JPH104353A - A/d変換器 - Google Patents

A/d変換器

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JPH104353A
JPH104353A JP8155710A JP15571096A JPH104353A JP H104353 A JPH104353 A JP H104353A JP 8155710 A JP8155710 A JP 8155710A JP 15571096 A JP15571096 A JP 15571096A JP H104353 A JPH104353 A JP H104353A
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林 野々山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定電圧VinのA/D変換時間を短縮す
る。 【解決手段】 演算増幅器11,コンデンサ12,及び
抵抗器13a,13bからなる積分器と、接地電位と電
源電圧VDDとの中心電圧Vref と積分器(演算増幅器1
1)の出力電圧Voとを大小比較する比較器14とを備
え、比較器14の出力が反転した時点から所定時間Ta
の間、積分器に被測定電圧Vinと電源電圧VDDとを加算
平均した電圧を積分させて出力電圧Voを下降させ、次
いで、積分器に接地電位を積分させて出力電圧Voを上
昇させ、接地電位の積分開始から比較器14の出力が再
度反転するまでの時間Tbを計測し、上記時間の比(T
b/Ta)に基づき被測定電圧Vinをデジタル値に変換
するA/D変換器であって、上記時間Ta,Tbの計測
を、反転回路(インバータ)の反転動作時間を最小分解
能として時間を2進符号化可能な符号化回路(TAD)
22により計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ電圧をデ
ジタル値に変換するA/D変換器に関し、特に積分型の
A/D変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、センサからのアナログ信号に
応じてアクチュエータ等を制御する場合には、A/D変
換器が必要となる。そして、高精度のA/D(アナログ
/デジタル)変換が可能なものとしては、例えば「AD
/DA変換回路入門:相良岩男著,日刊工業新聞社」に
記載されているような積分型A/D変換器がある。
【0003】ここで、従来の基本的な積分型A/D変換
器は、図14(A)に示すように、所定の基準電圧Vre
f (この例では接地電位=0V)が非反転入力端子に印
加された演算増幅器1,演算増幅器1の出力端子と反転
入力端子との間に接続された積分用コンデンサ2,及び
演算増幅器1の反転入力端子に一方の端子が接続された
積分用抵抗器3からなる積分器(詳しくはミラー積分
器)と、この積分器(演算増幅器1)の出力電圧Voと
所定の比較電圧VC とを大小比較する比較器4と、積分
用抵抗器3の上記反転入力端子とは反対側の端子(以
下、入力端子という)5に、被測定電圧Vinと、被測定
電圧Vinとは基準電圧Vref に対して逆極性の所定の設
定電圧−VR とを切り換えて印加するための切換スイッ
チ6と、制御回路7と、クロック発生器8とを備えてい
る。そして、制御回路7が、比較器4の出力信号に応じ
て切換スイッチ6を制御することにより、入力端子5に
印加する電圧を、被測定電圧Vinと上記設定電圧−VR
とに適宜切り換えて、被測定電圧Vinのデジタル量を求
めるようにしている。
【0004】即ち、図14(B)に示すように、制御回
路7は、積分器の出力電圧Voが比較電圧VC と一致し
た時点から、入力端子5に予め定められた一定の時間T
1だけ被測定電圧Vinを印加して、この時間T1の間、
積分器に被測定電圧Vinを積分させてその出力電圧Vo
を下降させ、次に、入力端子5に印加する電圧を設定電
圧−VR に切り換えて、積分器に設定電圧−VR を積分
させることにより積分器の出力電圧Voを上昇させる。
そして、入力端子5に設定電圧−VR を印加してから
(つまり設定電圧−VR の積分を開始してから)、積分
器の出力電圧Voが比較電圧VC に達して比較器4の出
力信号が反転するまでの時間T2を測定する。
【0005】すると、比較器4のオフセット電圧が無い
とすれば、下記の式1が成立し、その式1から下記の式
2が成立する。尚、式1において、「∫_(0)^(t1)[Vi
n−Vref]dt」は、被測定電圧Vinと基準電圧Vref
との差[Vin−Vref]を時刻「0」から時刻「t1」
まで積分した値であり、0〜t1は図14(B)の時間
T1に相当している。また同様に、「∫_(0)^(t2)[−
VR−Vref]dt」は、設定電圧−VRと基準電圧Vref
との差[−VR−Vref]を時刻「0」から時刻「t
2」まで積分した値であり、0〜t2は図14(B)の
時間T2に相当している。そして、「C」は積分用コン
デンサ2の静電容量であり、「R」は積分用抵抗器3の
抵抗値であり、また、この例では、Vref =0である。
【0006】
【数1】 ∫_(0)^(t1)[Vin−Vref]dt/CR=Vin×T1/CR =−∫_(0)^(t2)[−VR−Vref]dt/CR=VR×T2/CR …(1)
【0007】
【数2】Vin/VR =T2/T1 …(2) そして、上記式2から分かるように、被測定電圧Vinと
既知であるVR との比(Vin/VR )は、測定される時
間T2と既知である時間T1との比(T2/T1)に一
致する。
【0008】そこで、上記従来の積分型A/D変換器に
おいて、制御回路7は、クロック発生器8からのクロッ
クを所定のカウント値N1だけカウントすることで上記
時間T1を計測し、同様に、入力端子5に設定電圧−V
R を印加してから比較器4の出力信号が反転するまでの
間にクロック発生器8から出力されたクロックをカウン
トして、そのカウント値N2を上記時間T2として計測
するようにしている。そして、上記カウント値N2,N
1の比(N2/N1)は、上記時間T2,T1の比(T
2/T1)となるため、制御回路7は、例えば、カウン
ト値N2,N1の比(N2/N1)を示すデジタル信号
を、被測定電圧Vinと既知の電圧VR との比(Vin/V
R )を表すデジタル信号として出力し、これにより被測
定電圧VinのA/D変換が行われる。
【0009】このように基本的な積分型A/D変換器で
は、被測定電圧Vinを一定時間T1の間だけ積分するこ
とで、積分器の出力電圧Voを比較器4の比較電圧VC
から遠ざけ、その後、既知の設定電圧−VR を積分し
て、積分器の出力電圧Voが比較電圧VC に戻るまでの
時間T2を計ることにより、被測定電圧Vinをデジタル
値に変換している。そして、上記式2には「C」及び
「R」のパラメータが含まれないことからも分かるよう
に、素子バラツキの影響を受けることなく、A/D変換
を行うことができる。
【0010】しかしながら、上記の基本的な積分型A/
D変換器では、基準電圧Vref に対して被測定電圧Vin
とは逆極性の設定電圧−VR が必要であり、正負の両電
源を設けなければならないという問題があった。そし
て、単一電源で動作するように構成すると、A/D変換
可能な被測定電圧Vinの電圧範囲が狭くなってしまうと
いう問題がある。
【0011】つまり、上記のような積分型A/D変換器
を単一電源VDD(接地電位を基準に電圧値がVDDである
電源)で動作させるためには、例えば、図14(A)に
おいて、演算増幅器1に印加される基準電圧Vref を、
接地電位と電源電圧VDDとの間の所定電圧(例えばVDD
/2)に設定すると共に、上述した設定電圧−VR に代
えて接地電位(0V)を切換スイッチ6の一方に入力す
る構成が考えられる。
【0012】ところが、このような単一電源の構成を採
ると、被測定電圧Vinが基準電圧Vref (=VDD/2)
よりも接地電位側の電圧であった場合、即ち被測定電圧
Vinが基準電圧Vref よりも低い場合には、図14
(B)に示した時間T1において積分器の出力電圧Vo
が下降せず、被測定電圧Vinを積分した場合と設定電圧
