JPH11131848A - 櫛歯式立体駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】精度よく櫛刃ホークの昇降通過を行え、各横行
トレイ毎に出退駆動装置が不要で製造コストを下げるこ
とができる。 【解決手段】 搬器３に櫛歯リフト装置８を介して昇降
自在に配置された旋回フレーム２３ａの四隅部に、前後
外方に突出される搬器付櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂを設け、
横行トレイ５を、平面視で昇降経路２側が開放された平
面視コの字形に形成するとともに、その内部四隅部に搬
器付櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂに上下方向に通過可能に噛み
合うトレイ付櫛刃ホーク６Ａ，６Ｂを前後内方に突設
し、駐車室４と搬器３に横行トレイ５の出退移動を案内
するローララック１２およびトレイ搬送コンベヤ２４を
設けるとともに、搬器３に横行トレイ５を駐車室４と搬
器３との間で出退移動可能な出し入れローラ装置２５を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上下方向に通過可
能な櫛刃ホークを利用して昇降装置の搬器と駐車室との
間で車を受渡しする櫛歯式立体駐車装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、昇降装置により搬器が昇降駆動さ
れる昇降経路の両側に駐車室が配置され、これら駐車室
にそれぞれ昇降経路側に出退自在な横行トレイが配設さ
れ、搬器に設けられた搬器付櫛歯ホークと横行トレイに
設けられたトレイ付櫛刃ホークとの間で、上下方向に通
過して車を受渡しする櫛歯式立体駐車装置が多数提案実
施されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記立体駐車装置で
は、建屋内の駐車空間を有効利用するために、駐車室の
高さを低くできることや、設備コストをできるだけ低く
押さえることが重要な課題である。たとえば横行トレイ
に配置される櫛刃ホークが長いと、剛性の増加のために
ホークの高さを高くする必要が生じ、その結果駐車室の
高さが高くなる。また横行トレイに搬器側に移動するた
めの駆動装置を設けた場合には、設備コストを上昇させ
るという問題が生じる。

【０００４】本発明のうち請求項１記載の発明は、上記
問題点を解決して、駐車室の高さを低くできて駐車空間
の有効利用が図れ、設備コストを低減できる櫛歯式立体
駐車装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項１記載の発明は、昇降装置により搬器
が昇降駆動される昇降経路両側の各駐車階にそれぞれ駐
車室が配置され、これら駐車室にそれぞれ昇降経路側に
出退自在な横行トレイが配設され、搬器に設けられた搬
器付櫛歯ホークと横行トレイに設けられたトレイ付櫛刃
ホークとを上下方向に噛み合わせて通過させ車を受渡し
する櫛歯式立体駐車装置において、搬器に櫛歯リフト装
置を介して昇降自在に配置された可動フレームの四隅部
に、前後外方に突出される搬器付櫛刃ホークを設け、前
記横行トレイを、平面視で昇降経路側が開放されて前記
可動フレームに外嵌可能な平面視コの字形に形成すると
ともに、その内部四隅部に搬器付櫛刃ホークに上下方向
に通過可能に噛み合うトレイ付櫛刃ホークを前後内方に
突設し、駐車室と搬器に横行トレイの出退移動を案内す
るトレイガイド手段を設けるとともに、前記搬器に横行
トレイを駐車室から搬器上に出退移動可能なトレイ出退
駆動装置を設けたものである。

【０００６】上記構成によれば、横行トレイを平面視コ
の字形に形成することにより、横行トレイの剛性を高め
ることができ、これら四隅部から前後内方に突出させた
トレイ付櫛刃ホークも短くて高さを低くできる。でき
る。また、搬器に横行トレイを駐車室から搬器上に出退
移動可能なトレイ出退駆動装置を設けたので、横行トレ
イの駆動装置は不要となり、設備コストを大幅に削減で
きる。

