JPH11207531A - 歯形付フランジを有する筒状部品の製造方法及びその装置 - Google Patents

歯形付フランジを有する筒状部品の製造方法及びその装置

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JPH11207531A
JPH11207531A JP3393898A JP3393898A JPH11207531A JP H11207531 A JPH11207531 A JP H11207531A JP 3393898 A JP3393898 A JP 3393898A JP 3393898 A JP3393898 A JP 3393898A JP H11207531 A JPH11207531 A JP H11207531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりもさらに工程合理化,低コスト化を
図ることができる,歯形付フランジを有する筒状部品の
製造方法及びその装置を提供すること。 【解決手段】 円柱状の軸加工パンチ12と該軸加工パ
ンチ12の周囲に摺動可能に配設された断面リング状の
フランジ加工パンチ11とよりなる分割パンチ10と,
歯形ダイス51と軸加工ダイス52とを積層してなる積
層ダイス5とを用い,粗形材7を歯形ダイス52にセッ
トし,まず分割パンチ10全体を前進させてフランジ加
工パンチ11により粗形材7を歯形ダイス51に押圧す
ると共に前進させて粗フランジ部を歯形形状に成形する
歯形加工を行い,次いで,分割パンチ10における軸加
工パンチ12のみを更に深く前進させて軸加工ダイス5
2と共に粗軸部の内径及び外形を所望寸法に成形する内
外径加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,筒状の軸部と大径のフランジ部
とよりなると共にフランジ部の外周部にはスプライン等
の歯形形状を設けてある歯形付フランジを有する筒状部
品を,非常に合理的に製造することができる方法及びそ
の装置に関する。
【0002】
【従来技術】例えば自動車用部品などにおいては,中空
部を有する筒状の軸部と大径のフランジ部とよりなると
共に,フランジ部の外周部にスプライン等の歯形形状を
設けてなる筒状部品が多数用いられている。具体的な形
状としては,例えば後述する図11に示すごとく,外周
部に角スプライン83の歯形形状を設けた歯形付きフラ
ンジ部82と,中空部80を有する筒状の軸部81を有
する筒状部品8がある。また,図12に示すごとく,こ
の筒状部品8の軸部81には,その内外周面にも微小な
スプライン84,85を設ける場合もある。
【0003】上記歯形付フランジを有する筒状部品8を
製造する場合には,プレス板金成形により行う場合もあ
るが,筒状部品8の要求強度が高い場合には部分的に厚
肉形状にする必要があるので,このプレス板金成形を適
用するのは困難である。そのため,高強度の筒状部品8
を製造するに当たっては,鋳造又は熱間鍛造により作製
した粗形材を切削加工することにより上記軸部81及び
歯形付きフランジ83を形成していた。
【0004】しかし,この切削加工を中心とした製造方
法は,工程数の増加,材料歩留まりの悪化を招き,コス
トが高くなる。そのため,近年においては,精密鍛造技
術の進歩に伴って,上記切削加工の他に,熱間鍛造,冷
間鍛造等を組み合わせた製造方法がとられるようになっ
た。
【0005】具体的には,図9に示すごとく,まずパイ
プ状の素材を熱間鍛造して粗形材7を作製する。これ
は,鋳造加工に代えることもできる。また,作製する粗
形材7は,中空部70を有すると共に,得ようとする製
品の軸部81よりも厚肉の筒状の粗軸部71と歯形形状
の基礎となる粗歯形73を設けた粗フランジ部72とを
有するものである。
【0006】次いで,図10に示すごとく,粗形材7の
軸部71の外周面及び内周面に切削加工を加えて所望寸
法の軸部81に仕上げる。次いで,図11に示すごと
く,粗形材7の粗フランジ部72に冷間鍛造を施して角
スプライン83を設ける。これにより,上記歯形付きフ
ランジ部83を有する筒状部品8が得られる。
【0007】また,上記のごとく筒状部材8の軸部81
