【発明の詳細な説明】
4−フェニルアミノチアゾール誘導体、その製造方法、および該誘導体を含有
してなる医薬組成物
本発明の課題は、新規置換分枝鎖状アミノチアゾールおよびその製造方法であ
る。これらの新規置換化合物は、一般に、CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因
子)に関するアンタゴニスト活性を有し、したがって、医薬組成物の活性成分を
構成することができる。
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)は、41個のアミノ酸の配列がVale
W.ら,in 1981(Science,1981,213,1394-1397)によって特徴付けられたペ
プチドである。CRFは、視床下部下垂体副腎軸の調節(副腎皮質刺激ホルモン
:ACTHの放出)およびその病状ならびにそれにより生じる鬱病症候群に関係
する主要内因性因子である。CRFは、また、β−エンドロフィン、β−リポト
ロピンおよびコルチコステロンの分泌を生じる。
したがって、CRFは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、および、より一
般的にはプロオピオメラノコルチン(POMC)から誘導されたペプチドの分泌
の生理学的調節剤である。CRFは、視床下部に位置するが、中枢神経系(辺縁
野(limbic area))にも広範囲に分布されており、該中枢神経系では、視床下
部下垂体副腎軸に対するその効果に関係なく神経伝達物質および/または神経修
飾物質の役割を果たす。
多くの動物実験は、CRFの中枢投与が、一般に行動の変化などの様々な不安
誘発効果:例えば、ラットにおける新奇恐怖症、性的感受性の低下および摂食量
の減少ならびに徐波睡眠を生じることを示した。CRFの脳室内注射は、また、
しばしば不安の状態を有する動物に関連する青斑のノルアドレナリン作動性ニュ
ーロンの興奮を増加させる。ラットにおいて、CRFの中枢または末梢投与は、
胃ダンピング、腸循環時間、排便および酸分泌の変化ならびに緊張効果を生じる
。これらの効果におけるCRFの特異的な掛かり合いは、ペプチドアンタゴニス
ト、
α−ヘリカルCRF(9−41)(ah−CRF)、または特異的抗体(Rivier
J.ら,Science,1984,224,889-891)の使用によって示され、これは、ストレ
スに関する内分泌障害および行動障害の発生におけるこのペプチドの役割を確認
することができる。
実際、これらの実験は、CRFが、神経内分泌レベル、内臓レベルおよび行動
レベルで、同時に、生理学的、心理的または免疫学的ストレスの間に観察された
複雑な応答の統合においてヒトにおいて重要な役割を果たすことを示す(Morley
J.E.ら,Endocrine Review,1987,8,3,256-287; Smith M.A.ら,Horm.Re
s.,1989,31,66-71)。さらに、臨床データは、ストレスの症状により生じる
多くの障害においてCRFの有効な掛かり合いのために影響する(Gulley L.R.
ら,J.Clin.Psychiatry,1993,54,1,(suppl.),16-19)、例えば:
− ヒトにおけるCRF試験(静脈内投与)の存在は、鬱病患者におけるAC
TH応答の変化を示すことができた(Breier A.ら,Am.J.Psychiatry,1987,
144,1419-1425)。
− ある種の病状における内因性CRF分泌過多、例えばアルツハイマー病タ
イプの痴呆症によって衰えさせられたかまたは該痴呆症に冒されている非薬物治
療患者における頭脊柱液中の高レベルのCRF(Nemeroff C.B.ら,Science 1
984,226,4680,1342-1343; Regul.Pept.,1989,25,123-130)または自殺者
の皮質における低下した密度のCRFレセプタ(Nemeroff C.B.ら,Arch.Gen
.Psychiatry,1988,45,577-579)の発見。
− CRF依存性ニューロンの機能不全は、アルツハイマー病およびパーキン
ソン病、ハンティングトン舞踏病および筋萎縮性側索硬化症の重篤な病状におい
て示唆される(De Souza E.B.,Hospital Practive,1988,23,59)。
多くの動物種におけるCRFの中枢投与は、ストレス状態のヒトにおいて得ら
れるものと同様の行動効果を生じる。それらが経時的に繰り返されると、これら
の効果は、種々の病状:疲労症候群、高血圧症、心臓障害、胃ダンピングおよび
排便の変化(大腸炎、過敏性腸症候群)、酸分泌の変化、高血糖症、遅延成長、
食欲不振、新奇恐怖症、生殖障害、免疫抑制(炎症性障害、多重感染および癌)
および様々な神経精神医学的障害(鬱病、神経性食欲不振および不安)を生じる
ことができる。
参照ペプチドアンタゴニスト、ah−CRFの脳室内経路を介する注射は、外
因性CRFの投与または自体により内因性CRFのレベルの増加を誘発すること
が可能なストレス誘発因子(エーテル、抑制、電気ショック、エタノール禁断症
状または手術)の使用によって得られる効果を防止する。これらの結果は、CR
Fに構造的に関係し、ah−CRFに関する作用の延期期間を有する多くのアン
タゴニスト分子の研究によって確認される(Rivier J.ら,J.Med.Chem.,1993
,36,2851-2859; Menzaghi F.ら,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1994,269,2,
564-572; Hernansez J.F.ら,J.Med.Chem.,1993,36,2860-2867)。さらに
、予備研究は、三環式抗鬱薬がCRFのレベルおよび脳中のCRFレセプタの数
を調節することができたことを示した(Grigoriadis D.E.ら,Neuropsycho-pha
rmacology,1989,2,53-60)。同様に、ベンゾジアゼピン抗不安薬は、これら
の物質の作用機序が完全に解明されずに、CRFの効果を逆転することが可能で
ある(Britton K.T.ら,Psychopharmacology,1988,94,306)。これらの結果
は、必要な場合、成長がCRFレセプタに対する非ペプチドアンタゴニスト分子
のために必要とすることを確認する。
免疫抑制、生殖障害および糖尿病の発生である慢性ストレスの症状の3つの起
こり得る結果を指摘するのも重要である。
多数の置換2−アミノチアゾールがすでに知られている。特許出願EP 462,264
には、2位の第三級アミンが2つの置換基(ここで、各々少なくとも1つのヘテ
ロ原子を有しており、一方の置換基が置換アミンである)を含有している置換2
−アミノチアゾールが開示されている。これらの化合物は、PAF−acetherの
アンタゴニストであり、喘息、いくつかのアレルギー性または炎症性症状、心臓
血管疾患、高血圧症および種々の腎臓病の治療に、または避妊薬として適用され
る。出願GB 2,022,285には、免疫応答に対する調節活性を有し、かつ、抗炎症特
性を有する化合物が開示されている。それらは、第二級アミン基によって2位で
置換されている置換チアゾールである。
いくつかの複素環式置換2−アシルアミノチアゾールは、特許出願EP 432,040
に開示されていた。これらの化合物は、コレシストキニンおよびガストリンのア
ンタゴニストである。抗炎症特性を有する置換2−アミノ−4,5−ジフェニル
チアゾールもまた知られている(特許出願JP-01 75 475)。置換2,2−ジアリ
ールクロメノチアゾールの製造における合成中間体として有用である置換2−ア
ミノ−4−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾールもまた知られている(特許出願
EP 205,069)。置換2−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)チアゾールはまた、
J.Chem.Soc.Perkin,Trans 1,1984,2,147-153 および J.Chem.Soc.Per
kin,Trans 1,1983,2,341-347に開示されている。
特許出願EP 283,390には、他の置換チアゾールのうち、式:
で示される置換2−(N−アルキル−N−ピリジルアルキルアミノ)チアゾールが
開示されている。
2位のアミンが非分枝鎖状ピリジルアルキル基によって置換されているこれら
の置換化合物は、特に、中枢コリン作動性伝達を刺激する活性を有する。したが
って、それらは、ムスカリン様レセプタに対するアンタゴニストとして用いられ
、記憶障害および老人性痴呆の治療に適用される。
2位のアミンが分枝鎖状アルキルまたはアラルキル置換基を有する第三級アミ
ンである置換2−アミノチアゾールは、CRFレセプタに対する親和性を有する
としてEP 576,350に開示されていた。
特許US 5,063,245には、in vitroでマイクロモルの効力を有するCRFアンタ
ゴニストが開示されている。次いで、非ペプチド分子に関する多くの特許出願が
公開された。例えば、出願WO 94/13643、WO 94/13644、WO 94/13661、WO 94/136
76、WO 94/13677、WO 94/10333、WO 95/00640、WO 95/10506、WO 95/13372、WO
95/33727、WO 95/33750、WO 95/34563またはEP 691 128。
本発明の課題であるいくつかの置換分枝鎖状アミノチアゾールがCRFに対し
て特異的であるレセプタに関して優れた親和性を有することが見いだされた。さ
らにまた、それらの構造を考慮すると、これらの分子は、一般に治療に用いられ
る溶媒または溶液中における良好な分散性および/または溶解性を有しており、
改良された薬理活性を提供し、経口および非経口医薬投与形態の容易な調製を可
能にする。
本発明の課題は、式:
[式中、
R1およびR2は、同一または異なっており、各々独立して、ハロゲン原子;(
C1−C5)ヒドロキシアルキル基;(C1−C5)アルキル;(C7−C10)アラルキル
;(C1−C5)アルコキシ;トリフルオロメチル;ニトロ;ニトリル;−SR基(
ここで、Rは、水素、(C1−C5)アルキル基または(C7−C10)アラルキル基を
表す);−S−CO−R基(ここで、Rは、(C1−C5)アルキル基またはアラル
キル基(ここで、アリール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1−
C4)である);−COOR'基(ここで、R'は、水素または(C1−C5)アルキル
を表す);−CONR'R"基(ここで、R'およびR"は、R'について前記した
定義と同じである);−NR'R"基(ここで、R'およびR"は、R'について前
記した定義と同じである);−CONRaRbまたは−NRaRb基(ここで、Ra
およびRbは、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員〜7員の複素
環を形成する);または−NHCO−NR'R"基(ここで、R'およびR"は、R
'について前記した定義と同じである)を表し;
R3は、水素を表すか、または、R1およびR2について前記した定義と同じで
あり;
R4は、水素原子;(C1−C5)アルキル;ハロゲン;ヒドロキシメチル基;ま
たはホルミル基を表し;
R5は、(C1−C5)アルキル;(C3−C7)シクロアルキル基;シクロアルキル
アルキル基(ここで、シクロアルキルは、(C3−C7)であり、アルキルは、(C1
−C5)である);または炭素原子5〜6個を含有するアルケニルを表し;
nは、0または1を表し;
R6は、(C1−C5)アルキル;アルコキシアルキル(ここで、アルキルは、(C1
−C5)である);(C3−C7)シクロアルキル;シクロアルキルアルキル基(こ
こで、シクロアルキルは、(C3−C7)であり、アルキルは、(C1−C5)である)
;シクロアルキルオキシアルキル基(ここで、シクロアルキルは、(C3−C7)で
あり、アルキルは、(C1−C4)である);ヒドロキシアルキルオキシアルキル基
(ここで、アルキルは、(C2−C10)である);またはアルコキシアルキルオキ
シアルキル基(ここで、アルキルは、(C3−C12)である)を表し;
Zは、所望により置換されていてもよい二環式または三環式芳香族またはヘテ
ロ芳香族基を表す]
で示される化合物;それらの立体異性体および/またはそれらの付加塩である。
二環式または三環式の芳香族またはヘテロ芳香族基は、特に、(C10−C14)の
二環式もしくは三環式アリール基、またはN、SおよびOから選択される1〜5
個のヘテロ原子を含有してなる(C5−C13)の二環式もしくは三環式ヘテロアリ
ール基を意味すると解される;かかる基は、好ましくは、ナフタレン、キノリン
、イソキノリン、キノキサリンキナゾリン、シンノリン、フタルアジン、1,5
−ナフチリジン、1,7−ナフチリジン、インドール、イソインドール、ベンゾ
チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、インダン、インダゾール、キ
ノリジン、ピリドピリミジン、ピロロピリミジンまたはピラゾロピリミジンから
選択される;該基は、所望により置換されることができる。
Z基の置換基は、好ましくは、ハロゲン、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ア
ルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、−NRdRe(ここで、RdおよびReは
、
独立して、水素または(C1−C3)アルキルを表す)、アルコキシカルボニルアル
キル、カルボキシアルキル、モルホリノカルボニルアルキル、アルキルカルボニ
ルアルキル、ジアルキルアミノカルボニルアルキルまたはアルコキシアルコキシ
(ここで、アルキルは、(C1−C3)である)から選択される。
本明細書では、アルキル基またはアルコキシ基は、直鎖状または分枝鎖状であ
る。
本発明の好都合な化合物は、Zがナフチル基、またはキノリル、イソキノリル
、キナゾリル、キノキサリン、インドリルまたはインダゾリルから選択されるヘ
テロ芳香族基を表し、該基が所望により置換されていてもよく、R1、R2、R3
、R4、R5、nおよびR6が(I)についての定義と同じである化合物、それらの
立体異性体のうちの1つおよび/またはそれらの塩のうち1つである。
好ましくは、R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表し、
nが0であり、R1、R2およびZが(I)についての定義と同じである化合物、そ
