JPH10506150A - 非平衡軽量合金及び製品のために選択される処理 - Google Patents

非平衡軽量合金及び製品のために選択される処理

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JPH10506150A
JPH10506150A JP8506141A JP50614196A JPH10506150A JP H10506150 A JPH10506150 A JP H10506150A JP 8506141 A JP8506141 A JP 8506141A JP 50614196 A JP50614196 A JP 50614196A JP H10506150 A JPH10506150 A JP H10506150A
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フランツ ヘーマン、
ミハエル バイデマン、
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フランツ ヘーマン、
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Abstract

(57)【要約】 熱蒸着及び/又はプラズマ及びマグネトロンスパッタリング方法を用いた蒸気溶着を介した超急冷凝固技術の非常に極限の処理条件によって可能となった対応する合金化能力の適切な拡大によって、腐蝕耐性の高い製錬軽量合金及び製品、特に0.1-0.2から30-35重量%の軽量希土類金属及び/又は対応するミッシュメタル及び/又はY(及びEu)及び/又は0.1-40重量%の早期遷移金属及び/又はメタロイドを含有するアルミニウム及びマグネシウム合金を製造する方法。全て、より優れた特性の形材にとって必要とされる独特のミクロ構造を達成するために用いられる機械的合金、機械的粉砕及び/又は反力摩砕のための5つの特殊な方法を含む融解紡糸、平面流鋳造、レーザービーム表面融解及びボール摩砕技術を介した、生産性、品質及び収量を制御するためのエンジニアリング上の解決法が記述されている。これらの作業の後には、押出し成形、圧延、鍛造、引抜き加工及び超塑性成形を含む固化手順が続いている。合金は、過酸化水素(H2O2)を含む塩性環境に露呈された場合でさえ腐蝕性攻撃に対する驚くべき耐性を示す。合金は、(利用される合金合成方法に応じて)合金化された表面の不動態化に関して希土類及び早期遷移金属と類似の特性をもつ遷移及び単純金属ならびにメタロイドの少量及び大量の添加物を含有している可能性がある。

Description

【発明の詳細な説明】 非平衡軽量合金及び製品のために選択される処理技術的分野 本発明は、場合によって精製された原子長さスケールの合金マトリクス上での合 金化用要素の大部分の本質的に均等な分布を伴う固体合成及び、融解及び蒸気相 からの超急冷凝固といったような非平衡方法によって作られる、本質的に早期の すなわち軽量希土類及び/又は遷移金属及び/又はメタロイドの非平衡マトリク ス相から成る、新しいマグネシウム及びアルミニウム合金製品に関する、より特 定的に言うと、本発明は、選択された処理経路によって作られ、宇宙、弾道、機 体及びその他の航空宇宙用利用分野ならびに列車や自動車といったような陸上用 利用分野のための押出し成形、鍛造又は圧延された製品として有用な経済的に実 行可能な精錬済みマグネシウム及びアルミニウム合金製品、そして合金合成、合 金転換及び合金接合を制御するための新しい方法によってかくして達成される製 品に関する。背景技術 1994年8月1日付けのEP出願第94111991.9が参照指示され、これに関して優 先権が請求される。 新しい高純度バージョンのMg-AlベースAZ91-合金、すなわちAZ91E1)又は新し いMg-YベースのWE432)-合金は、アルミニウム合金A357及びA206の純粋マグネシ ウムの腐食速度(これらは全てASTMB117に従った塩水噴霧試験において約0.25-0 .51mm/年(年間10-20ミル(mp 1コ)の腐食速度をもつ)と比較できるものであり 、これらは、従来のマグネシウム合金族([2]参照)よりも約2ケタ分優れてい る。標準試験条件下で約0.25mm/年(10mpy)を示すもう1つの新しい合金は、 押出し成形、圧延及び鍛造された形での鍛造製品としてきわめて最近になって利 用可能となり、しかも細かい粒構造のために超塑性ならびに従来の鋳造マグネシ ウム合金に比べ約150℃低い温度での合金成形作業を可能にし、かくして精選さ れたミクロ構造が保持され最終製品におけるエンジニアリング特性の改善を結果 としてもたらす、超急冷凝固されたマグネシウム合金EA55RS3)である[3]・アル ミニウム側では、より優れた物性をもつ数多くの新しい合金組成物が開発されて きたが、蒸気相及び固相からこれらを合成する方法は、未成熟であり、(パイロ ット)生産規模に必要な制御は不可能である。航空宇宙の利用分野では、(環境 的特色とは無関係の雨を含む)空気にさらされた時点で内部を保護するための自 己回復表面薄膜を伴う金属材料、すなわちバルク材料が必要とされている。既存 のマグネシウムエンジニアリング合金はいずれも、チタン及びアルミニウム合金 では知られているような塩性核種を含む通常の雰囲気に露呈された時点での表面 不動態化を示すことがない。鉄については、例えばクロムとのオーステナイト系 及びフェライト系鉄の平衡合金化により不動態化を可能にするのは同素体である 。例えばアルミニウムに対する同素体が無いと、平衡合金化の時点でアルミニウ ムの腐食性が劣化する結果となり、これはマグネシウム合金にはさらに厳しくあ てはまることである。 1) Al8.3-9.7、Zn0.35-1.0、Mn<0.15、Si<0.1、残りはMg 2) Y3.7-4.3、Nd及び重量希土類ミッシュメタル2.4-4.4、Zr0.4-1.0、Zn<0.2、 残りはMg 3) 5.1Al、Zn4.9、Nd5.0、残りはMg それでも、マグネシウムはチタンや鉄のように同素体をもたないだけでなく純粋 チタンや純粋アルミニウムについて明白であるように、通常の雰囲気に露呈され た時点で不動態表面薄膜を発生することもないことから、マグネシウム合金は、 航空宇宙の利用分野のための構造的金属の中で最悪のケースとなっている。既存 の従来にマグネシウム合金の中には、(定義上)純粋金属に比較した腐食速度の 著しい低下から明らかとなるような合金化による顕著な不動態化挙動を示したも のは今だかつてない。しかしながらHehmamn et al[5]は、過飽和状態で少なくと も17重量%のAlとαMg固溶体を合金化することによって著しい不動態化が可能で あるということを示した。しかし、このタイプの不動態化は、融成物からの超急 冷凝固のきわめて極度の条件が適用されたのでないかぎり得ることはできず、従 ってこれは、薄い横断面に制限され、従来のインゴット冶金によって得ることが できなかった。この問題に対するエンジニアリング上の1つの解決法が、最新の 軽量合金の導入に対する数多くの障害を解消する駆動力を提供すると思われるが 、非平衡の新しい及び/又は立証済みの軽量合金の開発及びそれに対応する方法 の組合わさつた1つの課題として、この問題に対する解決法はいまだ認識されて いない。 75年も前にTammann[4]が、そしてその後Gerischer et al[5]が、より貴重な不動 態化用成分をあらわす全てのレベルを増大することによって、平衡Cu-Au及びAg- Au固溶体の陽極電流密度が減少し点食の可能性が増大することを報告した。しか しながら2成分Mg合金の平衡相状態図の大部分は、cph-Mg内の溶解度範囲が、cp h-Mg内における平衡溶解度を抑制する強い化合物の形成を原因としてきわめて制 限されていることを示している[6]。ただいわゆる「イットリウム含有物」のみ がcph-Mg内で比較的大きい平衡固溶体を示している。このグループは、その物理 的共通性のため自然界では混合物つまりいわゆる(重量)希土類(HRE)ミッシ ュメタルとして見い出され、記録上最も熱耐性あるMgベースの合金を導き出した 。イットリウム及び重量希土類金属Gd、Th、Dyなどならびにスカンジウムから成 る。重量希土類金属及びスカンジウムはマグネシウムに対する比較的高価な合金 化用添加物である。Sm及びGdは、cph-Mg内で比較的大きい平衡溶解度をもつ、経 済的に最も実行可能な個々の重量希土類合金化用添加 物である。Sm及びGdは、より安価なミッシュメタルを介して利用され、これらは 大量のイットリウムと共存できる。しかしながらイットリウムは、純粋マグネシ ウムに比べ、cph-Mg内に溶解させられた時点で必要とされる腐食性改善を結果と してもたらさないことが報告された[7,8]。Mg-HRE合金は同様に、従来の鋳造方 法で作られる場合、比較的労力のいる溶解及び時効処理をも必要とする([9,11a ]参照)。 1987年、Hehmann及びその共同研究者は、焼入れされた状態の過飽和cph-Mg内のL a及びCeの超急冷凝固(RS)された固溶体が、マグネシウムを不動態化し、純粋 金属に比べて腐食速度を低減させるためにきわめて有効であることを発見した[7 ,8]。pH4.9の1emolの曝気されたNaCl水溶液を用いて、純粋マグネシウムに対す る15-20ミル/年(350-500μm/年)に比べ0.04ミル/年(1μm/年)という低い均等 な腐食速度に達するには、きわめて低いレベルのLa及びCe、すなわち0.4原子% のLa又はCe(2.2重量%のLa又はCe)しかcph-Mg内に必要とされなかった([7.8] 参照)。以前La及びCe塩でドーピングされた電解質内での7075アルミニウムの分 極中に、類似の効果が見られた[10]。これとは対照的に、Alを含有するcph-Mgベ ースの固溶体の不動態化は、7ミル/年(200μm/年)に達するために過飽和cph- Mg状態中16重量%以上のAlレベルを必要とし、対応する固溶体は熱的に非常に不 安定であった[11]。軽量RE金属は、重量RE金属に比べ安価であるだけではない。 これは、従来の鋳造方法を介してcph-Mg中の重量RE要素によって得ることのでき る不動態化効果に比べ、より優れた性能も示した([7]対[6.11a]参照)。軽量RE 元素でのcph-Mgベースの固溶体の合金化は、マトリクス材料として使用されるマ グネシウム金属を不動態化するためのきわめて有効な代替案を提供すると思われ る。 マグネシウムの不動態化のためには、cph-Mgと合金化する固溶体のために選択さ れる溶質及び対応する固溶体の濃度範囲に加えて、ミクロ構造の詳細が非常に重 要であると思われた。対応するインゴット鋳造及び先行技術のMgエンジニアリン グ合金に比べて数ケタ分の腐食電流の低減は、第2相が完全に無い場合、すなわ ち凝固時点で融成物から分離された平衡分散質の体積分率が事実上0でありRE要 素が事実上完全にcph-Mg固溶体の中に保持された場合に発生すると考え られた([7.8]参照)。しかしながら比較的早期の孔食も、より均等な腐食速度 の著しい低下にもかかわらず観察された。これらの合金のさまざまな非平衡ミク ロ構造と腐食性攻撃に対するその応答性の間の精確な相関関係はいまだに示され ていない。その上、業界で受容されている試験条件に対する露呈時点でのこれら のミクロ構造の腐食性もまだ紹介されていない。 蒸気溶着によって作られたAl-Cr-Fe合金についても類似の挙動が見られた。これ らの合金は、対応する組成の平衡状態にあてはまるようなさらに大きな体積分率 の第2相を全く有したことがない[59-61]。(全ての)Al合金は、合金表面にお けるミクロガルバニック効果を原因として(商業的に及び/又は高い及び/又は 超)純粋なアルミニウムに比べ腐食耐性の劣化を示すものの、PVD-Al-Cr-Fe合金 は、純粋アルミニウムに比べ3倍改善された腐食耐性を示した。 cph-Mg内の軽量希土類元素の平衡固溶体の拡張には、低い分配係数ko(T)による 融成物の凝固時点でのミクロ偏析を抑制するために高い前面速度が必要である。 ko(T)は、Cs=固相線濃度及びCL=初期合金濃度Coの液相線濃度として一定の与え られた温度TでのCs/CL比として定義づけられる。対応する値は、Mg-Euについて の0.05からMg-Smについての0.1までの範囲にある([12,13]参照)。0.005という 係数koをもつ亜共晶Mg-Sr合金は、ミクロ偏析無しの凝固を達成するべく3-6m /秒のレーザー撤去速度に対応する2-4m/秒の前面速度を必要とすることが立 証された[14]。液体焼入れ方法によるcph-Mg内での軽量RE金属の平衡固体溶解度 を拡張するための条件は、従って容易に利用できるものではない。 全体厚み150μmのピストン-アンビル(PA)スプラットの幅20-30μmの表面例硬 ゾーン内には、対応する一相の凝固された状態のミクロ構造が観察された[7,8] 。平衡相の樹枝状晶成長を想い起こさせる横断面は、凝固前面が「スプラット化 」により平坦化された体積の横断面を横断するとこに起こる潜熱の内部放出によ って引き外される再輝の結果であった。PAスプラット冷却は、少量の材料を生産 するための不連続方法である。サイズ50mgの試料内に幅20-30μmの表面冷硬ゾー ンを達成するためには、ピストンの空気圧加速のための最高5バールの圧力が必 要であった([15]参照)。利用可能な高い圧力に起因して生じるミク ロ構造の多様性のため、PA-スプラット方法は、連続RS製造方法を用いることに よる不動態マグネシラム合金の経済的に実現可能な生産に必要とされるミクロ構 造及び構造上の平衡からの逸脱を評価するための非常に有用な方法である。しか しながら、これらのミクロ構造部分の高品質性は、本発明にとって助けとなるも のであった。 準安定相及びミクロ構造を連続的に製造できた1つのRS処理方法は、蒸発溶着で ある。Bray et alは、100°-150℃で温度制御されたコレクタ状に熱蒸着により 作られたcph-Mgの拡張された固溶体の中のチタンの作用による先行技術の拡大に ついて報告した[16,17]。Mg-Ti系は、0.6モルのNaCl水溶液中での7日間の浸漬 後の重量損失実験から導き出された通り、例えば蒸発した純粋マグネシウムにつ いての490μm/年及びWE43についての420μm/年に比べて、Mg-47重量%Tiの5 μm/年及びMg-22重量%Tiの30μm/年以上、Mg-2.0重量%Tiの330μm/年の間 の年間腐食速度を示すものとして識別された[17]。Mg-Tiベースの合金の蒸 気溶着がもつ欠点としては、1.cph-Mg内のTiの少なくとも実質的部分の固溶体が 熱的に比較的不安定であること(すなわち200℃よりもはるかに高くはない)2. 全体的合金の密度がすでに2.0g/cm3の値を越えている場合に、有意な不動態化に は22重量%といった高いTiレベルが必要であったこと、そして3.Tiは、はるか に高い蒸気圧を提供し従ってcph-Mgに対する経済的に実現可能な主要な合金化用 添加物を提供するようにさほど容易には蒸発しないという点で、マグネシウムと 非常に異なるものであること、が含まれると思われる。Tiは、適切な蒸気溶着方 法を開発するために重要性を示す新しくかつ腐食耐性あるマグネシウムベース合 金を生産するための早期遷移金属の代表である。 超急冷凝固処理(RSP)の保護下で提供される非平衡ミクロ構造は、著しく改善 された表面不動態をもつマグネシウム合金及び利用分野を開発するために、いま だ系統立てて探求されたことがない。合金組成及び、準安定非平衡状態の安定性 及び変態挙動、腐食耐性、機械的物性が最も重要な関心時である製品への非平衡 Mg合金の転換の可能性についても同様にこれまで探求されていない。これは、バ ルク材料内部に細かい粒径をもち、低温及び高温の利用分野ならびに悪天候にさ らされる利用分野のために適している製錬製品に関係する。発明の開示/第1部 入手可能な市販のマグネシウム合金に比べてより優れた機械的物性を得るため非 平衡合金表面によるかつ/又は利用されるRSP方法に応じて非平衡合金バルクに よるより優れた腐食性及び弾性係数をもつマグネシウム及びアルミニウム合金を 、これまでこのような合金のために利用されたことのない合金転換手順と組合せ た経済的に実施可能な製造方法を用いることによって提供するために、上述の制 限条件を系統的に考慮に入れることが、ここで開示する発明の目的である。この ような改善を達成するために、塩性及びその他の腐食性環境内での重量損失の発 生可能性を低減させかつ対応するミクロ構造を最終製品形態に保持することが重 要である。先行技術によるマグネシウム合金を越えようという挑戦としては、以 下のものが含まれている: 1. 業界が受容している試験条件を利用することによるcph-Mg内の希土類元素の 拡張固溶体の再現性; 2. 平衡からのミクロ構造の逸脱によって得られる不動態化効果を精確に識別す ることを目的とした、ミクロ偏析及び人工時効の結果としてもたらされる第2相 効果の弁別; 3. 連続的生産方法を用いることにより必要とされる非平衡ミクロ構造を再現す るための方法及び条件、及び 4. 最終製品内で非平衡ミクロ構造の効果を保持するための、合金転換(すなわ ち押出し成形、鍛造、圧延、均衡プレス加工の条件(例えば温度))及び手頃な 時効及び/又はミクロ偏析の度合の識別。 ここで請求される発明は、現在、用いられる摩砕技術とは無関係にオペレータが 制御することのできる固体合成技術ならびに熱蒸着方法及び/又はプラズマ及び マグネトロンスパッタリング方法によって合成される元素の及び合金化された蒸 気のスループットの生産効率及び収率を制御するべくダイヤフラムを用いること による、蒸気溶着を含めた蒸気相からの及び融解紡糸、平面流鋳造又はレーザー ビーム表面融解を含めた融成物からの超急冷凝固によって合成及び製造されるマ グネシウム及びアルミニウム合金である。 より優れた物性に向けての選択された実験、合金組成及び立証済みの及び批判的 に再考査された選択基準に沿って、非平衡合金の開発が実証されている一方で、 このような合金を連続的に生産するための制御用変数及びエンジニアリング上の 解決法が、高速プロトタイプ合金、合金製品及び対応するプロセス(いまだに利 用可能でない場合)を含めたより効果的な実施のためのヒエラルキーと対合させ た形で、本発明の最後の部分において示されている。合金は、全て類似の及び/ 又は相補的な酸化及び不動態化特性を立証しているLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Ti、V 、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、Si、B、Be、Ge、Sbを0.1又は0.2重 量%から30又は40重量%、又は、選択された(軽量希土類)ミッシュメタルを介 して及び同様に市販の合金例えばWE43、AE42、QE22及びZE41を介して及び/又は (重量)希有金属、イットリウム及び/又は遷移金属を含む商業的ミッシュメタ ルを介して利用可能であるものといったこれらの合金化用添加物の組合せを最高 35重量%まで含有しており、ここで各々の個々の合金化用添加物又はこれらの組 合せは、凝固及び固体合成ならびにそれに続く、成形及び慎重な焼なまし処理時 点でミクロ構造変態及び硬化プロセスを含み入れることによる半完成又は完成品 へのこれらの合金の転換、の後、cph-Mg又はもう1つの非平衡(ne)相の固溶体 の中に実質的に保持されている。cph-Mg 内の軽量希土類金属の拡張固溶体(TSSE)の水溶液中への浸漬後の腐食性 標準的な試験条件を用いることにより合金用元素例えばアルミニウム、イットリ ウム、その他の遷移金属例えばマンガン及び単純金属例えば亜鉛を内含する先行 技術のマグネシウムと比較して、又、対応するセル又は細粒の境界を表わすミク ロ偏析の比較的大きい体積分率を伴う樹枝状晶成長から成る対応する平衡ミクロ 構造を内含する実験的合金と比較して、これらの合金の腐食性の著しい改善が観 察された。 第一系列の請求対象合金を、可動ピストンを空気圧式に加速するため5バールの 圧力を用いたアルゴン雰囲気中でのピストン-アンビル(PA)スプラット冷却に よって作った([15]参照)。不動態マグネシウム合金の開発のために現在利用可 能な連続的生産方法に比べて、PAスプラット冷却によって数多くの利点が提供 される。低温熱蒸着([16,17]参照)及びスパッタリングにより作られる固化さ れていない蒸気溶着された固溶体の場合とは異なり、PAスプラットは、短い時間 スケールベースで少量を評価するためにこの技術を加圧ダイカストよりも優れた ものにしている条件を提供する、可動ピストン(ハンマー)の高い衝撃圧のため 、蒸気溶着(以下参照)又は従来の鋳造の時点でため込まれた多孔性の無い充分 に密度の高い材料を示すという利点をもつ。PA-スプラットのもう1つの利点は 、例えば融解紡糸によっては容易に入手できない直径約30mm又は20mm*20mmの標 準的試料を調製するために充分な等間隔の2次元長さスケールを提供するという ことにある。等間隔の2次元長さスケールは、表面電位の再現不能な勾配を避け るのに重要である[18]。PAスプラットの端の薄いリム(図1-5参照)は、再現性 を確保するために切り取られた。 縁部を上にしてとりつけられたこのようなスプラットの横断面のミクロ構造の例 が図8-10に示されている。結果として得られたPAスプラットにとって標準的であ るのは、特長のない又はほぼ特長のない平面の又はほぼ特長のない柱状の成長か ら偏析された樹枝状晶又はセル状の成長ゾーンへの驚くほど急激な遷移を伴う2 ゾーンミクロ構造である(図8-10)。冷硬ゾーン内の柱状成長を伴わないが樹枝 状晶ゾーンへの平面かつ急激な遷移を伴う2ゾーンミクロ構造は、そこに負の温 度勾配を示す。従って、溶質トラッピングによって、平面成長は制御される( :注.絶対安定性は、正の温度勾配を必要とし、冷硬ゾーン内で特長のない柱 状成長として現れることになる)。その結果、特長のない冷硬ゾーンは、そうで なければ単一原子のレベルでの総合開裂を可能にする蒸気溶着技術によってのみ 可能であるような原子長スケール上での無作為かつ完全に均等な合金化用原子の 分布を伴うミクロ構造を表わすことになる(図7以下)。又、我々のケースでは 、ここで、加圧ダイカストの場合と類似の多孔正は確かに全く見られない。本発 明における自然及び人工時効時点での応答に関する全ての結果は、原子長スケー ルでの合金化用要素の均等な分布をまさに確認している。2ゾーンミクロ構造は 、ピストン(ハンマー)と融成物の間の接触が最良であるPAスプラットの中心に おいてのみ利用可能であり、一方、スプラットのリムに向かって減少する厚みの 結果、接触は減少し、かくしてそこでは熱伝達は低下し効率も悪く、ミクロ偏析 は増大する。 特長のないゾーンで共存する樹枝状晶の表面特長も同様に観察された(図9c及び1 0a )。これらは、光学的に分解され得ない樹枝状晶相互間隔によって示される通 り、樹枝状晶冷硬除去ゾーン内のミクロ偏析よりも細かいものである凝固時点で のミクロ偏析の円形島の円を形成し、さほど厳しくない熱抽出を結果としてもた らす「スプラット化」の時点の無制御の流体流の結果と考えられる。予備樹枝状 晶の特長は、中心のPA-スプラット部分のまわりに直径1-2mmの暗い円盤を結果 としてもたらすフッ化水素酸(HF)及びリン酸(H3PO4)でPAスプラットの表面 のエッチングによって、巨視的に明らかになった。すなわち、ここで対応する表 面酸化物は、金属の光沢のある固溶体に比べ、光学的に暗く見えた(図11a参照 )。これらの島は、先行技術の合金及び対応する偏析されたゾーンに比べてPAMg -La及びPaMg-Ceスプラットの特長の無いゾーンの腐食速度が最高3ケタも低いに もかかわらず動電位分極の時点で早期の孔食をもたらす結果となった可能性があ る(図8-10参照、[7.8]では10mm*10mmのサイズのPAスプラットの断片が使用さ れた)。しかしながら内陸雰囲気(パリ)に8年間露呈した後でさえ、近隣の偏 析された及び/又は樹枝状晶のミクロ構造が、空気に対するこのような長い時間 の露呈の後の純粋マグネシウムについて予想された通り白色、灰色及び黒色の腐 食生成物を示したにもかかわらず、無偏析の冷硬ゾーンはいかなる腐食の兆候も 示さなかった(図1-5及びR.S.Busk、Mg製品設計を参照のこと)。 Hehmann et al.[7.11]によるさらに早期の観察事実の数量化のための工業的試験 条件は、均等な腐食耐性の改善にもかかわらず孔食を導くミクロ構造の人工産物 の作用のために電気化学方法がきわめて容易に不動態化を過度に行なってしまう ことから巨視的腐食試験を基準にしなければならない。初期試験はMachu[19]に よって開発された浸漬試験を利用することによって実施された。この試験は、5 重量%の塩化ナトリウム(NaCl)溶液とこの溶液に23℃で添加された1重量%の過 酸化水素(H2O2)添加物を利用することによって、スプレー試験の300hrsから浸 漬試験の16時間まで、所要時間を短縮することによって、塩水噴霧試験の条件( 35℃で5%のNaCl)をシミュレートする。この浸漬試験の1つの変形形 態はAlベース合金のために開発されたDIN50947試験である。5%のH2O2溶液(30 重量%)と1重量%のNaClを用いるもう1つの変形形態が、AHC 撃的な媒質を提供し、16時間という標準化された間隔を2時間の間隔に短縮する ために用いられる[19]。試験はNaClの添加のみを用いるASTMB117に従ったものの ような長期塩水噴霧の時点での腐食性をシミュレートするのに特に有用である。 この試験はMgベース合金に適用可能であり、請求対象の合金及び基準の鋳造合金 AZ91についてのピストン-アンビルスプラットのために用いられた。5%のH2O2( 30重量%)と1重量%のNaClの溶液中へ0.5時間、1、2及び3時間浸漬させた 後、巨視的表面攻撃を光学的に記録した。金属の光沢ある表面ゾーンの過飽和は 、X線回析により確認され、これは平衡cph-Mg固溶体又は対応する過飽和固溶体 のいずれかに対応する一対の各(hk1)反射を示した([8,12,13]参照)。AHC改良浸 漬試験の結果は、図11-19に示されており、これらは図20-22でグラフに要約され ている。 2.2及び4.2重量%の凝固された状態のPAMgスプラットの過飽和した特長無しの表 面(図8-10参照)は5%未満の攻撃された表面積を示した(図11及び12)。こ れは、特長の無い表面ゾーンと共存する樹枝状晶前の表面の島の表面積よりも小 さい表面積分率であった(約15%)。改良Machu試験を用いた後、特長無しの冷 硬ゾーンの表面の美しさはほとんど攻撃を受けなかった。これとは対称的に、2. 2-6.9重量%のLaを伴うPA-Mgスプラットのミクロ偏析された樹枝状晶の冷硬除去 された側の表面は、2時間の浸漬の後、100%の表面について精力的な腐食攻撃 を示した(図11及び12)。これとは対照的に、樹枝状晶前の特長は腐食攻撃を示 さず、これらのミクロ偏析のサイズ、組成及び/又は構造が上述の条件下で腐食 を誘発する臨界条件をパスしていなかったことを表している。 400℃で1時間の熱処理は、この特殊なタイプの析出の粗化及び/又は過度の成 長をもたらすことなく、αMg中のLaの過飽和固溶体からのLa含有析出物の核形成 を確実に行なった(以下のDSC部分を参照)。この熱処理は、<5%から約35%ま で本来特長の無い表面ゾーンの観察可能な攻撃を増大させ、一方、熱処理 が樹枝状晶ゾーンの腐食性に影響を及ぼすことは観察されなかった(図13及び14 )。熱処理された特長のない表面上の腐食攻撃は、横断面を通したカット(上述 )のため表面接触が過飽和冷硬ゾーンと偏析された冷硬除去ゾーンの間であった リムの縁部によって誘発された。樹枝状晶前表面の特長は、熱処理されたPAMg-L aスプラットの過飽和した特長無しの表面上で観察される表面攻撃を誘発したと は思われなかった。 利用されたPAMg-Ceスプラットは、対応する特長無しの表面ゾーンと共存する約2 0%の樹枝状晶前表面の面積分率を示した(図15)。凝固された状態のMg-Ceスプ ラットの過飽和した特長無しの表面上の腐食攻撃はPA-スプラットの対応するリ ムから始まったことが観察された(図15及び16)。スプラットは、5%のH2O2(30 重量%)及び1重量%のNaClを含む水溶液中に2時間浸漬した後、共存する樹枝 状晶前の特長を含め、過飽和した特長無しの冷硬ゾーンの側にいかなる腐食攻撃 も示さなかった。腐食がその他の領域によって誘発されなかった場合、特長無し の成長が支配的である2.2及び6.0重量%の凝固した状態のPAMg-スプラットの側 は、攻撃されない状態にとどまった(図15及び16)。これらは、3時間の浸漬の 後で冴え、そこにその金属の美しさを保持していた(図15d)。3時間の浸漬の 後、冷硬側の攻撃を受けた全体的表面積は、15%を越えなかった。これは共存す る樹枝状晶前の特長の面積よりも5%以上少なかった。 400℃で1時間の熱処理の後、PA Mg-Ceスプラットの特長なしの表面ゾーン上の 腐食攻撃の開始を、そのゾーンと共存する特定のミクロ構造部位にまでさかのぼ ることはできなかった(図17及び18)。すなわち、材料を腐食を受けやすいもの にするのに充分なものであるサイズ(すなわち原子長スケールより上の)の析出 物の形成を、人工時効が結果としてもたらしたのであった。AHCで改良されたMac huの浸漬試験に1時間露呈した後、特長無しの表面ゾーンの攻撃を受けた表面積 の中に4-40%の大きな散乱が観察された。3時間の浸漬の後、本来特長の無い 成長の側の攻撃された部域は、熱処理の前の15%未満から熱処理後の40-60%ま で増大することが観察された。大きな散乱及び腐食攻撃の比較的大きな増大は、 両方共、ミクロ構造の不均質性が熱処理後の腐食耐性の観察された劣化の原因で あることを表わしていた。スプラット合金表面の観察されたミクロ構 造の不均質性は、柱状成長を描くミクロ偏析(図9c参照)又は未制御の流体流に よる樹枝状晶前の特長(同上)から結果として得られるものである。図20-22 に示されているミクロ偏析されたゾーンとの関係における特長無しのゾ ーンの巨視的な腐食攻撃に対する応答の比較は、cph-Mg又はその他の非平衡Mgベ ースマトリクス相の(拡張)固溶体を偏析無しで合金化することによって得るこ とのできるものの保守的な見積りのように思われる。ミクロ偏析は明らかに、腐 食による攻撃を受けた特長無しの冷硬ゾーンの表面積及び孔食を誇張した。樹枝 状晶前の特長及び熱処理の、利用された浸漬試験に対する応答は、腐食攻撃を誘 発することなく、第2相の或る一定のサイズ及び性質及び一定の時効度を提供す ることができるということを示している。これとは対照的に、航空宇宙の利用分 野のための高強度7000-A/合金に使用されるような過剰時効は、cph-Mg中のLa及 びCeの拡張固溶体によって得られる改善された腐食耐性を損なった。合金の調製 のために用いられたMgの不純物分析は、0.0034+/-0.003重量%のFe、0.0005重量 %のCu、0.010重量%のSi、<0.005重量%のAl、0.0004重量%のMn、及び0.001重 量%のNiであった。純粋Taがるつぼ材料として用いられたことから、合金調製が 、より重大な不純物Fe、Ni、Si及びCuのレベルを増大させることはなかった。比 較的高いFeレベルにもかかわらず、かくして粗化された樹枝状晶冷硬除去ゾーン との関係における過飽和した偏析無しの冷硬ゾーンの特に強い利点を伴う。PAMg -Nd(図23)及びPAMg-Smスプラット(図24)(図25参照);(凝固速度論から予 想されるものと矛盾しない)6重量%以上のMnの融成物から分離された第2相の 増々より均等になる分散及び350℃で4時間の熱処理後の黒い曇りの発生(図29 を参照、すなわち対応する過飽和cph-Mgベースの固溶体からのβMnの固体析出を 確保するための他の場所で識別された[45]条件、以下参照)を示すMg-Mnスプラ ット(図26-30)及び図87及びp.56;Mg-Mnと同じ傾向をもつが、元素としてのβ Mnに比べて融解分離されたMg2Si-分散質及び熱処理によるMg2Siタイプの固体析 出物のより有害な効果を持つ0.5-5.0重量%のSi範囲のPAMg-Siスプラット(図31 -35 );2つの濃度(2.46及び7.09重量%のSb)についての結果が示されているP AMg-Sbスプラット(図36-39);2.0-5.0重量%のCaを伴う熱処理されたPAMg-Ca スプラット(図40-42);凝固された状態の熱処理されたPAMg-Sr(図43)及び熱 処理されたPAMg-Baスプラット(ここでは図示せず);PAMg-Pd及びPAMg-Auスプラ ット(図44-46参照)ならびにMg-Yスプラット(図19)についてのミクロ構造効 果を弁別することが可能であった。PAスプラット-冷却によって行なわれたαMg 中のイットリウムの拡張固溶体の浸漬試験は、cph-Mg中の希土類金属の固溶体に よって得られたような先行技術の合金に比べた腐食耐性の改善を示さなかった( 図19)。このことは、ミクロ偏析(例えばPVD方法によって回避できる、以下参 照)かMg-Y系において特に有害であることを示す分極試験によってなされた以前 の観察と一致している([7.8]参照)。 Mg-Ca、Mg-Sr及びMg-Ba系は、n伝導についての章で論述されているMgベースの合 金の特定の一族を提供する(以下参照)。これらの元素は、充分な安定性をもつ Mgベースのne相を提供しない(例えば、110℃で変換される非晶質Mg-10重量%Ca 、以下のcph-Mg中の対応する拡張固溶体に関するMordike et alによる研究も参 照のこと)。アルカリ土類元素の特殊な役割は、それが一方ではMgほど貴重でな く従って、MgO表面酸化物薄膜上に電子圧力を提供し、かくして他方では固体析 出物のサイズ範囲内のミクロ陰極保護を提供するということにある。これは、液 体からではなく固体からこのような第2相を形成した直後に最も有効である(以 下のPechineyによる研究参照)。すなわち、Mg2Ca相がMg-マトリクス内で場合に よって腐食を誘発する1つの問題なのではなく、そのサイズが問題なのである。 融成物が分離されたとき、サイズはあまりにも大きすぎる。しかしながら固体か ら形成される場合、この特殊なタイプの第2相の過剰時効を避けるための注意が 必要とされる。Mg-Si、Mg-Sb、及びMg-Mn系の熱処理された及び/又は凝固状態 のスプラットについての結果は、析出物がMgよりもさらに貴重な元素を含む場合 に、Mgの改善された腐食耐性のためのこのような「サイズ−ウィンドウ」が全く存 在しないことを示した。 原子長スケール(すなわち、表面平面内の異なる原子のトポロジー上の又は空間 的な分布)上での溶質(及びここでは非平衡Mgベース相にも拡大された語である 溶剤Mg)の均質な分布が、個々の元素がCl-イオンのより高い濃度を伴う環境内 でのMgの不動態化を含む特殊な環境に関する特定の利点を展開できるように することに先立つMgO表面薄膜の増強のための普遍的な必須条件であるという点 において、全ての結果は一貫性あるものである(以下の「適切な基準のヒエラル キー」を参照のこと)。同様に、研究対象の系について融成物内に充分な溶解度 が存在した場合でさえ融成物からの処理によりさらに高いレベルのMgベースマト リクスの合金化を達成することはできないという点においても、全ての結果は一 貫している。これは、合金濃度の増大に伴うMg-Si、Mg-Sb及びMg-Mn系における 腐食耐性の系統的減少、及びPAMg-Si及びMg-Sbスプラット内の熱処理及び結果と しての固体析出物及び/又は対応する分散質の粗化により与えられる腐食耐性の 著しい低下を見れば明白であり、これらは全て、原子長スケールでの合金要素の 均質な分布がMg-合金の不動態化のための普遍的必須条件であるということを立 証している。PAスプラットが図8-10にあるように全く異なる2ゾーン合金ミクロ 構造を示したならば、特長無しの冷硬ゾーンの(巨視的)側の腐食はスプラット のリム(樹枝状晶ゾーンが、カットオフされた端の薄い縁部により特長の無いゾ ーンと共に、5重量%のH2O2-1重量%のNaCl水溶液に同時に露呈される場所)か ら出発し、場合によってPA Mg-5.0重量%Siについて明らかであったように(図3 3及び34 )過飽和した内部円に向かってのさらなる膨張から停止させられるまで 、横断面を横断し続けた。選択された非平衡技術(以下参照)によって提供され る増強された合金が不動態MgOベースの表面酸化物薄膜を提供するか否かという 問題は、合金化用添加物が、より脆弱なMg(OH)2表面薄膜へと変換するMgO薄膜の 傾向を支持するか又は抑制するかの問題に関連づけられる。しかしながら、Mg-M n系は、液体非混和性のため融成物からの処理によって添加できない早期遷移金 属との境界線にある。 蒸気溶着は、ミクロ構造の均質性を改善するべくミクロ偏析を抑制するための非 常に有効な方法である。蒸気溶着は、約1010-1012K/秒の冷却速度を結果として もたらすと考えられている[21]。より重要なことに、蒸気溶着は、凝固時点で発 生するいかなる潜熱も結合開裂された体積内に散逸して戻ることができない個々 の原子のレベルで、結合開裂が起こるという、液体焼入れに比べた全体的利点を 有している。これは、溶着物の柱状の特長の無いミクロ構造によって示され、こ れは凝固の時点すなわち潜熱が冷却基質に向かって導かれ溶着物が溶着物表面 に到着する蒸気よりも低い温度をもつ時点で、正の温度勾配が起こったというこ とを表わしている([22,23]参照:n.b.等軸成長は逆を表わすことになる)。 蒸気溶着は、2つの処理グループすなわち熱蒸着と(マグネトロン)スパッタリ ング方法を内含する。熱蒸着のために用いられる供給源としては、抵抗、誘導、 電子ビーム及びマイクロ波加熱ならびに昇華、レーザービーム及びアーク蒸着方 法が含まれる[24]。蒸気溶着のもう1つの形は、入射イオンにより材料からスパ ッターされた一定数の原子のスパッタ除去である[25]。蒸気溶着は、従って、利 用される熱伝達条件が非常に極度である場合でさえ液体焼入れの時点のようなミ クロ偏析を結果としてもたらす無制御流体流及び/又は再輝減少を全く包含する ことのない、RS処理を介した結合開裂の究極的な解決法である。過飽和の限界に おける実質的な増大も同様に、液体焼入れではなく蒸気溶着によって得ることが できる。例えば、fcc-Al内のCrの最大平衡固体溶解度は、RSPを用いて0.7から約 2.5重量%Crまで、ただしPVDを使用すると10.7重量%Crまで増大した[26,27]。 2成分PVD Al-Cr合金のミクロ構造は、第2相を全く含まなかった。cph-Mg中のT iの蒸気溶着された固溶体上のBray et al[16,17]によって報告された腐食性の改 善は、cph-Mg中の8-47のTi[原子%]の拡張固溶体を得るべく、マグネトロン スパッタリングを介してHirota et al[28]によって再現された。1モルのHCl水 溶液中のその後の陽極分極は、結果として、Tiカチオン及び対応するO2アニオン の富化、及び、標準的カロメル電極電位に関して観察された-0.68での腐食電位 (例えばMg-47Tiについて)より上の電位で観察されたこの電極内の不動態化の 基礎をなす表面酸化物のMg2+-カチオン及びOH-アンオンの減損をもたらした。 約50μm/時の溶着速度を用いて蒸気スパッタリングによって、Mg-8(1.5)Ce及び Mg-4(2.1)Ti[重量%(原子%)]の一連の合金化された蒸気溶着物を調製した 。溶着物が250-300μmの厚みに達した時点で溶着を遮断した。27℃で5%のH2O2( 30重量%)及び1重量%のNaClを含む改良Machu試験の水溶液中へのVD合金の60mm* 40mmのサイズの試験片の連続的浸漬によって、初期試験を行なった。基準合金A Z91及び蒸気溶着されたMg-4重量%Tiは、全表面にわたり均等に攻撃された(図47 )。基質温度が60℃に保持された時点で、VD Mg- 8Ce合金は、電解質による攻撃を受けていない表面積を包埋するきわめて局在化 した孔食のみを示した(図47)。VD Mg-8Ce合金の影響を受けていない部域は、 2時間の浸漬の後でもその金属的光沢のある美しさを保持していた。Ceは、cph- Mg固溶体を合金化することによるマグネシウム合金の不動態化についてTiよりも 有効な合金化用元素と思われ、[16,17]の中のものに比べ[7,8]で報告された観察 事実を確認した。 しかしながら、孔食は、改良Machu試験の条件下でのPA-Mg-Ceスプラットの特長 の無い冷硬ゾーンについては観察されなかった。図48は、対応する冷硬鋳造合金 に比べスパッタリングにより作られた、結果として得られるMg-8重量%Ceの合金 の光学的ミクロ構造を示す。5%ピクラル(0.5%以上の氷酢酸)内の60秒の化学 エッチングの後、Mg-8Ceのスパッタリングされた状態のミクロ構造は、250μmの 全断面積にわたるミクロ偏析を示すべく全く応答無しに特長無しの柱状粒構造を 示し、一方鋳造された状態のバージョンは、PAスプラットの樹枝状晶ゾーンの場 合のように化学エッチングに対し瞬間的に応答した。X線回析によって得られた 格子パラメータ「a」及び「c」の以前の研究([8,13]参照)と比較すると、全て のCeが、極端な液体結合開裂及び焼入れの後でさえ、ミクロ偏析が存在すること なく拡張cph-Mgベース固溶体の中で固く結合していたことがわかる。 請求対象の合金の全体的なミクロ構造の均質性は、液相からの凝固処理に比べ、 スパッタリング方法を用いた蒸気溶着によって実質的に改善された。スパッタリ ングは、熱蒸着に比べ低い多孔率をもたらすが、標的のボンバードに用いられる イオンも包埋する[29]。溶着された状態の合金中の多孔率は、真空中及びその後 の正常大気への露呈時点で酸化する細孔及びシャドイングをもたらす合金蒸気の 凝縮時点に成長する突起の結果である[30]。かくして、観察された孔食は、現実 の表面状態を曇らせるべくミクロ偏析に比べ同等か又はそれよりも悪い人工産物 を誘発する60℃での合金の溶着による多孔性の結果としてもたらされたものであ る(P163,[17]参照)。従って、溶着された状態の過飽和cph-Mgベース固溶体内 の多孔性の不在は、実質的に改善された表面不動態をもつマグネシウム合金を開 発するために、少なくともミクロ偏析の抑制と同じ位に重要である。これは、 過飽和固溶体の壊変を誘発するほどに高くなっていてはならない高温での蒸気溶 着及び/又はインサイチュ固化によって達成できる[29-30]。 明らかに、ミクロ偏析及び多孔性の両方の腐食性に対する効果は、高性能不動態 マグネシウム合金の非常に重要ではあるもののなお過少評価されている品質パラ メータを構成している。ここで得られる最も重要な結果は、準安定固溶体の成長 平均量すなわち蒸気溶着による連続的に前進する成長前面に対し垂直なベクトル (cph-Mg中の8重量%のCeについて示されているとおりの)が実際に制限のないも のであることから、蒸気溶着によってミクロ偏析を有効に抑制することができる ということである。cph-Mg 内の軽量貴金属の拡張固溶体(TSSE)の示差的走査熱量測定法(DSC)に よる熱安定性 超急冷凝固(RS)準安定相のDSC-分析の、透過型電子顕微鏡(TEM)に比較した 利点は、それが巨視的スケールで作動し、TEMがサンプリング統計に付され従っ て再輝現象を受けた準安定RS材料を代表するものでは決してないのに対し、研究 対象の材料が関係する準安定相を代表していたか否かを確実に告げるという点に ある。 PAスプラット冷却においては、特長無しから樹枝状晶ミクロ構造への急激な遷移 は、約20-40μmの横断面を横断した後初期速度に比較した前面速度の数ケタ分の 劇的な減少を誘発する再輝現象の結果としてもたらされる(図8-10及び[32.33] 参照)。外部熱流及び樹枝状晶及び平面結晶の成長を含むミクロ構造モデリング [34]は、熱伝達係数h=2-3000(kW/(km2))を用いることにより、cph-Mg中のさま ざまな元素の拡張固溶体の幅が、約20μmに制限されることを示した。この値は 、液相からの焼入れについての、得ることのできる最高の値の1つである。しか しながら予測は、このようなミクロ構造の観察事実とうまく合致している([7.1 3]参照)。液体焼入れによって得られる過飽和1相ミクロ構造の成長平均量は比 較的極端の熱伝達条件下でさえ、数ミクロンに制限されている。成長平均量が、 偏析の無い又はほぼ偏析の無い凝固の成長前面に垂直な固体成長ベクトルである ことに留意されたい。従って、過飽和したcph-Mgベースの固溶体の DSC分析と干渉するミクロ偏析を回避するため、約20μmの小滴サイズまでの結合 開裂は不回避的である。 DSCによるcph-Mg固溶体の変態挙動を検査するために、液相からの焼入れのため のガン技術([31]参照)及び蒸気溶着法を基準にすることが必要であった。両方 の方法共、実質的なミクロ偏析無しミクロ構造に必要とされる充分な熱伝導と結 合させた高度の結合開裂を提供する。そうでなければ、凝固の時点の再輝現象及 び/又はその後の時効のために形成する第2相の固体状態の中の再溶解から加熱 時点で発生するような熱効果と、ミクロ構造の準安定な部分の小さい熱効果を弁 別することはできない([6]参照)。図50-58内に示されているDSC分析は、Dupon t910分析器で実施された。図50-58中では発熱効果が上向きにプロットされてい る。利用されたガンスプラットは<0.5-1.5mmの直径及び<0.1μm-40μmの厚みを もち、これは105-1010k/秒の広範囲の冷却速度を表わす[31]。ガン技術によっ て作られた小滴母集団の大部分(すなわち>90%重量%)は、20μm未満の厚みを もっていた。ガンスプラットのミクロ構造は、特長無しの成長から通常1μm未満 のセルサイズの非常に細かい帯状セル構造までの遷移を示した(図49)。帯状ミク ロ構造は、絶対的安定性のための速度(これは偏析無しの成長のための前面速度 である)近くの速度振動の結果である。これらは、セル状ゾーン内での成長が再 輝現象によって制御されなかったことの1つの証拠である[35]。従って、ガンス プラットの過飽和の度合は、対応するセル境界偏析に比べて、比較的高いもので ある。図50 は基線(点線表示)との関係におけるMg-8Ce合金[公称重量%]のガンスプラ ットの3つの発熱効果、すなわち150℃ -200℃の間での平らなスペクトル、350 ℃での発熱ピーク、そして400℃ -500℃の間での比較的大きく広い熱効果を示し ている。変態のための活性化エネルギーの較正及び評価は、等温変態及び成長温 度について約60℃低い温度を結果としてもたらす(以下参照)。発熱効果の熱の 流れNo.3は、DSCセルのためのパージガスとして使用された5Nのアルゴンの中の 残留酸素をゲッターで抜くのにタンタルホイルを利用した場合に減少した。(図 51: n.b.ガンスプラットは、パージガスに露呈された材料の単位体積あたり比較 的大きい表面積を形成する)。これらの3つの発熱効果の同じ順序が、 1重量%のLaと1重量%のNdという公称組成のMgガンスプラットについて観察さ れた(図52)。発熱変態ピークの順序は、αMg固溶体の中の軽量希土類溶質のタ イプとは事実上無関係であった。bco-β"相の形成を表わす160℃前後での発熱ス ペクトルNo.1とそれに続く、セル境界での平衡β相と粒内外β'-相の組合せ形成 を表わす260℃前後の発熱効果No.2、そして次に続く、350℃前後の平衡α+βの 粒内外形成についての発熱効果No.3を含め、Mg-Yのスプラット及びリボンのDSC 分析の時点で、類似の一連の発熱効果が観察された[36]。Karimzadeh[37]による と、従来通りに鋳造されたMg-3重量%Ndの合金すなわちcph-Mgの過飽和固溶体の 変態が、等温時効の時点で、次の順序に従うことが観察された。 Omori et al.はcph-Mg中の1.3重量%のCeの平衡固溶体の変換が粒界での中間相 の150℃での析出及び転位とそれに続く、合金硬化の原因であることがわかった 中間相の200℃での析出及び250℃以上の温度での平衡相の形成という順序に従う ことを報告した[38]。Wei及びDumlop[39]は、RE元素の組合わさった効果が、以 下のものに従った3時間の等温熱処理の後のcph-Mg内の元素的RE添加物の固溶体 の順序に比べ、Mg-1.3重量%のミッシュメタル合金の析出順序を変えない、とい うことをより詳細に示した。 なおここで、 β1=基礎平面内での転位の妨害による合金の時効硬化の原因であるとみなされ てい高さ35nmx直径50nmの六角柱Mg12RE粒子 β2=β2-相への転位でのfcc-β2の変態に由来する不規則な形態のMg12-RE粒子 β3=高さ250nmx長さ100nmのMg12RE-粒子。 商業用合金WE43については、β′相はMg12NdYに、又β-平衡相はMg12Nd2Yに対応 しているということが提案された[40]。全ての場合において、GPゾーンの形成及 び/又は溶解の後、ただし粒内外平衡相の形成の前に、中間及び/又は粒内外β" 、β′-及び細かいβ相による時効硬化が関与する温度上昇に伴った3つの全く異 なる反応が観察された。すなわち150℃未満の温度ではGPゾーンの形成によって いかなる硬化も見られず、又硬化はαMg中の軽量希土類元素の不動態化しつつあ る拡張固溶体の完全な変態を必要とせずかくしてこれらのミクロ構造が最終製品 形態へと全く自由に合金転換できるようになっている。その上、Wei及びDunlop は、次のように考えた[39]: すなわち、 1.粒内外GPゾーンは150℃未満の温度からこの閾値より上の温度までの遷移にあ たって、変換ではなくむしろ溶解する。 2.fcc-β′-及びbcc-β1相の核形成及び成長は、転位、双晶及び粒境界によって 促進されただけではなく、融成物内にすでに形成され溶体処理中に溶解しなかっ た化合物タイプの重量希土類核によっても促進された。 従って、観察された熱効果の形態及び大きさは、利用したRS方法により誘導され たミクロ構造により大きく左右される。これらのミクロ構造の特長に沿った転位 、粒界及びミクロ偏析ならびにHRE核の高い集中度は、かくして、300℃以上での 反応を代償として低温度での発熱反応No.1及び2に有利に作用することになり、 その逆も言える。例えば、超急冷凝固されたMg-Y合金においては、融成物からの 高速焼入れによつて11のミクロ構造の進化が導入され、これらは、2つの独立し たミクロ構造進化を結果としてもたらすべく、細粒及びセルの境界では300℃未 満(cph-Mgの全体的変態の約20%に対応する)そして細粒の内部では300℃以上 (cph-Mgの全体的変態の約80%に対応する)のcph-Mgの変態プロセスの明確な分 離を結果として導くことが識別された([36]参照) 観察されたMg-8Ce[公称重量%]の発熱効果の個別の評価は、発熱No.1(D019β” 及び/又はfce-β--Mg3REの形成に帰することのできるもの)について約7J/g、発 熱No.2(粒界におけるβ′の成長及びβの形成に帰することのできるもの)につ いて約10J/g、そして発熱No.3(細粒及びセルの内部における平衡-βの形成及び 成長に帰することのできるもの)については約32J/gを生み出す(図53)。αMg におけるYの拡張固溶体に関してはcph-Mg中のCeの過飽和固溶体の主要な変態は 、ここでは400℃以上といった、より高い温度で起こった。しかしながらMg-La試 料の発熱効果No.2の変態エンタルピー、δH(ex02)は、Mg-Ce及びMg-Ndガン− スプラットについての約10J/gに比べて45J/gにも昇ることが観察された。 発熱効果No.2の観察されたピーク温度T′は、希土類金属のタイプ及び濃度に は無関係で、40k/分の加熱速度についてT=355°-358℃で見いだされた(図54) 。軽量RE溶質及び濃度とは無関係の発熱効果No.2のほぼ一定のピーク温度という 観察事実は、セル境界及び結果として得られるミクロ偏析がガンスプラフトの発 熱反応No.2を制御すること、そしてミクロ偏析の体積分率がMg-Laガンスプラフ トについて特に高かったこと、を予告している。Mg-La系は、融成物からの一定 の焼入れ条件下で行われた場合の同等の合金化レベルのMg-Smスプラフトに比べ て、より容易にミクロ偏析を発生させることが報告されており、これは、Mg-Sm スプラフトに比べてのMg-Laスプラフトの特長の無い冷硬ゾーンの幅がより小さ くセルサイズもより小さいことと結びつけられた([8,12,13])。融成物から分 離されたミクロ偏析の体積分率及び固体析出の時点で引き続き形成された析出物 の体積分率は、液相からのセル成長範囲内でのセル境界部域の増大に伴って増大 するものと観察された[36]。明らかに、ガンスプラット化時点での冷却条件下で の散乱(以上参照)はここでは、ミクロ構造の形成を制御し関連する特定の合金 系の凝固速度論に比べてわずかな意味しかもたない([41,42]参照)。 Mg-8Ce[公称重量%]の観察された発熱効果の個々の評価は、発熱No.1(D019β '及び/又はfce-β---Mg3REの形成に帰することのできるもの)について約7J/g、 発熱No.2(粒界におけるβ'の成長及びβの形成に帰することのできるもの)に ついて約10J/g、そして発熱No.3(細粒及びセルの内部における平衡-βの形成及 び成長に帰することのできるもの)については約32J/gを生み出す(図53)。αM gにおけるYの拡張固溶体に関しては、cph-Mg中のCeの過飽和固溶体の主要な変態 は、ここでは400℃以上といった、より高い温度で起こった。しかしながら、Mg- La試料の発熱効果No.2の変態エンタルピー、δH(ex02)は、Mg-Ce及びMg-Ndガ ン−スプラフトについての約10J/gに比べて45J/gにも昇ることが観察された。発 熱効果No.2の観察されたピーク温度T'は、希土類金属のタイプ及び濃度には無関 係で、40k/分の加熱速度についてT=355°-358℃で見出だされた(図54)。軽量 RE溶質及び濃度とは無関係の発熱効果No.2のほぼ一定のピーク温度という観察事 実は、セル境界及び結果として得られるミクロ偏析がガンスプラフトの発熱反応 No.2を制御すること、そしてミクロ偏析の体積分率がMg-Laガンスプラフトにつ いて特に高かったこと、を予告している。Mg-La系は、融成物からの一定の焼入 れ条件下で行われた場合の同等の合金化レベルのMg-Smスプラフトに比べて、よ り容易にミクロ偏析を発生させることが報告されており、これは、Mg-Smスプラ フトに比べてのMg-Laスプラフトの特長の無い冷硬ゾーンの幅がより小さくセル サイズもより小さいことと結びつけられた([8,12,13])。融成物から分離され たミクロ偏析の体積分率及び固体析出の時点で引き続き形成された析出物の体積 分率は、液相からのセル成長範囲内でのセル境界部成の増大に伴って増大するも のと観察された[36]。明らかに、ガンスプラフト化時点での冷却条件下での散乱 (以上参照)はここでは、ミクロ構造の形成を制御し関連する特定の合金系の凝 固速度論に比べてわずかな意味しか持たない([41,42]参照)。 Mg-Ceガンスプラフト内には、発熱No.3において異常な2重線が観察され、これ は400℃以上で吸熱反応が発熱相変態に重ね合わされたことを示していた(図53C 参照)。この吸熱効果は、結合開裂の度合の上昇と共に増大した。図55aは、2mm 未満の厚みのMg-8CeガンスプラフトのDSC分析の結果を示し、図55bは、比較的高 い下地物質温度で作られた蒸気溶着されたMg-8CeのDSC分析を示している。しか しながら、60℃という溶着物温度では、この吸熱効果は、より低い温度での発熱 反応にまさって、PVDMg-8Ceの変態挙動を支配し、このときこの低 い温度での発熱反応は無視できるものとなる(図56)。 吸熱効果は、規則相から不規則相への変態から又は第2相の溶解からのみ、結 果としてもたらされ得る。Mg-Sm及びMg-Gd合金の固溶体の以前のDSC分析は、非 常に細かい(<<1μm)第2相分散の40K/分といった高い加熱速度での溶解から結果 としてもたらされる比較的広い吸熱効果を示した[6]。これらの第2相分散は( 例えばスプラフトのホイル厚みの増大に伴うスケールの増加によって示されるよ うな)不十分な初期過小冷却及びその後の再輝現象による、融成物からの分離の 結果であったか、又は対応する固溶体の長期にわたる自然時効の結果であった[6 ]。蒸気溶着されたMg-8Ce合金のDSC分析の時点で観察された400℃以上での大き い吸熱効果のピーク形の形態及び大きさは、融成物からの高速焼入れによって得 られる金属ガラスといったような準安定金属マトリクスについて頻繁に観察され たような変態ピークに対応する[43]。これらは、第2相の溶解時点で観察された より緩慢な効果には対応しなかった。長さ65mm*幅90mmそして厚み300μmのプレ ートからのサンプリングによるこの吸熱効果の高い再現性と、凝固以前の結合開 裂度の増大に伴うこの効果の証拠の増加を組み合わせることによって、対応する 材料が、再輝現象のミクロ構造に対する往々にして再現不能な効果を受けなかっ た、ということが確認された。従って、吸熱効果は、固溶体に対するその構造上 の差異を今後識別していかなくてはならないcph-Mg中のCeの準安定相マトリクス の変態に関係づけされるものと思われる(図64参照) Duxont910分析器の温度較正は、次の等式を利用することによって行われた。 T=T'*m+b なお式中、T=実際の温度、T'=加熱速度Hの関数として較正のための以下の係数 m及びbを結果としてもたらす記録された温度である: 蒸気溶着されたMg-7.2Ce合金の実際の吸熱ピーク温度は、Kissinger法[44]を用 いて、加熱速度H=20K/分については414.5℃で(注:T'=414.5℃)、又113kJ/(mol k)の活性化エネルギーEAに対応する加熱速度H=40K/分(注:T'=431.5℃)につ いては423℃で到達し、準等温変態温度は、360℃(H=0.1K/分)〜382℃(H=1K /分)で到来した。ガン技術によって作られたMg-1重量%LaスプラフトのMg-1重 量%の発熱ピークNo.2の実際温度は、Kissinger法を用いて、H=20K/分について は342.4℃(n,b H=T'=344℃)、又83.3kJ/(mol k)の活性化エネルギーEAに対 応するH=40k/分については350℃(n,b T'=3=8℃)であり、準等温変態温度 は292.6℃(H=0.1K/分)であった。図56a は、100°〜540℃の間の温度範囲内でPVDMg-8Ceの54J/gの変態の積分エン タルピーを示す。積分値は100°〜393℃の間-14J/gの発熱の進展と393°〜540℃ の間の+68J/gの吸熱エンタルピーを伴う上述の吸熱ピークの和である。絶対値で みると、発熱スペクトルは293℃の温度間隔にわたり積分値の20.6%つまり10℃ につき0.7%を表し、一方吸熱効果は10kにつき積分値の5.4%を表す。400℃より 上での吸熱効果が準安定から平衡相への変態を表すことは明らかである。この変 態には、吸熱ピークの始まり直後に開始し加熱速度が低下するにつれて吸熱ピー クと増々分離する発熱反応が幾分か重なり合っていると思われる(図57)。蒸気 溶着といったような結合開裂度の上昇に伴って得ることのできる吸熱的に変態す る相の変態順序は、液体焼入れによって形成される相を通過すると思われる( 57及びm55a 参照)。PVD Mg-8Ceの吸熱エンタルピーに対する部分的発熱エンタル ピーの観察された分率は、利用されたサンプリング及び加熱速度とは無関係に完 全に再現可能であった(図58)。 αMg内のCeの蒸気溶着された固溶体は、最密充てん六角形であった(図64)が 、これは △G<0 故に/△H/</-T△S/ であることから、エントロピー変化によって変態のための駆動力が提供される結 果として得られた平衡相よりもさらに規則的な相を表していた。なお上記式中△ Gは、相変態のための駆動力であるGibbs自由エネルギーであり、△Hは記録され た変態エンタルピーであり、△SはDSCによる記録不能な変態のエントロピーで ある。平衡からの逸脱の増大は、結合解裂が個々の原子のレベルに到達した時点 で劇的に規則化度を増すと思われた。しかしながら単一の原子のレベルまでの結 合開裂は、再輝現象が凝固時点で偏析を導き不十分な準安定体積分率を結果とし てもたらす場合といった、状況変化の時点での準安定MgRE相の100%又はほぼ100 %の体積分率の形成のための必須条件であると思われた。この観察事実は又、処 理条件及び多相をもたらす転位運動に課せられた結果としてのせん断応力によっ て設定されるような純度及び相均質化に対する制限条件を内含し、かつできれば 代わりに蒸気溶着を利用することを有利に思わせることになる、機械的合金化と いった状況変化無しに、最新の固体処理からやがて現れるものでもない。しかし ながら機械的合金化/ボール及び/又はボールミル摩砕経路は、より近い将来に見 込みある結果を提供する(以下参照)。 自然時効挙動 摂氏ゼロ未満から40℃以上までの温度サイクル及び40%未満から90%以上までの 温度変化を含めた8年の室温(自然)時効の後、La、Ce、Sm及びGdで過飽和され たスプラフト冷却されたcph-Mg固溶体は、120℃〜150℃、及び350℃〜450℃の間 で2回の吸熱効果を示した(図59〜60)。その他の指示が無い場合、これらのス プラフトは、約107〜109k/秒の冷却速度及び、<1〜50μmの範囲内の「スプラフ ト化された」断面を形成することを可能にする結合開裂レベルを提供する、回転 式スプラフト冷却技術(RW)によって作られた。研究対象のRWスプラフトは全て 25μm未満であり、そのミクロ構造は図49内で示されたミクロ構造に対応してい た。 吸熱効果は、規則相から不規則への変態から又は非平衡及び/又は平衡固溶体 内の第2相又はその他のあらゆる相の溶解からの結果としてのみ得ることができ る。エントロピーの変化は、両方の場合において駆動力を提供する。第2相は、4 0K/分といった高い加熱速度で完全に溶解されるにはきわめて細かく(<1μm)な くてはならない。(図59〜62参照)。150℃前後での吸熱効果No.1の変態エンタ ルピーはLa及びGdのレベルの増加に伴って増大したが、エンタルピーに対する濃 度の効果はMg-Ceスプラットについて明らかでなかった。 選択されたスプラット厚みは、合金化用元素が、ほぼ10年前に作られた時点で 、本質的に固溶体内で結びつけられていたということを保証していた。周囲温度 条件に対するこの露呈期間の後に発熱効果が存在しないということは、拡張固溶 体が、350℃〜400℃前後での(通常さらに大きいものである)第2の吸熱効果に よって示されているように、その吸熱効果が最終的に約420℃で平衡ミクロ構造 へと変態するより安定した構造的形態への変態及び/又は溶解のいずれかを表し ている1つの規則(室温)相へと完全に変態させられたことを示唆している。吸 熱変態効果は、130℃〜150℃前後の温度で急激(すなわち「ガラス」様のピーク を形成していた)であった。これらは合金化用内容物の増大と共に減少し、より 複雑な全体的析出順序での準安定中間相の存在を示唆していた。 Hehmannは、cphMg中のAlの拡張固溶体の7ヶ月及び12ヶ月の室温時効の後のかか る吸熱効果を観察した[11]。これらの吸熱効果は、<<1μmのサイズのすなわ ち約5〜100nmのセルの境界において優先的に形成する規則的γ´-超格子の変態 を表すものとして識別された(図63)。しかしながら、本発明が請求している合 金内に見られた吸熱効果No.1は、自然時効のこのような比較的短い持続続時間の 後では明確ではなかった。しかし、航空宇宙の利用分野では、はるかに長い期間 にわたって準安定合金及び相の挙動を知ることが重要である。吸熱効果は、cph- Mg内の、La、Ce、Sm及びGdの準安定固溶体の変態順序に関係づけされており、従 って、Mg早期希土類ベース合金内よりも低い温度でさえその相変態(平 衡相形成)の主要な開始が起こるMg早期遷移金属ベースの合金といったその他の 系の中でも普遍的に起こると予想される。希土類元素を含有するMgベースの固溶 体は、GP-(すなわちγ´-)タイプの析出ゾーンの原子的に薄い層を形成するこ とが報告された([44-1,44-2])。これらは、エントロピーの変化によって変態 のための駆動力を受け、凝固の間に分離された第2相ならびに粒界及び転位(PV Dによってより良く制御できる問題)がそのための好ましい核形成部位として作 用するような、(1)準安定過飽和Mgベース固溶体内での溶解の可能性を含めて、( 2)より不規則でかつ場合によってはより非整合な相へと変態する可能性がある。 しかしながら150℃前後での吸熱効果の出現には、前に不規則相の原子長スケー ル上で、合金化用添加物が均質であることが必要である。なおその最大長スケー ルは、γ´-相の最小長さスケールに対応する(すなわち5nm位、以上参照)。 PA技術を用いることによって作られたMg-Gdスプラットについては150℃で小さい 吸熱が観察されたもののLa又はCeを含有するPA-Mgスプラットについては観察さ れなかったということは興味深い(図59−62)(注:利用されたPA技術は、 特長のない冷硬ゾーンに関して最も「清浄な」冷硬ブロック技術であるが、スプ ラット断面全体についてそうではない)。 このことは、比較的大きい断面について融成物からの凝固中の過飽和を可能にす るMg-Gd系内の1により近いKo値と一貫している。PA-Mg-Gd内の第1の吸熱効果 の小さい変態熱は、実際、共存する分散質/マイクロ偏析の粒界濃度及び/又は粗 化といったようなその他の要因が、自然時効条件に対する長期にわたる露呈の時 点でGPゾーンタイプの固溶体相を「食いつくした」ということを示している。す なわち、不純物を含む凝固時点での無制御第2相の体積分率が大きくなればなる ほど(そしてこれはPVD技術により作られた対応する合金について一般化される べきである)、自然時効速度は高くなる。このことは、その第2の吸熱効果が曇 って第1のものと弁別させた、PAMg-La及びPAMg-Ceスプラットについての結果と 一貫性を持つ。 第1の吸熱効果は、粒内外干渉性の減少による強度消失及び粒界胞化を導く可能 性のある相変態を表していた。ここで行われた観察から、今や、自然時効の時点 で形成する相の望ましくない変態を誘発しない、形成、溶体化及び焼入れ作業後 の焼きなまし処理を誘導することが可能である。従って準安定過飽和状態の全て の焼きなまし処理は、観察された吸熱ピークNo.1より低い温度範囲(すなわちT< 130°)で行われるべきであり、一方GP溶解処理(ミクロ偏析を含むその他の第 2相が無いことを条件として)は約150℃前後で行われる、請求対象の合金の凝 固した状態の、すなわち溶体処理されていないバージョンの第2の吸熱効果の大 きさは、スプラットの横断面の厚みの増大、ひいては凝固中に融成物から分離さ れた第2相の分率に伴って増加した。これらの観察事実から、請求対象の合金の 超急冷凝固された(溶着された状態の)条件の溶体処理のための実際の時間及び 温度が400℃未満の温度で1時間未満まで低減でき、かくして最終製品内の微細な 粒構造及び強度増分を保持する道が開かれた、という結論が下される。 長時間の自然時効の後に形成されたGPゾーンの変態に関係する120°〜150℃の 温度での全く異なる吸熱効果の出現は同様に、(i)形成手順、(ii)形成作業の間 の中間熱処理、均質化処理又は溶体処理、(iii)時効条件、及び (iv)MgO表面酸 化物を増強する要素により与えられる保護用表面薄膜に対する不当な損傷のない 応力除去のための焼きなまし処理の、請求されている最適な温度及び最適な持続 時間の識別をも可能にする。焼きなまし手順及び/又は溶体熱処理の温度及び時 間は、第2相溶解のための駆動力の増加を提供する第2相の表面積の増大を結果 としてもたらすそのきわめて細かいミクロ構造のため、従来通り合成され及び/ 又は処理された軽量合金に比べて、著しく低下し得る。過飽和固溶体の応力除去 のためのあらゆる焼きなまし処理は、本発明に従うと、固溶体内に形成されたGP ゾーン又は過飽和固溶体の変態が対応する不動態化効果を低減させないようにす るべく、約2時間の短期露呈については140℃、またはそれ以上の露呈について は110℃の温度を超えてはならない。 熱安定性についての本発明の中間要約 結果は、軽量RE原子の無作為、規則又は純規則分布を伴うcph-Mg中の軽量RE元素 の拡張固溶体の変態が、凝固した状態(溶着された状態の)マグネシウム内の合 金化用添加物のこれまでに報告された最も熱安定性の高いcph-Mgベース固溶体で あることを示している: すなわち 1.MgRE合金の変態温度は、RSPMg-Y合金について観察された対応するミク ロ構造の進展よりも約30°〜60℃高い温度にある([36]参照)。 2.cph-Mg中の軽量RE金属の拡張固溶体からの平衡相の形成の始まりは、cph-Mg 中のマンガンの拡張固溶体の変態に比べて約90°〜120℃高い温度で起こる[45] 。 3.蒸気溶着によって得られるようなあらゆる再輝現象及びミクロ偏析の不在を 明らかにする境界相無しの光学的に粒状のVDミクロ構造は、約360℃の等温線で 変態全体を支配する平衡相変態ピークを伴う拡張固溶体の熱安定性のさらなる増 分を結果としてもたらすように思われる。この等温線は、同じく蒸気溶着によっ て得られたcph-Mg内のTiの拡張固溶体の仮説の等温変態温度よりも約150°〜180 ℃熱安定性が高いと思われる([17]参照)。 4.要約すると、cph-Mgベース固溶体中の希土類元素の熱安定性は、これまでに 公開された遷移金属のものに比べて少なくとも約100℃高い。 5.cph-Mg中の軽量RE金属の液体及び蒸気処理された固溶体の最終的変態の熱安 定性の観点から見ると、この反応が発熱反応であるか吸熱反応であるかは、凝固 された状態の材料のその後の固化及び合金転換にとって二次的な重要性しかもた ないと思われる。これとは対照的に、対応する液体焼入れされた材料中の細かい ミクロ偏析は、周囲温度での時効プロセスについての100kJ/(molK)という閾値よ りも低いものである83kJ/(molK)の活性化エネルギーEAの値によって表されるよ うに、材料を室温での時効を受けやすいものにすると思われる[46]。 6.熱効果の大きさ及びこれらの効果の比率は、利用される軽量RE金属ではなく むしろ合金化用元素の合成のための処理経路によって左右される(図50-54対56 〜58参照)。 蒸気溶着は、最終製品中の原子長スケール上の均質性を保持するべく、液体 処理に比べ、cph-Mg中のCe及びその他の軽量RE金属の拡張固溶体の結合開裂のな いミクロ構造を介して比較的低温度での熱効果を代償にして比較的高温でのミク ロ構造の進展に有利に作用することが観察された。 7.蒸気溶着は、cph-Mg中の軽量RE元素の拡張固溶体を、cph-Mg中のRE金属の拡 張固溶体からの平衡相の形成に必要とされるよりもかなり低い温度での 遷移金属(TM)の析出による合金転換の時点で材料を強化するべくさらにこれらの TM添加物を慎重に添加することのできる腐食性の要求の高い利用分野にとっての 非常に魅力ある材料にする。商品化 精練されたMg合金市場は現在、精練済みAl合金市場の0.04%又はMg市場全体の2 %である7000も、p、a、のレベルでもちこたている。この状況は主として、利用 可能な鋳造及び精練Mg合金の低い不動態化特性に関係している。不動態化用合金 表面をもつMgベース合金及び製品の開発及び商品化のために本発明を活用するた めには、次のことが必要である: すなわち、 (i) 最終製品の中で新しい構造を保持するべく、適切な変態温度を含む適当な合 金転換条件を利用すること、 (ii)表面薄膜の不動態の崩壊無しに、利用される合金化用添加物の相乗的硬化作 用などを介して、機械的特性を増強すること、及び (iii)連続的生産技術を用いて経済的に実現可能な製品形態に到達すること。RSP 軽合金の合金転換 ASM便覧[47,48]に従うと、商業用Mgベース合金の高温成形作業には、対応するマ グネシウム合金の液相線温度が360°〜440℃の範囲内での押し出し成形、420° 〜500℃での圧延及び往々にして約50℃内での鍛造、が含まれる。DSC分析から、 これらの条件は、cph-Mg中の軽量RE金属の低い平衡固体溶解度のために、過飽和 cph-Mgベース固溶体及びその結果として得られる不動態化効果を破壊するという ことが明らかである([5,49]参照)。しかしながら、Emley[50]は、約8μm未満 の粒径が、押出し成形速度、金属収率及び最終製品の品質に関してより高い生産 性を可能にするべく成形温度を低下させかつ/又は押出し成形、圧延及び鍛造の 時点での失敗を避けるための一つの要因である六方形マグネシウムの変形可能性 及び延性の増大のための閾値を表わしている、ということを示した。RSMg合金の 微細なミクロ構造は、硬度及び強度を増大させるばかりでなく(以下参照)、イ ンゴットプレス加工されたマグネシウム合金に適用されるものよりも約 100°〜300℃低い温度での「低温」押出し成形、圧延及び鍛造をも可能にする。 微結晶Mg合金 これは、回転電極プロセス(REP)によって作られた微結晶ZK60A(Mg-6.0Zn-0.45Z r、[重量%]単位)粉末について、20年も前にIsserow及びRizzitanoによって 立証された物である[51]。球形粉は、冷凍状態に保たれた後、好ましくは65℃と いう低い温度で押出され、その後過剰時効を避けるための水焼入れされ、その後 120°〜150℃の間で24時間時効された。最高427MPa UTS(422MPAの引っ張り降 伏強さTYS)の強度増分は、1〜10μmの粒径に由来していた。繊維化した破断経 路に沿ったデラミネーションのため(金属間化合物のサイズは0.1μmのサイズで あった)注意を払わなくてはならないが、この繊維化された構造は同様に破断時 間及びcharpy(i)供試体中の衝撃エネルギーを倍増させ、かくして航空宇宙の利 用分野においてシート製品のための圧延を介してといったように、大きい物体の 利用分野についてはREP-ZK60Aが考慮されることになった[51]。 より最近では、Dasetal[52〜55]及びNussbaum et al.[56-58]が、RSPにより与 えられたMg-Al-Znベースの合金のミクロ構造の微細化の効果が結果として150℃ という低い温度でのすぐれた成形性をもたらし、このような合金を圧延や鍛造を 含めた擬似網形状作業にとって有用なものにした。処理条件上の自由度の増大は 、RSPで微細化されたミクロ構造がそうでなければ非常に熱安定性が低く、その 結果得られる物性が劣化することから、合金成形作業の時点でRSMg-Al-Znベース 合金の粒界の成長を押さえつけるべく、細かい金属間第2相分数に大きく左右さ れた。同様に粒径が大きいと、インゴットプレス加工されたマグネシウム合金の 押出し成形、圧延及び鍛造時点で往々にして遭遇するような膨れ、熱間脆性及び 構造変化といったものによる破損をもたらされることになる。微結晶RsMg-Al-Zn ベース合金の合金転換の詳細としては、以下のものが含まれる 1.160°〜275℃で0.01mm/秒〜0.21mm秒の成形速度を用いた0.1μm未満のサイ ズのMg及びAl含有金属間隔の析出物を伴う、0.2〜1.0μmのサイズの固溶体相の ミクロ構造を含む、固化された合金Mg-0-14Al-0-4Zn-及び0.2-3X(X=Mn,Ce, Nd,Pr及びイットリウム)([原子%]単位)の超塑性成形(米国特許第4938809 号[52]): 2.1と同様。ただしAl及びZnの合計は2〜15原子%の範囲にあることを条件と する。又、最小UTS値378MPaに到達するべく密閉鍛造又は自由鍛造を利用するこ とによる200°〜300℃の温度での80%以上の対応する固化された合金の(好まし くは円筒形)ビレットの変形(米国特許第5,071,474号[53]); 3.1及び2と同様の合金。ただし、このような合金ビレットを圧延原料の形に 成形し、この圧延原料を次に200°〜300℃の範囲まで予備加熱し、その後直径5" (5インチすなわち約13cm)の間隙を調整することによって25〜100rpmの速度で 加熱された原料を圧延して厚みを1パスにつき2-25%だけ低減させかつ最小のUT S値400MPaで0.014〜0.095"のシート厚に達する(米国特許第5,087,304号[54]); 比較のため、周囲温度での従来のMgベース合金シートの強度値は、ASM便覧[47] により、8〜24%の伸び値で260〜290MPaUTS及び140〜220MPのTYSの範囲内にある と報告されている; 4.3と同じ合金及びシート。ただし、最高5μmの粒径で、場合によって>300 %の伸び値に達する275°〜300℃の範囲内の温度で10-1〜10-2/秒のひずみ速度 を用いることによって、複雑な形状にこのようなシートを成形する(米国特許第 5129,960号[55]); 5.