JPH1047799A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JPH1047799A
JPH1047799A JP8198140A JP19814096A JPH1047799A JP H1047799 A JPH1047799 A JP H1047799A JP 8198140 A JP8198140 A JP 8198140A JP 19814096 A JP19814096 A JP 19814096A JP H1047799 A JPH1047799 A JP H1047799A
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JP
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refrigeration cycle
refrigerant
expansion valve
pressure
electronic expansion
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JP8198140A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Sano
野 哲 夫 佐
Megumi Komasaki
惠 胡摩崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 代替冷媒を支障なく使用することができる冷
凍サイクル装置を提供することにある。 【解決手段】 圧縮機(2)、第1熱交換器(3)、減
圧装置(4、10)及び第2熱交換器(5)を順次接続
して形成された冷凍サイクル(1)を有する。前記冷凍
サイクル(1)には50℃における飽和圧力が2500
kPa以上である冷媒が使用される。前記減圧装置
(4、10)は、膨張弁(4)と、前記膨張弁(4)に
対して直列に設けられたキャピラリーチューブ(10)
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクル装置
に係わり、特に、50℃における飽和圧力が2500k
Pa以上である冷媒を使用する冷凍サイクル装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍サイクル装置においては、一
般にHCFC冷媒やCFC冷媒が使用されており、特に
HCFC22が多用されている。HCFC22はオゾン
層破壊の原因となる塩素を含んでいるものの、水素も含
んでいるため、オゾン層破壊係数は水素を含んでいない
CFC12等に比べると小さい。しかしながら、HCF
C22のオゾン層破壊係数は、小さいとはいえゼロでは
ないので、オゾン層を保護するために、従来使用されて
きたHCFC22に代えて、オゾン層破壊係数がゼロで
あるHFC或いはHCを冷凍サイクル装置の冷媒(代替
冷媒)として使用する試みがなされている。そして、こ
のような代替冷媒を使用する上で必要となる機器の研究
・開発が急ピッチで行われている。
【0003】現在検討されている代替冷媒には、R32
(ジフルオロメタン)とR125(ペンタフルオロエタ
ン)の混合冷媒R410Aや、R32とR125とR1
34a(テトラフルオロエタン)の混合冷媒R407C
や、プロパンR290(C38 )等があり、これらの
代替冷媒の特性を従来使用されているR22と比較する
と以下の通りである。 R410A:動作圧力=約150% 単位能力当たりの体積流量=約70%(但し、液体状態
での比較) R407C:動作圧力=約107% 単位能力当たりの体積流量=約100%(但し、液体状
態での比較) R290 :動作圧力=約100% 単位能力当たりの体積流量=約110%(但し、液体状
態での比較) R410Aについて補足して説明すると、このR410
AはHFC32とHFC125とをそれぞれ50%ずつ
含んだ混合媒体である。そして、R410Aの成分冷媒
であるHFC32及びHFC125は共にR22に比べ
て飽和圧力が高いため、上記の如くR410Aの動作圧
力はR22の動作圧力の1.5倍と高くなっている。さ
らに、HFC32については、その体積流量当たりの冷
凍能力がR22に比べて大きいために、上記の如く単位
能力当たりの体積流量はR22の0.7倍と小さくなっ
ている。
【0004】また、R407Cについて言えば、その動
作圧力はR22の1.07倍と高くなっており、また、
R290について言えば、その単位能力当たりの体積流
量はR22の1.1倍と高くなっている。
【0005】上記特性を備えた代替冷媒によれば、R2
2と同等の冷凍能力を得るために必要となる冷媒の総流
量がR22よりも少なくて済む。このため、冷凍サイク
ルを構成する配管の内部における冷媒流動による圧力降
下(圧力損失)が減少するので、冷凍サイクルにおける
システム効率が向上するという有利な特徴が得られる。
【0006】しかしながら、従来の冷凍サイクル装置は
あくまでもR22等の従来の冷媒を使用することを前提
として設計されたものであるため、従来の冷凍サイクル
装置をそのままの設計仕様としてR410A等の代替冷
媒を使用すると種々の不都合が生じる。
【0007】例えば、代替冷媒(R410等)を使用す
る場合には、従来の冷媒(R22等)を使用する場合に
比べて冷媒流量の低流量域への制御領域が広くなり、特
に、流量が少ない領域において冷媒流量を精度良く制御
する必要がある。このため、冷媒流量制御装置の絞り弁
における開口度を、閉弁点に極めて近い領域において開
弁制御する必要がある。このように閉弁点近傍において
開弁度を制御しようとすると、絞り弁の弁口近傍におけ
るニードルのごく僅かな位置ずれが冷媒の流量に大きく
影響するため、適切な流量制御を行うことが極めて困難
なものとなる。なお、冷媒流量制御装置としては、温度
式膨張弁、電子式膨張弁、キャピラリーチューブ等が使
用されている。
【0008】そして、流量制御が適切に行われず、例え
ば冷媒の流量が適正な量より過大となってしまった状態
で運転を継続すると液戻りによって圧縮機(コンプレッ
サー)が損傷・劣化し、圧縮機の耐用年数(寿命)を縮
めてしまう。逆に、不適切な流量制御によって冷媒の流
量が過小となってしまった場合には、蒸発器(エバポレ
ーター)におけるスーパーヒートが過大になる。蒸発器
におけるスーパーヒートが過大になると、圧縮機が過熱
するとともに蒸発器の温度にばらつきが生じ、このた