の内外周面に上記微小なスプライン84,85を設ける
場合には,再び上記軸部81に対して冷間鍛造を施す。
これにより,図12に示すごとく,歯形付きフランジ部
83を有すると共にさらに軸部81の内外周面に微小ス
プライン84,85を設けてなる筒状部品8を得ること
ができる。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の歯
形付フランジを有する筒状部品8の製造方法において
は,次の問題がある。即ち,従来の製造方法において
は,上記のごとく,粗形材7を作製する事前工程の後
に,上記軸部81の内外径寸法を仕上げるための内外径
加工と,上記フランジ部82に角スプライン(歯形形
状)83を形成するための歯形加工工程とを行うことが
必要である。
【0009】これは,粗形材7には上記熱間鍛造による
抜き勾配や熱変形による寸法変化,材料表面の肌荒れ等
が生じるため,これらを改善することが必要であり,ま
た,寸法精度の高い製品を得るためには,切削加工又は
冷間加工が必要であるためである。
【0010】そのため,上記のごとく,内外径加工工程
と歯形加工工程とは上記筒状部品8を製造するに当たっ
ては不可欠な工程である。しかしながら,これらの2つ
の工程を上記のごとく別々の工程として実施する場合に
は,製造工程の合理化及び低コスト化が十分とは言い難
い。一方,従来の製造方法及び製造装置においては,こ
れ以上の工程合理化が困難であり,さらに優れた製造技
術の開発が望まれていた。
【0011】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,従来よりもさらに工程合理化,低コスト
化を図ることができる,歯形付フランジを有する筒状部
品の製造方法及びその装置を提供しようとするものであ
る。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,中空部を有する
筒状の軸部と該軸部の一端に設けられた大径のフランジ
部とよりなると共に該フランジ部の外周部には歯形形状
を設けてなる,歯形付フランジを有する筒状部品を製造
する方法において,上記軸部よりも小径厚肉の筒状の粗
軸部と上記歯形形状の基礎となる粗歯形を設けた粗フラ
ンジ部とを有する粗形材を準備し,次いで,上記軸部の
内径寸法に相当する外径を有する円柱状の軸加工パンチ
と該軸加工パンチの周囲に摺動可能に配設された断面リ
ング状のフランジ加工パンチとよりなる分割パンチと,
厚み方向に沿って徐々に上記粗歯形から上記歯形形状に
変化するダイス穴を設けてなる歯形ダイスと上記軸部の
外径寸法に相当するダイス穴を有する軸加工ダイスとを
上記歯形ダイスを上記分割パンチ側に位置させて積層し
てなる積層ダイスとを用い,上記粗形材を上記歯形ダイ
スに上記粗軸部から挿入してセットし,まず,上記分割
パンチ全体を前進させて上記フランジ加工パンチにより
上記粗形材を上記歯形ダイスに押圧すると共に該粗形材
を前進させて上記粗フランジ部を上記歯形形状に成形す
る歯形加工を行い,次いで,上記分割パンチにおける上
記軸加工パンチのみを更に深く前進させて上記軸加工ダ
イスと共に上記粗軸部の内径及び外形を所望寸法に成形
する内外径加工を行うことを特徴とする歯形付フランジ
を有する筒状部品の製造方法にある。
【0013】本発明において最も注目すべきことは,上
記構造の分割パンチ及び積層ダイスを用いることにより
上記歯形加工と上記内外径加工という2つの冷間加工
を,上記分割パンチの1ストロークによって一度に行う
ことである。上記歯形加工は冷間鍛造加工に相当し,ま
た,上記内外径加工はしごき加工に相当する。
【0014】上記粗形材としては,上記のごとく,上記
粗軸部と上記粗フランジ部とを有するものを準備する。
この粗形材は,例えば,鋳造加工,あるいは棒状の素材
を熱間鍛造することにより得ることができる。また,上
記粗軸部は,得ようとする軸部よりも小径厚肉に設けて
おく。これにより,上記内外径加工時において上記粗軸
部に十分なしごき加工を施すことができる。また,上記
粗フランジ部には,上記粗歯形を設けておく。この粗歯
形は,例えば,得ようとする歯形形状の凸部分に予め突
起部を形成しておくことにより設けることができる。
