JPH1072063A

JPH1072063A - 包装作業性を改善したプラスチック気泡シート

Info

Publication number: JPH1072063A
Application number: JP9117048A
Authority: JP
Inventors: Hajime Kawakami; 肇川上
Original assignee: Kawakami Sangyo KK
Current assignee: Kawakami Sangyo KK
Priority date: 1996-06-28
Filing date: 1997-05-07
Publication date: 1998-03-17

Abstract

(57)【要約】【課題】プラスチック気泡シートにおいて、包装材料
として使用するときの包装作業性が改善されるものを提
供する。【解決手段】巻物にした長尺のプラスチック気泡シー
トに、シートを横断する方向のミシン目を所定間隔で設
けて、切断を容易にする。必要により長手方向にもミ
シン目を設ける。ミシン目の位置は、目印となる印刷
を施すか、または小紙片を貼り付けて示すとよい。シ
ートの少なくとも一方の縁に沿って粘着テープを貼り付
けるか、または粘着剤を帯状に、または全面的に塗布す
れば、被包装物を包装した後の結束または固定が容易に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、プラスチック気泡
シートにおいて、その主たる用途である包装材としての
使用に向けたとき、包装作業の作業性が改善されるもの
に関する。

【０００２】

【従来の技術】プラスチックフィルムに多数の凸部を設
けたキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを貼
り合わせ、凸部に空気を封入してなるプラスチック気泡
シートが、その緩衝能力を利用して、包装材料として広
く使用されている。

【０００３】使用の形態には、気泡シートを特定の形状
・寸法に裁断したものを缶や段ボール箱に入れるような
使い方のほか、包装紙のように被包装物を包む使い方も
少なくない。後者の使用形態において、製造業者から
需要者に納入されるプラスチック気泡シートは、多くは
長尺の気泡シートを巻物状にしたものである。需要者
は、被包装物の寸法に応じて、この巻物から適宜の大き
さの気泡シートを切り出し、立方体、直方体、円柱その
ほか被包装物の形状に従って、それを包む作業を行な
う。

【０００４】このような気泡シートの使用形態は、巻物
を展開して切断するという作業を必要とする。この切
断はカッターナイフなどを使用して行なうが、危険を伴
う上に、切断線が曲ったりして、なかなか快適には行な
えないものである。切り出した気泡シートは、被包装
物を包んだ上で別途ひもで結束するか、粘着テープで固
定するかしなければならない。このひもによる結束ま
たは粘着テープによる固定は、気泡シートをあらかじめ
被包装物の寸法に合わせて裁断した形で納入したとして
も、常につきまとう作業である。そして結束や固定は
案外面倒である上に、できた包装体は、しばしば美観の
点で好ましくないものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の基本的な目的
は、プラスチック気泡シートを使用する包装作業の前段
階である切り出しの問題を解決し、気泡シートの巻物か
ら個々の包装作業に使用する上で適切な寸法の包装材を
取り出すことが容易な気泡シート巻物を提供することに
ある。

【０００６】本発明のより重要な目的は、適切な寸法の
包装材を取り出すことが容易であって、しかも取り出さ
れた気泡シートを用いる包装作業の作業性が改善される
とともに、包装された製品の外観がすぐれたものを与え
るような気泡シートを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の包装作業性を改
善したプラスチックシートの基本的な態様は、図１に示
すように、プラスチックフィルムに多数の凸部を設けた
キャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを貼り合
わせ、凸部に空気を封入してなるプラスチック気泡シー
ト(１)であって、長尺のシートを巻いた形態のものにお
いて、シートを横断する切断用ミシン目（２Ａ）を所定
間隔で設けたことを特徴とする。

【０００８】必要であれば、図２に示すように、シート
の長手方向にも１本または２本以上の切断用のミシン目
（２Ｂ）を設けることができる。

【０００９】切断用のミシン目の所在がわかれば作業が
好都合であるから、やはり図２に示すように、ミシン目
の位置を示す印刷（３）を施し、または目印用の小紙片
を貼り付けておくことが好ましい。印刷または小紙片
の形状としては、三角形、台形、長方形など任意の図形
を採用できるし、文字、数字あるいは記号を入れてもよ
い。色彩も、通常は１色で足りるが、２色またはそれ
以上にしてもよい。

【００１０】本発明の包装作業性を改善したプラスチッ
ク気泡シートの好ましい態様は、図３および図４に示す
ように、気泡シート（１）のバックフィルム（１Ｂ）側
において、少なくとも一方の縁に沿って、粘着テープ
（４）を、粘着剤層（４Ｂ）が露出するように貼り付け
てなる。図５に示すように、気泡シート（１）のバッ
クフィルム(１Ｂ)側において、少なくとも一方の縁に沿
う帯状部分に粘着剤(５)を塗布してもよい。

【００１１】粘着剤の適用は、図５に示した態様に限ら
ず、気泡シートの反対側に行なうことも可能である。
すなわち、図６に示すように、気泡シート（１）のキャ
ップフィルム（１Ａ）側において、少なくとも一方の縁
に沿う帯状部分にある凸部の頂面に粘着剤（５）を塗布
した態様も可能である。

