JP2011255921A - プラスチック気泡シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミシン目の位置を明確に示すとともに、製造コストを抑えることができるプラスチック気泡シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】中空状に膨出する多数のキャップ2が形成されたキャップフィルム3と、キャップフィルム3のキャップ開口側に積層されるバックフィルム4と、を備えて長尺なシート状に形成されるとともに、ロール状に巻かれた形態、あるいは折り畳んだ形態で提供されるプラスチック気泡シート1において、シートの幅方向に沿う切断用のミシン目6を、シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成した。
【選択図】図4
【解決手段】中空状に膨出する多数のキャップ2が形成されたキャップフィルム3と、キャップフィルム3のキャップ開口側に積層されるバックフィルム4と、を備えて長尺なシート状に形成されるとともに、ロール状に巻かれた形態、あるいは折り畳んだ形態で提供されるプラスチック気泡シート1において、シートの幅方向に沿う切断用のミシン目6を、シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成した。
【選択図】図4
Description
本発明は、ロール状に巻かれた形態、あるいは折り畳まれた形態などで提供される長尺なプラスチック気泡シート及びその製造方法に関する。
中空状に膨出する多数のキャップが形成されたキャップフィルムと、キャップフィルムのキャップ開口側に積層されるバックフィルムと、を備えるプラスチック気泡シートが知られている。この種のプラスチック気泡シートは、高い緩衝性能を持ち、かつ、軽量であるため、様々な分野で緩衝材料や包装材料として広く使用されている。例えば、商品の梱包作業現場や引越現場では、商品や引越荷物をプラスチック気泡シートで包装することにより、運搬中における商品や引越荷物の破損を防止している。
プラスチック気泡シートを大量に使用する現場では、ロール状に巻かれた形態、あるいは折り畳まれた形態などで提供される長尺なプラスチック気泡シートが使用されている。このような形態で提供されるプラスチック気泡シートは、通常、被包装物の寸法に応じて、適宜の長さに切断され、被包装物の包装に使用される。しかしながら、従来では、プラスチック気泡シートの切断に際し、ハサミ、カッターなどの切断工具を使用していたので、切断作業に手間がかかるだけでなく、切断工具で被包装物を傷付けたり、作業者が怪我をする可能性があった。
そこで、シートの幅方向に沿う切断用のミシン目を、シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成することが提案されている。例えば、特許文献1には、幅が120cm、長さが42mの長尺なプラスチック気泡シートを製造するにあたり、プラスチック気泡シートの巻き取りに先立って、100cm間隔で切断用のミシン目を入れることが示されている。
このようなプラスチック気泡シートによれば、ハサミ、カッターなどの切断工具を使用しなくても、プラスチック気泡シートを適宜の長さで切断することができるので、切断作業が簡略化されるだけでなく、切断工具で被包装物を傷付けたり、作業者が怪我をするという問題を解消することが可能になる。
また、プラスチック気泡シートにミシン目を形成した場合、キャップによってミシン目の位置が見づらくなる可能性があるので、特許文献1に示されるプラスチック気泡シートでは、ミシン目の位置を示す目印の印刷を施したり、目印となる小紙片を貼り付けている。
しかしながら、プラスチック気泡シートは、フラットなプラスチックシートに比べてインクののりが悪いため、目印を印刷しても視認性に劣るだけでなく、インクが落ちて目印が見えなくなったり、落ちたインクで周囲が汚れる可能性がある。
また、プラスチック気泡シートの製造工程に目印の印刷工程を別途追加した場合、製造コストが上昇するだけでなく、目印とミシン目の位置との間にずれが発生し、目印としての機能が低下する可能性がある。
なお、小紙片を貼り付ける方法は、自動化が容易ではないため、コスト面で実現性が低いものである。
また、プラスチック気泡シートの製造工程に目印の印刷工程を別途追加した場合、製造コストが上昇するだけでなく、目印とミシン目の位置との間にずれが発生し、目印としての機能が低下する可能性がある。
