JPH11201238A - サイレントチェーン及びその製造方法 - Google Patents

サイレントチェーン及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11201238A
JPH11201238A JP266598A JP266598A JPH11201238A JP H11201238 A JPH11201238 A JP H11201238A JP 266598 A JP266598 A JP 266598A JP 266598 A JP266598 A JP 266598A JP H11201238 A JPH11201238 A JP H11201238A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link plate
pitch
inner link
guide
guide link
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP266598A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Shimada
吉広 嶋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Daido Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Kogyo Co Ltd filed Critical Daido Kogyo Co Ltd
Priority to JP266598A priority Critical patent/JPH11201238A/ja
Publication of JPH11201238A publication Critical patent/JPH11201238A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 疲労強度、静破断荷重を向上すると共に、チ
ェーンの伸びを小さくしたサイレントチェーン及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 ガイドリンクプレート5のピッチPg
が、インナリンクプレート1a,1bのピッチPiより
所定量大きいものを用いることにより、予荷重に際し
て、ガイドリンク列のインナリンクプレート1bにイン
ナリンク列のインナリンク1aに比して大きな荷重を作
用する。また、上記ピッチ差ΔP(=Pg−Pi)によ
りガイドリンク列のインナリンクプレート1bがピンに
対して締結状態となる。そして、インナリンクプレート
のピッチとガイドリンクプレートのピッチが略々等しく
なるように所定予荷重を作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に動力伝達用と
して用いられるサイレントチェーン、特にエンジンのタ
イミング(カム)チェーンとして用いて好適なサイレン
トチェーン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、サイレントチェーンは、スプロ
ケット歯と噛合う1対の股状の歯を有するインナリンク
プレートと、上記スプロケット歯の側面に接触してチェ
ーンを案内するガイドリンクプレートと、を備え、両側
に上記ガイドリンクプレートが配置されるガイドリンク
列と、上記インナリンクプレートのみからなるインナリ
ンク列とを、無端状になるようにピンにより交互に連結
して構成されている。上記インナリンクプレートは、ス
プロケット歯にその内側(内股)にて係合するもので
も、またその外側(外股)にて係合するものでも、内径
方向に突出する1対の歯を有するものであって、該1対
の歯の間に比較的に深い切込みが形成される。
【0003】一方、ガイドリンクプレートは、スプロケ
ット歯側面に当接する関係上、上記切込みを設けること
ができず、インナリンクプレートに比して引張り強度の
高い構造になっている。このため、従来、ガイドリンク
プレートは、外径方向に切込みを設けたり、またインナ
リンクプレートに比して板厚の薄いものを用いたりし
て、インナリンクプレートとの強度差が少なくなるよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、ローラチェーン
と同様にサイレントチェーンにおいても、組立てられた
チェーンに降伏荷重を越えた引張り予荷重(プレストレ
ス)を与えて、ピン孔部分及び切込み部分等の応力集中
を生じ易い部分に残留応力を生成し、疲労強度の向上を
図っている(特開平2−278040号公報及び特許第
26326号公報参照)。
【0005】ところで、サイレントチェーンは、横列に
おいても各リンクプレートを交互に連結する関係上、ガ
イドリンク列の方がインナリンク列よりプレートの数が
1枚多くなる。例えば、図9に示すように、2枚のイン
ナリンクプレート1a,1aと、1枚のインナリンクプ
レート1bとをピン2にて交互に連結する場合、2枚の
インナリンクプレートのみからなるインナリンク列3に
対して、両側にガイドリンクプレート5(及び1枚のイ
ンナリンクプレート1b、該インナリンクプレートをセ
ンタリンクプレートと称する)を有するガイドリンク列
6は、リンクプレートが1枚多くなる。
【0006】従って、上記インナリンク列3が2枚、ガ
イドリンク列6が3枚のサイレントチェーンに予荷重F
