JP3674399B2 - 段付きシャフトの製造方法及び段付きシャフトの製造装置 - Google Patents

段付きシャフトの製造方法及び段付きシャフトの製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトの製造方法及び前記段付きシャフトの製造装置に関する。より詳しくは、中実円柱を素材(被加工材)としてバリや欠肉部を発生させることなく前記段付きシャフトを製造する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸付き歯車、軸付きピストンや軸付きスプールなど各種の用途に用いられる段付きシャフトは、例えば、メカニカルプレスを用いた鍛造加工や、油圧プレスを用いた閉塞鍛造加工で製造されてきた。
【0003】
上記のうち、メカニカルプレスを用いた鍛造加工は、例えば、図4に模式的に示すようなパンチ(上金型)8、下固定ダイ(下金型)9及びノックアウトピン4を備えたメカニカルプレスを用いるものである。この場合、通常は図4に示すように、鍛造後の被加工材1にはバリや欠肉(材料の未充満)が発生する。したがって、所望の段付きシャフト形状とするためには切削加工を施す必要が生じ、更に、材料の歩留りも低くなってしまう。
【0004】
又、油圧プレスを用いた閉塞鍛造加工は、例えば、図5に示すように上センターパンチ10、下センターパンチ11、上金型12及び下金型13を備えた油圧プレスを用いるもので、油圧によって上金型12と下金型13を密着させ、上センターパンチ10及び下センターパンチ11で被加工材1を加圧して、上金型12、下金型13、上センターパンチ10及び下センターパンチ11で形成される密閉金型内で目的形状に成形するものである。この閉塞鍛造加工においては、前記密閉金型の容積は一定の値となる。したがって、被加工材1の体積が密閉金型の容積より小さい場合には鍛造後の製品(被加工材1)の角部に欠肉が発生する。逆に、被加工材1の体積が密閉金型の容積より大きいと上金型12と下金型13との合わせ面にバリ(差込バリ)が発生するし、場合によっては金型の破損が生ずることもある。このため、閉塞鍛造加工の場合には被加工材1の体積バラツキを極めて小さくする必要があり、加工素材を製作するために多くの時間とコストを要する。
【0005】
一方、塑性と加工(第27巻第300号(1986年)、121〜131ページ)において、「分流方式による精密冷間鍛造法の開発」として提案された「捨て軸の原理」は、低い鍛造荷重で金型に被加工材料を充満させることができる技術とされているものの、「捨て軸部」の寸法や端面形状を制御することができないので、所望の段付きシャフトを得るためには、「捨て軸部」が所定の値よりも長くなるように調整して鍛造した後、その部分を所望の長さに切断加工する必要があり、このため材料の歩留りが低くなってしまう。又、肉充満のために供給される材料は鍛造の自然流動となるため制御が難しく、したがって、鍛造製品の寸法、形状の管理が困難である。更に、金型破損など特異トラブルが生ずることもある。
【0006】
又、住友金属(vol.50、No.3(1998年)、16〜24ページには、「5シリンダ油圧複動プレスによる自動車用ヘリカルギアの成形」技術が提案されている。しかし、この技術の場合にも、その24ページに記載されているように、▲1▼捨て軸の方案に比較して、工具面圧が上昇する、▲2▼ボス部と歯車本体部の量のバランスによっては、歯部にかぶり疵が発生する、などの問題が内在している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、その目的は、例えば±3%程度の体積変動を有する通常の技術で製造された中実円柱を素材とする据え込み加工で、据え込み部にバリや欠肉を生じることがないので材料歩留りが大きく、しかも金型の破損を生じることがない、軸付き歯車や軸付きピストンなどの素材として好適な段付きシャフトの製造方法、及び段付きシャフトの製造装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)、(2)に示す段付きシャフトの製造方法及び(3)に示す段付きシャフトの製造装置にある。
【0009】
(1)製品に対応する段付きシャフトの形状を、固定ダイ、浮動ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチによって構成される密閉金型で形成して中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを製造する方法であって、被加工材である中実円柱を固定ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチで拘束した後、アウターパンチの面圧をセンターパンチの面圧よりも大きくして加圧することを特徴とする段付きシャフトの製造方法。
【0010】
