JP2017141929A - 伝動装置 - Google Patents

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Ryosuke Asai
亮輔 淺井
圭宏 吉田
Yoshihiro Yoshida
圭宏 吉田
右典 新庄
Sukenori Shinjo
右典 新庄
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Abstract

【課題】第1軸線を中心軸線とする第1伝動部材と、第1軸線回りに回転する第1伝動軸、及び第1軸線から偏心した第2軸線を中心軸線とする偏心軸部が連結された軸部材と、偏心軸部に回転自在に支持される第2伝動部材と、第1軸線回りに回転する第2伝動軸に同軸上で連結される第3伝動部材と、第1,第2伝動部材間の第1変速機構と、第2,第3伝動部材間の第2変速機構とを備えた伝動装置において、変速機構で発生するスラスト荷重を単一の伝動軸の引張荷重として受け止めてケーシングの薄肉軽量化を図りながら、ケーシングに対する伝動軸の軸方向位置決めを特別な位置決め手段を設けず行えるようにする。【解決手段】第1伝動部材5がケーシングCの一側壁Caに隣接配置され、第1伝動軸上に固設した第1及び第2挟持部材により、第1〜第3伝動部材5,8,9がケーシングCの前記一側壁Caと共に挟持される。【選択図】 図1

Description

本発明は、伝動装置、特に第1軸線を中心軸線とする第1伝動部材と、第1軸線回りに回転する第1伝動軸、及び第1軸線から偏心した第2軸線を中心軸線とする偏心軸部を一体に連結した軸部材と、偏心軸部に回転自在に支持されると共に第1伝動部材に対向する第2伝動部材と、第1軸線を中心軸線とする第2伝動軸に同軸上で連結されると共に第2伝動部材に対向する第3伝動部材と、第1及び第2伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構と、第2及び第3伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構と、第1〜第3伝動部材を第1軸線回りに回転可能に支持する収容するとともに、第1伝動部材が相対回転不能に連結されるケーシングとを備える伝動装置に関する。
上記伝動装置は、例えば特許文献1に示されるように従来公知であり、このものでは、第1変速機構が、第1伝動部材の、第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状の第1伝動溝と、第2伝動部材の、第1伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状で波数が第1伝動溝とは異なる第2伝動溝と、第1及び第2伝動溝の複数の交差部に介装され、それら第1及び第2伝動溝を転動しながら第1及び第2伝動部材間の変速伝動を行う複数の第1転動体とを有し、第2変速機構が、第2伝動部材の、第3伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状の第3伝動溝と、第3伝動部材の、第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状で波数が第3伝動溝とは異なる第4伝動溝と、第3及び第4伝動溝の複数の交差部に介装され、それら第3及び第4伝動溝を転動しながら第2及び第3伝動部材間の変速伝動を行う複数の第2転動体とを有している。そして、この構造では、例えば各伝動部材を板状に構成することで、伝動装置の軸方向の扁平小型化を図り得る利点がある。
特開2003−172419号公報 特開2009−24765号公報
ところで特許文献1に示されるような従来の伝動装置では、第1,第2変速機構で発生するスラスト荷重を、第1〜第3伝動部材を収容するケーシングの両側壁で支持する構造となっている。そのため、このケーシングは、上記スラスト荷重に耐え得るように各部の肉厚を厚く設定する必要があり、該ケーシング、延いては伝動装置全体の重量増を招いてしまう不都合がある。
また特許文献2の図9に示される転動ボール式変速機では、伝動部材相互間のボール変速機構で発生するスラスト荷重を、1個の伝動軸上で支持するようにしているが、この変速機構のケーシングは、ケーシング内の入・出力側伝動部材に各々連結した入・出力軸を単に両側壁で回転可能に支持しているだけであって、その入・出力軸のケーシングに対する軸方向位置決めを行うための特別な位置決め手段が必要となる。そのため、伝動装置の構造がそれだけ複雑化するだけでなく、ケーシングと入・出力軸との各間に軸方向のガタが多少とも生じて、騒音の発生要因となる虞れが有る。