JP2005120487A - エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた壁紙およびその製造方法 - Google Patents

エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた壁紙およびその製造方法 Download PDF

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裕 高安
Kiminori Noda
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Abstract

【課題】高発泡倍率を有しTダイ押出機で高速成形可能な壁紙用樹脂組成物を得る。
【解決手段】1種または2種以上のエチレン・α-オレフィンランタ゛ム共重合体(a)から形成されるエチレン・α-オレフィンランタ゛ム共重合体組成物(A)50〜95重量%、低密度ホ゜リエチレン(B)5〜50重量%、さらにこれら(A)、(B)100重量部に対し無機充填剤(C)5〜100重量部、化学発泡剤(D)1〜10重量部、発泡助剤(E)0〜3重量部を配合してなる壁紙用樹脂組成物であって、重合体(a)が(i)密度0.850〜0.900g/cm3、(ii)MFR1〜150g/10分(iii)分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、(A)が(i)密度0.860〜0.900g/cm3(ii)MFR10〜100g/10分、(B)が(i)密度0.900〜0.940g/cm3(ii)MFR7〜100g/10分であることを特徴とする。





Description

本発明はポリオレフィンから壁紙に関し、更に詳しくはTダイ押出機により成形可能なエチレン・α−オレフィン共重合体からなる壁紙に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)は成形が容易で多彩な着色および意匠が可能であり、これを用いた床材、および壁紙は、施工性、加工性、耐薬品性が優れることなどから広く用いられている。
しかし近年、PVC系廃棄物の燃焼時に発生するハロゲン化水素ガスの問題や使用されるジオクチルフタレート等の可塑剤や残留モノマーの室内への飛散による人体に与える影響が憂慮されるようになり、ポリオレフィンを中心とする地球環境への付加が少ない床材および壁紙の開発が進んでいる。なかでもエチレン・α−オレフィン共重合体は優れた柔軟性を有しており、これを壁紙としたときの風合い・施工性に優れる。また、分子鎖に極性基を有していないため、各種日用品に対する耐汚れ性にも優れ、非常に好適な材料である。(特許文献1)
壁紙の成形方法としてはカレンダー法(例えば特開平10−17724)やエマルジョンコーティング法(例えば特開平08−290505)が知られている。(特許文献2,3)
エマルジョンコーティング法については、一般にはエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)が主に用いられており、エチレン・α−オレフィン共重合体を適用することが出来ない。また製品品質の面からも、残存している溶媒によるVOC問題(シックハウス問題)、残存溶媒成分が原因と考えられる製品の汚れ等の問題があり、好ましくない。
一方カレンダー法においては、溶媒を使用しないためVOC問題もなく、また耐汚れ性にも優れる製品が得られるが、設備が大型であるため運転に際し多数の運転員を必要とする欠点がある。
これに対し、一般的なポリオレフィンシートの成形方法であるTダイ押出法は省スペースかつ少ない運転員で生産が出来るとともに、この方法で生産した壁紙は、カレンダーと同様な製品品質を有するものが得られる。さらに、共押出法により、薄いフィルムを表面に積層させて製品の表面強度を改良した機能化壁紙も可能になる。
特開2000−281844号公報 特開平10−17724号公報 特開平8−290505号公報
本発明の目的は、高発泡倍率を有しTダイ押出機で高速成形可能なエチレン・α−オレフィン共重合体を用いた壁紙用樹脂組成物を提案するとともに、この壁紙用樹脂組成物を用いたTダイ押出機による壁紙用原反および壁紙の製造方法を提案することである。
本発明の壁紙用樹脂組成物は1種または2種以上のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)から形成されるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)50〜95重量%、低密度ポリエチレン(B)5〜50重量%、さらにこれら(A)、(B)100重量部に対し無機充填剤(C)5〜100重量部、化学発泡剤(D)1〜10重量部、発泡助剤(E)0〜3重量部を配合したものからなり、
このエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)は
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.850〜0.900g/cm3、
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が1〜150g/10分
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
このエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)は
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.860〜0.900g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が10〜100g/10分
この低密度ポリエチレン(B)は
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.900〜0.940g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が7〜100g/10分
である。
さらに本発明の壁紙用原反は、これを発泡剤分解温度以下(詳しくは110〜150℃の樹脂温度)でTダイ押出機にてシート成形するとともに、裏打ち紙を貼り合せて得ることができる。
また本発明の壁紙はこの壁紙用原反に印刷・発泡・エンボス加工を施して得られる。
次にこれらの各構成について具体的に説明する。
本発明の壁紙用樹脂組成物は、良好な押出し特性を有するとともに、良好な発泡特性およびエンボス適性を有している。本発明の壁紙用樹脂組成物を、Tダイ押出機を用いて成形することで良好な品質を有する壁紙が得られる。さらに、多層Tダイ押出機による共押し成形により、本発明の壁紙用樹脂組成物を中間層とし、表面または両面にフィルムを積層した壁紙を得ることも可能である。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)
本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)は下記特徴を有するものである。
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.850〜0.900g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が1〜150g/10分
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下

エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)の製造法については特に制限はないが、ラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。特にメタロセン触媒を用いて製造された共重合体は通常分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、本発明に好ましく利用できる。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)は、エチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のαオレフィン、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
コモノマーとして使用される炭素数3から20のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。また、必要に応じて他のコノモマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)の密度(ASTM 1505 23℃)は0.850〜0.900g/cm3、好ましくは0.860〜0.897g/cm3、より好ましくは0.865〜0.895g/cm3である。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)のASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(以下、MFR(190℃)と略記する)は1〜150(g/10分)、好ましくは3〜75(g/10分)の範囲にある。エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下である。
このようなエチレン・αオレフィン共重合体の製造方法については特許公開平10−212382号に記載されている。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)
本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)は、上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)1種または2種以上から形成される。複数のブレンド体の場合は、分子量(MFR)の異なる2種以上のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)を用いると成形性の点で好ましい。2種のブレンド体の場合、その2種のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)の分子量(MFR)(190℃)比はMFR(a1)/MFR(a2)=1.2〜5、好ましくは1.3〜3、より好ましくは1.5〜2.5である。複数のブレンド体の場合、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー、ロールや押出機等の混合機にて混錬したものを用いてもよく、またはこれらの混錬機を用いず、ペレット状態で直接配合(ドライブレンド)したものを用いてもよい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)における密度(ASTM 1505 23℃)が0.860〜0.900g/cm3、好ましくは0.870〜0.897g/cm3、より好ましくは0.880〜0.895g/cm3にあると、柔軟性と耐熱性とを備えシート表面のベタツキが少なく、柔らかい感触の成形品が得られる。
また、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)におけるMFR(190℃)が10〜100(g/10分)、好ましくは12〜70(g/10分)の範囲にあると、低温かつ高速で押出し成形ができ、さらに高発泡倍率でボリューム感に優れた壁紙が得られる。
低密度ポリエチレン(B)
本発明の樹脂組成物における低密度ポリエチレン(B)は、一般に高圧法プロセスで重合される、分子骨格中に長鎖分岐を有するものであり、その密度が0.900〜0.940g/cm3、好ましくは0.900〜0.930g/cm3であり、MFR(190℃)は7〜100g/10分、好ましくは10〜70g/10分である。密度およびメルトフローレートがこの範囲にあると、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の溶融張力を高め、その結果、樹脂組成物のシート成形加工性を改良するとともに、発泡時にも安定発泡かつ高発泡特性が得られる。
またこの低密度ポリエチレンは、190℃で測定されたメルトテンション(mN at 190℃)(MT)とメルトフローレート(g/10分 at 190℃)(MFR)とが次式を満たしていることが好ましい。
40×(MFR)−0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)−0.67
この関係式を満たすことで、この低密度ポリエチレンを含有する樹脂組成物は、適度の溶融張力を有し、シート成形性が良好となる。ここで、メルトテンション(MT)は、溶融させた低密度ポリエチレンを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより求められる値である。実際のメルトテンションの測定は、東洋整機製MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取り速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で行われる。
無機充填剤(C)
本発明で使用される無機充填剤(C)としては、特に制限はないが例えば、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、チタンホワイト、タルク、石英粉末、ガラス繊維、クレーまたはマイカなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができるが、好ましくは炭酸カルシウム、チタンホワイト、水酸化マグネシウムである。その平均粒径は0.1〜100μmであり、好ましくは平均粒子径が0.1〜30μm以下、さらに好ましくは0.3〜15μmである微粒子状無機化合物である。ここで平均粒子径は、BET法による比表面積から求めることができる。また、本発明で使用される無機充填剤(C)は、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸等で表面化学処理されたものであっても好ましく利用でき、上記平均粒子径のもつ微粒子が凝集体を形成していてもよい。
