JPH11100470A - オレフィン系共重合体組成物及び装飾シート - Google Patents

オレフィン系共重合体組成物及び装飾シート

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JPH11100470A
JPH11100470A JP27668597A JP27668597A JPH11100470A JP H11100470 A JPH11100470 A JP H11100470A JP 27668597 A JP27668597 A JP 27668597A JP 27668597 A JP27668597 A JP 27668597A JP H11100470 A JPH11100470 A JP H11100470A
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JP
Japan
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olefin
weight
decorative sheet
parts
copolymer
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JP27668597A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Matsumura
和幸 松村
Eiji Ajiro
英治 網代
Yukitaka Shida
行隆 志田
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NIKKO VICKS KK
Original Assignee
NIKKO VICKS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却時や火災の際に塩化水素等の有害ガスが発
生することなく、従って、環境を汚染する虞のない、し
かも、加工性に優れた組成物と、柔軟性に富み、風合い
と意匠性に優れた装飾シートを提供する。 【解決手段】組成物は少なくとも、密度が0.85乃至
0.91(g/cm3)、メルトインデックスが0.5
乃至20(g/10分)のオレフィン系共重合体100
重量部に対し、無機質配合物が10乃至300重量部と
からなり、装飾シート1は、例えば、前記組成物をカレ
ンダー加工、押出加工等によって基材12の片面に樹脂
層11として積層一体化した構成から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂組成物及
び該組成物をカレンダー加工乃至押出加工等によって成
形した樹脂層を基材に積層した装飾シート、特に壁紙、
天井、その他の建材用及び家具用等に使用されるものに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の合成樹脂組成物乃至装飾シ
ートの素材としては、加工適性、意匠性に優れることか
ら一般に塩化ビニル樹脂が使用されている。更に、この
他の素材として熱可塑性エラストマー(以下TPOと言
う)を使用した特許出願がなされている(特開平6−1
6832、特開平8−3380)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塩化ビニル樹
脂を使用したものは、燃焼時に塩化水素等の有害ガスを
発生し、焼却廃棄処理する際に焼却炉を腐食したり、火
災の際にガス中毒を招く虞があることが指摘されてい
る。そこで、塩化ビニル樹脂の代替えとして前記公開特
許公報に記載されているTPOが一部に使用されてい
る。しかし、TPOは主にオレフィン系合成ゴムとポリ
オレフィン樹脂のブレンドによって製造され、無機質配
合物を多量に添加すると溶融粘度が上昇し、現行設備に
よるカレンダー加工、押出加工が困難となる。一方、無
機質配合物をそれ程添加しないTPO主体の組成物の場
合は溶融粘度の温度依存性が高く、加工温度幅が狭いた
め、温度コントロールが困難であり、また、製品シート
は緻密で均一な発泡セルが形成されず、感触はゴム様で
柔軟性に欠ける等の問題がある。
【0004】本発明は、上記のような問題点を解消し、
焼却時や火災の際に塩化水素等の有害ガスが発生するこ
となく、従って、環境を汚染する虞のない、しかも、加
工性に優れた組成物と、特に、熱分解型発泡剤を使用し
て均一な発泡セルを有し、柔軟性に富み、風合いと意匠
性に優れた装飾シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、少なくともオレフィン系共重合体及び
無機質配合物からなる組成物において、前記オレフィン
系共重合体は、密度が0.85乃至0.91(g/cm
3)、メルトインデックス(以下MFRと言う)が0.