【０００７】

【発明の実施の形態】ここで、本発明に係る櫛刃式立体
駐車装置の実施の形態を図１〜図４に基づいて説明す
る。

【０００８】この立体駐車装置は、図６に示すようにタ
ワー型の建屋内に接地される立体駐車装置で、最上階に
配置された昇降装置１により四隅位置の索体を介して搬
器３が昇降経路２に沿って昇降自在に配設され、昇降経
路２の両側で各駐車階にわたって駐車室４がそれぞれ形
成されている。また地上階は入出庫室９に構成されてい
る。また図１，図２に示すように、各駐車室４には、ト
レイ付櫛刃ホーク６Ａ，６Ｂを有して昇降経路２側に出
退移動自在な横行トレイ５がそれぞれ配置されている。
また搬器３には、トレイ付櫛刃ホーク６Ａ，６Ｂに上下
方向に挿通可能な搬器付櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂと、この
搬器付櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂをトレイ付櫛刃ホーク６
Ａ，６Ｂの上下に通過できる範囲で昇降可能な櫛歯リフ
ト装置８が設けられている。

【０００９】図１，図２に示すように、各横行トレイ５
の底部には、左右一対の受けレール１１，１１が出退方
向に沿って配設されており、駐車室４の建屋フレーム１
１には左右一対のローララック１２，１２が配設され、
ローララック１２の遊転ローラ１２ａ上に受けレール１
１を介して横行トレイ５が昇降経路２側に移動自在に配
置されている。この横行トレイ５は、左右一対の側部フ
レーム１３ａ，１３ａと、奥側でこれら側部フレーム１
３ａ，１３ａを互いに連結するフレーム１３ｂとで平面
視が昇降経路２側が開放されたコの字形に形成され、内
部の四隅部に前輪用および後輪用のトレイ付櫛刃ホーク
６Ａ，６Ｂが複数本、収容する車の車軸Ｃと平行かまた
は車軸Ｃに対して取付け角θ＝１０°〜３０°の範囲で
前後内方の中心側に傾斜して突設されている。この取付
け角θを持たせることにより、トレイ付櫛刃ホーク６
Ａ，６Ｂと前輪および後輪の接地本数および接地面積を
増大させて安定した支持を行うことができる。

【００１０】前記搬器３は、昇降経路２に沿って配設さ
れた昇降レール１４にガイド装置１５を介して昇降自在
に案内される搬器フレーム２１に、櫛刃リフト装置８を
構成する４本のリフトジャッキ２２を介してターンテー
ブル装置２３が配設され、このターンテーブル装置２３
の可動フレームである矩形旋回フレーム２３ａの四隅部
位置に搬器付櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂが水平面内で車軸Ｃ
に対して取付け角θだけ傾斜して取付けられている。ま
た、搬器フレーム２１の両側には、ローララック１２に
直線状に配置可能なトレイ搬送コンベヤ２４が配設され
ており、ローララック１２とトレイ搬送コンベヤ２４と
でトレイガイド手段が構成されている。さらにこのトレ
イ搬送コンベヤ２４の両端部に、駐車室４に配置された
横行トレイ５を搬器３側に引き出し、または駐車室側に
押込み可能なトレイ出退駆動手段である出し入れローラ
装置２５が設けられている。

【００１１】このトレイ搬送コンベヤ２４は、図２に示
すように、コンベヤフレーム２４ａに１列に駆動ローラ
２４ｂが複数個配置され、コンベヤ駆動モータ２４ｃに
よりチェーンおよびスプロケットからなる伝動機構２４
ｄを介して各駆動ローラ２４ｂが正逆回転駆動するよう
に構成される。出し入れローラ装置２５は、コンベヤフ
レーム２４ａの端部に水平軸２５ａを介してスイングア
ーム２５ｂが揺動自在に支持され、出退シリンダ２５ｃ
により水平姿勢の突出位置と垂下姿勢の後退位置との間
で揺動される。そしてスイングアーム２５ｂの先端部
に、駆動ローラ２４ｂに連動される出し入れローラ２５
ｄが取り付けられ、この出し入れローラ２５ｄが駐車室
５の横行トレイ５の受けレール１１に当接することによ
り、駐車室５から横行トレイ５を引き出し、送り込むこ
とができる。