(2)製品に対応する段付きシャフトの形状を、固定ダイ、浮動ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチによって構成される密閉金型で形成して中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを製造する方法であって、被加工材である中実円柱の前記据え込み部に相当する部位を予備成形し、次いで、予備成形した被加工材を少なくとも固定ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチで拘束した後、アウターパンチの面圧をセンターパンチの面圧よりも大きくして加圧することを特徴とする段付きシャフトの製造方法。
【0011】
(3)中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを製造する装置であって、固定ダイ、ノックアウトピン、各々独立して圧下力と位置の制御が可能なアウターパンチ及びセンターパンチ、前記アウターパンチの作動に連動する浮動ダイを備え、前記の固定ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ、センターパンチ及び浮動ダイによって製品に対応する段付きシャフトの形状を有する密閉金型の形成が可能な段付きシャフトの製造装置。
【0012】
後述の図1は、段付きシャフトを製造する状況を示す模式的断面図(但し、片側縦断面のみを示した)であるが、上記の固定ダイ2、浮動ダイ3、ノックアウトピン4、アウターパンチ5及びセンターパンチ6は図1に示す位置関係にあり、その各々の位置が、例えば、図1(d)に示す関係にある場合に、「製品に対応する段付きシャフトの形状を有する密閉金型」が形成される。なお、固定ダイ2、浮動ダイ3、ノックアウトピン4、アウターパンチ5及びセンターパンチ6が「製品に対応する段付きシャフトの形状を有する密閉金型」を形成するまでの段階、つまり、被加工材1の据え込み部が完全に形成されるまでの段階にあっては、少なくとも浮動ダイ3は被加工材1と完全に接することはなく、空間Sが形成されている。
【0013】
アウターパンチ5は被加工材1に鍛造力を加圧するための外側の金型を、センターパンチ6は被加工材1に鍛造力を加圧するための内側の金型をいう。浮動ダイ3は前記アウターパンチ5の作動に連動して同じ方向に作動する金型をいい、複動プレスの基台Bに対し、伸縮自在な部材7(例えば、スプリング、空気シリンダー、ゴムやウレタンなど)によってその後方が支持されている。固定ダイ2は鍛造力を受ける側の固定式金型をいい、ノックアウトピン4は鍛造力を受ける側の金型で、これはプレスの排出機構(図示せず)によって鍛造終了時に製品(被加工材1)を排出する作用をも有している。
【0014】
「直径が(素材である)中実円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフト」とは図2の(a)、(b)、(c)に示すようなシャフトをいう。なお図2の(a)、(b)のような段付きシャフトの場合は、据え込み部の端面が図1のセンターパンチ6側になって鍛造される。
【0015】
以下、上記の(1)〜(3)に記載のものをそれぞれ(1)〜(3)の発明という。
【0016】
本発明者らは、前記した課題を解決するための鍛造技術について種々検討を行った。その結果、下記の知見を得た。
【0017】
(a)固定ダイ、浮動ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチの各金型で製品に対応する段付きシャフトの形状を有する密閉金型を形成し、しかも、被加工材の据え込み部が前記密閉金型に充満した後の余剰体積分をセンターパンチの後退で吸収すれば、製品にバリや欠肉を生じることがなく、金型に割れが生じることもない。
【0018】
(b)上記(a)を達成するには、被加工材に鍛造力を加圧するための金型であるアウターパンチとセンターパンチの圧下力と位置を各々独立に制御できる複動プレスを用い、主としてアウターパンチによって被加工材が所望の形状の据え込み部を有するように鍛造(据え込み)し、更に、センターパンチによって被加工材が所望の形状の据え込み部を有するように補助的な鍛造を行うとともに被加工材の材料流動を制御すればよい。
【0019】
(c)センターパンチによる被加工材の材料流動制御のためには、アウターパンチの面圧をセンターパンチの面圧よりも大きくして加圧するとともに、スプリングなどの伸縮自在な部材によって浮動ダイをアウターパンチの作動に連動させれば良い。
【0020】
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法と装置について図を参照しながら詳しく説明する。
【0022】
図1は、(1)の発明の方法で図2(c)に示す形状の段付きシャフトを製造する片側状況の一例を示す模式的縦断面である。
【0023】