リボンからビレットへの予備圧縮固化の後か又はリボンの真空ガス抜きの後 か又は直接のいずれかで融解紡糸されたリボンを用いて行われる、少なくとも29 0〜320MPaの破断強度値をもたらすべく0.5〜3mm秒(またはより高いCa含有量の 場合には5mm/秒)の前進ラム速度と10:1〜40:1(好ましくは10:1〜20:1)の押出 し比を用いた200°〜350℃の温度での押出し成形を可能にし、しかも200℃で24 時間の露呈により成長及び粗化に対しミクロ構造を安定化するべく粒界を描くAl2 Caといった1μm未満のサイズの金属間化合物の分数及び3μm未満の平均粒度の ミクロ構造を含む合金Mg-2-llAl-0-12Zn-及び0-0.6Mn及び0-7Ca([重量%単位] )の押出し成形(米国特許第4997,622号[56]); 6.REがイットリウム、Nd、Ce、La、Pr、ミッシュメタル(MM)の及びそれらの混 合物であるものとして、スプレー溶着された合金Mg-2-9Al-0-4Z-0-1Mn-0.5- 5Ca及び0-4RE([重量%]単位)の200°〜350℃での押出し成形(EP0414620Al[57] )、引き抜き加工及び鍛造又は後者2つの組合わせを含む熱変形。この合金は5μ m未満のサイズのMg17Al12、Al2Ca、MgaREb、及びAlaREbを含む金属間相分散及び 3〜25μmの粒度の均質なマグネシウムマトリクスを含み、熱変形された製品は次 に、480〜365MPaのUTSレベルで30〜35MPam0.5の破壊靭性値に対するべく選択さ れた溶体処理と焼戻し硬化又は焼戻し硬化のみを受ける。[米国特許第4.997,62 2号[58])。 わずか1つの溶着経路のみが、航空宇宙の利用分野のために許容可能なRSP-Mg 合金の破壊靭性値を導いたというのは興味深い。 RSP溶着経路では、結合開裂は現場で逆転され、かくして酸素に対する温度の表 面積の露呈及び結果として得られる酸化物形成が回避される。従って、蒸気溶着 (VD)は、同様に、満足のいく表面不動態を伴って、Mgベースの航空宇宙利用分野 の重要な機能的物性に対する見通しをも提供する。 ナノ結晶VD-Al合金 融解紡糸、平面流鋳造及びガス噴霧法によって作られる超急冷凝固されたアルミ ニウムベースの合金は、通常350°〜400℃の間の温度で固化(押出し成形など) される。これとは対照的に、(好ましくはセル境界で形成された。液体からのRS P方法によって作られたAl合金の場合よりも少なくとも10分の1細かい)3〜5nmの サイズのAl7(CrFe)析出物を形成するべく鉄及びfcc-Al固溶体内で完全に結びつ けられたクロムを伴う厚み0.1μm、直径1μmの柱状粒のAl-2.8-6.3Cr及びAl-2.5 -6.1Cr-0.45-0.92Fe([原子%]単位)の蒸気溶着物は、結晶質エンジニアリン グAl合金としてこれまで報告された最高の強度レベル(UTS:0%のかなり適切な 延性で848MPa)をもつ厚み1.6〜1.7mmのシートを生産するべく20°〜420℃[59] 、好ましくは190°又は250°及び290℃[60]の間の温度で圧延され、その後焼き なまし処理が施されたが、この処理は、fcc-Al中のCrの固溶体及び結果として得 られた物性が劣化する温度でしか、転位下位構造に影響を及ぼさなかった[61]。 ナノ結晶PVDMg合金 ミクロ構造の微細化はMg及びAlベースの合金の変形性(以下参照)を系統的に改 善し、この効果は、Mg合金についてより明白である。微結晶Mg合金は、最も超塑 性の軽量合金を提供し、同じRSP方法によって作られた微結晶Al合金よりも大き い成形温度の低下を提供する。微結晶軽量合金は、製品又は未完成品の形への合 金転換の時点でRSPで微細化されたマトリクス粒の成長及び粗化を抑制する第2 相の細かい分散を必要とする。しかしながらナノ結晶軽量合金では、このような 粒子が事実上不在であるために、最終製品の形へのミクロ構造の転換が容易にな る。ナノ構造長スケールでの微細化によって得られる均質性の度合は、必要とさ れる成型温度をより効果的に低下させることを可能にし、最終製品の形への合金 転換の時点でミクロ構造の修正の制御をひき継ぐための材料パラメータとして拡 散を提供する。これは、cph-Mg中の(軽量)RE金属の拡張固溶体の場合と同様に 十分な表面不動態を伴う準安定Mg合金製品の合金転換のための必要条件を一貫し ている。 Mg-(軽量)RE金属ベースの合金は、合金化学の観点から見て成形温度の付加 的な低下を提供する。Krishnamurthy et al.,は、Mg-3.2Nd-1.1Pr-1.5Mn[重量 %]合金の超音波ガス噴霧法(UGA)および、RSMg-Al-Znベース合金と比べて低い 温度でのその後の固化について報告した[62.63]。AlおよびZnといったような古 典的な固溶体体強化元素のいずれも含有していないにもかかわらず、最強のイン ゴット処理された合金ZK60に比べはるかに高い室温下引張り強度と腐食耐性の改 善が達成された。多孔性無しの満足のいく粒子間ボンディングが、250℃で1時間 のガス抜き、250℃で2時間の予備加熱、250℃で6時間の均衡プレス加工とそれに 続く250℃で2時間の予備加熱及び12:1〜20:1(150〜250℃について)又は8:1(1 00〜250℃について)の間の加工比での押出し成形の後に達成された。かくして 利用される押出し成形温度は、ナノ結晶VDAl合金の場合よりも微結晶Mg-LREベー ス金属の場合の方が低いものであった。(以上参照)。これらの条件外では、UG AMg-3.2Nd-1.1Pr-1.5Mn合金について、満足のいく固化は全く不可能であった([ 51]参照)。 例えばUGAに比べての蒸気溶着といったようなインサイチェ固化タイプのRSP経 路の利点は、明白まである; すなわちVDにはガス抜きやプレス加工の必要性が なく、従って、より伝統的な粉体治金経路に比べると、処理段階の数が低減しVD 合金転換の全体的経済性は、著しく改善される。蒸気溶着は、不動態マグネシウ ム合金を可能にする準安定構造の形成という付加的な利点と共に、液相からのス プレー溶着がもつ全ての利点を提供する。 従って、拡張固溶体中に保持されたLREを伴うナノ結晶Mg-LRE合金は、高性能 軽量合金の開発及び利用のための以前の道とは異なるものである一つの哲学を表 わしている。融成物内の化合物核の形成([39]参照)及びその結果としての自然 及び人工時効条件への露呈による固体析出及び硬化の加速化を受けやすいことか ら不動態化に対する不利な効果が全く発生しない温度で、蒸気溶着されたMg-LRE ベース合金を製品形態に変態させることも又、本発明の一部である。従って、例 えば3:1〜45:1の押出し加工比を用いて、周囲温度(すなわち15℃)から最高370 ℃まで、好ましくは50°〜200℃の範囲内の温度で請求対象の合金を固化させる ことも本発明の一部である。 損傷許容範囲を含むエンジニアリング特性 蒸気溶着されたMg-(軽量)RE二成分合金微粒化は、表面多孔度を著しく損なう ことなく、製練された製品形態へのcph-Mg中の(軽量)RE金属の拡張固溶体の転 換をもたらすだけではない。結晶粒微細化は、同様に、(増強された)合金化に より不動態化に対する不利な影響を及ぼすことなく(過)飽和した不動態cph及 び/又はne-Mg合金マトリクスを強化するHall-Petch粒界を介してより優れた機械 的特性をRSP経路が結果としてもたらすことを可能にする。初期微小硬さ試験は 、鋳造された状態の合金Mg-8Ce(図48参照)ならびに対応する蒸気溶着バージョ ンのサイズの二つの細粒状態について実施され、粒度の関数として、以下のよう なビッカース硬さ数(VHN)をもたらした。 蒸気溶着された材料のナノ結晶サブセル構造は、図64に示された(002)反射の全 強度平均幅(FMHW)から誘導された。残留応力が全く関与しなかったと仮定すると 、Debug-Schererの公式を用いて、25nmという亜粒度が得られる d=kλ/Δ(2Θ)cosΘ 2相2成分Mg-8重量%鋳造合金のHall-Petch比例定数kyは、超急冷凝固された合金 EA55RSといったその他のMg-LREベースの金属のものとうまく一致している(図65 を参照のこと)。この結果は、粒界がインゴットプレス加工によって作られた場 合のMg-(軽量)RE合金の塑性変形のための速度制御メカニズムを提供するとい う仮説を裏付けている。しかしながら、このHall-Petch-関係からの著しい逸脱 が、Mg-8Ceの蒸気溶着バージョンについての結果によって示されている。このよ うな逸脱は、拡散が塑性変形の速度制御メカニズムを引き継いだという事実のた めに、TiおよびPdといったナノ結晶金属においても頻繁に見られる([65]参照) 。 米国特許第5118368[66]号に従うと、準安定マグネシウムベース相についての極 限引張り強度UTS及びVHMの間の結合係数は3.2〜3.5の範囲内にあり、これは蒸気 溶着された合金Mg-8重量%についての約540MPa以上のきわめて著しい強度値を示 している。これは、単なる二成分Mg合金にとっては高い値であり、さらなる開発 にとって勇気づけとなる意義を内含している。Crが過飽和αAl固溶体によって完 全に溶着された蒸気溶着された2成分Al-Cr合金は、400Mpaという引張り降伏強度 を結果としてもたらした。わずか0.4〜0.8原子%のFeを添加すると、固溶体中に 4〜6原子%のCrを伴うVDAl合金が導かれ、Feは約3〜5nmのサイズの析出物を形成 した。これらは、UTS値が635〜818MPaで破壊時伸び率値が6〜10%である、これ まで報告されたことのない最高のAlエンジニアリング合金である([26,27参照]。 VDAl-Cr-Fe合金の初期ミクロ構造は、調整可能性と特性の最適化を可能にし、こ のため、結果として得られた特性曲線はその他のあらゆる金属材料に比 べ優れたものとなった。固溶体及び転位と細粒構造の組み合わさった効果がこれ らの蒸気溶着合金の強化効果の約60%に貢献した[27]。VDAl-Cr-Fe合金のその後 の熱機械処理により得られた固体第2相は、きわめて細かいものであるため、航 空宇宙の利用分野にとっては非常に重要である靭性の低下なく、強化メカニズム の最大の効率が達成された(以上参照)。 明らかに、これらの属性はMg-Ce系にも同様に生じる。Ce及びその他の軽量(及 び重量)希土類金属は、PVD経路を介して作られた場合特に、cph-Mg又はその他 のあらゆる準安定Mg富化Mg軽量RE相中のきわめて熱安定な固溶体であるばかりで なく、将来性ある開発のための道を開く有効な固溶体硬化剤でもある。選択され た合金形成作業を介してのcph-Mg中の軽量RE金属の固溶体に対する選択された合 金化用添加物のその後の析出が、対応する製錬済み合金製品の硬度、強度そして 作動的Hall-Petch比例定数ky(及びホール・ペッチ関係式の切片△σo)をなお 一層改善するはずである。 「清浄な結晶粒微細化」のための処理による損傷許容範囲の改善 (原料精製の効果と不純物サイズ) その他の反応材料についてと同様に、Mg及びAlベースの合金の物性特に損傷許 容範囲は、その不純物含有量によって左右される。航空機及び自動車の利用分野 では、例えばFe、Ni及び/又はCu(含有)介在物及び/又は第2相といったミクロ ガルバーニ活性のある介在物から結果として生じたしばらくの使用後のMg合金の 破滅的な腐食のために著しい故障が発生したということを記しておきたい。Hana -waldt et al.はその古典的論文の中で、それ以上になると塩溶液中に浸漬した 時点で破滅的な故障が結果として起こる特定の許容範囲限界として、鋳造合金中 、Mnの存在下で0.017重量%のFe、Alの存在下で0.005重量%のFeを実証した[67] 。最も重要な(かつ意図的な合金化用添加物とは比較的無関係な)ものは、腐食 可能性の劇的な増大に先立つMg鋳造物のNi含有量であり、その最大閾値は0.001 重量%という低いNi含有量であった。 しかしながら、世界は、40年以上にもわたり「Hanawaldt」の閾値の意義を無視 及び/又は過小評価してきた。1950年〜1980年の間では、「Hanawaldt」タイプ の臨界不純物レベル及びその結果生じる故障に対するいかなる保証も提供するこ となく 0.002% Ni 0.05% Fe 0.02% Cu 0.01−0.04% Si 0.1% Mn 0.04% Al 0.05% その他、バランスMg という範囲内の個々の最大不純物(重量単位)の認可された微量成分分析でマグ ネシウムのための2N8(すなわち99.8重量%の純度)の原料を利用する[68,69]が 、又は、ここでもなお「Hanawaldt」タイプの腐食故障に対して求められる保証 を提供することなく、特に鉄含有量がなおもきわめて臨界的であったことからよ り良い代替案ではあるものの腐食問題に対する一つの解決法ではなかったその時 期の3N-Mg-原料のより高純度のバージョン(99:90): 0.001% Ni 0.02−0.003% Fe 0.002−0.005% Cu 0.01% Si 0.01−0.05% Mn 0.01% Al 0.01% その他、バランスMg (表1.、第一部、及び[68,70]を参照)を利用することが、一般的なやり方であ った。 AZ91及びその他のMg-Alベースの鋳造合金といったエンジニアリング合金の 製造に「Hanawaldt」タイプの閾値が十分に考慮されたのは、比較的最近になっ てからのことに過ぎない(表1.、第2部参照)、高純度のMg合金の導入に伴って 、Closset及びDimayuga[71]は、0.015重量%Cu及び0.004重量%Feから0.001〜0. 0015重量%Cu及びFeそして最大0.001重量%のNiの一定レベルに至るまでの臨界 的不純物のさらなる減少が、12から3mpyまでのAZ91合金の年間腐食速度のさらな る減少を結果としてもたらす、ということを示した(表1.、第2部参照)。この ような結果は、最大不純物含有量の以下の微量成分分析を提供する3N8Mg原料を 用いることによって可能である[72]: Al 0.003% Mn 0.0016% Ni 0.0005% Si 0.002% Ca 0.001% Cd <0.0001% Zn 0.004% Fe 0.0013% Cu <0.0005% Pb 0.001% Sn <0.001% Mg中のその他の重要な不純物閾値としては、(粒界)脆化を避けるために0.003 重量%未満でなくてはならないNaレベルそして、例えば破壊靭性の劣化を避ける ためのインゴット処理されたMg合金の酸素含有量(すなわち粒径>20μm)がある [50]。昇華グレード(「SM」)のマグネシウムの分析は、以下の結果 0.004% Fe 0.004% Mn 0.002% Al 0.003% Si <0.0005% Cu <0.0005% Ni <0.0005% Na <0.0005% Ca つまり重量単位での99.985(4N)マグネシウムを導いた。従ってMg原料の不純物は 、さらなるMgベース合金の開発にとっての参考となる。Mg原料の不純物は、一方 では(マグネトロン)スパッタリング方法を介してのPVD及び固体状態を利用す る鋳造方法、ボール、バー及びその他の摩砕技術といった技術による凝縮された 物質から(を介して)のMg合金合成における最小限の不純物を表わすと同時に、 熱蒸着方法を用いることによるMg合金合成における、関与する蒸留(dustillati on->distillation)及び結果としての精製効化(以下参照)に起因する最大の不 純物を表わしている。 凝縮された物質を介して(から)のMg合金の処理は、原料の不純物レベルが利用 される処理条件に応じて最終的合金及び合金製品の中で不可避的に保持される及 び/又は増大されるという意味で、独自のものである。原料及び処理条件は、そ れ自体マグネシウムの低密度を保持しなければならない新しいMg合金及びMg合金 化学に関して重要な不純物の臨界レベルを回避するものでなくてはならない。従 って原料の不純物レベルは、最終的特性曲線、特に電気化学及び/又は腐食特性 のグラフを決定する及び/又は同時決定する。従って、より優れたMg合金を開発 するためには、適切な原料を選ぶことのみならず、原料により提供される純度を 保持すること、すなわちさらなる汚染をできるかぎり低くとどめることが必要で ある。従って、一定数の予防措置を講じることは不可避である。 1. 凝縮物質の処理及びスパッタリング 1.1 Mg融成物とるつぼの間の反応をことごとく避けるためのるつぼ材料としての Hf、V、Ta、Nb、Mo、W、Cr、Re、Zrといった耐火金属(又は耐火金属ベースの合 金、金属間化合物、セラミクス)の使用(以上参照)。 (重量)希土類及びアルカリ土類金属例えば(元素の)カルシウム、アルミナ、 マグネシウム、ジルコニアといった合金化用添加物の場合、酸化物もカルシウム などによって還元された結果として得られたMgマトリクス内に包埋された酸化生 成物がMg合金の局所的孔食を誘発することから、るつぼ材料としては使用できな い。 グラファイトも、水溶液中に容易に溶解し得る(Alベースの炭化物のように)Mg 炭化物を液体マグネシウムが形成する可能性があることから、除外されなくては ならない。衝撃耐性があることから最も汎用性のあるるつぼ材料は、タンタルで あることが識別された。従って、規定の(例えばスパッタリング済み厚み)をも つ(5nm〜数ミリメートル、例えばPVD、CVD及びメッキ技術を用いて5mm)の摩砕 用コンテナ及び/又はその表面層のため、ならびに規定の厚み(例えば1mmから例 えば対応する全体的断面積の20%)の摩砕用放物体/本体(ボール、バーなど) 及びその表面層のための材料として、Ta(又はW)(ベースの合金)を利用する ことも非常に有用である。 1.2. 蒸発による融成物の損失を最小限におさえることを目的として液体を考え られる最高の大気圧で保護するためのアルゴンといった不活性ガス雰囲気。融剤 の使用がNa、K、Clなどによる融成物の汚染の危険度をはらんでいることに留意 されたい。 2. 熱蒸着方法を用いた蒸気溶着 純粋Mg原料の熱蒸着は、実際には、 ΔΓ[mol]=Δ(dNv/Avdt)=(2πmkBT)-1/2(Δp*-p)αv というHertz-Knudsenによる法則に従って、(その蒸気圧がMgと比べ全く異なって いるために)固体原料又は液体Mg溶中のいずれかで過剰な割合で保持されているF e、Ni、Cu、Siなどといった関与する不純物に関して、同時蒸発の状況を表わし ている(なお上記式中dNv=単位時間あたりの蒸発した原子の数、Av=利用され た蒸発済み表面の量、P=関連する元素の飽和圧、P=蒸発表面におけ る(静)圧、kB=ホルツマン定数そしてαv=それ自体T及びPにより左右される 表面条件によって左右される蒸発係数(原文and不要)を表わす。蒸留効果は、F e汚染から(融解した)Mg原料(例えばMg溶として)を保護するためるつぼ用にT a(ベースの)材料及び/又はコーティングを使用する必要性に置き換わるものでは ない。Na、K、及びCaといったようなMg原料のいくつかの微量元素は、(本質的 な)蒸留効果無しで同時蒸発されることになる。利用されるまさに最初のMg原料 においては、その不純物レベルは最小限のおさえられなければならない。酸素及 び炭素といったその他の元素は、蒸発とともに単原子長スケールでの結合開裂レ ベルひいては自然界での物質の最高の表面対体積比が達成されるということの結 果として酸素及び/または炭素を吸収する危険性のため、熱蒸着及び/又はスパッ タリングの時点で容易に導入される。すでに、Mg-Caベースの鋳造合金の製造は 、対応するスラブの表面及びバルク内でのCa炭化物を結果としてもたらす空気中 の炭素とのCaの親和性による0.0021〜0.0236重量%のCの組合わせを導き出した[ 73]。 さらなるMg合金の開発は、マグネシウム原料中の重要な不純物の臨界レベルに 対する条件を緩和し得ないが、不純物原子と接触している可能性のある原子の大 部分がMg原子であり続けていることから、これがMg-合金純度に対する必要条件 を冗長なものにすることはない。「従来の」処理によるミクロ合金化の主たる目 的の一つは、強度、強度の熱安定性及び変形性を増大すると同時に対応するMg合 金のミクロ収縮を低減するためのミクロ構造の微細化にある。しかしながらミク ロ合金化のために考えられている数多くの元素(例えば[74.75])は、ミクロガ ルバーニ活性のある第2相の形成により、最近立証された高純度インゴットMg合 金を再度汚染する効果を潜在的にもつ低融点の微量元素である。その上、ミクロ 合金化された成分は、1未満の分配係数の結果として従来の鋳造方法により処理 された時、粒界上に再度分布させられる傾向をもつ。 その代わりに、高純度標準に立ち戻る必要なく、インゴット処理されたMg-Al-Zn ベースの合金中でFe、Ni及びCuの不純物低下により達成された程度にまで、ミク ロ構造の微細化によってMg-Al-Znベースの合金の腐食性を改善することは可能で あった。これまでの研究[7,12,13]から、先進のMg合金の腐食耐性を改善する ためには、多孔率、粒径、第2相のサイズならびに結果として得られる固体析出 物のための上位添加物の選択を含むミクロ構造のスケールが重要であるというこ とがわかっている。例えばCotton及びJonesは、Fe不純物の関数としてI/M AZ91 に比べて1ケタ〜2ケタ低いRSMg-15重量%のスプラットの腐食速度を報告し、( i)Alでのマトリクス貴金属化(図68参照)及び(ii)微細化されたFe介在物のまわ りの陽子放出速度の低下に基づいてその結果を説明した[76,77]。従来のミクロ 合金化は、高純度Mg合金の腐食可能性を増大したが、RSPは、非高純度Mg合金の 損傷許容範囲を増大し、高純度Mg合金の腐食耐性をより一層改善する。 230〜700MPaの静水圧(HP)での圧縮荷重及び引張り荷重の下で、RSAZ91は、早尚 な粒界破壊も双晶変形のTEMによる証拠も全く 無い状態で巨視的な及び局在化されたせん断バンドを示すことがわかった[78]。 結晶粒は、0.1-0.3μmの粒度のMg17Al12粒子によって装飾されている1.2+/-0.5 μmサイズのものであった。しかしながら8-15μmの粒度のI/M AZ91は、このよ うな条件下で、双晶変形の充分な証拠を示した。1μmの結晶粒の観察された形 状変化及び結果として得られた微視的なひずみは、課せられた巨視的ひずみより も小さいものであった。室温で、ひずみ速度ε=10-4を用いて[78]、RS AZ91の 破壊に至る真の(エンジニアリング)ひずみは、0.1(10.5%)(HP=0MPaにつ いて)から最高1.6(400%)(HP=700MPaについて)まで増大した。従って約1 μmまでの結晶粒微細化は、精錬Mg合金の延性を実質的に改善する大気温での新 しいフロープロセス及び粒界のスライディングを可能にする新しい変形メカニズ ムを活性化するものであるとみなされた。これらの結果は、組成及び合金系に比 較的無関係である、純粋Mgについて1966年にEmlen[50]によって示されたとおり の5-10μmの粒度範囲(図69)内での延性の遷移を確認しているだけではない。 これらの結果は同様に、このような結晶粒微細化が本発明に基づく技術を援用せ ずには達成することが困難であるということをも示唆している。 <1μmまでの超急冷凝固法によるミクロ構造の微細化は、従来の手段に よるミクロ合金化(10-30μm、図66及び67参照)よりもさらに有効な結晶粒微細 化を結果としてもたらすだけではない。明らかにこれは、従来のミクロ合金化に よって導かれるものよりも高い化学的均質化をもたらしかくして望ましくな いしかも予想できないミクロガルバーニ電気及びその他の有害な効果を回避する という利点をも内含している。これは、不純物(例えばミクロ合金化による)が GPゾーン及びその他の第2相を介した自然時効を誘発するための核として作用し 得る高い粒界及び/又は転位密度で場合によって構成されている非平衡Mg及びAl ベースの合金に特に関連している(以上参照)。従って、利用された原料は、陽 極対陰極表面積が観察された結果を制御するという通常の結論においてまさるべ く、非平衡Mg及びAl合金の腐食性及び/又は損傷許容範囲に対する合金化及びミ クロ構造の不利な効果から有利な効果を弁別することを可能にする。([11]及び 以下の「適切な基準のヒエラルキー」を参照のこと)。 従って、不純物の減少及びミクロ構造の微細化の組合わさった効果は、 超急冷凝固されたマグネシウム合金EA55RSを含むMg-Alベース合金内の比較的熱 安定性の低いAl及びZnを置換することによって、Mg重量希土類金属合金を、より 要求度の高い利用分野のための現在実証済みのMg合金に対するより優れた代替案 の候補にするはずである。この特殊な合金の開発は、鋳造によるさらに腐食耐性 の高いマグネシウムエンジニアリング合金を可能にし、ひいては腐食耐性のある 鋳造及び製錬マグネシウム合金の現在の開発に取って替わるはずである。合金組 成及びこのような合金を腐食耐性及び準安定状態の安定性及び変態挙動が最大の 関心事である製品へと変態させるための処理は、今だに探求されていない。これ は、低温利用分野に適した、細かい粒度をもつ製錬製品及び薄壁鋳造物に関係す る。 その1つの結果は、満足のいく損傷許容範囲を提供するため要求度の高 い航空宇宙利用分野のための凝縮された物質を介して処理された先進のMg合金に とってミクロ構造の微細化が必須となる、ということにある。合金組成とは別に 、粒度、析出物及び分散質のサイズ、純度及び不純物及び/又は不純物相のサイ ズといったパラメータが非常に重要である。不純物制御及び/又はその低減及び ミクロ構造の微細化がもつ組合わさった効果は、凝縮物質処理及び特に熱蒸着方 法を介してより優れた腐食耐性を可能にする。生産的熱蒸着プロセスがひとたび 立証されると、最終製品の経済的実行可能性を損なうことなく機械的合金化のた めに蒸気溶着されたMg原料を使用することが可能である。 高性能軽合金のHall-Petch強化 結晶粒の微細化を介して粒内粒界の破損が抑制された場合、およそ理論 的せん断強度の応力での局所的せん断が、制限する強化メカニズムとなるものと みなされた[78]。RS AZ91の圧縮破壊応力は、T=77‐273K及び0.1x10-3s-1のひ ずみ速度εで650‐750MPaに昇ることがわかった。室温でひずみ速度ε=10-4を 用いると[78]、RS AZ91の引張り破壊強度は、400MPa(HP=0MPaついて)から最 高900MPa以上(HP=700MPaについて)まで増大し、この最高値はE/70の値に対応 した。このような仮定の有効性は、結晶粒微細化時点でのHall-Petch比例定数ky の応答によって調べることができる。Pechiney[79]は、σo=130MPa及びロッキ ング係数ky=210MPamm0.5として、 TYS=σo+ky.d-1/2 に従って粒度dの関数として未改良RS AZ91組成の降伏強さTYSについてのHall-Pe tchタイプの関係式を打ち立てた。Jones[80]は、Allied Signalにより開発され たSi及びREを含有するRS Mg-Al-Znベースの合金に関するTYSデータが、Pechiney によるこれらの値と一致していることを示唆した。実際、Alliedによる値は、幾 分か高いσo及びky値を示していた(図66-72参照)。明らかにSi及びREは、微粉 化したリボン、フレーク及び小滴の固化の時点で転位及び 粒界の動きを阻止するためT安定分散質の形成を介して往々にして引用される([ 81]参照)ミクロ構造安定剤としてのみならず、凝固及び/又は固化の両方の間 のより有効な結晶粒微細化自体のための融媒及び核形成剤としても作用する。こ のような添加物の第1の基本的効果はかくして、このような添加物無しのこれら の合金と比べた、全処理経路の時点での結晶粒微細化により得られる境界強化効 果を増大させることにある。 すでに20年前に、Isserow及びRizzitano[82]は、「ミクロ焼入れ」によ るZK60合金の強度を改善するための支配的要因の1つとしてのRSの結晶粒微細化 に対する効果について報告した。対応するky-値は、Pechineyによって報告され たものの範囲内にあったが、一方対応する修正差σoは、Mg-Al-Zn合金の場合よ りも著しく高いように思われた(図66、67)。185MPaμm0.5のky値はMg合金QE22 についての文献から明らかである([83]参照)。Meschter[84]は、インゴット処 理されたMg-9Al(重量%)と比べて溶体処理されたRS Mg-10.9Alについて68MPa の強度増分を報告したが、これはHall-Petch係数kyを337MPaμm0.5と仮定した約 100から11μmへの粒度減少(すなわち10分の1)と一貫性をもつものであった。 上述の析出硬化されたMg-Al-Znベース合金及びZK60合金についてのky値は、純粋 Mg(280MPaμm0.5図66及び67参照)に比べ著しく低いものの[85]、単相Mg-Al 合金の値は、純粋Mg及び従来のMg合金のもの(すなわち280MPaμm0.5)よりも高 い[86]。多相RSMg-13Al-1.2Si合金についてMeschterが報告したデータ[84]は、 より小さな粒度の対する対応する外挿法が示すように二成分Mg-10Al合金の値と すばらしい一致を見せている(図66、67)。最後に、Mg-Liベースの合金につい ての報告されたデータは、Meschter及びO'Neal[87,88]による(α+β)-Mg-9重量 %Liベース合金について100MPa[87、88]、及びHaferkamp et alによるbcc-β Mg -40Li-2H(原子%)について58MPaμm0.5[89]という結果をもたらしている(図6 6、67 )。これらは、40-50μmより小さい粒度について純粋Mgよりも軟らかい合 金を結果として生じる、Mg合金についてこれまでに観察された最低のkyデータで ある。 機械的特色:Mg対Al Mgは、理想的な金属又は遊離電子の結合の性質を研究する目的で、非常 に注目を集めてきた[90]。遊離3S2原子価の電子構造は、最低の平均原子価電子 結合エネルギー及び最も弱い構造的金属の原子間凝集力を結果としてもたらすあ らゆる共有結合から、純粋Mg自体を排除している[91]。純粋Alの付加的な共有3p1 結合は、Mg(E=45GPa、K=17GPa、E/ρ=25GPacm3/g)に比べさらに大きな弾 性係数E(71GPa)及びせん断弾性係数K(26GPa)及びより大きな比弾性係数E/ρ (27GPacm3/g)を発生する[85]。Mg内の作動的すべり距離はAlと同様であるが作 動すべり平均量(すなわち2つの隣接するすべり面間の垂直距離)は約4倍長い 。かくして、純粋Mgの最密充てん(0001)平面上の理論上ならびに作動上のPeie rls-Nabarro応力は両方共、純粋Alの(111)平面上よりも数ケタ低い。従って、 純粋Mg及び従来のMg合金内の完全格子転位は、純粋Al及びAl合金の場合よりも比 較的広いひずみの場とはるかに高い易動性をもつことになる。しかしながらこの より高い易動性にもかかわらず、純粋Mgは、純粋Alよりも適度に硬く、15に対し 40というブリネル硬度数BHN[92]及び純粋Alのものに比べ(68MPaμm1/2)4倍大 きい280MPaμm1/2というHall-Petch係数kyを結果としてもたらす。 498K以下では、多結晶質cph-Mgの塑性変形は、基底(0、0、0、1)<1 、1、-2、0>すべり及び錐状(1、0、-1、2)<1、0、-1、1>双晶変形に制限さ れている[50](図70)。Mg-結晶はかくして3つの幾何的すべり系と2つの独立 したすべり系しかもたず、一方、Al結晶は、全体的形状変化のための12の(1、1 、1)<1、-1、0>幾何すべり系及び5つの独立すべり系をもつ[94]。従ってMg のすべり方向性と引張り軸の間の(cosφcosλ)の最大(多結晶質:平均)値は 、Alについての対応する値よりも小さい。以下のSchmidの法則(σy=τcrss/(c osφcosλ))は、比較的低い(cosφcosλ)値が、Alに比べてのMgのより大きな 硬度数とHall-Petch係数の1つの理由である(以上参照)ものの、これは又、多 結晶質Mg及びその合金がなぜ巨視的降伏を示さずその代わりに粒界での高い応力 集中を示すのかの1つの理由でもある。かくして、純粋Mg及び従来通り鋳造され たMg合金は、粒間破損による脆化のみならず、特に圧縮時の双晶変形された領域 に沿ってか又は非常に大きな結晶粒については基底 独立したすべり系しかもたず、一方、Al結晶は、全体的形状変化のための12の( 1、1、1)<1、-1、0>幾何すべり系及び5つの独立すべり系をもつ[94]。従っ てMgのすべり方向性と引張り軸の間の(cosφcosλ)の最大(多結晶質:平均) 値は、Alについての対応する値よりも小さい。以下のSchmidの法則(σy=τcrs s /(cosφcosλ))は、比較的低い(cosφcosλ)値が、Alに比べてのMgのより大 きな硬度数とHall-Petch係数の1つの理由である(以上参照)ものの、これは又 、多結晶質Mg及びその合金がなぜ巨視的降伏を示さずその代わりに粒界での高い 応力集中を示すのかの1つの理由でもある。かくして、純粋Mg及び従来通り鋳造 されたMg合金は、粒間破損による脆化のみならず、特に圧縮時の双晶変形された 領域に沿ってか又は非常に大きな結晶粒については基底(0001)平面に沿っての 局所化した結晶内外ライン破壊の傾向をも示す[50]。純粋Mg内では、柱状(1、0 、-1、0)<1、1、-2、0>すべり面は活性でない(図70)。Li及びInの添加は、 従来の鋳造方法を用いることによってこのようなすべり平面を活性化することが できる[95-97]。柱状(1、0、-1、0)<1、1、-2、0>すべりの活性化は、超急 冷凝固によって与えることができるような必要とされる結晶粒微細化に助けを求 める必要なく、Mg合金をより低い温度でより延性の高いものにする。しかしなが ら残念なことに、このような従来の合金には、きわめて低い固溶体及び低温硬化 応答とならびにその大きい固体溶解度にもかかわらず低い腐食耐性が付随してお り、このことがすでに、異なる動機による数多くの研究プログラムを迷わせかく して挫折させてきた。後方応力を減らしかつ粒界すべりを介して結晶回転を増強 するために充分な結晶粒微細化を導入したのでないかぎり、構造的Mg合金の環境 内での変形は常に双晶変形の傾向を示す(以下参照)。 明らかにMg合金の結晶粒微細化は、Al合金に比べた強度及び延性を改善するため のより大きな潜在的能力を包含しており、この利点がその他の材料の利点に比べ てなぜこれまでこのように未踏のままに残されてきたのかというのが興味深い疑 問点である。さらに、どの程度の結晶粒微細化が、欠如している独立したすべり 系の代替となるのであろうか?結晶粒微細化は確かに、Mgのさらなる開発のため のより重要な要因の1つである。弾性係数、作動的すべり平均量ベクトル及 び結果として得られるPeierls-Nabarro応力と硬度及び境界強化能力を比較する と、Mgの機械的挙動が、その他の材料の場合と同様、好ましい転位反応によって 指図されている、ということがきわめてはっきりとわかる。このような転位反応 は、そうでなければ例えばPeierls応力によって指図される機械的特性の制御を 引き継ぐことができる。そうでなければ、Mgの結晶粒微細化は逆のことを行ない 、純粋Mgは、より優れた延性を示すことなく純粋Alよりも柔軟となる。 速度制御するcph-Mg内の転位反応 cph格子内の転位すべり面の範囲は、バーガースベクトル1/3a<1、1、-2、0>を 伴う基底、柱状及び第1位錐状すべり面及びバーガースベクトル1/3(c+a)<1、1 、-2、3>を伴う第2位錐状系を包含する(図70)。1/3a<1、1、-2、0>ベクト ルは、cph格子内の最も短いバーガースベクトルである(図71参照)。従って塑 性変形のための速度制御モードは、1/3a<1、1、-2、0>らせん転位芯の構造が 経験した格子摩擦によって指図される。らせん転位は、それらがつねに2つの結 晶学的平面上に存在し、伝播及びその他のらせんとの交差時点でフランク部分転 位を形成することから、双状転位よりもゆっくりと移動する([98、99]参照)。 転位芯の構造は、一定の与えられたすべり面に関係する積層欠陥(SF)である並 進格子内の痕跡を残す不完全な又は部分的な転位運動への完全な転位運動の解離 の時点でエネルギーの利得が得られるか否か及び(ii)フランク部分転位SF成分が 関与しているか否か、を確実に教えてくれる。cph金属の作動的すべりモードは 、基底平面(Mg及びBeのような単純金属)又は、柱状平面(遷移金属、表2参照 )のいずれかに制限される。誤解を導く文献が示しているように、c/a比は、斜 方晶すべりの活性化を制御しない(表2参照)。従ってMgベース合金の機械的特 性のあらゆる比較を、1/3a<1、1、-2、0>らせん転位の芯の構造に基づいて行 なわなくてはならない。 1/3a<1、1、-2、0>らせん転位の基底転位(図70)は以下の通りであ り[100、101]、約10mJm-2のSFエネルギーγbに対応する([102]参照): 1/3a<1、1、-2、0>--->1/6a<1、0、-1、0>+1/6a<0、1、-1、0> 柱状SFエネルギーγpは約7倍大きく、環境内でいかなる交差すべりも起こらな いことを強調している(原文不明)(以上参照)。比較のためには、合金化されて いないAlのSFエネルギーγ111はさらに大きいものである(例えば200mJm-2、[103 ]参照)。かくして低い基底積層欠陥エネルギーは結果として、(i)作動的すべリ モードの数の低下をもたらすが、これは又, 純粋Al内の対応するらせんよりも大きい速度制御する1/3a<1、1、-2、0>基底 らせんの転位をも可能にする。解離した基底らせんは、活性化された交差すべり 無しで仮説上のAl結晶内よりも純粋Mg内においてより多くの転位を積み上げるこ とを可能にするさらなる転位の動きに対する適度に硬めの結晶内外障害である。 これは、純粋Al内ではPeierls応力がはるかに低いものの、適度に高めの硬度及 びky値及び純粋Mgの粒間脆化に寄与する第2の要因である。かくして、純粋Mgの 低温加工能力は純粋Alのものよりもわずかに優れている。しかしながら結晶対称 性を理由として、その他の解離転位との交差などによるさらなる解離のいずれも 基底平面内にフランク部分転位縁部成分を導入することができないということが 仮定された[102]。基底積層欠陥は、Al合金と比較したMg合金の比較的低い加工 硬化応答によって証明されるように、つねにショクレー-部分転位であるかもし れない。 変形モードに対する粒度及び熱活性化の効果 Mgは、双晶形成が225℃前後の温度で結晶粒微細化及び錐状(1、0、-1、1)<1 、1、-2、0>すべりによって抑制された場合に、顕著な延性遷移を示す(図69) [50]。双晶変形は、いくつかのものの鏡面運動が関与する熱によらないせん断変 形プロセスであり、かくして大きな1/3(c+a)<1、1、-2、3>バーガースベクト ル(図70)に付随する大きいパイエルス応力を低減させる(図70)。従って、熱 活性化を受ける可能性が増大すると、すべり変形モードはより競合性あるものと なり、双晶変形の確率が増大することになる。すべりの熱活性化の可能性を増大 させる要因としては3つある:すなわち、(i)粒界の後方応力を低減させ、かく してa)2つの隣接する結晶粒の間のオーバーラップ又は空隙の変位ならびにb) 結晶内外の双晶変形した体積のより容易な収容を可能にする結晶粒微細化、(ii) Liといったような低い融点をもつ合金化用元素及び(iii)温度自体の上昇、であ る。従ってMg-Li合金の変形性の増大を双晶変形に帰するというのが、冒険をす る上での親切というものである[104]。これとは対照的に、双晶変形は、従来通 り処理されたMg-Alベースの合金の周期的装荷などの下で高い変形速度にて頻繁 に観察される[105]。このときこのような合金の結晶粒微細化は、疲労耐性の著 しい改善を結果としてもたらす([105]参照)。 純粋Mgの8μmの粒度より小さい結晶粒微細化は、室温への延性遷移を減少させ る(図69)。Mg内の錐状すべりのための臨界せん断応力は、100℃前後でピーク に達しその後より高い温度に向かって錐状crssを減少させることが発見された[1 06]。Al及びZnでの合金化は、脆性から延性への遷移温度をわずかに低下させる (例えば212℃にピークをもつAZM)[50]。しかしながら、適切な合金化及び微粒 化の両方が同時に起こった場合、約1μmの粒度をもつRS AZ91といったMg合金は 、室温でさえ超塑性となる(すなわち&>1000%)[78]。超急冷凝固によって得 られたミクロ粒Mg合金組成は、低温での粒界摺動プロセスを妨げるよりT安定な 分散を含有する。その粒度は0.1-1μmであり、これらは、その他の軽量合金のい すれの場合よりも優れた、548-573K[107]前後での400%の超塑性を示す。 柱状それとも基底すべり? 多結晶質Mgのための活性化の問題 非平衡技術によりMg合金の変形性を増強させるための代替的及び相補的方法は、 選択された元素で(過)飽和された(例えば)cph-Mg-マトリクス内で柱状すべ りを誘発することにある。多結品質の純粋Mgにおける柱状すべりは、-4℃--195 ℃及び260℃という非常に低い温度で観察されてきた[50,P486/7]。周囲温度前後 の温度では、柱状すべりは、基底すべりを避けるため好ましい載荷の方向性の下 で純粋Mgの単結晶内においてのみ明らかであった[108]。これとは対照的に、従 来の鋳造Mg-Li及びMg-In合金は、柱状すべりの活性化のため高い室温延性を示す 。Mg-Li合金は、Li含有量の増加に伴って軸方向c/a比の減少を示すが、Mg-In合 金は示さない[95-97]。Beは、全てのcph金属の最低の軸比を有する(表 2参照)が、これはMgと同様基底すべりで変形し、多結晶質形態で室温にていか なる柱状すべりも示さない[108-110]。Beといった単純金属又はMgに対するLiの ような単純金属の添加が、比較的低いc/a比を理由として柱状すべり及び変形性 を増強させると考える意味は全くない。明らかに、幾何学的なc/a比は、或る一 定の合金化限界内での一定の与えられたcph金属についてのすべり活性と相関関 係をもつ現象であるが、これは、柱状すべりの活性化及びより良い変形性につい ての何の解釈も提供してくれない。しかしながら、c/a比は、合金の選択及び設 計の基準を誤った方向に導く、広く知られた概念なのである。([104]参照)。L egrandは[109]、1/3a<1、1、-2、0>芯構造に対する軌道異方性の影響及びその 結果としてもたらされる主要なすべりモードを示した。2価のBe、Mg、Zn及びCd のような単純なcph金属の主要なすべり面は、対応する価電子構造の等方性のた め、最密充てん基底面である。容易な柱状すべりは、遷移金属とイットリウムひ いては希土類金属についてのみ明らかである(表2)。d-軌道の異方性は、柱状 すべりの活性化にとって必須のものであり、これは(充てんされた)d-バンド状 態Zの低下と共に増大し、f-軌道も又柱状すべりに影響を及ぼすことを示唆して いる。 異方性は、Zについて約2及び7というγb(TM)内の2つの最大値、と、Zについ て約4及び9というγb(TM)内での2つの最小値を結果としてもたらす( 図73)。 しかしながら対応するγp(TM)-値は比較的一定である(図73)。かくして柱状す べりの傾向は、γbb比の減少に伴って増大する(表2)。弾性定数C66及びC44 の比率を組込むことによって、以下の式に従ってcph-すべりモードの分類が完成 する: R=(C66 *γb/C44 *γp) (表2)。Rパラメータは、六方晶系材料における主要な、すなわち活性のすべり モードの一貫した解釈を与えるためのこれまでに報告された唯一のパラメータで ある。Rは、作動的基底すべりを伴う2価の金属についてつねに1未満であり、 一方、柱状すべりが主要な変形モードである遷移金属については1以上である( 表2)。しかしながら、Rは、基底及び柱状モードの両方が活性である場合、1( の近く)である。実際、Reはその高いヤング率及び結果として得られる高い融点 にもかかわらず最も延性のあるcph金属であるが、Beはそうではない。 表2から、早期遷移金属イットリウム(従って「早期」(=軽量)希土類金属も )が、主要な、つまりは非平衡の合金化を介して(例えば(cph-)MgのR値を低 減する混合物又はそれからの逸脱の役割を介して)Mg内の柱状すべりを誘導する ための電子構造を提供し、かくしてne-Mgベースのマトリクスに対するこの電子 構造の効果は、原子長スケール上のd-バンド早期遷移及び早期希土類金属の均質 な分布によって確保されている、ということは明らかである。このことは、Caで 過飽和されたPAスプラット(過飽和されたMg内で同様にc/aを減少させる同じ条 件下で作られたもの、[6、12]参照)が非常に脆性が高かったのに対して、曲げ 延性が非常に高いものであったイットリウム及び希土類金属で過飽和されたPAス プラットによって確認された。すなわち、合金化によるMgの不動態化を増強させ る元素(以下参照)は、cph結晶構造又はその変形形態のMg内に柱状すべりを導 入するのに有用な元素に対応する。 空気中及びその他の環境内で自己回復力をもつ不動態cph及び/又は非平衡準安 定単相又はほぼ単相のマトリクスを伴うより優れたVDMgベースの上位合金のため の、合金選択 第2相分散による無作為、規則又は準規則的な(軽量)RE原子分布を伴う、cph-Mg 及び/又はその他のあらゆる準安定Mg-富化Mg-(軽量)REマトリクス相中の(軽 量)希土類金属の拡張固溶体の硬化は全て、以下の条件を満たさなくてはならな い: 1. 第2相分散は、表面酸化物の自己回復用不導態化能力を破壊してはならない 。 2. 従って第2相の核形成及び成長は、固相析出によって制御されるべきである 。 3. このような固相析出物は、対応する準安定Mg富化Mg-(軽量)RE相が対応す る平衡相に変態する温度よりも明確に低い温度を形成しなければならない。これ らの制限タイプの温度は、主として利用される合金合成に応じて300℃-360℃前 後であるものと識別された(以上参照); 4. これらの析出物は、基本的に、電気化学的観点から見て準安定Mg富化Mg-( 軽量)REマトリクス相と本質的に不活性であるべきである。 ここで、対応する準安定Mg富化Mg-(軽量)REマトリクス相の原子長スケー ル上で無作為、規則又は準規則的に分布した2つのグループの三成分添加物が、 請求対象の合金の不導態化用薄膜の能力に有害な影響を与えることなく、合金転 換のための計画された範囲内の温度での補強のためのベースとして選択される。 単純及び遷移金属及びメタロイドのわずかな添加物 必要とされる補強の形成のための1つの基本三成分添加物はアルミニウムである 。アルミニウムは、(軽)RE金属及びアルカリ土類(AE)金属とガルバーニ電気 不活性のアルミニドを形成することが報告された[112]。その不活性は、大気条 件にマグネシウムマトリクスと共に同時露呈された時点でのAlxREy及びAlxAEyタ イプのアルミニド上の有利な表面薄膜の形成又は適切な電気化学的電位のいずれ かに由来するものと考えられている([112]参照)。Nusshaum et al[113]は、サ イズ0.05μmのAl2(aの細かい分散を結果としてもたらす最高6.5%のCaの添加に よる、腐食耐性と同時に熱耐性が最も高いRS Mg-Al-Znベースの合金について報 告した。このようなアルミニドの形成は、マグネシウム合金の腐食耐性に不利な 影響を及ぼさない。Hehmann et al.はCaの添加が、陰極部域の減少を最も可能 性ある原因としてMg-Cu-Ca合金内といったその他の合金系における腐食耐性を増 大し得る、ということを示した[114]。Das et al.[115]及びHehmann[7]は、結 果として得られるMgxREy及び/又はAlxREy相の分散が、cph-Mg-マトリクスとガ ルバーニ電流に関し本質的に不活性であることから、RSMg-Al-Znベースの合金に 対する希土類元素Ce、Nd、Prなどの添加が、かかる添加無しのRS Mg-Al-Znベー ス合金に比べ腐食耐性を劣化させることがなかっ た、ということを立証した。ここで請求されている合金は、Ce、Nd、Prといった 希土類元素を含有するRS Mg-Al-Znベース合金に関して、相反合金戦略、つまりp ptn硬化の代わりに、主要合金化用元素として軽量(又は早期)希土類及び遷移 金属(以下参照)を用いAl、Gaなどを添加する戦略に基づいている。 RS Mg-Al-Znベースの合金においては、アルミニウムか、そうでなければ非不動 態の全Mg-合金マトリクスの主要固溶体硬化元素であり、一方少量の希土類添加 物は、合金転換時点でセル及び結晶粒の境界を限定することにより微細化された マトリクスを安定化させかつ結果として得られる室温での強度を増大するため、 細かい第2相分散のために主として用いられる。この基礎となるのは、Alがcph- Mg内で(49)12原子%という比較的大きい平衡固体溶解度を有すること及び、RSP の適用された条件が、本質的にミクロ偏析のないcph-Mgマトリクス内の合金化用 添加物の拡張固溶体で本質的に構成されているミクロ構造を達成するのに充分で ない、ということである。 しかしながら、請求対象の合金においては、(軽量)希土類添加物は、主として かつ唯一、マグネシウム合金マトリクスを不動態化し強化するための固溶体合金 化用元素としてのみ使用され、一方アルミニウム(及びアルカリ土類及びその他 の少量の上位添加物、以下参照)は主として、機械的特性を改善するべく熱安定 性ある固相析出物の(より最近のRSP軽量合金に比べた)比較的適度の体積分率 の形成のために使用される。請求された合金においては、アルミニウム、アルカ リ土類及びその他の少量の上位添加物は、関連する速度制御用塑性変形メカニズ ム及び粒度には無関係に、結果として得られた第2相分散を用いて、cph-Mg内の (軽量)RE金属の過飽和固溶体を補強するための理想的な手段を提供する(以上 参照)。 希土類又はアルカリ土類アルミニドは同様に、高い温度での特性の改善のための 有用な合金化用経路をも提供する。アルミニドは熱安定性が非常に高く、高温で の応力緩和の低下ならびに、合金化されたMgマトリクス内に細かく分布した場合 の二次的クリープに対する耐性の増大を導く。Nussbaum及びその共同研究者達は [116、117]、RS及びインゴット処理を受けたAZ91合金の高温特性のより詳細な分 析について報告した。一定の与えられた条件下で、両方の変形形態共、 いかなる結晶粒成長も示さず、クリープがAZ91の高温特性を制御することを示唆 していた。150℃で50MPaの付加応力の下で、RSバージョン(粒度:1.5μm)は従 来のAZ91(粒度12μm)に比べて150%高い応力緩和及び100倍高い二次クリープ を示した。 RS AZ91に対する2.3重量%のCaの添加は、利用された粒度単独と比べての、Mg合 金の組成及び全体的ミクロ構造の組合せ効果が高温特性についてもつ主要な意義 を示して見せた。 すなわち、RS AZ91+2.3Caは3つの変形形態のうちの最小の粒度(すなわち0.6 μm)を有し、かくして内部表面積又は拡散の容易な通路の最大集中度を構造的 に提供したが、その二次的クリープはRS AZ91の場合の400分の1であり、又イン ゴット処理されたAZ91[116、117]の場合の5分の1であった。150℃で100時間の 応力緩和は、インゴット処理されたAZ91に比べ20%だけ改善された。平均寸法0. 05μmのAl2Caの細かい分散は、粒内外及び粒内の両方の部域内で観察された。細 かいサイズは、かくしてAl2Ca相を転位及び粒界の動きを留め、かくして比較的 温度安定性の高いMg17Al12相の存在下でさえクリープ及び粒界摺動の両方を抑制 する一助となるものにした。両方のRSバージョンにおける比較的高い初期応力緩 和速度は、速度制御メカニズムを引き継ぐように思われた粒内外クリープの前に 高温変形の始まりを制御するための粒界摺動を表していた。すなわち、請求対象 の合金のそうでなければ拡散制御される特性は、対応するアルミニド及び/又は 単純金属を含有する分散の適切なサイズによって改善できるのである。 この上位合金化方法すなわち、RE金属が本質的に固溶体の中に保持されている一 方で不動態Mg(軽量)REベース合金を単純金属添加物で補強する方法の実現可能 性は、DSC分析時点でのcph-Mg中のAl及びCaといった対応する元素の拡張固溶体 の変態挙動により、大幅に裏づけされている。二成分合金の変態挙動は、拡散が 変態プロセスのための速度制御用材料パラメータであることから、より複雑な合 金における対応する挙動にとっての有効な基準となっている。しかしながら、拡 散は、巨視的な熱力学特性とは無関係な局所的な運動の微視的プロセスである。 Hehmann[118]は、cph-Mg内の9-23原子%のAlの(拡張)固溶体が、熱的に比較 的不安定であり従って、120°-180℃の間の温度すなわちcph-Mg中の(軽量)RE元 素の拡張固溶体から平衡相が形成するよりも約200℃低い温度での、対応する平 衡相の形成を導く、ということを報告した[118]。この結果は、クリープ強度がA l含有量の減少及びその結果としての一定の与えられた粒度のついての比較的粗 い(すなわち0.5μm)Mg17Al12粒界析出物の体積分率の減少に伴って、増大すると いうAZ91(これは基本的に四成分Mg-Al-Zn-Mn合金である)内の観察事実と一貫 していた[116、117]。明らかに、このような粒子は、転位及び粒界の動きを留め 、代りにその低融点による粒界の易動性を増大させるためにはあまりにも大きす ぎる。 P.Vostry et al.は[119]、160℃(1Caについて)及び120℃(10Caについて)の 間の温度Ttransfにて1.3及び10重量%のCa cph-Mgの拡張固溶体の変態が起こる ことを報告した。これらの観察事実は、溶解した(軽量)RE金属によるcph-Mgの 不動態が対応する析出によって影響を受けない状態にとどまる温度においてcph- Mg中のCaといったアルカリ土類元素及び(軽量)RE元素、Alの拡張固溶体から細 かいAl2Caタイプの析出物を形成することの実現可能性を確認している。結果と して得られる析出物は、(AlaMgb)x(AEcRed)yという公式に従って、Mg及びReと いったさらなる元素を内含していることもあればいないこともある。なおここで 添字a、b、c、d、x及びyは化学量変数である(cph-Mgマトリクス内のAl2(Ce、M g)について報告したZarechnyuk及びKripyakevichによる[120]を参照のこと)。 不動態cphマグネシウムベース合金内のミクロガルバーニ不活性の第2相の分散 の必要性に関するこのような(複雑な)固相析出物組成の利点は、それらが、調 整可能な「緩衝」効果を提供するという点にある。この「緩衝」効果は、第1の アプローチにおいて、関与する成分のガルバーニ電位に適用される混合物の法則 を介して見積ることができる。 Mg合金内のより複雑なアルミニドの析出の実現可能性も同様にMg2CeSi2といった より複雑なケイ化物の存在によって裏づけられる([121]参照)。ケイ化物は、 高度なアルミニウムの中で遷移金属と合わさって主要な役割を果たす(以下参照 )。ホウ化物は、同じ化学量のケイ化物に比べてさらに低い密度という利点と 共に、類似の機会を提供する([123]参照)。実際、平衡相分散の元素の親和力 及び結果として得られる熱安定性は、固溶体中の対応する原子論上の易動性、ひ いては対応する拡張固溶体の熱安定性から切り離される。そうでなければ、例え ばcph-Mg中のTiの主要な変態プロセスは、cph-Mgなどの中のCaのものよりも高い 温度で始まり、一方Al2Ca固相析出物といったアルミニドはMg合金マトリクスの 中で熱安定性ある相となり得る。しかしながら、本発明は、逆のことを示してい る。 その他の少量のものは、cph-Mg中の三成分アルミニウムと合わさって(軽)RE金 属又は(軽)REベースミッシュメタル(MM)の拡張固溶体に対し四成分添加物と して添加されるべきジルコニウム及びマンガンである。Busk及びLeontisはその 古典的論文の中で[124]、これらの合金化用添加物が、応力腐食割れの傾向を抑 制し、インゴットではなくむしろ適切な予備合金化され噴霧された粉末の混和物 の同時押出し成形を介してAZタイプの合金の押出し可能性を改善するための手段 となることを報告した。これは、1950年代に報告された最高430MPaの最高の熱安 定性及び強度の改善ならびに例えば圧縮降伏強度における40%の増大が関与する C133輸送用航空機の床又は組込み型積込み用昇降器台のために用いられる支持ビ ームといった利用分野を導く、細かく分散した不溶性のAl3Zr及び/又はAlxMny タイプの化合物による「干渉硬化」を結果としてもたらした固相相互拡散に関係 していた。 亜鉛は、5.3Zn、2.5RE-ミッシュメタル(MM)及び0.7Zr(すべて[重量%]単位) を伴うMg合金ZE63の粒界を装飾するMg-RE析出物の中に包埋されるものと報告さ れている[125]。この合金は、例えば粒界上に低融点の第2相が全く無いことを 理由として、AZ91及びZE41T5に比べ150℃でより優れた二次クリープ耐性を示す 。従って、わずかな亜鉛添加物が、対応するMg-RE-Zn析出の体積分率及び化学量 を補完するのに必要とされるRE添加物レベルを越えた対応する過飽和の壊変無く 、cph-Mg中の(軽量)RE金属の拡張固溶体からの優先的な粒界析出を誘発するも のとみなすことができる。 アルミニウム及びアルカリ土類元素の(RE-及びAE-アルミニド及び対応するケイ 化物又はホウ化物を含む前述の固相析出物により請求対象の合金を補強するの に必要とされる)量は、cph-Mg中の不動態化用(軽量)RE金属がさらに高いレベ ルでこのような分散の中で結びつけられるのを避けるよう、少なく保たれるべき である。これらの少量の添加物のいずれもcph-Mg中の(軽量)RE金属の拡張固溶 体の不動態化能力を不当に劣化してはならないという一般原則に基づき、ここで 請求されているAlの量([原子%]単位)Al%についての経験則は、πとパラメー タk1及びk2によって規定される化学量の析出物の体積分率を補完するのに必要と されるRE金属の余剰分率としてAl%=k1 *AE%+k2 *xRE%である。従ってここで 請求されている合金は、溶着された状態及び/又は凝固された状態での(軽量) RE原子及び/又はアルカリ土類及びアルミニウム原子の無作為、規則又は準規則 分布を伴って、cph-Mg中の(軽量)RE元素の拡張固溶体内に本質的に保持された 、0.2-10重量%のアルミニウム及び0-10重量%のアルカリ土類(AE)金属、好 ましくは0.5-4重量%のアルミニウム及び0.1-1.5重量%のアルカリ土類(AE) 金属(Ca、Sr、Ba)を内含しているべきである。 Mgベースの上位合金組成のための希土類金属の選択 本発明は、合成及び熱機械的合金転換を介した選択された新しい処理方法による 、新しい合金化の可能性の領域を含むマグネシウムベースの合金及び製品につい ての「テクノロジーショック」の潜在性を包含している。従って、対応する処理 テクノロジーの実施を促進するために、機械的合金化(以下参照)といった立証 済みの商業用合金及び技術を利用することが勧められる。 商業用「E」タイプのMg合金 「E」はMg合金に対するイットリウム(「W」)無しの希土類添加物に対するASTM の呼称である。cph-Mg中の拡張固溶体のために選択された新しい連続的生産方法 による処理用に請求されている商業用合金は、(近似組成を含めて)以下のとお りである: ミッシュメタル 文献の中で往々にして引用されている構造マグネシウム合金のためのミッシュメ タル(MM)には、約49Ce、26La、19Nd、6Prを伴う「Ce」ミッシュメタル、又は8 0Nd、16Pr、2Gd及び2つの他のRE(すべて[重量%]単位)を伴う「Nd」ミッシュ メタルが含まれる[39、50]。構造マグネシウムのための特定のMMの使用は主とし て、特定のMM組成に関係するエンジニアリング特性によってではなく、むしろ価 格及び入手可能性の問題によって支配される。このような理由から、マグネシウ ム合金内のミッシュメタルの利用についての特許には通常マグネシウム内に使用 すべきミッシュメタルの特定の組成に関する言及がなく、又エンジニアリング上 の観点から見てMMの使用を正当化するための個々の希土類元素に対するミッシュ メタルの精確な技術的利点についても明確にされていない([17]参照)。しかし ながら前述の研究及び本発明から、(RE%鉱物の正規 構成要素である)イットリウムを、固溶体の中に本質的に保持されているRE金属 を伴う融成物処理されたマグネシウム合金のために過度に使用すべきではない、 ということは明白である。不動態化Mg合金に基づく構造的航空宇宙製品のための RE金属の所要原料のコストは、利用自体によって実現されるべき収益によって十 二分に保証されることになるだろう。 RE金属は、利用可能なRE金属のほぼ全て又は大部分の酸化物の混合物を表わすRE 酸化物含有鉱物及び鉱石から抽出される。最も一般的な鉱物としては、個々のRE 金属又はREグループの以下の近似組成が含まれている: 好ましいRE金属の選択された抽出は、抽出のために用いられる鉱石の組成との関 係において、最終的MMの組成を変え得る。しかしながら最も廉価な方法の1つは 、特定のMM選択基準による不当な数の作業無しに、豊富に利用できるRE鉱石から 最大限又は全てのRE金属を抽出することである。不動態マグネシウムのための「 軽量」RE金属の使用は(「開示」参照)、Long Nan及びWan AnタイプのRe鉱石の 鉱石組成に由来する及び/又はこれに対応するより大量のミッシュメタルという 問題を排除している。モナズ石及びパストネス石タイプの鉱石は、最も豊富に利 用可能で、現在RE金属及びMM金属の抽出のために最も使用されている鉱石である 。従って、モナズ石、パストネス石及びXun-WuタイプのRE鉱石の鉱石組成に由来 する及び/又はそれに対応する組成のMM金属は、MMが本質的にcph-Mg又は対応す る構造的誘導体の拡張固溶体の中に保持され た状態で不動態マグネシウム合金の中で使用するのに最も好ましいミッシュメタ ルである。 Ti及びメタロイド(Si、B、Sb) 大部分の遷移金属及びメタロイドは、非常に高い蒸気圧を示し、これが、液体処 理を介してそれらがマグネシウムと合金化しない又は容易に合金化しない1つの 理由である。この場合、唯一の解決法は、機械的合金化及び蒸気溶着であるが、 後者は、9頁と15頁ですでに論述した利点をもつ。高融点遷移金属及びメタロイ ドでのマグネシウムの合金化が液相を介して可能であるならば、ガルバーニ電気 で活性の(ミクロ)偏析がきわめて容易にもたらされ、融成物からの処理による 不動態Mg合金への主要な添加物からこれらの元素を排除する可能性がある。本質 的に単相のMg-(軽量)RE合金と高融点遷移及びメタロイド添加物の蒸気溶着を 介しての組合せは、先進的処理の根本的原理を代表するものである;すなわち、 平衡化ミクロ構造及び特性が、Hume-Rotheryの法則に関し個々の合金化用元素の 物理的差違によって支配されている一方で、非平衡ミクロ構造及び特性は、なお 全く探求されたことのない豊かな革新を提供する全く異なる成分の共働性能から の結果としてもたらされる。 1. 軽量RE及びTi原子のいずれにせよ本質的に均質である無作為、規則又は準規 則分布を伴う、cph-Mg内の(軽量)RE元素の拡張固溶体からの析出硬化のための 三成分添加物としてのTiといったTMの使用又はcph-Mg中の単数又は複数の遷移金 属単独の使用には、以下のような欠点がある: 1.1 Mg析出物がTiベースのTi-Mg合金であったことから[127]、二成分系Mg-Ti内 の平衡Ti析出物は、元素Ti[126]であった。すなわち、平衡二成分状態図Mg-Ti( 又はTi-Mg)の中にはいかなる金属間相も形成せず(これはMg-Mnといったその他 の二成分Mg-TM状態図にもあてはまるジレンマである)、又、例えばMg-Ti状態図 (の二成分区画)のいずれの側でも、充分な時効硬化応答を達成するためには、 比較的高レベルの合金化が必要となるだろう。 1.2 VD Ti-Mg合金内にMg含有酸化物が観察され、これはTi内の酸素拡散に帰 するものであるとされた[127]。従ってこれらは、特に高いTi MgベースのMg-Ti 合金内に現れることになる。しかしながら酸化物は、高性能Mg合金の特性、特に その損傷許容範囲を劣化させるものとして知られている[112]。 2. 軽量RE及びTi原子の無作為、規則又は準規則分布を伴う、cph-Mg中の(軽量) RE元素の拡張固溶体に対する少量の合金化用添加物としてのTiの利点としては、 以下の理由から、固溶体内のRE金属の不動態化効果が本質的に影響を受けていな い状態にとどまる一方で、Tiが(部分的に)析出硬化のため固溶体から取り出さ れる、熱機械合金転換の時点での200℃前後の温度での、cph Mg-(軽量)RE準安 定相からのTi(含有)析出物の慎重に操作された析出経路としての可能性、が含 まれる: 2.1 Tiは、cph-Mg中の拡張固溶体から200℃前後でひとたび形成すると、純粋Ti の非常に安定した固相析出物を形成する。例えば500℃に4時間露呈されたVDMg- 17重量%のTi合金の中では、Ti析出物の観察されたサイズは10-15μmであった[1 26]。 2.2 Ti含有析出物は200℃で固相析出物を介して硬化ベースとして作用しようと する。これは、この析出反応がすでにDSC分析時点で主要な相変態として表われ る([17]参照)からであり、かくして、この析出を主たるRE含有析出プロセスの 核形成から切り離す可能性がでてくる。 2.3 VD Mg-Ti合金は、時効の前の腐食耐性に比べて大きな劣化無く、最高250℃ の温度での時効の時点でその改善された腐食耐性を保持すること、すなわちTiが 、Feのように腐食性に対するひどい効果をひき起こさないことが報告された[17] 。 cph-Mgの拡張固溶体中のTiの代替案は、(i)もう1つの非平衡(例えば非晶質)M g-Tiベースマトリクス相を生成すること及び/又は(ii)Tiが関与するさらに複雑 な析出のためcph-Mg又はその他のあらゆる非平衡相内の希土類元素の拡張固溶体 の上でTi-親和成元素と合わせてTiを合金化することである。最良の候補は、現 在材料の分野で最大の研究活動の1つとなっているチタンアルミニドの魅力的な 世界を導き出すものとして広く知られているアルミニウムである。請求対象の準 安定Mg-(軽量)RE合金に対する四成分アルミニウムから三成分チタンまで (又はその逆)の添加(以上参照)は、析出の反応速度論に拍車をかけ、チタン とアルミニウムの間の親和力を介してVD Mg-Ti合金内の元素Tiに比べ2倍(TiAl タイプの析出物を介して)さらには4倍(Ti3Al又はAl3Tiを介して)の体積分率 を導く。 これらのアルミニドは、高性能高温アルミニウムベース合金についてこれまで報 告された最も温度安定性の高い固相析出物として知られているAl13(Fe,V)3Siの 形のAlの豊富なケイ化物といった対応するメタロイド含有析出物へと対応するア ルミニドを変態させる、ケイ素、ホウ素、ゲルマニウム又はアンチモンといった メタロイドの添加によって、温度安定性及び体積分率に関してより有効なものに することができる。この相は、fcc-Alの合金化用添加物Fe、V及びSiでの同時過 飽和及び融解紡糸されたRS-Al13(Fe,V)3Siの融成物からの分離を結果としてもた らす平面流鋳造(PFC)[128]によって与えることのできる超急冷凝固のより極限の 条件によって達成される。この相は、Al-Fe-V-Si合金内で0.5-2.0μmのサイズの 結晶粒及び亜粒の両方の境界を装飾する20-100nmのサイズでほぼ球形の形態をも つ20面体の不規則相である[128]。この相は、例えばAl Fe相の場合よりも約3ケ タ小さい2.9*10-26m3h-1という(金属間)粗化速度を示す、1.25nmの格子パラメ ータを伴うbcc結晶構造のものである([129]参照)。この相は、全てHTシートの 利用分野[130]にとって第1の関心事である平面ひずみ破壊靭性、降伏強度及び ヤング率といった機械的特性にとって特に魅力ある形態である、押出し成形され たままの状態の丸形析出物の分散を導く[128]。 本書で請求されているMg合金すべてについて、高度Al合金(例えば100-300nmのサ イズのAl20Fe5Ce、Al10Fe2Ce、Al6Fe、ならびに、Θ′Al3Fe及び高度の高温Al合 金として報告された([131]参照)比較的粗い平衡Al3Fe粒子のもの)及び既知の ケイ化物のRSP処理から知られているアルミニドの鉄(Fe)は、チタンで置換さ れてもよい(注:TiもFeより容易に蒸発する)。しかしながら、Fe又はTiの代り に、cph-Mg中の対応する拡張固溶体の変態の主な開始温度が比較的低いこと([1 7、45]参照)及び/又はその安定化([132]参照)のみならずこのような金属間 化合物に対する貴金属化及び/又は不動態化効果を理由として、AlaTMbSicタイ プのケイ化物のためにMn(及びCr)といったその他の,cph−Mg内の希土類、遷移及び/又は単純金属の2成分、3成分及び4成分 拡張固溶体 しかしながら、cph−Mg内の遷移金属の拡張固溶体の実体は、今まで調査さ れてきたものとはかけ離れている。Shaw et al.は、全てマグネトロ ンスパッタ溶着によって作られた、グラファイト下地物質上への溶着後の3成分 単相(アモルファス又は結晶)Mg67.8Al15.517.6合金についてと同様に、 厚さ2<μmのcph−Mg溶着物内の2.4−13.3Cr、0.9−2.4 Mo、2.7−13.0Ta及び1.0−7.4タングステン(W)の拡張固溶 体の腐食性に関して報告した[133]。cph−Mg内の2.7(ρ=2.1 4g/cm3)から8.2(ρ=3.1g/cm3)at%の拡張固溶体ついて、 及び(例えばCr鋼において観察されたものと類似のこれまで報告されたことの ない活性から不動態への遷移がMg合金について観察された)準安定3成分Mg AlW合金(ρ=5.0)について顕著な不動態化が観察され、使用された全て の遷移金属は、合金化レベルの増大と共に腐食電位を上昇させ、対応するMg合 金の不活性化を高めることが報告された。但し、溶体濃度>2at%では、Cr が最も高い不活性化率に至る結果となり、Wがそれに続くことが観察された。S haw et al.[133]の結果は、cph−Mg内の20−70Zr、 14−72Nb及び18−77Ta[at%]の拡張固溶体の腐食性について同 様に報告を行ったHirota et al.[28]により確認された。1モ ルのHCl水溶液中の陽極分極は、系統的に、表面酸化物のTM金属陽イオン及 び対応するO2陰イオンの富化及びMg2+陽イオン及びOH-陰イオンの消耗とい う結果に至り、例えばMg−57Nbについては−0.3V及びMg−38Ta については−0.25V(全て標準カロメルデン虚k電位に関してかつ[at% ]単位で)で観察された腐食電位以上の電位で当該電解質内に不動態化を誘導し た。対応する空気形成酸化物の厚さは2nmであったが、電解質内で形成された ものは4.5nm以下であった。溶体濃度>40at%についての年間腐食速度 は、Mg−Ti系については30μm/年(7頁参照)から、Mg−Ta系 についての1.5μm/年の低い値まで降下した[28](図74から76参照) 。これらの観察事実に基づけば、cph−Mg内のAlの拡張固溶体について初 めてHehmann et al.[11]が示した、又より一般的にはTam manが既に1919年[4]に初めて予言したような、Mg内の成分を不動態 化することのもつ普遍的な結果、即ち原子長スケール上での合金要素の均質な分 布を考え合わせて、これらの改良を理解することは簡単明瞭なことである。この 第1のトポロジー基準(下記参照)の最初にある、Mg合金表面の不動態化によ ってマグネシウム合金の腐食性を実質的に増強させる軽量希土類及び/又は早期 遷移金属及び/又はメタロイドの効率は、以下のようなそれらの能力の結果であ るものと考えられる: a 生成エンタルピーに大きな変化無く異なる反応速度の様々な酸化物を生成す る能力[123](表3及び4参照)。 b)そうでなければ非導電性のMgOに対してMgO表面酸化物のMgイオンの RE23、TM23、RExy、TMxy、metxy(尚、x<y)による置 換の際に比較的多数の電子を供与し、かくしてO--イオンを反発させてMgOを 例えば表面に対するマグネシウムの拡散を抑制することが知られているn−導体 に変態させる(表3−6参照)酸化物最上層での電子濃度増加によって随時合金 表面を不活性にするより軽い表面電位を提供する能力([28]参照)。 これらの基準が、特に遷移金属Ti、V、Cr及びMn、並びに原子表の次の周 期の同一群の元素についても適用されることは明白であり、これは本観察事実及 び英国、米国及び日本の研究所の観察事実と完全に一致する。しかしながらこれ らの観察の超周期的整合性は、本発明以前には明白でなかった。遷移金属の比較 的低い蒸気圧は、比較的高い蒸気圧を提供する希土類金属の場合に比較して、経 済的に採算のとれるVDプロセスについて全体的な制約を課している。但し、バ ナジウムといった合金化添加物は、少なくとも6種(希土類の場合は3乃至4種 )の異なる酸化物改良を与えることが知られており、従ってV同様にCr及びM n(図87及び56頁参照)も、マグネシウム合金表面の不動態化にとって非常 に魅力的な合金化添加物である[123]。様々な酸化物を生成する能力は、 異なる酸化状態を提供する元素の能力だけではなく、柔軟性に基づいて酸素との 間で異なる比率のイオン及び共有結合を提供する能力によって説明され、この能 力は非晶質酸化物を結果としてもたらすと考えられていた[145]。非晶質酸 化物は、通常、例えば粒界拡散経路を発達させない或いは減少させることから、 トポグラフィー的な拡散を抑制することができる。本発明では、Mg酸化物を改 良する能力が、cph−Mg内のSi(金属色のピンクから青、図1参照)、G e(緑)及び(赤から紫)の拡張固溶体の表面に出現する色によって表示されて おり、これはcph−Mg内の拡張固溶体について初めて観察されており、この 色は、普通の雰囲気に8年間露出させた後でも変色或いは他の表面膜生成物を発 生させずに残留した。従って、比較的高い蒸発率を有するTMの、RE及びアル ミニウムといった単一金属並びにメタロイドと組み合わせた添加物は、Mg合金 表面を最も均質に覆うためのトポロジー基準を供給するMgの準安定構造的変形 形態、又はcph−Mgの固溶体内に維持された場合に非常に便利な合金化補足 物である。である。しかしながら、本発明から明らかな通り、原子スケールでの 均質性は最も重要な基準であり、電気化学的系列内のマグネシウムの極限位置を 考慮すればそれも驚くべきことではない。 単一、即ち1相及び/又は2相非平衡Mgベースマトリックスを経由したステン レスMg合金についての適切な基準の階層 以下の合金開発基準は、更に一層良好な耐食性を与えるための高純度合金化コン セプトを(置換するのではなく)完全なものにするのに適したものであり、場合 によってMg合金及び原料の純度に関する並びに表面薄膜により得られるMgベ ースのバルクの保護にとって極めて重要である基本的に不活性の及び/又は第2 相の精製に関する必要条件を緩和するものである(上述参照)。最も顕著で広範 な仮定は、Mgの腐食が下記の反応によって制御されるということにある([1 34から136]参照): Mg+2H2O→Mg(OH)2+H2 この仮定は、現実を無視するものであり、ミクロガルバーニ及び他のセルに関す る方法論を教室に引き込む一貫性の無い未消化の論述のリストがMgの腐食に関 する文献に含まれいる理由の原点についての一例である([137])。純粋M gが「腐食する」という仮定は、水酸化Mgへの変態に先立ちMg(合金)バル ク上に表面反応/及び又は酸化生成物が不在であることを示唆している。しかし ながら同じ著者([136]参照)は、見掛け上の矛盾には言及せずに、Pil ling−Bedworthの比、即ち下地材料(バルク)金属Mgのモル体積 に対する表面酸化MgOのモル体積の比、VMgO/VMg=0.81を(場合によ って)発生させるより高い温度で酸化マグネシウム薄膜が形成されることを概説 している。MgO酸化物表面薄膜は、細孔及び亀裂が金属バルクと環境の間に拡 散通路を形成することの結果として保護性をもたないと考えられている。しかし ながら実際には、MgO及びその合金表面は、(より低い温度で)湿潤環境に露 出される前に、450℃を超える鋳造温度及び/又は蒸気溶着及び/又は例えば 多少なりとも乾燥した空気を伴うボールミル摩砕環境に露呈されているのである 。従ってMgO表面薄膜は、湿潤環境に露出された後に頻繁に観察されるMgベ ースの水酸化物を含む他の反応生成物に先立ち、一番最初に形成されるのである 。但し、純粋Mg上のMg(OH2)のPilling−Bedworth比は 1.73である。