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、第1,第2変速機構で発生するスラスト荷重を単一の軸部材(第1伝動軸)の引張荷重として強固に受け止め得るようにしてケーシングの薄肉軽量化を図りながら、ケーシングに対する伝動軸の軸方向位置決めを、特別な位置決め手段を設けずともガタなく的確に行い得るようにした伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1軸線を中心軸線とする第1伝動部材と、第1軸線回りに回転する第1伝動軸、及び第1軸線から偏心した第2軸線を中心軸線とする偏心軸部を一体に連結した軸部材と、前記偏心軸部に回転自在に支持されると共に前記第1伝動部材に対向する第2伝動部材と、第1軸線を中心軸線とする第2伝動軸に同軸上で連結されると共に前記第2伝動部材に対向する第3伝動部材と、前記第1及び第2伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構と、前記第2及び第3伝動部材間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構と、前記第1及び第2伝動軸を第1軸線回りに回転可能に支持するとともに、前記第1伝動部材が相対回転不能に連結されるケーシングとを備え、前記第1変速機構が、前記第1伝動部材の、前記第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状の第1伝動溝と、前記第2伝動部材の、前記第1伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状で波数が第1伝動溝とは異なる第2伝動溝と、第1及び第2伝動溝の複数の交差部に介装され、それら第1及び第2伝動溝を転動しながら前記第1及び第2伝動部材間の変速伝動を行う複数の第1転動体とを有し、前記第2変速機構は、前記第2伝動部材の、前記第3伝動部材との対向面に在り且つ第2軸線を中心とする波形環状の第3伝動溝と、前記第3伝動部材の、前記第2伝動部材との対向面に在り且つ第1軸線を中心とする波形環状で波数が第3伝動溝とは異なる第4伝動溝と、第3及び第4伝動溝の複数の交差部に介装され、それら第3及び第4伝動溝を転動しながら前記第2及び第3伝動部材間の変速伝動を行う複数の第2転動体とを有し、前記第1及び第2伝動軸間で変速伝動を行い、又は前記ケーシングから前記第1及び第2伝動軸に回転トルクを分配するようにした伝動装置であって、前記第1伝動部材が前記ケーシングの一側壁に隣接配置され、前記第1伝動軸上に固設した第1及び第2挟持部材により、前記第1,第2及び第3伝動部材が前記ケーシングの前記一側壁と共に挟持されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記第1伝動軸に対し相対回転可能に配置される前記第3伝動部材の外側面がスラスト軸受を介して前記第2挟持部材に支持され、前記第2伝動軸が前記第3伝動部材にスプライン嵌合されると共に、それら第2伝動軸及び第3伝動部材間に、前記スラスト軸受及び前記第2挟持部材を収容するスペースが設けられることを第2の特徴とする。
また本発明は、前記第1又は第2の特徴に加えて、前記ケーシングの前記一側壁に、電動モータのステータを収容支持するモータケースが一体に連設され、その電動モータのロータが前記第1伝動軸に前記第1挟持部材を以て固定されることを第3の特徴とする。
また本発明は、前記第3の特徴に加えて、前記第2伝動軸は、前記ケーシングの他側壁に第1の軸受を介して支持されると共に、その第1の軸受より軸方向内方側に離間した第2の軸受を介して前記ケーシングの中間部内壁に支持され、前記第2伝動軸の、前記第1の軸受より外方に延出する部分に車輪が取付けられることを第4の特徴とする。
また本発明は、前記第4の特徴に加えて、前記第2伝動軸は、前記第3伝動部材にスプライン嵌合される筒軸と、この筒軸の内周面に内端部が圧入される軸本体とを含み、その軸本体の、前記第1の軸受より外方に延出する部分に前記車輪の取付部が設けられることを第5の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、第1〜第3伝動部材を収容するケーシングの一側壁に第1伝動部材が隣接配置され、第1伝動軸上に固設した第1及び第2挟持部材により、第1〜第3伝動部材がケーシングの前記一側壁と共に挟持されるので、第1,第2変速機構で発生するスラスト荷重を単一の軸部材(特に第1伝動軸)に引張荷重として単独で強固に受け止めることができる。これにより、そのスラスト荷重がケーシングの両側壁を離反させるように作用することはなくなり、それだけケーシングの荷重負担が軽減されるため、ケーシングの薄肉軽量化、延いては伝動装置の小型軽量化に寄与することができる。しかも第1伝動部材に隣接するケーシング一側壁が第1〜第3伝動部材と共に、第1伝動軸上の第1及び第2挟持部材により挟持されることにより、ケーシングに対する第1伝動軸の軸方向位置決めを、特別な位置決め手段を設けずともガタなく的確に行うことが可能となり、伝動装置の構造簡素化や騒音発生防止に寄与することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、第1伝動軸に対し相対回転可能な第3伝動部材の外側面がスラスト軸受を介して第2挟持部材に支持されるので、第1伝動軸及び第3伝動部材相互のスムーズな相対回転を確保しながら、第3伝動部材からのスラスト荷重を第2挟持部材に支持させることができる。その上、第2伝動軸が第3伝動部材にスプライン嵌合されると共に、それら第2伝動軸及び第3伝動部材間に、スラスト軸受及び第2挟持部材を収容するスペースが設けられるので、第2伝動軸を第3伝動部材から分離させた状態で、上記スラスト軸受及び第2挟持部材の、第1伝動軸に対する装着・離脱作業を容易に行うことが可能となり、その装着状態では、スラスト軸受及び第2挟持部材に邪魔されることなく、第3伝動部材への第2伝動軸のスプライン嵌合が可能となるから、組立作業性が良好である。