先ず、通常の方法で潤滑処理された被加工材(中実円柱)1を固定ダイ2及びノックアウトピン4で形成される孔型に挿入してノックアウトピン4上に載置する。次いで、図1(a)に示すように、アウターパンチ5及びセンターパンチ6を降下させて、これらのパンチと前記固定ダイ2及びノックアウトピン4で被加工材1を拘束する。この後、図1(b)、(c)に示すように両パンチで加圧して行く。この際、アウターパンチ5の面圧をセンターパンチ6の面圧よりも大きくして加圧する。なお、アウターパンチ5の面圧をセンターパンチ6の面圧よりも大きくして加圧するのは、図1(a)に示したような被加工材1の拘束が開始された直後でなく、アウターパンチ5とセンターパンチ6の加圧側の端面の軸方向距離が図1(d)に示す最終製品寸法H1 の状況になってから行うことにしてもよい。
【0024】
上記のようにして加圧すれば、図1(d)に示すように、被加工材1の据え込み部が完全に形成された後の被加工材1の余剰体積をセンターパンチ6の後退又は前進で吸収することができるので、最終製品にはバリや欠肉を生じることがなく、しかも金型に割れが生じることもない。
【0025】
なお、上記(1)の発明におけるアウターパンチ5とセンターパンチ6の圧下速度は通常の鍛造圧下速度でよい。
【0026】
又、この際の加圧は、複動プレスによって、被加工材1の変形抵抗の「2±0.2」倍をアウターパンチ5の面圧とする力で、又、被加工材1の変形抵抗の「1.7±0.2」倍をセンターパンチ6の面圧とする力で行うことが好ましく、更に、両パンチによる圧下を同期させて行えば一層よい。
【0027】
被加工材1の変形抵抗は、例えば図3に示すように、歪みや応力状態あるいは工具(金型)と被加工材1との間の摩擦状態などによって変化するが、予め種々の条件で実験して変形抵抗を求めておきさえすれば、容易に前記両パンチの加圧に反映させることができる。
【0028】
図6に示す直径dの中実円柱(被加工材1)の据え込み部に相当する長さLと前記直径dとの比である(L/d)の値が2.25を超える場合には、座屈の発生を防止するために(2)の発明に係る方法で、つまり、前記据え込み部に相当する部位を予備成形した後で、アウターパンチ5及びセンターパンチ6で加圧することが好ましい。
【0029】
すなわち、先ず、通常の方法で潤滑処理された被加工材(中実円柱)1の据え込み部に相当する部位を通常の方法で予備成形する。この予備成形は、例えば図7に示すように、予備成形部の長さfと、予備成形部の最大直径eと最小直径d(つまり、中実円柱1の直径d)との平均径gとの比である(f/g)の値が2.25以下となるように行えばよい。なお、前記の予備成形部の最大直径eは、段付きシャフトの据え込み部の直径以下の値である。
【0030】
次いで、前記の予備成形した被加工材1を、固定ダイ2及びノックアウトピン4で形成される孔型に挿入してノックアウトピン4上に載置した後、図1(b)に示すように、アウターパンチ5及びセンターパンチ6を降下させて、これらのパンチと前記固定ダイ2及びノックアウトピン4で被加工材1を拘束する。なお、予備成形した被加工材1の予備成形部の最大直径eが段付きシャフトの据え込み部の直径の値と等しい場合には、被加工材1の拘束は前記の2つのパンチ、すなわち、アウターパンチ5及びセンターパンチ6と、固定ダイ2、ノックアウトピン4及び浮動ダイ3とで行われることになる。この後、図1(c)に示すように両パンチで加圧して行く。この際、アウターパンチ5の面圧をセンターパンチ6の面圧よりも大きくして加圧する。
【0031】
なお、アウターパンチ5の面圧をセンターパンチ6の面圧よりも大きくして加圧するのは、図1(b)に示したような、アウターパンチ5及びセンターパンチ6、固定ダイ2及びノックアウトピン4による被加工材1の拘束が開始された直後でなく、アウターパンチ5とセンターパンチ6の加圧側の端面の軸方向距離が図1(d)に示す最終製品寸法H1 の状況になってから行うことにしてもよい。
【0032】
上記のようにして加圧すれば、図1(d)に示すように、被加工材1の据え込み部が完全に形成された後の被加工材1の余剰体積をセンターパンチ6の後退又は前進で吸収することができるので、最終製品にはバリや欠肉を生じることがなく、しかも金型に割れが生じることもない。
【0033】
(2)の発明の方法の場合にも、アウターパンチ5とセンターパンチ6の圧下速度は通常の鍛造圧下速度でよい。
【0034】
又、この際の加圧は、複動プレスによって、被加工材1の変形抵抗の「2±0.2」倍をアウターパンチ5の面圧とする力で、又、被加工材1の変形抵抗の「1.7±0.2」倍をセンターパンチ6の面圧とする力で行うことが好ましく、更に、両パンチによる圧下を同期させて行えば一層よい。
【0035】
被加工材1の変形抵抗は、例えば図3に示すように、歪みや応力状態あるいは工具(金型)と被加工材1との間の摩擦状態などによって変化するが、予め種々の条件で実験して変形抵抗を求めておきさえすれば、容易に前記両パンチの加圧に反映させることができる。
【0036】
上記(1)の発明の方法及び(2)の発明の方法は、鉄鋼材料、アルミニウムやその合金、銅やその合金、チタンやその合金といった所謂「金属材料」だけではなく、セラミックなども含めて塑性変形する材料一般に対して適用することができる。
【0037】
