JPH11199409A

JPH11199409A - 除草剤組成物

Info

Publication number: JPH11199409A
Application number: JP441498A
Authority: JP
Inventors: Nobuyuki Hamada; 暢之濱田; Etsuo Oshiyama; 悦夫押山; Tsutomu Nawamaki; 勤縄巻
Original assignee: Nissan Chemical Corp
Current assignee: Nissan Chemical Corp
Priority date: 1998-01-13
Filing date: 1998-01-13
Publication date: 1999-07-27

Abstract

(57)【要約】【課題】新規な除草剤組成物を提供する。【解決手段】キノクラミンおよびカルフェントラゾン
エチルを有効成分として含有することを特徴とする除草
剤組成物、並びに当該除草剤組成物を使用する除草方
法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は水稲用除草剤組成物に関
する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】現
在、水稲用除草剤として数多くの化合物が実用化されて
いるが、既存の薬剤は移植水稲に薬害を及ぼすことな
く、対象雑草のみを選択的に防除するという要求を必ず
しも完全に満たすものではない。キノクラミン（一般
名）は、藻類、ウキクサ等の防除に有効な水稲用除草剤
として既に実用化されている。

【０００３】またカルフェントラゾンエチル（一般名）
は、麦用除草剤として開発中の化合物である。また水稲
用除草剤としては、コナギや一年生広葉雑草などに対し
て高い防除効果を有し、通常の植え付け条件での移植水
稲に対しては、高い安全性が得られるが、極端な浅植え
条件の移植水稲には薬害が発現することがある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、キノクラミンおよびカルフ
ェントラゾンエチルを有効成分として含有することを特
徴とする除草剤組成物（以下本発明組成物と称す）が、
以下の優れた効果を奏することを見い出すにいたった。

【０００５】本発明組成物では、カルフェントラゾンエ
チルにキノクラミンを加えることにより、カルフェント
ラゾンエチルの各種雑草に対する防除効果は維持したま
ま、カルフェントラゾンエチルの移植水稲に対する薬害
を顕著に低減することができる。さらに本発明組成物は
直播水稲においても同様の効果を奏する。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明組成物が好適な効果を示す
のは、キノクラミン１重量部当たりカルフェントラゾン
エチルを0.001〜100 重量部含む場合であるが、キノク
ラミン１重量部当たりカルフェントラゾンエチルを0.01
〜10重量部含む場合は更に好ましい効果が期待できる。

【０００７】本発明組成物の好適な処理薬量は防除すべ
き対象雑草の種類などにより左右されるが、有効成分と
してキノクラミンが10g〜10kg/ha、カルフェントラゾン
エチルが１g〜10kg/haの場合であるが、キノクラミンが
0.1kg 〜 3 kg/ha、カルフェントラゾンエチルが0.01kg
〜3kg/haの場合はさらに好ましい効果が期待できる。本
発明組成物を施用するにあたっては、通常適当な固体担
体又は液体担体と混合し、更に所望により界面活性剤、
浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防
止剤、崩壊剤および分解防止剤等を添加して、液剤、乳
剤、水和剤、水溶剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、懸濁
剤、乳濁剤、サスポエマルジョン、マイクロエマルジョ
ン、粉剤、粒剤およびゲル剤等任意の剤型の製剤にて実
用に供することができる。

【０００８】この際同時に複数の他の除草剤、殺虫剤、
殺菌剤、植物生長調整剤、肥料等と混合使用することも
可能である。特に他の除草剤の１種あるいは２種以上を
配合するとにより、殺草スペクトラムを広げることが可
能となり、本発明の効果をより安定なものとするとがで
きる。また、省力化および安全性向上の観点から、上記
任意の剤型の製剤を水溶性包装体に封入して供すること
もできる。

【０００９】固体担体としては、例えば石英、カオリナ
イト、パイロフィライト、セリサイト、タルク、ベント
ナイト、酸性白土、アタパルジャイト、ゼオライトおよ
び珪藻土等の天然鉱物質類、炭酸カルシウム、硫酸アン
モニウム、硫酸ナトリウムおよび塩化カリウム等の無機
塩類、合成珪酸ならびに合成珪酸塩が挙げられる。液体
担体としては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコールおよびイソプロパノール等のアルコール類、
キシレン、アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレン
等の芳香族炭化水素類、ブチルセロソルブ等のエーテル
類、シクロヘキサノン等のケトン類、γ−ブチロラクト
ン等のエステル類、Ｎ−メチルピロリドン、Ｎ−オクチ
ルピロリドン等の酸アミド類、大豆油、ナタネ油、綿実
油およびヒマシ油等の植物油ならびに水が挙げられる。

【００１０】これら固体および液体担体は、単独で用い
ても２種以上を併用してもよい。界面活性剤としては、
例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチ
レンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよ
びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノ
ニオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルスル
ホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリ
ン縮合物の塩、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマ
リン縮合物の塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテル硫酸および燐酸塩、ポリオキシエチレンスチリ
ルフェニルエーテル硫酸および燐酸塩、ポリカルボン酸
塩およびポリスチレンスルホン酸塩等のアニオン性界面
活性剤、アルキルアミン塩およびアルキル４級アンモニ
ウム塩等のカチオン性界面活性剤ならびにアミノ酸型お
よびベタイン型等の両性界面活性剤が挙げられる。

