JP4585724B2 - 鍛造成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍛造成形装置に関し、一層詳細には、パンチおよびダイの寿命を著しく長期化することが可能な鍛造成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛造加工は、ワークを塑性変形させて所望の形状に成形する一手段として広汎に採用されている。
【0003】
そのような鍛造加工を遂行するための一般的な鍛造成形装置の要部縦断面構成図を図4に示す。この鍛造成形装置1は、図5に断面が示される成形品10を得るためのものであり、該成形品10の外部形状に対応する形状のキャビティ2が設けられたダイ3と、成形品10の内部形状に対応する形状のパンチ4とを備える。
【0004】
このうち、ダイ3は、該ダイ3の下方に配置された支持盤5に支持されている。そして、ダイ3と支持盤5は、該ダイ3と該支持盤5に外嵌されたホルダ6によって鍛造成形装置1に装着されている。
【0005】
ここで、ダイ3および支持盤5には貫通孔7が形成されており、該貫通孔7には、鍛造加工が施された成形品10を鍛造成形装置1から取り出すためのノックアウトピン8が挿通されている。すなわち、このノックアウトピン8は図示しない第1駆動機構に連結されており、該第1駆動機構が付勢されることに伴って図4における上下方向に変位する。
【0006】
一方、パンチ4も図示しない第2駆動機構に連結されており、該第2駆動機構が付勢されることに伴ってダイ3に指向して接近または離間する。
【0007】
この鍛造成形装置1を使用しての鍛造加工は、次のように遂行される。
【0008】
まず、パンチ4をダイ3から離間させた状態で、図示しないワークをキャビティ2に配置する。次いで、前記第2駆動機構を付勢してパンチ4を下降させ、キャビティ2に挿入する。これに伴って前記ワークがダイ3から支持される一方でパンチ4により押圧され、その結果、ワークが塑性変形を起こす。すなわち、外部形状がキャビティ2の形状に対応し、かつ内部形状がパンチ4の形状に対応するように成形される。
【0009】
得られた成形品10は、前記第1駆動機構が付勢されることに伴って図4における上方に変位したノックアウトピン8でキャビティ2外に押し出され、これにより鍛造成形装置1から取り出されるに至る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ダイおよびパンチとしては、耐摩耗性に優れかつ高強度であることが要求される。このような観点から、ダイおよびパンチの構成材料として、焼結高速度工具鋼(以下、粉末ハイス鋼という)を採用することが主流になりつつある。しかしながら、例えば、成形品の生産効率を向上させるために成形速度を高めようとした場合では、粉末ハイス鋼の耐摩耗性は必ずしも充分であるとは言い難い。
【0011】
そこで、粉末ハイス鋼に比して耐摩耗性に優れる硬質材料からダイまたはパンチを構成することが想起される。このような硬質材料としては、WC粉末とCo粉末等とが焼結されてなる超硬合金や、TiC粉末とMo粉末等とが焼結されてなるサーメットが例示される。また、本出願人らが特開2000−301279号公報にて提案した、表面から内部に指向してセラミックスの組成比が減少しかつ金属の組成比が上昇する傾斜複合材からなるダイおよびパンチも粉末ハイス鋼からなるものに比して優れた耐摩耗性を示す。
【0012】
しかしながら、このような硬質材料からなるダイと粉末ハイス鋼からなるパンチとを併用して実際に鍛造加工を行うと、パンチの寿命が著しく短くなってしまう。すなわち、粉末ハイス鋼からなるダイおよびパンチを備える鍛造成形装置(以下、従来技術1という)でのダイおよびパンチの寿命が約10万ショットであるのに対し、硬質材料からなるダイと粉末ハイス鋼からなるパンチを備える鍛造成形装置(以下、従来技術2という)では、ダイの寿命は約20万ショットと2倍に伸びるが、パンチの寿命は約3万ショットと1/3以下となる。また、これとは逆に、粉末ハイス鋼からなるダイと硬質材料からなるパンチとを併用して鍛造加工を行うと、ダイが短命となる。
【0013】
このような事態が生じた場合には、鍛造成型装置の運転を停止して、使用できなくなったパンチやダイを交換しなければならない。したがって、成形品の生産効率が低下してしまうとともに、パンチやダイの購入費が高騰する。すなわち、加工コストが上昇してしまうという不具合が惹起される。なお、上記の事態は、鍛造加工時にダイやパンチに作用する応力を緩和するために、SKD61材やSKH57材等の比較的軟質な材料から支持盤5を構成し、この支持盤5を鍛造加工時に弾性変形させるようにしても回避することは困難である。
