JPH11170857A - ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 - Google Patents

ヒートポンプ式自動車用空気調和装置

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JPH11170857A
JPH11170857A JP33974497A JP33974497A JPH11170857A JP H11170857 A JPH11170857 A JP H11170857A JP 33974497 A JP33974497 A JP 33974497A JP 33974497 A JP33974497 A JP 33974497A JP H11170857 A JPH11170857 A JP H11170857A
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JP
Japan
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heat exchanger
internal heat
refrigerant
air
compressor
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JP33974497A
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English (en)
Inventor
Terukazu Shindo
輝一 進藤
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暖房時の暖房性能不足をコンプレッサにより
高温高圧にした冷媒を用いて補うようにしたヒートポン
プ式自動車用空気調和装置を提供する。 【解決手段】 ヒートポンプ式自動車用空気調和装置の
冷房サイクルに、暖房時に補助内部熱交換器Eaから流
出した冷媒が第2流量調整弁5bおよび主内部熱交換器
Ebをバイパスしてコンプレッサ2に帰還するバイパス
回路30を設ける。このバイパス回路30に冷媒膨張部
材32とサブ熱交換器33とを設けると共にサブ熱交換
器33をユニットケース10の外部に配置し、当該サブ
熱交換器33で補助内部熱交換器Eaから流出した冷媒
を外気で加温するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車室内を
冷暖房するヒートポンプ式自動車用空気調和装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用空気調和装置の冷房サ
イクルは、コンプレッサから吐出された冷媒を、外部熱
交換器(冷房時にコンデンサとして機能する)、冷媒膨
張部材および内部熱交換器(冷房時にエバポレータとし
て機能する)を経て前記コンプレッサに帰還させるよう
になっていることは周知である。
【0003】このような冷房サイクルが組み込まれた自
動車用空気調和装置は、例えば、図3に示すように、ユ
ニットケース10の端部に設けられたインテークユニッ
ト11から車室内空気(内気)と車室外空気(外気)を
選択的に風路10f内に取り入れ、これを空気調和して
車室内に向かって吹き出すようにしている。
【0004】この場合、風路10f内には、エンジン1
により加熱されたエンジン冷却水(図中破線で示す)が
温水コック12を通って導入されるヒータコア13と、
コンプレッサ2から吐出された冷媒が外部熱交換器3、
リキッドタンク4および冷媒膨張部材5を経て流入する
内部熱交換器Eと、この内部熱交換器Eにより冷却され
た空気がヒータコア13側とバイパス通路14側を通過
する比率を調節するミックスドア15とが設けられてい
る。
【0005】この内部熱交換器Eにより冷却されかつ除
湿された後の冷風は、ミックスドア15によりヒータコ
ア13側とバイパス通路14側に分岐され、当該ヒータ
コア13により加熱された高温空気は、バイパス通路1
4を通過した低温空気とヒータコア13の下流域でミッ
クスされ、所定温度とされた後に、配風ドア16により
所定の吹出口(ベント口17v、デフ口17d、フット
口17f)から車室内前方に向かって吹出される。図中