Mg(OH)2結晶は、容易な塩基性劈開ひいては酸の中での 溶解(pHcrit</=8.5)を提供する積層菱面体構造を有しており、これら の全てが、膨張下で形成する亀裂からもたらされる弱い付着力及びその結果とし てのミクロ圧力を表しており、かくして(張力下でミクロ応力を受ける)MgO 薄膜と類似ではあるが逆の問題が発生することになる。結果として生じる誤解の 一つは、単に解釈上であればMgベースの表面薄膜の反応鎖内の初期生成物とし てのMgOの形成を抑制することによってMgの腐食性を改善し、そうしてそM g(OH)2ベースの水酸化物の特性を改善するのであり、その逆ではない。従 って第1の問題は、(i)いかなる理由でそしていかなる条件下で、MgO薄膜 を水酸化Mgに変態させるのか、及び(ii)いかなる方法をもって、MgOを 基礎とするより効果的な表面保護でこの変態を置換することができるのかという 点にある(図77の模式図参照)。 MgO→Mg(OH)2変態 酸化物MgOではなくMgの水酸化物Mg(OH)2の改良及び/又は安定化に 注目が集められた理由の一つは、両方の種の形成に関する自由エネルギーの比較 にある。即ちMgOについてのΔGは136kcal/gmolであり、Mg( OH)2についてのΔGは142.6kcal/gmolであり、ここから顕微 鏡スケールで熱動力学的により安定であることからMg(OH)2の方がより容 易に形成されるとの結論に導かれる。実際には、以下の通りのエネルギー収支δ ΔGに入るΔGをもつ水の分子が、Mg(OH)2の形成に必要なことがここで 見過ごされているのである。 それにも拘わらず、いかなる方法でMgOからMg(OH)2への変態が可能な のだろうか? Mg(OH)2の均一な形成には、局部的には30%の水分でも 既に可能であるとはいえ、最小80%の水分が必要であり、それでも十分である とは言えない。MgOとMg(OH)2のΔGの誤解を生む比較は、δΔG=− 6.6kcal/gmolの負の差に起因するMg(OH)2の形成に向けた小 さな駆動力を示唆しているものの、水についてのΔGでの収支が示す通り巨視的 に均質なスケール上ではこの反応が起こり得ず、結果としてδΔG=61.7k cal/gmolの正の値をとることになるというのが現実である。後者の事実 は、MgO粉末が(ここでは表面の項を含む貯蔵エネルギーの増加の結果として )水中で素早く溶解するのに対して、緊密なMgOプレートは水への浸漬時に殆 ど攻撃を受けず、巨視的エネルギー収支がマグネシウム並びにその合金の腐食性 の起源であるとは考え難くかつ−広範に信じられている事実に反して−Mg(O H)2は必ずしもMgOを不安定化させないものの、微視的要因としては表面エ ネルギー、H2O濃度、表面薄膜下でのミクロガルバーニ効果、引っ張り力及び /又は圧力下でのミクロ応力を含む薄膜特性、並びに電解質中の酸素勾配δcO2 を含む外部的に局部要素を形成する曝気セルの形成が含まれるということ を示す、Pourbaix−Atlasの中で報告された観察によって確認され ている(図78から80参照)。これらは全て、上述の反応の左側においてDG の増加に貢献し、こうしてその代わりにMgOからMg(OH)2を含む他の生 成物への変態の駆動力の増加に貢献している。例えば冷水中ではMgは腐食しな い。但し、Mgの表面上における小水滴(の凝縮)は、巨視的ではなくむしろ局 部的な条件のもつ意義を含むMgと鉄及び/又は鋼との腐食特性の共通性を示す (図78から80参照)壊滅的な腐食効果を引き起こし得る。 従って、非晶質化が下記の式に従って変態エントロピーを増加させる、即ち自然 が、対応する低いδΔH収支及び駆動録δΔGに鑑みて過剰の項ΔSを動員して 最終的に結晶Mg(OH)2最終生成物に至るすることから、MgOから結晶M g(OH)2への実際の変態が、往々にして、非晶質Mg(OH)2島への変態及 び/又は比較的低い湿度の中での凝縮を経由した析出を伴った形で観察されるこ とは驚くにあたらない。従って、一旦形成されてしまうと、以下の図の流れ(こ こでE=(局部ひずみ)エネルギー)に先立って水酸化物が洗い流されない限り 結晶Mg(OH)2への変態は不可避となるわけであるから、それを全面的に避 けるのではなく非晶質Mg(OH)2の改良及び/又は安定化の方向へとMg合 金の開発を向けることは誤りである: δΔG= δΔH-TδΔS 利用可能な熱動力学データを再考すると、MgOからMg(OH)2(最も安定 なMg(OH)2形態)への変態も同様に、下記の通り熱動力学的、即ち巨視的 には明白でないこと([123]参照): 従って、更なる(エネルギー/エンタルピー)の貢献を必要とすることが分かる 。比較のために、下記の反応には: 同じ規模の微視的活性化(エネルギー)が発生する必要があるものと思われる。 しかしながら実際には、Al33は、Mgのように容易には対応する水酸化物に 変態せず、このことから、微視的エネルギー貢献が、例えばMgOからMg(O H)2或いは他の水酸化物誘導体への変態を制御する基準全体の中でも、速度を 制御するエネルギー基準であることが確認される。 しかしながら、H22ベースの溶液中におけるMgの腐食性に及ぼす希土類元素 の非常に均質な分布の有利な効果は、例えば(ここでは充分であると思われる代 表例として、[123]参照)下記のような対応する酸化物から水酸化物への変 態の自由エネルギー収支が、潜在的に大きな駆動力を与える極めて発熱的なもの であるのみならず、H2SO4、HCl及び/又はHNO3をベースとする酸溶液 において容易に得られるような表面での過剰の水素に対するMgOの混合物の感 応性も増大させることから(請求の範囲第1.16項参照)、巨視的エネルギー 条件の結果としてもたらされるものではないことも同様に明白である: もしくは 同様の傾向は、対応する結晶格子エネルギーの収支によっても示されている([1 23]参照。かくしてMgベース表面酸化物への希土類元素の関与は、表面薄膜 内へのSO4 --、Cl-及び(NO33-といった陰イオンの包含を場合によって もたらす水素制御された反応を提供する、より攻撃的な媒質内における(場合に よって混合された)水酸化物への変態に対するその巨視的感応性を増大させ、か くして腐食攻撃に対するその脆弱性を増大させる。 但し、遷移金属及びメタロイドの酸化物は、対応する水酸化物に(希土類元素の 場合程容易には)変態しない。事実、下記の元素についてはいかなる水酸化物も 報告されていない([123]参照):Ce(その代わり、有利なCeCrO3 酸化物が報告されている)、Cr、Ge、Hf、Mo、Nb、Re、Rh、Si 、Ta、Tc、Ti、W、V、イットリウム、及びZr(全てHirota e t al.の観察事実と完全に一致している(上述参照))。Gd、Dy、Pr 、Hoなどといった大半の希土類金属は、その代わりに水を吸収し(アルミニウ ムに対する反応及び[123]参照)、その一方で後期遷移金属は、例えばCo (OH)2、Cu(OH)2、Au(OH)2、Mn(OH)2、Ni(OH)2、 Os(OH)2、Pd(OH)2、Pt(OH)2及びZn(OH)2といった水酸 化物を系統的に形成する。早期及び後期遷移金属の腐食性の差は、酸化物形成従 って(純粋)金属不動態化(図81)のための核生成バリヤとして作用する同同 金属結合強度ε&M−M&によって制御される酸化物核の形成(図81)に先立 つ、酸素解離のためのエネルギー(O2→2O;δΔH(O2):498kJ/m ol)を提供するそれらの異なる金属酸素結合強度ΔHadsに基づいて説明され た[139]。不動態プロモータは、高いΔHads値と低いεM-M値を特長として いる。両方の基準の相乗効果によって、それ自体−相ミクロ構造を提供する純粋 金属の不動態化挙動が分類される。マグネシウムの腐食の問題(即ちMgO→M g(OH)2変態)に対してこの分類を外挿することによって、(i)Al及び 早期遷移金属がマグネシウムの不動態化の第1候補であること、(ii)本発明 中で使用されているようなH22をベースとする電解質がトポロジー的な不動態 化効果と化学的なそれを区別している(即ち、表面薄膜がトポロジー的に密であ ることを条件として、H22の使用が触媒として作用してO2解離のためにΔHa ds (re q)を削減及び/又は置換し、Mg合金を不動態にする(次章参照))理由;及 び(iii)金属・金属結合を破断すること無く金属酸化物鎖を形成させる浸出 分析は、マグネシウムの不動態化を説明するのには不充分であること、が示され た。εM-Oが酸素の格子エネルギーに比例する(表3)のに対して、ΔHadsは、 以下の金属酸素結合強度に関係付けられている: εM-O=0.5[ΔHads(ox)+ δΔH(O2)] 従って、MgOより高い格子エネルギーで酸化物を形成する全ての元素は、改良 されたO2解離を提供し、(より高い値への格子エネルギー内のジャンプが明白 である)x<yの酸化物は特に有用である(表3)。Be及びBの酸化物も同様 に、以下の通り反応から見て、即ちMgOに関与した場合に巨視的なエネルギー 収支を大きく(Be)変化させずに、及び/又は対応する水酸化物(B、Be) の形成に有利に働く(B)ことなく安定している: 他の環境内で固体のMgベースの表面上に及ぼすイットリウム及び/又はスカン ジウムを含む希土類金属の均質な分布の有利な影響が、例えばMgO(及びAl23)に対してそれらが及ぼす顕微鏡的並びにより局部的な影響に関する分析を 必要とする巨視的平衡条件とは異なるパラメータに基づいているのは明らかであ る。 マグネシウム不動態化の基本的な(但し十分ではない、上述参照)必要条件とし ての増強されたMgOベースの表面酸化物のトポグラフィー的非透過性及び付着 性 RSPの出現は、自己回復性不動態合金表面薄膜の形成理論に関して重大な弱点 を明らかにした。一方では組成、ミクロ構造及び結晶構造に関して、他方では金 属表面重複層の不動態化性1)に関して金属学的に一貫した関係はまだ報告されて いない。純粋なFe、Cr、Ni、Ti及びAl並びにFeCr鋼及びFeCr Ni鋼の不動態化性に関する文献は、表面メカニズム及び表面層の構造を中心に 論じている。従来通り処理された「平衡」合金の表面酸化物のトポロジー的整合 性或いは非透過性は、酸化物そのもの或いは環境とのその接触の結果として既に 論述されており、当該問題に関してユニークな説明が、pKs値=−logKsと いう式によって示されている。尚ここで、Ksは(H3+)A-/HA、HAは酸 、H3+及びA-は結果として得られるヒドロニウムイオン及び対応する陰イオ ンである。しかしながら、不動態化された合金表面薄膜は、一方では環境の(詳 細の)、他方ではミクロ構造の詳細の結果である。或る与えられた(拡張)固溶 体といった与えられた合金ミクロ構造は、異なる酸の中でで異なる反応を示こと から、この原理は(細孔及びFeの介在物といったいかなる局所的要素も速度を 制御するものでないということを条件として)異なる(拡張)固溶体は異なる環 境内(酸)で極めて類似の反応を示すという点で可逆的である。本発明によって 、合金元素の均質な分布を伴う固溶体、非品質及び非平衡結晶相が原子長スケー ルに及ぼす普遍的な効果が、合金の純度及び環境とは無関係に、即ちMg(をベ ースとする)表面酸化物を不安定化させる傾向が強まった場合ですら、この挙動 を制御することが示された。このような普遍的効果は、過酸化水素(H22)の 使用が極めて重要であった(上述参照)Cl-の存在の中で以前には見分けが付 かなかった。その結果、トポロジー的に緊密で付着性の酸化物の安定化のために この原子均質性を保持するMgをベースとするいずれの非平衡生成物も、熱的に 安定していなければならず、希土類元素が不動態Mg合金+生成物に対して重要な役割を果たしている理由がここにある。 1) 非不動態金属(Fe、Mg)の合金不動態化のための前提条件の連続的な(即 ち時系列のつまり逆転階層的)順序は、(i)化学的、次に(ii)物理的な基 準で、その後に(iii)トポロジー的考慮の順で示されている。化学的条件に は、例えば他のより容易に腐食させる金属又は合金に合金化された場合の(例え ば熱障壁コーテイング内のイットリウム)或いは固有の腐食耐性に対する多くの 3d(即ちTM)或いは4f(即ちRE)元素の有利な効果を保持するために表 面酸化物の大気成長に必要なものであるものの十分ではない#前提条件n°1# として誘導バンドの未充填連続体内にて金属原子価を結び付けるためのO2或い はOH-イオンの単分子相の吸着が含まれる。物理的条件(前提条件n°2)に は、)例えば(金属)陰イオン又はO2陽イオン用イオン拡散通路を抑制し、 かくして環境との熱動的平衡に先立つ(陰極)分極を含む表面酸化物の結晶又は 非結晶構造、例えばAl23、Cr23、酸中の不規則Fe34、スピネル型( Fe23+Cr23)及び/又は、)そのe-導電率(例えば、Al23及びT iO2は絶縁体であり、従って陰極部分反応を同様に抑制するのに対して、Fe 、Cr及びNiの酸化物はそれを抑制しない)が含まれている。結果としての表 面薄膜のトポロジー的非透過性は、不動態化のための最後の但し最小ではない 提条件n°3 である。)酸化物に拡散通路/細孔が無い(例えば、Ti23、 Cr23、Al23、スピネル型(Fe23+Cr23)場合、それは更なる陽 極酸化(例えばAl、Ti;厳密に言えば、n°3には、n°2に関する正確な 知識は必要とされない)によって強化することのできる、薄く(<10nm)か つ金属的な光沢をもつ不動態薄膜(→「不動態」の定義=予期されるものより数 桁低い腐食速度が、付加される電位の全範囲にわたり安定している状態)を導く 。b)酸化物が多孔質(即ち半透過性、例Fe23、Ti23、酸化Mo、Mg O)の場合、しばらくしてそれ以上の攻撃を随時停止させる複雑な腐食メカニズ ムを含む、スポンジ様の変色が往々にして形成される(例えばSO2大気中のF e、より不活性度が低い構成成分(CuAu、CdMg及びMgAl固溶体)の 欠乏した選択的な腐食を形成する表面ゾーン及び、場合によって整合性のある表 面薄膜を生み出す結果となるCuAg固溶体上のAgOといった酸化細孔)。 従って、現在の研究開発は、不動態化合金表面薄膜の界面機能を見落とす傾向に ある。最も良い例はステンレス鋼の場合である。バルク(例えばCr又はNi) の組成は、文献中に報告された唯一の金属学的条件であったが、その一方で、下 層のミクロ構造は常に当然のものとして受け取られていた。図82は、ステンレ ス鋼の平衡ミクロ構造が、いずれかの相に関して大きな固溶性を伴う、従って表 面薄膜が中性化し耐えるべき大きなミクロガルバーニ勾配を持たない1相又は2 相マトリックスで構成されているということを示している。Cr含有ステンレス 鋼の不動態性が、フェライト系α相界拡張に基づいているのに対して、Cr/N i含有ステンレス鋼のものは、オーステナイト系γ相及び結果としてのマルテン サイト系相界拡張の上に構築される。Fe23表面酸化物における12から13 重量%CrでのCr23の大幅な富化は最も重要な事項であると考えられている が、実際には、この組成閾値よりも低い所で既に存在しているステンレス鋼を考 慮した場合、その重要性は2義的である[140]。ステンレス鋼内のCrの効 果は、Feの同素性を大幅に活用する平衡合金化による1相界拡張に基づいてい る。結果として小さなミクロガルバーニミクロ構造効果は、表面オーバーレイの 形成、整合性及び安定性を事実上殆ど触れられていない状態に残す。 合金不動態化についてのこの重要な前提条件が見過ごされている理由は単純で ある。即ち、ステンレス鋼の下地のミクロ構造は平衡プロセスによって到達可能 であり、従って誰もその形成条件について頭を悩ます必要がないからである。し かしながらこの前提条件を見過ごすことは、不動態合金に的を絞った、それも特 に不動態合金バルクが平衡プロセスによって到達不能である場合の更なる研究開 発にとっては致命的な結果をもたらす可能性がある。Fe及びその合金である鋼 と反対のことが、Al及びその合金に当てはまるのである。Feが、その同素性 の利用を通じた選択的平衡合金化によって不動態化されるのに対して、Alの各 平衡合金化の大半が、Al33表面薄膜を不安定化させる電気化学的に活性なミ クロ構造第2相の形成が原因で、高純度Al上の完全な不動態薄膜を劣化させる 。Tiとは対照的にAlは、下にあるミクロ構造を平衡合金化した時点で、1相 界拡張によりその不動態を維持するべく同素性を活用することができない。Mg ベースの金属に関して、ミクロ構造が不動態に及ぼす効果を無視することが研究 開発へ与える結果は、純粋Mgが、その高純度状態において又はその平衡合金の いずれにも、並びにその全液体処理合金のほぼいずれにも(i)同素性或いは( ii)完全な自己回復性不動態表面酸化物薄膜を全く持っていないことから、更 に 一層ひどいものであると言える。更に、(iii)Mg及び多くの合金化元素の 間の大きな電気化学的効果に起因する熱動的平衡での低い固溶性が、平衡方法を 利用してのステンレス単相Mgマトリックスの開発を不可能にしている。 他の全ての方法は、不動態Mgベース合金の完成に失敗した。平衡プロセスがス テンレスMg合金に至ることが決してないだろうとしても驚くにあたらない。他 の手段によるステンレスMg合金が不在であることの厄介なジレンマを、非平衡 プロセスの衝撃が例示しているのである。「金属の不動態及び同素性の欠如、低 い融点及び強力な電気化学効果を補償するための非平衡プロセス」は、最も肝要 な点でありかつミクロ構造及び腐食の特性に関する自己矛盾の無い腐食理論を初 めて必要とするものである。ステンレスMgの開発に対する需要は、最小のガル バーニ勾配を伴う1相合金マトリクスのためのより効果的な非平衡プロセスを要 求しているのである。不動態化酸化物の整合性のある非透過性を考慮するための 「1相」ミクロ構造は、表面酸化物の構造及び特性が有効になる以前に極めて重 要である。まず最初にこれは、平衡プロセスがステンレスMgの開発については 「機能しない」ことを意味しており、これは全く驚くにあたらないことである。 従って究極の開発ゴールn°1は、原子及びミクロ構造の両方のスケールにおい て透過性を持たない合金MgO表面薄膜を生成するために最小のミクロガルバー ニ勾配を伴う合金された単相マトリクスである。主たる目標は、スピネル及び/ 又は混合材そのものの存在ではなくMgOベースのスピネル及び/又は混合材の 整合性であり、不動態化ガルバーニミクロ構造及び表面層勾配に対する充分な耐 性なのである。この目標には、非平衡プロセスによって新世代のMg合金を確立 するために単相Mg合金マトリクス或いは他の非平衡(ne)Mgベース相内に おける元素Xの終局固溶体拡張(TSSE)が必要とされる。一つの変形形態は 、Cr/Niオーステナイトタイプのステンレス鋼と同様に、(a+b)Mg内 のB及びAの拡張固溶性を伴う2相(a+b)Mg合金マトリクス或いはb単相 M g合金マトリクスである。しかしながらこのようなミクロ構造は、過度の密度増 加無く、高位のMg合金の非平衡結晶及び/又は非晶質相ミクロ構造により得ら れる可能性が最も高い(図83)。 マグネシウムのPilling−Bedworth率の改良 Pilling−Bedworth率は、トポロジー上の基準である。従って、 ミクロ構造の詳細がトポロジー的に十分緊密である(上述参照)という条件下で は、表面酸化物の((規則又は不規則)結晶を通じた拡散に起因する化学的透過 性とは異なる)亀裂及び割れに起因するトポロジー的透過性の制御を支配するの はPilling−Bedworth率である(上述参照)。Pilling− Bedworth(PB)に従うと、Mgバルクに対するMgO表面酸化物の比 率は、0.81である。Mg(合金)バルクに対する表面酸化物のモル量削減は 、亀裂、割れなどを誘発し、その結果環境と亀裂破片(酸化物)及び隣接金属バ ルクとの間に拡散通路を開放することによる表面エネルギー、ミクロ応力及びト ポロジー的不均質性の増加をもたらす。これは、空気中の含水量の増加(即ち> 30%)及び結果としての酸化物表面における酸素濃度勾配即ちδcO2、又はδ cO2-を含む凝縮した水分や水滴といった曝気セル(局部的外部要素)の増加が MgO薄膜を破壊して、最終的には保護されていないMg(OH)2又は誘導体 に導く実際上の原因なのである。これは、酸化物成長に関する下記のTamma nの法則によって与えられる通りの表面薄膜の緊密な成長のため及び、結果とし ての改良された酸化物に同様に均質に内含されるようにするべく環境に向かって 突出した表面に垂直である原子長スケール上においてトポロジー的に均質な分布 を伴う、酸化物の改良及び/又は安定化用元素の均質な分布を通じて、1の値及 び/又は1から一定の閾値(これを超えるとPB率が逆効果となる値、Mg(O H)2のPBを参照)までの値に向かってPB率が増加させられるという点で、 例えばpH<7といった(より)大量の過剰水素を含むより攻撃的な媒質に向け たMgの不動態化には、なぜまず最初にMgO表面薄膜の改良が必要である理由 を説明している: d=(2kt)0.5 ここで、kは定数、dは薄膜の厚さであり、そのPBは: V(Mga−Xb−Yc−Zde−Of/VMg ne→1.0 という式に従って定義され、かつ/又は>1.0であり、ここでneは非平衡及 び、x、y及びzは3成分、4成分及び5成分合金添加物、bからdは(混合さ れた/合金された)MgOベース表面酸化物の(陽イオン−亜)格子内の元素X 、Y及びZの均質及び/又は化学量論分布に従った添え字であり、ここでこの酸 化物陰イオンに対する陽イオンの全体的な比率は添え字「e」及び「f」によっ て表記されている。 当然のことながら、(早期、次のp.s参照)遷移金属及びメタロイドがMgO中 における電子濃度及びPB率を増加させる上で最も効果的である。MgのPBは 1より小さく、MOは非導電性でかつAl、Ti及び他の早期遷移金属及び希土 類元素(表3から6参照)といったより高い酸化状態を持つ陽イオンがMgOを n−導電体(注:O--の酸化還元状態によって特長付けられた表4の酸化物中の 酸素陽イオン)へと変化させることを可能にするNaClタイプの結晶を与えか ら、1へ向けて保護性がより高いMgO/Mg比のための素晴らしいコンセプト を与えてくれる。これは、下記の観察によって確認された、即ち: 1.単純早期遷移及び早期希土類金属を代表するAl、Ti及びCeは全て、原 子長スケール上での均質性が非平衡マトリクス相に起因して与えられることを条 件として、Mgを不動態化することが証明された。 2.Li(及びK及びNa)は、MgのPB率を改良することができず、このこ とは、原子長スケール上におけるαMg及びβMg内のLi原子のトポロジー的 に均質(で不規則)な分布にも関わらず、1相及び2相平衡α及び(α+β)M gLi合金の腐食耐性が低いことと一貫性をもつ。 3.水酸化物の形成に対する耐性をもつ元素は、以下の式を利用することにより その混合物の役割及び/又はそれからの偏差を介しての第1の方法において効果 的となる非常に広範なPB比RPBのため、MgO内においてミクロ亀裂や割れを 閉じるための最も効果的な手段を提供する。 RPB=[(1- αx)VMgO+αxV(MeaOb)]/[VMg+ΔVMgne] ここで、VMgO及びVMgは前述と同じであり、V(Meab)は合金化元素の酸 化物のモル量、ΔVMgne=VMgne−VMgはne相と純粋Mgのモル量の差、 αは一部の対称組成範囲内の混合物の役割からの偏差を示す係数を表す。 超高純度は、AZ91合金コーティングの不足速度を3mpyまで減少させる ための一つの要因であった(上述参照)。合金化元素が(十分な熱安定性無く) PVD、PAスプラットクーリング等によって可能な程度に均質に分布されてい た場合、結果としてのPB比は、場合によって1.0に向かって増加し、表面酸 化物のより高い非透過性を提供し、合金純度が同一の結果に到達するための条件 を緩和することになろう。本発明において応用されたH22溶液は、対応する水 酸化物の形成を排除し得ない場合(水を吸収する可能性のあるCl-イオンの存在 )のMgO酸化物改良の効果を弁別するための優れたテストベッドを提供した。 n−導電性、たわみ結合、非品質酸化物 Pilling−Bedworth率は、(非平衡)Mg合金の不動態化のため に引き出すべき唯一の微視的=局部的基準ではない。平衡Mg合金に対してそれ がもつ意義は、MgO(表面)結晶のNaClタイプの非導電性に由来するもの である。MgO(表面)結晶は理想的には非導電性であるものの、金属Mgバル クは理想的にも、MgO表面酸化物薄膜の厚さの減少に伴う電界勾配の増加とい う結果をもたらす自由電子導電を提供する。1近く及び/又はそれ以上のPB率 を伴うトポロジー的に均質な表面酸化物が金属内部を保護することを条件として (即ち、例えば水滴に起因して外側に、及び/又はFe混在の様な不活性な2相 に起因して内側に、局部元素が無い状態で)、MgO表面結晶格子内のMg原子 の、原子価>2の合金元素による置換(これは結晶構造の化学量論的NaClタ イプが原因で可能である)は、酸化物表面での過剰元素の電子濃度の増加によっ てこの勾配を低減させ、そこのO--イオンを忌避し、こうして対応する表面への Mg原子の拡散(のための駆動力)を削減するものと思われる(図84参照)。 n−導電を誘発する能力は、(これらの酸化物中において)酸素が(通常は)2 価であることから、対応する酸化物の分子あたりの酸素原子(g*atom)に 比較して小さいRE、TM及びメタロイド原子の、例えばa<bとしたTMab によって示されている(表4)。MgOベースの表面薄膜内へのn−電子の導入 による腐食耐性の増加には、PB率が1に近い又はそれを超えるトポロジー的に 密な酸化物が必要である一方、上昇するe-濃度に起因する電界勾配の削減の方 は、これと反対に当該酸化物のトポロジー的な緊密さについてひいてはPB比と 最適値の関係についての必要条件を緩和する。 両方の要因共に、全て正の原子価(即ち、比較的広い酸化状態のつまりMgベー スの表面酸化物に対する比較的広範な電子の供与、表3及び4参照)を提供する 、早期遷移、早期(=軽量)希土類金属(特にCe、表3参照)及びメタロイド の(組み合わせた)使用によって提供され、希土類元素は高い蒸発率を与えると いう長所を備え、遷移金属(、Ce)及びメタロイドはMgOから水酸化物への( 局部)変態を抑制して(上述参照)特により攻撃的な媒質内でのMgの腐食性を 強化するという補足的な長所を持ち、(液体相互不溶性のためにMgと直ちには 合金化できない)早期遷移金属は、数多くの酸化物を提供し高い電子結合柔軟性 及び/又はMgO格子内のMgを置換する高い可能性を示すという特別な利点を もつ。例えば、Khan及び協力者らは、Y、Hf、及び少量のSiの混合物が 、腐食性攻撃に対する高い保護性を与え、ここで少量のSiが主要な改良に貢献 していたことを発見した。パラメータの階層から、Mg合金の腐食耐性を改良す るという希土類金属の効果が、当該合金のケースにおいて保護のための表面の全 体的なδΔG収支がより負の方向に進む(より不利になる)のに対して、共に排 他 的(純度及びその他のものの場合のように、表3から5参照)ではなくむしろ相 補的パラメータであるPB比及び/又はMgO表面酸化物中で増加した電子濃度 を含む微視的パラメータに端を発していることは明らかである。こうして、マグ ネシウムの不動態化に貢献するパラメータの階層は、PVD方法及び/又は機械 的合金を用いて、遷移及び希土類金属と同様にメタロイドの組合せをマグネシウ ムと共に合金化させるべきことを示唆している。遷移金属、希土類金属及び/又 はメタロイドのいずれが結果として得られる合金の組成を支配するかの選択にと って、利用可能な生産設備の生産性が極めて重要である一方で、応用分野(屋内 又は屋外)が個々の合金元素のより具体的なレベル全体を決定する。しかしなが ら、航空機分野が、従来通り処理されたアルミニウム合金の代わりに高性能Mg 合金を使用することによって直ちに得られる最も大きな省燃料の潜在性を提供し ている(図100から104)。 合金化学は、合金の前面の電解質内では可能であるような可動陰イオン及び/又 は陽イオンを合金内部では与えない。合金内部における(即ち、ミクロ組織の陰 極と陽極の間の)同等の易動度は、電子によってのみ与えられる。しかしながら 、Ni及びFeといった不純物は、容易にH+イオンを放出することを理由とし て(「たとえ」Mgよりも不活性であるにせよ)突発的には作用せず、MgO表 面酸化物によってFe凝塊が電子低圧力(電子の雲)を発生させて、こうして電 子吸引は正のMg++原子を異なるサイトで表面に向かって駆動することから、こ れらは突発的に作用する。これは一定のサイズ以上で初めて可能になることであ る(前出、Jones及びCotton参照)。この逆は、より不活性度の低い 元素(Ca、Sr、Ba)及び、結果として得られる析出物(Mg2Ca)の場 合であり、本発明中で示されたものとは逆に、不規則原子長スケール上における 均質な分布を伴うcph−Mgマトリックスの過飽和後の一部の熱処理されたM g−Caベースのスプラットの腐食性攻撃に対する改良された耐性によってミク ロガルバーニ保護を与えている。(非平衡)Mg−合金マトリクスより低い不活 性度の腐食及び/又は電子電位を伴う表面析出物は、Mgベースのバルクに電子 を与え、表面酸化物上への自由電子圧力を増加させる。ここでも再び、これは或 る一定サイズ以上で初めて可能になることである。Newmann及び協力者ら は 既に、或る与えられた全体的電流密度について、非導電マトリクス内の導電粒子 上の電流密度の分布が、以下の通り幾何学的な要素にのみ左右されることを示し た[144]: I=Ioverall/[2π(1−r2/a20.5] ここで、r=粒子の半径、a=粒子の中心に対する粒子上の位置、を表す。従っ て、Al2Caタイプの表面析出物によるミクロ陰極保護は、このような析出物 が一旦形成された時点で最も効果的であり、表面析出物のサイズの増加に伴って 効果は減少する(前記発明参照)。 MgOベースの表面酸化物のn−導電の増強に伴い、原子長スケール上での分布 を含む(製錬された)鉄(及びNi等)不純物の効果は変化し、その結果は主と してMgOベースの表面酸化物が、競合するMg(OH)2−誘導体に比べより 安定しているか否かに左右され、全ては、偏析はないが合金化されたミクロ構造 、全体的な合金化学及び環境に依存している。従って、微細スケールでのミクロ 陰極保護は、表面酸化物(複数)を安定化させるために有効な補足物を提供する 不純物の効果全体を無効にしてしまう可能性がある。(前記の意味合いにおける )「ミクロガルバーニ的に」不活性度の低い(表面)析出物は、当該酸化物が、 それらのグループに帰属するTi、Ce、Al及びその他(早期遷移及び/又は 希土類)金属といった元素の介在のためにn−導電を提供するケースを含め、そ うでなければO--イオンが待ちかまえている表面に拡散しようとすのMg原子が 傾向を低下させるために理想的な補足物を提供する。しかしながら、ミクロ陰極 表面析出によるn−導電への貢献効率は、Fe(介在物)の含有量及びサイズを 含め、MgO酸化物を改良するよりもむしろH+イオンを放出しやすいFeとい った無計画に添加された合金元素の効果をいかに自由に修正できるかに左右され る。この効率は、(許容範囲が原子長スケール上での結合開裂を伴う合金合成に よって莫大に増加する)関連する基準の階層の他の要素がそれをどれ程可能にさ せるかに応じて増加する。合金に関する中間的要約 マグネシウム合金の表面不動態化に関する上位の拡張固溶体の重要性から、以下 のより複雑なMg合金のグループを請求することができる: 1.熱機械的処理の選択された条件を介して、比例定数ky、及び修正差Δσoを 含むHall−Petchの関係式を改良することを目的とする(部分)析出の ための合金添加物を加えたMg−RE、即ち: 1.1 Mg−RE−Al 1.2 及びMg−RE−アルカリ土類(Ca、Sr、Ba) 1.3 Mg−RE−Zn 1.4 Mg−RE−メタロイド(Si、Ge、B、Sbなど) 1.5 Mg−RE−Al−アルカリ土類(Ca、Sr、Ba) ここで、Al=2から3*AE及びAE<<RE 1.6 Mg−RE−Al−メタロイド 1.7 Mg−RE−Al−遷移金属(TM、例えばZr、Mn) ここで、Al=2から4*TM及びTM<<RE 1.8 1.1から1.7と同様であるが、個々のREの代わりに規定の ミッシュメタルを使用する。 2.1.1から1.8に従った、Mg−REに対する補足的添加物を伴う及び伴 わない商業合金組成物。 3.1.と同様であるが以下のものを用いたMg−RE: 3.1 Mg−RE−TM、ここでRE>TM 3.2 1.7と同様であるが、単数又は複数の個々のTMを用いたMg− RE−Al−TM 3.3 Mg−RE−Al−TM−メタロイド、ここでAl>TM>メタロ イド、TMは単数又は複数の個々のTMを表す 3.4 3.1から3.3と同様であるが、個々のREの代わりに規定のミ ッシュメタルを使用する。 4.3.1から3.4と同様であるが、基本的にcph−Mgの固溶体内により 上位の添加物を維持する。 5.遷移金属が拡張固溶体中に保持された状態の以下のMg−TMベースの合金 : 5.1Mg-TM-RE 5.2Mg-TM-Al 5.3Mg-TM-TM 5.4Mg-TM-TM-RE 5.5Mg-TM-TM-Al 5.3Mg-TM-Al-メタロイド 5.4Mg-TM-Al-AE 5.5Mg-TM-Al-RE,その場合Al>REとTM>>Al 6.メタロイドが拡張固溶体中に維持された状態の以下のMg−メタロイドベー スの合金。機械的合金化から、ボロンが非晶質Fe75Zr25の結晶温度を450 ℃から550℃に上昇させることが知られている。当然のことながら、Mgベー スのne−相中のメタロイドが、熱安定性の非常に高い変態温度、即ち対応する 合金を作り上げる基礎を提供することは明白である。Mg−メタロイドベースの ne合金に対するより上位の添加物の選択には、Mg−10Ti−5B合金の機 械的合金化より得られた結果を利用することが可能である(下記参照): 6.1Mg-met 6.2Mg-met-TM 6.3Mg-met-RE 6.4Mg-met-TM-TM 6.5Mg-met-TM-RE 6.6Mg-met-TM-Al 6.7Mg-met-TM-TM-RE 6.8Mg-met-TM-RE-Al 上述の所見から誘導されたより具体的な組成は、請求の範囲第5項、6項及び 9項に示されている。 連続生産技術の確認 主題 RSPはマグネシウム中の有用な要素は、従来の手段をもってしては得られない 微小構造によって一層効果的なものに変化する。RSP共通の意義は、今日まで の進んだ凝固法によって達成された全ての改良の基礎を成す微小構造の等質性の 増大である。ところが、加工(処理)法は未だ、マグネシウムおよびその合金の 不働態化の必要に関して共に過小評価および/または無視されているマイクロセ グリゲーションとポロジティーの不在を含め原子長スケールでこの等質性を制御 できるような状態ではなかった。下記によって原子長スケールにおける微小構造 の制御が可能になる: 1.液相・固相界面を横断する大きな温度勾配によって維持される周縁安定性( [14]と比較) 2.液相・固相界面における毛管作用効果と結び付く非常に速い前面速度(RS P)によって維持される絶対安定性([13]と比較) 3.高い前面速度および粘度増大による相対的に低い液体拡散率の双方によって 達成される溶質捕集(trapping)([13]と比較) 4.合金蒸気の凝結。 本発明で使われた実験室規模の不連続法の場合、***(fragmentation)および 熱抽出に適用できる最も極端な条件が適用される限りにおいて、2.および3.につ いて、準安定相の連続生産、すなわち広範囲にマイクロセグリゲーション抑制能 力がないことに関して制限が見られた。主題1.が微小構造モデリング(モデル実 験)から見て、使用温度勾配が高く、関連の成長前面の速度が低いため、所要の 微小構造の生産には、明らかに不適当である。[14参照] マイクロセグリゲーションとポロジティーの不在を含め原子長スケールにおける 微小構造の等質性を制御するには、平衡状態からの著しい離脱の再現を制御する ために、適用される非平衡プロセスの全体を相当に制御する必要がある。探求し ようとする二つの主要軸は、(i)最も効果的な熱抽出、(ii)可能な限り最高度の ***および(iii)両方向における改良をつなぐ方法によって表現される。液体か らの急速凝固については、明快におよび/または厳密に予測できるものではない が、使える***度を求めて熱抽出を増大させる可能性を探求することを第一にし なければならない。他方、気相からの急速凝固は既に究極の***度を体現してお り、熱抽出能力は蒸気テクノロジーの制御にとり二義的な問題となる。蒸気析出 (vapour deposition)には凝固キネティクスによって生じる束縛状態が無いた めに利用できる生産性の程度と該当の加工処理法の質によって直ちに影響される ことになる。蒸気析出(沈積)と機械的合金化の両方を、採用されるおよび/ま たは要求される合金の質および/または生産性ならびに適用される加工処理原則 およびそれらの原則の操作の仕方に応じて準連続的あるいは連続的に使うことが できる。 液体処理の極値 霧化 従来のインゴット冶金および鋳造法のみならず、パウダー製造のための(不働) 気体霧化法のほとんど全部がMg-(light)REメタルベース合金に必要な非平衡微小 構造の製造には不向きである。ヘーマン[32]に拠れば、過飽和冷却ゾーンから 縦断面厚みが150μmの内の30(μm)の箇所における樹枝晶状の成長に至るま での鮮明な微小構造の転移を観察した結果、少なくとも150Kで初期に過冷を生じ させて、軽い希土類元素La、Ce、PrおよびNdの30%の再輝無分割 成長と合成過飽和を実現する必要がある(単位:cph-Mg)。 一方レヴィらに拠れば[146]、150K以上での初期過冷発生は電気水力学的(EHD )霧化法によって利用できる。EHD霧化は、レーザー光線で溶けたワイヤタイ プの供給原料を使うことによって連続して実行される。EHD霧化パウダーの粒 子サイズ分布は数nmから100μmに及ぶ。使用可能最小粒子サイズの上限は約 5μmである[147]。無分割凝固によって100%体積部分(fraction:留分)過 飽和微小構造を実現するために200nmまでの***度が必要であるのでAl-Fe合金小 点滴法を順守した。粒子サイズ分布の最大頻度は約1ミクロンであった。すなわ ち、この方法は、Al-Feベースパウダーで熔離のない全微小構造を得るには、極 度のEHD処理条件でも不十分であることを明示しているAl-Feベースの(本発 明に使われているPA平板(splats)に関する限り)約20%の無分割成長の約20% の全体積分の余裕を見ることができるだろう。 Al合金に関しては([146])、先ず、液体急冷(liquid-quenched)Mgベース薄 箔、リボンおよびパウダーの冷却側における熔離と樹枝晶の容積粒分(volumefr action)が先ず平衡状態における固溶性(solid solubility)の増大および分割 係数k0(T)の増大に伴って減少する([12-24,32,36]と比較)。ところがMg-Nd およびMg-Smのような合金系(あるいはNdベースMMのような対応混合金属)は、全 パウダーの約100%容積分留の無分割成長に適する候補と考えられる。その場合 、分割係数k0(T)がAl-Fe系の場合よりも約1桁大きいのである。 融解紡糸および平面フローキャスティング 融解紡糸(MS)と平面フローキャスティング(PFC)は液体急冷法の内の冷却ブ ロックタイプの連続生産法である。その特徴は、ガス霧化法と比較して熱抽出が 効果的であり、そのために霧化パウダーを浮遊状態で(in flight)凝固させる ことによって得られるものよりも無分割成長断面が広がるか、あるいは準安定単 相凝固構造の成長基準よりも大きくなる(発明の明細書と比較)。 ところが、作業熱伝導係数hは、極急速冷却(splat cooling)技術によってM S 技術の場合以上の大きなh値が提供されることを示した[148]。従って、MS 技術およびPFC技術のためにhを最大化する方法を確認し、最大成長基準を必 要な準安定単相凝固構造の成長基準の範囲に限定する仕方で液体の流れが束縛さ れるのは避けられない。フリージェットMSでは、ノズルと回転ホイールの間の メルトパドルにこの様な束縛が生じなく([149]、p.274と比較)、リボンの厚み は採用したホイールの表面速度によって指示される大きな範囲になる。束縛メル トパドルおよび合成(結果として得られる)リボン寸法(厚みと幅)の制御改良 を含みPFCによって一層進んだ急速凝固の条件が得られる。[150]PFC(平 面フローキャスティング)は、回転冷却ホイールに極めて接近しキャスティング ノズルとして使われる矩形スロットオリフィスを使い実行される。シュラウドに よって、不働気体を使い回転冷却ブロック上の融解プールの形状を安定させるこ とができる[150]。同時にスクレーパーをメルトパドルの背後で使い、液体と ホイールの間の気体被膜を軽減して接触と熱伝導を改善することができる。更に 、メルトパドルi{は平面オリフィスとチル鋳型(chill)の間のギャップに限 定され、合成(得られる)フリージェットキャスティングあるいは融解紡糸によ って可能なリボンの厚みより薄く、幅は大きくなる。 本発明に拠れば、チルブロック急冷法が求める(軽)RE金属−単位:cph-Mg− の拡大固溶体の準安定成長基準は約20μmである(上記参照)。従って、通常こ の加工処理群に適用され、約20μmの準安定成長基準が使える条件に関して、メ ルトパドルのサイズに関わる熱抽出および束縛(constraints)の改良に必要な 加工処理条件を確認する必要がある。ロークリンらが[151]、ともかく予測冷 却率105K/sを採用することによって、過飽和cph-Mgベースの固溶体を呈さず融 解紡糸Mg-Laリボンの全断面を移動(横断)する樹枝状の成長を報告しているか ら参照。 幅2mm、厚み20μmのMgREリボンは、ヘリウム中で製造された。ホイール表面速 度は4-5000rpm*πdである。その場合d=チル鋳型(chill)による熱抽出を最 大にするために表面仕上げ1μmにしたCuホイールの直径30cm。この 条件は約106K/sの冷却率達成を考えたものである[152,153]。近PFC条件 をシミュレートするために、ノズル孔口(オリフィス)と回転ホイール表面との 間の間隔を2〜2.5mmに制限した。円柱状微小構造が得られるリボンのほとんど全 断面を横断することが判明した。これは、本発明に拠る蒸気析出に関して凝固前 部がリボン断面を横断する場合、正温度勾配が維持されたことを示す(図85と図 48(上)比較対照)。すなわち、幾つかの二次相(second phase)が円柱状のグ レインの輪郭を描くことが認められているにもかかわらず、再輝が微小構造の形 成を制御しなかったのである。従って、過飽和cph-Mg-REリボンの変換作用のDSC 分析が、例えば明白に(著しく)熔離された樹枝晶状ゾーンから生じ、PAスプラ ッツ(splats)の主な割合を形成する吸熱分解効果に干渉されなかった(上記参 照)。 希土類元素のレベルが高い(すなわち>10重量%)リボンは発熱ピークが相対的 に高く、採用される加熱率によって左右され、約400℃であった。図86は、加熱 率40K/minを採用し、パーキン・エルマーのDSC2を用いることによって、422℃で 紡糸状(as-spun)Mg-17Ce合金の発熱ピーク効果である(このケースでは、発熱 効果が下向きに表示される点に注意)。この発熱効果の変換エンタルピーは400J /moleになる。Mg-Y系におけるこの規模の対応効果では、cph-Mgによるイトリウ ムの過飽和固溶体の平衡相cph-MgおよびMg25Y4への変換が示される[35]。急速 凝固(固化)したMg-Y合金では、150℃から280℃で相対的に大きな発熱効果が観 察され、それらが硬化中間相β"の変換およびβ´の変換を示すことが確認され た([36]と比較)。 ところがMg(軽)RE合金の融紡リボンは、上記の条件下で製造された場合に は、この様な低温効果を示さなかった。紡糸状Mg−17重量%Ceリボンの場合 、むしろ平坦な発熱スペクトルを示し、蒸気析出Mg-RE合金では(上記参照)こ の温度範囲では変換行動が低いことが認められた(図86)。円柱状微小構造のVD Mg-REに関して、cph-MgによるRE(Ce)の過飽和固溶体の変換の主なものは>400℃ の温度で生じた。融紡リボンの円柱状微小構造の場合、290℃およびそれ 以下における大きな発熱効果の欠除は、cph-Mg連続リボンにおける(軽)REの 拡大固溶体の、この温度およびこれ以下の温度で、干渉中間および/または平衡 相の(以後の)形成を伴なわず、最終生成物への変換の可能性を示す。 ところが採用すべき合金の組成は単純なものが良くそして/またはそれに関わる 分割係数は単一(すなわち=1)に近いものが望ましい。自然老化プロセスに対 して合金の磁化率を増大させる微小溶離(マイクロセグリゲーション)の過剰形 成を防止するためである。 レーザー光線表面融解 最近の微小構造モデル実験から([13,14,32-35]と比較)、液体の加工処理範囲 内で利用できる***は、極端な熱伝導条件下ですら、必要な準安定単相cph− Mgベース固溶体の実質容積あるいは容積(構成)部分(volume fractions)の 成長には不向きであることが明らかになっている。必要な材料は、再輝によって 生じる制限のために薄い層の形状のものの代わりに使えるものだけである。他方 、特に作業分割係数が小さいか(共融相図表の場合、すなわち<<1)、あるいは 非常に大きい場合(包晶の場合、すなわち>>1)、容積が細かく区分された冷却 (chill-off)側に樹枝晶状構造が認められる。 陽極分極に対する強い反応が、純粋マグネシウム上でレーザークラッディングに よって発生したcph-Mgによる2.7重量%Zrの固溶体について報告されている。 ここでは、例えばビーム除去速度6.35mm/secの採用によって、合金AZ91Bと比較 して腐蝕抵抗が向上している[154]。レーザーあるいは電子表面ビーム融解ある いは移動(横断)の長所は、凝固前面速度が直接つながるため、除去速度によっ て制御されることである({23]を参照)。融成に由来するその他の全てのRSP 法に対して、レーザーによる表面処理の場合、核形成バリヤーが不要であるため 、固体下層上で(再)融解層のエピタキシャル成長が生じることになる。系統的 実験作業によって微小構造選択図表が得られた([41,42]と比較)。この図表は 、 無溶離固体(および固体表面)の形成に必要な速度は、Al-Cu,Al-MnおよびAl-Feの ような共融二元合金のための分割係数の減少および数mm/secから2m/secまであ るいはそれ以上になると共に増大する。レーザー技術を使う場合のように、核形 成バリヤーを使わず処理することによってストロンチウムの拡大固溶体(cph-Mg )の形成のための2.5〜3.2m/sの予想速度と実際速度との間でも優れた一致が報告 されている[12,14]。 機械的特性も、準共融および/または帯状(banded)([155〜157]と比較)微小 構造によって改善できる。この様な微小構造は、十分に高いレベルの(複合)合 金化あるいはレーザーあるいは電子ビームの除去(加工:withdrawal)速度を多 少下げると生じる。カリムリンらは[95-97]、きれいな準共融表面構造を得るべ く(i)クリープおよび(ii)腐蝕に対する(3%NaCl溶液で1桁)抵抗を向上させる ためのMg-8Li-5Al-4Cd-1Zn-0.4Mn合金[重量%](ソ連における名称はMA21)の レーザー表面処理について報告している。レーザー処理二元Mg-8Li合金の微小硬 度が、対応する下層を介して40%、純粋のAlで前もってクラッディングされてい る場合、600%以上増大することが判明した[158]。 本発明による準安定微小構造の薄い表面被膜による機械的特性と腐蝕特性向上の 調査に利用できる合金は、商用合金AE41,AE42,QE22,EQ21,ZE41,EZ33,EZ32 ,WE43,WE54、更にAM,ASおよびAZタイプのMgベース工業用合金のレーザーあ るいは電子ビーム表面再熔融あるいは横断(トラバース)を含む。Al([11,159] と比較)およびMn(図87参照)は、ある一定の微小構造限度内で表面不働態を 向上することが認められた。特にRE金属を含むMgベースの工業用合金の表面 は、レーザー処理を受けたMg-Liベース合金と比較して、自然の老化に影響され ることが少なく、むしろ免疫性があるといえる([50,64]と比較)。これらは、 例えば三元VD MgAlW合金およびCr鋼に関する活性−不働化転移(遷移)を形成す る可能性を持つ合金化元素を一個以上必要な拡大固溶体の第一候補でもある(p. 38/39と比較)。 蒸気析出 本発明により、MgO表面酸化物被膜の不働化を含むMg合金マトリックスの腐 蝕抵抗の実質的改良を実現するための決定要因である。ところが、最も強力な( attractive)合金化元素の効果が、未だ液状マグネシウムにおけるそれら元素の 不混和性および不都合な凝固キネティクスのために隠されていた。両方の問題は 、(i)再輝を伴わないで処理する必要と(ii)必要な制御と生産性を提供する固体 合成法を含むプロセスが地上には存在しないジレンマを介して相互に関連してい る。すなわち、両問題は、世界が待っている優れた軽合金を手に入れるための戦 略上のジレンマに直面しているのである。その限りにおいて、本発明では、マグ ネシウムと軽希土類および/または早期遷移金属および/またはメタロイド(半 金属)との合成を分割係数k0を含む凝固キネティクスから切り離す生産的方法 が、軽合金の腐蝕抵抗と超強度、延性とじん性に関する解決策になることは明ら かである。その場合、合金組成は単一性とはほど遠い(すなわちk0(eut.)<<1<< k0(per.)分割係数による制約がないことによって一層複雑になる可能性がある から、合金の自然の老化プロセスからの影響の受け易さを増大し[39]、特に不働 態を損なうそして/またはマグネシウム合金の許容性を損なう過剰な微小溶離の 形成を避けなければならない。 Mg合金に関する四種類の歴史的な開発哲学を一個の合金を合成する作業に統合 するものが蒸気析出である: 1.超等質性(UH)すなわち、単原子金属ガス(あるいは金属ガスの原子のカ スケード)の凝縮(縮合)のための原子長スケール上の等質性と組み合わせの最 高急冷率(1010K/s)。これには、無限小熱変換(=昇華あるいは凝縮)を含 む。液体から急冷されたRSP工業用合金は対応する冷却ゾーンでは20%UHの 粒分容積以上のものは認められない。100%UHタイプの微小構造は、PVD合 金のオリジナル超=特注の特徴プロフィルである。これがなければしっかりした 鍛練Mg市場を作ることができないのである。 2.Beおよび硼素のようなLiと同等の超軽(ultra-light)表面酸化物調節剤 を含む新しい合金化の可能性が開ける(>10100)。Ag、希土類およびイト リウムのような高価な合金成分の無駄な使い方−Mgに競争力をつけるために採 られた在来のインゴット冶金によるファイナルアプローチであった−に代えて、 これらの元素および、強力な化合物抑制平衡可溶性の形成のために固相で(上記 参照)、またBe,B,Ti,V,Crなどの20点以上の重要な元素によって大 きな不混和性ギャップの形成のために液体合金相で、可溶性を制限されたものを 含むその他の全ての元素を効果的に利用できる。 3.採用される元素の蒸気分圧に対するプロセスの適応性のための超純度(およ び無償補足対在来の高純度テクノロジーを表現するもの)。これによってトータ ルリサイクリングが可能になり、同時に不働化表面被膜を破壊する恐れがあるF eおよびNiのような破壊的な作用を及ぼす不純度を避ける。 4.2.〜4.項は面倒で高額の費用が掛かる表面保護計画は(危険で扱い難い廃棄 物を発生する嫌いがある)無用になり、該当する実際のガルバーニ電位の相違か ら判るよりも効果的にマクロガルバーニ腐蝕(macrogalvanic corrosion)が減 少する。 それ故、蒸気析出はPFCのような冷却ブロック急冷法より優れている。生産性 が高い、すなわち合金組成を制御して生産するための経済的に実行可能なVD法 は未だ開発されていないが、これは在来のタイプ、すなわち評価が確立されてい るEタイプのMg合金シリーズのために直ぐ採用できるものである。その場合、 RE金属(希土類金属)の使用は融成物および/または固体から沈殿によって分 離されたT安定相を介して高温特性向上に集中される。ところがこれらの合金が VDによって製造された場合、固体単独の状態および未完成の条件下でも効果的 な沈殿状態が得られ、低温における核トリガリングの微小構造変換が無く、拡大 固溶体による十分な不働化が同時に維持されるために安定度が向上している(上 記と比較)。 現在、新しい合金組成がVD開発の主な対象になっている。その代わり、結果と して得られる(合成)中実予備形成物の生産性、収量および質を含む基礎的問題 は十分に取り扱われていない。マグネシウムについて、ブレイらが[16,17]、高 融点成分のための加熱源として電子銃を使用する熱蒸発を報告している。この方 法は、1.蒸発表面と冷却された基質および/または析出(沈積)物(deposit) の間における蒸気曲線(vapour trajectories)の沈積(deposition)の推進力 を提供する相対的に生産力が低い温度勾配によって推進される非制御蒸発法であ り、2.ではパンケーキ状の析出(沈積)物となり、3.蒸発蒸気全体と比較すると 析出(沈積)粒分の収量が相対的に低くなる。 マグネシウムは基礎金属としても、(軽)RE金属としても蒸気圧力が相対的に 低く、下記と関連して相対的に費用が掛からない抵抗および誘導加熱源を採用す る蒸気析出(沈積)法によって経済的に存立できる生成物を得るための強い合金 化学特性(chemistry)が得られる: 1.蒸気流量が高く、蒸発および析出(沈積)特性が制御され、生産性が高い。 機械的に働くるつぼ(cruicible)と機械的に作用する基質(substrate)によっ て別々にチャージするために連続する蒸気の通過が得られる、 2.蒸気収量が高い、 3.得られる(resultant:合成)析出(沈積)物の形と大きさ(geometry)が コントロールされる。 従って、急速凝固マグネシウム合金EA55RSを含め、Mg-Al合金におけるAlとZnを 不働態マグネシウム工業用合金と取り替え、目下の状況に取って代わるものであ る。新しい蒸気析出(沈積)プロセス/開発の第2部 今日まで、蒸気析出(沈積)経由のように蒸気相から経済的に存立できる材料を 生産するために蒸発プロセスが開発されたことはなかった。これは(当然である が)(大量の)蒸気の流れを、その物理的状態、すなわち濃度、温度および圧力 を含めて制御する。ここで請求の対象となるのは連続蒸気析出(沈積)プロセス である。その場合、蒸発源から析出(沈積)部分(deposit(s))に至る重力によ る独立した大量搬送(mass transport)のための推進力は外部ポンプシステムで 供給し、実際の全処理量Qvは、所定のポンピング速度Sについて、少なくとも一 つの加熱式、加熱可能および/または過熱式(蒸気温度を考慮)界面(メンブラ ン)によって制御される。この界面は次のように分類される(図88を参照): a) それぞれ少なくとも一つの個別蒸発源を含む隣接する二つの蒸発チェンバー nおよび(n+1)、あるいは b) 少なくとも一つの個別蒸発源を伴う蒸発チェンバーおよび個別蒸発源を含ま ぬか、少なくとも一つの個別蒸発源を含む混合チェンバー(n+1)あるいは c) a)あるいはb)に記載の蒸発チェンバー、ただし蒸気の析出(沈積)の設備を 備えるチェンバーが続き、蒸気の流れライン方向を追う(蒸気径路(trajectori es))。 (これによって)局部的な推進力が蒸気圧力によって制御されるが、方法(solu tions)a)〜c)では全て、次のような特徴を備える界面(膜)を採用する: a) 少なくとも一つの不連続圧力勾配のプロフィルを発生させる界面 (BΣN i=1(dPi/dXi))、その場合、N=n,n+1,n+2,n+3,...n+k、必要な最終全体組 成の蒸気析出(沈積)合金の合金化および/または非合金化(すなわち、特に純 粋な元素状態の)蒸気の蒸気析出(沈積)のために用意された少なくとも一つの 蒸発源および/または少なくとも一つの基質(サブストレート)の間で。他方、 界面の構造は、液体の浸透のために1)実際に、あるいは化学成分の分離に適用さ れるテクノロジーで使用されている隔膜−ただし、ここでは蒸気の組成を実際に 変更する必要がない、そして/または蒸気の組成を実際に変更しない−および金 属ガスあるいは蒸気の合成に使われる隔膜の機能を引き受けるようになっており、下記では界面は隔膜と呼ばれている、 1) 類推するために、ここでは(他に指示がない場合)用語「浸透」を新しい種 類の膜を介する物質の制御分離について使う。分離は強制対流で推進される:--- >定義:ここで浸透は、膜を通る蒸気および/またはガスに取り込まれている (involved:含まれている)成分を選別しないで蒸気部分(vapour mass)およ び/またはガス状物質の制御量の選別および/または伝達を意味する。古典的な 浸透が、溶液(solution)の高さによって決まる圧力に対して化学的圧力を構成 する半透隔膜を介して分けられる化学的に異なる溶液(solution)によって誘発 されるのに対して、新しいプロセスは、温度上昇を加速させるのに十分な隣接蒸 気チェンバーの間の過小圧力から生じる強制対流に基づいている。 b) その場合、隔膜は隣接する二つのチェンバーを分ける界面を横断する圧力勾 配(dp°/dx)を活発に提供し、そして/または制御する。この圧力勾配は、隣 接蒸発および/または析出(沈積)チェンバー内部の圧力勾配より急勾配である (数量的に大きい)ため、先行の(蒸気の流れ、ラインあるいは径路(trajecto ries)の方向を意味する)チェンバーの蒸気(過)圧力および/または次に続く チェンバーの蒸気過小圧力(underpressure)のいずれかが(Mgの場合のよう に分離された(isolated)ケースで)比推進力として作用する。すなわち、下記 によって、蒸発および析出(沈積)チェンバーを凝縮を伴わず分ける隔膜の界面 を横断する温度(勾配)の減少および/または増大効果を、凝縮を誘発させない で加速する(overrun)ことができる「浸透」圧である: 主なアイデアは、隣接チェンバーnおよび(n+1)、すなわち以下で添字“1 ”および“2”で示した少なくとも1組のチェンバー、他に指示がない場合は温 度T1およびT2の少なくとも1組を、両チェンバーを分ける界面を横断する制御 されている急勾配の圧力勾配が必要な明確な温度勾配を使って分けることである 。その場合、温度勾配は負、すなわち、温度が蒸気の流れに伴って増大するため 、T1<T2になるか、正、すなわち、蒸気の流れに伴って温度が減少し、そのた めにT1>T2になる、その間、圧力勾配は常に正、すなわちP1>P2になる。そ の場合、システム全体が該当の蒸発・析出(沈積)システムの外部にあるポンプ シ ステムで駆動されていることが条件である。すなわち、ここで与えられる全体の 圧力勾配は制御プロセス変数n°1である。 このプロセス全体は次のボイル・マリオットの法則に従う: (p1V1)/T1=(p2V2)/T2(1) この式は、本発明に従い次のように書き換えられる: (pnVn)/Tn=(pn+1Vn+1)/Tn+1(2) (パイロット)プロセスの規模が限定されるため、最初はV1 V2と仮定する。 従って、プロセス制御は次式に従う: p1/T1=p2/T2(3) この式は、本発明に従い次のように書き換えられる: pn/Tn=pn+1/Tn+1(4) 隔膜全体の設計の一部を形成し、熱勾配の効果を無効にする(override)界面( 膜)のオリフィスにおけるガス流を制御するより一般的な推進力は、チェンバー 1(あるいはn)およびチェンバー2(あるいはn+1)の間の静圧差、すなわ ち、ΔP(ΔT)=k(P1-P2)、あるいはΔPn(ΔTn)=k(ΔTn)(P n-Pn+1)である。これは、外部ポンプシステムが提供するポンピング速度に左 右される降下(過小圧力)の相互作用で制御され、析出(沈積)ゾーンの析出( 沈積)レベルおよび/または適切な分離壁の背後(この次のPCT出願を参照) 、すなわち該当の蒸気がポンプシステムを透過できない場所に主取込部を設ける 。(正あるいは負のT(温度)勾配の問題に関する)隣接チェンバー間のより特 殊な推 進力は、対応する圧力・温度比の差によって指示される: ΔF(ΔPn,ΔTo n)=k(ΔPn,ΔTo n)(Pn/Tn-Pn+1/Tn+1)(5) その場合、Tn+1は、高融点成分の蒸発温度に対応し、(実際には)polytrope( 複転回、複親和性?)(あるいは理想ケースでは、断熱(adiabatic))ガス変 換を生じさせるガス/蒸気の状態の変化あるいは次の状態の変化となる: Tn vPn 1-v=Tn+1 vPn+1 1-v(6) この場合、νは、次式によるガスあるいは蒸気の状態のpolytrope変化の係数で ある: κ>v>1 κ=状態の断熱変化の係数([160],p.145/6と比較)。その結果、一方では隣接 真空チェンバー間の肉眼的(巨視的)な過小圧力(underpressure)が原因の吸 引効果と他方では隔膜と蒸気(ガス)の流れとの間に生じる局部的な力の相互作 用との間で動的な平衡が形成される。後者には、熱伝導および/または質量分離 および/または界面質量移動、摩擦および隔膜による熱力抽出における構造(構 成)の変化が含まれる。 この種の界面(インタフェース)を生じさせる試みが、特許出願・P 44 06 333 4[161]に拠る「流れに対する抵抗体」の導入であった。この「流れに対する抵抗 体は」、「フローチャネルのマトリックスとして」「形成される」(注:「…と して形成される」は「…よりなる」と同じではない)。「このチャネルは(すな わち、(蒸気の流れの方向で隣接チェンバーに対して蒸気をトンネルのように通 す)個々の流れチャネルが−マトリックスではなく−「蒸発ゾーンと少なくとも 一つの凝縮面との間で単調な圧力減少が生じるようにして」「蒸発煙突の断面の 主な部分(fraction)に配分される」。 特許の一般的な記述では、流れチャネルのマトリックスは「主に等間隔のチュー ブとジェット/ノズルの束より成り(!)、少なくとも流れの断面の大部分を占 める一種の『滞流』が生じ」(この断面の定義はされなかったが、流れに対する 抵抗体全体の突出面の面積に対応しているのは明らかである)、更に融点が高い 成分の逆拡散(back diffusion)を防止する役割を負っていた。請求範囲の第14 項から第18項では、「網あるいは格子」と定義されている。「等間隔の中空スペ ースを持つチューブ」で、「これらの中空スペースの「内」(!)径は大部分が2 0%で請求されており、チューブの長さLは主に10%であり、これらのチャネル は主にジェットノズルとして製造されている(ジェットノズルの形状寸法(geom etry)と同じものではない)。この特許の図および図面は、該当する流れに対す る抵抗体が、抵抗体あるいは個々の流れ抵抗体の組合せと言うよりはむしろ「中 空スペース」より成ることを示唆している([160,161]と比較)。中空スペース は、例えば「水門」(penstocks)のように見える([160]の図面および図89と比 較)。 ここで要約しておこう: 1.流れチャネルのマトリックスが形成するのは「流れの誘導」のみであり、「 流れに対する抵抗体」は対応する「流れチャネル」を囲む個々の要素あるいはネ ットワークで作られる(図34)。特許出願P 44 06 333 4によって得られる唯一 の抵抗は−図面に拠り−流れチャネルとして働くチューブLの長さに対応する流 れに対する抵抗体の厚みあるいは断面に由来する[160]。ところが、ここで示唆 されるのは、蒸気が湿気を含んでいるか、あるいは少なくとも半ば凝結して内部 摩擦を用意し、その結果(実際の)液体に層流を生じさせると考えられることで ある。これはまた特許出願の記述で引用されている「滞流」("Pfropfstroemung “)によっても示唆されるが、"Pfropfstroemung“は、P 44 06 333 4で請求され たもののために残されている唯一の解決策である にもかかわらず、プロセスの明白な部分として請求されていない。 2.あるのは流れに対する抵抗のみであり、流れチャネルのマトリックスのみが 定義されている場合−すなわち、比誘導−、蒸発源と器質/析出(沈積)物との 間の圧力減少は正に単調である。空気力学的流れおよび流体力学的流れの抵抗体 の場合、比誘導の重要性は二次的なものであり、空気力学的流れの抵抗体は理想 気体あるいは半ば凝結している気体の空気力学的流れを制御するには不十分であ る。 3.(ガスあるいは蒸気の)流れに対する抵抗体は、凝結が対応する界面のオリ フィスで生じない限り(ベンチュリ・ノズルとも比較、[161])あるいは蒸気速 度が音響速度によって制限されない限り(注:液体はP1(Pn)によって押され る)、二つの隣接するチェンバー1と2(あるいはnおよびn+1)の間の界面 を横断する所要の急勾配の制御圧力勾配を発生させない。他方で、ガスあるいは 蒸気がP2(Pn+1)によって誘引されるか、あるいは両方のケースでそれぞれP1 とP2から生じる勾配によって押されるか、誘引される(下記を参照)。 4.ジェットノズルは、ジェットノズルの流れチャネル(例えばバイパス)内部 の全体の圧力を活発に(active)増大させる装置である。ところが流れに対する 抵抗体の流れチャネル内部の圧力の増大は、「受動的な」仕方で発現される。こ れは蒸気あるいはガスの流れの推進力が外部から供給されるためである。連続蒸 気析出(沈積)プロセスの場合、この推進力は隣接するチェンバーの間の動的平 衡から(6)式で与えられ、外部ポンピングシステムによって維持されるpolytr ope(あるいは複親和性)作業機能(working function)を介して直接得られる (上記参照)。 個々の流れチャネルにおける圧力の局部的な変化、従って静圧の減少、Δpo,s および「流れに対する抵抗体」の個々の流れチャネル内部の流体力学圧力の増大 、 1/2Δ(ρυ)2 oを制御する推進力ΔF(あるいはΔP、上記を参照)は下記のご とく対応する流れチャネルの全体圧力の変化に比例している: Δpo overall(T)=Δpo,s(T)+1/2Δ(ρυ)2 o(7) ここで、T=const.についてΔpo overall、ρおよびυはそれぞれ元素あるいは 予備合金化された(prealloyed)蒸気あるいはガス(気体)の密度と速度である 。凝結を伴わない圧力の臨界全体変化Δpo,crit overallは隣接する作業チェン バーのT1および/またはT2に比例して「流れに対する抵抗体」を過熱すること によって増大できるが、これは蒸発(蒸気飽和)圧力が(非常に)異なる少なく とも二つの成分の原子長スケールで制御された微小構造の均質さを持つ合金析出 (沈積)物が得られるように設計された二つの蒸発チェンバーの間で界面(イン タフェース)としての「流れに対する抵抗体」の限界物理特性に影響しない。次 の(7)式により、 Δpo,s(T)=-1/2Δ(ρυ)2 o+k(T) (8) 下記のごとく「流れに対する抵抗体」の二つの限界物理特性が得られる: 1. ヴァン・デル・ワールスの方程式([160]、p.148と比較)が示すように凝結 は次の二つの限定副次事例になる: 1.1 ρGas-->ρLiquidのためにpo,s(T)<Pcrit(T)、ここでPcrit(T )は所定の等温T(p,V)の凝結の臨界圧力である。その場合、凝結が発生するのは 、例えば、ガスの層流がサイズが小さ過ぎるオリフィス中に凝結する場合、ある いは「流れに対する抵抗体」、すなわち界面(インタフェース)の背後で乱流が 発生する場合である(下記を参照)。 1.2 すなわちυ=0が原因のガス流が停止するとオリフィスと1.1項に拠る「流 れチャネル」が詰まり、その結果、プロセスが中断されることになる。 2. 1.1および1.2のケースが例えば「流れに対する抵抗体」の過熱で回避できる ならば、/Δpo,s(T)/が音響速度で限定される、すなわち 2.1 オリフィス内部の静圧を減少させるため 2.2 P2をポンピング速度Sの関数として「流れに対する抵抗体」を横断する圧 力勾配(dp度/dx)を介して操作するために使えるのはυ<υsoundのみで ある。 「流れに対する抵抗体」の限界物理特性から見て、P 44 06 333 4で請求されて いるプロセスの連続性を維持し、プロセスを全体として制御する可能性はかなり 疑わしいと考えられる。その理由は、 1.オリフィス中の(静)圧を減少させるには、特許出願P 44 06 333 4[161]に 記載の「流れに対する抵抗体」の定義、特に流れ抵抗、cF、(すなわち慎重に 形成した形状寸法(幾何学的)要素を囲む流れのための)ならびに抵抗体全体の 表面面積ARに対する流れチャネルの全てのオリフィスの表面積の比、すなわち ΣAoが必要であると考えられる。ところが、これらのパラメータは定義あるい は請求されていなかったためである。 2.オリフィス内部で(局部的な)減少、Δpo,s(T)が無かった場合ですら 、この減少は、一方の側で、プロセス全体のディメンジョンのx成分に沿う、す なわち蒸発源の間の圧力の全プロフィルに必要な不連続性を許容する隔膜の界面 (インタフェース)を横断する鋭角の勾配(dp°/dx)1)に対応する減少Δ P(ΔT)=k(P1-P21)、他方では基質と析出(沈積)物それぞれに保証を 与えない。界面(インタフェース)を横断するこの勾配(dp°/dx)だけが 、蒸発圧力が(非常に)異なる成分の蒸発に必要な制御を許容するのである。と ころが特許出願P 44 06 333 4[161]は、「流れに対する抵抗体」が「抵抗体のマ トリックス」の代わりに「オリフィスのマトリックス」を含むことを請求してい る。従って、蒸発源のおよび析出(沈積)物/基質の間で得られる(resultant :合成)圧力勾配は「不連続」の代わりに「単調」であるとして請求された。こ れらの可能性にはベンチュリタイプのジェット が含まれるが、その場合には再び、断面および/または出口の表面積の減少を採 取量(intake)および採取されなかったものに対応して定義する必要があるだろ う。 1) 解説:dP/dxは、任意点で界面(インタフェース)を横断する巨視的(肉眼的 )圧力勾配であり、ΔP(ΔT)=k(P1-P2)は、蒸気の流れに関して得られる(合成)推 進力であるが、作業に使える(operative)推進力ではない。(dp°/dx)は、界 面(インタフェース)の特性に関連して使える(operative)流れチャネルにお ける局部的な推進力と同等である。これには下記で請求する工学的解決策(solu tions)が含まれる。 従って、P 44 06 333 4[161]で請求されるプロセスは、(凝結を欠く場合)凝結 以外の本来の制御のための操作性に干渉しない音響速度によって制限されること になる。ところが、蒸発源と析出(沈積)レベルの間の凝結は、蒸気相から経済 的に存立できる(発展能力がある)生成物を得るための設計を請求しているプロ セス自体の基礎的要件に矛盾しているから、蒸気析出(沈積)テクノロジーの生 産性を調査しなければならない。 凝結あるいは音響速度あるいは両者によって制御されるプロセスは、P 44 06 33 3 4[161]の主請求範囲である「流れに対する抵抗体」で制御されない。ところが 、連続蒸気析出(沈積)プロセスの主対象は基質/析出(沈積)物以外の凝結を 避けることである。特に後者は気相から固相への変換である。すなわち液相の形 成は如何なるものでもプロセス全体で回避して、十分な生産性と質を実現しなけ ればならない。凝結および/または音響速度を制御するための工学的解決策が請 求されていない限り、凝結および音響速度は特許権を取得できない。このことが P 44 06 333 4[161]では明らかにされておらず、この出願では特許が得られない のである。 「流れに対する抵抗体」を使い必要な勾配ΔP(ΔT)=k(P1-P2)に従っ て 圧力勾配(dp°/dx)を発生させる唯一の解決策がケース1.1の限界物理特性 と考えられる(p.61)。これは、蒸気が「上向きに」蒸発するように見えたため に、明らかに重力に反しているように考えられたが、このことが明快に定義ある いは請求されておらず、再び工学的解決策の定義が必要と考えられる。界面(イ ンタフェース)に蒸発チェンバーの分離を求める連続蒸気析出(沈積)プロセス の制御によって界面(インタフェース)の後部、すなわち、出口で過熱された蒸 気が供給され、乱流から生じる隣接チェンバーでの凝結を避ける(下記を参照) 。 ところが考えられる解決策には、本発明で請求されているような膜あるいは隔膜 が含まれており、それらは「流れに対する抵抗体」の正面、すなわちその取入れ 口で高い係数cFが与えられ、そこで更に乱流が増大するが、凝結した小滴が落 ちて来るところを捕集し、材料が再利用できるようにし、「流れに対する抵抗体 」前面の局部的な凝結を、隔膜次第で「マスフィルタ」に使えるようにする。と ころが、このことは「流れ抵抗体」自体の特徴ではないため、請求されておらず 、融成物に不混和性ギャップが認められない合金相図表による合金蒸気にのみ適 用できるであろう。 凝結が特許出願P 44 06 333 4における問題の解決策、すなわち、分離界面(イ ンタフェース)を横断する圧力勾配(dp°/dx)を発生させる方法であった とすれば、それ以外の工学的解決策が無くともこのプロセスが働くか否か、非常 に曖昧なものであり、良い解決策が提供されるかどうかの方が重要である。 隔膜:連続蒸気析出(沈積)を制御するための主要な工学的解決策 空気力学および流体力学における「流れに対する抵抗体」の力は次のように定義 される[160]: FF=Fp+ΣFFr (9) ここでFFは 乱流、すなわち危険(臨界)速度υcritを超える速度υで生じ る流れに対する抵抗体の力 Fp: 圧力に対する抵抗体の力 ΣFFr: 円筒状チューブにおける液体の層流に関する(内部)摩擦の 力、すなわち、Σ(8πηlυ)、ここでη=内部摩擦の係 数(動的速度)、l=個別のチューブ(流れチャネル)の長 さ、υ=チューブ(チャネル)内部の平均速度;ところがガ スについては、ηgasは約0である。ガス層流が個別の元素 の流れ接触を発生させず、他方、特に隔膜の界面(インタフ ェース)の後で、すなわちチェンバーn+1中で乱流を最小 限に抑えて、そこで凝結発生を防止しなければならないから である;従って、ΣFFr=無視できる(すなわち0に近接)。 他方: Fp=cp1/2(ρυ)2A (10) その場合、cp: 流れに対する抵抗体(あるいは隔膜)の圧力抵抗の係数、こ れは、流れチャネルが無い(インタフェース)の圧力抵抗と は異なる。cpは抵抗体あるいは抵抗体の個別要素の前面の 平均速度ならびに抵抗体要素後部の乱流の強さの関数であり 、その限りにおいて、cpは採用される抵抗体要素の形状寸 法(geometry)の関数である A: 近接する層流に面する抵抗体あるいは分割できない抵抗体要 素の正面。 流体力学圧力、1/2(ρυ)2は方程式(5)および(6)に関して圧力差、従っ て二つの隣接チェンバーの所要圧力によって前もってセットされる。これがAと cpを所要の合金組成および生産性(すなわち処理量Qv)に調整しなければなら ない理由である。ここではΣFFrは無視できるため(すなわち約0)、流れ抵抗 の係数(上記と比較、すなわち所定の形状寸法(geometry)の要素を囲む流れの 場合)、cF=cpおよび(9)式は次式のように記述できる: FF=cF1/2(ρυ)2A (11) 物理的に表現すれば、流れに対する抵抗体は、流れチャネルによって利用できる 状態になっている「中空」スペース中へ入るフローラインの配分を限定すること によってガスあるいは液体の入って来る層流(および/または真空中で入って来 る分子流も)を出て行く乱流に変換する[161]。実際、連続蒸発プロセスでは[16 0]で請求されている流れに対する抵抗体と比較して正反対の特徴を有する二つの 連続蒸発チェンバーの間で界面(インタフェース)が必要である:入って来る蒸 気(すなわち、チェンバー1あるいはnから入って来るもの)は熱あるいはマグ ネトロン・スパッタリング法および/または混合ゾーンから生じる撹拌動作によ る蒸発が原因で不可避的に乱れおよび/または方向が失われるため、肉眼で見て (巨視的に)フローラインの密度配分を放物線状にしなければならない。流れチ ャネルのマトリックスが特許出願P 44 06 333 4に拠る流れに対する抵抗体を100 %カバーしないからである。ところが、出て行く蒸気(すなわち析出(沈積)チ ェンバー2あるいはn+1に向かって出て行く)は最高度の層流および/または 分子流に達して、乱れ(強制原子衝突、圧力増大および凝結のための合成核の軌 跡である)を避け、フローラインの均質な配分(密度)を生じさせなければなら ない。これには若干の理由がある。例えば、不完全な断熱処理(prozessing)と 関連して凝結し、その結果、特に、流れに対する抵抗器の界面(インタフェース )を横断する負の温度勾配について対応する蒸気の状態のpolytropic(複回帰、 複転回、複親和性)変化の係数νの不適当な局部的減少が見られる、特に、合成 析出(沈積)物の厚みを均一にするために必要な流れに対する抵抗体の界面(イ ンタフェース)を横断する正の温度勾配について局部的圧力差の調整/制御が不 十分なものになるなどである。