリ力が作用することとなる(図27の点線
矢印参照)。
【0069】具体的には、第1の錘10aには、図27
で言えば、時計の3時方向のコリオリ力が、第2の錘1
0bには、同じく時計の6時方向のコリオリ力が、第3
の錘10cには、同じく時計の9時方向のコリオリ力
が、第4の錘10dには、同じく時計の12時方向のコ
リオリ力が、それぞれ作用する(図27の点線矢印参
照)。その結果、第1の錘10a近傍のダイアフラム1
2においては、第1の錘用第1のZ軸検出電極33aに
対向する部位が電極部5Aへ接近する方向に変位する一
方、第1の錘用第2のZ軸検出電極34aに対応する部
位は、電極部5Aから離間する方向へ変位することとな
り、その変位量は、いずれも略同一の大きさとなる。
【0070】ここで、第1の錘用第1及び第2のZ軸検
出電極33a,34a、第2の錘用第1及び第2のZ軸
検出電極33b,34b、第3の錘用第1及び第2のZ
軸検出電極33c,34c、第4の錘用第1及び第2の
Z軸検出電極33d,34dは、先に述べたように略同
一の形状寸法に形成されており、ダイアフラム12との
対向距離も、振動が無い状態では、略同一であるため、
各電極33a〜33d,34a〜34dとダイアフラム
12との間における静電容量値は、略同一値であり、仮
に、これをC0とする。そして、上述のようなコリオリ
力によるダイアフラム12の変位による静電容量の変化
分をΔCとすると、上述のようにコリオリ力が生じた際
の第1の錘用第1のZ軸検出電極33aとダイアフラム
12との間の静電容量は、(C0+ΔC)と、第1の錘
用第2のZ軸検出電極34aとダイアフラム12との間
の静電容量は、(C0−ΔC)と、それぞれ表される大
きさとなる。
【0071】第2の錘10b近傍のダイアフラム12に
おいては、第2の錘用第1のZ軸検出電極33bに対向
する部位が電極部5Aへ接近する方向に変位する一方、
第2の錘用第2のZ軸検出電極34bに対応する部位
は、電極部5Aから離間する方向へ変位することとな
り、その変位量は、いずれも略同一の大きさとなる。し
たがって、この場合も先の第1の錘用第1及び第2のZ
軸検出電極33a,34aにおける静電容量と同じよう
に、第2の錘用第1のZ軸検出電極33bとダイアフラ
ム12との間の静電容量は、(C0+ΔC)と、第1の
錘用第2のZ軸検出電極34aとダイアフラム12との
間の静電容量は、(C0−ΔC)と、それぞれ表される
大きさとなる。
【0072】第3の錘10c近傍のダイアフラム12に
おいては、第3の錘用第1のZ軸検出電極33cに対向
する部位が電極部5Aへ接近する方向に変位する一方、
第3の錘用第2のZ軸検出電極34cに対応する部位
は、電極部5Aから離間する方向へ変位することとな
り、その変位量は、いずれも略同一の大きさとなる。し
たがって、この場合も先の第1の錘用第1及び第2のZ
軸検出電極33a,34aにおける静電容量と同じよう
に、第3の錘用第1のZ軸検出電極33cとダイアフラ
ム12との間の静電容量は、(C0+ΔC)と、第3の
錘用第2のZ軸検出電極34cとダイアフラム12との
間の静電容量は、(C0−ΔC)と、それぞれ表される
大きさとなる。
【0073】第4の錘10d近傍のダイアフラム12に
おいては、第4の錘用第1のZ軸検出電極33dに対向
する部位が電極部5Aへ接近する方向に変位する一方、
第4の錘用第2のZ軸検出電極34dに対応する部位
は、電極部5Aから離間する方向へ変位することとな
り、その変位量は、いずれも略同一の大きさとなる。し
たがって、この場合も先の第1の錘用第1及び第2のZ
軸検出電極33a,34aにおける静電容量と同じよう
に、第4の錘用第1のZ軸検出電極33dとダイアフラ
ム12との間の静電容量は、(C0+ΔC)と、第4の
錘用第2のZ軸検出電極34dとダイアフラム12との
間の静電容量は、(C0−ΔC)と、それぞれ表される
大きさとなる。
【0074】この結果、第1の外部接続用電極24aに
おいては、第1乃至第4の錘用第1のZ軸検出電極33
a〜33dにおける上述した静電容量の変化を総和した
ものが現れる、すなわち、4(C0+ΔC)と表される
容量が得られることとなる。一方、第3の外部接続用電
極24cにおいては、第1乃至第4の錘用第2のZ軸検
出電極34a〜34dにおける上述した静電容量の変化
の総合したものが現れる、すなわち、4(C0−ΔC)
と表される容量が得られることとなる。したがって、図
示されない外部回路において、第1の外部接続用電極2
4aに得られた静電容量と、第3の外部接続用電極24
cに得られた静電容量との差を求めることで、{4(C
0+ΔC)−4(C0−ΔC)}=8ΔCを得ることがで
