JPH106793A - 左右駆動力配分装置 - Google Patents

左右駆動力配分装置

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JPH106793A
JPH106793A JP15846296A JP15846296A JPH106793A JP H106793 A JPH106793 A JP H106793A JP 15846296 A JP15846296 A JP 15846296A JP 15846296 A JP15846296 A JP 15846296A JP H106793 A JPH106793 A JP H106793A
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JP
Japan
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case
transmission shaft
gear
transmission
differential
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JP15846296A
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English (en)
Inventor
Kaoru Sawase
薫 澤瀬
Takaaki Sakuyama
隆昭 作山
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH106793A publication Critical patent/JPH106793A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、横置きエンジンを有する二輪駆動車
に適したコンパクト化、さらには良好な据付性、良好な
組立性が確保できる左右駆動力配分装置を提供する。 【解決手段】本発明は、左右駆動力配分装置の本体ケー
ス25を3つに分けた椀形の前ケース27、壁状部2
6、椀形の後ケース28で構成するとともに伝達軸20
の軸心方向にずれた2つの隣合う室を形成し、このうち
駆動輪側に2組のクラッチ要素を集約させ、フロントデ
フ装置側に増減速機構40を集約させて配置させる構造
にしたので、左右駆動力配分装置11の外形のコンパク
ト化、さらには機器要素をケース26〜28内に内包し
ながらケース間をボルト36で固定するという簡単な組
立作業を実現、加えて取付座29を用いたデフハウジン
グ6に対する容易な取付けを実現し、制約の多い前二輪
駆動車に適したものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスミッショ
ンを介して左右の二輪へ伝わるエンジンから駆動力を配
分を調整可能とした左右駆動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、前・後二輪へ走行に必要な動力を
伝える自動車、いわゆる四輪駆動車では、運動性能を高
めるために、特開平5−345535号公報でも示され
るようにリヤの左右輪へ伝わるトルク(駆動力)の配分
を調整可能とした左右駆動力配分装置を採用することが
行われている。
【0003】この左右駆動力配分装置は、前・後輪へ駆
動力を配分するセンタデフ装置とつながるリヤデフ装置
に設けられる。具体的には、左右駆動力分配装置は、入
力ギヤ、増速ギヤ、減速ギヤが一体に形成された増減速
ギヤを有して構成される増減速機構を用いて、リアデフ
装置の入力、あるいは片方の車輪に向かう出力の回転速
度より増加あるいは減少した回転速度を作り出し、これ
ら各増・減速した回転をリアデフ装置から片方の車輪へ
延びる伝達軸の外周面に回転自在に嵌挿してある増速用
・減速用の回転部材(二種類)を通じて、増減速ギヤか
らずれた位置にある二連形のクラッチ装置へ導く。そし
て、片側のクラッチ装置の摩擦板間にて係合させたり、
もう片側のクラッチ装置の摩擦板間にて係合させること
により、トルクの移動を生じさせて、左右輪に均等に配
分されたトルクの配分率を調整する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、横置きのエン
ジンをトランスミッションと共に搭載した二輪駆動車、
特に前二輪駆動車(FF車)にも、左右駆動力配分装置
を設けて、前二輪駆動車の運動性能を高めることが考え
られている。
【0005】このためには、前二輪駆動車のフロントデ
フ装置(差動装置)に、同様に左右駆動力配分装置を設
けて、フロントデフ装置の差動機能を利用することが求
められる。
【0006】ところが、前二輪駆動車の動力ユニットに
は、狭いエンジンルームに動力ユニット全体が効率よく
収まるよう、特有のレイアウトが採用されているので、
前二輪駆動車にはリアデフ装置に付く左右駆動力配分装
置が、簡単には適用できない。
【0007】すなわち、前二輪駆動車の動力ユニット
は、エンジンが一端にトランスミッションが付いたまま
横置きに配置され、フロントデフ装置がトランスミッシ
ョンと前後方向に隣接した部位に配置されるレイアウト
が採用されて、エンジンルームの全体を占めるようにし
てある。
【0008】そして、この動力ユニットの周囲のエンジ
ンルーム部分を利用して、エンジンから延びる排気管、
ハンドルにつながるステアリングシャフト、さらに左右
輪を操舵するための機器などが挿通されたり配設したり
してある。
【0009】このようなエンジンルームの制約のため、
