JPH1099008A - 包被切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ 連続運転が可能であって、均一な製品を製造
可能な饅頭等の包被切断装置を提供する。 ［解決手段］ 隣接する二つの面を摺動面とし、長孔を
有するシャッターを、結合部材によって組合せ、円周ａ
上の等分割した位置に設けた回動軸に前記シャッターの
各々の長孔を摺動可能に装嵌する包被切断装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、饅頭やおはぎ等の
食品の成形装置に関し、詳しくは吐出装置から連続的に
二重の棒状に吐出される食品材料を球形に包被切断成形
する手段に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の饅頭等の包被切断装置は、隣合う
二つの辺を摺動面とする三個以上の角形片を、互いにそ
の摺動面を接して組み合わせて枠組みを形成し、これを
多角形のハウジングに収納し、枠組みを摺動させてでき
る中央の囲みを生地の通路とし、その角形片を互いに摺
動させて囲みを開閉させるようにしている。（例えば、
実公平５−２５４３２号公報参照）。

【０００３】さらには、円周上に等分割した位置各点を
支点として回動する同一形状の多面体を設け、その多面
体の先端が隣接する多面体の側面をなぞるように同調し
て回動することにより、形成される中央の囲みを開閉さ
せるようにして、囲みを通過する食品材料を包被切断す
るようにしている。（例えば、特公平５−９０５１号公
報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の実公平５−２５
４３２号公報に示す包被切断装置においては、ハウジン
グに収納されたプラスチック材の角形片の枠組みが運転
中に熱膨張し、ハウジング内での枠組みの嵌め合いがき
つくなり、焼き付けが起きたりして装置を止めなければ
ならないなどの連続運転に支障をきたす問題がある。

【０００５】また、特公平５−９０５１号公報に示す包
被切断装置においては、同一形状の多面体の先端が、隣
接する多面体の側面をなぞり、多面体の側面が互いに当
接するまでは、多面体の先端以外の部分は隣接側面との
間に隙間ができ、食品材料の表面がその隙間に進入して
材料表面を傷つけたりする不具合が発生している。また
多面体の先端部分だけが隣接側面と接触するので、先端
のみ磨耗してしまい、囲みの閉鎖が完全に行えなくな
り、包被切断の効果が低下する問題も発生している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、角形片を組み
合わせてできる枠組みをハウジングに収納することをな
くしたので、運転中の枠組みの熱膨張に対しても嵌め合
いがきつくならず、さらに隣接する角形片は、つねに摺
動面が互いに摺接するようにして隙間を無くしているの
で、隣接する多面体のすきまに食品材料が進入しないよ
うな構成としている。つまり、隣接する二つの面を摺動
面とするシャッター三つ以上を、結合部材によって、互
いに隣接するシャッターの摺動面を摺接するようにして
組合せ、各々のシャッターには長孔を有し、円周ａ上の
等分割した各点Ｂを回動軸とし、この回動軸に前記シャ
ッターの各々の長孔を摺動可能に装嵌するようにした新
規な構成により、表面の傷つかない製品を長時間の連続
運転で生産可能としているものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明は隣接する二つの面を摺動
面とするシャッター三つ以上を、結合部材によって互い
に隣接するシャッターの摺動面を摺接するようにして組
合せ、シャッターには長孔を有し、円周ａ上を前記シャ
ッターと同数で等分割した各点Ｂに回動軸を設け、この
回動軸に前記シャッターの各々の長孔を摺動可能に装嵌
して、この回動軸によって前記シャッターが回動しなが
ら、長孔方向に移動するようにしているものである。こ
のようにして組み合わせたシャッターの枠組みの、隣接
するシャッターの摺動面が摺接した状態でシャッターが
回動して中央の囲みを開閉可能とするものである。

【０００８】本発明の結合部材は隣接するシャッターを
離間しないで摺接するようにした構造であればどのよう
なものでもよいが、例えば鍵状のものを一方のシャッタ
ーに固着し、その鍵状部分を他方のシャッターの凹部と
摺接係合させるようにしている。

【０００９】シャッターに設けた長孔は、シャッターを
組み合わせてできる中央の囲みを形成する摺動面に平行
に設けている。

【００１０】この長孔には円周ａ上にシャッターと同数
で等分割した各点Ｂの回動軸が装嵌されるものである。
この回動軸の回動で、シャッターも回動し隣接するシャ
ッターと摺動しながら中央の開口が開閉するものであ
る。この長孔はシャッターの回動の際、回動軸からシャ
ッター先端までの距離が変化するので、シャッター同志
がロックするのを防ぐための長孔である。