【0015】次に,上記粗形材の成形は,上記のごと
く,上記分割パンチ及び積層ダイスを用いて行う。そし
て,粗形材を積層ダイスにセットして上記分割パンチを
1ストロークさせる。このとき,上記粗形材は,まず上
記分割パンチにおけるフランジ加工パンチと,上記積層
ダイスにおける歯形ダイスによって加工される。
【0016】即ち,上記粗形材は,上記フランジ加工パ
ンチによって歯形ダイスに押圧されると共に前進させら
れる。一方,歯形ダイスは,上記のごとく,徐々に粗歯
形から所望の歯形形状に変化するダイス穴を有してい
る。そのため,上記粗形材の粗フランジ部は,その前進
に伴って歯形形状を形成していく。
【0017】次いで,上記歯形形状の形成が完了した後
においては,上記分割パンチのうち上記軸加工パンチの
みを前進させる。これにより,該軸加工パンチは,上記
積層ダイスにおける上記軸加工ダイスの領域に進入す
る。そして,軸加工パンチは,その前進に伴って上記粗
軸部を押し広げると共にこれを上記軸加工ダイスのダイ
ス穴に圧着させて粗軸部の内外径を所望寸法に成形す
る。これにより,上記粗形材は,得ようとする所望形状
の筒状部品に成形される。
【0018】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の製造方法においては,上記粗形材を,上記分割
パンチと上記積層ダイスとを用いて成形加工する。これ
により,上記のごとく,上記分割パンチを1ストローク
するだけで,上記フランジ部の冷間鍛造と,上記軸部の
しごき加工という2つの冷間加工を一度にまとめて行う
ことができる。
【0019】そのため,従来であれば,2つの別工程が
必要であった上記歯形加工と内外径加工とを1つの工程
にまとめることができる。しかも,この統合された1工
程は,上記ダイスとパンチを用いた,高能率のプレス加
工とすることができる。それ故,本発明によれば,従来
よりもさらに工程合理化,低コスト化を図ることができ
る,歯形付フランジを有する筒状部品の製造方法を提供
することができる。
【0020】次に,請求項2の発明は,中空部を有する
筒状の軸部と該軸部の一端に設けられた大径のフランジ
部とよりなると共に該フランジ部の外周部には歯形形状
を設けてなる歯形付フランジを有する筒状部品を,上記
軸部よりも小径厚肉の筒状の粗軸部と上記歯形形状の基
礎となる粗歯形を設けた粗フランジ部とを有する粗形材
を冷間加工することにより製造する装置であって,上記
軸部の内径寸法に相当する外径を有する円柱状の軸加工
パンチと該軸加工パンチの周囲に摺動可能に配設された
断面リング状のフランジ加工パンチとよりなる分割パン
チと,厚み方向に沿って徐々に上記粗歯形から所望の上
記歯形形状に変化するダイス穴を設けてなる歯形ダイス
と上記軸部の外径寸法に相当するダイス穴を有する軸加
工ダイスとを上記歯形ダイスを上記分割パンチ側に位置
させて積層してなる積層ダイスと,上記分割パンチを加
圧,前進させる加圧装置とよりなり,かつ,該加圧装置
は,上記フランジ加工パンチと上記歯形ダイスによる歯
形加工が完了するまで上記分割パンチ全体を前進させ,
上記歯形加工が完了した後は上記軸加工パンチのみを前
進させるよう構成してあることを特徴とする歯形付フラ
ンジを有する筒状部品の製造装置にある。
【0021】本発明の製造装置において最も注目すべき
ことは,上記構造の分割パンチ及び積層ダイスを有する
と共に,上記分割パンチの前進を上記歯形加工完了の前
後において上記分割パンチ全体又は上記軸加工パンチ単
独のいずれかに切り替えることができる上記加圧装置を
有することである。
【0022】上記加圧装置としては,種々の構造をとる
ことができる。例えば,後述するごとく収縮部材を用い
る方法,加圧装置の加圧機構を上記フランジ加工パンチ
用と軸加工パンチ用にそれぞれ別個に設けてその作動タ
イミングを調整する方法等がある。
【0023】本発明の製造装置を用いれば,上記優れた
製造方法を容易かつ確実に実現することができ,歯形付
フランジを有する筒状部品の製造を非常に合理化するこ
とができる。
【0024】次に,請求項3の発明のように,上記フラ
ンジ加工パンチは,所定圧力以上の圧力において収縮す
る収縮部材を介して上記加圧装置に固定してあることが
