JPH1086648A - ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 - Google Patents

ヒートポンプ式自動車用空気調和装置

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JPH1086648A
JPH1086648A JP8244496A JP24449696A JPH1086648A JP H1086648 A JPH1086648 A JP H1086648A JP 8244496 A JP8244496 A JP 8244496A JP 24449696 A JP24449696 A JP 24449696A JP H1086648 A JPH1086648 A JP H1086648A
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JP
Japan
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refrigerant
heat exchanger
air
internal heat
compressor
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Withdrawn
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JP8244496A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
Yoshitoshi Noda
圭俊 野田
Tadayoshi Tajima
唯好 田島
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の車室内をエンジン冷却水と冷媒を用
いて冷暖房するようにした「ヒートポンプ式自動車用空
気調和装置」を提供する。 【解決手段】 自動車の車室内をエンジン冷却水と冷媒
を用いて冷暖房するヒートポンプ式自動車用空気調和装
置において、暖房立上がり時に主としてコンプレッサ2
により加圧された高温のエントロピー変化した冷媒を熱
源として用い、しかもこのとき冷媒が円滑に流れるよう
にキャピラリチューブを冷媒膨張部材5bとして使用
し、より高い暖房性能が起動時から十分発揮されるよう
にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車室内を
エンジン冷却水と冷媒を用いて冷暖房するようにしたヒ
ートポンプ式自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、最近の一部の高級車や比較的車
室内空間が大きいワンボックスカーには、室内全体が快
適な空調状態が得られるように車室内の前方領域(例え
ば、前席部分)はフロントユニットにより、後方領域
(例えば、第2,3席等の後席部分)はリヤーユニット
によりそれぞれ独立に空気調和する、通常デュアルエア
コンと称されている自動車用空気調和装置が搭載されて
いる。
【0003】例えば、図3に示すように、当該自動車用
空気調和装置は、車室内空気(内気)と車室外空気(外
気)を選択的に取り入れ、これを空気調和して前席に向
かって吹き出すフロントユニット10と、後席に向かっ
て吹き出すリヤーユニット20とを有している。
【0004】フロントユニット10は、ケーシング内に
風路10fが形成され、当該風路10f内に、エンジン
1により加熱されたエンジン冷却水(図中破線で示す)
が温水コック11aを通って導入され内部循環されるヒ
ータコア11と、コンプレッサ2及び第1コンデンサ
3、リキッドタンク4、第1開閉弁V1 及び膨張弁5a
とともに通常の冷房サイクルを構成する第1内部熱交換
器12と、この第1内部熱交換器12により冷却された
空気がヒータコア11側とバイパス通路14側を通過す
る比率を調節するミックスドア13とが設けられてい
る。
【0005】このように構成されたフロントユニット1
0では、エバポレータとして機能する第1内部熱交換器
12により冷却されかつ除湿された後の冷風が、ミック
スドア13によりヒータコア11側とバイパス通路14
側に分岐され、当該ヒータコア11により加熱された高
温空気は、バイパス通路14を通過した低温空気とヒー
タコア11の下流域でミックスされ、所定温度とされて