を作用する場合、インナリンク列のリンクプレート1a
に(1/2)F、ガイドリンク列のセンタリンクプレー
ト1bに(1/2)F及びガイドリンクプレート5に
(1/4)Fの荷重が作用することが好ましいが、上述
したように、ガイドリンクプレートの強度を低くしよう
としても、その構造上、その剛性(ヤング率)をインナ
リンクプレートの1/2程度に設定することは困難であ
る。
【0007】更に、材質をインナリンクプレートより低
い硬度のものを用いたり、板厚を薄くしたり、更に上面
に深い切込みを形成する等により、ガイドリンクプレー
トの剛性係数を小さくすると、疲労強度が低くなり、か
つガイドリンクプレートは、インナリンクプレートに比
してその静破断荷重(引張り強度)が極端に小さくな
り、エンジン始動時等の過負荷作用時に破断する可能性
があり、またチェーンの伸びも大きくなる虞れがある。
【0008】そこで、本発明は、ガイドリンクプレート
のピッチをインナリンクプレートに対して予め所定量大
きくして、予荷重を作用する際、ガイドリンク列のイン
ナリンクプレート(センタリンクプレート)に大きな荷
重を作用し、もって上述課題を解決したサイレントチェ
ーン及びその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、内径側に1対の歯(12,12)を有する複数のイ
ンナリンクプレート(1a)からなるインナリンク列
(3)と、両側に配置されたガイドリンクプレート
(5,5)及びこれらガイドリンクプレートの間に配置
される上記インナリンクプレート(1b)からなるガイ
ドリンク列(6)と、をピン(2)にて交互に連結して
なるサイレントチェーン(10)において、前記ガイド
リンクプレートのピッチ(Pg)が、前記インナリンク
プレートのピッチ(Pi)より所定量(ΔP)大きいも
のを用い、上記ピッチ差(ΔP)により前記ガイドリン
ク列(6)のインナリンクプレート(1b)が前記ピン
(2)に対して締結状態となり、かつ所定予荷重を作用
した後の状態での前記インナリンクプレートのピッチと
前記ガイドリンクプレートのピッチとが略々等しくな
る、ことを特徴とするサイレントチェーンにある。
【0010】請求項2に係る本発明は、内径側に1対の
歯(12,12)を有する複数のインナリンクプレート
(1a)からなるインナリンク列(3)と、両側に配置
されたガイドリンクプレート(5,5)及びこれらガイ
ドリンクプレートの間に配置される上記インナリンクプ
レート(1b)からなるガイドリンク列(6)と、をピ
ン(2)にて交互に連結してなるサイレントチェーンの
製造方法において、前記ガイドリンクプレートのピッチ
(Pg)が、前記インナリンクプレートのピッチ(P
i)より所定量(ΔP)大きいものを用いることによ
り、予荷重に際して、ガイドリンク列のインナリンクプ
レート(1b)にインナリンク列のインナリンク(1
a)に比して大きな荷重を作用し、前記インナリンクプ
レートのピッチと前記ガイドリンクプレートのピッチが
略々等しくなるように所定予荷重を作用する、ことを特
徴とするサイレントチェーンの製造方法にある。
【0011】請求項3に係る本発明は、前記ガイドリン
クプレート(5)とインナリンクプレート(1a,1
b)のピッチ差(ΔP)は、前記インナリンクプレート
を弾性領域内の所定荷重を作用した後に該所定荷重を除
去した状態での矯正変形に基づき設定される、請求項1
記載のサイレントチェーン又は請求項2記載のサイレン
トチェーンの製造方法にある。
【0012】請求項4に係る本発明は、前記ガイドリン
クプレート(5)の1対のピン孔(15,15)の外側
の間隔をLg、その孔径をDg、前記インナリンクプレ
ート(1a,1b)の1対のピン孔(11,11)の外
側の間隔をLi、前記ピン(2)の直径をDpとする
と、前記ガイドリンクプレートとインナリンクプレート
のピッチ差ΔPは、ΔP=(Lg−Dg)−(Li−D
p)となり、かつ前記予荷重後のチェーンピッチをPと
すると、ΔP/Pが、0.003〜0.006の範囲内
にある、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
記載のサイレントチェーン又はその製造方法にある。
【0013】請求項5に係る本発明は、前記ガイドリン
クプレート(5)は、その外径側に、その底面(d)が
1対のピン孔(15,15)の外径側端を結ぶ線(l)
に略々一致するか又はそれより外径側に位置する浅い切
込み(16)を有する、ことを特徴とする請求項1ない
し4のいずれか記載のサイレントチェーン又はその製造
方法にある。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例によるサ
イレントチェーン10を示し、2枚のインナリンクプレ
ート1a,1aからなるインナリンク列3と、1枚のイ
ンナリンクプレート(センタプレート)1b及び両側の
ガイドリンクプレート5,5からなるガイドリンク列6
とが、ピン2により交互に連結されて無端状に構成され
ている。
【0015】インナリンクプレート1a,1bは、図2
(A)に示すように、1対のピン孔11,11を有する
と共に内径側に突出する1対の歯12,12を有してお
り、これら歯12,12は、その間に比較的深い切込み
13が形成されて2股状になっており、その内側面(内
股)a,aにてスプロケット歯に係合するか、又は隣接
するインナリンクプレートの歯の外側面(外股)b,b