化学発泡剤(D)
本発明の化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。
中でも、熱分解型化学発泡剤が分解温度以下での加工処理が可能であることから好ましく、例えば4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(標準分解温度164℃)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(同210℃)、アゾジカルボンアミド(同210℃)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(同210℃)、P−トルエン・スルフォニルセミカルバザイド(同230℃)、ヒドラジンカルボンアミド(同245℃)、5−フェニルテトラゾール(同250℃)、バリウムアゾジカルボキシレート(同250℃)等の化合物単独又はこれらの混合物が挙げられる。
発泡助剤(E)
本発明の発泡助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸、フタル酸、しゅう酸等の有機酸などが挙げられるが、好ましくはステアリン酸亜鉛である。
壁紙用樹脂組成物
本発明の壁紙用樹脂組成物は、1種または2種以上のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)から形成されるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)50〜95重量%、低密度ポリエチレン(B)5〜50重量%、さらにこれら(A)、(B)100重量部に対し無機充填剤(C)5〜100重量部、化学発泡剤(D)1〜10重量部、発泡助剤(E)0〜3重量部を配合したものからなる。
これらの各成分を混合する方法としては、実質的に均一に分散される方法であれば、特に制限はなく周知の方法が使用できる。例えば、ロール、ボールミル、タンブラー、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、1軸ないしは2軸の押出機等の混練機が挙げられるが、特に好ましくは押出機を用いた混合である。
また、無機充填剤(C)および化学発泡剤(D)、発泡助剤(E)の1種または2種以上を、本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)または低密度ポリエチレン(B)により別工程で濃縮(コンパウンド化)したものと、残りの成分を配合して使用することも可能である。
これらの割合としては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)が50〜95重量%、好ましくは55〜80重量%、より好ましくは65〜80重量%、低密度ポリエチレン(B)5〜50重量%、好ましくは20〜45重量%、より好ましくは20〜35重量%、そしてこれら(A)、(B)100重量部に対し無機充填剤を(C)5〜100重量部、好ましくは15〜80重量部、化学発泡剤(D)を1〜10重量部、好ましくは3〜8重量部、発泡助剤(E)0〜3重量部、好ましくは0〜2.5重量部である。
また、本発明の壁紙用樹脂組成物は、測定温度120℃、せん断速度(SR)100(sec−1)で測定したときのずり粘度(VI)が3000(Pa・s)以下、好ましくは2500(Pa・s)以下、より好ましくは2000(Pa・s)以下である。本発明の壁紙用樹脂組成物は、Tダイ押出機等を用いてシート加工し壁紙用原反とする。このとき壁紙用樹脂組成物の樹脂粘度が高いと、溶融押出し成形時に発泡が発生するため、シート化して壁紙用原反を作成することができない。しかしながら、壁紙用樹脂組成物のずり粘度がこの範囲にあると、溶融押出し時の発泡を防ぐために110〜150℃の低温度域で押出し成形が可能となるとともに、成形速度を上げるために高速で押出すことも可能となる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて公知の、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、難燃剤、架橋剤及び/又は充填剤を配合することができる。
壁紙用原反
本発明の壁紙用原反は、前記壁紙用樹脂組成物からなる50〜300μmの単層シート、または壁紙用樹脂組成物からなる50〜300μmの単層シートの表面または表裏両面に、単層または多層のフィルムが積層された多層構成のシートを、基材上に積層したものである。
単層シートからなる壁紙用原反は、上記壁紙用樹脂組成物をTダイ押出機によりシート化した後、基材と張り合わせることによって得ることができる。この際、Tダイから押出された溶融シートを、ロールにより圧延したり、1軸ないしは2軸方向に延伸したりすることにより目的の厚みに加工することも可能である。
また、単層または多層のフィルムが積層された多層構成のシートからなる壁紙原反は、上述の方法で成形した単層シートに10〜50μmのフィルムを片面または両面に張り合わせ、これを基材と張り合わせることによって得ることができる。
さらには、多層Tダイ押出機を用いて、片面または両面のフィルム層と本発明の壁紙用樹脂組成物からなる層を共押出しにより同時に成形し、これを基材と張り合わせることによって得ることも可能である。
このような多層Tダイ成形機に用いられるダイの種類としては、例えばフィードブロックタイプ、マルチマニフォールドタイプさらにはマルチスロットタイプなどを挙げることができる。また片面または両面に積層されるフィルムの厚みは1〜30μmである。
本発明の壁紙原反に積層されるフィルムの種類としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アイオノマー樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、好ましくはポリオレフィン系樹脂である。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はないがポリエチレン、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、オレフィンと極性モノマーとの共重合体(例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体)などが例示される。ポリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばポリメチルメタアクリレートなどが挙げられる。アイオノマー樹脂としては、従来公知のものが使用できる。ポリウレタン系樹脂としては従来公知のものが使用できる。また、ポリアミド系樹脂としては特に制限はないが例えば、ポリアミド6、ポリアミド66などが例示される。ポリエステル系樹脂としては特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが例示される。なお、本発明の目的を損なわない範囲でこれらの樹脂に無機充填物およにその他添加剤を含んでもよい。