れらの立体異性体のうちの1つおよび/またはそれらの塩のうちの1つが挙げら
れる。
特に好ましくは、R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表
し、nが1であり、R6がシクロプロピルを表し、R1、R2およびZが(I)につ
いての定義と同じである化合物、それらの立体異性体のうちの1つおよび/また
はそれらの塩のうちの1つが挙げられる。
特に好ましくは、R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表
し、nが1であり、R6がメトキシメチル基を表し、R1、R2およびZが(I)に
ついての定義と同じである化合物、それらの立体異性体のうちの1つおよび/ま
たはそれらの塩のうちの1つが挙げられる。
さらに特に好ましくは、R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピ
ルを表し、R1またはR2が水素または(C1−C5)アルキルまたはアルコキシを表
し、n、R6およびZが(I)についての定義と同じである化合物(I)、それらの
立体異性体のうちの1つおよび/またはそれらの塩のうちの1つが挙げられる。
さらに特に好ましくは、以下の化合物が挙げられる:
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(メトキシメチ
ル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾール(実施
例3)、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メトキシイソ
キノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩(実施例4)
、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メチ
ルイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩(実
施例5)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−メト
キシカルボニルメチルインドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(実施例9)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メト
キシイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩(
実施例27)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−クロ
ロイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩(実
施例29)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メト
キシイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩(
実施例31)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−メト
キシナフタ−2−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール(実施例34)、
4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチル−2−[N
−(6−メトキシイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・
シュウ酸塩(実施例37)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−エト
キシナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩(実施例40)
、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,3−
ジメチルナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩(実施例
44)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−ブロ
モ−2−メトキシナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩
(実施例45)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−
ジメチルナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩(実施例
46)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(メ
トキシメチル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾ
ール・塩酸塩(実施例53)、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(シ
クロプロピル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾ
ール・塩酸塩(実施例61)、
それらの立体異性体のうちの1つおよび/またはそれらの塩のうちの1つ。
遊離形態の本発明化合物は、一般に、塩基性特性を示す。しかしながら、置換
基の性質に依存して、酸性特性を示すものもある。
式(I)で示される化合物の医薬的に許容される酸または塩基との塩(これが可
能な場合)は、好ましい塩であるが、特にそれらを精製するかまたは純粋な異性
体を得るために式(I)で示される化合物を単離することができるものもまた本発
明の範囲内である。
式(I)で示される化合物との付加塩の製造のために医薬的に許容される酸のう
ち、塩酸、リン酸、フマル酸、クエン酸、シュウ酸、硫酸、アスコルビン酸、酒
石酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ラクトビオン酸、グルコン
酸、グルカル酸、スクシニルスルホン酸およびヒドロキシプロパンスルホン酸な
どが挙げられる。
式(I)で示される化合物が酸性特性を有する場合、式(I)で示される化合物と
の付加塩の製造のために医薬的に許容される塩基のうち、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。
本発明化合物および中間体は、当業者によく知られている方法に従って、特に
EP 576,350に従って製造される。
以下の反応スキームは、化合物(I)の合成のために用いられる製造プロセスを
説明する。
反応スキーム2、3および4は、例えば、経路A、BおよびCを経由する式(
I)で示される特定化合物の合成を説明する。
中間体の合成は、製造例に詳述する;本発明化合物(I)の合成は、実施例およ
び表に記載する。
式(II):
[式中、R1、R2、R3、HalおよびR4は、(I)についてと同じ定義である]
で示される置換されたα−ハロゲン化化合物、好ましくはα−臭素化化合物また
はα−塩素化化合物を、
式:
[式中、R6およびZは、(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路B)、式(IV):
[式中、R1、R2、R3、R4、n、R6およびZは、(I)についての定義と同じ
である]
で示される化合物を得、次いで、アルキル化反応に付して、化合物(I)を得、特
にZがインドールまたはインダゾールなどの窒素含有複素環を表す場合、環の反
応性窒素をまず好ましくはテトラヒドロピラニル型の保護基によって置換してモ
ノアルキル化化合物を得るか、または、得られたモノアルキル化化合物の環の脱
保護の後に遊離反応性窒素をアルキル化してジアルキル化化合物を得、第2のア
ルキル基の性質に依存して、これらのジアルキル化化合物について異なるアルキ
ル基または同一のアルキル基を有するジアルキル化生成物を得ることができ、後
者の場合、これらの化合物について複素環の反応性窒素が保護されない化合物(I
V)からジアルキル化によって直接得られることもできるか、または
式:
[式中、R5、n、R6およびZは、(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路A)、直接化合物(I)を得るか、または
チオ尿素と反応させて(経路C)、式:
[式中、R1、R2、R3およびR4は、(I)についての定義と同じである]
で示されるアミノチアゾールを得、次いで、所望により、式HCO−Zで示され
るアルデヒドと反応させて、イミンを得、式R6LiまたはR6MgX(ここで、X
は、ハロゲン化物である)で示される有機マグネシウム化合物または有機リチウ
ム化合物との反応によって式(IV)で示される化合物を得、例えば式R5X(ここ
で、Xは、ハロゲン化物などの離脱基である)で示される化合物との反応によっ
てアルキル化して、化合物(I)を得、所望により、次いで、得られた式(I)で示
される化合物をそれらの起こり得る立体異性体に分離し、および/または塩化し
て対応する塩を形成する式(I)で示される化合物の製造のためのプロセスは、本
発明の範囲内である。
前記プロセスで用いたアルキル化反応は、例えばハロゲン化アルキルなどの適
切なアルキル化剤を用いて、当業者に知られている条件下で行われる。
式(II)で示される置換化合物は、式:
で示される対応する非ハロゲン化ケトンから、酢酸、四塩化炭素またはジエチル
エーテルなどの適切な有機溶媒中、臭素と反応させることによって、または、Bu
ll.Chem.Soc.Japan,1987,60,1159-1160および2667-2668に開示されている
方法に従って第四級アンモニウム三臭化物と反応させることによって、別法とし
て、J.Org.Chem.,1964,29,3451-3461に従ってクロロホルムおよび酢酸エチ
ルの混合物などの有機溶媒中、臭化第二銅と反応させることによって得ることが
できる。
別法としては、式(II)で示される化合物は、フリーデル−クラフツ反応によっ
て、2−ブロモプロピオニルブロミドを式:
で示される置換ベンゼンと反応させることによって得ることができる。
ケトンは、一般に、知られている生成物または市販の生成物である。これらの
化合物は、当業者によく知られている方法に従って、ルイス酸の存在下、フリー
デル−クラフツ反応によって製造することができる。
置換チオ尿素(IIIa)および(IIIb)は、式:
[式中、Protは、保護基、例えば、ベンゾイル、ピバロイルまたはテトラヒド
ロピラニルを表し、R5、R6、nおよびZは、(I)について前記した定義と同じ
である]
で示される化合物から、塩基性処理によって、好ましくは、室温から反応混合物
の還流温度までの範囲の温度でアンモニア、水酸化ナトリウムまたはヒドラジン
を用いることによって、または酸性処理によって、好ましくは、塩酸を用いるこ
とによって得られる。式(VIa)および(VIb)で示される化合物は、公知の方法に
従って、イソチオシアナート、例えば、ベンゾイルイソチオシアナートまたはピ
バロイルイソチオシアナートを、式(VIIa)および(VIIb):
で示される対応するアミンHNXY[ここで、Yは、
で示される基を表し、n、R6およびZは、(I)についての定義と同じであり、
Xは、ハロゲンまたは(I)についての定義と同じR5を表す]と反応させること
によって製造される。
Zがインドールまたはインダゾール型の窒素含有複素環式基である場合、経路
Bが用いられ、テトラヒドロピラニル型の保護基によって置換することによって
反応性環窒素の反応性を遮断するという予防措置が取られる。置換2−アミノチ
アゾールの外部窒素のアルキル化後、複素環の保護窒素は、好ましくは塩酸での
、酸性処理によって脱保護される。次いで、得られた化合物を、臭化アルキルま
たはヨウ化アルキルなどの置換ハロゲン化化合物との求核反応によって置換して
、式(I)で示される化合物を得る。次いで、いくつかの置換化合物は、例えば、
酸を得るためにエステルまたはニトリル基の加水分解または対応するケトンを得
るためにマグネシウム化合物のニトリルとの反応などの慣用的な反応を生じさせ
る。
酸塩化物形態または活性化エステル形態で、酸性基の活性化は、モルホリンなど
の窒素含有塩基と反応させて、対応するアミドを得ることによって可能である。
第二級アミン(VIIa)は、式:
で示される第一級アミンから、
式:
[ここで、R'5−CH2は、R5を表す]
で示されるアルデヒドと反応させ、次いで、例えば、好ましくは室温でエタノー
ルまたはメタノール中、NaBH4によるなどのイミンの還元によって、または
プロトン受容体、好ましくはトリエチルアミンの存在下、ジクロロメタンなど
のハロゲン化炭化水素から選択される有機溶媒中、酸ハロゲン化物または酸無水
物と反応させることによって、製造される。次いで、この反応により得られるア
ミドを、ジエチルエーテル型の有機溶媒中、LiAlH4などの水素化物によって
還元する。
前記した2つの方法は、好ましくは、光学的に純粋な第一級アミンから純粋な
鏡像異性体の形態で式(VIIa)で示される化合物を製造するために用いられる。
式(VIIa)で示される化合物の別の製造方法は、脱水化媒体中、式:
[式中、ZおよびR6は、式(I)についてと同じ定義を有する]
で示されるケトンをアミンR5NH2[ここで、R5は、(I)についての定義と同
じである]とカップリング反応させて、対応するイミンを形成し、次いで、水素
化金属、好ましくはホウ水素化ナトリウムによって、または、適切な触媒の存在
下水素によって、慣用的に還元することからなる。脱水化媒体中での第一級アミ
ンのケトンとの反応の間、好ましくは、塩化チタン(IV)(TiCl4)またはパラ
−トルエンスルホン酸による触媒化が用いられる。
前記式(I)で示される化合物は、1または多くの水素原子または炭素原子、例
えば、特にメチル基を表す場合にR4の上にあるものが、それらの放射性同位体
、例えばトリチウムまたは炭素−14によって置換されたものからもなる。かか
る標識化合物は、調査、代謝もしくは薬物動態学研究において、またはレセプタ
リガンドとして生化学的アッセイにおいて有用である。
本発明化合物は、生化学的研究および薬物動態学的研究の課題を形成した。そ
れらは、非常に好都合な薬物動態学的性質を有する。本発明の化合物は、特に、
10μM未満(0.01〜10μM)の濃度で、De Souza E.B.(J.Neurosci.