にてスプロケット歯に係合する。
【0016】また、ガイドリンクプレート5は、図2
(B)に示すように、1対のピン孔15,15を有する
と共に、その前後側面は前記インナリンクプレートの外
側面bと略々同形状からなり、かつその内径側は円弧状
の低面cを有し、更に外径側中央部に前記ピン孔の上端
(外径側端)を結ぶ線lに略々一致するか又はそれより
僅かに外径側に位置する底面dを有する浅い切込み16
が形成されている。更に、ピン2は、断面円形からな
り、また図1(A)に示すように、インナリンクプレー
ト1a,1bの厚さtに対して、ガイドリンクプレート
5の厚さは0.7〜0.8tからなる。
【0017】そして、前記インナリンクプレート1a,
1b及びガイドリンクプレート5は、共にピン2用の1
対の孔11,15を有しているが、孔径及びピッチが互
に相違する。即ち、ガイドリンクプレート5の孔径Dg
は、ピン2の直径Dpに対して僅かに小さく、またイン
ナリンクプレート1a,1bの孔径Piは、ピン2の直
径Dpに対して僅かに大きい関係(Dg<Dp<Di)
からなり、ガイドリンクプレートの孔15にピン2が圧
入されて締り嵌め(嵌合)状態となると共に、インナリ
ンクプレートの孔11はピン2に対して回転可能、即ち
遊嵌状態となっている。
【0018】更に、図2(A)(B)に示すように、ガ
イドリンクプレート5のピッチPgは、インナリンクプ
レート1a,1bのピッチPiより僅かに大きく設定さ
れている(Pg>Pi)。なお、ガイドリンクプレート
のピッチPgは、1対の孔15,15の外側間隔をLg
とし、孔径をDgとすると、Pg=Lg−Dgにて求め
られ、またインナリンクプレートのピッチPiは、1対
の孔11,11の外側間隔をLiとし、ピン孔をDpと
すると、Pi=Li−Dpにて求められる。そして、上
記両リンクプレートのピッチの差ΔP(=Pg−Pi)
は、予荷重後のチェーンピッチ即ち公称チェーンピッチ
をPとすると、[ΔP/P]=0.003〜0.006
の範囲、好ましくは約0.005に設定される。一例と
して、公称チェーンピッチ6.35[mm](0.4イ
ンチ)の場合、上記ピッチ差ΔPは、約0.02〜0.
04[mm]の範囲、好ましくは0.03[mm]に設
定される。
【0019】図3は、上記インナリンクプレート1a,
1bの関係を強調して示したサイレントチェーン10の
概略平断面であり、センタリンクプレートが締り嵌め
(締結)状態となることの理解を容易にするため、ピン
孔及びピンの湾曲を強調し拡大して示してある。
【0020】インナリンクプレート1a,1bは、イン
ナリンク列3のものもガイドリンク列6のものも共通し
て用いられており、ピン2に対して遊嵌関係、即ちピン
孔11の径Piがピン2の直径Dpより大きくなってお
り、かつガイドリンクプレート5は、ピン孔15が嵌合
状態、即ち孔径Dgがピン直径Dpより小さく、圧入さ
れかつカシメられて、ピン2とガイドリンクプレート5
は固定状態にある。
【0021】そして、ガイドリンクプレートのピッチP
gは、インナリンクプレートのピッチPiより所定量大
きいので、ガイドリンク列6にあっては、ピン2が挿入
される際、センタリンクプレート(中央のインナリンク
プレート)1bは、ピン2が僅かに撓むと共にピン孔1
5の外側端に圧接され、該センタリンクプレート1bと
ピン2とは、圧入と同様に一体に固定された状態とな
る。なお、インナリンク列3は、インナリンクプレート
1aのみからなるため、ピン2とインナリンクプレート
との関係は、回動自在となり、チェーンの屈曲を妨げる
ことはない。
【0022】上述したように、ピッチの相違したインナ
リンクプレート1a,1b及びガイドリンクプレート5
はピン2により連結して組付けられる。該組付けられた
インナリンク列3及びガイドリンク列6からなるサイレ
ントチェーン10は、所定荷重からなる予荷重(プレス
トレス)が掛けられる。該予荷重は、インナリンクプレ
ートにその破断荷重の約50〜70[%]、最適値とし
て65[%]が作用するのが好ましく、従って該荷重に
インナリンク列のプレート枚数を乗じた荷重が予荷重と
なる。本実施例(チェーンピッチ6.35[mm])に
あっては、インナリンクプレートの静破断荷重が366
[Kgf]であるので、予荷重は、366〜513[K
gf]、好ましくは450〜476[Kgf]である。
【0023】図4は、リンクプレート単体の荷重一伸び
線図を示す図で、(A)は、インナリンクプレート1
a,1b、(B)は、ガイドリンクプレート5を示す。
この図からも明らかなように、ガイドリンクプレート
は、インナリンクプレートに対して、静破断荷重は低い
が剛性(係数)は大きくなっている。また、インナリン
クプレートにあっては、図4(A)にてXに示す部分に
顕著に表われており、降伏荷重に達していない(弾性領
域)所定荷重(例えば227[Kgf])を作用した
後、該荷重を除去した場合、該Xに示す矯正変形を生じ
る。これは、ピン孔11とピン2との当接によるなじ
み、及び歯12を有するインナリンクプレートの形状に
起因する矯正等により生じるものと考えられ、本実施例
の場合、該矯正変形量は約0.04[mm]である。
【0024】そこで、上記実施例のもにおいて、センタ
リンクプレート1bに0.04[mm]の矯正変形が生
じるようにガイドリンクプレートのピッチを変更して所
定予荷重(450[Kgf])を掛けた実験を行い、そ
の結果を図5に示す。該図5において、横軸は前述した
ピッチ差ΔP、即ち予荷重前のガイドリンクプレートの