符号「F」はファン、「M」はファンモータである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この自動車
用空気調和装置で暖房運転する場合に、例えば、冬季の
朝のように外気温度が低いときには、起動時にエンジン
冷却水の温度も低く、快適性の目安となるヒータコア1
3からの吹出温度が50℃程度となるまでの暖房の立上
がりが遅い。また、冷媒自体の温度上昇も俊敏でないた
め、運転開始と同時に暖かい空気が吹き出される状態、
いわゆる即暖性が不十分で、暖房性能も不足気味となる
虞れがある。特に、エンジンのアイドリング時あるいは
低負荷時には、エンジン冷却水の温度が40℃以下程度
と低く、十分な冷却水温度が得られず、即暖性、暖房性
能ともに不足する傾向がある。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、暖房時の暖房性能不足をコ
ンプレッサにより高温高圧にした冷媒を用いて補い、即
暖性、暖房性能を高めるようにしたヒートポンプ式の自
動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るヒートポンプ式の自動車用空気調和装置
は、コンプレッサから吐出された冷媒を、外部熱交換
器、冷媒膨張部材および内部熱交換器を経て前記コンプ
レッサに帰還させる冷房サイクルを有し、前記内部熱交
換器をユニットケースの風路内に配置したヒートポンプ
式自動車用空気調和装置において、前記冷媒膨張部材お
よび内部熱交換器は、第1流量調整弁、補助内部熱交換
器、第2流量調整弁および主内部熱交換器の順で直列に
連結することにより構成し、当該補助内部熱交換器およ
び主内部熱交換器を前記風路内に対向して配置してな
り、前記第1流量調整弁および第2流量調整弁の開度を
調節することにより前記補助内部熱交換器および主内部
熱交換器をそれぞれエバポレータあるいはコンデンサと
して機能させるようにし、さらに、前記冷房サイクル
は、暖房時に前記補助内部熱交換器から流出した冷媒が
前記第2流量調整弁および前記主内部熱交換器をバイパ
スして前記コンプレッサに帰還するバイパス回路を有し
前記バイパス回路に冷媒膨張部材とサブ熱交換器とを設
けると共に前記サブ熱交換器を前記ユニットケースの外
部に配置し、当該サブ熱交換器で前記補助内部熱交換器
から流出した冷媒を外気で加温するように構成したこと
を特徴とする。
【0009】かかる構成の自動車用空気調和装置では、
暖房起動時には、エンジン冷却水が流通するヒータコア
のみでなく、高温高圧の冷媒が流通する補助内部熱交換
器により空気を加熱するので、飛躍的に暖房性能を高め
ることができる。
【0010】しかも、ユニットケースの外部に配置した
サブ熱交換器において、補助内部熱交換器から流出し冷
媒膨張部材で断熱膨張された冷媒を外気で加温するた
め、車室内に吹き出す空気から熱が汲み上げられること
がなく、より高い暖房性能を発揮することができる。
【0011】また、第1あるいは第2の流量調整弁の開
度を調節することにより、補助内部熱交換器あるいは主
内部熱交換器を簡単な回路構成でコンデンサとしてある
いはエバポレータとして使用することができ、これによ
り除湿暖房、冷房過多を防止し、いわゆるドライエアコ
ン状態を作ることもでき、種々の運転が可能で、さらに
冷房性能を高めることもできる。
【0012】なお、暖房時にコンプレッサから吐出され
た冷媒が外部熱交換器をバイパスして流れて内部熱交換
器に導かれるバイパス回路をさらに設けるとよい。この
ようにすれば、暖房運転時に、高温の冷媒が容量の大き
な外部熱交換器をバイパスして流れるので、補助内部熱
交換器に流入しやすく、暖房性能が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1および図2は、本発明に係
るヒートポンプ式自動車用空気調和装置の実施の形態を
示す概略構成図であり、図1は暖房運転時の状態を、図
2は冷房運転時の状態をそれぞれ示している。なお、図
3と共通する部材には同一の符号を付し一部説明を省略
する。また、図中、白抜き矢印は空気の流れを、実線矢
印は冷媒の流れを、破線矢印はエンジン冷却水の流れを
示している。
【0014】本実施形態のヒートポンプ式の自動車用空
気調和装置は、図1に示すように構成されているが、概
説すれば、コンプレッサ2から吐出された冷媒が、外部
