JP2005514568A - ギヤボックスの同期装置用組立体システム - Google Patents

Abstract

ギヤボックスの同期装置用の構成システムであって、該同期装置がキャリア６を有し、該キャリアがギヤボックスの軸４に取付けられ、該軸と共に回転するようにされ、かつ軸に結合されたハブ部分８のみでなくウエブ部分１０をも有しており、前記キャリアが、キャリアを取囲むシフトスリーブ１６をキャリア共に回転するがキャリアに対して軸方向に移動可能となるように支持し、そうすることでキャリアは、軸上に回転可能に取付けられた歯車に固定取付けされた接続部材２２′，２２″に接続でき、該同期装置が、また円錐形の外側摩擦面を有する少なくとも１つの内側同期リング２８，４０と、円錐形内側摩擦面と外側止め歯を有する外側同期リング２４ａ，２４ｂと、内側と外側との同期リング間に配置された中間同期リング３４とを含んでいる。前記構成システムは、単式、２重式、３重式の同期形式に使用可能であり、外側同期リング２４ａ，２４ｂは、ウエブ部分内に少なくとも半ば係合する駆動突起３６ａ，３６ｂを有している。各駆動突起は、係合開口３８内に位置せしめられる。止め歯２６を備えた外側同期リングの直ぐ内方に位置せしめられている同期リング２８，３４は、ウエブ部分とは反対側に軸方向駆動突起３６ａ，３６ｂを有し、該駆動突起が、各々、隣接接続部材２２′，２２″に係合している。

Description

本発明は、特許請求の範囲第１項前文に記載された種類のギヤボックス同期装置用の構成システムに関するものである。

上記の種類の同期装置には、回転軸に配置され、回転軸と連動して回転し、ハブ部分のみでなくウエブ部分をも有するキャリアが組込まれており、該ウエブ部分が、シフトスリーブ（同期スリーブ）を、該ウエブと共に回転するが軸方向に移動可能となるように支持し、シフトスリーブのこの移動により、キャリアが、したがって回転軸が、ギヤボックスの歯車に属する接続部材に接続可能にされる。この接続部材は、同じギヤボックスの歯車の一部又は該歯車に固定結合された部材により形成される。同期装置は、更に、協働する円錐形摩擦面を備えた少なくとも２個の同期リングを有している。

この種に同期装置は、既に公知であり単式、２重式、３重式いずれかの同期化を生じるように設計された別形式を含んでいる。
その種の公知技術の例として、ＳＥ ４４８ １８２による同期機構及びＤＥ１９９ ２８ ５９７ Ａ１による同期装置を引用しておく。

しかし、前記明細書のいずれもが言及しているのは、様々な種類の多数の構造部材を含む比較的複雑な設計の装置であり、該構造部材では、特定の事例毎に必要となる異なる同期化に応じて組合わせを容易に変更可能な、限られた数の標準的な基本構成部材を用いて、単式、２重式、３重式の同期化を合理的に構成すると言うわけにはいかない。前記ドイツ特許の同期装置の欠点は、装置の軸方向全長が長過ぎて厄介な点である。前記スエーデン特許による同期装置に関して注目される点は、外側と内側の同期リング（すなわちラッチ円錐と内側円錐）を、ねじり力が伝達されるように互いに接続する特別の反動ワッシャ（プレート）を有する点である。この結果、全同期化トルクがラッチ円錐に伝達される。ラッチ円錐の止め歯は、したがって比較的先端が鋭く作られており、このことは、この種のギヤボックスによるギヤ切替えは、要求されるギヤ切替え力がより小さいため、より容易なことを意味する。しかし、反動ワッシャを備えたこの種の同期機構の欠点は、ワッシャー材料の厚さとキャリアのウエブ脇へのワッシャーの配置とにより、同期機構の軸方向厚が増すことである。

本発明の主要な目的は、同期装置（単式、２重式、３重式）の別形式のための新たな種類の構成システム、それも、比較的少数の組合わせ可能な標準部材（製品）用いて前記３種の同期化の別形式のいずれかが可能な構成システムを得ることである。
本発明の別の重要な目的は、次のような構成システムを得ることである。すなわち、各同期化装置の全長の短いコンパクトな設計が可能になり、かつ前記標準化された構成の同期装置を有する「基本ギヤボックス」の場合に、ギヤボックスが手動式か電子式かを問わず、あらゆる主要な点が類似している構成システムである。