ピッチPgからインナリンクプレートのピッチPiを引
いた値(Pg−Pi)であり、縦軸はセンタリンクプレ
ート1bの矯正変形量[mm]を示し、これから、該矯
正変形が約0.04[mm]となる上記ピッチ差ΔP
は、0.03[mm]となることが解り、これにより、
該実施例による(チェーンピッチ6.35[mm])の
ものは、インナリンクプレートのピッチに対してガイド
リンクプレートのピッチが、0.03[mm]長くなる
ように設定した。
【0025】上記実施例は、インナリンク列2枚、ガイ
ドリンク列3枚のもの(2×3枚)を示したが、リンク
プレートの数の多いもの(例えば3×4枚、4×5枚)
も同様に、ガイドリンクプレートをインナリンクプレー
トより所定量ピッチを大きく設定する。該多列のサイレ
ントチェーンにあっても、上記実施例のもの(2×3
枚)と同様に、ピッチ差ΔPを0.03[mm]に設定
しても、インナリンク列の中央側プレートと両側プレー
トのピッチ変化量並びにガイドリンク列の中央インナプ
レートとガイドリンクプレートの変化量が所定範囲
(0.01[mm])内にあることが実験的に確かめら
れた。従って、該多列チェーンにおいても、2×3枚の
上記基準チェーンのガイドリンクプレートと同じものを
用いることが可能である。
【0026】なお、理論的には、ガイドリンク列のプレ
ート枚数Mgと、インナリンク列のプレート枚数Miを
考慮すると、前記式は以下のようになる。即ち、(ΔP
/P)・(Mg/Mi)が0.002〜0.004の範
囲にあり、かつ0.003が最適値となる。
【0027】なお、本発明は、実施例に示すチェーンピ
ッチに限らず、他のピッチのものにも同様に適用できる
ことは勿論であり、かつ図2(B)にて示すようなガイ
ドリンクプレートの形状に限らず、図6(A)に示すよ
うに、上方の切込み26を、その底面dが1対のピン孔
15,15の中心線l′に略々一致するような深いもの
として、剛性係数を低くしたガイドリンクプレート5′
を用いたものにも適用でき、また図6(B)に示すよう
に、切込みを有さない通常の形状のガイドリンクプレー
ト5′を用いたものにも適用でき、更にどのような形
状、材質、板厚からなるリンクプレートを用いたサイレ
ントチェーンにあっても、同様に適用することができる
ものである。
【0028】ついで、上述した実施例のものを他のサイ
レントチェーンと対比した実験結果について説明する。
図7及び図8は、大小のスプロケットに上記実施例のサ
イレントチェーンを掛け渡し、一部をオイルパス内に油
浴潤滑すると共にチェーンに所定張力を付与して駆動し
た実験結果である。
【0029】図7は、従来の技術で示したガイドリンク
プレートの剛性を大幅に低くしたもの(点線)と本発明
の上記実施例のもの(実線)とを比較した摩耗テスト結
果であり、本実施例のものは、駆動時間経過によって
も、伸び率が小さいことが解る。また、図8は、図6
(A)に示すガイドリンクプレートを用いた(ただしピ
ッチ差ΔP=0)サイレントチェーンと、本実施例によ
るピッチ差を有するチェーンとを比較した実駆動疲労テ
ストであり、本実施例のものは、実駆動疲労強度が約1
3[%」向上したことが解る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ガイドリンクプレートのピッチをインナリンクプレート
のピッチより所定量大きくすることにより、ガイドリン
ク列のインナリンクプレートに集中して予荷重(プレス
トレス)を掛け、予荷重後のガイドリンク列とインナリ
ンク列とを実質的に同一ピッチとしたので、ガイドリン
クプレートの剛性を大幅に低くするような無理な設計を
必要とせず、サイレントチェーンの疲労強度を高くする
ことができ、また静破断荷重を上げて、エンジン始動時
等に作用する過負荷時におけるチェーン張力に対する安
全率を向上し、更にチェーンの伸びを少なくして、油圧
テンショナー等を不用とすることも可能とすることがで
きる。
【0031】また、適正な予荷重をチェーンに作用する
ことにより、応力集中部分に残留応力を作用すると共
に、噛合い時におけるチェーンのピッチむらをなくし
て、耐久性及び噛合い精度等のサイレントチェーンの性
能及び信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例を示す図で、(A)は一部
断面した平面図、(B)は側面図である。
【図2】(A)は上記実施例に用いられるインナリンク
プレートを示す側面図、(B)はガイドリンクプレート
を示す側面図である。
【図3】本発明に係る基本原理を示すべく調強・拡大し
て示したサイレントチェーンの概略平断面図。
【図4】上記実施例に係るリンクプレート単体の荷重一
伸び線図で、(A)はインナリンクプレート、(B)は
ガイドリンクプレートを示す。
【図5】ガイドリンクプレートとインナリンクプレート
のピッチ差を設定するために、所定予荷重を作用した状
態でのピッチ差とセンタリンクプレートの矯正変形量の
関係を示す図である。
【図6】本発明の他の適用例を示すガイドリンクプレー
トの側面図であり、(A)は切込みを深くしたもの、
(B)は切込みを設けないものを示す。
【図7】本実施例を他のチェーンと比較した摩耗テスト
の結果を示す図である。
【図8】本実施例を他のチェーンと比較した実駆動疲労
強度試験の結果を示す図である。
【図9】サイレントチェーンに予荷重を作用した状態を
示す概略平面図である。
【符号の説明】