なお、小紙片を貼り付ける方法は、自動化が容易ではないため、コスト面で実現性が低いものである。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、ミシン目の位置を明確に示すとともに、製造コストを抑えることができるプラスチック気泡シート及びその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のプラスチック気泡シートは、中空状に膨出する多数のキャップが形成されたキャップフィルムと、前記キャップフィルムのキャップ開口側に積層されるバックフィルムと、を備えて長尺なシート状に形成されたプラスチック気泡シートにおいて、前記シートの幅方向に沿う切断用のミシン目を、前記シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目の少なくとも一端側に、各ミシン目の位置を示す切込みを形成した構成としてある。
また、本発明のプラスチック気泡シートの製造方法は、中空状に膨出する多数のキャップが形成されたキャップフィルムと、前記キャップフィルムのキャップ開口側に積層されるバックフィルムと、を備えて長尺なシート状に形成されたプラスチック気泡シートの製造方法であって、前記シートの幅方向に沿う切断用のミシン目を、前記シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目の少なくとも一端側に、各ミシン目の位置を示す切込みを形成するにあたり、該切込みを、前記ミシン目を形成するカッターで前記ミシン目と同時に形成する方法としてある。
以上のように、本発明のプラスチック気泡シートによれば、ミシン目の少なくとも一端側に切込みを形成したので、切込み自体が目印になるだけでなく、切込みの周辺が自重で垂れて切込みの存在を強調することにより、ミシン目の位置を明確に示すことが可能になる。
また、本発明のプラスチック気泡シートの製造方法によれば、ミシン目の位置を示す切込みを、ミシン目を形成するカッターでミシン目と同時に形成するので、製造コストの上昇を抑えることができるだけでなく、切込みとミシン目の位置ずれも確実に防止できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートの斜視図である。
この図に示すように、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1は、ロール状に巻かれた形態で提供される長尺なものであり、例えば、被包装物の寸法に応じて、適宜の長さに切断され、被包装物の包装に使用される。なお、長尺のプラスチック気泡シートの形態としては、ロール状のものに限られず、例えば、折り畳んだ形態のものであってもよい。
図1は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートの斜視図である。
この図に示すように、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1は、ロール状に巻かれた形態で提供される長尺なものであり、例えば、被包装物の寸法に応じて、適宜の長さに切断され、被包装物の包装に使用される。なお、長尺のプラスチック気泡シートの形態としては、ロール状のものに限られず、例えば、折り畳んだ形態のものであってもよい。
図2の(a)は、二層プラスチック気泡シートの構造を示す概略断面図、(b)は、三層プラスチック気泡シートの構造を示す概略断面図である。
本発明のプラスチック気泡シート1としては、図2の(a)に示す二層プラスチック気泡シート1Aや、図2の(b)に示す三層プラスチック気泡シート1Bを用いることができる。二層プラスチック気泡シート1Aは、中空状に膨出する多数のキャップ2が形成されたキャップフィルム3と、キャップフィルム3のキャップ開口側に積層されるバックフィルム4とを備えて構成され、三層プラスチック気泡シート1Bは、さらに、キャップフィルム3のキャップ膨出側に積層されるライナーフィルム5を備えて構成される。
なお、キャップ2の直径及び高さは、用途に応じて任意に設定することができる。例えば、被包装物を包装する用途では、直径10mm、高さ4mm程度のキャップ2が好ましい。
本発明のプラスチック気泡シート1としては、図2の(a)に示す二層プラスチック気泡シート1Aや、図2の(b)に示す三層プラスチック気泡シート1Bを用いることができる。二層プラスチック気泡シート1Aは、中空状に膨出する多数のキャップ2が形成されたキャップフィルム3と、キャップフィルム3のキャップ開口側に積層されるバックフィルム4とを備えて構成され、三層プラスチック気泡シート1Bは、さらに、キャップフィルム3のキャップ膨出側に積層されるライナーフィルム5を備えて構成される。
なお、キャップ2の直径及び高さは、用途に応じて任意に設定することができる。例えば、被包装物を包装する用途では、直径10mm、高さ4mm程度のキャップ2が好ましい。