所定の吹出口(図示せず)から前席部分に向かって吹出
される。
【0006】一方、リヤーユニット20は、ケーシング
内に風路20fが形成され、当該風路20f内に、前記
冷房サイクルの冷媒の一部が導入されるように第2開閉
弁V2 を介して接続された第2コンデンサ21と、当該
第2コンデンサ21を流下した後の冷媒が冷媒膨張部材
5bを経て導入される、エバポレータとして機能する第
2内部熱交換器22と、この第2内部熱交換器22によ
り冷却された空気が第2コンデンサ21側とバイパス通
路24側を通過する比率を調節するミックスドア23と
が設けられている。
【0007】このように構成されたリヤーユニット20
では、内気がエバポレータとして機能する第2内部熱交
換器22により冷却されかつ除湿された後の冷風が、ミ
ックスドア23により第2コンデンサ21側とバイパス
通路24側に分岐され、第2コンデンサ21により加熱
された高温空気は、バイパス通路24を通過した低温空
気と第2コンデンサ21の下流域でミックスされ、所定
温度とされて所定の吹出口(図示せず)から後席部分に
向かって吹出される。
【0008】なお、図中符号「B」は冷媒が第1コンデ
ンサ3をバイパスして流れるようにしたバイパス回路、
「V3 ,V4 」は当該バイパス回路用の開閉弁、「C」
は配管を接続するコネクタ、「F」は第1コンデンサ用
のファン、「M」はファンモータ、「Vc 」は逆止弁で
ある。
【0009】このようにデュアルエアコンと称される自
動車用空気調和装置は、例えば、暖房運転時には、フロ
ントユニット10ではエンジン1により加熱されたエン
ジン冷却水を熱源として利用しているが、リヤーユニッ
ト20ではコンプレッサ2により圧縮された高温高圧の
冷媒を熱源として利用し、外部空気から熱を汲み上げて
使用するシステムとなっていることからヒートポンプ式
の自動車用空気調和装置と称されている。
【0010】ところが、当該自動車用空気調和装置で暖
房運転する場合に、例えば、冬季の朝のように外気温度
が低いときには、起動時にエンジン冷却水の温度も低
く、また冷媒温度の上昇速度も俊敏でないため、運転開
始と同時に暖かい空気が吹き出されるような状態にはな
りにくく、いわゆる即暖性が不十分となり、また暖房性
能も不足気味となる虞れがある。特に、ディーゼルエン
ジンを搭載した車室内空間の大きいワンボックスカーで
は、通常のガソリンエンジン車に比し、エンジン冷却水
の温度上昇が遅く、広い空間を暖房しなければならない
ことから、即暖性、暖房性能ともに不足する傾向があ
る。
【0011】したがって、本件出願人は、このような課
題を解消すべく、エンジン冷却水の熱を利用して冷媒を
加熱し、等エントロピー変化した冷媒を使用し、より高
い暖房性能を発揮するようにしたヒートポンプ式自動車
用空気調和装置を提案した(特願平7−271,621
号参照)。
【0012】この自動車用空気調和装置は、図4に示す
ように、リヤーユニット20の第2内部熱交換器22か
ら流出した冷媒を、サブ熱交換器30に流入させ、この
サブ熱交換器30に温水コック11aを通って導入され
ているエンジン冷却水により加熱するようにしたもので
ある。
【0013】従来では低温のため空気と熱交換しても直
ちに暖房用としては使用できなかったエンジン冷却水
を、当該サブ熱交換器30において極めて低温の冷媒と
熱交換させることにより、エンジン冷却水が保有する熱
を有効に冷媒に取り込んだ後に、コンプレッサ2に戻
し、再度これを加圧することになるので、当該コンプレ
ッサ2から吐出された冷媒は、高温のエントロピー変化
した冷媒となって第2コンデンサ21に供給することが
できる。この結果、第2コンデンサ21において熱交換
された空気は、より高温となり、高い暖房性能を発揮
し、即暖性も向上することになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この自動車用
空気調和装置は、暖房安定時の暖房性能は優れている
が、極低温地域等において暖房を行なう場合の暖房初期
には、暖房能力が不十分になることがある。特に、暖房
初期に早急に温度上昇させようと、ファンの風量を増大
させると、多量の冷風によりサブ熱交換器の温度が低下
し、冷媒を効率的に温度上昇させることが困難となる。
このため、現状では、暖房初期にはファンの回転を停止
するように制御し、冷媒の温度上昇を待って暖房が開始
されるようにしている。しかし、このような風量制御
は、制御が複雑になり、コスト的に不利となる。