き、その大きさは、コリオリ力に対応したものとなる。
しかも、Z軸周りの角速度とコリオリ力とは比例関係に
あることから、予め角速度の大きさと、上述のようにし
て得られる差8ΔCの大きさとの関係を調べておくこと
で、差8ΔCの大きさから角速度の計測が可能となるも
のである。
【0075】なお、第1乃至第4の錘10a〜10d
は、ダイアフラム12の振動に伴い図27において実線
矢印と反対方向にも振れるため、この場合には、コリオ
リ力の方向も同図において点線矢印で示された方向とは
逆方向となる。このため、第1の外部接続用電極24a
及び第3の外部接続用電極24cにおけるそれぞれの静
電容量の変化も、上述とは逆となるが、両者の差が8Δ
Cであることには変わりはない。
【0076】次に、図28を参照しつつ、X軸を中心に
回転力が作用した場合の角速度の計測について説明す
る。なお、励振信号はZ軸の場合と同一であるとする。
例えば、図28において、X軸がセンサの略中心を通る
ものと仮定し、このX軸を中心とし、例えば、X軸を図
28に示された矢印方向に見て時計回りの方向に回転力
が作用し、その際、第1乃至第4の錘10a〜10d
が、図28に示されたように、それぞれ外側へ振れたと
すると、コリオリ力は、第2及び第4の錘10b,10
dにそれぞれ作用することとなる。すなわち、第2の錘
10bにおいては、図28において紙面表面側から裏面
側へ、換言すれば、第2の錘10bが位置するダイアフ
ラム12の部位が電極部5Aへ接近するようにコリオリ
力が作用する一方、第4の錘10dにおいては、図28
において紙面裏面側から表面側へ、換言すれば、第4の
錘10dが位置するダイアフラム12の部位が電極部5
Aから離間するようにコリオリ力が作用することとなり
(図28参照)、それぞれ、略同一のダイアフラム12
の変位が生ずることとなる。
【0077】その結果、コリオリ力が生ずる前の第1及
び第2のX軸検出用電極31a,31bにおける静電容
量をC0とし、上述のダイアフラム12の変位による容
量変化分をΔCとすると、第1のX軸検出電極31aが
接続された第6の外部接続用電極24fには、(C0
ΔC)の静電容量が、第2のX軸検出電極31bが接続
された第5の外部接続用電極24eには、(C0+Δ
C)の静電容量が、それぞれ得られることとなる。した
がって、Z軸に関する角速度の計測の場合と同様に、こ
れら2つの容量差(2ΔC)を得ることで角速度の大き
さを知ることができる。なお、X軸の計測でも述べたと
同様に、第1乃至第4の錘10a〜10dが図28の実
線矢印で示されたと逆方向へ振れた場合には、静電容量
の変化が上述した状態とは逆になるが、第5及び第6の
外部接続用電極24e,24f間の静電容量変化の差が
(2ΔC)となることには変わりはない。
【0078】次に、図29を参照しつつ、Y軸を中心に
回転力が作用した場合の角速度の計測について説明す
る。なお、励振信号はZ軸の場合と同一であるとする。
例えば、図29において、Y軸がセンサの略中心を通る
ものと仮定し、このY軸を同図矢印方向に見て、例え
ば、時計回りの方向に回転力が作用したとし、その際、
第1乃至第4の錘10a〜10dが、図29に示された
ように、それぞれ外側へ振れたとすると、コリオリ力
は、第1及び第3の錘10a,10cにそれぞれ作用す
ることとなる。すなわち、第1の錘10aにおいては、
図29において紙面表面側から裏面側へ、換言すれば、
第1の錘10aが位置するダイアフラム12の部位が電
極部5Aへ接近するようにコリオリ力が作用する一方、
第3の錘10cにおいては、図29において紙面裏面側
から表面側へ、換言すれば、第3の錘10cが位置する
ダイアフラム12の部位が電極部5Aから離間するよう
にコリオリ力が作用することとなり(図29参照)、そ
れぞれ略同一のダイアフラム12の変位が生ずることと
なる。
【0079】この場合の変位は、位置は異なるが、先の
図28の場合と基本的に同一のものである。したがっ
て、この場合には、第2及び第7の外部接続用電極24
b,24gにおいて、それぞれ得られる静電容量の差に
よって、図28の場合と同様に、角速度を知ることがで
きるものとなる。なお、この場合も、X軸の計測でも述
べたと同様に、第1乃至第4の錘10a〜10dの振れ
が図29の実線矢印で示された方向と逆に振れた場合で
あっても、第2の外部接続用電極24bに得られる静電
容量と、第7の外部接続用電極24gに得られる静電容
量との差の絶対値が(2ΔC)となることには変わりは
ない。
【0080】次に、第4の例について、図30を参照し
つつ説明する。この第4の例は、特に、上述した第3の
