JPH11117906A - 油圧駆動装置 - Google Patents

油圧駆動装置

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JPH11117906A
JPH11117906A JP9299682A JP29968297A JPH11117906A JP H11117906 A JPH11117906 A JP H11117906A JP 9299682 A JP9299682 A JP 9299682A JP 29968297 A JP29968297 A JP 29968297A JP H11117906 A JPH11117906 A JP H11117906A
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pressure
load
valve
control valve
actuator
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JP9299682A
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Satoshi Hamamoto
智 浜本
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Nachi Fujikoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の大きく異なるアクチュエータ12,1
3を同時に操作しても、速度が急変せずにショックなく
スムースな操作を可能とし、エネルギー損失や原動機の
負担を減少し、さらに簡単安価な油圧駆動装置及び圧力
補償弁を得る。 【解決手段】 差圧制御弁23により可変容量ポンプ2
を制御し、流量調整機能を有する方向制御弁4,5の下
流側に配設された圧力補償弁10,11を、複数のアク
チュエータの最高負荷圧力Pm及び各制御弁に対応する
アクチュエータの負荷圧力PLにより閉じ方向に作用さ
せ、方向制御弁の絞り部の下流側の圧力Pdにより開方
向に作用させる。さらに、流量特性を、方向制御弁差圧
ΔPを、吐出圧力3と最高負荷圧力との差圧と、アクチ
ュエータ負荷圧力と、を変数としかつ負荷圧力の増加に
応じて減少する一次式とし、低負荷側の圧力補償弁の流
量特性の流量減少割合を、高負荷側圧力補償弁の流量減
少割合より小とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械等で使用
される1つ又は複数の油圧ポンプの吐出油を複数のアク
チュエータに供給する油圧駆動装置において、特に大き
な慣性負荷と比較的小さな負荷を同時に駆動するのに好
適な油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧駆動装置は建設機械や農業
機械用に主として用いられ、負荷圧力に応じて可変容量
ポンプ吐出量を制御するものが使用されている。また、
複数のアクチュエータを駆動するにあたって、それぞれ
のアクチュエータの負荷圧力等の差により互いに干渉し
てアクチュエータの速度変化を生じないように、各回路
に圧力補償弁を設けることにより、ポンプ吐出量を分流
するようにされている。さらに、ポンプ吐出量が複数の
駆動アクチュエータの所定要求流量を下まわった場合に
は、各アクチュエータに適切な比でポンプ吐出量を分配
させる機能いわゆるアンチサチュレーション機能を備え
たものも使用されている。
【0003】かかる従来の油圧駆動装置について、例え
ば、図2に示す油圧回路図を例にとって説明する。図2
において、エンジン等の原動機1で駆動される可変容量
ポンプ2の吐出油路3に複数の方向制御弁4,5を並列
に接続し各方向制御弁4,5において絞り部を通過した
後、中間油路6,7及びチェック弁8,9を介して複数
の圧力補償弁30,31にそれぞれ接続し、再び方向制
御弁4,5を経た後に、各方向制御弁4,5の出力側を
アクチュエータ12,13にそれぞれ接続し、各アクチ
ュエータ12,13からの戻り油を再び方向制御弁4,
5を介してタンク14へ戻すようにされている。
【0004】圧力補償弁30,31は各圧力補償弁の上
流側の圧力を圧力補償弁を開く方向に第1の受圧面積を
有するパイロット油室10a,11aに作用するように
され、シャトル弁14で検出される最高負荷圧力15で
閉じ方向に第2の受圧面積を有するパイロット油室10
b,11bに作用するようにされている。そして、通常
はこれらの第1と第2の受圧面積は等しくなるようにさ
れている。
【0005】さらに、可変容量ポンプ2の吐出圧力とシ
ャトル弁14で検出された最高負荷圧力15との差圧に
対応した2次圧力24を発生する差圧制御弁23がバル
ブ装置22内に設けられ、該2次圧力24を油路20を
介して、可変容量ポンプ2の押しのけ容積変更手段16
を駆動するための流量調整弁17に作用させ、2次圧力
と該流量調整弁17のスプリング18であらかじめ設定
された作用力とつり合わせることにより、2次圧力がス
プリング18の作用力よりも大きい場合は、可変容量ポ
ンプ2の押しのけ容積を小さくするように、2次圧力が
スプリング18の作用力よりも小さな場合は、可変容量
ポンプ2の押しのけ容積を大きくするようにされてい
る。
【0006】従って、可変容量ポンプ2の吐出圧力は、
2次圧力24がスプリング18の作用力に相当する圧力
と等しくなるように制御される。このことは、2次圧力
すなわちポンプ吐出圧力とアクチュエータに最高負荷圧
力の差圧がスプリング18の作用力に相当する圧力と等
しくなるように制御される。即ち、ポンプ吐出圧力はア
クチュエータの最高負荷圧力に対し、スプリング18の