としての接地電位を積分した場合とで、出力電圧Voの
変化方向が同じになってしまい、A/D変換ができなく
なる。即ち、積分される被測定電圧Vinと設定電圧と
が、積分器の基準電圧Vref から見て同じ極性である
と、両電圧を積分した際の積分器の出力電圧Voが同じ
方向に変化することとなるため、A/D変換ができなく
なってしまい、この結果、A/D変換が可能な被測定電
圧Vinは、基準電圧Vref から電源電圧VDDまでの範囲
に限られてしまうのである。
【0013】また更に、上記の基本的な積分型A/D変
換器では、比較器4のオフセット電圧によって、測定誤
差が生じてしまうという問題もある。そこで、A/D変
換が可能な被測定電圧Vinの範囲を拡大し、且つ比較器
4のオフセット電圧の影響を除去することのできる積分
型A/D変換器として、例えば「東芝 CMOS AD
コンバータ データブック:1990年版」や「特開昭
53−101966号公報」に記載されているような、
五相積分方式のものが提案されている。
【0014】五相積分式のA/D変換器は、図15
(A)に示すように構成されている。即ち、五相積分式
のものでは、図14に示したA/D変換器に対して、入
力端子5に、被測定電圧Vin,被測定電圧Vinと同極性
の所定電圧VR ,及び接地電位VG (=0V)が、夫
々、3つの切換スイッチS1,S2,S3により択一的
に入力される点と、演算増幅器1の非反転入力端子に印
加される基準電圧Vref が、所定電圧VR と接地電位V
G との中間電圧(=VR /2)に設定されている点と
が、異なっている。尚、被測定電圧Vinと所定電圧VR
と接地電位VG との関係は、VR >Vin>VG になって
いる。
【0015】以下、五相積分式のA/D変換器の動作に
ついて、図15(B)のタイムチャートに沿って説明す
る。尚、以下の説明において、切換スイッチS1〜S3
の切換(オン/オフ)は、制御回路7が行うものであ
る。また、制御回路7にて実行される後述の時間T3,
T4の計測は、図14に示したA/D変換器の場合と全
く同様に、クロック発生器8からのクロックをカウント
することで行われる。
【0016】「状態1及び状態2」まず、状態1では、
切換スイッチS2を予め定められた一定の時間T3だけ
オン(短絡)し、この時間T3の間、積分器に所定電圧
VR を積分させてその出力電圧Voを下降させる。そし
て、次の状態2では、切換スイッチS3をオンし、積分
器に接地電位VG を積分させて出力電圧Voを上昇さ
せ、この状態を比較器4の出力信号が反転するまで(つ
まり、出力電圧Voが比較器4の比較電圧VCに達する
まで)継続する。
【0017】ここで、状態2の終了は、比較器4の出力
信号が反転することをもって判定するため、状態2が終
了した時点の積分器の出力電圧Voは、比較電圧VC に
比較器4のオフセット電圧VOFを加えた電圧(VC +V
OF)となる。そして、後述する状態3では、この電圧
(VC +VOF)を起点として積分を開始し、後述する状
態5の終了は、積分器の出力電圧Voが上記電圧(VC
+VOF)に再度達することをもって判定するため、比較
器4のオフセット電圧VOFの影響は受けなくなる。尚、
以下の説明では、上記電圧(VC +VOF)を改めて比較
電圧VC とする。
【0018】「状態3」次に、状態3では、切換スイッ
チS2を時間T3だけオンし、この時間T3の間、積分
器に所定電圧VR を積分させて出力電圧Voを下降させ
る。すると、比較器4の出力信号は、状態2の終了時に
おける反転方向とは反対の方向に反転する。そして、状
態3が終了した時点の出力電圧Vo(3) は、下記の式3
のようになる。
【0019】
【数3】 Vo(3)=VC −(VR −Vref )×T3/CR …(3) 「状態4」次の状態4では、切換スイッチS1を時間T
3だけオンし、この時間T3の間、積分器に被測定電圧
Vinを積分させる。よって、このときの積分器の出力電
圧Voは、図15(B)の点線で示すように、被測定電
圧Vinの大きさに応じて様々な経路をたどることとな
る。尚、同図において、点線aは、被測定電圧Vinが接
地電位VG と等しい場合を示し、点線bは、被測定電圧
Vinが基準電圧Vrefと等しい場合を示し、点線cは、
被測定電圧Vinが所定電圧VR と等しい場合を示してい
る。そして、状態4が終了した時点の出力電圧Vo(4)
は、下記の式4のようになる。
【0020】
【数4】 Vo(4) =Vo(3) −(Vin−Vref )×T3/CR …(4) 「状態5」そして、最後の状態5では、切換スイッチS
3をオンし、積分器に接地電位VG を積分させて出力電
圧Voを上昇させ、この状態を、比較器4の出力信号が
状態2の終了時における反転方向に再度反転するまで継
続する。よって、切換スイッチS3がオンされてから
(つまり、状態5の開始から)比較器4の出力信号が反
転するまでの時間をT4とすると、状態5が終了した時
点の出力電圧Vo(5)は、下記の式5のようになる。
【0021】
【数5】 Vo(5) =Vo(4) −(VG −Vref )×T4/CR=VC …(5) ここで、接地電位VG は0Vであり、演算増幅器1の非
反転入力端子に印加されている基準電圧Vref は、上記
所定電圧VR の2分の1(=VR /2)であるため、上
記式3〜式5より、被測定電圧Vinは、下記の式6とな
る。
【0022】
【数6】Vin/VR =(T4/T3)/2 …(6) そして、式6から分かるように、時間T3と設定電圧V
R は既知であることから、被測定電圧Vinは、測定され
る時間T4の値によってデジタル値に変換されることと
なる。
【0023】即ち、五相積分方式では、A/D変換を実
質的に開始する状態3にて、基準電圧Vref よりも大き
く設定された所定電圧VR を積分することにより、積分
器の出力電圧Voを比較電圧VC よりも下降させ、その
次の状態4で初めて被測定電圧Vinを積分することによ
り、被測定電圧Vinの値が基準電圧Vref (=VR /
2)よりも小さい値であって、積分器の出力電圧Voが
図15(B)の点線a,bに示すように下降しない場合
であっても、被測定電圧VinのA/D変換が可能となる
ようにしている。
【0024】そして更に、五相積分方式のA/D変換器
では、状態1及び状態2において、所定電圧VR の積分
と接地電位VG の積分とを順次行うことで、比較器4の
出力信号を所定方向に反転させ、このように比較器4の
出力信号が反転した時点から、状態3以降の実質的なA
/D変換動作を開始すると共に、比較器4の出力信号が
再び上記所定方向に反転した時点で、状態5を終了する
ようにしているため、比較器4のオフセット電圧に影響
されずに、被測定電圧VinのA/D変換が可能となる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このように積分型のA
/D変換器では、概念的には、未知の被測定電圧と予め
設定された既知の設定電圧とを、積分器の出力変化量が
等しくなるように積分した場合の、両積分時間の比に基
づき、被測定電圧をデジタル値に変換しているのである
が、上述したように、従来のA/D変換器では、クロッ
ク発生器からのクロックをカウントすることで、積分時
間を計測するようにしているため、A/D変換に要する
時間を短くすることができないという問題があった。
【0026】つまり、A/D変換の精度を高めるために
は、積分時間を計測する際にカウントするクロック数を
大きく設定して、積分時間の計測分解能を上げることと
なるが、このためには、高周波のクロックを用いるか、
或いは、積分器を構成する積分用コンデンサ及び抵抗器
の時定数を大きくして積分時間を長く設定する必要があ
る。ところが、クロック発生器として用いられる通常の
固定発振器では、数十MHz程度のクロックしか発生す
ることができないため、積分時間の計測分解能をより向
上させるためには、積分器の時定数を大きく設定しなけ
ればならず、この結果、積分時間が長くなって被測定電
圧のA/D変換に要する時間が長くなってしまうのであ
る。
【0027】一方、図15に示した五相積分式のA/D
