JP3979700B2 - 吸遮音吸放湿性板材 - Google Patents

吸遮音吸放湿性板材 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、音響ルーム等の内装材に使用される吸遮音性および吸放湿性に優れた板材に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、音響ルームの内装材としては、例えば、石膏ボードに多数の孔を設けて吸音性を高めたり、石膏ボードの裏面に遮音シートを貼着一体化して遮音性を高めたものが使用されている。
しかしながら、一般に音響ルームは遮音性を高めるために密閉されており、湿気が抜けにくい。そして、音響ルーム内の音響機器等は精密機器であり、高湿状態では故障の原因となりやすい。このため、音響ルームでは湿度を調整するエアコンディショナーの使用が必須であるが、音響ルームを使用していない場合にエアコンディショナーの使用を続けることは消費電力が多いという問題点がある。
【0003】
本発明は、前記問題点に鑑み、吸遮音性および吸放湿性に優れ、電力を節約できる吸遮音吸放湿性板材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる吸遮音吸放湿性板材は、前記目的を達成するため、鉱物質繊維、無機粉体、および、結合剤を主成分とする表裏層間に、開放型無機発泡体および結合剤を主成分とする中層を形成し、前記裏層に密度2g/cm以上の無機粉体を添加し、前記裏層の面密度を2kg/m以上とするとともに、前記表層に吸放湿性無機粉体を添加した構成としてある。
【0005】
また、鉱物質繊維、無機粉体、および、結合剤を主成分とする表裏層間に、開放型無機発泡体および結合剤を主成分とする中層を形成するとともに、前記裏層に密度2g/cm以上の吸放湿性無機粉体を添加し、前記裏層の面密度を2kg/m以上としてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる実施形態を説明する。
第1実施形態は、裏層で遮音する一方、表層および中層で吸音するとともに、表層で吸放湿する場合である。
【0007】
裏層を形成する鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、または、グラスウール等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記鉱物質繊維の添加量は、20〜60重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、60重量部を越えると、相対的に無機粉体の割合が減少するため、所望の表面硬度を確保できないからである。
【0008】
裏層には密度2g/cm以上の無機粉体が添加される。この無機粉体としては、硫酸バリウム、酸化鉄、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、珪砂等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機粉体の添加量は、20〜70重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の遮音性が得られないからであり、70重量部を越えると、強度を付与する鉱物繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0009】
裏層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と前記無機粉体とを結合一体化するためのものであり、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂あるいはデンプン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、結合剤の添加量は、5〜20重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、十分な強度が得られず、20重量部を越えると、防火性が損なわれるからである。
【0010】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、裏層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0011】
さらに、裏層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0012】
また、裏層には、前述の密度2g/cm以上の無機粉体の他、密度2g/cm未満の無機粉体を添加してもよい。さらに、必要に応じ、軽量骨材として無機発泡体を添加してもよい。
【0013】
表層を形成する鉱物質繊維としては、前記裏層の鉱物質繊維と同種のものから選択でき、表層における添加量も裏層と同様に添加できる。
【0014】
表層には吸放湿性無機粉体が添加される。この無機粉体としては、ベントナイト、白土、モンモリロナイト、セピオライト、ゼオライト、珪藻土等を挙げることができ、これらは単独、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機粉体の添加量は、5〜60重量部とするのが好ましい。5重量部未満であると、所望の吸放湿性が得られないからであり、60重量部を越えると、強度を付与する鉱物繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0015】
表層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と無機粉体とを結合一体化するためのものであり、その種類,添加量は前記裏層の結合剤と同様である。
【0016】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、表層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0017】
さらに、表層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0018】
また、前述の吸放湿性無機粉体の他、別の無機粉体を添加してもよい。別の無機粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪砂、マイクロシリカ、スラグ等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
【0019】