左右駆動力配分装置は、限られた小さなスペース、特に
エンジンと接近した小さな空間部分に収めることが求め
られる。
【0010】ところが、リアデフ装置に設けた左右駆動
力配分装置は、周囲が開放したリアデフ装置特有の据付
性、さらには装置の組立性を考慮した分割式構造の本体
ケース内に各種機器、各種部材を配設した構造であるの
で、リアデフ装置とは異なる前二輪駆動車特有のエンジ
ンルーム内の限られた小さなスペースには収めきれな
い。
【0011】特に左右駆動力配分装置の外形を決める本
体ケースは、該ケースの分割の仕方、それに応じた各機
器、各部材の配置などに依存して、大きさが変わるため
に、単に分割式の本体ケース内に左右駆動力配分装置を
構成する機器、部材等を収めるだけでは、前二輪駆動車
特有の左右駆動力配分装置のコンパクト化、同じく据付
性、同じく組立性は確保できない。
【0012】このため、簡単には増減速ギヤを用いた左
右駆動力配分装置を前二輪駆動車のフロントデフ装置に
組合わせることができない事情があった。また横置きエ
ンジンを有する後二輪駆動車(MR車、RR車)におい
ても同様の問題があった。
【0013】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、横置きエンジンを有する
二輪駆動車に適したコンパクト化、さらには良好な据付
性、良好な組立性が確保できる左右駆動力配分装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、横置きエンジンの一端に
連設されたトランスミッションの前後方向に近接して設
けられ、入力要素に入力されたトランスミッションから
の動力を2つの出力要素に分配する差動装置と、一方の
出力要素に分配された動力をエンジン側の第1駆動輪に
伝達する第1伝達軸と、他方の出力要素に分配された動
力をトランスミッション側の第2駆動輪に伝達する第2
駆動軸と、入力要素または他方の出力要素と連結され差
動装置の第1駆動輪側に隣接して第1伝達軸に外嵌する
回転伝達部材と、回転伝達部材に噛合される入力ギヤ部
と、入力要素または他方の出力要素からの回転を増速さ
せるための増速ギヤ部と、減速させるための減速ギヤ部
とが一体に形成され、第1伝達軸と略平行な回転軸線を
有し、3つのギヤ部のうちの入力ギヤ部が最も差動装置
側に設けられている増減速ギヤと、回転伝達部材の第1
駆動輪側に隣接して第1伝達軸に外嵌して設けられ、第
1伝達軸方向に延びるとともに、増減速ギヤの第1伝達
軸側に配置された前記増速ギヤ部または減速ギヤ部のう
ちの一方と噛合する噛合部が差動装置側の端部に設けら
れた第1回転部材と、第1回転部材に外嵌して第1伝達
軸方向に延びるとともに、第1回転部材と噛合する一方
のギヤ部の第1駆動輪側に隣接された増速ギヤ部または
減速ギヤ部のうちの他方と噛合する噛合部が差動装置側
の端部に設けられた第2回転部材と、増減速ギヤから軸
線方向に沿って第1駆動輪側にずれて設けられ、第2回
転部材と第1伝達軸とを係合可能な第1クラッチ手段
と、第1クラッチ手段の第1駆動輪側に隣接して設けら
れ、第1回転部材と第1伝達軸とを係合可能な第2クラ
ッチ手段と、第1クラッチ手段を係合させる第1アクチ
ェエータと、第2クラッチ手段を係合させる第2アクチ
ェエータと、差動装置を覆うデフハウジングと、第1伝
達軸が貫通する孔を有するとともに一端面がエンジンと
トランスミッションとが連結される面とほぼ同一面上に
位置してデフハウジングに当接し、増減速ギヤの軸部材
の一端を支持する端板部と、該端板部に連設されるとと
もに第1および第2回転部材の一部と、回転伝達部材の
少なくとも一部と増減速ギヤとを覆うように第1駆動輪
側に向かって軸方向に延びる筒状のハウジング部とを有
する第1のケースと、ハウジング部の先端に連設される
とともに、第1伝達軸と第1および第2回転部材に貫通
される孔を有し、増減速ギヤの軸部材の他端を支持し、
第1駆動輪側の端面に第1アクチュエータを作動させる
ための油圧室が形成された第2のケースと、第2のケー
スの第1駆動輪側に連設されるとともに、第1駆動輪側
の端部に第1伝達軸が貫通される孔を有し、両クラッチ
手段と第1および第2回転部材の残部とを内包し、第1
駆動輪側の内側端面に第2アクチュエータを作動させる
ための油圧室が形成された第3のケースと、デフハウジ
ングと第1のケースとを結合する第1の結合手段と、第
1のケースと第2のケースと第3のケースとを結合する
第2の結合手段と有した左右駆動力配分装置を採用した
ことにある。
【0015】請求項1の左右駆動力配分装置によると、
各種機器、各種部材が収まる、第1〜第3のケースで構
成される本体ケースは、第1のケースの端板部を用い
て、二輪駆動車の差動装置のフロントデフに容易に据付
けられる。
【0016】しかも、本体ケース内には、差動装置から
近い側に第1・第2のケースによる支持で増減速機構の
機器、部材が集約され、この減速機構から離れる方向に
ずれた部位に第2・第3のケースによる支持で増・減速
の二つのクラッチ手段が集約され、第2のケースを貫通
する伝達軸部分に増減速機構と各クラッチ手段との間を
連絡する増・減速用の回転部材が嵌挿されるので、左右
駆動力配分装置はコンパクトな外形のユニットとなる。
【0017】そのうえ、左右駆動力配分装置は、機器,
部材をケース内に内包しながらケース間を結合するとい
う簡単な作業で左右駆動力配分装置の組立てが行える。
これにより、左右駆動力配分装置は、エンジンルームの
領域に対応したコンパクト化、良好な据付性,良好な組
立性がといった3つの要件が両立されるので、制約の多
い横置きエンジンを有する二輪駆動車にも適用できるよ
うになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図7に
示す一実施形態にもとづいて説明する。図1は、前二輪
駆動車(FF車)の動力推進装置の平断面を示してい
て、図1中1は同前二輪駆動車のエンジンルーム(図示
しない)に横置きに搭載されるエンジンである。
【0019】このエンジン端に形成された周囲に張り出
るフライホイールハウジング1aには、例えばトルクコ
ンバータ2(T/C)と一体な自動変速用のトランスミ
ッション3(T/M)が連設されている。
【0020】トランスミッション3の出力部は、カウン
タシャフト4およびカウンタギヤ4aを介して、トルク
コンバー2と隣接して前後方向に配置されたフロントデ
フ装置5(差動装置)に接続されている。そして、フロ
ントデフ装置5は、トランスミッション3のミッション
ケース3aから延びて形成されたデフハウジング6内に
収容してある。
【0021】デフハウジング6は、図3にも示されるよ
うに例えばトルクコンバータ2の取付面2aと隣接する
該取付面2aを延長した線上(同一面)まで延びてい
る。この取付面2aと同一な面を形成する壁部6aに
は、中央にインロー形の通孔8aを有する略円形な取付
面8が形成してある。
【0022】このエンジン1からデフハウジング6まで
のレイアウトは、四輪駆動車で用いられる動力ユニット
をそのまま流用してある。具体的には、四輪駆動車の動
力ユニットは、図4(a)に示されるように前二輪駆動
車と同じレイアウトで、横置きのエンジン1、エンジン
端と連設するトルクコンバータ2、トランスミッション
3、フロント・リヤ側へ駆動力を分配するセンタデフ装
置9を設け、このセンタデフ装置9を収容しているデフ
ハウジング6に形成された側方の取付面8(トランスミ
ッション3が連結される面)に、センタデフ装置9によ
りフロント側に分配された駆動力を前二輪(左右輪)に
分配するフロントデフ装置10のハウジング10aを取
り付けて、四輪駆動を成立させている。なお、10bは
フロントデフ装置10を含むトランファ装置(図示しな
いリアデフ装置へ駆動力を導くもの)を示す。
【0023】前二輪駆動車の動力ユニットは、この四輪
駆動車の動力ユニットのうち、センタデフ装置9の代わ
りにフロントデフ装置5をデフハウジング6内に収容
(置換)させている。
【0024】そして、デフハウジング6の取付面8に
は、図4(b)および図7に示されるように同取付面
8、さらには通孔8a、通孔8aの周りにある複数の固
定用ねじ孔8b(図7に図示)をそのまま共用して、ト
ランスファ装置10a(フロントデフ装置10を含む)
の代わりに左右駆動力配分装置11が取り付けられ、図
3および図4(c)に示されるような駆動力調整機能が
付いた前二輪駆動車用の動力推進装置のレイアウトを成
立させている。
【0025】詳しくは、センタデフ装置9に置き代わる
フロントデフ装置5には、軸心をエンジン前後方向に向
けてデフハウジング6内に配設した遊星歯車構造が用い
られている。
【0026】具体的には、図1および図2に示されるよ
うにフロントデフ装置5は、デフハウジング6内にサン
ギヤ13(出力要素を構成)と内周面にリングギヤ14
(入力要素を構成)が形成された筒形のデフケース15
とを同心円状に配設し、これらサンギヤ13とリングギ
ヤ14との間にプラネタリピニオン17a,17bを噛
み合わせて構成される。
【0027】そして、左前輪(トランスミッション側の
第2駆動輪)につながる伝達軸18(第2伝達軸)は、
デフハウジング6の左壁部を通じて、プラネタリピニオ
ン17a,17aを枢支しているプラネタリキャリア1
9(出力要素を構成)に接続(スプライン嵌合)され
る。また右前輪(エンジン側の第1駆動輪)につながる
伝達軸20(第1伝達軸)は、通孔8aを貫通してサン
ギヤ13に接続(スプライン嵌合)される。
【0028】デフケース15には、カウンタギヤ4aと
噛み合う大径なファイナルギヤ15a(最終減速機を構
成)が設けられていて、トランスミッション3からの出
力でリングギヤ14が回転するようにしてある。そし
て、この回転をプラネタリピニオン17a,17bに
て、両伝達軸18,20に分配しつつその回転差を許容
するようにしている。すなわち、リングギヤ14が回転
すると、プラネタリピニオン17a,17bが自転しな
がらサンギヤ13の周りを公転して伝達軸18へ駆動力
を伝えるとともに、このプラネタリピニオン17a,1
7bの公転と自転との釣り合いにしたがい伝達軸20へ
駆動力を伝えるようにしてある。
【0029】サンギヤ13から通孔8aへ至る伝達軸2
0の外周部には、プラネタリキャリア19につながる筒
状の伝達軸21が回転自在に外嵌されている。なお、伝
達軸21の先端部外周にはスプライン21aが形成して
ある。
【0030】一方、デフハウジング6の取付面8に据え
付けられる左右駆動力配分装置11には、図1および図
2に示されるような構造が採用されている。この左右駆
動力配分装置11を説明すると、25は左右駆動力配分
装置11を構成する本体ケースである。
【0031】この本体ケース25は、図6にも示される
ように壁状部26(第2のケース)の両側に、同壁状部
26を挟むように略椀状の前・後ケース27,28(第
1のケース、第3のケース)を組合わせて構成される。
【0032】このうち前ケース27は、デフハウジング
6の取付面8の外形と対応した端板部で構成される取付
座29を有している。この取付座29の中央には、取付
面8の通孔8a内に差込み可能な筒形の差込部30が形
成してある。また取付座29の周縁部には、デフハウジ