例に示された構成を有する半導体振動ジャイロセンサに
おける電極の他の配置例を示すもので、次述する電極配
置を除けば、他の構成については、上述した第3の例と
同様のものである。したがって、以下の説明において
は、電極配置についてのみ説明することとする。なお、
図30においては、先に図19に示されたような第1の
外部接続用電極24aや第1の接続用配線26a等のよ
うないわば付属的なものの図示を省略してある。まず、
図30において、点線で表された4つの正方形ホ,ヘ,
ト,チは、第1乃至第4の錘支持部13a〜13d(図
17参照)のそれぞれの4つの頂点を、支持板部材4
(図17参照)へ投影し、それぞれ4つの投影された頂
点を相互に結んで形成される仮想的なものである。
【0081】この第4の例も、基本的には、先に、図1
9及び図20で示された電極配置と同様に、駆動電極3
0′を中心にして次述するように第1のX軸検出電極3
1a′等が配置されたものとなっている。すなわち、ま
ず、長方形状に形成された第1のY軸検出電極32a′
は、正方形ホの略中央に位置するように配設され、その
右脇に、第1の錘用第1のZ軸検出電極33a′が、左
脇に、第1の錘用第2のZ軸検出電極34a′が、それ
ぞれ配設されている(図30参照)。そして、第1の錘
用第1のZ軸検出電極33a′及び第1の錘用第2のZ
軸検出電極34a′は、その側部の一部が正方形ホの内
側に位置するようにして、かつ、第1のY軸検出電極3
2a′と所定の間隙を隔てて配設されたものとなってい
る(図30参照)。
【0082】上述のように、特に、第1の錘用第1のZ
軸検出電極33a′及び第1の錘用第2のZ軸検出電極
34a′の側部の一部が、正方形ホの内側に位置するよ
うにするのは、先に、図27で説明した振動形態におい
て、第1の錘用第1のZ軸検出電極33a′及び第1の
錘用第2のZ軸検出電極34a′の側部の一部が位置す
る付近の正方形ホの内側の部位から外側の部位に至る部
分が最も変位が大となる部分であり、静電容量変化の検
出に適するためである。
【0083】さらに、第1の錘用第1のZ軸検出電極3
3a′は、長方形状に形成され、その一つの角部、すな
わち、隣接する第2の錘用第2のZ軸検出電極34b′
側の角部が切り欠かれた形状となっており、また、第1
の錘用第2のZ軸検出電極34a′も同様に、第4の錘
用第1のZ軸検出電極33d′側の角部が切り欠かれた
形状となっている(図30参照)。
【0084】次に、第2のX軸検出電極31b′、第2
の錘用第1のZ軸検出電極33b′及び第2の錘用第2
のZ軸検出34b′についても、その配置は基本的に上
述したと同様であるので、ここでは、概括的に説明する
こととする。すなわち、長方形状に形成されてなる第2
のX軸検出電極31b′は、正方形ヘの略中央に位置す
るように配設され、その左右に、第2の錘用第1のZ軸
検出電極33b′及び第2の錘用第2のZ軸検出34
b′がそれぞれ配設されたものとなっている(図30参
照)。また、第2の錘用第1のZ軸検出電極33b′及
び第2の錘用第2のZ軸検出34b′は、共に、それぞ
れ、長方形の一つの角部を切り欠いた形状となってお
り、第2の錘用第1のZ軸検出電極33b′は、第1の
錘用第1のZ軸検出電極33a′側の角部が、第2の錘
用第2のZ軸検出34b′は、第3の錘用第2のZ軸検
出電極34c′側の角部が、それぞれ切り欠かれたもの
となっている(図30参照)。
【0085】そして、正方形ヘと第2の錘用第1のZ軸
検出電極33b′及び第2の錘用第2のZ軸検出34
b′の相対的な位置関係は、上述した第1の錘用第1の
Z軸検出電極33a′及び第1の錘用第2のZ軸検出電
極34a′の場合と基本的に同様であり、そのような配
置とするのも基本的に同様な理由によるものである。
【0086】第2のY軸検出電極32b′、第3の錘用
第1のZ軸検出電極33c′及び第3の錘用第2のZ軸
検出電極34c′についても、上述したと基本的に同様
であり、以下、概括的に説明すれば、まず、長方形状に
形成されてなる第2のY軸検出電極32b′は、正方形
トの略中央に位置するように配設されている(図30参
照)。そして、第3の錘用第1のZ軸検出電極33c′
及び第3の錘用第2のZ軸検出電極34c′は、その左
右にそれぞれ配設されたものとなっている(図30参
照)。第3の錘用第1のZ軸検出電極33c′及び第3
の錘用第2のZ軸検出電極34c′は、共に長方形状に
形成され、さらに、第3の錘用第1のZ軸検出電極33
c′は、第4の錘用第2のZ軸検出電極34d′側の角
部が、第3の錘用第2のZ軸検出電極34c′は、第2
の錘用第1のZ軸検出電極33b′側の角部が、それぞ