5乃至20(g/10分)であって、前記エチレン系共
重合体100重量部に対し、前記無機質配合物が10乃
至300重量部であることを特徴とするオレフィン系共
重合体組成物とする。
【0006】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、オレフィン系共重合体は、エチレンとα−オレフ
ィンとの共重合体であることを特徴とするオレフィン系
共重合体組成物とすることが好ましい。
【0007】また、前記の課題を解決するために、前記
オレフィン系共重合体は、分子構造の一般式が次式で示
されるものからなることを特徴とするオレフィン系共重
合体組成物とすることが好ましい。
【化1】式中、Rは前記α−オレフィンを構成する炭素
数から2を減じた炭素数からなるアルキル基であり、
n,mは整数からなる繰り返し数であって、n,mの範
囲は樹脂の密度乃至MFRの前記範囲内において、特に
限定されるものではない。
【0008】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、前記無機質配合物は炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタンより選ば
れる少なくとも一種であることを特徴とするオレフィン
系共重合体組成物とすることが好ましい。
【0009】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、前記オレフィン系共重合体組成物をカレンダー加
工、押出加工等によって樹脂層を形成し、紙、織布、編
布、不織布の何れか一種の基材の片面に積層一体化した
装飾シートとする。
【0010】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、前記樹脂層の表面に表皮層を形成したことを特徴
とする装飾シートとすることが好ましい。
【0011】本発明に用いられるオレフィン系共重合体
としては、例えば、エチレンとプロピレン、ブテン等の
α−オレフィン、スチレン等のビニル芳香族、環状オレ
フィン、ジオレフィン、ジエン、非共役ジエン、極性モ
ノマー等の少なくとも1種以上の共重合体が挙げられ
る。特に、これらの共重合体の中で、前記α−オレフィ
ンとしてプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、高級α−オレフィンより選ばれる少なくとも
一種とエチレンとの共重合体であって、メタロセン触媒
を使用して重合したものは、コモノマーの含量を20%
以上にすることができ、かつ、従来のチーグラー・ナッ
タ型触媒による同成分の共重合体に比較して密度が低
く、分子量分布が狭いにも拘らず溶融強力が高く、無機
配合物の高充填加工性に優れることから本発明に好適で
ある。
【0012】ここで、メタロセン触媒とは、5員環シク
ロペンタジエニル2個の間に金属原子を挟んだ構造から
なる重合用触媒であって、通常、メチルアルミノキサン
(MAO)等の助触媒と共に用いられる。係るメタロセ
ン触媒を使用したオレフィン系共重合体の例としては、
デュポンダウエラストマー社製のエンゲージ、三井石油
化学工業社製のタフマーH他がある。また、装飾シート
の硬さ、加工性、発泡セルの状態等に応じて、複数種類
の樹脂をブレンドして使用することができる。前記メタ
ロセン触媒によるオレフィン系共重合体とメタロセン触
媒を使用しない共重合体をブレンドしたもの、更に、エ
チレン系共重合体とエチレン系以外のオレフィン系共重
合体またはオレフィン系の単独重合体とをブレンドした
ものも同様に使用できる。
【0013】前記オレフィン系共重合体は密度が0.8
5乃至0.91(g/cm3)、好ましくは0.86乃
至0.88(g/cm3)、MFRが0.5乃至20
(g/10分)好ましくは1乃至7(g/10分)の範
囲で選択して使用することが可能である。密度とMFR
をかかる範囲に限定したのは、密度が該範囲よりも大き
くなると、シートの柔軟性に欠け風合いが損なわれ、逆
に該範囲よりも密度が小さくなると汎用性に乏しく工業
的生産に適しないからである。MFRが該範囲より小さ
くなると、溶融粘度が高くなり、現行の設備及び条件に
よる加工が困難となり、逆に該範囲よりも大きい場合は
シートの成形が困難となる。ここに言うMFRはAST
M D1238の規定によるものであり、密度及びMF
Rの範囲は、密度及び/またはMFRが異なる複数種類
の樹脂をブレンドして用いる場合にも適用される。この
場合はブレンドした樹脂の密度及びMFRが該範囲に入
っていればよい。
【0014】本発明に用いられる無機質配合物は主とし
て難燃性付与、加工性の改良、増量若しくは着色等のた
めに添加するものであって、係る目的のため、組成物に
均一に分散し、相溶性を有するものであればよい。特
に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化
チタンは上記目的に適する。難燃性付与の目的としては