ング6の取付面8をそのまま流用して固定ができるよ
う、当該取付面8に形成してあるねじ孔8b、さらには
ピン8c(図1、図2にだけに図示)などと対応して、
図6および図7に示されように通孔31が形成してあ
る。
【0033】取付座29の外周部からは、差込部30と
は反対側(右前輪側)に向かって軸方向に延びる筒状の
ハウジング部32が形成されている。なお、32bはハ
ウジング端に形成された結合用のフランジ部を示す。
【0034】また後ケース28は、端壁部28aの中央
に貫通孔33aを形成してなる有底筒状のハウジング部
33から構成される。なお、34はハウジング端に形成
された結合用のフランジ部を示す。
【0035】壁状部26は、中央に貫通孔26aを有
し、両側面にフランジ部32b,34(前・後ケース2
7,28)と重合可能な重合面35a,35bを有する
円板状部材から構成される。
【0036】本体ケース25は、壁状部26の重合面3
5a,35bに、前ケース27、後ケース28のフラン
ジ部32b,34を重ね合わせて、壁状部26とフラン
ジ部34同士、壁状部26とフランジ部32b同士を固
定、例えばボルト36(第2の結合手段)で結合するこ
とにより構成される。
【0037】そして、この前ケース27、壁状部26、
後ケース28を連設するケース構造によって、短全長の
本体ケース25を構成している。また本体ケース25
は、デフハウジング6の通孔8aに前ケース27の差込
部30を差し込み、前ケース27の取付座29をデフハ
ウジング6の取付面8に突き合わせて、図3および図7
に示されるように取付面8と取付座29同士をボルト3
7(第1結合手段)で結合することにより、デフハウジ
ング6に固定させてある。
【0038】ここで、トルクコンバータ2の取付面2a
とデフハウジング6の取付面8とは、同一面上で近接し
て配置されているから、本体ケース25がエンジン1側
から張り出ているフライホイールハウジング1aと干渉
するおそれがある。
【0039】そこで、これを避けるために前ケース27
のハウジング部32には、図3および図7に示されるよ
うに張り出たフライホイールハウジング部分を逃がすよ
う、一部、凹陥した凹陥部32aが形成してある。
【0040】そして、このケース構造で、本体ケース2
5内の空間部分、詳しくは前ケース27と壁状部26と
で囲まれる空間にギヤ室38を構成し、右前輪側へずれ
た壁状部26と後ケース28とで囲まれる空間にクラッ
チ室39を構成している。
【0041】またデフハウジング6から延びる伝達軸2
0が、本体ケース25の各貫通孔、すなわち差込部30
の内腔、貫通孔26a、貫通孔33aを貫通して、右前
輪側へ突き出ている。
【0042】そして、図1〜図3、図5〜図7に示され
るようにギヤ室29には増減速機構40が配設され、ま
たクラッチ室30にはクラッチ装置60が配設され、左
右輪へのトルク配分を調整する駆動力配分機構11aを
構成している。
【0043】ここで、増減速機構40を説明すれば、図
中41はギヤ室38のうち、伝達軸20を挟むエンジン
1側と反対側のエンジン1から逃げた(離れた)部位に
配設された増減速ギヤ(1つ)である。
【0044】増減速ギヤ41は、前ケース27の取付座
裏面部とこれに向き合う壁状部材26の側面にそれぞれ
形成された軸受部42によって支持される軸部43(軸
部材)に回転自在に支持されている。軸部43は、伝達
軸20の軸線と略平行に設けられている。また増減速ギ
ヤ41は、フロントデフ装置5側から順に、入力ギヤ4
4(入力ギヤ部)、この入力ギヤ44より歯数が多い増
速ギヤ45(増速ギヤ部)、入力ギヤ44より歯数が少
ない減速ギヤ46(減速ギヤ部)が一体に設けられてい
る。なお、このギヤ44〜46の並びは入力ギヤ44だ
けが最もフロントデフ装置5側に配置されていれば、入
力ギヤ44と隣合うギヤは上記のような増速ギヤ45、
減速ギヤ46の順でも、逆減速ギヤ46、増速ギヤ45
の順でもよい。
【0045】そして、入力ギヤ44が、伝達軸20の外
周部に回転自在に外挿された中継軸47に噛み合ってい
る。具体的には、中継軸47は、取付座29に設けた軸
受48によって、伝達軸20と同軸なすように回転自在
に支持してある。そして、クラッチ室39側の端部には
入力ギヤ44と噛み合うカウンタギヤ49が一体に設け
てある。またフロントデフ装置5側の端部には、フロン
トデフ装置5から突き出ている伝達軸21のスプライン
21aと挿脱自在なスプライン部47aが形成されてい
る。このスプライン部47aの先端部は、差込部30の
先端近くまで配置されていて、本体ケース25の差込部
30をデフハウジング6の通孔8aに差し込むと、通孔
8aに臨んでいる伝達軸21のスプライン21aに噛み
合うようにしてある。
【0046】このつながる伝達軸21、中継軸47(双
方にて回転伝達部材を構成)を通じて、左前輪へ伝達さ
れる駆動力を増減速ギヤ41へ入力させるようにしてあ
る。また増速ギヤ45は、カウンタギヤ49のクラッチ
室39側(右前輪側)と隣接する伝達軸20の外周面に
嵌挿された筒形の回転部材52に入力され、減速ギヤ4
6は、この回転部材52に回転自在に外嵌された筒形の
回転部材53に入力されるようにしてある。
【0047】具体的には、回転部材52の入力ギヤ44
側の端部には、残るクラッチ室39側(右前輪側)に隣
接する増・減速ギヤ45,46の一方、例えば増速ギヤ
45と噛み合う増速用のギヤ部50(噛合部)が形成さ
れている。また回転部材53の入力ギヤ44側の端部に
は、同じく他方、例えば減速ギヤ46と噛み合う減速用
のギヤ部51(噛合部)が形成されていて、増減速ギヤ