れ切り欠かれた形状となっている(図30参照)。
【0087】そして、正方形トと第3の錘用第1のZ軸
検出電極33c′及び第3の錘用第2のZ軸検出34
c′の相対的な位置関係は、上述した第1の錘用第1の
Z軸検出電極33a′及び第1の錘用第2のZ軸検出電
極34a′の場合と基本的に同様であり、そのような配
置とするのも基本的に同様な理由によるものとなってい
る。
【0088】また、第1のX軸検出電極31a′、第4
の錘用第1のZ軸検出電極33d′及び第4の錘用第2
のZ軸検出電極34d′についても、上述したと基本的
に同様であり、以下、概括的に説明すれば、まず、長方
形状に形成されてなる第1のX軸検出電極31a′は、
正方形チの略中央に位置するように配設されている(図
30参照)。そして、第4の錘用第1のZ軸検出電極3
3d′及び第4の錘用第2のZ軸検出電極34d′は、
その左右にそれぞれ配設されたものとなっている(図3
0参照)。第4の錘用第1のZ軸検出電極33d′及び
第4の錘用第2のZ軸検出電極34d′は、共に長方形
状に形成され、さらに、第4の錘用第1のZ軸検出電極
33d′は、第1の錘用第2のZ軸検出電極34a′側
の角部が、第4の錘用第2のZ軸検出電極34d′は、
第3の錘用第1のZ軸検出電極33c′側の角部が、そ
れぞれ切り欠かれた形状となっている(図30参照)。
【0089】そして、正方形チと第4の錘用第1のZ軸
検出電極33d′及び第4の錘用第2のZ軸検出34
d′の相対的な位置関係は、上述した第1の錘用第1の
Z軸検出電極33a′及び第1の錘用第2のZ軸検出電
極34a′の場合と基本的に同様であり、そのような配
置とするのも基本的に同様な理由によるものとなってい
る。
【0090】かかる構成における角速度及び加速度の検
出動作は、先の第3の例において、図27乃至図29を
参照しつつ述べたと同様であるので、ここでの詳細な説
明は省略することとする。なお、上述した各電極の形状
は、あくまでも一例であり、これに限定される必要がな
いことは勿論である。特に、第1乃至第4の錘用第1の
Z軸検出電極33a′〜33d′並びに第1乃至第4の
錘用第2のZ軸検出電極34a′〜34d′は、上述し
たようにダイアフラム12(図17参照)の変位が最大
となる部位に対向する位置に配設されればよく、特に、
その形状が図15に示されたものに限定されるものでは
ない。
【0091】
【発明の効果】以上、述べたように、請求項1乃至3記
載の発明によれば、ダイアフラム上に設けられた錘に、
角速度によるコリオリ力が作用するようにし、そのコリ
オリ力によるダイアフラムの変位を静電容量変化として
検出できるような構成とすることにより、静電容量の変
化は、角速度に応じたものとなり、また、静電容量変化
を利用するため、消費電力が少なくて済み、そのうえ、
半導体製造技術による量産が可能な角速度を計測するこ
とのできる半導体振動ジャイロを提供することができ
る。特に、請求項2及び3記載の発明においては、上述
の効果に加えて、加速度の計測をも可能とした半導体振
動ジャイロを提供することができる。
【0092】請求項4乃至6記載の発明によれば、ダイ
アフラム上に設けられた錘に、直交する3軸のそれぞれ
の軸回りの角速度に対応したコリオリ力が作用するよう
にし、そのコリオリ力によるダイアフラムの変位を静電
容量変化としてそれぞれ検出できるような構成とするこ
とにより、静電容量の変化は、角速度に応じたものとな
るため、複数の軸における角速度の計測が可能で、消費
電力が少なくて済み、半導体製造技術による量産が可能
な半導体振動ジャイロセンサを提供することができる。
また、一つのセンサによって、複数の軸における角速度
の計測が可能となるため、従来と異なり、設置スペース
の縮小化を図ることができ、ひいてはセンサを使用する
各種装置の小型化に寄与することができるという効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1の例における半導
体振動ジャイロセンサの中央縦断面を示す断面図であっ
て、図4に示されたA−A線に沿って半導体振動ジャイ
ロセンサを縦に切断した場合における断面図である。
【図2】第1の例における半導体振動ジャイロセンサの
支持板部材及び錘部の全体斜視図である。
【図3】第1の例における半導体振動ジャイロセンサの
底板部材及び電極部の全体斜視図である。
【図4】第1の例における半導体振動ジャイロセンサの
電極部の平面図である。
【図5】第1の例における半導体振動ジャイロセンサの
電極部と第1乃至第4の錘との相対的な位置関係を示す
平面図である。
【図6】ダイアフラムの中央が電極部側へ変位した場合