変換器によれば、A/D変換が可能な被測定電圧Vinの
範囲を拡大できるものの、このためには、図15(B)
に示した「状態3」のように、被測定電圧Vinを積分す
る前に所定電圧VR を積分する期間を設けなければなら
ず、A/D変換に要する時間が長くなってしまう。
【0028】また更に、五相積分式のA/D変換器によ
れば、比較器のオフセット電圧の影響を除去できるもの
の、このためには、図15(B)に示した「状態1」及
び「状態2」のように、実質的なA/D変換動作を開始
する前に所定電圧VR の積分と接地電位VG の積分とを
順次行う期間を設けなければならず、A/D変換に要す
る時間が長くなってしまう。
【0029】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、被測定電圧のA/D変換時間を短縮すること
のできるA/D変換器を提供することを目的としてい
る。
【0030】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた請求項1に記載のA/D変
換器では、入力された電圧を積分して出力する積分器を
備えており、積分制御手段が、被測定電圧に応じた電圧
及び予め設定された設定電圧のうち、何れか一方の電圧
を、所定条件が成立するまでの間、前記積分器に積分さ
せると共に、その積分時間を第1積分時間として計測す
る第1制御動作と、被測定電圧に応じた電圧及び前記設
定電圧のうち、第1制御動作により積分させる方とは異
なる他方の電圧を、前記積分器に積分させ、その積分器
の出力変化量が、第1制御動作による積分器の出力変化
量と一致するまでの時間を、第2積分時間として計測す
る第2制御動作とを行う。そして、当該A/D変換器
は、積分制御手段により計測された第1積分時間と第2
積分時間との比に基づき、被測定電圧をデジタル値に変
換する。
【0031】つまり、当該A/D変換器では、未知の被
測定電圧に応じた電圧と、予め設定された既知の設定電
圧とを、積分器の出力変化量が等しくなるように積分し
た場合の、両積分時間(第1積分時間と第2積分時間)
の比に基づき、被測定電圧をデジタル値に変換するよう
にしている。
【0032】尚、被測定電圧に応じた電圧とは、被測定
電圧自体であっても良いし、例えば、被測定電圧を所定
の比率で増幅した電圧や、被測定電圧と既知の電圧とを
加算平均した電圧であっても良い。ここで特に、請求項
1に記載のA/D変換器では、積分制御手段が前記第1
積分時間と第2積分時間を計測するための計時手段とし
て、入力信号を反転して出力する反転回路が複数連結さ
れ、各反転回路によりパルス信号を順次反転して伝搬す
る遅延回路を有し、この遅延回路を構成する反転回路の
うち予め定められた複数の反転回路から順次出力される
パルス信号の位相差時間を分解能として、時間を2進符
号化可能な符号化手段、を備えている。そして、積分制
御手段は、この符号化手段によって第1積分時間と第2
積分時間の計測を行う。
【0033】このような請求項1に記載のA/D変換器
によれば、遅延回路を構成する各反転回路の反転動作時
間は数百psec.程度と非常に小さく、この時間、或いは
その数倍の時間を計測分解能として第1積分時間及び第
2積分時間の計測が可能となる。よって、従来のA/D
変換器のように積分時間を長く設定することなく、積分
時間の計測分解能を上げてA/D変換の精度を高めるこ
とができ、この結果、被測定電圧のA/D変換を高精度
に且つ短時間で行うことができるようになる。
【0034】また更に、積分時間を長く設定する必要が
ないため、積分器を構成する積分用コンデンサの静電容
量や積分用抵抗器の抵抗値を小さくすることができ、当
該A/D変換器を1つの半導体チップに集積した場合の
チップサイズを、小規模なものにすることができる。
【0035】次に、請求項2に記載のA/D変換器で
は、請求項1に記載のA/D変換器において、符号化手
段の遅延回路は、反転回路がリング状に連結されると共
に、その反転回路のうちの特定の反転回路が、入力信号
の反転動作を外部からの第1信号により制御可能な起動
用反転回路として構成され、該起動用反転回路が反転動
作を開始することに伴い各反転回路によりパルス信号を
順次反転して周回させるパルス周回回路からなる。
【0036】そして更に、符号化手段は、前記パルス周
回回路に加えて、パルス周回回路内でのパルス信号の周
回回数をカウントして、そのカウント数を表す2進デジ
タル信号を出力するカウンタと、外部からの第2信号が
入力された時に、前記カウンタからの2進デジタル信号
をラッチして出力するラッチ回路と、パルス周回回路を
構成する反転回路のうち予め定められた複数の反転回路
の出力信号を取り込み、前記第2信号が入力された時
に、前記起動用反転回路の反転動作開始により発生した
パルス信号がパルス周回回路内の何れの反転回路に到達
しているかを検出して、起動用反転回路から前記パルス
信号が到達していると検出した反転回路までの反転回路
の数に応じた2進デジタル信号を出力するパルス検出回
路と、を備えている。そして、この符号化手段は、ラッ
チ回路からの2進デジタル信号を上位ビットとし、且つ
パルス検出回路からの2進デジタル信号を下位ビットと
して、第1信号と第2信号との位相差を表す2進デジタ
ル信号を出力するように構成されている。
【0037】尚、このようなパルス周回回路を有する符
号化手段は、本出願人によって既に出願された特開平3
−220814号公報,特開平6−216721号公
報,特開平7−183800号公報,及び特開平7−2
83722号公報に、パルス位相差符号化回路として詳
細に記載されている。
【0038】即ち、この符号化手段では、第1信号をパ
ルス周回回路の起動用反転回路に入力して、パルス周回
回路のパルス周回動作を開始させ、その後、第2信号を
ラッチ回路及びパルス検出回路に入力すれば、第1信号
が入力されてから第2信号が入力されるまでの間にパル
ス周回回路上をパルス信号が何周周回したかが、カウン
タ及びラッチ回路により検出され、第2信号が入力され
た時点でパルス周回回路内の何れの反転回路にパルス信
号が到達しているかが、パルス検出回路により検出され
る。そして、ラッチ回路からの2進デジタル信号(つま
りカウンタのカウント値)を上位ビットとし、パルス検
出回路からの2進デジタル信号を下位ビットとした2進
デジタル信号が、第1信号が入力されてから第2信号が
入力されるまでの間にパルス信号が伝搬した(即ち反転
動作した)反転回路の総数に応じた値を表すこととな
り、延いては、第1信号と第2信号との位相差(つまり
入力時間差)を、各反転回路の反転動作時間或いはその
数倍の時間を分解能として符号化した2進デジタル信号
として出力されるのである。
【0039】ここで特に、請求項2に記載のA/D変換
器では、積分制御手段が、第1制御動作を開始して積分
器に前記一方の電圧の積分を開始させた時に、前記起動
用反転回路へ第1信号を出力してパルス周回回路のパル
ス周回動作を開始させ、その後、前記カウンタの所定ビ
ットが変化すると、前記所定条件が成立したとして当該
第1制御動作を終了すると共に、第2制御動作を開始し
て積分器に前記他方の電圧の積分を開始させ、更にその
後、積分器の出力変化量が第1制御動作による積分器の
出力変化量と一致すると、前記ラッチ回路及びパルス検
出回路へ第2信号を出力する。
【0040】つまり、請求項2に記載のA/D変換器で
は、積分制御手段が、第1制御動作にて、パルス周回回
路のパルス周回動作を開始させてからカウンタの所定ビ
ットが変化するまでの間、積分器に前記一方の電圧を積
分させるようにしており、この積分時間(即ち第1積分
時間)を、符号化手段のパルス周回回路とカウンタによ
って計測している。よって、前記一方の電圧の積分が終
了した時点(即ち、カウンタの所定ビットが変化して第
1積分時間が終了した時点)で、ラッチ回路及びパルス
検出回路へ第2信号を出力したと仮定すると、そのとき
符号化手段から出力される2進デジタル信号は、カウン
タの所定ビットに対応するビットが「1」で、且つその
ビットより下位のビットが全て「0」である2進デジタ
ル信号(以下、切換時2進デジタル信号という)とな
る。