,1987,7(1),第88-100頁)によって開示された方法に従って、125I−CRF
の、ヒト脳膜(またはクローン化ヒト脳レセプタを発現するトランスフェクトC
HO細胞の膜)および/または動物脳膜(ラット、マウス)に存在する特異的レ
セプタへの結合を示す。
本発明化合物の構造に近い構造を有する化合物は、125I−CRF結合を有意
に示さないので、これは、驚くべきことであり、予想されないことである。
CRFは、視床下部下垂体副腎軸の活性を制御する神経ペプチドである。この
因子は、ストレスに関する内分泌性応答および行動応答の原因となる。
実際、CRFは、行動および自律神経系のいくつかの機能を調節することがで
きる(G.F.Koob,F.E.Bloom,Fed.Proc.,1985,44,第259頁;M.R.Brow
n,L.A.Fisher,Fed.Proc.,1985,44,第243頁)。さらに詳しくは、CRF
は、コルチコトロピン(ACTH)、ベータエンドルフィン、およびプロオピオ
メラノコルチンから誘導された他のペプチドの分泌を誘発する(A.Taziら,Reg
ul.Peptides,1987,18,第37頁;M.R.Brownら,Regul.Peptides,1986,16
,第321頁;C.L.Williamsら,Am.J.Physiol.,1987,G582,第253頁)。
したがって、本発明は、これらの内因性物質の分泌を調節するのに有用である
。
それらは、特に、ストレス(行動、情動状態、胃腸障害および心臓血管障害また
は免疫系の障害)に対する応答を減少させるための医薬における活性成分として
、ならびに、より一般には、例えば精神医学的障害、不安、鬱病、神経性食欲不
振、性的活動および受胎能の障害、アルツハイマー病などのCRFを含む病状に
おいて適用される。
本発明の生成物を用いて行われた種々の薬物動態学研究の間に得られた結果は
、本発明生成物が非常によく吸収されることを示した。
これらの研究は、本発明の課題である式(I)で示される生成物を用いて調製さ
れた医薬組成物が、ヒト治療における使用を妨げるような投与量を用いずに消化
管を介して吸収され得ることも示した。したがって、本発明化合物は、非経口お
よび経口の両方で投与される医薬組成物の調製に有用である。
本発明化合物は、非常に安定であり、したがって、医薬の活性成分を形成する
のに特に適切である。
本発明は、また、活性成分として式(I)で示される化合物またはその医薬的に
許容される塩のうちの1つを、多くの適切な不活性成分と合わせて含有してなる
医薬組成物に適用する。
各投与単位では、式(I)で示される活性成分は、認識される日用量に適してい
る量で存在する。一般に、各投与単位は、予想される投与量および投与のタイプ
、例えば、錠剤、ゼラチンカプセル剤など、サシェ剤、アンプル剤、シロップ剤
など、点滴剤または経皮もしくは経粘膜パッチ剤に従って適切に調節され、その
結果、かかる投与単位は、活性成分0.5〜200mgを含有し、好ましくは毎日
0.5〜800mgを投与されなければならない。
本発明化合物は、例えば抗不安薬、抗鬱薬または食欲減退薬などの、所望の治
療に有用である別の活性成分と合わせて用いることもできる。
式(I)で示される化合物は、あまり毒性を有しない;該化合物の毒性は、上記
障害および疾患の治療薬としての使用に適している。
式(I)で示される化合物は、上記疾患の治療のために、ヒトを含む哺乳動物へ
の投与のための医薬組成物に製剤化することができる。
得られた医薬組成物は、好都合には、例えば注射用溶液または経口投与される
溶液、糖衣丸、錠剤またはゼラチンカプセルなどの種々の形態で提供される。活
性成分として少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその塩のうちの1
つを含有してなる医薬組成物は、特に、ストレスに関する疾患の予防的または治
療的処置において、および、より一般的には、例えば下記のようなCRFを含む
全ての病状の治療において有用である:不安、パニック、恐怖症、気分障害、行
動障害、食欲不振、病的飢餓、高血糖症、遅延成長、睡眠障害および全てのタイ
プの鬱病などの神経精神病学的障害;アルツハイマー病またはパーキンソン病;
ハンティングトン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;心臓血管障害;性的活動および
受胎能の障害;免疫抑制(immunodepression)、免疫抑制(immunosuppression
)ならびに、炎症性障害、多重感染症、癌、慢性関節リウマチ、変形性関節症、
乾癬および糖尿病などのそれに関連する疾患;胃腸障害およびその結果生じる炎
症(過敏性腸症候群、下痢);痛覚の障害、睡眠障害に関係するかもしくは無関
係の線維筋痛、疲労または片頭痛;あるいは薬物嗜癖または薬物禁断症状。
薬量学は、患者の年齢、体重および健康状態、ならびに病気の性質および重篤
度、ならびに投与経路の関数として非常に広範囲に変化することができる。この
薬量学は、1日当たり約0.5mg〜200mgの用量の1回以上、好ましくは1日
当たり約0.5〜800mgの投与からなる。
本発明の経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、経粘膜、局所または直腸
投与のための医薬組成物において、活性成分は、慣用的な医薬的ビヒクルと混合
した投与の単位形態で動物およびヒトに投与することができる。投与の適切な単
位形態としては、錠剤、ゼラチンカプセル剤、粉末剤、顆粒剤および経口摂取さ
れる溶液剤または懸濁液剤などの経口投与用形態、舌下および口腔内投与用形態
、皮下、筋肉内、静脈内、鼻腔内または眼内投与用形態、ならびに直腸投与用形
態が挙げられる。
錠剤の形態の固体組成物を調製する場合、主活性成分を、ゼラチン、デンプン
、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガムなどの医薬的
ビヒクルと混合する。錠剤は、スクロースまたは他の適切な物質で被覆すること
が
できるか、または、それらは延長または遅延される活性を有するように、かつ、
予め決定された量の活性成分を連続的に放出するように処理することもできる。
ゼラチンカプセルの形態の調製物は、活性成分を希釈剤と混合し、得られた混
合物をゼラチン硬カプセルまたはゼラチン軟カプセル中に注ぐことによって得ら
れる。
シロップ剤またはエリキシル剤の形態の調製物は、活性成分を、好ましくは無
カロリーの甘味料、ならびに防腐薬としてメチルパラベンおよびプロピルパラベ
ン、ならびにフレーバーリングおよび適切な着色料と合わせて含有することがで
きる。
水分散性顆粒剤または粉末剤は、分散化剤もしくは湿潤剤と、またはポリビニ
ルピロリドンなどの懸濁化剤と、および甘味料もしくは矯味剤と混合した活性成
分を含有することができる。
直腸投与は、直腸温度で溶融する結合剤、例えば、カカオ脂またはポリエチレ
ングリコールで調製される坐剤を用いて行われる。
非経口、鼻腔内または眼内投与は、医薬的に適している分散化剤および/また
は湿潤剤、例えばプロピレングリコールまたはブチレングリコールを含有する水
性懸濁液、等張性生理食塩水溶液または無菌および注射用溶液を用いて行われる
。
経粘膜投与については、活性成分は、胆汁酸塩などの促進剤、または例えばヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキス
トラン、ポリビニルピロリドン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、カゼイン、ア
クリル酸、アクリル酸エステルおよびそれらのコポリマー、ビニルポリマーまた
はコポリマー、ビニルアルコール、アルコキシポリマー、ポリ(エチレンオキシ
ド)のポリマー、ポリエチレンまたはその混合物などの親水性ポリマーの存在下
で製剤化することができる。
活性成分は、マイクロカプセルの形態で、所望により1または多くのビヒクル
または添加剤と一緒に製剤化することもできる。
活性成分は、シクロデキストリン、例えば、α−、β−もしくはγ−シクロデ
キストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはメチル−
β−シクロデキストリンとの複合体の形態で提供することもできる。
以下の実施例は、本発明を限定しようとするものではなく、説明するものであ
る。
本発明化合物を得ることができる種々の中間体の合成方法は、種々の製造例で
説明する。これらの中間体は、全て、当業者によく知られている方法に従って得
られる。
融点は、マイクロ−ケフラー(Micro−Koefler)法に従って測定され、摂氏
で表される。
式(I)で示される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、
記載している場合は、200MHzまたは100MHzで記録した。化学シフトは
、ppmで表し、結合定数は、ヘルツで表した。
本発明化合物は、理論と一致した元素分析を有する。
表I〜IVに記載した本発明化合物は、また、それらの構造と一致したNMRス
ペクトルを有する。
製造例
式IIで示されるケトンの製造
製造例I
2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オン(化合物1
)
塩化メチレン420mlおよびメタノール140mlの混合物中の1−(2,4−ジ
クロロフェニル)プロパン−1−オン7gの溶液にテトラ−ブチルアンモニウム三
臭化物17.4gを室温で添加した。24時間後、反応混合物を真空下で濃縮した
。残留物を水に取り、酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ
、真空下で蒸発させ、次いで、残留物を、溶離液としてシクロヘキサンおよび酢
酸エチルの20/1(v/v)混合物を用いてシリカゲルのカラム上で精製して
、油状物を得た。
適切なケトンを用いることにより、同様の方法で以下の化合物を得ることがで
きる:
2−ブロモ−1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパン−1−オン(
化合物2)、
2−ブロモ−1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)プロパン−1−オン(
化合物3)、
2−(ブロモ−1−(2−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン
(化合物4)、
2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン(
化合物5)、
2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−メチルフェニル)プロパン−1−オン(化
合物6)、
2−ブロモ−1−(4−クロロ−2−メチルフェニル)プロパン−1−オン(化
合物7)。
製造例II
2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)プロパン−
1−オン(化合物8)
段階1: 15℃で、亜硝酸ナトリウム3.57gの水7ml中溶液に2−クロロ
−4−トリフルオロメチルアニリン10gの95%硫酸18gおよび水65ml中懸
濁液をゆっくり添加する。該反応混合物を40−45℃で2時間撹拌し、次いで
、95℃に維持した以下の混合物に注意深く注ぐ:水30ml中のシアン化ナトリ
ウム10.77g、シアン化銅0.51g、炭酸水素ナトリウム25.8gおよび硫酸
ニッケル・水和物0.46g。該反応混合物を100℃で1時間撹拌し、次いで、
冷却した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液30mlを添加し、ジクロロメタンで
抽出した。抽出物をセライトを介して濾過し、次いで、水、塩化水で連続して洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残留物をシリカゲルのカラ
ム上で精製し(溶離液:20/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル)、褐
色油状物の形態で2−クロロ−4−トリフルオロメチルベンゾニトリル3.55g
を得る。1H NMR(CDCl3):7.4〜7.8(m,3H)。
段階2: 前記で製造した生成物3.6gのベンゼン50ml中溶液を20℃で撹
拌し、臭化エチルマグネシウムのジエチルエーテル中3M溶液11.7mlを添加
する。該反応混合物を還流させながら2時間撹拌し、次いで、0℃に冷却し、6
N塩酸17.5mlをゆっくりと添加する。還流させながら3時間撹拌し、次いで
、冷却した後、反応混合物をジエチルエーテルで抽出する。抽出物を塩化水で洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる。蒸発残留物をシリカゲルの
カラム上でクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:20/1(v/v)シ
クロヘキサン/酢酸エチル)、1−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェ
ニル)プロパン−1−オン83.2gを得る。1H NMR(CDCl3):1.2(m,
3H)、2.9(m,2H)、7.45〜7.62(m,3H)。
段階3: 上記で製造した生成物3.5gのジクロロメタン150ml中溶液にテ
トラブチルアンモニウム三臭化物7.65gを添加する。該反応混合物を35℃で
4時間30分間撹拌し、次いで、冷却した後、水で3回洗浄して中和する。有機
相を蒸発させ、残留物をジエチルエーテルに取る。エーテル相を、水および塩化
水で連続して洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させて、2
−ブロモ−1−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)プロパン−1−
オン4.6gを得る。
1H NMR(CDCl3):1.9(d,3H)、5.2(q,1H)、7.5〜7.7(
m,3H)。
アミンの製造
製造例III
N−ナフタ−1−イル−N−プロピルアミン(化合物9)
段階1: 1−ナフチルアミン4.0gをテトラヒドロフラン40mlに溶解させ
、次いで、塩化プロパノイル2.6gを滴下し、反応混合物を2時間撹拌し、次い
で、蒸発乾固させる。得られた残留物をジクロロメタンに取り、塩化ナトリウム
水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させて、12
7℃で溶融するN−プロピオニル−1−ナフチルアミンの白色結晶5.5gを得る
。1H NMR(CDCl3):1.28(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3)、2.