41で増・減速された回転をそれぞれ受け入れるように
してある。
【0048】そして、これら回転部材52,53は、壁
状部26の貫通孔26aを貫通して、右前輪側に有るク
ラッチ室39へ延びていて、増速・減速された回転を同
クラッチ室39内のクラッチ装置、例えば油圧駆動の多
板式の二連形構造を採用したクラッチ装置60へ出力さ
せるようにしてある。
【0049】ここで、クラッチ装置60について説明す
れば、図中61は、伝達軸20と同心でクラッチ室39
の外周側に配置された、例えばクラッチ室39の円形断
面より若干小さい外径に定められた円筒状のハウジング
部、62は後ケース28の端壁部を貫通する伝達軸部分
にスプライン嵌合されたボス部である。そして、ハウジ
ング部61の右前輪側の端部は、同部分から延びる端壁
部63aを介し、ボス部62に一体に連結してある。な
お、ハウジング部61の増減速機構11側の端部にも端
壁部63bが設けてある。
【0050】またボス部62は、後ケース28の端壁部
28aに設けた軸受64により、伝達軸20と共に回転
自在に支持されていて、伝達軸20からの駆動力をハウ
ジング部61に伝えるようにしてある。
【0051】ハウジング部61の内周面には、幅方向両
側に位置して、例えば複数枚のリング状の摩擦板65を
軸方向に移動可能に支持してなる二組の摩擦板ユニット
656a,65bが設けられている。
【0052】このうち摩擦板ユニット65aの摩擦板間
には、回転部材53の延出端に支持(スプライン嵌合に
よる)されたディスク支持体66aに設けてあるリング
状の複数のクラッチディスク67aが介在されていて、
端壁部63bに設けた油圧ピストン68aで摩擦板群に
押圧力を与え、摩擦板65とクラッチディスク67aと
の係合で回転差のある伝達軸20と回転部材53とを係
合させることにより、「速度の速い側から遅い側へトル
クが伝達される」という原理で、フロントデフ装置5の
差動機能を利用して、右前輪へ配分されたトルクを左前
輪へ移動させるようにしてある(第2クラッチ手段)。
【0053】また摩擦板ユニット65bの摩擦板間に
は、回転部材52の延出端に支持(スプライン嵌合によ
る)されたディスク支持体66bに設けてあるリング状
の複数のクラッチディスク67bが介在されていて、端
壁部63aに設けた油圧ピストン68bで摩擦板群に押
圧力を与え、摩擦板65とクラッチディスク67aとの
係合で回転差のある伝達軸20と回転部材52とを係合
させることにより、同じで原理で、フロントデフ装置5
の差動機能を利用して、左前輪へ配分されたトルクを右
前輪へ移動させるようにしてある。
【0054】さらに述べれば、油圧ピストン68aと対
向する壁状部26における右前輪側の側面部分と、油圧
ピストン68bと対向する後ケース28における右前輪
側の端壁部28aの裏面部分には、一対の油圧を受け入
れる例えばリング状の油圧室69a,69b、同油圧室
69a,69bに加わる油圧にて油圧ピストン68a,
68bを押圧するアクチュエータ70a,70b(第1
アクチュエータ、第2アクチュエータ)が設けられてい
て、油圧室69aあるいは油圧室69bに導入される油
圧により、先に述べたトルク移動の調整に必要な制御が
行われるようにしてある。
【0055】なお、二組のクラッチ要素および増減速機
構40の各ギヤは、いずれも取付座29側にできる限り
寄せて配置してある。一方、ギヤ室38の内底部には、
図3および図7に示されるように例えば増減速ギヤ41
を浸漬するように潤滑油72を貯溜する油溜め部73が
形成されている。またこの油溜め部73は、例えば壁状
部26の下部を厚み方向に沿って貫通する戻り通路74
(図2に図示)を通じて、クラッチ室39の内底部と連
通していて、図7に示されるようにクラッチ室39の下
側にも潤滑油72を溜めて、図3中の二点鎖線でも示さ
れるように摩擦板65a,65b、クラッチディスク6
7a,67bの一部を浸漬させている。
【0056】これら油溜め部73およびクラッチ室39
の下部に形成される油溜め部75に溜まる潤滑油72
で、増減速ギヤ41の噛合部等の潤滑、クラッチ装置6
0の冷却等を行えるようにしている。
【0057】また減速用の回転部材53の外周部には、
クラッチ装置60の回転を利用した油給送ポンプ76が
設けられている。油給送ポンプ76は、壁状部26の貫
通孔26aを貫通している減速用の回転部材53の外周
部に、端壁部63bと一体な筒形のボス部77を回転自
在に設け、このボス部71の内周面に軸方向に連続して
延びる螺旋状の油給送溝78を形成してなる。
【0058】螺旋状の油給送溝78は、ハウジング部6
1の回転を受けて、回転部材53の回りを相対回転する
と、ギヤ室38の油溜め部73からディスク支持体66
a,66bへ潤滑油72を給送する機能を有している。
【0059】この油給送により、潤滑油72はディスク
支持体66a,66bに設けられた外径方向へ延びる孔
(図示せず)を通りクラッチディスク67a,67bに
送り込まれ、クラッチ装置60の冷却を行うとともに、
油溜め部73内,油溜め部75内の潤滑油72を流動さ
せるようにしてある。
【0060】またボス部77と貫通孔26aの内面との
間には、軸受79が介装されていて、給送機能をもつボ
ス部77を利用して、ハウジング部61の残る片側を回
転自在に支持させている。
【0061】つぎに、このように構成された前二輪駆動
車の左右駆動力配分装置11の作用について説明する。
エンジン1(E/G)から出力された回転は、トルクコ
ンバータ2(T/C)、トランスミッション3(T/
M)を通じ、カウンタシャフト4へ出力される。
【0062】この回転は、カウンタギヤ4aからファイ