【0041】そして、積分制御手段は、カウンタの所定
ビットが変化して第1制御動作を終了すると、第2制御
動作に移行して、積分器に前記他方の電圧を積分させ、
その後、積分器の出力変化量が第1積分時間の出力変化
量(即ち、第1制御動作による積分器の出力変化量)と
一致すると、符号化手段のラッチ回路及びパルス検出回
路へ第2信号を出力するようにしている。よって、この
とき符号化手段から出力される2進デジタル信号は、前
述した切換時2進デジタル信号に、第2積分時間を表す
2進デジタル信号を加算した2進デジタル信号、即ち、
第1積分時間と第2積分時間とを加算した時間を表す2
進デジタル信号となるため、この2進デジタル信号から
前記切換時2進デジタル信号を引くだけで、第2積分時
間を表す2進デジタル信号を得ることができる。
【0042】しかも、前記一方の電圧を積分する第1積
分時間よりも、第2積分時間の方が短いことが予め確定
している場合には、積分制御手段が第2信号を出力した
後に符号化手段から出力される2進デジタル信号にて、
カウンタの所定ビットに対応するビットより下位のビッ
ト群は、そのまま第1積分時間と第2積分時間との比を
表すこととなるため、この場合には、積分制御手段が第
2信号を出力した後に符号化手段から出力される2進デ
ジタル信号にて、カウンタの所定ビットに対応するビッ
トより下位のビット群を、被測定電圧をデジタル値に変
換した信号として直接用いることができる。
【0043】このように、請求項2に記載のA/D変換
器によれば、反転回路の反転動作時間、或いはその数倍
の時間を計測分解能として積分時間の計測が可能となる
ため、被測定電圧のA/D変換を高精度に且つ短時間で
行うことができ、しかも、この効果を、簡単な構成で得
ることができる。
【0044】ところで、請求項1に記載のA/D変換器
において、前記一方の電圧を積分する時間(第1積分時
間)を決定する上記所定条件としては、請求項2に記載
のA/D変換器のように、所定時間が経過するまでの間
であっても良いし、請求項3に記載のように、積分器の
出力電圧が所定電圧分だけ変化するまでの間であっても
良い。
【0045】即ち、請求項3に記載のように、積分制御
手段が、第1制御動作として、積分器の出力電圧が所定
電圧分だけ変化するまでの間、積分器に前記一方の電圧
を積分させると共に、その変化に要する時間を第1積分
時間として計測するようにしても、未知の被測定電圧に
応じた電圧と、予め設定された既知の設定電圧とを、積
分器の出力変化量が等しくなるように積分した場合の、
両積分時間の比に基づき、被測定電圧をデジタル値に変
換することとなり、この場合も、請求項1に記載の符号
化手段によって積分時間を計測することで、A/D変換
を高精度に且つ短時間で行うことができる。一方、請求
項4に記載のA/D変換器は、所定の基準電圧Vref が
非反転入力端子に印加された演算増幅器、該演算増幅器
の出力端子と反転入力端子との間に接続された積分用コ
ンデンサ、及び前記演算増幅器の反転入力端子に一方の
端子が接続された積分用抵抗器を有し、前記積分用抵抗
器の前記反転入力端子とは反対側の端子に入力される電
圧を積分して、前記演算増幅器の出力端子から出力する
積分器と、該積分器の出力電圧Voと所定の比較電圧V
C とを大小比較する比較器と、を備えている。
【0046】そして、初期設定手段が、比較器の出力信
号がハイレベルからロウレベル或いはロウレベルからハ
イレベルのうちの何れかの所定方向に反転するように、
積分器の出力電圧Voを変化させ、この初期設定手段の
動作により比較器の出力信号が反転すると、積分制御手
段が、その時点から予め設定された第1積分時間の間、
積分器に被測定電圧に応じた電圧を積分させて、該積分
器の出力電圧Voを比較器の出力信号が前記所定方向と
は反対の方向に反転するように変化させる。そして更
に、積分制御手段は、第1積分時間が経過すると、積分
器に予め設定された設定電圧を積分させて、該積分器の
出力電圧Voを比較器の出力信号が前記所定方向に再度
反転するように変化させ、前記設定電圧の積分を開始さ
せてから比較器の出力信号が反転するまでの時間を、第
2積分時間として計測する。そして、当該A/D変換器
では、前記第1積分時間と前記第2積分時間との比に基
づき、被測定電圧をデジタル値に変換する。
【0047】つまり、請求項4に記載の本発明が前提と
しているA/D変換器では、初期設定手段により積分器
の出力電圧Voが変化されて、比較器の出力信号が所定
方向に反転すると、図14に示した従来のA/D変換器
のように、その時点から第1積分時間の間、積分器に被
測定電圧に応じた電圧を積分させて、積分器の出力電圧
Voを、比較器の出力信号が前記所定方向とは反対の方
向に反転するように、比較器の比較電圧VC から遠ざ
け、第1積分時間が経過すると、今度は、積分器に既知
の設定電圧を積分させて、積分器の出力電圧Voを比較
器の比較電圧VCに戻し、設定電圧の積分を開始してか
ら比較器の出力信号が前記所定方向に再度反転するまで
の時間を、第2積分時間として計測するようにしてい
る。
【0048】そして、このように比較器の出力信号が所
定方向に反転した時点から、被測定電圧に応じた電圧の
積分を開始し、比較器の出力信号が再び上記所定方向に
反転した時点で、第2積分時間の計測を終了するため、
被測定電圧に応じた電圧を第1積分時間だけ積分した際
の積分器の出力変化量と、設定電圧を第2積分時間だけ
積分した際の積分器の出力変化量とを、比較器のオフセ
ット電圧に影響されずに一致させることができ、この結
果、被測定電圧を正確にA/D変換することが可能とな
る。
【0049】ここで、被測定電圧に応じた電圧の積分を
開始する前に、比較器の出力信号を所定方向に反転させ
るためには、図15(B)に示した五相積分方式の「状
態1」及び「状態2」の様に、まず、第2積分時間の計
測時に積分する設定電圧とは基準電圧Vref を基準とし
て反対の極性である電圧を積分して、積分器の出力電圧
Voを比較器の比較電圧VC から遠ざけ、次いで、設定
電圧を積分して積分器の出力電圧Voを比較電圧VC に
戻す、といった具合に2種類の電圧を順次積分する期間
を設けることが考えられるが、このようにするとA/D
変換に要する時間が長くなってしまう。
【0050】そこで特に、請求項4に記載のA/D変換
器では、初期設定手段が、抵抗器とスイッチ素子とを直
列接続してなると共に、積分器を形成する積分用コンデ
ンサと並列に接続された電圧設定用回路を備えている。
そして、初期設定手段は、電圧設定用回路のスイッチ素
子を短絡させた状態で、積分器の積分用抵抗器に所定電
圧を印加することにより、積分器の出力電圧Voを、比
較器の出力信号が前記所定方向に反転する電圧の近傍の
電圧に保持させ、その後、前記スイッチ素子を開放させ
ると共に、積分用抵抗器に前記設定電圧を印加して、積
分器に前記設定電圧を積分させることにより、比較器の
出力信号が前記所定方向に反転するように積分器の出力
電圧Voを変化させる。
【0051】つまり、請求項4に記載のA/D変換器で
は、積分器の出力電圧Voを、比較器の出力信号が前記
所定方向に反転する手前の電圧に保持させておき、積分
器に設定電圧を積分させて、その出力電圧Voを上記保
持させた電圧から変化させることにより、比較器の出力
信号を反転させるようにしている。
【0052】従って、請求項4に記載のA/D変換器に
よれば、従来の五相積分方式のように、2種類の電圧を
順次積分する期間を設ける必要がなく、被測定電圧のA
/D変換動作を開始してから、より早く比較器の出力信
号を所定方向に反転させることができ、この結果、被測
定電圧のA/D変換に要する時間を短縮することができ
る。
【0053】一方次に、請求項5に記載のA/D変換器
は、前述した請求項4に記載のA/D変換器の前提構成
と同様の構成を前提としているが、積分器を形成する演
算増幅器の非反転入力端子に印加される基準電圧Vref
が、予め設定された設定電圧(即ち、第2積分時間の計
測時に積分する電圧)Vαと該設定電圧Vαとは異なる
第2の設定電圧Vβとの間の電圧に設定されている。
【0054】そして、請求項5に記載のA/D変換器に