作用力に相当する圧力分だけ高くなるように制御されて
いる。
【0007】かかる構成によれば、各圧力補償弁30,
31の上流側の圧力、すなわち各方向制御弁4,5の絞
り部下流側の圧力は最高負荷圧力15に対して,各圧力
補償弁のスプリング10d,11dの作用力に相当する
分だけ高い圧力に設定されることになる。ここで各スプ
リング10d,11dの作用力が等しいとすれば、各方
向制御弁4,5の絞り部下流側の圧力は等しい圧力とな
る。なお、通常はスプリング10d,11dの作用力は
ごく弱いので、各方向制御弁4,5の絞り部下流側の圧
力は、最高負荷圧力15にほぼ等しい圧力になる。一方
各方向制御弁4,5の上流側は可変容量ポンプ2の吐出
油路3に並列に接続されていることからそれぞれ等しい
圧力となっており、それ故、各方向制御弁4,5の絞り
前後の差圧は等しい圧力となる。
【0008】従って、夫々の方向制御弁4,5絞り部前
後の差圧(以下方向制御弁差圧という)すなわち可変容
量ポンプ2の吐出油路3と方向制御弁4の絞り部下流側
の圧力との差圧及び可変容量ポンプ2の吐出油路3と方
向制御弁5の絞り部下流側の圧力との差圧が、ポンプ吐
出圧力と最高負荷圧力15との差圧、言いかえれば前述
の差圧制御弁23の2次圧力24に等しい圧力、すなわ
ち流量調整弁17のスプリング18で設定される圧力で
決められるようにされている。
【0009】かかる構成によれば、夫々のアクチュエー
タ12,13への流量が比較的少なく、その流量の合計
が可変容量ポンプ2の最大吐出流量に達しない場合は、
夫々の方向制御弁4,5絞り部前後の方向制御弁差圧
は、ポンプ吐出圧力と最高負荷圧力15との差圧、言い
かえれば流量調整弁17のスプリング18であらかじめ
設定された差圧に等しくなる。従って、夫々のアクチュ
エータの負荷圧力に差があっても負荷圧力によらず、夫
々のアクチュエータへの流量は、夫々の方向制御弁4,
5の絞り開度と、スプリング18であらかじめ設定され
た差圧で決まり、所定の速度制御が可能となるいわゆる
ロードセンシング機能を有することになる。
【0010】次に夫々のアクチュエータ12,13への
流量の合計が大きくなり、可変容量ポンプ2の最大吐出
流量に達したいわゆるサチュレーション状態について述
べる。この場合は、ポンプ吐出圧力と最高負荷圧力15
との差圧は前述のスプリング18で設定された差圧を確
保することができなくなるため、夫々の方向制御弁4,
5絞り部前後の差圧もスプリング18で設定された所望
の差圧にはならないが、夫々の方向制御弁差圧はそれぞ
れ等しくなるので、夫々のアクチュエータ12,13へ
の流量は、方向制御弁4,5の絞り開度の比率に等しい
流量に分流されることとなるいわゆるアンチサチュレー
ション機能を有することになる。
【0011】このものは、さらに、低温時に作動油の粘
度が高くなり、ポンプ装置21からバルブ装置22への
管路25での圧力損失が過大なものとなった場合、二次
圧力24は、バルブ装置22内でのポンプ吐出路3とア
クチュエータの最高負荷圧力15との差圧に比例した圧
力を発生させていることから、管路25の圧力損失の大
小に関係なく、バルブ装置22内のポンプ吐出油路3の
ポンプ吐出圧力が、アクチュエータの最高負荷圧力15
に対し前述のスプリング18の作用力に相当する圧力に
制御されるため、低温時であっても、流量が大幅に減少
することがなく、アクチュエータの速度が遅くなること
がない。また、ポンプ装置21とバルブ装置22を接続
する管路を増す必要がないので、使い勝手が良いものと
なっている。
【0012】なお、通常、油圧ショベル等の建設機械に
おいては、可変容量ポンプ2の吐出圧力が予め設定した
圧力を超えると、押しのけ容積変更手段16を流量が減
少する方向に作用させ原動機1の定格トルクを超えない
ように流量を規制するいわゆる定馬力制御が多く用いら
れている。制御弁19はかかる定馬力制御用の制御弁
で、さらに該制御弁19は前述のロードセンシング用の
流量調整弁17よりも優先して作用するようにされてい
る。すなわちロードセンシング制御よりも定馬力制御の
方を優先して働くようにされている。従って、最高負荷
圧力15が比較的高い状態においては定馬力制御が作用
している場合が多く、ポンプ2の最大吐出流量は規制さ
れているので前述のアンチサチュレーション機能は必要
不可欠な機能となっている。
【0013】さて図2において、アクチュエータ12は
例えば油圧ショベルの上部旋回体を旋回動作する旋回モ
ータであり、アクチュエータ13はブームを回動させる
ためのブームシリンダであるとする。上部旋回体には、
運転席、原動機、油圧機器及びブームアーム等のフロン
ト機構が取付けられているので、その重量が重く、極め
て慣性の大きい負荷を有する。それに対しブームシリン
ダ側の負荷は、比較的小さい。
【0014】かかる油圧ショベルにおいて、旋回モータ
12とブームシリンダ13を同時に操作した場合を考え
る。なお、このような複合操作は、油圧ショベルの作業
としては、通常の作業である。すなわち、堀削した土砂
等をバケットに取り込み、次いでブームを上げて、バケ
ットを持ち上げながら、同時に上部旋回体を旋回させ待
機しているトラックに土砂等を積み込む作業である。
【0015】まず、旋回及びブーム用の操作レバーを操
作し、方向制御弁4,5をストロークさせる。このスト
ローク量は通常かなり大きくフルストロークか、それに
近いストローク量である。すると、可変容量ポンプ2の
吐出油は、方向制御弁4,5、圧力補償弁30,31を
介して、アクチュエータ12,13へ流入しアクチュエ
ータを動かそうとするが、旋回モータ12の慣性負荷が
過大であるため、すぐには動かない。そのため、旋回モ