ナルギヤ15aを経て、フロントデフ装置5の入力要素
となるリングギヤ14へ入力される。そして、このリン
グギヤ14の回転が、フロントデフ装置5の一方の出力
要素となる自転・公転運動をなすプラネタリピニオン1
7a,17b、プラネタリキャリア19を経て、伝達軸
18から左前輪へ出力される。
【0063】またリンクギヤ14の回転は、プラネタリ
ピニオン17a,17bを通じて、フロントデフ装置5
の他方の出力要素となるサンギヤ13を経て、伝達軸2
0から右前輪へ出力される。
【0064】こうしたフロントデフ装置5の動きによ
り、均等、具体的には50:50の割合で、左右輪に均
等なトルクを伝達しつつ(左右輪分配)、左右輪の回転
(速度)差をプラネタリピニオン17a,17bの挙動
で許容する。
【0065】そして、このときのプラネタリキャリア1
9から出力される回転とサンギヤ13から出力される回
転が、フロントデフ装置5の通孔8aを介して、エンジ
ン1と隣接して設置してある左右駆動力配分装置11へ
伝わる。
【0066】詳しくは、プラネタリキャリア19の回転
は、伝達軸21、中継軸47、カウンタギヤ49を経
て、入力ギヤ44から増減速ギヤ41へ伝達される。こ
の回転は、噛み合う増速ギヤ45と増速用のギヤ部50
とにより増速されて、回転部材52、ディスク支持体6
6bを経て、クラッチディスク67bへ出力される。と
同時にプラネタリキャリア19の回転は、噛み合う減速
ギヤ46と減速用のギヤ部51とにより減速されて、回
転部材53、ディスク支持体66aを経て、クラッチデ
ィスク67aへ出力される。
【0067】またサンギア13の回転は、伝達軸20、
端壁部63a、ハウジング部61を経て、二組の摩擦板
ユニット65a,65bの摩擦板65に一度に伝達され
る。このとき、摩擦板ユニット65a,65bがオフ状
態(摩擦板65とクラッチディスク67a,67bとが
非係合)であれば、通常にフロントデフ装置5の差動機
能が発揮され、操舵される左・右輪を均等なトルクで駆
動させる。
【0068】ここで、油圧室69bに油圧を供給し、ア
クチュエータ70bで油圧ピストン68bを押動させ
て、摩擦板ユニット65bをオン状態にすれば、右輪に
伝わるトルクが増加するようトルク配分が調整される。
【0069】すなわち、油圧ピストン68bが押動する
と、異なる回転数で回転している摩擦板ユニット65b
の摩擦板65とクラッチディスク67bとの相互の摩擦
面が密接していく。
【0070】このとき、クラッチディスク67bは、増
速されているから、摩擦板65との間でスリップが起き
る。ここで、トルクは速度の速い側から遅い側へ伝達さ
れるから、クラッチディスク67bから摩擦板65へト
ルクは移る。
【0071】すると、伝達軸20のトルクは増加する。
またこのトルクの増加分、リングギヤ14からプラネタ
リキャリア19を介して伝達軸18に分配されるトルク
は減少する。
【0072】これにより、右輪に伝わるトルクが
「増」、左輪に伝わるトルクが「減」となるトルクの配
分率に調整される。また油圧室69aに油圧を供給し、
アクチュエータ70aで油圧ピストン68aを押動させ
て、摩擦板ユニット65aをオン状態にすれば、逆に左
輪に伝わるトルクが増加するよう配分される。
【0073】すなわち、油圧ピストン68aが押動する
と、異なる回転数で回転している摩擦板ユニット65a
の摩擦板65とクラッチディスク67aとの摩擦面が密
接していく。
【0074】このとき、クラッチディスク67aは、減
速されているから、摩擦板65との間でスリップが起き
る。そして、このとき「トルクは速度の速い側から遅い
側へ伝達される」という原理から、伝達軸20のトルク
は、回転の遅いクラッチディスク67a、増減速ギヤ4
1、中継軸47、伝達軸21を通じて、フロントデフ装
置5のプラネタリキャリア19から伝達軸18に伝達さ
れていく。
【0075】これにより、左輪に伝わるトルクが
「増」、右輪に伝わるトルクが「減」となるトルクの配
分率に調整される。またこうした左右輪のトルク配分を
調整する左右駆動力配分装置11を前二輪駆動車の動力
ユニットに取り付けるときは、図4に示されるようにト
ランスファ装置10を外し、センタデフ装置9からフロ
ントデフ装置5に置換えた四輪駆動車の動力ユニットを
用意し、この動力ユニットのデフハウジング6に、あら
かじめユニット化された左右駆動力配分装置11を取り
付ければよい。
【0076】すなわち、左右駆動力配分装置11を組立
てるときは、まず、例えば前ケース27を基準とし、ハ
ウジング部32の開放側から内部へ、増減速機構40を
構成する機器、部材、つまり増減速ギヤ41、同心状に
組合わせた中継軸47、回転部材52,53を挿入し
て、これら端部を取付座29に支持させる。
【0077】すると、中継軸47は差込部30の内腔に
臨む先端部を除く全体、増減速ギヤ41は全体、回転部
材52,53はギヤ側の端部が、ハウジング部32内で
覆われるように前ケース27内に収まる。
【0078】つぎに、この前ケース27のフランジ端に
壁状部26を重ね合わせる。このときには、前ケース2
7のフランジ端に、増減速ギヤ41の残る端部と軸受部
42とが合致するよう、また前ケース27のフランジ端
から突き出ている回転部材52,53の端部が貫通孔2
6を貫通するよう、壁状部26のギヤ室側の側面を突き
合わせる。そして、前ケース端と壁状部26とをボルト
36で結合する。
【0079】これにより、増減速ギヤ41の残る端部は
回転自在に支持される。壁状部26を前ケース27に連
設したならば、クラッチ装置60のボス部77を壁状部
