JPH1061677A - クラッチの同期装置 - Google Patents

クラッチの同期装置

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JPH1061677A
JPH1061677A JP8220187A JP22018796A JPH1061677A JP H1061677 A JPH1061677 A JP H1061677A JP 8220187 A JP8220187 A JP 8220187A JP 22018796 A JP22018796 A JP 22018796A JP H1061677 A JPH1061677 A JP H1061677A
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synchronizer ring
clutch
hub sleeve
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友啓 石川
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敬太郎 松浦
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和也 郷間
Hideaki Koga
秀昭 古賀
Shinichi Takamura
伸一 高村
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチハブに対して所定角度の遊びを有す
る状態で相対回転が阻止されるシンクロナイザリングの
生産性を損なうことなく摩耗や変形を抑制する。 【解決手段】 シフティングキーと係合させられるキー
溝68とは別に荷重分担突起110をシンクロナイザリ
ング54に設け、周方向においてシフティングキーとキ
ー溝68とが当接するタイミングと同じタイミングで、
上記荷重分担突起110がクラッチハブに設けられた荷
重分担溝と係合させられるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッチの同期装置
に係り、特に、クラッチハブスリーブとシンクロナイザ
リングとを、所定角度の相対回転を許容しつつそれ以上
の相対回転を阻止するインデックス手段の摩耗を抑制す
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用の変速機として、図23に示すよ
うな平行軸式のものが広く知られており、クラッチによ
って変速段が切り換えられるようになっている。このよ
うな変速機用クラッチは一般に、(a) 出力軸や入力軸等
の回転軸に相対回転不能に配設されて一体回転させられ
るクラッチハブと、(b) そのクラッチハブに相対回転不
能且つ軸方向の相対移動可能にスプライン嵌合されると
ともに、シフト手段によって軸方向に離間する一対の変
速位置と、その一対の変速位置の中間に位置して動力伝
達を遮断する中立位置とへ移動させられるクラッチハブ
スリーブと、(c)前記クラッチハブの両側において、そ
れぞれ前記回転軸に対して相対回転可能に配設されると
ともに、前記クラッチハブスリーブが前記変速位置へ移
動させられることにより、そのクラッチハブスリーブと
スプライン嵌合されて前記回転軸と一体的に回転させら
れる一対の変速歯車と、(d) その一対の変速歯車にそれ
ぞれ相対回転可能且つ軸方向の相対移動可能に配設され
るとともに、その変速歯車に押圧されてテーパ嵌合させ
られる一対のシンクロナイザリングと、(e) 周方向にお
いて係合させられる複数の係合部から成り、前記クラッ
チハブスリーブと前記一対のシンクロナイザリングと
を、それぞれ所定角度の相対回転を許容しつつ、それ以
上の相対回転を阻止する一対のインデックス手段とを有
し、前記クラッチハブスリーブが前記中立位置から何れ
かの変速位置へ移動させられる際に、前記シンクロナイ
ザリングが前記変速歯車に押圧されることにより、前記
テーパ嵌合の摩擦力でそのシンクロナイザリングと変速
歯車とを同期回転させるようになっている。
【0003】特開平4−203533号公報に記載され
ている装置はその一例で、(f) 前記クラッチハブスリー
ブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能に配設され
るとともに、常にはキースプリングの付勢力でそのクラ
ッチハブスリーブの所定位置に位置決めされ、クラッチ
ハブスリーブが前記中立位置から前記変速位置へ移動さ
せられる際に前記シンクロナイザリングに当接させられ
て、そのシンクロナイザリングを前記変速歯車に押圧す
るシフティングキーを備えている。また、かかるクラッ
チの同期装置は、インデックス手段がシフティングキー
とシンクロナイザリングとの間に設けられているキーイ
ンデックスタイプであるが、この他、インデックス手段
がクラッチハブとシンクロナイザリングとの間に設けら
れているハブインデックスタイプや、シンクロナイザリ
ングの内周側に、前記変速歯車に相対回転不能に係合さ
せられた回転部材側テーパ部材、およびシンクロナイザ
リングまたはクラッチハブに相対回転不能に係合させら
れたリング側テーパ部材が交互に設けられ、それぞれテ
ーパ嵌合させられるようになっているマルチコーンタイ
プなど、種々のタイプのクラッチが提案されている。
【0004】一方、特公昭48−24096号公報に
は、シンクロナイザリングに略等角度間隔で外周側へ突
き出す複数の支持突起が設けられるとともに、その支持
突起の外周側に弾性変形可能なリング部材が配設される
一方、クラッチハブスリーブには、周方向において前記
支持突起の間に位置する部位に内周側へ突き出す複数の
押圧突起が設けられ、そのクラッチハブスリーブが前記
中立位置から変速位置へ移動させられる際に、その押圧
突起が前記リング部材と係合させられることにより、そ
のリング部材を介して前記シンクロナイザリングを前記
変速歯車に押圧するキーレスタイプの同期装置が記載さ
れている。
【0005】図23の変速機10について具体的に説明
すると、図示しないエンジンによって回転駆動される入
力軸12、カウンタシャフト14、および出力軸16を
備えており、カウンタシャフト14は軸受18、20に
よって回転可能に支持されている。入力軸12および出
力軸16は、軸受22を介して同軸上に相対回転可能に
配設されているとともに、軸受24、26によって回転
可能に支持されている。カウンタシャフト14は、入力
歯車対28a、28bを介して入力軸12により常時回
転させられるとともに、カウンタシャフト14と出力軸
16との間には、第1変速歯車対30a,30b、第2
変速歯車対32a,32b、第3変速歯車対34a,3
4b、第5変速歯車対36a,36b、後進変速歯車対
38a,38bが配設されている。後進歯車対38aと
38bとの間には、図示しないリバースアイドル歯車が
介在させられている。また、カウンタシャフト14側の
各変速歯車30a〜38aは、それぞれスプライン嵌合
などによりカウンタシャフト14と一体回転させられる
が、出力軸16側の各変速歯車30b〜38bは、何れ
も出力軸16に対して相対回転可能に配設されており、
クラッチ40,42,44を介して出力軸16と一体回
転させられるようになっている。
【0006】第1変速歯車対30a,30bは変速比
(入力軸12の回転数/出力軸16の回転数)が最も大
きい第1変速段を成立させるもので、クラッチ44のク
ラッチハブスリーブ44sが図23の左方向へスライド