ータ12の流入側のアクチュエータポート12a又は1
2bに過大な圧力が発生し、流入側アクチュエータポー
トに設置されている図示しないオーバロードリリーフ弁
の設定圧力まで負荷圧力が上昇し、アクチュエータポー
ト12a又は12bへ流入した圧油のほとんどがオーバ
ロードリリーフよりタンクへ流出する。
【0016】また、オーバロードリリーフ弁の設定圧力
まで急上昇した負荷圧力は、シャトル弁14を経て差圧
制御弁23に作用するので差圧制御弁の2次圧力24は
急激に低下し、その低下した2次圧力は管路20を経由
してポンプ装置21の流量調整弁17へ作用するので、
ロードセンシング機構が働き、可変容量ポンプ2の吐出
流量を増加させるように働く。しかし、可変容量ポンプ
2の吐出圧力が、予め設定された値まで上昇すると、制
御弁19の定馬力制御機構が優先して働くようにされて
いるので、逆に吐出流量が減少する。
【0017】このように吐出流量が減少した状態であっ
ても、前述のアンチサチュレーション機能により各圧力
補償弁30,31は、各圧力補償弁の上流側の圧力を等
しい圧力にするように作用することから、それぞれの圧
力補償弁の開度は小さく絞られた状態となる。従ってブ
ームシリンダ13の駆動速度はブームシリンダ13を単
独で操作した場合より極端に遅くなると同時に旋回モー
タ12へ流入した圧油のリリーフによる原動機のエネル
ギ損失が大きくなるという問題が生じる。
【0018】次に、旋回モータ12の加速が終了し、定
常速度による旋回となると、旋回モータの駆動トルクが
急激に減少、即ち旋回負荷圧力が急激に低下して、ブー
ムシリンダ13の負荷圧力の方が大きくなる。そのため
最高負荷圧力15は急激に低下しそれに伴なってポンプ
吐出圧力3も低下して、前述の定馬力制御機構の働きが
緩和されることによりポンプ吐出流量が増加しポンプ吐
出流量に余裕が出ることになる。このため旋回速度が定
常速度に至ると、ブームシリンダは急激に加速するとい
うことになる。
【0019】以上の一連の動作を、油圧ショベルの実際
の作業状況に照らして説明すると次のようになる。
【0020】即ち、掘削した土砂等をバケットに取り込
み、ブームを上げながら旋回しようとすると初期には、
ブームの上昇速度が極端に遅くなる。次いである程度旋
回した後には、ブームが急加速してしまいギクシャクし
た動きとなるのである。従って、トラック積みの作業が
著しくやりにくく、作業効率が悪くなると同時にオペレ
ータの疲労を増大させてしまうという問題があった。
【0021】加えて、前述したように旋回の初期段階で
は、旋回モータのオーバロードリリーフから油圧をリリ
ーフさせながらの駆動となり、大きなエネルギー損失を
伴なうという問題があった。
【0022】そこで、特開平8−254201号公報に
おいては、旋回用圧力補償弁の下流側とブームシリンダ
の上げ側の流入ポートを合流通路で連通し、該連通路に
連通弁及び旋回用圧力補償弁の下流側からブームシリン
ダの流入ポートへの流入を許容するチェック弁を設け、
方向制御弁を操作するために設けた操作量に応じてパイ
ロット圧力が高くなる圧力制御弁のパイロット圧力のう
ち、ブーム上げ用のパイロット圧力を前記連通弁に作用
させて、該パイロット圧力により連通弁が開くと前記チ
ェック弁が開いて、旋回用圧力補償弁の下流側からブー
ムシリンダの流入ポートへ圧油が流れ旋回負荷圧力の急
上昇を防ぐと同時にブームの上昇速度の低下を防止した
ものが開示されている。
【0023】さらに、特開平6−117406号公報に
おいては、旋回モータの負荷圧力検出ラインにシーケン
ス弁を設け、該シーケンス弁の出口側を絞りを介してタ
ンクに接続し、旋回負荷圧力が上昇し該シーケンス弁が
開弁すると絞りの上流側に発生する圧力を利用し、旋回
用の圧力補償弁を閉じるように作用させて、旋回モータ
に流入する流量を小さくしたものが開示されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のものは、旋回負荷圧力の急上昇を防ぎブームの上昇速
度の低下を防止するために本来の圧力補償弁の他に、連
通弁やチェック弁及びシーケンス弁などの付属のバルブ
を設けて、それらの付属バルブに外部のパイロット圧力
を作用させたり、付属バルブそのものがある圧力条件に
なると作動するようにしている。
【0025】このため、当然のことながら本来の圧力補
償弁の他に各種の付属バルブを設けていることから、バ
ルブの全体の寸法が大きく、また、コスト高という問題
があった。特に、特開平8−254201号公報のもの
では外部のパイロット圧力が必要でありより複雑でコス
トが高いという問題があった。
【0026】本発明の目的は、従来のかかる問題点を鑑
みなされたもので、可変ポンプ吐出圧力と最高負荷圧力
との差圧を発生する差圧制御弁により可変ポンプの押し
のけ容積を2次圧力に応じて制御するようにした油圧駆
動装置において、極端に慣性負荷の大きなアクチュエー
タと比較的小さな負荷のアクチュエータを同時に操作し
ても、小さな負荷側へも、充分に圧油を供給することが
でき、かつ、慣性負荷が大きい方のアクチュエータの負
荷圧力が急激に低下した場合でも、夫々のアクチュエー
タの速度が急変せずにショックなくスムースな操作を可
能とする。また、エネルギー損失や原動機の負担を減少
することができ、さらには圧力補償弁以外の特別な付属
バルブや外部パイロット圧力が不要な安価な油圧駆動装
置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、可変容量ポンプと、該可変容量
ポンプの吐出する圧油によって駆動される少なくとも一
の低負荷側油圧アクチュエータと該アクチュエータより
大きな慣性負荷を有する一の高負荷側油圧アクチュエー