他にホウ酸亜鉛等のホウ酸化物がある。無機質増量剤と
しては、前記炭酸カルシウムの他にタルク、クレー、シ
リカ等が適宜用いられる。
【0015】前記配合物の他に加工性の改良、製品の諸
物性の向上等のために種々の配合物を添加することがで
きる。例えば、発泡剤として、アゾジカルボンアミド
(ADCA)等の熱分解型の発泡剤があり、目的に応じ
て適宜選択でき、樹脂100重量部に対し2乃至10重
量部添加して用いる。また、例えばステアリン酸亜鉛等
の発泡促進剤を併用してもよい。加工性改良剤としては
カレンダー加工、押出加工時の熱安定性の改良と滑性付
与を目的としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カリウム等の金属脂肪酸塩、脂肪
酸アミド、ポリエチレンワックス等の滑剤を共重合体1
00重量部に対し0.5乃至5.0重量部、好ましくは
0.5乃至2.0重量部添加することができる。また、
着色剤として各種の無機顔料及び有機顔料、塩素系を除
く難燃剤、例えば、リン酸エステル系の難燃剤等も使用
できる。更に、必要に応じて適宜量の紫外線吸収剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、防黴剤等を添加してもよい。
【0016】装飾シートの製造法としては代表的なもの
としてカレンダー加工と押出加工があり、本発明に係る
装飾シートはいずれの方法にても加工が可能である。次
にカレンダー加工と押出加工の代表的製造法について説
明する。まず、カレンダー加工の場合は、予め撹拌混合
して製造した所定の組成物(樹脂のMFRが2乃至7
(g/10分)の組成物が好ましい)をバンバリー若し
くはインターミックに投入し、溶融、混練し、カレンダ
ーで所定の厚みに圧延してシートを形成し、裏打紙、布
等の基材に積層する。
【0017】カレンダーの加工温度としては100乃至
160°C好ましくは110°C乃至140°Cであ
る。また、必要に応じて、グラビア印刷等でプリント印
刷をし、また、発泡剤を添加した樹脂層を発泡剤の分解
温度以上に加熱して発泡させ、その後、エンボス加工に
より表面に絞模様を形成してもよい。更に、樹脂層の表
面にコロナ処理、プライマー処理等の表面処理、艶消処
理を施すことも可能である。基材の裏打紙はビニル壁紙
用として使用されているものから適宜選択して使用でき
る。通常例えば、パルプに水酸化アルミ、ガラス繊維等
を混入した無機質紙、パルプに各種難燃剤を混入した難
燃紙、係る特殊処理を施さない一般紙等が使用される。
【0018】次に、押出加工の場合は、予め前記組成物
の内、各種無機質配合物、発泡剤、難燃剤等の配合物を
ポリエチレンを媒体として高濃度のペレットにして、こ
れをオレフィン系共重合体(MFR8乃至20(g/1
0分)が好ましい)と所定の比率でタンブラー等で混合
した後、押出機でシートを形成し、裏打紙等に積層一体
化してする。裏打紙等との積層、プリント印刷処理、発
泡処理、エンボス加工、表面処理等の処理方法は前記の
カレンダー加工の場合と同様である。また、前記ペレッ
ト作成工程を経るのは配合物を樹脂に完全に分散させる
ためであって、メタロセン触媒を使用して重合したオレ
フィン系共重合体のように分散性が良好なものの場合に
は前記ペレットを作成する工程を省略し、直接配合物を
混練し押出しすることもできる。
【0019】また、本発明に用いられる表皮層は、主と
して装飾シートを傷や汚れから保護し、意匠性を高める
目的で使用される。通常、透明性のオレフィン系フィル
ム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、フ
ッ素系フィルム等を熱融着乃至接着剤を介して積層す
る。フィルムの厚みは装飾シートの用途によって異なる
が、0.010乃至0.050mm好ましくは0.01
5mm乃至0.030mmである。必要に応じてシリカ
等の無機質乃至有機質の艶消し剤、着色剤、防カビ剤、
抗菌剤、紫外線吸収剤等を添加したフィルムを用いても
よい。汚れ防止用としてはエチレンと酢酸ビニル共重合
体をケン化、変性して得られる結晶性フィルム(以下変
性オレフィン系フィルムと言う)、例えばエバールフィ
ルム(クラレ製)がある。
【0020】
【実施例】この発明の実施例について説明し、併せて比
較例との比較実験の結果について以下に説明する。実施
例1乃至2はオレフィン系共重合体組成物についての実
施例であり、実施例3乃至5は装飾シートについての実
施例である。比較例1乃至2はTPOを使用した装飾シ
ートについての比較例で、比較例3は塩化ビニル樹脂を
使用した装飾シートについての比較例である。
【0021】 配合1 オレフィン系共重合体(三井石油化学工業社製タフマ−H)100重量部 (密度:0.87(g/cm3)、MFR:3.6(g/10分)) 炭酸カルシウム 50重量部 水酸化アルミニウム 30重量部 二酸化チタン 15重量部 発泡剤(ADCA) 6重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部