51(q,J=7.3,2H,−CH2−CH3)、7.30−7.50(m,3H,H2,H3
お
よびH8)、7.55−7.85(m,4H,H6,H7,H4およびH5)。
段階2: アルゴン下に維持した滴下漏斗を装着した3つ口フラスコ中、上記
で製造したアミド5.5gを無水テトラヒドロフラン50mlに溶解させ、次いで、
該反応混合物を50℃に加熱し、2Mボラン−硫化ジメチル42mlを滴下し、該
反応混合物を3時間還流下に放置し、次いで、室温で一晩放置する。該混合物を
氷浴中で冷却する;次いで、6N塩酸100mlを添加し、次いで、該混合物を還
流させながら3時間加熱する。テトラヒドロフランを蒸発させ、次いで、連続し
て、残留物を塩基性化し、酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥
させ、蒸発乾固させて、無色の油状物3.9gを得る。1H NMR(CDCl3):
1.10(t,J=7.3,3H,CH2−CH3)、2.51(sex,J=7.3,2H,−C
H2−CH3)、3.26(t,J=7.3,2H,−CH2−CH2−CH3)、4.33(
m,1H,NH);6.61(d,J=7.3,1H,H2)、7.23(d,J=8.4,1H
,H3)、7.34(d,J=1H,H8)、7.40−7.50(m,2H,H6およびH7)
、7.75−7.90(m,2H,H4およびH5)。
製造例IV
N−プロピル−N−キノール−5−イルアミン(化合物10)
250mlの丸底フラスコ中、5−アミノキノリン5g、プロピオンアルデヒド
3mlおよびパラ−チオクレゾール4.7gをエタノール100mlに溶解させる。該
反応混合物を還流させながら2時間加熱し、次いで、蒸発乾固させる。残留物を
エタノール100mlに溶解させ、氷浴中で冷却し、次いで、ホウ水素化ナトリウ
ム6.5gを滴下する。添加終了後、該反応混合物を還流させながら2時間加熱し
、次いで、連続して、水30mlを添加し、該混合物を濃水酸化ナトリウム20ml
で塩基性化し、15分間撹拌し、有機溶媒を蒸発させる。ジクロロメタンで抽出
し、有機相を水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させる。有機相を蒸発
乾固させ、残留物をシリカゲルのカラム上で精製して(溶離液:酢酸エチル)、
油状物4gを得、これを結晶化させる。1H NMR(CDCl3):1.05(t,J
=3H,−CH3)、1.82−1.71(m,2H.−CH2−CH3)、3.15−3.
26(m,2H,−NH−CH2−)、4.37(sl,1H,−NH−)、6.61(dd
,J
=1.0,J=8.6,1H,H4)、7.26(dd,J=4.2,J=8.6,1H,H6)
、7.44−7.59(m,2H,H3,H2)、8.12(dd,J=0.95,J=8.6,
1H,H8)、8.84(dd,J=1.5,J=4.2,H2)。
同様の方法で製造を行うことによって、N−プロピル−N−キノール−6−イ
ルアミン(化合物11)を製造する。
製造例V
N−(1−ナフタ−1−イル−2−メトキシエチル)−N−プロピルアミン(化
合物12)
段階1: ジエチルエーテル50ml中1−ブロモナフタレン25gおよびマグ
ネシウム3.5gから1−ブロモナフタレンのマグネシウム化合物を製造し、次い
で、該溶液を氷上で冷却し、メトキシアセトニトリル9mlのジエチルエーテル2
0ml中溶液を滴下した。次いで、該反応混合物を室温て2時間撹拌し、0℃に冷
却し、塩化アンモニウム飽和水溶液100mlを添加し、ジエチルエーテルで抽出
する。有機相を連続して塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで
乾燥させ、蒸発乾固させて、メトキシメチル1−ナフチルケトンの油状残留物2
9gを得る。
段階2: 上記で得たケトンをジクロロメタン350mlに溶解させ、次いで、
プロピルアミン50mlに溶解させ、次いで、5℃で、TiCl4のジクロロメタン
中1M溶液120mlを滴下する。該反応混合物を室温で20時間撹拌し、次いで
、メタノール200mlを添加する。該溶液を氷浴中で冷却し、次いで、NaBH4
4.6gを滴下し、該混合物を徐々に室温に戻す。3時間撹拌した後、該反応混合
物をセライトを介して濾過し、濾液を蒸発乾固させる。残留物をジクロロメタン
に取る。該溶液を1N塩酸で洗浄する。合わせた水性相を塩基性化し、生成物を
ジクロロメタン400mlで4回抽出して、予想されるアミン5.1gを得る。1H
NMR(DMSO):0.77(m,3H)、1.27−1.44(m,2H)、2.00
−2.47(m,2H)、3.25(s,3H)、3.28−3.49(m,2H)、4.64
−4.70(m,1H)、7.19−8.29(m,8H)。
製造例Vについて示したように製造を行うことによって、N−(1−ナフタ−
2−イル−2−メトキシエチル)−N−プロピルアミン(化合物13)を製造す
る。
製造例VI
5−アミノ−6−メトキシキノリン(化合物14)
段階1: 6−メトキシキノリン4.0gを酢酸70mlに溶解させ、次いで、該
溶液を0℃に冷却し、KNO35.5gを添加する。反応混合物を0℃で1時間撹
拌し、次いで、10N水酸化ナトリウムで塩基性化する。得られた黄色沈殿物を
濾過し、水で充分に洗浄して、6−メトキシ−5−ニトロキノリンの黄色粉末4
.9gを得る。1H NMR(CDCl3):4.07(s,3H,−OCH3)、7.48
−7.54(m,1H,H3)、7.58(d,J=9.5,1H,H7)、8.04(d,J=
8.8,1H,H4)、8.25(d,J=9.5,1H,H8)、8.86(dd,J=1.5,
J=4.2,1H,H2)。
段階2: 6−メトキシ−5−ニトロキノリン4.9gを酢酸100mlおよび3
7%塩酸60mlに溶解させ、次いで、SnCl2 51gを添加し、該反応混合物を
還流させながら3時間加熱し、次いで、室温で12時間加熱する。該反応混合物
を蒸発乾固させ、残留物を水に取り、NaHCO3飽和溶液で塩基性化する。酢酸
エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、蒸発乾固させて
、6−メトキシ−5−キノリルアミンの黄色粉末2.9gを得る。1H NMR(C
DCl3):4.00(s,3H,−OCH3)、4.28(m,2H,−NH2)、7.28
−7.34(m,1H,H3)、7.44(d,J=9.1,1H,H7)、7.60(d,J=
9.1,1H,H4)、8.14(dd,J=0.7,J=9.5,1H,H8)、8.78(d
d,J=1.8,J=4.2,1H,H2)。
上記製造例VIについて示したように製造を行うことによって、5−アミノ−6
−クロロ−2−メチルキノリン(化合物15)を製造する。
製造例VII
2−アミノ−1−メトキシナフタレン(化合物16)
段階1: 1−メトキシナフタレン10gを無水酢酸100mlに溶解させ、次
いで、無水酢酸15mlに溶解した濃HNO32.6mlを滴下する。該反応混合物
を室温で30分間撹拌し、次いで、NaHCO3飽和水溶液で塩基性化する。形成
された褐色の沈殿物を濾過し、酢酸エチルに取り、次いで、有機相を連続してN
aCl飽和水溶液で充分に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる。
得られた残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによっ
て精製する(まず、第1異性体のために5/95(v/v)の酢酸エチル/ヘキ
サン混合物で溶離、次いで、第2異性体のために10/90(v/v)酢酸エチ
ル/ヘキサンで溶離)。したがって、所望の生成物2.45gを得る(Y=19%)
。1H NMR(CDCl3):4.15(s,3H,−OCH3)、7.64−7.71(
m,5H,H3,H4,H6,H7,H8)、8.30−8.34(m,1H,H5)。
段階2: 上記で得られた生成物2.45gを酢酸50mlおよび濃HClに溶解
させる。SnCl2・H2O 8.2gを添加し、該反応混合物を還流させながら3時
間加熱し、次いで、室温て12時間撹拌する。沈殿物を濾過し、次いで、NaH
CO3飽和水溶液に取り、酢酸エチルで抽出する。濾液を蒸発させ、残留物をNa
HCO3飽和水溶液で塩基性化し、次いで、酢酸エチルで抽出する。2つの酢酸
エチル溶液を合わせ、次いで、乾燥させ、蒸発乾固させる。得られた残留物をシ
リカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(溶離液
:50/50(v/v)酢酸エチル/ヘキサン混合物)。所望の生成物1.75g
を油状物の形態で得る(Y=84%)。1H NMR(CDCl3):3.91(s,
3H,−OCH3)、3.98(m,2H,−NH2)、7.03(d,J=8.8,1H,H3
)、7.27(t,J=7.7,1H,H7)、7.47−7.52(m,2H,H4,H6)、7
.73(d,J=8.0,1H,H8)、7.94(d,J=8.4,1H,H5)。
上記製造例VIIについて示したように製造を行うことによって、以下の化合物
を製造する:
1−アミノ−4−メトキシナフタレン(化合物17)、
5−アミノ−6−メトキシキノキサリン(化合物18)、SnCl2の代わりに
TiCl3を用いる、
1−アミノ−2−エトキシナフタレン(化合物19)、
1−アミノ−2−プロポキシナフタレン(化合物20)、
1−アミノ−2,3−ジメチルナフタレン(化合物21)、
1−アミノ−2−メトキシ−6−ブロモナフタレン(化合物22)、
1−アミノ−2,6−ジメチルナフタレン(化合物23)、
1−アミノ−2−(2−メトキシエトキシ)ナフタレン(化合物24)。
製造例VIII
1−アミノ−2−メトキシ−4−エチルナフタレン(化合物25)
段階1: 2−メトキシナフタレン7.5gを酢酸80mlに溶解させる。該溶液
を0℃に冷却し、次いで、濃HNO3 2.2mlを添加し、該混合物を0℃で1時
間撹拌する。該反応混合物を室温で12時間放置する。黄色沈殿物を濾過し、次
いで、水で洗浄する。濾液を水に取り、次いで、酢酸エチルで抽出し、所望の生
成物4gを黄色粉末の形態で得る(Y=42%)。1H NMR(CDCl3):4.
02(s,3H,−OCH3)、7.33(d,J=9.1,1H,H3)、7.45(t,J=
7.3,1H,H7)、7.70−7.55(m,2H,H6,H8)、7.83(d,J=7.7
,1H,H5)、7.95(d,H=9.1,1H,H4)。
段階2: 0℃で、上記で得られた生成物4gを無水THF 80mlに溶解させ
、次いで、マグネシウム化合物の溶液(無水THF 50ml中のマグネシウム0.
96gに臭化エチル2.9mlおよび少量のヨウ素結晶を添加する)を添加する。該
反応混合物を0℃で1分間撹拌し、次いで、NH4Cl飽和溶液50mlを添加する
。酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、蒸発乾固
させる。残留物を無水THF 50mlに取り、次いで、2,3−ジシアノ−5,6
−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン5.3gを添加する。反応混合物を還流させな
がら4時間加熱し、次いで、蒸発乾固させる。得られた残留物をシリカゲルのカ
ラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(溶離液:25/75
(v/v)の酢酸エチル/ヘキサン混合物)。所望の生成物1.8gを白色粉末の
形態で得る(Y=40%)。融点=80℃。1H NMR(CDCl3):1.41(
t,J=7.5,3H,−CH2−CH3)、(q,J=7.5,2H,−CH2−CH3)、
4.04(s,3H,−OCH3)、7.20(s,1H,H3)、7.46−8.01(m,4
H,H5,H6,H7,H8)。
段階3: 上記で得られた生成物1.8gを酢酸40mlおよび37%HCl 20
mlに溶解させる。SnCl2・H2O 5.3gを添加し、該反応混合物を還流させな
がら2時間加熱する。得られた沈殿物を濾過し、次いで、水に取り、NaHCO3
飽和溶液で塩基性化する。酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥
させ、蒸発乾固させ、所望の生成物1.4gを黄色粉末の形態で得る(Y=90%)
。1H NMR(CDCl3):1.37(t,J=7.5,3H,−CH2−CH3)、3.