タとを有し、該複数の油圧アクチュエータに流入する圧
油をそれぞれ制御可能にされた流量調整機能を有する方
向制御弁と、複数のアクチュエータの最高負荷圧力と、
対応する方向制御弁の絞り部の下流側の圧力と、をそれ
ぞれ作用させて方向制御弁の圧力補償をする圧力補償弁
を方向制御弁絞り部の下流側に備え、かつ、可変ポンプ
吐出圧力(Pp)と前記最高負荷圧力(Pm)との差圧
に対応した2次圧(Pc=Pp−Pm)を発生する差圧
制御弁を設け、該可変ポンプの吐出油を該可変ポンプの
押しのけ容積変更手段に連通させるポンプ流量調整弁を
有し、前記差圧制御弁の2次圧力(Pc)を油路を介し
て該ポンプ流量調整弁に作用させ、該可変ポンプの押し
のけ容積を該2次圧力に応じて制御するようにした油圧
駆動装置において、前記圧力補償弁は、対応する前記方
向制御弁の下流側の圧力を圧力補償弁を開き方向に作用
させ、前記最高負荷圧力及び対応する油圧アクチュエー
タ側の負荷圧力を閉じ方向に作用させ、かつ、流量補償
域の流量特性が、方向制御弁絞り部の上流側圧力と下流
側圧力の差圧である方向制御弁差圧を、可変容量ポンプ
吐出圧力と複数のアクチュエータの最高負荷圧力との差
圧と、アクチュエータ負荷圧力と、を変数としかつアク
チュエータ負荷圧力の増加に応じて減少するようにされ
た一次式とするような圧力補償弁を有する油圧駆動装置
であって、低負荷側油圧アクチュエータの圧力補償弁の
流量特性の流量減少割合を、高負荷側油圧アクチュエー
タの圧力補償弁の流量特性の流量減少の割合より小とす
ることにより解決した。
【0028】また、可変容量ポンプと、該可変容量ポン
プの吐出する圧油によって駆動される少なくとも一の低
負荷側油圧アクチュエータと該アクチュエータより大き
な慣性負荷を有する一の高負荷側油圧アクチュエータと
を有し、該複数の油圧アクチュエータに流入する圧油を
それぞれ制御可能にされた流量調整機能を有する方向制
御弁と、該方向制御弁の圧力補償を行う圧力補償弁を方
向制御弁絞り部の下流側に備え、かつ、可変ポンプ吐出
圧力(Pp)と前記最高負荷圧力(Pm)との差圧に対
応した2次圧(Pc=Pp−Pm)を発生する差圧制御
弁を設け、該可変ポンプの吐出油を該可変ポンプの押し
のけ容積変更手段に連通させるポンプ流量調整弁を有
し、前記差圧制御弁の2次圧力(Pc)を油路を介して
該ポンプ流量調整弁に作用させ、該可変ポンプの押しの
け容積を該2次圧力に応じて制御するようにした油圧駆
動装置において、前記圧力補償弁を開き方向に対応する
方向制御弁の絞り部の下流側の圧力を作用させる第1の
受圧面積と、該圧力補償弁を閉じ方向に複数のアクチュ
エータの最高負荷圧力を作用させる第2の受圧面積と、
同じく該圧力補償弁を閉じ方向に該圧力補償弁の下流側
の圧力すなわち対応するアクチュエータの負荷圧力を作
用させる第3の受圧面積と、を有し、前記第1の受圧面
積と第2受圧面積をほぼ等しくし、第3の受圧面積はそ
れらの受圧面積に対してほんの僅かな面積(0〜7%)
とした圧力補償弁を有する油圧駆動装置であって、高負
荷側油圧アクチュエータの圧力補償弁の第3の受圧面積
を、低負荷側油圧アクチュエータの圧力補償弁の第3の
受圧面積より大きくするようにすればよい。
【0029】さらに、高負荷側油圧アクチュエータの圧
力補償弁の第3の受圧面積は同圧力補償弁の第1及び第
2の受圧面積の3〜7%、低負荷側油圧アクチュエータ
の圧力補償弁の第3の受圧面積は同圧力補償弁の第1及
び第2の受圧面積の0〜2%が良い。
【0030】(作用)圧力補償弁の流量補償域の流量特
性を可変容量ポンプ吐出圧力と複数のアクチュエータの
最高負荷圧力との差圧と、アクチュエータ負荷圧力と、
を変数とし、かつアクチュエータ負荷圧力の増加に応じ
て減少するようにされた一次式とするような圧力補償弁
を有する油圧駆動装置において、低負荷側油圧アクチュ
エータの圧力補償弁の流量特性の流量減少割合を、大慣
性負荷を有する高負荷側油圧アクチュエータの圧力補償
弁の流量特性の流量減少の割合より小としたので、高負
荷側アクチュエータの負荷圧力が急上昇した際には、高
負荷側アクチュエータの流量が減少しその減少した分の
流量が低負荷側アクチュエータに供給するようにしたの
で、低負荷側アクチュエータの速度低下を防止すること
ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図面
を参照して説明する。図1は本発明の実施形態にかかる
油圧回路図である。図1において、エンジン等の原動機
1で駆動される可変容量ポンプ2の吐出油路3に複数の
方向制御弁4,5を並列に接続し各方向制御弁4,5に
おいて絞り部を通過した後、中間油路6,7及びチェッ
ク弁8,9を介して複数の圧力補償弁10,11にそれ
ぞれ接続し、再び方向制御弁4,5を経た後に、各方向
制御弁4,5の出力側をアクチュエータ12,13にそ
れぞれ接続し、各アクチュエータからの戻り油を再び方
向制御弁を介してタンク14へ戻すようにされている。
ここで、アクチュエータ13は、比較的軽い負荷を有す
る低負荷側アクチュエータ(例えば油圧ショベルのブー
ムを上下させるブームシリンダや、アームシリンダ、バ
ッケトシリンダなどのフロント機構用アクチュエータ)
で、アクチュエータ12は大きな慣性負荷を有する高負
荷側アクチュエータ(例えば油圧ショベルの旋回モー
タ)等である。
【0032】圧力補償弁10,11は各圧力補償弁1
0,11の上流側の圧力を圧力補償弁を開く方向に第1
の受圧面積を有するパイロット油室10a,11aに作
用するようにされ、シャトル弁14で検出される最高負
荷圧力15で閉じ方向に第2の受圧面積を有するパイロ
ット油室10b,11bに作用するようにされている。