【００１１】また、これらの回動軸はすべての回動軸が
駆動軸である必要はなく、少なくとも一つが駆動軸であ
り、その他が従動軸あるいは、回動しない支点軸であれ
ばよいものである。

【実施例】

【００１２】以下実施例について図面を参照して説明す
る。図１は包被切断装置の全体図。図２、図３はシャッ
ターの駆動説明図、図４乃至図８はシャッターの第一実
施例、図９乃至図１２はシャッターの第２実施例、図１
３はその他のシャッターの形状説明図である。

【００１３】図１中Ｘは、食品材料を連続的に押し出す
吐出装置であり、本実施例においては、内包材用と外皮
材用とが用意されており、この吐出装置Ｘの下方に位置
したシャッター機構１により形成される囲み２（図５参
照）内に連続した棒状食品Ｄを成形し、押し出すように
している。図２、図３はシャッター機構１を正逆回動さ
せる駆動機構３を示すものであり、モータ４の回転がカ
ム３３、アーム３４、ロッド３５、ギヤ３６を介して、
リングギヤ３１、ギヤ３２に伝達され、ギヤ３２のそれ
ぞれに連結されている回動軸３７が回動し、回動軸３７
に装嵌している各シャッター（６、１０）が同期して回
動運動を行って、棒状食品材料Ｄを包被切断するもので
ある。

【００１４】モータ４に連結しているカム３８はシャッ
ターの駆動機構３全体を上下動するためのものであり、
カム３８の回転で支持軸３９を中心に駆動機構３が上下
動するものである。また駆動機構３の下方にはコンベア
５が設けられており、シャッターで包被切断された製品
を受取り、次工程に搬送させるものである。このコンベ
ア５の製品の受取は、駆動機構３の上下動に同期して上
下させても良いものである。

【００１５】図４乃至図７にしめす実施例においてはシ
ャッターが６個の場合を示しており、同一形状のシャッ
ター６を６個組み合わせ、隣接するシャッター６とを結
合部材７によって摺接するように結合して枠組みを構成
している。シャッター６には長孔８を設けている。この
長孔８は囲み２を構成する摺動面９に平行に設けてい
る。

【００１６】円周ａを６等分して設けた支点Ｂ１に回動
軸３７を設けて、前記長孔８に装嵌している。回動軸３
７は例えば図８に示すように回動軸３７に固着した作用
軸３７ａが長孔８に嵌まり、長孔の長手方向に摺動可能
としている。

【００１７】回動軸３７が回動してシャッター６が回動
するときは、隣接するシャッターとそれぞれ結合部材７
によって離間しないようになっており、支点Ｂ１から先
端縁１６までの距離が変化して、長孔８が作用軸３７ａ
とで滑りながらそれぞれ摺動して囲み２を開閉させる。
シャッター６に長孔を設けず、シャッターに回動軸を単
に軸着して回動するだけでは、回動軸とシャッターとが
ロックして動作不可能となるが、シャッター側を長孔と
することによって、長孔が回動軸を摺動することにな
り、囲みの開閉が可能となっている。

【００１８】図４はシャッター６の囲み２が閉じている
状態を示している。図５から図７は囲み２が徐々に開い
て行く状態をしめしている。

【００１９】第２実施例のシャッターを図９乃至図１２
に基づいて説明する。同一形状のシャッター１０を４個
組み合わせ、隣接するシャッター１０と結合部材１１に
よって摺接するように結合している。シャッター１０に
は長孔１２を設けている。この長孔１２は囲み２を構成
する摺動面１３に平行に設けている。

【００２０】円周ａを４等分して設けた支点Ｂ２の位置
に回動軸１４を設けている。この回動軸１４は作用軸１
４ａを付設し、前記長孔１２の面と摺接するように装嵌
している。

【００２１】回動軸１４が回動してシャッター１０が回
動するときは、隣接するシャッターとそれぞれ結合部材
１１によって離間しないようになっており、支点Ｂ２か
ら先端までの距離が変化して、それぞれ摺動しながら囲
み２を開閉させる。シャッター１０に長孔を設けず、回
動軸１４を単に軸着して回動するだけでは、回動軸とシ
ャッターが干渉して動作不可能であるが、シャッター側
を長孔とすることによって、長孔が回動軸を摺動するこ
とになり、囲みの開閉が可能となった。

【００２２】図９はシャッター１０の囲み２が閉じてい
る状態をしめしている。図１０から図１２は囲み２が徐
々に開いて行く状態をしめしている。

【００２３】図１３に示すものはその他の実施例として
シャッターおよび隣接するシャッターを摺接するための
結合部材のその他の実施例を示すものである。シャッタ
ー１７は囲みを構成する摺動面１８ａが、先端に向かっ
て厚みの減少するものであり、この厚みの減少する摺動
面が棒状食品の押圧部である。この押圧部を除く摺動面
の位置の、シャッター１７の側面の摺動面１８に溝１９
を設けている。他方の溝２０に結合部材２１の嵌合部２
１ａを装嵌し、穴２２を固定ネジ２３にて締結する。一
方の嵌合部２１ｂは隣接するシャッター１７の溝１９と
装嵌される。