1a インナリンクプレート 1b インナリンクプレート(センタリンクプレー
ト) 2 ピン 3 インナリンク列 5(5′,5″) ガイドリンクプレート 6 ガイドリンク列 10 サイレントチェーン 11 ピン孔 12 歯 13 切込み 15 ピン孔 16 浅い切込み

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径側に1対の歯を有する複数のインナ
    リンクプレートからなるインナリンク列と、両側に配置
    されたガイドリンクプレート及びこれらガイドリンクプ
    レートの間に配置される上記インナリンクプレートから
    なるガイドリンク列と、をピンにて交互に連結してなる
    サイレントチェーンにおいて、 前記ガイドリンクプレートのピッチが、前記インナリン
    クプレートのピッチより所定量大きいものを用い、 上記ピッチ差により前記ガイドリンク列のインナリンク
    プレートが前記ピンに対して締結状態となり、 かつ所定予荷重を作用した後の状態での前記インナリン
    クプレートのピッチと前記ガイドリンクプレートのピッ
    チとが略々等しくなる、 ことを特徴とするサイレントチェーン。
  2. 【請求項2】 内径側に1対の歯を有する複数のインナ
    リンクプレートからなるインナリンク列と、両側に配置
    されたガイドリンクプレート及びこれらガイドリンクプ
    レートの間に配置される上記インナリンクプレートから
    なるガイドリンク列と、をピンにて交互に連結してなる
    サイレントチェーンの製造方法において、 前記ガイドリンクプレートのピッチが、前記インナリン
    クプレートのピッチより所定量大きいものを用いること
    により、予荷重に際して、ガイドリンク列のインナリン
    クプレートにインナリンク列のインナリンクプレートに
    比して大きな荷重を作用し、 前記インナリンクプレートのピッチと前記ガイドリンク
    プレートのピッチが略々等しくなるように所定予荷重を
    作用する、 ことを特徴とするサイレントチェーンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガイドリンクプレートとインナリン
    クプレートのピッチ差は、前記インナリンクプレートを
    弾性領域内の所定荷重を作用した後に該所定荷重を除去
    した状態での矯正変形に基づき設定される、 請求項1記載のサイレントチェーン又は請求項2記載の
    サイレントチェーンの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ガイドリンクプレートの1対のピン
    孔の外側の間隔をLg、その孔径をDg、前記インナリ
    ンクプレートの1対のピン孔の外側の間隔をLi、前記
    ピンの直径をDpとすると、 前記ガイドリンクプレートとインナリンクプレートのピ
    ッチ差ΔPは、 ΔP=(Lg−Dg)−(Li−Dp) となり、かつ前記予荷重後のチェーンピッチをPとする
    と、 ΔP/Pが、0.003〜0.006の範囲内にある、 ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載のサ
    イレントチェーン又はその製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガイドリンクプレートは、その外径
    側に、その底面が1対のピン孔の外径側端を結ぶ線に略
    々一致するか又はそれより外径側に位置する浅い切込み
    を有する、 ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載のサ
    イレントチェーン又はその製造方法。
JP266598A 1998-01-08 1998-01-08 サイレントチェーン及びその製造方法 Pending JPH11201238A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP266598A JPH11201238A (ja) 1998-01-08 1998-01-08 サイレントチェーン及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP266598A JPH11201238A (ja) 1998-01-08 1998-01-08 サイレントチェーン及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11201238A true JPH11201238A (ja) 1999-07-27

Family

ID=11535623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP266598A Pending JPH11201238A (ja) 1998-01-08 1998-01-08 サイレントチェーン及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11201238A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004162917A (ja) * 2002-10-24 2004-06-10 Borg Warner Morse Tec Japan Kk サイレントチェーンおよびその製造方法