プラスチック気泡シート1を構成する各層のフィルムは、プラスチックフイルムを用いて形成されており、例えば、全ての層がポリエチレンフィルムを用いて形成される。ポリエチレンフィルムの材料となるポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、エチレン−酢酸ビニル重合体などが例示できる。また、これらの材料を任意に混合して用いてもよい。
プラスチック気泡シート1を構成する各層のフィルムは、積層状態で適度な撓み性を備えるように厚みや材料が選定される。具体的には、容易にロール状に巻き取ったり、折り畳んだりすることができ、かつ、容易に被包装物を包むことが可能な撓み性が確保される。特に、本発明のプラスチック気泡シート1では、その端縁部に10〜200mmの切込みを入れたとき、切込みの周辺が自重で垂れて切込み幅が広がる程度の撓み性を確保することが好ましい。
図3は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートの要部を示す部分正面図である。
この図に示すように、プラスチック気泡シート1には、シートの幅方向に沿う切断用のミシン目6が、シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成される。例えば、幅が120cm、長さが42mの長尺なプラスチック気泡シート1を製造するにあたり、プラスチック気泡シート1の巻き取りに先立って、50cm間隔で切断用のミシン目6を入れる。
この図に示すように、プラスチック気泡シート1には、シートの幅方向に沿う切断用のミシン目6が、シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成される。例えば、幅が120cm、長さが42mの長尺なプラスチック気泡シート1を製造するにあたり、プラスチック気泡シート1の巻き取りに先立って、50cm間隔で切断用のミシン目6を入れる。
このようなプラスチック気泡シート1によれば、ハサミ、カッターなどの切断工具を使用しなくても、引き裂くだけでプラスチック気泡シート1を適宜の長さで切断することができるので、切断作業が簡略化されるだけでなく、切断工具で被包装物を傷付けたり、作業者が怪我をするという問題を解消することが可能になる。
図4は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートに形成される切込みの例を示す拡大図であり、(a)は、線状の切込みを示す図、(b)は、V字状の切込みを示す図、(c)は、U字状の切込みを示す図である。
図3及び図4に示すように、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1では、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成している。切込み7の形状は任意であり、例えば、図4の(a)に示すような線状のほか、図4の(b)に示すようなV字状や、図4の(c)に示すようなU字状とすることができる。なお、切り込みの形態はこれらのものに限られないことはもちろんである。
このようなプラスチック気泡シート1によれば、ミシン目6の少なくとも一端側に切込み7が形成されるので、切込み7自体が目印になるだけでなく、切込み7の周辺が自重で垂れて切込み7の存在を強調することにより、ミシン目6の位置を明確に示すことが可能になる。
図3及び図4に示すように、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1では、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成している。切込み7の形状は任意であり、例えば、図4の(a)に示すような線状のほか、図4の(b)に示すようなV字状や、図4の(c)に示すようなU字状とすることができる。なお、切り込みの形態はこれらのものに限られないことはもちろんである。
このようなプラスチック気泡シート1によれば、ミシン目6の少なくとも一端側に切込み7が形成されるので、切込み7自体が目印になるだけでなく、切込み7の周辺が自重で垂れて切込み7の存在を強調することにより、ミシン目6の位置を明確に示すことが可能になる。
図5は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートのミシン目と切込みの寸法関係を示す説明図である。
この図に示すように、ミシン目6は、破断線状に形成される複数の切断孔8からなり、その一端側又は両端側に切込み7が設けられる。このようなプラスチック気泡シート1では、切込み7を設けたことにより、意図しない箇所のミシン目6が不用意に切断される可能性がある。例えば、プラスチック気泡シート1をロールから引き出すとき、切込み7が何かに引っ掛かると、不用意にその箇所のミシン目6が切断されてしまう。また、プラスチック気泡シートにテンションがかかりすぎた場合にも、ミシン目6が切断されてしまう可能性がある。