させられることによって出力軸16に動力伝達する。第
2変速歯車対32a,32bは第2変速段を成立させる
もので、クラッチ42のクラッチハブスリーブ42sが
図23の右方向へスライドさせられることによって出力
軸16に動力伝達する。第3変速歯車対34a,34b
は第3変速段を成立させるもので、クラッチ42のクラ
ッチハブスリーブ42sが図23の左方向へスライドさ
せられることによって出力軸16に動力伝達する。第5
変速歯車対36a,36bは変速比が1より小さい第5
変速段を成立させるもので、クラッチ40のクラッチハ
ブスリーブ40sが図23の右方向へスライドさせられ
ることによって出力軸16に動力伝達する。後進変速歯
車対38a,38bは図示しないリバースアイドル歯車
と共に後進変速段を成立させるもので、クラッチ44の
クラッチハブスリーブ44sが図23の右方向へスライ
ドさせられることによって出力軸16に動力伝達する。
なお、クラッチ40は、クラッチハブスリーブ40sが
図23の左方向へスライドさせられることにより、入力
軸12と出力軸16とを直結して変速比が1の第4変速
段を成立させる。
【0007】上記クラッチ40,42,44は全く同じ
構成である。中央のクラッチ42について具体的に説明
すると、図24および図25に示すように、前記クラッ
チハブスリーブ42sの他、クラッチハブ50、シフテ
ィングキー52、シンクロナイザリング54,56を備
えている。クラッチハブ50は、スプライン嵌合によっ
て出力軸16に相対回転不能に取り付けられ、一体回転
させられるとともに、スナップリングや軸方向の両側に
配設された前記変速歯車32b、34bによって軸方向
の位置決めが為されている。クラッチハブスリーブ42
sは略円筒形状を成しており、クラッチハブ50の外周
側に相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能にスプライ
ン嵌合されているとともに、シフト手段としてのシフト
フォーク58によって軸方向に離間する一対の変速位
置、具体的には右側の2速位置および左側の3速位置
と、その一対の変速位置の中間に位置して動力伝達を遮
断する中立位置(図24の状態)とへ移動させられる。
シフトフォーク58は、運転者のシフトレバー操作に連
動して機械的に図の左右方向へ移動させられるようにな
っている。図24、図25のOは出力軸16の軸心で、
クラッチ42の中心線に相当する。
【0008】シフティングキー52は、クラッチハブス
リーブ42sの内周側に等角度間隔で複数(図では3
つ)配設されており、それぞれ軸方向の相対移動は許容
されるようになっているが、相対回転はクラッチハブ5
0との係合によって阻止されている。クラッチハブスリ
ーブ42sの内周面には溝60が設けられ、一対のキー
スプリング62によってシフティングキー52がクラッ
チハブスリーブ42sの内周面に押圧されることによ
り、そのシフティングキー52を軸方向の略中央に位置
決めするようになっている。なお、シフティングキー5
2に所定の負荷が作用すると、キースプリング62の付
勢力に抗してシフティングキー52が溝60から内周側
へ抜け出し、軸方向へ相対移動できるようになる。
【0009】前記変速歯車32b、34bは、クラッチ
ハブ50の両側においてそれぞれニードルベアリング等
により相対回転可能に出力軸16に配設されているとと
もに、スナップリング等によって軸方向の位置決めが為
されている。これ等の変速歯車32b、34bには、そ
れぞれクラッチハブ50側の端部にギヤピース64,6
6が相対回転不能に配設されており、前記クラッチハブ
スリーブ42sが変速位置へ移動させられることによ
り、そのギヤピース64または66とクラッチハブスリ
ーブ42sとがスプライン嵌合され、変速歯車32bま
たは34bからクラッチハブスリーブ42sおよびクラ
ッチハブ50を介して出力軸16に動力伝達が行われ
る。
【0010】シンクロナイザリング54,56は、ギヤ
ピース64,66に設けられたコーン面(テーパ面)の
外周側に相対回転可能且つ軸方向の相対移動可能に配設
されており、それぞれ軸方向においてギヤピース64,
66側へ押圧されることにより、テーパ嵌合によって摩
擦係合させられるようになっている。また、これ等のシ
ンクロナイザリング54,56には、前記シフティング
キー52の軸方向の端部に所定角度の相対回転を許容す
る状態で係合させられるキー溝68,70が設けられて
おり、シンクロナイザリング54,56は所定の遊びを
有する状態でクラッチハブ50と共に回転させられる。
図26および図27は、一方のシンクロナイザリング5
6に設けられたキー溝70を示す図で、72はクラッチ
ハブスリーブ42sに相対回転不能に係合させられるス
プライン歯である。キー溝68,70およびシフティン
グキー52の両端部は、インデックス手段の複数の係合
部に相当する。
【0011】このようなクラッチ42によれば、クラッ
チハブスリーブ42sが図24に示す中立位置から何れ
かの変速位置へ移動させられる際に、シフティングキー
52がシンクロナイザリング54または56のキー溝6
8または70の軸方向端面68aまたは70aに当接さ
せられることにより、そのシンクロナイザリング68ま
たは70がギヤピース64または66とテーパ嵌合させ
られ、その摩擦力でシンクロナイザリング68または7
0と変速歯車32bまたは34bとが同期回転させられ
る。そして、更にクラッチハブスリーブ42sに操作荷
重(シフト操作力)が加えられると、キースプリング6
2の付勢力に抗してシフティングキー52が溝60から
内周側へ抜け出し、クラッチハブスリーブ42sがギヤ
ピース64または66とスプライン嵌合され、相対回転
不能に係合させられる。
【0012】ところで、このようなクラッチ42は、変
速時にシフティングキー52がシンクロナイザリング5
4,56に当接させられ、そのシンクロナイザリング5
4,56がギヤピース64,66とテーパ嵌合させられ
ると、ギヤピース64,66と共に回転しようとするシ
ンクロナイザリング54,56とシフティングキー52
との間に大きな衝撃荷重が作用し、一般にシフティング
キー52よりも軟質の材料で構成されるシンクロナイザ
リング54,56が摩耗したり変形したりすることがあ
った。図28、図29は、シンクロナイザリング56側
の摩耗を説明する図で、キー溝70の側壁70bがシフ
ティングキー52との衝突などで摩耗する。そして、こ
のような摩耗によって側壁70bに段差ができ、シフテ
ィングキー52がその段差に乗り上げると、図29から
明らかなようにシフティングキー52の溝60からの抜
け出しが阻害され、変速操作の操作性が損なわれる可能
性があった。なお、図29では断面部分のハッチが省略
されている。
【0013】これに対し、前記特開平4−203533
号公報に記載の同期装置は、耐摩耗性に優れた鉄系材料
などで上記キー溝の内壁面を構成し、シフティングキー
との衝突による摩耗や変形を防止している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに耐摩耗性に優れた別材料を複合化しようとすると、
加工が困難で生産性が低下し、大幅なコスト高になると
いう問題があった。
【0015】なお、上記キー溝の摩耗、すなわちインデ
ックス手段の摩耗について本発明者等が詳しく調べたと
ころ、単に変速操作時に生じるだけでなく、所定の変速
段での走行中にも生じることを見い出した。前記クラッ
チ42について具体的に説明すると、例えば定常走行な