【００２４】このような構成でシャッター１５を組み立
てて枠組みをつくって、回動軸（説明省略）を長穴２４
に装嵌して回動させることにより、供給される棒状食品
を包被切断するものである。この実施例の場合は、図８
の実施例とは異なり、結合部材がシャッターの表面に露
出しないので小型化が計れる。

【００２５】本実施例においては、円周上の等分割した
点Ｂにそれぞれ回動軸として説明しているが、特にそれ
に限定されることはなく、少なくとも一つの点が回動す
るための駆動軸として設ければよいものである。この場
合には、その他の軸における作用軸３７ａは単に従動軸
となる。また、その他の例では、このように従動軸とし
た場合でも作用軸３７ａのような摺動面をもつ特殊な形
状である必要性はなく、シャッターの長孔の中に支点と
しての軸３７を装嵌させてもよいものである。この場合
には、軸３７は回動する必要はない。

【００２６】図８に示すシャッター６の形状は隣接する
シャッターと凹凸係合するために、凸状の摺動面９ａ、
９ｂと凹状の摺動面１５ａ、１５ｂからなり、それらの
交差部に先端縁１６ａ、１６ｂを有している。このシャ
ッター６の包被切断動作は以下に述べる二段階の切断作
用効果が見られる。

【００２７】まず、囲みの２の縮小過程で主に摺動面９
ａが棒状食品Ｄを面で押圧することにより、棒状食品Ｄ
の周囲を押しつぶすようにして括れ部をつくって行くも
のである。この時、周囲方向からの押圧でできる括れ部
は表面積が減少するので、棒状食品の内包材を露出させ
ることがない。この作用は先端縁１６ａが中心に集合し
て材料が切断されるまで現れる。

【００２８】さらに回動が進むと斜辺部の先端縁１６ｂ
が互いに交差しながら接触し、図４に示すような先端縁
１６ｂの斜辺部が隠れる位置で回動動作が終了する。こ
の間ではとくに粘性の強い生地も完全に分離することが
でき、また切断された製品の外皮を頂部により誘導する
ことができる。

【００２９】駆動機構３のその他の実施例としては、モ
ーター４をサーボモータ等の制御機能を有するものにす
ることにより、モーターの回転速度、回転角度、回転方
向等の設定を管理することによって、棒状食品の切断に
おける外皮の誘導量を調整して、各部位における外皮の
厚みを調節したり、また各種形状の製品を切断成形する
ことができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。

【００３１】本発明は、角形片を組み合わせてできる枠
組みをハウジングに収納することを無くしたので、運転
中の枠組みの熱膨張に対しても嵌め合いがきつくならな
い。

【００３２】また隣接するシャッターは、常に摺動面が
互いに摺接するようにして隙間を無くしているので、隣
接するシャッターとの間に食品材料が進入することがな
いので、棒状食品の表面の傷つかない製品を生産するこ
とができる。

【００３３】従来のようなシャッターの運転中の焼きつ
きが起こらないので長時間の連続運転が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】包被切断装置の全体正面図

【図２】シャッターの駆動機構を説明する平面図

【図３】シャッターの駆動機構を説明する側面図

【図４】シャッター機構の平面図

【図５】シャッター機構の平面図

【図６】シャッター機構の平面図

【図７】シャッター機構の平面図

【図８】シャッターの説明斜視図

【図９】シャッター機構の平面図

【図１０】シャッター機構の平面図

【図１１】シャッター機構の平面図

【図１２】シャッター機構の平面図

【図１３】シャッターの説明斜視図

【符号の説明】

１ シャッター機構 ２ 囲み ３ 駆動機構 ６、１０、１７ シャッター ３７、１４ 回動軸 ７、１１、２１ 結合部材 ９、１３、１８ 摺動面 ８、１２、２４ 長孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】隣接する二つの面を摺動面とするシャッタ
   ー三つ以上を、互いに隣接するシャッターの摺動面を、
   結合部材によって摺接するようにして組合せ、シャッタ
   ーには長孔を有し、円周ａ上の等分割した各点Ｂを軸と
   して、この軸に前記シャッターの各々の長孔を摺動可能
   に装嵌し、この軸の少なくとも一つを回動軸として前記
   シャッターを回動させることを特徴とする包被切断装
   置。