JPH1089562A - 管継手 - Google Patents

管継手

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JPH1089562A
JPH1089562A JP24486896A JP24486896A JPH1089562A JP H1089562 A JPH1089562 A JP H1089562A JP 24486896 A JP24486896 A JP 24486896A JP 24486896 A JP24486896 A JP 24486896A JP H1089562 A JPH1089562 A JP H1089562A
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JP
Japan
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receiving port
pipe
locking flange
pipe joint
packing
Prior art date
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Application number
JP24486896A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ataka
剛 安宅
Yoshimichi Ogino
義道 荻野
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水管などの管継手に内装されるパッキン
が、差口の挿入に伴って押動され弾性変形するリップ部
を略円筒形状の筒状部の内面に設けたものでは、受口か
らの管の抜けを防止するための構成が複雑になり作業が
煩雑になる。 【解決手段】 パッキン4を、リップ部4bが筒状部4
aの外周面に設けられた形状とし、これを差口3aに装
着して受口2に挿入した後、受口2内で上記リップ部4
bと軸方向に対面する本体部6・6bと径方向への弾性
変形可能な可動壁7とを備える抜け止めリング5を受口
2に挿入する。上記可動壁7は、挿入時の弾性変形状態
から受口2内で弾性復帰し受口2の係止鍔2bに対して
軸方向係合状態となる。これにより、抜け止めリング5
を挿入するという作業だけで、管の抜けがより確実に防
止された連結状態が得られ、作業が容易で施工性が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水管等の管の連
結に使用される管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】高層建築物等での排水管の配管に当たっ
ては、適宜箇所で管の連結が行われる。このような管の
連結に用いられる管継手の例が、例えば特開平1-269787
号公報に記載されている。その管継手では、図8に示す
ように、略円筒形状の筒状部41の内面に、舌状に内方に
突出するリップ部(シール部)42を設けた形状のゴム製
のパッキン(シール部材)43が用いられている。なお、
筒状部41の外周面には、断面三角状に突出する突条部44
がさらに設けられている。
【0003】このパッキン43が、図9に示すように、一
方の管の管端に設けられている受口45の内面に沿って予
め嵌着される。この嵌着状態で、前記突状部44が受口45
の内面に形成されている凹溝に嵌入して軸方向に係合
し、これにより、受口45からのパッキン43の抜けが防止
されている。上記のパッキン43に他方の管(以下、接続
管という)46の管端側、いわゆる差口46aを挿入するこ
とで、受口45への接続管46の連結が行われる。このとき
の差口46aの挿入に伴い、リップ部42が弾性変形して差
口46a外周面に密着し、これによって、パッキン43と差
口46aとの間の止水性(シール性)が付与される。
【0004】このように上記では、差口46aの挿入に伴
い弾性変形するパッキン43の弾性回復力で、パッキン43
と差口46aとの間のシール性が付与されるが、この弾性
回復力は差口46aの挿入作業時には挿入抵抗ともなる。
この場合に、差口46aとの密着を、筒状部41の内面から
部分的に突出する上記リップ部42のみとした構成である
ので、その密着面積は比較的狭く、このため、パッキン
43と接続管46とが軸方向に相対的に移動するときの摺動
抵抗は比較的小さく抑えられる。これによって、過大な
力を要せず差口46aをパッキン43内に挿入することがで
き、施工を容易に行えるようになっている。
【0005】また、排水管などの連結には従来フランジ
継手構造が主流となっているが、この構造に比べ、上記
ではフランジ等を設ける必要がなく、また、ボルトナッ