どで前記クラッチ40により第5変速段が成立させられ
ている場合、クラッチ42は遮断状態とされてクラッチ
ハブスリーブ42sはシフトフォーク58によって中立
位置に保持されているとともに、一対の変速歯車32
b,34bはカウンタシャフト14に配設された変速歯
車32a,34aとの噛合いによってそれぞれ所定の回
転数で空回転させられる。また、シフティングキー52
と両シンクロナイザリング54,56のキー溝68,7
0の軸方向端面68a,70aとの間にはそれぞれ所定
の隙間(遊び)が形成されるようになっており、そのま
まではシンクロナイザリング54,56がギヤピース6
4,66に押圧されることはない。
【0016】一方、変速歯車30a,30b〜38a,
38bや入力歯車28a,28bは、一般に歯すじが捩
じれたはすば歯車が用いられているため、動力伝達に関
与する第5変速歯車36a,36bの噛合いによって出
力軸16には軸方向のスラスト力が作用するとともに、
動力源としてのエンジン(特にディーゼルエンジン)は
回転変動、トルク変動を有するため、このトルク変動に
よって出力軸16は各部の組付公差や遊びなどにより軸
方向へ振動する。この振動により、例えば出力軸16が
図24の左方向へ変位すると、それに伴って第2変速歯
車32bやクラッチハブ50なども左方向へ移動し、第
2変速歯車32b側のシンクロナイザリング54もギヤ
ピース64に押されて左方向へ移動するのに対し、クラ
ッチハブスリーブ42sおよびシフティングキー52は
クラッチフォーク58によって中立位置に保持されたま
まであるため、シンクロナイザリング54がシフティン
グキー52に当接し、その衝撃でシフティングキー52
が図24の左側へ飛び出すことがある。そして、飛び出
したシフティングキー52がシンクロナイザリング56
のキー溝70の軸方向端面70aに当接すると、そのシ
ンクロナイザリング56がギヤピース66に押圧されて
テーパ嵌合され、シンクロナイザリング56とシフティ
ングキー52との間に相対回転が生じてシフティングキ
ー52がキー溝70の側壁70bに衝突し、その側壁7
0bが摩耗したり変形したりするのである。
【0017】また、このような摩耗は、反対側のシンク
ロナイザリング56でも同様に発生し、摩耗が進行して
シフティングキー52がその摩耗部分の段差に係合する
(食い付く)ようになると、両側のシンクロナイザリン
グ54,56が軸方向においてシフティングキー52を
介して一体的に連結された状態となる。このため、出力
軸16や変速歯車32b,34bの僅かな軸方向振動な
どでも、シンクロナイザリング54,56がギヤピース
64,66とテーパ嵌合し易くなり、摩耗が加速度的に
増加する。
【0018】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、生産性を損なうこと
なくシンクロナイザリングの摩耗や変形を抑制すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) 第1回転部材に相対回転不能に
配設されて一体回転させられるクラッチハブと、(b) そ
のクラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
能にスプライン嵌合されるとともに、軸方向へ移動させ
られることにより動力伝達を行う伝達位置および動力伝
達を遮断する遮断位置に位置決めされるクラッチハブス
リーブと、(c) 軸方向において前記クラッチハブに隣接
して相対回転可能に配設されるとともに、前記クラッチ
ハブスリーブが前記伝達位置へ移動させられることによ
り、そのクラッチハブスリーブとスプライン嵌合されて
前記第1回転部材と一体的に回転させられる第2回転部
材と、(d) その第2回転部材に相対回転可能且つ軸方向
の相対移動可能に配設され、前記クラッチハブスリーブ
が前記伝達位置へ移動させられる際にその第2回転部材
に押圧されてテーパ嵌合させられるシンクロナイザリン
グと、(e) 周方向において係合させられる複数の係合部
から成り、前記クラッチハブスリーブと前記シンクロナ
イザリングとを、周方向において所定角度の相対回転を
許容しつつ、それ以上の相対回転を阻止するインデック
ス手段とを有し、前記クラッチハブスリーブが前記遮断
位置から前記伝達位置へ移動させられる際に、前記シン
クロナイザリングが前記第2回転部材に押圧されること
により、前記テーパ嵌合の摩擦力で該シンクロナイザリ
ングと該第2回転部材とを同期回転させるクラッチの同
期装置において、(f) 周方向において係合させられる複
数の係合部から成り、前記インデックス手段による前記
相対回転の阻止と略同じタイミングで前記クラッチハブ
スリーブと前記シンクロナイザリングとの相対回転を阻
止する荷重分担手段を、そのインデックス手段とは別に
設けたことを特徴とする。
【0020】なお、上記第1回転部材は前記入力軸や出
力軸等の回転軸に対応し、第2回転部材は変速歯車に対
応し、クラッチハブスリーブの伝達位置は変速位置に対
応し、遮断位置は中立位置に対応するが、本発明は必ず
しも車両の変速機用クラッチに限定されるものではな
く、種々のクラッチの同期装置に適用され得る。
【0021】第2発明は、第1発明の同期装置におい
て、(a) 前記クラッチハブスリーブに相対回転不能且つ
軸方向の相対移動可能に配設されるとともに、常にはキ
ースプリングの付勢力でそのクラッチハブスリーブの所
定位置に位置決めされ、そのクラッチハブスリーブが前
記遮断位置から前記伝達位置へ移動させられる際に前記
シンクロナイザリングに当接させられて、そのシンクロ
ナイザリングを前記第2回転部材に押圧するシフティン
グキーを有する一方、(b) 前記インデックス手段は、前
記シンクロナイザリングに設けられたキー溝と前記シフ
ティングキーとの係合によってそのシンクロナイザリン
グと前記クラッチハブスリーブとの相対回転を阻止する
もので、(c) 前記荷重分担手段の複数の係合部は、前記
クラッチハブおよび前記シンクロナイザリングの一方お
よび他方に設けられた荷重分担突起および荷重分担溝で
あることを特徴とする。
【0022】第3発明は、第1発明の同期装置におい
て、前記インデックス手段および前記荷重分担手段の複
数の係合部は、何れも前記クラッチハブおよび前記シン
クロナイザリングの一方および他方に設けられた突起お
よび溝であることを特徴とする。
【0023】第4発明は、第1発明の同期装置におい
て、(a) 前記シンクロナイザリングの内周側には、前記
第2回転部材に相対回転不能に係合させられた回転部材
側テーパ部材、およびそのシンクロナイザリングに相対
回転不能に係合させられたリング側テーパ部材が交互に
設けられ、それぞれテーパ嵌合させられるようになって
いるとともに、(b) 前記荷重分担手段は、前記シンクロ
ナイザリングおよび前記リング側テーパ部材の少なくと
も一方と前記クラッチハブとの係合によってそのシンク
ロナイザリングと前記クラッチハブスリーブとの相対回
転を阻止するものであることを特徴とする。
【0024】第5発明は、第1発明の同期装置におい
て、(a) 前記シンクロナイザリングには、略等角度間隔
で外周側へ突き出す複数の支持突起が設けられていると
ともに、その支持突起の外周側には弾性変形可能なリン
グ部材が配設されており、(b)前記クラッチハブスリー
ブには、周方向において前記支持突起の間に位置する部
位に内周側へ突き出す複数の押圧突起が設けられ、(c)
そのクラッチハブスリーブが前記遮断位置から前記伝達