【0014】
また、ダイやパンチの寸法にはある程度の誤差が含まれているが、このためにダイまたはパンチを交換する前の鍛造成形装置による成形品と、交換した後の鍛造成形装置による成形品とで寸法が異なることがある。すなわち、ダイまたはパンチを頻繁に交換する場合、成形品の寸法がばらついてしまうことがあるという不具合も惹起される。
【0015】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、超硬合金やサーメット、傾斜複合材等の硬質材料からなるダイまたはパンチを備える場合においても該ダイまたは該パンチの長寿命化を図ることができ、このために加工コストが低減するとともに、成形品の寸法がばらついてしまうことを回避することが可能な鍛造成形装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、キャビティが設けられたダイと、前記ダイに外嵌されたホルダと、前記ダイの下方に配置された支持盤と、前記キャビティに挿入されるパンチとを備える鍛造成形装置において、
前記ダイと前記支持盤との間にヤング率が70〜200GPaを示すインサート部材を前記ホルダの挿入部の内壁から離間した状態で介装したことを特徴とする。
【0017】
このように構成された鍛造成形装置においては、ワークに対して鍛造加工が施される際に、該ワークから発生した応力がインサート部材を弾性変形させるために消費される。さらに、このようなインサート部材内では、応力が伝達されるに際し、該応力波の縦波成分と横波成分との間のインピーダンス差が著しく大きくなる。すなわち、縦波成分のインピーダンスが50〜100程度であるのに対して、横波成分のインピーダンスは8〜46程度となる。このような状況下では、応力波がインサート部材内で消費されることになる。このような理由から、ダイおよびパンチに作用する応力が著しく低減されるので、該ダイおよび該パンチの寿命が長期化する。
【0018】
しかも、このためにダイおよびパンチの交換頻度が減少するので、鍛造成形装置の運転を停止する頻度も減少する。すなわち、鍛造加工を停止することなく継続して行うことができるようになるので、成形品の生産効率が大幅に向上する。さらに、この場合、ダイおよびパンチを大量に購入する必要がなくなるので、購入費が高騰することもない。以上のようなことから、成形品の加工コストを大幅に低減することができる。
【0019】
なお、ヤング率が上記した範囲内であるインサート部材の好適な構成材料としては、Ti、Ti合金、CuまたはCu合金のいずれかを挙げることができる。
【0020】
また、応力を充分に消費させるために、ワークの肉厚に応じてインサート部材の肉厚を設定するようにしてもよい。具体的には、ワークの肉厚が3mmを超えるときにはインサート部材の肉厚を0.5mmとし、ワークの肉厚が1〜3mmのときにはインサート部材の肉厚を0.5〜2mmとし、ワークの肉厚が1mm未満のときにはインサート部材の肉厚を2mm以上とすることが好ましい。なお、ここでいうワークの肉厚とは、パンチとダイとの間に挟まれる箇所であって、かつパンチの移動方向に対して略直交する面における厚みである。
【0021】
また、インサート部材の側壁部は、湾曲形成されていることが好ましい。この場合、ワークに対して鍛造加工が施されることに伴って該インサート部材が弾性変形する際、該インサート部材の支持盤の上端面およびダイの下端面に対する摺動を円滑に進行させることができる。インサート部材の側壁部に鋭角な箇所が存在しないので、該インサート部材が摺動する際に、ホルダの上端面およびダイの下端面に存在する微小な凹部または凸部に側壁部が引っ掛かってしまうことが回避されるからである。
【0022】
以上のような構成の鍛造成形装置においては、ダイまたはパンチの少なくともいずれか一方に、ビッカース硬度が800以上を示す硬質材料からなるものを使用することができる。上記したように、本発明に係る鍛造成形装置では、ダイおよびパンチに作用する応力が小さい。したがって、このような硬質材料からなるダイまたはパンチであっても、寿命を長期化することができる。
【0023】
しかも、この場合、上記した従来技術1の鍛造成形装置に比して成形速度を高くすることができる。すなわち、成形品の生産効率を一層向上させることができる。
【0024】