また、本発明の第3の特徴によれば、ケーシングの前記一側壁に、電動モータのステータを収容支持するモータケースが一体に連設され、その電動モータのロータが第1伝動軸に第1挟持部材を以て固定されるので、第1伝動軸を駆動する電動モータを一纏めにユニット化した伝動装置が得られる。この場合において、第1挟持部材が、電動モータのロータを第1伝動軸に固定する固着手段に兼用されるため、装置の更なる構造簡素化に寄与することができる。
また本発明の第4の特徴によれば、第2伝動軸は、ケーシングの他側壁に第1の軸受を介して支持されると共に、その第1の軸受より軸方向内方側に離間した第2の軸受を介してケーシングの中間部内壁に支持され、第2伝動軸の、第1の軸受より外方に延出する部分に車輪が取付けられるので、電動モータを駆動源とするコンパクトな車輪駆動用伝動装置が得られる。この場合において、第2伝動軸は車軸として機能するものであって、相互に離間した第1,第2の軸受を介して(即ち長い支持スパンを以て)ケーシングに支持されるから、車軸としての第2伝動軸の支持剛性を高めることができる。
また本発明の第5の特徴によれば、第2伝動軸は、第3伝動部材にスプライン嵌合される筒軸と、この筒軸の内周面に内端部が圧入される軸本体とを含み、その軸本体の、第1の軸受より外方に延出する部分に車輪の取付部が設けられるので、第2伝動軸側のスプラインは、軸本体とは別部品であって比較的小部品である筒軸に形成されることとなり、そのスプラインの加工性が良好である。また、その筒軸と軸本体とは圧入結合されることから、車輪に過負荷が作用した場合は、圧入部に滑りを生じさせることで電動モータを過負荷から保護可能となる。
本発明の一実施形態に係る伝動装置(減速機)を含む自動二輪車用パワーユニットの一例を示す要部縦断図 前記実施形態の要部拡大断面図(図1の2矢視部拡大図) 図2の3−3矢視断面図 図2の4−4矢視断面図
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず、図1〜図4に示す本発明の一実施形態を説明する。図1において、自動二輪車のパワーユニットPは、駆動源としての電動モータMと、これの駆動力を減速して車輪(後輪W)に伝達する、伝動装置としての減速機Rとを備える。そして、このパワーユニットPは、自動二輪車の車体に上下揺動可能に軸支されるスイングアーム(図示せず)の後端部に、そのスイングアームと共に揺動し得るように装着される。
パワーユニットPにおいて、減速機Rは、電動モータMの出力軸を兼ねる第1伝動軸S1の回転を第1,第2変速機構T1,T2を介して減速して第2伝動軸S2に伝達するものであって、その第2伝動軸S2には後輪Wが一体に回転するように結合される。また、第1,第2伝動軸S1,S2は、パワーユニットPのユニットケースPcに各一対の第1,第2軸受B1,B1′;B2,B2′を介して各々第1軸線X1回りに回転可能に支持される。
電動モータMは、モータケース1と、このケース1の外周壁内面に固着されるステータ2と、このステータ2の内方に在って第1伝動軸S1に固着されるロータ3とを備える。モータケース1は、例えば、有底円筒状のケース本体及びその開放端を閉じる蓋体で二つ割りに構成される。
減速機Rは、上記モータケース1と協働してパワーユニットPのユニットケースPcを構成する中空のケーシングCと、そのケーシングC内に軸方向に直列状態で収容される第1,第2,第3伝動部材5,8,9と、上記第1伝動軸S1及び該軸S1の中間部外周より一体に突出する偏心軸部6eを一体に有する軸部材Jと、第1及び第2伝動部材5,8間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構T1と、第2及び第3伝動部材8,9間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構T2とを主要な構成要素とする。
特に本実施形態では、減速機Rに電動モータMが同一軸線(第1軸線X1)上で結合一体化されており、その結合一体化のために、減速機RのケーシングCとモータケース1との隣接端部相互が複数のボルト10で締結される。この締結状態でモータケース1の一側壁1aは、減速機Rと電動モータMの内部空間相互を仕切るものであって、減速機RのケーシングCの一側壁Caとしても機能する。そして、このケーシングCの一側壁Caと、モータケース1の他側壁1bとにそれぞれ第1軸受B1,B1′(例えばボール軸受)を介して第1伝動軸S1の両端部が回転自在に支持される。
減速機R寄りの第1軸受B1は、それのアウタレース4oの軸方向内端が、ケーシングCの上記一側壁Caの内周部に突設した環状の係合段部55に係合支持される。またその第1軸受B1のインナレース4iはカラー40を挟んで電動モータMのロータ3に隣接しており、それら第1軸受B1、カラー40及びロータ3が、第1伝動軸S1の中間段部56と、該軸S1の外端部に螺合した第1ナットN1との間で挟持、締結される。この第1ナットN1は第1挟持部材を構成する。そして、ケーシングCの一側壁Caとカラー40の外周との間には環状シール部材11が介装される。尚、カラー40の内周と第1伝動軸S1との間にも環状シール部材41が介装される。