本発明の更に別の目的は、同期化装置の構成部材の組立て（分解又は取外しも）がより容易に行い得るようにすることである。
また、同期化装置が組込まれているギヤボックスにより、比較的容易にギヤの切替えが可能なギヤ切替え特性を有する同期装置を得ることである。

前記の目的は、本発明により、特許請求の範囲第１項特徴部分に記載の特徴を有する、冒頭に述べた種類の構成システムにより達せられた。従来の各同期化の別形式を更に発展させ、より好ましいものにした本発明による同期構成システムに変化形は、更に従属請求項２〜請求項７に記載の特徴を有している。

本発明による新規な構成システムの顕著な主特徴は、単式、２重式、３重式の同期装置形式に使用可能であり、止め歯を備え以下ではラッチ円錐と呼ばれる外側同期リングが、その半径方向で最も内方の部分に１つ以上の、半径方向内方を向いた駆動突起を有し、該駆動突起の各々が、キャリアのウエブ部分の係合開口内に駆動係合するように設計され、該開口が、前記ウエブ部分を貫通し、かつ前記駆動突起用に設けられている点である。２重式又は３重式の同期形式の場合、またこれらの係合開口の各々内で、内側同期リングの軸方向駆動突起が、ラッチ円錐の駆動突起と相互係合し、それにより、止め歯を備えた外側同期リング（ラッチ円錐）が、その円錐形内側摩擦面を介して接触している同期リングが、キャリアのウエブ部分とは反対側に１つ以上の軸方向駆動突起を有し、該駆動突起の各々が隣接歯車の接続部材の切り欠に係合せしめられる。

同期リング（同期円錐）は、円錐形摩擦面を備え、かつ該リングの半径方向内方向きの各駆動突起が、ウエブ部分を貫通する関連開口内でキャリアと駆動係合し（すなわちキャリアにより駆動され）、結果として、軸方向に極めてコンパクトな「テレスコープ式」配置にされており、それによって、キャリアのウエブ部分が、その厚さの全寸法にわたって効果的に（空間利用上最適に）利用されている。

実際には、概して、回転軸に回転可能に取付けられ軸方向に間隔をおいた２個の歯車の間の区域に、車両ギヤボックス内の同期装置キャリアが配置され、歯車の各々が接続部材を備え、該接続部材が、キャリアに隣接し、該接続部材を介してキャリアが、シフトスリーブの軸方向運動により、かつ既存の同期リングの作動により、駆動接続される。この場合、同期リング（円錐）の数は、キャリアの各側で加えられる同期作用（回転速度を同等にする摩擦作用）の必要な大きさ応じられるように、キャリアの両側で異なっている。概して、大きな同期動力を処理せねばならない場合には（例えば車両発進時に１速に切替える場合）、より小さい同期動力を要する状況（例えば４速から５速への切替え時。この場合は単式又は２重式同期化で十分である）でよりも多数の協働同期リングが必要とされる（例えば３重式同期化）。そうしなければ、マニュアルのギヤボックスの場合には特に望ましい、双方の状況でのほぼ等しい「ギヤ切替え感」は得られない。

キャリア片側の２個の同期リングを有する形式（すなわち単式同期化）と、キャリア両側に３個の同期リングを有する形式（２重式同期化）とを組合わせた形式は、請求項２の特徴部分に記載された特徴を有している。
キャリア両側の４個の同期リング（すなわち３重式同期）と組合わせた、キャリア片側に３個の同期リングを含む別形式の場合、システムは、請求項３の特徴部分に記載された特徴を有している。この場合、最も内方の第３同期リングの円錐形内側が、ギヤの隣接接続部材の対応円錐形環状フランジ部分に当接されるが、該フランジ部分は、特定ギヤに固定されたフランジ部材として、又は同じギヤの一体部分として構成することができる。

特に製造技術上の理由で、またギヤボックス内に標準型キャリアを使用可能にするために、キャリアのハブ部分は、キャリアスリーブを介して回転軸に接続し、回転軸と共に回転するようにするのが好ましい。その場合、前記ギヤボックスは、半径方向寸法が異なるハブ／ウエブを有する２個以上のキャリアを有し、該複数キャリアは、キャリアのウエブ部分の半径方向外側部分のキャリア歯と、キャリアのハブ部分が取付けられたギヤボックス回転軸の外側との半径方向間隔が異なる点で、互いに異なっている。また前記キャリアスリーブは、回転軸に取付けられ回転軸と共に回転し、かつまた軸方向外方の突起を有し、該突起の間にハブ部分内周のスプラインが係合する。この場合、キャリアスリーブは、キャリアのハブ部分の内側と、キャリアが駆動接続される回転軸との間のアダプタ（中間適合部材）として役立つ。