おいても、請求項4に記載のA/D変換器と同様に、初
期設定手段の動作により比較器の出力信号が所定方向に
反転すると、その時点から第1積分時間の間、積分器に
被測定電圧に応じた電圧を積分させて、その出力電圧V
oを比較器の比較電圧VC から遠ざけ、第1積分時間が
経過すると、積分器に設定電圧Vαを積分させて、その
出力電圧Voを比較器の比較電圧VC に戻すと共に、設
定電圧Vαの積分を開始してから比較器の出力信号が前
記所定方向に再度反転するまでの時間を、第2積分時間
として計測する。
【0055】ここで、被測定電圧に応じた電圧として、
被測定電圧自体を積分するように構成すると、「従来の
技術」の項で説明したように、被測定電圧が基準電圧V
refよりも設定電圧Vα側の電圧であった場合、即ち、
積分する被測定電圧と設定電圧Vαとが、積分器の基準
電圧Vref から見て同じ極性であった場合には、被測定
電圧を積分した場合と設定電圧Vαを積分した場合と
で、積分器の出力電圧Voの変化方向が同じになってし
まい、A/D変換ができなくなる。
【0056】そこで特に、請求項5に記載のA/D変換
器では、積分器の基準電圧Vref を、設定電圧Vαと第
2の設定電圧Vβとの間の中心電圧((Vα+Vβ)/
2)、或いは該中心電圧と設定電圧Vαとの間の電圧に
設定すると共に、積分制御手段は、第1積分時間の間、
被測定電圧と第2の設定電圧Vβとを加算平均した電圧
を、被測定電圧に応じた電圧として積分器に積分させる
ようにしている。
【0057】このような請求項5に記載のA/D変換器
によれば、被測定電圧が基準電圧Vref よりも設定電圧
Vα側の電圧であっても、被測定電圧に応じた電圧とし
て第1積分時間中に積分される電圧、即ち、被測定電圧
と第2の設定電圧Vβとを加算平均した電圧は、基準電
圧Vref から見て設定電圧Vαの側ではなく、第2の設
定電圧Vβの側の値となる。よって、被測定電圧が設定
電圧Vαと第2の設定電圧Vβとの間の何れの電圧であ
っても、被測定電圧に応じた電圧を積分する場合と設定
電圧Vαを積分する場合とで、積分器の出力電圧Voを
反対方向に変化させることができ、この結果、A/D変
換が可能な被測定電圧の電圧範囲が制約されることは無
い。
【0058】そして、請求項5に記載のA/D変換器に
よれば、図15(B)に示した五相積分方式の「状態
3」の如き追加の積分期間を設ける必要がないため、被
測定電圧のA/D変換時間を長くしてしまうことなく、
A/D変換が可能な被測定電圧の電圧範囲を拡大するこ
とができるのである。
【0059】次に、請求項6に記載のA/D変換器で
は、請求項5に記載のA/D変換器において、積分器
が、演算増幅器の反転入力端子に一方の端子が接続され
た2つの積分用抵抗器を有しており、積分制御手段は、
第1積分時間の間、前記2つの各積分用抵抗器に被測定
電圧と第2の設定電圧Vβとを夫々印加することによ
り、積分器に被測定電圧と第2の設定電圧Vβとを加算
平均した電圧を積分させ、第1積分時間が経過すると、
前記2つの各積分用抵抗器に設定電圧Vαを夫々印加す
ることにより、積分器に設定電圧Vαを積分させる。
【0060】このような請求項6に記載のA/D変換器
によれば、被測定電圧と第2の設定電圧Vβとを加算平
均するための特別なバッファ等を設けることなく、請求
項5に記載のA/D変換器による効果を得ることができ
る。次に、請求項7に記載のA/D変換器では、請求項
5に記載のA/D変換器において、被測定電圧に応じた
電圧(つまり、被測定電圧と第2の設定電圧Vβとを加
算平均した電圧)の積分を開始する前に比較器の出力信
号を所定方向に反転させる初期設定手段が、請求項4に
記載のA/D変換器と全く同様の初期設定手段からな
る。
【0061】よって、請求項7に記載のA/D変換器に
よれば、請求項5に記載のA/D変換器による効果と、
請求項4に記載のA/D変換器による効果とを、合わせ
て得ることができ、被測定電圧のA/D変換に要する時
間を一層短縮することができる。
【0062】次に、請求項8に記載のA/D変換器で
は、請求項6に記載のA/D変換器において、初期設定
手段が、請求項4に記載のA/D変換器と同様に、抵抗
器とスイッチ素子とを直列接続してなると共に、積分器
を形成する積分用コンデンサと並列に接続された電圧設
定用回路を備えている。そして、初期設定手段は、電圧
設定用回路のスイッチ素子を短絡させた状態で、前記2
つの積分用抵抗器のうちの一方の積分用抵抗器に、前記
第2の設定電圧Vβを印加することにより、積分器の出
力電圧Voを、比較器の出力信号が前記所定方向に反転
する電圧の近傍の電圧に保持させ、その後、前記スイッ
チ素子を開放させると共に、前記2つの各積分用抵抗器
に前記設定電圧Vαを夫々印加して、積分器に前記設定
電圧Vαを積分させることにより、比較器の出力信号が
前記所定方向に反転するように積分器の出力電圧Voを
変化させる。
【0063】つまり、請求項8に記載のA/D変換器で
は、積分器の出力電圧Voを、比較器の出力信号が前記
所定方向に反転する手前の電圧に保持させるべく、積分
用抵抗器に印加する所定電圧として、第2の設定電圧V
βを用いている。そして、このような請求項8に記載の
A/D変換器によれば、請求項6に記載のA/D変換器
による効果と、請求項4に記載のA/D変換器による効
果とを、特別な電圧を追加して設けることなく得ること
ができる。
【0064】一方、請求項9に記載のA/D変換器で
は、請求項4ないし請求項8の何れかに記載のA/D変
換器において、積分制御手段が前記第1積分時間と前記
第2積分時間を計測するための計時手段として、請求項
1に記載のA/D変換器が備えた符号化手段と全く同様
の符号化手段を備えている。
【0065】従って、請求項9に記載のA/D変換器に
よれば、請求項4〜請求項8の夫々に記載の各A/D変
換器において、請求項1に記載のA/D変換器と同様
に、積分時間を長く設定することなく、積分時間の計測
分解能を上げてA/D変換の精度を高めることができ、
この結果、被測定電圧のA/D変換に要する時間をより
一層短時することができる。
【0066】次に、請求項10に記載のA/D変換器で
は、請求項9に記載のA/D変換器において、符号化手
段が、請求項2に記載のA/D変換器が備えた符号化手
段と全く同様の、パルス周回回路,カウンタ,ラッチ回
路,及びパルス検出回路を備えた符号化手段からなる。
【0067】そして、前記積分制御手段は、積分器に被
測定電圧に応じた電圧の積分を開始させた時に、起動用
反転回路へ第1信号を出力してパルス周回回路のパルス
周回動作を開始させ、その後、カウンタの所定ビットが
変化すると、第1積分時間が経過したとして積分器に設
定電圧の積分を開始させ、更にその後、比較器の出力信
号が前記所定方向に反転すると、ラッチ回路及びパルス
検出回路へ第2信号を出力するように構成されている。
【0068】つまり、請求項10に記載のA/D変換器
では、積分制御手段が、パルス周回回路のパルス周回動
作を開始させてからカウンタの所定ビットが変化するま
での間、積分器に被測定電圧に応じた電圧を積分させる
ようにしており、この積分時間(即ち第1積分時間)
を、符号化手段のパルス周回回路とカウンタによって計
測している。そして、積分制御手段は、カウンタの所定
ビットが変化すると、積分器に前記設定電圧を積分さ
せ、その後、比較器の出力信号が反転すると、ラッチ回
路及びパルス検出回路へ第2信号を出力して、符号化手
段から、第1積分時間と第2積分時間とを加算した時間
を表す2進デジタル信号を出力させるようにしている。
【0069】そして、このような請求項10に記載のA
/D変換器によれば、請求項4〜請求項8の夫々に記載
の各A/D変換器において、請求項2に記載のA/D変
換器と同様の効果、即ち、簡単な構成で被測定電圧のA
/D変換を高精度に且つ短時間で行うことができるとい
う効果を合わせて得ることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形
態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明