め、冷房能力の不足、効率の低下、機器への結露及び結
露水の落下等の不具合が発生する恐れがある。
【0009】また、代替冷媒は従来の冷媒よりも高い圧
力で使用される冷媒(高圧冷媒)であるため、従来の冷
凍サイクル装置をそのままの構成として代替冷媒を使用
すると、冷凍サイクルを構成する配管等の従来の耐圧性
能では不十分となってしまう恐れがある。
【0010】そこで、代替冷媒を支障なく使用するため
には以下のような改良措置を講じる必要がある。 (1)冷凍サイクルを構成する各構成部材の耐圧性能、
強度を高める。 (2)冷媒流量制御装置の低流量範囲における制御性を
向上させる。
【0011】上述した改良措置を実施するための具体的
な方策としては以下のものが考えられる。 (1)冷凍サイクルを構成する各構成部材の耐圧性能及
び強度を高めるために、冷媒用の配管等の外郭部の肉厚
を増加させるとともに、構成機器の内部部品の強度を向
上させる。 (2)冷媒流量制御装置の低流量範囲における制御性を
向上させるために、冷媒流量制御装置の絞り部の口径を
小さくする。また、電子式膨張弁においては弁開度制御
を小さくする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した改
良措置には以下に述べるような問題点がある。 (1)冷媒用配管等を厚肉化したり、構成機器の内部部
品を強化することによって、製造コストが増加してしま
ったり、或いは、制御弁等の重量増加に伴ってそれを支
持する部材の強度を向上させる必要があり、製造コスト
のさらなる増加を招いてしまう。 (2)冷媒流量制御装置の絞り部の口径を小さくするた
めには微細加工が必要となるが、この微細加工には非常
に高度の加工技術を必要とし、加工精度におけるばらつ
きが大きくなり、このため、冷媒流量制御装置の制御性
が劣化してしまう。また、絞り部の口径を小さくすると
その開口部分に異物が詰まりやすくなるという問題もあ
る。
【0013】上記(2)の問題点について補足して説明
すれば次の通りである。絞り部口径断面積をS、絞り部
入口圧力をP1、絞り部出口圧力をP2とすると、冷媒
流量Gは次式で表される。
【0014】
【数1】 上記関係式から分かるように、冷媒流量Gを一定とした
場合、絞り部の入口と出口との圧力差P1−P2が大き
くなる程、絞り部口径断面積Sを小さくする必要があ
る。ここで、代替冷媒を使用した場合の圧力差P1−P
2は従来の冷媒に比べて大きくなるために、冷媒流量を
適切に制御するためには、従来の場合に比べて絞り部口
径断面積Sを小さくする必要がある。ところが、冷媒流
量制御装置の絞り部の口径を小さくするためには上記の
如く機械加工上の制約があり、例えば1.5mm以下の
径を有する加工用キリを使用した場合、加工用キリ自身
の強度が不十分であり、加工精度において大きなばらつ
きが発生し、加工精度のばらつきは冷媒の流量特性のば
らつきをもたらすという問題がある。
【0015】したがって、上述したような改良措置を行
わなくとも代替冷媒を支障なく使用することができるよ
うにするための方策が求められている。
【0016】そこで、本発明の目的は、上記種々の問題
点を解消し、代替冷媒を支障なく使用することができる
冷凍サイクル装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る冷凍サイクル装置は、圧縮機、第1熱交換器、減圧装
置及び第2熱交換器を順次接続して形成された冷凍サイ
クルを有し、前記冷凍サイクルには50℃における飽和
圧力が2500kPa以上である冷媒が使用される冷凍
サイクル装置であって、前記減圧装置は、膨張弁と、前
記膨張弁に対して直列に設けられたキャピラリーチュー
ブとを備えている。このような構成により、膨張弁にお
ける圧力差を小さくすることが可能である。このため、
従来の冷媒よりも動作圧力の高い代替冷媒を使用した場
合においても、従来の冷凍サイクル装置で用いられてい
る膨張弁をそのまま使用して高い信頼性の下で支障なく
冷媒を制御することができる。
【0018】請求項2記載の発明による冷凍サイクル装
置は、前記膨張弁の両側に前記キャピラリーチューブを
それぞれ配設している。このような構成により、暖房運
転及び冷房運転のいずれの場合であっても、膨張弁の上
流側にいずれかのキャピラリーチューブが位置している
ので、暖房運転か冷房運転かの別にかかわらず、膨張弁
に流入する冷媒が二相流となり、このため、膨張弁にお
ける減圧制御がさらに容易なものとなる。
【0019】請求項3記載の発明による冷凍サイクル装
置は、前記各キャピラリーチューブをバイパスするバイ
パス回路を前記各キャピラリーチューブに対して並列に
それぞれ接続し、前記各バイパス回路の途中に入口側が
前記膨張弁の方向を向くようにして逆止弁をそれぞれ設
けている。このような構成により、膨張弁の下流側に位
置するキャピラリーチューブはバイパス回路によってバ
イパスされるので、冷媒の減圧(絞り)が過度に大きく
なってしまうことを防止することが可能であり、冷媒の
制御を的確に行うことができる。
【0020】請求項4記載の発明による冷凍サイクル装
置は、前記各逆止弁に代えて二方弁をそれぞれ設けてい
る。このような構成では、各二方弁を開閉操作すること
によって、膨張弁の上流側においてのみ冷媒を減圧する
ことができるので、上記請求項3記載の発明と同様の効
果を得ることができる。
【0021】請求項5記載の発明による冷凍サイクル装
置は、圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2熱交換
器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有し、前記
冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2500k
Pa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル装置であ
って、前記減圧装置は、膨張弁と、前記膨張弁に対して
並列に接続されたキャピラリーチューブとを有し、前記
キャピラリーチューブは、前記膨張弁を全閉したとき
に、前記膨張弁の最低冷媒流量よりも小なる冷媒流量を
形成するよう構成している。このような構成では、膨張
弁に対して並列にキャピラリーチューブを接続したの
で、膨張弁における絞り量は膨張弁のみで減圧する場合