熱交換器3、リキッドタンク4、冷媒膨張部材5および
内部熱交換器Eを経てコンプレッサ2に帰還する冷房サ
イクルを構成している。
【0015】冷房サイクルの高圧側には、暖房時にコン
プレッサ2から吐出された冷媒が外部熱交換器3をバイ
パスして流れるように、バイパス回路B、および、2つ
の逆止弁Vcが設けられている。
【0016】一方、低圧側には、冷媒膨張部材5と内部
熱交換器Eが、それぞれ一対ずつ設けられている。つま
り、開放状態と絞り状態となる第1流量調整弁5aと、
補助内部熱交換器Eaと、温度調整式膨張弁からなる第
2流量調整弁5bと、主内部熱交換器Ebの順で直列に
連結されている。
【0017】ここに、第1流量調整弁5aは、補助内部
熱交換器作動用のスイッチ(図示せず)をオンすること
により開放状態(略全開状態)と絞り状態(完全閉鎖状
態ではなく、多少冷媒通路が開いている状態)とを選択
できる、いわば電磁弁のように機能するものである。
【0018】第2流量調整弁5bを構成する温度調整式
膨張弁は、公知に属するため詳細な説明は省略するが、
主内部熱交換器Ebの出口冷媒温度を感温筒により感知
し、弁開度を精度良く調整し、冷媒が所望の流量だけ流
れるようにしたものである。つまり、主内部熱交換器E
bの出口冷媒温度が低くなると、開度を小さくして流量
を制限し、高くなると開度を大きくして多量の冷媒を流
し、これにより常に主内部熱交換器Ebにおける冷媒の
蒸発温度と主内部熱交換器Ebの出口冷媒の温度差が一
定になるようにしている。
【0019】このように、開放状態と絞り状態を選択で
きる切換え弁と、温度式膨張弁とを併用することによ
り、後述するように除湿暖房を確実に行なうことがで
き、内気循環により暖房運転しても、フロントガラスが
曇ることがなく、運転の安全性が高められる。また、温
度式膨張弁は主内部熱交換器の出口側冷媒温度により開
度が制御されるので、精度の良い冷媒制御が可能とな
る。
【0020】上述した構成要素は、ユニットケース10
の風路10f内で、インテークドア(図示せず)やブロ
ワモータMを有する空気導入部であるインテークユニッ
ト11から導入された空気の流れ方向(白抜き矢印で示
す)の上流側から、主内部熱交換器Eb、補助内部熱交
換器Ea、エアミックスドア15、ヒータコア13の順
で配置されているが、当該補助内部熱交換器Eaと主内
部熱交換器Ebは、風路10f内で相互に対向して近接
配置されている。なお、風路10fの出口側には、調和
空気が車室内所定部位に向かって吹き出される各種吹出
口17(例えば、デフ吹出口17d、ベント吹出口17
v、フット吹出口17f)が設けられている。
【0021】特に、本実施形態の冷房サイクルにあって
は、暖房時に補助内部熱交換器Eaから流出した冷媒が
第2流量調整弁5bおよび主内部熱交換器Ebをバイパ
スしてコンプレッサ2に帰還するバイパス回路30を有
している。補助内部熱交換器Eaと第2流量調整弁5b
との間の冷媒導管の途上には、補助内部熱交換器Eaか
ら流出した冷媒を前記バイパス回路30または第2流量
調整弁5bに向けて選択的に流下させるための流路切換
弁31が設けられている。バイパス回路30には、冷媒
膨張部材31およびサブ熱交換器33が設けられてい
る。冷媒膨張部材は、例えば、開度が固定されたキャピ
ラリーチューブ32から構成され、サブ熱交換器33
は、エバポレータとして機能する。
【0022】サブ熱交換器33はユニットケース10の
外部に設けられ、補助内部熱交換器Eaから流出した冷
媒は、キャピラリーチューブ32にて断熱膨張した後
に、サブ熱交換器33内を通ってコンプレッサ2に戻さ
れるようになっている。サブ熱交換器33の内部を流通
する冷媒は、車室内に吹き出されることになる風路10
f内を流れる空気から熱を汲み上げるのではなく、ユニ
ットケース10外部の外気で加温されてコンプレッサ2
に戻ることになり、これにより、より高い暖房性能を発
揮するようにしている。
【0023】また、本実施形態の冷房サイクルは、暖房
起動時に外部熱交換器3内に寝込んでいる冷媒をコンプ
レッサ2に回収する戻し回路Rを有している。通常、冷
媒は運転停止後、コンプレッサに帰還せず、冷房サイク
ルを構成する各構成要素中に寝込んでいることが多く、
コンプレッサ2にはあまり存在していない。この状態で