の錘の動きの様子を模式的に示した模式図である。
【図7】ダイアフラムの中央が電極部側から離間するよ
うに変位した場合の錘の動きの様子を模式的に示した模
式図である。
【図8】ダイアフラムの中央が電極部に対して振動した
場合の錘の動きの様子を模式的に示した模式図である。
【図9】図1に示された半導体振動ジャイロセンサにお
いて励振信号周波数を780Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図10】第1の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を2019Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図11】第1の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を2019Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きの他の例をXY平面において模式的に
示す平面図である。
【図12】第1の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を2388Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図13】第1の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を3322Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図14】第1の例における半導体振動ジャイロセンサ
に励振信号を印加し、Z軸を中心とした回転力が作用し
た場合の錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図15】本発明の実施の形態の第2の例における半導
体振動ジャイロセンサの電極の配置例を示す平面図であ
る。
【図16】本発明の実施の形態の第3の例における半導
体振動ジャイロセンサの中央縦断面を示す断面図であっ
て、図19に示されたB−B線に沿って第3の例におけ
る半導体振動ジャイロセンサを切断した場合の断面図で
ある。
【図17】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
を構成する支持板部材及び錘部の全体斜視図である。
【図18】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の底板部材及び電極部の全体斜視図である。
【図19】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の電極部の平面図である。
【図20】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の電極部と第1乃至第4の錘との相対的な位置関係を示
す平面図である。
【図21】第1乃至第4の錘用第1のZ軸検出電極とダ
イアフラムとの間の静電容量及び第1乃至第4の錘用第
2のZ軸検出電極とダイアフラムとの間の静電容量によ
る電気的等価回路を示す回路図であり、図21(A)
は、第1乃至第4の錘用第1のZ軸検出電極とダイアフ
ラムとの間の静電容量による等価回路を、図21(B)
は、第1乃至第4の錘用第2のZ軸検出電極とダイアフ
ラムとの間の静電容量による等価回路を、それぞれ示す
回路図である。
【図22】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を780Hzとした場合のダイアフラ
ム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面図
である。
【図23】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を2019Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図24】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を2019Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きの他の例をXY平面において模式的に
示す平面図である。
【図25】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を2388Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図26】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