に比べて少なくて済む。また、従来の冷凍サイクル装置
に比べて、より小さい流量領域における冷媒の制御が可
能となるので、動作圧力の高い代替冷媒を使用した場合
においても冷媒の制御を的確に行うことができる。
【0022】請求項6記載の発明による冷凍サイクル装
置は、前記膨張弁は電子式膨張弁であり、前記電子式膨
張弁の開方向のトルクを閉方向のトルクよりも大きくす
るよう構成している。このような構成により、一旦全閉
した膨張弁が再開放不能となる事態を確実に防止するこ
とができる。
【0023】請求項7記載の発明による冷凍サイクル装
置は、圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2熱交換
器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有し、前記
冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2500k
Pa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル装置であ
って、前記冷凍サイクル中の圧力の異なる2つの箇所を
連結する短絡流路と、前記短絡流路の途中に設けられた
冷媒貯留タンクと、前記冷媒貯留タンクの両側に設けら
れた各弁手段と、前記冷凍サイクルの運転状況に応じて
前記弁手段を開閉制御し、前記冷凍サイクル中を流れる
冷媒の一部を前記冷媒貯留タンクに出入して冷媒流量を
制御する弁制御装置とを備えている。このような構成で
は、冷凍サイクル内を流れる冷媒の流量を制御すること
ができるので、動作圧力の高い代替冷媒を使用した場合
においても、流量過大による圧縮機の損傷や、流量過小
による冷房能力不足、結露水の落下等の不具合を確実に
防止することができる。
【0024】請求項8記載の発明による冷凍サイクル装
置は、圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2熱交換
器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有し、前記
冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2500k
Pa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル装置であ
って、前記減圧装置は弁座を有する電子式膨張弁を備
え、前記弁座に切り欠き部を形成し、前記電子式膨張弁
を全閉したときに前記切り欠き部を介して微少な冷媒流
量が形成されるよう構成している。このような構成で
は、膨張弁を全閉することによって冷媒流量を微少流量
に制御することが可能であり、このため、動作圧力の高
い代替冷媒を使用した場合であっても、冷媒の制御を支
障なく的確に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 以下、本発明による冷凍サイクル装置の第1実施形態に
ついて図1を参照して説明する。図1において符号1は
本実施形態による冷凍サイクル装置の冷凍サイクルを示
し、この冷凍サイクル1は冷房運転及び暖房運転の切換
が可能な冷暖房用空気調和機に使用されるものである。
【0026】冷凍サイクル1は、圧縮機2、四方弁6、
室外熱交換器3、電子式膨張弁4及び室内熱交換器5を
備えており、これらの機器は冷媒輸送配管7を介して順
次連結されて閉回路が構成されている。また、室外熱交
換器3の傍らには室外ファン8が対向配置されており、
一方、室内熱交換器5の傍らには室内ファン9が対向配
置されている。
【0027】そして、本実施形態においては、室内熱交
換器5と電子式膨張弁4との間の冷媒輸送配管7の途中
に、キャピラリーチューブ10が電子式膨張弁4に対し
て直列に設けられている。キャピラリーチューブ10は
電子式膨張弁4と協働して冷媒を減圧する機能を有して
おり、例えば従来の冷媒の1.5倍の動作圧力を有する
代替冷媒を使用する場合には、必要とする減圧量(圧力
差)の3分の1をキャピラリーチューブ10に負担させ
るように設定し、残りの3分の2を電子式膨張弁4に負
担させるように設定する。
【0028】また、冷凍サイクル1においては、50℃
における飽和圧力が2500kPa以上の冷媒が使用さ
れる。具体的には、R32の組成比率が40%以上の冷
媒、R32及びR125の合計の組成比率が50%以上
の冷媒等が挙げられる。なお、図1において矢印実線は
冷房運転時の冷媒の流れ方向を示し、矢印点線は暖房運
転時の冷媒の流れ方向を示している。
【0029】次に、本実施形態による冷凍サイクル装置
の作用について説明する。冷房運転の際には、室外熱交
換器3において放熱して液化した高圧の液状冷媒が、電
子式膨張弁4の入口側のポート4aから電子式膨張弁4
に流入して減圧され、減圧された冷媒は電子式膨張弁4
の出口側のポート4bから流出する。出口側のポート4
bから流出した冷媒は、冷媒輸送配管7を経由してキャ
ピラリーチューブ10の入口側の端部10aからキャピ
ラリーチューブ10に流入してさらに減圧され、減圧さ
れた冷媒はキャピラリーチューブ10の出口側の端部1
0bから流出する。
【0030】このように電子式膨張弁4において減圧さ
れた冷媒は、電子式膨張弁4の下流側に直列に配置され
たキャピラリーチューブ10によってさらに減圧され
る。このため、電子式膨張弁4における入口側のポート
4aと出口側のポート4bとの間の圧力差は、キャピラ
リーチューブ10がない場合に比べて小さくなる。上述
したように、冷凍サイクル1の冷媒の動作圧力が従来の
冷媒の1.5倍の場合には、電子式膨張弁4における圧
力差P1とキャピラリーチューブ10における圧力差P
2との比をP1:P2=2:1とすれば、電子式膨張弁
4における圧力差は従来の冷媒を使用した場合の圧力差
に等しくなる。
【0031】一方、暖房運転の際には、室内熱交換器5
において放熱して液化した高圧の液状冷媒が、キャピラ
リーチューブ10の入口側の端部10bからキャピラリ
ーチューブ10に流入して減圧され、減圧された冷媒は
キャピラリーチューブ10の出口側の端部10aから流
出する。出口側の端部10aから流出した冷媒は、冷媒
輸送配管7を経由して電子式膨張弁4の入口側のポート
4bから電子式膨張弁4に流入してさらに減圧され、減
圧された冷媒は電子式膨張弁4の出口側のポート4aか
ら流出する。
【0032】このようにキャピラリーチューブ10にお