もちろん反対の状況となる界面(インタフェース )は、以下の評価のように、もはや流れに対する抵抗体ではなく、隔膜である。 未定義のタイプの流れに対する抵抗体の力は、必要な隔膜に関して重要でないだ けではなく、できるだけ低く抑えて、蒸気が所要の隔膜を横断する場合には、定 義されていない流れに対する抵抗を最小にしなければならない。更に詳しく言え ば、隔膜の前面における(内部にあらず)乱れは局部的に圧力を増大させ、その 結果、蒸気を一つの蒸発あるいは析出(沈積)チェンバーから後続のものに移動 させるための局部的な推進力を増大させることになる。すなわち、制御変数の自 由度(freedom)が、界面(インタフェース)前面の乱流および/または下で評 価の対象になる界面(インタフェース)の後の指向性層流および/または分子流 の均質なフローライン密度によって増大する。その限りにおいて、ここで必要な ものは、層流および/または分子流のための導体と結合する乱流および/または 非指向流に対する抵抗体である。これは、処理された材料および/または求めら れている生産性に従い必要とされている鋭角の正静圧勾配によって指示されてい るように、物質のガス状態を適切に局部制御してpolytropic(複回帰、複親和性 ?)変化の動的平衡をつなぎ(bridge)(すなわち、蒸気フローラインのx移行 (translation)の方向での静圧の減少)、凝結を生じないで負(増大)および 正温度勾配を無効にして、連続蒸気析出(沈積)のプロセス制御が抱える問題を 解決しようとするものである。ところが、これは流れに対する抵抗体について確 定している定義の反対であり、古典空気力学の立場から見ると、非正統的なもの であり、正反対の問題であるために非常に興味あるものである。 数学的に言えば、今後(11)式は適用されず、(9)式については、FFは非常に 小さく(無視できない)、Fpが相対的に大きく、前二者の間の差を補整するの に必要な隔膜に関して第3項を導入することを前提条件として数値を求める: FF=Fp-FD (12) ここで、FDは、隣接チェンバーを分離するように設計されている界面(インタ フェース)における凝結のために「滞流」から生じるものを含み組成の変化を伴 わぬ(以下を参照)タイプの「マス(質量)フィルタ」が対象である。(12) 式は、プロセス制御に必要な力の和を生じるものの物理的な意味を示す: FP=FF+FD (13) ここで FD>FF (14) 未定義のタイプの蒸気流に対する抵抗を介する「クロッギング」タイプのプロセ スの制御から圧力差の力を介する制御への変化が生じる。これは本発明に拠る隔 膜の力を具体化しているだけではなく、特にそれらが決め手(特色)である。FD は物理的に見ると何なのか?そしてFFとの間には如何なる物理的関連があるの か? 隔膜は(半透および/または多孔質(porous:浸透性))壁分離(すなわち別々 にする、濾過しないおよび/または不必要に濾過しない!)によって、液状混合 物あるいはガス(気体)混合物と考えられる2種類の物質あるいは物体を、一つ の物質から隣接の物質に至る(指向)処理量を考慮することによって、すなわち 一方向への流れ、空気力学および流体力学の層流および当方の新プロセスにおけ る層流および/または分子流に対応する指向流によって定義するために使われる 。古典的な膜制御プロセスは「浸透」式である。これは、一つの物質の濃度の調 整を他の物質(これらの物質を膜で同時に離しておく)と関連して、隔膜が無い 場合よりも平均速度が著しく低い流れを介して表現する。すなわち、(通常は水 性)溶液(例えば水)が稀釈状態(例えば純水)から濃縮が進んだ溶液(例えば 汚染したHClは「天辺まで」(十分に)水を吸収する)中に移動する。対応し て濃度を調整するための推進力、すなわち機能目標を果たすことは局部的な流れ (流動)速度に比例しており、「浸透圧」と呼ばれている。 古典的な浸透のための推進力、すなわち組成が異なる液体およびガス(気体)の 浸透圧は、通膜(膜内外の)圧力勾配ΔP(T,V)ならびに膜(の界面(イン タフェース))を横断する濃度差Δcによって左右され、次式のように、浸透圧 Δπ(Δc)を生じる: ΔFOs=ΔP(T,V)-Δπ(Δc) (注:本発明における隔膜の界面(インタフェース)は、2種類の物質−これは 本発明に拠る隔膜の請求対象の個別要素の全寸法と同じものではない−の最短分 離距離を再現する、下記を参照)。すなわち、両混合物の普通の分離である。と ころがこのプロセスには古典的な通膜(膜内外)「浸透」バリヤが無い。ガスお よび/または蒸気の交換が濃度とは無関係であり、全く異なる目標の影響を受け る(すなわち分離ではなく、物体と材料の合成である)。該当の蒸気の化学的特 性(chemistry)による膜内外質量移動の制御がないために、古典的な「浸透」 圧もないない。その代わり、例えば隔膜の界面(インタフェース)を横断する温 度増大によって「浸透」タイプのバリヤーが生じる。すなわち、物理的タイプの 浸透である。その場合、可変蒸気温度は、過小圧(underpressure)−使われる 真空ポンピングシステムのポンピング速度で制御される析出(沈積)ユニットに おける最終過小圧−で推進される吸気の流れを使って制御する。例えば、ガス透 過のプロセスの場合とは違い(その場合、δΔPは膜前面のゆらぎによって誘発 される)、それ故、本発明に拠る蒸気析出(沈積)プロセスにおける全圧力差、 ここではδΔPは(個別の蒸発/真空チェンバーを含む局部的例外は除き)隔膜 前面の蒸発源の(例えば蒸気)圧力が原因となる蒸気圧力形成によって制御され ないが、少なくとも蒸気析出(沈積)に先立つ最後の膜の背後での吸引の結果と して制御される。 ところが合成物理タイプの(すなわち所定の温度のための両隣接混合物の濃度に 影響されない)ガスあるいは蒸気の浸透は、下記の圧力の関数のみである([161 ]、p.97と比較): E=(dV/Vdp)=1/P (15) その場合、E=ガスの膨脹性。これはボイル・マリオットの法則から次のように 導かれた: Vdp=const.dm (16) ここで、dmは隔膜の界面(インタフェース)を介して単位時間ごとに置換され る質量を表している。隔膜の界面(インタフェース)を横断する温度増大(すな わち、負の温度勾配−ΔT)あるいは温度減少(正の温度勾配+ΔT)に無関係 の万能隔膜を定義するために、(16)式は次式に変換される: const.dmD<(Vdp)D (17) 明らかに、二つの蒸発チェンバーあるいは一つの蒸発チェンバーと一つの析出( 沈積)チェンバーとの間の蒸気質量置換の肉眼による(巨視的)制御には、質量 の効果的なレリースが必要である: dmD<dm (18) その場合、dmは例えば「流れに対する抵抗体」の置換質量を表す。従ってFD は対応差に比例している、すなわちFD=k(dm−dmD)。 すなわち、温度を増大させるために二つの隣接チェンバーの間の質量流を制御す るために、効果的にレリースされた質量dmDを動力学的にdp=fn(S,Δ T)から切り離さなければならない。その場合、(i)dmDと両チェンバー間の蒸 気流の速度との間の比例制あるいは(すなわち(ii)は代案)(ii)ポンピングシステ ムの伴流効果に影響を与えてはならない。過剰な加速(音響速度)によって蒸発 源を排出し、ベンチュリ・タイプのノズルを介して蒸気フローラインを束ね(隣 接 チェンバーに蒸気を向ける流れチャネルのマトリックスによって作られる「流れ に対する抵抗体」を含む)、結局凝結を誘発させる代わりに、質量置換の動的平 衡を作り出し、既に隔膜内で、基質と析出(沈積)分解能成長に向かう蒸気の不 連続(離散:discrete)質量の1)膨脹と2)加速を生じさせる(下記を参照)。と ころが、合成蒸気処理量Qv([W],[Pam3/s],[Nm/s]による)をポンピング速度S から切り離すことは浸透問題であり、膜を使う必要がある。蒸気の析出(沈積) のための合成物理タイプの浸透(特に化学的変化を伴わないもの)には、巨視的 静圧および合成圧力勾配、微視的流体力学圧力、局部的な蒸気速度および蒸気の 運動量(momentum)の長所があり、物体の状態の膜内外の(transmembranic)の 必要な変化とプロセス制御が可能になる。 膜で分けられている隣接する二つの蒸気チェンバーの間にある円筒状のチャネル の内側における層流および/または分子流のために、(7)式は次のように書き 直すことができる。 Δpo overall(T,S)=p1(T)-po,s(T))+1/2(ρ1o,s)[(υ1o,s)]2 (19) 隣接する二つのチェンバーの間で静圧を連続して維持するには、po=P2でなけ ればならない。これは、流れチャネルの(定義されていない)マトリックスを通 過する層流および/または分子流では、ベンチュリタイプのジェットノズルを経 由しても無理であり、処理量(スループット)エリアが減少することになる。Δ po overall(T,S)はシステムのポンピング速度と処理される合金によって与え られる。項p1(T)-po,s(T)は、po=P2およびP1およびυ1もシステム でプリセットされると仮定して制御すべきである。残りの変数はρo,sおよびυo ,s である。巨視的条件の関数としてガス(流動)の膜内外状態を評価する一つの 方法が次式である: 1/2(ρ1o,s)[(υ1o,s)]2=-(p1(T)-po,s(T))+const. =(po,s(T)-p1(T))+const. 1/2(ρ1υ2 1-2ρ1υ1υo,s1υ2 o,so,sυ2 1+2ρo,sυ1υo,so,sυo,s2 )=Po,s(T)+const.' -k1υo.s+k2υ2 o,s-k3ρo,s+k4ρo,sυo,so,sυo,s 2=po,s(T)+const." 従って、通膜(膜内外)蒸気および/またはガスの移動、すなわち、膜による最 大の蒸気析出(沈積)プロセス制御下での処理量はP1から独立している項ρo, s υ2 o,sによって制御される。すなわち、個別の流れチャネルにおける静圧減少 po,s(T)には、移動する蒸気の増加項(term)υ2 o,sおよび減少密度ρo,s( 項k3ρo,s参照)自体の結果として、密度と速度、ρo,sυ2 o,sの増加積(produ ct)(!)が必要である。ガス(流)の局部密度が静圧の減少を局部的に制御し ながら、(終局的には単原子の)ガス種の指向運動量の増加分だけこの様に増大 させるために速度υoを補償する必要がある。それ故、設計は、取入れ部と排出 部の間の隔膜内部でフローラインの密度を大幅に減少させ、同時に同時にそれを 促す可能性をもたらし、通膜(膜内外)蒸気の移動の場合の局部密度(圧力)に 関する要件を緩和させるものでなければならない。 その結果、採用した吸引流は古典的=化学的意味での浸透圧力勾配の可能性を超 えている。すなわち、通膜(膜内外)フラックスチャネル(あるいは空隙)のご く近傍で界面(インタフェース)を横断する化学ポテンシャルに本質的な相違は ない。ところが拡散ポンプの作業原理には早発(premature:早過ぎる)凝結は ない。化学的に異なる成分/種を分離するために使われる古典的膜の界面(イン タフェース)の成分勾配を密度および/または温度の局部勾配で置き換える。そ の場合、(古典的な意味での)特徴的な境界層の軌跡が界面(インタフェース) 前面から、横断面中心線上の前面(すなわち、隔膜の曲面の有無に関係無く、局 部的なx基準(normal:法線)に対して垂直)および/または界面(インタフェ ース)までの間にある通膜位置に移動する(図88を参照)。 隔膜に関する工学的解決策 置換された質量dmDは、移動層流および/または分子流の大きさに比例し、移 動する層流および/または分子流の乱れ部分は、蒸気流を制御する凝結、従って 組成の揺らぎ(のリスクあるいは蓋然性)に比例する。適切な工学的解決策を得 るために次のような点が考慮されている: 1.移動する層流および/または分子流の乱れ部分を適切な工学的解決策によっ て、ともかく最小限に抑えなければならない。 2.隔膜内の蒸気温度の連続上昇が温度を上昇させるために必要な(層および/ または分子の)質量置換制御を改善する。 3.蒸気加速が加熱と連動して、析出(沈積)物における原子付着に先立つ放射 によって生じる蒸気冷却を十分に補償する。 次のように連続蒸気析出(沈積)プロセスで金属蒸気の合成のための隔膜を提供 できる工学的な解決策がある: 1) アンチノズルシステムとしての(一連の)単一および多重分岐(図90)。分 岐は、例えば***(fragmentation)を最大にするために液体のガス霧化に適用さ れるジェットノズルと正反対のものである。これらの分岐の構造は、蒸気を逆流 させるための個別の出口各々の圧力PBが取込み口の圧力PI以下になるようにな っている。すなわちPI>PBであるため、dmの実質的な部分、すなわち、差d mB=dm−dmDが、蒸気が出てくる先行チェンバーのどれかに部分的に逆流す ることを考慮する。分岐の利点:隔膜内で過剰な乱流を生じないエレガントな基 礎的解決策を提供してくれる。隔膜後部では出口コンフィギュレーションとして フローラインエレメント(要素)あるいは、やはりガス霧化に使われるノズル設 計とは正反対のトランペット型の出口が採用され(図91)、それらはまた、角張 った、平らな単一および複数の−限られたガス流を伴なう、伴なわぬに関わらず (例えば、析出(沈積)物に向かう蒸気流を加速するため)−伝導部(conducta nces)であり、多重分岐の形態(コンフィギュレーション)を採用す ることになる(すなわち、拡散器ディフューザ)からジェットノズルへの移行部 を含む形態である(図91))。 2) cF値が大きな構造要素を採用して、入り口から中程度の距離をおいて乱流 状態を作り出し、同時に直接、移動流れチャネルのオリフィスおよび出口ではそ れら(乱流状態)を避け、それによって相対的に大きな静圧を対応する流れチャ ネルのオリフィスの前で、すなわち、乱流状態に関して(図92)隔膜の界面(イ ンタフェース)から離れて発生させる。その場合、蒸発チェンバーn(あるいは n°1)、(b+2)あるいはn°2などのいずれかで層流および/または分子 流を軽減する。従って、対応する構造要素を伴わぬものと比較される部分(frac tion)に向かう指向流を「濾過する」。そのうち、対応するcF値が0.25から5 に及ぶもの、特に1.1〜3の値、その際、隔膜の後部ならびに中間の取入れ口で乱 流を抑制ための個々の要素の組合せによって得られる高い方の値、cFが0.25以 上になってはならない。 3) 隔膜の力FDが請求対象の解決策1)および2)(の組合わせ)に関して大きい 場合、相対的に大きな流れに対する内部抵抗体FFが隔膜によって供給できる( (14)式を参照)。これは特に、実現しようとする大きなP(圧力)およびT (温度)勾配にとって有益である。並列電気スイッチのために流れに対する抵抗 体が非常に効果的ではない流れトンネルの単一マトリックスの代わりに([161] と比較)、一連の流れに対する抵抗体は、各種の流れに対する抵抗体を重ね合わ せることによって大幅に効果的になる。すなわち、流れチャネルの間で等距離に 配列され、以下の特徴を備える抵抗体エレメントのマトリックスで構成できる(図93 と比較): -a) 流れに対する全体の抵抗が、採用される抵抗体レベルの数mの増大に伴って 増大する(図93)、そして/または -b) 流れチャネル内部の蒸気の局部的な層および/または分子速度、υo、は相 対オリフィス面積(エリア)を減少させることによって増大できる(利用できる フローラインの投影(projection)。すなわち取入れ口(intake)対抵抗体の表 面積部分(比)、ΣAo/ΣARは、抵抗体レベルの数の増大に伴い漸減 する、そして/または -c) 相対的なオリフィス面積ΣAo/ΣARを定常に保つことによってυoを増大さ せることができるが、mの各離散(discrete)レベルに伴い温度上昇に差が出る 、そして/または -d) b)およびc)を組合わせてυo増大させることができ、そして/または -e) ところが、同時にρoを減少させなければならないために、投影(projected )入り口(inlet)面の絶対量を抵抗体レベル別の投影出口(oulet)面積から切 り離さなければならない。この作業は下記によって実行できる: e1) レベルm+1のオリフィスの絶対表面積(surface area)をレベルmの場合 に関して漸増させる、そして/または e2) 全面積ΣAo/ΣAR増大の導入、そして/または e3) レベル前面で差別容積(体積)の導入。これは、同様に蒸気を必要な部分温 度上昇に適応させることができる差別蒸気溜めとして働き、ここでは蒸気容積( 体積)dmDあるいはdm分移動する蛇行ヒーター(heating serpentines)を含め ることができる、そして/または -f) 乱流状態(乱れ)の有無にかかわらず、解決策3a)〜3e)全てを達成できると 同時に、必要な乱流量が、差別抵抗体エレメントの前あるいはmレベルの選別部 分(fraction)の抵抗体エレメントの一部分の前ならびに最終出口((oulet) レベルm maxの後でフローラインエレメントの導入によって隔膜の界面(インタ フェース)を横断する所要勾配dP/dxとdT/dxに関して最適化される。 4) 最後に、図90〜93で紹介する主な工学的解決策1)〜3)の任意の組合せ、図90 〜94 で概略を示すような部分的に重なり合うところがある単純あるいは若干複雑 な解決策が得られるが、これらは所定の生産性で必要な工学的合金組成を実現す るのに十分な解決策をもたらすものであろう。 推進力吸引流の維持 これまでに特許されている機能レベルの階等の比較: 融成物抽出プロセスにおける融成物抽出ドラムの動きに似て([102と比較)、例 えば、凝結・補修システムにおける成長する析出(沈積)物の表面の動きによっ て、最終蒸発および/または蒸気混合チェンバーから蒸気処理量の隔膜制御抽出 のための条件を用意しなければならない。すなわち、一方では最終(合金化)蒸 気溜め、他方では少なくとも一つの析出(沈積)ユニットを設け、両チェンバー の間で(例えば、(n+1)ユニットと(n+2)ユニットの間で)圧力勾配を 維持し、チェンバーが吸引流によって蒸気析出(沈積)プロセス全体のその他の 全てのユニット(の処理量)を制御し、そして/またはそれらと連絡するのであ る。 析出(沈積)物表面の作用(operative:作業)蒸気適応係数αTは、一方の(最 終)隔膜の後部から出る蒸気(軌跡:trajectories)の速度および他方の析出( 沈積)物表面の速度のベクトル和(加速度の平衡四辺形)の関数である。先ず両 速度ベクトルが定常と仮定する。その場合、分子流条件については、最終隔膜の 後部表面と後部表面の反対側にある析出(沈積)物表面との間の(垂直)距離h は、該当の蒸気の平均自由行程MFPの関数である値を超えてはならない。その 場合 MFP=kT/(20.5 πa2p) p=流れチャネルの全体圧力、a=該当の原子あるいは気化分子の直径、T=蒸 気あるいはガスの温度、kおよびπ=定数(それぞれ、ボルツマンおよび3.14) 。層流および分子流の両条件の場合、回転(円環状)ディスクおよび/または析 出(沈積)表面を使うことによって([100]と比較)、第3コンポーネント(構 成要素)が最終隔膜と析出(沈積)表面との間に導入されるから、回転軸(ピボ ット)からの距離による析出(沈積)物表面速度の変化の適応係数に対する作用 が、析出(沈積)表面における均一な蒸気適応条件を実現するために通膜蒸気運 動量によってどの様に制御されるか定義する必要があるだろう。これらの詳細は 、この特許の宣誓証言(deposition)後10日以内に規定しなければならない追加 特許の一部である。 作用適応係数(operative accomodation factor)は、ポンピング速度SからのQv (x)を切離す程度を示し、析出(沈積)物表面に到達する蒸気の容積(体積)部 分ならびに析出(沈積)に先立つ最終隔膜の通過後の蒸気運動量(の損失)の関 数である。ごく単純な真っ直ぐの円筒状の流れチャネルの場合、超膜(hypermem branic)距離h(すなわち、隔膜の(後部)表面と析出(沈積)前面との間の距 離h)以内の運動量の力の均衡は、(先行する蒸発および/または混合チェンバ ーにおける所定の蒸気状態については)円筒状の流れチャネルの直径dzに左右 される。これはheffを制御するためのその他の変数(所要の=所定 のαTの場合)、すなわちp、ρ、vおよび乱流状態を伴わぬ通膜運動量の(結果 として生じる)(合成)性質がdzに直接制御されるためである。すなわち、通膜 運動量の比制御が定義されている限りにおいて、heffは、dzの関数である。層 流のための条件は、 (dz/2)MFP>>1 (1) 分子流の場合 (dz/2)MFP<<1 (2) となり、両方の過程(regime)の間の推移の場合: 0.1</=(dz2)MFP</=10 (3) これらの関係から明らかに、最終隔膜の(後部)表面と(析出(沈積)表面(の 前)との間の最大超膜距離、hmax(従って、これとQv(x)をSreqからの切離し の制御)は、層流にとってはdzの関数であり、分子流にとってはMPFの関数 であり、最終隔膜を通る混合蒸気流にとっては2桁変化する無次元値の関数であ る。 cF値が低い幾何学的(geometrical)流れ要素(エレメント)を採用すると、距 離heffの範囲内での乱流状態(乱れ)の形成を抑えることになる。この条件の 下、結局、蒸気システムは、結局は析出(沈積)物表面の速度と粗さおよび析出 (沈積)物表面における突出の密度によって制御されることになるベクトル構成 要素と共にy方向とz方向に移動する原子との衝突によって側方に偏向する。原 子ごとの側方偏向は、析出(沈積)物に適応する真空チェンバー/真空システム における圧力減少(すなわち所定の圧力勾配に対する陰圧(underpressure)の 増大)および距離heff(Fo)の減少−その場合Fo=通膜蒸気運動量−と共に増大 する。他方、衝突数は最終真空ユニットにおける圧力減少/陰圧減少に伴って減 少する。 従って heff(FO)<hmaxA,crit) (4) その場合、hmax(αA.crit)は、析出(沈積)表面における蒸気流の臨界容積 部分(fraction)αA.critの衝突を許容する側方偏向の関数である。すなわち αT=(Ev-Er)/(Ev-E)=(Tv-Tr)/(Tv-T) (5) Ev=基質表面で衝突する原子の運動のエネルギー Er=かさ張った(bulk)下層との平衡を得る前に脱離された原子のエネルギー E=発生していたかさ張った(bulk)下層との平衡が得られた後に脱離された原 子のエネルギー αT<1の時に、析出(沈積)表面から原子が偏向する。析出(沈積)表面で得 られる所定のαA値の場合(移動する基質について、対応レベルは表面の前で構 成される速度層である。これは、基質の速度が、条件が最適化されていれば、融 成物抽出ドラムの表面による融成物抽出に応じて効果的な適応ができるように制 御できるからである。上記を参照)、heff-の減少とαA値の増大に伴ない相対 適応係数αT(αA)が減少する。αT=1の場合、αT(αA)は直接heff-に比 例している。従って、heff-はαTが臨界値αT.crit以下に落ちるある一定の値 hminT.crit)以下にとどまってはならない。すなわち hminT,crit)<heff(FO)<hmaxA,crit) (6) 条件(4)が、heffが析出(沈積)表面で衝突する蒸気部分(vapour fraction )を制御すると、それは差hmax(αA.crit)−heff(Fo)であり、αTを制御し 、従ってQv(x)の部分(fraction)は表面によって左右される、すなわちQAであ る。 αA(h)=αT(h)=1 (7) 次式の最適化あるいは比較対照では、Δheffの範囲を大きく考えているため、 最大のプロセス効率が得られる。両関数の比、すなわち、(αTA)(h)は dp/dx,dT/dx,FD(蒸気参照、すなわち、移動蒸気流パラメータp、ρ およびvの局部的操作)および側方速度および析出(沈積)表面の荒差と温度を 含む表面の質によってさゆうされる。請求7は、蒸気析出(沈積)を制御するた めの条件の範囲、すなわち、発明対象のプロセスのQv(x)の収量Q(A)の制 御および最適化、従ってQv(x)とSreqの切離しの制御のための条件の範囲で ある。 次式では Q(A)=ΔP1 *q(x)*αA *αT 次の微分が得られる: (δ/δ'x)*Q(A)=Q(A)=ΔP1 *q(x)*[(δαT/δ'x)αA *(δαA/δ'x)αT] この場合、δ´x=δx+heff(Fo)、δx=通膜断面、すなわちδ´xはheff(Fo )を含む。 プロセス全体の工学的解決策 析出(沈積)蒸気収量の最良の制御および/または吸引流によって推進される蒸 気析出(沈積)プロセス全体の隔膜要素を介して得られる効果は、析出(沈積) レベルにおけるプランク(planck)捕集器/凝結器の連続バッチプロセスによっ て実現する。その場合、バッチ捕集器プロセスでは、長方形でフラットな凝結器 が使われ、析出(沈積)面が生じる。それらはそれぞれ、一部は隔膜出口の全体 (outlet)でカバーされ(図95、96と比較)、所定の水平あるいは垂直面で、時 針あるいは時針と反対の方向に動く、すなわち、合成回路の一つの向きでのみ動 く(図97と比較)。その場合、蒸気が析出(沈積)する範囲の外における全析出 (沈積)プロセス(水平の凝結器面)−の中心軸周囲、少なくとも析出(沈積) ユニットの中心軸の周囲での動きが表示される(このユニットは、最終蒸発およ び/または混合チェンバーおよび/または対応隔膜に対して角度0°<δdep</= 90°に(図98と比較)傾斜させることができる)。例えば、往復動プランク捕集 器と比較した場合、一つの向きで動く連続バッチプロセスによって、衝突する蒸 気(impinging vapour)に対する「露出(部分)」と外部との間のΔT間隔が一 定に保たれる。すなわちδΔT=0(図97と比較)。回転捕集器ドラムおよび捕 集器ディスクと比較すると、連続プランク(planck)プロセスの場合、析出(沈 積)面速度が定常であり、衝突(impingement)の角度が定常であるため、蒸気 適応係数が均一で最大になる。すなわち、原子衝突の瞬間における様々な速度ベ クトルの構成要素が最小になるのである。(ここで)得られる析出(沈積)物に は明確な曲面が認められないため、半製品および/または(完成)製品形状への 従来の合金転換手順に先立つ前成形操作は不要である。すなわち、平ら、長方形 (プレート状の)捕集器/凝結器を使う連続バッチプロセスの場、最終真空ユニ ットで処理量Qv(x)および陰圧の切離しを制御するのに最良の条件が得られるか ら、相対的に高度の析出(沈積)率、各種構造の個別真空チェンバーの技術的に 簡便な(easy)組合せ、特に1個の単一・大形最終蒸発および/または混合チェ ンバーと数個の個別でしかも連携動作が可能な(communicating)析出(沈積) ユニットとの組合せによって(例えばシート、プレートなどの)ネットワーク類 似(near-net shape)生産が可能であり、関連のパラメータ(真空状態の通膜勾 配、局部的析出(沈積)物表面速度等、上記を参照)の微調整によってプロセス 全体を様々に制御できる。 捕集器バッチプロセスの技術的詳細を図96〜103で紹介する。図96〜103に拠れば 、凝結器および/または析出(沈積)物は(31)および(34)で指定される部分の真 空チェンバーに収容され、(a)リング状あるいは(b)多角(21aと比較)真空チェ ンバー中で動く。後者は、捕集システム全体の移動用推進シャフト(13i)を収 容している共軸(中空)シャフト(13j)の周囲に配置されている。その場合、 移動操 作は、プッシングスタンプ(24)、プッシングおよび/またはプリングジョー(25) 、クロー(26)、その他の捕捉装置ならびにローリングテーブル(27)によって 支援される。中空シャフトは回転/回転可能耐摩擦ベアリング(56)を収容する 共軸チューブ(55)に収容される。推進シャフト(ホイールシャフト)(13i) は、方向(オリエンテーション)が重力ベクトルgに影響されない回転軸ARの 周囲を回転し、冷却媒体、特に窒素、水および/またはオイルのような液体の伝 導部(conductance)を介して凝結器と接続している。これらの伝導部はチュー ブの内部断面に共心配置されている(図示されていない)。冷却媒体は、それを 凝結器に導き、冷却ユニット(13f)に戻すために回転配分部と捕集器(13d)を 介して配分される。 凝結器には、屈曲路形状に配列された冷却トンネル(長方形の凝結器およびディ スクとドラム)および/または円環状の伝導シート(ディスクタイプの凝結器) によって伝導効率を最適化し、そして/または凝結器(長方形あるいはディスク 状)内部で冷却媒体と析出(沈積)物(プレフォーム、層など、請求範囲の第1 項を参照)との接触を考慮している。析出(沈積)レベルにおける真空チェンバ ーの底部(53)が蒸気煙突の形状、蒸発ゾーンおよび/または混合ゾーン(19、 19bおよび19cと比較)から最終隔膜に向う蒸発ゾーンおよび/または混合ゾーン からの移動部(transition)の形状および析出(沈積)に先立つ対応(最終)隔 膜の形状に採用されている。ディスクタイプの(円環状)凝結器を装備する小型 プラントあるいはパイロット・プラントには、中空シャフト(54)の浸透用に真 空チェンバー(51)に小さな共心孔がある。対照的に、凝結器バッチプロセスの ための真空チェンバー(34)の部分(レベル)には、スリットタイプで真空密ガ イドレール(ここでは詳しく説明しない)があり、凝結器に冷却媒体を供給する ための伝導部が対応する供給シャフトの周囲を回転する回転具によって動く。従 って、13a〜13dおよび13iを含む冷却媒体のための配分システムの全体が、1個 あるいは2個の真空チェンバーに収容されている(13oと比較)。一方でこのチ ェンバーには(劇的に)プロセスの析出(沈積)/凝結器レベルにおける真空チ ェンバーの全容積が含まれているが、他方ではガイドレールが余分になる。両方 の解決策が結合されているために、析出(沈積)レベルで真空チェンバーシステ ム全体が数個のチェンバーを含み、ここで構成される多重真空システムでは漸減 する真空圧がa)析出(沈積)ゾーン(21)に向かう(側面図(31)も参照)。こ れはb)本来の統合ゾーン(21a)から、(場合により移動可能な/移動する)分 離壁(17)によって、かつ(場合により移動可能な/移動する)分離セグメント (33)によって分離され、またc)真空チェンバー(34)の下部から、最後にd)真 空チェンバー(13o)から分離される。これは、真空チェンバーの高さをできる だけ低くして冷却媒体のための供給システムと伝導部を収容している。その場合 、真空チェンバーの下部を接続するか、あるいはそれから分離するようになって いる。 この凝結器バッチ回路プロセスの大きな長所は、変動激しい環状凝結器の表面速 度ωKonと違い、安定した析出(沈積)面側面速度vKonを適用することである。 その結果、プロセスはy変換およびz変換の関数としての定常heff(Fo)値で制 御されることになる。すなわち、隔膜の表面座標である。これによって条件αA =αT=1のためのΔheff範囲が大きくなる。従ってそれぞれ処理量と析出(沈 積)パワーQv(X)およびQAが制御しやすくなる(上記を参照)。 結果/推論 請求対象の合金は高度に過飽和状態であるばかりではなく、二次相の完全欠除に よって判るように曲げに対して延性が著しかった。従って、マグネシウム中の軽 希土類および/または早期遷移金属および/または卑金属ならびに選ばれた単純 金属の過飽和固溶体のための蒸気析出(沈積)は、経済的に高い発展性がある不 働化マグネシウムを開発する有望な道を開くものである。 合成合金組成の再現能力が限られているため、蒸気析出(沈積)の生産性もある 程度限定される。蒸発および蒸気析出(沈積)プロセス全体にわたって強制対流 を採用する物理タイプのガス浸透のための隔膜によって、合金組成の再現性がS =const.についてdm=fn(dp)に直接比例する最終質のものになる。すなわち、 dmD=fn(dp)を制御できる適切な界面(インタフェース)によって、( 課された)ポンピング速度と生産性の増大に伴って合金の質が向上するのであり 、これが蒸気析出(沈積)テクノロジーの工業化を進めるためのキーポイントで ある。生産性の高い蒸気析出(沈積)プロセスは、例えば、水を含む凝結物体、 有毒成分を伴うケースを含む水性廃棄物溶液の蒸留および(商業的に)純粋なマ グネシウム、カルシウムのようなアルカリ土類金属、希土類金属およびアルミニ ウムのような金属、その他の元素の種類の精製に応用できる。 蒸気析出(沈積)は、急速凝固処理法による通常の***成長"Umklapp“(フォル ド・オーバー)プロセスである:非平衡処理の効率は、蒸発技術によって原子レ ベルの***境界で大幅に増大する。前面速度はプレフォーム、プレート、ディス ク、層、被膜あるいはは何らかの析出(沈積)物形状の維持可能な成長速度より も数倍大きい。それ故、蒸気析出(沈積)処理を制御するためのより適切な方法 によって、融成物から急速に凝固させるために使われる原理が逆転する:***制 御の代わりに(決して自然自体と同様には行かない)、蒸気の析出(沈積)には 凝結の厳密な制御が必要である。この制御の鍵は、合金合成および変換の新世紀 への商業的な道を開く隔膜である。急速凝固を成功させる上で究極のバリヤーは 、パウダーを循環させないで大量のばらの構成要素を成形するために質量***と 本来の固化(consolidation)との間の競合によって設定される。所定の非平衡 構造本来の固化は、実質的に析出(沈積)の成長標準と実質的に一致する効果的 な成長標準スケールによって制限される。従って、冷却率と平衡熱力学を考慮す ることによって、単一操作で***を逆転させる(renverse)本来の固化を含む急 速凝固の現実のポテンシャルの見方が妨げられた。急速凝固の時代に主な突破口 が開かれる。最適の***と固化の生産能力が直接結びつくのである。蒸気析出( 沈積)は材料科学による究極の解決策である。この方法では、原子スケール凝固 パスが生じるため、ばらばらの(discrete)変換容積によってゼロ潜伏熱に近接 するため、ゼロ再輝の故に、一般的な結果として、平衡に基づき、最大限可能な 新機軸のためであっても対応する成長標準の規模(スケール)は実質的に制限さ れるからで ある。 再輝(再熱)が欠除している場合、特性の飛躍が考慮されるだけではない。対応 する「超」材料の量産を手掛けざるを得ない。蒸気析出(沈積)は凝固面に対す る法線(normal)に沿う連続成長プロセスであり、融成物から生じる急速凝固は 常に不連続プロセスである。子供も同じようなことを知っている:皮膚に付いた エーテルなどのような凝結物質の冷却効果は、その物質自体が消える前に失われ るようなことはない。 それ故、熱蒸発は、平衡インゴット冶金によるステンレススチールと同様に、蒸 留効果と結びついている。従って、本発明のプロセスは「クリーンルーム」テク ノロジーの別の形態と考えることができる。これは風雨にさらされた環境におけ る疲労、クリープ、損傷許容差および腐食に対する抵抗のような過酷な長期特性 を求めるために知られており、将来の核形成制御によって相選択を向上させる属 性であり、多孔質珪素のような半導体の生産に特に重要な物質にとって決して見 過ごせない属性である。 ところが、例えば、Mg、Al、Ti、アルカリン(alcaline)、希土類金属の ような反応材料については、その結果生じる本来の凝固によって、加工処理をた めに含む酸化による析出(沈積)物および蒸発パウダーの、別の仕方では相対的 に無限の表面積の汚染が防止される。従って、一方は蒸発および/または混合チ ェンバー、他方は捕集器を収容するユニットによるプロセス組合せ請求のどれか によって進歩した加工処理による材料特性が所産を進歩した加工処理による生産 性・質の結果に変換される。本発明のプロセス構成(コンフィギュレーション) は最も効率的、すなわち最も生産性が高く、最良のクオリティーの***・固化構 成(コンフィギュレーション)であり、蒸気圧力、比熱、O2との反応性などの 固有の材料パラメータに影響されない。 高生産性蒸発は本発明によるプロセス固有の特性であり、隔膜によって作業蒸気 圧力を制御するために、要素(elements)の蒸気圧力の影響を受けない。急速凝 固加工処理の普遍的な意義(帰結)は、材料***(fragmentation)の効率、化 学的・構造的に均質であること、連続固化によって得られる。蒸気の蒸発および 析出(沈積)は究極のレベルを構成する。それは、***(fragmentation)、従 って潜熱抽出は、原子長スケールに達し、準安定金属的合金化および非合金化相 の単位表面当たり理論的無制限の成長標準(基準)nになる。それ故、蒸気の蒸 発と析出(沈積)は進歩した加工処理の効率実現を劇的に示すものである("umk lappprocess“(フォルドオーバー・プロセス))。 本発明によるプロセスによって、初めて、この潜在能力を探し当て、活用するこ とができるようになった。物理的に言えば、蒸気析出(沈積)が、特性を制御す る合金変換段階を分離し、個別原子に向かう物理状態の変化中の相転移を減少さ せる。ところが、個別原子の処理中の分離(絶縁)は、従来の材料および合成物 と比較して普遍的な出発点になる:材料特性をコントロールする構成要素間で構 成される力は決して十分ではない界面から一方向に運動する格子あるいはアモル ファス構造に取り込まれている構成要素の電子構造によって制御される原子間の 力に向かう。その際、平衡熱力学(equilibrium thermodynamics)を超える。特 性長さスケールはミクロン範囲からオングストローム範囲に動く。このことは出 現が予想され、かつ混合法則から外れているテクノロジーの飛躍の部分的な説明 となっている。その場合、従来の合成物のテクノロジーによって強化された材料 置換の可能性は制限されるどころか、むしろ増大する。マグネシウムのような単 純な材料の場合、既に1036の全く新しい合金系が可能であり、確定されている 合金化学(chemistry:化学物質)を含めれば、新合金系は優に10100を超えて いる。固体Mgベース非平衡構造で過飽和し、高温に耐える原子は、混合法則に よるどの形態のヤング率の増大にも対応できるものであり、工業全体にとって有 意義なことである。ところが、今まで化学的側面は全く明らかにされておらず、 合金に影響されない微小構造によってその残りの部分が制御されるのである。現 在の(この)テクノロジーによって与えられる歴史上最高の賛辞には下記がある: − 経済的に実現可能な(viable)ナノ結晶材料 − 蒸気相を介する経済的に実現可能な塊状部分(massive parts) − 経済的に実現可能な超純粋合金 − 経済的に実現亜可能な高性能マグネシウム − 特に軽い(そして反応性の)金属のための、「ソーラー・シリコン」のよう な経済的に実現可能な高性能の構造と機能をもつ材料の多様性と使用性が急速に 増大する。 (このテクノロジーの)革新的な価値と深さはこの文書末尾に記載する請求範囲 に反映されている。合金合成の現実を見れば蒸気析出(沈積)(vapour deposition )が全く行われておらず、従来の鋳造方法を調査する必要があり、固体合成法の 採用は間違っていない。ところが、今まで誰も固体合成技術による材料とプロセ スの特許を受けるために適用できる方法を進めるものがいなかった。マグネシウ ム合金の不働化の場合、ユニークな方法でボールミル処理(すなわち機械的合金 化)(軽)合金特許取得の問題を解く鍵は、プロセスを制御する作業変数(oper ating variables)の階等を開明することである。その作業は本発明第3部で行 う(以下参照)。 吹付け成形を含む鋳造合金 カマドら[11a]は、3wt.NaCl水溶液中におけるMg−GdとMg−Dy固溶 体の溶液処理と老化の効果について報告している。200℃で老化後、合金は最良 の改善状態を呈した。これは、例えば(蒸気を参照)関連の合金添加物の負の標 準電極電位が多くなるため、現在のMg・カルシウムスプラット(splats)の研 究の結果と一致している。ところがカマドらの報告では、彼等の合金のポロジテ ィーの作用について言及されていない。しかも、それら合金が鋳造状態のままで (すなわち、注入された(微小構造)インゴット)形状で、(熱間あるいは冷間 )成形作業による機械的作業が為されていないのである。更にカマドらは、採用 した融成物のサイズ、断面を含む合成インゴットサイズ、微小構造のスラブ厚み と合成効果について報告していないが、腐蝕抵抗が「共融化合物」の容積部分の 減少に 伴い増大すると推論している。ところが、鋳造状態対ピーク老化Mg−Gdおよ びMG−Dy(ベース)合金の腐蝕抵抗の比較では、インゴット処理された融成 物からの第2相分離は、対応する溶液化(solutionized)および(ピーク)老化 条件と比較すると、どの様なケースでも、分離された化合物が本来「共融」であ るか否かに関係無く不利であることが判明した。腐蝕状態に対する規模効果は明 らかであるが、結晶粒サイズが100μm以上の鋳造状態(as-cast)微小構造(お よび融成物から分離された合成顆粒内および通顆粒(transgranular)相)は相 対的に粗く、ピーク老化条件における対応するタイプの固体沈殿物が2〜3桁は 小さくなるのは避けられない。以前、腐蝕状態に対する化合物の規模効果がMg -ysystemについて報告が出ている[12]と比較)。カマドらは、個別の合金化元素 (elements)の作用と腐蝕の発生(resultant)に対する不純物の作用を分離し ていない。ところがここで興味があるのは、カマドらの研究が、筆者の以前の研 究を確認していることである。その研究では、Mgの固溶体に含まれているイト リウムが、ピーク老化で得られるような微細なMgab分散系を経由するイトリ ウムの沈殿と比較して不利である。ステンレス・マグネシウムに関する上記の関 連指標から見て鋳造合金の魅力は、quartemary(?)Mg−Sc−Mn−Zr系 によって得られる。この系では、細かく分散しているアルカリ土類アルミナイド を開発するために、場合によりアルミニウムおよび[at.%Al]=2[at.%Ca]タイプ のアルカリ土類が混入されている。Scは軽く、マグネシウムにチタニウムの表 面特性を付与できる。他方、ZrとMnはMg−Scのような包晶系であり、低 レベルでcph−Mg中のScの高い溶解度を制限しない(ロークリンらの状態 図検査を参照)。CaおよびAlの不安定固溶体では、他の軟質Mg−Sc固溶 体の合金を工学的に作り出すのに必要なマイクロ陰極(microcathodic)防護に よって腐蝕抵抗が増大する(上記参照)。MgOベース酸化物のピリング・ベド ワース比の、場合によって見られる(evntual)均質な溶質配分の作用からの沈 殿の切離し(decoupling)作業が未だ日本側協力者の手で実行していなかった。 ほぼ10年前からスプレー状のビレットから製造したAlベースパウダーの導入が 試みられてきたが、大きな成果は今後を待たなければならない。現在、吹付け Alシート製造用パイロット生産プラントで、線形霧化システムの設計と運転条 件を最適化して低コスト/高容量ルートを調査している。熱間圧延ステップ数を 減らし、吹付け成形Al合金の材料供給効率を向上させ、総額にして従来のイン ゴット鋳造および熱間圧延の13%のコスト節減が考えられていた。降伏点(縦方 向で521MPa)、降伏点の熱強度(200℃で400MPa)および応力破壊強度の魅力的 な組合せについて、最近、SF Al-6.2Cu-1.8Mn-0.4Mg-0.3Zr-0.4Ag押出ならびに 吹付け成形ビレットによる2618押出について報告されている。また以前の合金の 断裂じん性(例えば17MPam0.5)は、強度条件が高い割に低かった。例えば、断 裂じん性値>30MPam0.5が[60]、SF Al-5Cu-0.5Mnについて降伏点430MPaで報告が あり、SF Al-10Zn-2Mg-1Cu-0.2Zrについては34MPam0.5が押出条件において降伏 点560MPaで報告されている。ところが、図141〜144では、アルミニウム合金の代 わりに、進歩したマグネシウム合金を採用しようとする推進力がほぼ4倍となり 、本発明に関して言えば腐蝕問題は解決済みであることは明らかである。非平衡相のためのボールミル、バーミルおよびロッドミル(機械的合金化、機械 的研磨および/または化学的(すなわち反応)合金化/発明第3部 1. 全液体加工処理および蒸気析出(沈積)によるMg合金開発の制限 弾性率を向上した耐腐蝕Mg合金を開発するために機械的合金化を採用する契機 は、以下の各相による加工処理で設定される合金合成における制限に由来する。 すなわち、a)液相(主に(利用できる)Mgベース状態図の構成に関連する、す なわち、(i)全液体合成から(それらを)除外する液体および(ii)統一性とは異 なる分配係数koになる固体における使える元素(elements:要素)の低溶解度 およびb)蒸気相−主に今日までの経済的に利用できる関連のVDプロセスの欠除 に関連するもの−([162]と比較)。更に、結局MAは、平衡および/または非 平衡マトリックス相および/または二次相分散のナノ結晶微小構造に至るから、 特に非平衡Mg合金を商業ベースに載せるための3条件を満たすことになる(上 記、p.18〜38と比較)。例えば、対応する合金において腐蝕を誘発させる図8〜1 0 の predendritesにおける熔離の規模は、ボールミルで発生する剪断応力によって設 定される微小構造精製の限度よりも数桁大きいのである(上記p.15と比較)。 融成物からMg−Al−Znベース合金を急速凝固加工(RSP)する洗練され た方法の長所は、次のように従来の方法で加工されたMg合金と入手できるAl 合金を超えるものである([959,163]): 1. 室温における極限引張り強度(UTS)の40〜60%向上は、従来のインゴッ ト加工Mg合金および最強のAl合金の比UTSを超えている。 2. 圧縮対引張り降伏点の比が0.7から>1.1以上の値に増大。 3. RSP Mgベースエンジニアリング合金の合成比降伏点は、I/M Mg合金およ びAl合金について張力が52--98%、圧縮では45-230%超えている。 4. 合成伸張対断裂は押出状態で5-15%であり、連続熱機械的加工で22%に設定 でき、強度損失は適度。ただし、対応する強度値は未だI/M Mg合金の場合より も150-200MPa高い。 5. RSP Mg合金の空気腐蝕反応は、新しい高純度の範囲にあり、従来の合金AZ9 1EおよびWE43および耐蝕Al合金2014-T6である。対応腐蝕は、1950年代〜1970 年代に著しい欠陥が発生したMg合金の場合より2桁は低い。 6. RS Mgベース合金は、他の軽合金と比較して、100℃以上の温度で超超塑性 歪み(変形)反応を呈する。強固な(substantial)結晶粒精製の結果、疲労耐 性が倍加した、インゴット冶金と比較。 従って、冷却ブロック、すなわち急冷Mg−Al−Znベース合金は先ず周囲温 度で使うためと主に圧縮負荷が掛かる場所で使うために設計されている。また、 電流トラブル、(長期)空気腐蝕、断裂と疲労に対する抵抗は別の方法で解決で きる。未RS Mg-Al-Znベース合金の比強度レベルを達成したRSP Mg-Li合金関連調 査プログラムはだない。比強度は、RS Mg-Li調査プロジェクトの主な契機となっ た([164]と比較)。 ところが準安定非平衡Mg相の結果は、少なくともこの点に関しては有望なもの であったが、マグネシウムの腐蝕問題の解決には未だ不十分なものであった。ヘ ーマンと協力者は、急速冷却し、一部アモルファスのMg−NiおよびMg−C eフォイルで例外的に高い硬度値を発見した[165]。このことがその後、1150MPa までという際立ったUTS値あるいは従来金属材料について報告されたものの内 でも最高の比強度値(すなわち600MPa/gcm-3まで、図104を参照)を有する全面 的および部分的アモルファスMg−Ni−Ca合金の開発に向かうことになった のである[166-168]。Sr,Ga,La,Ce,混合金属およびYをRS Mg −NiおよびMg−Cuベース合金に加える類似の三成分系における井上ら[169 -173]およびマスモトら[174]の継続研究の結果、アモルファスMg90Ni5La5 について比引張り強さが436MPa/gcm-3でUTS値が1000MPa以上になった(図104 と比較)。UTS=kH微小硬度について観察した結合係数kHは3.3〜3.7になっ た。その他の特徴には、(i)120〜200℃の温度Txで結晶作用二重線(crystalliz ation doublets)、DSCで自然老化の影響を受けやすいことを示唆する、(ii) 著しいガラス遷移温度、Tx>200℃で熱に対する安定度が高いガラスについて明 白であった、(iii)観察対象のガラス遷移と結晶化温度の間のT間隔が60Kまでと 相対的に大きい、(iv)温度50℃以上で結晶化するのに先立ち重要な軟化を含む。 熱安定度が低いこと、不均一相に変換後に腐蝕しやすいこと、そして/または純 粋Mgに対して密度が高いことから見て、これらのアモルファス合金を応用でき るのか疑問である(すなわち、Alのそれを若干超えているのである)。 その後、準安定相の開発研究は、冷却モールドタイプの鋳造法によるアモルファ スMg−NiおよびMg−Cuベース合金について集中的に行われている。例え ば、臨界厚みがMg80Y10Cu10合金では4.0mm[172]、アモルファスMg65Ni20Nd15合 金では3.5mmまでの[175]のアモルファス断面を得るのに十分と報告されている。 (i)フォーゲル・フルヒャー・タイプの粘度によって特定されるような過冷却の 増大に伴う粘度の大幅増大および(ii)対応する平衡結晶長期指示と対照される液 体の短期指示の相違を含む過冷却液体の構造状態によって、これらのMgベース 系における容易なガラス形成(生成)が支持されている[176]。粘度が大幅に増 大するため、クルツとトリヴェーディ[177,178]の成長モデルでは、大規模な (massive)凝固を発生させるために必要な前面速度でMgの場合の合金製造(合 金化)レベルの増大に伴い劇的減少が認められた[159,179]。 原子論的観点から見ると、Ti,Nb,Ta,Mo,W,Zr,Cr,Mn,H fなどの高温度に耐える金属を加えると、Mg融成物の粘度が増大するだけでは なく、例えば、これらのTMの電子構造および(その結果得られる)高融点の関 係で対応する非平衡Mg固相の熱安定性、弾性率、耐蝕性も増大するのである。 ところが厄介なことにこれらのTMは無視できる程度の(negli(gi)bles)合金 化レベル以上の液体Mgには溶けないのである。上記の長所第1−6は温度安定 金属間分散を含む精製微小構造に始まるが、機械的合金製造(合金化)には普遍 的な帰結としての長所が包含されているだけではなく、普遍的に適用できる対応 するミリングパラメータの階層化と量化を確認できると言う前提の下に、炭素強 化有機マトリックス化合物(CFC)以上の費用対効果利点がある上記の高温に 耐える金属を具体化する準安定Mgベース相にとり有望な方法を提示している( 下記を参照)。 RSPの主な長所は、全液加工によってMg合金の特性に限度が生じることが明 らかにされたことである。Mgの場合の有効な合金製造(合金化)選択とレベル は、Alと鋼の場合よりもずっと限られており、金属Mgマトリックスのための 在来の全液加工に依存しない共同のMg開発プログラムが必要である(!)。大 気中でのMgの使用に関する規則を多少緩和することによって、大気中、その他 におけるVDテクノロジーおよびMAテクノロジーによる気相および固相合成に おけるMgの大量使用の時代が開幕することになるだろう([180]と比較)。請 求範囲の第15項で要約したように数多くの応用がMAおよびVDのような非平衡 法によって実現される([181]と比較)。基本的な障壁と挑戦は依然として現在 のMg合金に、弾性率向上の印としての高純度マグネシウム以上の耐蝕性を与え る自己治癒性の不働表面被膜が欠除していることである。マグネシウムの観点か らすれば、この状況は100年以上にも及ぶ鋼開発の場合と良く似ており、基本的 な課題は、如何に速くMgをベースに「チャンピオン」になるかと言うことであ る。 2. 軽合金における機械的合金製造の状況 構造用(非平衡)Mg合金の耐蝕性、弾性率と熱安定性の向上を目指す代替ルー トとして機械的合金製造(合金化)を採用し、CFC以上に費用対効果が良い材 料を生産するモチベーションには、(i)合金化元素、(ii)準安定マトリックス相 および(iii)(i)および(ii)に関する既存および新しい合金の微小構造の範囲(la titude)の増大に関するボールミル、機械的研磨および/または化学的(すなわ ち反応)合金製造による固体Mgベースの機械的加工が含まれる。機械的合金製 造の長所は、メタロイドと遷移(Zr,V,Ti,Nb,Ta,Mo,W,Hf など)およびMgに対する融点が高い希土類金属のような合金製造添加物を含み やすいことである。これらは(上記参照)Mg合金の腐蝕問題の解決に重要な元 素(要素)であることが証明されている。これは、原子長スケール上で均等に分 配されている場合、全液加工される準安定非平衡相(上記参照)について報告さ れている魅力的な機械的特徴を備えている場合も同様である。機械的合金製造( 合金化)の場合、準安定(非平衡)相を実現するための実験および/または加工 条件を利用しやすい。TaおよびMoのように蒸気圧力が非常に低く、融点が高 く(沸騰する)金属間組成を伴う合金化元素が使いやすく、機械的合金製造の準 安定相に組み込むことができる。相対的に大量のMAパウダーの製造は、今日ま で生産的・経済的な有望な方法が開発されていない塊状成分のために現在の蒸気 析出(沈積)テクノロジー以上の利点を実現するものである。耐蝕(非平衡)M g合金の機械的合金製造用(プレ)工業パイロット・プラントの規模拡大(アッ プスケーリング)の場合、生産性制御タイプの無凝結蒸気析出(沈積)プロセス と比較して未知のパラメータが少ない([162]と比較)。ところが、今日までの ところ、機械的合金製造によるMg合金の開発は、AlおよびTiベース合金の 開発段階にも達しない孤立した研究に限定されている。 機械的合金製造(ボールミリング、バーミリングおよびロッドミリング、化学反 応および/または研磨を伴うものあるいは伴わぬもの)は、液体状態を介して対 応する合金を製造するケースを除き、今日までのところ、液体の不混和性のため に、はっきりしなかった平衡および非平衡状態図の固体部分の完成に大いに役立 つのである。最近の構造面の成果には、固溶体αTi[182]における6at.%Mgま での固体溶解度の拡張ならびに対応する急速凝固Ti合金に関して拡張された二 元および三元Ti系におけるガラス形成範囲が含まれる[183]。6at.%Mgおよび1 0at.%Cuを含む稀釈度が高めのTi合金の機械的合金化によってサイズ6〜15nm の結晶粒(grain)が得られた[184,185]。結晶状態の微小構造精製が、転位運動 で発生する剪断応力によって制限されると考えられた[186]。結晶サイズ10nmへ のスパッタリング変換によってアモルファスTi42Al58が生じたが、アモルファス 先駆物質の形成と失透が出ないでMAによってTi42Al58の精製度が結晶粒サイズ 20nm程度に達した[188]。アモルファスTiベース相に達したのは、Ti-10Cuでは 9時間後、Ti-15〜50Fiでは11〜64時間まで、Ti-15〜50Pdでは17時間後、Ti-25 〜50Siでは25時間後、Ti-50CoおよびTi-50Feでは64時間までである(全て[at.% ])[189]。 MAによるTiベース金属間相のボールミリングは例えば、直接、元素のパウダ ーから(i)Ti-58at.%Al合金に適用される適度の(moderate:中程度の)ミリン グ条件および(ii)TiH2+Al3Tiの混合物の化学反応あるいはミリングによって[191 ]可能であった: 4TiH2+Al3Ti → Ti3Al+2TiAl+4H2 (MA1) これについては、TiAlの形成によって、推進力が増し、後続のHIP処理、そし て間接的に(iii)αTi中の24〜33wt.%Alの拡張固溶体あるいは50〜55at.%Al を含むアモルファスTiパウダーの熱処理を経由して対応する容積分が95%に増 大する。ここではミリング条件は(i)の場合より極端であった[192]。 Alベース合金のボールミリングには、引張り降伏点450MPa、不足率を1/100に 軽減して断裂じん性K1C45MPam0.5のAl-Li-Mg-O-C合金の開発が含まれる。 極限引張り強さ500〜550MPa、環境に対する延性が7〜15%([193]と比較)のIM7 075-T73ならびにMA Al-Ti合金と比較。遷移金属を含む複合(complex)アモルフ ァスMA Alベース合金の結晶化温度が600℃程度であることが報告されている(図1 05)。押出MA材料は、室温で注目すべき機械的特性を呈した[194]。アモルファ スAlベースAl遷移金属相は、次のミリング時間後に得られた。すなわち、よ り複合度が高いAlベース合金104については23次官、アモルファスAl-25at.%N bについては15〜40時間[195]、アモルファスAl-50at.%Nbについては60時間[196 ]、アモルファスAl-10〜50at.%Fe合金については180〜450次官、アモルファスA l-Ta合金については300´までである[196]。 工業用(engineering)Alベース合金のボールミリングにしばしば採用される 方法は、反応作用が発生しやすく、そして/または操作効率を増大させるために 使われる先駆物質(プレ合金化処理、すなわちパウダー)に潤滑(lubrifying? )剤として炭素(支持:bearing)成分を加えることである([139,197,199]と比 較)。0.5-4.0wt.%C,0.5wt.酸素、12-20wt.%Si、場合により5wt.%Feを含む Alベース合金について報告されている[197]。これらのMA Alベース合金は、膨 脹性が高い遷移金属Ni,Cu,Cr,Ti,Zrおよび/またはAgを含まず 、Mgおよび/またはZnのような(平衡)固溶体硬化元素も含まない。MA軽 合金パウダー中の酸素は、霧化先駆物質およびその他の(プレ合金化処理された )先駆物質および/またはミリングおよび後続のパウダーハンドリングに採用さ れる(不働)大気に由来すると考えられる。相対的にかなり安価な合金化用添加 物であるSiとFeを採用すると、(i)例えば吹付け成形と合成物(composites )を採用する場合と比較すると、炭素および酸素/酸化物を使いボールミリング を行うことで工学(エンジニアリング)特性がより一層効果的および/または十 分に向上し、そして/または(ii)利用できるボールミリングプラント(の生産性 )に関連して採用する供給材料のコストを最低限に抑える必要および/または可 能性が生じる。 Mgベース合金の準安定相形成の潜在能力(ポテンシャル)の存在が、(i)交代 多 層Mg−Niの冷間圧延[200]および(ii)プレ合金化処理した結晶Mg-30原子%Zn の機械的合金化[201]と元素(elemental)Mg-Al-Caパウダー[202]の混合によって 示されている。更に最近、ヘーマンが[194]、マグネシウムをベースにする熱安 定性非平衡相を実現するための研究について報告している。Alベース合金につ いて、これまでに報告されているものでは最も高い結晶化温度620℃によるアモ ルファスAlベース合金の研究に続いて、部分アモルファスWE54ベース材料 が開発された。この材料については温度を480〜614℃の間で拡張する結晶化ピー クが報告されている[203](図106)。それらの結果は、遊星ボールミリングによ って(WE54+3〜9重量%Al2O3)の構成部品を粒子サイズ10〜400μmのパウダー に加工することによって実現できた。尚、SiCを混ぜたWE54のボールミリング については、弱くなり、非平衡相構造(formation:形態)が熱に対して安定度 が低くなることが報告されている[S203]。厳密なミリング条件(ミリング時間な ど、下記を参照)は未だ公表されていない。 対応する押出状態(as-extruded)合金の初期強度値は、伸長・断裂値が3〜8% の環境では400MPa以上、熱機械的(物理的)加工処理を含む加工段階のいずれか を最適化していない場合、250℃で200MPa以上(伸長50-60%)[194]。沈殿(pre cipitate:凝結水分)−の未確認サイズが<1μmの分散が、380℃で押出時に 再結晶化を抑制することが観察されている。合金化された成分間における本来の 発熱反応では、パウダーの未粉砕混合と比較した場合、容積部分が2倍以上の新 しい耐高温分散の形成が考慮される[194]。内部反応によって微小構造に適合す る可能性には、形状の 酸化レドックス反応を介する化学相変換および反応熱-600[kJ/mole]発生による 分散強化が含まれていた。αMg中のYの固溶体の熱形成の無視、反応の対応エ ンタルピーは明らかに発熱的である。この反応の活性化は、所定の合金濃度に関 する微小構造、均質性およびアモルファス化の程度の増大に伴い、また510〜620 ℃の間で観察される対応する発熱効果の熱流の増大に関する所定の実験条件につ いてAl2O3の容積部分増大に伴い上昇すると考えられる。下記タイプの 発熱反応が著しくなると、反応値-1280[kJ/mole]のエンタルピー発生も可能であ った。潤滑剤を使用するその他の反応の報告は未だ見られない。ところが、(反 応の結果)得られるMg合金は、Mg金属マトリックス合成物の第2世代である 。これらは、ODS合金の微小構造のナノメーター長さスケールを第1MgMM Cと結付ける。対応する界面(インタフェース)問題はない。 フリッチュによる´Rpulverisette5´装置の使用の場合、回転式円筒状鋼製コ ンテナ4基が対称に配置されたFRG(すなわちバイアル)は共通のピボットの 周囲と外径が10cmで外部高さが5cm(図107および[204]を参照)の各バイアルの ピボットの周囲を二重回転し、マグネシウムが8gを超えぬ合金を採用する。他方 、アトリタ(attritor)コンテナの閉鎖と再開放がArグローブボックスで行わ れ、引き続き1barの4N8アルゴンを流した。下記が可能であった: 1. (プレ合金化)WE54合金チップの変換およびインゴットバーから直接にMA WE5 4−パウダー粒子サイズ80〜500μm−に(曲り)旋削機械加工して先駆物質合金 を包囲霧化する(常に機械的合金製造を容易にするために必要([198]と比較) 。MAを非平衡合金のためにもっと有用なものにするが、採用したチップサイズ を含む対応するミリング(フライス削り)条件は未だ公表されていなかった。 2. 未確認の非平衡マトリックス相の容積部分および(逆転できない)変換温度 を上昇、装置の回転速度を(しばしば「ミリング強度」に関連)増大、「ここで 得られる(resultant:合成)パウダーをミリングコンテナの表面に溶着(バイ アル、図106、107と比較)、パウダーの損失が増大、サイズ3ミクロンの3〜9重 量%Al2O3をWE54チップに使用するとミリング速度が増大、収量が減少するが、 所定の容積部分(volume fraction)に必要なボール・装入量(charge)の機能 重量比としてのミリング時間および/またはミリング強度を含む厳密なミリング 条件は未だ報告されていない。 3. 3ミクロンAl2O3パウダーと3ミクロンSiCパウダーを95〜99%まで混ぜ機械 的合金化したWE54ベースパウダーの収量(yield)を、潤滑剤を使わず回転速度 を相対的に低くしてパウダーサイズを80〜250%とするか、あるいは潤滑剤を使 い回転速度を相対的に高くして(10-400μm)増大する。その場合、MAパウダー から製造された分散強化Mgベースマトリックスの固化が考慮される。パウダー のガス抜きは不要。ただし、ミリング時間と速度、潤滑剤と関連装入量、WE54チ ップのサイズおよびミリングボールの数とサイズの詳細は未だ公表されていない 。 基質温度(分配)が制御されていたものと考えれば、VDにおける非平衡相の発 生が、再輝の欠除のために許されるが、生産性は別の要因による(上記を参照) 。ところが、原子長スケールにおける合金化要素(元素)の分配が均等の機械的 合金化による非平衡相の形成(生成)には、制御すべきパラメータの独特の(ユ ニークな)階等を含むオペレーターのためのミリング変数を相対的に厳密に定義 する必要がある。チェンらは[205」、「ミリングプロセスに影響することが知ら れている」8要因をまとめている: 1. ミリング用設備(例えば、アトリタ(attritor)、遊星ボールミルあるいは 振動ミル) 2. 「ミリング強度」(ボール速度、それによって得られる衝撃エネルギー、衝 撃頻度およびそれによって得られる衝撃力) 3. ミリング温度(熱、冷など) 4. ミリング大気(真空、Ar、空気、N2、制御剤) 5. ボール対パウダー(装入(charge))重量比 6. ミリングコンテナの容量の充填分(filling fraction) 7. ミリング装置の構成材料(WC、(鋼(のタイプ)、セラミック)および 8. ミリング時間。 この点に関して他の研究者の報告に興味がある([206]と比較)。 3. 発明の明細書:MAを含むボールミリングによる非平衡Mg合金への必要な (微小)構造変換を達成するための(オペレーターのための)質的および量的パ ラメータ 必要なミリング技術および変数ならびに完全なあるいはほぼ完全な非平衡Mgベ ースマトリックス相をMAによって経済的に実行できるミリング時間内に製造す るために必要な初期先駆物質材料のタイプを確認することが発明のこの部分の目 的である。ところが、一定の合金系の(軽)非平衡相の選択と生産については未 だ、ボールミリング技術、ミリング変数および先駆物質材料の階層が確立されて いない。特にボールミリングによる合成物材料よりむしろ均質非平衡Mg合金に ついて確立されていない。 3.1 機械的合金化(合金製造)および/またはボールミリングによる(均質)非 平衡(ne)相の形成可能性 ボールミリングによる固体状態のアモルファス化(無定形化)(ならびにその他 の競合する非平衡相、例えば結晶、準および/またはナノ結晶および/または末 端固溶体伸長の形成)は、最近まで、対応液体の負混合熱、ΔHmixおよび関係 の成分の拡散率の大きな差、ΔDに依存していると考えられていた([207,208] と比較)。ボールミリングによる固体状態アモルファス化と同じ合金系の液体か らの急速冷却(RSP)によるアモルファス化との一致については([209,210]と 比較)巨視的熱力学(自由エネルギーΔG)とΔHmix指標の重要性を検討すべき であると考えられていた。他方、RSPの場合と比較して、ボールミリングによ る一定の合金系のアモルファス化濃度範囲の偏差と伸長は、RSPと比較し(例 えば冷凍範囲)実効運動バリヤーが少ないために(例えばΔD)、ボールミリン グによる超非平衡相の形成可能性を呈すると考えられていた。 平衡合金構造により予め設定されている非平衡相形成のためのバリヤーを超える ボールミリングの効果はプロセスに固有のものである。アモルファス単相フィー ルドの伸長がTiAlベースの合金について、45〜65重量%Alの範囲で、すなわち融 解紡糸によるような急速凝固の場合に考えられるのは、低レベルにおける不都合 な強固キネティクスが原因でAlレベル>60原子%のアモルファス相のみである 濃度範囲で報告されている([211]と比較)。2点の遷移金属で作られた多数の 非平衡相(すなわち、TM(1)-TM(2)、その場合、TM(1)はCr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Pdあ るいはReである。すなわち、「後期」(late)遷移金属である。TM(2)はZr,Ti,N bあるいはHfである。すなわち、いわゆる「早期」遷移金属である)が要約され ている[211]。負あるいは正のΔHmix値が相対的に低い3d系では(例えばV-Ti,C r-Zr,V-Zr,Fe-Nd)、ボールミリングはアモルファス合金の代わりに専ら結晶状に なると信じられていた[210,211]。 ΔGおよびΔD指標は、濃縮が進んだアモルファスおよび非平衡金属材料を予想 させるために広範囲の注目を呼んだが、オペレーターによる非平衡相形成と選択 の面では実質的な利点は認められなかった。従って、ボールミリングによるne 相に関する大量の発表は、観察結果のΔG判断が対象である。適用パラメータと 操作変数の分析は行われていない。ところがその間に、ボールミリングによるア モルファス相について、Cu-W,Cu-Ta,Cu-V,Si-Zn,Si-Sn[213-216]のようなΔHmi x 値が正の系およびV-Zr[217]のように差ΔDが少ない系ならびにSi,Ge,GexSi1-x およびGaAs[218-221]におけるようなダイヤモンド結晶構造を持つ純粋および合 金化成分で観察されている。 ミリング条件が正しいものと仮定すれば、明らかに、常にボールミリングは合金 系と組成に左右されず、非平衡相を形成できる。第1の疑問:「ミリング処理状 態の(as-milled)パウダー生成物の変換率、収量、純度、均質性を増大し、最 適化するための操作(作業)変数は何か?」ボールミリングによるne相形成の ための推進力は未だ材料にエネルギーが作用する形状の具体化を伴わない合金構 造および形成可能性キネティクスに関連があった。固体のボールミリングによる 非 平衡相変換のエネルギーは衝撃と摩擦によって供給される。ところが、ΔG関連 状態図の計算は未だ機械的衝撃エネルギーの具体化を伴わない温度の関数である 。それ故、それらは、ボールミリングによる非平衡相の形成を説明する補足以上 のものを提供できないのである。ところが、それらが、非平衡相の形成の排除に 適用されると、ボールミリングによる固体合成を介して非平衡相の形成のための (操作(作業)=機械的に敏感な)推進力の分析を誤らせることになる([222]と比 較)。これは、物体の(巨視的)状態の変更を伴わぬ相変換に関する公理(maxi m)は、(過剰な)加熱をせず、(ミリング)操作(作業)に必要な時間を超過 せず、加工処理を避けることである(上記参照)。 機械的合金製造(合金化)によるne相形成の主な判断(解釈)は次の通り([2 23]と比較): 1. 急冷あるいは緩冷に類似の局部融解 2. 可塑性歪みの効果 3. 熱拡散および無熱拡散、後者は照射効果に似ている(図108)。ガフェと協 力者によれば[225,264]、異なるボールミリング術によって導入される微小応力 は、静的および動的機械的負荷によって導入される微小応力と電子、中性子など による照射と同程度である。 4. 例えば拡散制御の相違の関数、ΔD、特に非平衡状態における異なる成分A とBの(薄い)多重層を横断する化学的拡散。 5. ナノスケール結晶(結晶粒)精製の効果(結晶粒サイズと対応する格子のパ ラメータの減少から生じる格子の安定度とアモルファス化)。 全ての筆者が、ボールミリング処理された材料の自由エネルギー増大がミリング 時間に伴う構造欠陥の増大から直接生じる結果と見ている(原子の乱れ(atomic disorder)の形でエネルギー貯蔵)。エネルギーの増大度に応じて高温の構造安 定、結晶の乱れあるいはアモルファス相。この相は、温度増大(断熱変形作業、 圧縮および/または剪断のため、全てが対応するcp値を増大)および対応する 平衡相に(再)変換および/またはその自由エネルギーを拡散による緩和を介し て 最小化する傾向と競合している。多くの研究者が、自由エネルギー(の蓄え)の 増大の原因を弾性エネルギーの増大に帰している([226,227])。弾性エネルギ ーの増大は、張力、圧縮、捩じれ、剪断のような静的負荷によって生じると考え られるが、ボールミリングは、一定の衝撃頻度で個別のエネルギーの反復衝撃が 掛かる動的負荷を表現する。更に、ボールミリング時の動的負荷は衝撃の瞬間に 発生し(その規模は10-5sec)、2回の衝撃の間の周期以下の規模である。従 って、ボールミリングは、(それが出ると)動的負荷が2振幅の間のサイクルま るまるの間に生じる(その)疲労とは異なる。最後に、衝撃のエネルギーをショ ックと摩擦を介して吸収する能力は粘性抵抗に関かわるものであったが([228,2 29]と比較)、粘性抵抗に帰因する物理指標は未だ認められていない。 明らかに、MAによる非平衡相形成に関すミリングおよび構造変数は、補足加点 方式よりはむしろ減点方式で表現されており、対応するパラメータの汎用階層を 作る基礎になるものであろう(請求範囲の第1項と比較)。オペレーターがボー ルミリング技術に従って選択設定した衝撃力は場合により、非平衡相を生じるた めに構造バリヤーを超えることがあり、溶質トラッピングが作用して急速凝固を 生じさせるため、(ΔD指標のような)材料パラメータおよび/またはその結果 行われる(resultant)(初期)材料選択は引き続き経済的に利用できる生成物 の率を管理し、決め手となる。ほとんど拡散体(diffusor:拡散器)を伴わぬ系 (例えばZr-V)におけるアモルファス相の形成は、相対的に稀であるが、Ni-Ti 系およびFe-Zr系(拡散性が著しく異なる早期遷移および後期遷移金属の組合せ を示している)では、相対的に拡散性が同じCr-V系およびZr-V系におけるガラス 形成と比較すると、相対的にたやすい。全てが、少なくとも幾つかのΔD指標の 重要性を証明しており。ne相形成に必要な操作(作業)変数の量化の面で伸展 があり、一つのボールミルから別のボールミルへと広く適用できる。 3.2 遊星ボールミルの利点:均質非平衡相を形成するための最高度・最大範囲の パワー制御 遊星ボールミルは(中央)回転ホルダ(ディスク、テーブル)より成り、それら の上に決まった量NMVの回転ミリングコンテナ(すなわち(ミリング)バイアル 、ここでは添字MVで指示)が底部に装着される[204]。バイアルは常に回転テ ーブルに装着され、バイアルの開口部(のオリフィス)の平面上の法線は上を指 し、回転テーブルが動く平面に対して垂直をなしており、(開口部に)対応する 初期(すなわち先駆物質)材料(の混合物)を充填し、バイアルから所定のミリ ングサイクルCM=fn(パラメータ数、Np)経過後ボールミリング加工した最 終製品を取り出せるようになっている。遊星ボールミルの回転テーブルが時針方 向に回転すると、バイアルは時針と反対の方向および逆に回転する((/で指示 する)4個のバイアルの構成図の場合、図109を参照)。商業ベースで使えるボ ールミルの場合、回転ホルダ軸ごとのバイアルホルダの最小個数は2個である。 すなわち、NMV(min)=2である。ただし、仮定的には、1個のバイアルの重量が 、ホルダディスクの反対側の等価重量によって遊星になる可能性があるため、NMV (min)=1となる。 ミリングボールごとの分離と運動エネルギーEKのコントロール(制御) 遊星ボールミルのバイアルの内側にあるミリングボールは、(i)内部壁面に沿っ て転がるかあるいは滑り、そして/または(ii)バイアルの反対側内部壁面に向か って弾き飛ばされ、(図109と比較)、そして/または(iii)バイアル容積の充填 量が多い方の部分(fraction)で動きが一層複雑になる。(ii)タイプのミリング ボールの動きを、(商業ベースで利用できる遊星ボールミルで)重力の25倍以上 までになる遊星ボールミリングによって生じる遠心力の調査に利用できる[204] 。ところが、(ii)タイプのボールの動きが可能であるのは、ホルダディスクの回 転によって作り出される遠心力がバイアルの回転で発生する遠心力以上になる場 合のみである、すなわち Ω2R>ω2r* (MA4) この場合: 1. Ωは、少なくとも1個のバイアルについて間隔Rが定められている回転ホル ダディスク(バイアルホルダーテーブル)の回転速度。 2. R=ODMV、すなわち、回転ホルダディスクの中心ODとバイアルホルダが 固定される回転ディスク上の少なくとも1個の回転バイアルの中心OMVとの間の 分離間隔。 3. ωは、回転数ホルダディスク上に装着され、半径“r”が与えられる少なく とも1個のバイアルの回転速度。 4. “r”は、バイアル内半径および(それによって得られる)合成実効半径r* =r−rb,i、その場合rb,i=ミリングボール半径。 ところが、(ω2*2r)比>1の場合、遊星ボールミリングは急速「粘結」 (ケーキング)になる可能性があり(バイアル壁用材料の強化)そして/または ミリング効果(作用)の欠除のために操作が失敗する(すなわち、微小構造の精 製および/またはパウダーの製造、下記を参照)。