ト等による締結作業も不要であるので、全体がよりコン
パクトなものになり、また、作業性を大きく向上し得る
ものともなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の管継手においては、パッキン43の前記突条部44
を受口45と軸方向に係合させて、受口45からのパッキン
43の抜けを防止する構造が採用されているが、パッキン
43からの接続管46の抜けに対しては、前記リップ部42に
おける弾性回復力に基づく摺動抵抗のみしか機能しな
い。この摺動抵抗は、前記したように、差口46aの挿入
作業時の挿入力をも考慮して設定されることから、例え
ば、内部を流れる水圧が高くなれば、その内圧が接続管
46に対して受口45からの抜け方向の力として作用するの
で接続管46が抜けるおそれがある。このため、使用範囲
が制限されるという問題を有している。
【0007】このような管の抜けが、より大きな抜け方
向の力に対しても確実に防止されるようにするために
は、例えば、差口46aの外周面に係合溝を設け、この係
合溝に嵌入させた部材をさらに受口45に係止させて、差
口46aと受口45とが軸方向に係合するような構成とする
ことが考えられる。しかしながら、接続管46は、一般に
現場において長さを調整するために、差口46aの先端側
を適宜切断して使用される場合が多く、したがって、差
口46aに対する加工を前提とした上記のような係合構造
は、現場での追加工が必要となって作業性が大きく低下
する。
【0008】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、受口と差口との間にシール部材を介装し
て成る管継手において、受口からの管の抜けをより確実
に防止し得ると共に施工の容易な管継手を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1の管継手は、第1の管の受口内
周面とこの受口に挿入される第2の管の差口外周面との
間に弾性体より成るシール部材が介装される管継手であ
って、受口の開口端側に径方向内方に突出する係止鍔が
設けられる一方、シール部材が、差口外周面に装着され
る略円筒形状の筒状部と、この筒状部の外周面から外方
へ突出するシール部とを有する形状で形成されると共
に、上記シール部材が装着された差口を受口に挿入し、
シール部を上記係止鍔よりも軸方向奥側の受口内周面に
圧接状とした状態で、上記係止鍔の内側空間を通して受
口に挿入される抜け止め部材が設けられ、この抜け止め
部材は、受口内で上記シール部の受口開口端側に位置す
る本体部と、この本体部に径方向の弾性変形可能に連結
された可動部とを備え、この可動部には、上記係止鍔の
内側を弾性変形状態で通過した後の径方向外方への弾性
復帰動作により係止鍔と軸方向奥側から対面する受口係
合部が設けられていることを特徴としている。
【0010】上記構成の管継手においては、シール部材
の筒状部に拡径方向の所望の弾性変形量を与えて差口に
装着し、或いは、差口外周面に接着することで、このシ
ール部材を差口との軸方向の相対移動が阻止された装着
状態とし得る。したがって、受口からの第2の管の抜け
を防止するには、受口からのシール部材の抜脱を阻止す
る構成とすれば良く、このために上記では、シール部材
を装着した差口を受口に挿入後、受口開口端側から受口
に挿入される抜け止め部材を設けている。
【0011】この抜け止め部材は、受口への挿入に伴
い、可動部が受口内で弾性変形状態から弾性復帰し、受
口係合部が受口の係止鍔と軸方向奥側から対面する状
態、すなわち、受口開口端側への移動が係止鍔によって
阻止される状態になる。この状態で、抜け止め部材の本
体部がシール部よりも受口開口端側に位置することか
ら、第2の管に受口からの抜け方向の変位が生じる場
合、これと一体的に変位するシール部材のシール部が、
上記の本体部に当接して係止され、この結果、第2の管
の抜けが防止される。
【0012】この場合、差口には管の抜け防止のための
加工を別途施す必要はなく、したがって、現場での追加
工は不要であるので、良好な作業性を維持することがで
きる。しかも、上記の抜け止め部材は、受口に挿入する
という作業だけで、受口内からの抜脱が自動的に阻止さ
れた状態が得られ、したがって、抜け止め部材を受口内
に固定するための例えばねじ止め構造等の複雑な構造と
する必要がないので、これによってさらに作業が容易と
なり、施工性が向上する。
【0013】請求項2の管継手は、上記可動部が、受口
係合部よりも軸方向奥側で本体部に連結され、この連結
部位を支点として径方向の弾性変形可能に形成されてい
ることを特徴としている。この構成によれば、受口から
の第2の管の抜け方向の力がより大きい場合でも、その