コンプレッサ2を作動し、暖房運転を開始すると、多量
の冷媒を用いて運転することはできず、暖房性能の低下
は否めない。したがって、運転開始時に、外部熱交換器
3等の内部に寝込んでいる冷媒を一旦コンプレッサ2に
戻すことが好ましい。
【0024】このため、コンプレッサ2と外部熱交換器
3との間に四方弁6を設け、当該四方弁6を介して外部
熱交換器3とコンプレッサ2と連結した戻し回路Rを形
成し、戻し回路Rを通って外部熱交換器3等の内部に寝
込んでいる冷媒をコンプレッサ2に導き回収するように
している。
【0025】ここに、四方弁6は、密閉ケース7に1つ
の入口ポートPiと3つの出口ポートPoが設けられ、
当該密閉ケース7内に前記3つの出口ポートPoの内2
つの出口ポートPoを連通するスライド部材Sが設けら
れ、当該スライド部材Sが選択した出口ポートPo以外
の出口ポートPoは入口ポートPiと連通するように構
成されている。したがって、スライド部材Sをセットす
る位置により入口ポートPiと連通される出口ポートP
oが選択されることになる。
【0026】したがって、暖房運転の開始時に、四方弁
6を図1に示すような状態にセットすれば、コンプレッ
サ2の吸込側と外部熱交換器3が戻し回路Rを介して連
通されることになり、コンプレッサ2の吸込力により外
部熱交換器3内の寝込み冷媒が、コンプレッサ2に回収
され、コンプレッサ2から吐出される冷媒量は増大し、
暖房性能の低下が防止される。
【0027】次に、実施の形態の作用を説明する。 《暖房運転》暖房運転の開始時に、外気温度が低い場合
(例えば、−10℃〜+5℃程度)とか、エンジン始動
直後、エンジン低負荷時あるいはアイドリング時のよう
にエンジン冷却水温が暖房用として使用できない程度に
低い場合には、四方弁6を図1に示すように作動させて
冷媒を回収するとともに、補助内部熱交換器Ea作動用
のスイッチをオンして、第1流量調整弁5aを開放す
る。さらに、流路切換弁31作動用のスイッチをオンし
て、前記バイパス回路30を開放する。
【0028】外部熱交換器3内に寝込んでいる冷媒が回
収されるので、コンプレッサ2から多量の高温高圧の冷
媒が吐出されることになり、この冷媒は、バイパス回路
B、リキッドタンク4、第1流量調整弁5aと流れる。
この場合のリキッドタンク4は、単に冷媒が通過する1
つの容器にすぎない。
【0029】したがって、補助内部熱交換器Eaには、
容量の大きな外部熱交換器3をバイパスした高温高圧状
態の冷媒が、そのまま補助内部熱交換器Eaに流入され
るので、ここを通る空気は加熱され、暖房性能が向上す
る。なお、冷媒はここである程度凝縮される。
【0030】補助内部熱交換器Eaから流出した冷媒
は、流路切換弁31からバイパス回路30に導かれ、キ
ャピラリーチューブ32により流量が制限され、ここで
断熱膨張されて低温低圧の冷媒になる。さらに流下した
冷媒は、サブ熱交換器33を流通する間に、ユニットケ
ース10外部の外気から熱を汲み上げる。
【0031】したがって、インテークユニット11から
送られてきた空気は、主内部熱交換器Ebで冷却される
ことなく、その直後に配置されている補助内部熱交換器
Eaにより加熱されることになる。ここでは、エンジン
冷却水が低温なため暖房用として使用できない場合で
も、比較的短時間の内に高温高圧状態になる冷媒を補助
内部熱交換器Eaに流すことにより空気を加熱するの
で、高い暖房性能を発揮する。しかも、サブ熱交換器3
3では、車室内に吹き出されることになる風路10f内
を流れる空気から熱を汲み上げるのではなく、ユニット
ケース10外部の外気から熱を汲み上げているため、即
暖性も向上することになる。
【0032】このようにサブ熱交換器33において外気
により冷媒を加温すれば、外気が保有する熱を有効に冷
媒に取り込むことができるので、この冷媒をコンプレッ
サ2に戻し、再度加圧すれば、当該コンプレッサ2から
吐出された冷媒は、より高温の冷媒となり、再度、補助
内部熱交換器Eaにおいて空気を加熱するとき、相当高
温の空気にすることができ、高い暖房性能を発揮するこ
とができる。
【0033】サブ熱交換器33を流れる冷媒はここで加
温されて蒸発しガス状となるので、コンプレッサ2に液
冷媒が帰還する虞れはなく、コンプレッサ2が液圧縮す
ることによる弁などの破損を防止できる。
【0034】補助内部熱交換器Eaにおいて加熱された