通常は、これらの第1と第2の受圧面積は等しくなるよ
うにされている。また、圧力補償弁10,11を閉じる
方向にスプリング10d,11dが設けられている。こ
こまでは図2の従来実施例と同様であるが、さらに図1
に示す本発明に於いては、各圧力補償弁10,11の下
流側の圧力、すなわち各アクチュエータの負荷圧力を圧
力補償弁を閉じる方向に第3の受圧面積を有するパイロ
ット油室10c,11cに作用させる。そして、第3の
受圧面積は前記第1及び第2の受圧面積に対し、ほんの
僅かな面積(0〜7%程度)にされている。
【0033】さらに、高負荷側アクチュエータ12の第
3の受圧面積と第1及び第2の受圧面積の比率を、低負
荷側アクチュエータ13の第3の受圧面積と第1及び第
2の受圧面積の比率より大きくしている。すなわち、高
負荷側アクチュエータ12では、前記比率を3〜7%程
度とし、低負荷側アクチュエータ13では0〜2%程度
としている。
【0034】なお、可変容量ポンプ2の吐出圧力とシャ
トル弁14で検出された最高負荷圧力15との差圧に対
応した2次圧力24を発生する差圧制御弁23がバルブ
装置22内に設けられ、該2次圧力24を油路20を介
して、可変容量ポンプ2の押しのけ容積変更手段16を
駆動するための流量調整弁17に作用させ、2次圧力と
該流量調整弁17のスプリング18であらかじめ設定さ
れた作用力とつり合わせることにより、2次圧力がスプ
リング18の作用力よりも大きい場合は、可変容量ポン
プ2の押しのけ容積を小さくするように、2次圧力がス
プリング18の作用力よりも小さな場合は、可変容量ポ
ンプ2の押しのけ容積を大きくするように制御されてい
ること、及び制御弁19による定馬力制御については、
図2の従来実施例と同様であり説明を省略する。
【0035】また、方向制御弁4,5は建設機械で広く
使用されている操作量に応じてパイロット圧力が高くな
る圧力制御弁のパイロット圧力で操作されるものであっ
てもよいし、電磁比例弁や高速応答電磁弁で操作される
ものであってもよい。また、アクチュエータは低負荷
側、高負荷側それぞれ一ずつ記載されているが、本発明
の説明の為のものであり、実際には同様な回路で構成さ
れる複数のアクチュエータが設けられるていることはい
うまでもない。
【0036】ここで、かかる油圧駆動装置についてその
作用を説明する。図1において、圧力補償弁10,11
に作用する力のバランスを考える。まず、圧力補償弁1
0,11を開く方向に作用する力F1は、圧力補償弁上
流側(方向制御弁絞り部下流側)の圧力をPdとし、圧
力補償弁の第1の受圧面積をAaとすると F1=(Pd・Aa) ………(1)
【0037】逆に、圧力補償弁を閉じる方向に作用する
力F2は、最高負荷圧力をPmとし、圧力補償弁の第2
受圧面積をAbとし、さらに圧力補償弁下流側のアクチ
ュエータの負荷圧力をPLとし、圧力補償弁の第3の受
圧面積をAcとすると F2=(Pm・Ab+PL・Ac) ………(2)
【0038】ここで、圧力補償弁の制御時は、両方向の
力がつり合っているので、(1)式と(2)式は等しく
(F1=F2)なるので (Pd・Aa)=(Pm・Ab+PL・Ac) ………(3) なる関係が成立する。但し、スプリング10d,11d
の作用力は、弱いものとして無視する。
【0039】一方、差圧制御弁23により発生する2次
圧力Pcは、Ppをポンプ吐出圧力、Pmを最高負荷圧
力とすると Pc=Pp−Pm ……… (4) で与えられ、該2次圧力Pcがポンプ流量調整弁17に
より、スプリング18であらかじめ設定された作用力と
つり合っていることから、次式が成立する。 Pc=Psp ……… (5) 但し、Pspは流量調整弁17のスプリング18により
あらかじめ設定された作用力に相当する圧力とする。
(5)式に(4)式を代入し整理すると Pm=Pp−Psp ……… (6) を得る。
【0040】(6)式を(3)式に代入すると Pd・Aa=(Pp−Psp)・Ab+PL・Ac ……… (7) ここで、第1の受圧面積Aaと第2の受圧面積Abが等
しいものとし A=Aa=Ab ……… (8) とおくと(7)式は、 Pd=Pp−Psp+PL・Ac/A ……… (9) となる。(9)式より方向制御弁の絞り部前後の方向制
御弁差圧ΔP=Pp−Pdを求めると ΔP=Pp−Pd =Psp−PL・Ac/A ……… (10) または、(10)式に(6)式より得られる Psp=
Pp−Pm の関係を代入すると、 ΔP=Pp−Pm−PL・Ac/A ……… (11) を得る。
【0041】(10)式によれば、方向制御弁の絞り部
前後の方向制御弁差圧ΔPは、流量調整弁17のスプリ
ング18によりあらかじめ設定された圧力Pspと圧力
補償弁下流側のアクチュエータの負荷圧力PLの一次式
になり、かつアクチュエータの負荷圧力PLの増加に伴
い減少することになる。すなわち、アクチュエータの負
荷圧力PLの増大に応じて、流量が減少する右下がりの
圧力補償特性が得られる。
【0042】また、式(11)によれば、方向制御弁差
圧ΔPは、ポンプ吐出圧力Ppと最高負荷圧力Pmの差
圧と圧力補償弁下流側のアクチュエータの負荷圧力PL
の一次式になり、同様にアクチュエータの負荷圧力PL
の増加に伴い減少すること、すなわち、アクチュエータ
の負荷圧力PLの増大に応じて、流量が減少する右下が
りの圧力補償特性が得られることになる。
【0043】ここで、本発明においては、第3の受圧面
積Acは、第1及び第2の受圧面積の数パーセントとし
ているため、(10)式の第二項及び(11)式の第三
項のAc/Aの値はごく小さな値となる。従って、圧力
補償弁下流側のアクチュエータの負荷圧力PLが比較的
低い場合は、(10)式の第二項及び(11)式の第三