06(q,J=7.5,2H,−CH2−CH3)、3.98(s,3H,OCH3)、7.1
3(s,1H,H3)、7.34−7.50(n,2H,H6,H7)、7.82(d,J=8.2
,1H,H5)、7.88(d,J=8.2,1H,H8)。
上記製造例VIIIについて示したように製造を行うことによって、1−アミノ−
2−メトキシ−4−イソプロピルナフタレン(化合物26)を製造する。
製造例IX
5−アミノ−6−メトキシイソキノリン(化合物27)
段階1: ベンゼン50mlで希釈した4−メトキシベンズアルデヒド9.5gお
よびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール7.8gを、ディーン・スターク
装置を装着した装置に導入する。該反応混合物を12時間加熱還流する。該溶液
を蒸発乾固させ、ベンゼンに2回取り、蒸発乾固させる。得られた油状物を無水
テトラヒドロフランに溶解させ、−10℃に維持し、迅速に撹拌しつつ1当量の
クロロギ酸エチルを添加し、該反応混合物をさらに5分間撹拌し、氷浴を外す(
黄色の沈殿物が出現する)。亜リン酸トリメチル10.5mlを室温で添加する。
撹拌を15分間維持し、反応混合物を蒸発乾固させる。亜リン酸トリメチルの全
ての痕跡量を除去するために、油状物をトルエンに取り、蒸発乾固する;この操
作を2回行う。油状物を無水ジクロロメタンに溶解させる;6当量の四塩化チタ
ンを添加し、該溶液を無水条件下で還流させながら36時間加熱する。該溶液を
冷却し、1当量の水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しつつ添加して中和する。Ti
O2は、白色固体の形態で沈殿する。濾過を行い、溶液を3N塩酸溶液で抽出し
、水性相をジクロロメタンで洗浄し、強塩基で塩基性化し、ジクロロメタンで抽
出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させて、6−メトキシイ
ソキノリンの淡い橙色の油状物6.2gを得る。1H NMR(CDCl3):3.9
5(s,3H,−OCH3)、7.06(d,J=2.2,1H,H5)、7.21(dd,J=
8.7,J=2.2,1H,H7)、7.55(d,J=5.8,1H,H4)、7.85(d,J
=8.7,1H,H8)、8.44(d,J=5.8,1H,H3)、9.11(s,1H,H1)
。
段階2: 上記で製造した6−メトキシイソキノリン1.0gの濃硫酸20ml中
溶液に硝酸カリウム1.2gを添加し、全混合物を氷浴中に維持する。1時間撹拌
した後、蒸留水を添加し、次いで、連続して、該混合物を塩基性化し、沈殿物を
濾過し、乾燥させて、6−メトキシ−5−ニトロイソキノリンの黄色結晶1.2g
を得る。1H NMR(CDCl3):4.08(s,3H,−OCH3)、7.44(d,
J=9.1,1H,H7)、7.52(d,J=6.2,1H,H4)、8.12(d,J=9.
1,1H,H8)、8.57(d,J=6.2,1H,H3)、9.20(d,J=0.7,1H,
H1)。
段階3: 上記で製造した置換ニトロ化合物0.9gを酢酸40mlおよび濃塩酸
22mlに溶解させ、次いで、塩化スズ10.2gを添加し、反応混合物を還流させ
ながら3時間加熱し、次いで、室温で12時間加熱する。該混合物を塩基性化し
、ジクロロメタンで抽出し、有機相を乾燥させ、蒸発乾固させて、所望のアミン
の黄色結晶0.7gを得る。1H NMR(CDCl3):3.96(s,3H,−OCH3
)、4.26(D2Oと交換可能な幅広いs,2H,−NH2)、7.25(d,J=9.
1,1H,H7)、7.40(d,J=9.1,1H,H8)、7.48(d,J=5.8,1H,
H4)、8.35(d,J=6.2,1H,H3)、9.07(s,1H,H1)。
製造例X
5−アミノ−6−メチルイソキノリン(化合物28)
上記製造例IXの段階1および2に従って製造を行うことによって、および、出
発反応物として4−メチルベンズアルデヒドを用いることによって、6−メチル
−5−ニトロイソキノリンを製造する。6−メチル−5−ニトロイソキノリン4
.0gを酢酸80mlおよび濃塩酸40mlの溶液に溶解させ、次いで、塩化スズ40
.0gを添加し、反応混合物を還流させながら3時間加熱し、次いで、室温で12
時間放置する。形成された結晶を濾過し、水に取り、10N水酸化ナトリウムで
塩基性化する。ジクロロメタンで抽出し、有機相を乾燥させ、蒸発乾固させて、
黄色結晶0.52gを得る。1H NMR(CDCl3):2.37(s,3H,−CH3)
、4.18(D2Oと交換可能な幅広いs,2H,−NH2)、7.29(d,J=8.8,
1H,H7)、7.44(d,J=8.8,1H,H4)、7.53(d,J=6.2,1H,H8
)、8.49(d,J=5.8,1H,H3)、9.13(s,1H,H1)。
製造例XI
5−アミノ−1−テトラヒドロピラン−2−イルインドール(化合物29)
段階1: アルゴン雰囲気下、0℃で、55%NaH 6.3gを、5−ニトロイ
ンドール20gのジメチルホルムアミド200ml中溶液に添加する。0℃で15
分間撹拌した後、該反応混合物に塩化テトラヒドロピラニル27.1gを添加する
。室温で24時間撹拌した後、該反応混合物を氷冷水1200mlに注ぎ、酢酸エ
チルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる
。残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製
して(溶離液:4/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)、5−ニ
トロ−1−テトラヒドロピラン−2−イルインドール19gを得る。1H NMR
(DMSO):1.34−2.12(m,6H)、3.67−4.48(m,2H)、5.
70(dd,J=2.0,10.2,1H)、6.75(d,J=3.4,1H)、7.72−
7.76(m,2H)、8.02(dd,J=2.2,9.2,1H)、8.54(d,J=2.
2,1H)。
段階2: 5−ニトロ−1−テトラヒドロピラン−2−イルインドール17g
をメタノール170mlおよび10%Pd−炭3gに溶解させ、次いで、0℃でギ酸
アンモニウム20.6gを滴下する。室温で1時間30分、撹拌した後、反応混合
物を濾過し、濾液を蒸発乾固させる。残留物を酢酸エチル300mlに取る。該溶
液を水800mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる。5−ア
ミノ−1−テトラヒドロピラン−2−イルインドール14.2gを固体形態で得る
。試料を、シリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製
して(溶離液:3/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)得る(化
合物29)。1H NMR(DMSO):1.30−2.20(m,6H)、3.59−
3.
93(m,2H)、4.72(m,2H)、5.41(dd,J=1.8,12.0,1H)、
6.16(d,J=3.2,1H)、6.52(dd,J=2.0,8.6,1H)、6.66(
d,J=2.0,1H)、7.20(d,J=8.6,1H)、7.27(d,J=3.2,1
H)。
チオ尿素の製造
製造例XII
N−ナフタ−1−イル−N−プロピルチオ尿素(化合物30)
アルゴン下、0〜5℃に維持した3つ口フラスコ中、塩化ベンゾイル3.9gお
よびチオシアン酸アンモニウム2.1gを無水アセトンに導入し、該反応混合物を
15分間撹拌し、次いで、アセトンに溶解したN−ナフタ−1−イル−N−プロ
ピルアミン3.9gを滴下する。次いで、反応混合物を還流させながら1時間加熱
し、蒸発乾固させ、残留物を濃塩酸に取り、還流させながら3時間加熱し、室温
に戻す。有機生成物をジエチルエーテルで抽出し、次いで、連続して、33%水
酸化ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルで抽出し、有機相を蒸発乾固させ、残
留物をシリカゲルのカラム上で精製して(溶離液:75/25(v/v)ヘキサ
ン/酢酸エチル混合物)、170−171℃で溶融する白色結晶3.2gを得る。1
H NMR(CDCl3):0.86(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3)、1.6
8(m,2H,−CH2−CH3)、3.72(m,2H,−CH2−CH2−CH3)、5.
58(m,2H,−NH2)、7.37(d,J=7.3,1H,H2)、7.23(m,2H,
H3およびH8)、7.75−7.80(m,2H,H6およびH7)、7.85−7.95(
m,2H,H4およびH5)。
製造例XIII
N−プロピル−N−キノール−5−イルチオ尿素(化合物31)
滴下漏斗を装着した3つ口フラスコ中、アルゴン下、チオシアン酸アンモニウ
ム1.54gをアセトン50mlに溶解させ、次いで、塩化ベンゾイル2.5mlを滴
下し、白色沈殿物の形成を観察する。添加終了後、60℃で(穏やかな還流)1
5分間加熱を行い、次いで、反応混合物を室温に戻し、アセトン10mlに溶解し
たN−プロピル−N−キノール−5−イルアミン(化合物10)3.6gを滴下す
る。反応混合物を還流させながら3時間加熱し、次いで、連続して、蒸発乾固さ
せ、水を添加し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を蒸発乾固させる。
得られた化合物を、還流させながら一晩、アンモニアのエタノール中15%溶
液30mlで処理することによって脱保護し、連続して、溶媒を蒸発させ、残留物
をジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させ
る。残留物をシリカゲルのカラム上で精製する(溶離液:6/4(v/v)酢酸
エチル/ヘキサン)。d)m4のチオ尿素の黄色粉末1.5gを単離する。1H N
MR(CDCl3):0.91(t,J=3H,−CH3)、1.64−1.79(m,2H
,−CH2−CH3)、4.19−3.24(m,2H,>N−CH2−)、5.73(sl,
2H,−NH2)、7.47(dd,J−4.2,J=8.3,1H,H4)、7.55(dd,
J=2.3,J=8.9,1H,H7)、7.71(d,J=2.3,1H,H5)、8.14−
8.22(m,2H,H3,H8)、8.97(dd,J=1.7,J=4.2,H2)。
上記製造例XIIIに従って製造を行うことによって、N−プロピル−N−キノ
ール−6−イルチオ尿素(化合物32)を製造する。
製造例XIV
N−(1−ナフタ−1−イル−2−メトキシエチル)−N−プロピルチオ尿素(
化合物33)
段階1: チオシアン酸アンモニウム1.68gをアセトン65mlに懸濁させる
。該反応混合物を氷中で冷却させ、塩化ベンゾイル2.5mlのアセトン5ml中溶
液を添加する。5℃で15分間撹拌した後、N−(1−ナフタ−1−イル−2−
メトキシエチル)−N−プロピルアミン5.1gのアセトン60ml中溶液を滴下す
る。5〜25℃で3時間撹拌した後、アセトンを蒸発乾固させ、残留物をジクロ
ロメタンに取り、該溶液を水で洗浄する。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾
燥させ、蒸発乾固させる。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーに付すこ
とによって精製して(溶離液:9/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合
物)、N'−ベンゾイル−N−(1−ナフタ−1−イル−2−メトキシエチル)−N
−プロピルアミン5.50gを得る。
段階2: 上記で製造した化合物5.50gをメタノール100mlに溶解させ、
次いで、ヒドラジン・水和物0.60mlを添加する。該反応混合物を室温で20
時間撹拌する。メタノールを蒸発させ、残留物をシリカゲル上でクロマトグラフ
ィーに付すことによって精製して(溶離液:3/1(v/v)シクロヘキサン/
酢酸エチル混合物)、黄色固体の形態でチオ尿素2.19gを得る。
製造例XV
N−[6−メトキシキノール−5−イル]チオ尿素(化合物34)
チオシアン酸アンモニウム1.7gをアセトン50mlに溶解させ、次いで、塩化
ベンゾイル2.5mlを添加し、反応混合物を還流させながら15分間加熱する。
アセトン20mlに溶解したアミン(化合物14)2.9gを添加し、該反応混合物
を30分間加熱還流させる。蒸発乾固させ、残留物を水に取り、次いで、酢酸エ
チルで抽出する。残留物を、還流させながら2時間、エタノール10ml中33%
アンモニア5mlで処理することによって脱保護する。形成された沈殿物を濾過し
、濾液を蒸発させ、残留物を75/25(v/v)酢酸エチル/ヘキサン混合物
と一緒に粉砕して、白色粉末3.5gを得る。1H NMR(CDCl3):3.93(
s,3H,−OCH3)、7.50−7.53(m,1H,H3)、7.70(d,1H,J=
9.5,1H,H7)、8.00(d,J=9.5,1H,H4)、8.08(d,1H,H8)、
8.75(d,J=2.5,1H,H2)。
製造例XVI
N−[6−メトキシイソキノール−5−イル]チオ尿素(化合物35)
通常の条件下、無水アセトン中、上記で得られたアミン(化合物27)3.8g
、チオシアン酸アンモニウム1.8gおよび塩化ベンゾイル4.8mlを用いて、該
チオ尿素を製造する。33%アンモニア中、塩基性媒体中で脱保護し、シリカゲ
ルのカラム上でのクロマトグラフィーに付すことによって精製した後(溶離液:
酢酸エチル)、186℃で溶融する白色結晶3.24gを得る。1H NMR(DM
SO):3.96(s,3H,−OCH3)、7.55(m,4H,ここで、(d,J=6.
6,1H,H4)は、7.50で認識され、(d,J=9.1,1H,H7)は、7.61で
認識される,2H,−NH2)、8.12(d,9.1,1H,H8)、8.42(d,J=5.
