JPH11219187A - 吸音材及びその製造方法、並びに防音構造 - Google Patents

吸音材及びその製造方法、並びに防音構造

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JPH11219187A
JPH11219187A JP10144620A JP14462098A JPH11219187A JP H11219187 A JPH11219187 A JP H11219187A JP 10144620 A JP10144620 A JP 10144620A JP 14462098 A JP14462098 A JP 14462098A JP H11219187 A JPH11219187 A JP H11219187A
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晃一 野上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な吸音特性を示し、粉体の脱落や偏り等
による吸音特性の性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄
型で従来の多孔質材料と同等の加工性を備えた吸音材を
提供する。 【解決手段】 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が
基材内に含浸形成されて成る粉体層形成シートAと、多
孔質材料3とを積層して吸音材Bを作製する。粉体をバ
インダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減した粉体層を
粉体層形成シートに形成することができると共に、粉体
の振動による低周波数域における吸音特性が高い粉体層
を粉体層形成シートAに形成することができ、多孔質材
料3による吸音性能に加えて低周波数域における吸音特
性を向上させた吸音材Bを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、自動車の騒
音低減を図るための吸音材およびその製造方法に関し、
中でもエンジンルーム内の騒音を低減させるのに用いる
のに適した吸音材に関するものであり、さらに、リスニ
ングルームや楽器練習室等の音響処理や、空調ダクト内
を伝搬する騒音の低減等のためや、ボールミル、ポット
ミル等の粉砕機、エアコンや冷蔵庫等のコンプレッサー
を内臓する電気機器、コピー機やFAX、プリンター等
のOA機器等の機械装置の騒音低減、また壁・天井等の
二重壁構造の二重壁間に充填して遮音効果を高める為な
どに使用される吸音材およびその製造方法、並びに防音
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】吸音材は、自動車のエンジン騒音を低減
させるためのフードサイレンサー、エンジンアンダーカ
バー、ダッシュパネルサイレンサーや、室内の音響特性
が問題になるリスニングルームや楽器練習室等において
室内残響特性や反射特性等を制御する内装材や、遮音性
能が要求される部屋の二重壁構造に形成した壁や天井に
充填される充填材や、空調ダクトや吸音ダクトの内側に
貼って騒音の伝搬を防ぐ内張り材や、騒音を発生する機
器の防音カバーの内側に貼る内張り材等として使用され
ている。
【0003】このような用途に使用される吸音材として
は、グラスウール、ロックウール、発泡ポリウレタン、
フェルト、不織布等の多孔質吸音材が従来から主として
使用されている。これらの多孔質吸音材は内部に連通し
た複雑な形状の空隙を有するために、空隙内に音波が入
射すると、空隙内を伝播する途中でファイバーの表面や
ウレタン気泡壁面との間で粘性摩擦等が生じ、音波エネ
ルギーが熱エネルギーに変換される事で、多孔質材料内
に吸収されて吸音がなされるのである。
【0004】しかし、一般に多孔質材料の吸音率は、周
波数が高くなるほど吸音率も高くなるというように周波
数に対して右肩上がりの特性を示し、低周波数域では充
分な吸音率を得ることができない。多孔質吸音材自身の
厚みを大きくしたり、多孔質吸音材の音入射面の背後に
十分な厚みの空気層(背後空気層という)を確保する等
すれば、低周波数域の吸音率を高くすることが可能であ
るが、吸音材自体が非常に嵩高になり、また背後空気層
を合わせた吸音材の厚みが非常に厚くなり、例えば、自
動車のエンジンルーム内に使用する場合には非常にスペ
ースが限られているために使用できなくなったり、ま
た、部屋の内装材として使用する場合には部屋が狭くな
る等の問題が生じ、ダクトの内張りとして使用する場合
には空気の通路が狭くなる等の問題が生じる。
【0005】またこれらの多孔質吸音材を用いて、限ら
れた厚みの中で、その吸音特性の向上を図ることは難し
く、従来の方法では多孔質吸音材の密度アップ等によっ
て対応することが必要になり、吸音材の重量増加につな
がってしまうものであった。
【0006】一方、厚みが薄くても低周波数域で優れた
吸音性能を有する吸音材として、シリカ粉体等の粉体層
から形成したものが提供されている。この吸音材では、
粉体層に音が入射すると粉体粒子が振動し、音波エネル
ギーがこの振動に変換されて吸音作用が発現するもので
ある。
【0007】しかし、この粉体を材料とする吸音材は、
粉体の振動、すなわち音エネルギーによる粉体の共振を
利用することから吸音できる周波数域が非常に狭くな
る。また、このような吸音材を実際に用いる場合、例え
ば箱状の容器中に粉体を充填して粉体層を形成し、音波
透過性が良好なフィルム等で蓋をすることによって形成
することができるが、使用の態様によっては、当初、容
器に均一に充填されていた粉体が、使用過程で徐々に移
動して偏ってしまい、吸音性能が変化するおそれがある
という問題がある。
【0008】そこで、グラスウールやロックウール等の
非常に目の粗い多孔質材料の空隙に粉体を充填して保持
させることによって吸音材を形成することが提案されて
いる。しかしこの場合も、当初は粉体を多孔質材料の空
隙に均一に充填してあっても、使用過程で粉体が徐々に
移動して偏り、吸音性能が変化するという問題を解消す
ることはできない。またこのものにあって、グラスウー
ルやロックウール等の繊維で形成される多孔質材料の空
隙に粉体を充填する作業は、多孔質材料に粉体を散布し
て加振し、繊維間の空隙に粉体を沈めるようにして行な
われているが、この方法では粉体が空気中に舞い上が
り、作業環境の悪化や作業効率の低下を招くという問題
がある。
【0009】さらに、このような多孔質材料の空隙に粉
体を充填した吸音材を加工する場合、例えば所望の寸法
にカットする場合、多孔質材料の切断面から粉体が漏れ
出ることになり、通常の吸音材を切断する方法、例えば
発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織
布、フェルト等を切断するときのような、カッターナイ
フやはさみ等を用いた簡単な切断を実施することはでき
ず、粉体の漏れ防止対策を施さなければならない。
【0010】さらに特開平5−323973号公報、特
開平6−110468号公報、特開平6−158748
号公報等に、粉体層と繊維シートを交互に積層した構造
の吸音材が提供されている。しかしこのものでも粉体層
の粉体はフリーな状態のままであり、粉体の移動による
問題は解決されていない。
【0011】これらに対して、特開平8−39596号
公報では、繊維の空隙に発泡性バインダー樹脂を介在さ
せ、この発泡性バインダー樹脂で粉体を保持するように
した吸音材が提供されている。しかしこのものでは、発
泡性バインダー樹脂が繊維中に均一に分散されなければ
粉体の保持効果を十分に得ることができず、繊維と粉体
と発泡バインダー樹脂の三者を同時に均一に分散させる
ことは製造上非常に煩雑になるものであり、また吸音材
中に占める粉体の割合が発泡性バインダー樹脂によって
小さくなって、粉体による低周波数域での吸音特性に悪
影響を及ぼすおそれがあるという問題もあった。
【0012】また、上記のような粉体を用いた吸音材で
は、低周波数域の吸音率の向上を図ることができるもの
の、逆に高周波数域での吸音率が低下してしまうことに
なり、特に人間の聴覚が敏感な1000〜2000Hz
前後の周波数での吸音率が低くなるという問題があっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、良好な吸音特性を示し、粉体
の脱落や偏り等による吸音特性の性能劣化を生じず、さ
らに、軽量、薄型で従来の多孔質材料と同等の加工性を
備えた吸音材及びその製造方法並びに防音構造を提供す
ることを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
吸音材は、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が基材
内に含浸形成されて成る粉体層形成シートと、多孔質材
料とが積層されて成ることを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項2に係る吸音材は、粉体と
バインダー樹脂からなる粉体層が基材の表面に塗工形成
されて成る粉体層形成シートと、多孔質材料とが積層さ
れて成ることを特徴とするものである。
【0016】また請求項3の発明は、上記基材は、発泡
ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、フェル
ト、不織布、織布、フィルムから選ばれるものであるこ
とを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項4に係る吸音材は、粉体と
バインダー樹脂からなる粉体層が押出成形で形成されて
成る粉体層形成シート、と多孔質材料とが積層されて成
ることを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項5に係る吸音材は、多孔質
材料の膜を形成した表面に、粉体とバインダー樹脂から
なる粉体層が積層されて成ることを特徴とするものであ
る。
【0019】また請求項6の発明は、上記の多孔質材料
の表面の膜は、多孔質材料の表面を緻密化する成形によ
って形成されたものであることを特徴とするものであ
る。
【0020】また請求項7の発明は、上記の多孔質材料
の表面の膜は、多孔質材料にシートを貼り付けて形成さ
れたものであることを特徴とするものである。
【0021】また請求項8の発明は、上記の多孔質材料
の表面の膜は、多孔質材料にフレームラミネートでシー
トを貼り付けて形成されたものであることを特徴とする
ものである。
【0022】また請求項9の発明は、フレームラミネー
トでシートを貼り付ける上記の多孔質材料は、難燃性ポ
リウレタンであることを特徴とするものである。
【0023】また請求項10の発明は、フレームラミネ
ートで多孔質材料に貼り付ける上記のシートは、難燃性
不織布であることを特徴とするものである。
【0024】また請求項11の発明は、多孔質材料の表
面に貼け付ける上記のシートは、発泡ポリウレタン、グ
ラスウール、ロックウール、フィルム、フェルト、不織
布、織布から選ばれるものであることを特徴とするもの
である。
【0025】また請求項12の発明は、粉体とバインダ
ー樹脂からなる粉体層は、粉体100重量部に対してバ
インダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部含有するも
のであることを特徴とするものである。
【0026】また請求項13の発明は、粉体の粒径が
0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜1.5g/c
3のものであることを特徴とするものである。
【0027】また請求項14の発明は、粉体が無機粉体
であることを特徴とするものである。
【0028】また請求項15の発明は、粉体は、タル
ク、炭酸カルシウム、シラスバルーン、水酸化アルミニ
ウムから選ばれる少なくとも一つのものであることを特
徴とするものである。
【0029】また請求項16の発明は、バインダー樹脂
は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニルから選ばれる少なくとも一つのも
のであることを特徴とするものである。
【0030】また請求項17の発明は、多孔質材料は連
続気孔を有するものであることを特徴とするものであ
る。
【0031】また請求項18の発明は、連続気孔を有す
る多孔質材料は、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロ
ックウール、不織布、フェルトから選ばれるものである
ことを特徴とするものである。
【0032】また請求項19の発明は、粉体とバインダ
ー樹脂からなる粉体層の塗工目付け量を変化させること
で、吸音特性が調整可能であることを特徴とするもので
ある。
【0033】また請求項20の発明は、粉体層は粉体と
バインダー樹脂との合計の単位面積当たりの重量が0.