好ましい。ここでいう所定圧力は,例えば上記歯形加工
に必要な加工圧力以上の圧力をいう。これにより,上記
歯形加工の完了と共に上昇する加工圧力を利用して,上
記フランジ加工パンチの前進の停止及び上記軸加工パン
チのみの前進を,容易かつ確実に制御することができ
る。また,そのため,一つの駆動系によって上記各パン
チの非同期駆動を実現することができ,2系統の駆動系
を設ける必要がなく,設備費の低減を図ることができ
る。
【0025】また,請求項4の発明のように,上記収縮
部材はガスシリンダであることが好ましい。この場合に
は,ガスシリンダのガス充填圧力によって上記所定の加
工圧力を容易に調整することができると共に,上記加圧
装置の構造を簡単にすることができる。
【0026】また,請求項5の発明のように,上記軸加
工パンチの先端には,軸芯方向に対して15〜20度傾
斜した面取り部を設けてあることが好ましい。該面取り
部の傾斜角度が上記特定範囲の角度を超える場合には,
上記軸加工パンチによる上記粗軸部の押し広げ加工がス
ムーズに行えないおそれがある。
【0027】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明の実施形態例にかかる歯形付フランジを有する筒
状部品の製造方法及びその装置につき,図1〜図8を用
いて説明する。まず,本例においては,図7に示すごと
く,中空部80を有する筒状の軸部81と該軸部81の
一端に設けられた大径のフランジ部82とよりなると共
に該フランジ部82の外周部には角スプラインよりなる
歯形形状83を設けてなる歯形付フランジを有する筒状
部品8を作製する。なお,本例においては,図8に示す
ごとく,この筒状部品8には,さらに別の冷間鍛造工程
において上記軸部81の内外表面に微小なスプラインを
設ける。
【0028】また,素材としては,図6に示すごとく,
中空部70を有すると共に,上記軸部81よりも小径厚
肉の筒状の粗軸部71と上記歯形形状83の基礎となる
粗歯形73を設けた粗フランジ部72とを有する粗形材
7を用いる。そして,この粗形材7を以下に示す製造装
置1によって冷間加工することにより上記筒状部品8
(図7)を成形する。
【0029】本例において用いる製造装置1は,図1に
示すごとく,上記軸部81の内径寸法に相当する外径を
有する円柱状の軸加工パンチ12と該軸加工パンチ12
の周囲に摺動可能に配設された断面リング状のフランジ
加工パンチ11とよりなる分割パンチ10を有する。
【0030】また,同図に示すごとく,上記分割パンチ
10の下方には,厚み方向に沿って徐々に上記粗歯形7
3から所望の上記歯形形状83に変化するダイス穴51
0を設けてなる歯形ダイス51と上記軸部81の外径寸
法に相当するダイス穴520を有する軸加工ダイス52
とを,歯形ダイス51を上記分割パンチ10側に位置さ
せて積層してなる積層ダイス5を設けてある。
【0031】また,同図に示すごとく,上記分割パンチ
10には,これを加圧,前進させる加圧装置3を接続し
てある。かつ,該加圧装置3は,上記フランジ加工パン
チ11と上記歯形ダイス51による歯形加工が完了する
まで上記分割パンチ10全体を前進させ,上記歯形加工
が完了した後は上記軸加工パンチ11のみを前進させる
よう構成してある。
【0032】以下,これを詳説する。上記分割パンチ1
0は,図1に示すごとく,加圧装置3のパンチホルダー
30に配設されている。加圧装置3は,図示しないプレ
ス機に固定された上記パンチホルダー30を有してお
り,該パンチホルダー30を下降させるよう構成してあ
る。
【0033】また,上記分割パンチ10は,上記のごと
く,円柱状の軸加工パンチ12と断面リング状のフラン
ジ加工パンチ11とを摺動可能に組み合わせてなる。上
記軸加工パンチ12は,その外径を得ようとする筒状部
品8の軸部81の内径に相当する径に設けてあると共
に,先端部に15〜20度傾斜させた面取り部125を
設けてある。また,上記フランジ加工パンチ11は,図
1,図4に示すごとく,その先端外周面112を所望の
歯形形状に設けてある。
【0034】また,図1に示すごとく,上記分割パンチ
10は,その軸加工パンチ12の基部129を上記パン
チホルダー30に固定してこれに配設してある。また,