【0022】 配合2 オレフィン系共重合体 70重量部 (デュポンダウエラストマー社製エンゲージ) (密度:0.88(g/cm3)、MFR:18(g/10分)) NUCポリエチレン(日本ユニカー社製) 30重量部 (密度:0.93(g/cm3)、MFR:11(g/10分)) (上記オレフィン系共重合体とNUCポリエチレンのブレンド樹脂の密度:0. 90(g/cm3)、MFR:15(g/10分)) 炭酸カルシウム 50重量部 水酸化アルミニウム 30重量部 二酸化チタン 15重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部
【0023】 配合3 TPO(カレンダー成形適用タイプ) 100重量部 (MFR:50(g/10分)) 炭酸カルシウム 70重量部 二酸化チタン 15重量部 発泡剤(ADCA) 4重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部
【0024】 配合4 TPO(押出成形適用タイプ) 70重量部 (MFR:50(g/10分)) ポリエチレン 30重量部 (密度0.93(g/cm3)、MFR:11(g/10分)) 炭酸カルシウム 70重量部 二酸化チタン 15重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部
【0025】 配合5 塩化ビニル樹脂(重合度800) 100重量部 可塑剤(DOP) 60重量部 炭酸カルシウム 100重量部 ホウ酸亜鉛 10重量部 二酸化チタン 15重量部 発泡剤(ADCA) 4重量部 安定剤(バリウム亜鉛ステアレート) 3重量部
【0026】実施例1 配合1に挙げた所定量の配合物を各々ブレンダーまたは
ヘンシェルミキサーに投入し、常温で3分間撹拌混合し
て所定の組成物を得た。
【0027】実施例2 配合2に係る配合物の内、オレフィン共重合体50重量
部及び同配合中の他の配合物をブレンダーまたはヘンシ
ェルミキサーにて、常温で3分間撹拌混合した後、17
0°Cに設定した押出機にてひも状に押出し、冷却後ペ
レタイザーにて裁断して所定のペレットを作成し、同配
合中の残りのオレフィン系共重合体と共に撹拌し所定の
組成物を得た。
【0028】実施例3 図1に示すように、実施例1の組成物をプラストミルで
40回転/分、120°Cの条件下で5分間混練後、1
20°Cのロール温度で圧延して約0.2mm厚のシー
トを作成し、次に、このシートを難燃紙の基材12に積
層して樹脂層11を形成し、該樹脂層11の表面に艶消
し用の表面処理剤をグラビア印刷によって印刷し印刷層
15を形成し、これをオーブン中で220°Cで120
秒間加熱して発泡させた後、所定の形状の絞ロール間を
通過させて後、冷却し、表面に絞模様14を形成し、発
泡倍率が約3倍の装飾シート1を得た。
【0029】実施例4 図2に示すように、実施例2の組成物を押出機のホッパ
ーに投入し、設定温度160°CにてTダイより押出
し、0.30mm厚のシートを作成し、次に、このシー
トを無機質紙の基材12に積層して樹脂層を11形成
し、実施例3と同様にして表面に艶消し用処理剤をグラ
ビア印刷にて形成した印刷層15と絞模様14を形成し
て非発泡性の装飾用シート1を得た。
【0030】実施例5 図3に示すように、実施例1において難燃紙の基材12
にシートを積層し、樹脂層11を形成した後、オーブン
中で220°Cで120秒間加熱して発泡させた直後、
無機質の艶消し剤を添加した0.015mm厚の変性オ
レフィン系フィルムをラミネートし表皮層13を形成
し、同時的に所定の形状の絞ロール間を通過させて表面
に絞模様14を形成し、発泡性の装飾シート1を得た。
【0031】比較例1 配合3に係る配合物より実施例1と同様にして組成物を
作成し、この組成物を実施例3と同様の装置を使用し、
加工条件はプラストミル混練温度170°C、ロール圧
延温度150°Cである以外は実施例3と同様の条件及
び手順にて発泡性の装飾シートを得た。
【0032】比較例2 配合4に係る配合物の内、TPO40重量部と同配合中
の他の配合物を実施例2と同様の方法でペレット化し、
同配合中の残りのTPOと共に撹拌し所定の組成物を作
成し、次に、この組成物を用いて実施例4と同様の方法
でTダイにて押出し非発泡性の装飾シートを得た。
【0033】比較例3 配合5の配合物を使用して80°Cで3分間撹拌混合し
て組成物を作成し、この組成物を、プラストミルの混練
り条件を130°Cで5分間、ロール温度を150°C
で圧延する以外は実施例3と同様の装置を使用し、同様
の手順に従って発泡性の装飾シートを得た。
【0034】比較実験の結果 前記の実施例3乃至5で作成した装飾シートと比較例1
乃至3で作成した装飾シートをそれぞれ風合い及び外
観、発泡セルの状態、加工性についてそれぞれ比較
実験をした。
【0035】風合い及び外観について、実施例3乃至
5の装飾シートは柔軟性に富み、塩化ビニル樹脂製の装