8,1H,H3)、9.20(m,2H,ここで、(s,1H,H1)は、9.19で認識され
る,
1H,−NH)。
製造例XVII
N−[6−メチルイソキノール−5−イル]チオ尿素(化合物36)
チオシアン酸アンモニウム1.7gをアセトン30mlに溶解させ、次いで、塩化
ベンゾイル2.6mlを添加し、該反応混合物を還流させながら15分間加熱する
。アセトン20mlに溶解させた6−メチル−5−イソキノリルアミン(化合物2
8)2.7gを添加する。該反応混合物を30分間加熱し、次いで、蒸発乾固させ
る。残留物を水に取り、残存する沈殿物を濾過する。得られた化合物を30%ア
ンモニア溶液10mlおよびエタノール20mlで還流しながら2時間脱保護する。
蒸発乾固させ、残留物を75/25(v/v)酢酸エチル/ヘキサン混合物中で
粉砕して、白色粉末3.5gを得る。1H NMR(CDCl3):2.38(s,3H,
−CH3)、3.36(s,2H,−NH2)、6.58(s,1H,−NH−)、7.47−
7.60(m,2H,H7,H4)、7.98(m,1H,H8)、8.50(m,1H,H3)、
9.26(s,1H,H1)。
適切な出発物質を用い、上記製造例I〜XVIIに従って製造を行うことによっ
て、本発明の式(I)で示される化合物を合成することができる中間体を製造する
。
実施例1
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(N−ナフタ−
1−イル−N−プロピルアミノ)チアゾール
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
メタノール15mlにN−ナフタ−1−イル−N−プロピルチオ尿素0.5gおよ
び2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン0
.5gを含有する溶液を還流させながら6時間加熱する。次いで、該反応混合物を
蒸発乾固させ、次いで、連続して、残留物を水に取り、33%水酸化ナトリウム
で塩基性化し、酢酸エチルで抽出し、濾過し、真空濃縮する。次いで、残留物を
シリカゲルのカラム上で精製して(溶離液:酢酸エチル)、黄色油状物0.56g
を得る。1H NMR(CDCl3):0.97(t,J=7.7,3H,−CH2-CH3)
、1.73(sex,2H,−CH2−CH3)、2.04(s,3H,−CH3)、3.82(s
,3H,−OCH3)、3.90(m,2H,−CH2−CH2−CH3)、6.89(dd,
J=1.8,J=8.0,1H,H5arom)、7.02(d,J=1.8,1H,H3arom)、
7.50−7.70(m,4H,H2,H3,H8およびH6arom)、7.85−8.10(m,
H,H6,H7,H4およびH5)。
実施例2
4−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(N−プロピル
−N−キノール−5−イルアミノ)チアゾール・塩酸塩
(I):R1=OCH3;R2=Cl;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
エタノール15mlにN−プロピル−N−キノール−5−イルチオ尿素(化合物
31)0.4gおよび2−ブロモ−1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロ
パン−1−オン0.5gを含有する溶液を還流させながら6時間加熱する。該反応
混合物を蒸発乾固させ、次いで、連続して、残留物を水に取り、33%水酸化ナ
トリウムで塩基性化し、酢酸エチルで抽出する。残留物をシリカゲルのカラム上
で精製して(溶離液:1/1(v/v)酢酸エチル/ヘキサン混合物)、黄色油
状物0.46gを得る。1H NMR(CDCl3):0.91(t,J=7.3,3H,−
CH3)、1.61−1.78(m,2H,−CH2−CH3)、2.02(s,3H,複素環
−CH3)、3.83(s,3H,−OCH3)、3.97(t,J=7.5,2H,−CH2
−N<)、6.88(dd,J=2.5,J=8.4,1H,H5)、7.0(d,J=2.5,
1H,H3)、7.36(d,J=8.5,1H,H6)、7.46(dd,J=4.2,J=8
.6,1H,H3)、7.63(d,J=7.2,1H,H4)、7.80(t,J=7.9,1H
,H7)、8.17(d,J=8.4,1H,H6)、8.33(d,J=8.4,1H,H8)、
8.96−8.99(m,1H,H2')。
塩酸塩の形成:
塩酸ガスのジエチルエーテル中飽和溶液を、上記で製造した化合物0.46gの
エタノール溶液に添加する。橙色の粉末を濾過により分離し、次いで、イソプロ
パノールから再結晶させて、142℃で溶融する所望の塩酸塩を得る。1H NM
R(CDCl3):0.85(t,J=7.2,3H,−CH2−CH3)、1.62(sex,
J=7.2,2H,−CH2−CH3)、1.99(s,−CH3)、3.78(s,3H,−
OCH3)、3.92(t,J=7.2,2H,−N−CH2−CH2)、6.95(dd,J
=8.4,J=2.2,1H,H5ph)、7.08(d,J=2.2,1H,H3ph)、7.30
(d,J=8.4,1H,H6ph)、7.80−8.00(m,2H,H3'およびH4')、8.
09(t,J=7.8,1H,H7')、8.36(d,J=8.1,1H,H6)、8.70(d
,J=8.4,1H,H8')、9.20(d,J=4.4,1H,H2)。
実施例3
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(メトキシメチ
ル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I):R1=R2=Cl;R3=H;R4=CH3;R5=−CH2CH2CH3;
n=1;R6=−CH2OCH3;
2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オン0.93g、
N−(1−ナフタ−2−イル−2−メトキシエチル)−N−プロピル−チオ尿素1
gおよびトリエチルアミン0.47mlをエタノール20mlに溶解させ、該反応混合
物を70℃で3時間加熱する。エタノールを蒸発により除去し、次いで、連続し
て、水を添加し、塩化メチレンで抽出し、有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾
燥させ、濾過し、真空濃縮する。残留物を、溶離液として9/1(v/v)シク
ロヘキサン/酢酸エチル混合物を用いてシリカゲルのカラム上で精製して、所望
の生成物0.9gを得、その塩酸塩を製造する;融点=50℃。1H NMR(DM
SO):0.73(m,3H)、1.12−1.59(m,2H)、2.09(s,3H)、
3.35(s,3H)、3.31−3.46(m,2H)、3.97−4.23(m,2H)、
5.48−5.60(m,1H)、7.48−7.95(m,10H)。
実施例4
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メトキシイソ
キノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩
(I):R1=R2=Cl;R3=H;R4=CH3;R5=−CH2CH2CH3;
n=0;
段階1: N−[6−メチルイソキノール−5−イル]チオ尿素(化合物35)
0.5gおよび2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オン
0.6gを含有するメタノール溶液を還流させながら加熱する。該混合物を蒸発乾
固させ、残留物を重炭酸ナトリウム飽和溶液に取り、次いで、ジクロロメタンで
抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させて、187−188
℃で溶融する薄黄色結晶0.3gを得る。1H NMR(CDCl3):1.99(s,
3H,−CH3)、4.02(s,3H,−OCH3)、6.52(dd,J=8.4,J=1
.8,1H,Hb)、6.87(d,J=1.8,1H,Ha)、7.03(d,J=8.4,1H
,Hc)、7.39(d,J=9.1,1H,H7')、7.71(d,J=5.8,1H,H4')
、7.94(d,J=9.1,1H,H8')、8.40(d,J=6.2,1H,H3')、9.
15(s,1H,H1')。
段階2: 段階1に従って上記で製造したアミン0.3gの無水ジメチルホルム
アミド50ml中溶液に55%NaH 0.05gを添加し、反応混合物をアルゴン下
で15分間撹拌した後、1−ブロモプロパン0.3mlを添加する。次いで、該混
合物を80℃で2時間加熱し、次いで、1当量のNaHおよび1当量のブロモプ
ロパンを添加し、該反応混合物を室温で12時間撹拌する。蒸発乾固させ、残留
物を炭酸水素ナトリウム飽和溶液に取り、ジクロロメタンで抽出する。有機相を
蒸発乾固させ、残留物をシリカゲルのカラム上で精製して(溶離液:9/1(v
/v)酢酸エチル/メタノール混合物)、粘性油状物0.3gを得る。1H NMR
(CDCl3):0.86(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3)、1.61(sex,J
=7.3,2H,−CH2−CH3)、1.99(s,3H,−CH3)、3.80(m,2H,
−N−CH2)、4.02(s,3H,−OCH3)、7.25(dd,J=8.4,J=2.
1,1H,Hb)、7.40(d,J=8.4,1H,Hc)、7.43(d,J=2.1,1H,
Ha)、7.44(d,J=9.1,1H,H7)、7.68(d,J=5.8,1H,H4)、8
.03(d,J=9.1,1H,H8)、8.46(d,J=5.8,1H,H3)。
シュウ酸塩の形成
最少量のイソプロパノールに溶解したシュウ酸0.06gを、段階2に従って上
記で製造したアミノチアゾール0.3gのエーテル溶液に添加する。得られた沈殿
物をイソプロパノールから再結晶して、162−163℃で溶融する薄黄色結晶
を得る。1H NMR(DMSO):0.82(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3)、
1.57(sex,J=7.3,2H,−CH2−CH3)、1.96(s,3H,−CH3)、3
.75(m,2H,−N−CH2)、4.00(s,3H,−OCH3)、7.46(m,2H,
HbおよびHc)、7.57(d,J=6.2,1H,H4)、7.66(d,J=1.1,1H
,Ha)、7.78(d,J=8.7,1H,H7)、8.30(d,J=9.1,1H,Hε)、
8.45(d,J=5.5,1H,H3)、9.31(s,1H,H1)。
実施例5
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メチ
ルイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;m=0;
段階1: N−[6−メチルイソキノール−5−イル]チオ尿素(化合物36)
1.5gをメタノール40mlに溶解させ、次いで、2−ブロモ−1−(2−クロロ
−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン2.1gを添加し、該反応混合物を
還流させながら12時間加熱する。蒸発乾固させ、残留物を炭酸水素ナトリウム
飽和溶液に取り、次いで、連続して、残留物を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫
酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮する。残留物をシリカゲルのカラム上でクロ
マトグラフィーに付すことによって精製し(溶離液は、75/25(v/v)酢
酸エチル/ヘキサン混合物で行う)、純粋なフラクションを濃縮した後、4−(
2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メチルイソ
キノール−5−イル)アミノ]チアゾールの黄色粉末1.3gを得る。1H NMR(
CDCl3):1.95(s,3H,−CH3)、2.52(s,3H,−CH3)、3.57(
s,3H,−OCH3)、5.96(dd,J=8.4,J=1.8,1H,H4)、6.23(
d,J=1.8,1H,H2)、6.86(d,J=8.4,1H,H5)、7.45(d,J=
8.4,1H,H7)、7.79(m,2H,H4,H8)、8.44(d,J=5.8,1H,H3
)、9.16(s,1H,H1)。
段階2: 55%NaH 0.2gの無水ジメチルホルムアミド20ml中溶液に段
階1に従って上記で製造したアミン1.3gを添加し、該反応混合物をアルゴン下
で15分間撹拌した後、1−ブロモプロパン0.6mlを添加する。該反応混合物
を室温で1時間撹拌し、次いで、NH4Cl飽和溶液100mlを添加し、連続して
、酢酸エチルで抽出し、この相をNaCl飽和溶液で洗浄し、蒸発乾固させ、残留
物をシリカゲルのカラム上で精製して(溶離液:25/75(v/v)酢酸エチ
ル/ヘキサン混合物)、純粋なフラクションを濃縮した後、黄色油状物0.8gを
得る。1H NMR(CDCl3):0.88(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3)
、1.66−1.78(m,2H,−CH2,−CH3)、2.03(s,3H,−CH3)、
2.52(s,3H,−CH3)、3.87−3.90(m,2H,−N−CH2−)、4.8
6(s,3H,−OCH3)、6.86(dd,J=8.4,J=2.5,1H,H5)、7.0
0(d,=2.5,1H,H3)、7.39(d,J=8.8,1H,H6)、7.57(d,J=
8.4,1H,H7)、7.70(d,J=5.8,1H,H4)、7.94(d,J=8.4,1
H,
H8)、8.54(d,J=5.8,1H,H3)、9.27(s,1H,H1)。
シュウ酸塩の形成
最少量のイソプロパノールに溶解したシュウ酸0.16gを、段階2に従って上
記で製造したアミノチアゾール0.8gの最少量のエーテルおよび石油エーテル中
溶液に添加して、所望の生成物の黄色結晶を得る。1H NMR(DMSO):0
.82(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3)、1.64(m,2H,−CH2−CH3)
、1.96(s,3H,−CH3)、2.44(s,3H,−CH3)、3.76−3.79(
m,2H,−N−CH2)、3.79(s,3H,−OCH3)、6.94(dd,J=2.5
,J=8.4,1H,H5)、7.08(d,J=2.5,1H,H3)、7.33(d,J=8.