【００１１】これら界面活性剤の含有量は、特に限定さ
れるものではないが、本発明の製剤１００重量部に対
し、通常０．０５〜２０重量部の範囲が望ましい。ま
た、これら界面活性剤は、単独で用いても２種以上を併
用してもよい。次に製剤の配合例を示す。但し本発明の
配合例は、これらのみに限定されるものではない。な
お、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。

【００１２】〔水和剤〕有効成分 0.1〜８０部固体担体５〜98.9部界面活性剤１〜１０部その他０〜５部その他として、例えば固結防止剤、分解防止剤等があげ
れらる。

【００１３】〔乳剤〕有効成分 0.1〜３０部液体担体５５〜９５部界面活性剤 4.9〜１５部その他０〜１０部その他として、例えば展着剤、分解防止剤等が挙げられ
る。

【００１４】〔懸濁剤〕有効成分 0.1〜７０部液体担体１５〜98.89部界面活性剤１〜１２部その他 0.01〜３０部その他として、例えば凍結防止剤、増粘剤等が挙げられ
る。

【００１５】〔顆粒水和剤〕有効成分 0.1〜９０部固体担体０〜98.9部界面活性剤１〜２０部その他０〜１０部その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられ
る。

【００１６】〔粒剤〕有効成分 0.01〜１０部固体担体９０〜99.99部その他０〜１０部その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられ
る。

【００１７】

【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明における化合物、製剤量、剤型等は実
施例のみに限定されるものではない。なお「部」は全て
重量部を意味する。

【００１８】〔配合例１〕粒剤キノクラミン 7部カルフェントラゾンエチル 2部ベントナイト 53部タルク 38部以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて攪拌混
合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤にす
る。

【００１９】〔配合例２〕顆粒水和剤（ドライフロアブ
ル剤）キノクラミン 45部カルフェントラゾンエチル 25部ハイテノールNE-15 5部（アニオン性界面活性剤：第一工業製薬（株）商品名）バニレックスＮ 10部（アニオン性界面活性剤：日本製紙（株）商品名）カープレックス＃８０Ｄ 10部（合成含水珪酸：塩野義製薬（株）商品名）パイロフィライト 5部以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混
合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して顆粒水和剤
とする。

【００２０】〔配合例３〕水和剤キノクラミン 50部カルフェントラゾンエチル 25部ソルポール５０３９ 2部（非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混
合物：東邦化学工業（株）商品名）カープレックス＃８０Ｄ 2部（合成含水珪酸：塩野義製薬（株）商品名）パイロフィライト 21部以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。

【００２１】次に本発明組成物の除草剤としての有用性
を以下の試験例において具体的に説明する。〔試験例１〕移植水稲の浅植え条件下での薬害試験 1/5000アールのワグネルポット中に沖積土壌を入れた
後、水を入れて混和し、水浸４cmの湛水条件とした。2.
5 葉期の葉齢のイネ苗を0.5cm の深度で移植した。移植
当日、配合例３に準じて試製した水和剤を用いて、供試
薬剤の所定濃度の懸濁液をメスピペットで滴下処理し
た。薬剤処理後３週間目に地上部の生体重を測定し、無
処理区と比較した。その結果を第１表に示す。

【００２２】〔試験例２〕湛水条件における除草効果
試験 1/5000アールのワグネルポット中に沖積土壌を入れた
後、水を入れて混和し、水浸４cmの湛水条件とした。ノ
ビエ、コナギ、ホタルイの種子を播種した。播種後７日
目（ノビエ1.5 葉、コナギ２葉、ホタルイ２葉）に配合
例３に準じて試製した水和剤を用いて、供試薬剤の所定
濃度の懸濁液をメスピペットで滴下処理した。薬剤処理
後３週間目に各種雑草に対する除草効果を下記の判定基
準に従い調査した。結果を第２表に示す。

【００２３】判定基準５：完全枯死あるいは９０％以上の抑制４：７０〜９０％の抑制３：４０〜７０％の抑制２：２０〜４０％の抑制１：５〜２０％の抑制０：５％以下の抑制抑制の程度は、肉眼による観察評価から求めた。

【００２４】

【表１】第１表 ──────────────────────── 化合物有効成分の生体重無処理区比（％）処理量 (g/ha) ──────────────────────── (A) 500 100 (B) 250 70 (B) 500 53 (A)+(B) 500+250 100 500+500 100 ────────────────────────

【００２５】上表において、(A)はキノクラミンを、(B)
はカルフェントラゾンエチルを表す。

【００２６】

【表２】第２表 ────────────────────────────────── 化合物有効成分のノビエホタルイコナギ処理量 (g/ha) ────────────────────────────────── (A) 500 0 1 4 (B) 125 3 3 4 (B) 250 4 4 4 (B) 500 5 5 5 (A)+(B) 500+125 4 4 5 (A)+(B) 500+250 5 5 5 (A)+(B) 500+500 5 5 5 ──────────────────────────────────

【００２７】上表において、(A)はキノクラミンを、(B)
はカルフェントラゾンエチルを表す。

【００２８】

【発明の効果】試験例１および試験例２から明らかなよ
うに本発明組成物は、カルフェントラゾンエチルの有す
る除草効果を減じることなく、移植水稲に対する薬害を
顕著に軽減した。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＡ０１Ｎ 25/30 Ａ０１Ｎ 25/30 43/653 43/653 Ｑ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】キノクラミンおよびカルフェントラゾンエ
チルを有効成分として含有することを特徴とする除草剤
組成物。
【請求項２】請求項１の除草剤組成物を使用する除草方
法。