01〜3kg/m2であることを特徴とするものであ
る。
【0034】本発明の請求項21に係る吸音材の製造方
法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この混合溶液を基材に含浸させて
粉体層形成シートを作製し、この粉体層形成シートと多
孔質材料を積層することを特徴とするものである。
【0035】本発明の請求項22に係る吸音材の製造方
法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この混合溶液を基材の表面に塗工
して粉体層形成シートを作製し、この粉体層形成シート
と多孔質材料を積層することを特徴とするものである。
【0036】本発明の請求項23に係る吸音材の製造方
法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この混合溶液を押出成形して粉体
層形成シートを作製し、この粉体層形成シートと多孔質
材料を積層することを特徴とするものである。
【0037】また請求項24の発明は、上記の粉体層形
成シートを多孔質材料と重ね、これを加熱・加圧して積
層一体化することを特徴とするものである。
【0038】また請求項25の発明は、上記の粉体層形
成シートを、バインダー層を介して多孔質材料と積層一
体化することを特徴とするものである。
【0039】また請求項26の発明は、粉体を100重
量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部、
溶媒を20〜300重量部配合して混合溶液を調製し、
この混合溶液を多孔質材料の表面に形成した膜の表面に
塗工することを特徴とするものである。
【0040】本発明の請求項27に係る防音構造は、密
閉された筐体の内側に音源を有する機器において、筐体
の内面に上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とす
るものである。
【0041】本発明の請求項28に係る防音構造は、フ
ァンを内臓し、吸排気口を有する機器において、吸排気
口の内壁面に上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴
とするものである。
【0042】本発明の請求項29に係る防音構造は、筐
体内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部を有する機器
において、騒音発生源に対向する筐体の内面に上記の吸
音材を貼り付けて成ることを特徴とするものである。
【0043】本発明の請求項30に係る防音構造は、機
械装置の周囲に設置された防音パネルにおいて、防音パ
ネルに上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする
ものである。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0045】本発明において粉体としては、例えば金マ
イカ、シリカ、アクリル樹脂、タルク、珪酸カルシウ
ム、フッ素樹脂、パーライト、シラスバルーン、溶融シ
リカ、黒鉛、結晶セルロース、炭化ケイ素、珪藻土、ナ
イロン、ポリエステル、炭素繊維、二酸化チタン、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ポリ塩化
ビニル、ポリメタクリル酸メチル、バリウムフェライ
ト、シリコーン樹脂等の無機材料や有機材料からなるも
のを用いることができるものである。
【0046】粉体としてはこれらの中から任意の一つ以
上のものを選択して使用することができるが、中でも、
タルクやシラスバルーンや炭酸カルシウムや水酸化アル
ミニウムの粉末を用いるのが好ましい。タルク粉末や炭
酸カルシウム粉末は特に低周波数域の吸音特性を高める
効果が高く、シラスバルーン粉末は低周波数域の吸音率
は同じ条件下ではタルク粉末より劣るが、中高音域での
広い範囲において優れた吸音特性を有するものであり、
また水酸化アルミニウムを用いることで、良好な吸音特
性を維持しながら難燃性も向上するものである。タルク
粉末やシラスバルーン粉末や水酸化アルミニウム粉末は
比較的安価であり、炭酸カルシウムはさらに安価であ
り、コストダウンにも役立つ。タルク粉末とシラスバル
ーン粉末と炭酸カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉
末は、こられのうち一つのみを用いるようにしても、二
つ以上を併用してもいずれでもよい。
【0047】また、粉体としては、粒径が0.1〜10
00μmの範囲であって、嵩密度が0.1〜1.5g/
cm3の範囲のものを用いるのが、低周波数域での優れ
た吸音特性を有する粉体層を形成するうえで好ましい。
すなわち、粒径が0.1μm未満の粉体は実用上使用が
困難であり、逆に粒径が1000μmを超えると、粉体
による吸音効果が得られ難くなる。また嵩密度が0.1
g/cm3未満のものは、嵩高くなるので薄型化が困難
になり、逆に嵩密度が1.5g/cm3を超えると、粉
体による吸音効果が得られ難くなる。
【0048】また本発明においてバインダー樹脂として
は、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル等を使用することができるが、有
機溶媒の排出を抑制する、あるいは作業環境等の観点か
ら水溶性の樹脂、例えば水溶性のフェノール樹脂、アク
リル樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリ酢
酸ビニルを用いることが特に望ましい。特にフェノール
樹脂は熱硬化性樹脂であることから、耐熱性の良好な粉
体層を形成することができ、またフェノール樹脂やアク
リル樹脂は硬化後は水に不溶であるので、耐水性の良い
粉体層を形成することが可能になり、さらにポリビニル
アルコールやポリ酢酸ビニルは無機系の粉体との親和性
が良く、より低コストに粉体層を形成することができる
ものである。これらのバインダー樹脂は、一種を単独で
用いる他、二種以上を併用することもできる。
【0049】そして、粉体100重量部に、バインダー
樹脂を固形分(すなわち樹脂分)で0.5〜40重量
部、溶媒を20〜300重量部配合し、さらに必要に応
じて湿潤剤、分散剤、増粘剤、防錆剤、防腐剤、消泡剤
などの添加剤を配合して混合することによって、混合溶
液を調製することができる。溶媒としては、バインダー
樹脂が水溶性の場合、水を用いることができる。
【0050】例えば、溶媒として水を用い、粉体の分散
性や、溶媒あるいは多孔質材料との親和性を高めるため
に、湿潤剤、分散剤を必要量添加し、また場合によって
は消泡剤を添加して混合し、このようにして得られた溶
液中に、バインダー樹脂としてフェノール樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等を混
合し、さらにタルク、炭酸カルシウム、シラスバルー
ン、水酸化アルミニウム等の粉体を添加混合することに
よって、混合溶液を得ることができる。溶液中へのバイ
ンダー樹脂と粉体の添加は、先にバインダー樹脂を添加
して混合した後に粉体を添加して混合する他に、逆に先
に粉体を添加して混合した後にバインダー樹脂を添加し
て混合するようにしてもよい。
【0051】ここで、溶媒の量が粉体100重量部に対
して20重量部未満であると、混合溶液の粘度が高くな
って含浸や塗工等の作業性が低下し、逆に溶媒の量が3
00重量部を超えると、混合溶液の粘性の低下から、粉
体の沈降を招き易くなる。
【0052】そしてこの混合溶液を、発泡ポリウレタ
ン、難燃性発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウ
ール、不織布、織布などの空隙を有する多孔質のシート
状の基材1に含浸させて乾燥することによって、図2
(a)のような、基材1内に粉体2aと樹脂2bからな
る粉体層2が含浸形成された粉体層形成シートAを作製
することができるものであり、粉体2aが樹脂2bによ
って粉体層2に保持され、また基材1内に保持された粉
体層形成シートAを得ることができるものである。例え
ば、混合溶液をバット等に溜めたところへ基材1を浸漬
し、基材1中に混合溶液を浸透させることによって、基
材1に混合溶液を含浸させることができる。
【0053】また、上記の混合溶液を、不織布、織布、
フィルムなどの基材1の表面に塗工して乾燥することに
よって、図2(b)のような、基材1の表面に粉体2a
と樹脂2bからなる粉体層2が塗着された粉体層形成シ
ートAを作製することができるものであり、粉体2aが
樹脂2bによって粉体層2に保持されると共に基材1の
表面に保持された粉体層形成シートAを得ることができ
るものである。例えば、基材1の表面に混合溶液をフロ
ーコーターやロールコーター、ナイフコーター、ヘラ、
刷毛、スクリーン印刷機、スプレー等を用いて塗布する
ことによって、基材1の表面に混合溶液を塗工すること
ができる。
【0054】さらに、粘度調整した上記の混合溶液を、
押出成形機を用いて押出成形することによって、図2
(c)のような、粉体2aと樹脂2bからなる粉体層2
で形成される粉体層形成シートAを作製することができ
るものであり、粉体2aが樹脂2bによって保持された
粉体層形成シートAを得ることができるものである。こ
の押出成形に用いる混合溶液の溶媒の量は、上記の20
〜300重量部の範囲の中でも、粘度調整のためには4
0〜90重量部の範囲が好ましい。
【0055】また、上記のようにして作製された粉体層
形成シートAを多孔質材料3と積層することによって、
図1(a)に示すような吸音材Bを得ることができる。
この多孔質材料3としては気泡や繊維間の間隙など内部
に多数の空隙を有するものであり、空隙が連続気孔とし
て形成されたものが好ましい。この連続気孔を有する多
孔質材料3としては、発泡ポリウレタン、グラスウー
ル、ロックウール、不織布、フェルトなどを用いること
ができる。
【0056】粉体層形成シートAを多孔質材料3と積層
して吸音材Bを製造するにあたっては、粉体層形成シー
トAを多孔質材料3に重ね、これを加熱・加圧すること
によって、粉体層形成シートAに含まれるバインダー樹
脂で粉体層形成シートAを多孔質材料3に接着して、成
形一体化するようにすることができる。
【0057】あるいは、粉体層形成シートAの少なくと
も片側の表面に接着剤層などのバインダー層を設けてお
き、このバインダー層を介して粉体層形成シートAを多
孔質材料3に一体化して、粉体層形成シートAを多孔質
材料3と積層した吸音材Bを製造するようにすることも
できる。
【0058】吸音材Bの表面性状が問題となる場合など
には、紙や樹脂フィルム、不織布等の表面材を粉体層形
成シートAの表面に重ね、粉体2aを保持するためのバ
インダー樹脂2bを利用して表面材を粉体層形成シート
Aに接着するようにしてもよい。このときバインダー樹
脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、表面材を粉体層
形成シートAの表面に重ねた後に熱プレス等することに
よって、バインダー樹脂を硬化させると同時に表面材を
粉体層形成シートAに接着することができる。勿論、粉
体層形成シートAを乾燥した後に、接着剤等で表面材を
貼り付けるようにしてもよい。
【0059】ここで、粉体層形成シートAの粉体層2に
含まれる粉体2aの単位面積当たりの重量が0.01〜
3kg/m2になるように、粉体層2を形成するのが好
ましく、粉体層2における低周波数域の吸音特性を良好
にすることが可能になるものである。粉体層2に含まれ
る粉体2aの単位面積当たりの重量が0.01kg/m
2未満の粉体層2では、吸音材Bの吸音特性は多孔質材
料3の吸音特性に近くなり、低周波数域の吸音特性を高
く得ることができない。逆に粉体2aの単位面積当たり
の重量が3kg/m2を超えると、吸音材Bの軽量化を
達成することができなくなり、またこれ以上では粉体層
2の形成が事実上困難になる。
【0060】また粉体層形成シートAの粉体層2の厚み
については、使用する粉体2aの嵩密度や単位面積当た
りの重量等に応じて変動するが、できるだけ粉体層2内
で粉体2aが密に詰まっている厚みになるようにするの
がより望ましい。例えば、嵩密度1.0g/cm3の粉
体2aを1kg/m2で塗工した場合、粉体層2の厚さ
tは、t=1000g/(100cm×100cm×
1.0g/cm3)=0.1cmとなり、1mm程度が
望ましい。
【0061】これは粉体2aが極端に広範囲に分散して
しまうと、空隙部分の比率が高くなり過ぎ、吸音特性が
多孔質材料3の吸音特性に近くなり、低周波数域の吸音
特性を高く得ることができなくなるからである。