8,1H,H6)、7.62(d,J=8.4,1H,H7)、7.72(d,J=5.8,1H,
H4)、8.15(d,J=9.1,1H,H8)、8.53(d,J=5.5,1H,H3)、
9.38(s,1H,H1)。
実施例6
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(シクロプロピ
ル)−1−(キノール−4−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シ
ュウ酸塩
(I):R1=R2=Cl;R3=H;R4=CH3;R5=−CH2CH2CH3;
n=1;
段階1: ディーン・スターク装置を装着した丸底フラスコ中、4−キノリン
カルボキシアルデヒド3.0gおよび2−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル
)−5−メチルチアゾール5.0gをベンゼン50mlに溶解させる。該反応混合物
を還流させながら24時間維持する。蒸発乾固させ、残留物を炭酸水素ナトリウ
ム飽和溶液に取り、ジクロロメタンで抽出する。蒸発乾固させ、残留物をシリカ
ゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(溶離液:酢
酸エチル+2%トリエチルアミン)。純粋なフラクションを濃縮して、140−
141℃で溶融する4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(
キ
ノール−4−イルメチル)イミノ]チアゾールの鮮明な黄色結晶8.2gを得る。1
H NMR(CDCl3):2.27(s,3H,−CH3)、7.23(dd,J=7.6,
J=1.8,1H,Hb)、7.29(d,J=7.6,1H,Hc)、7.43(d,J=1.
8,1H,Ha)、7.53(td,J=8.4,J=1.4,1H,H5)、7.65(td,
J=8.4,J=1.4,1H,H4)、7.84(d,J=4.4,1H,H2)、8.07(
d,J=8.4,1H,H3)、8.75(d,J=8.4,1H,H6)、8.92(d,J=
4.4,1H,H1)、9.51(s,1H,−N=CH−)。
段階2: アルゴン下に維持した3つ口フラスコ中、無水テトラヒドロフラン
中で希釈した段階1に従って上記で製造したイミン8.5gを、マグネシウム1.
0gおよび臭化シクロプロピル4.8gから得られた有機マグネシウム化合物を含
有する溶液にゆっくりと添加する。塩化アンモニウム飽和溶液の添加により過剰
のマグネシウム化合物を分解し、ジエチルエーテルで抽出する。蒸発乾固させ、
残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製し
て(溶離液:酢酸エチル)、純粋なフラクションを濃縮した後、4−(2,4−ジ
クロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(シクロプロピル)−1−(キノー
ル−4−イル)メチル)アミノ]チアゾールの非常に粘性の黄色油状物5.1gを得
る。1H NMR(CDCl3):0.40−0.65(m,4H,−CH2−CH3)、1
.15−1.35(m,1H,−CH−CH−CH2)、2.03(s,3H,−CH3)、
4.39(dd,J=8.1,J=3.9,1H,−NH−CH−)、6.31(d,J=4
.0,1H,−NH−CH−)、7.23(dd,J=7.6,J=1.8,1H,Hb)、7
.29(d,J=8.4,1H,Hc)、7.43(d,J=1.8,1H,Ha)、7.53(J
=
8.4,J=1.4,1H,H5)、7.65(td,J=8.4,J=1.4,1H,H4)、
7.84(d,J=4.4,1H,H2)、8.07(d,J=8.4,1H,H3)、8.75(
d,J=8.4,1H,H6)、8.92(d,J=4.4,1H,H1)。
段階3: 段階2に従って製造したアミン5.46gの無水ジメチルホルムアミ
ド50ml中溶液に55%NaH 0.6gを添加し、該反応混合物を、アルゴン下で
15分間撹拌した後、1−ブロモプロパン1.8gを添加する。該反応混合物を8
0℃で2時間加熱し、1当量のNaHおよび1当量のブロモプロパンを添加し、
該反応混合物を室温で12時間撹拌する。蒸発乾固させ、残留物を炭酸水素ナト
リウム飽和溶液に取り、ジクロロメタンで抽出する。蒸発乾固させ、残留物をシ
リカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製して(溶離液
:酢酸エチル)、所望の生成物の無色油状物0.79gを得る。1H NMR(CD
Cl3):0.35−0.75(m,7H,ここで、(t,J=7.6,3H,−CH2−C
H3)は、0.71で認識される,−CH2−CH2)、1.15−1.35(m,1H,C
H−CH2−CH2)、1.68(sex,J=7.6,2H,−CH2−CH3)、2.10(
s,3H,−CH3)、3.14(m,J=7.6,2H,−N−CH2)、5.58(d,J
=9.9,1H,−N−CH−)、7.20(dd,J=8.4,J=1.4,1H,H5)、
7.40(d,J=1.8,1H,Ha)、7.55(td,J=8.4,J=1.4,1H,H
)、7.65(d,J=4.4,1H,H)、8.01(d,J=8.4,1H,H)、8.15
(d,J=8.4,1H,H6)、8.84(d,J=4.4,1H,H1)。
シュウ酸塩の製造
最少量のイソプロパノール中で希釈したシュウ酸0.1gを、段階3に従って上
記で製造したアミノチアゾール0.8gを含有しているジエチルエーテル溶液に添
加し、次いで、得られた沈殿物をイソプロパノールから再結晶して、164−1
65℃で溶融する黄色結晶を得る。1H NMR(DMSO)δ:0.35−0.7
5(m,7H,ここで、(t,J=7.6,3H,−CH3−CH3)は、0.71で認識さ
れる,−CH2−CH2)、1.15−1.35(m,1H,CH−CH−CH2)、1.6
8(sex,J=7.6,2H,−CH2−CH3)、2.10(s,3H,−CH3)、3.14
(m,J=7.6,2H,−N−CH2)、5.46(d,J=10.2,1H,
−N−CH−)、7.30−7.50(m,3H,Ha,HbおよびHc)、7.65−7.
80(m,2H,H5およびH4)、7.92(d,J=3.6,1H,H2)、8.02(d,
J=7.7,1H,H3)、8.21(d,J=8.4,1H,H6)、8.95(d,J=3.
6,1H,H1)。
実施例7
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(インドー
ル−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I):R1=C1;R2=OCH3:R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
段階1: 4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N
−(1−(テトラヒドロピラン−2−イル)インドール−5−イル)アミノ]チアゾ
ール10.9gをジメチルホルムアミド110mlに溶解させる。0℃で、油中60
%水素化ナトリウム1.06g、次いで、臭化プロピル3.2mlを添加する。室温
で16時間撹拌した後、該反応混合物を水500mlに注ぎ、酢酸エチル250ml
で3回抽出する。有機相を水200mlで3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ
、蒸発乾固させる。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーに付
すことによって精製する(溶離液:3/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチ
ル混合物)。所望の生成物10.17gを得る。1H NMR(CDCl3):0.9
0(m,3H)、1.57−1.75(m,6H)、2.02(s,3H)、1.95−2.2
5(m,2H)、3.70−4.17(m,7H)、5.50(dd,J=2.6,10.0,
1H)、6.54−7.61(m,8H)。
段階2: 35%塩酸溶液8mlを4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−
5−メチル−2−[N−(1−(テトラヒドロピラン−2−イル)インドール−5−
イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール6.6gのメタノール50ml中溶液に添加
する。該反応混合物を24時間撹拌し、次いで、水で希釈し、30%水酸化ナト
リウム溶液で中和する。該混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で数
回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させた後、残留物をシリカ
ゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(溶離液:シ
クロヘキサン中10〜50%酢酸の段階的勾配液)。保護生成物3.5gを単離し
、所望の生成物0.85gを白色固体の形態で単離する;融点=154℃。1H N
MR(DMSO):0.83(m,3H)、1.42−1.65(m,2H)、1.96(
s,3H)、3.74(s,3H)、3.59−3.89(m,2H)、6.35(d,J=3
.2,1H)、6.94(dd,J=2.6,8.6,1H)、7.02−7.08(m,2H)
、7.31(d,J=8.5,1H)、7.38−7.42(m,1H)、7.43(d,J=
8.6,1H)、7.55(d,J=2.0,1H)。
実施例8
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−メチ
ルインドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
上記で得た4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N
−(インドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール(実施例7)0.3
9gのジメチルホルムアミド5ml中溶液に油中55%水素化ナトリウム0.045
g、次いで、ヨウ化メチル0.12mlを添加する。室温で5時間撹拌した後、該反
応混合物を氷冷水に注ぐ。該混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を水で多数回
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる。残留物をシリカゲルのカ
ラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(溶離液:9/1(v
/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)。所望の生成物を白色固体の形態で
単離する;融点=146℃。1H NMR(CDCl3):0.92(m,3H)、1.
58−1.73(m,2H)、2.01(s,3H)、3.81−4.0(m,8H)、6.5
1(d,J=2.8,1H)、6.85(dd,J=2.2,8.4,1H)、6.99(d,J
=2.0,1H)、7.09−7.20(m,2H)、7.35−7.40(m,2H)、7.
62(s,1H)。
実施例9
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−メト
キシカルボニルメチルインドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
0℃で、上記で得た4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−
2−[N−(インドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール(実施例7
)0.8gのジメルホルムアミド20ml中溶液に油中55%水素化ナトリウム0.
093g、次いで、ブロモ酢酸メチル0.95mlを添加する。室温で12時間撹拌
した後、該反応混合物を氷水に注ぐ。該混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を
水で多数回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる。残留物をシリ
カゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(溶離液:
9/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)。所望の生成物を白色固
体の形態で単離する(Y=95%);融点=80℃。1H NMR(DMSO):
0.84(t,3H)、1.51−1.62(m,2H)、1.94(s,3H)、3.68(
s,3H)、3.79(s,3H)、3.75−3.82(m,2H)、5.17(s,2H)
、6.50(d,1H)、6.91−7.58(m,7H)。
実施例10
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(1
−(メトキシカルボニル)エチル)インドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]
チアゾール・塩酸塩
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
段階1: アルゴン下、0℃で、上記で得られた4−(2−クロロ−4−メト
キシフェニル)−5−メチル−2−[N−(インドール−5−イル)−N−プロピル
アミノ]チアゾール(実施例7)1.2gのメタノール20ml中溶液に油中水素化
ナトリウム0.14g、次いで、2−ブロモプロピオン酸メチル1.6mlを添加す
る。24時間撹拌した後、該反応混合物を氷冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する
。乾燥させ、真空中で蒸発乾固させた後、残留物をメタノール20mlに取る。2
N水酸化ナトリウム溶液1.1mlを添加した後、該混合物を24時間撹拌し、次
いで、エタノールを蒸発させ、残留物をH2Oに取り、2N HCl溶液を添加し
てpH=6にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を多数回洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、蒸発させる。固体残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラ
フィーに付すことによって精製する(溶離液:98/2(v/v)CH2Cl2/
CH3OH混合物)。対応する酸0.80gを得る。
段階2: 上記で得た生成物0.8gのジメルホルムアミド15ml中溶液にCs2
CO3 0.294g、次いで、ヨウ化メチル0.31mlを添加する。3時間撹拌し
た後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウムで飽和させた水で多数
回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、真空下、蒸発乾固させる。残留
物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製する(
5/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)。所望の生成物を無色油
状物の形態で単離する(0.66g)。HClのイソプロパノール中0.1N溶液の
添加によって、塩酸塩・一水和物を白色固体の形態で得る;融点=80℃。1H
NMR(CDCl3):0.92(t,3H)、1.62−1.74(m,2H)、1.
83(d,3H)、2.02(s,3H)、3.74(s,3H)、3.81(s,3H)、3.
88−3.98(m,2H)、5.13−5.20(m,1H)、6.59(d,1H)、6.
82−7.62(m,7H)。
実施例11
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−カル
ボキシメチルインドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
上記で得た生成物0.52gのエタノール10ml中溶液に1M水酸化ナトリウム
水溶液1.1mlを添加する。室温で18時間撹拌した後、エタノールを蒸発させ
、残留物を水に取り、2N HCl溶液の添加によってpH=6にし、次いで、ジ
クロロメタンで抽出する。有機相をNaClで飽和させた溶液で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥させ、蒸発させる。固体残留物をシリカゲルのカラム上でクロマト
グラフィーに付すことによって精製する(溶離液:92/8(v/v)CH2Cl2
/CH3OH混合物)。所望の生成物を白色固体の形態で単離する(半水和物)
;融点=120℃。1H NMR(DMSO):0.88(t,3H)、1.51−1.