26から突き出ている回転部材53の外周面に嵌挿させ
て、ディスク支持体66a,66bを壁状部26から突
き出ている回転部材52,53のスプライン嵌合させる
とともに、クラッチ装置60の片側を壁状部26の側面
に形成されている油圧室69a、同油圧室69aに設け
たアクチュエータ70aに組合わせる。
【0080】つぎに、後ケース28で、壁状部26から
突き出ているクラッチ装置60の二組の要素を周囲から
覆うようにフランジ端を壁状部26の側面に突き当て、
その後、ボルト36をフランジ部34から壁状部26を
通して前ケース27のフランジ端へ螺挿する。
【0081】すると、クラッチ装置60が後ケース28
の側面に形成されている油圧室69b、同油圧室69b
に設けたアクチュエータ70aと組合わさりながら回転
部材52,53の残部と共に後ケース28に内包され
る。
【0082】つまり、機器要素をケース26〜28内に
内包しながら、ケース間をボルト36で固定するという
簡単な作業で左右駆動力配分装置11は組立てられる
(生産性:優)。
【0083】そして、本体ケース25を略椀状の前・後
ケース27,28と壁状部26とで構成することによ
り、コンパクトな左右駆動力配分装置11が組上がる。
つまり、前ケース27は、取付座29とハウジング部3
2とで構成され、取付座29の他の部材との結合はデフ
ハウジング6の取付面8との数箇所の結合だけであるた
め、凹陥部32aが確保されるとともにコンパクトに形
成される。
【0084】また後ケース28が有底筒状に形成され、
右前輪側端部の端壁部28aから離れた位置で壁状部2
6と結合するので、右前輪側端部をコンパクトに形成す
るころができる。
【0085】よって、本体ケース25はコンパクトに構
成される。すなわち、3つに分けた椀形の前ケース2
7、壁状部26、椀形の後ケース28で、伝達軸20の
軸心方向に2つの隣り合う室(ギヤ室、クラッチ室)を
形成し、駆動輪側の室内に2組のクラッチ要素(クラッ
チ装置60)を集約させ、フロントデフ装置側の室内に
増減速機構40を集約させて構成される左右駆動力配分
装置11は、コンパクトに形成された本体ケース25に
収容されるので、コンパクトな外形となる。
【0086】なお、伝達軸20を挟んでエンジン1の反
対側に配置した増減速ギヤ41を、伝達軸20に近接す
るよう配置すると、左右駆動力配分装置11の外形は、
一層、コンパクト化となる。
【0087】そして、このようにして構成された左右駆
動力配分装置11の取付座29を、図5に示されるよう
に四輪駆動車の動力ユニットをベースとして構成された
前二輪駆動車のデフハウジング6の取付面8に、正対さ
せ、この状態から取付面8と取付座29とが当接するま
で、前ケース27の差込部30を通孔8aへ差し込ん
で、中継軸47の端部を伝達軸21の端部にスプライン
嵌合させた後、デフハウジング6と前ケース27の取付
座29とをボルト37で結合すれば、左右駆動力配分装
置11はデフハウジング11に据付けられる。
【0088】つまり、左右駆動力配分装置11は、前ケ
ース27に設けた取付座29にて、容易にデフハウジン
グ6に据付けられる。このように左右駆動力配分装置1
1は、前二輪駆動車のエンジンルームの領域に対応した
コンパクト化、良好な据付性,良好な組立性がといった
3つの要件が両立される。
【0089】したがって、制約の多い前二輪駆動車のフ
ロントデフ装置5に容易に左右駆動力配分装置11を組
合わせることができる。なお、一実施形態では、遊星歯
車式のフロントデフ装置を用いた例を挙げたが、これに
限らず、ベベルギヤ式のフロントデフ装置を用いてもよ
い。むろん、入力要素から増減速機構へ回転を入力させ
てトルクを調整せるようにしてもよい。
【0090】また一実施形態ではトルクコンバータを用
いた自動変速装置を採用した例を挙げたが、他の自動変
速方式の変速装置を用いた構造でも、手動変速方式の変
速装置を用いてもよい。
【0091】また一実施形態では前二輪駆動車(FF
車)における例を挙げたが、これに限らず、横置きエン
ジンを有する後二輪駆動車(MR車、RR車)に採用し
てもよく、同様の効果が得られる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、制約の多い前二輪駆動車に適したコンパク
ト化、良好な据付性、良好な組立性が得られる左右駆動
力配分装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の前二輪駆動車の動力ユニ
ットを、同動力ユニットに装着した左右駆動力配分装置
と共に示す一部断面した平面図。
【図2】同左右駆動力配分装置を拡大して示す平断面
図。
【図3】図2中のA−A線に沿う左右駆動力配分装置の
断面図。
【図4】四輪駆動車の動力ユニットをベースとして、左
右駆動力配分装置が付いた前二輪駆動車が製作されるま
でを説明するための図。
【図5】左右駆動力配分装置が、フロントデフ装置から
分解された断面図。
【図6】左右駆動力配分装置の分解した断面図。
【図7】動力ユニットの取付面に左右駆動力配分装置の
本体ケースが取り付く作業を説明するための図。
【符号の説明】
1…横置きエンジン 3…トランスミッション 4…シリンダ 5…フロントデフ装置(差動装置) 6…デフハウジング 8…取付面 11…左右駆動力配分装置 18…伝達軸(第2伝達軸軸) 20…伝達軸(第1伝達軸) 21,47…伝達軸,中継軸(回転伝達部材) 41…増減速ギヤ 43…軸部(軸部材) 44…入力ギヤ(入力ギヤ部) 45…増速ギヤ(増速ギヤ部) 46…減速ギヤ(減速ギヤ部) 50,51…増速用のギヤ部,減速用のギヤ部(噛合