抜けがより確実に防止される。すなわち、抜け方向の力
は、係止鍔に当接している受口係合部に対しては、これ
を軸方向奥側に押圧する力を生じさせるが、これは、受
口係合部に、係止鍔との当接を維持して径方向外方へ摺
動させるように作用する。
【0014】つまり上記構成では、受口係合部は軸方向
奥側の支点位置から受口開口端側でかつ径方向外方に傾
斜する位置に位置しており、この受口係合部を軸方向奥
側に押圧する力は、支点位置からの受口係合部の傾斜位
置をさらに大きくするように、すなわち、受口係合部に
径方向外方への変位を生じさせるように作用する。この
結果、より大きな抜け方向の力が作用する場合でも、受
口係合部が係止鍔に沿って径方向内方へと向かうような
変形を可動部に生じることはなく、受口係合部と係止鍔
との軸方向係合状態が確実に保持されて管の抜けが防止
される。
【0015】請求項3の管継手は、受口内の可動部を径
方向内方に弾性変形させるための係合解除操作部が、係
止鍔の内側空間を通して受口開口端から外方に突出する
形状で可動部に延設されていることを特徴としている。
この構成によれば、受口開口端から外方に突出する係合
解除操作部を径方向内方に押動することによって、可動
部の全体が前記支点位置を中心として径方向内方に変形
し、受口係合部が係止鍔の内側空間へと移動する。この
状態で、抜け止め部材を受口より引き出すことが可能と
なる。その後、シール部材におけるシール部の弾性回復
力に抗する引き抜き力を第2の管に加えることで、この
管をシール部材と共に受口から引き抜くことができる。
したがって、上記では、第1・第2の管の連結状態の解
除も容易であり、このため、配管の交換時などにおける
作業性も向上する。
【0016】請求項4の管継手は、受口内で弾性復帰動
作を生じるときの可動部が当接することによって当接音
を生じさせる可動部受け面が受口内面に設けられている
ことを特徴としている。この構成によれば、抜け止め部
材を受口に挿入する際、受口係合部が係止鍔の内側を通
過後に弾性復帰して係止鍔との軸方向係合位置に位置し
たことが、音で確認される。したがって、抜け止め部材
の挿入後に、抜けが確実に防止された連結状態が得られ
たか否かの確認作業を別途行う必要はないので、これに
よって、施工性がさらに向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、第1の管(以下、
継手管という)1の管端に設けられている受口2内に、
第2の管(以下、接続管という)3の管端部分(以下、
この管端部分を差口3aという)を差し込んで、両管1・
3を互いに同軸状に連結した状態を示している。排水管
の場合、これらの管1・3は、例えば、JIS 規格 FCD50
0 から成る鋳鉄管で形成される。受口2と差口3aとの間
には、止水性を与えるための弾性体から成るパッキン
(シール部材)4と、受口2からの接続管3の抜けを防
止するための抜け止めリング(抜け止め部材)5とが介
装されている。
【0018】上記受口2は、図2に示すように、前記接
続管3よりも内外径がやや径大な円筒壁2aを備えてい
る。この円筒壁2aにおける開口端側は断面略フ字状に形
成され、開口端の位置に、管軸に直交して径方向外方か
ら内方に向かって突出する係止鍔2bが設けられている。
この係止鍔2bの内周面の径は上記円筒壁2aの内径とほぼ
同一寸法で形成され、この係止鍔2bの軸方向奥側(図に
おいて下側)に、円筒壁2aの内周面から径方向外方に凹
入する断面略フ字状の係合溝2cが環状に形成されてい
る。一方、円筒壁2aの下端部は、管軸に直交して径方向
内方に向かう段差壁2dを介して、その下側の管部2eに接
合されている。
【0019】前記パッキン4は、例えば、エチレンプロ
ピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ムなどのエラストマーからなり、図3に示すように、所
定の軸方向長を有する筒状部4aを備え、この筒状部4aの
図において下端側の外周に、斜め上方に傾斜して外方に
突出する形状のリップ部(シール部)4bが環状に設けら
れている。筒状部4aは前記接続管3の外径よりも径小に
形成され、また、この筒状部4aにおける下端部内周面に
は、前記接続管3の肉厚に合わせた寸法で径方向内方に
突出する管受け部4cが段差状に形成されている。
【0020】前記抜け止めリング5は、例えば、ポリプ
ロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂材料、或いはバ
ネ鋼などの弾性を有する金属材料から成り、図4に示す
ように、リング状の本体部6を設けて構成されている。
この本体部6は、同一円周上に順次位置する4つの円弧
状壁6a…と、これら円弧状壁6a…の間にそれぞれ位置す