この図に示すように、ミシン目6は、破断線状に形成される複数の切断孔8からなり、その一端側又は両端側に切込み7が設けられる。このようなプラスチック気泡シート1では、切込み7を設けたことにより、意図しない箇所のミシン目6が不用意に切断される可能性がある。例えば、プラスチック気泡シート1をロールから引き出すとき、切込み7が何かに引っ掛かると、不用意にその箇所のミシン目6が切断されてしまう。また、プラスチック気泡シートにテンションがかかりすぎた場合にも、ミシン目6が切断されてしまう可能性がある。
そこで、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1では、図5に示すように、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aを、ミシン目6の切断孔8間の間隔bと少なくとも同じか、それよりも大きくしてある。好ましくは、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aを、ミシン目6の切断孔8間の間隔bの1〜2倍としてある。
このようにすると、切込み7に多少の力が作用しても、間隔aの部分でミシン目6の切断を阻止できるので、意図しない箇所のミシン目6が不用意に切断される可能性を低減することができる。
このようにすると、切込み7に多少の力が作用しても、間隔aの部分でミシン目6の切断を阻止できるので、意図しない箇所のミシン目6が不用意に切断される可能性を低減することができる。
切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aは、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止する上では、大きいほど良いが、間隔aが大き過ぎると、意図する箇所のミシン目6を切断する際に、間隔aの部分が切断を阻止し、ミシン目6の切断性が低下する可能性がある。
したがって、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aは、1〜20mmの範囲で設定することが好ましい。すなわち、間隔aが1mmよりも小さいと、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止することができず、また、間隔aが20mmよりも大きいと、ミシン目6の切断性が低下するからである。
したがって、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aは、1〜20mmの範囲で設定することが好ましい。すなわち、間隔aが1mmよりも小さいと、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止することができず、また、間隔aが20mmよりも大きいと、ミシン目6の切断性が低下するからである。
なお、ミシン目6の切断孔8間の間隔bは、意図しない箇所からの切断の防止と、ミシン目6の切断性の低下防止の両方を満足しなければならないことから、1〜10mmの範囲で設定することが好ましい。
切込み7の長さAは、ミシン目6の位置を明確に示す上では、長いほど良いが、切込みの長さAが長すぎると、意図しない箇所のミシン目6の切断を誘発する可能性がある。
したがって、切込み7の長さAは、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aの0.5〜10倍とすることが好ましい。すなわち、切込み7の長さAが間隔aの0.5倍よりも小さいと、切込み7の長さAが不足してミシン目6の位置を明確に示すことが困難になったり、間隔aが過剰に大きくなってミシン目6の切断性を低下させる可能性があり、また、切込み7の長さAが間隔aの10倍よりも大きいと、切込み7の長さAに対する間隔aの大きさが不足し、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止することが困難になるからである。
したがって、切込み7の長さAは、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aの0.5〜10倍とすることが好ましい。すなわち、切込み7の長さAが間隔aの0.5倍よりも小さいと、切込み7の長さAが不足してミシン目6の位置を明確に示すことが困難になったり、間隔aが過剰に大きくなってミシン目6の切断性を低下させる可能性があり、また、切込み7の長さAが間隔aの10倍よりも大きいと、切込み7の長さAに対する間隔aの大きさが不足し、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止することが困難になるからである。