飾シートと略同等の風合いを有するのに対し、比較例1
及び2のTPO使用の装飾シートの場合は、緻密な発泡
セルが形成されず、風合いがゴム様であった。特に、実
施例3及び実施例5の発泡品は他の発泡品に比較して、
圧縮歪み回復速度が大きく、表面を指で押圧後の指痕の
凹みの回復戻り性が最も速かった。
【0036】発泡セルの状態について、実施例3及び
5と比較例1及び3の各装飾シートの断面を比較した結
果、実施例については何れも発泡セルの状態が緻密且つ
均一であって、比較例3の塩化ビニル樹脂製の装飾シー
トと略同一であったのに対し、TPO製の比較例1のシ
ートは、発泡セルが全体に大きく不均一で、セルを仕切
る壁が厚く、セル形成は不完全であった。
【0037】加工性について、本発明に係る実施例
3,TPOの比較例1及び塩化ビニル樹脂を使用した比
較例5の各ロール特性を比較すると、実施例3と比較例
3がゲル化が早くロール上での纏まりが良かった。比較
例1はゲル化が遅かった。分散性(配合物が混合して均
一になる速さ)は実施例3が最も良く、次いで、比較例
3、比較例1の順であった。次に、温度依存性は比較例
2が最も大きく、押出加工時の温度コントロールが困難
であるのに対し、実施例4は加工温度範囲が広く、温度
コントロールが容易であり、また、実施例3は比較例3
に略近い条件で加工できた。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、組成物
の素材に前記のようなオレフィン系共重合体と無機質配
合物を使用することによって、焼却時に塩化水素等の有
害ガスが発生ぜず、燃焼時の熱量も小さく、焼却炉を傷
めず、また、火災にあっても安全であり、環境汚染を防
止する効果を奏する。
【0039】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
の効果の他に、前記オレフィン系共重合体を使用し、密
度及び溶融粘度が低く、かつ、分散性がよいから加工特
性に優れ、生産性を向上させる効果を奏する。
【0040】請求項3記載の発明にあっては、請求項
1、2の効果の他に、樹脂組成物に二重結合を含まない
から耐候性と熱安定性に優れ、耐久性を高める効果を奏
する。
【0041】請求項4記載の発明にあっては、請求項1
乃至3の効果の他に、前記のような無機質配合物を添加
することにより、製品に難燃性を付与し、加工温度範囲
を広め、コストダウンを図ると共に着色することによっ
て製品の見栄えを良くし、付加価値を高める効果を奏す
る。
【0042】請求項5記載の発明にあっては、請求項1
乃至4の効果の他に、前記組成物を使用した装飾シート
がカレンダー加工、押出加工等、汎用の装置によって製
造が可能であり、新設備に要する費用を節減できる。ま
た、できた製品は、難燃性等の規格を充分に満足するも
のであり、柔軟性に富み、印刷適性が良く、意匠性に優
れた効果を発揮する。更に、発泡セルが均一で風合いが
良く、表面が平滑であり、表面を指で押圧後の指痕の凹
みの回復戻り性が速く、良好な外観を保持する効果を奏
する。また、塩化ビニル樹脂製品に比較して軽く、運
搬、施工時の取扱いが容易である。
【0043】請求項6記載の発明にあっては、請求項1
乃至5の効果の他に、表面に表皮層が設けられていて、
シート表面を保護することによって、損傷を防ぎ、耐久
性を向上する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明にかかる装飾シートの一部拡大断面図であ
る。
【図2】発明にかかる装飾シートの一部拡大断面図であ
る。
【図3】発明にかかる装飾シートの一部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1:装飾シート、11:樹脂層、12:基材、13:表
皮層、14:絞模様、15:印刷層
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 本発明に用いられるオレフィン系共重合
体としては、例えば、エチレンとプロピレン、ブテン等
のα−オレフィン、スチレン等のビニル芳香族、環状オ
レフィン、ジオレフィン、ジエン、非共役ジエン、極性
モノマー等の少なくとも1種以上の共重合体が挙げられ
る。特に、これらの共重合体の中で、前記α−オレフィ
ンとしてプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、高級α−オレフィンより選ばれる少なくとも
一種とエチレンとの共重合体であって、メタロセン触媒
を使用して重合したものは、コモノマーの含量を20%
以上にすることができ、かつ、従来のチーグラー・ナッ
タ型触媒による同成分の共重合体に比較して密度が低
く、分子量分布が狭いにも拘らず溶融張力が高く、無機
配合物の高充填加工性に優れることから本発明に好適で
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 前記オレフィン系共重合体は密度が0.