上記第1伝動部材5は、第1軸線X1を中心軸線としてケーシングCの一側壁Caの内面に隣接配置される。その第1伝動部材5の外周部は、ケーシングC外周壁の内周面に一体的に回転するよう連結(スプライン嵌合SP1)される。尚、その第1伝動部材5とケーシングC間の連結手段としては、本実施形態のようなスプライン嵌合に代えて、ドグ歯、クラッチ歯等の噛み合わせ手段を用いてもよい。また、ケーシングCの一側壁Ca内面と第1伝動部材5の外側面との相対向面間には間隔調整用のシム12が介装される。
上記軸部材Jは、それの主要部をなす第1伝動軸S1が第1軸線X1を中心軸線とし、且つ第1伝動軸S1の中間部外周に一体に突設した偏心軸部6eが、第1軸線X1から偏心量eだけオフセットした第2軸線X2を中心軸線とするように配置される。そして、偏心軸部6eには、円環状をなす第2伝動部材8の内周部が、第3軸受B3(例えばボール軸受)を介して第2軸線X2回りに回転自在に支持され、その第2伝動部材8の一側面は第1伝動部材5の内側面に対向する。
第3伝動部材9は、第1軸線X1回りに回転する第2伝動軸S2に、後述するように同軸上で連結される。またその第3伝動部材9の内側面は、第2伝動部材8の他側面に対向する。
而して、第2伝動部材8は、軸部材J(特に第1伝動軸S1)の第1軸線X1回りの回転に伴い、偏心軸部6eに対し第2軸線X2回りに自転しつつ、第1伝動軸S1に対し第1軸線X1回りに公転する。
ところで本実施形態では、軸部材Jと第2伝動部材8の総合重心の位置が、第1軸線X1から第2軸線X2の方向に離間した位置に偏在する。そのため、第2伝動部材8が上記の如く自転しつつ公転するときに、その偏心回転系の遠心力が第1軸線X1に関して特定方向(第2軸線X2のオフセット側)に偏って作用することから、その偏心回転系の回転がアンバランスな状態となるが、そのアンバランス状態を解消又は軽減するために、前記総合重心とは逆位相で且つその総合重心の回転半径よりも大なる回転半径を有するバランスウェイト7が第1伝動軸S1に一体に連結される。
また第2伝動軸S2は、本実施形態では車軸を兼ねる長い軸本体13と、その軸本体13の内端部外周に固着(本実施形態では圧入)された筒軸14とを備える。軸本体13の外端部13oは、外周にスプライン溝を有する車輪取付部とされており、そこにナットn等の締結手段を以て後輪WのホイールハブWhが着脱可能に且つ相対回転不能に結合されている。
そして、第2伝動軸S2は、軸本体13の中間部と筒軸14とにおいて、ケーシングCの内壁に一対の第2軸受B2,B2′(例えばボール軸受、ローラ軸受)を介して第1軸線X1回りに回転自在に支持される。その両第2軸受B2,B2′のうち、外寄りの第2軸受B2はケーシングCの他側壁Cbの内周部に装着され、また内寄りの第2軸受B2′は、外寄りの第2軸受B2よりも軸方向内方側に離間した位置において、ケーシングCの中間部内周壁に装着される。従って、軸本体13の、外寄りの第2軸受B2より外方に延出する外端部13oが上記車輪取付部となる。尚、その両第2軸受B2,B2′間でケーシングC内周と軸本体13外周との間には環状シール部材15が介装される。
また上記筒軸14の内端部外周は、第3伝動部材9の外側面に円筒状に突設した連結筒部9aの内周面に径方向に遊動可能にスプライン嵌合SP2される。尚、このスプライン嵌合SP2部位においては、上記径方向のスムーズな遊動を許容するために、トルク伝動に支障のない範囲で周方向(即ち回転方向)にも多少の遊びが設定される。尚また、第3伝動部材9と第2伝動軸S2間の連結手段として、本実施形態のようなスプライン嵌合に代えて、ドグ歯、クラッチ歯等の噛み合わせ手段を用いてもよい。
第1伝動軸S1の、上記偏心軸部6eよりも軸方向内方側に延びる内端部50は、第2伝動軸S2の内端面と第3伝動部材9の外側面との相対向面間に画成されたスペース51に張出しており、その張出部外周には、第2挟持部材としての第2ナットN2が螺合される。そして、上記スペース51において、第1伝動軸S1(上記内端部50)に対し相対回転可能な第3伝動部材9の外側面がスラスト軸受B4を介して第2ナットN2に支持される。
その第2ナットN2とスラスト軸受B4との間には、第1伝動軸S1の上記内端部50に嵌合されて且つ内端部50の外周段部に係合するスラストワッシャ52が介装される。而して、上記スラスト軸受B4、スラストワッシャ52及び第2挟持部材N2が上記スペース51に収容される。
かくして、第1伝動軸S1上に固定(螺合)される第1及び第2ナット(N1,N2)により、第1,第2及び第3伝動部材5,8,9が、第1伝動部材5に隣接するケーシングCの一側壁Caと共に挟持される。
次に第1,第2変速機構T1,T2について、順に説明する。
第1伝動部材5の、第2伝動部材8に対向する内側面には、第1軸線X1を中心とした波形環状の第1伝動溝21が形成され、この第1伝動溝21は、図示例では第1軸線X1を中心とする仮想円を基礎円としたハイポトロコイド曲線に沿って周方向に延びている。一方、第2伝動部材8の、第1伝動部材5に対向する一側面には、第2軸線X2を中心とした波形環状の第2伝動溝22が形成される。この第2伝動溝22は、図示例では第2軸線X2を中心とする仮想円を基礎円としたエピトロコイド曲線に沿って周方向に延びており、第1伝動溝21の波数Z1とは異なる(例えば少ない)波数Z2を有して第1伝動溝21と複数箇所で交差する。第1伝動溝21及び第2伝動溝22の交差部(即ち重なり部)には、第1転動体としての複数の第1ボール23…が介装され、各々の第1ボール23は、第1及び第2伝動溝21,22の内側面を転動自在である。