ところで、ミシン目6の切断孔8の長さと、切断孔8と切断孔8の間隔bは常に同じ長さとする必要はない。ミシン目6としての機能を生じる限り、切断孔8の長さと、切断孔8と切断孔8の間隔bは、それぞれ異ならせてもよい。
つぎに、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1の切込み7の形成方法について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートのミシン目及び切込み形成工程を示す説明図であり、(a)は、概略平面図、(b)は、カッター9の概略正面図、(c)は、概略斜視図である。
この図に示すように、プラスチック気泡シート1のミシン目6は、プラスチック気泡シート1の巻き取りに先立ち、カッター9を用いて形成される。カッター9は、プラスチック気泡シート1の搬送経路上に、シートの幅方向に沿って配置されており、所定のタイミングで下降動作することにより、プラスチック気泡シート1にミシン目6(複数の切断孔8)を形成する。
つまり、カッター9には、切断孔8を形成するための切断刃10が所定の間隔bをあけて多数突設されており、その下降動作によって複数の切断孔8が所定の間隔bで同時に形成される。
図6は、本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シートのミシン目及び切込み形成工程を示す説明図であり、(a)は、概略平面図、(b)は、カッター9の概略正面図、(c)は、概略斜視図である。
この図に示すように、プラスチック気泡シート1のミシン目6は、プラスチック気泡シート1の巻き取りに先立ち、カッター9を用いて形成される。カッター9は、プラスチック気泡シート1の搬送経路上に、シートの幅方向に沿って配置されており、所定のタイミングで下降動作することにより、プラスチック気泡シート1にミシン目6(複数の切断孔8)を形成する。
つまり、カッター9には、切断孔8を形成するための切断刃10が所定の間隔bをあけて多数突設されており、その下降動作によって複数の切断孔8が所定の間隔bで同時に形成される。
なお、厚みの大きいプラスチック気泡シート1に対して、図6(b)に示すような、刃10,11が三角形状をしているカッター9を用いると、プラスチック気泡シート1が図2(b)に示すような三層シートの場合には、バックフィルム4とライナーフィルム5に形成される切込みやミシン目の切断孔の長さが、バックフィルム4とライナーフィルム5で異なってしまう。このため、フィルムを切断する際に、切断がスムースにいかないことがある。
このような場合、図6(d)に示すような、カッター9の刃10a,11aが全体として長方形をなし、先端のみを尖らせたものを用いることが好ましい。このような刃10a,11aを有するカッター9aを用いると、バックフィルム4とライナーフィルム5に形成される切込みやミシン目の切断孔の長さが同じ長さになるからである。
このような場合、図6(d)に示すような、カッター9の刃10a,11aが全体として長方形をなし、先端のみを尖らせたものを用いることが好ましい。このような刃10a,11aを有するカッター9aを用いると、バックフィルム4とライナーフィルム5に形成される切込みやミシン目の切断孔の長さが同じ長さになるからである。
本発明の実施形態に係るプラスチック気泡シート1の製造方法においては、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成するにあたり、該切込み7を、ミシン目6を形成するカッター9でミシン目6と同時に形成する。カッター9の一端側に、所定の間隔aをあけて切込み用の切断刃11を突設しておき、カッター9の下降動作時にミシン目6と切込み7を同時に形成する。
このようにすると、切込み7の形成工程を別途追加する場合に比べ、製造コストの上昇を抑えることができるだけでなく、切込み7とミシン目6の位置ずれも確実に防止できる。また、前述した間隔a、bの精度も向上させることができる。
このようにすると、切込み7の形成工程を別途追加する場合に比べ、製造コストの上昇を抑えることができるだけでなく、切込み7とミシン目6の位置ずれも確実に防止できる。また、前述した間隔a、bの精度も向上させることができる。
なお、本実施形態のプラスチック気泡シートは、上記の製造方法によって製造されたものに限られるものではなく、ミシン目6の部分の形成と、切込み7の形成を別個に行って製造したものも含まれる。
以上のように構成された本実施形態によれば、中空状に膨出する多数のキャップ2が形成されたキャップフィルム3と、キャップフィルム3のキャップ開口側に積層されるバックフィルム4と、を備えて長尺なシート状に形成されたプラスチック気泡シート1において、シートの幅方向に沿う切断用のミシン目6を、シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成したので、切込み7自体が目印になるだけでなく、切込み7の周辺が自重で垂れて切込み7の存在を強調することにより、ミシン目6の位置を明確に示すことができる。