項の値はごく小さな値となるので無視すると、方向制御
弁差圧ΔPは、(10)式より ΔP=Psp ……… (12) または、(11)式より ΔP=Pp−Pm ……… (13) を得る。従って、負荷圧力PLが比較的低い場合におい
ては、前述した図2の従来実施例のように、方向制御弁
差圧ΔPは流量調整弁17のスプリング18であらかじ
め設定される圧力Psp言い換えれば、ポンプ吐出圧力
Ppと最高負荷圧力Pmの差圧に一致した差圧となる。
よって、負荷圧力によらず所定の速度制御が可能となる
と同時にアンチサチュレーション機能を有することにな
る。
【0044】さらに本発明においては、前述したように
高負荷側アクチュエータの圧力補償弁では第3の受圧面
積を第1及び第2の受圧面積に対し3〜7%とし、低負
荷側の圧力補償弁では第3の受圧面積を第1及び第2の
受圧面積に対し0〜2%として、上記の受圧面積の比A
c/Aを低負荷側の圧力補償弁に対し、高負荷側の圧力
補償弁では大きくするようにしている。
【0045】今、説明を容易にするため、高負荷側アク
チュエータ12を旋回モータとし、旋回モータ側の圧力
補償弁10の受圧面積の比をAc/Aとして、低負荷側
アクチュエータ13をブームシリンダーとし、ブームシ
リンダー側の圧力補償弁11の受圧面積の比をAc/A
=0とした場合を考える。この場合は旋回モータでは、
(10)及び(11)式が成立し、ブームシリンダでは
(12)及び(13)式が成立する。
【0046】そこで、ブームシリンダ13と旋回モータ
12の複合操作において、仮にポンプ吐出流量が十分に
あり、サチュレーション状態に至っていない場合であれ
ば、低負荷側であるブームシリンダ13の方向制御弁5
の方向制御弁差圧は、(12)及び(13)式に示すよ
うにブームの負荷圧力に依らず一定の値となる。従って
負荷圧力が変動しても流量は一定のままとなる。一方、
高負荷側である旋回モータ12の方向制御弁4の方向制
御弁差圧は、(10)及び(11)式に示すように旋回
モータの負荷圧力に依存して、小さくなる。このため負
荷圧力の上昇に伴い、流量が減少する。
【0047】ところが、このような複合操作においては
旋回モータの負荷圧力が過大であるため、前述したよう
にポンプ装置の定馬力制御機構が優先して働き、ポンプ
吐出流量そのものが低下し、サチュレーション状態に至
ってしまう。この状態ではポンプ吐出圧力Ppは、最高
負荷圧力Pmに対して流量調整弁17のスプリング18
であらかじめ設定される圧力Psp分だけ高く保つこと
ができなくなる。この時のポンプ圧力をPp′としP
p′−Pm=Psp′とすると、このPsp′の大きさ
はその時の流量不足の度合いにより左右され一定の値に
はならないが、各々の方向制御弁の上流側には、それぞ
れ等しいポンプ吐出圧力Pp′が作用している。この時
の各々の方向制御弁差圧ΔP′は次のようになる。
【0048】ブームシリンダー側の方向制御弁差圧をΔ
Pb′とすると ΔPb′=Psp′=Pp′−Pm ……… (14) 旋回モータ側の方向制御弁差圧をΔPs′とすると ΔPs′=Psp′−PLs・Ac/A =Pp′−Pm−PLs・Ac/A ……… (15) を得る。但し、ここでPLsは旋回モータの自己負荷圧
力とする。
【0049】(15)式によれば旋回モータ側の方向制
御弁差圧ΔPs′は、最高負荷圧力Pmと最高負荷圧力
Pmに対しPsp′分だけ上昇しているポンプ吐出圧力
Pp′と自己負荷圧力PLsに依存し、サチュレーショ
ン状態になっても依然として自己負荷圧力のPLs上昇
に伴い減少する。一方(14)式によればブームシリン
ダ側の方向制御弁差圧ΔPb′は、ブームの自己負荷圧
力に依存せず最高負荷圧力Pmと最高負荷圧力Pmに対
しPsp′分だけ上昇しているポンプ吐出圧力Pp′の
みに依存する。
【0050】従って、ブーム上げと旋回の同時操作の初
期段階において、急上昇した旋回負荷圧力の上昇に伴
い、ポンプ吐出流量が減少しサチュレーション状態にな
っても旋回負荷圧力の上昇に伴い旋回側へ供給される流
量が少なくなることから、全体として流量に余剰が生
じ、ポンプ吐出圧力Pp′が高目になる。よって(1
4)式によりブーム側の方向制御弁差圧ΔPb′は大き
くなり、ブーム側の流量は増加する。言い換えれば、旋
回側の流量が減少した分ブーム側の流量が増加するので
ある。
【0051】さらに、旋回モータ側に供給される流量が
減少するので、旋回モータのオーバーロードリリーフバ
ルブからの無駄なリリーフ流量が少なくなると同時に、
旋回モータの負荷圧力そのものの上昇も抑制する。従っ
て、ポンプ吐出圧力の上昇が低く押さえられ、定馬力制
御機構による流量規制も緩和されて、吐出流量そのもの
が増加する。そこで、ブームの流量はさらに増加する。
このようにして複合同時操作の初期段階における、ブー
ム速度の低下と旋回モータのオーバロードリリーフから
の圧油のリリーフによる原動機のエネルギ損失を防止で
きる。
【0052】また旋回モータに流入する流量は、旋回動
作の初期段階で旋回モータの過大な慣性により旋回側の
負荷圧力PLsが増大し(15)式に示すように方向制
御弁差圧ΔPs′が減少、即ち方向制御弁の流量が小さ
くなるようにされている。その状態から、その後旋回速
度が増加し加速度が減少するに従い負荷圧力PLsも徐
々に減少するので方向制御弁差圧ΔPs′が増加し方向
制御弁の流量が徐々に大きくなる。いいかえれば、流量
は旋回負荷圧力の減少に伴い徐々に増加していくことに
なるので、緩やかな旋回モータの加速が得られることに
なる。
【0053】その後、旋回モータの加速が終了し、定常
速度による旋回となると、旋回負荷圧力が急激に低下
し、ブームシリンダの負荷圧力の方が大きくなる。この
際従来実施例においては、ポンプ吐出圧力の急激な減少