位置へ移動させられる際に、その押圧突起が前記リング
部材と係合させられることにより、そのリング部材を介
して前記シンクロナイザリングを前記第2回転部材に押
圧するようになっている一方、(d) 前記荷重分担手段の
複数の係合部は、前記クラッチハブおよび前記シンクロ
ナイザリングの一方および他方に設けられた荷重分担突
起および荷重分担溝であることを特徴とする。
【0025】第6発明は、第5発明の同期装置におい
て、(a) 前記インデックス手段の複数の係合部は、前記
シンクロナイザリングに設けられた前記支持突起と、そ
の支持突起と係合可能に前記クラッチハブに設けられた
インデックス溝であり、(b) 前記荷重分担手段の複数の
係合部は、周方向において前記支持突起の間の部位にそ
の支持突起と同様に外周側へ突き出すように前記シンク
ロナイザリングに設けられた荷重分担突起と、その荷重
分担突起と係合可能に前記クラッチハブに設けられた荷
重分担溝であり、(c) その荷重分担突起には、前記リン
グ部材が内周側へ撓み変形することを許容する切欠が設
けられていることを特徴とする。
【0026】第7発明は、第1発明の同期装置におい
て、(a) 前記クラッチは車両の変速機用クラッチで、
(b) 前記クラッチハブスリーブは、シフト手段によって
軸方向に離間する一対の変速位置と、その一対の変速位
置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ移
動させられるもので、(c) 前記第2回転部材は、前記ク
ラッチハブの両側に配設されるとともに、前記クラッチ
ハブスリーブが前記変速位置へ移動させられることによ
り、そのクラッチハブスリーブとスプライン嵌合されて
そのクラッチハブとの間で動力伝達を行う一対の変速歯
車で、(d) 前記シンクロナイザリングは、前記一対の変
速歯車に対してそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の相対
移動可能に一対配設されている一方、(e) 前記クラッチ
ハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能
に配設されるとともに、常にはキースプリングの付勢力
でそのクラッチハブスリーブの所定位置に位置決めさ
れ、そのクラッチハブスリーブが前記中立位置から前記
変速位置へ移動させられる際に前記シンクロナイザリン
グに当接させられて、そのシンクロナイザリングを前記
変速歯車に押圧するシフティングキーを有し、且つ、
(f) 前記クラッチハブスリーブが前記中立位置に位置決
めされている限り、各部の軸方向のがたつきに拘らず、
そのクラッチハブスリーブの所定位置に位置決めされて
いる前記シフティングキーに前記シンクロナイザリング
が当接することのないように、各部の寸法が設定されて
いることを特徴とする。
【0027】
【発明の効果】このような本発明の同期装置において
は、前記インデックス手段と略同じタイミングでクラッ
チハブスリーブとシンクロナイザリングとの相対回転を
阻止する荷重分担手段が設けられているため、それ等の
インデックス手段および荷重分担手段によって相対回転
が阻止される際の接触面積が大きくなり、シンクロナイ
ザリングに作用する衝撃の面圧が低減されて摩耗や変形
が抑制され、クラッチの耐久性が向上する。このように
摩耗や変形が抑制されることから、銅系材料等の比較的
軟らかい材料でシンクロナイザリングやインデックス手
段を構成することが可能で、耐摩耗性に優れた鉄系材料
などを使用する場合に比較して熱処理等が不要であると
ともに加工が容易で生産コストが低減される。
【0028】第6発明は、シフティングキーを備えてい
ないキーレスタイプの同期装置に関するもので、荷重分
担手段の構成要素として支持突起と同様な荷重分担突起
が設けられ、それ等の支持突起および荷重分担突起の外
周側にリング部材が配設されている場合に、その荷重分
担突起にリング部材の撓み変形を許容する切欠を設けた
場合で、クラッチハブスリーブを遮断位置から伝達位置
へ移動させる際の操作性が良好に維持される。すなわ
ち、支持突起と同様な荷重分担突起が設けられ、その外
周側にリング部材が配設されると、リング部材の支持点
が多くなるため、クラッチハブスリーブの押圧突起との
係合時に内周側へ撓み変形させる際の変形抵抗が大きく
なり、クラッチハブスリーブを伝達位置へ移動させる際
に必要な操作力が大きくなるなど操作性が損なわれる恐
れがあったのである。
【0029】第7発明は、車両の変速機用クラッチに関
するもので、クラッチハブスリーブがシフト手段によっ
て中立位置に位置決めされている限り、そのクラッチハ
ブスリーブの所定位置に位置決めされているシフティン
グキーにシンクロナイザリングが当接することのないよ
うに各部の寸法が設定されているため、動力伝達を遮断
する中立状態での振動に起因してシフティングキーがシ
ンクロナイザリングを変速歯車に押圧する恐れがなく、
中立状態(遮断状態)での振動に起因するインデックス
手段の当接自体が抑制される。これにより、荷重分担手
段による衝突時の面圧低下と相まって、シンクロナイザ
リングの摩耗や変形が一層効果的に抑制される。
【0030】
【発明の実施の形態】ここで、前記第2発明はキーイン
デックスタイプの同期装置に関するもので、第3発明は
ハブインデックスタイプの同期装置に関するもので、第
4発明はマルチコーンタイプの同期装置であって、特に
シンクロナイザリングのイナーシャが大きい連結タイプ
マルチシンクロに関するもので、第5発明および第6発
明はシフティングキーを備えていないキーレスタイプの
同期装置に関するものであるが、本発明(第1発明)は
非連結タイプマルチシンクロなどの他の同期装置にも適
用され得る。
【0031】本発明の同期装置は、前記図23の変速機
10のように運転者の手動操作で機械的に変速される手
動変速機用のクラッチに好適に適用されるが、油圧アク
チュエータなどの駆動手段によってクラッチハブスリー
ブを軸方向へ移動させることにより変速段を自動で切り
換える形式の変速機のクラッチや、変速機以外のクラッ
チにも適用され得る。変速段の数は適宜定められるし、
入力軸12を省略して、カウンタシャフト14に直接エ
ンジン出力が入力されるようになっていても良いなど、
変速機自体の構成は適宜定められる。また、クラッチ
は、変速機10のように出力軸16側に配設することが
望ましいが、カウンタシャフト14側に配設することも
可能である。
【0032】第1発明の荷重分担手段は、正逆両方向の
相対回転共にインデックス手段と略同じタイミングで相
対回転を阻止するように構成することが望ましいが、例
えば最低変速段や最高変速段を成立させるクラッチなど
インデックス手段の主要な当接形態が一方向だけの場合
には、何れか一方の相対回転時にインデックス手段と略
同じタイミングで相対回転を阻止するが、他方の相対回
転では荷重分担手段は機能せず、実質的にインデックス
手段だけで相対回転が阻止されるように構成しても良
い。
【0033】第7発明の実施に際しては、例えば前記ク
ラッチハブスリーブが前記シフト手段によって前記中立
位置に保持されている場合に、そのクラッチハブスリー
ブの所定位置に位置決めされている前記シフティングキ
ーと前記シンクロナイザリングとの間には、各部の軸方
向のがたつき(組付公差や遊びなど)に拘らずシンクロ
ナイザリングと前記クラッチハブまたは前記キースプリ
ングとの間の寸法よりも常に大きな寸法の隙間が形成さ
れるように、各部の寸法が設定される。