いて減圧された冷媒は、キャピラリーチューブ10の下
流側に配置された電子式膨張弁4によってさらに減圧さ
れる。このため、電子式膨張弁4における入口側のポー
ト4aと出口側のポート4bとの間の圧力差は、上記冷
房運転の場合と同様に、キャピラリーチューブ10がな
い場合に比べて小さくなる。
【0033】また、暖房運転の場合には、電子式膨張弁
4の上流側にキャピラリーチューブ10が位置すること
になるため、電子式膨張弁4に流入する冷媒は、キャピ
ラリーチューブ10で減圧されて形成された、液相と気
相とが混在する二相流である。ここで、二相状態の冷媒
を減圧する場合、液相状態の冷媒を減圧する場合に比べ
て、より緩やかな絞りによって同等の減圧量を達成する
ことができる。したがって、電子式膨張弁4の上流側に
キャピラリーチューブ10が位置することによって、電
子式膨張弁4における絞りが緩やかなもので足りるよう
になる。
【0034】以上述べたように本実施形態によれば、電
子式膨張弁4に対して直列にキャピラリーチューブ10
を設けたので、電子式膨張弁4における圧力差を小さく
することが可能である。このため、従来の冷媒よりも動
作圧力の高い代替冷媒を使用した場合においても、従来
の冷凍サイクル装置で用いられている電子式膨張弁4を
そのまま使用して高い信頼性の下で支障なく冷媒を制御
することができる。
【0035】また、本実施形態によれば、暖房運転の場
合には、電子式膨張弁4の上流側にキャピラリーチュー
ブ10が位置しているので、電子式膨張弁4に流入する
冷媒が二相流となり、このため、電子式膨張弁4におけ
る減圧制御がさらに容易なものとなる。
【0036】なお、本実施形態においては室内熱交換器
5と電子式膨張弁4との間にキャピラリーチューブ10
を配置しているが、このキャピラリーチューブ10を室
外熱交換器3と電子式膨張弁4との間に配置することも
できる。
【0037】また、本実施形態及び後述する実施形態に
おいては膨張弁として電子式膨張弁4を使用している
が、この電子式膨張弁4に代えて温度式膨張弁を使用す
ることもできる。
【0038】さらに、本実施形態及び後述する実施形態
においては空気調和機を例として説明しているが、本発
明の適用範囲は空気調和機に限られることはなく、冷凍
装置等にも適用できることは言うまでもない。
【0039】第2の実施形態 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第2実施形態に
ついて図2を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第1実施形態の構成の一部を変更したものであり、以
下の説明においては、第1実施形態と同一部材には同一
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】図2において符号20は本実施形態による
冷凍サイクル装置の冷凍サイクルを示し、この冷凍サイ
クル20は、上記第1実施形態と同様に、室内熱交換器
5と電子式膨張弁4との間に第1のキャピラリーチュー
ブ21を備えている。そして、冷凍サイクル20は、第
1キャピラリーチューブ21に加えて、室外熱交換器3
と電子式膨張弁4との間に第2のキャピラリーチューブ
22を備えている。すなわち、第1キャピラリーチュー
ブ21、電子式膨張弁4及び第2キャピラリーチューブ
22が冷媒輸送配管7を介して順次直列に接続されてい
る。なお、冷凍サイクル20においては、上記第1実施
形態の冷凍サイクル1と同様に、50℃における飽和圧
力が2500kPa以上の冷媒が使用される。
【0041】次に、本実施形態による冷凍サイクル装置
の作用について説明する。冷房運転の際には、室外熱交
換器3において放熱して液化した高圧の液状冷媒が、第
2キャピラリーチューブ22の入口側の端部22aから
第2キャピラリーチューブ22に流入して減圧され、減
圧された冷媒は第2キャピラリーチューブ22の出口側
の端部22bから流出する。出口側の端部22bから流
出した冷媒は、冷媒輸送配管7を経由して電子式膨張弁
4の入口側のポート4aから電子式膨張弁4に流入して
さらに減圧され、減圧された冷媒は電子式膨張弁4の出
口側のポート4bから流出する。出口側のポート4bか
ら流出した冷媒は、冷媒輸送配管7を経由して第1キャ
ピラリーチューブ21の入口側の端部21aから第1キ
ャピラリーチューブ21に流入し、さらに減圧された後
に第1キャピラリーチューブ21の出口側の端部21b
から流出する。
【0042】一方、暖房運転の際には、室内熱交換器5
において放熱して液化した高圧の液状冷媒が、第1キャ
ピラリーチューブ21の入口側の端部21bから第1キ
ャピラリーチューブ21に流入して減圧され、減圧され
た冷媒は第1キャピラリーチューブ21の出口側の端部
21aから流出する。出口側の端部21aから流出した
冷媒は、冷媒輸送配管7を経由して電子式膨張弁4の入
口側のポート4bから電子式膨張弁4に流入してさらに
減圧され、減圧された冷媒は電子式膨張弁4の出口側の
ポート4aから流出する。出口側のポート4aから流出
した冷媒は、冷媒輸送配管7を経由して第2キャピラリ
ーチューブ22の入口側の端部22bから第2キャピラ
リーチューブ22に流入し、さらに減圧された後に第2
キャピラリーチューブ22の出口側の端部22aから流
出する。
【0043】このように本実施形態においては、暖房運
転(図中矢印点線)の場合であっても冷房運転(図中矢
印実線)の場合であっても、冷凍サイクル20を流れる
冷媒は、まずはじめに第1又は第2のキャピラリーチュ
ーブ21、22によって減圧され、しかる後に電子式膨
張弁4においてさらに減圧される。そして、第1又は第
2のキャピラリーチューブ21、22及び電子式膨張弁
4によって減圧された冷媒は、電子式膨張弁4の下流側
に位置する第2又は第1のキャピラリーチューブ22、
21によってさらに減圧される。
【0044】以上述べたように本実施形態によれば、電
子式膨張弁4に対して直列に第1及び第2のキャピラリ
ーチューブ21、22を設けたので、電子式膨張弁4に
おける圧力差を小さくすることが可能である。このた
め、従来の冷媒よりも動作圧力の高い代替冷媒を使用し
た場合においても、従来の冷凍サイクル装置で用いられ
ている電子式膨張弁4をそのまま使用して高い信頼性の
下で支障なく冷媒を制御することができる。
【0045】また、本実施形態によれば、暖房運転及び