第1伝動部材5及び第2伝動部材8の相対向面間には、円環状の扁平な第1保持部材H1が介装される。この第1保持部材H1は、複数の第1ボール23の、第1、第2伝動溝21,22相互の交差部での両伝動溝21,22への係合状態を維持し得るように、複数の第1ボール23をそれらの相互間隔を一定に規制しつつ回転自在に保持する複数の円形の保持孔31を有している。
また、第2伝動部材8の、第3伝動部材9と対向する他側面には、第2軸線X2を中心とした波形環状の第3伝動溝24が形成され、この第3伝動溝24は、図示例では第2軸線X2を中心とする仮想円を基礎円としたエピトロコイド曲線に沿って周方向に延びている。一方、第3伝動部材9の、第2伝動部材8と対向する内側面には、第1軸線X1を中心とした波形環状の第4伝動溝25が形成される。この第4伝動溝25は、図示例では第1軸線X1を中心とする仮想円を基礎円としたハイポトロコイド曲線に沿って周方向に延びており、第3伝動溝24の波数Z3とは異なる(例えば少ない)波数Z4を有して第3伝動溝24と複数箇所で交差する。第3伝動溝24及び第4伝動溝25の交差部(重なり部)には、第2転動体としての複数の第2ボール26…が介装され、各第2ボール26は、第3及び第4伝動溝24,25の内側面を転動自在である。
第3伝動部材9及び第2伝動部材8の相対向面間には、円環状の扁平な第2保持部材H2が介装される。この第2保持部材H2は、複数の第2ボール26…の、第3、第4伝動溝24,25相互の交差部での両伝動溝24,25への係合状態を維持し得るように、複数の第2ボール26…をそれらの相互間隔を一定に規制しつつ回転自在に保持する複数の円形の保持孔32を有している。
而して、第1伝動溝21、第2伝動溝22及び第1ボール23は、互いに協働して第1段階の変速(減速)を行う第1変速機構T1を構成し、また第3伝動溝24、第4伝動溝25及び第2ボール26は、互いに協働して第2段階の変速(減速)を行う第2変速機構T2を構成する。
次に、前記実施形態の作用について説明する。
車両走行時には、車載の電子制御ユニットが運転者のアクセル操作に基づいて電動モータMへの通電(従って同モータMの回転)を制御する。そして、この電動モータMにより第1伝動軸S1が回転駆動されると、これと一体の偏心軸部6eが第1軸線X1回りに公転し、これに伴い、偏心軸部6e上の第2伝動部材8も第1軸線X1回りに公転する。この公転によれば、ケーシングCにスプライン嵌合SP1されて回転規制される第1伝動部材5の第1伝動溝21と、第2伝動部材8の第2伝動溝22との相互間にその両溝21,22の交差部で係合する各第1ボール23が、その両溝21,22上を転動することによって、第2伝動部材8が偏心軸部6e上で第2軸線X2回りに自転する。
斯かる第2伝動部材8の自転及び公転によれば、第2,第3伝動部材8,9上の第3,第4伝動溝24,25の相互間にその両溝24,25の交差部で係合する各第2ボール26が両溝24,25上を転動することによって、第3伝動部材9が第1軸線X1回りに自転駆動される。そして、その自転駆動力は、第3伝動部材9にスプライン嵌合SP2される第2伝動軸S2に伝達される。
かくして、電動モータMで駆動される第1伝動軸S1の回転が第1,第2変速機構T1,T2を順次経て第2伝動軸S2に減速して伝達され、第2伝動軸S2、従って後輪Wを電動モータMで減速駆動することができる。
そして、本実施形態のような転動ボール式の減速機Rにおいて、第1伝動溝21の波数をZ1、第2伝動溝22の波数をZ2、第3伝動溝24の波数をZ3、第4伝動溝25の波数をZ4としたとき、第1伝動軸S1(入力軸)と第2伝動軸S2(出力軸)間の減速比εは、
ε=1−{(Z1×Z3)/(Z2×Z4)}
として表される。
本実施形態のような転動ボール式減速機Rでは、第1伝動部材5と第2伝動部材8間のトルク伝達は、第1伝動溝21、複数の第1ボール23…及び第2伝動溝22を介して行われ、また第2伝動部材8と第3伝動部材9間のトルク伝達は、第3伝動溝24、複数の第2ボール26…及び第4伝動溝25を介して行われる。これにより、第1伝動部材5と第2伝動部材8、並びに第2伝動部材8と第3伝動部材9の各間では、トルク伝達が第1及び第2ボール23,26が存在する複数箇所に分散して行われることになるため、第1〜第3伝動部材5,8,9及び第1、第2ボール23,26等の各伝動要素の強度増及び軽量化が図られる。しかも本実施形態の伝動構造によれば、第1〜第3伝動部材5,8,9を各々板状として軸方向に並べることにより軸方向に扁平小型化が容易な変速装置(減速機R)が提供可能となる。
また本実施形態では、第1伝動軸S1上に固設(螺合)される第1,第2挟持部材としての第1及び第2ナットN1,N2により、第1,第2及び第3伝動部材5,8,9が、第1伝動部材5に隣接するケーシングCの一側壁Caと共に挟持されるため、第1,第2変速機構T1,T2で各々発生するスラスト荷重を単一の軸部材J(即ち第1伝動軸S1)に引張荷重として単独で強固に受け止めることができる。即ち、第1変速機構T1で発生する外向き(図2で左向き)のスラスト荷重は、ケーシング一側壁Caから係合段部55、第1軸受B1、カラー40及びロータ3を順次経て第1ナットN1に伝達され、一方、第2変速機構T2で発生する外向き(図2で右向き)のスラスト荷重は、第3伝動部材9、スラスト軸受B4及びスラストワッシャ52を順次経て第2ナットN2に伝達されるから、その両スラスト荷重が両ナットN1,N2を介して軸部材J(特に第1伝動軸S1)の両端部に引張荷重として働くことになる。