【0015】また、前記自動車用空気調和装置において
は、冷媒膨張部材として膨張弁を使用しているが、この
膨張弁は、第1あるいは第2内部熱交換器12,22の
冷媒出口温度を感知して弁開度がコントロールされるも
ので、これにより流れる冷媒の流量が調節されるが、冷
媒の温度が速やかに上昇しない状況下では、膨張弁も弁
開度を速やかに変化せず、この結果、即暖性が不十分と
なる虞れがある。つまり、外気温度が低温のときに暖房
すると、第1あるいは第2内部熱交換器12,22で
は、冷媒を多量に流す必要がないので、膨張弁5a,5
bの弁開度は、小さくなる。膨張弁5a,5bが閉じれ
ば、コンプレッサに多量の冷媒が戻らなくなり、前記サ
ブ熱交換器30による冷媒の加熱が不十分になり、暖房
性能が低下する虞れがある。
【0016】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、暖房起動時にコンプレッサ
を作動させて暖房性能不足を補う場合、冷媒膨張部材が
円滑に冷媒を流し、サブ熱交換器が十分冷媒加熱性能を
発揮し、暖房の立上がり時点から所定の暖房性能が発揮
されるようにしたヒートポンプ式の自動車用空気調和装
置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の本発明に係るヒートポンプ式の自動
車用空気調和装置は、第1ユニットの風路内に、エンジ
ン冷却水が内部循環されるヒータコアと、コンプレッサ
及び第1コンデンサとともに冷房サイクルを構成する第
1内部熱交換器とを配置し、第2ユニットの風路内に、
前記冷房サイクルの冷媒の一部が導入されるように開閉
弁を介して前記第1内部熱交換器と並列的に接続されか
つ相互には直列的に接続された第2コンデンサ及び第2
内部熱交換器を配置し、当該第2内部熱交換器の流出側
に接続されかつ前記第1及び第2ユニットの風路外に設
けられたサブ熱交換器により前記第2内部熱交換器より
流出された冷媒を前記エンジン冷却水の一部で加熱し冷
房サイクルに戻しコンプレッサに帰還させるようにした
ヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、前記第
1又は第2内部熱交換器の内、少なくとも第2内部熱交
換器に設けられている冷媒膨張部材を固定開度式のもの
とし、前記冷房サイクルの冷媒が一旦アキュムレータを
通って前記コンプレッサに帰還されるように構成したこ
とを特徴とする。
【0018】このようにすれば、暖房起動時には、少な
くとも第2内部熱交換器には、外気温度に関係なく比較
的流量のある冷媒が流されることになり、当該第2内部
熱交換器から流出する冷媒は、過度に断熱膨張されるこ
ともないので、比較的温度は高くなり、これがサブ熱交
換器に導かれるので、当該サブ熱交換器においては多量
の冷媒がエンジン冷却水により加熱されることになる。
したがって、このエントロピー変化した冷媒をコンプレ
ッサにより再度圧縮すれば、さらに高温となって流出さ
れるので、より高い暖房性能が起動時から発揮されるこ
とになる。
【0019】また、エンジン冷却水の温度が上昇した状
態での安定した暖房運転時には、通常の冷房膨張部材と
して機能し、第2内部熱交換器はエバポレータとして除
湿機能を発揮し、ここで除湿された空気を加熱して暖房
できるので、内気循環による暖房運転であっても、リヤ
ーガラス等が曇ることがなく、安全に運転することがで
きる。
【0020】さらに、ファンを暖房初期のみ作動させな
いように制御することもないので、複雑な制御は不要
で、コスト的に安価となる。
【0021】請求項2に記載の発明は、前記固定開度の
冷媒膨張部材をキャピラリチューブにより構成したこと
を特徴とする。
【0022】このようにすれば、一般に使用されている
冷媒膨張部材を使用するので、コスト的に安価となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。
【0024】図1,2は、本発明に係るヒートポンプ式
自動車用空気調和装置の実施の形態を示す概略構成図で
あり、図1は暖房運転時の状態を、図2は冷房運転時の
状態をそれぞれ示している。なお、図3,4と共通する
部材には同一の符号を付し、また、図中白抜き矢印は空
気の流れを、実線矢印は冷媒の流れを、破線矢印はエン
ジン冷却水の流れを示している。
【0025】本実施の形態のヒートポンプ式の自動車用
空気調和装置は、図1に示すように、図示しないインテ