また、ミシン目6は、破断線状に形成される複数の切断孔8からなり、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aは、ミシン目6の切断孔8間の間隔bよりも大きいので、切れ込み7に多少の力が作用しても、間隔aの部分でミシン目6の切断を阻止し、意図しない箇所のミシン目6が不用意に切断される可能性を低減することができる。
また、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aは、1〜20mmであり、ミシン目6の切断孔8間の間隔bは、1〜10mmとしたので、ミシン目6の切断性を損なうことなく、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止することができる。
また、切込み7の長さAは、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔aの0.5〜10倍としたので、切込み7の視認性やミシン目6の切断性を損なうことなく、意図しない箇所のミシン目6の切断を防止することができる。
また、プラスチック気泡シート1の製造に際しては、各ミシン目6の少なくとも一端側に、各ミシン目6の位置を示す切込み7を形成するにあたり、該切込み7を、ミシン目6を形成するカッター9でミシン目6と同時に形成するので、切込み7の形成工程を別途追加する場合に比べ、製造コストの上昇を抑えることができるだけでなく、切込み7とミシン目6の位置ずれも確実に防止できる。
[第二実施形態]
つぎに、本発明の第二実施形態に係るプラスチック気泡シート1Cについて、図7を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通する部分については、前記実施形態と同じ符号を用いることにより、前記実施形態の説明を援用する。
つぎに、本発明の第二実施形態に係るプラスチック気泡シート1Cについて、図7を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通する部分については、前記実施形態と同じ符号を用いることにより、前記実施形態の説明を援用する。
図7は、本発明の第二実施形態に係るプラスチック気泡シートの要部を示す部分正面図である。
この図に示すように、第二実施形態に係るプラスチック気泡シート1Cは、その一側縁部又は両側縁部に、キャップ2が形成されない耳部12を備えており、この耳部12に、ミシン目6の位置を示す切込み7を形成した点が前記実施形態と相違している。
この図に示すように、第二実施形態に係るプラスチック気泡シート1Cは、その一側縁部又は両側縁部に、キャップ2が形成されない耳部12を備えており、この耳部12に、ミシン目6の位置を示す切込み7を形成した点が前記実施形態と相違している。
以上のように構成された第二実施形態によれば、キャップ2が形成されない耳部12に切込み7を設けたので、切込み7がキャップ2に邪魔されて見づらくなることを防止し、切込み7の視認性を向上させることができる。
しかも、キャップ2が形成されない耳部12は、キャップ2が形成される領域に比べて剛性が低くなるので、切込み7の周辺がより垂れやすくなる。その結果、切込み7の存在をさらに強調し、ミシン目6の位置をより明確に示すことができる。
なお、第二実施形態においても、切込み7の形状、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔a、切込み7の長さA、ミシン目6の間隔b等については第一実施形態と同様とすることが好ましい。
しかも、キャップ2が形成されない耳部12は、キャップ2が形成される領域に比べて剛性が低くなるので、切込み7の周辺がより垂れやすくなる。その結果、切込み7の存在をさらに強調し、ミシン目6の位置をより明確に示すことができる。
なお、第二実施形態においても、切込み7の形状、切込み7とミシン目6の切断孔8との間隔a、切込み7の長さA、ミシン目6の間隔b等については第一実施形態と同様とすることが好ましい。
[第三実施形態]
図8は、本発明の第三実施形態に係るプラスチック気泡シートの斜視図である。例えば、幅60cmのプラスチック気泡シートを製造する場合には、幅120cmのプラスチック気泡シートを切断線10の部分から切断して二分割することによって製造する場合がある。このような場合、幅120cmのプラスチック気泡シートにおいて、その中央(端縁から60cmの位置)を中心として、端縁部に形成してある切込み7の二倍の長さの切込み7を形成するとともに、この切込み7の両側におけるミシン目6の切断孔8との間に間隔aを形成する。