空気は、風路10f内を流下し、ヒータコア13の部分
に至る。ここにおいて、ヒータコア13は、エンジン1
の始動によりある程度温度上昇したエンジン冷却水が流
通するが、この時点のエンジン冷却水はまだ十分温度上
昇していない状態であるため、暖房用として使用するこ
とは好ましくない。
【0035】したがって、温水コック12を閉鎖し、ヒ
ータコア13にエンジン冷却水が流入しないようにする
かあるいはエアミックスドア15により空気がヒータコ
ア13内を通過しないようにする。これによりインテー
クユニットから風路10f内に導入された空気は、補助
内部熱交換器Eaにより加熱された相当高温の空気とな
って車室内に吹き出される。
【0036】上記の運転によりある程度車室内が暖まる
と、流路切換弁31用のスイッチをオフして前記バイパ
ス回路30を閉じ、補助内部熱交換器Eaから流出した
冷媒を第2流量調整弁5bおよび主内部熱交換器Ebに
案内する。補助内部熱交換器Eaから流出した冷媒は、
第2流量調整弁5bを通るが、この第2流量調整弁5b
は、感温式であるため、主内部熱交換器Ebの出口冷媒
温度に応じて所定の弁開度となるように調節される。つ
まり、主内部熱交換器Ebの出口冷媒温度が低くなるの
で、開度を小さくして流量を制限して冷媒を流す。冷媒
は第2流量調整弁5bで断熱膨張され、低温低圧の冷媒
になるので、主内部熱交換器Ebを通る空気は除湿され
かつ冷却される。なお、冷媒はここでは蒸発しガス状と
なる。
【0037】したがって、インテークユニット11から
送られてきた空気は、主内部熱交換器Ebで冷却され、
その直後に配置されている補助内部熱交換器Eaにより
加熱されることになる。つまり、除湿暖房運転が行なわ
れる。このように主内部熱交換器Ebにより除湿された
空気を補助内部熱交換器Eaが加熱するので、いわゆる
内気循環モードにより暖房しても、フロントガラスが曇
ることはなく、窓晴れ状態で運転ができ、運転の安全性
も高まる。
【0038】外気温度が高いとき(例えば、+5℃〜+
15℃程度)あるいはエンジンが高負荷運転時等のとき
は、エンジン冷却水が暖房用として使用できる程度に高
くなるので、コンプレッサにより加圧した高温の冷媒を
用いて暖房する必要はない。したがって、本実施形態で
は、例えば、エンジンとコンプレッサ2とを連結してい
るクラッチ等を切り、コンプレッサ2の作動を停止し、
ヒータコア13のみによる暖房運転とする。このように
すれば、エンジンに不必要な負荷を掛けることはなく、
省燃費の暖房運転が可能となる。
【0039】《冷房運転》外気温度が、例えば、+15
℃〜+30℃程度のときに、冷房運転を行なう場合に
は、図2に示すように、冷媒は、四方弁6を介して直接
外部熱交換器3に入ることになる。また、第1流量調整
弁5aは絞られ、第2流量調整弁5bも開度調整され絞
るように作動する。
【0040】この状態でコンプレッサ2を作動すると、
吐出された冷媒は、図2に示すように、外部熱交換器3
に入り、冷却され凝縮する。低温高圧となった冷媒は、
リキッドタンク4にある程度貯溜された後に、絞られて
いる第1流量調整弁5aにより流量が制限され、ここで
断熱膨張され、より低温な低圧冷媒になって補助内部熱
交換器Eaに流入する。さらに流下した冷媒は、絞られ
ている第2流量調整弁5bにより流量が制限され、ここ
で断熱膨張され、より低温な低圧冷媒になって主内部熱
交換器Ebに入る。冷媒は主内部熱交換器Ebで蒸発し
ガス状となる。
【0041】したがって、インテークユニット11から
送られてきた空気は、まず、主内部熱交換器Ebで除湿
されると共にある程度冷却され、その直後に配置されて
いる補助内部熱交換器Eaによりさらに冷却されること
になり、いわば多段冷房が行なわれ、高い冷房性能を発
揮する。
【0042】しかし、外気温が15℃〜20℃程度の場
合は、乗員にとっては冷房過多となる虞れもあるので、
ヒータコア13前面のエアミックスドア15の開度を調
節し、ヒータコア13側とバイパス通路14側に冷風を
分岐し、これらを再度ミックスすることにより所定温度
にした後に、車室内に吹き出す。
【0043】なお、外気温度が、+30℃以上のとき
も、本実施の形態2では、+15℃〜+30℃の冷房運
転と基本的には同じである。
【0044】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変す