ークユニットから選択的に取り入れられた内外気を空気
調和して前席を対象に吹き出すための第1ユニットであ
るフロントユニット10と、内気を空気調和して後席を
対象に吹き出すための第2ユニットであるリヤーユニッ
ト20とを有している。
【0026】フロントユニット10は、ケーシングによ
り形成された風路10fが設けられ、当該風路10f内
には白抜き矢印で示す空気の流れ方向上流側から順に、
インテークユニット、インテークドアとブロワモータ
(いずれも図示せず)、そして、第1内部熱交換器1
2、エアミックスドア(図示せず)及びヒータコア11
が配置され、また空気の流れ方向下流側には、図示しな
い車室内への吹出口が設けられている。
【0027】フロントユニット10側の冷媒の流れは、
暖房運転時には、図1に示すように、コンプレッサ2か
ら吐出された冷媒が、四方弁6→バイパス回路B→リキ
ッドタンク4→第1開閉弁V1 →膨張弁5a→第1内部
熱交換器12→アキュムレータ31と流れて、コンプレ
ッサ2に帰還するようになっている。
【0028】また、冷房運転時には、図2に示すよう
に、コンプレッサ2から吐出された冷媒が、四方弁6→
第1コンデンサ3→リキッドタンク4→第1開閉弁V1
→膨張弁5aのバイパス回路5B→第1内部熱交換器1
2→アキュムレータ31と流れて、コンプレッサ2に帰
還するようになっている。
【0029】ここに、四方弁6は、密閉ケース7に1つ
の入口ポートPiと3つの出口ポートPoが設けられ、
当該密閉ケース7内に前記3つの出口ポートPoの内2
つの出口ポートPoを連通するスライド部材Sが設けら
れ、当該スライド部材Sが選択した出口ポートPo以外
の出口ポートPoは入口ポートPiと連通するように構
成されている。したがって、スライド部材Sをセットす
る位置により入口ポートPiと連通される出口ポートP
oが選択されることになる。
【0030】また、前記ヒータコア11には、温水コッ
ク11aを開放することによりエンジン1から流出した
エンジン冷却水が導入されるようになっている。
【0031】一方、リヤーユニット20は、ケーシング
により形成された風路20fが設けられ、当該風路20
f内には白抜き矢印で示す空気の流れ方向上流側から順
に、第2内部熱交換器22及び第2コンデンサ21が配
置されている。なお、当該リヤーユニット20も、第2
コンデンサ21の前面には、エアーミックスドア(図示
せず)が設けられ、温風と冷風の比率を調節して第2コ
ンデンサ21の下流域で所定温度の空気を作ったり、あ
るいは第2コンデンサ21内に空気が流通しないように
構成している。
【0032】リヤーユニット20側の冷媒の流れは、冷
暖房運転時には、図1に示すように、メインの冷房サイ
クルのリキッドタンク4を出た冷媒が、第2開閉弁V2
→第2コンデンサ21→冷媒膨張部材5b→第2内部熱
交換器22→サブ熱交換器30→アキュムレータ31と
流れて、前記メインの冷房サイクルに戻され、コンプレ
ッサ2に帰還するようになっている。ここに、第2内部
熱交換器22は、前記第1内部熱交換器12と並列的に
接続された状態となっている。
【0033】特に、本実施の形態では、リヤーユニット
20に組み込まれている冷媒膨張部材5bは、固定開度
式のものであり、前記膨張弁のように開度が可変とはな
っていない。これは、主として下記の理由による。リヤ
ーユニット20は、フロントユニット10の冷暖房機能
を補助し、車室内全体が円滑に所定の温度状態となるよ
うにするものであるので、固定開度のものでも、機能的
には十分である点と、暖房起動時に第2内部熱交換器2
2の冷媒出口温度に応じて弁開度を調節することにより
冷媒の流れを邪魔するよりも、円滑に流し、サブ熱交換
器30が十分冷媒加熱性能を発揮させる方が好ましい点
が主たる理由である。
【0034】ここに、当該サブ熱交換器30は、フロン
トユニット10及びリヤーユニット20の風路10f,
20f外に設けられ、ここで、内部を流通する冷媒をエ
ンジン冷却水の一部を利用して加熱し、エントロピー変
化した冷媒をコンプレッサ2に戻し、より高い暖房性能
を発揮するようにしている。
【0035】なお、前記四方弁6とコンプレッサ2の吸
入側との間には冷媒の戻し回路Rが設けられているが、
この冷媒の戻し回路Rは、外気温度が低く、エンジン冷
却水が暖房用として使用できない程度の場合に、第1コ
ンデンサ3等に滞留している、いわゆる寝込み冷媒をコ
ンプレッサ2に戻し、多量の冷媒を用いて性能の高い暖