なお、硬質材料の好適な例としては、超硬合金、サーメット、または表面から内部にかけてセラミックスと金属の組成比が変化する傾斜複合材のいずれかを挙げることができる。これらの具体的な例は、上記した通りである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る鍛造成形装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図4に示される構成要素に対応する構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0026】
本実施の形態に係る鍛造成形装置の要部縦断面構成図を図1に示す。この鍛造成形装置20は、図5に示される成形品10を得るためのもので、ダイ22と、該ダイ22の下方に配置された支持盤5とを備え、支持盤5とダイ22との間にはインサート部材24が介装されている(図1参照)。そして、支持盤5およびダイ22にホルダ6が外嵌されることにより、該支持盤5、ダイ22およびインサート部材24が鍛造成形装置20に装着されている。
【0027】
この場合、支持盤5およびホルダ6はSKD61材からなり、一方、この支持盤5上に載置されたダイ22は、特開2000−301279号公報に記載のダイリングと同様に構成された傾斜複合材からなる。すなわち、このダイ22は、WC等のセラミックスとCo等の金属とを含有する複合材料である。そして、図1のII−II線矢視断面図である図2からも諒解されるように、該ダイ22におけるセラミックスの組成比は、表面側、すなわち、ホルダ6が外嵌される外壁部側と、キャビティに露呈した内壁部側と、上端面および下端面で最も高く、中央部(内部)が最も低い。これに対し、金属の組成比は、表面側が最も低く、内部が最も高い。換言すれば、該ダイ22の表面にはセラミックスリッチ部26が形成されており、かつ内部には金属リッチ部28が形成されている。また、セラミックスリッチ部26と金属リッチ部28との間には、セラミックスリッチ部26から金属リッチ部28に指向してセラミックスの組成比が減少するとともに金属の組成比が増加する傾斜部30が介在している。
【0028】
このダイ22の内壁部および外壁部、すなわち、セラミックスリッチ部26のビッカース硬度は、1400以上を示す。
【0029】
インサート部材24(図1参照)は、鍛造加工時にダイ22およびパンチ4に作用する応力を緩和するためのものである。すなわち、後述するように、図示しないワークに鍛造加工が施される際にインサート部材24が弾性変形を起こすことに伴い、応力の大部分が消費される。
【0030】
インサート部材24としては、ヤング率が70〜200GPaを示すものが選定される。ヤング率が70GPa未満のものでは、鍛造加工時に座屈や破損が生じることがある。一方、200GPaを超えるものであると、鍛造加工時に弾性変形を起こし難くなるので、応力を緩和することが困難となる。
【0031】
このような条件を満足するインサート部材24の好適な例としては、Ti、Ti合金、CuまたはCu合金からなるものを挙げることができる。なお、Ti合金としては、Ti−6Al−4V合金が例示される。ここで、Ti−6Al−4V合金とは、6重量%のAlと4重量%のVを構成元素として含むTi合金を意味する。一方、Cu合金としては、Cu−Cr合金や、黄銅または真鍮と称されるCu−Zn合金が例示される。
【0032】
インサート部材24の構成材料は、成形荷重によって選定するようにしてもよい。例えば、成形荷重が数十kNである場合には、CuまたはCu−Cr合金等、ヤング率120GPa程度のものでインサート部材24を構成することが好ましい。また、成形荷重が数十〜100kNである場合には、Cu−Zn合金等のヤング率が100GPa程度のものが好適であり、100kNを超える場合には、TiまたはTi合金等のヤング率が120GPa程度のものが好適である。
【0033】
さらに、図1の要部拡大図である図3に示されるインサート部材24の肉厚tは、ワークの肉厚が小さいほど大きくすることが好ましい。鍛造加工の際にダイ22およびパンチ4に作用する応力は、ワークの肉厚が小さくなるほど大きくなるからである。すなわち、ワークの肉厚が小さくなるほどインサート部材24で緩和する応力を大きくする必要があるからである。
【0034】