中層を形成する開放型無機発泡体は圧縮強度を維持しつつ、軽量化のために添加されるものであり、例えば、パーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体、バーミキュライト、黒曜石発泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機発泡体の添加量は、40〜80重量部とするのが好ましい。40重量部未満であると、所望の重量軽減効果が得られないからであり、80重量部を超えると、無機粉体および結合剤の割合が小さくなり、所望の圧縮強度が得られないからである。
なお、開放型無機発泡体とは、閉鎖型無機発泡体のように完全な独立気泡を有する発泡体とは異なり、その一部が少なくとも開放した気泡を有し、水蒸気が自由に移動できるものをいう。一般に、開放型無機発泡体は、閉鎖型無機発泡体の2〜3倍の発泡倍率を有し、板材の軽量化に適している。また、添加時に閉鎖型無機発泡体であっても、プレス等により、その一部が破損し、開放型になったものも含む。
【0020】
中層を形成する結合剤は、前記開放型無機発泡体を結合一体化するために添加されるものであるが、その種類,添加量は、前述の表裏層と同様である。
【0021】
なお、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、中層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0022】
中層には、必要に応じ、防火性を維持しつつ、硬度を高めてネジ止め性能を高めるため、増量材として無機粉体を添加してもよい。無機粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硅砂、マイクロシリカ、スラグ等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、中層部における前記無機粉体の添加量は、40重量部以下とするのが好ましい。40重量部を越えると、無機発泡体の添加量が減少して板材が重くなるからである。
【0023】
また、中層部には、必要に応じ、前記開放型無機発泡体を連結するために繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0024】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、裏層で遮音する一方、表層および中層で吸音するとともに、中層で吸放湿する場合である。
【0025】
裏層を形成する鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、または、グラスウール等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、鉱物質繊維の添加量は、20〜60重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、60重量部を越えると、相対的に無機粉体の割合が減少するため、所望の表面硬度を確保できないからである。
【0026】
裏層には密度2g/cm以上の無機粉体が添加される。この無機粉体としては、硫酸バリウム、酸化鉄、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、珪砂等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機粉体の添加量は、20〜70重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の遮音性能が得られないからであり、70重量部を越えると、強度を付与する鉱物質繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0027】
裏層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と無機粉体とを結合一体化するためのものであり、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂あるいはデンプン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、結合剤の添加量は、5〜20重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、十分な強度が得られないからであり、20重量部を越えると、防火性が損なわれるからである。
【0028】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、裏層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0029】
さらに、裏層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0030】
また、裏層には、前述の密度2g/cm以上の無機粉体の他、密度2g/cm未満の無機粉体を添加してもよい。さらに、必要に応じ、無機発泡体等の軽量骨材を添加してもよい。
【0031】
表層を形成する鉱物質繊維は、前記裏層の鉱物質繊維と同種ものから選択でき、その添加量は裏層と同様に添加できる。
【0032】
表層には無機粉体が添加される。この無機粉体としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪砂、マイクロシリカ、スラグ等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機粉体の添加量は、20〜70重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の表面硬度が得られないからであり、70重量部を越えると、強度を付与する鉱物質繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0033】
表層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と無機粉体とを結合一体化するためのものであり、裏層の結合剤と同種のものから選択でき、その添加量は裏層と同様である。
【0034】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、表層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0035】
さらに、表層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0036】