ウエブ部分の各側でキャリアと関連同期リングとの軸方向長さをできるだけ短縮し得るには、止め歯を備えた外側同期リング（ラッチ円錐）の半径方向内方向きの駆動突起と、キャリアのウエブ部分と係合する別の同期リングの軸方向突起とがすべて、ウエブ部分を貫通する係合開口内に、完全に又はほとんど完全に位置せしめられることが好ましい。その結果、この係合区域で事実上一定のウエブ厚を有するのが好ましいウエブ部分を最大限に活用できる。
同期化過程の開始時に、シフトスリーブは、噛み合うべき歯車方向へ軸方向に移動する、つまり軸方向に隣接する外側同期リング（ラッチ円錐）より軸方向内方へ移動し、該リングを部分的に通り越す。この場合、止め歯を備えたこの同期リングと、ウエブ部分の前記半径方向外方部分との間に、適当な、好ましくは環状線ばね形式の前同期部材が配置され、該線ばねが押圧するにより、シフトスリーブの内側のうね状の接続歯が、止め歯を備えた半径方向に突出する同期リング作動部分に接触する。この線ばね部材は、キャリアウエブ部分の外側キャリア歯の「アンダーカット」端部内の区域に直接に配置される。

前記線ばね部材は、キャリアのアンダーカットされたキャリア歯端部内の区域に容易にはめ込むことができ、該端部により、シフトスリーブがキャリアの軸方向で反対側の、歯車のかみ合い位置へ移動した場合にも、はめ込み位置に線ばねが確実に保持される。この線ばね部材とシフトスリーブとは、線ばね部材をはめ込むために、いずれかの特定のばねはめ込み位置へ動かす必要はない。概して、最も外側の同期リング（ラッチ円錐）をその内側に位置する１個以上の同期リングに当付ける力は、線ばねの寸法を、適切な付勢力とシフトスリーブ及びラッチ円錐に対する適切な接触角が得られるように選択することで、設定できる。
以下で本発明を、本発明による構成システムにより構成された同期装置（及びその部品）の実施例を示す添付図面につき、説明する。

図１には、本発明による構成システムによって構成され、キャリア６を有する第１同期装置２が示され、該キャリアは、ギヤボックスの回転軸４に取付け可能、かつ回転軸４と共に回転するようにされており、かつまた回転軸４と接続可能なハブ部分８（図２６及び図２６のみに示す）だけでなく、該ハブ部分８から半径方向に突出するウエブ部分１０をも含んでいる。キャリア６は、ウエブ部分外周部に、外側部分１２を有し、該外側部分は、軸方向に両側に拡幅され、外周にキャリア歯１４（図１３Ａ参照）を備えている。この外側部分１２の外周で、キャリアがシフトスリーブ１６（図２１参照）を支持しており、該シフトスリーブは、キャリアと共に回転するように取付けられているが、キャリアに対し軸方向に可動であり、かつ環状にキャリアを取囲んでいる。シフトスリーブは、軸方向のうね状の内側接続歯１８を備え、該接続歯がキャリア歯１４の歯間に係合する。シフトスリーブ１６の軸方向移動により、キャリアは、キャリア歯１４内に位置する複数の協働同期リングの作動後、回転軸４上で回転するように（軸受け２５，２７を介して）取付けられた歯車２１，２３（図２５及び図２６にのみ示す）の側部にそれぞれ固定された接続部材２２′，２２″の接続外歯２０′，２０″にそれぞれ接続される。