【0034】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
具体的に説明する。なお、以下の実施例は、前記図23
以下に示したクラッチ42に適用した場合で、実質的に
共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略
する。前記出力軸16は第1回転部材に相当し、変速歯
車32b,34bは第2回転部材に相当し、クラッチハ
ブスリーブ42sの中立位置は遮断位置に相当し、変速
位置は伝達位置に相当する。
【0035】図1および図2は、請求項2に記載の発明
の実施例で、前記シンクロナイザリング54に荷重分担
突起110を設けるとともに、クラッチハブ50に荷重
分担溝112を設けた場合で、それ等の荷重分担突起1
10および荷重分担溝112によって荷重分担手段11
4が構成されている。荷重分担突起110は、周方向す
なわち軸心Oまわりにおいて前記キー溝68の中間に位
置する部位(計3箇所)にそれぞれ外周側へ突き出すよ
うに設けられており、クラッチハブ50の外周縁に断面
略T字形状を成すように一体に設けられた円筒状のスプ
ライン部116に形成された荷重分担溝(切欠)112
に、周方向において係合させられるようになっている。
それ等の荷重分担突起110および荷重分担溝112
は、軸心Oまわりにおいて前記キー溝68とシフティン
グキー52との遊び角度(相対回転可能な角度)と等し
い遊び角度θをもって係合させられるとともに、それ等
の軸心Oまわりの配設位置は、正逆両方向の相対回転に
おいてそれぞれキー溝68とシフティングキー52との
当接タイミングと同じタイミングで係合させられるよう
に設定されている。
【0036】このような同期装置においては、インデッ
クス手段(シフティングキー52およびキー溝68)と
同じタイミングで荷重分担突起110および荷重分担溝
112が係合させられることにより、クラッチハブスリ
ーブ42s(クラッチハブ50)とシンクロナイザリン
グ54との相対回転が阻止されるため、相対回転が阻止
される際のシンクロナイザリング54の接触面積が大き
くなり、シンクロナイザリング54に作用する衝撃の面
圧が低減されて摩耗や変形が抑制され、クラッチ42の
耐久性が向上する。また、このように摩耗や変形が抑制
されることから、銅系材料等の比較的軟らかい材料でシ
ンクロナイザリング54を構成することが可能で、耐摩
耗性に優れた鉄系材料などを使用する場合に比較して熱
処理等が不要であるとともに加工が容易で生産コストが
低減される。
【0037】なお、図示は省略するが、反対側のシンク
ロナイザリング56側も上記シンクロナイザリング54
側と同様に構成される。
【0038】図3の実施例は、シンクロナイザリング5
4に荷重分担溝120を設けるとともに、周方向におい
て荷重分担溝120と係合可能な荷重分担突起122を
クラッチハブ50に設けた場合で、それ等の荷重分担溝
120および荷重分担突起122によって荷重分担手段
が構成されている。図4は、請求項3に記載の発明の実
施例で、前記キー溝68の代わりにインデックス突起1
24を設け、クラッチハブ50にインデックス溝(切
欠)126を設けたハブインデックスタイプで、それ等
のインデックス突起124およびインデックス溝126
によってインデックス手段が構成されている。
【0039】図5のクラッチ82は、請求項7に記載の
発明の実施例で、前記図1および図2、図3の実施例の
ようにキーインデックスタイプであり、インデックス手
段および荷重分担手段を共に備えているとともに、クラ
ッチハブスリーブ42sがシフトフォーク58によって
中立位置に保持されている限り、クラッチハブスリーブ
42sの略中央に位置決めされている前記シフティング
キー52にシンクロナイザリング54,56が当接する
ことのないように、各部の寸法が設定されている。具体
的には、クラッチハブスリーブ42sがシフトフォーク
58によって中立位置に保持されている場合に、そのク
ラッチハブスリーブ42sの略中央に位置決めされてい
るシフティングキー52とシンクロナイザリング54,
56との間の寸法X,Yが、組付公差や遊びなどに起因
する軸方向のがたつきに拘らず総ての状態で次式(1) ,
(2) を満足するように、その組付公差や遊び等を考慮し
て各部の寸法が設定される。寸法x1 ,y1 は、シンク
ロナイザリング54,56とクラッチハブ50との間の
軸方向の隙間で、寸法x2 ,y2 は、シンクロナイザリ
ング54,56とキースプリング62との間の軸方向の
隙間である。 X>x1 または X>x2 ・・・(1) Y>y1 または Y>y2 ・・・(2)
【0040】このようにすれば、動力伝達を遮断する中
立状態での振動に起因してシンクロナイザリング54,
56がシフティングキー52に当接したり、その当接に
起因してシフティングキー52が軸方向へ飛ばされて反
対側のシンクロナイザリング56,54をギヤピース6
6,64に押圧したりする恐れがなく、中立状態での振
動に起因するインデックス手段の当接自体が抑制され
る。これにより、前記荷重分担手段114の作用による
当接時の面圧低下と相まって、キー溝68,70の側壁
の摩耗や変形が一層効果的に抑制される。
【0041】図6のシンクロナイザリング84は、キー
溝86の軸方向寸法を長くし、シフティングキー52か
ら軸方向端面86aまでの寸法XやYを大きくすること
により、前記(1) 式や(2) 式を満足するようにした場合
である。
【0042】図7のクラッチ90はハブインデックスタ
イプで、クラッチハブ50に設けられたインデックス溝
50aと、シンクロナイザリング54,56に設けられ
たインデックス突起54a,56aとによってインデッ
クス手段92,94が構成され、所定角度の相対回転
(前記遊び角度θ)を許容する状態でクラッチハブ50
とシンクロナイザリング54,56とが係合させられる
ようになっているとともに、図示は省略するが前記図1
および図2、図3に記載のような荷重分担手段を備えて
いる。また、キースプリングとしての圧縮コイルスプリ
ング96によって外周側へ付勢され、クラッチハブスリ
ーブ42sの溝60によって位置決めされるシフティン
グキー98は、専ら変速時にシンクロナイザリング5
4,56をギヤピース64,66に押圧する作用を為す
だけであり、上記インデックス溝50a内に配設されて
いる。図7の(b) は、クラッチハブスリーブ42sを取
り除いた状態でシフティングキー98付近を外周側から
見た図である。
【0043】このクラッチ90は、前記図5、図6の実
施例と同様に請求項7に記載の発明の実施例で、クラッ
チハブスリーブ42sがシフトフォーク58によって中
立位置に保持されている場合に、そのクラッチハブスリ
ーブ42sの略中央に位置決めされているシフティング
キー98とシンクロナイザリング54,56との間の寸
法X,Yが、組付公差や遊びなどに起因する軸方向のが
たつきに拘らず総ての状態で次式(3) ,(4) を満足する
ように、その組付公差や遊び等を考慮して各部の寸法が
設定される。寸法x,yは、シンクロナイザリング5
4,56とクラッチハブ50との間の軸方向の隙間であ
り、図5の実施例と同様の効果が得られる。 X>x ・・・(3) Y>y ・・・(4)
【0044】図8のクラッチ100は、キーインデック
スのマルチコーンタイプ(非連結タイプ)で、変速歯車
32b,34bにテーパ部材102,104が相対回転
不能に配設されているとともに、クラッチハブ50にテ
ーパ部材106,108が相対回転不能に配設され、変