中層を形成する開放型無機発泡体は圧縮強度を維持しつつ、軽量化のために添加されるものであり、例えば、パーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体、バーミキュライト、黒曜石発泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機発泡体の添加量は、40〜80重量部とするのが好ましい。40重量部未満であると、所望の重量軽減効果が得られないからであり、80重量部を超えると、無機粉体および結合剤の割合が小さくなり、所望の圧縮強度が得られないからである。
【0037】
中層を形成する結合剤は、前記開放型無機発泡体を結合一体化するために添加されるものであるが、その種類,添加量は、前述の表裏層の結合剤と同様である。
【0038】
なお、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、中層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0039】
中層には、吸放湿性無機粉体が添加される。この無機粉体としては、例えば、ベントナイト、白土、モンモリロナイト、セピオライト、ゼオライト、珪藻土が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、中層における前記無機粉体の添加量は、5重量部〜60重量部とするのが好ましい。5重量部未満であると、所望の吸放湿性能が得られないからであり、60重量部を越えると、無機発泡体の添加量が減少して板材が重くなるからである。
【0040】
また、中層には、必要に応じ、前記開放型無機発泡体を連結するために繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0041】
第3実施形態は、裏層で遮音する一方、表層および中層で吸音するとともに、表層および中層で吸放湿する場合である。
【0042】
裏層を形成する鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、または、グラスウール等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、鉱物質繊維は、表裏層部全体の20〜60重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、60重量部を越えると、相対的に無機粉体の割合が減少するため、所望の表面硬度を確保できないからである。
【0043】
裏層には、密度2g/cm以上の無機粉体が添加される。この無機粉体としては、硫酸バリウム、酸化鉄、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、珪砂等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機粉体の添加量は、20〜70重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の遮音性能が得られないからであり、70重量部を越えると、強度を付与する鉱物繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0044】
裏層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と前記無機粉体とを結合一体化するためのものであり、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂あるいはデンプン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、結合剤の添加量は、5〜20重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、十分な強度が得られないからであり、20重量部を越えると、防火性が損なわれるからである。
【0045】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、裏層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0046】
さらに、裏層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0047】
また、裏層には、前述の密度2g/cm以上の無機粉体の他、密度2g/cm未満の無機粉体を添加してもよい。さらに、必要に応じ、軽量骨材として無機発泡体を添加してもよい。
【0048】
表層を形成する鉱物質繊維としては、前記裏層の鉱物質繊維と同種のものから選択でき、その添加量は裏層と同様に添加できる。
【0049】
表層には吸放湿性無機粉体が添加される。この無機粉体としては、例えば、ベントナイト、白土、モンモリロナイト、セピオライト、ゼオライト、珪藻土が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、中層における前記無機粉体の添加量は、5重量部〜60重量部とするのが好ましい。5重量部未満であると、所望の吸放湿性能が得られないからであり、60重量部を越えると、強度を付与する鉱物繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0050】
表層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と前記無機粉体とを結合一体化するためのものであり、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂あるいはデンプン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、結合剤の添加量は、5〜20重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、十分な強度が得られないからであり、20重量部を越えると、防火性が損なわれるからである。
【0051】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、表層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0052】
さらに、表層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0053】
また、裏層には、前述の吸放湿性無機粉体の他、他の無機粉体を添加してもよい。さらに、裏層には、必要に応じ、無機発泡体等の軽量骨材を添加してもよい。
【0054】
中層を形成する開放型無機発泡体は圧縮強度を維持しつつ、軽量化のために添加されるものであり、例えば、パーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体、バーミキュライト、黒曜石発泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機発泡体の添加量は、40〜80重量部とするのが好ましい。40重量部未満であると、所望の重量軽減効果が得られないからであり、80重量部を超えると、無機粉体および結合剤の割合が小さくなり、所望の圧縮強度が得られないからである。