に伴い、定馬力機構の働きが緩和されることによりポン
プ吐出流量が急激に増加することから、ブームシリンダ
ーを加速することになったが、本実施例におては、ブー
ムシリンダの速度は、前述したように、旋回動作の当初
から確保されているので、ショックを伴って加速すると
いうことはない。
【0054】なお、以上の作動は旋回モータの負荷圧力
の減少に伴い連続的に作用し、前述した従来例のように
不連続ではないのでショックの発生はより一層少ない。
【0055】以上の説明では便宜上、低負荷側アクチュ
エータ用の圧力補償弁の面積比Ac/Aの値を0として
示したが、この値は0でなくても良いし、場合によって
は高負荷側アクチュエータ用の圧力補償弁のAc/Aの
値と同一であっても同様な傾向を示す。仮に、面積比A
c/Aの値を低負荷側、高負荷側ともに3〜7%程度で
同一の値とした場合について述べる。この場合には、低
負荷側のアクチュエータの負荷圧力は元々低いため、方
向制御弁差圧ΔPに対する自己負荷圧力の依存の度合い
は小さく、また、高負荷側アクチュエータでの流量が減
少した分、低負荷側アクチュエータの流量が増加するこ
とには変わりはない。従って、前述した高負荷側と低負
荷側のアクチュエータの同時操作における問題点を解消
できる。
【0056】しかしながら、かかる場合は同時操作にお
ける問題点を解消できるが、面積比Ac/Aの値を大き
くするので、圧力補償弁の本来の目的である負荷圧力に
よらず流量を一定とする機能が低下する。従って、低負
荷側の面積比Ac/Aを高負荷側と同一する場合には、
かかるデメリットを考慮する必要がある。
【0057】以上、本発明の実施形態を示したが、他に
も様々な構成が可能である。本発明の特長は、圧力補償
弁の閉じ方向に二つの受圧面積を設け、一方に最高負荷
圧力Pmを他方に自己の負荷圧力PLを作用させ、それ
らの作用力に対抗して圧力補償弁を開く方向に一つの受
圧面積を設け、圧力補償弁の上流側(方向制御弁の下流
側)の圧力Pdを作用させる。さらに、圧力補償弁の上
流側の圧力Pdが作用する第1の受圧面積と最高負荷圧
力Pmが作用する第2の受圧面積をほぼ等しくし、自己
の負荷圧力PLが作用する第3の受圧面積を前記第1及
び第2の受圧面積に対して、ほんの僅かな受圧面積とし
た圧力補償弁において、上記第1及び第2の受圧面積A
と第3の受圧面積Acの比率Ac/Aの値を、低負荷側
アクチュエータ用の圧力補償弁の該比率に対し、高負荷
側アクチュエータ用の圧力補償弁の該比率を大きくする
ように構成したことである。従ってこの精神を逸脱しな
い限り種々の改変が可能であるが、本発明は該改変され
たものに及ぶことは当然である。
【0058】
【発明の効果】以上、本発明によれば、圧力補償弁の閉
じ方向に最高負荷圧力Pmと自己の負荷圧力PLを作用
させ、それらの作用力に対抗して圧力補償弁を開く方向
に圧力補償弁の上流側(方向制御弁の下流側)の圧力P
dを作用させる。さらに、圧力補償弁の上流側の圧力P
dが作用する第1の受圧面積と最高負荷圧力Pmが作用
する第2の受圧面積をほぼ等しくし、自己の負荷圧力P
Lが作用する第3の受圧面積を前記第1及び第2の受圧
面積に対して、ほんの僅かな受圧面積とした圧力補償弁
において、上記第1及び第2の受圧面積Aと第3の受圧
面積Acの比率Ac/Aの値を、低負荷側アクチュエー
タ用の圧力補償弁の該比率に対し、高負荷側アクチュエ
ータ用の圧力補償弁の該比率を大きくするように構成し
たことによって、高負荷側アクチュエータの負荷圧力が
急上昇した際には、高負荷側アクチュエータの流量が減
少しその減少した分の流量が低負荷側アクチュエータに
供給され低負荷側アクチュエータの速度低下を防止する
ことができるので、負荷が極端に異なった高負荷側アク
チュエータと低負荷側アクチュエータを同時操作をして
も、さらに、高負荷側アクチュエータの負荷圧力が急激
に減少した場合においても、アクチュエータの速度の急
激な変化や、ショックの発生がなくスムースなものとす
ることができた。また、低負荷側アクチュエータの速度
低下をも解消できるものとなった。
【0059】さらに、高負荷側アクチュエータの供給流
量が減少するので、可変容量ポンプの定馬力制御による
流量規制を緩和し、吐出流量の低下を押えるとともに、
オーバロードリリーフからのリリーフ流量を少なくし
て、エネルギ損失を少なくすることができるものとなっ
た。
【0060】より具体的には、油圧ショベルに於ける堀
削した土砂等をトラックに積み込むような作業に於いて
も、旋回初期にブームの速度が遅くならず、オーバロー
ドリリーフからのリリーフロスによるエネルギ損失も少
なく、定常旋回後の旋回負荷圧力の急激な低下に対して
も、夫々のアクチュエータの速度変化やショックの発生
が無く、スムースな動きが得られ、作業効率の良い、オ
ペレータに疲労を与えないという優れた効果を奏するも
のとなった。
【0061】また、かかる目的を達成するための手段と
して、従来のように圧力補償弁の他に各種の付属バルブ
を設けたり、外部のパイロット圧力を必要としないた
め、バルブ全体の寸法が大きくならないとともに、コス
トも安く、同時に、使い勝手も良いという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧駆動装置の実施の形態を示す油圧
回路図である。
【図2】従来の油圧駆動装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
2 可変容量ポンプ 3,25 可変容量ポンプの吐出する圧油 4,5 方向制御弁 10,11 圧力補償弁 10a,11a 第1の受圧面積(Aa)を有するパ
イロット室 10b,11b 第2の受圧面積(Ab)を有するパ