(ii)タイプの動きでは、飛ん でいる(すなわち分離後)ボールごとに運動のエネルギー(ベクトル記号:EK )の離散値を次式で制御(コントロール)できる([224]および図112と比較):E K =(mb/2)*(V d2) [J/impact] (MA5) ここで dは、次式によって与えられる対応ボール速度である(数学的詳細につ いては[224]を参照):V d =[-RΩ+r*ωsin(αd)]I-r*ωcos(αd)J [m/s] (MA6) ここでsin(αd)=(-r*ω2/RΩ2)=C=絶対値を生じる動き(ii)のため の分離各(αd=ωt(α)に影響されない。MA8式を参照)、すなわち EK=mb/2[-RΩ+r*ω*(-r*ω2/RΩ2)]2 [J/ball] (MA7) 図110 では、所定のディスク回転Ωにおけるバイアル回転ωのVd(すなわち条件 MA4下の)の振幅の効果および商業的に利用できる遊星ボールミルのRおよび r*値を使うことによって与えられるバイアル回転ωにおけるディスク回転Ωの 効果を示す[204]。明らかに、Ωの増大は、Vdの振幅を増大させるにはωの増大 よりずっと効果的であり、他方ωの増大は指標MA4によって急速に制限される 、すなわち(r*ω2/RΩ2)<1である。図111では、MA7式によって得られ るより完全な結果を紹介する。明らかに、大きなR値(G5)によって、同じか 、相対的に小さなR値(G7)使う場合よりもずっと大きな衝撃(運動の)エネ ルギーを得るために、回転Ω(例えば1〜2)および/またはω(ポジション3 〜4)について求められる条件が緩和される。更に、バイアル回転速度ωは非常 に小さなR値を使って遊星ボールミルに関するEK値を制御しようとする場合に のみ有効である(図111)[223]。 実効衝撃力P*の制御 (ii)タイプの運動中操作される高い遠心力の結果として、Vd=Vc(衝突速度、図112 と比較)およびベクトル K( d)が衝撃時のボールの運動エネルギーE c(V c )と等しいものと仮定できる。その場合、次式となる: |E c(V c)|=Ec=Ka *(mb/2)*[Vc]2 [J/ball] (MA7) Kaは、全面的に弾力的な衝突の0から、全面的に非弾力的な衝突の1までの範 囲となる。すなわち、EcはΩ2とΩ2Rに対してほぼ比例する。イアソンナとマ ジーニは実験に基づいて、バイアル内面に小さなパウダーの層を設ければKa値 を1に十分近付ける(dose:密接させる)ことができることを示した[230]。ミ リングボールによって実際に発生する衝撃頻度f´は、飛散(flight)時間t1 および最初の衝突後にボールがバイアル面に付いている時間t2によって制御さ れる: f=1/(t(α))=1/(t1+t2) (MA8) ここでt1は、次の2条件を満たす場合、数値で得られる([224]と比較): [-RΩ+r*ωC]t1+r*(1-C2)1/2=Rcos(Θ)+r*cos(α) (MA9) [-r*ω(1-C2)1/2]t1+R+r*C=Rsin(Θ)+r*sin(α) (MA10) ここで、θ=π/2+Ωt1、分離はt1=0である。飛散時間t1の解は、Δαの操 作によって得られる(アブデラウイとガフェ提案([224]と比較)Δα=0.01°)、 所定のΔt1増分に対して0から2π。MA9式およびMA10式の解によって 、ミリングボールの分離と内部バイアル面との衝突(衝撃)の間の飛散時間t1 およびΘc(すなわち基準フレームに対するミリングボールの衝突の位置)および αc(すなわちバイアルにおける衝撃の位置)が得られる。後者2点は次式を使い t2を計算する: t2=[3π-(Θcc)+arcos(r*ω2/RΩ2)]/(Ω+ω) (MA11) ([1223]と比較)。バイアルおよび単位時間別のバイアル面(および/または材 料、下記と比較)との衝突事件回数、すなわち、バイアル別衝突事件の頻度fは バイアル別に採用されるミリングボール数nbによって副次制御される、すなわ ち f=f*nb(MA12)図113および114 は、Ωおよびωの関数としての頻度fの数値を示す。nb=5お よびR=13cm(G5)、R=7.5cm(G7)およびr*=1.35cm[223]。バイアル 回転速度ω(Ecに影響するだけではない、図110および111を参照、更に)バイ アル面におけるミリングボールおよび/またはバイアル面における材料の実際の 衝突の頻度f´およびfならびに(その結果、生じる)衝突力P´およびP([W ])に関して特に重要である、すなわち P'=Ec *f'とP=Ec *f (MA13a,b) (図114と比較)。バイアル回転速度ωによって、所定のディスク回転速度Ωに 関する離散(discrete)衝撃頻度f´(f)が得られる(低めのΩではR)。す なわちf(f´)はωに比例し、Ω値が高めの場合、相対的にRに左右されない (図113)。イアソンナとマジーニは[230]MA9およびMA10式で得られるf ´はミリングボールの充填部分(filling fractions)に関する実験観察と良く 一致していることを照会している、fnb<0.5、その場合 fnb=nb/nb(max) (MA14) nb(max)=バイアル別最大数、これはミリングボールのサイズに左右されない、 個別の(ii)タイプのボールの動きの代わりに衝突カスケードが(速度が上がった 場合に考えられる)生じるか否かに左右されない。ところが、Ecにおける距離 Rの作用のために、Rが7.5から13cmに増大するために、例えば、衝撃力Pが所 定のバイアル回転ω=300rpmの時にΩ=400rpmについて係数が2からΩ=500rpm について係数が3に上昇する。[114]バイアル別初期材料の単位質量あるいはモ ル当たり事象(events)の実行平均衝撃頻度f*は、バイアル別初期(先駆物質 )装入量(charge)の絶対重量によっても制御される、すなわち f*=f/Σmcharge [Hz/gram] と f*=f/Σncharge [Hz/mole] (MA15a,b) 衝撃力に大きな範囲に離散値が考えるならば、次式になる、すなわち P*=Ec *f* [W/gram] and/or [W/mole] (MA16) これは実効機械的衝撃力P*であり、非平衡相形成に必要な力Preq(T,x)に 適合し、所定(該当)の合金系の構造によって生じる。離散(ばらばらの)、場 合により高いP値(次の段落を参照)を制御することによって、遊星ボールミリ ングを(特にMgベースの場合)非平衡相の固体合成にとって最も有望な(興味 のある)ボールミリング技術になる。これ(非平衡相)には十分な耐蝕性を備え るために原子長スケールで均質性が求められ(上記参照)、代替(二者択一)ボ ールミリング技術によってもたらされるパウダーおよび/または微小構造(二次 相および/または結晶粒)精製法を具体化するものである(次の段落と比較)。 衝撃力Pのボールミリング処理された材料への伝達を制御することは、例えば、 (遊星)ボールミリングによる非平衡相の容積部分(volume fraction)にとり 重要である。チェンらは[205]結晶NiZr合金を全アモルファス(すなわち100vol. %非平衡)相形成に変換するために求められる機械的衝撃力Pにおける最小出発 点(threshold)(の存在)を報告している(図115及び下記)。アモルファス化 を考慮する温度範囲以内で所定のミリング温度についてショック力の増大に伴い (定常状態)のアモルファス化の増大が観察された(図115および121と比較)。 ミリングボールのサイズ、材料、合成重量および充填部分の効果 明らかに、比Σnb/Σmchargeは重量比ではなく、ミリングボールの重量対Σmcharge の比は非常に使いやすいパラメータではない。これは、ミリングボール別 のサイズ、材料(組成および合成(それによって得られる)密度)および合成重 量が定義されていない限り、ミリングプロセスに入る未定義の無数の材料とボー ルが考えられるからである。(市販されている)ミリングボールのサイズ、材料 および合成重量の選択は、関連の非平衡相のためにPreq(T,x)を得るために遊星 ボールミルにおけるR,Ω,r*の選択にとり、その重要性は二次的なものであるが (所定nbの数、バイアル別衝撃頻度f、衝撃EK,s別エネルギー、合成力(MA13 a,b式)はωとΩによって独特な定義がされている、下記と比較)、最も重要な 点は、例えば、必要な非平衡Mg合金のような合金の純度、ボールミリング処理 された材料の良く目につく(affordable)タイプの汚染などである。例えば鉄の 汚れを防ぐ方法には高いF c,s/F G,f比(次項と比較)の採用が含まれる、例 えば潤滑剤(lubrifyers)(下記を参照)、WCバイアル中の少量のWCボール が、汚染を軽減させる方法として報告されている[231]。 ミリングコンテナ(バイアル)別に使われるミリングボールの数量nbは、Σmcha rge と同様にミリングコンテナのサイズに左右される。nbは、適用可能および/ または許容可能の(最終先駆物質の加工(wrt.)汚染、市販のもの)材料の範囲 ΔΣkによって、下記が対象に指定される。すなわち、a)ミリングコンテナおよ び/またはコンテナ表面(遊星:バイアル)向け、b)ミリングボール向け−半径 rb,iと(mb)ijによって比重ρbjが生じ=得られる(合成)数量分の(nb)ij個 別のミリングボールの絶対重量あるいは(例えば混合物全体の数、すなわち)ミ リングコンテナ(バイアル)別Σ(Σ(nb)i)jが得られる。この表示法は、特に ボールミリングで発生する摩損およびミリング時間の関数としての必然的な変化 rb,iに関して重要である。商業ベースで入手できる(市販の)ミリングボール の材料は、SiO2(achate、密度:2.6g/cm3)、「シアロン」(90%Si3N4,3.24g/ cm3)、焼結コランダム(99.7%Al2O3,3.7g/cm3)、タングステン・カーバイド (96%WC+3%Co,14.75g/cm3)、焼入Cr鋼(7.85g/cm3)、ステンレスCr-Ni鋼(7.89 g/cm3)、テフロン、鋼心付き(3.0g/cm3)、純度97%ジルコニア(ZrO2,5.7g/cm3 )を含む[204]。所定のρbjおよびrb,i(nb)ijあるいはΣ(Σ(nb)i)jの場合 、fnb(crit)によって制限されており、それ以上では力(の伝達)効率が減少し (図116)、約0.5である([230]と比較)。これらの材料の利用できるサイズrb ,i 範囲は5から10以上、15〜20mmである。 頻度fおよびEKは、同時に(mb)ijおよび(nb)ijを規定するミリングボールの 比重ρbjおよびサイズrb,iのような二次パラメータによって結合されている。 ボールサイズΣrb,kの上記の範囲内でrb,iが減少すると、エネルギーの伝達E cが増大し、頻度fが減少することが報告されている[230]。このことは、数が異 なり、直径が異なるボールによって同じ衝撃力を伝達できることを示しているの である。従って、衝撃エネルギーに関係無く、バイアル別衝撃頻度をバイアル別 ミリングボールの数によって制御できるために、遊星ボールミリングによる非平 衡相形成のために使えるパラメータウインドーEc対f*を、ω/Ω比(下記を参 照)に関係無く、ある限度内で増大させることができる: f*=ΣΣf*i,j=ΣΣf*(nb)ij/Σmcharge[impact/(sec gram)] [Hz/gram] (MA17) ボール重量が飛散中のボール速度に影響しないとする条件下では、(mbijの 減少によってEcが減少するとfを増大させることができるが、ボール重量(mb)ij による微調整Ecおよびfの効果は、所定の装置の場合はΩとωによって制御 され、次式では、Rおよびバイアルのサイズとrがボール別の衝撃エネルギーを 制御する: Ec=ΣΣEc,ij=ΣΣ(mb)ij/2*([-RΩ+r*ω*(-r*ω2/RΩ2)]2) [J/impact] (MA18) ビレットの加速および(それによって生じる)合成飛散速度Vdは、長い飛散距 離を介する重力の作用によって変化する可能性があるため、所定のΩおよびωに ついてミリングボールの重量による衝撃を介してEcを操作する自由度は、内半 径が非常に大きい工業用遊星ボールミルのバイアルの所定のΩとωに対応するミ リングボールのタイプおよび/または数を使って頻度を操作する場合と比較して より狭く制限される。図117は、ミリングボールの数(nb)ijおよび/または重量 (mb)ijの操作によって加工処理ウインドーを増大させる相対効果Ec=fn(f*)で ある。離散運動エネルギー値Ecの分解、およびその結果生じる力伝達モード: 所与のP*に対する伝達効率、ミリング時間、および温度の制御 ミリングボールの衝撃により、材料(すなわちバイアル、先駆物質、およびne-ph ase、あるいはそのいずれか)に局所的な弾性および可塑性変形、ならびに摩擦が 生じる。(i)分離および衝突時にミリングボールとバイアル表面あるいは材料と の間に滑りが生じない、(ii)移行中にミリングボール間、あるいはミリングボー ルと材料の間、あるいはその両方に衝突がない、(iii)ミリングボール重量が速 度に与える影響は無視できるという仮定のもとで、離散Ec値は以下の2成分に分 解される。[図112参照] Ec=| E c(V c) |=mb/2*(V c,p 2+V c, α 2)=E c,s+E c,f [J/impact] (MA19) この式で、V c,pは法線速度(ショックによる変形エネルギーを主に誘発する)、V c , α は接線速度(摩擦による熱を主に誘発する)である。両方の相対速度を定量的 に計算するために、以下の式(1)を用いて、方程式MA6をデカルトから衝撃時の局 所的な接線(uα)および垂線(up)成分に変換することが必要である。u p =cos(α)I+sin(α)Ju α=-sin(α)I+cos(α)J 以下になる。I =cos(α)u p-sin(α)u αJ=sin(α)u p+cos(α)u α (MA20a,b) MA20aおよび20bの両式の代わりにMA6式を用いると、以下のように絶対値が定め られているバイアル表面の衝撃モーメントにおけるミリングボールの法線および 接線速度が得られる(数学的処理の詳細については、[223,224]を参照)。 Vc,p=[(-RΩ+r*ωC)cos(α)-r*ω(1-C2)0.5sin(α)] [m/s] (MA21) Vc, α=-[(-RΩ+r*ωC)sin(α)-r*ω(1-C2)0.5cos(α)] [m/s] (MA22) 図110は、R=12.5cm、r(*)=2.775cm、Ω=206rpm(3.43Hz)、w=80rpm(1.3Hz)であり 、その結果、C=(-w2r*)/Ω2R=-0.0335になるという仮定のもとで、α=wtの関数 として、Vc,pおよびVc,αの結果を示している。 衝撃角度であるαは、MA9およびMA10の両式を通じて数値的に得られる。その後 にMA21およびMA22の両式をMA19で置換すると、それに対応した(a)材料に誘導さ れる摩擦エネルギーに対する衝撃の比、(b)それに対応した衝撃および摩擦力の 割合、および(実際は)(c)その結果生じる材料の弾性および可塑性変形、(d) その結果生じる局所の平均および最高温度が得られる。図118は、所与のバイア ル回転速度w、ならびにR=13cmおよびr*=1.35cmにおいて、円盤回転速度Ωの上昇 に従って衝撃エネルギーに対する摩擦の比が低下することを示している。所与の 円盤速度Ωについてバイアル速度wが低下した場合に、Ec,sがEc,fを上回る可能 性があるが、Rの上昇あるいはr*の低下によって比(w2r*/Ω2R)(c,f.MA4基準)が 低下する可能性もある。衝撃角度α、およびそれによって生じる、最大衝撃エネ ルギーおよびゼロ摩擦に必要なΩ/w偶力は、以下の導関数によって数値的に得ら れる。 dE c,s/dα=m[(-RΩ+r*ωC)cos(α)-r*ω(1-C2)0.5sin(α)] [-(-RΩ+r*ωC)sin(α)-r*ω(1-C2)0.5cos(α)] (MA23) dE c,f/dα=m[(-RΩ+r*ωC)cos(α)-r*ω(1-C2)0.5sin(α)] [-(-RΩ+r*ωC)sin(α)-r*ω(1-C2)0.5cos(α)] (MA24) 摩擦は、例えばミリングサイクルの始めに、マグネシウム中の遷移金属あるいは 半金属などの硬い(最終的には脆くなる:以下の段落を参照)先駆物質構成成分の 埋め込みに必要な仕事量を表し、衝撃は、(準安定)非平衡相の粒子改良および形 成を含む構造的変化に必要な仕事量を表す。BenjaminおよびVolin[232]は、彼ら の古典的な論文で、(i)可塑性変形による粒子平坦化、(ii)粒子数を減少させな がら平均粒径を大きくする粒子溶接、(iii)微細構造が先駆物質の層板状配列か らなるものの、溶接および破砕速度がほぼ同じ場合の等軸粒子、それに引き続く (iv)層板状コロニーの形成を含むより無作為な溶接、および(v)微細構造の最終 改良、あるいは粒子改良、あるいはその両方から構成される、粉末の機械的合金 化の5つの期間について報告している。粉末あるいは交互層、あるいはその両方 の形成を促進する材料パラメーター、すなわち先行物質の大きさおよび形状とは 無関係のミリング作用には、ミリング中の粉末製品を用いた場合の、採用先駆物 質材料とリンクするミリング変数である延性あるいは脆性、硬度、抗衝撃性など の作業工学特性が含まれている。ミリングボール、あるいはバイアル(の表面コ ーティン グ)、あるいはその両方に正しい材料を選択したとすれば、摩擦の上昇は、(元素 の、あるいは事前合金化した)先行物質の反復破砕および溶接を強化する第(i)-( iii)段階のミリングサイクルの最初(すなわち、原子長さスケール上で同質性を 持つ関与(元素)成分の相互in-diffusionを通じ、t(ne)reqにおける誘因非平衡(n e,すなわちマトリクス、あるいは1、あるいはその両方の)相形成前に、時間t( me)reqの(サブ)ミクロン域の交代層を作り出す清浄なインターフェースの溶接− 破砕サイクル)だけではなく、対応する非平衡相(c,f.MA3.9)の形成速度の上昇に 関するin-situ加熱を研究するためのミリングサイクルの最後にも、比較的大き いw/Ω-比(c,f.図118および119)によって計画的に誘発されたものと考えられ、 その結果、必要な合計ミリング時間は: treq=t(me)req+t(ne)req しかし、(1)機械から供給される動力を全て利用し、以下のne-phase形成のため の衝撃力効率を最大化するために、ne-相形成、t(ne)reqのサイクル中に、摩擦 を最小限に抑えなければならない。 t(ne)re=Preq(T,x)/Ec,S,c この式で、Ec,s,c.はミリング操作中に蓄積した衝撃エネルギーである。また、( ii)例えばFe汚染をできるだけ低く抑えるためにも摩擦を最小化しなくてはなら ない(ミリングボール材料およびバイアル、合金化添加材および潤滑剤の種類な どの選択などによって汚染を避けられない場合、以下を参照)。dE c,f/dα=0およ びd2 E c,f/d2α=陰性、Ec,f摩擦となるようにΩおよびwを選択しない限り、研磨 およびそのために生じる加熱が必然的に関与し、T-制御は最終的には冷却システ ムを必要とすると思われる。明らかに、「機械的研磨」(非平衡合金を生産する、 単一種類の前合金化先駆物質からのボールミル粉砕に使用される)、および「機械 的合金化」(異なる先駆物質成分を用いた合金のボールミル粉砕に使用される)と いった古典的な用語は、同質の非平衡相に到達しようとするオペレーターにとっ て無意味である。なぜなら、まず第1に、要求される(1相の、あるいは本質的に 1相の)非平 衡構造への同質変換について、衝撃が速度制御の代わりとなる前に、様々な元素 成分の先駆物質の装入が、(研磨という用語から明らかなように)第1に摩擦を、 最終的には長い範囲のオーダーの、原子置換を必要としない(化学)反応を含むこ とを必要とすることが明らかであるからである。(i)および平衡のMg基盤マトリ ックス相を持つ(不応性)分散強化Mg基盤合金の選択、あるいは(ii)について非平 衡性で、ときには極めて抗腐蝕性が高いマトリックス相(すなわち構造作用)、あ るいは両方の相の少なくとも一方に関与している非平衡微細構造、あるいはその 両方を持つ準安定Mg基盤バルク合金の選択は、所与の先駆物質装入の衝撃力のモ ード次第であり、PBMの第I種ほどそれらの制御の自由が得られるような技術は ない。 そのため、(遊星運動)ボールミル粉砕による同質非平衡相の形成に必要な有効Pr eq -閾値は、EKの転移の種類、すなわち有効Ec,s/Ec,f比が、粉砕されるバイアル 表面、あるいは材料、あるいはその両方を伴うボールおよび単位時間f毎の衝突 発生数によって変化する、すなわち2回の衝撃間で定時t(α)=t1+t2である、局 所、平均、および最高温度を制御しているために、Ω、あるいはw、あるいはそ の両方の変化、さらにはそれによって生じる衝撃エネルギー、あるいは頻度f、 あるいはその両方の変化とともに変化すると思われる。注入された力は、回転速 度Ω、あるいはw、あるいはその両方の上昇とともに増加し、遊星運動ボールミル 粉砕を強力にし、最終的には高温ミリング装置とする(その熱は、w=fn(Ω,R,r) 、あるいは冷却、あるいは追加的な人工加熱、あるいはそのいずれかの組み合わ せ、あるいはその全てによって慎重に制御される)。従って、遊星運動ボールミ ル粉砕による優れた抗腐蝕性を持つ、経済的に実行可能な非平衡Mg合金を製造す るためには、Ωとwが分断されている遊星運動ボールミルを採用することが不可欠である(以下参照)。 1)115ページの脚注 回転距離RΩにおける十分な回転速度Ωによって得られるミリングボールの飛行 軌跡(c,f.図112)は、ホルダーディスク(すなわちベクトルUpによる)およびバイ アル(ベクトルupによる)に関し、飛行中の相対的運動によって定義される。(想 定さ れる)重力作用の欠如のために、ミリングボールの相対的運動は、バイアルの回 転ホルダーディスクの2次元面にあり、そのために以下の2つの成分によっての み定義される。 Up=cos(Θ)I+sin(Θ)J と up=cos(α)I+sin(α)J この式で、Θ=Ωt、α=-wt、t=通過する遊星運動ボールミル粉砕の時間(間隔)で あり、IおよびJは、ホルダーディスクの面を定義する基準ベクトルである。ベク トルUpおよびupは、器具の運動、および有効衝撃エネルギー、頻度、および非平 衡材料の単位質量に必要な力を含め、初期(先駆物質)材料に導入する作用に関し 、独自のミリングボール運動の定義を提供する。 市販のプラネタリ・ボール・ミル(タイプII)に見られるEc,fおよび力の伝達 のコントロールの限度: 市販の(タイプII)プラネタリ・ボール・ミル(遊星形ボール粉砕機)を使用す る場合の衝撃力のコントロールに関係する重要な制限パラメータは、ホルダ・デ ィスクΩに対する子容器(vial)の回転速度ωの相互依存/比例関係にある。すな わち、 ω =-kΩ/ω (MA25) ここで、KΩ/ω=定カップリング・パラメータとする。つまり、回転速度はホル ダ・ディスクの回転速度の増加とともに(ほぼ完全にリニア)増加するので、Ω による予備設定が可能である(図119および[204])。Ωとωがメカニカル(モータ 1台で)にカップルされるプラネタリ・ボール・ミルにおいては、大きな衝撃力 は必然的にミリング・ボール当りの比較的に高いショック周波数に結びつくので 、(ii)-タイプのミリング・ボールの動作を介する非平衡層形成のコントロールな らびに選択要件が次第に摩擦の過剰によってオーバランされ、例えば結果として 望ましくないEc,f/Ec,s比を招来する。(図119のタイプIIのプラネタリ・ボー ル・ ミルのKΩωの直線ならびに図119,120の対応する線分を参照のこと)。さらに市 販のプラネタリ・ボール・ミルのタイプ(ii)のミリング・ボールの動作は、比較 的小さな半径のR、従って子容器の小さな半径“r”に制限される(分離条件のた めに決して無視できない。上記参照)。従って、この手法を均質の非平衡相の大 量生産に適用することは現時点では不可能である。このようにタイプ-IIのボー ル・ミルは、Ec,s/Ec,f比、従っP*(T)およびミリング時間、ならびに帰着する 必要な集積エネルギーの限定的なコントロールのみを可能としている。 Ec,c=P(T)*treq (MA26) 従って、市販のプラネタリ・ボール・ミルの子容器当りの衝撃周波数f(与えら れたωまたはΩ、故に与えられたエネルギーEc)は、専らミリング・ボールの 数nb(等式MA12参照)によってコントロールされる。nb=nb(クリチカル)。 ここでncrit=fn(fnb)。 しかしながら、子容器のミリング・ボールおよび/または材料に対する充填比率 が増加すると、不要の摩擦が発生し、従って加熱につながる。 ωをΩから分離した場合のプラネタリボール・ミルの結果(タイプ-I)。 回転速度Ω,ωおよびTを互いに独立させての一貫コントロール、ならびに非平 衡相の形成特性に必要な衝撃エネルギーの分離間隔Rおよび衝撃周波数が組織的 に採用されたのは極く最近のことに過ぎない。Gaffet氏その他の報告[224,233,2 34]の報告によれば、常温でのアモルファスNi10Zr7の形成に際し、R=7.5cmとし て600rpmのΩ上限値および500rpmのΩ下限値の設定またはR=13cmとしてΩ=380 〜410rpmの設定を採用し、双方のケースでωreqがr*=1.35cmにおいて約50(127) rpm〜360rpmになるようにした条件で48時間を要している。(図121,122) 二台のプラネタリ・ボール・ミルによって得られたアモルファス化に必要なEc- および f*-は、全く様相を異にするものであり(図122,133)、衝撃エネルギーおよび周 波数のいずれも非平衡相の形成をコントロールしなかったことを示し(図123) 、双方の積、すなわち得られた衝撃力P*(T)のみによって非平衡アモルファス相( 図124)がコントロールされることが分る。Ωの下限においては、非平衡相の形成 には不十分の衝撃(=活性化)の力(すなわちエネルギー)によってアモルファ ス化が制限されると考えられ、それ以下ではせいぜい部分的なアモルファス化な いしミクロ構造的生成のみ可能であるのに対し、より高いΩとωの領域でのアモ ルファス化は過剰の(局部的な)応力による過熱(局部的)によって限界が生ず るものと考えられる[220,225}。この解釈は、他の執筆者([235]参照)による 類似の観察、ならびに300°Cを越えるミリング温度で完全に消失する手前の子 容器(すなわちマクロ的)におけるより高いミリング温度でのNi11Zr9のアモル ファス化のためのΩ/ωウィンドウの示す縮小サイズによって支持される。しか しながら、アモルファス化の実際のパラメータ・ウィンドウの範囲で構造欠陥を 誘引する比率が安定状態に達し、そこでの衝撃エネルギーは原子の運動によって 吸収され(相転移の完了後に)構造的に均質な非平衡相の内部で揺動する[224] 。表7 は、プラネタリ・ボール・ミルによるNi11Zr9およびその他の金属系および 材料の非平衡相の形成に関してGaffet氏および協力者の採用した定量的ミリング 条件の要約、(ii)得られたウィンドウΔPreqならびに(iii)帰着した集積衝撃エ ネルギーのEc,c=fn(P,t)を掲げる。採用された衝撃エネルギーEcは、0.07 〜0.25J/インパクトの範囲にあり(Ka=1を仮定する)採用された周波数は24Hzと1 30Hzの間にあった。また、結果としての衝撃エネルギーは、0.3〜2.2W/gであり (ミリング期間は40時間と480時間の間を採用)、0.05〜1.0GJ/g.n.b.の集積エ ネルギーに帰着したが、このように高いエネルギーが消費される。。場合は、特 に航空工学的用途ではそうであるが、ミリングされる中身と容器は最終製品と共 存性のあるものでなければならないことが明らかである。Gaffet氏その他の仕事 の特長は以下の事実に示される。(表7参照)。 1. 超テクノロジーのミリング変数制御によるボール、バーおよび/またはロッ ドによるミリングは、(i)ミリング出力の投射であるとともに(ii)操作条件をユ ニークに規定し、与えられた材料(前駆物質)の非平衡状態をコントロールする 衝撃対摩擦の比率を形成した。 これらのパラメータをコントロールすることによって、最近まで機械的合金化法 を含むボール・ミル等の固体合成による平衡の形成を制限すると考えられたΔHm ix-規準等の“フロンティア”の突破を可能とするものである(アモルファスCu- W,Si[218]およびGe参照)。 2. プラネタリ・ボール・ミリングについては、二つの工程パラメータに対する 個別の定性的コントロール、すなわち(i)与えられたR,mbに対するディスク回転 周波数のΩおよび帰着するEc、ならびに(ii)与えられたr*およびnbに対する子 容器の回転速度ωおよび帰着する合金チャージの衝撃周波数のf、これらは全て 与えられたミリング温度についてであり、ミリング温度そのものが非平衡層形成 に必要なパワー入力P*(T,x)の絶対値と性質をコントロールしている。 3. (Ω2R)1=(Ω2R)2の等式に略々基いて非平衡相の形成に対するRおよび Ωreqの定性的効果を最初に報告した。 4. P(T)の最大許容範囲を提供するプラネタリ・ボール・ミルの利点、ならび にP(T)のおよび対応するP(T)の特質すなわち衝撃対摩擦力のレシオ(振動、水 平またはアトリタ・ボール・ミル等の競合ボール・ミル技法では、対照的に全て が不要な摩擦レベルを持つ)をコントロールする利点がある。−次の項目を参照 。 採用されたパラメータの範囲においては、微結晶の精製および帰着する結晶格子 パラメータの拡張から派生すると報告のある[219]純粋Ge(それに表7にないSi) のダイアモンド構造の不安定化の臨界値に対し、ボール・ミリングの条件が著し い効果を示さなかったことは興味深い。また、Cu-W合金(35.5kJ/モルまでの正 の混合熱を特徴とする[236])のアモルファス化に比較的長時間のミリング時間 お よび結果として高集積エネルギーが必要であり、この事実がAl-Nb等の同等のア ルミ・ベースの構成と一貫性を持つことも興味深い。 対照的にNi-Zrの構成は、比較的短いミリング時間と低集積の衝撃エネルギーの みを必要とするが、それに留まらず、400〜820mW/gにおよぶ比較的広域のΔP-ウ ィンドウを示している(表7、図124および[240]参照)。このことは、比較的大 きな負の混合熱、すなわち Ni-Zr構成のΔHmixと関連付けられるかも知れない。なぜならば、ΔHmix-規準は 、アモルファスおよび/または非平衡相の形成(上記参照)を排斥する規準では ないとしても、非平衡相の形成速度およびボール・ミリングとそれに対応する自 然法則によるPreq(T,x)-領域での非平衡相の形成のためのΔPウィンドウの拡大 の規準となるかも知れないからである。 低いΔHmix値は、機械的合金法による非平衡相(マトリックス)形成上のアモル ファス相にわたる拡張固溶体に好ましいと考えられた(上記および[211]参照) 。しかしながら、低いΔHmix値は、終端組成の普遍的な結果であり、気化溶着お よびボールミリング等による非平衡処理で作られる開示のMg合金において低密度 のMgを保持する要件と整合する。 双方の技法は、Alおよび/またはMg等の反応成分の介入如何とは独立し、また比 較的に大きな濃縮合金成分(Mg50X50等[236,241])のΔHmix値とも独立し、マク ロ的な熱力学によってプリセットされる合金構成をオーバランしている。しかし 、機械的合金法および/または機械的グラインディングあるいは化学反応ミリン グにとっては、対応するMg-ベースの合金の不動態化のため、さらに適切なミク ロ構造的コントロールに要する時間(含まれる合金元素の原子長スケールでの均 質生成および抑圧の度合および後続の第二相の分散の熱機械処理によって帰着す る仕上げに必要)は表7に要約される構成に必要なEc-,fP*-およびEc,c-値に よって上首尾にカバーされる。 プラネタリ・ボール・ミルのωをΩと独立してコントロールすることは、以下に 示すように非平衡相の形成特性を引上げる目的でオペレータがEcおよびf*のコ ントロールをできる余地を残すことを意味する。 1. 大容量のミリングにおいて、過大な出力および/または摩擦の投与なしに非 平衡相の形成のための高い活性エネルギーを供給する(すなわち、ミリング・コ ンテナが冷却されているかどうかに無関係にミリング・ボール当りの比較的に低 い衝撃の周波数(局部温度)の適用(注意:ミリング稼働中の均質な非平衡相に 戻る可能性なしに非均質性マトリックスを安定させるために過大な出力の投入が 示されている[233])。 Ωから分離したωによるボール・ミルは、既存のいかなるボール・ミル技法に比 しても優れて効率的な衝撃力を適用し、オペレータによる非平衡相の形成を実現 している。 2. 初期チャージから、現場でのEcに影響しないf*の変更およびその逆を含み 、非平衡パウダによる最終製品の工程の進行において優れて効率的である。(即 ち、ミリング工程で材料を粉砕および/又は露呈の手順を中断することなしに雰 囲気を変える等。) プラネタリ・ボール・ミルの適用可能の衝撃力は、防食性の非平衡マグネシウム 合金等の均質の非平衡相の形成については批判の余地はない。しかし、適用され る技術は十分でなく、経済的に可能な量を生産するのに必要な制御方法は実現し ていない(次章参照)。 3.3 コントロールの程度と衝撃力対生産性の許容範囲: 非平衡層形成のための各種ボール・ミリング技術の比較検討および分類表8および9 は、主要なミリング技術の比較を提示するものである。プラネタリ ・ボール・ミリングのタイプI(および-II)は衝撃力を付加するものであり、その 他の全てのボー・ミリング技術の動力原理をも包含している。これには、(i)ミ リン グ・ボールと子容器の内表面の衝突当りの運動エネルギーEcの離散値のコントロ ール(これは、与えられたRのホルダ・ディスクΩ2と比例し、従って積Ω2Rによ ってコントロールされる)(ii)このコントロールをΩの値および衝撃周波数の広 い範囲に敷延し、広域離散コントロールの結果として得られる機械的衝撃力、(i ii)子容器内表面(反対側)でのボール・ミルの材料との衝突(図109参照)の発 生による少なくとも子容器当り1個のミリング・ボールから転送される摩擦のコ ントロールの程度(子容器内表面から離れた後の)が含まれ、従って、照射のプ ロセスと同様に原子跳躍を引き起すパワー・レベルの設定を可能とする[225]。プ ラネタリ・ボール・ミルは、衝撃力の広域にわたる離散的なEcの値のために、 非平衡相の形成に適合する優れたボール・ミル技法であり、(1)コントロールおよ び/または(ii)衝撃エネルギーの適用範囲がプラネタリ・ボール・ミルと比較し て実質的に狭小である摩擦または振動ボール・ミル等の方式の供するミクロ構造 的な精製をも組込んでいる(参照[205.224])。 振動ボールミルは、“コールド”の低出力フレーム・グラインダ(Pulverisette O等)ならびに“ホット”な高エネルギー・ミル(SPEX等)に分れる。後者の振 動数は約20Hzであり、小型のミリング・ボールを採用しているためにプラネタリ ・ボール・ミルに比較して衝撃エネルギーは約半分である(表8)。フレーム・グ ラインダのフレームは、直径30〜70mmの単一のグラインド・ボールに対してグラ インド台を含む垂直の上下動(電磁コイルによる)が可能であり、大きな質量に よって低衝撃速度での柔軟性のあるストレインが得られる。([205]参照)。図1 27および128 は、高エネルギー振動ミルの三種のバージョンを示す。これらは、 ボールの動作方向について1度、2度および3度の自由度を備えている。高エネ ルギー振動ミルの衝撃周波数は、ミリング・ボール(与えられたサイズの)対( 合金)パウダのチャージの増加する重量比の増加に伴って当然増加するが、2個 のミリング・ボールの間の衝撃は、単一のミリング・ボールとミリング・コンテ ナの間のそれよりも少ない容積(高さ)のパウダを取込むのでプラネタリ・ボー ル・ミルと比して著しく不利であることを示している[242]。すなわち、ボール /ボールの衝突に比べてボール/ウォールの衝突は効率が低く、振動ボール・ミ ルで通常遭遇する高充填比率fnbと直接結びついている。 1Dのバージョンにおいては、エネルギーはショックによってのみパウダに転送さ れるが、2Dおよび3Dバージョンにおいては摩擦が衝撃エネルギーの転送に関わっ ている。パウダ(合金)に吸収されるエネルギーは、パウダの粘性係数の増加に 伴って増加すると推定されるが、この係数については明確な物理的意味は未だに 定着していない([228,229]参照)。 アトリション(摩擦)ボール・ミル(水平または垂直)は、よく“高エネルギー ”ボール・ミリングと呼ばれるが、ボールと材料を(パウダ)を充填した水平ま たは垂直の据付けタンクを介しての撹拌アーム(インペラ)の比較的に高速の回 転周波数ΩAでの回転が関与するものであり、垂直タンクには垂直シャフトがあ り、また水平式には水平回転シャフトが設置されている(図125および126)[243,2 44]。インペラの撹拌動作(与えられたΩA値での)により、小型のボールによる 比較的に低い衝撃速度が実際には比較的に高い衝撃周波数(一般に考えられてい るのとは逆に)と中程度のタンク温度における非常に低い衝撃力に帰着している (実際に識別できるエネルギー形態で)。この状態は、主として鋼片の回転から 生ずる摩擦、すなわち摩擦ボール・ミリングは使用するインペラの材質、ボール 、タンクおよびそれらのコーティングとは無関係に常に比較的に深刻な損耗の問 題に直面していると言える。市販のアトリタは、タンク直径の1mまで、また充填 容積1100Litまでに付き30〜700rpmの範囲の回転周波数ΩAの回転を提供している (容積がこれを上回るとΩA<100rpmとなる)[243]。比較的に低い運動エネルギ ーにおける高衝撃周波数により、アトリタ・ボール・ミルは前駆物質および/ま たはミクロ構造の即効的な精製には魅力的であるが、離散的な運動エネルギーの コントロールの欠如(作動インペラアームの長さRAの範囲により)および比較的 に低い運動エネルギーの供給により、非平衡相のコントロールされた形成は、関 係する合金が与えられたインペラ周波数ΩAで発生する衝撃エネルギーについて 比較的低いEc-レベルでの大きなEc-ウィンドウを提供するものでない限り、問 題外となる。 いわゆる“高エネルギー”タイプのアトリション・ボール・ミリングは衝撃力お よび構造的欠陥の割合、機械的作業、局部的変形ならびに結果として初期前駆物 質に誘引される非平衡相の形成、さらにはオペレータによって設定された外部ミ リング変数による“ケーキング”のコントロールの余地を認めないものである。 最近改良を見た水平アトリション・ボール・ミルは、(i)衝撃エネルギーが増加 し(ii)使用エネルギーの変位を減少し(iii)、垂直アトリタにおける重力関連の 問題(すなわち死角、使用するパウダ材料に帰着する密度傾斜)を除去していると 考えられる[244]。しかし、プラネタリおよび旧式の水平ボール・ミリングとは 異なり(下記参照)、このアトリタの変種はミルされた製品が容器の壁面への接 触が少ないためにアトリタ・ミリングの欠点とされる不十分な冷却について周到 な配慮がなされていない。 直径D=2R=1〜2mの分散強化材料による複合タイプの工業用の水平ボール・ミル であって代表的には充填パウダ1トン、10トンに相当する1,000,000までのミリ ング・ボールを使用するものがある[245,246]。ミリング・ボールのコンテナ壁 面(図129)よりの分離は、シリンダ回転速度ωにて発生する。次の等式が成立 つ。 ω2R<g (MA27) g=重力加速度によってωmax=0.7〜0.5Hzを与え、続いてインパクトに先立つボ ールの放物線軌道の速度を次式によって定める([247]参照)。 vh=2(gR)0.5 (MA28) 速度は、D=2R=1〜2mに対して全て4.4〜6.3m/sである。水平ボール・ミルのミ リング速度のVhは、接線成分Vt=ωR=(gR)0.5および放線成分Vg=(2gZ)、z=放 物線飛翔軌道の放線成分で構成される([247]参照)。ボール対パウダ当りの衝 撃周波数は、ωのオーダにより、比較的低い衝撃力に帰着される。これは、ミリ ング・ボール当りの大重量にもかかわらずである(例えば(mb)ij=50gが、Vh= 6.3m/sにて0.9J/inpactすなわちシリンダ(条件)当り(上)0.9MJとなるので(最大) 衝撃力は0.45W/gを下回る領域にある。)言換えれば、表7に示される殆どの非 平衡相には不十分となる。 水平ボール・ミリングは、いわゆる“低エネルギー”ボール・ミリングとして注 目を集めてきた。この用語は“高エネルギー”のアトリション・ボール・ミリン グのそれと同様に余り役に立たない(条件(オペレータの)がさらに明確に規定さ れない限りは)。水平ボール・ミルは、大容量の容器の入手が容易ではあるがシ ステムでの非平衡相の形成が比較的に低衝撃力を要求するものに限定される(< 0.5W/g)。また、水平ボール・ミルではミリング・バーを使用してインパクト表 面を拡大できるので材料の単位容積当りの効率を高めることも可能である[223] 。 振動、摩擦および重力による・ボール・ミルは以上に見るように三種テクノロジ ーを代表するものであるが、非平衡相の形成においては未コントロールおよび/ または衝撃周波数の過小のために未コントロールの初期材料や非平衡相の容積フ ラクションが残留したり、エネルギーの帰着があらゆるケースで操作可能変数の 自由度の選択や非平衡相の形成またはコントロールする生成インパクトがことご とく制限されてきた。ボール・ミリングを通しての相選択による実質的な特性の 向上を図る明確な要請が欠如しており(現状のMg-ベースの合金の非平衡相形成 に見る限り)、また与えられた材料または材料群の非平衡相(マトリックス)の ボール・ミルによる形成の操作ファクタの手薄のために、手法開発20年の今日に 至るも非平衡相の形成の組織的なコントロールの見通しに障害となっていた(Ti -およびAl-ベースの合金の非平衡相形成について上記のミリング時間を参照のこ と)。最近まで、ショック力のコントロールという事象の意味や与えられた材料 (上記参照)についての非平衡相の生成速度の重要さに注意が払われたことはな かった。重力によるミリング・ボールの自然加速については考慮されており、先 端の軽合金に対するボール・ミリングの本質的な利点は生成された新規のミクロ 構造および/または相の選択とともに評価されている。しかし、ミリング・ボー ルの重力タイプの加速によるミリングは、使用可能の衝撃力のスケールおよび固 体合成による非平衡相の選択と形成に本質的な限界を投げかけてもいる(上記参 照)。 プラネタリ・ボール・ミルおよび関連製品の商品化に関して最も重要な制限的パ ラメータは、距離Rである。Rは、マグネシウム・ベースの非平衡(マトリックス )合金の生産に使用するプラネタリ・ボール・ミルの実用化に向けての更なるス ケール・アップが最重要事である。装置全体として取扱うことのできる量、充填 フラクションの自由度、ホルダ・ディスクによって支持できる遠心力に関連する 全体的なチャージ重量、ならびに与えられたΩmaxに対する最大衝撃エネルギー Ec max、こう言ったものの全てがRの増加と共に増加する。与えられたプラネタ リ・ボール・ミルの与えられたホルダ・ディスク(テーブル)について、R=一定 、すなわちRはプラネタリ・ボール・ミルのタイプ、実験設備およびサプライヤ 毎に可変であると言えるが、今後発売になるプラネタリ・ボール・ミルは、材料 に導入される衝撃力Preqに準じてディスクのRを変化させる機能が備わることも 考えられる。Ωおよびωは、プラネタリ・ボール・ミルの主要な独立変数として 残り、非平衡相の選択をコントロールする。この事情は、可変のRおよび/また は比較的大きなRが得られ、プラネタリ・ボール・ミル技術および製品の工業化 ないし商業化のための所定充填フラクションを収容できる大型のミリング容器を 設置できるようになった場合でも変りはない。 非平衡相および/または合金のためのプラネタリ・ボール・ミルの工業化および 商業化は、使用する材料およびアセンブル技術ならびにコストによって設定され る稼働出力、Ωおよびωの適用できるスケールの決定および最適化が課題である 。 非平衡合金の製造および衝撃力の離散値のコントロールおよび帰着する処理ウィ ンドウに関連するボール・ミリングの技術の利点と欠点は、結果として次のよう な志向の階層に分類される。 1. ωがΩと分離したプラネタリ・ボール・ミリング(プラネタリI-タイプ) ωとΩならびに帰着する衝撃エネルギーのEk、衝撃周波数f、衝撃力P*を実質 的に制限なしにコントロールできる特性を備え、衝撃対摩擦の比を大きく設定で きる。また、その他のボール・ミリングの非平衡相の形成のテクニックの利点を 組込むことができる。 しかし子容器の容積は<200mlに限定される([220]参照)。 2. ωがΩと結合したプラネタリ・ボール・ミリング(プラネタリII-タイプ) (nb)ijまたはΣ(Σ(nb)i)jおよびΣmchargeのみによって与えられるΩとωに つい てfおよびP*のサブコントロールができるが、適用できる容量は<500mlに限定 される。[204] 3. 振動ボール・ミル ωおよび(nb)ijまたはΣ(Σ(nb)i)jおよびΣmchargeによるf-コントロールが できるが、帰着する充填フラクションfnbは、適用できるΔEcおよび衝撃力の レンジΔPを制限する。(表参照8vs7)帰着する非平衡マトリックスの相形成 の可能性(容積フラクションfv neのコントロール)、帰着するミリング時間tr eq および形成レートはこのように制限されるが、適用できるコンテナの容積はパ イロットまたは大型[229]。 4. アトリションまたは摩擦ボール・ミリング 離散的に非制御で、対応するアトリションおよび/または撹拌アームの回転速度 による広範囲の衝撃エネルギーΔEcを提供する。 適用できるミリング・コンテナの容量は1100 1まで(参照[243,244])。 5. 垂直回転プレーン付き水平ボール・ミル f、f*、Ecの限定レンジ(コントロール)。従ってPおよび帰着する非平衡マ トリックス相および合金の限定的レンジおよびコントロール。故に、主として先 端の合金の精製に使用される。コンテナの容積には事実上制限はない(参照[245 ][247]) 3.4 Mg-ベースのチップの加工および硬質および漸脆性の前駆成分との乾湿条件 におけるコミル この階層は当発明の考慮に用いた。適用した装置の特徴は、間隔R=12.5cm,子 容器の半径 r=3.275cm,カップリング・パラメータkΩ/ω=1.17(参照図119,120)および 採用したスチール・ボールに付きnb(max)=124(表10参照)。非平衡Mg-合金お よびミクロ構造に必要な(初期)合金チャージの効果には特に入念に注意を払っ た。準安定のWE54-ベースのMA-Mg合金(比較的困難なケースを代表する。下記参 照)を達成するのに採用した実際のデータは、固溶体、アモルファスおよび非平 衡晶質、準および/またはナノ晶質Mg-ベース相を含むさらに特異なミリング条 件を提供する。 軽合金のMAは、通常はアトマイズしたパウダから出発するため([198]参照)、 研究に着手する主要な問題は、“どのような条件でパウダの微粒化ステップを省 略できるか(コストの余分な上昇と酸化汚染を考慮した表面対容積比等の全面的 な工程および材料の検討)即ち加工した(プレアロイ特に希釈)Mg-ベースのチ ップおよびダライ粉は必要なMAパウダに直接的に変換できるか?である。従って 、初期(前駆)材料の選択は特に重要であり、初期(前駆)材料が十分に微細に 同質化できて(しばしば予備条件としての交互(サブ)ミクロン層と解される)MA による均質の非平衡マトリックス相への変態を引き起せる(妥当な時間スケール にて)かどうかについての情報が得られる。 必要なミリング・パラメータを絞り込むテスト・ベッドとして純粋マグネシウム ならびマグネシウム合金のWE54のキャストされた状態の材料を使用した。これら はボール・ミリングに先立って1〜10mmのオーダのサイズのチップおよびダライ 粉に加工した。軽合金のMAは、通常は微粒化したパウダから出発するので([198 ]参照)、研究に着手する主要な問題は、“どのような条件でパウダの微粒化ス テップを省略できるか(コストの余分な上昇と酸化汚染を考慮した表面対容積比 等の全面的な工程および材料の検討)即ち加工した(プレアロイ特に希釈)Mg- ベースのチップおよびダライ粉は必要なMAパウダに直接変換できるか?である。 従って、初期(前駆)材料の選択は特に重要であり、初期(前駆)材料が十分に 微細に同質化できて(しばしば予備条件としての交互(サブ)ミクロン層と解され る)MAによる均質の非平衡マトリックス相への変態を引き起せる(妥当な時間ス ケールにて)かどうかについての情報が得られる。 必要なミリングパラメータを絞り込むテスト・ベッドとして純粋マグネシウムな らびマグネシウム合金のWE54のキャストされた状態の材料を使用した。これらは 採用した材料(プレアロイ済み)と元素によるミリング・チャージのボール・ミ リングに先立って1〜10mmのオーダのサイズのチップおよびダライ粉に加工した (図130a-f)。詳細は次に掲げる表10を参照のこと。MgのMAによって得られた結 果を他の金属材料の公開された結果と比較するために、一般に2時間のミリング ・サイクルを採用した。この条件で、広範なミリング速度におけるミリング時間 ならびにミリング・ボールと加工チップ(純粋MgおよびWE54インゴット)の重量 比は、結果として機械的な合金の生成には至らなかった。内訳は、a)サブ・ミク ロンの石墨のパウダおよび/または石墨のランプb)(液体)ヘキサンC6H14、c) 石墨もヘキサン共になし。(注:石墨と例えばエチレンアセテートは、Al-ベー スの合金の機械的な生成にしばしば採用される[269]。)カーボンを含む成分は 、Mg-ベースのカーバイド(Mg2C/Mg2C3)。これは、水等の水溶液で容易に洗浄 できる。次の反応に類似のものである([248]参照): CaC2+2H2O → C2H2+Ca(OH)2 ΔHrea-130kJ/mole (MA28a) 結果として生じたMA Mg合金の防食性はやがて極めて顕著に劣化し、対応する非 平衡相の有益な効果は不明確になったが、アルコールの使用はカーバイドと酸化 物および/またはアルコールに含まれるCH3-CH2OH分子の(-OH)サブグループに よる水酸化物の生成という二重のリスクを抱えることになる。ボール・ミルにエ タノールを添加することは、報告によれば[237]、Fe3O3-およびFe3C-の分散につ ながるもので、この場合には硬化の効果がある。詳しく述べると、エタノールの 添加は、(1)パウダがミリング・ボールおよび/または子容器の壁面に付着する のを防止し、(ii)ミリング・ボールと子容器の壁面の対応する摩擦係数(>2.5Cu -20重量%Fe〜>25Cu-40重量%Fe)を低下してMA-パウダ生成物の汚染を減少し、 (iii)非平衡成Cu−ベースCu-Fe-相の均質性を向上させた[237]。WE54は、商業的 に確立した延性のあるMg-allgy組成で、拡張固溶体またはその 他のボール・ミリングによる機械的(および/または化学的)合金生成に帰せら れる不要な密度増加のない非平衡相の代表例である。カーボンまたはある派生物 が潤滑剤として用いられるばかりでなく、コントロールされるカーバイド量のフ ラクションを形成して熱安定性を得ているアルミニウムの機械的合金法とは異な り、Mg-合金のMAのためにカーボンを含む潤滑剤を使用することはクリチカルで あって、(ミリングも効果が加工した純粋Mg-および/または希釈Mg-合金のチッ プあるいはダライ粉から得られるならば)“ケーキング”を減少して均質性を向 上する替りに精選した先駆物質を添加しない限り、究極的には石墨および/また はヘキサンをミリング工程から排除することが不可避である。 パウダの生成物(すなわちミリング効果は)は、3-ミクロンBN,SiC,Al3Tiおよび Al2O3-補強剤(以下で“合金化添加剤”と呼ぶ)等の硬質で漸脆性の前駆成分を 加工したMg-およびWE54-チップおよびダライ粉をミリング工程に予め添加するこ とで得られる。 結果は、“ミリング効果”即ち加工したMg-およびWE54のチップおよびダライ粉 から機械合金法によるパウダを得るには、石墨やヘキサン等の古典的な潤滑剤の 替りにBN,SiC,Al2O3等の硬質で漸脆性の前駆成分を一種以上使用することが不可 欠であることが示された。高温の準安定相(上記参照)は、3-ミクロンAl2O3が 加工したWE54-チップに潤滑剤なしに添加された場合に、僅かに2時間のボール ・ミルの後に得られた(図106および131)。しかしながら、潤滑剤なしAl2O3付 のミリング工程は、Ω>190rpmを採用した場合には実質的に子容器の(内部)表 面とミリングボールの表面における合金チャージの溶接と汚損につながった。Cu -ベースCu-Fe合金のボール・ミルについては([237]参照)、生成された合金と 子容器やミリング・ボールの表面との溶接や汚損は潤滑剤(ここではヘキサン を添加したが比較的に大量であった。即ち5〜12重量%)で減少した。この添加 は、ミリング継続2時間における高温の非平衡相を減少させた。 ミリング時間を通しての熱変換の進展(対応する非平衡相の容積フラクションに 関連する)は非線形の現象である。(参照図115,132a-c,および[205])。 Weeber氏その他は30時間後のΔHxの飽和を示し、ボール・ミルを施したFe20Zr80 の結晶化エンタルピーΔHxをボール・ミル時間の関数として記録[249]している (図132a)。この結果は、ミルした状態のFe50Zr50のボール・ミル後>16時間に おける(結晶性)hkl-反射の完全な欠如によって確認された(図132b)。後者の アモルファス化はボール・ミリングの4〜16時間後の晶質FeおよびZrの平均レヤ ー厚が約100nmの時に発生したものと結論付けられた。類似の結果は、元素(Ni および2Ti)のMAおよびアモルファスNiTi2合金形成のための機械研削加工後の結 晶質NiT2の金属間合金に報告されている(図132および[207])。 X-線ピーク強度の減衰は、増加する非可逆性の発熱効果の微分スキャンニング熱 量測定(DSC)に関連するもので、X-線の減衰は対応する(平衡)晶質相の減少 に比例すると考えられる。図133は、図131に基づくX-線のピーク強度から見積ら れる容積フラクション準安定相の非線形の外挿法を示す。外挿法によると、(硬 質)Al2O3の合金化添加剤を“ケーキング”を回避するため低産量(<50%)で使 用するWE54のMAチップおよびダライ粉から得られる対応する準安定相の100%な いし略々100%の容積フラクションの形成におよそ8時間のミリング時間を必要 としている。Al2O3の添加は明らかに希釈Mg-ベース合金のボール・ミリングによ る非平衡相形成を促進している。この結果を解釈できる一つの可能性として、通 常の補強剤中に目に付くAl2O3の形成の大きな負の加熱がある。すなわち、 SiC : −64.4kJ/mole Mg2Si : −78.2kJ/mole Al2Y : <−500 kJ/mole(即ち>/-500/kJ/mole) MgO : −597.5〜−602.5kJ/mole Al2O3 : −1663.5〜1690kJ/mole “3”から“2”と次第に短いミリング・サイクルを得ることは、図134の“1”か ら“2”の道よりも可能性がある。2時間のミリング・サイクル中に子瓶の温度 は、ミリング・ボールの数および採用した回転速度によっては70°Cにまで上昇 することに注意しなければならない。表10 から、ヘキサンの添加は産量を増加させるが、一定の容積フラクションの非 平衡相構造を達成するのに時間を要することは明らかである。ただし、(硬質お よび漸脆化性)のサイズ3ミクロンのAl2O3前駆パウダをMg-ベースのチップに添 加してのものであった。図133 に示す外挿法に基づき、WE54-チップおよびダライ粉+サイズ3ミクロンの 3重量%Al2O3パウダからの完全な非平衡相の(約)100%の産量をえるには、 >>10時間のミリング時間が必要となろう。潤滑剤はイットリウムと次のような反 応を示したようである。 C6H14+3Y →3YC2+7H2 (MA29) ならびに、希土類金属は、YC2の形成エンタルピーΔHforの強い負の値のために( 等式MA2およびMA3参照)WE54がヘキサンでボール・ミルされた時に次第に非平衡 相を抑止し、ヘキサンを欠く場合よりも負に傾く約3580kJ/moleの反応エンタル ピーΔHreaに帰着し、次第にイットリウムを伴うMg-マトリックスの反合金効果 に導かれた(注:ヘキサンのΔHfor-の値は、170kJ/mol)。過剰の“ケーキング ”を伴わない非平衡Mg-合金の開発は、汚染と非均質を低減し([207]参照)、パ ウダの高産量と合金の性能を高め、容積フラクションと対応する非平衡相の形成 レートをも十分に得させる。即ち、(過剰)なカーバイト(および/または水酸 化物)の生成と非平衡形成のミリング時間の要請なしにであるが、他方で次を要 請する。 1. 摩擦対衝撃エネルギーのフラクションが低いこと。これはカップリング・フ ァクタkΩ/ωによって招来し、子瓶の速度ωの高値に帰着する(上記参照)。 2. 前駆成分の高度の選択。競合フェーズによる競合損失を避ける。(上記参照 ) 3. ヘキサン等の潤滑剤の使用量(フラクション)を下げる。 3.5 t(me)reqを短縮するための硬質脆性“合金化添加剤” 硬質および漸脆性の前駆成分は、ボール・ミルに処せられた加工済みの前駆物質 からのMg-ベースのパウダを、潤滑剤(ヘキサン)の有無に関わりなく妥当な時 間(<2時間)調合するのに不可欠であることが示された。このため、精選した 元素および/又は化合物ベースの“合金化添加剤”のエンジニアリング特性を識 別することが必要となった。少なくとも一種類の硬質および漸脆性の前駆物質を 添加すると、Mg-ベースおよび/または適切なボール・ミル用パウダのの非平衡 相の形成に要するミリング時間が実質的に短縮されることが示される。これは、 延性のあるMg-ベースの合金チップが採用された場合に、溶着と破砕(又は剪断 )の間に力学的な平衡が形成されるためである。例えば、硬質で比較的脆性を示 すγ-TiAl合金は、MAのt(me)req<2h(図135および[192,232])後にミクロ構造 のスケール長における精製を速やかに40nmにまで進行させた(これは、交替レイ ヤの形成の相当する)。このことは、発明の主旨であるAl2O3の添加がプラネタ リ・ボール・ミリングの2時間の工程後に非平衡のWE54-ベースの相形成の顕著 なフラクションに帰着するという事実と整合する。 高性能のMg-合金を得るべく、水素貯蔵の材料を含み(下記参照)ボール・ミル 加工用に機械加工したチップに換えてMg-パウダを使用することも可能であるが 、いくつかの欠点もある。希釈Mg-TMベースの構成(TM=Ti,V,Zr,Cr,Mn,Nb,Mo,T a,Hf等、さらにBおよびBeであって、殆ど全て液体Mgと混ざらない)およびMg-me tベース構成(ただし、met=Si,Ge,Sb等。平衡固体cph-Mgとの可溶性が非常に低 いことで)は、例えば、液体からプレアロイ化して平衡状態で一相のフィールド を提供する可能性は殆ど全くない。すなわち原子構造および/またはミクロ構造 配分が非平衡、Mg-ベース・パウダの最終製品に必要なt(me)reqを低減させるも のとなっている。元素パウダとしてのマグネシウムおよびその他の多くの合金添 加物、例えばバナジウム等は、市場で簡単に入手できないし、酸素の吸着が許容 範囲を超える傾向があり、毒性も強い(吸引した場合等)。 従って、ミリング工程をパウダに替えて機械切削加工(可能であればプレアロイ 化した)チップおよびダライ粉でスタートし、さらにもう一工夫して(不純)な 元素V,Zr等を避けてAl2O3等の硬質脆性の(第三の)合金化添加剤を加えること で、このアプローチを延性のある合金元素、例えばVおよび/またはZrあるいは 極く純度の高いTi(そして(主要)TM-合金コンポーネント、例えばTaは耐ショック があり一定のミリング変数セットでは硬質/脆性に過ぎることはない)にまで延 長することは非常に魅力的ではある。代案として、ホウ素としてのBN、シリコン としてのSiC、ならびにアルミニウム又はTiとしてのAl2O3および/又は TixAlyAl3Tiがある(前章参照)。 Masumoto氏その他は、最近になって複合元素混合物を使用する利点を取上げた[2 50]。これには、アルミニウムおよび単結晶のAl13CO4、またはアルミニウムおよ び斜方結晶Al11Mn4-パウダが含まれ、アモルファスAl85CO15およびアモルファス Al85Mn15を得るのであるが、対応する元素前駆物質のみを用いて得られないと主 張されている。Courney氏および協力者によるさらに詳しい観察によれば[251]、 延性−脆性の前駆混合物はパウダの精製にさらに効果的であり、高速ボール・ミ リングによる溶着を低減できる(図136参照)。 しかしながら、装置の購入資金の回収および妥当な購入値段によって規定される 稼働エネルギーや動力の敷居値のために、経済的に引合う非平衡相の形成速度の さらなる高速化は避けられない路程である。 硬質で漸脆性の耐火元素コンパウンドは、帰着するMg-合金の不動態化にも同様 に貢献し、目的である非平衡相の全体的形成に必要な延性のある純粋且つプレア ロイ化したMg等の前駆成分を加速し、同時に過剰な溶着(ケーキング等)を抑止 する。すなわち、交差レイヤの形成を加速し、よりグローバルである相互拡散お よび準安定のスタートを促進する。 初期チップ、ダライ粉、前駆パウダ等の均質化は、初期前駆物質の局部構成に先 立つ最終成分のパウダ粒子の形成速度に直接関連する。すなわち、衝撃力によっ て導入された構造上の断層が、非平衡の速度(および産量)のコントロールを開 始する(例えば、t(ne)req中のMg-ベースの相形成、Al2O3等の酸化物、SiC等の カーバイド、BN等の窒化物およびAl3Ti等のアルミナイドは、“ミリング効果” を導入し、Mg-ベースの相形成の起動(相互拡散制御)に必要な時間を短縮する 特性を証明している(すなわち、Al2O3と一緒にWE54チップおよびダライ粉の場 合は2時間以内)。 従って、“合金化添加剤”は、非平衡(マトリックスまたは1)相のMg-ベースお よび(その他)の合金のMAについて、二つの役を引受けねばならない: 1. サブミクロンのスケールの破砕と溶着を容易にし、衝撃依存と断層構造によ って拡大する相互拡散によって誘発される非平衡相の形成の開始がトリッガされ る経過を促進し、“クラッキング”に材料のロスを伴わずに必要な時間を短縮す る。 2. 従って、合金化添加剤は“消費”され、すなわち“合金化され”てMg-ベー ス(非平衡)マトリックス相を(相互)不動態化する。 純粋のMgおよび/またはWE54等の終端Mg合金あるいはTa又はV等の耐ショックの 不動態コンポーネントのような延性の前駆物質は“合金化添加物”としての要件 1を満たしておらず、単なる前駆(初期的)材料に留まる。殆どの不動態化コン ポーネントは、等しく硬質且つ脆性であり、要件1の理想的なベースを提供する 、即ち、終端つまり延性のMg-ベースの前駆成分を(やがて汚染の原因となる大 量の)潤滑剤を用いずして破砕する。 古典的な潤滑剤の(単独)使用の代替としての脆性の“合金化剤”と共に使用す るMg-ベースの前駆物質の機械的合金法および/またはミリングは、関係する成 分の相互(熱透過性/不透過性の)拡散をトリッガするのに先立って交替レイヤ をミクロンの範囲で発生させるのに必要なミリング時間を短縮し、Mg-合金の適 用できる平衡構成によって定着した特定の欠点、それに結果として生じたプレア ロイ化した前駆物質(均質な非平衡Mg-ベースの最終製品の化学構造と化学的お よび構造的に合致する)の代替として、究極的に非常に異なる化学および結晶構 造を元素および/またはMg-フリーの前駆物質と合わせて採用する必要性を回避 する(上記参照)。 “ケーキング”を伴わない“ミリング効果”を得るための“合金化添加剤”の選 択と使用レベルは、経済的に見合うMg-ベースのエンジニアリング合金のボール ・ミリングによる生産を実用化するための主要パラメータに属する問題である。 子容器およびミリング・ボール上での“ケーキング”を伴わないボール・ミリン グによるMg-ベースのパウダでの(希釈)Mg-合金の生産の要件(ミリング変数お よび精選前駆物質)にして、且つ機械加工した(プレアロイ化した)Mg-ベース のチップおよびダライ粉から出発す製造手法は、(機械的)合金処理でり、平 衡および非平衡Mg-ベース合金を優れたエンジニアリング特性によって生産する だけに、いずれも密度の不要の増加がないものである。 この要件は上にNo.2に掲げるものである。 3.6 t(ne)reqを短縮させる合金化添加剤の性質 “合金化添加剤”の選択(即ち、化学ないし結晶構造)は、結果として生じる“ ミリング効果”に特に影響しないように見える(即ち、実質的に“ケーキング” を伴わない(粒子間)溶着および破砕による交差レイヤ形成を経由するパウダの 生産)のであるが、“合金化添加剤”の選択は非平衡相の形成の速度に著しく影 響する。プレアロイ化したWE54-チップ(およびダライ粉)のボール・ミリング ついては、Al2O3はこの点では極めて効果的であり、BNおよびSiCを凌駕する。Al2 O3は、遷移金属のように不飽和電子殻を持つ合金元素(Ti,Ta,V,Nb,Mo,Hf,Cr.Mn 等)および希土類金属(前ページ参照)を含む耐腐食、非平衡のMg-合金に取っては 、魅力的な“合金化添加剤”であると思われる。つまり、ミリング効果後のマト リックス相の構造的変化の加速により、一定の容積比率の非平衡相の形成に必要 な時間を短縮するのであって、Al2O3がMg-ベースの非平衡相転移のトリッガに非 常に効果的であるためにレイヤの加速と広範な相互拡散が生じる(等発明のパー ト3の3.3章参照)。Mgは、ボール・ミリングによる非平衡相に形成については、 一般的に言って魅力ある候補者である。何故ならば、高い格子振動(Mgは、その 原子核電荷と重量に関係する文字どおり“膨らんだ”原子容積を持つ)のために 比較的高い(自己)拡散性を備えるからである。従って、耐腐食性Mg合金用の多 くの有用な合金添加物、特にTMおよびメタロイド(半金族)と共に融点が高いた めに、比較的ΔD-値が高い(表11参照)。TMおよびメタロイドの拡散性のデータ が記録される温度範囲は、それでも通常は純粋のMgの融点を上回る。 ΔD=DT(Mg)-DT(X)は、従って固体の拡散についてさらにユニバーサルな経験的 関係式を適用しないと得られない。 DT=2.3*10-7exp[-(QD/RT)] [m/s2] (MA30) ここで、QD=17.7Tm,Tmは関係する成分の融点である。また、T=処理即ちミリン グの温度、例えば周囲温度である(全て華氏[252]参照)。従って、融点の相違 は、ボール・ミリングによるMg-TMおよび/またはMg-metベースの非平衡相形成 合金添加剤の効果を評価するのに適当である(表11参照)。 元素の融点は、例えば硬度および弾性率等の機械的特性にも比例する[255,256] 。弾性率は、純粋にメカニカルであり、機械的衝撃波の伝播に必要な熱不透性の 要素である([257]参照)、即ち、 P(E)=1/2CAρ(ωE)2 s 2 (MA31) ただし、C=機械波の相速度で次式に従う。 C=(E/ρ)0.5 (MA32) A=伝播フロント面、ρ=密度、またωEはおよびSは、機械衝撃波の振動数と振 幅である。 ΔD-規準との類似性から、弾性率の相違はボール・ミルの供給する機械的衝撃力 の均質性のための局部駆動力を構成するものである。従って、他の非平衡相にわ たるMg-ベースの形成速度の従前の構造上の材料パラメータに関するもう一つの 重要且つ一貫した規準は次に従う。 ΔP(E)=(Eρ(X))0.5-(Eρ(Mg))0.5 (MA33) 従って、Mg−ベースの前駆物質のボール・ミリングは、TM-および/又はmet-ベ ースの前駆 物質と共に、比較的速やかに高弾性と強度を持つ耐腐食性の非平衡相に帰着し、 少なくとも結果として混合の法則に従う。 即ち、非平衡相の形成の速度コントロールの属性は、精選Mg-ベースの非平衡相 のボール・ミリングに関する魅力的なエンジニアリング特性の要件と一致する傾 向があり、主として関係する成分に依存し、濃度には依存しない。 アモルファスFe75Zr25の結晶化温度Txは、ホウ素の15重量%添加によると約100 °Cであることが報告されている([211])参照。ホウ素の効果は、ミリング中 のアモルファスFeZr-laqerへの真空ベースでのホウ素の相互拡散の向上にあると 考えられ、特にミリング後の550°C、2時間の熱処理に結びつけられる。硬質 のホウ素材料が、非平衡Mg-Zrおよびその他のMg-TM合金の転移温度の増加等の類 似の効果を作り出すのに特に支障は見出されない。例えば、上記の通りならば、 より高いミリング温度およびより短時間のミリングが実現しよう。ボール・ミリ ングによる非平衡相の形成の最大ミリング温度を予測する普遍的に適用される基 準に(最初のアプローチとして)Kauzmann規準[258]があり、合金ガラス温度Tg,を 予測する。即ち、 Ttransf=ktransfTg=ktransf(0.22-0.25T m) (MA34) ここで、ktransfは経験的定数であり、システムによる相選択の効果を定量化す る。 ボール・ミルされたMg-10重量%Ti(5重量%脆性ホウ素の数mmの小塊でドープ) のDSC分析によると、非可逆性の発熱転移温度は、240°Cから(40K/minの加熱 率で)550°Cに達することが判明し(図137)これに転移上の発熱溶融が続いて いる(図137)。即ち、ホウ素を伴うMg-Tiのボール・ミリングは、Al2O3を伴うW E54のボール・ミリングと同様に非常な高遷移温度を伴う非平衡Mg-ベースの相に 帰着する。採用した条件はR=13cm,r=3.3cm,rb=0.75cm,mb=14g,nb=5,ω=2 00rpm,t=12hであった。唯一の変数Ωは180,260,380および456rpmで、ボール・ ミルされた終端製品は“ケーキング”で固着されない1,30,80および80〜90容積 %であり、発熱効果が単調増大で約600°Cにまで達した。 これは、与えられたミリング時間(即ちここでは12時間)について、非可逆性の 高温発熱および帰着するボール・ミルされた終端製品の産量の双方ともに、互い に直接カップルされ、適用された衝撃耐摩擦比の減少と共に減少した(図137) 。比較的希薄な終端即ち軽/早期転移希土類および/または遷移金属ないしメタ ロイド等の不動態成分を含む希釈されたMg-ベースの合金のボール・ミリングは 、次の何れかを要請する。 1. ミリング工程は、絶対値が比較的に大であるショック・エネルギーおよびそ の合成力でなされること。 2. 衝撃対摩擦の比が比較的に大であるものを適用し、過剰の“ケーキング”お よび/または非平衡相の形成の停滞/遅延を避けること。 3. 脆性の前駆物質のサイズを減少し(B-又はBN-パウダを替りに使用する等) 、B,BN,Al2O3等の任意のタイプの脆性の合金化添加剤の容積比率を増加し、ミリ ング工程中の(過剰の)溶着および/または“ケーキング”を低減し、ファクタ 1.および2.を増強する自由度を拡大すること。 高産出での非平衡相の形成速度あるいは産出そのものの増強と言うことになる。 つまり、相の安定および生産性は直接に相関しており、精選された前駆混合およ び対応する工程変数の特定の領域において同義であることがクレーム2に集約さ れる。 明らかに、硬度、弾性率および相互拡散性のみならず、非平衡相の遷移の立上が りは原子レベルの特性であり、場合によってはホウ素等の半金属に関して連座す る合金元素の平均融点および沸点に関連する全ての要素が、精選された遷移金属 および非金属の組合せのそれぞれを高いモジュラスと耐腐食性を備える熱的に安 定なMgベースの非平衡処理の魅力的な候補者にする所以となる。Mg-Ta-Ti-Moの 混合および/またはMg-V-Cr(あるいはその他のハイ・オーダMg-TM-TM--TM合金 コンビネーション)は、合金化添加剤又は潤滑剤の選択と量を緩和するものであ る。なぜならば、CrおよびMoと言った合金元素は脆いので、SないしSiC(さらに B,BN,Al2O3等)の添加は延性のMg-ベースの前駆物質と連係して 用いた場合に脆性対延性の比率を高めるのみならず、特定の係数をも向上する。 明らかに、これらの元素の組合せは理想的な合金化添加剤を提供し、その多様な 展性、融点および弾性率によってMAによる非平衡Mgベースの合金形成を加速する 。 3.7 潤滑剤の使用 古典的な潤滑剤(カーボン、アルコール)は、硬性および漸脆性の“合金化添加 剤”と組合わせて使用し、終端のMg-ベース合金の産出を増加するには無効と見 られる。ヘキサン等の潤滑剤の使用量は、ミルされたパウダおよび合金化添加剤 レベルに関する相当の容積比率およびミリング時間にに介在するカーバイドまた はその他の反応物は次第に形成されるミクロ電気的活性分散を勘案して極力抑え る必要がある。結果として生じる分散がミクロ電気的に不活性であれば、ヘキサ ン(またはシラン)等の漸穏和的な潤滑剤の添加は、ミルされたミクロ構造の現 状に対応して処方できる。これは、後続の圧密および形成工程でさらに探求され ねばならない。 “合金化添加剤”と“潤滑剤”の組合せは、必要な非平衡Mg-ベースの合金の形 成をエネルギー的に配慮しなければならない。アルミニウム・ベースの合金の反 応ミリングは、酸化物および/または酸素、ならびにカーボンを含む潤滑剤の制 御された添加が関わるものであり、Al-ベースの酸化物またはカーバイドの分散 に変換されねばならない([269]参照)。これは、水平ミル等の、さほど高度で ないボール・ミルを採用することで十分対処できる簡明なアプローチである。し かし、平衡および非平衡Mg−ベースの合金の酸化還元ミリングにおいては“合金 化”および“潤滑処理”添加剤は、非平衡Mg-マトリックス相転移をトリッガす るためのミリング工程で実際に酸化還元反応によって消費されてしまう。 Mg-ベースの前駆混合物は、ヘキサンと希土類および/またはイットリウムより も対応するカーバイドの形成は実質的に低いΔHforの値のために著しく小さな部 分的反応加熱ΔHreaを示すので、衝撃エネルギーによって誘発される(不揃いの )均質非平衡Mg-ベースの単相マトリックスの形成を含む交互反応の可能性が増 加する。 (ここでは、dΔHrea=dΔHfor(TMaCb)−ΔHfor(C6H14)ただし[kJ/mole]、 次の順で起きる[259]) 元素TMおよび/またはセラミック化合物の追加使用(負のΔHfor)に代替する初 期TM−化合物(負のΔHfor)の使用と関わりは、カーバイドの形成によって減少 した(マクロ的)エンタルピー(非推進力)による非平衡相形成を増加させるで あろう(MA29等参照)。何故ならば、もし(制御された量の)ヘキサンが潤滑剤 として使用されてdΔHrea-バランスがさらに正の値にシフトしてMg-ベースのマ トリックス相の(構造的な)形成ウィンドウを増加させて潜在カーバイド(ここで はMnが最も害がない)の生成熱を抑止すると、対応する反応の左辺がさらに安定 する。通常の補強材の中でAl2O3は、最大の不安定効果を反応に与える(1モル未 満のAl2O3は、1モルのヘキサンZr-カーバイドを形成する傾向を補償する)。 しかしながら、Mg(-Zrベース)の合金は、ZrH2[260]のような水酸化物を形成して 自己脱ガスを行うことが知られている。従って自己脱ガスはその他のMg-遷移、M g-希土類および漸Mg-メタロイドベースの金属でも可能である。水酸化物の生成 (および/または関連の短範囲規則度)は、発熱性の等式MA35-タイプの反応 を増加する。 C6H14+13Zr → 6ZrC+7ZrH2 (MA36) 従って、Mg-Zr-ZrC-ZrH2の系は二つの化合物によって効果的に疑似四元系を表し 、図134に示す状態によって対応するフリー・エネルギーを劇的に減少させ、エ ネルギー的にボール・ミリングによる非平衡相形成の傾向を支持する。顕微鏡的 スケールにおいて、非平衡相の形成は、同一組成の平衡相の結晶構造と異なる短 範囲規則度(SRO)を形成する指向によって運動エネルギー的に支持される。 xMg+C6H14+13Zr → SRO(xMg+y6ZrC+z7ZrH2)+(1-y)ZrC+(1-z)ZrH2 (MA36) また、これは均質の非平衡マトリックス相の核として働き、次第に原子長スケー ルその他に均質に配分された水素および/または炭素等の間隙性原子に組込まれ る。等式MA36のZrは、他のTMおよびメタロイドの代表である(表11参照)。SRO を介して非平衡相の形成を支持する傾向は、その他のMg-ベースのシステム例え ばMg-Ni[261]に見られ、C15 Laves相[262]等の化合物中の水素として誘導できる と考えられる。最終的にボール・ミルされたMg-合金の腐食特性は、炭化水素を シラン(SiH4等)で置換し、対応するSROを含みカーバイドの形成を完全に回避す ることによってさらに向上するが、これには関連の製品の準備と取扱いに特別の 安全対策が必要となろう。 