冷房運転のいずれの場合であっても、電子式膨張弁4の
上流側に第1又は第2のキャピラリーチューブ21、2
2のいずれかが位置しているので、暖房運転か冷房運転
かの別にかかわらず、電子式膨張弁4に流入する冷媒が
二相流となり、このため、電子式膨張弁4における減圧
制御がさらに容易なものとなる。
【0046】第3の実施形態 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第3実施形態に
ついて図3を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第2実施形態の構成の一部を変更したものであり、以
下の説明においては、第2実施形態と同一部材には同一
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】図3において符号30は本実施形態による
冷凍サイクル装置の冷凍サイクルを示し、この冷凍サイ
クル30は、上記第2実施形態と同様に、電子式膨張弁
4の両側に第1及び第2のキャピラリーチューブ21、
22を備えている。なお、冷凍サイクル30において
は、上記第1実施形態の冷凍サイクル1と同様に、50
℃における飽和圧力が2500kPa以上の冷媒が使用
される。
【0048】そして、本実施形態においては、第1及び
第2のキャピラリーチューブ21、22をバイパスする
第1及び第2のバイパス配管31、32が、第1及び第
2のキャピラリーチューブ21、22に対して並列にそ
れぞれ接続されている。そして、第1及び第2のバイパ
ス配管31、32の途中には第1及び第2の逆止弁3
3、34がそれぞれ設けられており、これらの第1及び
第2の逆止弁33、34は、それらの各入口ポート33
a、34aが電子式膨張弁4の方向を向くようにして配
設されている。
【0049】次に、本実施形態による冷凍サイクル装置
の作用について説明する。冷房運転の際には、室外熱交
換器3において放熱して液化した高圧の液状冷媒が、冷
媒輸送配管7を経由して第2バイパス配管32の入口側
の端部32aが接続されている箇所に到達する。ここ
で、第2バイパス配管32の途中に設けられた第2逆止
弁34はその入口ポート34aが電子式膨張弁4の方向
を向いているので、冷媒は第2逆止弁34によって遮断
されて第2バイパス配管32には流れ込まない。したが
って、すべての冷媒が第2キャピラリーチューブ22に
流入して減圧され、しかる後に冷媒輸送配管7を経由し
て電子式膨張弁4に流入する。
【0050】電子式膨張弁4に流入した冷媒はさらに減
圧され、減圧された冷媒は、冷媒輸送配管7を経由して
第1バイパス配管31の入口側の端部31aが接続され
ている箇所に到達する。ここで、第1バイパス配管31
の途中に設けられた第1逆止弁33はその入口ポート3
3aが電子式膨張弁4の方向を向いているので、冷媒は
第1逆止弁33によって遮断されることなく第1バイパ
ス配管31を流れ、第1バイパス配管31の出口側の端
部31bから流出する。したがって、第1キャピラリー
チューブ21における減圧は行われない。
【0051】一方、暖房運転の際には、室内熱交換器5
において放熱して液化した高圧の液状冷媒は、冷媒輸送
配管7を経由して第1バイパス配管31の入口側の端部
31bが接続されている箇所に到達する。ここで、第1
バイパス配管31の途中に設けられた第1逆止弁33は
その入口ポート33aが電子式膨張弁4の方向を向いて
いるので、冷媒は第1逆止弁33によって遮断されて第
1バイパス配管31には流れ込まない。したがって、す
べての冷媒が第1キャピラリーチューブ21に流入して
減圧され、しかる後に冷媒輸送配管7を経由して電子式
膨張弁4に流入する。
【0052】電子式膨張弁4に流入した冷媒はさらに減
圧され、減圧された冷媒は、冷媒輸送配管7を経由して
第2バイパス配管32の入口側の端部32aが接続され
ている箇所に到達する。ここで、第2バイパス配管32
の途中に設けられた第2逆止弁34はその入口ポート3
4aが電子式膨張弁4の方向を向いているので、冷媒は
第2逆止弁34によって遮断されることなく第2バイパ
ス配管32を流れ、第2バイパス配管32の出口側の端
部32bから流出する。したがって、第2キャピラリー
チューブ22における減圧は行われない。
【0053】このように本実施形態においては、暖房運
転(図中矢印点線)の場合であっても冷房運転(図中矢
印実線)の場合であっても、冷凍サイクル30を流れる
冷媒は、まずはじめに第1又は第2のキャピラリーチュ
ーブ21、22によって減圧され、しかる後に電子式膨
張弁4においてさらに減圧される。そして、第1又は第
2のキャピラリーチューブ21、22及び電子式膨張弁
4によって減圧された冷媒は、第2又は第1のバイパス
配管22、21を介して電子式膨張弁4の下流側に位置
する第2又は第1のキャピラリーチューブ22、21を
バイパスして流れるので、電子式膨張弁4の下流側にお
いては減圧されない。
【0054】以上述べたように本実施形態によれば、上
記第2実施形態と同様に、電子式膨張弁4に対して直列
に第1及び第2のキャピラリーチューブ21、22を設
けたので、電子式膨張弁4における圧力差を小さくする
ことが可能である。このため、従来の冷媒よりも動作圧
力の高い代替冷媒を使用した場合においても、従来の冷
凍サイクル装置で用いられている電子式膨張弁4をその
まま使用して高い信頼性の下で支障なく冷媒を制御する
ことができる。
【0055】また、本実施形態によれば、上記第2実施
形態と同様に、暖房運転及び冷房運転のいずれの場合で
あっても、電子式膨張弁4の上流側に第1又は第2のキ
ャピラリーチューブ21、22のいずれかが位置してい
るので、暖房運転か冷房運転かの別にかかわらず、電子
式膨張弁4に流入する冷媒が二相流となり、このため、
電子式膨張弁4における減圧制御がさらに容易なものと
なる。
【0056】上記の特徴に加えて、本実施形態によれ
ば、電子式膨張弁4の下流側に位置する第1又は第2の
キャピラリーチューブ21、22は、第1又は第2のバ
イパス配管31、32によってバイパスされるので、冷
媒の減圧(絞り)が過度に大きくなってしまうことを防
止することが可能であり、冷媒の制御を的確に行うこと
ができる。
【0057】変形例 次に、上記第3実施形態の一変形例について図4を参照
して説明する。本変形例における冷凍サイクル40にお
いては、上記第1及び第2の逆止弁33、34に代え