85乃至0.91(g/cm3)、好ましくは0.86
乃至0.88(g/cm3)、MFRが0.5乃至20
(g/10分)好ましくは1乃至7(g/10分)の範
囲で選択して使用することが可能である。密度とMFR
をかかる範囲に限定したのは、密度が該範囲よりも大き
くなると、シートの柔軟性に欠け風合いが損なわれ、逆
に該範囲よりも密度が小さくなると汎用性に乏しく工業
的生産に適しないからである。MFRが該範囲より小さ
くなると、溶融張力が高くなり過ぎ、現行の設備及び条
件による加工が困難となり、逆に該範囲よりも大きい場
合はシートの成形が困難となる。本明細書中において、
MFRは特に定める場合を除き、ASTM D1238
(温度190°C,荷重2160g,時間10分)の規
定によるものである。また、密度及びMFRの範囲は、
密度及び/またはMFRが異なる複数種類の樹脂をブレ
ンドして用いる場合にも適用される。この場合は、ブレ
ンドする前の単独の樹脂が該範囲外であっても、ブレン
ドした後の樹脂の密度及びMFRが該範囲に入っていれ
ばよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 配合3 TPO(カレンダー成形適用タイプ) 100重量部 (MFR:50(g/10分)温度230°C,荷重10kg) 炭酸カルシウム 70重量部 二酸化チタン 15重量部 TOP 15重量部 発泡剤(ADCA) 4重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】 配合4 TPO(押出成形適用タイプ) 70重量部 (MFR:50(g/10分)温度230°C,荷重10kg) ポリエチレン 30重量部 (密度0.93(g/cm3)、MFR:11(g/10分)) 炭酸カルシウム 70重量部 二酸化チタン 15重量部 TOP 15重量部 ステアリン酸亜鉛 1重量部
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 風合い及び外観について、実施例3乃
至5の装飾シートは柔軟性に富み、塩化ビニル樹脂製の
装飾シートと略同等の風合いを有するのに対し、比較例
1のTPO使用の装飾シートの場合は、緻密な発泡セル
が形成されず、風合いがゴム様であった。特に、実施例
3及び実施例5の発泡品は他の発泡品に比較して、圧縮
歪み回復速度が大きく、表面を指で押圧後の指痕の凹み
の回復戻り性が最も速かった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともオレフィン系共重合体及び無機
    質配合物からなる組成物において、前記オレフィン系共
    重合体は、密度が0.85乃至0.91(g/c
    3)、メルトインデックスが0.5乃至20(g/1
    0分)であって、前記オレフィン系共重合体100重量
    部に対し、前記無機質配合物が10乃至300重量部で
    あることを特徴とするオレフィン系共重合体組成物。
  2. 【請求項2】前記オレフィン系共重合体は、エチレンと
    α−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求
    項1記載のオレフィン系共重合体組成物。
  3. 【請求項3】前記オレフィン系共重合体は、分子構造の
    一般式が次式で示されるものからなることを特徴とする
    請求項1乃至2記載のオレフィン系共重合体組成物。 【化1】 式中、Rは前記α−オレフィンを構成する炭素数から2
    を減じた炭素数からなるアルキル基であり、n,mは整
    数からなる繰り返し数である。
  4. 【請求項4】前記無機質配合物は炭酸カルシウム、水酸
    化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタンよ
    り選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求
    項1乃至3記載のオレフィン系共重合体組成物。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載のオレフィン系共重合
    体組成物をカレンダー加工、押出加工等によって加工し
    て樹脂層を形成し、紙、織布、編布、不織布の何れか一
    種の基材の片面に積層一体化した装飾シート。
  6. 【請求項6】前記樹脂層の表面に表皮層を形成したこと
    を特徴とする請求項5記載の装飾シート。
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