パンチホルダー30には,中央部に円柱状の中空部32
を設けてあり,該中空部32には,円盤状のプレート4
2を昇降可能に配設してある。そして,上記フランジ加
工パンチ11は,図1に示すごとく,連結シャフト11
9を介して上記プレート42に連結してある。
【0035】上記連結シャフト119は,図1に示すご
とく,フランジ加工パンチ11の底部119から4本延
設してあり,上記軸加工パンチ12の基部129に設け
た貫通穴128を通して上記中空部32におけるプレー
ト42に接続してある。また,上記パンチホルダー30
の上部には,図1,図3に示すごとく,収縮部材として
のガスシリンダ4を4つ設けてある。
【0036】ガスシリンダ4は,図1に示すごとく,そ
のロッド41を上記プレート42に連結してあり,プレ
ート42の上昇に伴って収縮するよう構成されている。
このガスシリンダ4におけるロッド41の収縮は,後述
する所定の圧力が付与された際になされるよう構成され
ている。
【0037】次に,上記積層ダイス5は,図1に示すご
とく,上から歯形ダイス51,軸加工ダイス52を順次
積層して構成されている。そして積層ダイス5は,ダイ
ホルダー6のダイ挿入穴60内に,ドーナツ状のスペー
サ61を介して配設されている。
【0038】また,歯形ダイス51の外周部には固定リ
ング62を係合させると共にこれをダイホルダー6に固
定してある。これにより,積層ダイス5は,ダイホルダ
ー6に強固にセットされる。また,ダイホルダー6内の
上記スペーサ61の内孔部には,成形後の製品を取り出
すためのノックアウトピン63を配設してある。このノ
ックアウトピン63は,下方に延設した昇降シャフト6
4によって昇降するよう構成されている。
【0039】次に,上記製造装置1を用いて粗形材7を
成形するに当たっては,まず図1に示すごとく,粗形材
7を歯形ダイス51に粗軸部71から挿入してセットす
る。次いで,図2(a)に示すごとく,まず加圧装置3
のパンチホルダー30を下降させて分割パンチ10全体
を前進させてフランジ加工パンチ11により粗形材7を
歯形ダイス51に押圧すると共に該粗形材7を前進させ
て粗フランジ部71を歯形形状83に成形する歯形加工
を行う。
【0040】即ち,図2(a)に示すごとく,上記分割
パンチ10全体の前進によって,まずフランジ加工パン
チ11の先端の当接面111(図1)が上記粗形材7の
粗フランジ部72(図6)上面に当接し,これを下方に
押圧する。これにより,粗形材7は,その粗フランジ部
71を歯形ダイス51のダイス穴510によって成形さ
れながら下降していく。そして,粗形材7の粗フランジ
部72が歯形ダイス51の下端部まで下降した時点にお
いて上記粗フランジ部72が所望の歯形形状83を有す
るフランジ部82に成形され,歯形加工が完了する。
【0041】次いで,上記歯形加工の完了と同時に,図
2(b)に示すごとく,フランジ加工パンチ11の前進
は阻止され,その後は軸加工パンチ12のみが前進す
る。即ち,フランジ加工パンチ11は,上記歯形加工の
完了によってその先端面111をフランジ部82を介し
て軸加工ダイス52の内面上端部521(図1)に直接
当接した状態となる。そのため,パンチホルダー30を
下降させてもフランジ加工パンチ11の前進は阻まれ
る。
【0042】ここで,上記パンチホルダー30には,上
記ガスシリンダ4を設けてある。このガスシリンダ4は
所定圧力以上の圧力が生じると収縮するように設定して
ある。また本例における上記所定圧力は,上記歯形加工
に必要な加工圧力に設定してある。そのため,上記歯形
加工中においてはフランジ加工パンチ11はパンチホル
ダー30と共に前進するが,上記歯形加工完了によって
フランジ加工パンチ11に付与される圧力は急上昇し,
上記所定圧力を超える。これにより,その後はパンチホ
ルダー30の前進と共にガスシリンダ4が収縮してフラ
ンジ加工パンチ11は停止したままとなり,軸加工パン
チ12のみが前進する。
【0043】次いで,図2(b)に示すごとく,軸加工
パンチ12のみを更に深く前進させて上記軸加工ダイス
52と共に上記粗軸部71の内径及び外形を所望寸法に
成形する内外径加工を行う。即ち,上記粗形材7の粗軸
部71は,所望の軸部81よりも小径厚肉の形状に設け