【0062】ここで、粉体層2の塗工目付け量、すなわ
ち、基材1に混合溶液を塗布して粉体層2を形成する場
合にはその塗布厚み、基材1に混合溶液を含浸して粉体
層2を形成する場合にはその含浸厚み、混合溶液を押出
成形して粉体層2を形成する場合にはその押出厚みを変
化させることによって、この粉体層2を積層した吸音材
Bの吸音特性を調整することが可能である。つまり、粉
体層2の塗工目付け量を変えることによって吸音周波数
域を変えることができるものであり、希望する周波数に
応じた塗工目付け量で粉体層2を形成することによっ
て、希望する周波数の音を吸音させるようにすることが
できるものである。
【0063】また、多孔質材料3の表面に膜4を設け、
この膜4の表面に粉体2aとバインダー樹脂2bからな
る粉体層2を積層することによって、図1(b)のよう
な吸音材Bを製造することができる。
【0064】この膜4は多孔質材料3よりも緻密な層と
して形成することが好ましく、多孔質材料3を成形して
多孔質材料3の表面を緻密化することによって膜4を形
成するようにすることができる。例えば、合成繊維のフ
ェルトで作製される多孔質材料3の表面を合成繊維の融
点以上の温度で加熱しながら加圧することによって、多
孔質材料3の表面部を部分的に溶融させて押し潰すこと
によって、多孔質材料3の表面部を高密度層にして膜4
を形成することができる。そしてこの膜4の表面に上記
の混合溶液をスプレー、刷毛塗り、ロールコーター等で
塗工することによって、図2(d)のような吸音材Bを
得ることができるものである。
【0065】膜4は、多孔質材料3の表面に発泡ポリウ
レタン、グラウスール、ロックウール、フィルム、フェ
ルト、不織布、織布などシートを貼り付けることによっ
て形成することもできる。そしてこの膜4の表面に上記
の混合溶液をスプレー、刷毛塗り、ロールコーターやフ
ローコーター等で塗工することによって、吸音材Bを得
ることができるものである。
【0066】さらにこのように多孔質材料3の表面にシ
ートを貼って膜4を形成するにあたって、フレームラミ
ネートでシートを貼り付けるようにすることができる。
フレームラミネートは接着剤を用いて多孔質材料3の表
面にシートを貼るのではなく、多孔質材料3の表面をバ
ーナーの炎(フレーム)で熔かし、この熔かした多孔質
材料3の表面にシートを貼り付ける方法である。例え
ば、図3に示すように、長尺の多孔質材料3をラミネー
トロール20に通す直前にバーナー22の炎で熔かすと
共に、長尺のシート21をラミネートロール20に通す
ことによって、多孔質材料3の熔かした表面にシート2
1を貼り付けることができるものである。
【0067】このように、フレームラミネートで多孔質
材料3にシート21を貼り付けて膜4を形成するように
することによって、多孔質材料3と膜4との間に接着剤
層が介在することがなくなり、接着剤層によって難燃性
が低下することを防ぐことができるものである。このと
き、多孔質材料3として難燃性発泡ポリウレタンを用い
ることによって、またシート21として難燃性不織布を
用いることによって、難燃性を一層高めることができる
ものである。難燃性発泡ポリウレタンとしては、例え
ば、リン系難燃剤を添加して発泡ポリウレタンを難燃化
したものを用いることができる。また難燃性不織布とし
ては、例えば、リン系難燃剤を添加したポリエステル不
織布を用いることができる。
【0068】粉体層2の厚みについては、使用する粉体
2aの嵩密度や単位面積当たりの量によって変動する
が、粉体2aの嵩密度から予測あるいは計算上導かれる
厚さに近い状態が、つまり粉体層2内で粉体2aができ
るだけ密に詰まっている厚みになるようにするのが好ま
しい。これは、粉体2aが極端に広範囲に分散してしま
うと、粉体2a間の空隙部分の比率が高くなり過ぎるた
めに通常の多孔質材に近づき、低周波数域での良好な吸
音特性が得にくくなるためである。
【0069】また、吸音材Bの表面性状が問題になる場
合等においては、紙、樹脂フィルム、不織布などの表面
材を粉体層2の表面に貼付することができる。表面材を
貼付するにあたっては、多孔質材料3の表面に混合溶液
を塗工した後、表面材をこの上に重ね、そして加熱プレ
スを行なうことによって、バインダー樹脂2bを利用し
て表面材の接着を同時に行なうようにすることができ
る。勿論、粉体層2を形成した吸音材Bに接着剤等によ
って表面材を貼付するようにすることもできる。このよ
うに吸音材Bに表面材を貼付するにあたって、表面材の
材料によって吸音特性が影響を受けることを考慮する必
要がある。すなわち、表面材としてフィルムを用いた場
合、その厚みによっては音が透過し難くなることで、フ
ィルム自身の膜振動が顕著に現れ、そのピーク周波数以
外での吸音率の低下を招く場合があり、特に高周波数域
においてその影響が顕著に現れることがある。
【0070】上記のように作製される図1(a)(b)
の各吸音材Bにあって、粉体層2はバインダー樹脂2b
によって基材1、膜4、多孔質材料3に固着していると
共に粉体2aはこのバインダー樹脂2bによって粉体層
2に固着しているものであり、粉体2aは基材1や膜4
を介して、あるいは直接に、多孔質材料3に強固に固着
されている。このために、分散させる粉体2aを多孔質
材料1に確実に保持しながら、粉体100重量部に対し
てバインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部とバイ
ンダー量を非常に少なくすることができるものであり
(通常の塗料ではバインダー樹脂は43重量部程度以上
が配合される)、粉体層2の膜振動、粉体2aの振動な
らびに粉体2a同士の摩擦、粉体2aとバインダー樹脂
2bとの摩擦によって、また粉体層2により形成される
稠密な空隙での空気振動(音)による空隙内壁面等の粘
性摩擦によって、音のエネルギーを振動エネルギーに、
さらに熱のエネルギーに変換させることによる吸音特性
を有効に発現させることができるものである。また、粉
体2aは粉体層2として多孔質材料1に保持されている
ために、粉体2aが移動したり流出したりすることがな
くなり、吸音性能が変化するようなことを防ぐことがで
きると共に、吸音材Bを任意の寸法に切断しても、切断
面からの粉体2aの脱落を最小限にとどめることができ
るものである。
【0071】ここで、バインダー樹脂2bの固形分が粉
体100重量部に対して0.5重量部未満であると、粉
体2aを基材1や膜4あるいは多孔質材料3に保持する
性能が低下して、粉体層2が形成されたときに粉体2a
の脱落が生じ易くなり、逆にバインダー樹脂2bの固形
分が粉体100重量部に対して40重量部を超えると、
粉体2aの振動による吸音効果が阻害され、特に低周波
数域の吸音特性が低下するものである。
【0072】そして上記のようにして作製される吸音材
Bは、例えば家屋の壁面や天井面に貼って使用すること
ができるものであり、このように壁面や天井面に吸音材
Bを貼り付けることによって、壁面や天井面に吸音性能
を付与することができるものである。ここで、吸音材B
を貼り付ける面は、その種類や材質を問うものではな
く、例えば段ボール等のクラフト紙やハニカム構造体の
表面に貼着することなどが考えられる。また多孔質の成
形品の表面に吸音のための粉体層2を設けたいときに
は、粉体層形成シートAを金型にセットして成形するこ
とによって、成形と同時に成形品の表面に粉体層形成シ
ートAを積層して粉体層2を設けることができる。
【0073】図4は上記のように作製される吸音材Bを
用いた防音構造の一例を示すものであり(請求項2
7)、遊星ボールミルが例示してある。そして遊星ボー
ルミルの音源となるポット12が密閉された筐体5で囲
まれるようにしてあり、この筐体5の内面のポット12
の側の面に上記の防音材Bが全面に亘って貼り付けてあ
る。このように密閉された筐体5の内側に音源を有する
機器において、筐体5の内側に吸音材Bを貼ることによ
って、音源からの騒音を吸音材Bで吸音して、筐体5内
の密閉空間での音エネルギーを減衰させることができ、
騒音が筐体5の外側へ漏れることを低減することができ
るものである。
【0074】図5(a)は上記のように作製される吸音
材Bを用いた防音構造の他の一例を示すものであり(請
求項28)、筐体5内にファン6を内臓し、筐体5の一
端と他端にそれぞれ吸排気口7を設けた送風機が例示し
てある。そして空気が排気される一方の吸排気口7の内
壁面に上記の防音材Bが全面に亘って貼り付けてある。
このようにファン6を内臓し、吸排気口7を有する機器
において、吸排気口7の内壁面に吸音材Bを貼り付ける
ことによって、吸排気口7の内壁で反射する音を吸音材
Bで吸音することができ、吸排気口7を通じて出る騒音
を低減することができるものである。図5(b)は空気
清浄機の例を示すものであり、前面に吸気用の吸排気口
7が、上面に排気用の吸排気口7がそれぞれ設けてあ
り、排気用の吸排気口7の内壁面に吸音材Bが貼り付け
てある。
【0075】図6は上記のように作製される吸音材Bを
用いた防音構造の他の一例を示すものであり(請求項2
9)、筐体5内に騒音発生源となるコンプレッサー13
を設け、コンプレッサー13の熱を排熱するための開口
部8を有する冷却装置が例示してある。そして図6
(b)のようにコンプレッサー13を収容する筐体5内
において筐体5のコンプレッサー13に対向する内面に
上記の防音材Bが貼り付けてある。このように、筐体5
内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部8を有する機器
において、騒音発生源に対向する筐体5の内面に吸音材
Bを貼り付けることによって、騒音を吸音材Bで吸収し
て筐体5の内面で反射することを防ぐことができ、開口
部8から出る騒音を低減することができるものである。
【0076】図7は上記のように作製される吸音材Bを
用いた防音構造の他の一例を示すものであり(請求項3
0)、ポットミルなどの機械装置9の周囲に防音パネル
10が衝立として床配置してある。そしてこの防音パネ
ル10の機械装置9側の面に上記の吸音材Bが貼り付け
てある。このように、機械装置9の周囲に設置された防
音パネル10において、防音パネル10に吸音材Bを貼
り付けることによって、機械装置9の騒音を吸音材Bで
吸収して防音パネル10の表面で反射することを防ぐこ
とができ、機械装置9の周辺での騒音を低減することが
できるものである。
【0077】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0078】(実施例1)タルク粉末(嵩密度0.4g
/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、ポリビニ
ルアルコールとポリ酢酸ビニルを主成分とするバインダ
ー樹脂(ヤマト(株)製液状糊「アラビックヤマト」:
ポリビニルアルコール固形分11重量%、ポリ酢酸ビニ
ル固形分2重量%、水82〜84重量%、残りは香料と
防腐剤)を2重量部、及び水を9重量部配合し、これを
撹拌混合することによって、混合溶液を調製した。
【0079】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にタルク
粉末の重量換算で1kg/m2 となる量の混合溶液を含
浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥する
ことによって、図2(a)のような粉体層形成シートを
作製した。
【0080】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0081】(実施例2)実施例1と同様にして図2
(a)のような粉体層形成シートを作製し、この粉体層
形成シートの片面に接着剤(バインダー樹脂と同成分の
ヤマト(株)製液状糊「アラビックヤマト」)を塗工し
た。そして実施例1と同じ多孔質材料にこの粉体層形成
シートを接着剤層で接着することによって、図1(a)
のような吸音材を作製した。
【0082】(実施例3)実施例1と同様にして混合溶
液を調製した。そしてポリエステル不織布(ユニチカ社
製「エルベス」、目付け50g/m2)を基材として用
い、基材の表面にタルク粉末の重量換算で1kg/m2
となるように混合溶液をロールコーターによって塗工
し、これを乾燥機により80℃で1時間乾燥することに
よって、図2(b)のような粉体層形成シートを作製し
た。
【0083】さらに実施例1と同じ多孔質材料にこの粉
体層形成シートを重ね、150℃、50g/cm2の条
件で加熱・加圧することによって、図1(a)のような
吸音材を作製した。
【0084】(実施例4)タルク粉末(嵩密度0.4g
/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、ポリビニ