の励振信号周波数を3322Hzとした場合のダイアフ
ラム及び錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図27】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
に励振信号を印加し、Z軸を中心とした回転力が作用し
た場合の錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図28】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
に励振信号を印加し、X軸を中心とした回転力が作用し
た場合の錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図29】第3の例における半導体振動ジャイロセンサ
に励振信号を印加し、Y軸を中心とした回転力が作用し
た場合の錘の動きをXY平面において模式的に示す平面
図である。
【図30】本発明の実施の形態の第4の例における半導
体振動ジャイロセンサの電極の配置例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1…上板部材 2…枠体 3…錘部 4…支持板部材 5…電極部(第1の例) 5A…電極部(第3の例) 6…底板部材 10a…第1の錘 10b…第2の錘 10c…第3の錘 10d…第4の錘 12…ダイアフラム 16…ストッパ 19…第1の駆動電極 20…第2の駆動電極 21…第1の角速度用検出電極 22…第2の角速度用検出電極 23…加速度検出電極 30…駆動電極 31a…第1のX軸検出電極 31b…第2のX軸検出電極 32a…第1のY軸検出電極 32b…第2のY軸検出電極 33a…第1の錘用第1のZ軸検出電極 33b…第1の錘用第2のZ軸検出電極 33c…第1の錘用第3のZ軸検出電極 33d…第1の錘用第4のZ軸検出電極 34a…第2の錘用第1のZ軸検出電極 34b…第2の錘用第2のZ軸検出電極 34c…第2の錘用第3のZ軸検出電極 34d…第2の錘用第4のZ軸検出電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カイ ノットマイヤー 埼玉県東松山市箭弓町3−13−26 株式会 社ゼクセル東松山工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体部材から形成されたダイアフラム
    と、 前記ダイアフラムに対向して設けられ、所定の励振信号
    がそれぞれ印加される2つの駆動電極と、 前記ダイアフラムに対向して設けられ、前記ダイアフラ
    ムとの間の静電容量が検出される2つの角速度検出用電
    極と、 前記ダイアフラムの前記2つの駆動電極及び前記2つの
    角速度検出用電極との対向面と反対側の面上に設けられ
    た4つの錘とを具備してなり、 前記2つの駆動電極にそれぞれ励振信号が印加された状
    態において、前記ダイアフラムと前記2つの駆動電極及
    び前記2つの角速度検出用電極との対向方向に対して直
    交する方向に沿った軸を中心に回転力が作用した際にお
    ける前記2つの角速度用検出電極と前記ダイアフラムと
    の間に得られる静電容量の変化に基づいて角速度を計測
    可能としたことを特徴とする半導体振動ジャイロセン
    サ。
  2. 【請求項2】 矩形状に形成された加速度検出用の導電
    性部材からなる加速度検出電極と、 前記加速度検出電極の一辺と間隙を介して一辺が対向す
    るよう導電性部材により形成、配設され、第1の所定の
    励振信号が印加される第1の駆動電極と、 前記第1の駆動電極が対向する前記加速度検出電極の辺
    に対して対辺となる辺と間隙を介して一辺が対向するよ
    う導電性部材により形成、配設され、第2の所定の励振
    信号が印加される第2の駆動電極と、 前記加速度検出電極の他の2辺と間隙を介して一辺が対
    向するようそれぞれ配設された導電性部材からなる第1
    及び第2の角速度用検出電極とを具備してなる電極部
    と、 前記電極部と対向するよう設けられた半導体部材からな
    るダイアフラムと、 前記ダイアフラムの前記電極部との対向面と反対側の平
    面上に設けられた第1乃至第4の錘とを具備し、 前記第1乃至第4の錘は、前記加速度検出電極と対向す
    るダイアフラムの部位を囲むようにして、前記第1の錘