速歯車32b,34bはそれぞれ3つのテーパ摩擦面を
介してクラッチハブ50と同期回転させられるようにな
っている。この場合も、クラッチハブスリーブ42sが
シフトフォーク58によって中立位置に保持されている
限り、クラッチハブスリーブ42sの略中央に位置決め
されているシフティングキー52にシンクロナイザリン
グ54,56が当接することのないように、前記(1) 式
および(2) 式を満足するように各部の寸法が設定される
ことにより、図5の実施例と同様の効果が得られる。な
お、この実施例の変速歯車32bは、前記ギヤピース6
4が一体に構成されている。
【0045】なお、図示は省略するが、ハブインデック
スのマルチコーンタイプのクラッチにも、請求項7に記
載の発明は適用され得る。
【0046】図9のクラッチ130は、キーインデック
スのマルチコーンタイプ(連結タイプ)で、請求項4に
記載の発明の実施例であり、変速歯車32b,34bに
テーパ部材132,134が相対回転不能に配設されて
いるとともに、シンクロナイザリング54,56にテー
パ部材136,138が相対回転不能に配設され、変速
歯車32b,34bはそれぞれ3つのテーパ摩擦面を介
してクラッチハブ50と同期回転させられるようになっ
ている。図10は一方のシンクロナイザリング54を示
す斜視図で、シンクロナイザリング54には係止爪14
6が内周側へ延び出すように一体に設けられ、テーパ部
材136に一体に設けられた係止爪140に係止される
ことにより、軸心Oまわりの相対回転が不能とされ、軸
方向の相対移動が可能な状態で略一体回転させられる。
上記テーパ部材132,134は回転部材側テーパ部材
に相当し、テーパ部材136,138はリング側テーパ
部材に相当する。なお、他方のシンクロナイザリング5
6側も上記シンクロナイザリング54側と同様に構成さ
れている。
【0047】このようなクラッチ130は、テーパ部材
136,138の分だけシンクロナイザリング54,5
6のイナーシャが大きくなるため、それだけシフティン
グキー52との衝突時の面圧が高くなるが、本実施例で
は、それ等のテーパ部材136,138の係止爪14
0,142を突き出させるとともに、クラッチハブ50
に荷重分担溝144を設け、シフティングキー52とキ
ー溝68,70との当接タイミングと同じタイミングで
それ等が当接させられることにより、シンクロナイザリ
ング54,56に作用する面圧が低減されるようになっ
ている。上記係止爪140,142は荷重分担突起に相
当し、それ等の係止爪140,142および荷重分担溝
144により荷重分担手段が構成されている。なお、図
9では、シフティングキー52等から成るインデックス
手段と荷重分担溝144等から成る荷重分担手段とが軸
心Oまわりの同じ位置に設けられているが、図10のよ
うに軸心Oまわりにおいて互い違いになるように設ける
ことが望ましい。
【0048】図11および図12は、ハブインデックス
のマルチコーンタイプ(連結タイプ)で、上記図9およ
び図10の実施例に比較して、シンクロナイザリング5
4にはキー溝68の替わりにインデックス突起150が
設けられ、クラッチハブ50には、遊び角度θを有する
とともに前記係止爪140と荷重分担溝144との当接
タイミングと同じタイミングでインデックス突起150
と係合させられるインデックス溝152が設けられてい
る。それ等のインデックス突起150およびインデック
ス溝152によってインデックス手段が構成されてい
る。
【0049】図13および図14の実施例は、シンクロ
ナイザリング54の係止爪146と係合する荷重分担溝
154をクラッチハブ50に設けた場合で、係止爪14
6は荷重分担突起に相当し、係止爪146および荷重分
担溝154によって荷重分担手段が構成されている。こ
の場合の係止爪140は、係止爪146と係合できるだ
けで良いため、図10や図11の実施例に比べて短い。
【0050】図15および図16の実施例は、前記荷重
分担溝144および154を一体的に有する段付凹所を
クラッチハブ50に設け、係止爪140および146が
それぞれインデックス突起150とインデックス溝15
2との当接タイミングと同じタイミングで荷重分担溝1
44および154と係合させられるようにした場合であ
る。この場合は、当接時の接触面積が大きくなるため、
面圧が一層低減されて摩耗や変形が更に効果的に抑制さ
れる。
【0051】なお、このようなマルチコーンタイプ(連
結タイプ)においても、図1〜図4の実施例のようにシ
ンクロナイザリング54に荷重分担手段として機能する
荷重分担突起110や荷重分担溝120を設け、クラッ
チハブ50と係合させるようにすることが可能である
し、上記のように係止爪を利用した荷重分担手段とシン
クロナイザリング54に設けた荷重分担手段とを併用す
ることもできる。また、シフティングキーを有する場合
には第7発明を適用することもできる。
【0052】図17〜図19は、請求項6に記載の発明
の実施例でキーレスタイプの同期装置に関するものであ
り、シンクロナイザリング160には、等角度間隔で外
周側へ突き出す複数(実施例では3つ)の支持突起16
2が設けられているとともに、その支持突起162の外
周側には弾性変形可能な円環形状のリング部材(実施例
はスプリング)164が配設されている。支持突起16
2はインデックス手段のインデックス突起としても機能
するもので、クラッチハブ166に設けられたインデッ
クス溝168に遊び角度θを有して係合させられるよう
になっている。一方、クラッチハブスリーブ170は、
その内周部にスプライン歯72と噛み合う多数のスプラ
イン歯を備えているが、そのうち周方向において前記支
持突起162の中間に位置するスプライン歯170aは
歯丈が高く、内周側へ突き出す押圧突起として機能する
ようになっており、クラッチハブスリーブ170がシン
クロナイザリング160側の変速位置へ移動させられる
際に、そのスプライン歯170aがリング部材164と
係合させられることにより、そのリング部材164を内
周側へ撓み変形させながらその反力(弾性力)でシンク
ロナイザリング160を軸方向(図18の右方向)へ移
動させて前記ギヤピース64に押圧し、それ等の間の摩
擦力でシンクロナイザリング160と変速歯車32bと
を同期回転させる。図18の(a) 〜(c) は、それぞれ図
17におけるa−a断面、b−b断面、c−c断面に相
当する図である。
【0053】また、上記シンクロナイザリング160に
は、軸心Oまわりにおいて支持突起162の中間に位置
する部分、すなわち前記スプライン歯170aと略同じ
位置に、支持突起162と略同一形状を成す荷重分担突
起172が設けられているとともに、クラッチハブ16
6には、支持突起162とインデックス溝168との当
接タイミングと同じタイミングで荷重分担突起172と
係合させられる荷重分担溝174が設けられている。こ
れにより、シンクロナイザリング160とクラッチハブ
166との相対回転が阻止される際のシンクロナイザリ
ング160の接触面積が大きくなり、シンクロナイザリ
ング160に作用する衝撃の面圧が低減されて摩耗や変
形が抑制され、前記各実施例と同様の効果が得られる。
【0054】ここで、支持突起162と同様な荷重分担
突起172が設けられると、その外周側に配設されるリ
ング部材164の支持点が多くなる(計6箇所)ため、
クラッチハブスリーブ170の歯丈が大きいスプライン
歯170aとの係合時に内周側へ撓み変形させる際の変
形抵抗が大きくなり、クラッチハブスリーブ170を変