ルアルコールを主成分とするバインダー樹脂溶液(中央
理化工業(株)製「GH−17」:ポリビニルアルコー
ル固形分10重量%、水90重量%)を3重量部、及び
水を8重量部配合し、さらに湿潤剤(サンノプコ社製
「ノプコウェット50」)を0.1重量部、消泡剤(旭
電化社製「アデカネートB−940」)を0.05重量
部配合し、これを撹拌混合することによって、混合溶液
を調製した。
【0085】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にタルク
粉末の重量換算で1kg/m2となる量の混合溶液を含
浸させ、これを乾燥機により80℃で1時間乾燥するこ
とによって、図2(a)のような粉体層形成シートを作
製した。
【0086】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0087】(実施例5)実施例1と同様にして混合溶
液を調製した。そして連続気泡を有する発泡ポリウレタ
ン(密度16kg/m3、厚さ3mm)を基材として用
い、基材の表面にタルク粉末の重量換算で1kg/m2
となるように混合溶液をスプレーして塗工し、約5分放
置して混合溶液が基材の内部に浸透した後、乾燥機によ
り80℃で約1時間乾燥することによって、図2(a)
のような粉体層形成シートを作製した。
【0088】さらに実施例4と同じ多孔質材料にこの粉
体層形成シートを重ね、150℃、50g/cm2の条
件で加熱・加圧することによって、図1(a)のような
吸音材を作製した。
【0089】(実施例6)シラスバルーン粉末(嵩密度
0.26g/cm3、平均粒径220μm)を5重量
部、実施例4と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水
を8重量部、実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ
0.1重量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合
することによって、混合溶液を調製した。
【0090】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にシラス
バルーン粉末の重量換算で0.5kg/m2となる量の
混合溶液を含浸させ、これを乾燥機により80℃で約1
時間乾燥することによって、図2(a)のような粉体層
形成シートを作製した。
【0091】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0092】(実施例7)シリコーン粉末(嵩密度0.
16g/cm3、平均粒径40μm)を10重量部、実
施例4と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を8重
量部、実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ0.1
重量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合するこ
とによって、混合溶液を調製した。
【0093】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にシリコ
ーン粉末の重量換算で1kg/m2となる量の混合溶液
を含浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥
することによって、図2(a)のような粉体層形成シー
トを作製した。
【0094】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0095】(実施例8)フッ素樹脂粉末(嵩密度0.
4g/cm3、平均粒径47μm)を10重量部、実施
例4と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を8重量
部、実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ0.1重
量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合すること
によって、混合溶液を調製した。
【0096】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にフッ素
樹脂粉末の重量換算で1kg/m2となる量の混合溶液
を含浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥
することによって、図2(a)のような粉体層形成シー
トを作製した。
【0097】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0098】(実施例9)タルク粉末(嵩密度0.4g
/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、実施例4
と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を8重量部、
実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部
と0.05重量部配合し、これを撹拌混合することによ
って、混合溶液を調製した。
【0099】次に、ガラス繊維不織布(目付け100g
/m2、厚さ5mm)を基材として用い、上記の混合溶
液にこの基材を沈めて、基材内部にタルク粉末の重量換
算で1kg/m2 となる量の混合溶液を含浸させ、これ
を乾燥機により80℃で約1時間乾燥することによっ
て、図2(a)のような粉体層形成シートを作製した。
【0100】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0101】(実施例10)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、アクリ
ル樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液(中央理化工
業株式会社製「SA−203」:アクリル樹脂固形分4
0重量%、水60重量%、分散剤微量添加)を0.75
重量部、及び水を9重量部配合し、さらに実施例4と同
じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と0.05重
量部配合し、これを撹拌混合することによって、混合溶
液を調製した。
【0102】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にタルク
粉末の重量換算で1kg/m2となる量の混合溶液を含
浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥する
ことによって、図2(a)のような粉体層形成シートを
作製した。
【0103】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0104】(実施例11)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、水溶性
フェノール樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液(松
下電工株式会社製「CJ2202」:フェノール樹脂固
形分50重量%、水50重量%)を0.6重量部、及び
水を9重量部配合し、これを撹拌混合することによっ
て、混合溶液を調製した。
【0105】次に、グラスウール(密度32kg/
3、厚さ3mm)を基材として用い、上記の混合溶液
にこの基材を沈めて、基材内部にタルク粉末の重量換算
で1kg/m2となる量の混合溶液を含浸させ、これを
乾燥機により80℃で約1時間乾燥することによって、
図2(a)のような粉体層形成シートを作製した。
【0106】さらにグラスウール(密度32kg/
3、厚さ25mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、200℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0107】(実施例12)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、実施例
4と同じバインダー樹脂溶液を1重量部、水を11重量
部、実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ0.1重
量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合すること
によって、混合溶液を調製した。
【0108】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にタルク
粉末の重量換算で1kg/m2となる量の混合溶液を含
浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥する
ことによって、図2(a)のような粉体層形成シートを
作製した。
【0109】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0110】(実施例13)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、実施例
10と同じバインダー樹脂溶液を10.7重量部、水を
10重量部、実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞれ
0.1重量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合
することによって、混合溶液を調製した。
【0111】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部にタルク
粉末の重量換算で1kg/m2となる量の混合溶液を含
浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥する
ことによって、図2(a)のような粉体層形成シートを
作製した。
【0112】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0113】(実施例14)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)を10重量部、実施例
4と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を4重量
部、実施例4と同じ消泡剤を0.05重量部配合し、こ
れを撹拌混合することによって、ペースト状の混合溶液
を調製した。
【0114】次に、押出金型と油圧プレスを用いて、こ
の混合溶液をタルク粉末の重量換算で1kg/m2とな
るように常温で約2mmの厚さのシート状に押出成形
し、これを乾燥機により80℃で約1時間乾燥すること
によって、図2(c)のような粉体層形成シートを作製
した。
【0115】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0116】(実施例15)炭酸カルシウム粉末(嵩密
度0.83g/cm3、平均粒径7.4μm)を10重
量部、実施例4と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、
水を8重量部、実施例4と同じ湿潤剤と消泡剤をそれぞ
れ0.1重量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混
合することによって、混合溶液を調製した。
【0117】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け100g/m2、厚さ5mm)を基材として用い、
上記の混合溶液にこの基材を沈めて、基材内部に炭酸カ
ルシウム粉末の重量換算で1kg/m2 となる量の混合
溶液を含浸させ、これを乾燥機により80℃で約1時間
乾燥することによって、図2(a)のような粉体層形成
シートを作製した。
【0118】さらに発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、150℃、
50g/cm2の条件で加熱・加圧することによって、
図1(a)のような吸音材を作製した。
【0119】(実施例16〜19)タルク粉末(嵩密度
0.4g/cm3、平均粒径18μm)100重量部
と、バインダー樹脂として、アクリル−スチレン共重合
樹脂エマルジョン(中央理化工業社製「ES−16」:
固形分46wt%)を固形分で20重量部及びポリビニ