具体的には、ワークが3mmを超える肉厚を有するものである場合、インサート部材24の肉厚tは0.5mm程度で充分である。また、肉厚が1〜3mmのワークでは、インサート部材24の肉厚tを0.5〜2mmとすればよい。この場合、2mmを超える肉厚tを有するインサート部材24であってもよいことはいうまでもない。さらに、ワークの厚みが1mmに満たない場合には、インサート部材24の肉厚を2mm以上とすることが好ましい。
【0035】
例えば、肉厚1mmのSCM420調質材からなるワークに対して180kNの成形荷重で鍛造加工を施すことによって図5に示す形状の成形品10とする場合、インサート部材24としては、Ti−6Al−4V合金からなるものを選定し、肉厚tを1mmとすればよい。
【0036】
ここで、インサート部材24とホルダ6との間には、所定の間隔wでクリアランス32が設けられている。また、インサート部材24の側壁部は湾曲形成されている。
【0037】
このような構成において、ホルダ6、インサート部材24およびダイ22には貫通孔7が形成されており、該貫通孔7内には、図示しない第1駆動機構に連結されたノックアウトピン8が挿通されている。
【0038】
一方、パンチ4は粉末ハイス鋼からなり、図示しない第2駆動装置に連結されている。
【0039】
本実施の形態に係る鍛造成形装置20の要部は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0040】
この鍛造成形装置20を使用しての鍛造加工は、次のように遂行される。
【0041】
まず、パンチ4をダイ22から離間させた状態で、ワークをキャビティ2に配置する。次いで、前記第2駆動機構を付勢してパンチ4を下降させ、キャビティ2に挿入する。これに伴ってワークがダイ22から支持されながらパンチ4で押圧され、その結果、該ワークが塑性変形を起こす。すなわち、外部形状がキャビティ2の形状に対応し、かつ内部形状がパンチ4の形状に対応するように成形される。
【0042】
この押圧力が加えられることに伴い、ワークからの反作用(応力)が生じる。しかしながら、この応力の大部分は、比較的軟質で弾性に富むインサート部材24内で消費される。このため、発生した応力のうち、ダイ22および該パンチ4に作用する分力が著しく低減される。要するに、インサート部材24は、応力が発生した際に自身が弾性変形を起こすことによって、ダイ22およびパンチ4に作用する応力を低減する。換言すれば、インサート部材24は応力緩和作用を営む。
【0043】
このように、インサート部材24が応力を緩和することによってダイ22およびパンチ4に作用する応力が著しく低減されるので、該ダイ22および該パンチ4の寿命が長期化する。具体的には、両者とも約81万ショットまで使用することができる。
【0044】
すなわち、支持盤5とダイ22との間にインサート部材24を介装することによって、パンチ4およびダイ22の寿命を、従来技術1のダイおよびパンチの約8.1倍、従来技術2のダイの約4倍、パンチ4に至っては約26.7倍と著しく長期化することができる。このため、ダイ22またはパンチ4の交換頻度が著しく減少するので、必然的に、鍛造成形装置20の運転を停止する頻度も減少する。換言すれば、鍛造加工を停止することなく継続して行うことができるので、成形品10の生産効率が大幅に向上する。しかも、この場合、ダイ22およびパンチ4の購入費が高騰することもない。したがって、成形品10の加工コストが大幅に低減する。
【0045】
さらに、長期間に亘ってダイ22およびパンチ4を交換する必要がないので、成形品10の寸法がばらつくことを回避することもできる。
【0046】
結局、本実施の形態に係る鍛造成形装置20では、ダイ22およびパンチ4の寿命が長期化するので、成形品10の加工コストを大幅に低減することができるとともに、該成形品10の寸法精度を確保することができる。
【0047】
また、上記したように、インサート部材24とホルダ6との間には、間隔wでクリアランス32が設けられている。このため、インサート部材24からホルダ6に応力が伝達されてしまうことはない。さらに、インサート部材24は、ワークに鍛造加工が施される際に該ワークから発生した熱が伝達されることによって熱膨張を起こすが、クリアランス32が設けられているので熱膨張も妨げられることはない。したがって、インサート部材24に熱応力が作用することを回避することができ、結局、該インサート部材24が変形してしまうことを回避することができる。
【0048】