原子長スケール、即ち構造面で合金化添加剤の均質な配分を備える非平衡を導く ためのCnHn+2シリーズ等のシランおよび/または炭化水素の可能性はスリップの 導入によって減少するので、機械的に導入された衝撃力の効率も減少する。一定 の“ウエット”合金チャージの非平衡相の形成のためのボール・ミルの工程の効 率を増強する一つの方法は、プラネタリ・ボール・ミルを使用して(前章参照) 可能の限り衝撃対摩擦のエネルギー比を最大にすることである。硬質および/ま たは漸脆性の“合金化添加剤”が湿式合金前駆チャージに関わっている場合は、 精選“潤滑添加剤”の使用によってミリング条件が緩和され、さらに徹底した機 械的衝撃力サイクルが達成できる。例えば、工程の冒頭で与えられたパウダの産 出の達成値である準安定相の形成を損うことなくパウダの品質(パウダ・サイズ のコントロールと対応する周波数分布。[194,203]参照)を向上させる。炭化水 素を採用する場合は、ミリング工程は次の双方を確実に完遂しなければならない 。 (i) 遷移、希土類およびメタロイド金属を介する炭化水素または類似の潤滑剤の 自己脱ガスを含む酸化還元反応。 (ii)ミリング工程が終了する前に過剰の水素および/または炭化水素が実質的に 除去されており、(予備圧密パウダから)の脱ガスを要することなく圧密工程が 逐行できること。([194,203]参照) 3.8 ミリング雰囲気の選択と更なる材料のボール・ミル 新鮮で高度に活性化された金属の雰囲気ガスへの繰返しの露呈は、ボール・ミル される材料、特にAl,TiおよびMg等の航空宇宙用途の反応性の金属では、酸素お よび窒素その他のガスの吸収に神経を使う必要が生じる[205]。従って、ミリン グ作業を開始する前に関係する容器を不活性で極めて純粋な保護雰囲気を、例え ばヘリウム、アルゴン、水素、クリプトン、ネオン、キセノンあるいは真空で構 成することが先ず必要である。 対照的に、酸素および/または窒素あるいは炭素化合物の雰囲気中での反応ミリ ングを意図的に行ってTiN,ZrN,BN,Mo2N,Si3N4,AlN,Cu3Nおよび/またはW2N等の 窒化物を製造することもある。さらにまた、SiO2,ZrO2,TaxCyを含む酸化物とカ ーバイドの形成に拡張し、発明にあるように、コントロールされた蒸着工程によ り温度的に安定した耐熱ダイアフラムの製作に供するケースもある(上記参照) [205]。これらの材料は、化学反応が材料内部で継続できるので均質であり、反 応速度がミリング出力の増強によって高められ、ミリング工程の温度および容器 に供給されるガスの量の制御等、全てがプラネタリ・ボール・ミリング内での一 貫作業が可能である。 欠陥形成の比率を意図的に高めるられる利点があるので、より経済的に水素貯蔵 材料の製作が行える点もプラネタリ・ボール・ミリングを魅力あるものにしてい る。Teziecva氏その他は、水素貯蔵容量の向上について報告しているが、マグネ シウム混合物およびLaNi5タイプのMM'5合金の水素化および脱水素化の速度論を 展開しており、その中で、MはLa,Ce,PrおよびNdからなる混合金属であり、M'はA l,CoおよびMnの不純物を含むニッケルとし、質量12グラム程度のミリング・ボー ルによるプラネタリ・ボール・ミリング後のMM'5の含有量が30重量%前後であった 。この発明から明らかなことは、ミリング・ボールの重量の問題は二の次であり 、非平衡相の形成を含む構造的欠陥の導入の程度のコントロールおよびミリング 効果がパラメータ階層の検討において重要であった。即ち、ミリング・ボールの 重量でなく投射される衝撃力そのものがボール・ミルによって得られる水素貯蔵 容量およびMg-ベースの材料をコントロールしている。しかし、Niの含有量に焦 点を当てた最近の開発によると、Mg合金およびPd等の触媒の効果によってボール ・ミルで製作されたMg-ベース合金の水素の貯蔵特性が向上している[267,268]。 しかし、この発明によって、ミクロ構造の洗練およびこの種の材料の水素貯蔵量 を高める構造的欠陥の拡大は、特に大きなP*およびEc,c-値を要求するわけで はない。しかし水素貯蔵容量はP*およびEc,c-値の増加に連れて増加する。こ の特徴は当発明のクレーム2に斟酌されている。 3.9 現場およびミリング焼鈍し後、ミリングの代替 元素鉄、シリコン、FeSi、晶質α-FeSi2の混合+アモルフォス相からなるミル出 しのままの初期合金Si-33.3原子%Feのミリング工程に続く500°C、24時間の等 温焼鈍しの報告[189]によれば、粒子サイズの縮小を伴う元素晶質相の犠牲にお いてアモルファス相の容積比が増加している 類似の機械的に活性化された焼鈍 しおよび/または固体拡散工程がMoSi2およびWSi2に観察される[265]。この例で は、ボール・ミル加工したAl-Feベースの合金[269]が、重量比10:1のボール対合 金前駆チャージの設定にて8時間の一次ミル・サイクルを経ており、Al-Feベー スの合金の固溶体は、Fe(および/またはMn)によって過飽和の状態である。 後続の焼鈍しによって、サイズ40μmまでの準安定のAl6Fe(320°Cにて)また はAl13Fe4(400°Cにて)が生じ、続いて6〜8時間の二次ミルサイクルを設け て均質性と微小構造の生成を行い、結果として粒子サイズ0.1〜0.5μmで、0.1〜 0.6μmのサイズの第二相の金属間拡散を生じている(図138)。 発明のMg-TM-met合金は、工程内および外(ポスト・ミリング)の熱処理による 未溶解成分(晶質およびアモルフォス)の固溶体の優れた候補者である。即ち制 御下のミリング・サイクルの内外において、上記のΔD-およびΔE-規準が不動表 面の酸化によるMg-合金系の大きな不溶性ギャップによって招来される正の混合 加熱を補償し、経済的に引合う加工のためのバリアを提供し(即ち、元素の前駆 混合物とは異なりt(me)reqを増加して似たもの同士の原子対(A-AおよびB-B等) を形成する)、従って、対応する向上したトポロジー的類似を持つプレアロイ化 された先駆物資と比較される原子長スケールでの均質な非平衡相の形成のための t(ne)reqを達成している。異なる元素の固体合成が合金チャージ中で関係する成 分の相互拡散によってコントロールされる場合には、相互拡散の加速はミリング 工程内外のコントロールされた温度および/または加熱サイクルによってなされ よう。即ち、採用された前駆パウダあるいは機械加工されたチップまたはダライ 粉の混合物中の少なくとも一つの前駆物質が、十分に脆性を持ち、“ケーキング ”を避けるために満足に適用されることである。 ボール・ミルされたMg-ベースの非平衡相は、Al-ベースの合金の分散強化に適用 されるものと比較して一次ミリングサイクル後の均質化に低い焼鈍し温度を持つ (クレーム2参照)現場焼鈍しは、投射された摩擦対衝撃の比のコントロール幅 に制限がないので、特にPBM(プラネタリ・ボール・ミル)によって可能である 。また、カーバイドまたは水素化物の形成は(対応するSRO/短範囲規則度も)( 不安定化)は、Ωをωと切離すことでPBMでは最も良好に実施できる。これによ ると、P*および摩擦対衝撃の比の切換を入念に設定できるのと、現場およびミ ル工程後の焼鈍しを含む均等化された取扱いに支持されて欠陥の集中を緩和し、 必要に応じて次第に排除して水素化物の堆積を抑止できる。プラネタリ・タイプ Iのボール・ミルは、最も柔軟なミル技術であり、Ωとωの切離しにより、現場 焼鈍しをさらに頻繁にまた究極的にはより短く効果的に実施できる。 即ち、[269]に提示の外部焼鈍しサイクルによらず、T/t-サイクル(図139)によ る。 3.10 パウダ加工 本項目は、ボール・ミル・テクニックに必要なダイアグラム・材料を含み、ボー ル・ミルしたMg-および/またはAlベースのベースおよびその他のボール・ミル したパウダの圧密について取扱う。ボール・ミルした材料は一般に、優れた濃縮 特性(圧密の温度と圧力を低減させる)を提供するため、他のプロセスによるパ ウダでなしに表面活性を確保する慣行があった[265]。発明によるMg-合金に結果 として生じたレドックス反応のプロセスは、進歩した先端のボール・ミルによる 軽合金の技術を組込んでいる([198]参照): − 脱ガス不要。稀に脱ガスする場合は、カーバイド形成によるデアロイングを 補償するためのXSアロイングを実施する。また、特に(水性の)腐食性のある軽 合金カーバイドの形成を避けること。 − 残留水素が不在。480°Cまでの温度で0.5時間かけて真空中で蒸発させるた め、液体ヘキサンまたはH2の除去が徹底している(参照[194,203]) − T=Ttransf-30°C付近でのホット・プレス[263] − 低押出し比を採用できる(局部溶融を回避する。シャー・バンドの局部形成 を生じる漸脆弱性) − 第断面積の押出し製品が可能 − 直接パワー鍛造が可能([198]参照) − (ワンステップ)爆発/ショック圧密(自己伝播)法によって最終製品の非 平衡構造を温存できる[207]粉の方法はナノ晶質インターメタリックス(Ti-Al,F e-Al,Nb-Alには最適。以下同様:ナノ構造SiCxNxパウダ、非平衡Cu1-xTax合金、 ナノ晶質酸化材料、例えば、TiO2,SrTiO3,KNbO3,密MoSi2,TiNi$ TiB2,TiC,Si3N i4,TiC,TiN,TiO2,TiC-MgO複合体、CrO2,CrB2[271]VC,Fe3C,Al2O3,SiC Ta2C,B4C, Cr3C2,SiAlONおよびCr-ベース Nb-ベース、Ta-ベース、Mo-ベース、Moベースお よびW-ベース合金。 SPEXのミル・パウダは、例えば、十分に精錬したミクロ構造を持つため、小形 に維持され、アトリタ・ボール・ミル用のものよりも硬く[247]、よい高い圧密[ ヒッピング等]温度および/または時間が必要であるが(またはその逆)以下に 従えば順調に圧密が実施できる: − 金属粉末射出成型によって複雑な形状寸法と精度が低コストで得られる。 優れた焼結特性を示すボール・ミル用のパウダには特に有用な方法である。 これは、粒子を位置決めするバインダ用いて成型中の荷重移転を行うのでバイン ダは濡れ性の優れたフロートとキャアリアのエージェントとして働く。デバイン ディング増面分解および無毒性、工程は全て150°Cから600°C。(サーマル・ 出バインディング)は多孔材料との接触によって毛管フローが促進される。溶剤 と触媒によってバインダを溶解。バインダが敏速に加水分解される対応するモノ マに押出しするので最終的に均質のミクロ構造と密度に導かれ、従来のプレス焼 結と比較して優れたエンジニアリング特性が得られる。アンダカット、テーパ表 面、クロス・ホール等の幅広い形状オプションが可能となる。(クレームNo.15 参照) 3.11 結論 各ボール・ミルおよび/またはミリングは、上記のように異なる工程条件を可能 とする。 投射されるインパクトは、究極的には衝撃と摩擦に大別できる。これは普遍的に 適用できるパラメータであり、非平衡相の形成のコントロールに独立してボール ・ミリング手法として取扱えるので、オペレータの操作指示として同様に有用で ある。開示された経験的データおよび実証による因果関係は、工程変数の範囲を 提示するとともに処理領域を定めて耐腐食性ある非平衡Mg-合金およびその他の 軽合金のボール・ミリングによる構造の転移を達成する。これには該当する合金 の耐腐食性に経年的に有害となる第二相分散が実質的に存在しないMg-ベースの アモルファスおよび/または非平衡晶質マトリックスの完全転移による準安定状 態が含まれる。MAを最大限に駆使し、非平衡および耐防食性のMgベースの総計性 を実現し、パウダ産量の最適化(即ち“ケーキング”を回避すること)の主要パ ラメータとして、あるいは後続のパウダのMA-Mg-ベースの圧密および成 型作業の指針として以下を適用する。 1. 硬質または脆性対延性の比率(重量ないし容積) 2. 回転ミリングの速度および衝撃エネルギー 3. ミリング・ボールおよび/または前駆チャージの充填比率および帰着する有 効衝撃力 4. 摩擦対衝撃エネルギーの帰着する比率 5. 時に応じて必要となる潤滑剤のタイプと量 6. 帰着する必要なミリング時間と累積する衝撃エネルギー クレームNo.2は、本発明でなされた観察の結果であり、脆性の元素(Cr,Mo,...Si ,B,Be)ならびに展性の元素(V,Ta,Zr, 表II参照)、別個に耐火/摩の添加剤の群が ある。高度、脆性、および終端MAMg-ベース合金の工程の相互拡散性への効果。 これは、精選した元素および化合物タイプの“合金化添加剤”として、ミリング サイクルにおける材料の溶着を防止し、目的である非平衡Mg-ベース・マトリッ クス相の形成時間のtreqを短縮するものである。 所定の構造上の効果を達成するのに必要な時間は、経済性に規定されるものであ るが、関連のMg系の大きなΔD-およびΔEの値は規準として有用であり、全体構 成からは比較的に関連性が軽度である(終端)ΔHmixの値を補償できる。硬質で 漸脆性の前駆元素および/または化合物の“合金化添加剤”ならびに初期ボール ・ミリングでの潤滑剤、初期前駆チャージでのコントロールされた追加の衝撃力 については、構造的な非平衡達成するのに0.2〜250時間にまで、特に0.3〜40時 間ミリング時間を短縮することが可能である。非平衡合金の諸テクニックを結合すること Mg-キャスティン合金とは異なり、殆どの非平衡合金は蒸着法によって製造され 、械的合金化法は、(アーク、ガス・メタルその他)溶接およびブレーズ法等の 液体金属法とは結合できない。何故ならば、非平衡(ミクロ)構造を抹殺するか らで、好ましい機械的ジョイント(リベット、スクリュ、ボルト、クリンチング 、HT締りばめ)および接着剤のよる方法(ゴム、エポキシベースの樹脂、エソキ シ ライン樹脂、フェノール・ベースの材料)をそれらの長所に合わせ(確立した設 計、有用性、接着性と強度の幅、ストレスの有無、耐疲労、防水性)短所を心得 て(異種金属接触腐食、剪断脆性、手間)活用するとよい。[272] 機械的ジョイントの材料は、同一または類似の蒸着およびボール・ミルによるMg -ベースの材料そのものから製作され、似たもの同士の結合を用いる。この方が 、ミクロ構造上の均一性と十分な強度、打痕性、および耐疲労性から好ましい結 果が得られる。従って鉄等の異性の素材のものは廃棄すべきである。いずれも副 産物により安価に生産できるものであるし、再接続/接着の費用も大したことは なく、廃棄物のリサイクルも負担になるほどのことはない。 非平衡Mg-ベース合金の固体接続は進歩しており、高強度のA17475をAlLi合金809 0および2091に施した場合の蒸着ボンディング(低Tおよび/または圧力>10Mp[27 4]参照)、高品質溶接のイナーシャ/リニア・フリクション溶接(Al-Fe-Ce,Al- Fe-Mo-V,Al-Fe-V-Si合金等)およびジョイント(SiC-微粒子補強Al-Fe-Si-V,A18 009およびA16061-T6チュービング、10vol.%Al2O3[273])等の例がある。 異種金属接触腐食および接続の問題は、サーマル・スプレイによって、相当程度 に軽減される(石金属の表面および/または不動態Mg-コンポーネントおよびMg− ジョイントの間等の異種素材の間の処理)。高純度のジョイント面を採用し、接 着剤のない部レヤーを含むが威力デザイン、清掃、デグリー、アノダイズを含む 薄いコーティング(皮膜は剪断強さを持たせると効果を維持できる)、酸洗、お よびプライマ(クロメートおよびジクロメート)。代替のない場合は他の方法を 採用する。総合バランス:第1アプローチ 経済的及び生態的に重要な影響を与える新しいMg−合金の意義を、第1節の図1 41−144にまとめた。(しかし、アルミニウム合金の意義はそれほどではな い。)航空業界ではマグネシウムは時と共に使用が低くなっているが、その潜在 的可能性はたいへん大きい。この発明に含まれている加工処理方法が実現するに 至れば、今までの方向は大きく変わるであろう。 【図の説明】 図1: (カラー写真)光沢金属色を伴う、内陸雰囲気に8年間露出させた後の ピストン・アンビル(PA)法Mg−5重量%Siスプラット。底部のピンクか らブルーがかった表面薄膜は、対応するcph−Mg内への5重量%Siの拡張 固溶体の(ほぼ)区分の無い表面ゾーンを表す。溶融金属の小滴と冷やし金の間 の接触不良は、ミクロ偏析とその結果起こるスプラット表面の残りの部分が示し ているような銀色から暗色の表面をもたらしている。倍率1.5:1。このPA タイプのスプラットの薄くなったリムは、後続の図にその結果が示されている浸 漬試験に付す前に除去されたという点に留意のこと。 図2: 通気された内陸雰囲気に8年間露出させた後のピストン・アンビル(P A)法Mg−4.7重量%Gdスプラット。ここでは、腐食した内部(スプラッ トn°2)及び腐食した周囲(スプラットn°1−3)と共存する光沢銀金属の 美しさによって示される基本的に過飽和の固溶体を示している。 図3: 通気された内陸雰囲気に8年間露出させた後のピストン・アンビル(P A)法Mg−4.7重量%Gdスプラット。ここでは、スプラットn°1及び2 の腐食性攻撃によって示される通りの無制御の流体の流れの結果起こる偏析した 樹枝状ゾーンを基本的に伴う側面を示している。スプラットn°3については、 対応する偏析の無い過飽和ゾーン(図2参照)が、横断面全体を横切っている。 図4: ゾーン通気された内陸雰囲気に8年間露出させた後のピストン・アンビ ル(PA)法Mg−4.7重量%Gdスプラット。ここでは、金属表面薄膜の劣 化が殆ど無い(左側の)ミクロ構造の、及び腐食性攻撃の均一な分布を伴う(右 側の)樹枝状晶の偏析したミクロ構造ゾーンの柱状で特長の無い表面のより接近 した調査を示している。倍率は(上)2:1、(下)5:1。 図5: 図4の場合と同様であるが、ここでは攻撃を受けていない過飽和ゾーン (上、左側)と、無制御の流体の流れの結果起こる過飽和ゾーン内側の偏析に起 因する攻撃(中央、右)及び再輝現象に起因して樹枝状晶成長が発生する偏析し たゾーンにおける攻撃(下、左側)を示している。倍率:37.5:1 図6: 断熱条件下のMg−0.74重量%La合金について150Kの初期過 冷却後のVfを伴い進行する再輝成長前面。結果としてもたらされる溶質トラッ プに必要な(即ち、成長の開始後の浴温度上昇の関数としての)速度は、無次元 断面>0.3についての自由樹枝状成長に帰着する分離した曲線によって示され る(図9参照)。 図7: 臨界結合開裂範囲内での超急速凝固プロセスの効率において劇的な上昇 を示す超急速凝固法の効率に関する模式図。 PM/RSP1): 材料の選択による高度処理の効率を制限する、特性感応性 結合開裂範囲、換言すると特性は、通常は非常にひどいものである生産に基づき 、化学的組成、プロセス制御等に対して非常に敏感である。 PDV2): RSP処理の効率が主としてPVDプロセス自体の設計及び性能 の問題である、本来の最良の材料特性に基づいてプロセスの品質及び生産性に対 して直ちに感受性をもつものである、生産性−感受性結合開裂範囲。後続のイン サイチュ凝固は、それぞれ処理などに起因する介在物、酸化による蒸着粉末及び 溶着物のそうでなければ比較的制限の無い部域の汚染に対する保護を提供する。 従って、反応性及び/又は軽量金属用、及び/又は高純度で高性能な航空宇宙の 応用分野用のいずれの蒸着プロセスにも、高度な処理の材料特性問題を生産性品 質問題に転換する連続冷硬コレクターユニットを利用することによる蒸気溶着が 必要である。 図8: Machu試験により腐食性攻撃にさらされた時点で不活性を示し、c ph−Mg内のLaの拡張固溶体を表す特長の無い表面冷硬ゾーンを伴うPAM g−4.2重量%Laスプラットの横断面。 a)では、この表面冷硬ゾーンは、冷硬除去側の柱状樹枝状ミクロ構造と共存し 、 b)では、2つの表面冷硬ゾーンによってトラップされた等方性樹枝状ミクロ構 造と共存する。倍率:500:1。 図9: a)、b)樹枝状晶前ゾーン及び柱状樹枝状冷硬除去ゾーンと共存する 特長の無いゾーン、c)結晶粒界が或る種のミクロ偏析により装飾され、かつ大 きな割合のミクロ偏析を伴う等方性中央ゾーンをトラップする特長の無い柱状成 長を示す、PA Mg−2.2重量%Ceスプラットの横断面。a)からc)の 倍率は500:1。 図10: 図9と同様であるが、ここではPA Mg−スプラト内の軽量希土類 金属のレベルがより高くなっている。a)Ceが4.2重量%、b)Ceが6. 2重量%、c)Ndが9.0重量%。a)からc)までの倍率500:1。 図11: 改良Machu試験に従った5%(0.3H22)−1%NaCl水 溶液への、a)浸漬前、及びb)、c)2時間の浸漬後のPA Mg−4.2重 量%La。尚、a)及びb)は特長の無い表面冷硬ゾーン側を示す。この側は、 2時間後もまだ銀色の光沢を保っていたが、樹枝状冷硬除去ゾーンは粉末様の腐 食生成物によって全体的に曇っている(c)参照)。スプラットの薄くなったリ ムは(図1から3参照)、浸漬に先立ち除去されている。 図12: 改良Machu試験に従った、a)HF−活性化の前であるがMac hu試験前の、5%(0.3H22)−1%NaCl水溶液へのb)0.5時間 、c)1時間及びd)3時間の浸漬後のPA Mg−2.2重量%Laスプラッ ト。ここでは、1時間後では銀色の光沢を保持し、3時間後でも事実上攻撃を受 けない特長の無い表面冷硬ゾーンの側を示す。腐食性攻撃は、PA−スプラット のリム及び中央部内の四ヶ所の小さな部位から開始した。 図13: a)特長の無い表面冷硬ゾーンの側、及びb)樹枝状冷硬除去ゾーン の側を示す、改良Machu試験に従った、400℃で1時間熱処理し、その後 に5%(0.3H22)−1%NaCl水溶液へ2時間浸漬した後のPA Mg −4.2重量%Laスプラット。a)での攻撃はスプラットのリムから始まって 露出表面部域の20%に限定されていたのに対して、腐食性攻撃は冷硬除去樹枝 状ゾーンのほぼ100%を曇らせていた。 図14: 改良Machu試験に従った、400℃で1時間熱処理した後に、a )HF活性化されたが浸漬前の、b)5%(0.3H22)−1%NaCl水溶 液へ30分、c)1時間及びd)3時間浸漬した後のPA Mg−2.2重量% Laスプラット。ここでは、図14aに示されている樹枝状晶前表面島によって ではなくスプラットのリムで腐食性攻撃が誘発された特長の無い表面冷硬ゾーン の側を示す。腐食性攻撃は、スプラットのこの側での露出表面の約30〜35% に限定されていた。 図15: 改良Machu試験に従った、a)HF活性化後でかつ浸漬前の、及 びb)5%(0.3H22)−1%NaCl水溶液へ30分、c)1時間及びd )3時間浸漬した後の、凝固した状態のPA Mg−2.2重量%Ceスプラッ ト。ここでは、露出表面部域の15%を超えること無く(図15a)スプラット のリムで弱い腐食性攻撃が誘発された特長の無い表面冷硬ゾーンの側を示す。 図16: 改良Machu試験に従った、a)HF活性化後でかつ浸漬前の、及 びb)5%(0.3H22)−1%NaCl水溶液へ3時間浸漬した後のPA Mg−6.0重量%Ceスプラット。ここでは、特徴のない冷硬ゾーンと共存す る樹枝状晶前表面島によってと同様にスプラットのリムでも腐食性攻撃が誘発さ れた特長の無い表面冷硬ゾーンの側に対する影響を示す(図9a及び9b参照) 。腐食性攻撃は、スプラットのこちら側の露出表面部域の約15%に限定されて いた。 図17: 改良Machu試験に従って、400℃で1時間熱処理しその後、a )HF活性化後でかつ浸漬前の、及びb)5%(0.3H22)−1%NaCl 水溶液へ30分、c)1時間及びd)3時間浸漬した、PA Mg−2.2重量 %C eスプラット。ここでは、1時間の浸漬の後にスプラットのリムで腐食性攻撃が 誘発され(図17c)、次に熱処理されたスプラットのリムから中央部に向かう 急速に成長する攻撃が続き(図17d)、対応する露出表面部域の65%に腐食 性攻撃をもたらす結果となった、特長の無い表面冷硬ゾーンの側を示す。 図18: 改良Machu試験に従って、400℃で1時間熱処理し、その後、 a)HF活性化後でかつ浸漬前の、及びb)5%(0.3H22)−1%NaC l水溶液へ30分、c)1時間及びd)3時間浸漬した後の、PA Mg−6. 0重量%Ceスプラット。ここでは、特長の無い表面冷硬ゾーンと共存しかつ任 意の表面部位において腐食性攻撃を誘発するミクロ偏析を伴う比較的広範な表面 部域を含む側を示す。攻撃はスプラットのこちら側の露出表面の約40%に限定 されていた。 図19: 対応する表面スプラットの大部分にわたり腐食性攻撃を示す、改良M achu試験に従って(注:特長の無い柱状粒子がPA Mg−スプラットの全断 面を横断していた)、a)15Yについては浸漬前、b)及びc)は5%(0. 3H22)−1%NaCl水溶液へ3時間浸漬した後の、凝固した状態のPAM g−15及び20重量%イットリウムスプラット。尚ここで。b)はchp−M g中の15Yで、c)は20Yである、 図20: 改良Machu試験の5%(0.3H22)−1%NaCl水溶液[ 19、20]に露出された凝固した状態のPA Mg−Laスプラットの表面に対 する腐食性攻撃の推移。ここで、円盤はcph−Mg中のLa拡張固溶体を表し 、方形は平衡又はほぼ平衡のミクロ偏析の体積分率を伴う樹枝状冷硬除去ゾーン を表す。X(直線):特長の無い冷硬ゾーンと共存する樹枝状晶前の近似体積分 率。 図21: 図20と同じ。ここでは、PA Mg−Laスプラットは400℃で 1時間熱処理されている。 図22: 改良Machu試験の5%(0.3H22)−1%NaCl水溶液[1 9、20]への露出の間の、凝固したままの状態における(円盤)及び400℃ で1時間の熱処理の後の(方形)PA Mg−Ceスプラットの特長の無い冷硬 ゾーンの表面に及ぼされる腐食性攻撃の推移。X(直線):図20と同じ。 図23: 5%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への、a)浸漬前及 び、b)0.5時間、c)1時間及びd)3時間の浸漬後の、特長の無い冷硬ゾ ーンミクロ構造の側を伴うPA Mg−2.33重量%Ndスプラット。 図24: 5%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への、a)浸漬前及 び、b)0.5時間、c)1時間及びd)3時間の浸漬後の、凝固した状態の条 件でのPA Mg−8.61重量%Smスプラット。ここでは、特長の無い冷硬 ゾーンミクロ構造の側を示す。 図25: 400℃で1時間加熱処理された後に、5%(0.3H22)−1重 量%NaCl水溶液へ3時間の浸漬した(上部)PAMg−6.99重量%Nd スプラット及び(下部)PAMg−8.61重量%Smスプラット。ここでは、 強い黒色の変色(腐食生成物の厚い層)を伴う樹枝状ミクロ構造の冷硬除去ゾー ンの側を表す。 図26: 5重量%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への浸漬前のP AMg−4.0重量%Mnスプラット。 図27: 5%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への、(上)0.5 時間、(中)1.0時間(下)3.0時間の浸漬後の、(列左)冷硬除去及び( 列右)冷硬ゾーンを伴うPAMg−4.0重量%Mnスプラット。 図28: PA Mg−6.0重量%Mnスプラット。ここでは、5重量%(0 .3H22)−1重量%NaCl水溶液への、(上)0.5時間、(中)1.0 時 間及び(下)3.0時間の浸漬後の特長の無い冷硬ゾーンミクロ構造を伴う純粋 Mg原料(即ち<50ppmFe)から作られており、僅かな変色を示している(前出 参照)。 図29: ここでは、純粋Mg原料から作られた、PAMg−6.0重量%Mn スプラット。尚、過飽和固溶体からのβMnの析出を確実なもにするための35 0℃で4時間の熱処理後のものであり、その後次に前項の通りの浸漬(即ち、a )0,b)0.5,c)1及びd)3時間の浸漬)の時点で黒色変色を発達させている 。 図30: b)0.5時間、c)1時間及びd)3時間の浸漬後(上記参照)、 腐食性攻撃に対する全体的な耐性を破壊することなく局部的な孔食を発生させた βMn−分散質を伴う、PAMg−8.0重量%Mnスプラット。 図31: 浸漬前の(上)0.5重量%Si、(中)1.0重量%Si及び(下 )5.0重量%Siを伴うPAMg−スプラット(次頁参照)。 図32: 前頁と同様であるが、ここでは、5重量%(0.3H22)−1重量 %NaCl水溶液への0.5時間の浸漬の後、特に(ピストンとの接触が不良な )スプラットの外側ゾーンにおいて融成物から分離されたMg2Si相の体積分 率に従ったSi含有量の増加に伴う腐食性攻撃の増加を示している。 図33: 前頁と同様であるが、ここでは、5重量%(0.3H22)−1重量 %NaCl水溶液への1時間の浸漬の後を示している。PAMg−5重量%Si について特長の無い表面ゾーンをもたらす結果となった極めて良好な接触が、ス プラットの中央に驚異的な腐食耐性を発達させている(「FH703」のラベル が貼られた下部を参照)。 図34: 前頁と同様であるが、ここでは、5重量%(0.3H22)−1重量% NaCl水溶液への3時間の浸漬の後、0.5重量%Siを伴うスプラット(上 ) に関してはその大部分について、又5.0重量%のSiを含むスプラット(下) の中央部分について、腐食性攻撃に対する驚異的な耐性が示されている。 図35: 400℃で1時間の熱処理後で(前項の通りの)3時間の浸漬の(列 左)前及び(列右)後の、(上)0.5重量%Si及び(下)5.0重量%Si を伴うPAMg−スプラット。ここでは、対応する腐食耐性の全体的な崩壊を示 している。これらの材料のSiに過飽和は、0.5重量%を超過しなかった。崩 壊は、いずれか一方が凝固の間の融成物から分離されたMg2Si相の粗粒化の 結果である。 図36: 凝固したままの状態及び浸漬前の、PAMg−2.46重量%Sbス プラット(次頁参照;注、目盛は[mm])。 図37: 凝固したままの状態及び5重量%(0.3H22)−1重量%NaC l水溶液への(上)0.5、(下左)1.0及び3.0時間の浸漬後の、PAM g−2.46重量%Sbスプラット 図38: 400℃で1時間熱処理され、5重量%(0.3H22)−1重量% NaCl水溶液への、a)浸漬前、b)0.5時間及びc)1.0時間の浸漬後の PAMg−2.46重量%Sbスプラット。ここでは、固相析出及び/又はMg3 Sb2第2相の効果、即ち超急冷凝固法に対する凝固したままの状態(図36及 び37 を参照)を示す。 図39: 凝固したままの状態でかつリム近くの亀裂によって示されるとおり融 成物から分離されたMg3Sb2−分散質によって脆化されたPAMg−7.09 重量%のSbスプラット。ここでは、無制御の流体流領域及び/又は前項同様に 浸漬された後のスプラットリム(図38参照)での(PAMg−2.46重量% のSbと対比しての)孔食の増加を示している。 図40: スプラット化されたままの状態での(下左)樹枝状冷硬除去ゾーン及 び(下右)特長の無い冷硬ゾーンを伴う、400℃で1時間熱処理され、5重量% (0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への(上)浸漬前、(下)2時間浸漬 した後の、PAMg−3.5重量%のCaスプラット。 図41: 特長の無い冷硬ゾーンに樹枝状晶前特長を表す黒色の島を伴う、40 0℃で1時間熱処理され、5重量%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液 への、a)浸漬前、b)0.5時間、c)1時間及びd)3時間浸漬した後のPA Mg−2.0重量%Caスプラット。スプラットのこの側には腐食は観察されな かった。 図42: 400℃で1時間熱処理されたPAMg−5.0重量%Caスプラッ ト。ここでは、冷硬側(特長の無い)ゾーンは、5重量%(0.3H22)−1 重量%NaCl水溶液への、a)浸漬前、b)0.5時間、c)1時間及びd)3 時間の浸漬後に腐食性攻撃を示していない。 図43: (下左)特長の無い冷硬ゾーンミクロ構造及び(下右)樹枝状冷硬除 去ゾーンについて、5重量%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への、 (上)浸漬前及美(下)2時間の浸漬後の、凝固したままの状態のPAMg−1 .5重量%Srスプラット。Mg−Caに比べてMg−Sr系の中で分配係数k0 が非常に低く、このためSrでのcph−Mgの過飽和対Caでのcph−Mg の実質的過飽和を達成することが大幅に困難になっていることに留意のこと。 図44: (上)腐食性攻撃が特長の無い冷硬ゾーンミクロ構造側のスプラット のリムに局在化した及び(下)過剰の腐食(黒色の生成物)が樹枝状冷硬除去ゾ ーンにある状態での、スプラット化したままの状態で5重量%(0.3H22) −1重量%NaCl水溶液へ2時間の浸漬した、PAMg−4.23重量%Pd スプラット。 図45: 凝固したままの状態のPAMg−3.91重量%Auスプラット。こ こでは、5重量%(0.3H22)−1重量%NaCl水溶液への、(上)浸漬 前及び(下)3時間の浸漬後の特長の無い冷硬ゾーンミクロ構造がスプラットリ ムに局在化した腐食を示している。 図46: (左全て)特長の無い冷硬ゾーンミクロ構造及び(右全て)樹枝状冷 硬除去ゾーンミクロ構造を伴う、400℃で1時間熱処理され、5重量%(0. 3H22)−1重量%NaCl水溶液へ、(上)0.5時間及び(下)1時間浸 漬された後のPAMg−14.19重量%Auスプラット。 図47: 改良Machu試験に従って、5%(0.3H22)−1%NaCl 水溶液への、(上、Mg−4Tiについての曲げ対比を伴って)浸漬前、及び(下) 0.5時間の浸漬後のAZ91及びMg−4重量%Ti及びMg−7重量%Ce 蒸気溶着の試験片(両方の溶着物共にここでは、cph−Mg固溶体中に維持さ れたTi及びCeによって60℃で行われた)。多孔率(例えば100℃以上の 高温での溶着では不在であった)は、VD合金の急速な攻撃を導き、少なくとも 対応する融成物のミクロ偏析と同様に有害であるが(前出参照)、Mg−7上の 腐食性攻撃はMg−4Ti(>90%)上よりも緩慢で(露出表面部域の75% )あり、一方基準合金AZ91は、両方のVD合金よりも急速に(100%)腐 食した。 図48: 上記溶着された(上、1000:1)及び冷硬鋳造された(下、20 0:1)Mg−8重量%Ce合金の横断面の光学的ミクロ構造。ここでは、蒸気 溶着後の特長の無い柱状成長及び鋳造後の2つの樹枝間隔範囲を伴う樹枝状成長 を示している。 図49: 6.0重量%Laを含むMgベースのガンスプラットの横断面の光学 的ミクロ構造(1000:1)。ここでは、特長の無い表面冷硬ゾーン及びスプ ラットの冷硬除去側での帯状セル状ミクロ構造を示す。帯状ミクロ構造の過飽和 度は、特長の無い冷硬ゾーンのそれと比較してそれほど差はなく、PA−スプラ ットの樹枝状冷硬除去ゾーンのそれと比較した場合は非常に幅が広い(前出参照) 。 図50: Mg−8重量%Ce合金のガンスプラットの2つの連続する示差走査 分析(DSC)の間の熱流の差を示す。加熱速度: 40K/分。使用された質量 :2.23mg。非線形基線ドリフトは修正されなかった分析に重ね合わされ、ゼ ロの線と点線の間の差として表されている。 図51: 図50と同様であるが、ここではDSC器具のセルをパージするため に使用される窒素内の残留微量酸素を除去するためにTaホイルを使用し、40 0℃以上の温度での発熱効果を明らかに低減させている。加熱速度: 40K/ 分。使用された質量:2.05mg。 図52: 図51と同様であるが、ここではMg−1Nd(上)及びMg−1L a(下、公称、[重量%])のガンスプラット。加熱速度: 40K/分。使用 された質量:(上)2.07及び(下)1.94mg。 図53: 発熱効果n°1、2及び3について(上)−6.9、(中)−9.8 及び(下)−31.8J/gの変態発熱エンタルピーを結果としてもたらすMg −8重量%Ce合金のガンスプラットのDSC−分析の非線形誤差を削減する目 的での図50のキャプションに従った個々の弁別及びそれに続く評価。加熱速度 : 40K/分。使用された質量:3.04mg。 図54: 図53と同様の個々の弁別。ここでは、(上)−9.7(中)−45 .0及び(下)−30.1J/gの変態発熱エンタルピーを結果としてもたらす(上 )1Nd及び(中及び下)1La(公称、[重量%])伴うMgベースのガンス プラットのn°2の発熱効果について示している。加熱速度: (上及び中)4 0K/分、(下)20K/分。 図55: (上)ガンスプラットされた、(下)蒸気溶着されたMg−8重量% Ce合金のn°3発熱の個々の識別。ここでは、凝固に先立ち結合解裂度が増加 するのに従った、(上、重複された吸熱を伴う)発熱から(下)吸熱変態への変 態挙動における「アムクラップ」プロセスを示している(図53下参照)。ガン スプラットはここでは厚さ<1μmであるが、図23でDSC−分析用に使用さ れたガンスプラットは>1μmであった。加熱速度:40K/分。 図56: 各々(中)−15及び(下)+68.5J/gの変態発熱及び吸熱エ ンタルピーを結果としてもたらす蒸気溶着されたMg−8重量%Ce合金の個々 の弁別(中及び下)を含む、(上)DSC分析。ここでは、温度>400℃での 発熱から吸着変態への完全な転換を示す。熱比:40K/分 図57: 図56と同様であるが、ここでは、(上)a)40K/分の加熱速度 を使用するため、(下)b)20K/分の加熱速度を使用するために他の試料を 用い、両方の分析ともに、図56に示されている熱効果の優れた再現性を示して いる。 図58: 400℃以上での発熱効果n°1、2及び吸熱効果についての(上) −7.2及び(下)+42.8J/gの変態発熱エンタルピーを結果としてもた らす図57(下)に示されているDSC分析の個々の識別。 図59: (上)厚さ<20μmの回転ウイング(RW)Mg−3.9重量%L aスプラット、(中)厚さ<20μmのMg−6.8重量%Laスプラット及び (下)厚さ140μmのMg−4重量%Laスプラットを伴い、常温で8年間時 効化されたMg−Laスプラット上でのDSC−分析を示している。尚、後者に ついては150℃前後での吸熱効果についての証拠が無い。ΔW=出力、ΔH= グラムあたりのエンタルピー(即ち、変態の有効エンタルピー)。注: 吸熱効 果は下方に向いている。 図60: 図59と同様であるが、ここではピストン・アンビル・スプラットク ーリング法による、(上)回転ウイング(RW)Mg−3.65重量%Ceスプ ラット及び(中)RW Mg−13.2重量%Ceスプラット及び(下)Mg− 4重量%Ceスプラットを示している。注: 吸熱効果は下方に向いている。 図61: DSC−分析の減算によって得られた熱流及び後続の常温で8年間時 効化された厚さ30mmのRW Mg−7.5重量%Gdスプラットのインサイチ ュ基線並びにその結果としての前出と同様の対応する変態エンタルピーの積分を 示す。 図62: 図61と同様であるが、ここでは、(上)厚さ30μmで17重量% のGdを伴うRW Mg−スプラット及び約8重量%のGdを伴うが、厚さが2 00μmのスプラットについてを示す。 図63: 常温に12ヶ月露出させた後融解紡糸されたMg−23.4重量%A lリボンについて[K/秒]で表された様々な加熱速度を用いた(上)TEM回 析パターン及び(下)DSC−分析。制御された室温段階の変態吸熱は、これら の自然時効化条件以降[118]のcpg−Mg内の残りのアルミニウム過飽和 固溶体の変態と同程度に強い。 図64: スパッタリング法を用いた蒸気溶着(図56−58参照)によって作 られたcph−Mg内の8重量%Ceの「吸熱」固溶体のX線スペクトル。ここ では、70及び250μmという2種類の異なる溶着厚さについて示されている 。70μm試料の(002)一回析の平均半値幅は、Scherrerによる公 式を経由したミクロ構造のセルサイズを見積るために使用された。(17頁) 図65: 従来の鋳造及び蒸気溶着によって作られたMg−8重量%Ceのビッ カース硬度番号V.H.N.についてのHall−Petchの関係。比較のた めに、cph−αMgLi合金のデータ及びEA55RS合金のデータも同様に 含まれている([64]参照)。各々の関係の勾配は、Hall−Petch比 例定数kyを表している。 図66: dをインゴット法(I/M、円盤)及び超急冷凝固法(RSP、正方 形)によって作られた押出しMg合金の粒度とした、d-0.5の関数としての引っ 張り降伏強度σyoMg−Al−Znベースの合金についてのHall−Petc h関係は[80]に従ったものであり、Mg−10.9Alについての関係は[ 84]、ZK60については[82]、(α+β)Mg−9Liベースの合金に ついては[87、88]、bcc−βMg−40Li−2H[原子%で]につい ては[89]、純粋Mgについては[93]に従ったものである。別途指定のあ る場合の除いて、合金の組成は、[重量%]単位で示されている。 図67: dをインゴット法(I/M、円盤)及び超急冷凝固法(RSP、正方 形)によって作られた押出し成形Mg−及びAl合金の粒度として、d-0.5の関 数とての引っ張り降伏強度σy。ここでは個別の試料無しで示されている。太線 :Mg及びMg合金についてのky値、点線:Al及びRSP−Al合金につい てのky値。観察された最小粒度は、各Hall−Petch関係の右側終端部 によって表されていることに留意のこと。 図68: (上)超急速凝固Mg−15重量%Al合金及び(下)従来の通り鋳 造されたMg−10重量%Al(上)の市の重量損失つまり腐食速度に及ぼすF e含有量の影響、及び(下)a)従来の通り鋳造された大きなMg17Al12粒子 を伴うMg−Al合金(ここでは含まれていない)及びb)細かなMg17Al12 粒子分散を伴う超急速凝固されたミクロ構造についての提案された腐食孔のメカ ニズム。 CP:腐食孔、SCP:剥離した腐食生成物、両方ともPC(即ち、腐食生成 物及び不動態化された析出物を含む(削減された)腐食孔サイズ)へとRSP時 点で修正されたもの。 図69: 両方とも純粋マグネシウムについての、a)延性の遷移温度及び遷移 曲線の形状に及ぼす粒度の影響、及びb)遷移温度に対して及ぼす粒度の段階的 減少の影響。[50]以降。 図70: 常温以上の熱活性化可能性順位でのcphマグネシウムの滑り面及び 滑り方向(イタリック体:作動的な滑りモードについての条件)。[50]以降 図71: ここでは、バーガースベクトルb([102]参照)を伴う純粋マグ ネシウムの基底平面のγ表面反復セル1/3〈110〉〈100〉について 、a)線形弾性から誘導された固有欠陥ベクトルt1と、b)多重体電位計算か らの固有欠陥ベクトルt1間の一致を示す。それぞれ、暗い点線の矢印:t1;明 るい点線の矢印:b;実線の円盤:(0001)原子;点線の円:例えば(00 02)原子;そして2重斜線の円は(000)原子。 図72: Mg及びAlをベースとし、(上)引っ張り試験及び(下)ミクロ硬 さデータから得られた軽量合金についてのHall−Petch比例定数kY。A lの合金化は純粋Alのky値を減少させる一方で、報告されたほぼ全てのMg 合金は、純粋マグネシウムのky値を減少させる。 図73: Z=1.2及び6から8についてγp<γbを示す、充填b−バンド状 態、Zの関数としての、対応する基底平面(γb)内及び対応する斜方晶(柱状 )平面(γp)での最密充填六方晶格子の積層欠陥エネルギーΓ(単位[10-2R yd/at])。[109]から。 図74: 及び活性態−不動態遷移(Cr鋼と同様に)が発生したe)を除いて 、(基本的に)単相のMg合金(a)からe))、及びf)標準的な陽極分極平 坦化域を伴うCuベースのCu−Au固溶体の動電位分極曲線。 a、b: 30℃でpH9の1モルNaClの電解質を用い、マグネトロンス パッタリングにより作られたcph−マグネシウム中の(上)チタン及び(下) ジルコニウムの単一相固溶体。純粋な元素に及ぼすこの電解質の影響は[28] にも同様に示されている。 c: 融解紡糸で作られたcph−Mg内の17.6から23.4重量%Al の単一相固溶体の、及び比較的攻撃性のある電解質(温度25℃pH4.9の通 気された0.001モルのNaCl)中の62.3重量%Alを含有する冷硬鋳 造Al8Mg5相の、6mV/秒の走査速度を用いた動電位分極。結果として陽極 分極機能は対応する二相鋳造材料については明白ではなかった。 d: c)と同様であるが、ここではPAMg−2.2重量%Ce(0.39 at.%Ce)スプラット及び7.9重量%(1.35at.%)及び18重量 %(3.11at.%)Ceを含有する融解紡糸リボンが用いられている。 e: a)と同様であるが、ここでは、1モルNaCl水溶液中のスパッタリ ングされたMg−15.5Al−17.6W(単位[at.%]、[133]) である。 f: 0.1モルNa2SO4/0.01nH2SO4中の様々なCu−Au固溶 体の動電位分極の間の陽極分極に及びAu(単位[at.%])の効果。 図75: 図74a.b[28]に示すとおりの分極時点での、cph−Mg中 の47原子%(63.6重量%)Ti及び57原子%(83.5重量%)Nb過 飽和固溶体の表面酸化物中の(上)陽イオン分率と(下)陰イオン分率。 図76: マグネトロンスパッタリングにより製造された後1モルのHCl水溶 液に露出された特徴的なMg−TM合金(TM=Ti、Zr、Nb及びTa)の 組成及び結果としての密度が腐食性に及ぼす影響[28]。 図77: 高度処理による耐腐食性Mg合金の開発のための該当部域(左上、M gO領域)を表示する、従来通り処理されたMg−ベースの金属上における表面 反応生成物の推移の模式図。残りの部分は回避すべきである。例えば、ヒドロキ シイオンのMgO内への浸透は、表面保護生成物を全く生じさせずに酸化物の厚 みを増す結果となることがある(図80参照)。 図78: 孔食は、現実の従来型Mg合金に最も多く見られる腐食様式である。 孔食は、問題のMg合金の不純物介在を含むミクロ構造にその原因があるとする のが一般的であるが、金属/電解質界面の前面に酸素勾配(図78a参照)が形 成され、a2からk2の陰極部分反応の対応するシフトに起因するb)腐食電位(εk )Rを増加させる結果になることは通常見過ごされている。図78aは、金属表 面からの距離の増加と、電解質の表面からの距離の減少を伴う固定酸素分配を示 し、図78cは、1NのNaCl水溶液中に浸漬されたZnプレートについての 結果としての電位プロフィール(実線)及び電流密度ライン(斜線部)。0ライ ンを基準とする、(即ち界面の酸素が豊富な部分(図78d中の0参照))[m V]単位の数は、Fe−介在物と等価のより貴金属の(陰極)部分であり、一方 腐食は、陰極部分への酸素の拡散量に応じて界面の酸素欠乏部分に発生する。そ の結果、トポロジー的に整合な酸化鉄表面皮膜(図78d)は、例えば、図78 cに従って金属表面の上部に通気セル(局部要素)を形成する小滴下の局部的酸 素勾配の結果として孔食の近隣に作られかつ環境の詳細に応じて(図79参照) Fe23又は他の腐食性生成物(CP参照)によって周囲を囲まれた孔食(P) へと局部的に変態する。即ち、結果としての孔食は、ミクロ構造が完全に均質( 即ち、一相(平衡)合金ミクロ構造)であった場合にも同様に形成されると考え られ、孔食落下減少には同様に、他の手段を通じた金属酸化物の改良も必要とさ れるということを示している(本文及び[138]参照)。 図79: (上)トポロジー的に整合な酸化鉄表面皮膜の(A)孔食への、及び (B)図78cに従った金属表面上部での(注、F:金属光沢、G:堅い錆の、 H:緩く付着した錆)、曝気セル内(局部要素、即ちC: 電解溶液、D:拡散 及びE:電解移送)の酸素勾配の結果として孔食の周りに形成される周辺腐食生 成物Fe(OH)&3&(B:錆)の変態。(下)T=20℃、ω=1Hz[1 38]で、CaCO3で飽和された0.0003モルのNaCO3に露出された回 転する低合金鋼円盤についての対応する結果。 図80: I)a)金属酸化物への陰イオン(Cl-)の浸透、b)不動態酸化 物への陰イオン(Cl-)の島−吸着、c)A:電解質の攻撃及びB:表面酸化 物と表面塩化物の間の競合、が存在する場所での不動態表面酸化物の亀裂の結果 としての金属表面上での、II)Heuslerに従った中庸なpH値のCl- 内の酸化物の局所的穿孔の結果として酸化鉄上での、及びIII)Kaesch eに従った酸化アルミニウム上での、孔食落下のモデリング。後者は、より孔食 から離れたところでは全体的なpHが>7(A、即ちε<EH2/H+)である[1 38]にもかかわらず、局部的に酸性の食孔落下(B即ちε<EH2/H+)に向か うCl-及びH2Oの輸送及びそこから離れるH2の輸送(気泡)の結果としても たらされるNaCl溶液中でのAl加水分解を示している[138]。 図81: 酸素吸着熱と同−同金属結合の破裂の容易さの間の相乗作用及びその 結果としての(I)非不動態金属、(II)不動態強化(被強化)金属及び(I II)比較的大きな内部力に起因する酸素を伴うその溶解及び酸素との反応を遅 延させる金属の集合体[139]。 図82: a)γ相界拡張に及ぼす0.6重量%炭素の影響を含む2成分系Fe −Cr(点線)、b)Fe−18Cr合金のための3成分T−xNi−カット( a)参照)の平衡相図を示す。両方の図ともに、全ての二相(α+γ)ミクロ構 造も、両方の相に関与する比較的高い合金化レベルに起因して比較的小さなミク ロガルバニック勾配を提供している一方で、単相αフェライト及びγ−オーステ ナイト鉄合金(及び鋼)が不動態化Cr(b)ではNi)と大幅に合金化される ことを示している[140]。 図83: a)2相ミクロ構造に対応するαとβの間で比較的大きな濃度勾配を 伴う標準的なMgベース平衡相図、及びb)(i)中間濃度における非平衡β相 の出現及び/又は(ii)対応する終末相α及び/又はγの相界拡張の結果とし て非平衡処理による濃度勾配の低下の模式図を示す。非平衡処理に起因するミク ロ構造のミクロガルバニック勾配の減少は、c)既に平衡処理段階にある中間(金 属間)γ相の出現を原因として3成分及びそれより上位の系においてより一層効 果的であるものと思われ、かくして問題のMg−ベース相の濃度範囲及び密度増 加分を低減させることになる。 図84: ここでは、厚さ20μmの横断面の大きな部分(即ち約75%)を横 断し、条片の中心線に沿ってより等軸のミクロ構造をトラップしている柱状粒子 を示す融解紡糸Mg−17.3重量%Ce条片の光学的ミクロ構造。倍率:12 00:1。 図85: より原子価の高い金属(ここではバナジウム)及び/又は結果として 得られる酸化物での表面薄膜内でのMg及び/又はMgOの置換、即ちn−コン ダクタンス及び異なるPB−比についての削減されたΔΨ/Δxの導入がもたら す効果を示す模式図であり、1に近付くn−コンダクタンス及びPB−比の両方 がバルクマグネシウムの不動態化の補足的要因であることを示している。 図86: 厚さ20μmの融解紡糸Mg−17.3重量%Ceリボンの2つの連 続するDSC−分析の示差的走査。これは、約425℃(698K)での発熱ピ ーク効果(この特定分析では発熱効果は下向きにプロットされていることに留意) 及びベースライン(点線ライン)との関係において比較的低い吸熱スペクトルを 示している。加熱速度:40K/分、使用された質量:1.98mg;又蓄熱さ れたエンタルピー曲線については44.341g/molを仮定している。発熱 ピーク効果のΔH曲線の回転は、対応する部分エンタルピーを見積もるために使 用された。 図87: 改良Machu試験に従った5%(0.3H22)−1%NaCl水 溶液への、a)浸漬前、及びb)、c)2時間の浸漬後の固化された状態のPA Mg−6.0重量%Mnスプラット。ここでは、a)及びb)が樹枝状冷硬除去 ゾーンを示し、c)は特長の無い表面冷硬ゾーン側を示す。後者が基本的に攻撃 されていない状態にとどまっているのに対して、冷硬除去ゾーンは孔食によって 全体的に曇っている(図87b参照)。 図88: チャンバn及び+1内に元素及び合金化された蒸気流を発生させ、蒸 気をコンデンサに向かって(右手側)駆動する外部ポンプシステムを通じた吸引 流による制御を受けた蒸気溶着プロセスの模式図。或る与えられたポンプ速度S について、蒸気の実際のスループットは、ダイヤフラムによって制御される。結 果としてプロセス圧力及びダイヤフラムの界面を横断する温度勾配並びに蒸気速 度プロフィールも、左側に模式図として示されている。T−曲線についての斜線 部は、チャンバn+1及びn+2間のプラスの温度に起因する放射効果を示して いる。マグネシウム及び/又は希土類金属の蒸発用に用いるべき”n”ユニット 内の温度は、例えば600°から2000℃の範囲にあるが、一方で希土類及び /又は戦記金属の蒸発用に用いるべき”n+1”内の温度は、例えば1400° から2800℃の範囲内にある。 図89: a)[161]に従った「水圧管」、即ち「流路マトリクス」のx− 投影、b)厳密には流れに対する水平レジスタである、限定されたレジスタ面積 ARを伴う、流れに対するレジスタのx−投影、及びc)ここでは、各々がダイ ヤフラムの基本的「要素」(c1参照)を構成する5つの蒸気取り入れ口を示す 、本発明に従ったダイヤフラムの(「要素」c&1&の)x−投影。図90から 94 従った、唯一c)の解法のみが、チャンバnとチャンバn+1の間の明確な 圧力勾配dP/dxを考慮している。 図90: 高性能軽量金属及び合金を製造するための蒸気溶着プロセスにおいて 、吸入流(ダイヤフラムを指示する矢印を参照)を制御するために使用される基 本ダイヤフラム要素としての分岐(B)。この要素は、単独の、単独対の、或い は多重、即ち一連の単独又は対の分岐で構成されていて良く、分岐は、角度のあ る形、或いは円滑な形又は角度の有る密閉さられた、或いは円滑で密閉から溝の 切られた、のいずれかの形で作られていて良いが、全ての場合について、入口で の全圧力piは、戻り流の出口圧力pbより低い。分岐で構成されるダイヤフラム は、 混合物から成分を化学的に分離するために使用される膜と類似のマスフィルター の深さタイプを表している。注:e)及びf)は、矢印*によって示されるよう な蒸気流に対する吸い込みの効果を改善するためラッパタイプ(T)の蒸気出口 を伴っている。lj=ダイヤフラム界面長さ。 図91: 図90の場合と同様であるが、ここでは、密閉された(又は溝の切ら れた)多重分岐(「たこ足」タイプ)を表し、斜線部分は、温度を徐々に上昇さ せるための加熱要素を含み、こうして図93のものとオーバーラップする一つの 解法を提供する乱流を作り上げるための代替的な容積を示している。*は、膜内 外蒸気流のT−制御された拡張のために(「内部」)乱流を発生させるために使 用される=Δp0。 図92: ダイヤフラム要素により界面の周囲において乱流から層流への遷移を 生成するための構造要素(詳細)及び要素の組合せ。a)最も単純な解法、ここ ではダイヤフラム要素によって維持された蒸気塊である、ΔmRは、kが長さl 、高さh及び角度αの関数である一つの定数であるものとして「k*h」の積に 等しい。制御要素のcF値は、蒸気入口及び/又はダイヤフラムの前面では大き く、後方では小さい(本文参照)。*=近接するダイヤフラム要素への遷移であ る。b)からd)は、ダイヤフラム前面のより大量の制御要素を示し、d)は「 外部の」即ち「ふるい」タイプの分岐を示している(「S」の文字を参照)。T :近接するダイヤフラム要素への遷移。 図93: 一列あたりのレジスタ要素の数を増加させて、チャンバn+1に向か って徐々にレベルmによる蒸気流に対する抵抗を削減することのできる蒸気流に 対するレジスタ列、m。a)及びb)は、2つの基本的な解法「A0.1>ΣA0.2 >ΣA0.3」及び「差動タンク」DRを含む「A0.1>ΣA0.2>ΣA0.3」を示し ている。ここでDRは、バージョンc)では「内部」乱流及び蒸気出口での乱流 を削減することによって、直接蒸気流に対しては小さなc&F&値を有し、蒸気 入口の前面では大きなcF数を有する要素によって拡張されるべきタンクで ある。d)は蒸気流を局部的に加熱するための加熱スパイラルHを示している。 図94: 例として、蒸気入口の前面では大きなcF数を有し、蒸気出口では小 さなcF値を有する流量制御要素、及びm1=m2つまり差動タンクを提供しない ような形で組み合わされた並列レジスタ。 図95: 図88と同様であるが、ここでは、n−レベルでの蒸発チャンバ(そ の高さは、類似の蒸気圧を伴う要素の場合と同様に、PD制御されたスループッ トQvに相当する)に、蒸気溶着ユニット(21)での蒸気溶着に先立ってPDの 断面を削減する結果となる漏斗又はミクロラバル管として場合により設計される 混合チャンバが後続する平行配置が示されている。削減されたPDの断面は、レ ベル(n+2)内を回路バッチプロセスで移動する厚板凝集器の輸送の自由を増 大させる。尚ここで、(22):ミクロロール、(23):剥ぎ取りシステム、 (21a):蒸気溶着ユニット(21)の外側の蒸気ユニットの外壁、(27) :高さ調節可能なロールを伴う輸送システム、(18):真空ポンプシステム。 PD=多孔膜「ダイヤフラム」 図96: 多孔膜ダイヤフラム(PD)制御でかつ、吸入及び/又は蒸気圧駆動 の蒸気溶着プロセスにおける「n」レベルでの平行蒸気プロセス(各蒸発チャン バの高さは、対応する要素の蒸気圧に対応している)。ここでは、主要な吸入効 果がn−レベルの中心にあるチャンバn3に移送されるように、蒸発チャンバは 、レベル(n+1)で(バフル壁を伴う)混合チャンバを囲む半円の形で配置さ れている。24:可動分離壁、25:(24)を収容するための平坦な中空シリ ンダー。 図97: 蒸気溶着ユニット(21)を通過する平坦な「厚板」コレクタの相互 移動の結果としての溶着物表面の不連続温度間隔、ΔT=Tmax−Tminここで、 T&MAX&には、溶着表面への蒸気の衝突の間に到達するが、Tminには、次 に続く溶着パスの前の最も遅い移動において到達する。Tmaxの大きな絶対値は 、最 小の(即ちインサイチュ固化に先立つ)多孔性を保証するものの、Tmaxは、場 合によって非平衡合金構造に対応する変態温度を超過することがある。従って、 ΔTは小さくなければならず、その最良の制御は、δΔT=0条件によって与え られる。 図98: 平坦厚板コレクタ(PC)を用いた連続バッチプロセスの原理。ここ では、(上)は、プロセス原理nc min=3/2nd(ここで、nc min= 凝縮器 の最小数、nd=溶着前の対応するダイヤフラム数)を示す、溶着パスの間にVK on (1)より大きなVKon(2)の速度(即ちVKon(1)<VKon(2))の動 きを(傾斜角αを経由して)適合させることによって凝縮器が(側面の)縁部を 上(le)にして傾動する連続プロセスの「平面」タイプを示し、一方(下)は 、凝縮器が前面を上(ff)にして(前面に)傾動し、吸入駆動式全体蒸気溶着 プロセスを制御する最終ダイヤフラムPDのために異なる平面(傾斜角βを参照 )を必要とする、「空間」タイプの連続プロセスを示している。 図99: a)各溶着ユニット(n+2)には個別の混合=及び/又は蒸発ユニ ット(n+1)から、b)−d)共通蒸気源から、蒸気が供給された状態で、溶着 表面においてδΔT→0を提供するPC−凝縮器−回路プロセスについての、吸 入駆動及びPD膜制御を受けた蒸気溶着プロセスの小型構造の推移(a)からd )を参照)。ここでは、益々減少する巨視的な圧力損失係数ζを提供するプロセ スの全体的配置の空力学的推移を示す(次の特許を参照)。 図100: 「上面」図、即ち(上)nc min=6及び(下)nc min=12(円内 の数字)として、プロセス原理、nc min=3/2ndに従ったプロセスの蒸発部 分からの「平面」凝縮器レベルの投影。ここで、(21):前の通りの溶着チャ ンバ(即ちダイヤフラムの上面)、(12、13):各々、凝縮器及び対応する 溶着物、(19d):ダイヤフラムに先立つ最終混合及び/又は蒸発チャンバの 壁(図101参照)、(19):溶着/コレクタシステムから更に遠く離れた蒸 発チャンバの周囲を示している。当該プロセスはgに依存していない。 図101: 図100と同様であるが、ここでは、(21a):連続する2つの 溶着パスの間での凝縮器の動きに充分な自由度を与えるための真空チャンバの拡 張、といった更なる詳細が含まれている(図102も参照のこと)。 図102: 図41、43から46に関する個別の溶着ユニットの平面及び垂直 区分。ここで、(上)は(13g)に従って分離壁を用いて凝縮器内に冷硬媒体 を誘導するための蛇行トンネル(60)を伴う凝縮器(下地物質)(13)のた めの冷硬媒体の回転式分配装置及びコレクタ(13d)を伴っており、回転式分 配装置/コレクタは、管継手(13c)、剛性管(13a)により凝縮器に接続 され、可とう性(即ち屈曲可能及び/又は伸縮可能な金属製)管はフランジ(パ ッキン)(13k)により(13a)と接続されていて、フランジの全体的高さ /位置はマイクロプロセッサユニット(13h)により制御されている。一方(下) は、インサイチュ固化溶着物(12)及び非固化溶着物層(36)を伴う凝縮器 の輸送のための、溶着ユニットと真空チャンバの間の(17):固定式又は可動 式、(17b):可動式及び(17c)可動式分離壁を伴う溶着ユニット用真空 チャンバの上部部分(31)及び下部部分(34)を示している。 図103: 図102と同様であるが多孔膜PDによって蒸気のスループットが 制御されているgに依存しない吸入流或いは蒸気圧により駆動される蒸気溶着プ ラントの、gに依存しない凝縮器レベルの全体的垂直横断面を含む模式図。ここ では、更に以下のものが含まれている: (33)=分離セグメント、(35)=スクレーパー、(53)=真空チャンバ の上部壁(溶着チャンバ)、(13f)=冷却機(冷却集合体)、(13i)= 可動支持バー、(13j)=支持バー(13i)を収容する管、(13e)=コ レクタシステムのための原動機式駆動装置、(58)=(13i)及びコレクタ システムの残りの部分の移動方向、(37)=対火炎障壁、(38a)=真空ポ ンプシステム(例えば、経路昇圧器を含む)、(38b)=フィルタ、(38c )=粉末用容器/収集タンク、(38d)=様々なバルブ類,(39a)=zy c lone(サイクロン)、(39b)=気体浄化装置/気体分離装置/気体洗浄 装置、(39c)=粉末用収集容器、(39d)=残留蒸気用のトラップを伴う 圧送システム。 図104: 1977年から1992年の間に報告された、超急冷凝固法(RS P)によるアモルファスMg合金の固有引っ張り強度値。[159]から。 図105: 様々な条件で摩砕された後の3成分(X)、4成分(Y)及び5成 分(Z)合金添加物でドーピングされた、Al−TMベース(TM:遷移金属) の様々な合金の示差走査熱量計(DSC)分析。[194]から。 図106: 潤滑剤無し(即ち「乾式」で)T=20℃から60℃でt=2時間 ボールミル摩砕された(WE54+9重量%Al23)のDSC分析(走査1マ イナスインサイチュ基準走査)。実際の(但し未発表の)摩砕変数は:Ω=20 6rpm+/−最大10%;ωabs=241rpm+/−最大10%;R=12. 5cm;r=3.275cm;rb=0.50cm;ρb=7.60g/cm3; nb=上述の通りのrb及びρbの18の摩砕用ボールである。使用された前駆物 質充填物は、6g(WE54)及び0.54gのAl23即ち、Σmcharge=6 .54gであった。 図107: バイアル及びFritschのPulverisete5Rを用いて 本発明において利用されるバイアル及びバイアルの寸法。 図108: 放射、機械式或いは他の形態により固相に歪みを与える注入された 力の比較。ここでは、[eV/at.s]スケール上でのあらゆる形態の機械式 載荷及び放射による機械式合金のオーバーラップを示している。注:「soll icitation(応力)」なる用語はフランス語から取られたが、これは場 合によって英語の「microstress(ミクロ応力)」なる用語に翻訳す るのが良い場合もある。[100]から。 図109: (上)対応する支持ディスク(大きな矢印の円)が時計回りに回転 するのに対して反時計回りに回転する4基のバイアルについての;及び(下)上 図の通りに作動している間に8個の摩砕ボール(うち2個は図の通り浮遊状態に ある、(F)参照)及び摩砕された粉末と共に時計回りに移動するバイアル(V )の水平切断面についての、プラネタリーボール摩砕方法の原理を示す。ここで 、A:こここでは反時計回りに回転する保持ディスクの動き、B:遠心力、を表 す。 図110: R=12.5cm及びr*=2.2775cm及び(左側)Ω=2 06rpmでの3つの異なるω値(80、180及び280rpm)及び(右側 )w=80rpmでの3つの異なるΩ値(106、206及び306rpm)を もつ、プラネタリーボールミルを用いた脱着後の摩砕用ボールの絶対速度(実線 棒)の速度(振幅、即ちVc 2)。更に、衝撃角aの関数としての摩砕ボールの、 垂直(*-*-*-*-、即ちV2 cρ)及び接線(X-X-X-X-、即ちV2 c, α)衝撃速度 が、Ω=206rmp及びω=80rpm(RHS)について与えられている。 図111: R=13(G5)及び7.5cm(G7)の2つのプラネタリーボ ールミルについて示されている通りの様々なバイアル回転速度ωでのディスクの 回転速度Ωの関数としての、摩砕ボールの質量、mb=14g、に対する衝撃エネル ギー。バイアル半径速度r=21mm、摩砕ボールの半径、rb=7.5mm[2 23] 図112: プラネタリーボールミル摩砕の間の摩砕ボールの脱着Mdと衝突事象 る速度の分解。更なる詳細については[224]を参照。 図113: R=7.5(G7)及び13cm(G5)を伴うプラネタリーボール ミルについて指示された通りの様々なバイアル回転速度ωでのディスク回転速度 Ωの関数としての5個の摩砕ボールの衝撃振動数。摩砕ボールは質量mb=14 g 及び寸法(半径)rb=7.5mm;バイアル半径r=21mm。[223]か ら。 図114: 図113と同様であるが、ここでは、R=13(G5)及び7.5 (G7)cmの遊星ボールミルについてのディスク回転速度Ωの関数としての衝 撃力が示されている。[223]から。 図115: 室温でかつ3つの摩砕「強度」RT1からRT3による(黒ベタの 記号)及び200℃で2つの摩砕強度HT1及びHT2による(中抜き記号)を 備えた振動ボールミルを用いたボールミル摩砕時間の関数としてのNi10Zr7 の非晶質分率。a)非晶質化速度は摩砕強度と共に増加しており、b)完全な非 晶質化に求められる摩砕強度は、閾値を超える必要があることが示されている( RT3を参照。注:摩砕「強度」は:RT1>RT2>RT3及びHT1>HT 2であった。) 図116: nb=実際の数、nb(max)=2つのディスク回転速度Ω、即ち 240及び300rpmでのバイアルあたりの摩砕ボールの最大数とした、充填 分画nv=nb/nb(max)の関数としての機械的な力の吸収Pm=P’m−P °m(ここで、P’m=充填されたバイアル、P°m=空のパイアルについて)。 [230]から。 図117: 表示されるとおりの(即ちx1、x2、x3図119参照)、一定 の与えられた積ωr及びΩ2Rにの、タイプIIプラネタリーボールミルのバイ アル当たりの摩砕用ボールの質量及び個数に伴う衝撃エネルギー及び衝撃周波数 を操作する上での相対的自由度を定性的に示す模式図。 図118: R=13cmのプラネタリーボールミル(PBM)についてのバイ アル回転速度ωの関数としてのディスク回転速度Ω。ここでは、ボール脱着のた めの最小ディスク回転(黒丸の付いて多最も下の線)及び凡例に示される図に従 った直線の勾配の増加に伴って減少する摩擦から衝撃へのエネルギーを示してい る。[223] 図119: (上)原動機、保持ディスク(Ω)及びバイアル(単数又は複数) (Ωに対する絶対値及び相対値)のPulverisette5Rのプリセット、 及び(下)結果としてのωabs=fn(Ω)についての結合係数kΩ/ω1.17 を示す。[204] 図120: 図111、113及び114と同様であるが、ここではPulve rsette5Rについてのものである、タイプIIのPBMでは、結合係数kΩ/ω (ここでは−1.15)のためにその関係がグラフ(の線)1本だけ下に 減少することを示すと共に、mb=14gという結果をもたらす摩砕用ボールサ イズrb=7.5mm、ρb=7.92g/cm3を用いることによる2.1(小 )から3.3(大)cmの範囲のバイアル半径Rの効果も同様に示している。Ω の低い領域ではバイアル半径が衝撃力に及ぼす効果が非常に小さいことは明白で ある。[265]から。 図121: 結晶Ni10Zr7&金属間相の、R=7.5cmのプラネタリーボ ールミル摩砕による非晶質Ni10Zr7についてのΩ−ω−Tウインドウ。黒ベ タの記号は完全非晶質Ni10Zr7&を表し、半黒の記号は部分非晶質Ni10Z r7を表す。[233]から。 図122: 図121の場合と同様であるが、ここでは、全て常温でのR=13 cmのプラネタリーボールミルからのデータが含まれている。黒ベタの記号:完 全非晶質、中抜き記号:部分非晶質:R=7.5cm、円:R=13cm。[2 24]から。 図123: R=7.5(G7)及び13cm(G5)のプラネタリーボールミ ルのバイアル回転数[150(1)、250(2)及び350(3)rpm]の 関数としての運動衝撃エネルギー及び摩砕用ボール5個あたりの振動数。ここで は、Ni10Zr7の非晶質化について対応するウインドウを示している。r=2 .1cm、rb=7.5mm、mb=14g。 図124: R=13(G5)及び7.5cm(G7)のプラネタリー遊星ボー ルミルの150(1)から250(2)、350(3)、500(4)及び60 0rpm(5)に至る範囲のバイアル速度についてのディスク速度Ωの関数とし ての衝撃力。G5についてのデータポイントaからe、G7についてのa’から d’は完全非晶質Ni10Zr7、対応する白抜きの四角及び丸は部分非晶質/結 晶Ni10Zr7を表す。nb=5、rb=7.5mm、mb=14g。[224]か ら。 図125: 対応する摩砕容器のa)低い及びb)高い充填分画を伴う水平アト リション技術のa)、d)側面図及びb)、c)正面図。c)及びd)は対応す るローター単独の図。[224]から。 図126: 垂直アトリションボールミルの模式図。[244]による。 図127: 3つの主要な振動ボールミルの模式図[228]。a)1次元、b )2次元及びc)3次元モデル;MV=ミルバイアル;MOV=振動モード;B =摩砕ボール(複数)。 図128: 工業的振動ボールミルの模式図[228]。図127と同様である が、ここでは、MC=ミル容器、UW=不平衡錘を示す。 図129: 水平ボールミルの模式図。[245]による。 図130: a)−c)機械加工されたWE54切り屑及びAl23、SiC、 BN及びAl3Tiと共にボールミル摩砕時に直接使用された旋盤。 図130続き: d)−f)機械加工されたWE54切り屑及びAl23、Si C、BN及びAl3Tiと共にボールミル摩砕時に直接使用された旋盤。 図131: (上)受入たままの状態のMg合金WE54(インゴット)のX線 解析、(中)613℃での変態ピークのDSC分析及び(下)潤滑剤無し(即ち 乾式)で20から70℃で2時間ボールミル摩砕された(WE54+2.5重量 %Al23)の対応するX線解析。ミル摩砕された状態の(WE54+2.5重量 %Al23)粉末のピーク強度は、受入状態のWE54インゴットの30から5 0%に達することに留意のこと。ミル摩砕変数:表10、合金2を参照。 図132: a)非晶質Zr80Fe20、c)金属間結晶NiTi2(原子配列が NiTi2に比較的近似した前駆物質)から作られたΔHx MGを伴う、及び基本的 な(Ni+2Ti)粉末混合(原子配列は非晶質NiTi2とは比較的離れている) から作られたΔHx MGを伴う非晶質NiTi2の変態(結晶化)エンタルピーa) ,c)、並びに異なるボールミル摩砕後の非晶質Zr50Fe50のX線強度b)、 によって示される通りの経時的非線形構造展開。[207、211]から。 図133: 低歩留りでfv ne=1.0についてはtreq=約8時間、高歩留りfv y でfv ne=1.0についてはtreq>>10時間という結果をもたした「過剰」 量のヘキサンの使用を含み、乾燥摩砕条件で低歩留り(fv y<0.5)について (上の曲線)、及び高歩留り(fv yはおよそ1)但し低fv ne(下の曲線)につ いて使用されたボールミル摩砕時間(更なる詳細については図131参照)の関 数としての体積分率fv ne非平衡(WE54+2.5重量%Al23)相の推移 。fv ne=1.0に関する直線は、結果として得られた非平衡粉末の全体的な体積 分率Σfv=fvy*fv ne=0.3*0.95=約0.29を表していることに 留意されたい。 図134: 元素成分A(例えばMg)及びB(例えばTM、met、RE)並 びに金属間又はセラミック化合物Cでの自由エネルギー図の模式図。ここでは、 摩砕効果が事前に(過剰の)「ケーキング」無く達成されたことを条件として、 非平衡相を導入するためのCの添加(位置3から2)の、それ無しの場合(位置 1から2)に比べた巨視的容易さが示されている。 図135: 機械的に合金化されたγTiAl合金(Al含有量に関しては[原 子%]で示されている)における摩砕時間の関数としての結晶粒度の変動。上述 の摩砕サイクルの「b」部分の間といった原子長スケールでのあらゆる均質化に 、「a」の間の摩砕効果が必要とされると同様に、両方(即ち「a」及び「b」 )のいずれの間においても(過剰の)ケーキングが全く発生しないことも必要と なると考えられる。[192]から。 図136: 上の表中に示される合金の衝撃速度の関数としての、8回の有効衝 撃の後の粉末の粒度。前駆体構成成分の硬度において最も大きな差を伴う合金4 は、プラネタリーボールミル摩砕において標準的な>3.5ms-1の摩砕ボール 速度範囲内において最も小さな粉末サイズを発達させている。[251]から。 図137: ここでは、180から456rpmまでである増加するディスクホ ルダー回転速度Ωによって制御される通りの増加する衝撃力(対摩擦)(率)を 伴うボールミル摩砕されたMg−10Ti−5B[重量%]の比平行相及び歩留 りの推移。使用された摩砕条件:R=13cm、r=33cm、rb=7.5m m従ってr*=25.5mm、ω=200rpm、mb=14g(鋼);nb=5 ;使用されたMgの形態:機械加工切り屑、Tiの形状:スポンジ、及びBの形 状:破砕塊(粗);乾燥摩砕条件は、600℃近辺で発熱二重吹き出しをもたら す結果となる。 図138: 単一(sMA)及び二重(dMA)機械式合金化経路を示す流れ図 。後者には、最初の摩砕サイクル(MA1)の間に材料が収容した構造欠陥を原 因として非平衡相形成及び/又は対応するミクロ構造の均質化が増強される熱処 理の前後に、明確に区分される2つの摩砕サイクルが含まれている。[271] か ら。 図139: 対応する熱流に由来するヒステリシス(-----)を含み、増加する 摩擦対衝撃及び摩砕時間を伴うプラネタリータイプIボールミルのインサイチュ 冷却システムを用いて達成されたインサイチュ焼きなましサイクルを示す。 図140: ここでは、摩砕球から摩砕された前駆物質及び/又は粉末材料への 特定有効衝撃エネルギー移送を伴う、本発明において「ボールミル」摩砕用とし て使用された摩砕球の断面図を示す。摩砕球の表面は、(T)ほぼ三角形(ここ では2つの曲率C1及びC2を伴う)、(Q)四角形(方形)、(P)五角形、 (H)六角形... (O)八角形等の断面に整備された曲面及び/又は非曲面(即 ち平坦な)区分の不連続な断面形状で構成されている。曲面の区分は場合によっ て、摩砕球毎に異なる曲率で(T2参照)及び/又は部分的に(c)曲面の及び (nc)非曲面の表面(O参照)を包含している。 図141: 民生宇宙航空部門の応用分野においては従来の高強度Al7000 タイプの合金の代替品としての先進マグネシウム及びAl−Li合金(密度*は [g/cm3]で表示)への投資についての経済的及び環境的バランスを利用す るための汎用図表。ここで、MEW:最大空(乾燥)重量(即ち、ペイロードを 含まない航空機重量)。1)Al−7000を置換するために求められるトン数。 Mg−質量における10%増加は、固有強度を補正するために使用された(即ち 、AlLi対Mg(又はMgLi)−容積比1:1.1)、他の特性はAl−7 000と同等であると見なされた。2)1kgケロシン:0.38ドイツマルクま たは0.24米ドル。AEAP:エアバス相当購入価格(単位百万ドル)。Δ= AlLiへの1000万ドルの投資における収入。注:雪玉効果、利子率収益及 びケロシンのインフレ率、従来のAl7000タイプの合金の交換による資本回 収及びCO2課税の可能性を、図表右側のスケール上に追加しなければならない 。 図142: 宇宙航空部門の応用分野における従来の高強度Al7000タイプ の合金の代替品としての先進マグネシウム及びAl−Li合金(密度*は[g/ cm3]で表示)への投資についての経済的及び環境的バランスを利用するため の汎用図表。