ルアルコール樹脂(日本合成化学社製「GH−17
R」)を固形分で1重量部と、水45重量部と、添加剤
として湿潤剤(サンノプコ社製「ノプコウェット5
0」)1.2重量部と増粘剤(サンノプコ社製「ハイド
ロパラート1706」)1.5重量部と消泡剤(サンノ
プコ社製「SNデフォーマー5016」)0.05重量
部と、添加剤の活性化を図るためにpH調整剤としてN
aOH50%水溶液を0.16重量部とを撹拌混合し、
タルク粉末とバインダー樹脂及び添加剤の混合溶液を調
製した。
【0120】一方、ポリエステルフェルト(密度40k
g/m3、厚さ30mm)を200℃、100g/cm2
で1分間、加熱プレスして表面を高密度層にして膜を形
成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶液を表1に
示す目付け量(塗布量)でスプレーすることによって塗
工し、乾燥することによって、図1(b)のような吸音
材を作製した。
【0121】
【表1】 (実施例20〜22)タルク粉末(嵩密度0.4g/c
3、平均粒径18μm)100重量部と、バインダー
樹脂としてアクリル樹脂(中央理化工業社製「FK−F
516」:固形分43wt%)を固形分で15重量部
と、水75重量部と、添加剤として潤滑剤(サンノプコ
社製「ノプコ1097AH」)を固形分で10重量部
と、分散剤(サンノプコ社製「ハイドロパラート170
6」)0.8重量部と増粘剤(サンノプコ社製「SNシ
ックナー618」)2 重量部とを撹拌混合し、タルク粉
末、バインダー樹脂及び添加剤の混合溶液を得た。
【0122】一方、表2に示す密度と厚み(表2におい
て「K」は「kg/m3」、「t」は厚み)の発泡ポリ
ウレタンの表面に厚み20μmのポリエチレンフィルム
を表2の条件で熱圧着して、膜を形成した。そしてこの
膜の表面に上記の混合溶液を表1に示す目付け量(塗布
量)でスプレーすることによって塗工し、乾燥すること
によって、図1(b)のような吸音材を作製した。
【0123】
【表2】 (実施例23)タルク粉末(嵩密度0.4g/cm3
平均粒径18μm)10重量部と、ポリビニルアルコー
ルとポリ酢酸ビニルを主成分とするバインダー樹脂(ヤ
マト(株) 製液状糊「アラビックヤマト」:ポリビニル
アルコール固形分11重量%、ポリ酢酸ビニル固形分2
重量%、水82〜84重量%、残りは香料と防腐剤)を
2重量部、及び水を9重量部配合し、これを撹拌混合す
ることによって、タルク粉末、バインダー樹脂からなる
混合溶液を調製した。
【0124】一方、発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)の表面に厚み20μmのポリエチ
レンフィルムを180℃、10秒の条件で熱圧着して、
膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶液を
タルク粉末の重量換算で1kg/m2となる量を塗布し
て乾燥することによって、図1(b)のような吸音材を
作製した。
【0125】(実施例24)発泡ポリウレタン(密度1
6kg/m3、厚さ30mm)の表面に厚み20μmの
ポリエチレンフィルムを接着剤で接着して、膜を形成し
た。そしてこの膜の表面に実施例23の混合溶液をタル
ク粉末の重量換算で1kg/m2となる量を塗布して乾
燥することによって、図1(b)のような吸音材を作製
した。
【0126】(実施例25)シラスバルーン粉末(嵩密
度0.26g/cm3、平均粒径220μm)5重量部
と、ポリビニルアルコールを主成分とするバインダー樹
脂溶液(中央理化工業(株) 製「GH−17」:ポリビ
ニルアルコール固形分10重量%、水90重量%)を3
重量部、及び水を8重量部配合し、さらに湿潤剤(サン
ノプコ社製「ノプコウェット50」)を0.1重量部、
消泡剤(旭電化社製「アデカネートB−940」)を
0.05重量部配合し、これを撹拌混合することによっ
て、シラスバルーン粉末、バインダー樹脂及び添加剤か
らなる混合溶液を調製した。
【0127】一方、発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)の表面にポリエステル不織布(目
付け量100g/m2)を180℃、10秒の条件で熱
圧着して、膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の
混合溶液をシラスバルーン粉末の重量換算で1kg/m
2となる量を塗布して乾燥することによって、図1
(b)のような吸音材を作製した。
【0128】(実施例26)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)10重量部と、アクリ
ル樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液(中央理化工
業(株)製「SA−203」:アクリル樹脂固形分40
重量%、水60重量%、分散剤微量添加)を10.7重
量部、及び水10重量部と、添加剤として、湿潤剤(サ
ンノプコ社製「ノプコウェット50」)0.1重量部と
消泡剤(旭電化社製「アデカネートB−940」)0.
05重量部を撹拌混合し、タルク粉末、バインダー樹脂
及び添加剤からなる混合溶液を得た。
【0129】一方、発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)の表面に厚み20μmのポリエチ
レンフィルムを180℃、10秒の条件で熱圧着して、
膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶液を
タルク粉末の重量換算で1kg/m2となる量を塗布し
て乾燥することによって、図1(b)のような吸音材を
作製した。
【0130】(実施例27)炭酸カルシウム粉末(嵩密
度0.8g/cm3、平均粒径10μm)10重量部
と、アクリル樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液
(中央理化工業(株)製「SA−203」:アクリル樹
脂固形分40重量%、水60重量%、分散剤微量添加)
を10.7重量部、及び水10重量部と、添加剤とし
て、湿潤剤(サンノプコ社製「ノプコウェット50」)
0.1重量部と消泡剤(旭電化社製「アデカネートB−
940」)0.05重量部を撹拌混合し、炭酸カルシウ
ム粉末、バインダー樹脂及び添加剤からなる混合溶液を
得た。
【0131】一方、発泡ポリウレタン(密度16kg/
3、厚さ30mm)の表面に厚み20μmのポリエチ
レンフィルムを180℃、10秒の条件で熱圧着して、
膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶液を
炭酸カルシウム粉末の重量換算で1kg/m2となる量
を塗布して乾燥することによって、図1(b)のような
吸音材を作製した。
【0132】(実施例28)炭酸カルシウム粉末(嵩密
度0.8g/cm3、平均粒径10μm)100重量部
と、アクリル樹脂(中央理化工業(株)製「FK−F5
16」:固形分43wt%)を固形分で15重量部と、
水75重量部と、添加剤として潤滑剤(サンノプコ社製
「ノプコ1097AH」)を固形分で10重量部と、分
散剤(サンノプコ社製「ハイドロパラート1706」)
0.8重量部と増粘剤(サンノプコ社製「SNシックナ
ー618」)2 重量部とを撹拌混合し、炭酸カルシウム
粉末、バインダー樹脂及び添加剤の混合溶液を得た。
【0133】一方、ポリエステルフェルト(密度40k
g/m3、厚さ30mm)を200℃で1分間、加熱プ
レスして表面を高密度層にして膜を形成した。そしてこ
の膜の表面に上記の混合溶液を目付け量270g/m2
でスプレーすることによって塗工し、乾燥することによ
って、図1(b)のような吸音材を作製した。
【0134】(実施例29)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)を100重量部、水溶
性フェノール樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液
(松下電工株式会社製「CJ2202」:フェノール樹
脂固形分50重量%、水50重量%)を80重量部、ポ
リビニルアルコール樹脂15%溶液(日本合成化学社製
「GH−17R」)を20重量部配合し、さらに添加剤
として湿潤剤(サンノプコ社製「ノプコウェット5
0」)を1.61重量部と分散剤(サンノプコ社製「S
Nディスパーサント5033」)0.67重量部と消泡
剤(サンノプコ社製「SNデフォーマー5016」)
0.08重量部と、NaOH50%水溶液0.14重量
部を配合し、これを撹拌混合することによって、混合溶
液を調製した。
【0135】次に、不飽和ポリエステル嵩高不織布(目
付け35g/m2)を基材として用い、上記の混合溶液
を固形分の重量換算で50g/m2となる量を含浸さ
せ、これを乾燥機により80℃で約1分間乾燥すること
によって、図2(a)のような粉体層形成シートを作製
した。
【0136】さらにグラスウール(密度32kg/
3、厚さ25mm)を多孔質材料として用い、上記の
粉体層形成シートをこの多孔質材料に重ね、200℃で
1分間、加熱・加圧することによって、図1(a)のよ
うな吸音材を作製した。
【0137】(実施例30)含浸固形分量を100g/
2にして粉体層形成シートを作製するようにした他
は、実施例29と同様にして図1(a)のような吸音材
を作製した。
【0138】(実施例31)含浸固形分量を130g/
2にして粉体層形成シートを作製するようにした他
は、実施例29と同様にして図1(a)のような吸音材
を作製した。
【0139】(実施例32)タルク粉末(嵩密度0.4
g/cm3、平均粒径18μm)100重量部と、バイ
ンダー樹脂としてアクリル樹脂(中央理化工業社製「F
K−F516」:固形分43wt%)を固形分で20重
量部と、水75重量部と、添加剤として潤滑剤(サンノ
プコ社製「ノプコ1097AH」)を10重量部と、分
散剤(サンノプコ社製「ハイドロパラート1706」)
0.8重量部と、増粘剤(サンノプコ社製「SN−シッ
クナー618」)を2重量部とを拌混合することによっ
て、タルク粉末、バインダー樹脂及び添加剤の混合溶液
を得た。
【0140】一方、発泡ポリウレタンの表面に目付け約
20g/m2の低融点繊維不織布を接着シートとして目
付け約25g/m2のポリエステル不織布を加熱融着し
て、膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶
液を目付け量120g/m2でスプレーにより塗工し、
乾燥することによって、図1(b)のような吸音材を作
製した。
【0141】(実施例33)発泡ポリウレタン(密度1
6kg/m3、厚さ30mm)の表面に目付け約20g
/m2の低融点繊維不織布を接着シートとして目付け約
25g/m2のポリエステル不織布を加熱融着して、膜
を形成した。そしてこの膜の表面に実施例32と同じ混
合溶液を目付け量133g/m2でスプレーにより塗工
し、乾燥することによって、図1(b)のような吸音材
を作製した。
【0142】(実施例34)水酸化アルミニウム粉末
(嵩密度1.1g/cm3、平均粒径8μm)100重
量部と、バインダー樹脂としてアクリル樹脂(中央理化
工業社製「FK−F516」:固形分43wt%)を固
形分で15重量部と、水75重量部と、添加剤として潤
滑剤(サンノプコ社製「ノプコ1097AH」)を固形
分で10重量部と、分散剤(サンノプコ社製「ノプコサ
ントK」)0.8重量部と、増粘剤(サンノプコ社製
「SNシックナー618」)2重量部とを撹拌混合し、
水酸化アルミニウム粉末、バインダー樹脂及び添加剤の
混合溶液を得た。
【0143】一方、多孔質材料としてリン系難燃剤入り
難燃性発泡ポリウレタン(イノアックコーポレーション
製「EL−67」:密度20kg/m3、厚さ11m
m、)を用い、また膜を形成するシートとしてリン系難
燃剤入り難燃性ポリエステル不織布(目付け量40g/
2)を用い、難燃性発泡ポリウレタンの表面に難燃性
ポリエステル不織布を図3のようにしてフレームラミネ
ートした。そしてこの難燃性ポリエステル不織布の上に
上記の混合溶液をフローコーターによって乾燥重量にし
て320g/m2の塗工量で塗工し、乾燥することによ
って、図1(b)のような吸音材を作製した。
【0144】(実施例35)実施例34で得られた吸音
材を、図4における遊星ボールミルのポット設置部の筐
体の内面に貼って使用した。そして装置から1m離れ床
面から1mの高さの位置で、装置稼動中の騒音を測定し
た。比較のために、吸音材を貼らない場合についても同
様に測定したところ、−3.0dB(A)の騒音低減効
果が得られた。
【0145】(実施例36)実施例34で得られた吸音