の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ること
は言うまでもない。
【0071】[第1実施例]まず図1は、外部から入力
される被測定電圧Vinに対応した2進デジタル信号を出
力する、第1実施例の積分型A/D変換器の構成を表す
構成図である。尚、本実施例のA/D変換器は、設定電
圧としての接地電位VG (=0V)から第2の設定電圧
としての電源電圧VDD(本実施例では5V)までの範囲
内で、被測定電圧Vinが変化することを想定して構成さ
れている。
【0072】図1に示すように、第1実施例のA/D変
換器は、演算増幅器(オペアンプ)11,演算増幅器1
1の出力端子と反転入力端子との間に接続された積分用
コンデンサ12,及び演算増幅器11の反転入力端子に
一方の端子が夫々接続された2つの積分用抵抗器13
a,13bからなる積分器と、この積分器の出力電圧
(即ち演算増幅器11の出力電圧)Voが非反転入力端
子に入力された比較器14と、積分用抵抗器13aの演
算増幅器11とは反対側の端子に、接地電位VG と電源
電圧VDDとを切り換えて印加するためのスイッチ素子1
6aと、積分用抵抗器13bの演算増幅器11とは反対
側の端子に、被測定電圧Vinと接地電位VGとを切り換
えて印加するためのスイッチ素子16bと、抵抗器17
とスイッチ素子18とを直列接続してなると共に、上記
積分器を形成する積分用コンデンサ12と並列に接続さ
れた電圧設定用回路とを備えている。
【0073】そして、演算増幅器11の非反転入力端子
には、接地電位VG と電源電圧VDDとの間の中心電圧
(=VDD/2)が、基準電圧Vref として印加されてお
り、この基準電圧Vref は、比較器14が積分器の出力
電圧Voと大小比較するための比較電圧として、比較器
14の反転入力端子にも印加されている。
【0074】そして更に、本第1実施例のA/D変換器
は、上記スイッチ素子16a,16b,18を切換信号
φ1〜φ4によって制御する制御回路20と、この制御
回路20から第1信号PAが出力されてから第2信号P
Bが出力されるまでの時間を2進符号化して、その時間
を表す2進デジタル信号を出力するパルス位相差符号化
回路(以下、TADという)22と、上記切換信号φ1
〜φ4のうちのφ2がロウレベルからハイレベルに立ち
上がると、その時点でTAD22から出力されている2
進デジタル信号をラッチして出力するレジスタ24とを
備えている。
【0075】ここで、スイッチ素子16aは、制御回路
20からの切換信号φ1或いはφ3がハイレベルである
ときに、接点が電源電圧VDD側に切り換わって積分用抵
抗器13aに電源電圧VDDを印加し、制御回路20から
の切換信号φ2或いはφ4がハイレベルであるときに、
接点が接地電位VG 側に切り換わって積分用抵抗器13
aに接地電位VG を印加する。また、スイッチ素子16
bは、制御回路20からの切換信号φ3がハイレベルの
ときに、接点が被測定電圧Vin側に切り換わって積分用
抵抗器13bに被測定電圧Vinを印加し、制御回路20
からの切換信号φ2或いはφ4がハイレベルであるとき
に、接点が接地電位VG 側に切り換わって積分用抵抗器
13bに接地電位VG を印加する。また更に、スイッチ
素子18は、制御回路20からの切換信号φ1がハイレ
ベルであるときに短絡して、抵抗器17を積分用コンデ
ンサ12と並列に接続させる。
【0076】よって、後述するように制御回路20が切
換信号φ1をハイレベルで出力したときには、スイッチ
素子18が短絡すると共に、スイッチ素子16aの接点
が電源電圧VDD側に切り換わり、積分器は、反転入力端
子の電圧が非反転入力端子に印加されている基準電圧V
ref (=VDD/2)と等しくなるように、出力電圧Vo
を変化させるため、このときの積分器の出力電圧Vo
は、下記の式7に示すように、積分用抵抗器13aの抵
抗値Rと抵抗器17の抵抗値rとで決まる電圧VS とな
る。尚、以下、この電圧を初期電圧VS という。
【0077】
【数7】 VS =(VDD/2)×(1−r/R) …(7) そして、式7から分かるように、この初期電圧VS は、
上記基準電圧Vref (=VDD/2)よりも低くなる(換
言すれば、接地電位VG 側になる)が、本第1実施例で
は、初期電圧VS が基準電圧Vref よりも少しだけ低く
なるように、抵抗器17の抵抗値rを、積分用抵抗器1
3aの抵抗値Rに対して十分小さい値に設定している。
また、本第1実施例において、2つの積分用抵抗器13
a,13bの抵抗値は、共に同じ値に設定している。
【0078】次に、TAD(パルス位相差符号化回路)
22について説明する。尚、この種のパルス位相差符号
化回路の構成及び動作については、前述した特開平3−
220814号公報や特開平6−216721号公報等
に詳細に記載されているため、ここでは、図2を用いて
簡単に説明する。
【0079】図2に示す如く、TAD22は、起動用反
転回路としての2入力ナンドゲートNANDと複数のイ
ンバータIVとを順次リング状に連結してなり、ナンド
ゲートNANDのインバータIVとは接続されない方の
入力端子に、制御回路20からの第1信号PAが入力さ
れたパルス周回回路23を備えている。このパルス周回
回路23は、制御回路20からの第1信号PAがロウレ
ベルのときには、ナンドゲートNANDの出力がハイレ
ベルになると共に、ナンドゲートNANDの1段前に接
続されたインバータIVからナンドゲートNANDへの
出力もハイレベルとなり、この状態で安定するように構
成されている。そして、第1信号PAがロウレベルから
ハイレベルになると、ナンドゲートNANDが入力信号
の反転動作を開始して、以後、各反転回路(即ちナンド
ゲートNAND及びインバータIV)によりパルス信号
を順次反転して周回させる。
【0080】また更に、TAD22は、パルス周回回路
23を構成する何れかの反転回路から出力されるパルス
信号の立上りエッジ(又は立下がりエッジ)をカウント
することにより、パルス周回回路23内でパルス信号が
何回周回したかをカウントし、そのカウント数を表す2
進デジタル信号(本実施例では10ビットデータ)を出
力するカウンタ26と、制御回路20からの第2信号P
Bがロウレベルからハイレベルに変化した時(第2信号
PBの立上りタイミング)に、カウンタ26からの10
ビットデータをラッチして出力するラッチ回路28と、
パルス周回回路23を構成する反転回路のうち予め定め
られた複数の反転回路の出力信号を受け、上記第2信号
PBがロウレベルからハイレベルに変化した時に、パル
ス信号がパルス周回回路23内の何れの反転回路に到達
しているかを検出するパルスセレクタ30と、パルスセ
レクタ30からの信号に基づき、パルス周回回路23の
ナンドゲートNANDから数えて、パルスセレクタ30
により検出された反転回路が何段目に位置しているかを
示す2進デジタル信号(即ち、ナンドゲートNANDか
らパルス信号が到達していると検出された反転回路まで
の反転回路の数に応じた2進デジタル信号であり、本実
施例では5ビットデータ)を出力するエンコーダ32と
を備えている。
【0081】このTAD22では、パルス周回回路23
のナンドゲートNANDに入力される第1信号PAをロ
ウレベルからハイレベルにして、パルス周回回路23の
パルス周回動作を開始させ、その後、ラッチ回路28及
びパルスセレクタ30に入力される第2信号PBをロウ
レベルからハイレベルに変化させれば、第1信号PAが
ハイレベルになってから第2信号PBが立ち上がるまで
の間にパルス周回回路23上をパルス信号が何周周回し
たかが、カウンタ26及びラッチ回路28により検出さ
れ、第2信号PBが立ち上がった時点でパルス周回回路
23内の何れの反転回路にパルス信号が到達しているか
が、パルス検出回路としてのパルスセレクタ30及びエ
ンコーダ32により検出される。そして、ラッチ回路2
8からの10ビットデータ(つまりカウンタ26のカウ
ント値)を上位ビットとし、エンコーダ32からの5ビ
ットデータを下位ビットとした15ビットデータが、第
1信号PAがハイレベルになってから第2信号PBが立
ち上がるまでの間にパルス信号が伝搬した(即ち反転動
作した)反転回路の総数に応じた値を表すこととなり、