【００１２】上述の好ましい諸態様において、粘着テー
プを貼り付けるにしても粘着剤を塗布するにしても、プ
ラスチック気泡シートの製造に当ってインラインで行な
うこともできるし、いったん気泡シートの巻物を製造し
た後に、オフラインで改めて行なうこともできる。

【００１３】気泡シートの材料としては任意のプラスチ
ックが使用できるが、加工性やコストなどの点で、常用
のポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはＥＶＡ（エ
チレン−酢酸ビニル共重合体）が好適である。粘着テ
ープのベースフィルムは、紙でもプラスチックでもよい
が、紙の場合は気泡シートに貼り合わせるために、別の
接着剤または粘着剤が必要である。プラスチックを使
用し、気泡シートの材料との関係において適切なものを
えらべば、気泡シートの製造と同時に融着させることに
より貼り合わせることができる。

【００１４】粘着剤は速乾性であるとともに、接触した
物に移行しないこと、いわゆる「跡残り」を生じないこ
とが要求される。包装材料として気泡シートを使用し
たときに固定が一応確実に行なえる程度の粘着力を下限
とし、包装を開くときの剥離に困難がない程度の粘着力
を上限とする粘着力の範囲内で、跡残りのない粘着剤を
使用する。そのような粘着剤は、常用のアクリル系エ
マルジョン、ホットメルト系、あるいはゴム系の粘着剤
の中から、好適なものがみつかるであろう。用途によっ
ては強い粘着力が希望されることもあり、そのような場
合は、粘着力の高い粘着剤を使用するとともに、粘着剤
の面に剥離紙を当てた形態の製品とすることもあり得
る。

【００１５】粘着剤を塗布する場合は、帯状の領域に限
らず、全面に連続的に行なってもよいし、水玉状の断続
的な塗布を行なってもよい。

【００１６】上記いずれの態様においても、気泡シート
は、キャップフィルム（１Ａ）とバックフィルム（１
Ｂ）とからだけなる通常の二層構成のものに限らず、キ
ャップフィルムの凸部頂面にもう１枚の、ライナーフィ
ルムとよばれる平坦なプラスチックフィルムを貼り合わ
せて三層構成とした気泡シートも使用可能であって、そ
れらの態様も本発明に含まれる。

【００１７】

【作用】本発明の包装作業性を改善したプラスチック気
泡シートは、所定の間隔でミシン目が入っているので、
長尺の巻物の形でこれを購入した需要者が包装作業に使
用するに当り、カッターナイフなどを使用しなくても容
易に一定寸法に切断することができる。ミシン目の位
置を印刷などの目印により示しておけば、いっそう容易
に切断を行なえる。切断しやすければ切り損じに起因
する端材が出ないから、ゴミが散乱したりする心配もな
い。

【００１８】好ましい態様の、すなわち粘着テープの貼
り付けまたは粘着剤の塗布を行なった気泡シートを使用
する包装を、直方体の形をした被包装物をバックフィル
ムの両縁に粘着テープを貼り付けた気泡シートで包装す
る場合を例にとって説明すれば、図７にみるように、バ
ックフィルムを内側にして被包装物（６）をくるむと
き、気泡シートの縁にある粘着テープ(４)によって、ま
ず気泡シートの端が固定されてくるみやすくなり、くる
んだ後は、気泡シートの外側に回った部分が、気泡シー
トのもう一方の縁にある粘着テープ（４）によって下に
ある部分に対して固定される。従って、改めてひもで
結束したり、別の粘着テープで固定したりする必要はな
い。

【００１９】粘着テープに代えて粘着剤を塗布した気泡
シートを使用したときも、同様にして容易に包装ができ
る。被包装物の形状が、たとえば円柱状などに変化し
た場合も、本発明の気泡シートを用いれば包装作業の作
業性がよくなることは、容易に理解されるであろう。

【００２０】

【実施例】

〔実施例１〕ポリエチレンを材料とする気泡シートであ
って、空気室すなわちキャップフィルムの凸部が、直径
１０mm×高さ４mmの大きさであり、気泡シートの幅が１
２０cm、長さが４２ｍのものを製造した。重さは８０
g／ｍ²である。

【００２１】この気泡シートは、巻き取りに先立って、
１００cm間隔で横断方向に切断用のミシン目を入れた。

【００２２】寸法が３０cm×４０cm×３０cmの直方体形
状の被包装物を、この気泡シートで包装した。最終的
な固定は、粘着テープを使用した。１００個を包装す
るのに必要な時間を測定したところ、約１０３分間であ
った。従来は、カッターナイフを使用して約１００cm
の長さに気泡シートを切り出して包装していたので、同
じ作業に１３１分間を要していた。なお、あらかじめ
１２０cm×１００cmに裁断しておいた気泡シートを使用
し、同じ作業をするのに要する時間は、約９６分間であ
る。この場合は、作業に伴い気泡シートが散乱するこ
とが妨げない。