    は、前記第1の駆動電極と前記第1の角速度用検出電極
    とに跨って対向するような前記ダイアフラムの部位に、
    前記第2の錘は、前記第1の角速度用検出電極と前記第
    2の駆動電極とに跨って対向するような前記ダイアフラ
    ムの部位に、前記第3の錘は、前記第2の駆動電極と前
    記第2の角速度用検出電極に跨って対向するような前記
    ダイアフラムの部位に、前記第4の錘は、前記第2の角
    速度用検出電極と前記第1の駆動電極とに跨って対向す
    るような前記ダイアフラムの部位に、それぞれ配設され
    てなり、 前記第1及び第2の駆動電極にそれぞれ励振信号が印加
    された状態において、前記ダイアフラムと前記電極部と
    の対向方向に対して直交する方向に沿った軸を中心に回
    転力が作用した際における前記第1及び第2の角速度用
    検出電極と前記ダイアフラムとの間に得られる静電容量
    の変化に基づいて角速度を計測可能としたことを特徴と
    する半導体振動ジャイロセンサ。
  3. 【請求項3】 2つの励振信号は、同一周波数で、か
    つ、相互の位相差が略180度ある正弦波信号または繰
    り返しパルス信号であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の半導体振動ジャイロセンサ。
  4. 【請求項4】 半導体部材から形成されたダイアフラム
    と、 前記ダイアフラムに対向して設けられ、所定の励振信号
    が印加される駆動電極と、 前記駆動電極の周囲において所定の間隔を隔てて、前記
    ダイアフラムに対向するように配設された一組のX軸検
    出電極と、 前記駆動電極の周囲において所定の間隔を隔て、前記一
    組のX軸検出電極が配設された方向に対して直交する方
    向において前記ダイアフラムに対向するように配設され
    た一組のY軸検出電極と、 前記一組のX軸検出電極及び前記一組のY軸検出電極の
    各電極の一方の脇にそれぞれ配設された4つの第1のZ
    軸検出電極と、 前記一組のX軸検出電極及び前記一組のY軸検出電極の
    各電極の前記第1のZ軸検出電極が配設されたと反対側
    の前記各電極の脇にそれぞれ配設された4つの第2のZ
    軸検出電極と、 前記ダイアフラムの前記駆動電極、前記一組のX軸検出
    電極、前記一組のY軸検出電極、前記4つの第1のZ軸
    検出電極及び前記4つの第2のZ軸検出電極との対向面
    と反対側の面上に配設された4つの錘とを具備してな
    り、 前記駆動電極に励振信号が印加された状態において、 前記一組のY軸検出電極が配設された方向に沿った第1
    の軸を中心とする回転力が作用した場合に、前記一組の
    X軸検出電極と前記ダイアフラムとの間の静電容量の変
    化量に基づいて前記第1の軸を中心として作用した角速
    度の計測を可能とし、 前記一組のX軸検出電極が配設された方向に沿った第2
    の軸を中心とする回転力が作用した場合に、前記一組の
    Y軸検出電極と前記ダイアフラムとの間の静電容量の変
    化量に基づいて前記第2の軸を中心として作用した角速
    度の計測を可能とし、 前記ダイアフラムを含む面に直交する方向に沿った第3
    の軸を中心とする回転力が作用した場合に、前記ダイア
    フラムと前記4つの第1のZ軸検出検出電極との間の静
    電容量と、前記ダイアフラムと前記4つの第2のZ軸検
    出電極との間の静電容量との変化量に基づいて前記第3
    の軸を中心として作用した角速度の計測を可能としたこ
    とを特徴とする半導体振動ジャイロセンサ。
  5. 【請求項5】 4つの錘は、一組のX軸検出電極に対向
    するダイアフラムののそれぞれの部位に対応するそれぞ
    れの位置に、一組のY軸検出電極に対向するダイアフラ
    ムのそれぞれの部位に対応するそれぞれの位置に、それ
    ぞれ配設されたことを特徴とする請求項4記載の半導体
    振動ジャイロセンサ。
  6. 【請求項6】 励振信号は、正弦波信号または繰り返し
    パルス信号であって、その周波数は、4つの錘に囲まれ
    たダイアフラムの部位が駆動電極と離間する方向へ変位
    した際に、前記4つの錘のそれぞれ四方への振れが生ず
    るときのものであることを特徴とする請求項5記載の半
    導体振動ジャイロセンサ。
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