【００１２】また搬器３には、移載された横行トレイ５
をセンタリングするセンタリング装置３１が設けられて
いる。このセンタリング装置３１は、搬器３の前後一対
が配置されたクランプ部３２，３２と、これらクランプ
部３２，３２を連結連動する連動軸３３と、連動軸３３
を介してクランプ部３２を駆動するセンタリングモータ
３４とで構成され、図３に示すように、クランプ部３２
に連動軸３３に複数のリンク３２ｂ介して開閉自在に設
けられた一対のクランプアーム３２ａ，３２ａにより、
横行トレイ５の底部に設けられたセンタリング用ブロッ
ク１３ｃを移載方向前後から挟んで把持させることによ
り、横行トレイ５をセンタリング位置で固定することが
できる。

【００１３】次に上記立体駐車装置の出庫動作を説明す
る。 １．昇降装置１が駆動されて搬器３が目的の駐車階まで
昇降移動され、駐車室４のローララック１２と搬器３の
トレイ搬送コンベヤ２４とが同一高さレベルとなる位置
に停止される。

【００１４】２．出し入れローラ装置２５の出退シリン
ダ２５ｃを伸展してスイングアーム２５ｂを突出位置ま
で突出させ、出し入れローラ２５ｄを横行トレイ５の受
けレール１１に当接させる。そして、出し入れローラ２
５ｄとトレイ搬送コンベヤ２４を駆動して、車を搭載し
た横行トレイ５を駐車室４のローララック１２上から搬
器３のトレイ搬送コンベヤ２４上まで移動させる。

【００１５】３．そして横行トレイ５の移動限をセンサ
で検出すると、センタリング装置３１のセンタリングモ
ータ３４を駆動してクランプアーム３２ａを閉動させ、
センタリングブロック１３ｃ把持させて横行トレイ５の
中心を搬器３の中心に一致させるとともに横行トレイ５
を固定する。

【００１６】４．櫛刃リフト装置８を駆動し、搬器付櫛
刃ホーク７Ａ，７Ｂを上昇させてトレイ付櫛刃ホーク６
Ａ，６Ｂを通過させ、車輪を搬器付櫛刃ホーク７Ａ，７
Ｂ上に受取り、車を搬器３側に移載する。

【００１７】５．センタリング装置３１を開放後、トレ
イ搬送コンベヤ２４および出し入れローラ装置２５を駆
動して空の横行トレイ５を搬器３上から駐車室４に後退
移動させ駐車室４の元位置に復帰させる。そして出し入
れローラ装置２５の出し入れローラ２５ｄを後退させ
る。

【００１８】６．櫛刃リフト装置８を駆動して搬器付櫛
刃ホーク７Ａ，７Ｂを下降させ元位置に復帰させるとと
もに、昇降装置１を駆動して搬器３を入出庫室９に下降
する。

【００１９】次に上記立体駐車装置の入庫動作を説明す
る。 ７．昇降装置１が駆動されて搬器３が目的の駐車階まで
上昇され、駐車室４のローララック１２とトレイ搬送コ
ンベヤ２４とが同一レベルとなる位置で停止される。

【００２０】８．再度、櫛刃リフト装置８により搬器付
櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂが上昇されて車が所定レベルまで
持ち上げられた後、出し入れローラ装置２５により出し
入れローラ２５ｄを横行トレイ５に当接させ、出し入れ
ローラ２５ｄとトレイ搬送コンベヤ２４とを駆動して空
の横行トレイ５を駐車室４から搬器３に移動させる。つ
いでセンタリング装置３１により、この横行トレイ５を
センタリングして固定する。

【００２１】９．櫛刃リフト装置８により搬器付櫛刃ホ
ーク７Ａ，７Ｂを下降してトレイ付櫛刃ホーク６Ａ，６
Ｂを通過させ、搬器付櫛刃ホーク７Ａ，７Ｂ上の車輪を
トレイ付櫛刃ホーク６Ａ，６Ｂ上に受け渡す。

【００２２】１０．トレイ搬送コンベヤ２４と出し入れ
ローラ２５ｄとを駆動して車を搭載した横行トレイ５を
搬器３から駐車室４のローララック１２上に移動させ、
入庫を完了する。そして出し入れローラ装置２５の出し
入れローラ２５ｄを後退させた後、指令を受けて次の動
作に移る。