ここで、MEW:最大空(乾燥)重量(即ち、ペイロードを含まな い航空機重量)。1)AEMI:Al−Liにより取得可能なものに相当する収入 をもってAl−7000合金を交換することを可能にするエアバス相当最大投資 額。2)AEMR: Al−Liの価格に相当する購入投資額をもって取得可能な エアバス相当最大収入額(交換されたAl−7000合金1kgあたり30ドル の収入を含むが、CO2課税は含まない)。残りの項目は図141と同じ。 図143: 耐用年数の間の燃料節約及びその結果としての燃料費及びCO2排 出の削減に及ぼすマグネシウムの効果1)耐用年数の間の燃料投資に比較した倹約 額。 図144: 1966年(左側)及び1981年から1992年の期間(右手) に報告された異なる構造マグネシウムをベースとする製品。x:深海潜水スーツ 。詳細については[1]を参照のこと。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 20nm-800mmの範囲内の溶着状態の断面(溶着接触表面に対して垂直)特に0.5 μm-100mmの断面を結果としてもたらすべく蒸気溶着方法及び技術によって作ら れた溶着された薄膜及び/又は溶着された層、シート及び/又はデイスク形及び/又はプレート 及び/又はデイスク様の形状及び/又は製品を含む平坦及び/又は湾曲した矩形 及び/又は丸い及び/又は不規則な形の溶着物を含むあらゆるタイプの塊状予備的 形成品の形での、純粋マグネシウム又は純粋カルシウム又は純粋アルミニウム又は純粋Sr又は純粋B a又は純粋希土類金属、La,Ce,Nd,Pr,Sm又はEu又は純粋ガリウム又は純粋(かつ多孔 質)シリコン又はあらゆる種類の水及び/又は水溶液又はマグネシウムベースの合金において 、 − 希土類金属; 0.1-30重量%、特に0.2-14重量%のLa、又は 0.1-30重量%、特に0.2-16重量%のCe、又は 0.1-30重量%、特に0.3-18重量%のPr、又は 0.1-32重量%、特に0.3-20重量%のNd、又は 0.1-35重量%、特に0.2-20重量%のSm、又は − 特にモナズ石、バストネス石、及びXun-Wuタイプ のRE鉱石組成物に由来しかつ/或いはこの鉱石組成物に対応し、しかもいず れにせよLa,Ce,Nd及びPrの対応する化合物が支配的である、0.2-35重量%、特に 0.3-25重量%のミッシュメタルであって、5-97重量%のLa,5-97重量%のCe及び5-98重量 %の(Nd+Pr)を含み、かつ残りはGd及びTbひいてはYといったその他の希土類金 属であり、(La,Ce,Nd及びPr)の和は、合計で40-100重量%、特に80-99重量% であるミッシュメタル又は 0.2-30重量%、特に0.5-7重量%のY(及びEu)、又は 0.1-30重量%、特に0.2-20重量%のSc、又は 0.1-15%、特に0.5-6%のcph-Mg内Gd、及び/又は 0.1-15%、特に0.5-7%のcph-Mg内Dy、及び/又は 0.1-10%、特に0.5-7%のcph-Mg内Ho、及び/又は − 単純金属; 0.2-15重量%、特に4-12重量%のAl、又は 0.2-15重量%、特に4-12重量%のGa、又は − 遷移金属; 0.1-30重量%、特に0.2-18重量%のMn、又は 0.1-30重量%、特に0.2-16重量%のZr、又は 0.1-40重量%、特に0.2-25重量%のTi、又は 0.1-20重量%、特に0.2-16重量%のRe、又は 0.1-30重量%、特に0.2-16重量%のHf、又は 0.1-25重量%、特に0.2-10重量%のTa、又は 0.1-25重量%、特に0.2-20重量%のW、又は 0.1-20重量%、特に0.2-15重量%のMo、又は 0.1-25重量%、特に0.3-17重量%のNb、又は 0.1-30重量%、特に0.2-18重量%のCr、又は 0.1-40重量%、特に0.2-25重量%のV、又は − メタロイド 0.1-35重量%、特に0.5-15重量%のB、又は 0.1-35重量%、特に0.5-15重量%のBe、又は 0.1-20重量%、特に0.5-12重量%のSi、又は 0.1-15重量%、特に0.5-10重量%のSb、又は 0.1-15重量%、特に0.5-10重量%のGe、又は を含んで成るMg合金。 1.1. さらに 1.1.1 ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオシミウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、及び/又はイットリウム及び /又はミッシュメタルに由来するその他の重希土類元素、スカンシウム、又はアルミニウム又はガリウム、マンガン 又はシルコニウム、チタン、レニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、ニオシウム、クロム、タングステン又はバナシウム又はホ ウ素、ベリリウム、シリコン、アンチモン又はゲルマニウム又はシスプロシウム、ガドリニウム又はホルミウムは、溶着され た状態で固溶体中に実質的に保持され、対応する固溶体が(Tiを除いて)cph-Mg であるか又は(Tiを含めて)その他のいずれかの準安定な結晶質及び/又は非結 晶質相であることをさらに特徴とする、請求の範囲第1項記載のMg-合金、及び /又は 1.1.2 最高50重量%のcph-Mg-Ti合金をも含み、かつ原子長スケース上での均質な溶 質原子(合金化用添加物)分布をさらに特徴とする、請求の範囲第1項及び1.1.1 項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.1.3 合金化用原子の原子及び/又はイオン間隔の最低1倍から最高10倍の値の範 囲内の同一同合金化用原子(即ちB-B,C-Cなど)の距離を伴う、原子長スケール上の 均質な溶質原子(合金化用添加物)分布をさらに特徴とする、請求の範囲第1項 −1.1.2項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.1.4 合金化用原子の原子間隔の最高498倍の最大値を持つ同一同合金化用原子 (即ちB-B,C-Cなど)の距離を伴う、原子長スケール上の均質な溶質原子(合金化用 添加物)分布をさらに特徴とする、請求の範囲第1.1.3項記載のMg合金、及び/ 又は 1.1.5 原子の(N*dA *cA/2+N*dB *cB/2)、[なお式中cA,cB及びdA,dBは対応する基 本金属A(例えばMg又はAl)及び溶質B(なお三元合金についてはC,平均長さスケールが (N*dA *A/3+N*dB *B/3+N*dc *C/3)などで求められた以下のクレームを参照のこと)の それぞれの濃度及び原子及び/又はイオン間隔]によって求められるマトリクス原子の一 定の与えられた数Nの(均質な)分布の平均長スケールをさらに特徴とする、請求の 範囲第1項−第1.1.4項のいずれか1項又は複数項記載のMg-合金、及び/又は 1.1.6 固体中の均質な溶質分布が不規則な及び/又は規則的な原子配置をしてい ることをさらに特徴とする、請求の範囲第1項−第1.1.5項のいずれか1項又は 複数項記載のMg合金、及び/又は 1.1.7 腐食耐性に破滅的な影響をもたらすことなく密集することのできる同一同 合金化用原子の数が2-420個、特に3-20個の範囲内にあることを特徴とする、請 求の範囲第1項−1.1.6項のいずれか1項又は複数項に記載のMg-合金、及び/又 は、 1.1.8 前記集合体は、構成要素である境界内外及び/又は境界内元素Bタイプの第2 相、及び/又は境界内外及び/又は境界内超格子(即ち規則的かつ整合な相)及 び/又は境界内外及び/又は境界間平衡及び/又は非平衡半整合及び/又は非整 合第2相に自然時効を行うことによって形成されたものであることをさらに特徴 とする、請求の範囲第1項−1.1.7項のいずれか1項又は複数項に記載のMg合金 、及び/又は、 1.1.9 少なくとも1つの規則相の関与には,NB-B=(N*Z/2)*p(1-p)という式によ って求められる単位セルあたりの原子及び/又はイオンB-B対の数が必要とされ、ここ で(1-p)はα部位(これは対応する超格子内のA原子の規則的部位である)のB 原子の分率であり、Zは対応する超格子内の原子の配位数であり、pはβ部位上の B原子の数であり、Nは、規則(即ち超格子)構造の単位セルあたりの原子数であり 、pは0.5-1.0の範囲内にあり、結果として得られるNB-Bは0.5-400,特に1-200ま での範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.1.8項のいずれか 1項又は複数項に記載のMg合金、及び/又は、 1.2 誘導及び/又は抵抗加熱及び/又は溶融を含む熱蒸着方法及び/又はアーク及 び/又は電子ビ-ム加熱及び溶融方法、及び/又はマイクロ波加熱及び/又は溶融方法及 び/又は対応する加熱及び昇華方法及び/又はプラズマ及び/又はマグネトロンスパッタリング技 術を用いることによって蒸着させられることを特徴とする、請求の範囲第1項及 び第1.1.9項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は 1.3 プロセスに関与する凝縮相のいずれかの中への電力入力が蒸着及び/又はスパッタリング 表面1cm2につき0.1-300W,特に蒸着及び/又はスパッタリング表面1cm2につき0.5-50 Wであることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.2項のいずれか1項又は複数 項記載の材料、及び/又は 1.4 Mg,Ca及びGaが1-0.01バール、特に0.1-0.01バールの範囲の真空圧で蒸着され、希 土類元素Sr及びBaが1-0.01バール特に0.1-0.05バールの真空圧で蒸着され、遷移 金属及びメタロイドが0.1-0.001バール特に0.1-0.01バーリの真空圧で蒸着され、アルミニウムが1- 0.001バール特に0.1-0.05バールの真空圧で蒸着されることをさらに特徴とする、請求 の範囲第1項−第1.3項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は、 1.5 Mg及びGaが-50℃-1200℃、特に200℃-900℃の表面温度で蒸着させられ、希 土類元素が-20℃-1800℃特に200℃-1500℃の表面温度で蒸着させられ、遷移金属 及びメタロイドが-20℃-4000℃特に300℃-3200℃の表面温度で蒸着させられ、アルミニウム が-20℃-2000℃特に200℃-1900℃の表面温度で蒸着させられることを特徴とする 、請求の範囲第1項−第1.4項のいずれか1項又は複数項に記載の材料、及び/ 又は 1.6 相安定性及び/又は多孔性を制御するべく、-200℃-500℃の間、特に-10℃- 200℃の間に保持された下地物質温度で溶着されることをさらに特徴とする、請 求の範囲第1項−第1.5項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は 1.7 要素(対応する平衡及び非平衡Mg合金の合金溶媒及び/又は溶質及び/又は 合金構成成分)の溶着表面と蒸発源の間の大量輸送のための駆動力が、関係する 構成成分の少なくとも1つの蒸気圧及び/又は凝縮を提供する温度差及び、吸着 の時点及び/又はその直前に、蒸気が凝縮した相へと崩壊する溶着表面のすぐ近 くで結果として得られる過少圧力によって提供され、かくして蒸気圧が前記全体 的大量輸送を制御できるようになっていることを特徴とする、請求の範囲第1項 −第1.6項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は, 1.8 いずれにせよ、50-1200Mpa特に250-700Mpaの範囲内の圧力で、少なくとも2 つの原子単層の厚みをもつ差動層の蒸発後の溶着プロセス中に真空下で現場にて固化 され、かつ/又は冷間静水圧形成(ClPed)され、インサイチュ固化技術が、マイクロハンマー、及 び/又はピーニング技術及び/又は圧延、及び/又はマイクロ圧延技術及び/又はマイクロ鍛造 技術及び/又はマイクロースウエージング技術のいずれかであることを特徴とする、請求の範 囲第1項−第1.7項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は 1.9 インサイチュ固化された状態は、0.005-5体積%の多孔率特に0.01-1体積%の多孔 率によって特徴づけられることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.8項のい ずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は 1.10 蒸気溶着されたMg-合金の原料として使用されるマグネシウムが、純度グレード 2N5-5N(即ち99.5-99.999)を含む、及び/又は商業的に純粋なMgから(作られた )ものであることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.9項のいずれか1項又 は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.11 蒸気溶着されたMg-合金の原料として使用されるマグネシウムが 0.001-0.1Al,0.0001-0.2Mn,0.0001-0.001Ni,0.0005-0.1Si,0.0005-0.005Ca, 0.0001-0.005Cd,0.001-0.01Zn,0.0001-0.06Fe,0.0001-0.05Cu,0.0005-0.01Pb, 0.0005-0.1Sn,0.0005-0.02Na,0.00002-0.1B,0.0001-0.1Co,0.0001-0.1C, という重量%で表わしたの不純度レベルを特徴とし、残りの微量元素が0.1重量%未 満である商業的に純粋なMgで作られたものであることをさらに特徴とする、請求 の範囲第1項−第1.10項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.12 蒸気溶着されたMg合金の原料として使用されるマグネシウムが少なくとも1回蒸 気溶着された、ひいては少なくとも1回精製され純化された、純度グレード2N5-6N( 即ち99.5-99.9999)を含む/及び/又は商業的に純粋なMgから作られたものであ ることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.9項のいずれか1項又は複数項記 載のMg合金、及び/又は 1.13 蒸気溶着されたMg-合金の原料として使用されるマグネシウムが 0.001-0.1Al,0.0001-0.1Mn,0.0001-0.002Ni,0.0005-0.05Si,0.0005-0.005Ca, 0.0001-0.005Cd,0.001-0.01Zn,0.0001-0.05Fe,0.0001-0.04Cu,0.0005-0.01Pb, 0.0005-0.1Sn,0.0005-0.02Na,0.00002-0.004B,0.0001-0.05Co,0.0001-0.1C 重量%の不純度レベルを特徴とし残りの微量元素が0.1重量%未満である、少なくと も1回蒸気溶着され、ひいては精製及び純化された商業的に純粋なMgから作られ たものであることをさらに特徴とする、請求の範囲第1項−第1.12項のいずれか 1項又は複数項記載のMg合金。 1.14 合金化用要素の主要部分及び/又はわずかな部分が、焼なまし及び/又は 固溶体熱処理、特に80℃-600℃の間の温度での焼なまし及び/又は溶体熱処理に よって固溶体の中に取り込まれることをさらに特徴とする、請求の範囲第1項− 第 1.13項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.15 熱−機械処理及び/又は高温成形作業の後に、焼なまし及び/又は固溶体 熱処理が利用されることを特徴とする、請求の範囲第1.14に記載のMg合金、及び /又は、 1.16 下記の HClO4/ClO- 4(-9),HCl/Cl-(-6),H2SO4/HSO4 -(-3),H3O+/H2O(1.74),HNO3/NO3 -(-1. 32) HClO3/ClO3 -(0),HSO4 -/SO4 --(1.92),H2SO3/HSO3 -(1.96),H3PO4/H2PO4 -(1.96), [Fe(H2O)6]3+/[Fe(OH)(H2O)5]2+(2.2),HF/F-(3.14),HCOOH/HCOO-(3.7), CH3COOH/CH3COO-(4.76),[Al(H2O)6]3+/[Al(OH)(H2O)5]2+(4.9), H2CO3/HCO3 -(6.46),H2S/HS-(7.06),HSO3-/SO3--(7.2),H2PO4-/HPO4 2-(7.21), HClO/ClO(7.25),NH4 +/NH3(9.21),HCN/CN(9.4), [Zn(H2O)6]2+/[Zn(OH)(H2O)5]+(9.66),HCO3 -/CO3 2-(10.40),H2O2/HO2-(11.62) , HPO4 2-/PO4 3-(12.32),HS-/S--(12.9),H2O/OH-(15.74),OH-/O--(24) といった酸HAのうちの少なくとも1つ及びかっこ内に示された対応するpKs値を 提供するものとして知られている結果として選られた共役塩基A'(つまりHA/塩 基A-(pKs)を全てが含んでいる小滴及び/又はスプレー(きわめて細かい凝縮された水 分)の形で及び/又は整合的に(この場合、静止しているか及び/又は流れてい る)Mg-合金の表面を覆う水溶液(及び/又は湿潤空気)及び/又は湿気を0.1-1 00%伴う乾燥及び/又は湿潤空気を特徴とする環境中で特に、全ての鋳造技術に よって作られている、商業的に純粋なMg及び/又は高純度の市販の合金AZ91及び /又はその他の立証済みの市販の高純度Mg-ベースの合金(例えば高純度AM及び/又 はASシリーズ)のうちの少なくとも1つよりも優れた腐食耐性を示すことをさらに特 徴とする、請求の範囲第1項−第1.15項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金 、及び/又は、 1.17 請求の範囲第1.16項に記載でかつ-12-+24、特に-9-+16の範囲内のpKs値を 特徴とする任意のその他の酸/アニオン組み合わせを含有する環境内で市販の高純度 AZ91合金よりも優れた腐食耐性を示すことを特徴とする、請求の範囲第1項−第 1.15項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.18 溶着された状態及び/又は現場にて固化された状態というのは、3つの並 進運動方向x,y及びzのうちの少なくとも1つにおいて、寸法が10μm未満である 細粒、セル及び/又はサブセルから成るミクロ構造によって特徴づけされていることをさ らに特徴とする、請求の範囲第1項−第1.17項のいずれか1項又は複数項記載の 材料、及び/又は 1.19 3-100nmの範囲特に5-50nmの範囲内にある細粒(高角境界)及び/又はセル( 低角境界)のサイズを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.18項のいずれか1項又は 複数項記載の材料、及び/又は, 1.20 50-800nm、特に60-500nmの範囲内の細粒及び/又はセルサイズを特徴とする、請 求の範囲第1項−第1.18項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/又は, 1.21 0.5-20μm、特に0.6-10μmの範囲内の細粒、及び/又は、セルサイズを特徴とす る、請求の範囲第1項−第1.18項のいずれか1項又は複数項記載の材料、及び/ 又は 1.22 蒸気溶着中の蒸気凝縮及び/又はそれに続く固体状態析出及び/又はインサイチュ 固化から分離された第2相の体積分率が、対応する合金の平衡体積分率に対応 する体積分率の0.01-20体積%、特に0.05-10体積%であることを特徴とする、請 求の範囲第1項−第1.21項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 、 1.23 一次元長さスケール(周囲、直径、最大1次元拡大)の粒内及び/又は粒内外金 属間及び/又は基本及び/又は平衡及び/又は非平衡合金相が1-50nm特に2-35nm の範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.22項のいずれか1項 又は複数項記載のMg-合金、及び/又は、 1.24 粒内及び/又は粒内外の第2及び/又は第3及び/又は第4等々の相(1.23 項参照)が0.02-15.0μm特に0.1-1.0μmの範囲内にあることを特徴とする、請求 の範囲第1.23項記載の Mg合金、及び/又は、 1.25 請求の範囲第1.15項に記載の熱−機械処理及び/又は、成形作業のために 事実上多孔性が無いことを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.24項のいずれか 1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.26 最終成形作業後の最大多孔度が0.001-5体積%、特に0.01-3体積%である ことを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.25項のいずれか1項又は複数項記載 のMg合金、及び/又は、 1.27 最終成形作業後の最大細孔径が0.001-10μm、特に0.005-5μmであることを 特徴とする、請求の範囲第1項−第1.26項記載のMg合金、及び/又は、 1.28 慎重に合金化された合金及びO2を除いて2文字のものである不純物Fe,Ni,C u,Co,Na,K,C,Cd,Zn,Pb,Sn,B及びSiの含有量が、液体状態からの鋳造によって作 られた立証済みの高純度AZ及びAM型マグネシウム合金の中で現在受容されているようなレベル に比べ係数0.1-10の範囲内にあり、特に立証済みの高純度AZ及びAM型のマグネシウム 合金内で通常受容されているFe,Cu,Co,Na,K,C,Cd,Zn,Pb,Sn,B及びSi,O2のレベルの 係数0.2-5の範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.27項のい ずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又、 1.29 1.29.1 0.00005 0.001Ni及び/又は 1.29.2 0.00005 0.05Cu及び/又は 1.29.3 0.00005 0.06Fe及び/又は 1.29.4 0.00005 0.1Co及び/又は 1.29.5 0.00005 0.1Si(PVD Mg-Si合金以外)及び/又は 1.29.6 0.00005 0.1B(PVD Mg-Si合金以外)及び/又は 1.29.7 0.00005 0.1Al(PVD Mg-Si合金以外)及び/又は 1.29.8 0.00005 0.2Mn(PVD Mg-Si合金以外)及び/又は 1.29.9 0.00005 0.02Na及び/又は 1.29.10 0.00005 0.005Ca及び/又は 1.29.11 0.00005 0.02K及び/又は 1.29.12 0.00005 0.5C及び/又は 1.29.13 0.00005 0.005Cd及び/又は 1.29.14 0.00005 0.01Zn及び/又は 1.29.15 0.00005 0.01Pb及び/又は 1.29.16 0.00005 0.1Sn及び/又は 1.29.17 0.0001 2.0O(oxygen)及び/又は という不純物レベル(重量%単位)を特徴とする、請求の範囲第1項−第1.28項のい ずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 1.30 凝縮した合金成分と接触した状態での不活性耐火金属、合金及び/又は金 属間相の使用(例えばるつぼ材料として)、特にタンタル(ベースの)材料の使用のため 、利用された原料と比べて蒸発及び/又は蒸気輸送及び/又は溶着及び/又はインサイチュ 固化によってさらに増大されないFe,Ni,Cu,Co,Na,K,C,Cd,Zn,Pb,Sn,B及びSi のレベルを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.29項のいずれか1項又は複数項記 載のMg合金、及び/又は、 1.31 蒸気溶着プロセスを開始する前に装置をパージするために不活性ガス雰囲気(特にアルゴン 及び/又は窒素)、高品質シーリング及び/又はゲッター蒸気の使用を理由として特に 5以上の係数で原料の酸素レベルに比べ蒸気溶着プロセスによってさらに増加させられ ることのないO2レベルを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.30項のいずれか1項 又は複数項記載のMg合金、及び/又は、 1.32 1-50nm特に2-35nmの範囲内の1次元長さスケール(周囲、直径、最大1次元拡大 )での(請求の範囲第1.28-1.31項のFe,Ni,Cu,Co,Na,K,C,Cd,Zn,Pb,Sn,B,Si及び酸 化物を含む)不純物混在物のサイズを特徴とする、請求の範囲第1項−第1.31項のい ずれか1項又は複数項記載のMg合金。 1.33 0.04-5.0μm特に0.5-1.0μmの範囲内の不純物混在物サイズを特徴とする、請 求の範囲第1.32項記載のMg合金。 2. 固体合成技術、特に機械的合金化及び/又は化学的(反応性)合金化を介し てボール及び/又はバー及び/又はロットミル摩砕及び機械的粉砕技術及び/又はサイクル(シーケンス )によってつくられるマグネシウムベースの合金において、少なくとも以下の希土類金属 (RE)及び/又はイットリウム及び/又はスカンジウム、即ち 0.1-40重量%、特に0.2-14重量%のLa、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.2-16重量%のCe、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.3-18重量%のPr、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.3-20重量%のNd、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.2-20重量%のSm、及び/又は 0.2-40重量%、特に0.5-7重量%のY(Eu)、及び/又は 特にモナズ石、バストネス石、Xun-WuタイプのRE鉱石の鉱石組成物に由来しかつ/或いはこの 鉱石組成物に対応し、しかもいずれにせよLa,Ce,Nd,及びPrの対応する化合物が 支配的である、0.2-40重量%、特に0.3-25重量%のミッシュメタルであって、5-97重量 %のLa,5-97重量%のCe及び5-98重量%の(Nd+Pr)を含み、かつ残りはGd,Dyなど からTbまでひいてはYといったその他の希土類金属であり、(La,Ce,Nd及びPr) の和は、合計で40-100重量%、特に80-99重量%であるミッシュメタル、及び/又は 0.1-20重量%、特に0.5-15重量%のcph-Mg内Sc、及び/又は 0.1-15%、特に0.5-6%のcph-Mg内Gd、及び/又は 0.1-15%、特に0.5-7%のcph-Mg内Dy、及び/又は 0.1-10%、特に0.5-7%のcph-Mg内Ho、及び/又は − 以下の単純(即ち単純電子構造)金属のうちの少なくとも1つ;即ち 0.2-20重量%、特に4-12重量%のAl、及び/又は 0.2-25重量%、特に4-16重量%のGa、及び/又は − 以下の遷移金属(TM)のうちの少なくとも1つ:即ち 0.1-30重量%、特に0.2-18重量%のMn、及び/又は 0.1-60重量%、特に0.2-55重量%のNi、及び/又は 0.1-20重量%、特に0.2-15重量%のPd、及び/又は 0.1-30重量%、特に0.2-16重量%のZr、及び/又は 0.1-20重量%、特に0.2-10重量%のTa、及び/又は 0.1-20重量%、特に0.2-15重量%のMo、及び/又は 0.1-25重量%、特に0.3-17重量%のNb、及び/又は 0.1-30重量%、特に0.2-18重量%のCr、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.2-25重量%のV、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.2-25重量%のTi、及び/又は 0.1-40重量%、特に0.2-25重量%のW、及び/又は 0.1-35重量%、特に0.2-20重量%のHf、及び/又は − 以下のメタロイド(met)及び/又はベリリウムのうちの少なくとも1つ;即ち 0.1-30重量%、特に0.2-20重量%のB、及び/又は 0.1-30重量%、特に0.2-20重量%Si、及び/又は 0.1-25重量%、特に0.2-10重量%Sb、及び/又は 0.1-25重量%、特に0.2-10重量%Ge、及び/又は 0.1-30重量%、特に0.5-10重量%Be、及び/又は を含んで成るマグネシウム(ベースの)合金;及び/又は固体合成技術、特に機械的合金化 及び/又は化学的(反応性)合金化を介してのボールミル摩砕及び機械的粉砕技術及 び/又はサイクル(シーケンス)によって作られたアルミニウムベースの合金において、 0.1-20重量%、特に0.2-20重量%のFe、及び/又は 0.0-15重量%、特に0.2-12重量%のCe、及び/又は 0.0-15重量%、特に0.2-12重量%のMo、及び/又は 0.0-40重量%、特に0.2-30重量%のV、及び/又は 0.0-15重量%、特に0.2-12重量%のSi、及び/又は 0.0-15重量%、特に0.2-12重量%のCr、及び/又は 0.0-30重量%、特に0.2-25重量%のZr、及び/又は 0.0-15重量%、特に0.2-10重量%のB、及び/又は 0.0-15重量%、特に0.2-10重量%のMn、及び/又は 0.0-50重量%、特に0.2-40重量%のTi、及び/又は 0.0-20重量%、特に0.2-15重量%のHf、及び/又は 0.0-30重量%、特に0.2-25重量%のTa、及び/又は 0.0-20重量%、特に0.2-15重量%のW、及び/又は 0.0-30重量%、特に0.2-25重量%のNb を含むアルミニウム(ベース)合金であって、各ケースにおいて2.8g/cm3の密度を超えないこと 及び残りが不純物(以下に示す特殊なケースについて)及びMg及び/又はAlによっ て構成されていることを特徴とする合金、及び、 2.1 さらに 2.1.1 Mg及び/又はAl合金が、元素的に(商業的に純粋)で、かつ/又は蒸気精 製され、純化され、次に溶着され、場合によってはせん断され、及び/又は予備 合金化され、微粒化され、粉砕され、及び/又はボールミル摩砕された、0.05μm-500 μm特に0.5μm-400μmの粉末サイズをもつ合成された状態からボールミル摩砕された状態 の粉末を用いることによって、合成及び/又は粉砕及び/又は反応を受けている ことを特徴とする請求の範囲第2項記載のMg及び/又はAl合金、及び/又は 2.1.2.予備合金化された前駆物質が0.1-99.9重量%のMgを伴うMg含有合金である ことをさらに特徴とする、請求の範囲第2項−第2.1.1項のいずれか1項又は複 数項記載のMg-合金,及び/又は、 2.1.3 予備合金化された前駆物質が0.1-99.9重量%のAlを含むAl含有合金及び/ 又は、以下のものになるべき粉末及び/又は機械加工済みチップ及び/又は削りく ず及び/又は(砕けた)塊であることをさらに特徴とする、請求の範囲第2項− 第2.1.2項のいずれか1項又は複数項記載のAl合金, 2.1.4 前駆物質粉末及び蒸気精製及び蒸気溶着されたMgベースの原料、特にMg及び /又はAl及び/又はRE及び/又はGa含有粉末が、不活性大気特に5N及び/又は4. 8アルゴン及び/又はヘリウム及び/又は窒素及び/又は、場合によっては意図的にに添 加された0.000005-5重量%、特に0.00001-3重量%のO2を含む不動態化用酸素の 含有量を含む不活性大気を用いて、気体微粒化することによって作られることを さらに特徴とする、請求の範囲第2項−第2.1.3項のいずれか1項又は複数項記 載のMg及び/又はAl合金、及び/又は、 2.2 少なくとも1つのきわめて硬質で(>80V.H.N)、場合によっては脆い前駆物質 成分を用いることによる、請求の範囲第2項−第2.1.4項記載のMg又はAl合金に おいて、この硬質前駆物質成分が、 2.2.1 Mo,Cr,Siなどといった少なくとも1つの硬質及び場合によっては脆性の元 素添加物及び/又は 2.2.2 脆弱状態が、 2.2.2.1 -200℃-300℃の間の温度、特に大気温又はそれ以下で液体窒素など(-2 00℃)にまで至る温度で元素添加物を用いることと組み合わせた結晶学及び/又 は大粒子及び/又は 2.2.2.2 前駆物質溶質の水素添加、及び/又は 2.2.2.3(溶解した)酸素、窒素、又は前駆物質溶質の結晶格子内の間隙元素と して溶解可能なその他のあらゆる気体成分によって達成される、Moといったよう な少なくとも1つの硬質及び脆性の元素添加物、 2.2.3 少なくとも1つの硬質かつ脆性の金属間相及び/又は合金及び/又は 2.2.4 2.2.4.1 TM(1)aTM(2)bTM(3)cTM(4)dTM(5)eTM(6)f a=1-99,b=1-99,c=0-20,d=0-10,e=0-10,f=0-5 或いは/もしくは 2.2.4.2. RE(1)aRE(2)bRE(3)cRE(4)dRE(5)eRE(6)f a=1-99,b=1-99,c=0-20,d=0-10,e=0-10,f=0-5 或いは/もしくは 2.2.4.3. TM(1)aRE(1)bTM(2)cRE(2)dTM(3)eRE(3)f a=1-99,b=1-99,c=0-50,d=0-50,e=0-20,f=0-20 或いは/もしくは 2.2.4.4. TM(1)aRE(1)bmet(1)cTM(2)dRE(2)emet(2)f a=1-99,b=1-99,c=1-99,d=0-50,e=0-50,f=0-50 或いは/もしくは 2.2.4.5 TM(1)aRE(1)bmet(1)cTM(2)dRE(2)emet(2)f a=1-99,b=0-99,c=1-99,d=0-50,e=0-50,f=0-50 或いは/もしくは 2.2.4.6 TM(1)aRE(1)bmet(1)cTM(2)dRE(2)emet(2)f a=0-99,b=1-99,c=1-99,d=0-50,e=0-50,f=0-50 或いは/もしくは 2.2.4.7 TM(1)aRE(1)bAl(1)cTM(2)dRE(2)emet(1)f a=1-99,b=1-99,c=1-99,d=0-50,e=0-50,f=0-50 或いは/もしくは 2.2.4.8 TM(1)aRE(1)bAl(1)cTM(2)dRE(2)emet(1)f a=0-99,b=1-99,c=1-99,d=0-50,e=0-50,f=0-50 或いは/もしくは 2.2.4.9 TM(1)aRE(1)bAl(1)cTM(2)dRE(2)emet(1)f a=1-99,b=1-99,c=1-99,d=0-50,e=0-50,f=0-50 或いは/もしくは 2.2.4.10 Mg(1)aTM(2)bTM(3)cRE(4)dRE(5)emet(6)f a=1-99,b=1-99,c=0-20,d=0-10,e=0-10,f=0-5 或いは/もしくは 2.2.4.11 Mg(1)amet(2)bTM(3)cTM(4)dRE(5)emet(6)f a=1-99,b=1-99,c=0-20,d=0-10,e=0-10,f=0-5 或いは/もしくは 2.2.4.12 Mg(1)aRE(2)bSM(3)cTM(4)dAE(5)emet(6)f a=1-99,b=0-99,c=1-99,d=0-10,e=0-10,f=0-5 或いは/もしくは 2.2.4.13 Mg(1)aRE(2)bSM(3)cTM(4)dAE(5)emet(6)f a=1-99,b=0-99,c=0-99,d=0-10,e=1-99,f=0-5 或いは/もしくは といった組成構成をもつ(添字a-fは原子%単位) の少なくとも1つの脆性金属間相及び/又は合金:(なおここで、TMは請求の範 囲第2項の遷移金属であり、REは請求の範囲第2項の希土類金属及びイットリウム及びスカシウム であり、「met」は請求の範囲第2項のメタロイド及びBeであり、SMはAl,Ga,Hg, Znといった単純金属であり、AEはアルカリ土類金属(Ca,Sr,Ba)である)、 2.2.5 請求の範囲第2.2.2項に記載の方法の1つによって不動態マグネシウムの調整の ために機械的合金化において使用するためにさらに増強された、請求の範囲第2. 2.4項に記載の金属間相又は合金及び/又は 2.2.6 少なくとも1つの酸化物、窒素物、ホウ化物、ケイ化物、炭化物(ただし炭素 がもう1つのTM又はREベースの炭化物によって強化されていることを条件とする)、アルミニド (aluminide)、及び/又は 2.2.7 以下の窒化物、ホウ化物、ケイ化物、炭化物(ただし炭素がもう1つのTM又は REベースの炭化物によって強化されていることを条件とする)、酸化物、アルミニドのう ちの少なくとも1つ: WC,TaxCy,(eg.Ta2C),SiC,VC,B4C,Cr3C2,TiC,BN,TiN,TiB2,MgO,ZrO, BeO,Al2O3,TMaBb,TiAl,TMaAlb,(Ti-Al,Fe-Al,Nb-Al),SiCxNy(粉末)、 TM1-xTax合金、TiO2,SrTiO3,KNbO3,MoSi2,TiNi,TiB2,TiC,Si3Ni4,TiC,TiN, TiC-MgO複合物、CrO2,CrB2,VC,Al2O3,SiC,SiAlON及び Crベース、Zrベース、Tbベース、Taベース、Hfベース、Vベース、Tiベース、Moベース、Wベースの合金及び/ 又は 2.2.8 硬質で場合によっては脆性の前駆物質対延性の前駆物質の重量比が0.01- 60重量%、特に0.05-30重量%であることを特徴とする、請求の範囲第2項-第2. 2.7項のいずれか1項又は複数項記載のMg及び/又はAl合金、及び/又は 2.2.9 延性前駆物質の少なくとも1つか純粋Mg及び/又は50%以上のMgを含むMgベース 合金及び/又は最終Mg合金であることを特徴とする、請求の範囲第2項-第2. 2.8項のいずれか1項又は複数項記載のMg及び/又はAl合金、及び/又は 2.2.10 延性前駆物質が「延性」として特徴づけられ、1%を上回る破壊に至る 伸び率をもつ表11にしめされた成物のうちの少なくとも1つ及び/又は1%を上 回る破壊に至る伸び率をもつ請求の範囲第2.2.4項に記載の金属間化合物のいず れかによって表わされることを特徴とする、請求の範囲第2.2.8項及び/又は2.2 .9項記載のMg及びAl合金、 2.3 さらに 2.3.1 溶質のうちの少なくとも1つの実質的量の合金化用添加物が、cph-固溶体 の中又はその他のあらゆる準安定で結晶質、準結晶質及び/又はナノ結晶質又は非 晶質のマグネシウムベースのマトリクス相、すなわち、非平衡(即ちne)相の構造とは無関係の 原子長スケール上での合金化用要素の均質な分布の状態に保持されていること、及び /又は 2.3.2.(ミクロ)構造が請求の範囲第1.1項-1.1.9項記載の特徴のうちの少なくとも 1つで構成されていることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.2.10項 のいずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金。 2.4 Mg-又はAl合金が、以下の作業条件及び/又は処理パラメータのうちの少なくとも 1つによってボールミル摩砕されることを特徴とする、請求の範囲第2項-第2.1項-2. 3項のいずれか1項又は複数項記載の一定の与えられた(初期)合金のMg又はAl 合金: 2.4.1 ボールミル摩砕及び不規則な形の衝撃体をもち及び/又は丸(図140参照)及び /又は矩形及び/又は多くの磨面をもつ及び/又は不規則な形のいずれかの断面 をもつ少なくとも1つ(重力gに対し水平、垂直又は斜めに作用する)直線バー及 び/又はロッドミルを用いた摩砕によって作られる、請求の範囲第2項、2.1項-第2.3 項のいずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は、 2.4.2 水平及び/又は垂直及び/又は斜めの振動摩砕技術及び/又は水平、垂直 又は斜めに作動する摩砕インペラ又はシャフトを用いたアトリションミル摩砕技術及び/又は比較 的大きいホルダーデイスク及び比較的小さい摩砕コンテナ(バイアル)の結合回転(速度)を伴う 又は伴わないプラネタリボールミル摩砕技術及び/又は対応するタンブリングボールミル摩砕技術及び /又は-200℃からガラス遷移+のためのカウズマン温度(0-200K)までの温度範囲内の水 平ボールミル摩砕を用いることによる、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.1項のいずれ か1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は 2.4.3 0.01-1.5 特に0.1-1.0の範囲内のω2r*2R比を用いるプラネタリーボールミル摩砕 によって合成されることを特徴とする、請求の範囲第2項,2.1-第2.4.2項のいず れか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は 2.4.4 使用されるプラネタリボールミルが0.05-4.0特に0.2-1.5の範囲内の結合係数kΩ/ω を特徴としていることを特徴とする、請求の範囲第2.4.3項に記載のMg又はAl合 金、及び/又は、 2.4.5 摩砕作業が、0.02-2000W/g、特に0.05-500W/gの範囲内の有効衝撃出力P* で行われることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1-第2.4.4項のいずれか1 項又は複数項記載のMg又はAl合金,及び/又は、 2.4.6 利用される摩砕用ボールの有効衝撃エネルギーが0.01-100J/衝撃、特に0.02-50J/ 衝撃の範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.5項の いずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は、 2.4.7 利用される摩砕用ボール及び/又は摩砕用バーの使用衝撃風係数が0.2-140Hz、 特に0.05-80Hzの範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2 .4.6項のいずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は 2.4.8 利用される全体的衝撃出力の摩擦対衝撃出力の比率が0.01-100%特に1.0- 98%の範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.7項の いずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は 2.4.9 対応する非平衡(すなわちne-)Mg又はAlベースマトリクス相の一定の与えられた 体積分率を得るのに必要な摩砕時間及び/又は摩擦及び/又は加熱及び/又はケーキング を最低限に押さえるための摩砕時間を関数として摩擦対衝撃出力の最低限に された比率を伴う摩砕サイクルが利用されることを特徴とする、請求の範囲第2項、 2.1項-第2.4.8項のいずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、及び/又は、 2.4.10 摩砕サイクル全体を通じていつでも50-100%、特に80-100%の範囲内の高い 衝撃対摩擦比率をもつ摩砕サイクルが利用され、かくして温度は、適切な冷硬システムが 利用する-200℃を最低温度とし最高摩砕温度をカウズマンのガラス遷移+基準(0-200℃ )が制限していることを特徴とする温度まで変動することを特徴とする、請求の 範囲第2項、2.1項-第2.4.9項のいずれか1項又は複数項記載のMg又はAl合金、 及び/又は、 2.4.11 構造的ne状態を達成するのに必要とされる全体的摩砕時間が、摩砕済み の(粉末)最終製品の摩砕済み状態内の第2相及び/又は分数の許容可能な体積 分率に基づいて0.2-250時間特に0.3-40時間の範囲内にあることを特徴とする、 請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.10項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl 合金、及び/又は、 2.4.12 最初の0-15時間、特に最初の0-2時間、40-100%特に50-95%の範囲の摩 擦対衝撃出力比で少なくとも1回の摩砕サイクルが利用され、かくして摩砕作業が場 合によって冷却システムにより冷硬されることをさらに特徴とする、請求の範囲第2 項、2.1項-第2.4.11項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又 は、 2.4.13 利用されるプラネタリ及び/又は水平及び/又はアトリション及び/又は振動式ボールミル (コンテナ)が、0.05-4m特に0.075-2mの範囲内の距離及び/又は摩砕コンテナ半径R(RA) を特徴としていることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.12項のい ずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は、 2.4.14 プラネタリボールミルの摩砕コンテナ(バイアル)の使用半径が0.01-2m、特に0.02-1.0mの 範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.13項のいずれ か1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.15 距離Rによって特徴づけされるようなプラネタリーボールミルの大きいホルダーデイスクの回 転速度、即ちΩが(訳注:英文原稿radius不要)、10-1000rpm特に15-1000rpmの 範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.14項のいずれ か1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は、 2.4.16 バイアル半径によって特徴づけされるような摩砕用コンテナ(バイアル)の回転速度 、 すなわちωが10-1500rpm特に15-1000rpmの範囲内にあることを特徴とする、請求 の範囲第2.4.15項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.17 摩砕作業は、潤滑剤特に、ヘキサンといったようなCnH2n+2系列の炭化水素及 び/又はSiH4といったシランタイプの潤滑剤、エチン(C2H2)、及び/又はエチレン(C2H4)及び /又はC3H6及び/又はホスクイン(PH3)を含む請求の範囲第2.4項の合金化添加物のう ちの単数又は複数のものの金属ハロゲンを用いることによっておこなわれていること を特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.16項のいずれか1項又は複数項 記載のMg及びAl合金、及び/又は、 2.4.18 摩砕作業は、潤滑剤特に、アルコール例えばメタノール、エタノール、アミルアルコール、グリュール、グリセリン、フェノール、アルデヒド、ケトン 、特にGrignardタイプの反応生成物例えば第1級、第2級及び 第3級アルコール及び/又は軽油及び/又はシリコンオイル及び/又はグラファイトを用いることに よって実施されていることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.17項 のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は、 2.4.19 潤滑剤の量が初期前駆物質投入量に対し0.001-15重量%特に0.01-8重量 %の範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.18項のい ずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.20 摩砕用ボールを伴うプラネタリボールミル及び水平ボールミルの(少なくとも1つ)摩砕用コンテナ (バイアル)の充填分率fnbが0.01-0.7特に0.02-0.5であり、アトリションミル及び振動ボールミル のそれが0.3-1.0特に0.5-0.95であることを特徴とする、請求の範囲第2項、 2.1項-第2.4.19項のいずれか1項又は複数項記載のMg又及びAl合金、及び/又は 2.4.21 2.4.21.1 アトリションミルインペラを含め利用される摩砕用ボール及びバー及び/又はロッドの個別 の及び/又は平均半径が、2-60mm特に3-300mmであること、 2.4.21.2 利用される摩砕用ボール及びバーの横断面の幾何形状が、図140に示されて いる幾何要素及び類似の導関数の1つによって特徴づけられていることを特徴と する、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.20項のいずれか1項又は複数項記載のMg 及びAl合金、及び/又は、 2.4.22 アトリションミルインペラを含む摩砕用ボール及び摩擦用バー(ロッド)の個々の及び平均 の密度が、例えば摩擦及び摩滅によって消費されることによって合金化用要素と してMg及びAl合金の中へ導入されるべき材料を含めて、1.85-21.0g/cm3特に2.6- 17g/cm3であることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.21項のいず れか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、 2.4.23 アトリションミルインペラを含む摩砕用ボール及び/又は摩砕用バー及び/又はロッド(不規 則な)及び/又は摩砕用本体及び/又は摩砕用ボール上の(PVD及び/又はCVD)コーテイング から成る塊状バルクが、SiO2「Syalon」(90%Si3N4)、焼結コランダム(99.7%Al2O3) 、炭化タングステン(96%WC+3%Co)、硬化Cr鋼、ステンレスCr-Ni鋼、鋼芯と97%の純粋ジルコニア (ZrO2)を含むテフロン、ZrC,TiC,NbC,V2C,Cr23C6,Cr7C3,Mo2C,Cr3C2,WC,MoC,W2C,Mn3 C,金属間化合物(Ti-Al,Fe-Al,Nb-Al),SiCxNy、非平衡Cu1-xTax合金、(ナノ結晶 質)酸化物例えばTiO2,SrTiO3,KNbO3,濃MoSi2,TiNi,TiB2,TiC,Si3Ni4,TiC,TiN ,TiO2,TiC-MgO複合物、CrO2,CrB2,VC,Fe3C,Al2O3,SiC,SiAlON及びCr及び/ 又はNb及び/又はTa及び/又はTi及び/又はZr及び/又はWをベースとするか又は支 持する金属間化合物及び/又は対応する合金又は表11に示されているものに基づ く他のあらゆる材料例えば、BN,TaC,TaxCy,WC,WxCyならびに(及び/又は)TiCN ,AlN,Ni x By,窒化されたFe-Al合金及び/又は鋼及び/又はステンレス鋼で構成されて いることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.22項のいずれか1項又 は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.24 利用される摩砕用コンテナ(バイアル)の壁の表面(コーテイング)及び/又は(塊状) 内部が、請求の範囲第2.4.21項に記載の材料のうちの少なくとも1つで構成され ていることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.23項のいずれか1項 又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.25 摩砕用ボールの個々の及び/又は平均質量が0.15-11000g、特に1-50gである ことを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.24項のいずれか1項又は複 数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.26 摩砕用ボールの質量体(初期前駆物質)投入物の質量の比率が2:1-40:1特に5: 1-15:1であることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.25項のいずれ か1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.27 摩砕作業が人工的加熱システム無しで実施されることを特徴とする、請求の 範囲第2項、2.1項-第2.4.26項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、 及び/又は 2.4.28 摩砕作業が人工加熱(例えばシュール硬化システム)によって補助されているこ とを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.27項のいずれか1項又は複数 項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.29 摩砕作業には、全体的衝撃出力の摩擦体衝撃出力の大きい比率及び/又 は例えば、シュール効果システムなどの人工的加熱システムを介してのインサイチュ加熱を伴う少な くとも1回の摩砕サイクルが含まれることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項- 第2.4.28項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.30 請求の範囲第2.4.29項に記載の加熱サイクル中に対応する摩砕コンテナの平均温 度の利用された加熱速度が、0.1-80K/分好ましくは0.2-40K/分であり、低温が-2 00Kから周囲温度までの範囲内にあり、高温が-50℃からカウズマンのガラス遷移プラス温度 (0-200℃)までの範囲内にあること、及び高温での少なくとも1回の摩砕サイクル が0.1-40時間、特に0.2-10時間持続することを特徴とする、請求の範囲第2項、 2.1項-第2.4.29項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.31 請求の範囲第2.4.29項に記載の加熱サイクルの後及び周囲温度以下の温度で の摩砕のための対応する摩砕コンテナの平均温度の利用される冷却速度が、0.1-80K/ 分特に0.2-40K/分であり、低温は-200Kから周囲温度までの範囲内にあること、 及び低温での少なくとも1回の摩砕サイクルが、0.1-100時間特に0.2-10時間持続す ることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.30項のいずれか1項又は 複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.32 (インサイチュ)ボールミル摩砕無しの(別々)の焼なまし処理が利用され、特に焼 なまし処理が全摩砕作業中及び/又は、その後のいつでも150℃-550℃の範囲内 の温度で0.5-16時間実施されることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第 2.4.31項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.33 請求の範囲第1.14項に記載の温度での溶体熱処理が適用されることを特 徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.32項のいずれか1項又は複数項記載 のMg及びAl合金、及び/又は 2.4.34 熱機械的処理が使用され、この処理が請求の範囲第2.4.33に記載の溶体 処理と請求の範囲第12項に記載の押し出し成形及び/又は鍛造及び/又は引き抜 き加工及び/又は超塑性成形作業の組み合わせであることを特徴とする、請求の 範囲第2項、2.1項-第2.4.33項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、 及び/又は 2.5 (cph-又は準安定結晶質、準結晶及び/又はナノ結晶質及び/又は非晶質)マトリクス の細粒及び/又はセルのサイズが0.02-50μm特に0.1-10μmの範囲内にあることを特 徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.4.34項のいずれか1項又は複数項記載 のMg及びAl合金、及び/又は 2.6 (cph-又は準安定結晶質、準結晶及び/又はナオ結晶質及び/又は非結晶質)マトリクス の細粒及び/又はセルのサイズ0.01-15μm、特に0.03-3.0μmの範囲内にあること を特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.5項のいずれか1項又は複数項記 載のMg及びAl合金、及び/又は 2.7 Mga(TM)b(RE)c(met)d(SM)eタイプの金属間化合物(なお式中、TM,RE,met,及びS Mは請求の範囲第2.2.4項の通りに定義され、a=0-99,b=0-99,c=0-99,d=0-99,及び e=0-99である)及び/又は元素的β溶質のうちの少なくとも1つの体積分率が0. 01-30体積%特に0.05-20体積%であることを特徴とする、請求の範囲第2項、2. 1項-第2.6項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.8 一次元長さスケール(円周、直径、最大一次元拡大)での粒内及び/又は粒内外金 属間相が、0.1-30μm特に0.5-15μmの範囲内にあることを特徴とする、請求の範 囲第2項、2.1項-第2.7項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び /又は、 2.9 一次元長さスケール(円周、直径、最大一次元拡大)での粒内及び/又は粒内外金 属間相が、0.02-3μm特に0.03-1μmの範囲内にあることを特徴とする、請求の範 囲第2項、2.1項-第2.7項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び /又は、 2.10 1次元長さスケール(請求の範囲第2.9項参照)での粒内及び/又は粒内外金属間 又は準安定(結晶、準結晶及び/又は非結晶)相が0.01-0.1μm特に0.015-0.08μm の範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.7項のいずれ か1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.11 多孔性が事実上存在しないことを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項- 第2.10項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.12 請求の範囲第2.4.3項に記載の熱機械処理の後の多孔性が事実上存在しない ことを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.11項のいずれか1項又は複数 項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.13 最終成形作業後の最大多孔率が0.001-3体積%特に0.01-0.5体積%であるこ とを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.12項のいずれか1項又は複数項 記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.14 最終成形作業後の最大粒径が0.05-25μm特に0.08-5μmであることを特徴と する、請求の範囲第2項、2.1項-第2.12項のいずれか1項又は複数項記載のMg及 びAl合金、及び/又は 2.15 最終成形作業後の最大粒径が0.01-10μm特に0.02-1μmであることを特徴と する、請求の範囲第2項、2.1項-第2.12項のいずれか1項又は複数項記載のMg及 びAl合金、及び/又は 2.16 不純物Fe,Ni,Cu,Si,Na及びO2の含有量が、液体状態からの鋳造によって作 られた立証済みの高純度AZ及びAM型マグネシウム合金の中で一般に受容されるようなレベル に比べた係数が0.1-10の範囲内、特に立証済みの高純度AZ及びAM型マグネシウム合金 の中で通常受容されるFe,Ni,Cu,Si,Na及びO2のレベルの係数0.2-5の範囲内にあるこ とを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.15項のいずれか1項又は複数項 記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.17 原料及び/又は処理によって導入された不純物レベル(重量%)が最低レベルにつ いて第1.29項にしめされているとうりのものとなっていること、及びさらに最高 不純物レベルが、0.01Ni及び/又は0.1Cu及び/又は0.1Fe特に0.05Fe及び/又は0.2 Co及び/又は0.2Si及び/又は0.2B及び/又は0.02Na及び/又は0.1Ca及び/又は 0.1K及び/又は3.0C及び/又は0.1Cd及び/又は0.1Zn及び/又は0.1Pb及び/又 は0.1Sn及び/又は3.0O(酸素)特に0.05-2.0酸素であ ることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.16項のいずれか1項又は複 数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.18 ボールミルコンテナ材料及び/又はボールミルコンテナ内壁材料及び/又は摩砕用ボール材料とし て衝撃及び/又は摩耗耐性のある及び/又は特に硬化された鋼、耐火金属及び/ 又は耐火合金及び/又は金属間相、特にタンタルを用いることにより原料に比べてNi ,Cu,Fe,Co,Si,Na及び/又はPbのレベルが摩砕作業によってさらに実質的に増加する ことがないということを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.17項のいず れか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.19 1次元長さスケール(円周、直径、最大1次元拡大)での不純物(請求の範囲第2. 17項に記載のFe,Cu,Ni,Si,Coなど)混在物のサイズが、0.02-5μm特に0.05-1μmで あることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.18項のいずれか1項又は 複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.20 1次元スケール(第2.19項参照)での不純物(第2.17項のFe,Cu,Ni,Si,Coなど) が0.01-0.5μm特に0.02-0.3μmの範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第 2項、2.1項-第2.18項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又 は 2.21 (-200℃-300℃特に-50℃-140℃の温度で行われる)摩砕作業中及び高温及び /又は低温成形作業の準備中の粉末のもう1つの(不活性ガス)雰囲気に対する開 放/露出の間、及びこれらの成形作業中に、機械的に合金化された粉末を保護す る目的で、アルゴン及び/又は窒素といった不活性ガス雰囲気特に純度4N8及び/又は5 Nのアルゴン及び/又は窒素雰囲気を使用することによって、原料に比べO2のレベルガ摩 砕及び/又は粉末取り扱い作業によってさらに過度に増大されることがなく、こ こで不活性ガス雰囲気は、過度の酸化に対して機械的に合金化されたMg-合金粉末 を保護するために使用されており、かくして場合によっては、より良い酸化及び 機械的に合金化された粉末からの最終(場合によっては非常に細かい)粉末及び /又は製品の中の結果として得られる分散及び/又は繊維タイプの酸化物及び/又 は酸化層を回避するべく、Cu,及び/又はTa格子といったような高温ゲッタ材料を通 して連続的にパージされることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.20項 のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.22 1次元長さスケール(第2.19項参照)で0.01-5μm特に0.02-0.5μmの範囲内の合 金化用成分が関与する酸化物及びMgOを(両方の例において不純物混在物として )含有していることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第2.21項のいずれ か1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.23 摩砕された状態の粉末粒子を保護及び/又は補強するべく場合によって意 図的に酸素でドーピングされた不活性ガス雰囲気(特にアルゴン及び/又は窒素)を制御さ れた形で使用することによって、O2のレベルが最高3重量%の酸素含有量まで制御 された形で増大させられていることを特徴とする、請求の範囲第2項、2.1項-第 2.22項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 2.24 1次元長さスケール(第2.19項参照)で0.01-5μm特に0.02-0.5μmの範囲内の合 金化用成分が少なくとも1つ関与する酸化物及びMgO粒子を、両方のタイプの酸化物 共に例えば不純物混在物として含有していることを特徴とする、請求の範囲第2 項、2.1項-第2.23項のいずれか1項又は複数項記載のMg及びAl合金、及び/又は 3. およそ最大の平衡固体溶解度の対応するレベルまで0.1重量%の溶質を伴った「イットリウム 含有物」(イットリウム自体を除く)に属する1つの要素、すなわち 0.1-20原子%、特に0.5-15原子%のcph-Mgの中のSc、又は 0.1-7原子%、特に0.5-5.5原子%のcph-Mgの中のSm、又は 0.1-5原子%、特に0.5-4.53原子%のcph-Mgの中のGd、又は 0.1-7原子%、特に0.5-6.0原子%のcph-Mgの中のDy、又は 0.1-6原子%、特に0.5-5.44原子%のcph-Mgの中のHo、又は 0.1-7原子%、特に0.5-6.3原子%のcph-Mgの中のTm、又は 0.1-8原子%、特に0.5-6.9原子%のcph-Mgの中のEr、又は 0.1-9原子%、特に0.5-8.5原子%のcph-Mgの中のLu、又は 0.1-6原子%特に0.5-4.6原子%のcph-Mg中のTb、(残りは不純物)又は、Mg中で の少なくとも幾分かの液体及び固体溶解度をもちしかも同時にマグネシウム及び/又はマグネシウム 合金の腐食耐性を改善するものとして知られている遷移金属、すなわち0. 1-2.5重量%特に、0.5-2.0重量%のcphMg中のZr,残りの不純物又は0.1-3.0重量 %特に0.5-2.2重量%のcph-Mg中のMn,(残りは不純物)を含有 するマグネシウムベ-スの合金において 3.1 例えば200nm-500mm特に1μm-50mmの範囲内の断面が得られるよう粒界強化 効果を最適化するための鋳造及び/又は薄片鋳造及び/又は薄壁及び/又は加圧ダイカスト 及び/又はスプレー成形(スプレー溶着)及び/又は高速凝固及び/又は微粒化、 及び/又はレーザーつや出し(表面再融解)によって、液体状態から作られることを 特徴とする、マグネシウムベ-スの合金。及び/又は 3.2 さらにcph-マグネシウムに対する合金添加物が実質的に、cphマグネシウムの平衡又は非 平衡固溶体状態に保持されることを特徴とする、請求の範囲第3項-3.1項のいず れか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.3 合金添加物が固溶体状態に保持されており、さらに対応するミクロ構造が 3.3.1 有利な凝固反応速度、すなわちkoを一定の与えられた(初期)合金濃度co の液相線対固相線濃度比として比較的(その他のMg二成分系に比べて)1に近い 平衡分配係数koのために、凝固したままの状態で、及び/又は 3.3.2 状態図評価における実験上の誤差及び/又は特徴的温度に対するミクロ構造 のスケール効果に起因する、許容限度を含む対応する共晶又は包晶温、すなわち Mg-Sc合金については、0.7-0.99*983+/-3K、特に0.8-0.95*983+/-3K、又は Mg-Sm合金については、0.7-1.05*815+/-3K、特に0.8-1.03*815+/-3K、又は Mg-Gd合金については、0.7-1.05*819+/-3K、特に0.8-1.03*819+/-3K、又は Mg-Dy合金0.7-1.05*823+/-4K、特に0.8-1.03*823+/-4K、又は Mg-Ho合金については、0.7-1.05*838+/-4K、特に0.8-1.03*838+/-4K、又は Mg-Tm合金については、0.7-1.05*858+/-4K、特に0.8-1.03*858+/-4K、又は Mg-Er合金については、0.7-1.0*857+/-4K、特に0.8-1.03*857+/-4K、又は Mg-Lu合金については、0.7-1.0*889+/-4K、特に0.8-1.03*889+/-4K、又は Mg-Tb合金については、0.7-1.05*832+/-4K、特に0.8-1.03*832+/-4K、又は Mg-Zr合金については、0.7-0.99*973K、特に0.8-0.95*973K、又は Mg-Mn合金については、0.7-0.99*971K、特に0.8-0.95*971K、及び/又は またはかかる温度付近での溶体熱処理の後、 3.3.3 第3.3.2項の溶体化用熱処理様式に従った温度での熱−機械処理及び/又 は高温成形作業の後に達成されていることを特徴とする、請求の範囲第3項-3.2 項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.4 (cph-マトリクス)粒径が、3-250μm特に5-50μmの範囲内にあることを特徴とする 、請求の範囲第3項、3.1項-3.3.3項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、 及び/又は 3.5 (cph-マトリクス)粒(高角境界)及び/又はセル(低角境界)のサイズが0.2-10μm特に0 .5-8μmの範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第3項-3.4項のいずれか 1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.6 Mga(イットリウム含有物)bタイムの金属間化合物又は元素βZr又はβMhの体積分率 が、対応する合金の平衡体積分率に対応する体積分率の0.01体積%-20体積%、 特にその0.05体積%-10体積%であり、ここで「a」は5-25,「b」は1-6であるこ とを特徴とする、請求の範囲第3項-3.5項のいずれか1項又は複数項記載のMg合 金、及び/又は 3.7 1-50μm特に2-35μmの範囲内にある1次元長さスケール(円周、直径、最大1次 元拡大)の粒内及び/又は粒内外金属間相を特徴とする、請求の範囲第3項-3.6 項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.8 0.01-8.0μm特に0.1-1.0μmの範囲内にある1次元長さスケール(第3.7項参照)の 粒内及び/又は粒内外金属間相を特徴とする、請求の範囲第3項-3.7項のいずれ か1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.9 多孔性が事実上存在しないことを特徴とする、請求の範囲第3項-3.8項のい ずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.10 第3.3.3項に従った熱−機械処理のために事実上多孔性が存在しないことを 特徴とする、請求の範囲第3項-3.9項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、 及び/又は 3.11 加圧ダイキャストの後又は最終成形作業後の最高多孔率が0.05-3体積%、特に0.5 -2体積%であることを特徴とする、請求の範囲第3項-3.10項のいずれか1項又 は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.12 加圧ダイカスト後の最大孔径が0.05-10μm特に0.1-5μmであることを特徴とする 、請求の範囲第3項-3.11項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及 び/又は 3.13 不純物Fe,Ni,Cu,Si,Na及びO2の含有量が、液体状態からの鋳造によって作 られた立証済みの高純度AZ及びAM型マグネシウム合金の中で一般に受容されるようなレベル に比べた係数0.1-10の範囲内、特に立証済みの高純度AZ及びAM型マグネシウム合金の 中で通常受容されるFe,Ni,Cu,Si,Na及びO2のレベルの係数0.2-5の範囲内にあること を特徴とする、請求の範囲第3項-3.12項のいずれか1項又は複数項記載のMg合 金、及び/又は 3.14 第1.29項にあるような不純物レベル(重量%単位)を特徴とする、請求の範囲第 3項-3.13項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.15 (例えばるつぼ材料としての)凝縮された合金成分と接触した不活性耐火 金属、合金及び/又は金属間相の使用、特にタンタル(ベース)材料の使用のため、使用 された原料と比べて融解作業によってさらに、Fe,Ni,Cu,Co,Na,K,C,Cd,Zn,Pb,Sn ,B及びSiレベルが増大することがないことを特徴とする、請求の範囲第3項-3.14項 のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.16 蒸気溶着プロセスを開始する前に装置をパージするために不活性ガス雰囲気(特にアルゴン 及び/又は窒素)高品質シーリング及び/又はゲッタ蒸気を使用するため、原料の酸素レベル に比べO2レベルが実質的に特に5倍以上に増大しないことを特徴とする、請求の 範囲第3項-3.15項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.17 一次元長さスケール(円周、直径、最大一次元拡大)での不純物混在物(第1.28項 -1.31項のFe,Ni,Cu,Co,Na,K,C,Cd,Zn,Pb,Sn,B,Si及び酸化物などを含む)のサイズが 1-50μm特に2-35μmの範囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第1項-3.16 項のいずれか1項又は複数項記載のMg合金、及び/又は 3.18 不純物混在物のサイズが0.04-5.0μm、特に0.05-2.0μm、特に0.1-1.0μmの範 囲内にあることを特徴とする、請求の範囲第3.17項記載のMg合金、及び/又は 3.19 合金がさらに三成分及び/又はそれ以上の数の合金化要素、即ち − 最高5重量%、特に0.1-2.0%重量%のランタン(La)及び/又は − 最高5重量%、特に0.1-2.0%重量%のセリウム(Ce)及び/又は − 最高5重量%、特に0.1-2.0%重量%のプラセオジム(Pr)及び/又は − 最高5重量%、特に0.1-2.0%重量%のネオジウム(Nd)及び/又は − 特にモナス石、バストネス石及びXun-WuタイプのRE鉱石の鉱石組成物に由来しかつ/或い はこの鉱石組成物に対応し、しかもいずれにせよLa,Ce,Nd及びPrの対応する化合 物が支配的である、最高5重量%特に0.1-2.0%重量%の軽量希土類ミッシュメタル(LRE -MM)であって、5-97重量%のLa,5-97%重量%のCe及び5-98重量%の(Nd+Pr)を 含み、かつ残りはGd及びTbひいてはYといったその他の希土類金属であり、(La,C e,Nd及びPr)の和は、合計で40-100重量%、特に80-99重量%であるミッシュメタル、及び /又は − 最高8重量%、特に0.2-5.0%重量%のアルミニウム(Al)及び/又は − 最高5重量%のアルカリ土類金属(AE)と最高8重量%のアルミニウム(Al)、特に0.5-4.0 %重量%のAEと1-5重量%のAl及び/又は、 − 最高5重量%のアルカリ土類金属(AE)と最高8重量%のガリウム(Ga)、特に0.5-4.0% 重量%のAEと1-5重量%のGa及び/又は、 − 最高5重量%のカルシウム(Ca)及び最高8重量%のアルミニウム(Al)、特に0.1-4.0%重量 %のCa及び0.3-5重量%のAl及び/又は、 − 最高5重量%のストロンチウム(Sr)及び最高8重量%のアルミニウム(Al)、特に0.1-4.0% 重量%のSr及び0.3-5重量%のAl及び/又は、 − 最高5重量%のバリウム(Ba)及び最高8重量%のアルミニウム(Al)、特に0.1-4.0%重量 %のBa及び0.3-5重量%のAl及び/又は、 − 最高5重量%のカルシウム(Ca)及び最高8重量%のガリウム(Ga)、特に0.1-4.0%重量% のCa及び0.3-5重量%のGa及び/又は、 − 最高5重量%のストロンチウム(Sr)及び最高8重量%のガリウム(Ga)、特に0.1-4.0%重 量%のSr及び0.3-5重量%のGa及び/又は、 − 最高5重量%のバリウム(Ba)及び最高8重量%のガリウム(Ga)、特に0.1-4.0%重量% のBa及び0.3-5重量%のGa及び/又は、 − 請求の範囲第1項に記載の「イットリウム含有」Mgをベースとする合金のための最高5重 量%、特に0.5-4.0%重量%の亜鉛(Zn)及び/又は − 最高5重量%、特に0.1-2.0%重量%のMn及び/又は − 最高2重量%、特に0.1-1.8%重量%ジルコニウム(Zr)を含有していることを特徴と する、請求の範囲第3項-3.18項のいずれか1項又は複数項記載のMgベースの合金、 及び/又は、 4. 