本発明の壁紙原反は、必要に応じて表面に印刷およびアクリル系、ウレタン系、エステル系その他のプライマーを1〜10μm程度コーティングすることによる表面処理を行うことも可能である。また、単層または多層のフィルムが積層された多層構成の壁紙原反である場合には、積層された単層または多層のフィルム上に印刷および表面処理を行ってもよい。
また、本発明の壁紙原反に用いる基材としては、特に制限はないが普通紙、難燃紙、不燃紙、有機繊維又は無機繊維の織布、不織布などが挙げられる。
壁紙
本発明の壁紙は、前記壁紙用原反を2倍〜10倍に発泡し、必要に応じてエンボス加工を施したものである。壁紙の発泡方法としては特に制限はないが、エアーオーブンや赤外オーブン、または加熱ロール等を用いる方法が挙げられる。
[実施例]
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
MFR(190℃)が70g/10分、密度が0.893g/cm3、1−ブテン含量が10.7モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−1)、MFR(190℃)が35g/10分、密度が0.870g/cm3、1−ブテン含量が15.0モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−2)、MFR(190℃)が23g/10分、密度が0.918g/cm3の低密度ポリエチレン(LDPE−1)、および平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、水酸化マグネシウム(神島化学 マグシーズW−H4)、発泡剤(永和化成(株)製、AC#3)、ステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練して、樹脂組成物1を作成した。
樹脂組成物1の配合比およびずり粘度を表.1に示す。
また、この樹脂組成物1を40mmφ押出機(L/D=26、シリンダー温度=120℃、ダイ温度=120℃、スクリュータイプ=フルフライト)を用いて溶融押出したときの樹脂温度および発泡発生の有無を評価した。この結果を表.2に示す。
さらに樹脂組成物を120μmにシート化し裏打ち紙(普通紙)を張り合わせて作成した壁紙サンプルを作成し、このサンプルを220℃で発泡させたときの発泡倍率および発泡外観を評価した。この結果を表.3に示す。
さらに、上記評価で得た発泡壁紙サンプルを、由利ロール株式会社のエンボステスト機(自動油圧式2本ロールテスト機、エンボスロールは串団子柄(圧縮面積比 36%)、エンボスロール温度70℃、圧力1000kg、ロール速度10m/min)を用いてエンボス加工を行った。このときの結果を表.4に示す。
MFR(190℃)が18g/10分、密度が0.885g/cm3、1−ブテン含量が11.0モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−3)、MFR(190℃)が35g/10分、密度が0.870g/cm3、1−ブテン含量が15モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−2)、MFR(190℃)が23g/10分、密度が0.918g/cm3の低密度ポリエチレン(LDPE−1)、および平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、水酸化マグネシウム(神島化学 マグシーズW−H4)、発泡剤(永和化成(株)製、AC#3)、ステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練して、樹脂組成物2を作成した。
この樹脂組成物2を用い、実施例1と同様の評価を行った。
[比較例1]
MFR(190℃)が1.2g/10分、密度が0.885g/cm3、1−ブテン含量が11.0モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−4)、MFR(190℃)が3.6g/10分、密度が0.870g/cm3、1−ブテン含量が15モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−5)、MFR(190℃)が7.2g/10分、密度が0.917g/cm3の低密度ポリエチレン(LDPE−2)、および平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、水酸化マグネシウム(神島化学 マグシーズW−H4)、発泡剤(永和化成(株)製、AC#3)、ステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練して、樹脂組成物3を作成した。
この樹脂組成物3を用い、実施例1と同様の評価を行った。
[比較例2]
MFR(190℃)が18g/10分、密度が0.885g/cm3、1−ブテン含量が15モル%のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−3)、および平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、水酸化マグネシウム(神島化学 マグシーズW−H4)、発泡剤(永和化成(株)製、AC#3)、ステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練して、樹脂組成物4を作成した。
この樹脂組成物4を用い、実施例1と同様の評価を行った。
[比較例3]
MFR(190℃)が150g/10分、密度が0.950g/cm3、酢酸ビニル含量が28.0モル%のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)、MFR(190℃)が15g/10分、密度が0.940g/cm3、酢酸ビニル含量が19モル%のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−2)、および平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、水酸化マグネシウム(神島化学 マグシーズW−H4)、発泡剤(永和化成(株)製、AC#3)、ステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練して、樹脂組成物5を作成した。
この樹脂組成物5を用い、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2005120487
Figure 2005120487