て、第1及び第2の二方弁41、42が設けられてい
る。
【0058】そして、本変形例においては、冷房運転の
際には、電子式膨張弁4の下流側に位置する第1二方弁
41を開放すると共に、電子式膨張弁4の上流側に位置
する第2二方弁42を閉鎖する。すると、室外熱交換器
3からの冷媒は、第2キャピラリーチューブ22によっ
て減圧された後に電子式膨張弁4に流入し、電子式膨張
弁4においてさらに減圧された後に、第1バイパス配管
31を介して第1キャピラリーチューブ21をバイパス
して流れる。一方、暖房運転の際には、第1二方弁41
を閉鎖すると共に第2二方弁42を開放することによっ
て、冷房運転の場合と同様に、電子式膨張弁4の上流側
においてのみ冷媒を減圧するようにする。
【0059】以上述べたように本変形例においては、第
1二方弁41及び第2二方弁を開閉操作することによっ
て、電子式膨張弁4の上流側においてのみ冷媒を減圧す
ることができるので、上記第3実施形態と同様の効果を
得ることができる。
【0060】第4の実施形態 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第4実施形態に
ついて図5を参照して説明する。なお、上記第1実施形
態と同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0061】図5において符号50は、本実施形態によ
る冷凍サイクル装置の冷凍サイクルを示し、この冷凍サ
イクル50は、上述した各実施形態と同様に電子式膨張
弁4を備えている。なお、冷凍サイクル50において
は、50℃における飽和圧力が2500kPa以上の冷
媒が使用される。
【0062】そして、本実施形態においては、バイパス
配管51を介して、キャピラリーチューブ52が電子式
膨張弁4に対して並列に接続されている。このキャピラ
リーチューブ52は、電子式膨張弁4を全閉したとき
に、電子式膨張弁4の最低冷媒流量よりも小なる冷媒流
量を形成するように構成されている。
【0063】次に、本実施形態による冷凍サイクル装置
の作用について説明する。冷房運転(図中矢印実線)の
場合であっても、暖房運転(図中矢印点線)の場合であ
っても、冷媒は、電子式膨張弁4と、この電子式膨張弁
4に対して並列に接続されたキャピラリーチューブ52
との両方によって減圧される。したがって、電子式膨張
弁4における絞り量は、電子式膨張弁4のみで減圧する
場合に比べて少なくなる。
【0064】また、本実施形態においては、電子式膨張
弁4を全閉することによって、電子式膨張弁4の最低冷
媒流量よりも小なる冷媒流量を確保することが可能であ
る。したがって、従来の冷凍サイクル装置に比べて、よ
り小さい流量領域における冷媒の制御が可能となる。
【0065】以上述べたように本実施形態によれば、電
子式膨張弁4に対して並列にキャピラリーチューブ52
を接続したので、電子式膨張弁4における絞り量は電子
式膨張弁4のみで減圧する場合に比べて少なくて済む。
このため、従来の冷媒よりも動作圧力の高い代替冷媒を
使用した場合においても、従来の冷凍サイクル装置で用
いられている電子式膨張弁4をそのまま使用して高い信
頼性の下で支障なく冷媒を制御することができる。
【0066】また、本実施形態によれば、従来の冷凍サ
イクル装置に比べて、より小さい流量領域における冷媒
の制御が可能となるので、動作圧力の高い代替冷媒を使
用した場合においても冷媒の制御を的確に行うことがで
きる。
【0067】変形例1 次に、上記第4実施形態の一変形例について図12を参
照して説明する。本変形例における冷凍サイクル装置9
0においては、上記キャピラリーチューブ52と電子式
膨張弁4の並列接続回路の両側(前後)に第1及び第2
のキャピラリーチューブ21、22が設けられている。
【0068】そして、本変形例では、暖房運転(図中矢
印点線)の場合でも、冷房運転(図中矢印実線)の場合
でも、冷媒は一方のキャピラリーチューブ21又は22
(暖房時は21、冷房時は22)で減圧されてから電子
式膨張弁4とキャピラリーチューブ52の両方によって
減圧された後、さらに、キャピラリーチューブ22又は
21で減圧される。
【0069】したがって、本変形例では、図5に示した
上記第4実施形態に比べて電子式膨張弁4に対して並列
に接続されたキャピラリーチューブ52の長さを短くす
ることができる。また、第4実施形態同様に、電子式膨
張弁4における絞り量は、電子式膨張弁4のみで減圧す
る場合に比べて少なくなる。また、電子式膨張弁4の耐
圧を軽減できる。
【0070】変形例2 次に、上記第4実施形態の他の変形例について説明す
る。本変形例は、上記実施形態における電子式膨張弁4
に対して簡単な改良を加えたものであり、電子式膨張弁
4の開方向のトルクを閉方向のトルクよりも大きくした
点に特徴がある。開方向のトルクを増加させる方法とし
て以下のものが挙げられ、本変形例においては、下記複
数の方法のうちのいずれか一つの方法、或いは複数の方
法の組み合わせが適用される。 (1)電子式膨張弁4の印加電圧を高く設定する。 (2)1−2相励磁を2相励磁に変更する。 (3)電子式膨張弁4の駆動周波数(pps)を小さく
設定する。
【0071】上述したように本変形例によれば、開方向
のトルクを閉方向のトルクよりも大きくしたので、一旦
全閉した電子式膨張弁4が再開放不能となる事態を確実
に防止することができる。
【0072】第5の実施形態 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第5実施形態に
ついて図6を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第2実施形態の構成の一部を変更したものであり、以
下の説明においては、第2実施形態と同一部材には同一
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0073】図6において符号60は、本実施形態によ
る冷凍サイクル装置の冷凍サイクルを示し、この冷凍サ
イクル60は上記第2実施形態と同様に電子式膨張弁4
の両側に第1及び第2のキャピラリーチューブ21、2
2を備えている。なお、冷凍サイクル60においては、
上記第2実施形態の冷凍サイクル20と同様に、50℃
における飽和圧力が2500kPa以上の冷媒が使用さ
れる。
【0074】そして、冷凍サイクル60は短絡配管61
を備えており、この短絡配管61の一方の端部61a