【００２３】上記実施の形態によれば、駐車室４にそれ
ぞれ配置される横行トレイ５を、昇降経路２側に開放さ
れた平面視がコの字形に形成し、内側四隅部で前後内方
に突出するトレイ付櫛刃ホーク６Ａ，６Ｂを設けたの
で、トレイフレーム１３に十分な強度をもたせることが
でき、またホークの長さを短くして剛性を高めることが
できるので、横行トレイ５の上下高さを低くすることが
できて駐車空間を有効利用することができる。

【００２４】また、駐車室４のローララック１２上とト
レイ搬送コンベヤ２４との間で、横行トレイ５を搬器３
に設けた出し入れローラ装置２５により押し引き駆動し
て受渡しすることができるので、各横行トレイ５または
駐車室４側に横行トレイ５の出退用駆動装置は不要で遊
転式ローララック１２だけでよく、製造コストの低減に
寄与できる。

【００２５】

【発明の効果】以上に述べたごとく本発明の請求項１記
載の発明によれば、横行トレイを平面視コの字形に形成
することにより、横行トレイの剛性を高めることがで
き、これら四隅部から前後内方に突出させたトレイ付櫛
刃ホークも短くて高さを低くできる。できる。また、搬
器に横行トレイを駐車室から搬器上に出退移動可能なト
レイ出退駆動装置を設けたので、横行トレイの駆動装置
は不要となり、設備コストを大幅に削減できる。

【００２６】また、請求項２記載の発明によれば、前輪
用および後輪用を支持するトレイ付や搬器付の櫛刃ホー
クを取付け角を持たせて車の車軸に対して傾斜させたの
で、前輪および後輪のホークへの接地本数および接地面
積を増大させて安定して車輪を支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る櫛刃式立体駐車装置の実施の形態
を示す駐車室および搬器の平面図である。

【図２】同立体駐車装置の搬器の正面断面図である。

【図３】同センタリング装置の正面断面図である。

【図４】同立体駐車装置の全体正面断面図である。

【符号の説明】

１ 昇降装置 ２ 昇降経路 ３ 搬器 ４ 駐車室 ５ 横行トレイ ６Ａ，６Ｂ トレイ付櫛刃ホーク ７Ａ，７Ｂ 搬器付櫛刃ホーク ８ 櫛刃リフト装置 ９ 入出庫室 １１ 受けレール １２ ローララック ２１ 搬器フレーム ２２ リフトジャッキ ２３ ターンテーブル ２４ トレイ搬送コンベヤ ２５ 出し入れローラ装置 ３１ センタリング装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】昇降装置により搬器が昇降駆動される昇降
   経路両側の各駐車階にそれぞれ駐車室が配置され、これ
   ら駐車室にそれぞれ昇降経路側に出退自在な横行トレイ
   が配設され、搬器に設けられた搬器付櫛歯ホークと横行
   トレイに設けられたトレイ付櫛刃ホークとを上下方向に
   噛み合わせて通過させ車を受渡しする櫛歯式立体駐車装
   置において、 搬器に櫛歯リフト装置を介して昇降自在に配置された可
   動フレームの四隅部に、前後外方に突出される搬器付櫛
   刃ホークを設け、 前記横行トレイを、平面視で昇降経路側が開放されて前
   記可動フレームに外嵌可能な平面視コの字形に形成する
   とともに、その内部四隅部に搬器付櫛刃ホークに上下方
   向に通過可能に噛み合うトレイ付櫛刃ホークを前後内方
   に突設し、 駐車室と搬器に横行トレイの出退移動を案内するトレイ
   ガイド手段を設けるとともに、前記搬器に横行トレイを
   駐車室から搬器上に出退移動可能なトレイ出退駆動装置
   を設けたことを特徴とする櫛歯式立体駐車装置。
2. 【請求項２】各櫛刃ホークに、載置する車の車軸に対し
   て傾斜する取付け角を持たせたことを特徴とする請求項
   １記載の櫛歯式立体駐車装置。