房ができるようにするためのものである。
【0036】次に、作用を説明する。暖房運転の初期 暖房運転の開始時に、外気温度が低い場合(例えば、−
10℃〜+5℃程度)には、エンジン冷却水温も低く、
これを直ちに暖房用として使用することはできず、また
冷媒も第1コンデンサ3等の内部に寝込んでおり、コン
プレッサ2にはあまり存在していない。この状態で前後
席共に暖房する場合には、まず第1開閉弁V1 及び第2
開閉弁V2 を開放するとともに、四方弁6を図1に示す
状態にセットする。
【0037】そして、コンプレッサ2を作動すると、主
として第1コンデンサ3等の内部に寝込んでいる冷媒
は、四方弁6及び戻し回路Rを通ってコンプレッサ2の
吸込側に導かれ回収される。
【0038】これにより、コンプレッサ2は、多量の冷
媒を吐出する運転状態となるが、コンプレッサ2から吐
出された高温高圧の冷媒は、四方弁6→バイパス回路B
→リキッドタンク4→第1開閉弁V1 →膨張弁5aのバ
イパス回路5B→第1内部熱交換器12と流れる。
【0039】なお、エンジン1の始動によりヒータコア
11にもある程度温度上昇したエンジン冷却水が流通す
るが、この時点のエンジン冷却水はまだ十分温度上昇し
ていない状態であるため、暖房用として使用することは
好ましくない。したがって、このような状態のときは、
温水コック11aを閉鎖し、ヒータコア11にエンジン
冷却水が流入しないようにするかあるいは図外のドアに
より空気がヒータコア11内を通過しないようにするこ
とが好ましい。
【0040】これによりインテークユニットからフロン
トユニット10の内部に導入された空気は、内部に高温
高圧の冷媒が流れている第1内部熱交換器12において
冷媒と熱交換され加熱された後、流下し、各吹出口から
車室内に吹き出される。
【0041】一方、リヤーユニット20では、前記メイ
ンの冷房サイクルにおいて、リキッドタンク4を流出し
た後に分岐された高温高圧の冷媒が、第2開閉弁V2 よ
り第2コンデンサ21に入る。ここで車室内空気と熱交
換し、空気を加熱した後に凝縮し、中温高圧の冷媒とな
り、冷媒膨張部材5bで断熱膨張され、より低い温度で
低圧の冷媒となり、第2内部熱交換器22に入る。ここ
で車室内空気と熱交換し、空気を冷却した後に蒸発し、
低温低圧の冷媒となってサブ熱交換器30→アキュムレ
ータ31へと流れる。
【0042】したがって、車室内空気は、まず第2内部
熱交換器22において、除湿されかつ冷却された後に、
第2コンデンサ21で加熱される。
【0043】なお、暖房中に第2内部熱交換器22にお
いて空気が冷却されることは好ましくないので、当該第
2内部熱交換器22の前面にドアを配置し、空気が第2
内部熱交換器22内を流通しないようにしても良い。
【0044】本実施の形態では、冷媒膨張部材5bは、
固定開度式のものであるため、暖房起動時であっても冷
媒膨張部材5bは冷媒の流れを邪魔せず、比較的円滑に
流すので、第2コンデンサ21からの中温高圧の冷媒
は、冷媒膨張部材5bにより過度に断熱膨張されず、よ
り低い温度で低圧の冷媒とする程度である。そして、当
該冷媒は、第2内部熱交換器22で空気と熱交換された
後に、サブ熱交換器30に流入する。ここでエンジン冷
却水からの熱を取込み、より高温となった後に、アキュ
ムレータ31を経て前記コンプレッサ2に戻され、再度
圧縮される。
【0045】なお、アキュムレータは、冷媒を貯溜する
比較的容量のある容器であるため、仮に冷媒が液状態で
帰還してきても、これを気化してコンプレッサ2に戻す
ことができ、コンプレッサの液圧縮による弁部分等の破
損が防止される。
【0046】このようにしてコンプレッサに帰還し再度
圧縮された冷媒は、等エントロピー変化して相当高温高
圧となるので、再度第1及び第2内部熱交換器12,2
2に至り、ここで熱交換された空気は、より高温とな
り、より高い暖房性能を発揮し、高温空気を車室内に吹
き出すことになる。この傾向は時間が経過するにしたが
って増幅されることから、いわゆる即暖性が向上するこ
とになる。
【0047】つまり、この運転を暫く継続して行なって
いる間にエンジン冷却水温が温度上昇して来ると、フロ
ントユニット10においては、ヒータコア11の加熱能
力が高まるとともにサブ熱交換器30による冷媒の加熱
能力も高まるので、これらの相乗的効果により相当高温
の空気が吹き出されることになる。
【0048】また、リヤーユニット20においても、第