てある。そのため,上記軸加工パンチ12の前進によっ
て,粗軸部71は押し広げられると共にその外周面が軸
加工ダイス52に押圧され,しごき加工が行われる。
【0044】また,軸加工パンチ12の先端部には上記
面取り部125を設けてあるので,上記しごき加工はス
ムーズに行われる。そして,図2(b)に示すごとく,
軸加工パンチ12が軸部81を貫通して下方に突出した
時点においてしごき加工が完了し,軸部81の内外径加
工が完了する。これにより,図7に示す筒状部品8が得
られる。
【0045】その後,加圧装置3を上昇させることによ
り分割パンチ10を上昇させることにより,分割パンチ
10と積層ダイス5との係合状態を解く。次いで,積層
ダイス5内に残存している筒状部品8は,ノックアウト
ピン63を上昇させることにより取り出す。
【0046】次いで,本例においては,図8に示すごと
く,別途設けた鍛造機によって筒状部品8の軸部81の
内外周面に微小なスプライン84,85を設け,製品と
しての筒状部品8が完成する。
【0047】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例においては,粗形材7を,上記分割パンチ10と上記
積層ダイス5とを用いて成形加工する。これにより,上
記のごとく,分割パンチ10を1ストロークするだけ
で,フランジ部82の冷間鍛造と,軸部81のしごき加
工という2つの冷間加工を一度にまとめて行うことがで
きる。
【0048】そのため,従来であれば,2つの別工程が
必要であった上記歯形加工と内外径加工とを1つの工程
にまとめることができる。しかも,この統合された1工
程は,上記分割パンチ10と積層ダイス5とを用いた,
高能率のプレス加工とすることができる。それ故,本例
によれば,従来よりも大幅に工程合理化することがで
き,得られる歯形付フランジを有する筒状部品の低コス
ト化を図ることができる。
【0049】また,本例の製造装置は,上記ガスシリン
ダ4よりなる収縮部材を用いることにより,一つの駆動
装置によって分割パンチ10におけるフランジ加工パン
チ11と軸加工パンチ12の非同期の駆動を実現するこ
とができる。これにより,駆動系を2系統有するような
高価な複動プレスを用いる必要がなく,設備費の削減を
も図ることができる。
【0050】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,従来よ
りもさらに工程合理化,低コスト化を図ることができ
る,歯形付フランジを有する筒状部品の製造方法及びそ
の装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例にかかる,筒状部品の製造装置の構
造を示す説明図。
【図2】実施形態例における,(a)歯形加工,(b)
内外径加工,がそれぞれ完了した状態を示す説明図。
【図3】図1における,A−A線矢視断面図。
【図4】図1における,B−B線矢視断面図。
【図5】図1における,C−C線矢視断面図。
【図6】実施形態例における,粗形材の,(a)D−D
線矢視断面図,(b)底面図。
【図7】実施形態例における,筒状部品の,(a)D−
D線矢視断面図,(b)底面図。
【図8】実施形態例における,軸部にスプラインを設け
た筒状部品の,(a)D−D線矢視断面図,(b)底面
図。
【図9】従来例における,粗形材の,(a)D−D線矢
視断面図,(b)底面図。
【図10】従来例における,軸部に切削加工を施した粗
形材の,(a)D−D線矢視断面図,(b)底面図。
【図11】従来例における,筒状部品の,(a)D−D
線矢視断面図,(b)底面図。
【図12】従来例における,軸部にスプラインを設けた
筒状部品の,(a)D−D線矢視断面図,(b)底面
図。
【符号の説明】
1...歯形付フランジを有する筒状部品の製造装置,
10...分割パンチ,11...フランジ加工パン
チ,12...軸加工パンチ,3...加圧装置,3
0...パンチホルダー,4...ガスシリンダ,
5...積層ダイス,51...歯形ダイス,5
2...軸加工ダイス,6...ダイスホルダー,6
3...ノックアウトピン,7...粗形材,7
0...中空部,71...粗軸部,72...粗フラ
ンジ部,73...粗歯形,8...筒状部材,8