また、インサート部材24の側壁部が湾曲形成されているために、熱膨張や弾性変形を起こした際のインサート部材24の支持盤5およびダイ22に対する摺動が円滑に進行する。このような形態のインサート部材24では、側壁部に鋭角な箇所が存在しないので、ホルダ6の上端面およびダイ22の下端面に対して摺動する際に、該上端面および該下端面に存在する微小な凹部または凸部に側壁部が引っ掛かってしまうことが回避されるからである。
【0049】
以上から諒解されるように、本実施の形態に係る鍛造成形装置20では、インサート部材24とホルダ6との間にクリアランス32を設け、かつインサート部材24の側壁部を湾曲形成しているので、該インサート部材24は容易に熱膨張ないし弾性変形を起こすことができる。このため、応力緩和作用が良好に営まれる。
【0050】
得られた成形品10は、前記第1駆動機構が付勢されることに伴って図1における上方に変位したノックアウトピン8でキャビティ2外に押し出され、これにより鍛造成形装置20から取り出されるに至る。この際、インサート部材24は元の寸法に復元する。
【0051】
なお、上記した実施の形態では、特開2000−301279号公報に記載されたダイリングと同様に構成されたダイ22を備える鍛造成形装置20を例示して説明したが、特にこれに限定されるものではなく、超硬合金やサーメットからなるダイを備える鍛造成形装置であってもよい。また、パンチが超硬合金、サーメットまたは傾斜複合材からなる鍛造成形装置であってもよい。勿論、ダイおよびパンチの双方を前記のような硬質材料で構成するようにしてもよい。
【0052】
さらに、ダイ22およびパンチ4の構成材料は硬質材料に限定されるものではなく、粉末ハイス鋼やSKD11材等、一般的なダイおよびパンチの構成材料であってもよい。このような場合においても、従来技術1のダイおよびパンチに比してダイおよびパンチの寿命を長期化することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る鍛造成形装置によれば、ダイと該ダイを下方から支持する支持盤との間にインサート部材を介装するようにしているので、ワークに対して鍛造加工を施す際にダイおよびパンチに作用する応力が著しく低減する。このため、ダイおよびパンチの寿命が長期化するので、加工コストが大幅に低減するとともに、成形品の寸法がばらつくことを回避することができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る鍛造成形装置の要部縦断面構成図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】従来技術に係る鍛造成形装置の要部縦断面構成図である。
【図5】図4の鍛造成形装置によって作製される成形品の概略全体縦断面図である。
【符号の説明】
1、20…鍛造成形装置 2…キャビティ
3、22…ダイ 4…パンチ
5…支持盤 10…成形品
24…インサート部材 26…セラミックスリッチ部
28…金属リッチ部 30…傾斜部
32…クリアランス

Claims (5)

  1. キャビティが設けられたダイと、前記ダイに外嵌されたホルダと、前記ダイの下方に配置された支持盤と、前記キャビティに挿入されるパンチとを備える鍛造成形装置において、
    前記ダイと前記支持盤との間に摺動自在に介装され、且つ側壁部が前記ホルダの挿入部の内壁から離間したインサート部材を備え、
    前記インサート部材は、ヤング率が70〜200GPaを示すとともに、前記側壁部が湾曲形成されていることを特徴とする鍛造成形装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記インサート部材がTi、Ti合金、CuまたはCu合金のいずれかからなることを特徴とする鍛造成形装置。
  3. 請求項1または2記載の装置において、前記インサート部材の肉厚は、ワークの肉厚が3mmを超えるときに0.5mm、ワークの肉厚が1〜3mmのときに0.5〜2mm、ワークの肉厚が1mm未満のときに2mm以上であることを特徴とする鍛造成形装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の装置において、前記パンチまたは前記ダイの少なくともいずれか一方は、ビッカース硬度が800以上を示す硬質材料からなることを特徴とする鍛造成形装置。
  5. 請求項記載の装置において、前記硬質材料が超硬合金、サーメット、または表面から内部にかけてセラミックスと金属の組成比が変化する傾斜複合材のいずれかであることを特徴とする鍛造成形装置。
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