イロット室 10c,11c 第3の受圧面積(Ac)を有するパ
イロット室 12 高負荷側油圧アクチュエータ 13 低負荷側油圧アクチュエータ 16 容積変更手段 17 ポンプ流量調整弁 23 差圧制御弁 24 二次圧力 ΔP 方向制御弁差圧 Pd 絞り部の下流側の圧力 PL アクチュエータ負荷圧力 Pm 最高負荷圧力 Pp 可変容量ポンプ吐出圧力

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量ポンプと、該可変容量ポンプの
    吐出する圧油によって駆動される少なくとも一の低負荷
    側油圧アクチュエータと該アクチュエータより大きな慣
    性負荷を有する一の高負荷側油圧アクチュエータとを有
    し、該複数の油圧アクチュエータに流入する圧油をそれ
    ぞれ制御可能にされた流量調整機能を有する方向制御弁
    と、複数のアクチュエータの最高負荷圧力と、対応する
    方向制御弁の絞り部の下流側の圧力と、をそれぞれ作用
    させて方向制御弁の圧力補償をする圧力補償弁を方向制
    御弁絞り部の下流側に備え、かつ、可変ポンプ吐出圧力
    (Pp)と前記最高負荷圧力(Pm)との差圧に対応し
    た2次圧(Pc=Pp−Pm)を発生する差圧制御弁を
    設け、該可変ポンプの吐出油を該可変ポンプの押しのけ
    容積変更手段に連通させるポンプ流量調整弁を有し、前
    記差圧制御弁の2次圧力(Pc)を油路を介して該ポン
    プ流量調整弁に作用させ、該可変ポンプの押しのけ容積
    を該2次圧力に応じて制御するようにした油圧駆動装置
    において、前記圧力補償弁は、対応する前記方向制御弁
    の下流側の圧力を圧力補償弁を開き方向に作用させ、前
    記最高負荷圧力及び対応する油圧アクチュエータ側の負
    荷圧力を閉じ方向に作用させ、かつ、流量補償域の流量
    特性が、方向制御弁絞り部の上流側圧力と下流側圧力の
    差圧である方向制御弁差圧を、可変容量ポンプ吐出圧力
    と複数のアクチュエータの最高負荷圧力との差圧と、ア
    クチュエータ負荷圧力と、を変数としかつアクチュエー
    タ負荷圧力の増加に応じて減少するようにされた一次式
    とするような圧力補償弁を有する油圧駆動装置であっ
    て、低負荷側油圧アクチュエータの圧力補償弁の流量特
    性の流量減少割合を、高負荷側油圧アクチュエータの圧
    力補償弁の流量特性の流量減少の割合より小とすること
    を特徴とする油圧駆動装置。
  2. 【請求項2】 可変容量ポンプと、該可変容量ポンプの
    吐出する圧油によって駆動される少なくとも一の低負荷
    側油圧アクチュエータと該アクチュエータより大きな慣
    性負荷を有する一の高負荷側油圧アクチュエータとを有
    し、該複数の油圧アクチュエータに流入する圧油をそれ
    ぞれ制御可能にされた流量調整機能を有する方向制御弁
    と、該方向制御弁の圧力補償を行う圧力補償弁を方向制
    御弁絞り部の下流側に備え、かつ、可変ポンプ吐出圧力
    (Pp)と前記最高負荷圧力(Pm)との差圧に対応し
    た2次圧(Pc=Pp−Pm)を発生する差圧制御弁を
    設け、該可変ポンプの吐出油を該可変ポンプの押しのけ
    容積変更手段に連通させるポンプ流量調整弁を有し、前
    記差圧制御弁の2次圧力(Pc)を油路を介して該ポン
    プ流量調整弁に作用させ、該可変ポンプの押しのけ容積
    を該2次圧力に応じて制御するようにした油圧駆動装置
    において、前記圧力補償弁を開き方向に対応する方向制
    御弁の絞り部の下流側の圧力を作用させる第1の受圧面
    積と、該圧力補償弁を閉じ方向に複数のアクチュエータ
    の最高負荷圧力を作用させる第2の受圧面積と、同じく
    該圧力補償弁を閉じ方向に該圧力補償弁の下流側の圧力
    すなわち対応するアクチュエータの負荷圧力を作用させ
    る第3の受圧面積と、を有し、前記第1の受圧面積と第
    2受圧面積をほぼ等しくし、第3の受圧面積はそれらの
    受圧面積に対してほんの僅かな面積(0〜7%)とした
    圧力補償弁を有する油圧駆動装置であって、高負荷側油
    圧アクチュエータの圧力補償弁の第3の受圧面積を、低
    負荷側油圧アクチュエータの圧力補償弁の第3の受圧面
    積より大きくするようにされていることを特徴とする請
    求項1記載の油圧駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記高負荷側油圧アクチュエータの圧力
    補償弁の第3の受圧面積は同圧力補償弁の第1及び第2
    の受圧面積の3〜7%、前記低負荷側油圧アクチュエー
    タの圧力補償弁の第3の受圧面積は同圧力補償弁の第1
    及び第2の受圧面積の0〜2%であることを特徴とする
    請求項2記載の油圧駆動装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105090140A (zh) * 2014-05-22 2015-11-25 林德液压两合公司 调节需求流的静液压驱动***
CN106499681A (zh) * 2016-12-27 2017-03-15 恒天九五重工有限公司 一种液压挖掘机功率控制***
WO2021132514A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 株式会社クボタ 作業機
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