JP2007092289A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Nippon Jido Kiko Kk 除塵機
WO2007077616A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Daido Kogyo Co., Ltd. サイレントチェーン及びその製造方法
JP2008505294A (ja) * 2004-07-06 2008-02-21 シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト 音なし鎖
EP1953412A2 (en) 2007-01-30 2008-08-06 Jtekt Corporation Pretension loading method for power transmission chain and pretension loading apparatus
JP2008185066A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーンの製造に用いられる予張力負荷装置
JP2010138926A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Tsubakimoto Chain Co 噛合チェーン
JP2012035283A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの製造方法
JP2012045578A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Honda Motor Co Ltd サイレントチェーンの製造方法
JP2013531203A (ja) * 2010-06-29 2013-08-01 ケッテン−ヴルフ ベトリーブス−ゲーエムベーハー チェーンおよびチェーンを製造するための方法
DE102014207855A1 (de) 2013-05-07 2014-11-13 Tsubakimoto Chain Co. Kette
WO2015023269A1 (en) * 2013-08-14 2015-02-19 Borgwarner Inc. Chain with alternating inside link position to enable narrow lacing with improved nvh behavior
CN105414447A (zh) * 2015-11-02 2016-03-23 杭州持正科技股份有限公司 发动机正时齿形链条强化预拉工艺
DE10113460B4 (de) 2000-03-17 2018-07-19 Tsubakimoto Chain Co. Zahnkette mit runden Verbindungsstiften

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10113460B4 (de) 2000-03-17 2018-07-19 Tsubakimoto Chain Co. Zahnkette mit runden Verbindungsstiften
JP2004162917A (ja) * 2002-10-24 2004-06-10 Borg Warner Morse Tec Japan Kk サイレントチェーンおよびその製造方法
JP4805922B2 (ja) * 2004-07-06 2011-11-02 シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト 音なし鎖
JP2008505294A (ja) * 2004-07-06 2008-02-21 シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト 音なし鎖
JP2007092289A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Nippon Jido Kiko Kk 除塵機
EP1967760A1 (en) * 2005-12-28 2008-09-10 Daido Kogyo Co., Ltd. Silent chain and its manufacturing method
EP1967760A4 (en) * 2005-12-28 2010-04-21 Daido Kogyo Kk SILENT CHAIN AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
WO2007077616A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Daido Kogyo Co., Ltd. サイレントチェーン及びその製造方法
JP2008185066A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーンの製造に用いられる予張力負荷装置
EP1953412A2 (en) 2007-01-30 2008-08-06 Jtekt Corporation Pretension loading method for power transmission chain and pretension loading apparatus