は、第1キャピラリーチューブ21と電子式膨張弁4と
の間の冷媒輸送配管7に接続されており、短絡配管61
の他方の端部61bは、圧縮機2の吸い込み側の冷媒輸
送配管7に接続されている。ここで、冷房運転及び暖房
運転のいずれの場合においても、短絡配管61の一方の
端部61aと他方の端部61bとの間には圧力差が存在
する。
【0075】短絡配管61の途中には冷媒貯留タンク6
2が設けられており、さらに、冷媒貯留タンク62の両
側には開閉弁63、64がそれぞれ設けられている。ま
た、それぞれの開閉弁63、64には、信号ライン6
5、66を介して弁制御装置67が接続されている。こ
の弁制御装置67は、圧縮機2の運転周波数、電子式膨
張弁4の開弁量、スーパーヒート量、過冷却度、圧縮機
2の温度、吐出冷媒の温度、冷凍サイクル内圧力等の運
転状況に関する検出データに基づいて開閉弁63、64
の開閉制御を行うものである。
【0076】次に、本実施形態による冷凍サイクル装置
の作用について説明する。弁制御装置67は、運転状況
に関する検出データに基づいて、冷媒輸送配管7内を流
れる冷媒の流量が過大となっているか否かを判断する。
そして、冷媒流量が過大となっていると判断した場合に
は、信号ライン65、66を介して開閉弁63、64を
開閉制御し、冷媒輸送配管7内を流れる冷媒の一部を冷
媒貯留タンク62内に取り込んで貯留させる。一方、冷
媒輸送配管7内を流れる冷媒の流量が過小となった場合
には、弁制御装置67は再び開閉弁63、64を制御し
て、冷媒貯留タンク62内の冷媒を冷媒輸送配管7内に
環流させる。
【0077】また、圧力スイッチや圧力センサの信号に
基づき実圧力が設定圧力を超えるような異常が生じた時
には、冷媒貯留タンク62内に冷凍サイクル60中の冷
媒を取り込むことにより、実圧力を低減させることがで
き、機器の安全性、寿命を高めることができる。
【0078】以上述べたように本実施形態によれば、冷
媒輸送配管7内を流れる冷媒の流量を制御することがで
きるので、動作圧力の高い代替冷媒を使用した場合にお
いても、流量過大による圧縮機2の損傷や、流量過小に
よる冷房能力不足、結露水の落下等の不具合を確実に防
止することができる。
【0079】変形例 次に、上記第5実施形態の一変形例について図7を参照
して説明する。本変形例における冷凍サイクル70にお
いては、短絡配管61の一方の端部61aは室外熱交換
器3と第2キャピラリーチューブ22との間の冷媒輸送
配管7に接続されており、短絡配管61の他方の端部6
1bは室内熱交換器5と第1キャピラリーチューブ21
との間の冷媒輸送配管7に接続されている。そして、本
変形例の場合も、上記第5実施形態の場合と同様に、冷
房運転及び暖房運転のいずれの場合においても短絡配管
61の一方の端部61aと他方の端部61bとの間には
圧力差が存在する。
【0080】このような構成を備えた本変形例において
も、上記実施形態の場合と同様に、弁制御装置67によ
って開閉弁63、64を開閉操作することによって、冷
媒輸送配管7内を流れる冷媒の流量を制御することがで
きるので、動作圧力の高い代替冷媒を使用した場合でも
冷媒の制御を支障なく適切に行うことができる。
【0081】第6の実施形態 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第6の実施形態
について図8乃至図11を参照して説明する。なお、上
記第1実施形態と同一部材には同一符号を付して詳細な
説明は省略する。
【0082】図8は本実施形態による冷凍サイクルを示
し、この冷凍サイクル80は電子式膨張弁81を備えて
いる。図9は電子式膨張弁81の全体を示した縦断面図
であり、図9において符号Aは電子式膨張弁81の絞り
部を示している。図10は絞り部Aの拡大縦断面図であ
り、図11は図10における11−11断面線に沿った
横断面図である。
【0083】図10及び図11に示したように、絞り部
Aは弁棒82と、この弁棒の先端部82aが挿入される
弁座83とを備えている。そして、本実施形態において
は、弁座83の上端部83aに切り欠き部84、84が
形成されている。
【0084】このような構成を備えた本実施形態におい
ては、電子式膨張弁81を全閉した場合、弁座83の上
端部83aに形成された切り欠き部84、84を介して
微少流量の冷媒が流通する。したがって、電子式膨張弁
81を全閉することによって、冷凍サイクル80を流れ
る冷媒の流量を微少流量に制御することができる。
【0085】以上述べたように本実施形態によれば、電
子式膨張弁81の弁座83の上端部83aに切り欠き部
84、84を形成したので、電子式膨張弁81を全閉す
ることによって冷媒流量を微少流量に制御することが可
能であり、このため、動作圧力の高い代替冷媒を使用し
た場合であっても、冷媒の制御を支障なく的確に行うこ
とができる。
【0086】
【発明の効果】以上述べたように本発明による冷凍サイ
クル装置は、微少流量領域における冷媒の制御性が極め
て高いので、50℃における飽和圧力が2500kPa
以上である代替冷媒を支障なく的確に制御して良好な運
転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷凍サイクル装置の第1実施形態
の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図2】本発明による冷凍サイクル装置の第2実施形態
の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図3】本発明による冷凍サイクル装置の第3実施形態
の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図4】本発明による冷凍サイクル装置の第3実施形態
の一変形例の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図5】本発明による冷凍サイクル装置の第4実施形態
の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図6】本発明による冷凍サイクル装置の第5実施形態
の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図7】本発明による冷凍サイクル装置の第5実施形態
の一変形例の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図8】本発明による冷凍サイクル装置の第6実施形態