延いては、第1信号PAと第2信号PBとの位相差(つ
まり入力時間差)を、各反転回路の反転動作時間或いは
その数倍の時間を分解能として符号化した2進デジタル
信号として出力される。
【0082】次に、制御回路20は、図3に示す如く、
3段のシフトレジスタを形成する3個のDタイプフリッ
プフロップ(以下、単にフリップフロップという)F
1,F2,F3と、クロック(C)端子が上記各フリッ
プフロップF1〜F3のクロック端子と共通に接続され
ると共に、データ(D)端子が上記シフトレジスタを形
成する3段目のフリップフロップF3のQバー出力(Q
B)端子に接続され、更にQバー出力端子が上記シフト
レジスタを形成する1段目のフリップフロップF1のデ
ータ端子に接続されたフリップフロップF4と、外部か
らのクロックCLKとフリップフロップF4のQバー出
力とが入力されたアンドゲート34と、比較器14の出
力信号CMPとフリップフロップF1のQ出力とが入力
されたアンドゲート36と、TAD22を構成するカウ
ンタ26の最上位ビットMSBとフリップフロップF2
のQ出力とが入力されたアンドゲート38と、比較器1
4の出力信号CMPとフリップフロップF3のQ出力と
が入力されたアンドゲート40と、上記4つのアンドゲ
ート34〜40の出力の論理和信号を、上記フリップフ
ロップF1〜F4のクロック端子へ出力する4入力オア
ゲート42と、外部からのリセット信号RSTを反転し
て、上記フリップフロップF1〜F4のリセット(R
B)端子へ出力するインバータ44とを備えている。
【0083】また更に、制御回路20は、アンドゲート
36の出力がクロック端子に入力され、データ端子に電
源電圧VDDが印加されたフリップフロップF5と、アン
ドゲート40の出力と外部からのリセット信号RSTと
の否定論理和信号を、フリップフロップF5のリセット
端子へ出力するノアゲート46と、フリップフロップF
5のQ出力とカウンタ26の最上位ビットMSBとの論
理和信号を出力するオアゲート48とを備えている。
【0084】そして、このように構成された制御回路2
0では、フリップフロップF4のQバー出力を、スイッ
チ素子16a及び18への切換信号φ1として出力し、
フリップフロップF1のQ出力を、スイッチ素子16a
及び16bへの切換信号φ2として出力し、フリップフ
ロップF2のQ出力を、スイッチ素子16a及び16b
への切換信号φ3として出力し、フリップフロップF3
のQ出力を、スイッチ素子16a及び16bへの切換信
号φ4として出力する。また、オアゲート48の出力
を、TAD22を構成するパルス周回回路23への第1
信号PAとして出力し、フリップフロップF5のQバー
出力を、TAD22を構成するラッチ回路28及びパル
スセレクタ30への第2信号PBとして出力する。
【0085】次に、以上のように構成された第1実施例
のA/D変換器の動作について、図4に示すタイムチャ
ートに沿って説明する。まず、外部からのリセット信号
RSTがハイレベルである初期状態では、制御回路20
の全フリップフロップF1〜F5がリセットされて、切
換信号φ1〜φ4のうち、切換信号φ1だけがハイレベ
ルとなる。よって、前述したように、スイッチ素子18
が短絡すると共に、スイッチ素子16aの接点が電源電
圧VDD側に切り換わるため、積分器の出力電圧Voは、
基準電圧Vref (=VDD/2)よりも若干低い初期電圧
VS に保持される(式7参照)。
【0086】そして、リセット信号RSTがハイレベル
からロウレベルに変化して、フリップフロップF1〜F
5のリセットが解除され、その後、図4の時刻t1に示
す如く、外部からのクロックCLKが立ち上がると、制
御回路20において、アンドゲート34からオアゲート
42を介して、フリップフロップF1〜F4のクロック
端子に立上りエッジが入力されるため、切換信号φ1〜
φ4のうち、切換信号φ2だけがハイレベルとなる。
【0087】すると、スイッチ素子18が開放すると共
に、スイッチ素子16aの接点とスイッチ素子16bの
接点とが両方共に接地電位VG 側に切り換わり、積分器
が接地電位VG の積分を開始する。そして、積分器の出
力電圧Voは、接地電位VGの積分に伴って、初期電圧
VS から上昇することとなる。また、切換信号φ2がハ
イレベルに変化したタイミングで、レジスタ24は、そ
のときTAD22から出力されている2進デジタル信号
(15ビットデータ)をラッチして出力する。
【0088】その後、積分器の出力電圧Voが上昇し
て、比較器14の比較電圧(つまり基準電圧Vref )を
越えると、時刻t2に示す如く、比較器14の出力信号
CMPがロウレベルからハイレベルに変化(反転)す
る。尚、時刻t2は、実際には、積分器の出力電圧Vo
が、基準電圧Vref に対して比較器14のオフセット電
圧を加えた電圧に達した時点である。
【0089】すると、制御回路20において、今度はア
ンドゲート36からオアゲート42を介して、フリップ
フロップF1〜F4のクロック端子に立上りエッジが入
力され、切換信号φ1〜φ4のうち、切換信号φ3だけ
がハイレベルとなる。また、これと同時に、アンドゲー
ト36からフリップフロップF5のクロック端子に立上
りエッジが入力され、オアゲート48の出力である第1
信号PAがロウレベルからハイレベルへ変化すると共
に、フリップフロップF5のQバー出力である第2信号
PBがハイレベルからロウレベルへ変化する。
【0090】そして、上記のように切換信号φ3がハイ
レベルになると、スイッチ素子16aの接点が電源電圧
VDD側に切り換わると共に、スイッチ素子16bの接点
が被測定電圧Vin側に切り換わり、これにより、積分器
は、被測定電圧Vinと電源電圧VDDとを加算平均した電
圧((Vin+VDD)/2)の積分を開始することとな
る。また、上記のように第1信号PAがハイレベルに変
化すると、TAD22のパルス周回回路23が、パルス
信号の周回動作を開始する。尚、以下の説明において、
被測定電圧Vinと電源電圧VDDとを加算平均した電圧
を、単に、加算平均電圧VH ともいう。
【0091】ここで、上記加算平均電圧VH (=(Vin
+VDD)/2)は、被測定電圧Vinが接地電位VG と電
源電圧VDDとの間の範囲内にあれば、常に、基準電圧V
ref(=VDD/2)から電源電圧VDDまでの電圧とな
る。よって、切換信号φ3がハイレベルになって積分器
が上記加算平均電圧VH の積分を開始すれば、積分器の
出力電圧Voは、常に下降する。尚、このように積分器
の出力電圧Voが下降し始めると、比較器14の出力信
号CMPは、前述した時刻t2の反転方向とは反対の方
向、即ちハイレベルからロウレベルへ反転する。
【0092】そして、時刻t2にて第1信号PAがハイ
レベルに変化してから、パルス周回回路23上をパルス
信号が29 回だけ周回すると、時刻t3に示す如く、T
AD22にてカウンタ26の最上位ビットMSBが
「0」(=ロウレベル)から「1」(=ハイレベル)へ
変化する。
【0093】すると、制御回路20において、今度はア
ンドゲート38からオアゲート42を介して、フリップ
フロップF1〜F4のクロック端子に立上りエッジが入
力され、切換信号φ1〜φ4のうち、切換信号φ4だけ
がハイレベルとなる。そして、切換信号φ4がハイレベ
ルになると、時刻t2の場合と同様に、スイッチ素子1
6aの接点とスイッチ素子16bの接点とが両方共に接
地電位VG 側に切り換わって、積分器が接地電位VG の
積分を開始し、これにより、積分器の出力電圧Voは、
時刻t3の時点から上昇することとなる。
【0094】そして、その後、積分器の出力電圧Voが
比較器14の比較電圧(つまり基準電圧Vref )を越え
ると、時刻t4に示す如く、比較器14の出力信号CM
Pが再度ロウレベルからハイレベルへ反転する。尚、時
刻t4も、時刻t2と同様に、積分器の出力電圧Vo
が、基準電圧Vref に対して比較器14のオフセット電
圧を加えた電圧に達した時点である。
【0095】すると、制御回路20において、今度はア
ンドゲート40からオアゲート42を介して、フリップ
フロップF1〜F4のクロック端子に立上りエッジが入