材を、図5(b)における空気清浄機の排気用吸排気口
の内面に貼って使用した。そして装置稼動中のこの吸排
気口の騒音を測定した。比較のために、吸音材を貼らな
い場合についても同様に測定したところ、−1.0dB
(A)の騒音低減効果が得られた。
【0146】(実施例37)実施例34で得られた吸音
材を、図6における冷却装置内のコンプレッサーの周囲
の筐体の内面に貼って使用した。そして冷却装置の前面
から1m離れ床面から1mの高さの位置で、装置稼動中
の騒音を測定した。比較のために、吸音材を貼らない場
合についても同様に測定したところ、−2.5dB
(A)の騒音低減効果が得られた。
【0147】(比較例1)連続気孔を有する多孔質材料
の発泡ポリウレタン(密度16kg/m3、厚さ30m
m)を吸音材として使用した。
【0148】(比較例2)タルク粉末(嵩密度0.4g
/cm3、平均粒径20μm)を上面が開口した容器に
30mmの厚さで充填することによって、吸音材を得
た。
【0149】(比較例3)連続気孔を有する多孔質材料
の発泡ポリウレタン(密度16kg/m3、厚さ30m
m)の上に、タルク粉末(嵩密度0.4g/cm3、平
均粒径18μm)を1kg/m2の散布量で均一に散布
して、厚み3mmの粉体層を形成させることによって、
吸音材を得た。
【0150】(比較例4)多孔質材料のグラスウール
(密度32kg/m3、厚さ25mm)を吸音材として
使用した。
【0151】(比較例5〜8)実施例1〜4と同様にし
て混合溶液を調製し、ポリエステルフェルト(嵩密度4
0kg/m3、厚さ30mm)の表面に前記表1に示す
目付け量(塗布量)で、混合溶液をスプレー塗布し、乾
燥することによって吸音材を得た。
【0152】(比較例9〜11)前記表2に示す密度と
厚みの発泡ポリウレタンの表面に厚み20μmのポリエ
チレンフィルムを表2の条件で熱圧着して、膜を形成
し、これを吸音材として使用した。
【0153】(比較例12)ポリエステルフェルト(嵩
密度40kg/m3、厚さ30mm)を吸音材として使
用した。
【0154】(比較例13)比較例12と同じポリエス
テルフェルトを200℃、1分間、100g/cm 2
条件で加熱プレスして表面を高密度層にして膜を形成
し、これを吸音材として使用した。
【0155】(比較例14)従来から多孔質吸音材とし
て用いられる発泡ポリウレタン(密度16kg/m 3
厚さ30mm)を吸音材として使用した。
【0156】(比較例15)発泡ポリウレタン(密度1
6kg/m3、厚さ30mm)の表面に目付け約20g
/m2の低融点繊維不織布を接着シートとして目付け約
25g/m2のポリエステル不織布を加熱融着して得た
不織布貼りポリウレタンを吸音材として使用した。
【0157】(比較例16)実施例34と同じ難燃性発
泡ポリウレタンと難燃性ポリエステル不織布を用い、難
燃性発泡ポリウレタンの表面に難燃性ポリエステル不織
布をフレームラミネートしたものを吸音材として使用し
た。
【0158】上記のようにして各実施例及び各比較例で
得た吸音材について吸音率を測定して吸音特性を評価し
た。吸音率の測定は、厚さ約25〜30mmの吸音材の
サンプルについてJIS A 1405「管内法による
建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に基づいて行なっ
た。結果を第8図乃至第35図に示す。尚、吸音率測定
のためのサンプルを作製するために、各実施例の吸音材
を84mmφに切断したが、いずれの実施例のものも継
続的な粉体の漏れは認められなかった。このように各実
施例のものは粉体の脱落が発生せず、安定した状態を維
持していることが確認された。
【0159】実施例1〜15と比較例1〜4の吸音材に
ついて、吸音特性及び粉体の保持状態を比較すると、実
施例1〜15の吸音材はいずれも、比較例1あるいは比
較例4の従来の多孔質吸音材である発泡ポリウレタンあ
るいはグラスウールよりも低周波数域で優れた吸音特性
を示している。また比較例2では、粉体のみで吸音材を
構成しているが、吸音特性が特定の周波数で鋭いピーク
を示すものとなっており、吸音する周波数の幅が狭い。
これに対して、実施例1〜5および実施例9〜14の吸
音材では、比較例2と同様のタルク粉末を用いながら、
吸音ピーク周波数は若干高くなるが、吸音特性が広い周
波数範囲に及んでいる。
【0160】また、比較例2は粉体を容器に充填しただ
けであるので、傾けたり、揺すったりすると粉体が偏っ
たり、飛び散ったりするが、実施例1〜15の吸音材で
は内部での粉体の偏り、飛散は認められず、安定した吸
音特性が得られた。また前述のとおり、実施例1〜15
の吸音材では切断面からの連続的な粉体の流出も認めら
れていない。
【0161】比較例3では、発泡ポリウレタンの上にタ
ルク粉体層を積層して吸音材を形成することによって、
吸音ピーク周波数の低い吸音材になっているが、粉体の
みの場合より、吸音の幅が広い周波数域に及んでいる。
しかしながら、この粉体層は散布された状態のままであ
るので、振動などが与えられると、粉体が容易に飛散し
てしまうものであった。
【0162】また実施例6では、粉体にシラスバルーン
を用いており、比較例1に比べると全体に高い吸音率を
示し、粉体にタルクを用いた揚合の様に400〜500
Hzでのピークは認められないが、非常にブロードな吸
音特性となっている。このことは、実施例8の、粉体に
フッ素樹脂粉末を用いた揚合も同様である。
【0163】実施例7では、粉体にシリコーン粉末を使
用しているが、タルクの場合と同様に、500Hz付近
で吸音のピークを示しており、低周波数域で高い吸音率
が得られている。
【0164】実施例9および実施例11では、多孔質材
料としてグラスウールを使用しているが、発泡ポリウレ
タンを用いた揚合と同様に、低周波数域で吸音のピーク
を示す特性が得られている。
【0165】実施例10および実施例13では、バイン
ダー樹脂にアクリル樹脂を使用しているが、低周波数域
で卓越した吸音率を示しており、しかも、比較例1と同
様の厚みでありながら、中高音域で高い吸音率を広い周
波数域で維持している。また、実施例10と実施例13
の比較にみられるように、より低周波数域での吸音特性
を重視する揚合は、バインダー樹脂量が少ない方が望ま
しい。
【0166】そして図8〜図22にみられるように、吸
音材の吸音率−周波数の関係は、粉体の種類および量、
バインダー樹脂の種類および量、多孔質材料の種類およ
び密度等の条件によって変化する。従って、特に吸音し
たい音の周波数特性に合わせて条件を設定するチューニ
ングが可能である。また、特に低周波数域で高い吸音効
果を示す様にした本発明の吸音材は、特定の周波数でピ
ークを持つ、膜振動が支配的な吸音持性を示している
が、粉体そのものの吸音効果と、粉体層が形成する膜と
しての性質がもつ吸音効果との相乗効果によって得られ
ているものであり、同じ単位面積当りの重量を持つ通常
のシートや板等で得られる膜や板振動による吸音効果よ
り低い周波数域での吸音が可能となるものである。ま
た、ブロードな吸音特性を示すものは、粉体そのものの
吸音効果と、粉体層が形成する膜としての性質、およ
び、粉体層が形成する多孔質層としての性質がもつ吸音
効果との相乗効果によって得られているものである。
【0167】また、実施例1〜15の吸音材の各サンプ
ルを吸音率測定後に、カッターナイフで切断したとこ
ろ、切断面からの粉落ちは殆ど無く、切断方法も、発泡
ポリウレタンやグラスウールを切断する際と同じ要領で
行なうことができた。
【0168】以上のように各実施例の吸音材は、従来の
吸音材に対して、厚さや容量を増すことなく、低周波数
域においても良好な吸音特性を示し、あるいは、中高音
域での高い吸音率を維持する吸音特性が得られており、
また、粉体のこぼれ、偏り等による性能劣化を生じず、
さらに、ベースの多孔質材料と同等の加工性を持つもの
であった。
【0169】次に、実施例16〜28の吸音特性を見る
と、実施例16では、比較例13の膜を設けただけの多
孔質材料に対して全周波数域で吸音特性が勝っている。
実施例17〜19では、1kHz以下の比較的低い周波
数での吸音率の向上が認められる。
【0170】これに対して、比較例5〜7は多孔質材料
そのままの比較例12とほとんど変わらず、また比較例
8の粉体層の目付け量が非常に大きいのでわずかに吸音
率の向上が認められるが、比較例12と比較例13の違
い、すなわちフェルトのプレス有無の違い程度にしか効
果がない。これは、多孔質材料の表面を熱プレスしてに
高密度化することによって膜を形成すると共にこの上に
粉体層を形成することによって、吸音特性の向上を図れ
ることを示している。
【0171】このことは、例えば、吸音材を成形して、
吸音部材となして使用する場合、成形品に塗工すること
で顕著な吸音効果の向上が得られ、リサイクル性の向上
にもつながる。すなわち、従来、多孔質材料の成形時に
表面に不織布などを表面性状の改善のために同時にプレ
スして貼付していたが、多孔質材料、不織布ともロール
状で供給し、全面をプレスした後、トリミングして必要
な成形品を得るようにしており、多孔質材料の端材の部
分にまで表面材が融着して不純物が混じるなどして、端
材は廃棄するか、より低品質の製品にリサイクルするか
を余儀なくされいる。しかしながら、本発明の吸音材お
よびその製造方法では、熱プレス、トリミングした後に
塗工することで効果が得られるため、端材は100%再
生することが可能になるものである。
【0172】また、シートを熱圧着や接着等によって貼
付して膜を形成した多孔質材料に対して粉体層を形成す
るようにした場合も、吸音特性の向上は充分に図られ、
実施例20、25、26、28においては、垂直入射吸
音率の測定範囲のほぼ全域において比較例よりも優れて
おり、実施例21〜24、26では、特に、低周波数域
での吸音特性に優れる吸音材が得られている。
【0173】また、多孔質材料の表面に膜をフレームラ
ミネートで形成した実施例34と比較例15において、
両者は吸音率の周波数特性が全く異なり、実施例34の
ものは薄型ながら比較的低い周波数での吸音率が向上し
ている。
【0174】さらに、実施例35〜37のように、各種
の騒音を発する装置の防音のために本発明の吸音材を用
いることによって、約−1〜3dB(A)の騒音低減効
果が認められる。
【0175】以上のように、従来の吸音材に対して、厚
さや容量を増すことなく、良好な吸音特性が得られてお
り、また、粉体のこぼれ、偏り等による性能劣化を生じ
ず、さらに、ベースの多孔質材料と同等の加工性を持
ち、リサイクル性にも優れる工程を実現でき、従来材よ
りも良好な吸音特性を示す吸音材ならびにそれらの製造
方法を提供することができた。
【0176】以上のように、本発明では、従来の吸音材
に対して、厚さや容量を増すことなく、良好な吸音特性
を得られており、また粉体のこれぼや偏り等による吸音
特性の劣化を生じず、さらにベースの多孔質材料と同等
の加工性を持つ吸音材を得ることができるものである。
【0177】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る吸
音材は、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が基材内
に含浸形成されて成る粉体層形成シートと、多孔質材料
とを積層して形成するようにしたので、粉体をバインダ
ー樹脂で保持して粉体の脱落を低減した粉体層を粉体層
形成シートに形成することができると共に、粉体の振動
による低周波数域における吸音特性が高い粉体層を粉体
層形成シートに形成することができるものであり、多孔
質材料による吸音性能に加えて低周波数域における吸音
特性を向上させた吸音材を得ることができるものであ
る。従って良好な吸音特性を示し、粉体の脱落や偏り等
による吸音特性の性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄
型で従来の多孔質材料と同等の加工性を備えた吸音材を
提供することができるものである。
【0178】本発明の請求項2に係る吸音材は、粉体と
バインダー樹脂からなる粉体層が基材の表面に塗工形成
されて成る粉体層形成シートと、多孔質材料とを積層し
て形成するようにしたので、粉体をバインダー樹脂で保
持して粉体の脱落を低減した粉体層を粉体層形成シート
に形成することができると共に、粉体の振動による低周
波数域における吸音特性が高い粉体層を粉体層形成シー
トに形成することができるものであり、多孔質材料によ
る吸音性能に加えて低周波数域における吸音特性を向上
させた吸音材を得ることができるものである。従って良
好な吸音特性を示し、粉体の脱落や偏り等による吸音特
性の性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄型で従来の多