の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【図9】本発明による冷凍サイクル装置の第6実施形態
の電子式膨張弁を示した縦断面図。
【図10】本発明による冷凍サイクル装置の第6実施形
態の電子式膨張弁の要部を示した拡大縦断面図。
【図11】図10に示した電子式膨張弁の要部の11−
11断面線に沿った拡大横断面図。
【図12】本発明による冷凍サイクル装置の第4実施形
態の変形例1の冷凍サイクルを示した概略系統図。
【符号の説明】
1、20、30、40、50、60、70、80 冷凍
サイクル 2 圧縮機 3 室外熱交換器 4、81 電子式膨張弁 5 室内熱交換器 6 四方弁 7 冷媒輸送配管 8 室外ファン 9 室内ファン 10、52 キャピラリーチューブ 21 第1キャピラリーチューブ 22 第2キャピラリーチューブ 31 第1バイパス配管 32 第2バイパス配管 33 第1逆止弁 33a 第1逆止弁の入口ポート 34 第2逆止弁 34a 第2逆止弁の入口ポート 41 第1二方弁 42 第2二方弁 51 バイパス配管 61 短絡配管 61a、61b 短絡配管の端部 62 冷媒貯蔵タンク 63、64 開閉弁 65、66 信号ライン 67 弁制御装置 82 電子式膨張弁の弁棒 83 電子式膨張弁の弁座 83a 弁座の上端部 84 切り欠き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F25B 41/06 F25B 41/06 N

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2
    熱交換器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有
    し、前記冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2
    500kPa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル
    装置であって、 前記減圧装置は、膨張弁と、前記膨張弁に対して直列に
    設けられたキャピラリーチューブとを有することを特徴
    とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】前記膨張弁の両側に前記キャピラリーチュ
    ーブをそれぞれ配設したことを特徴とする請求項1記載
    の冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】前記各キャピラリーチューブをバイパスす
    るバイパス回路を前記各キャピラリーチューブに対して
    並列にそれぞれ接続し、前記各バイパス回路の途中に入
    口側が前記膨張弁の方向を向くようにして逆止弁をそれ
    ぞれ設けたことを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイ
    クル装置。
  4. 【請求項4】前記各逆止弁に代えて二方弁をそれぞれ設
    けたことを特徴とする請求項3記載の冷凍サイクル装
    置。
  5. 【請求項5】圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2
    熱交換器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有
    し、前記冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2
    500kPa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル
    装置であって、 前記減圧装置は、膨張弁と、前記膨張弁に対して並列に
    接続されたキャピラリーチューブとを有し、 前記キャピラリーチューブは、前記膨張弁を全閉したと
    きに、前記膨張弁の最低冷媒流量よりも小なる冷媒流量
    を形成することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】前記膨張弁は電子式膨張弁であり、前記電
    子式膨張弁の開方向のトルクを閉方向のトルクよりも大
    きくしたことを特徴とする請求項5記載の冷凍サイクル
    装置。
  7. 【請求項7】圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2
    熱交換器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有
    し、前記冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2
    500kPa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル
    装置であって、 前記冷凍サイクル中の圧力の異なる2つの箇所を連結す
    る短絡流路と、前記短絡流路の途中に設けられた冷媒貯
    留タンクと、前記冷媒貯留タンクの両側に設けられた各
    弁手段と、前記冷凍サイクルの運転状況に応じて前記弁
    手段を開閉制御し、前記冷凍サイクル中を流れる冷媒の
    一部を前記冷媒貯留タンクに出入して冷媒流量を制御す
    る弁制御装置とを有することを特徴とする冷凍サイクル
    装置。
  8. 【請求項8】圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2
    熱交換器を順次接続して形成された冷凍サイクルを有
    し、前記冷凍サイクルには50℃における飽和圧力が2
    500kPa以上である冷媒が使用される冷凍サイクル
    装置であって、 前記減圧装置は弁座を有する電子式膨張弁を備え、前記
    弁座に切り欠き部を形成し、前記電子式膨張弁を全閉し
    たときに前記切り欠き部を介して微少な冷媒流量が形成
    されることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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