2コンデンサ21による加熱能力が高まるので、ここで
も相当高温の空気が吹き出されることになる。なお、こ
のようにして第2コンデンサ21による加熱能力が高ま
ると、前記第2内部熱交換器22の前面を閉鎖していた
ドアは開放しても良く、これにより除湿した空気を加熱
する除湿暖房が可能となる。これにより後席の窓も曇り
がなくなり、運転の安全性がより確保される。
【0049】暖房運転の安定期 エンジン冷却水温もある程度上昇し、車室内もある程度
温度上昇すると、サブ熱交換器30の開閉弁30vを閉
じ、サブ熱交換器30にエンジン冷却水が流入しないよ
うにする。これにより不必要に冷媒が加熱されることは
なくなり、通常の暖房運転が行われることになる。
【0050】即ち、開閉弁30vを閉じてもサブ熱交換
器30は余熱によりここを流通する冷媒をある程度加熱
することになるが、前記リヤーユニット20では、冷媒
膨張部材5bとしてキャピラリチューブを使用し、冷媒
が円滑に流れるようにしているので、コンプレッサ2に
帰還する冷媒がサブ熱交換器30で不必要に加熱される
ことはなく、コンプレッサの吸入加熱度の上昇を抑制す
ることができ、この結果、正常な暖房運転が継続的に行
われることになる。
【0051】冷房運転 前後席共に冷房する場合には、まず第1開閉弁V1 及び
第2開閉弁V2 を開放し、四方弁6のスライド部材Sを
移動するとともに、膨張弁5aのバイパス回路5Bを閉
じ、図2に示す状態にセットする。
【0052】この状態でコンプレッサ2を作動すると、
メインの冷房サイクルでは、コンプレッサ2から吐出さ
れた冷媒は、図2に示すように、四方弁6→第1コンデ
ンサ3→リキッドタンク4→第1開閉弁V1 →膨張弁5
a→第1内部熱交換器12へと流れる。
【0053】また、リキッドタンク4を流出した後に分
岐された冷媒は、第2開閉弁V2 →第2コンデンサ21
→冷媒膨張部材5b→第2内部熱交換器22→サブ熱交
換器30へと流れる。
【0054】これによりインテークユニットからフロン
トユニット10の内部に導入された空気は、第1内部熱
交換器12において、低温低圧の冷媒と熱交換して除湿
された低温空気となる。
【0055】この空気は、図外のエアーミックスドアに
よりヒータコア11側とバスパス通路側に分配され、当
該ヒータコア11の下流域において冷風と温風がミック
スされ所定の温度にされてあるいはミックスされること
なく、車室内に向けて吹き出される。
【0056】一方、リヤーユニット20では、第2内部
熱交換器22に冷媒膨張部材5bにより減圧された冷媒
が流入する。ここで冷却された空気は、図外のエアーミ
ックスドアにより第2コンデンサ21側とバスパス通路
側に分配され、当該第2コンデンサ21の下流域におい
て冷風と温風がミックスされ所定の温度にされてあるい
はミックスされることなく、車室内に向けて吹き出され
る。
【0057】この第2内部熱交換器22を出た冷媒は、
サブ熱交換器30に入るが、冷房運転時は、開閉弁30
vを閉じ、エンジン冷却水がサブ熱交換器30に流入し
ないようにしておき、第2内部熱交換器22を出た冷媒
をそのままの状態でコンプレッサ2に戻す。この場合、
本実施の形態の冷媒膨張部材5bは、キャピラリチュー
ブを使用しているので、過度の断熱膨張はなく、これに
よりエバポレータとして機能する第2内部熱交換器22
の凍結を防止できるのみでなく、ここでの除湿も可能と
なる。
【0058】なお、前席のみを冷暖房する場合には、開
閉弁V2 を閉じればよく、後席のみを冷暖房する場合に
は、開閉弁V1 を閉じればよい。
【0059】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変す
ることができる。
【0060】例えば、実施の形態では、冷媒膨張部材5
bとしてキャピラリチューブを使用しているが、これの
みでなくオリフィス等も使用でき、開度固定式のもので
あればどのようなものであっても良い。また当該冷媒膨
張部材をフロントユニット10の膨張弁に対して適用し
ても良い。
【0061】また、前記実施の形態では、四方弁6と戻
し回路Rを設け寝込み冷媒をコンプレッサ2に戻すよう
にしているが、本発明は、必ずしも寝込み冷媒をコンプ
レッサ2に戻すことなく運転を行ってもよい。この場合
には、四方弁6を使用せず、図3のように開閉弁V3 ,
V4 等を用いて構成すればよい。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載され