る平板壁6b…とを周方向に連ねて形成されている。各円
弧状壁6aの上端面には、径方向外方に拡がる鍔部6cが連
設されている。一方、各平板壁6bは、それぞれ、下端か
らの高さ寸法が円弧状壁6aの約半分に設定され、これら
平板壁6b…の各上部に、周方向には本体部6から所定の
隙間を置いて離間した可動壁(可動部)7…がそれぞれ
連設されている。
【0021】これら可動壁7…も、後述する爪部7dの外
方面が円弧状である点を除いて、平板壁6bと同様に、周
方向に沿う形状が平板状に形成されている。したがっ
て、これら可動壁7に径方向の外力が作用すると、これ
ら可動壁7は、平板壁6bとの連設部位を支点として径方
向に撓み変形を生じ得るようになっている。なお、各平
板壁6bは、図5にも示すように、その内面が円弧状壁6a
の内周面よりもやや径方向外方に位置するように、連結
部6d…を介してそれぞれ周方向に隣接する円弧状壁6aに
連結されている。
【0022】各可動壁7は、図6に示すように、平板壁
6bの上端位置から径方向外方に向かって斜め上方に傾斜
する基部傾斜壁7aと、この基部傾斜壁7aの上端から上方
に延びる垂直壁7bと、この垂直壁7bの上端からさらに斜
め上方に傾斜して前記鍔部6cの上面よりも上方に突出す
る上端傾斜壁(係合解除操作部)7cとを順次連設した形
状で形成されている。
【0023】そして、基部傾斜壁7aと垂直壁7bとの連設
箇所における径方向外方の面に、垂直壁7bに対して段差
状に外側に突出する形状の爪部(受口係合部)7dが形成
されている。次に、上記構成の管継手を用いて管を連結
するときの作業手順について、図7を参照して説明す
る。
【0024】連結作業に当たって、まず同図(a) に示す
ように、接続管3の差口3aに抜け止めリング5を外嵌さ
せ、これを管端から適当に離れた位置で保持する。次い
で、差口3aにパッキン4を装着する。このパッキン4
は、前述したように筒状部4aの内径が差口3aの外径より
も小さく、したがって、この筒状部4aを拡径させながら
差口3aに挿入する。この挿入は、同図(b) に示すよう
に、差口3aの端面に管受け部4cが密着するまで行う。
【0025】この装着状態で、筒状部4aが差口3aに充分
に大きな面圧で密着するように、パッキン4の弾性特性
とその形状・寸法とが設定されている。これによって、
このパッキン4と差口3aとの間の止水性が付与される。
さらに、軸方向の寸法を比較的長くした上記の筒状部4a
の全体にわたって、差口3aとの間に大きな面圧が生じた
組み付け状態になっていることから、パッキン4と接続
管3とが軸方向に相対移動するときには両者間に大きな
摺動抵抗が生じ、この結果、後述する配管接続状態にお
いて、接続管3に通常想定し得る大きさの外力が抜け方
向に作用したとしても、パッキン4からの接続管3の離
脱が上記の摺動抵抗で充分に阻止されるものとなってい
る。
【0026】なお、配管内圧力がより高圧で接続管3に
対して抜け方向に大きな力が作用することが想定される
場合等には、パッキン4の筒状部4aを差口3aに接着剤を
用いて接着した装着状態としても良い。この場合、筒状
部4aの弾性回復力に加えて接着剤の接着力が抜け方向に
抗する力として作用し、これによって、パッキン4を差
口3aへのより強固な装着状態とすることができる。
【0027】前記のように差口3aへのパッキン4の装着
を終了した後、受口2の内面とリップ部4b表面とに石鹸
水などの滑剤を塗布して差口3aを受口2に挿入する。パ
ッキン4は、拡径して差口3aに装着した状態で、筒状部
4aの外径寸法が受口2における円筒壁2aの内径よりも小
さく、そして、リップ部4bは円筒壁2aの内周面よりも径
方向外方に突出する。したがって、受口2に差口3aを差
し込む際には、リップ部4bの外方先端側が受口2におけ
る円筒壁2aの内径に合わせて径方向内方に屈曲する。こ
のようにリップ部4bに弾性変形を生じさせながら、同図
(c) に示すように、パッキン4の管受け部4cが受口2の
段差壁2dに密着するまで、差口3aを受口2内に挿入す
る。この挿入状態で、上記したリップ部4bの弾性回復力
により、受口2の内面とパッキン4との間の止水性が付
与される。
【0028】このように差口3aを受口2内に挿入した
後、その上方に保持していた抜け止めリング5を接続管
3に沿って移動させ、これを受口2内に挿入する。この
抜け止めリング5の挿入作業に伴って、まず、本体部6
の下部側が、パッキン4の筒状部4aと受口2の内面との
間の空間に進入する。この挿入作業の途中で、可動壁7
における基部傾斜壁7aが受口2上端の係止鍔2bの内周縁
に接し、この時点からさらに挿入を継続する過程では、
可動壁7が径方向内方への撓み変形を生じながら、基部