これにより、その両スラスト荷重がケーシングCの両側壁Ca,Cbを離反させるように作用することはなくなり、それだけケーシングCの荷重負担が軽減されることから、ケーシングCの薄肉軽量化、延いては伝動装置(減速機R)の小型軽量化が達成可能である。しかもケーシング一側壁Caが第1〜第3伝動部材5,8,9と共に、軸部材J(即ち第1伝動軸S1)上の第1及び第2ナットN1,N2により挟持されることにより、ケーシングCに対する第1伝動軸S1の軸方向位置決めを、特別な位置決め手段を設けずともガタなく的確に行うことが可能となり、伝動装置(減速機R)の構造簡素化や騒音発生防止に有効である。
また本実施形態では、第3伝動部材9の外側面がスラスト軸受B4を介して第2ナットN2に支持されるので、第1伝動軸S1及び第3伝動部材9相互のスムーズな相対回転を確保しながら、第3伝動部材9からのスラスト荷重を第2ナットN2に受け止めさせることができる。その上、第2伝動軸S2が第3伝動部材9にスプライン嵌合SP2されると共に、それら第2伝動軸S2及び第3伝動部材9間には、スラスト軸受B4及び第2ナットN2を収容するスペース51が設けられるため、第2伝動軸S2を第3伝動部材9から分離させた状態で、スラスト軸受B4及び第2ナットN2の、第1伝動軸S1(内端部50)に対する取付・取外し作業を容易に行うことが可能となり、その取付状態では、スラスト軸受B4及び第2ナットN2に邪魔されることなく、第3伝動部材9への第2伝動軸S2のスプライン嵌合SP2が可能となるから、組立作業性が頗る良好である。
更に本実施形態では、ケーシングCの上記一側壁Caに、電動モータMのステータ2を収容支持するモータケース1が一体に連設され、同モータMのロータ3が第1伝動軸S1に第1ナットN1を以て固定されるので、第1伝動軸S1を駆動する電動モータMと伝動装置(減速機R)とを一纏めにユニット化したパワーユニットPが得られる。この場合において、第1ナットN1は、電動モータMのロータ3を第1伝動軸S1に固定する固着手段に兼用されるため、装置の更なる構造簡素化が図られる。
その上、本実施形態の第2伝動軸S2は、ケーシングCの他側壁Cbに外寄りの第2軸受B2を介して支持されると共に、該外寄りの第2軸受B2より軸方向内方側に離間した内寄りの第2軸受B2′を介してケーシングCの中間部内壁に支持され、第2伝動軸S2の、外寄りの第2軸受B2より外方に延出する外端部13oに車輪Wが取付けられる。これにより、電動モータMを駆動源とするコンパクトな車輪駆動用パワーユニットPが得られる。この場合において、第2伝動軸S2は車軸として機能するものであって、相互に離間した一対の第2軸受B2,B2′を介して(即ち長い支持スパンを以て)ケーシングCに支持されるから、車軸としての第2伝動軸S2の支持剛性が高められる。
また特に第2伝動軸S2は、第3伝動部材9にスプライン嵌合SP2される筒軸14と、筒軸14の内周面に内端部が圧入される軸本体13とを含み、軸本体13の、第2軸受B2より外方に延出する外端部13oが車輪取付部とされる。これにより、第2伝動軸S2側のスプライン溝は、軸本体13とは別体の小部品である筒軸14に形成されるため、加工性が良好である。また、筒軸14と、車軸即ち軸本体13とは圧入結合されることから、車輪Wに過負荷が作用した場合は、圧入部に滑りを生じさせることで電動モータMを過負荷から保護可能となる。
ところで、先の実施形態では、伝動装置として減速機Rを例示したが、この減速機Rの基本構造をそのまま利用して、転動ボール式の差動装置に利用する別の実施形態(図示せず)が想定され、その想定構造を以下に簡単に説明する。尚、この説明において、先の実施形態と同様の構成要素には、先の実施形態で用いた参照符号をそのまま使用する。
この別の実施形態では、例えば、モータケース1から分離独立させたケーシングCをデフケースとして機能させ、これを、図示しないミッションケースに回転自在に支持し且つそのデフケースに駆動源から回転駆動力を入力可能とすると共に、第1,第2伝動軸S1,S2の外端部には、例えば左右一対の車輪を連動連結する。また、この別の実施形態の第1,第2変速機構T1,T2の構造は、先の実施形態の第1,第2変速機構T1,T2の構造と基本的に同様であるが、第3伝動溝24は、第1実施形態とは異なり、ハイポトロコイド曲線に沿って周方向に延びる溝であり、また第4伝動溝25も、第1実施形態とは異なり、エピトロコイド曲線に沿って周方向に延びる溝である。また、伝動装置を特に差動装置として用いるために、第1,第2変速機構T1,T2が、軸部材J(第1伝動軸S1)を固定した状態でケーシングCを回転させたときに、第1伝動部材5から第3伝動部材9を2倍の増速比を以て駆動するように構成される。即ち、第1伝動溝21の波数をZ1、第2伝動溝22の波数をZ2、第3伝動溝24の波数をZ3、第4伝動溝25の波数をZ4としたとき、下記式が成立するように、第1〜第4伝動溝21,22,24,25は形成される。
(Z1/Z2)×(Z3/Z4)=2
この場合、望ましくは、例えばZ1=8、Z2=6、Z3=6、Z4=4とするか、又はZ1=6、Z2=4、Z3=8、Z4=6とするとよい。
例えば、前者の場合には、8波の第1伝動溝21と6波の第2伝動溝22とが7箇所で交差し、この7箇所の交差部(重なり部)に7個の第1ボール23が介装され、また6波の第3伝動溝24と4波の第4伝動溝25とが5箇所で交差し、この5箇所の交差部(重なり部)に5個の第2ボール26が介装される。