速位置へ移動させる際に必要な操作力が大きくなるなど
操作性が損なわれる恐れがある。この実施例では、スプ
ライン歯170aと荷重分担突起172とが軸心Oまわ
りの略同じ位置に設けられているため、リング部材16
4を噛み込んでクラッチハブスリーブ170が移動不能
となってしまうが、スプライン歯170aを軸心Oまわ
りにおいて荷重分担突起172と支持突起162との間
に設けた場合でも、上記のようにリング部材164の変
形抵抗が大きくなってクラッチハブスリーブ170の移
動抵抗が大きくなる。
【0055】これに対し、本実施例では上記荷重分担突
起172のうちリング部材164が配設されるスプライ
ン歯72との境界部分に、リング部材164が内周側へ
撓み変形することを許容するように内周側へ向かって切
欠176が設けられている。これにより、リング部材1
64は3箇所の支持突起162のみで支持されるように
なり、従来と同程度の弾性変形が許容されるようになっ
て、クラッチハブスリーブ170を中立位置から変速位
置へ移動させる際の操作性が良好に維持される。
【0056】なお、スプライン歯170aを軸心Oまわ
りにおいて荷重分担突起172と支持突起162との間
に設けた場合、リング部材164として従来よりもばね
力が小さなスプリングを採用することにより、上記切欠
176を設けることなく、シンクロナイザリング160
に所定の押圧力を作用させつつ従来と同程度の操作性を
維持することが可能である。
【0057】図20〜図22は、請求項5に記載の発明
の実施例で、前記シンクロナイザリング160に荷重分
担溝180を設けるとともに、クラッチハブ166に荷
重分担突起182を設けた場合であり、この場合には前
記切欠176を設けることなく図17〜図19の実施例
と同様の効果が得られる。図21の(a) 〜(c) は、それ
ぞれ図20におけるa−a断面、b−b断面、c−c断
面に相当する図である。
【0058】なお、このようなシフティングキーを備え
ていないキーレスタイプで、連結式マルチコーンタイプ
の同期装置の場合は、図示は省略するが、前記図9〜図
16に示すように係止爪を利用して荷重分担手段を構成
することができるし、図17〜図22のようにシンクロ
ナイザリング160に設けた荷重分担手段と係止爪を利
用した荷重分担手段とを併用することも可能である。
【0059】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これらはあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2に記載の発明の一実施例のシンクロナ
イザリングを示す斜視図である。
【図2】図1の実施例におけるクラッチハブとシンクロ
ナイザリングとの係合状態を説明する図である。
【図3】請求項2に記載の発明の別の実施例のシンクロ
ナイザリングおよびクラッチハブの要部を示す図であ
る。
【図4】請求項3に記載の発明の一実施例のシンクロナ
イザリングおよびクラッチハブの要部を示す図である。
【図5】請求項7に記載の発明の一実施例を説明する断
面図である。
【図6】請求項7に記載の発明の別の実施例のキー溝部
分を示す斜視図である。
【図7】請求項7に記載の発明の更に別の実施例を説明
する図である。
【図8】請求項7に記載の発明の更に別の実施例を説明
する断面図である。
【図9】請求項4に記載の発明の一実施例を説明する図
である。
【図10】図9の実施例のシンクロナイザリングおよび
テーパ部材を示す斜視図である。
【図11】請求項4に記載の発明の別の実施例における
シンクロナイザリングおよびテーパ部材を示す斜視図で
ある。
【図12】図11の実施例におけるクラッチハブとシン
クロナイザリングやテーパ部材との係合状態を説明する
図である。
【図13】請求項4に記載の発明の更に別の実施例にお
けるシンクロナイザリングおよびテーパ部材を示す斜視
図である。
【図14】図13の実施例におけるクラッチハブとシン
クロナイザリングやテーパ部材との係合状態を説明する
図である。
【図15】請求項4に記載の発明の更に別の実施例にお
けるシンクロナイザリングおよびテーパ部材を示す斜視
図である。
【図16】図15の実施例におけるクラッチハブとシン
クロナイザリングやテーパ部材との係合状態を説明する
図である。
【図17】請求項6に記載の発明の一実施例のシンクロ
ナイザリングを示す側面図である。
【図18】図17における各部の断面を示す図である。
【図19】図17の実施例におけるクラッチハブとシン
クロナイザリングとの係合状態を説明する図である。
【図20】請求項5に記載の発明の一実施例のシンクロ
ナイザリングを示す側面図である。
【図21】図20における各部の断面を示す図である。
【図22】図20の実施例におけるクラッチハブとシン
クロナイザリングとの係合状態を説明する図である。
【図23】本発明が好適に適用されるクラッチを有する
変速機の一例を説明する図である。
【図24】従来のクラッチの一例を説明する断面図であ
る。
【図25】図24のクラッチのクラッチハブ等を示す側
面図である。
【図26】図24のクラッチのキー溝部分を示す斜視図
である。
【図27】図24のクラッチのキー溝部分を示す平面図
である。
【図28】図24のクラッチにおけるキー溝の側壁の摩
耗を説明する図である。
【図29】摩耗によって形成された段差にシフティング
キーが乗り上げた状態を説明する図である。
【符号の説明】
10:変速機 16:出力軸(第1回転部材) 32b,34b:変速歯車(第2回転部材) 42s,170:クラッチハブスリーブ 50,166:クラッチハブ 50a,126,152,168:インデックス溝 52,98:シフティングキー 54,56,84,160:シンクロナイザリング 54a,56a,124,150:インデックス突起 58:シフトフォーク(シフト手段) 62:キースプリング 68,70,86:キー溝 82,90,100,130:クラッチ 92,94:インデックス手段 96:圧縮コイルスプリング(キースプリング) 110,122,172,182:荷重分担突起 112,120,144,154,174,180:荷
重分担溝 114:荷重分担手段 132,134:テーパ部材(回転部材側テーパ部材) 136,138:テーパ部材(リング側テーパ部材) 140,142,146:係止爪(荷重分担突起) 162:支持突起 164:リング部材 170a:スプライン歯(押圧突起) 176:切欠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 秀昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高村 伸一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1回転部材に相対回転不能に配設され
    て一体回転させられるクラッチハブと、 該クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
    能にスプライン嵌合されるとともに、軸方向へ移動させ
    られることにより動力伝達を行う伝達位置および動力伝
    達を遮断する遮断位置に位置決めされるクラッチハブス
    リーブと、 軸方向において前記クラッチハブに隣接して相対回転可
    能に配設されるとともに、前記クラッチハブスリーブが
    前記伝達位置へ移動させられることにより、該クラッチ
    ハブスリーブとスプライン嵌合されて前記第1回転部材