このようなプラスチック気泡シートを切断線10から切断して二分割すると、両端縁部に斬りこみを有する幅60cmのプラスチック気泡シートを得ることができる。
図8は、本発明の第三実施形態に係るプラスチック気泡シートの斜視図である。例えば、幅60cmのプラスチック気泡シートを製造する場合には、幅120cmのプラスチック気泡シートを切断線10の部分から切断して二分割することによって製造する場合がある。このような場合、幅120cmのプラスチック気泡シートにおいて、その中央(端縁から60cmの位置)を中心として、端縁部に形成してある切込み7の二倍の長さの切込み7を形成するとともに、この切込み7の両側におけるミシン目6の切断孔8との間に間隔aを形成する。
このようなプラスチック気泡シートを切断線10から切断して二分割すると、両端縁部に斬りこみを有する幅60cmのプラスチック気泡シートを得ることができる。
なお、40cm幅のプラスチック気泡シートを得るときには、幅120cmのプラスチック気泡シートの端縁からそれぞれ40cmの位置に上記と同じような切込み7と間隔aを形成し、その後、三等分すればよい。
すなわち、切込み7はプラスチック気泡シートの少なくとも一端に形成するほか、端縁の内側における任意の切断箇所に形成してあってもよい。これら端縁の内側に位置する切込み7は、ミシン目としても機能する。換言すれば、ミシン目6における切断孔8は、プラスチック気泡シートを分割したときに、切込み7として機能させることができる。
すなわち、切込み7はプラスチック気泡シートの少なくとも一端に形成するほか、端縁の内側における任意の切断箇所に形成してあってもよい。これら端縁の内側に位置する切込み7は、ミシン目としても機能する。換言すれば、ミシン目6における切断孔8は、プラスチック気泡シートを分割したときに、切込み7として機能させることができる。
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせたものなど、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、ロール状に巻かれた形態、あるいは折り畳んだ形態などで提供される長尺なプラスチック気泡シート及びその製造方法に用いることができる。
1 プラスチック気泡シート
2 キャップ
3 キャップフィルム
4 バックフィルム
6 ミシン目
7 切込み
8 切断孔
9 カッター
12 耳部
2 キャップ
3 キャップフィルム
4 バックフィルム
6 ミシン目
7 切込み
8 切断孔
9 カッター
12 耳部
Claims (7)
- 中空状に膨出する多数のキャップが形成されたキャップフィルムと、前記キャップフィルムのキャップ開口側に積層されるバックフィルムと、を備えて長尺なシート状に形成されたプラスチック気泡シートにおいて、
前記シートの幅方向に沿う切断用のミシン目を、前記シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目の少なくとも一端側に、各ミシン目の位置を示す切込みを形成したことを特徴とするプラスチック気泡シート。 - 前記ミシン目は、破断線状に形成される複数の切断孔からなり、前記切込みと前記ミシン目の切断孔との間隔aは、前記ミシン目の切断孔間の間隔bとa≧bの関係にある請求項1記載のプラスチック気泡シート。
- 前記切込みの長さは、前記切込みと前記ミシン目の切断孔との間隔の0.5〜10倍である請求項1又は2記載のプラスチック気泡シート。
- 前記シートの一側縁部又は両側縁部に、前記キャップが形成されない耳部を設け、該耳部に前記切込みを形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック気泡シート。
- 前記ミシン目における切断孔の長さを異ならせたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック気泡シート。
- 前記ミシン目における切断孔を、プラスチック気泡シートを分割したときに、切込みとさせることを特徴とする請求項5記載のプラスチック気泡シート。
- 中空状に膨出する多数のキャップが形成されたキャップフィルムと、前記キャップフィルムのキャップ開口側に積層されるバックフィルムと、を備えて長尺なシート状に形成されたプラスチック気泡シートの製造方法であって、
前記シートの幅方向に沿う切断用のミシン目を、前記シートの長さ方向に所定の間隔をあけて複数形成するとともに、各ミシン目の少なくとも一端側に、各ミシン目の位置を示す切込みを形成するにあたり、該切込みを、前記ミシン目を形成するカッターで前記ミシン目と同時に形成することを特徴とするプラスチック気泡シートの製造方法。
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