傾斜壁7aとその上方の爪部7dとが、上記係止鍔2bとパッ
キン4の筒状部4aとの間を順次通過する。
【0029】そして、図1に示すように、本体部6上端
の鍔部6cが、受口2の上端面に当接する位置まで抜け止
めリング5を押し込むことで、配管の連結作業が完了す
る。この作業完了時の直前に、爪部7dが係止鍔2bよりも
下側に位置する状態となり、この時点で、可動壁7に対
する係止鍔2bからの径方向内方への押し付け力が解除さ
れ、これにより、可動壁7は、同図に示す状態に瞬発的
に弾性復帰する。
【0030】このように可動壁7が弾性復帰することに
よって、爪部7dが受口2の係合溝2c内に嵌入した状態と
なり、したがって抜け止めリング5は、爪部7dと係止鍔
2bとの軸方向の係合により、受口2内からの抜脱が阻止
される。一方、抜け止めリング5における本体部6は、
その下端側が、パッキン4のリップ部4bの上方に近接し
て位置している。したがって、接続管3に受口2からの
抜け方向の移動が生じる場合、差口3aに固着されている
パッキン4も一体的に移動し、リップ部4bが抜け止めリ
ング5の本体部6に下側から当接する。これにより、そ
れ以上の移動が阻止され、したがって、接続管3の抜け
が防止された連結状態となる。
【0031】なお、可動壁7が受口2への挿入時に弾性
復帰し爪部7dが係合溝2cに嵌入する際には、垂直壁7bの
外面が係止鍔2bに内側から瞬発的に当接してパチンとい
う当接音が発生するように、垂直壁7bの位置が係止鍔2b
の内面寸法に合わせて設定されている。したがって、こ
の場合には、係止鍔2bの内周面が、可動壁7の弾性復帰
時に当接音を生じさせる可動部受け面として形成されて
いる。上記のように当接音が発生することによって、抜
け止めリング5の挿入により管の抜けを確実に阻止する
連結状態となったことを、作業者は音で確認することが
できる。
【0032】以上の説明のように、本実施形態における
パッキン4は、リップ部4bが筒状部4aの外周面に設けら
れており、このパッキン4は、接続管3の差口3aに予め
装着されて受口2内へと挿入される。この挿入に伴うリ
ップ部4bの弾性変形に基づく弾性回復力により、パッキ
ン4と受口2の内面との間の止水性が与えられる。ま
た、このリップ部4bの弾性回復力は挿入作業時に挿入抵
抗ともなるが、リップ部4bの受口2との接触面積は比較
的小さいので、より小さな力で挿入作業を行うことがで
きる。
【0033】一方、パッキン4の内面と差口3aとの間の
止水性は、筒状部4aを拡径させて差口3aに装着したとき
の筒状部4aの弾性回復力によって与えられる。この筒状
部4aは、挿入作業時の抵抗を考慮して接触面積を設定す
る必要のあるリップ部4bに比べ、差口3a外面との接触面
積が大きく、したがって、例えば、接続管3が前記した
鋳鉄管などのように表面肌が荒いものであっても、筒状
部4aの弾性回復力で差口3aとの間の安定した止水性を与
えることが可能である。
【0034】そして、本実施形態では、パッキン4を差
口3aに装着し、これを受口2に挿入した後に、抜け止め
リング5を受口2に挿入することにより、管の抜けが阻
止された連結状態が得られる。この場合、差口3aには管
の抜け防止のための加工を別途施す必要はなく、したが
って、現場での追加工は不要であるので、良好な作業性
を維持することができる。しかも、上記の抜け止めリン
グ5は、受口2への挿入に伴い弾性変形状態から弾性復
帰して受口2の係止鍔2bと軸方向係合状態となる可動壁
7を備えているので、受口2に挿入するという作業だけ
で、受口2内からの抜脱が自動的に阻止された状態が得
られ、したがって、抜け止めリングを受口内に固定する
ために例えばねじ止め構造等の複雑な構造とする必要が
ない。これによってさらに作業が容易となり、施工性が
向上する。
【0035】また、受口2の係合溝2cは全周にわたって
形成されているので、抜け止めリング5の挿入に当たっ
て、受口2に対しては任意の周方向角度位置で良い。し
たがって、指向性がないので、これによっても抜け止め
リング5の挿入作業を極めて容易に行い得るものとなっ
ている。一方、上記抜け止めリング5は、可動壁7の本
体部6への連結箇所が、爪部7dよりも軸方向奥側に位置
し、この連結箇所を支点として、爪部7d側に径方向の弾
性変形を生じ得るように構成されている。これにより、
受口2からの接続管3の抜け方向の力がより大きい場合
でも、その抜けがより確実に防止される。
【0036】すなわち、抜け方向の力は、受口2の係止
鍔2bに当接している爪部7dに対し、これを軸方向奥側に
押圧する力を生じさせる。このとき、爪部7dは、軸方向
奥側の支点位置から受口開口端側でかつ径方向外方に傾
斜する位置に位置しており、したがって、この爪部7dを
軸方向奥側に押圧する力は、支点位置からの爪部7dの傾