図１の同期装置２の場合、キャリア６の左側（単式同期側）の同期リングが、止め外歯２６を有する外側同期リング（ラッチ円錐）２４ａと、その内方に配置された内側同期リング２８とを含み、該内側同期リングが、周方向に間隔をおいた３つの軸方向駆動突起３０ａを備え、該突起の各々が隣接接続部材２２′の各切り欠３２ａに係合する。キャリア６の右側（２重式同期側）に、同期リングは、外側同期リング（ラッチ円錐）３４と、３つの軸方向駆動突起３０ｂを有する中間同期リング（中間円錐）３４（図２２参照）とを含み、該駆動突起の各々が隣接接続部材２２″の各切り欠３２ｂに係合する。ラッチ円錐２４ａ，２４ｂは、各々周方向に間隔をおいた３つの駆動突起３６ａ，３６ｂを有し、該駆動突起が、その最も半径方向内方の部分が各々内方を向いており、かつ該駆動突起の各々が、ウエブ部分を貫通する係合開口３８内でキャリア６のウエブ部分１０と駆動係合するように設計されている。
キャリア６は、また６個の前記開口３８を有し（図１４参照）、そのうちの３個が突起３６ａによって使用され、他の３個が突起３６ｂによって使用される。半径方向で中間円錐３４の内方には、周方向に間隔をおいた３つの軸方向駆動突起４２（図１及び図２０参照）を有する内側同期リング（内側円錐）４０が配置され、該駆動突起がラッチ円錐２４ｂの駆動突起３６ｂと係合する。

図３に示した同期装置１０２の場合、キャリア６の左側（２重式同期側）の同期リングは、基本的には同期装置２（図１）の右側の同期リングと等しい設計なので、等しい符号を用いているが、但し１００を加えてある。言い換えると、円錐には符号１２４，１３４，１４０が、駆動突起には符号１３６，１３０，１４２が当てられている。右側（３重式同期側）では、ラッチ円錐が符号１４４で示され、１対の中間同期リング（中間円錐）はそれぞれ符号１４６と１４８で示されている。最も内方の中間円錐１４８は、ラッチ円錐の駆動突起１４４と軸方向に係合する内方へ突出した３つの駆動突起１４２を有している。中間円錐１４８の円錐形内側は、したがって接続部材１２２（図１６参照）内側に設けた協働環状フランジ部分１５０の円錐形外側に当接され、接続部材１２２は、回転軸４上で回転するように支持された歯車２９に固定結合されている（図２６参照）。

図１及び図３に示した同期装置では、キャリア６のハブ部分８がキャリアスリーブ５２を介して回転軸４（特に図２５及び図２６参照）に接続され、かつ回転軸４と共に回転するようにされており、該キャリアスリーブは、回転軸に取付けられ、かつ回転軸と共に回転するようになっており、かつ軸方向外側突起５４を有し、該突起の間にハブ部分のスプライン５６が係合している。ラッチ円錐２４ａ，２４ｂ及び１２４，１４４各々の駆動突起３６ａ，３６ｂ及び１３６ａ，１３６ｂは、事実上半径方向内方を向き、ウエブ部分１０の中心平面区域（回転軸４と直角の）に位置せしめられ、係合開口３８内に完全に受容されている。キャリア６の両側には、両端が周方向で接近している環状の線ばね５８（図２４参照）形式の前同期ばね部材が、ウエブ部分１０の半径方向外側部分１２と、隣接ラッチ円錐２４ａ，２４ｂ及び１２４，１４４との間に、それぞれ配置されている。線ばね５８は、キャリア６のウエブ部分１０の外側拡幅部１２に設けられたキャリア歯１４のアンダーカット端部６０（図１３Ａ参照）区域内に直接にかん合している。

ディスク状接続部材２２′，２２″内の穴３２ａ，３２ｂの位置は、それぞれ図１５及び図１６に示され、ラッチ円錐２４ｂ，１２４，１４４に対応するラッチ円錐は、図１８に示されている。中間円錐３４，１３４，１４６，１４８は、図２２及び図２３にそれぞれ示されている。
以下で、同期装置での同期化過程の連続的な段階を、キャリア６の両側での単式同期化を特色とする形式について概説する。この形式では、同期装置は、図示のように、２個の一様なラッチ円錐６２と、これらと協働する２個の同じく一様な内側円錐６４（図５Ａ参照）とを含み、該内側円錐は、図１の形式の内側同期リング（内側円錐）２８と等しい型である。この事例では、ラッチ円錐６２（図５参照）は、３つの軸方向駆動突起６６を有し、該駆動突起が、キャリア６を貫通する６個の係合開口のうちの３個にそれぞれ逆方向から係合している（図１４参照）。
簡単化するため、関連する部材／構成要素の符号は、図５Ａ及び図５Ｂにのみ記載した。なぜなら、同期化過程の連続的段階の他の段階を示す図（図６〜図１３）と同じ部材／構成要素だからである。