孔質材料と同等の加工性を備えた吸音材を提供すること
ができるものである。
【0179】また請求項3の発明は、上記シートとし
て、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、
不織布、織布、フィルムから選ばれるものを用いるよう
にしたので、使用目的等に応じて基材の種類を選ぶこと
によって、軽量化、不燃性付与、低コスト化を図ること
ができるものである。
【0180】本発明の請求項4に係る吸音材は、粉体と
バインダー樹脂からなる粉体層が押出成形で形成されて
成る粉体層形成シートと、多孔質材料とを積層して形成
するようにしたので、粉体をバインダー樹脂で保持して
粉体の脱落を低減した粉体層で粉体層形成シートを形成
することができると共に、しかも粉体に対するバインダ
ー樹脂の比率が小さく、粉体の振動による低周波数域に
おける吸音特性が高い粉体層で粉体層形成シートを形成
することができるものであり、多孔質材料による吸音性
能に加えて低周波数域における吸音特性を向上させた吸
音材を得ることができるものである。従って良好な吸音
特性を示し、粉体の脱落や偏り等による吸音特性の性能
劣化を生じず、さらに、軽量、薄型で従来の多孔質材料
と同等の加工性を備えた吸音材を提供することができる
ものである。
【0181】本発明の請求項5に係る吸音材は、多孔質
材料の膜を形成した表面に、粉体とバインダー樹脂から
なる粉体層を積層して形成するようにしたので、粉体を
バインダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減した粉体層
を形成することができると共に、粉体の振動による低周
波数域における吸音特性が高い粉体層を粉体層形成シー
トに形成することができ、多孔質材料による吸音性能に
加えて低周波数域における吸音特性を向上させた吸音材
を得ることができるものであり、しかも膜の存在で、少
ない目付け量の粉体層で吸音特性の向上を図ることが可
能になるものである。従って良好な吸音特性を示し、粉
体の脱落や偏り等による吸音特性の性能劣化を生じず、
さらに、軽量、薄型で従来の多孔質材料と同等の加工性
を備えた吸音材を提供することができるものである。
【0182】また請求項6の発明は、上記の多孔質材料
の表面の膜を、多孔質材料の表面を緻密化する成形によ
って形成するようにしたので、膜を形成するための余分
な材料を必要とせずに膜を形成することができると共
に、膜と多孔質材料との密着性等を懸念する必要がなく
なるものである。
【0183】また請求項7の発明は、上記の多孔質材料
の表面の膜を、多孔質材料にシートを貼り付けて形成す
るようにしたので、グラスウールやロックウールのよう
な成形だけでは表面に膜を形成することができない多孔
質材料であっても、表面に容易に膜を形成することがで
きるものである。
【0184】また請求項8の発明は、上記の多孔質材料
の表面の膜を、多孔質材料にフレームラミネートでシー
トを貼り付けて形成するようにしたので、多孔質材料と
膜との間に余分な接着剤層などが介在することがなくな
り、特に多孔質材料を発泡ポリウレタンで形成する際
に、吸音材全体の難燃性を高めることができるものであ
る。
【0185】また請求項9の発明は、フレームラミネー
トでシートを貼り付ける上記の多孔質材料として、難燃
性ポリウレタンを用いるようにしたので、吸音材全体の
難燃性を一層高めることができるものである。
【0186】また請求項10の発明は、フレームラミネ
ートで多孔質材料に貼り付ける上記のシートとして、難
燃性不織布を用いるようにしたので、吸音材全体の難燃
性を一層高めることができるものである。
【0187】また請求項11の発明は、多孔質材料の表
面に貼け付ける上記のシートを、発泡ポリウレタン、グ
ラスウール、ロックウール、フィルム、フェルト、不織
布、織布から選ぶようにしたので、各種の多孔質材料に
対応することが可能となるものである。
【0188】また請求項12の発明は、粉体とバインダ
ー樹脂からなる粉体層は、粉体100重量部に対してバ
インダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部含有するこ
とを特徴とするものであり、粉体をバインダー樹脂で保
持して粉体の脱落を低減した粉体層を形成することがで
きると共に、しかも粉体に対するバインダー樹脂の比率
が小さく、粉体の振動による低周波数域における吸音特
性が高い粉体層を形成することができるものである。
【0189】また請求項13の発明は、上記の粉体とし
て、粒径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜
1.5g/cm3のものを用いるようにしたので、低周
波数域で優れた吸音特性を有する粉体層を形成すること
ができるものである。
【0190】また請求項14の発明は、粉体として無機
粉体を用いるようにしたので、多孔質材料として不燃性
をものを用いるようにすると、不燃性の吸音材を実現す
ることができるものである。
【0191】また請求項15の発明は、上記粉体とし
て、タルクとシラスバルーンと炭酸カルシウムと水酸化
アルミニウムの少なくとも一つを用いるようにしたの
で、タルクを用いることによってより低い周波数域で良
好な吸音特性を有する粉体層を形成することができ、ま
たシラスバルーンを用いることによってより広い範囲で
高い吸音特性を有する粉体層を形成することができ、さ
らに炭酸カルシウムを用いることによってこの中間の吸
音特性を有する粉体層を形成することができ、また水酸
化アルミニウムを用いることで、多孔質材料として発泡
ポリウレタン、ポリエステルフェルト、ポリエステル不
織布等の有機系材料を使用した場合でも、難燃性を向上
させることができるものである。
【0192】また請求項16の発明は、上記バインダー
樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニルから1つ以上選ばれるも
のを用いるようにしたので、フェノール樹脂を用いるこ
とによって耐熱性の良好な粉体層を形成させることがで
き、フェノール樹脂あるいはアクリル樹脂を用いること
によって、耐水性の高い粉体層を形成することができ、
ポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニルを用いることに
よって、無機系の粉体との親和性がよくなり、またより
低コストに粉体層を形成することができるものである。
【0193】また請求項17の発明は、上記多孔質材料
として連続気孔を有するものを用いるようにしたので、
連続気孔による吸音によってより低周波数域での吸音特
性の向上を図ることができるものである。
【0194】また請求項18の発明は、上記連続気孔を
有する多孔質材料として、発泡ポリウレタン、グラスウ
ール、ロックウール、不織布から選ばれるものを用いる
ようにしたので、使用目的等に応じて多孔質材料の種類
を選ぶことによって、軽量化、不燃性付与、低コスト化
を図ることができるものである。
【0195】また請求項19の発明は、粉体とバインダ
ー樹脂からなる粉体層の塗工目付け量を変化させること
で、吸音特性が調整可能であるため、用途に応じた吸音
特性を吸音材に付与することが可能となるものである。
【0196】また請求項20の発明は、上記粉体層を粉
体の単位面積当たりの重量が0.01〜3kg/m2
なるように形成したので、より低周波数域での吸音特性
の向上を図ることができるものである。
【0197】本発明の請求項21に係る吸音材の製造方
法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この混合溶液を基材に含浸させて
粉体層形成シートを作製し、この粉体層形成シートと多
孔質材料を積層するようにしたので、粉体とバインダー
樹脂及び溶媒の混合溶液を基材に含浸させることによっ
て粉体層を設けた粉体層形成シートを作製することがで
き、粉体が飛散して作業環境の悪化を招くことなく、吸
音特性に優れた粉体層を有する粉体層形成シートを作製
することができるものである。
【0198】本発明の請求項22に係る吸音材の製造方
法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この粉体層形成シートと多孔質材
料を積層するようにしたので、粉体とバインダー樹脂及
び溶媒の混合溶液を基材に塗工することによって粉体層
を設けた粉体層形成シートを作製することができ、粉体
が飛散して作業環境の悪化を招くことなく、吸音特性に
優れた粉体層を有する粉体層形成シートを作製すること
ができるものである。
【0199】本発明の請求項23に係る吸音材の製造方
法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この混合溶液を押出成形して粉体
層形成シートを作製し、この粉体層形成シートと多孔質
材料を積層するようにしたので、粉体とバインダー樹脂
及び溶媒の混合溶液を押出成形することによって粉体層
を設けた粉体層形成シートを作製することができ、粉体
が飛散して作業環境の悪化を招くことなく、吸音特性に
優れた粉体層を有する粉体層形成シートを作製すること
ができるものである。
【0200】また請求項24の発明は、上記の粉体層形
成シートを多孔質材料と重ね、これを加熱・加圧して積
層一体化するようにしたので、粉体層形成シートに含有
されるバインダー樹脂を利用して多孔質材料と粉体層形
成シートの積層を行なうことができるものである。
【0201】本発明の請求項25に係る吸音材の製造方
法は、上記の粉体層形成シートを、バインダー層を介し
て多孔質材料と積層一体化するようにしたので、バイン
ダー層による接着によって、多孔質材料に粉体層形成シ
ートを容易に積層することができるものである。
【0202】また請求項26に係る吸音材の製造方法
は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し
て混合溶液を調製し、この混合溶液を多孔質材料の表面
に形成した膜の表面に塗工するようにしたので、粉体と
バインダー樹脂及び溶媒の混合溶液を多孔質材料の表面
の膜の上に塗工することによって粉体層を形成すること
ができ、粉体が飛散して作業環境の悪化を招くことな
く、吸音特性に優れた粉体層を有する吸音材を作製する
ことができるものである。
【0203】本発明の請求項27に係る防音構造は、密
閉された筐体の内側に音源を有する機器において、筐体
の内面に上記の吸音材を貼り付けるようにしたものであ
るので、音源からの騒音を吸音材で吸音して、筐体内の
密閉空間での音エネルギーを減衰させることができ、騒
音が筐体の外側へ漏れることを低減することができるも
のである。
【0204】また本発明の請求項28に係る防音構造
は、ファンを内臓し、吸排気口を有する機器において、
吸排気口の内壁面に上記の吸音材を貼り付けるようにし
たものであるので、吸排気口の内壁で反射する音を吸音
材で吸音することができ、吸排気口を通じて出る騒音を
低減することができるものである。
【0205】また本発明の請求項29に係る防音構造
は、筐体内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部を有す
る機器において、騒音発生源に対向する筐体の内面に上
記の吸音材を貼り付けるようにしてあるので、騒音を吸
音材で吸収して筐体の内面で反射することを防ぐことが
でき、開口部から出る騒音を低減することができるもの
である。
【0206】また本発明の請求項30に係る防音構造
は、機械装置の周囲に設置された防音パネルにおいて、
防音パネルに上記の吸音材を貼り付けるようにしてある
ので、機械装置の騒音を吸音材で吸収して防音パネルの
表面で反射することを防ぐことができ、機械装置の周辺
での騒音を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はそれぞれ本発明の吸音材の実
施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】(a),(b),(c)はぞれぞれ本発明で使
用する粉体層形成シートを示す断面図、(d)は本発明
の吸音材の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】フレームラミネートの工法を示す概略図であ
る。
【図4】本発明に係る防音構造の一例の遊星ボールミル
の一部を断面で示した正面図である。
【図5】本発明に係る防音構造の一例を示すものであ
り、(a)は送風機の断面図、(b)は空気清浄機の斜
視図である。
【図6】本発明に係る防音構造の一例の冷却装置を示す
断面図である。