    と一体的に回転させられる第2回転部材と、 該第2回転部材に相対回転可能且つ軸方向の相対移動可
    能に配設され、前記クラッチハブスリーブが前記伝達位
    置へ移動させられる際に該第2回転部材に押圧されてテ
    ーパ嵌合させられるシンクロナイザリングと、 周方向において係合させられる複数の係合部から成り、
    前記クラッチハブスリーブと前記シンクロナイザリング
    とを、周方向において所定角度の相対回転を許容しつ
    つ、それ以上の相対回転を阻止するインデックス手段と
    を有し、前記クラッチハブスリーブが前記遮断位置から
    前記伝達位置へ移動させられる際に、前記シンクロナイ
    ザリングが前記第2回転部材に押圧されることにより、
    前記テーパ嵌合の摩擦力で該シンクロナイザリングと該
    第2回転部材とを同期回転させるクラッチの同期装置に
    おいて、 周方向において係合させられる複数の係合部から成り、
    前記インデックス手段による前記相対回転の阻止と略同
    じタイミングで前記クラッチハブスリーブと前記シンク
    ロナイザリングとの相対回転を阻止する荷重分担手段
    を、該インデックス手段とは別に設けたことを特徴とす
    るクラッチの同期装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記クラッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の
    相対移動可能に配設されるとともに、常にはキースプリ
    ングの付勢力で該クラッチハブスリーブの所定位置に位
    置決めされ、該クラッチハブスリーブが前記遮断位置か
    ら前記伝達位置へ移動させられる際に前記シンクロナイ
    ザリングに当接させられて、該シンクロナイザリングを
    前記第2回転部材に押圧するシフティングキーを有する
    一方、 前記インデックス手段は、前記シンクロナイザリングに
    設けられたキー溝と前記シフティングキーとの係合によ
    って該シンクロナイザリングと前記クラッチハブスリー
    ブとの相対回転を阻止するもので、 前記荷重分担手段の複数の係合部は、前記クラッチハブ
    および前記シンクロナイザリングの一方および他方に設
    けられた荷重分担突起および荷重分担溝であることを特
    徴とするクラッチの同期装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記インデックス手段および前記荷重分担手段の複数の
    係合部は、何れも前記クラッチハブおよび前記シンクロ
    ナイザリングの一方および他方に設けられた突起および
    溝であることを特徴とするクラッチの同期装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記シンクロナイザリングの内周側には、前記第2回転
    部材に相対回転不能に係合させられた回転部材側テーパ
    部材、および該シンクロナイザリングに相対回転不能に
    係合させられたリング側テーパ部材が交互に設けられ、
    それぞれテーパ嵌合させられるようになっているととも
    に、 前記荷重分担手段は、前記シンクロナイザリングおよび
    前記リング側テーパ部材の少なくとも一方と前記クラッ
    チハブとの係合によって該シンクロナイザリングと前記
    クラッチハブスリーブとの相対回転を阻止するものであ
    ることを特徴とするクラッチの同期装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記シンクロナイザリングには、略等角度間隔で外周側
    へ突き出す複数の支持突起が設けられているとともに、
    該支持突起の外周側には弾性変形可能なリング部材が配
    設されており、 前記クラッチハブスリーブには、周方向において前記支
    持突起の間に位置する部位に内周側へ突き出す複数の押
    圧突起が設けられ、 該クラッチハブスリーブが前記遮断位置から前記伝達位
    置へ移動させられる際に、該押圧突起が前記リング部材
    と係合させられることにより、該リング部材を介して前
    記シンクロナイザリングを前記第2回転部材に押圧する
    ようになっている一方、 前記荷重分担手段の複数の係合部は、前記クラッチハブ
    および前記シンクロナイザリングの一方および他方に設
    けられた荷重分担突起および荷重分担溝であることを特
    徴とするクラッチの同期装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記インデックス手段の複数の係合部は、前記シンクロ
    ナイザリングに設けられた前記支持突起と、該支持突起
    と係合可能に前記クラッチハブに設けられたインデック
    ス溝であり、 前記荷重分担手段の複数の係合部は、周方向において前
    記支持突起の間の部位に該支持突起と同様に外周側へ突
    き出すように前記シンクロナイザリングに設けられた荷
    重分担突起と、該荷重分担突起と係合可能に前記クラッ
    チハブに設けられた荷重分担溝であり、 該荷重分担突起には、前記リング部材が内周側へ撓み変
    形することを許容する切欠が設けられていることを特徴
    とするクラッチの同期装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 前記クラッチは車両の変速機用クラッチで、 前記クラッチハブスリーブは、シフト手段によって軸方
    向に離間する一対の変速位置と、該一対の変速位置の中
    間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ移動させ
    られるもので、 前記第2回転部材は、前記クラッチハブの両側に配設さ
    れるとともに、前記クラッチハブスリーブが前記変速位
    置へ移動させられることにより、該クラッチハブスリー
    ブとスプライン嵌合されて該クラッチハブとの間で動力
    伝達を行う一対の変速歯車で、 前記シンクロナイザリングは、前記一対の変速歯車に対
    してそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の相対移動可能に
    一対配設されている一方、 前記クラッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の
    相対移動可能に配設されるとともに、常にはキースプリ
    ングの付勢力で該クラッチハブスリーブの所定位置に位
    置決めされ、該クラッチハブスリーブが前記中立位置か
    ら前記変速位置へ移動させられる際に前記シンクロナイ
    ザリングに当接させられて、該シンクロナイザリングを
    前記変速歯車に押圧するシフティングキーを有し、 且つ、前記クラッチハブスリーブが前記中立位置に位置
    決めされている限り、各部の軸方向のがたつきに拘ら
    ず、該クラッチハブスリーブの所定位置に位置決めされ
    ている前記シフティングキーに前記シンクロナイザリン
    グが当接することのないように、各部の寸法が設定され
    ていることを特徴とするクラッチの同期装置。
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