【0055】
中層を形成する結合剤は、前記開放型無機発泡体を結合一体化するために添加されるものであり、前記表裏層の結合剤と同種のものから選択でき、その添加量も表裏層と同様に添加できる。
【0056】
なお、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、中層における有機成分の総量を、結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を、結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0057】
中層には、吸放湿性無機粉体が添加される。この無機粉体としては、例えば、ベントナイト、白土、モンモリロナイト、セピオライト、ゼオライト、珪藻土が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、中層部における前記無機粉体の添加量は、5重量部〜60重量部とするのが好ましい。5重量部未満であると、所望の吸放湿性能が得られないからであり、60重量部を越えると、無機発泡体の添加量が減少して板材が重くなるからである。
【0058】
また、中層には、必要に応じ、前記開放型無機発泡体を連結するために繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0059】
第4実施形態は、裏層で遮音および吸放湿する一方、表層および中層で吸音する場合である。
【0060】
すなわち、裏層を形成する鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、または、グラスウール等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、鉱物質繊維の添加量は、20〜60重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、60重量部を越えると、相対的に無機粉体の割合が減少するため、所望の表面硬度を確保できないからである。
【0061】
裏層には、密度2g/cm以上の吸放湿性無機粉体が添加される。この無機粉体としては、例えば、ベントナイト、白土、モンモリロナイト、セピオライト、ゼオライト、珪藻土が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、中層における前記無機粉体の添加量は、20重量部〜70重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の遮音性能が得られないからであり、70重量部を越えると、強度を付与する鉱物繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。なお、吸放湿性能については、5重量部以上あれば所望の性能が得られる。
【0062】
裏層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と前記無機粉体とを結合一体化するためのものであり、例えば、ポリビニールアルコール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂あるいはデンプン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、結合剤の添加量は、5〜20重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、十分な強度が得られないからであり、20重量部を越えると、防火性が損なわれるからである。
【0063】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、裏層における有機成分の総量を、結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を、結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0064】
さらに、裏層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0065】
表層を形成する鉱物質繊維としては、前記裏層の鉱物質繊維と同種のものから選択でき、その添加量は裏層と同様に添加できる。
【0066】
表層には無機粉体が添加される。この無機粉体としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪砂、マイクロシリカ、スラグ等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機粉体の添加量は、20〜70重量部とするのが好ましい。20重量部未満であると、所望の表面硬度が得られないからであり、70重量部を越えると、強度を付与する鉱物質繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強度が得られないからである。
【0067】
表層を形成する結合剤は、前記鉱物質繊維と無機粉体とを結合一体化するためのものであり、前記裏層の結合剤と同種のものから選択でき、その添加量も同様である。
【0068】
また、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、表層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0069】
さらに、表層には、必要に応じ、繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0070】
中層を形成する開放型無機発泡体は圧縮強度を維持しつつ、軽量化のために添加されるものであり、例えば、パーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体、バーミキュライト、黒曜石発泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記無機発泡体の添加量は、40〜80重量部とするのが好ましい。40重量部未満であると、所望の重量軽減効果が得られないからであり、80重量部を超えると、無機粉体および結合剤の割合が小さくなり、所望の圧縮強度が得られないからである。
【0071】
中層を形成する結合剤は、前記開放型無機発泡体を結合一体化するために添加されるものであるが、その種類,添加量は、前述の表裏層の結合剤と同様である。
【0072】