又、上記の方法による段付きシャフトの製造は、所謂「冷間」に限らず、「温間」や「熱間」の温度が上がった状態で行ってもよい。
【0038】
(3)の発明に係る段付きシャフトの製造装置の金型は、例えば、図1に示すように固定ダイ2、ノックアウトピン4、各々独立して圧下力と位置の制御が可能なアウターパンチ5及びセンターパンチ6、前記アウターパンチ5の作動に連動する浮動ダイ3で構成されている。
【0039】
上記の浮動ダイ3は、アウターパンチ5の作動に連動して作動する構造で、複動プレスの基台Bに対し、伸縮自在な部材7(例えば、スプリング、空気シリンダー、ゴムやウレタンなど)によってその後方が支持されている。又、ノックアウトピン4の後方には図示していないが、成形後の製品(被加工材1)を排出するための排出機構が設けられている。
【0040】
密閉金型を構成する上記の各金型のうち、アウターパンチ5及びセンターパンチ6は、複動プレスの各シリンダーのピストンロッド(図示せず)に対して個別に連結されている。更に、前記の両パンチには、鍛造力を検知するロードセル(図示せず)と位置を検出するリニアスケール(図示せず)とが取り付けられており、各々独立して圧下力と位置の制御が可能になっている。
【0041】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
図1に示す本発明の方法に係る各種の金型及び、図4に示す従来のメカニカルプレスを用いた方法に係る金型を準備する一方、JIS G 4051に規定されるS10C鋼を通常の方法で溶製、熱間圧延及び伸線加工し、これを切断加工して公称直径19.95mmで長さが61.6mmの中実円柱を準備した。
【0043】
次いで、上記の中実円柱の表面に通常の方法で燐酸亜鉛被膜処理を施し、本発明の方法及び従来のメカニカルプレスを用いた方法で図8に示す段付きシャフトを室温で各10個ずつ製造した。
【0044】
具体的には、図1に示す装置を用いた本発明に係る方法では、燐酸亜鉛被膜処理を施した被加工材(中実円柱)1を固定ダイ2及びノックアウトピン4で形成される孔型に挿入してノックアウトピン4上に載置し、次いで、アウターパンチ5及びセンターパンチ6をそれぞれ35mm/秒、35mm/秒で降下させて、これらのパンチと前記固定ダイ2及びノックアウトピン4で被加工材1を拘束した。この後、予め求めておいた変形抵抗をベースに、アウターパンチ5の面圧を145kgf/mm2 、センターパンチ6の面圧を122kgf/mm2 として加圧した。なお、固定ダイ2とノックアウトピン4とで長さ20mmの部分を形成するようにした。
【0045】
本発明の方法で上記のようにして加圧すると、図1(d)に示すように、被加工材1の据え込み部が完全に形成された後の被加工材1の余剰体積がセンターパンチ6の後退で吸収されるので、最終製品にはバリや欠肉が生じていなかった。更に、金型に割れが生じることもなかった。
【0046】
一方、図4に示す従来のメカニカルプレスを用いた方法では、燐酸亜鉛被膜処理を施した被加工材(中実円柱)1を下固定ダイ9及びノックアウトピン4で形成される孔型に挿入してノックアウトピン4上に載置し、パンチ8を35mm/秒で降下させて、パンチ8の面圧を149.7kgf/mm2 として据え込み加工した。この従来法で据え込み加工した場合には、バリと欠肉が発生ししたがって、所望の段付きシャフトを得るのための生産性は極めて劣るものであった。
【0047】
(実施例2)
図1に示す本発明の方法に係る各種の金型及び、図4に示す従来のメカニカルプレスを用いた方法に係る金型を準備する一方、JIS G 4052に規定されるSCr420H鋼を通常の方法で溶製、熱間圧延、球状化焼鈍処理及び伸線加工し、これを切断加工して公称直径19.95mmで長さが90mmの中実円柱を準備した。
【0048】
次いで、上記の中実円柱の表面に通常の方法で燐酸亜鉛被膜処理を施し、本発明の方法及び従来のメカニカルプレスを用いた方法で図9に示す段付きシャフトを室温で各10個ずつ製造した。
【0049】
具体的には、図1に示す装置を用いた本発明に係る方法では、燐酸亜鉛被膜処理を施した被加工材(中実円柱)1の据え込み部に相当する部位を通常の方法で図10に示すように予備成形した。次いで、前記の予備成形した被加工材1を、固定ダイ2及びノックアウトピン4で形成される孔型に挿入してノックアウトピン4上に載置した。次いで、アウターパンチ5及びセンターパンチ6をそれぞれ35mm/秒、35mm/秒で降下させて、これらのパンチと前記固定ダイ2及びノックアウトピン4で被加工材1を拘束した。この後、予め求めておいた変形抵抗をベースに、アウターパンチ5の面圧を185kgf/mm2 、センターパンチ6の面圧を158kgf/mm2 として加圧した。なお、固定ダイ2とノックアウトピン4とで長さ20mmの部分を形成するようにした。
【0050】
本発明の方法で上記のようにして加圧すると、図1(d)に示すように、被加工材1の据え込み部が完全に形成された後の被加工材1の余剰体積がセンターパンチ6の後退で吸収されるので、最終製品にはバリや欠肉が生じていなかった。更に、金型に割れが生じることもなかった。