部) 52…回転部材(第1回転部材) 53…回転部材(第2回転部材) 66a,67a…摩擦板ユニット,クラッチディスク
(第1クラッチ手段) 66b,67b…摩擦板ユニット,クラッチディスク
(第2クラッチ手段) 70a…アクチュエータ(第1) 70b…アクチュエータ(第2) 26…壁状部(第2のケース) 26a…貫通孔(第1のケースの貫通孔) 27…前ケース(第1のケース) 28…後ケース(第3のケース) 29…取付座 30…筒形の差込部(第1のケースの貫通孔) 32…筒状のハウジング部 69a,69b…油圧室 36…ボルト(第1の結合手段) 37…ボルト(第2の結合手段)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横置きエンジンの一端に連設されたトラ
    ンスミッションの前後方向に近接して設けられ、入力要
    素に入力されたトランスミッションからの動力を2つの
    出力要素に分配する差動装置と、 前記一方の出力要素に分配された動力をエンジン側の第
    1駆動輪に伝達する第1伝達軸と、 前記他方の出力要素に分配された動力をトランスミッシ
    ョン側の第2駆動輪に伝達する第2駆動軸と、 前記入力要素または前記他方の出力要素と連結され前記
    差動装置の前記第1駆動輪側に隣接して前記第1伝達軸
    に外嵌する回転伝達部材と、 前記回転伝達部材に噛合される入力ギヤ部と、前記入力
    要素または前記他方の出力要素からの回転を増速させる
    ための増速ギヤ部と、減速させるための減速ギヤ部とが
    一体に形成され、前記第1伝達軸と略平行な回転軸線を
    有し、前記3つのギヤ部のうちの前記入力ギヤ部が最も
    前記差動装置側に設けられている増減速ギヤと、 前記回転伝達部材の前記第1駆動輪側に隣接して前記第
    1伝達軸に外嵌して設けられ、前記第1伝達軸方向に延
    びるとともに、前記増減速ギヤの前記第1伝達軸側に配
    置された前記前記増速ギヤ部または減速ギヤ部のうちの
    一方と噛合する噛合部が前記差動装置側の端部に設けら
    れた第1回転部材と、 前記第1回転部材に外嵌して前記第1伝達軸方向に延び
    るとともに、前記第1回転部材と噛合する前記一方のギ
    ヤ部の前記第1駆動輪側に隣接された前記増速ギヤ部ま
    たは前記減速ギヤ部のうちの他方と噛合する噛合部が前
    記差動装置側の端部に設けられた第2回転部材と、 前記増減速ギヤから軸線方向に沿って前記第1駆動輪側
    にずれて設けられ、前記第2回転部材と前記第1伝達軸
    とを係合可能な第1クラッチ手段と、 前記第1クラッチ手段の第1駆動輪側に隣接して設けら
    れ、前記第1回転部材と前記第1伝達軸とを係合可能な
    第2クラッチ手段と、 前記第1クラッチ手段を係合させる第1アクチェエータ
    と、 前記第2クラッチ手段を係合させる第2アクチェエータ
    と、 前記差動装置を覆うデフハウジングと、 前記第1伝達軸が貫通する孔を有するとともに一端面が
    前記エンジンと前記トランスミッションとが連結される
    面とほぼ同一面上に位置して前記デフハウジングに当接
    し、前記増減速ギヤの軸部材の一端を支持する端板部
    と、該端板部に連設されるとともに前記第1および第2
    回転部材の一部と、前記回転伝達部材の少なくとも一部
    と前記増減速ギヤとを覆うように前記第1駆動輪側に向
    かって軸方向に延びる筒状のハウジング部とを有する第
    1のケースと、 前記ハウジング部の先端に連設されるとともに、前記第
    1伝達軸と前記第1および第2回転部材に貫通される孔
    を有し、前記増減速ギヤの軸部材の他端を支持し、前記
    第1駆動輪側の端面に前記第1アクチュエータを作動さ
    せるための油圧室が形成された第2のケースと、 前記第2のケースの前記第1駆動輪側に連設されるとと
    もに、前記第1駆動輪側の端部に前記第1伝達軸が貫通
    される孔を有し、前記両クラッチ手段と前記第1および
    第2回転部材の残部とを内包し、前記第1駆動輪側の内
    側端面に前記第2アクチュエータを作動させるための油
    圧室が形成された第3のケースと、 前記デフハウジングと前記第1のケースとを結合する第
    1の結合手段と、 前記第1のケースと前記第2のケースと前記第3のケー
    スとを結合する第2の結合手段と、 を具備したことを特徴とする左右駆動力配分装置。
JP15846296A 1996-06-19 1996-06-19 左右駆動力配分装置 Withdrawn JPH106793A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4665315A (en) * 1985-04-01 1987-05-12 Control Data Corporation Method and apparatus for in-situ plasma cleaning of electron beam optical systems
US4878520A (en) * 1984-06-07 1989-11-07 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Heat insulating structures for low-temperature or cryogenic pipings

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