なお、一般に、結合剤が多ければ多い程、曲げ強度は向上するが、準不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、中層における有機成分の総量を結合剤を含めて15重量部以下にする必要がある。また、不燃材としての吸遮音吸放湿性板材を得るためには、有機成分の総量を結合剤を含めて7重量部以下にする必要がある。
【0073】
中層には無機粉体が添加される。この無機粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪砂、マイクロシリカ、スラグ等が挙げられ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、中層における前記無機粉体の添加量は、40重量部以下であることが好ましい。40重量部を越えると、無機発泡体の添加量が減少して板材が重くなるからである。
【0074】
また、中層には、必要に応じ、前記開放型無機発泡体を連結するために繊維状物を添加してもよい。繊維状物としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維、パルプ、麻,亜麻等の天然繊維を挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。
そして、前記繊維状物の添加量は、3〜15重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、所望の曲げ強度が得られないからであり、15重量部を越えると、重量軽減効果が得られないからである。
なお、必要に応じて結合剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
【0075】
前述の実施形態においては、表層から中層に連通する細孔および/または凹部をピンあるいはドリル等で形成することにより、吸音性,吸遮音性をより一層高めてもよい。
【0076】
【実施例】
以下、本発明にかかる実施例について説明する。
(実施例1)
表層に吸放湿性無機粉体を添加した場合である。
すなわち、鉱物質繊維としてスラグウール45重量部、密度2g/cm以上の無機粉体として硫酸バリウム40重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてフェノール樹脂6重量部、デンプン4重量部を清水中に投入,撹拌して濃度2%のスラリーを得、これを長網式抄造機で抄造し、裏層となる厚さ8mmの湿潤無機マットを得た。
【0077】
一方、開放型無機発泡体としてシラス発泡体65重量部、無機粉体として炭酸カルシウム20重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてデンプン5重量部、フェノール樹脂5重量部を、清水40重量部の噴霧下で均一に混合して中層用混合物を得た。そして、この中層用混合物を、裏層を形成する前記湿潤無機マット上に厚さ70mmとなるように散布,堆積して積層する。
【0078】
ついで、鉱物質繊維としてスラグウール45重量部、吸放湿性無機粉体としてベントナイト50重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてフェノール樹脂6重量部、デンプン4重量部を清水中に投入,撹拌して濃度2%のスラリーを得、これを長網式抄造機で抄造し、表層となる厚さ8mmの湿潤無機マットを得た。
【0079】
この表層となる湿潤無機マットを、散布,堆積した前記中層用混合物に重ねて厚さ86mmの3層積層物を得た。そして、温度180℃の熱圧プレスで厚さ18mmまで加熱,圧締した後、温度180℃のドライヤーで乾燥して得られた吸遮音吸放湿性板材を実施例1とした。
【0080】
(実施例2)
中層に吸放湿性無機粉体を添加した場合である。
すなわち、鉱物質繊維としてスラグウール45重量部、密度2g/cm以上の無機粉体として硫酸バリウム40重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてフェノール樹脂6重量部、デンプン4重量部を清水中に投入,撹拌して濃度2%のスラリーを得、これを長網式抄造機で抄造し、裏層となる厚さ8mmの湿潤無機マットを得た。
【0081】
一方、開放型無機発泡体としてシラス発泡体65重量部、吸放湿性無機粉体としてベントナイト50重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてデンプン5重量部、フェノール樹脂5重量部を、清水40重量部の噴霧下で均一に混合して中層用混合物を得た。そして、この中層用混合物を、裏層を形成する前記湿潤無機マット上に厚さ70mmとなるように散布,堆積して積層する。
【0082】
ついで、鉱物質繊維としてスラグウール45重量部、無機粉体として炭酸カルシウム40重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてフェノール樹脂6重量部、デンプン4重量部を清水中に投入,撹拌して濃度2%のスラリーを得、これを長網式抄造機で抄造し、表層となる厚さ8mmの湿潤無機マットを得た。
【0083】
この表層となる湿潤無機マットを、散布,堆積した前記中層用混合物に重ねて厚さ86mmの3層積層物を得た。そして、温度180℃の熱圧プレスで厚さ18mmまで加熱,圧締した後、温度180℃のドライヤーで乾燥して得られた吸遮音吸放湿性板材を実施例2とした。
【0084】
(実施例3)
裏層に吸放湿性無機粉体を添加した場合である。
すなわち、鉱物質繊維としてスラグウール45重量部、密度2g/cm以上の吸放湿性無機粉体としてベントナイト50重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてフェノール樹脂6重量部、デンプン4重量部を清水中に投入,撹拌して濃度2%のスラリーを得、これを長網式抄造機で抄造し、裏層となる厚さ8mmの湿潤無機マットを得た。
【0085】
一方、開放型無機発泡体としてシラス発泡体65重量部、無機粉体とし炭酸カルシウム20重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてデンプン5重量部、フェノール樹脂5重量部を、清水40重量部の噴霧下で均一に混合して中層用混合物を得た。そして、この中層用混合物を、裏層を形成する前記湿潤無機マット上に厚さ70mmとなるように散布,堆積して積層する。
【0086】
ついで、鉱物質繊維としてスラグウール45重量部、無機粉体として炭酸カルシウム40重量部、繊維状物としてパルプ5重量部、および、結合剤としてフェノール樹脂6重量部、デンプン4重量部を清水中に投入,撹拌して濃度2%のスラリーを得、これを長網式抄造機で抄造し、表層となる厚さ8mmの湿潤無機マットを得た。
【0087】