【0051】
一方、図4に示す従来のメカニカルプレスを用いた方法では、燐酸亜鉛被膜処理を施した被加工材(中実円柱)1を予備成形することなく直接に下固定ダイ9及びノックアウトピン4で形成される孔型に挿入してノックアウトピン4上に載置し、パンチ8を35mm/秒で降下させて、パンチ8の面圧を176.6kgf/mm2 として据え込み加工した。この従来法で、しかも図10に示した予備成形がなされていない被加工材を加工した場合、座屈が生じ所望形状の最終製品が得られなかった。
【0052】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、金型の破損を生じさせることなく、しかも、バリや欠肉を発生させないで直径が(素材である)中実円柱の直径より大きい据え込み部を有する軸付き歯車や軸付きピストンなどの素材として好適な段付きシャフトを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で段付きシャフトを製造する片側状況の一例を示す模式的縦断面である。
【図2】直径が(素材である)中実円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを説明する図である。
【図3】被加工材の歪みと変形抵抗の関係を模式的に示す図である。
【図4】メカニカルプレスを用いた段付きシャフトの製造を説明する図である。
【図5】油圧プレスを用いた閉塞鍛造加工による段付きシャフトの製造を説明する図である。
【図6】直径dの中実円柱(被加工材1)の据え込み部に相当する長さLを説明する図である。
【図7】被加工材の据え込み部に相当する部位を予備成形した場合の予備成形部の形状を説明する図である。
【図8】実施例1で製造した直径が(素材である)中実円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを示す図である。
【図9】実施例2で製造した直径が(素材である)中実円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを示す図である。
【図10】実施例2で被加工材の据え込み部に相当する部位を予備成形した場合の予備成形部の形状を示す図である。
【符号の説明】
1:被加工材、
2:固定ダイ、
3:浮動ダイ、
4:ノックアウトピン、
5:アウターパンチ、
6:センターパンチ、
7:伸縮自在な部材、
8:パンチ、
9:下固定ダイ、
10:上センターパンチ、
11:下センターパンチ、
12:上金型、
13:下金型、
B:複動プレスの基台、
S:空間、
d:素材である中実円柱の直径、
L:直径dの中実円柱の据え込み部に相当する長さ、
e:予備成形部の最大直径、
f:予備成形部の長さ、
g:(d+e)/2、
1 :最終製品(段付きシャフト)の寸法

Claims (3)

  1. 製品に対応する段付きシャフトの形状を、固定ダイ、浮動ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチによって構成される密閉金型で形成して中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを製造する方法であって、被加工材である中実円柱を固定ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチで拘束した後、アウターパンチの面圧をセンターパンチの面圧よりも大きくして加圧することを特徴とする段付きシャフトの製造方法。
  2. 製品に対応する段付きシャフトの形状を、固定ダイ、浮動ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチによって構成される密閉金型で形成して中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを製造する方法であって、被加工材である中実円柱の前記据え込み部に相当する部位を予備成形し、次いで、予備成形した被加工材を少なくとも固定ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ及びセンターパンチで拘束した後、アウターパンチの面圧をセンターパンチの面圧よりも大きくして加圧することを特徴とする段付きシャフトの製造方法。
  3. 中実円柱から直径がその円柱の直径より大きい据え込み部を有する段付きシャフトを製造する装置であって、固定ダイ、ノックアウトピン、各々独立して圧下力と位置の制御が可能なアウターパンチ及びセンターパンチ、前記アウターパンチの作動に連動する浮動ダイを備え、前記の固定ダイ、ノックアウトピン、アウターパンチ、センターパンチ及び浮動ダイによって製品に対応する段付きシャフトの形状を有する密閉金型の形成が可能な段付きシャフトの製造装置。
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