この前者の場合において、例えば第1伝動軸S1を固定することで軸部材J(従って偏心軸部6e)を固定した状態において、エンジンからの動力でケーシングC(従って第1伝動部材5)を第1軸線X1回りに回転させると、第1伝動部材5の8波の第1伝動溝21が第2伝動部材8の6波の第2伝動溝22を第1ボール23を介して駆動するので、第1伝動部材5が8/6の増速比を以て第2伝動部材8を駆動することになる。そして、この第2伝動部材8の回転によれば、第2伝動部材8の6波の第3伝動溝24が第3伝動部材9の4波の第4伝動溝25を第2ボール26を介して駆動するので、第2伝動部材8が6/4の増速比を以て第3伝動部材9を駆動することになる。従って第1伝動部材5は、 (Z1/Z2)×(Z3/Z4)=(8/6)×(6/4)=2
の増速比を以て第3伝動部材9(第2伝動軸S2)を駆動することになる。
一方、第2伝動軸S2を固定することで第3伝動部材9を固定した状態において、デフケース(従って第1伝動部材5)を回転させると、第1伝動部材5の回転駆動力と、第2伝動部材8の、不動の第3伝動部材9に対する駆動反力とにより、第2伝動部材8は、軸部材Jの偏心軸部6eに対し第2軸線X2回りに自転しながら第1軸線X1回りに公転して、偏心軸部6eを第1軸線X1回りに駆動する。その結果、第1伝動部材5は、2倍の増速比を以て軸部材J(第1伝動軸S1)を駆動することになる。
而して、軸部材J及び第3伝動部材9の負荷が相互にバランスしたり、相互に変化したりすると、第2伝動部材8の自転量及び公転量が無段階に変化し、軸部材J及び第3伝動部材9の回転数の平均値が第1伝動部材5の回転数と等しくなる。こうして、第1伝動部材5の回転は、軸部材J及び第3伝動部材9に分配され、したがって、デフケースCに伝達された回転力を左右の伝動軸S1,S2に分配できる。
かくして、上記別の実施形態の伝動構造によれば、軸方向に扁平小型化が容易な差動装置が提供可能となり、また先の実施形態と同等の作用効果も併せて達成可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、図示の実施形態では、伝動装置として、自動二輪車の車輪(後輪W)を電動モータMで減速駆動するための車両用減速機Rに実施したものを例示したが、本発明の伝動装置は、自動二輪車以外の車両、例えば四輪自動車の車輪駆動に用いてもよいし、或いは車両以外の種々の機械装置のための減速機として使用してもよい。尚、その何れの場合においても、駆動源は、電動モータの他、エンジンや油圧モータを用いてもよく、また、駆動源のケースと伝動装置のケーシングとは、図示の実施形態のように結合一体化してもよいし、或いは別体に構成してもよい。また、自動二輪車の後輪駆動に用いる場合には、例えば、図示の実施形態のように駆動源(電動モータ)を伝動装置(減速機R)に直結しないで、後輪より前方に離間配置した駆動源を、チェーン伝動機構等の無端伝動機構やドライブシャフト機構等を介して伝動装置(減速機R)に連動連結するようにしてもよい。
また図示の実施形態では、第1伝動軸S1を入力軸とし、第2伝動軸S2を出力軸とした減速機Rを伝動装置として示したが、この伝動装置を例えば、第1伝動軸S1を出力軸とし、第2伝動軸S2を入力軸とすることで増速機として使用してもよい。
また前記別の実施形態では、伝動装置としての差動装置Dを自動車のミッションケース1内に収容しているが、差動装置Dは自動車用の差動装置に限定されるものではなく、種々の機械装置用の差動装置として実施可能である。
また前記別の実施形態では、差動装置Dを、左・右輪伝動系に適用して、左右の駆動車軸S1,S2に対し差動回転を許容しつつ動力を分配するものを示したが、本発明では、差動装置を、前・後輪駆動車両における前・後輪伝動系に適用して、前後の駆動車輪に対し差動回転を許容しつつ動力を分配するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、第1,第2変速機構T1,T2の各伝動溝21,22;24,25をトロコイド曲線に沿った波形環状の波溝としているが、これら伝動溝は、実施形態に限定されるものでなく、例えばサイクロイド曲線に沿った波形環状の波溝としてもよい。
また、前記実施形態では、第1,第2変速機構T1,T2の第1及び第2伝動溝21,22間、並びに第3及び第4伝動溝24,25間にボール状の第1及び第2転動体23,26を介装したものを示したが、その転動体をローラ状又はピン状としてもよく、この場合に、第1及び第2伝動溝21,22、並びに第3及び第4伝動溝24,25は、ローラ状又はピン状の転動体が転動し得るような内側面形状に形成される。
また前記実施形態では、第1,第2保持部材H1,H2を、内・外周面が各々真円の円環状リングより構成したものを示したが、第1,第2保持部材の形状は、前記実施形態に限定されず、少なくとも複数の第1,第2ボール23,26を各々一定間隔で保持し得る環状体であればよく、例えば楕円状の環状体、或いは波形に湾曲した環状体であってもよい。なお、第1,第2保持部材H1,H2無しでも第1,第2ボール23,26が円滑に転動可能である場合には、第1,第2保持部材H1,H2を省略してもよい。
B2・・・・・外寄りの第2軸受(第1の軸受)
B2′・・・・内寄りの第2軸受(第2の軸受)
C・・・・・・ケーシング
Ca・・・・・ケーシングの一側壁
Cb・・・・・ケーシングの他側壁