この表層となる湿潤無機マットを、散布,堆積した前記中層用混合物に重ねて厚さ86mmの3層積層物を得た。そして、温度180℃の熱圧プレスで厚さ18mmまで加熱,圧締した後、温度180℃のドライヤーで乾燥して得られた吸遮音吸放湿性板材を実施例3とした。
【0088】
(比較例)
多数の孔を設けた厚さ12.5mmの石膏ボードの裏面に遮音シートを貼着一体化して得たものを比較例とした。
【0089】
得られた各板材から10cm角のサンプルを切り出し、各サンプルの裏面および木口面をアルミ箔でシールし、その表層だけを露出させた。そして、温度25℃、湿度50℃の恒温恒湿雰囲気中に2日間放置して養生させた。
【0090】
次いで、前記サンプルを、温度25℃、湿度90%の恒温恒湿雰囲気中に24時間放置して吸湿量の変化を測定した。
【0091】
最後に、温度25℃、湿度50%の恒温恒湿雰囲気中に24時間放置して放湿量の変化を測定した。前述の測定結果を図1のグラフ図に示す。
【0092】
前記実施例1,2,3と、比較例とを比較すると、実施例1,2,3はいずれも比較例よりも吸湿量が多い。特に、経過時間が6〜24時間の間では、比較例の吸湿量は著しく鈍化するのに対し、実施例1,2,3は鈍化の程度が低く、24時間経過した後であれば、実施例1,2,3の吸湿量は比較例の約2倍ないし3倍となる。
このように実施例1,2,3が比較例よりも優れた吸放湿性を有するのは、空気中に含まれた水蒸気が増加すると、表裏層または中層に添加された吸放湿性無機粉体が水蒸気を吸収し、逆に乾燥状態になると、吸収した水蒸気を放出するためであると考えられる。
【0093】
また、実施例1,2と、実施例3とを比較すると、表層および中層に吸放湿性無機粉体を含む実施例1,2の方が、裏層に吸放湿性無機粉体を含む実施例3よりも、吸放湿速度が速く、吸放湿量が多いことが判った。
これは、実施例1,2では、吸放湿性無機粉体が表層,中層に添加されているのに対し、実施例3では、裏層に添加されているためであると考えられる。
【0094】
また、得られた各サンプルについて吸遮音性能を測定した。吸音性能は「JIS A 1409 残響室法吸音率の測定方法」に基づくものである。また、遮音性能は「JIS A 1416 実験室における音響透過損失測定方法」に基づくものである。吸音性能および遮音性能についての測定結果を図2の表(a),(b)に示す。
【0095】
吸音性能において実施例1,2,3と、比較例とを比較すると、周波数250Hzまでの低周波域における吸音性能はほぼ同等である。しかし、周波数が500Hz以上の高周波域においては、実施例1,2,3の方が優れている。特に、周波数4KHzの高周波域では、実施例2が、比較例の約2倍の吸音性能を有することがわかった。
さらに、250,500,1K,2KHzの4周波数における残響室法吸音率の値の算術平均であるNRCは、実施例1が0.37、実施例2が0.39、実施例3が0.37であるのに対し、比較例が0.28であることから、NRCの値も実施例1,2,3の方が優れていることがわかった。
【0096】
これは、開放型無機発泡体の開口部から音が入射すると、その開口部周辺の空気が振動し、音のエネルギーが熱エネルギーに変わって吸音されるためであると考えられる。いわば、中層の含まれる開放型無機発泡体が、ヘルツホルツ レゾネーターと同様な作用を効果を奏しているといえる。
【0097】
遮音性能において実施例1,2,3の遮音性能と比較例の遮音性能とを比較すると、図2の表(b)に示すように、ほぼ同等の性能を有していることがわかった。
【0098】
したがって、実施例1,2,3の方が比較例よりも総合的に優れた吸遮音性能を有することが判明した。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる請求項1に記載の吸遮音吸放湿性板材によれば、表層に吸放湿性無機粉体を添加してあるので、遮音シートを貼着した石膏ボードよりも優れた吸放湿性能を有する吸放湿性板材が得られる。このため、音響ルームに使用しても、従来例よりもエアコンディショナーの使用を抑制でき、電力を節約できる。
また、従来例の遮音シートを貼着した石膏ボードのように遮音シートを後付けする必要がなく、コストダウンを図ることができるとともに、経時劣化による遮音シートの剥離がなく、遮音性能が低下することもない。
さらに、水分に弱いデンプン等を結合剤に使用した場合であっても、前記吸放湿性無機粉体が水蒸気を積極的に吸収し、板材の機械的強度の低下を防止できる。
【0100】
そして、表裏層は鉱物質繊維により、中層は開放型無機発泡体によって表面積が大きいので、吸音性に優れている。
【0101】
ついで、表層に吸放湿性無機粉体が分布しているので、この無機粉体が水蒸気と効率的に接触し、吸放湿性に優れた板材が得られる。特に、表層に吸放湿性無機粉体を添加してあるので、前記表層が調湿を必要とする空間に直接面することになる。このため、吸放湿速度が速く、調湿を迅速に行えるとともに、表層の硬度を高めてネジ止め性能を高めることができる。
【0102】
また、裏層に密度2g/cm以上の無機粉体を添加し、前記裏層の面密度を2kg/m以上としてあるので、市販の遮音シートに劣らない十分な遮音性を確保できるだけでなく、表層および中層の吸音性および調湿性の向上を妨げないとともに、前記無機粉体は前記裏層の硬度を高め、ネジ止め性能を高める。
【0103】
請求項2に記載の吸遮音吸放湿性板材によれば、裏層に密度2g/cm以上の吸放湿性無機粉体を添加し、前記裏層の面密度を2kg/m以上としてあるので、遮音性および吸放湿性を高めるという両方の作用を発揮できる。特に、同等の作用効果を奏するために請求項1よりも無機粉体を多量に添加する必要がなく、軽量化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる吸遮音吸放湿性板材の吸放湿性能の測定結果を示すグラフ図である。
【図2】 本発明にかかる吸遮音吸放湿性板材の測定結果を示し、表(a)は吸音性能を示し、表(b)は遮音性能を示す。

Claims (2)

  1. 鉱物質繊維、無機粉体、および、結合剤を主成分とする表裏層間に、開放型無機発泡体および結合剤を主成分とする中層を形成し、前記裏層に密度2g/cm以上の無機粉体を添加し、前記裏層の面密度を2kg/m以上とするとともに、前記表層に吸放湿性無機粉体を添加したことを特徴とする吸遮音吸放湿性板材。
  2. 鉱物質繊維、無機粉体、および、結合剤を主成分とする表裏層間に、開放型無機発泡体および結合剤を主成分とする中層を形成するとともに、前記裏層に密度2g/cm以上の吸放湿性無機粉体を添加し、前記裏層の面密度を2kg/m以上としたことを特徴とする吸遮音吸放湿性板材。
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