62(m,2H)、1.93(s,3H)、3.78(s,3H)、3.74−3.82(m,
2H)、4.48(s,2H)、6.38(d,1H)、6.91−7.51(m,7H)。
実施例12
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−モル
ホリノカルボニルメチルインドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾー
ル・塩酸塩
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
アルゴン下、−10℃で、上記で得た生成物(実施例11)1.1gのジメチル
ホルムアミド20ml中溶液にトリエチルアミン0.36ml、次いで、クロロギ酸
イソブチル0.34mlを添加する。−10℃で10分間撹拌した後、新しく蒸留
したモルホリン0.74mlを添加する。−10℃で2時間後、反応混合物を室温
に戻し、有機相を水で多数回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。
残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精製す
る(溶離液:98/2(v/v)CH2Cl2/CH3OH混合物)。HClのイソ
プロパノール中0.1N溶液を用いることによって、水和物形態(二水和物)で
得た塩酸塩を製造する;融点=134℃。1H NMR(CDCl3):0.93(t
,3H)、1.59−1.77(m,2H)、1.99(s,3H)、2.85−2.93(m
,4H)、3.43−3.47(m,4H)、3.80(s,3H)、3.88−4.15(m
,2H)、4.93(s,2H)、6.59(d,1H)、6.81−7.60(m,7H)。
実施例13
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(メ
チルカルボニルメチル)インドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾー
ル・塩酸塩
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0;
段階1: アルゴン下、0℃で、上記で得た4−(2−クロロ−4−メトキシ
フェニル)−5−メチル−2−[N−(インドール−5−イル)−N−プロピルアミ
ノ]チアゾール(実施例7)1.1gのジメルホルムアミド10ml中溶液に油中5
5%水素化ナトリウム0.35g、次いで、ブロモアセトニトリル1mlを添加する
。室温て18時間撹拌した後、反応混合物を氷冷水に注ぐ。該混合物を酢酸エチ
ルで抽出し、有機相を水で多数回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固
する。残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって
精製する(溶離液:9/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)。
段階2: 0℃で、前段階で得た生成物0.66gの無水ジエチルエーテル10
ml中溶液に臭化メチルマグネシウムの1.4M溶液1.3mlを添加する。室温で5
時間後、該反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液を添加することによって加水
分解する。該混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を水で多数回洗浄し、乾燥さ
せ、次いで、蒸発乾固させる。残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフ
ィーに付すことによって精製する(溶離液:98/2(v/v)CH2Cl2/C
H3OH混合物)。所望の生成物を油状物の形態で単離する。HClのイソプロパ
ノール中0.1M溶液を添加することによって、塩酸塩を一水和物の白色固体で
得る。融点=189℃。1H NMR(CDCl3):0.90(t,3H)、1.41(
s,3H)、1.57−1.68(m,2H)、2.01(s,3H)、2.10(s,2H)
、3.81(s,3H)、3.85−3.92(m,2H)、6.60−7.63(m,8H)
。
実施例14および15
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−プロ
ピルインダゾール−6−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール(実施例14)
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−プロ
ピルインダゾール−6−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール(実施例15)
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;n=0:
または
0℃で、4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−
インダゾール−6−イルアミノ]チアゾール0.94gのジメルホルムアミド20m
l中溶液に油中55%水素化ナトリウム0.24gの懸濁液を添加し、次いで、1
0分間撹拌した後、臭化プロピル0.55mlを添加する。室温で1時間30分間
撹拌した後、該反応混合物を氷冷水100mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有
機相を水100mlで4回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させ
る。残留物をシリカゲルのカラム上でクロマトグラフィーに付すことによって精
製する(溶離液:4/1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチル混合物)。4−
(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−プロピルイ
ンダゾール−6−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール0.34gを油状物の形
態で得、4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2
−プロピルインダゾール−6−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール0.28g
を油状物の形態で得る。
1H NMR(CDCl3)実施例14:0.88−1.08(m,6H)、1.62−
1.81(m,2H)、1.95−2.14(m,5H)、3.81(s,3H)、3.90−
3.98(m,2H)、4.36(t,J=7.0,2H)、6.84(dd,J=2.6,8.
4,1H)、6.97(d,J=2.4,1H)、7.10(dd,J=1.7,8.9,1H)
、7.33(d,J=8.6,1H)、7.69−7.88(m,2H)、7.90(s,1H
)。
1H NMR(CDCl3)実施例15:0.89−0.98(m,6H)、1.63−
1.82(m,2H)、1.83−2.05(m,J=7.0,2H)、2.08(s,3H)
、3.82(s,3H)、3.93−4.00(m,2H)、4.32(t,J=7.0,2H
)、6.85(dd,J=2.6,8.4,1H)、6.98(d,J=2.6,1H)、7.1
4
(dd,J=1.8,8.6,1H)、7.34(d,J=8.6,1H)、7.48(m,1H)
、7.75(d,J=8.6,1H)、7.98(s,1H)。
【手続補正書】
【提出日】1997年4月21日
【補正内容】
補正した請求の範囲
1.式:
[式中、
R1およびR2は、同一または異なっており、各々独立して、ハロゲン原子;(
C1−C5)ヒドロキシアルキル基;(C1−C5)アルキル;(C7−C10)アラルキル
;(C1−C5)アルコキシ;トリフルオロメチル;ニトロ;ニトリル;−SR基(
ここで、Rは、水素、(C1−C5)アルキル基または(C7−C10)アラルキル基を
表す);−S−CO−R基(ここで、Rは、(C1−C5)アルキル基またはアラル
キル基(ここで、アリール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1−
C4)である);−COOR'基(ここで、R'は、水素または(C1−C5)アルキルを
表す);−CONR'R"基(ここで、R'およびR"は、R'について前記した定義
と同じである);−NR'R"基(ここで、R'およびR"は、R'について前記した
定義と同じである);−CONRaRbまたは−NRaRb基(ここで、RaおよびRb
は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員〜7貢の複素環を形成す
る);または−NHCO−NR'R"基(ここで、R'およびR"は、R'について前
記した定義と同じである)を表し;
R3は、水素を表すか、または、R1およびR2について前記した定義と同じで
あり;
R4は、水素原子;(C1−C5)アルキル;ハロゲン;ヒドロキシメチル基;ま
たはホルミル基を表し;
R5は、(C1−C5)アルキル;(C3−C7)シクロアルキル基;シクロアルキル
アルキル基(ここで、シクロアルキル部分は、(C3−C7)であり、アルキル部分
は、(C1−C5)である);または炭素原子5〜6個を含有するアルケニルを表し
;
nは、0または1を表し;
R6は、(C1−C5)アルキル;アルコキシアルキル(ここで、アルキル部分は、
(C1−C5)である);(C3−C7)シクロアルキル;シクロアルキルアルキル基(こ
こで、シクロアルキル部分は、(C3−C7)であり、アルキル部分は、(C1−C5)
である);シクロアルキルオキシアルキル基(ここで、シクロアルキルは、(C3−
C7)であり、アルキル部分は、(C1−C4)である);ヒドロキシアルキルオキシ
アルキル基(ここで、アルキルは、(C2−C10)である);またはアルコキシアル
キルオキシアルキル基(ここで、アルキルは、(C3−C12)である)を表し;
Zは、所望により置換されていてもよい二環式または三環式芳香族またはヘテ
ロ芳香族基を表す]
で示される化合物;それらの立体異性体および/またはそれらの付加塩。
2.Zがキノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、インドリルま
たはインダゾリルから選択されるナフチル基またはヘテロ芳香族基を表し、該基
が所望により置換されていてもよく、R1、R2、R3、R4、R5、nおよびR6が
(I)についての定義と同じである請求項1記載の式(I)で示される化合物、その
立体異性体のうちの1つおよび/またはその塩のうちの1つ。
3.R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表し、nが0で
あり、R1、R2およびZが(I)についての定義と同じである請求項1記載の式(
I)で示される化合物、その立体異性体のうちの1つおよび/またはその塩のう
ちの1つ。
4.R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表し、nが1で
あり、R6がシクロプロピルを表し、R1、R2およびZが(I)についての定義と
同じである請求項1記載の式(I)で示される化合物、その立体異性体のうちの1
つおよび/またはその塩のうちの1つ。
5.R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表し、nが1で
あり、R6が−CH2OCH3基を表し、R1、R2およびZが(I)についての定義
と同じである請求項1記載の式(I)で示される化合物、その立体異性体のうちの
1つおよび/またはその塩のうちの1つ。
6.R3が水素を表し、R4がメチルを表し、R5がプロピルを表し、R1または
R2がハロゲンまたは(C1−C5)アルキルまたアルコキシを表し、n、R6および
Zが(I)についての定義と同じである請求項1記載の式(I)で示される化合物、
その立体異性体のうちの1つおよび/またはその塩のうちの1つ。
7.4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(メトキシ
メチル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メトキシイソ
キノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メチ
ルイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−メト
キシカルボニルメチルインドール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メト
キシイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−クロ
ロイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−メト
キシイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・シュウ酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−メト
キシナフタ−2−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチル−2−[N
−(6−メトキシイソキノール−5−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・
シュウ酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−エト
キシナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,3−
ジメチルナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(6−ブロ
モ−2−メトキシナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩
、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−
ジメチルナフタ−1−イル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(メ
トキシメチル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾ
ール・塩酸塩、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(1−(シ
クロプロピル)−1−(ナフタ−2−イル)メチル)−N−プロピルアミノ]チアゾ
ール・塩酸塩、
それらの立体異性体のうちの1つおよび/または所望によりそれらの塩のうちの
1つである式で示される化合物。
8.式(II):
[式中、R1、R2、R3、HalおよびR4は、(I)についての定義と同じである]
で示される置換されたα−ハロゲン化化合物、好ましくはα−臭素化化合物また
はα−塩素化化合物を、
式:
[式中、R6およびZは、(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路B)、式(IV):
[式中、R1、R2、R3、R4、n、R6およびZは、(I)についての定義と同じ
である]
で示される化合物を得、次いで、アルキル化反応に付して、化合物(I)を得、特
にZがインドールまたはインダゾールなどの窒素含有複素環を表す場合、環の反
応性窒素をまず好ましくはテトラヒドロピラニル型の保護基によって置換してモ
ノアルキル化化合物を得るか、または、得られたモノアルキル化化合物の環の脱
保護の後に遊離反応性窒素をアルキル化してジアルキル化化合物を得、第2のア
ルキル基の性質に依存して、これらのジアルキル化化合物について異なるアルキ
ル基または同一のアルキル基を有するジアルキル化生成物を得ることができ、後
者の場合、これらの化合物について複素環の反応性窒素が保護されない化合物(I
V)からジアルキル化によって直接得られることもできるか、または
式:
[式中、R5、n、R6およびZは、(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路A)、直接式(I)で示される化合物を得る
か、または
チオ尿素と反応させて(経路C)、式:
[式中、R1、R2、R3およびR4は、(I)についての定義と同じである]
で示されるアミノチアゾールを得、次いで、所望により、式HCO−Zで示され
るアルデヒドと反応させて、イミンを得、式R6LiまたはR6MgX(ここで、X
は、ハロゲン化物である)で示される有機マグネシウム化合物または有機リチウ
ム化合物との反応によって式(IV)で示される化合物を得、例えば式R5X(ここ
で、Xは、ハロゲン化物などの離脱基である)で示される化合物との反応によっ
てアルキル化して、化合物(I)を得、所望により、次いで、得られた式(I)で示
される化合物をそれらの起こり得る立体異性体に分離し、および/または塩化し
て対応する塩を形成すること
を特徴とする請求項1記載の式(I)で示される化合物の製造方法。
9.活性成分として塩基形態または医薬的に許容される無機酸もしくは有機酸
との塩の形態の請求項1〜7のいずれか1項記載の少なくとも1つの化合物を、
医薬的に許容される非毒性不活性成分と合わせるかまたは医薬的に許容される該
非毒性不活性成分との混合物として含有してなる、副腎皮質刺激ホルモン放出因
子の効果の調節を必要とする疾患の治療において用いることができる医薬組成物
。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/535 A61K 31/535
C07D 417/12 209 C07D 417/12 209
215 215
217 217
231 231
239 239
241 241
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,
MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ヴェルミュト,カミーユ・ジョルジュ
フランス、エフ−67100ストラスブール、
リュ・ドゥ・ラ・コート・ダジュール3番
【要約の続き】