Figure 2005120487

Figure 2005120487
表2〜3の結果より、本発明の壁紙用樹脂組成物は、良好な押出し特性および壁紙に必要な高発泡倍率およびエンボス適性を有している。
一方、比較例1においては押出し時に発泡が発生した。また、比較例2においては良好な押出し特性を有してはいるものの、発泡特性が劣る。さらに比較例3においては、良好な押出し特性および発泡特性を有してはいるものの、エンボス適性が劣る。
本発明の壁紙用樹脂組成物は、良好な押出し特性を有するとともに、良好な発泡特性およびエンボス適性を有している。本発明の壁紙用樹脂組成物を、Tダイ押出機を用いて成形することで良好な品質を有する壁紙が得られる。さらに、多層Tダイ押出機による共押し成形により、本発明の壁紙用樹脂組成物を中間層とし、表面または両面にフィルムを積層した壁紙を得ることも可能である。

Claims (6)

  1. 1種または2種以上のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)から形成されるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)50〜95重量%、低密度ポリエチレン(B)5〜50重量%、さらにこれら(A)、(B)100重量部に対し無機充填剤(C)5〜100重量部、化学発泡剤(D)1〜10重量部、発泡助剤(E)0〜3重量部を配合してなる壁紙用樹脂組成物であって、
    エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)が
    (i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.850〜0.900g/cm3、
    (ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が1〜150g/10分
    (iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
    エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)が
    (i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.860〜0.900g/cm3
    (ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が10〜100g/10分
    低密度ポリエチレン(B)が
    (i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.900〜0.940g/cm3
    (ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が7〜100g/10分
    であることを特徴とする。
  2. 測定温度120℃、せん断速度(SR)100(sec−1)、で測定したときのずり粘度(VI)が3000(Pa・s)以下であることを特徴とする請求項1記載の壁紙用樹脂組成物。
  3. 請求項1、2記載の壁紙用樹脂組成物が、基材上にシート状に積層されていることを特長とする壁紙用原反。
  4. 基材上にシート状に積層された請求項1、2記載の壁紙用樹脂組成物の表面または表裏両面に、単層または多層のフィルムが積層されていることを特徴とする壁紙用原反。
  5. 壁紙用樹脂組成物を110〜150℃の樹脂温度でTダイ押出機にてシートを成形し、シートを成形すると同時にまたはシート成形後に基材と張り合わせることを特徴とした請求項4に記載の壁紙用原反の製造方法。
  6. 請求項3、4記載の壁紙用原反における樹脂組成物を2倍〜10倍に発泡し、必要に応じてエンボス加工を施していることを特徴とする壁紙。

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JP2012061745A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Dainippon Printing Co Ltd 発泡積層シート
JP2015189041A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シート並びにそれらの製造方法

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