図５〜図１３に示した同期化過程では、同期スリーブ（シフトスリーブ）１６の軸方向移動が、図示されていないギヤシフトフォークにより従来式に行われる。シフトフォークは、周方向溝７０に係合し、かつ中間接続部材を介して、車両の運転者がシフトレバー又はギヤセレクタで操作する。車両内では、図示の同期装置を備えた関連ギヤボックスが、駆動ラインの一部を形成している。図５（図５Ａと図５Ｂを含む）は、ニュートラル位置での同期装置を示している。

ディスク状接続部材２２′に固定結合されたギヤを、キャリア６が共に回転するように取付けられたギヤボックス回転軸４に接続（駆動接続）する場合、シフトスリーブは、図５のニュートラル位置から左方へ、図６に示した作用位置へ移動し、これによって、接続歯１８の波形下面が、前同期部材として役立つ線ばね５８を押圧してラッチ円錐６２と接触させ、こうすることでラッチ円錐の内側円錐形摩擦面が、内側円錐６４の円錐形外側と摩擦接触させられる。ラッチ円錐６２は、次いでキャリア６に対して回転し、図７に示すラッチ位置を占め、これにより止め歯２６が、シフトスリーブのそれ以上の左方への軸方向移動を阻止する。図８に示す同期化の続く間に、ラッチ円錐６２と内側円錐６４との摩擦によって、更に同期作用が生じる結果、図９に示す時計回り方向の回転が生じるが、その場合には、もはや止め歯２６は、図１０に示す引きずり位置へのシフトスリーブの軸方向移動を阻止せず、その代わり該位置では、シフトスリーブ接続歯が、今や接続部材２２′の接続歯２０′に対し軸方向で中央に位置することにより、それ以上の軸方向移動が阻止される。

同期化過程は、次いで図１１及び図１２に示すように、シフトスリーブ１６の接続部材２２′が連続的に内方へ回転することで完了するが、この内方への回転は、シフトスリーブの接続歯１８が、接続歯２０′の端部を通り越して接続歯２０′の間隙内へ進入し、図１３に示す最終接続位置へ移動できる位置に達した時点で終了する。この状態で、歯車は、接続部材２２′の接続歯２０′と、該接続歯と接続されたシフトスリーブ１６と、回転軸に駆動接続され、回転軸と共に回転するキャリア６とを介して、接続部材２２′に接続される。回転軸上のキャリア６は、回転軸と共に回転するように取付けられている。

最後に図２７〜図２９は、ラッチ円錐２２４′，２２４″の駆動突起２３６′，２３６″の各々が、単式、２重式、３重式の同期化（それぞれ図２７、図２８、図２９参照）の場合に、どのように設計されるかを、簡略化して同期化形式の片側だけで示したものである。図２８及び図２９に示したように、内側円錐２４０，２４８は、この場合、それぞれキャリア６に向いた側縁に切り欠２５０を備えており、該切り欠内に、ラッチ円錐２２４′，２２４″の駆動突起２３６′，２３６″の、軸方向に曲がった端部２５２が係合し、キャリアを介した動力伝達なしで、内側円錐とラッチ円錐とが直接に相互接続される。駆動突起の数は、単式、２重式、３重式の同期化の場合、それぞれ３個、５個、７個が好ましいが、キャリア６のウエブ部分１０を貫通する係合開口３８の数は１２となる。

本発明による構成システムによって構成された第１同期装置の軸方向縦断面図。（実施例１） 図１の同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との若干を平面的に略示した部分「分解」図。 図１に対応する図で、本発明により構成された第２同期装置の軸方向縦断面図。（実施例２） 図２同様の図で、図３に示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯とを示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図５Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図６Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図７Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図８Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図９Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図１０Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図１１Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図１２Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 本発明により構成された第３同期装置の同期化過程の連続的な段階を示す軸方向縦断面図。（実施例３） 図２及び図４と同様の図で、図１３Ａに示した同期装置の一部を形成する接続歯と止め歯との相互位置を示す図。 キャリアを示す図。 クラッチ板を示す図。 クラッチ板を示す図。 ラッチ円錐を示す図。 ラッチ円錐を示す図。 内側同期リングを示す図。 内側同期リングを示す図。 シフトスリーブを示す図。 中間同期リングを示す図。 中間同期リングを示す図。 図１及び図３に各々示した同期装置用の線ばね部材を示す図。 ２つの異なる同期装置がギヤボックス内で回転軸にどのように配置されているかを例示する図。 ２つの異なる同期装置がギヤボックス内で回転軸にどのように配置されているかを例示する図。 ラッチ円錐と内側円錐との間の駆動接続の別形式を示す図。 ラッチ円錐と内側円錐との間の駆動接続の別形式を示す図。 ラッチ円錐と内側円錐との間の駆動接続の別形式を示す図。