ている発明は、少なくとも第2内部熱交換器に固定開度
式の冷媒膨張部材を使用しているので、暖房起動時に
は、当該第2内部熱交換器から流出する冷媒の温度は比
較的高くなり、これをサブ熱交換器で加熱するので、等
エントロピー変化した冷媒を再度コンプレッサ圧縮する
ことになり、より高い暖房性能が起動時から十分発揮さ
れることになる。
【0063】また、通常運転時には、第2内部熱交換器
は通常のエバポレータとして機能するので、従来通りの
除湿運転を行なうことができ、第2ユニット側において
も除湿した空気を用いて暖房でき、これにより内気循環
による暖房運転が可能で、リヤーガラス等が曇ることが
なく、ドライバビリティの安全性が向上する。
【0064】さらに、ファンを暖房初期のみ作動させな
いように制御することもないので、複雑な制御は不要
で、コスト的に安価となる。
【0065】請求項2に記載の発明は、一般に使用され
ているキャピラリチューブを冷媒膨張部材を使用するの
で、コスト的に安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】 同実施の形態の冷房運転時の状態を示す概略
構成図である。
【図3】 従来の自動車用空気調和装置の概略構成図で
ある。
【図4】 従来の他の自動車用空気調和装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…コンプレッサ、3…
第1コンデンサ、 10…フロントユニット(第1
ユニット)、10f…風路、 11…ヒータ
コア、12…第1内部熱交換器、 20…リヤーユニッ
ト(第2ユニット)、20f…風路、 21
…第2コンデンサ、22…第2内部熱交換器、 30…
サブ熱交換器、31…アキュムレータ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ユニット(10)の風路(10f)内に、エ
    ンジン冷却水が内部循環されるヒータコア(11)と、コン
    プレッサ(2)及び第1コンデンサ(3)とともに冷房サイ
    クルを構成する第1内部熱交換器(12)とを配置し、第2
    ユニット(20)の風路(20f)内に、前記冷房サイクルの冷
    媒の一部が導入されるように開閉弁(V)を介して前記第
    1内部熱交換器(12)と並列的に接続されかつ相互には直
    列的に接続された第2コンデンサ(21)及び第2内部熱交
    換器(22)を配置し、当該第2内部熱交換器(22)の流出側
    に接続されかつ前記第1及び第2ユニット(10,20) の風
    路(10f,20f)外に設けられたサブ熱交換器(30)により前
    記第2内部熱交換器(22)より流出された冷媒を前記エン
    ジン冷却水の一部で加熱し冷房サイクルに戻しコンプレ
    ッサ(2)に帰還させるようにしたヒートポンプ式自動車
    用空気調和装置において、 前記第1又は第2内部熱交換器(12,22) の内、少なくと
    も第2内部熱交換器(22)に設けられている冷媒膨張部材
    (5b)を固定開度式のものとし、前記冷房サイクルの冷媒
    が一旦アキュムレータ(31)を通って前記コンプレッサ
    (2)に帰還されるように構成したことを特徴とするヒー
    トポンプ式自動車用空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記固定開度の冷媒膨張部材(5b)は、キ
    ャピラリチューブにより構成したことを特徴とする請求
    項1に記載のヒートポンプ式自動車用空気調和装置。
JP8244496A 1996-09-17 1996-09-17 ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 Withdrawn JPH1086648A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009097355A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Toyota Motor Corp 車両用蒸発燃料処理装置
CN102303498A (zh) * 2011-06-17 2012-01-04 童明伟 直接蒸发车用毛细吸液芯辐射板空调***

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