斜位置をさらに大きくするように、すなわち、爪部7d
を、係止鍔2bに沿って径方向外方へ摺動させるように作
用する。
【0037】この結果、より大きな抜け方向の力が作用
する場合でも、爪部7dが係止鍔2bに沿って径方向内方へ
と向かうような変形を可動壁7に生じることはなく、爪
部7dと係止鍔2bとの軸方向係合状態が確実に保持され
て、管の抜けが防止される。さらに上記構成では、接続
管3の交換時等における連結状態の解除も容易に行うこ
とが可能である。すなわち、抜け止めリング5における
可動壁7には、鍔部6cから上方に突出する上端傾斜壁7c
が一体に設けられている。したがって、これを径方向内
方に押し付けることにより、爪部7dが係止鍔2bの内面よ
り内側に位置する。この状態で、抜け止めリング5を受
口2から抜き出すことが可能となる。その後、パッキン
4におけるリップ部4bの弾性回復力に抗する引き抜き力
を加えることで、接続管3をパッキン4と共に受口2か
ら引き抜くことができる。新たな接続管3は、前記同様
にパッキン4を差口3aに装着し、そして、前記同様の作
業手順にて受口2に連結されることになる。
【0038】また、本実施形態では、上記の抜け止めリ
ング5の本体部6が差口3aの振れ止め部としても機能す
る。すなわち、上記の本体部6は、受口2の内周面とパ
ッキン4における筒状部4aとの間の空間に挿入されて、
この空間が全周にわたって極力小さくなるように構成さ
れている。これにより、差口3aの振れが抑えられ、ひい
てはリップ部4bと受口2との同心性が維持されて、リッ
プ部4bの受口2内周面に対する圧接状態が全周にわたっ
てより均一な状態となることが確保される。この結果、
さらに良好な止水性を維持することができる。
【0039】なお、上記実施形態は本発明を限定するも
のではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば、上記実施形態では抜け止め部材5をリング
状に形成した例を挙げたが、内径寸法を管径のばらつき
等に応じて可変し得るように周方向の一箇所に切り込み
を設けた構造とすることや、さらに周方向に複数に分割
した構造などのその他の構造とすることが可能である。
また、上記実施形態では、本発明の管継手を排水管に適
用した例を挙げたが、その他の任意の管の接続に適用す
ることが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の管継
手においては、シール部を略円筒形状の筒状部の外周面
に設けて形成されたシール部材を差口に装着し、これを
受口に挿入した後に、受口内で上記シール部と軸方向に
対面する本体部を備えると共に受口に軸方向に係合する
抜け止め部材をさらに受口に挿入することにより、管の
抜けが阻止された連結状態が得られる。
【0041】この場合、差口には管の抜け防止のための
加工を別途施す必要はなく、したがって、現場での追加
工は不要であるので、良好な作業性を維持することがで
きる。しかも、上記の抜け止め部材は、受口への挿入に
伴い弾性変形状態から弾性復帰して受口の係止鍔と軸方
向係合状態となる可動部を備えているので、受口に挿入
するという作業だけで、受口内からの抜脱が自動的に阻
止された状態が得られ、したがって、抜け止め部材を受
口内に固定するための例えばねじ止め構造等の複雑な構
造とする必要がない。これによってさらに作業が容易と
なり、施工性が向上する。
【0042】請求項2の管継手においては、上記可動部
が受口係合部よりも軸方向奥側で本体部に連結され、こ
の連結部位を支点として径方向の弾性変形可能に形成さ
れているので、係止鍔から受口係合部を軸方向奥側に押
圧する力は、支点位置から受口係合部に至る傾斜角度を
さらに大きくするように、すなわち、受口係合部に径方
向外方への変位を生じさせるように作用する。この結
果、より大きな抜け方向の力が第2の管に作用する場合
でも、受口係合部が係止鍔に沿って径方向内方へと向か
うような変形を可動部に生じることはなく、受口係合部
と係止鍔との軸方向係合状態が確実に保持されて管の抜
けが防止される。
【0043】請求項3の管継手においては、受口におけ
る係止鍔の内側空間を通して受口開口端から外方に突出
する形状の係合解除操作部が可動部に延設されているの
で、上記係合解除操作部を径方向内方に押動することに
よって、受口係合部と係止鍔との軸方向係合位置関係を
解除して抜け止め部材を受口より引き出すことが可能で
あり、その後、第2の管をシール部材と共に受口から引
き抜くことができる。すなわち、第1・第2の管の連結
状態の解除も容易に行うことができ、したがって、配管
の交換時などにおける作業性も向上する。
【0044】請求項4の管継手は、受口内での可動部の