J・・・・・・軸部材
M・・・・・・電動モータ
N1,N2・・第1,第2ナット(第1,第2挟持部材)
R・・・・・・減速機(伝動装置)
S1,S2・・第1,第2伝動軸
SP2・・・・スプライン嵌合
T1,T2・・第1,第2変速機構
W・・・・・・後輪(車輪)
X1,X2・・第1,第2軸線
1・・・・・・モータケース
2・・・・・・ステータ
3・・・・・・ロータ
5,8,9・・第1,第2,第3伝動部材
6e・・・・・偏心軸部
13・・・・・軸本体
13o・・・・外端部(部分、車輪取付部)
14・・・・・筒軸
21,22・・第1,第2伝動溝
23,26・・第1,第2ボール(第1,第2転動体)
24,25・・第3,第4伝動溝

Claims (5)

  1. 第1軸線(X1)を中心軸線とする第1伝動部材(5)と、
    第1軸線(X1)を中心軸線とする第1伝動軸(S1)、及び第1軸線(X1)から偏心した第2軸線(X2)を中心軸線とする偏心軸部(6e)を一体に連結した軸部材(J)と、
    前記偏心軸部(6e)に回転自在に支持されると共に前記第1伝動部材(5)に対向する第2伝動部材(8)と、
    第1軸線(X1)を中心軸線とする第2伝動軸(S2)に同軸上で連結されると共に前記第2伝動部材(8)に対向する第3伝動部材(9)と、
    前記第1及び第2伝動部材(5,8)間で変速しつつトルク伝達可能な第1変速機構(T1)と、
    前記第2及び第3伝動部材(8,9)間で変速しつつトルク伝達可能な第2変速機構(T2)と、
    前記第1及び第2伝動軸(S1,S2)を第1軸線(X1)回りに回転可能に支持するとともに、前記第1伝動部材(5)が相対回転不能に連結されるケーシング(C)とを備え、
    前記第1変速機構(T1)が、前記第1伝動部材(5)の、前記第2伝動部材(8)との対向面に在り且つ第1軸線(X1)を中心とする波形環状の第1伝動溝(21)と、前記第2伝動部材(8)の、前記第1伝動部材(5)との対向面に在り且つ第2軸線(X2)を中心とする波形環状で波数が第1伝動溝(21)とは異なる第2伝動溝(22)と、第1及び第2伝動溝(21,22)の複数の交差部に介装され、それら第1及び第2伝動溝(21,22)を転動しながら第1及び第2伝動部材(5,8)間の変速伝動を行う複数の第1転動体(23)とを有し、
    前記第2変速機構(T2)が、前記第2伝動部材(8)の、前記第3伝動部材(9)との対向面に在り且つ第2軸線(X2)を中心とする波形環状の第3伝動溝(24)と、前記第3伝動部材(9)の、前記第2伝動部材(8)との対向面に在り且つ第1軸線(X1)を中心とする波形環状で波数が第3伝動溝(24)とは異なる第4伝動溝(25)と、第3及び第4伝動溝(24,25)の複数の交差部に介装され、それら第3及び第4伝動溝(24,25)を転動しながら第2及び第3伝動部材(8,9)間の変速伝動を行う複数の第2転動体(26)とを有し、
    前記第1及び第2伝動軸(S1,S2)間で変速伝動を行い、又は前記ケーシング(C)から前記第1及び第2伝動軸(S1,S2)に回転トルクを分配するようにした伝動装置であって、
    前記第1伝動部材(5)が前記ケーシング(C)の一側壁(Ca)に隣接配置され、
    前記第1伝動軸(S1)上に固設した第1及び第2挟持部材(N1,N2)により、前記第1,第2及び第3伝動部材(5,8,9)が前記ケーシング(C)の前記一側壁(Ca)と共に挟持されることを特徴とする伝動装置。
  2. 前記第1伝動軸(S1)に対し相対回転可能に配置される前記第3伝動部材(9)の外側面がスラスト軸受(B4)を介して前記第2挟持部材(N2)に支持され、
    前記第2伝動軸(S2)が前記第3伝動部材(9)にスプライン嵌合(SP2)されると共に、それら第2伝動軸(S2)及び第3伝動部材(9)間に、前記スラスト軸受(B4)及び前記第2挟持部材(N2)を収容するスペース(51)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の伝動装置。
  3. 前記ケーシング(C)の前記一側壁(Ca)に、電動モータ(M)のステータ(2)を収容支持するモータケース(1)が一体に連設され、その電動モータ(M)のロータ(3)が前記第1伝動軸(S1)に前記第1挟持部材(N1)を以て固定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の伝動装置。
  4. 前記第2伝動軸(S2)は、前記ケーシング(C)の他側壁(Cb)に第1の軸受(B2)を介して支持されると共に、その第1の軸受(B2)より軸方向内方側に離間した第2の軸受(B2′)を介して前記ケーシング(C)の中間部内壁に支持され、
    前記第2伝動軸(S2)の、前記第1の軸受(B2)より外方に延出する部分(13o)に車輪(W)が取付けられることを特徴とする、請求項3に記載の伝動装置。
  5. 前記第2伝動軸(S2)は、前記第3伝動部材(9)にスプライン嵌合(SP2)される筒軸(14)と、この筒軸(14)の内周面に内端部が圧入される軸本体(13)とを含み、
    その軸本体(13)の、前記第1の軸受(B2)より外方に延出する部分に前記車輪(W)の取付部(13o)が設けられることを特徴とする、請求項4に記載の伝動装置。
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