0...中空部,81...軸部,82...フランジ
部,83...歯形形状(角スプライン),

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する筒状の軸部と該軸部の一
    端に設けられた大径のフランジ部とよりなると共に該フ
    ランジ部の外周部には歯形形状を設けてなる,歯形付フ
    ランジを有する筒状部品を製造する方法において,上記
    軸部よりも小径厚肉の筒状の粗軸部と上記歯形形状の基
    礎となる粗歯形を設けた粗フランジ部とを有する粗形材
    を準備し,次いで,上記軸部の内径寸法に相当する外径
    を有する円柱状の軸加工パンチと該軸加工パンチの周囲
    に摺動可能に配設された断面リング状のフランジ加工パ
    ンチとよりなる分割パンチと,厚み方向に沿って徐々に
    上記粗歯形から上記歯形形状に変化するダイス穴を設け
    てなる歯形ダイスと上記軸部の外径寸法に相当するダイ
    ス穴を有する軸加工ダイスとを上記歯形ダイスを上記分
    割パンチ側に位置させて積層してなる積層ダイスとを用
    い,上記粗形材を上記歯形ダイスに上記粗軸部から挿入
    してセットし,まず,上記分割パンチ全体を前進させて
    上記フランジ加工パンチにより上記粗形材を上記歯形ダ
    イスに押圧すると共に該粗形材を前進させて上記粗フラ
    ンジ部を上記歯形形状に成形する歯形加工を行い,次い
    で,上記分割パンチにおける上記軸加工パンチのみを更
    に深く前進させて上記軸加工ダイスと共に上記粗軸部の
    内径及び外形を所望寸法に成形する内外径加工を行うこ
    とを特徴とする歯形付フランジを有する筒状部品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 中空部を有する筒状の軸部と該軸部の一
    端に設けられた大径のフランジ部とよりなると共に該フ
    ランジ部の外周部には歯形形状を設けてなる歯形付フラ
    ンジを有する筒状部品を,上記軸部よりも小径厚肉の筒
    状の粗軸部と上記歯形形状の基礎となる粗歯形を設けた
    粗フランジ部とを有する粗形材を冷間加工することによ
    り製造する装置であって,上記軸部の内径寸法に相当す
    る外径を有する円柱状の軸加工パンチと該軸加工パンチ
    の周囲に摺動可能に配設された断面リング状のフランジ
    加工パンチとよりなる分割パンチと,厚み方向に沿って
    徐々に上記粗歯形から上記歯形形状に変化するダイス穴
    を設けてなる歯形ダイスと上記軸部の外径寸法に相当す
    るダイス穴を有する軸加工ダイスとを上記歯形ダイスを
    上記分割パンチ側に位置させて積層してなる積層ダイス
    と,上記分割パンチを加圧,前進させる加圧装置とより
    なり,かつ,該加圧装置は,上記フランジ加工パンチと
    上記歯形ダイスによる歯形加工が完了するまで上記分割
    パンチ全体を前進させ,上記歯形加工が完了した後は上
    記軸加工パンチのみを前進させるよう構成してあること
    を特徴とする歯形付フランジを有する筒状部品の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記フランジ加工パ
    ンチは,所定圧力以上の圧力において収縮する収縮部材
    を介して上記加圧装置に固定してあることを特徴とする
    歯形付フランジを有する筒状部品の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記収縮部材はガス
    シリンダであることを特徴とする歯形付フランジを有す
    る筒状部品の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項において,
    上記軸加工パンチの先端には,軸芯方向に対して15〜
    20度傾斜した面取り部を設けてあることを特徴とする
    歯形付フランジを有する筒状部品の製造装置。
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