ることができる。例えば、実施の形態では、外部熱交換
器3をバイパスするバイパス回路Bが設けられている
が、高温高圧の冷媒が流通する補助内部熱交換器Eaに
より空気が加熱され、暖房できるならば、このようなバ
イパス回路Bは必ずしもなくても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、暖
房起動時には、エンジン冷却水が流通するヒータコアの
みでなく、高温高圧の冷媒が流通する補助内部熱交換器
により空気を加熱するので、飛躍的に暖房性能を高める
ことができる。
【0046】しかも、暖房起動時には主内部熱交換器を
使用せずに、バイパス回路に設けたサブ熱交換器33で
外気の熱を汲み上げるため、より高い暖房性能を発揮す
ることができる。
【0047】また、第1あるいは第2の流量調整弁の開
度を調節することにより、補助内部熱交換器あるいは主
内部熱交換器を簡単な回路構成でコンデンサとしてある
いはエバポレータとして使用することができ、これによ
り除湿暖房、冷房過多を防止し、いわゆるドライエアコ
ン状態を作ることもでき、種々の運転が可能で、さらに
冷房性能を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式自
動車用空気調和装置の暖房運転時の状態を示す概略構成
図である。
【図2】 同実施の形態の冷房運転時の状態を示す概略
構成図である。
【図3】 従来の自動車用空気調和装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
2…コンプレッサ 3…外部熱交換器 5…冷媒膨張部材 5a…第1流量調整弁 5b…第2流量調整弁 10…ユニットケース 10f…風路 13…ヒータコア 30…バイパス回路 31…流路切換弁 32…キャピラリーチューブ(冷媒膨張部材) 33…サブ熱交換器 E…内部熱交換器 Ea…補助内部熱交換器 Eb…主内部熱交換器 R…戻し回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサ(2)から吐出された冷媒
    を、外部熱交換器(3)、冷媒膨張部材(5)および内
    部熱交換器(E)を経て前記コンプレッサ(2)に帰還
    させる冷房サイクルを有し、前記内部熱交換器(E)を
    ユニットケース(10)の風路(10f)内に配置した
    ヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、 前記冷媒膨張部材(5)および内部熱交換器(E)は、
    第1流量調整弁(5a)、補助内部熱交換器(Ea)、
    第2流量調整弁(5b)および主内部熱交換器(Eb)
    の順で直列に連結することにより構成し、当該補助内部
    熱交換器(Ea)および主内部熱交換器(Eb)を前記
    風路(10f)内に対向して配置してなり、前記第1流
    量調整弁(5a)および第2流量調整弁(5b)の開度
    を調節することにより前記補助内部熱交換器(Ea)お
    よび主内部熱交換器(Eb)をそれぞれエバポレータあ
    るいはコンデンサとして機能させるようにし、 さらに、前記冷房サイクルは、暖房時に前記補助内部熱
    交換器(Ea)から流出した冷媒が前記第2流量調整弁
    (5b)および前記主内部熱交換器(Eb)をバイパス
    して前記コンプレッサ(2)に帰還するバイパス回路
    (30)を有し前記バイパス回路(30)に冷媒膨張部
    材(32)とサブ熱交換器(33)とを設けると共に前
    記サブ熱交換器(33)を前記ユニットケース(10)
    の外部に配置し、当該サブ熱交換器(33)で前記補助
    内部熱交換器(Ea)から流出した冷媒を外気で加温す
    るように構成したことを特徴とするヒートポンプ式自動
    車用空気調和装置。
JP33974497A 1997-12-10 1997-12-10 ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 Withdrawn JPH11170857A (ja)

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