【図7】本発明に係る防音構造の一例を示す側面図であ
る。
【図8】実施例1と比較例1〜3の吸音材の垂直入射吸
音特性を示すグラフである。
【図9】実施例2と比較例1〜3の吸音材の垂直入射吸
音特性を示すグラフである。
【図10】実施例3と比較例1〜3の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図11】実施例4と比較例1〜3の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図12】実施例5と比較例1〜3の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図13】実施例6と比較例1〜3の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図14】実施例7と比較例1〜3の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図15】実施例8と比較例1〜3の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図16】実施例9と比較例4の吸音材の垂直入射吸音
特性を示すグラフである。
【図17】実施例10と比較例1〜3の吸音材の垂直入
射吸音特性を示すグラフである。
【図18】実施例11と比較例4の吸音材の垂直入射吸
音特性を示すグラフである。
【図19】実施例12と比較例1〜3の吸音材の垂直入
射吸音特性を示すグラフである。
【図20】実施例13と比較例1〜3の吸音材の垂直入
射吸音特性を示すグラフである。
【図21】実施例14と比較例1〜3の吸音材の垂直入
射吸音特性を示すグラフである。
【図22】実施例16〜19と比較例13の吸音材の垂
直入射吸音特性を示すグラフである。
【図23】比較例5〜8および12の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図24】実施例20と比較例9の吸音材の垂直入射吸
音特性を示すグラフである。
【図25】実施例21と比較例10の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図26】実施例22と比較例11の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図27】実施例23と比較例14の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図28】実施例24と比較例14の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図29】実施例25と比較例14の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図30】実施例26と比較例14の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図31】実施例27と比較例14の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図32】実施例28と比較例13の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【図33】実施例29〜31と比較例4の吸音材の垂直
入射吸音特性を示すグラフである。
【図34】実施例32、33と比較例15の吸音材の垂
直入射吸音特性を示すグラフである。
【図35】実施例34と比較例16の吸音材の垂直入射
吸音特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基材 2 粉体層 2a 粉体 2b 樹脂 3 多孔質材料 4 膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G10K 11/16 G10K 11/16 D // B29K 105:04 (72)発明者 山河 清志郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が
    基材内に含浸形成されて成る粉体層形成シートと、多孔
    質材料とが積層されて成ることを特徴とする吸音材。
  2. 【請求項2】 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が
    基材の表面に塗工形成されて成る粉体層形成シートと、
    多孔質材料とが積層されて成ることを特徴とする吸音
    材。
  3. 【請求項3】 上記の基材は、発泡ポリウレタン、グラ
    スウール、ロックウール、フェルト、不織布、織布、フ
    ィルムから選ばれるものであることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の吸音材。
  4. 【請求項4】 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が
    押出成形で形成されて成る粉体層形成シートと、多孔質
    材料とが積層されて成ることを特徴とする吸音材。
  5. 【請求項5】 多孔質材料の膜を形成した表面に、粉体
    とバインダー樹脂からなる粉体層が積層されて成ること
    を特徴とする吸音材。
  6. 【請求項6】 上記の多孔質材料の表面の膜は、多孔質
    材料の表面を緻密化する成形によって形成されたもので
    あることを特徴とする請求項5に記載の吸音材。
  7. 【請求項7】 上記の多孔質材料の表面の膜は、多孔質
    材料にシートを貼り付けて形成されたものであることを
    特徴とする請求項5に記載の吸音材。
  8. 【請求項8】 上記の多孔質材料の表面の膜は、多孔質
    材料にフレームラミネートでシートを貼り付けて形成さ
    れたものであることを特徴とする請求項5に記載の吸音
    材。
  9. 【請求項9】 フレームラミネートでシートを貼り付け
    る上記の多孔質材料は、難燃性ポリウレタンであること
    を特徴とする請求項8に記載の吸音材。
  10. 【請求項10】 フレームラミネートで多孔質材料に貼
    り付ける上記のシートは、難燃性不織布であることを特
    徴とする請求項8に記載の吸音材。
  11. 【請求項11】 多孔質材料の表面に貼け付ける上記の
    シートは、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウ
    ール、フィルム、フェルト、不織布、織布から選ばれた
    ものであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか
    に記載の吸音材。
  12. 【請求項12】 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層
    は、粉体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分
    で0.5〜40重量部含有するものであることを特徴と
    する請求項1乃至11のいずれかに記載の吸音材。
  13. 【請求項13】 粉体は、粒径が0.1〜1000μ
    m、嵩密度が0.1〜1.5g/cm3のものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の吸
    音材。
  14. 【請求項14】 粉体が無機粉体であることを特徴とす
    る請求項1乃至13のいずれかに記載の吸音材。
  15. 【請求項15】 粉体は、タルク、炭酸カルシウム、シ
    ラスバルーン、水酸化アルミニウムから選ばれる少なく
    とも一つのものであることを特徴とする請求項1乃至1
    4のいずれかに記載の吸音材。
  16. 【請求項16】 バインダー樹脂は、フェノール樹脂、
    アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル
    から選ばれる少なくとも一つのものであることを特徴と
    する請求項1乃至15のいずれかに記載の吸音材。
  17. 【請求項17】 多孔質材料は連続気孔を有するもので
    あることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記
    載の吸音材。
  18. 【請求項18】 連続気孔を有する多孔質材料は、発泡
    ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織布、
    フェルトから選ばれるものであることを特徴とする請求
    項1乃至17のいずれかに記載の吸音材。
  19. 【請求項19】 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層
    の塗工目付け量を変化させることで、吸音特性が調整可
    能であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか
    に記載の吸音材。
  20. 【請求項20】 粉体層は粉体とバインダー樹脂との合
    計の単位面積当たりの重量が0.01〜3kg/m2
    あることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記
    載の吸音材。
  21. 【請求項21】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を基材に
    含浸させて粉体層形成シートを作製し、この粉体層形成
    シートと多孔質材料を積層することを特徴とする請求項
    1に記載の吸音材の製造方法。
  22. 【請求項22】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を基材の
    表面に塗工して粉体層形成シートを作製し、この粉体層
    形成シートと多孔質材料を積層することを特徴とする請
    求項2に記載の吸音材の製造方法。
  23. 【請求項23】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を押出成
    形して粉体層形成シートを作製し、この粉体層形成シー
    トと多孔質材料を積層することを特徴とする請求項4に
    記載の吸音材の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至4、請求項12乃至20
    のいずれかに記載の粉体層形成シートを多孔質材料と重
    ね、これを加熱・加圧して積層一体化することを特徴と
    する請求項21乃至23のいずれかに記載の吸音材の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至4、請求項12乃至20
    のいずれかに記載の粉体層形成シートを、バインダー層
    を介して多孔質材料と積層一体化することを特徴とする
    請求項21乃至24のいずれかに記載の吸音材の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を多孔質
    材料の表面に形成した膜の表面に塗工することを特徴と
    する請求項5乃至11のいずれかに記載の吸音材の製造
    方法。
  27. 【請求項27】 密閉された筐体の内側に音源を有する
    機器において、筐体の内面に請求項1乃至17のいずれ
    かに記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする防
    音構造。
  28. 【請求項28】 ファンを内臓し、吸排気口を有する機
    器において、吸排気口の内壁面に請求項1乃至17のい
    ずれかに記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とす
    る防音構造。
  29. 【請求項29】 筐体内に騒音発生源を有し、排熱用の
    開口部を有する機器において、騒音発生源に対向する筐
    体の内面に請求項1乃至17のいずれかに記載の吸音材
    を貼り付けて成ることを特徴とする防音構造。
  30. 【請求項30】 機械装置の周囲に設置された防音パネ
    ルにおいて、防音パネルに請求項1乃至17のいずれか
    に記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする防音
    構造。
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