三成分及び/又はそれ以上の数の合金化要素、即ち以下のとおりの個々の重 量単位の割合限界の要素をさらに含有することを特徴とする、請求の範囲第1項 -2.24項のいずれか1項又は複数項記載のMgベースの合金:すなわち 4.1 請求の範囲第1項-2.24項のいずれか1項又は複数項記載のMg内の希土類金 属及びMMの(拡張した)固溶体を含む準安定(非平衡)Mgベースマトリクス相において、サブグループ a)-e)の間で可能な結果として得られる準安定(非平衡)Mgベースマトリクス相及 び上位合金用添加物の組み合わせ、特に請求の範囲第1項-2.24に記載のMM,Ce,L a,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ho及び/又はErを0.2-14重量%含む、0.5-8重量%のAl及び0. 1-4重量%のCa,Sr及び/又はBa及び/又は0.2-10重量%のV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo, Hf,Re,W及び/又はTa(残りはマグネシウムと不純物)の合金からの相乗的成分を介して の最終合金転換及び/又は形成作業の後のきわめて細かい分散への析出物(特に <100nm)の部分的変態を目的として a)0.1-16重量%特に0.5-6重量%のAl及び b)0.0-8重量%特に0.2-3重量%のCa,Sr及び/又はBa,及び/又は c)0.0-4重量%特に0.2-2重量%のZr,In,Sn及び/又はPb及び/又は d)0.0-10重量%特に0.2-5重量%のSi,Ge,B,Be及び/又はSb及び/又は e)0.0-12重量%特に0.2-6重量%のV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,Re,W及び/又はTa (残りはマグネシウム及び不純物)といった三成分及びそれ以上の数の合金化添加物をも 含有する(要素について、複数のコンマの場合、第4.1項-4.7項については「and/or (及び/又は」と解釈すること)マトリクス相であって、いずれによせ合金の密度が2.7 g/cm3を超えない準安定(非平衡)Mgベースのマトリクス相、及び/又は 4.2 請求の範囲第1項−2.24項のいずれか1項又は複数項記載のMg内の希土類金 属及びMMの(拡張した)固溶体を含んでいる準安定(非平衡)Mgベースのマトリクス 相において、 a)0.1-30重量%特に0.3-15重量%のV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,Re,W,及び/又は Ta又は b)a)と同じであるが、0.3-30重量%の共通合金化レベルをもちかつ/又は拡張固溶 体の中で希土類元素と共存する又は少なくとも実質的に共存するこれらの遷移金 属のうちの2つ又は3つの組み合わせも許容するもの、又は c)a)及びb)と同じであるが、最高15重量%のAlも含有するもの及び/又は d)特に、第2項に記載のMM,Ce,La,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ho及び/又はErを0.0-12重量 %との、0.1-8重量%のAl及び0.05-8重量%のこの4.2-合金グループのa)に記載の遷 移金属から成る合金、又は、 e)a)-d)と同じであるが、0.1-4重量%のSi,Ge,B,Be及び/又はSbも含有するもの (なお残りはマグネシウムと不純物)、といった三成分又はそれ以上の数の合金化添加 物をも含有するマトリクス相であって、いずれにせよ、サブグープa)-e)の間で可能である ようなMgに対する上位合金化用添加物の組み合わせ、特に0.10重量%のCe,La,Pr ,Nd及び/又はSm及び0.0-8重量%のV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,Re,W及び/又はTa を含む合金、(なお残りはマグネシウム及び不純物)からの相乗的形成を介しての最終 合金転換及び/又は形成作業の後に拡張固溶体及び沈降物の細かい分散(特に<1 00nm)を含む上位準安定(非平衡)Mgベースの相を生成するべく、合金の密度は2.7 g/cm3を超えず、かつ/又は、 f)サブグープa)-e)の組み合わせから可能な上位添加物の全てを、cph-Mgの(拡張)固溶 体を含む準安定で本質的に単相のマトリクスに保持している、準安定(非平衡)Mgベース のマトリクス相、又は; 4.3 請求の範囲第1項−2.24項のいずれか1項又は複数項に記載の非平衡結晶質 、準結晶及び/又はナノ結晶質及び/又は非晶質Mgベースのマトリクス相を含む準安定Mg-T Mベースのマトリクス合金において、同様に、 a)0.2-15重量%のCe,La,Nd,Sm,Pr,Y及び/又はMM b)0.0-10重量%のAl及び/又は c)0.0-15重量%のSi,Ge,B,Sb及び/又はBe及び/又は d)0.0-8重量%のCa,Sr及び/又はBa(残りはマグネシウム及び不純物)といったような 三成分及びそれ以上の数の合金化用添加物をも含有する合金であって、いずれの 場合でも、Mgにたいする上位合金化用添加物の組み合わせからの相乗的形 成を介しての最終的合金転換及び/又は形成作業の後に拡張固溶体及び析出物の 細かい分散(特に<100nm)を含み、かつ、この4.3の合金グループのサブグループa)-b)の合金 組み合わせ、特に請求の範囲第1項-2.24項のいずれか1項又は複数項に定義づけ られたとおりのV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,Re,W及び/又はTaを0.2-15重量%含み しかも0.5-6重量%のCe,Nd,La,Sm,Y及び/又はMM及び0.0-4重量%のAl及び0.0-3 重量%のSi,Ge,B及び/又はSb及び/又は0.0-2重量%のCa,Sr及び/又はBa(残 りはマグネシウム及び不純物)を含む合金から結果として選られた準安定(非平衡)Mgベース 相の中に包埋され、これと共存している上位準安定(非平衡)Mgベース相を生成 するべく、合金の密度は2.7g/cm3を超えず、 e)サブグループa)-d)の組み合わせから可能な上位添加物の全てを本質的に最終製品内 のcph-Mg又は、その他の準安定非平衡Mgベース相(拡張)固溶体の中に保持する、 準安定Mg-TMベースのマトリクス合金、及び/又は 4.4 請求の範囲第1項-2.24項のいずれか1項又は複数項に記載の非平衡結晶質 、準結晶及び/又はナノ結晶質及び/又は非晶質相を含む準安定Mgメタロイド(及び/ 又はBe及び/又はB)ベースの合金において、同様に、 a)0.2-25重量%のCe,La,Nd,Sm,Pr,Y及び/又はMM及び b)0.1-20重量%のV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,Re,W及び/又はTa c)0.0-10重量%のAl及び/又は d)0.0-8重量%のCa,Sr及び/又はBaといったような三成分及びそれ以上の数の合 金化用添加物をも含有する合金であって、いずれの場合でも、Mgに対する上位合 金化用添加物の組み合わせからの相乗的形成を介しての最終的合金転換及び/又 は形成作業の後に拡張固溶体及び析出物の細かい分散(特に<100nm)を含みかつ 、この4.4合金グループのサブグループa)-b)の合金組み合わせ特に請求の範囲第1項−2.24 項のいずれか1項又は複数項に定義づけされたとおりのV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf ,Re,W及び/又はTaを0.2-15重量%と0.1-20重量%のB及び/又はSi及び/又はSi を含み、しかも0.0-6重量%のCe,Nd,La,Sm,Y及び/又はMM及び、0.0-4重量%のA l及び0.0-3重量%のSi,Ge,B及び/又はSb及び/又は0.1-2重量%のCa,Sr及び/ 又はBa(残りはマグネシウム及び不純物)を含む合金から結果として選られた準安定( 非平衡)相の中に包埋されている上位 準安定(非平衡)Mgベース相を生成するべく、合金の密度は2.7g/cm3を超えず、 e)サブグループa)-d)の組み合わせから可能な上位添加物の全てを本質的にcph-Mg固溶 体の中に保持する、準安定Mg-メタロイドベースの合金、及び/又は、 4.5 請求の範囲第1項−2.24項のいずれか1項又は複数項に記載の非平衡結晶質 、準結晶及び/又はナノ結晶質及び/又は非晶質相を含む準安定Mg-メタロイド(及び/ 又はBe及び/又はB)ベースの合金において、同様に、 a)0.1-20重量%のV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,Re,W及び/又はTa b)0.0-15重量%のCe,La,Nd,Sm,Pr,Y及び/又はMM及び c)0.0-10重量%のAl及び/又は d)0.0-8重量%のCa,Sr及び/又はBaといったような三成分及びそれ以上の位数の 合金化用添加物をも含有する合金であって、いずれの場合でも、Mgに対する上位 合金化用添加物の組み合わせからの相乗的形成を介しての最終的合金転換及び/ 又は形成作業の後に拡張固溶体及び析出物の細かい分散(特に<100nm)を含み、 かつ、4.4合金グループのサブグループa)-b)の合金組み合わせに請求の範囲第1項−2.24項 のいずれか1項又は複数項に定義づけされたとおりにV,Ti,Zr,Mn,Cr,Nb,Mo,Hf,R e,W及び/又Taを0.2-15重量%と0.1-20重量%のB及び/又はSi及び/又はSiを含 み、しかも、0.0-6重量%のCe,Nd,La,Sm,Y及び/又はMM及び0.0-4重量%のAl及 び0.0-3重量%のSi,Ge,B及び/又はSb及び/又は0.1-2重量%のCa,Sr及び/又は Ba(残りはマグネシウム及び不純物)を含む合金から結果として選られた準安定(非平 衡)相の中に包埋されている上位準安定(非平衡)Mg-ベース相を生成するべく、合 金の密度は2.7g/cm3を超えず; e)サブグループa)-d)の組み合わせから可能な上位添加物の全てを本質的にcph-Mgの固 溶体の中に保持する、準安定Mg-メタロイドベースの合金、及び/又は 4.6 請求の範囲第1項−2.24項のいずれか1項又は複数項に記載の非平衡結晶質 、準結晶及び/又はナノ結晶質及び/又は非晶質相を含む準安定及び/又はAlベース の早期遷移金属ベースの合金において、同様に a)0.1-20重量%のSi,B,Be及び/又はGe b)請求の範囲第1項及び/又は第2項に記載の0.0-15.0重量%の第2の及び/ 又は第3位の遷移金属といった三成分及びそれ以上の数の合金化用添加物をも含 有し、かくして全ての要素が、非平衡Mg-ベースのマトリクス相の中に本質的に保持され ている、準安定Mg-及び/又はAlベースの早期遷移金属ベースの合金及び/又は、 4.7 高純度及び超高純度の原料(例えばX-,SX-及びUX系列)から作られたものを 含むWE54,WE43,ZE63,ZE41,EZ33,EZ32,AE41,AE42,QE22,EQ21,AZ91D/E,AZ61A/B,AZ 31A/B,AM20,AM50,AM60又はその他全てのAMベース合金ならびにAS41及びAS42という 市販のMg工学合金組成に従ったMg合金において、合金化用添加物の実質的な又は わずかな分率がcph-Mgの固溶体中又は結果として得られるその他のあらゆる準安 定構造(Mgベース)の非平換マトリクス相の中に保持されるような形で、従って、補足的 な合金化用添加物を用いずに又は用いて、機械的合金化によって作られており、 ここでかかる合金化用添加物は、 − 請求の範囲第4.1項−4.6項に従った三成分及び4成分の添加物であるか又は 、 − 市販の合金内に合金化用添加物が含有量を増加した状態で存在するものであ り、この増加はかくして、対応する商業的に立証済みの合金組成内のレベルに対し0 .1-10の範囲の係数に対応しており、いずれにせよ合金の密度は2.7g/cm3を超え ず、及び/又は、その処理及び/又は品質が請求の範囲第1項−2.24項の1項又 は複数項に対応しているMg合金。 5. 蒸発源から溶着物までの全体的な質量輸送のための駆動力が、場合によって 並列に配置された真空チャンバの連続したレベルでの過少圧力によって、提供され、溶 着のための真空チャンバ内(過少)圧力が外部圧送システムによって維持され、その結果 、蒸発ユニットの蒸発源と溶着表面の間に速度を制御する吸い込みタイプの蒸気流が生 じ;かつ一定の与えられた圧送速度Sに対するその実際スループットQvは、蒸気流のた めの少なくとも1つの加熱できる多孔質膜(ダイヤフラム)によって制御され、この( 膜)ダイヤフラムは特に誘導及び/又は抵抗加熱によって加熱され、蒸発源は、熱蒸発 (抵抗、誘導、電子ビーム及び/又はマイクロ波加熱及び/又は昇華、レーザ-ビーム及び/又 はアーク蒸発方法)及び/又はマグネトロンスパッタリング方法によって活化され、これが、 a)少なくとも1つの個々の蒸発源を各々収納する2つの隣接する蒸発チャンバn及び (n+1)又は、 b)少なくとも1つの個々の蒸発源を伴う蒸発チャンバn及び個々の蒸発源を全く収容 しないか又は少なくとも1つの収納する混合チャンバ(n+1)、又は c)a)又はb)と同様であるが、蒸気の溶着を容易にし蒸気フローライン(蒸気飛翔経路) の方向に続くチャンバが後に設けられている蒸発チャンバを分離するために使用されてい る、重力独立型蒸気溶着方法。 5.1 個々の蒸発チャンバから(例えば混合チャンバまで)の蒸気輸送が対応する要素の蒸 気圧によって駆動されることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項に記載の蒸 気溶着方法及び/又は 5.2 蒸発プロセスの2つの隣接するチャンバの間の最小分離長dxを横断して局所的圧力勾 配dP/dxが生成され、ダイヤフラムを横断するx方向の局所的圧力勾配dP/dxの絶対値は 、隣接する真空チャンバ内の圧力勾配と異なる、特に、これよりも量的に大きいもの であり、その結果、得られる合金蒸気の溶着のために使用される蒸発源と下地物 質の間には不連続な圧力勾配プロフィールが得られることをさらに特徴とする、請求の 範囲第5項-5.1項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 5.3 局所的圧力勾配dP/dxが、ダイヤフラムを横断した負及び正の両方の温度勾配につ いて蒸気凝縮すなわち溶着ユニットの方向に続く次のチャンバ内へ入蒸気の制御された分 率を移送することができるようにするための局所的駆動力を提供し、かつT勾配 の量は蒸発及び/又は混合及び/又は蒸気溶着チャンバの間で0℃-3000℃の範囲内に あることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-5.2項のいずれか1項又は複数 項記載の蒸気溶着方法及び/又は、 5.4 横断する蒸気比体積が、組成変更無く局所的に加熱及び/又は膨張及び/又 は加速されることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-5.3項のいずれか1項 又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 5.5 ダイヤフラムが、その取り込み口及び/又は出口表面及び/又は中央y/z平面のx垂 線のまわりに対称及び/又は非対称に配置されている少なくとも1つのオリフィスを 流路の蒸気取り込み口及び/又は出口に含んでおり、x垂線は隣接する蒸発及び 溶着チャンバの中心線と同一線上にあるか又はなく、蒸気流耐性要素がダイヤフラムの取り 込み口及び/又は出口にあるオリフィスの間で同等の又は異なる表面積の等距離 の又は非等距離の表面のマトリクスを形成しうることをさらに特徴とする、請求の範 囲第5項-5.4項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 5.6 ダイヤフラムの取り込み口が、入蒸気流に面するダイヤフラムの全体的(横断)表面との 関係において、0.0001%-99.5%、特に0.01-30%の表面積比を、オリフィス表面(Σ )Aoと流れに対する抵抗体として作用するオリフィスARのまわりに及び/又は間の表 面すなわち(ΣAo/AR*100%の間に提供し、さらに、ダイヤフラム内及びそのすぐ近 くならびにダイヤフラムから離れたところでの凝縮を制御するための工学的解決手段が 含まれていることをさらに、特徴とする、請求の範囲第5項-5.5項のいずれか1 項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 5.7 ダイヤフラムのバルクが市販の鋼及び/又は超合金及び/又は請求の範囲第2.4.21項 に記載の単数及び/又は複数の材料から作られていることをさらに特徴とする、 請求の範囲第5項及び5.6項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び /又は 5.8 ダイヤフラムバルクの表面が、請求の範囲第2.4.21項の単数又は複数の材料のPVD及び /又はCVDコーテイングでコーテイングされていることをさらに特徴とする、請求の範囲第5 項-5.7項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 6. ダイヤフラムは抗ノズルシステム(図90)として用いられる少なくとも1つの単一の及び/ 又は多数の分岐を伴うダイヤフラム要素を含み、かかる分岐は、個々の逆流圧PBが対応 する取り込み口での圧力PIよりも小さく(すなわちPI>PB)かくして蒸気が発出 するチャンバn(又は1)の中への部分的逆流蒸気質量dmBを取り入れることになるよう な形で構築されており、かかる分岐は、直接の取り込み口部域でフローライン要素と組 み合わさつて、及びダイヤフラムの後ろで出口構造として、又は気体微粒比におけるそ の用途を対照的に示し、かつ角度のついた及び平滑化された単一及び多数の分岐 を内含するトランペット様のノズル幾何形状及びその結果としての単一及び多数のタコ形形 状に達するコンダクタンスと組み合わせてダイヤフラムの内側の乱流を最低限におさえるため の解決手段を提供しており(図91)、かくして分岐における逆流蒸気のための流 れと膜内外流路の間の角度は1-150℃、特に2℃-90℃の範囲内にあることをさら に特徴とする、請求の範囲第5項-5.8項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラム を伴う蒸気溶着方法及び/又は 6.1 ダイヤフラムは層流を低減するため及び蒸気取り込み口の前で規定の距離のことろ で乱流を生成するための構成要素(形材)を含んでおり、乱流を生成するための 要素は、形材をとり囲む流れのための0.25-5特に1.1-3の間の流れ抵抗係数cFを 提供し、矩形及び不規則なプレートを含む比較的かさ高い要素ならびにfiligrane( 92 )の組み合わせによってより高い値が得られ、cF-値は場合によって、関与する 非常に小さいレイノルド数について最高50の値まで増大することをさらに特徴とする 、請求の範囲第5項及び6項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラムを伴う蒸気 溶着方法及び/又は 6.2 ダイヤフラムは、トランペット状の入り口及び出口を含む直接の取り込み部域ならびにダイヤフラム の後部において乱流を抑制するための構造上のフローライン要素(形材)及び設計構 成を含んでおり、結果として得られる流れ抵抗係数CFが0.3未満特に0.1未満であ ることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-6.1項のいずれか1項又は複数項 記載のダイヤフラムを伴う蒸気溶着方法及び/又は 6.3 ダイヤフラムは、直列電気スイッチに従って、流れ抵抗体レベル(のマトリクス)のうちの少なく とも2つのレベルによって代表され、非常に大きいP及びT勾配を克服するための一連 の連続した流れ抵抗体レベルを有し、かくして各々のレベルは少なくとも1つの膜内外 流路を含み、結果として得られる抵抗体要素のマトリクスは流路の間に等間隔で配置 されているか又は配置されておらず、結果として得られたダイヤフラムは、次の特徴す なわち: − 100>m>1である抵抗体レベルα数m及び/又は − レベルmの増大に伴って減少する、又は一定の又は増大する相対的オリフィス面積、即 ち (ΣAo/ΣAR)m>(ΣAo/ΣAR)m+1もしくは(ΣAo/ΣAR)m=(ΣAo/ΣAR)m+1或いは (ΣAo/ΣAR)m<(ΣAo/ΣAR)m+1及び/又は − 離散的なmレベルの各々に伴ってほぼ一定又は示差的に上昇する温度及び/又は − レベルmの増大に伴って減少する又は一定の又は増大するオリフィス面積すなわち (ΣAo)m(ΣAo)m+1もしくは (ΣAo)m=(ΣAo)m+1もしくは(ΣAo+ΣAR)m<(ΣAo+ΣAR)m+1及び/又は − レベルmの増大に伴って減少する又は一定の又は増大する絶対表面積即ち (ΣAo+ΣAR)m>(ΣAo+ΣAR)m+1もしくは(ΣAo+ΣAR)m=(ΣAo+ΣAR)m+1もしくは (ΣAo+ΣAR)m<(ΣAo+ΣAR)m+1及び/又は − ダイヤフラムdmD又はdmによって放出される蒸気体積が横断すべき加熱用蛇管を含ん でいてもいなくてもよい、所要部分温度上昇を蒸気が適合できるようにする差動 的蒸気タンクとして作用するレベルmの前の体積差、及び/又は − 横断する層流に関して乱流を最適化するか又はしないため、差動的抵抗体要 素の前又はmレベルの選択された分画の抵抗体要素の部分の前ならびに最終的出口レベル mmaxの後ろで利用される、1.0未満の流れ抵抗係数CFを伴う、請求の範囲第6.2 項に記載のフローライン要素という特徴のうちの単数又は複数を包括することをさらに 特徴とする、請求の範囲第5項-6.2項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラムを 伴う蒸気溶着方法及び/又は 6.4 ダイヤフラムが、個々の取り込み口面積Aoひいては局所的蒸気流量及び流路内のあ らゆる場所特に入蒸気流に向いた前面におけるオリフィス1つあたりの局所的蒸気スループット の結果として得られる絶対値を調整するためのアパーチャを含んでいることをさら に特徴とする、請求の範囲第5項-6.3項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラム を伴う蒸気溶着方法及び/又は 6.5 ダイヤフラムは、対応する横断面の連続的な膨張及び収縮を伴うデイフューザージェットノズルの 遷移部分が関与する膜内外流路を含んでいることをさらに特徴とする、請求の範 囲第5項-6.4項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラムを伴う蒸気溶着方法及び /又は 6.6 ダイヤフラムが、対応する横断面の連続的な膨張及び収縮を伴うデイフューザー及び/又 はジェットノズル遷移部分が関与する膜内外流路を含んでいることをさらに特徴とする 、請求の範囲第6.5項記載のダイヤフラムを伴う蒸気溶着方法及び/又は 6.7 ダイヤフラムが、連続したデイフューザー及び/又はラバルジェットノズルタイプの出口を有することを さらに特徴とする、請求の範囲第5項-6.6項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラム を伴う蒸気溶着方法及び/又は 6.8 ダイヤフラムが、連続した超音波ジェットノズル出口を有することをさらに特徴とする、 請求の範囲第5項-6.7項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラムを伴う蒸気溶着 方法及び/又は 6.9 ダイヤフラムの外部周囲壁とデイフューザー又はジェットノズルの中心軸の間のデイフューザー及びジェットノズル 角度が0-30°、特に0.5-15°であり、その結果図94に示されている可能な解決 法のあらゆる組み合わせが得られることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項 −6.8項のいずれか1項又は複数項記載のダイヤフラムを伴う蒸気溶着方法及び/又は 7. 溶着ユニットには、循環路プロセスの一方向に移動する少なくとも2つの個々の平坦 なプランク凝縮器又は少なくとも1つの個々のコレクタから成る連続した(バッチ)循環路プロセス が含まれていることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-6.9項のいずれ か1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.1 (例えばプランク式の)コレクタ/凝縮器が、蒸気溶着の前の最後のダイヤフラムに対して 垂直な矩形表面(突出部)を提供していることをさらに特徴とする、請求の範囲 第5項-7項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.2 湾曲した溶着物縁部を提供する湾曲した縁部を伴う少なくとも1つの凝縮器 及び/又は凝縮器デイスクが利用されることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項 -7.1項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.3 湾曲した溶着表面(表面平面)を伴う少なくとも1つの凝縮器及び/又はドラム が利用されることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.2項のいずれか1 項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.4 少なくとも1つの個々の凝縮器の表面は側縁部が全体的蒸発ユニットの中心軸の まわりで傾動(すなわち縁部を上に)している状態で、一定の与えられた(重心 gに対して水平、垂直又は斜めの)平面内で回転することをさらに特徴とする、 請求の範囲第5項-7.3項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又 は 7.5 凝縮器表面が、凝縮器ユニットの中心回転軸と一定の傾動角度δdepを成し、こ の傾動角度が0°<δdep</=90°の範囲内にあることをさらに特徴とする、請求 の範囲第7.4項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.6 全体的溶着ユニットの中心軸のまわりで前面を上にして傾動することによって蒸 気溶着パス一回毎に異なる表面平面内を少なくとも1つの溶着表面が移動している 状態で、少なくとも1つの個々の凝縮器(側)縁部が回転することをさらに特徴 とする、請求の範囲第5項-7.3項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法 及び/又は 7.7 全体的溶着ユニットの中心軸と表面平面の間の一定の傾動角度δdepが用いられ 、この角度は0°<δdep</=90°の範囲内にあることをさらに特徴とする、請求 の範囲第7.6項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.8 蒸気衝突に対する露呈とこの露呈の外側にある溶着物の一定の与えられた輸 送位置の間の一定の与えられた溶着物表面位置(x,y,z)において溶着物表面上 に一定のΔT-間隔が用いられることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.7 項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.9 蒸気衝突に対する露呈とこの露呈の外側にある一定の与えられた輸送位置の 間の一定の与えられた表面位置(x,y,z)のδΔT偏差が0.2-40K,特に0.3-10Kで あることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.8項のいずれか1項又は複数 項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.10 蒸気衝突に対する溶着表面の露呈中の全溶着表面上の側方速度VKon及び/ 又はωKonが一定であることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.9項のい ずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.11 一定の与えられた凝縮器及び/又は溶着表面位置(x,y,z)の蒸気衝突に対す る露呈の間の溶着表面ΔVKon及び/又はΔωKonの間隔が制御されていることを さらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.10項のいずれか1項又は複数項記載の 蒸気溶着方法及び/又は 7.12 少なくとも1つの個々の凝縮器が、回転デイスク分配器及び/又はコレクタを介し て(液体)冷硬媒質の供給を受けていることをさらに特徴とする、請求の範囲第 5項-7.11項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.13 凝縮器1個につき少なくとも1つ、特に1-20個の独立したメアンダが露呈利用 されることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.12項のいずれか1項又は 複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.14 最終混合チャンバ1つあたり1つのダイヤフラムで個々の溶着ユニットの数ndが1-100個、 特に2-32個であることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.13項のいずれ か1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.15 溶着に先立つ個々のダイヤフラムndに対する個々の凝縮器ncの数の最小比が、関 係式nc=1.5*ndによって求められることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項- 7.14項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.16 凝縮器の側方速度が10-3cm/秒-2m/秒、特に10-2cm/秒-50cm/秒であること をさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.15項のいずれか1項又は複数項記載 の蒸気溶着方法及び/又は 7.17 凝縮/蒸気溶着ユニット内の絶対圧力が10-6-7*10-1バ-ル、特に10-4-10-2バ-ルで あることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.16項のいずれか1項又は複 数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.18 蒸気流/流れ/経路が通る最終ダイヤフラムの(後部)表面と溶着表面の間の有 効超膜距離heffが0.2-100cm特に0.5-20cmであることをさらに特徴とする、請求 の範囲第5項-7.17項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.19 後部出口表面のxレベルにおける膜内外流路の直径dzが0.05-100cm特に0.08-30 cmであることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.18項のいずれか1項又 は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.20 個々の(プランク)凝縮器に対するダイヤフラムの表面比(ダイヤフラムに対する突出)が0 .05-0.8(すなわち5-80%)特に0.1-0.3(すなわち10-30%)であることをさらに 特徴とする、請求の範囲第5項-7.19項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶 着方法及び/又は 7.21 矩形プランクコレクタの寸法が長さ0.2-4mx幅0.05-2m、特に0.3-2mx幅0.1-1mである ことを特徴とする、請求の範囲第5項-7.20項のいずれか1項又は複数項 記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.22 デイスク又はドラム凝縮器(コレクタ)の半径が7-400cm特に12-250cmであることをさ らに特徴とする、請求の範囲第5項-7.21項のいずれか1項又は複数項記載の蒸 気溶着方法及び/又は 7.23 凝縮器(表面)が-200℃-+400℃ +/-20℃特に-190℃+350℃+/-20℃の温度 範囲内の(一定)温度に保たれていることをさらに特徴とする、請求の範囲第5 項-7.22項のいずれか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.24 k=表面突起(凹凸)の平均高さとして蒸気衝突に対する露呈に先立つ(インサイチュ 固化された)溶着物の相対表面粗度Δ=k/heffが0.000001-0.2特に0.001-0.1 であることを特徴とする、請求の範囲第5項-7.23項のいずれか1項又は複数項 記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.25 収容に先立ち溶着物表面速度境界層に達する蒸気スループットの分率αAが0.5-1. 0特に0.7-0.95であることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.24項のいず れか1項又は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 7.26 収容に先立ち溶着物表面速度境界層に達している蒸気スループットの分率αAそし てそこに収容されつつある分率すなわちαTA)が0.4-1.0特に05-0.95であるこ とをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.25項のいずれか1項又は複数項記 載の蒸気溶着方法及び/又は 7.27 全体的質量輸送が、最高の蒸気飽和圧をもつ要素の蒸気圧によって駆動さ れていることをさらに特徴とする、請求の範囲第5項-7.26項のいずれか1項又 は複数項記載の蒸気溶着方法及び/又は 8. 請求の範囲第1項-2.24項及び第4項のいずれか1項又は複数項記載のマグネシウム 又はアルミニウムベ-スの合金において、蒸気溶着技術によって作られ、さらに − 0.1-95重量%特に0.2-60重量%のTiの拡大個溶体をも内含し、かつ0.3-30重 量%の共通合金化レベルでグループ3の対応する遷移金属のうちの2つの又は3つの組 み合わせが可能であるという点で第4.3項ひいては/又はそのサブグループf)の合金の ためにこれらを内含し、しかもこれがcph-Mg又はその他のあらゆる準安定非平衡 Mgベース合金の拡張個溶体の中に共存するか又はきわめて細かい金属間 化合物について対応するミクロ構造の中に部分的に分散している合金であって、こ れらの合金は全て、より複雑な上位のVD-Mg合金系の最終的な溶着された状態の 予備的形成品の収率及び品質を含めた高い生産性及び再現性を得るために対応す る蒸気合成及び溶着を制御する目的で、請求の範囲第5項-第7項のいずれか1 項又は複数項記載のダイヤフラムを用いることによって可能である単数又は複数のプロセス 及び/又はプロセス溶体が関与する蒸気溶着によって作られており;かくしてこの特 定の蒸気溶着技術というのが、ベースとしてのマグネシウム金属、その比較的低い蒸発圧 力のために同時蒸発又は別途蒸発される軽量希金属要素Mg-LREならびに早期遷移 金属、メタロイドならびにアルミニウム及びその他の単純金属といったマグネシウムときわめて異 なるものとして知られ、従って、少なくとも大量にはマグネシウムに合金化されたこと が全くない金属の高い蒸気圧のせいで本質的に可能となっているような巨視的に 及び微視的に大きい蒸気流束及び結果として得られるスループットを管理及び制御する ことを可能にする、第2項及び第3項に記された可能性のうちの少なくとも1つ に従ったような適切なダイヤフラムを用いて吸い込みタイプの全体駆動された大量輸送を 利用することによる大量生産に適したものであり;ここでこれらのダイヤフラムはこれ らの要素が単数又は複数の混合チャンバ内でマグネシウム又はアルミニウムベ-スの蒸気に合流する ことを可能にしており;蒸気全体は最終的に、発出点である蒸発源とその目的点 である少なくとも1つの下地物質及び/又は下地物質上の溶着物表面の間で全体 的蒸気を干渉することなく、外部にある圧送システムによって全システムにわたり課せら れている全体的圧力勾配によって駆動されており;かくして0.1-1.0特に0.3-0.8 の範囲の収容率αT+(αA)及び対応する溶着/凝縮済み収量が少なくとも利用さ れる;マグネシウム又はアルミニウムベ-スの合金。 9. ツインローラー焼き入れ及び平面流鋳造を含む融解紡糸技術によって作られ、 0.1-25重量%、特に0.2-14重量%のLa、又は 0.1-25重量%、特に0.2-16重量%のCe、又は 0.1-25重量%、特に0.3-18重量%のPr、又は 0.1-28重量%、特に0.3-20重量%のNd、又は 0.1-30重量%、特に0.2-20重量%のSm、又は 0.2-14重量%、特に0.5-7重量%のY(Eu)、又は − 特にモナズ石、バストネス石及びXun-WuタイプのRE鉱石の鉱石組成物に由来しかつ/或い はこの鉱石組成物に対応し、しかもいずれにせよLa,Ce,Nd及びPrの対応する化合 物が支配的である、 0.2-30重量%、特に0.3-25重量%のミッシュメタルであって、5-97重量%のLa,5-97重量 %のCe及び5-98重量%の(Nd+Pr)を含み、かつ残りはGd及びTdひいてはYといっ たその他の希土類金属であり、(La,Ce,Nd及びPr)の和は、合計で40-100重量%、 特に80-99重量%であるミッシュメタル、 0.2-15重量%、特に4-12重量%のAl、又は 0.1-10重量%、特に0.2-8重量%のMn、又は 0.1-5重量%、特に0.2-3重量%のZr、又は を含有するマグネシウムベ-スの合金において、ここであらゆる場合において、 − 特に、市販のヘリウム又はヘリウムとその他の適切なガス及び不活性ガスの混合物である 、融解原料、凝固作業及び結果として得られるリボンを保護するための不活性雰囲 気及び/又は − 少なくとも3.5km/秒特に5-7km/分の表面速度での銅ホイールといったようなきわ めて導電性の高い材料の冷硬表面を利用し、特にPFCタイプのRS処理については − 原料供給と回転冷硬表面の間で応力を受けた融解パッドルを生成するための、融 解合金供給用の対応するオリフィスと回転冷硬表面の間の、制御された距離、及び/ 又はp − 4mm未満、特に2mm未満のオリフィスと冷硬表面の間の距離;及び/又は − 液体及び結果として得られる凝固されたリボン及び冷硬表面の間の不活性ガス薄膜 を低減するためのスクレーパ;を利用し、かくして − ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム及び/又はイットリウム及び利用さ れたミッシュメタルに由来するその他の重希土類元素、アルミニウム、マンガン又はシルコニウムが、凝固 されたままの状態で固溶体の中に実質的に保持されており、対応する固 溶体はcph-Mg又はその他のいずれかの準安定結晶質又は非晶質相であり、かつ特 に融成物から完全に仕切り無しの様式で形成されたミクロ構造及び/又は柱状で特 徴の無い3つの並進方向x,y及びzのうちの少なくとも1つの寸法において寸法が 10μm未満である細粒、セル及び/又はサブセルから成るミクロ構造状態が得られ、対応す る二成分合金はLa,Ce,Nd,Pr,Sm,Y(及びEu)又はMM(上述の定義づけ通り)との二成 分拡張固溶体合金の場合、わずかな上位合金化用添加物すなわち a)0.1-15重量%、特に0.5-6重量%のAl b)0.0-8重量%、特に0.2-3重量%のCa,Sr又はBa c)0.0-4重量%、特に0.2-2重量%のZn d)0.0-6重量%、特に0.2-3重量%のSi,Ge,B,Sb e)0.0-6重量%、特に0.2-3重量%のZr,Mn、 (なお残りはマグネシウムと不純物)又はこれらの上位添加物のグループa)-d)を含むMn又はZ rの二成分拡張固溶体(残りはマグネシウムと不純物)を含有していてよく、これら全 てがサブグループa)-e)又はd)までの間で可能な上位合金化用添加物の組み合わせのい ずれか特に0.2-10重量%のCe,La,Pr,Nd又はSm、及び0.5-3重量%のAl及び0.1-1 重量%のCa,Sr又はBa(残りはマグネシウムと不純物)を含む合金から、請求の範囲第12 項の1a),2a),3a)及び4)-7)までに記載の合金転換経路のいずれかを用いて、相乗 的に形成された析出物の細かい分散を目的としている、マグネシウムベ-スの合金。 10. 請求の範囲第9項の二成分合金化用添加物を含有する、微粒化方法特に電気 流体力学(EHD)式微粒化によって作られたマグネシウムベ-スの合金において、 − ガス微粒化の場合には特にヘリウム又はヘリウムともう一つの不活性ガスとの混合物を用 い、あらゆる場合において微粒化、結果として得られた粉末及びその他の粉末取 り扱いを保護する目的で不純物活性雰囲気を用いて、再輝によって制御される可 能性のある成長が到来した時点で本質的にcph-Mg固溶体又はその他のあらゆる準 安定結晶質又は非晶質相の中に二成分合金化用添加物を保持できるようにする冷 硬条件及び結果として得られる液体過少冷却を利用するために、5μm未満、特 に1μm未満の粒径そして10-15μm特に5μmを超えない最大粒径での粒径分布内 に頻度最大をもつ粉末を生成するべく処理条件を調整し、 これらの二成分拡張固溶体は、請求の範囲第8項に記載の上位合金化用添加物、 好ましくは第8項のものの50%といったより低いレベルの上位合金化用添加物(残 りはマグネシウムと不純物)を含有していてよく、上位添加物は全て、第8項のサブグループ a)-e)又は-d)の間で可能な上位合金化用添加物の組み合わせのいずれか、特に0. 2-10重量%のCe,La,Pr,Nd又はSm及び、0.5-3重量%のAl及び0.1-1重量%のCa,Sr 又はBaを含有する合金から、請求の範囲第11項及び第12項に記載の合金転換経路 (ただしせん断無しで)ならびに第12.7項に従った経路を用いることによって相 乗的に形成された析出物の細かい分散を目的としている、マグネシウムベ -スの合金。 11. 請求の範囲第1項-第4項及び第8項-第10項に記載のMg又はAlベ-スの合金を 製造する方法において、合金は、インゴット及び/又は加圧ダイカスト法及び/又は蒸気溶 着、融解紡束、EHD微粒化及び機械的合金化/ボール及び/又はバー及び/又はロッドミル 摩砕技術によって作られ、次に押し出し成形バー及びロッドを含めた製品の製作、鍛 造製品製造、シート、板、ホイル(への圧延)及び管及びワイヤ(への例えば引抜き加工)を 行うことになり、ここでこれらの製品の製造には、残留(遊離)水素が2000ppm のレベルを超えない状態での最高500℃の温度でのガス抜き、特に1ppmでの呼び加熱、 特に60-550℃での高温(均衡)プレス加工、50-1400MPaの圧力での冷間(均衡)プレス 加工、直接的粉末鍛造、爆発及び/又は衝撃式固化及び、アンダーカット、テーパー付き表面 及びクロスホールを含む広範な幾何形状オプションを可能にする150℃-600℃の間の温度での 結合解除中の進行性分解を含め低コストで高い複雑性と精度をもつ部品を提供する 金属粉末射出成形といった(予備)処理及び/又は(予備)圧縮成形方法が含ま れている、製造方法。(第15項参照) 12. 請求の範囲第1項-第2.24項及び第4項及び第8項-第10項のいずれか1項又 は複数項に記載のマグネシウム又はアルミニウムベ-スの合金及び、請求の範囲第15.1項及び/ 又は第15.2項に記載の結果として得られた(例えば粗製に近い形状の)製品を製 造する方法において、さらに以下の合金転換経路のうちの少なくとも1つを利用 することを特徴とする方法: 12.1 対応する粉末及び/又はインサイチュ固化された及び/又はCIP及び/又はHIP を受けた予備的形成品、層など及び/又は合金の押し出し成形;すなわち、 a)35℃-450℃で0.2-10時間の予備加熱サイクルを利用する請求の範囲第4.1項、第4.2 項及び第4.6項に記載のMg希土類金属及び/又はミッシュメタル及び/又はSc及び/又は Yベースの固溶体及び対応する上位合金系については、15℃-400℃の押し出し成形温 度で3:1及び45:1の間の圧延比、特に50℃-250℃の押し出し温度を用いて8:1-22: 1の間の比圧延での押し出し成形で、ここで請求される手頃なラム速度は0.001-15m m/秒、特に0.01-4mm/秒である。 − この後、圧力除去のための60℃-300℃、特に80℃-280℃の間の温度での少な くとも1回の熱処理及び/又はcph-Mg又はその他の任意の非平衡Mgベースマトリクス相の 中の希土類元素の対応する固溶体の中に源を発する不動態化効果を(実質的に)低 減させることのないGp(ゾーン)及び/又は析出物及びその他の第2相の選択された 析出及び/又は(選択された)溶解が行われる、 − 或いは、このような熱処理はこの後に行われない、 b)Mg又はAl遷移金属ベースの固溶体及び上位のMg-TM-TM-TM及びAlベースの合金系につ いて、ならびに希土類及び遷移金属を伴う上位固溶体及び対応する上位合金系な らびに請求の範囲第4.3項-第4.6項に記載のRE及びTMを伴う、及び伴わないMgメタロイド (Si,Ge,B,Sb,Be)ベースの固溶体については、全て対応する温度範囲内での0.1-10 時間の予備加熱後の15℃-500℃の押し出し成形温度での3:1-45:1の間の圧延比特 に50℃-320℃の押し出し成形温度での8:1-22:1の間の圧延比での押し出し成形を 利用し、ここで請求される手頃なラム速度は0.001-15mm/秒、特に0.01-4mm/秒であ る。 − この後、圧力除去のための60℃-400℃、特に80℃-280℃の間の温度での少な くとも1回の熱処理及び/又はcph-Mg,fce-Al又はその他の任意の非平衡Mgベ-ス又 はAlベ-スマトリクス相内の遷移及び/又は希土類金属及び/又はメタロイド元素の対応する 拡張固溶体の中に源を発する不動態効果を(実質的に)低減させることのないGp (ゾーン)及び/又は析出物及びその他の第2相の選択された析出物及び/又は(選 択された)溶解がおこなわれる、 − 或いはこのような熱処理はこの後に行われない、 12.2 対応する粉末及び/又はインサイチュ固化された及び/又はCIP及び/又はHIP を受けた予備的形成品、層など及び/又は合金の圧延: a)請求の範囲第12項の第12.1a項に記載の合金グループについては、ここでは、対応 する合金の予備的形成品又はビレットを圧延原料の形に成形し、これを次に90℃-520 ℃の温度で0.1-10時間予備加熱し、その後、利用されるローラの表面にて0.05-100m /分の圧延速度で加熱原料を圧延し、かくしてローラーの間隙を調整して1回のパスに つき0.5-80%だけ厚みを減少させ、厚み0.1-10mmのシート及びプレートに達するように し(なお、この作業は100℃-500℃、特に130℃-500℃の温度で、所要圧延パスの間 に全く付加的熱処理なく又は少なくとも1回の付加的熱処理を用いて行われる) 、かくして圧延パスには、利用された先行圧延パスの数に応じて可変的な又は固定の 厚み減少比が関与することになる、 − この後、圧力除去のため60℃-400℃特に80℃-280℃の間の温度での少なくと も1回の熱処理及び/又はcph-Mg又はその他の任意の非平衡Mgベースマトリクス相の中の 希土類元素MM及びScの対応する固溶体の中に源を発する不動態化効果を(実質的 に)低減させることのないGP(ゾーン)及び/又は析出物及びその他の第2相の選択さ れた析出及び/又は(選択された)溶解が行われる、 − 或いはこのような熱処理は、この後におこなわれない、 b)請求の範囲第12項の第12.1b項に記載の合金グループについては、ここでは、対応 する合金の予備的形成品又はビレットを圧延原料の形に成形し、これを次に70℃-520 ℃の温度で0.1-10時間予備加熱し、その後、利用されるローラの表面にて0.05-100m /分の圧延速度で加熱原料を圧延し、かくしてローラーの間隙を調整して1回のパスに つき0.5-80%だけ厚みを減少させ厚み0.1-10mmのシート及びプレートに達するようにし て(なおこの作業は50℃-450℃、特に110℃-500℃の温度で、所要圧延パスの間に 全く付加的熱処理なく、又は少なくとも1回の付加的熱処理を用いて行われる) 、かくして圧延パスには、利用された先行圧延パスの数に応じて可変的な又は固定の 厚み減少比が関与することになる、 − この後、圧力除去のため60-400℃、特に80℃-280℃の間の温度での少なくと も1回の焼なまし処理及び/又はcph-Mg,fcc-Al又はその他の任意の非平衡Mgベース 又はAlベースのマトリクス相の中の遷移及び/又は希土類金属及び/又はメタロイド元素の対 応する拡張固溶体の中に源を発する不動態効果を(実質的に)低減させる ことのないGP(ゾーン)及び/又は析出物及びその他の第2相の選択された析出及び /又は(選択された)溶解が行われる、 − 或いはこのような熱処理はこの後に行われない、 12.3 対応する粉末及び/又はインサイチュ固化された及び/又はCIP及び/又はHIPを 受けた及び/又は(押し出し成形された)予備的形成品、層など及び/又は合金 の鍛造作業; a)請求の範囲第12項の第12.1a項に記載の合金グループについては、鍛造は、場合に よって対応する温度での0.1-10時間の予備加熱の後、50℃-520℃、特に170℃-45 0℃の温度で行われ、かくして、型鍛造又は自由鍛造方法を用いることによって 少なくとも10-50%又は50%以上、対応する固化された合金(特に円筒形の)予 備的形成品又はビレットを変形する。 − この後、圧力除去のため60℃-400℃、特に80℃-280℃の間の温度での少なく とも1回の熱処理及び/又はcph-Mg,又はその他の任意の非平衡Mgベースマトリクス相の 中の希土類金属元素MM及びScの対応する固溶体の中に源を発する不動態効果を( 実質的に)低減させることのないGP(ゾーン)及び/又は析出物及びその他の第2相 の選択された析出及び/又は(選択された)溶解が行われる、 − 或いはこのような熱処理はこの後に行われない、 b)請求の範囲第12項の第12.1b項に記載の合金グループについては、鍛造は、場合に よって対応する温度での0.1-10時間の予備加熱の後、50℃-520℃、特に150℃-45 0℃の温度で行われ、かくして、型鍛造又は自由鍛造方法を用いることによって 少なくとも10-50%又は50%以上、対応する固化された合金(特に円筒形の)予 備的形成品又はビレットを変形する。 − この後、圧力除去のため60-400℃、特に80℃-280℃の間の温度での少なくと も1回の焼きなまし処理及び/又はcph-Mg,fcc-Al又はその他の任意の非平衡Mgベース またはAlベースマトリクス相の中の遷移及び/又は希土類金属及び/又はメタロイド元素の 対応する拡張固溶体の中に源を発する不動態効果を(実質的に)低減させること のないGP(ゾーン)及び/又は析出物及びその他の第2相の選択された析出及び/又 は(選択された)溶解が行われる、 − 或いはこのような熱処理はこの後に行われない。及び/又は 12.4 請求の範囲第12項の第12.1a項は第12.1b項の合金の押し出し成形のために 示された温度範囲内の温度での、a)又はb)タイプのMgベ-ス又はAlベースの非平衡マトリクス相 合金(第12.1a項)及び第12.1b項参照)の対応する機械的合金化、押し出し成形 又は圧延を受けた状態の合金製品の直接及び逆転用絞り、曲げ及び引っ張り成形 を含む、絞り、深絞り加工、及び/又は 12.5 20℃-450℃の温度で、8*10-1-10-5/秒のひずみ率特に100℃-350℃の温度で 10-1-10-3/秒のひずみ率を用いることによる、a)又はb)タイプのMgベース又はAlベースの 非平換マトリクス相合金(第12.1a項、又は12.1b項参照)のCIP及び/又はHIPを受け た状態(第11項参照)及び/又は押し出し成形及び/又は圧延を受けた状態の合 金製品の、単純又は複雑な形状への超塑性成形、及び/又は、 12.6 特に0.2-5μmの粒径までボールミル摩砕技術を用いて微細化した後の、請求の範 囲第2項、2.2.6項及び/又は2.2.7項の化合物及び/又はその変形態様の少なく とも1つに従った微粒子、短及び長繊維及び/又はホイスカーを含む適切な補強材と の(場合によってはせん断された固化済み予備的形成品からの)粉末の混合、又は このような混合無し、次に − 180℃-450℃の温度での0.5-10時間のガス抜き及び/又は − 又はかかるガス抜き無し、及び/又は − 200℃-450℃の範囲内の温度での0.5-6時間の予備加熱、及び/又は − 100℃-450℃での1-6時間の高温−均衡プレス加工及び/又は − 請求の範囲第12.1項-12.5項の1項または複数項で要求されている温度に至る までの1-4時間の予備加熱、及び対応するa)又はb)タイプのMgベースの拡張固溶体合金 の第12.1項-12.5項及び12.7項のいずれかの組み合わせによって与えられるよう な合金転換及び/又は 12.7 請求の範囲第12項の第12.1項-第12.6項に示されている合金転換経路のいず れか1つの後、10℃-90℃の温度で油又は水の中での成形作業を終えた後の前記 製品の直接的焼き入れ又は空中での冷却、及びその後の a)60℃-150℃で1-100時間、特に80℃-100℃で1-5時間の最終焼なまし処理、又は b)130℃-350℃での1-1000時間、特に1-300時間の人工時効処理、 又は c)それ以上の処理無し及び/又は d)第12項a)タイプ及び/又はb)タイプの方法で記されているような条件を用いた、任意 の時点での対応する合金製品の利用後の焼なまし処理。 13 鍛造及び/又は固化の間の融成物から分離された金属間及び/又は第2の相 を溶体化するべく、請求の範囲第3.3.2項記載の温度で0.5-1000時間、鋳造され た状態の合金を保持すること、又はかかる固溶体熱処理無しで、その後 − それ以上の処理を行わない、又は − 0.25-1000時間140℃-400℃特に150℃-280℃の温度での人工時効処理及び/又 は − 10℃-90℃特に20℃-80℃の温度での油又は水中での前記製品形態の焼き入れ 及び/又は空気中での焼き入れを行い、及び/又は、全て(3つ)のケースにおい て、その後、 − 0.1-10時間60℃-120℃特に1-5時間80℃-100℃での最終焼きなまし処理を行い 、あらゆる負荷及び/又はミクロ構造の進展によって蓄積された残留応力及び/又 は粒界相を解消するべく対応する使用中のコンポーネントの耐用期間中いつでもこの焼 きなまし処理を行うか、又は − それ以上の処理を全く行わないことをその対応する処理の特徴とする、請求 の範囲第3項記載のマグネシウム合金及び/又は請求の範囲第15.1項記載のMgベースの製 品。 13.1 三成分及び/又は上位の合金化用添加物の大部分及び/又は不動態化用成 分(第3項参照)が再び固溶体の中に取り込まれ及び/又はその中に保持される 、第3.3.2項に記載の温度で0.25-1000時間の溶体熱処理の間、鋳造された状態の 合金を保持するか、又はこのような固溶体熱処理を全く行わず、その後、成形作 業を全く行わない及び/又は、 − 280℃-550℃特に350℃-480℃で10:1-40:1特に12:1-25:1の押し出し比を用い た押し出し成形を行いかつ/又は − 必要とされる圧延パスの間に付加的な熱処理を全く用いない又は少なくとも1 回用いる、360℃-560℃特に390℃-480℃での圧延、 − 又は必要とされる鍛造パスの間に付加的な熱処理を全く用いない又は少なくと も1回用いる、360℃-560℃特に380℃-480℃での鍛造作業、を行うか、又は押し 出し加工の後にいかなる圧延又は鍛造作業も行われず、次に − 10℃-90℃特に20℃-80℃の温度の油又は水中で及び/又は空気中で前記製品 形態を直接焼き入れし、かつ/又は − 又は、第1項の第1.3.2項にある通りの温度で0.1-300時間第2の溶体処理を 行い、次に10℃-90℃特に20℃-80℃の温度の油又は水中及び/又は空気中で前記 製品形態を焼き入れしかつ/又は − その後、140℃-400℃特に150℃-280℃の温度で0.25-1000時間人工時効を行い 、かつ/又は、 全て(3つ)のケースにおいてその後 − 0.1-10時間60℃-120℃で特に1-5時間80℃-100℃での最終焼なまし処理を行い 、あらゆる負荷及び/又はミクロ構造の進展によって蓄積された残留応力及び/又 は粒界相を解消するべく対応する使用中のコンポーネントの耐用期間中いつでもこの焼 なまし処理を行うか、又は、 − それ以上の処理を全く行わないことをその対応する処理の特徴とする、請求 の範囲第3項及び/又は第13項記載のマグネシウム合金及び/又は請求の範囲第15.1項 記載のMgベースの製品。 13.2 対応する処理は、1.5の係数が乗じられた第3項タイプの溶質の最大レベルを特徴 とし、利用される方法は、スプレー成形及び/又はスプレー溶着技術、特に線形アトマイザーの 概念すなわち改善された生産性を伴う微粒化のための線形に延びたクロスオーバーを用 いる技術並びに平面流鋳造、融解紡糸及びツインローラ-焼き入れなどの連続的冷硬−ブロック 焼き入れ技術を含む(不活性)ガス微粒化によって得ることができるような中 間的及び比較的高い成長率での固化を含む融成物の結合開裂によって特徴づけら れ、かつ/又は、場合によっては大きい固溶体強化そしていずれの場合でも、バー 及びロッドへの押し出し成形、鍛造品の製造、(例えば)シート、プレート、ホイル(への圧 延)及び(例えば)管及びワイヤ(への絞り加工)といった対応する鋳造された状 態の(15-2タイプの製品)合金転換に比べて増強された不動態化効果及び前記(急速 に)固化された表面及び/又はミクロ構造のための短縮された時間と結びつ けられたミクロ粒子のミクロ構造を生成するための第3項に記載の不動態化用成分の添 加物の少なくとも1つを伴う及び伴わないレーザー合金表面再融解を特徴としている 、請求の範囲第3項,13項及び第13.1項のいずれか1項又は複数項記載のマグネシウム 合金及び請求の範囲第15.1項に記載のMgベースの製品。 13.3 三成分及び/又は上位の合金化用添加物の大部分及び/又は不動態化用成 分(第3項参照)が再び固溶体の中に取り込まれ及び/又はその中に保持される、 第3.3.2 項に記載の温度で0.25-1000時間の溶体熱処理の間、凝固された状態の 合金を保持するか、又はこのような固溶体熱処理を全く行わず、その後、 − 冷硬−ブロック焼き入れされたホイルの場合には、薄片様の粉末へとせん断し、かつ /又は − 200℃-420℃の温度で0.5-10時間ガス抜きし、かつ/又は − 0.5-4時間200℃-350℃で予備加熱し、及び/又は − 200℃-500℃で1-6時間高温−均衡プレス加工し、次に − 200℃-400℃で1-4時間予備加熱し、及び/(又はせん断などが全く無く、固 化された状態又は溶体化された合金に直接) − 100℃-550℃特に280℃-480℃で8:1-40:1の押し出し比を用いて、特により高 い押し出し温度で(すなわち150℃-550℃)10:1-25:1の押し出し比を用いて押し 出し成形を行い、かつ/又は − 合金化用要素が実質的に固溶体内に保持され及び/又はこの中に再び取り込 まれる、340℃-500℃特に380℃-450℃で最高10時間にわたる溶体化処理を行い、 かつ/又は、その後に、 − 必要とされる圧延パスの間に付加的な熱処理を全く用いない又は少なくとも1 回用いる、220℃-560℃特に390℃-480℃での圧延、 − 又は、必要とされる鍛造パスの間に付加的な熱処理を全く用いない又は少なく とも1回用いる200℃-560℃特に250℃-450℃での鍛造作業、を行うか、又は押し 出し加工の後にいかなる圧延又は鍛造作業も行わず、かつ/又は次に、 − 10℃-90℃特に20℃-80℃の温度の油又は水中及び/又は空気中で前記製品形 態を直接焼き入れし、かつ/又は、 − 又は、第1項の第1.3.2項にある通りの温度で0.1-300時間第2の溶体処理を 行い、次に10℃-90℃特に20℃-80℃の温度の油又は水中及び/又は空気中で前記 製品形態を焼き入れし、かつ/又は、 − その後、140℃-400℃特に150℃-280℃の温度で0.25-1000時間人工時効を行い 、かつ/又は 上述の処理代替案のいずれかケースにおいても、次に − 0.1-10時間60℃-120℃で特に1-5時間80℃-100℃での最終焼なまし処理を行い 、あらゆる負荷及び/又はミクロ構造の進展によって蓄積された残留応力及び/又 は粒界相を解消するべく対応する使用中のコンポーネントの耐用期間中いつでもこの焼 なましを行うが、又は、 − それ以上の処理を全く行わないことをその対応する処理の特徴とする、請求 の範囲第3項及び第13項-13.2項のいずれか1項及び/又は複数項記載のマグネシウム 合金及び/又は第15.1項及び/又は15.2項記載のMgベースの製品。及び/又は 13.4 対応する処理は、従来の鋳造方法(第15.2項)によって得られる対応する 鋳造された状態のミクロ構造及び製品と比べて、凝固されたままの状態での、前記 製品及びミクロ構造の溶体熱処理のための時間が短縮された状態で、第9項にある ような結合開裂及びそれに続く固化方法に立ち戻る必要なく充分な境界強化効果 を達成するべく、0.1-10mm特に0.2-5mmの横断面を結果としてもたらすための合 金融成物の結合開裂なく第8項に記載のスプレー溶着技術によるような合金融成物の 結合開裂を含む薄片鋳造を特徴としており、製品はさらにシート、プレート、ホイルへの( 例えば圧延)及び管及びワイヤへの(例えば絞り加工)製造により特徴づけられてい る、請求の範囲第3項及び第13項-13.3項のいずれか1項又は複数項記載のマグネシウム 合金及び/又は第15.1項及び/又は15.2項記載のMgベースの製品及び/又は、 13.5 三成分及び/又は上位の合金化用添加物の大部分及び/又は不動態化用成 分が再び固溶体の中に取り込まれ及び/又はその中に保持される、第3.3.2項に 記載の温度で0.25-1000時間の溶体熱処理の間、鋳造された状態の合金を保持す るか、又はこのような固溶体熱処理を全く行わず、かつ/又は、その後 − 必要とされる圧延パスの間に付加的な熱処理を全く用いない又は少なくとも1 回用いる、200℃-560℃特に250℃-500℃での圧延を行い、かつ/又は − 10℃-90℃特に20℃-80℃の温度の油又は水中で及び/又は空気中で、前記製 品形態を直接焼き入れし、かつ/又は、 − 又は、第1項の第1.3.2項にある通りの温度で0.1-300時間第2の溶体処理を 行い、次に10℃-90℃特に20℃-80℃の温度の油又は水中及び/又は空気中で、前 記製品形態を直接焼き入れし、かつ/又は、 − 第2の溶体熱処理の後、10℃-90℃特に20℃-80℃の油又は水中及び/又は空 気中で、前記製品形態を焼き入れし、かつ/又は、 − その後、140℃-400℃特に150℃-280℃の温度で0.25-1000時間人工時効を行い 、かつ/又は 上述の処理代替案のいずれのケースにおいても、次に − 0.1-10時間60℃-120℃で特に1-5時間80℃-100℃での最終焼なまし処理を行い 、あらゆる負荷及び/はミクロ構造の進展によって蓄積された残留応力及び/又は 粒界相を解消するべく対応する使用中のコンポーネントの耐用期間中いつでもこの焼な まし処理を行うが、又は、 − それ以上の処理を全く行わないことをその対応する処理の特徴とする、請求 の範囲第3項及び第13項-13.3項のいずれか1項及び/又は複数項記載のマグネシウム 合金及び/又は第15.1項及び/又は15.2項記載のMgベースの製品。 14. PVD及び/又はボール及び/又はバー及び/又はロッドミル摩砕技術によって作られた 同一同Mgベース又はAlベースの継ぎ手によって接合され、機械的継ぎ手はリベット、ネジ、ボルト、 自動折り曲げ装置、HT-締まりばめであり、しかも/又は接着剤ボンデイング方法(ゴム 及び/又はエポキシ樹脂、エトキシリン樹脂、フェノールベ-ス材料を用いたもの)及び/又は拡散ボンデイング (30MPaもの高い圧力にて)及び/又は高品質溶接及び継ぎ手のための慣性 及び線形摩擦溶接及び/又は熱噴霧(例えば全て、同一異機械的継ぎ手を扱う受 動的Mgコンポーネント及びMg継ぎ手及び/又は異種金属の上面)によって、しかも/又 は高純度継手面及び/又は接着剤中間層及び/又は清浄、グリース除去及び陽極酸化 や酸洗い、下塗り(例えばクロム酸塩及び重クロム酸塩での)を含むコーテイングを用いて接 合されることをさらなる特徴とする、請求の範囲第1項-13項のいずれか1項又 は複数項記載のマグネシウム又アルミニウムベ-スの合金及び/又は対応する(半完成)製品。 15. 請求の範囲第1項-第14項のいずれか1項又は複数項記載のマグネシウム又アルミニウムベ -スの合金を製造する方法において、(特に)以下の各項を特徴とする合金及び方法 : 15.1 a)請求の範囲第1項-第14項のいずれか1項又は複数記載マグネシウムベ-スの合金 を0.2-20mm特に0.5-10mmの範囲内の壁厚まで加圧ダイカスト及び/又は薄壁鋳造する こと。 ここで、結果として得られる製品は、自動車及び航空機といった陸上及び 航空輸送システム、特に列車内及び/又は航空(宇宙及び航空宇宙)コンポーネント及び/又 は悪天候に露呈される利用分野、ならびに合金が例えばオイル(塩基性環境)にさら されるような利用分野及び/又はコンピューターの利用分野に使用される、及び/又は (コンマがある場合、及び/又はと解釈すること); b)結果として得られる製品としては、パイロットエジェクションシート、ナビゲータ用シートといった航空 機用シート、自動車、列車及び/又は航空機、信号手、ファースト、セカンド及びエコノミークラス利用 すべきシート及びパネル及び継ぎ手が含まれ、これらは全て、精練された製品形態、例 えば管状コンポーネント及び/又はシートフレーム(航空宇宙用)計器及びパネル、窓枠、扉及び/ 又は扉枠(例えばホイールケース、エンジンアクセス、爆弾倉、乗客用セル、コックピットキャノピー用のもの) 及び/又はウインドスクリーン、着陸装置の脚、ノーズホイール、フランジ、リーリング、プーローを含む大型及び /又は小形ホイールさらにブレーキ及び/又はブレーキコンポーネント、取り付け金具及び/又は隔壁 、酸素ボンベ、ブラケット、精密かみ合わせコンポーネント、回転子コンポーネント例えばスタブロ及び/又は 回転子ヘッド、無線木枠を含む溶接枠構造、及び/又はリーリング支持構造、前縁及び/ 又は後縁、上下先端部、ナセル上部カウルパネル及び/又は昇降舵、翼及び/又は安定板コンポーネント 例えばスピナ、ジェットポット、昇降舵トリムタブ、けた、フランジの尾部、翼鋳物、ワッフル、下部構 造及び/又は防氷コンポーネントなど及び/又はハウジング(クラッチ、クランクケース、ギヤボックス、トランスミッション、ロック 及びポンプハウジングなど)、カバー(センジンブロック、エンジン周辺部及びシャシーカバー)及び支持コンポーネント (例えばサブフレーム、サスペンション及びブラケット部品)と場合によって組み合わされている。 15.2 a)バー 及びロットへの押し出し成形、鍛造品、シート、プレート及びホイルならびに絞り製 品の製造を含む 、請求の範囲第1項-14項のいずれか1項又は複数項記載のマグネシウム 又アルミニウムベ-スの合金及び/又は製品のためのインゴット 鋳造方法。ここで、結果とし て得られる製品は自動車及び航空機といった陸上及び航空輸送システム、特に列 車内及び/又は航空(宇宙及び航空宇宙)コンポーネント及び/又は悪天候に露呈され る利用分野、ならびに合金が例えばオイル(塩基性環境)にさらされるような利用分 野及び/又はコンピューターの利用分野に使用される、及び/又は(コンマがある場合には 及び/又はと解釈すること); b)結果として得られる製品としては、大型構造コンポーネント、ビームフロアリング、プレス鍛造品、インターコスタルコンポーネント、ドアシート、 (例えばホイールケース、エンジンアクセス、爆弾倉、乗客用セル、コックピットキャノピー 用のもの)及び/又はウインドスクリーン、着陸装置の脚、ノーズホイール、フランジ、リーリング、プ-リーを含 む大型及び/又は小型ホイール、さらにはブレーキ、及び/又はブレーキコンポーネント、管類、取り付 け金具及び/又は隔壁、酸素ボンベブラケット、兵器取り付け板、精密かみ合わせコンポーネント、 回転子コンポーネント例えばスタブロ及び/又は回転子ヘッド、タンク、無線木枠を含む溶接枠構造 及び/又はリーリング支持構造のためのコンポーネント、ミサイル、発射台、サテライト、及び/又はプローブ 内の支持形材、宇宙用計器、モノコック構造を含む胴体外板、ギヤケース、ナセル、扉、翼用のも のを含むフェアリング外板及び/又はモノコック構造用のものを含む安定板外板、前縁及び /又は後縁、上下先端部、ナセル上部カウルパネル及び/又は昇降舵、翼、及び/又は安 定板コンポーネント例えば、スピナ、ジェットポット、昇降舵トリムタブ、けたフランジの船尾、翼鋳物、テイルユニットコンポーネント 例えば方向舵トリムタブ、方向舵、補助翼前縁、垂直安定板トレーリング及び/又 は背びれ外板、内部シート(及び)、ワッフル下部構造、防氷コンポーネント、エアダクト及び/又は内 部扉外板など、 及び/又は自動車、列車、ミサイル、ロケット及び/又はサテライトの分野におけるあらゆる同 等の利用分野、が含まれる。 16. a)市販のMg合金WE54,WE43,ZE63,ZE41,EZ33,EZ32,AE41,AE42,QE22,EQ21,AZ91 D/E,AZ61A/B,AZ31A/B,AM20,AM50,AM60又はその他のあらゆるAMベース合金AS41,AS42 及び対応する高純度変形形態(例えばAE42X1,AM50X1など)を含むEARSタイプ のMgベース合金、EA55RS,EA65RS及び結果として得られる製品(請求の範囲第15 項参照)及び/又は b)請求の範囲第1項-4項のいずれか1項又は複数項記載され、かつ(i)適切な鋳 造又は(ii)特に対応する自動車、列車、弾道及びサテライトの利用分野における本明 細書の第1項-15項のいずれか1項又は複数項記載の先進的処理及び/又は、(ii i) その他のあらゆる最新の処理方法によって作られた新しいMg及び/又はAl合金及 び製品、(残りはマグネシウムと不純物)、のレーザー又は電子表面ビーム(再)融解又はトラバ-シング において、該16項の1a)項及び1b)項に示されているバルク組成の合金の表面層内 でMg又はAlベースの固溶体又はその他の結果としてもたらされるあらゆる準安定構 造変形形態の中に保持されるべき合金化用要素の大きな及び/又はわずかな分率 を伴うミクロ構造表面を得る目的で、利用される合金に応じて0.5mm/秒-6m/秒特に1 cm-4m/秒のレーザー又は電子表面ビーム撤去速度を用いることによって、及び/又はa) 項及びb)項に記した対応するバルク組成に関して表面組成を変更するべくこれらの 合金のうちの単数又は複数の表面に補足的(余剰の)要素を添加するか又はしな いことによって、表面ミクロ構造のみが修正されており、この添加すべき補足的要 素が、 c)0.1-100%の合金化レベルの表面層を結果としてもたらす(高純度)Al,Ti,Zr,Mn,Cr ,Nb,Mo,Hf,Re,W及び/又はTa 及び/又は − 0.1-100%のSi,Ge,B及びSbレベルをもつ表面層を結果としてもたらす、Si,Ge,B, Sb及び/又は − a)項及びb)項で記した合金について0.1-100%のZn,Zr,Mn,Ag,Cu及びNiレベルの 表面層を結果としてもたらす、Zn,Zr,Mn,Ag,Cu,Niであるか、又は d)合金の表面及びバルク内において、Mg又はAlベースの拡張固溶体又はその他の任意の Mg又はAlベ-スの非平換マトリクス相合金を生成するのに利用される請求の範囲第2項, 3項,4項及び/又は9項のいずれか1項又は複数項に記載の二成分合金化用要 素、であり、 ただしここでは、この二成分要素のレベルが0.1-100%である表面層を得るべく、該 16項のa)項に記した合金のための表面及び立証済みの(例えばLA141)及び新し いMg-Liベースの合金の表面のみに添加され、前記c)及びd)項に記載の可能性のいず れかにおいて、表面の余剰な合金用添加物は、レーザー又は電子ビームの表面(再)融解 又はトラバ-シングを介して表面に対して合金化(<100%)及び/又はクラッデイング(100%) を行うことによって添加され、その目的は、 − 添加された及び/又は旧バルク表面要素の少なくとも大部分が最小限のミクロ電食 活性及び最大限の表面酸化物不動態をもつ単層ミクロ構造を形成している、表面層 、又は − a)項のバルク合金に対するc)項及びd)項に基づく表面添加及びb)項のバルク合金に 対するc)項に基づく表面添加の組み合わせのいずれかから相乗的に形成されたも のの、請求の範囲第9項に記載の不動態化されたMgベースマトリクス相が形成されこれら の表面析出物と共存できるような形で第12項の1a)及び1b)項に記載の熱処理など によって調整された細かい析出物分数、 にあり、 結果として得られる表面ミクロ構造は、いずれの場合でも、利用される合金に応じ て、0.5mm/秒-6m/秒、特に1cm-4m/秒のレーザー又は電子表面ビーム撤去速度を用いて得 ることができる、レーザー 又は電子表面ビームの(再)融解及びトラバ-シング。
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