【００２３】〔実施例２〕実施例１のミシン目入り気泡
シートの製造に当って、幅５０mmの粘着テープを、気泡
シートの両縁にインラインで熱融着させることにより貼
り付けた。粘着テープは、厚さ５０μｍのＥＶＡ製ベ
ースフィルムに、アクリル系エマルジョンの粘着剤を片
面に塗布したものである。

【００２４】この気泡シートを使用して、実施例１と同
じ包装作業を行なった。１００個の包装に要する時間
は、７２分間に短縮された。これは、別の粘着テープ
を必要としないところから得られた効果である。

【００２５】〔実施例３〕実施例１の気泡シートの製造
に当り、巻き取りに先立って６０cm間隔で横断方向のミ
シン目を入れるとともに、キャップフィルムの凸部にア
クリル系エマルジョンの粘着剤を全面に、つまり凸部頂
面の全体に適用した。

【００２６】この気泡シートを包装材料として、直径１
０cm×長さ３０cmの円柱状の被包装物を包装した。包
装作業は、キャップフィルム側を内側にして円周面をく
るみ、上下は余った気泡シートを塩化ビニル樹脂で被覆
した針金で結束することからなる。本発明の気泡シー
トを使用するときは、気泡シート上に置いた被包装物を
転がして行くことで自然に円周面がくるまれ、上下の結
束も、余った気泡シートを握ることによって内面が粘着
し、きわめて容易になった。

【００２７】その結果、従来の粘着テープによる固定
と、上下の部分の弾性的復元をおさえつつ結束を行なう
包装にくらべて、同じ個数の被包装物を包装するに要す
る時間は、ほぼ半分に短縮された。

【００２８】

【発明の効果】本発明のプラスチック気泡シートは、基
本的な態様においては、ミシン目の存在により所定の寸
法への切断が容易である。カッターナイフなどの使用
を必要としないから危険がなくなり、切り損じによるロ
スの発生や端材の散乱などが防げる。ミシン目の位置
を示す目印を設けておれば、引き裂くべき個所が一目瞭
然であって、いっそう切断が容易になる。

【００２９】好ましい態様に従って少なくとも一方の縁
に粘着テープを貼り付け、または粘着剤を帯状に、また
は全面に塗布したものは、包装作業において、まず被包
装物に対し気泡シートを位置ぎめしたときにそのまま固
定することができるとともに、くるみ終えた気泡シート
を、改めて粘着テープなどの助けを借りることなく固定
することができ、能率が高い。

【００３０】このようにして、本発明の気泡シートは、
包装作業の作業性を改善し、労力の軽減と所要時間の短
縮を可能にし、かつ包装体の美観を損うおそれもなく
す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプラスチック気泡シートの基本的な
態様を示す斜視図。

【図２】図１のプラスチック気泡シートの変更態様を
示す平面図。

【図３】本発明のプラスチック気泡シートの好ましい
態様を示す、図１に対応する斜視図。

【図４】図３のプラスチック気泡シートの横断面図。

【図５】図３のプラスチック気泡シートの変更態様を
示す、図４に対応する横断面図。

【図６】本発明のプラスチック気泡シートのさらに別
の好ましい態様を示す、図４および図５に対応する横断
面図。

【図７】図３のプラスチック気泡シートを使用して、
直方体の形状をもつ被包装物を包装しているところを示
す平面図。

【符号の説明】

１プラスチック気泡シート２Ａ，２Ｂ切断用のミシン目３目印の印刷４粘着テープ４Ａベースフィルム４Ｂ粘着剤層５粘着剤６被包装物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プラスチックフィルムに多数の凸部を設
けたキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを貼
り合わせ、凸部に空気を封入してなるプラスチック気泡
シートであって、長尺のシートを巻いた形態のものにお
いて、シートを横断する切断用ミシン目を所定間隔で設
けたことを特徴とする包装作業性を改善したプラスチッ
ク気泡シート。
【請求項２】気泡シートの長手方向にも１本または２
本以上の切断用のミシン目を設けた請求項１のプラスチ
ック気泡シート。
【請求項３】切断用のミシン目の位置を示す印刷を施
し、または目印用の小紙片を貼り付けた請求項１または
２のプラスチック気泡シート。
【請求項４】気泡シートのバックフィルム側におい
て、少なくとも一方の縁に沿って、粘着テープを、粘着
剤面が露出するように貼り付けてなる請求項１ないし３
のいずれかのプラスチック気泡シート。
【請求項５】気泡シートのバックフィルム側におい
て、少なくとも一方の縁に沿う帯状部分に粘着剤を塗布
してなる請求項１ないし３のいずれかのプラスチック気
泡シート。
【請求項６】気泡シートのキャップフィルム側におい
て、少なくとも一方の縁に沿う帯状部分にある凸部の頂
面に粘着剤を塗布してなる請求項１ないし３のいずれか
のプラスチック気泡シート。