符号の説明

２，１０２ 同期装置
４ ギヤボックスの回転軸
６ キャリア
８ ハブ部分
１０ ウエブ部分
１２ キャリアの外側部分
１４ キャリアの歯
１８ 接続歯
２０′，２０″ 外側接続歯
２１，２３ 歯車
２２′，２２″ 接続部材
２４ａ，２４ｂ 外側同期リング（ラッチ円錐）
２５，２７ 軸受け
２６ 止め歯
２８ 内側同期リング
３０ａ，３０ｂ 駆動突起
３２ａ，３２ｂ 穴
３４ 中間円錐
３６ａ，３６ｂ、 駆動突起
３８ 係合用開口
４０ 同期リング（内側円錐）
４２ 駆動突起
５２ キャリアスリーブ
５４ 軸方向突起
５６ スプライン
５８ 線ばね
６０ アンダカットされた端部
６２ ラッチ円錐
６４ 内側円錐
６６ 駆動突起
７０ 周方向溝
１２０ 接続部材
１３０，１３６，１４０，１４４ 駆動突起（ラッチ円錐）
１３４，１４６，１４８ 同期リング（中間円錐）
１５０ 環状フランジ部分
２２４′，２２４″ ラッチ円錐
２３６′，２３６″ 駆動突起
２４０，２４８ 内側円錐
２５０ 切り欠
２５２ 軸方向に曲げられた端部

Claims (7)