US8141402B2 (en) 2007-01-30 2012-03-27 Jtekt Corporation Pretension loading method for power transmission chain and pretension loading apparatus
JP2010138926A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Tsubakimoto Chain Co 噛合チェーン
JP2013531203A (ja) * 2010-06-29 2013-08-01 ケッテン−ヴルフ ベトリーブス−ゲーエムベーハー チェーンおよびチェーンを製造するための方法
JP2012035283A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの製造方法
JP2012045578A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Honda Motor Co Ltd サイレントチェーンの製造方法
DE102014207855A1 (de) 2013-05-07 2014-11-13 Tsubakimoto Chain Co. Kette
US9494213B2 (en) 2013-05-07 2016-11-15 Tsubakimoto Chain Co. Chain
WO2015023269A1 (en) * 2013-08-14 2015-02-19 Borgwarner Inc. Chain with alternating inside link position to enable narrow lacing with improved nvh behavior
KR20160030585A (ko) * 2013-08-14 2016-03-18 보르그워너 인코퍼레이티드 개선된 nvh 거동을 갖는 좁은 레이싱을 가능하게 해주는 교번적인 내측 링크 위치를 갖는 체인
US10030741B2 (en) 2013-08-14 2018-07-24 Borgwarner Inc. Chain with alternating inside link position to enable narrow lacing with improved NVH behavior
CN105414447A (zh) * 2015-11-02 2016-03-23 杭州持正科技股份有限公司 发动机正时齿形链条强化预拉工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6485385B2 (en) Silent chain
US6733410B2 (en) Wear-elongation resistant silent chain
JPH11201238A (ja) サイレントチェーン及びその製造方法
JP5360813B2 (ja) 両面駆動用サイレントチェーン並びにそれを用いた両面駆動用サイレントチェーン伝動装置
EP0937910A1 (en) Guide link for a back-driving silent chain having window portions to reduce link rigidity
JP3035206B2 (ja) サイレントチェーン
US20040166978A1 (en) Silent chain and method of producing the same
WO2007077616A1 (ja) サイレントチェーン及びその製造方法
JP5944200B2 (ja) サイレントチェーン
EP0967410A1 (en) Rocker joint silent chain having a joint pin thicker than a corresponding rocker pin
US20020132690A1 (en) Silent chain
US20140141914A1 (en) Silent chain and silent chain transmission
JP3905322B2 (ja) サイレントチェーン
JP2007187181A (ja) サイレントチェーン
EP2473758B1 (en) Silent chain
JPH11218198A (ja) サイレントチェーン伝動装置
JP3420696B2 (ja) サイレントチェーン伝動装置
US20100304911A1 (en) Vibration-proof silent chain
JP4762294B2 (ja) ブシュ付きサイレントチェーン
JP4639109B2 (ja) サイレントチェーン
JP2001140993A (ja) ロッカージョイントピン型サイレントチェーン
US7942772B2 (en) Silent chain
GB2430475A (en) Double-sided engagement type silent chain
JP4625113B2 (ja) サイレントチェーン
JP3235790B1 (ja) リンク列の強度及び伸びを均一化したサイレントチェーン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041119

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070313