弾性復帰時に当接音が生じるようになっているので、抜
け止め部材の挿入後に抜けが防止された連結状態が確実
に得られたか否かの確認作業を別途行う必要はなく、こ
れにより施工性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における管継手を用いた管
の連結状態を示す一部切欠正面図である。
【図2】上記管継手における受口側の管形状を示す断面
図である。
【図3】上記管継手におけるパッキンの形状を示す一部
切欠正面図である。
【図4】上記管継手における抜け止めリングの形状を示
す斜視図である。
【図5】上記抜け止めリングの平面図である。
【図6】図5におけるX-O'-O-Y線矢視断面図である。
【図7】上記管継手を用いた管連結の作業手順を示す説
明図である。
【図8】従来の管継手に用いられているパッキンの形状
を示す断面図である。
【図9】図8に示すパッキンが介装された管継手による
管の連結状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 継手管(第1の管) 2 受口 2b 係止鍔 3 接続管(第2の管) 3a 差口 4 パッキン(シール部材) 4a 筒状部 4b リップ部(シール部) 5 抜け止めリング(抜け止め部材) 6 本体部 7 可動壁(可動部) 7c 上端傾斜壁(係合解除操作部) 7d 爪部(受口係合部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の管の受口内周面とこの受口に挿入
    される第2の管の差口外周面との間に弾性体より成るシ
    ール部材が介装される管継手であって、 受口の開口端側に径方向内方に突出する係止鍔が設けら
    れる一方、 シール部材が、差口外周面に装着される略円筒形状の筒
    状部と、この筒状部の外周面から外方へ突出するシール
    部とを有する形状で形成されると共に、 上記シール部材が装着された差口を受口に挿入し、シー
    ル部を上記係止鍔よりも軸方向奥側の受口内周面に圧接
    状とした状態で、上記係止鍔の内側空間を通して受口に
    挿入される抜け止め部材が設けられ、 この抜け止め部材は、受口内で上記シール部の受口開口
    端側に位置する本体部と、この本体部に径方向の弾性変
    形可能に連結された可動部とを備え、この可動部には、
    上記係止鍔の内側を弾性変形状態で通過した後の径方向
    外方への弾性復帰動作により係止鍔と軸方向奥側から対
    面する受口係合部が設けられていることを特徴とする管
    継手。
  2. 【請求項2】 上記可動部が、受口係合部よりも軸方向
    奥側で本体部に連結され、この連結部位を支点として径
    方向の弾性変形可能に形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の管継手。
  3. 【請求項3】 受口内の可動部を径方向内方に弾性変形
    させるための係合解除操作部が、係止鍔の内側空間を通
    して受口開口端から外方に突出する形状で可動部に延設
    されていることを特徴とする請求項2記載の管継手。
  4. 【請求項4】 受口内で弾性復帰動作を生じるときの可
    動部が当接することによって当接音を生じさせる可動部
    受け面が受口内面に設けられていることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の管継手。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6394505B1 (en) 2000-07-24 2002-05-28 Geberit Technik Connection between the intake end of a discharge pipe and the outlet end of a connection curve of a water toilet
JP2003074777A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Furukawa Electric Co Ltd:The 管継手
JP2022549003A (ja) * 2019-10-01 2022-11-22 ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー ラッチタブを備えるプロファイルクランプ
WO2023248566A1 (ja) * 2022-06-23 2023-12-28 日立Astemo株式会社 電力変換装置

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