1. ギヤボックス、特に車両のギヤボックスの同期装置用構成システムであって、
   該同期装置が、キャリア、それも回転軸（４）に取付けられ、かつ回転軸（４）と共に回転し、かつまた回転軸に結合されたハブ部分（８）のみでなく、該ハブ部分から半径方向に突出したウエブ部分（１０）をも備えたキャリアを有し、該キャリアの外周が、キャリアを環状に取囲むシフトスリーブ（１６）を、キャリアと共に回転するがキャリアに対して軸方向に移動可能に支持しており、これによって、キャリアが、回転軸に回転可能に取付けられた歯車に接続される接続部材（２２′，２２″）に接続され、加えて
   該同期装置が、前記キャリアのみでなく、円錐形外側摩擦面を備えた少なくとも１個の内側同期リング（２８，４０；１４０）と、
   円錐形内側摩擦面、及びリング外周の外側止め歯を備えた外側同期リング（２４ａ，２４ｂ；１２４，１４４）とを有し、更に
   ２重式又は３重式の同期形式の場合には、前記同期装置が、同期リング（３４；１４６、１４８）をも有しており、該同期リングが、前記内側と外側の同期リングの各々の中間に配置され、かつ内側と外側の円錐形摩擦面双方を有している形式のものにおいて、
   前記構成システムが、単式、２重式、３重式の同期形式に使用可能であり、止め歯（２６）を備えた外側同期リング（２４ａ，２４ｂ；１２４，１４４）が、半径方向でその最も内方部分に駆動突起（３６ａ，３６ｂ；６６）を有し、該駆動突起がキャリアのウエブ部分に少なくとも半ば係合し、それにより各駆動突起が、ウエブ部分を貫通する各駆動突起用係合開口（３８）内でウエブ部分と駆動係合するように設計されており、また
   ２重式又は３重式同期形式の場合には、前記外側同期リング（ラッチ円錐）の各駆動突起が、内側同期リングの軸方向向き駆動突起（４２）と係合し、更に
   止め歯（２６）を備えた外側同期リングの円錐形内側摩擦面が接触している同期リング（２８，３４；１３４，１４６）が、キャリアのウエブ部分とは反対側に１個以上の軸方向駆動突起（３０ａ，３０ｂ，１３０）を有し、該駆動突起の各々が、隣接歯車の接続部材（２２；１２２）の穴に係合することを特徴とする、ギヤボックスの同期装置用構成システム。
2. 前記キャリア（６）が、軸方向に間隔をおいて回転軸に回転可能に取付けられた２個の歯車間の区域に配置され、該歯車の各々がキャリアに隣接する接続部材（２２′，２２″）を備え、これにより前記キャリアが、シフトスリーブ（１６）の軸方向移動と同期リングの作動により接続される請求項１に記載された同期装置用システムにおいて、
   前記キャリア（６）の一方の側で、止め歯を備えた外側同期リング（２４ａ）が、内側同期リング（２８）と接触しており、該内側同期リングが、隣接歯車の接続部材（２２′）の穴（３２ａ）に係合する少なくとも１個の軸方向駆動突起（３０ａ）を有しており、キャリアの他方の側では、別の外側同期リング（２４ｂ）が中間同期リング（３４）と接触しており、該中間同期リングは、両面が円錐形であり、少なくとも１個の軸方向突起（３０ｂ）により隣接歯車の接続部材（２２″）の穴に係合し、軸方向突起（４２）を備えた内側同期リング（４０）に内側が当接し、該軸方向突起が、キャリアのウエブ部分の係合開口（３８）の１つ内で前記ラッチ円錐の突起と係合することを特徴とする、請求項１に記載された同期装置用システム。
3. 前記キャリア（６）が、軸方向に間隔をおいて回転軸上に回転可能に取付けられた２個の歯車間の区域に配置され、該歯車の各々がキャリアと隣接する接続部材（２２；１２２）を備え、これにより前記キャリアが、シフトスリーブ（１６）の軸方向移動と同期リングの作動とにより接続される請求項１に記載された同期装置用システムにおいて、
   前記キャリアの一方の側で、止め歯を備えた外側同期リング（１２４）が、中間同期リング（１３４）と接触しており、該中間同期リングは、両面が円錐形であり、少なくとも１つの軸方向突起（１３０）を介して隣接歯車の接続部材の穴に係合し、軸方向突起（４２）を備えた内側同期リング（１４０）に内面を当接し、かつ該軸方向突起が、キャリアのウエブ部分の係合開口（３８）の１つ内に係合しており、
   前記キャリアの他方の側では、別の外側同期リング（１４４）が中間同期リング（１４６）と接触し、該中間同期リングは、両面が円錐形であり、少なくとも１個の軸方向突起（１３０）を介して隣接歯車の接続部材（１２２）の穴に係合し、かつ最も内方の同期リング（１４８）に内面を当接しており、該最も内方の同期リングは両面が円錐形であり、少なくとも１つの軸方向突起（１４２）を有し、該軸方向突起が、係合開口（３８）の１つ内でラッチ円錐（１４４）の突起と係合しており、
   最後に挙げた最も内方の同期リング（１４８）の円錐内面が、隣接歯車の接続部材の協働円錐形環状フランジ部分（１５０）の表面に当接していることを特徴とする、請求項１に記載された同期装置用システム。
4. 前記キャリアの前記ハブ部分（８）が、キャリアスリーブ（５２）を介して回転軸に接続され、かつ回転軸と共に回転するようにされており、該キャリアスリーブが回転軸に取付けられ、かつ回転軸と共に回転するようにされ、かつ軸方向の外側突起を有しており、該突起の間にハブ部分の内周のスプライン（５６）が係合することを特徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載されたシステム。
5. 前記１個以上の外側同期リング（ラッチ円錐）の駆動突起（３６ａ，３６ｂ）が、止め歯（２６）を備え、好ましくは半径方向内方へ向き、かつウエブ部分の中心区域に位置しており、他の同期リングの軸方向突起（４２；１４２）が各ラッチ円錐の突起と係合しており、前記突起（３６ａ，３６ｂ；４２；１４２）がすべて、ウエブ部分を貫通する係合開口（３８）内に位置し、この区域で該ウエブ部分が事実上一定のウエブ厚を備えていることを特徴とする、請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載されたシステム。
6. 前記キャリアの各側に、アンダーカットされたキャリア歯端部（６０）の区域内に直接に取付けられる環状の前同期ばね部材（５８）が、ウエブ部分（１０）の、外側キャリア歯（１４）を備えた半径方向外側部分（１２）と、各隣接外側同期リングとの間に配置されていることを特徴とする請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載されたシステム。
7. 前記前同期化部材が線ばね（５８）の形式を有することを特徴とする、請求項６に記載されたシステム。

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