力され、切換信号φ1〜φ4のうち切換信号φ1だけが
ハイレベルの状態に戻る。また、これと同時に、アンド
ゲート40からノアゲート46を介して、フリップフロ
ップF5のリセット端子にロウレベルの信号が入力され
るため、フリップフロップF5がリセットされて、その
Qバー出力である第2信号PBが、ロウレベルからハイ
レベルへ変化する。
【0096】そして、このように第2信号PBが立ち上
がると、TAD22が、時刻t2で第1信号PAがハイ
レベルになってから時刻t4で第2信号PBが立ち上が
るまでの時間を表す、15ビットのデータを出力するこ
ととなる。その後、パルス周回回路23でのパルス周回
回数が210回に達して、時刻t5に示すように、カウン
タ26の最上位ビットMSBが「0」になると(即ち、
カウンタ26がオーバーフローして、その全ビットが
「0」になると)、オアゲート48から出力される第1
信号PAがハイレベルからロウレベルに戻って、パルス
周回回路23のパルス周回動作が停止する。
【0097】そして、更にその後、外部からのクロック
CLKが再び立ち上がると、前述したように、切換信号
φ2だけがハイレベルとなって、積分器による接地電位
VGの積分が開始され、この時点で、前述した時刻t4
でTAD22から新たに出力された15ビットデータ
が、レジスタ24にラッチされる。尚、本第1実施例で
は、TAD22のデータがレジスタ24にラッチされる
と、その直後に、カウンタ26,ラッチ回路28,及び
パルスセレクタ30の記憶内容がクリアされるようにな
っている。
【0098】以後は、前述した時刻t1以降と同様の動
作が繰り返される。そして、本実施例のA/D変換器で
は、切換信号φ2がロウレベルからハイレベルに変化し
た時にレジスタ24によりラッチされたTAD22から
の15ビットデータにて、カウンタ26の最上位ビット
MSBに対応するビットより下位のビット群、即ち、レ
ジスタ24によりラッチされた15ビットデータのう
ち、最上位ビットを除く14ビットのデータを、被測定
電圧Vinの値を表す2進デジタル信号として、外部へ出
力する。
【0099】以上のように、本第1実施例のA/D変換
器では、まず、スイッチ素子18を短絡させた状態で、
一方の積分用抵抗器13aにスイッチ素子16aを介し
て電源電圧VDDを印加することにより、積分器の出力電
圧Voを、比較器14の出力信号CMPがロウレベルか
らハイレベルに反転する近傍の初期電圧VS (即ち基準
電圧Vref よりも若干低い電圧)に保持させておき(時
刻t1以前)、その後、スイッチ素子18を開放すると
共に、スイッチ素子16a,16bを介し2つの積分用
抵抗器13a,13bに接地電位VG を夫々印加して、
積分器に接地電位VG を積分させることにより、比較器
14の出力信号CMPがロウレベルからハイレベルに反
転するように積分器の出力電圧Voを上昇させるように
している(時刻t1から時刻t2)。
【0100】そして、比較器14の出力信号CMPがロ
ウレベルからハイレベルに反転すると(時刻t2)、第
1信号PAをハイレベルにしてパルス周回回路23のパ
ルス周回動作を開始させ、カウンタ26の最上位ビット
MSBが「1」に変化するまでの間、積分器に被測定電
圧Vinと電源電圧VDDとを加算平均した加算平均電圧V
H を積分させて、積分器の出力電圧Voを、比較器14
の出力信号CMPがハイレベルからロウレベルに反転す
るように下降させ、その後、カウンタ26の最上位ビッ
トMSBが「1」に変化すると(時刻t3)、今度は、
積分器に接地電位VG を積分させて、積分器の出力電圧
Voを、比較器14の出力信号CMPが再びロウレベル
からハイレベルに反転するように上昇させるようにして
おり、比較器14の出力信号CMPが反転すると(時刻
t4)、TAD22への第2信号PBを立ち上げて、T
AD22に時刻t2から時刻t4までの時間を表す2進
デジタル信号を出力させている。
【0101】ここで、時刻t2で比較器14の出力信号
CMPが反転してから、カウンタ26の最上位ビットM
SBが「1」に変化した時刻t3までの間に、加算平均
電圧VH を積分したことによる積分器の出力変化電圧V
aは、下記の式8となり、また、時刻t3から、比較器
14の出力信号CMPが再び反転する時刻t4までの間
に、接地電位VG を積分したことによる積分器の出力変
化電圧Vbは、下記の式9となる。
【0102】尚、式8において、「 ∫_(0)^(Ta)[(V
in+VDD)/2−VDD/2]dt」は、加算平均電圧V
H と基準電圧Vref との差[(Vin+VDD)/2−VDD
/2]を時間Taだけ積分した値であり、時間Taは、
図4に示す如く時刻t2から時刻t3までの時間に相当
している。また同様に、式9において、「 ∫_(0)^(Tb)
[0−VDD/2]dt」は、接地電位VG と基準電圧V
ref との差[0−VDD/2]を時間Tbだけ積分した値
であり、時間Tbは、図4に示す如く時刻t3から時刻
t4までの時間に相当している。そして、式8,9にお
いて、「C」は積分用コンデンサ12の静電容量であ
り、「R」は積分用抵抗器13a,13bの合成抵抗値
である。
【0103】
【数8】 Va=−∫_(0)^(Ta)[(Vin+VDD)/2−VDD/2]dt/CR =−Vin×Ta/(2×CR) …(8)
【0104】
【数9】 Vb=−∫_(0)^(Tb)[0−VDD/2]dt/CR =VDD×Tb/(2×CR) …(9) そして、比較器14の出力信号CMPがロウレベルから
ハイレベルに変化した時点から、加算平均電圧VH の積
分を開始し、同様に比較器14の出力信号CMPが再び
ロウレベルからハイレベルに変化した時点で、接地電位
VG の積分を終了するようにしているいるため、上記出
力変化電圧Vaの絶対値(即ち、加算平均電圧VH を時
間Taだけ積分した際の積分器の出力変化量)と、上記
出力変化電圧Vbの絶対値(即ち、接地電位VG を時間
Tbだけ積分した際の積分器の出力変化量)とは、共に
等しくなり、Va+Vb=0となるため、上記式8,9
から下記の式10が成立する。
【0105】
【数10】Vin/VDD=Tb/Ta …(10) よって、被測定電圧Vinの値は、接地電位VG を積分し
た時間Tbと加算平均電圧VH を積分した時間Taとの
比(Tb/Ta)により、数値化されることとなる。
【0106】そこで、本第1実施例のA/D変換器で
は、図4の時刻t4で第2信号PBを立ち上げたことに
よりTAD22から出力される15ビットデータのう
ち、最上位ビットを除く14ビットのデータを、被測定
電圧Vinの値を表す2進デジタル信号(つまり、A/D
変換後の2進デジタル信号)として、外部へ出力するよ
うにしている。
【0107】即ち、まず、本実施例のA/D変換器で
は、パルス周回回路23のパルス周回動作を開始させて
からカウンタ26の最上位ビットMSBが「1」に変化
するまでの間、積分器に上記加算平均電圧VH を積分さ
せるようにしているため、加算平均電圧VH の積分が終
了した時点(カウンタ26の最上位ビットMSBが
「1」に変化した時点)で、TAD22のラッチ回路2
8及びパルスセレクタ30へ第2信号PBを出力したと
仮定すると、そのときTAD22から出力される15ビ
ットデータは、最上位ビットが「1」で且つ下位の14
ビットが全て「0」である2進デジタル信号となる。つ
まり、加算平均電圧VH の積分時間Taを表す2進デジ
タル信号は、最上位ビットだけが「1」である15ビッ
トデータとなる。
【0108】そして、図4の時刻t4で第2信号PBを
立ち上げたことによりTAD22から出力される15ビ
ットデータは、前述したように、加算平均電圧VH の積
分時間Taと接地電位VG の積分時間Tbとを加算した
時間を表すこととなるが、本第1実施例では、基準電圧
Vref が接地電位VG と電源電圧VDDとの間の中心電圧
(VDD/2)に設定されているため、接地電位VG の積
分時間Tbは、加算平均電圧VH の積分時間Taよりも
常に短くなる。
【0109】従って、上記両積分時間Ta,Tbを加算
した時間を表す15ビットデータにて、最上位ビットを
除く下位14ビットのデータは、加算平均電圧VH の積
分時間Taに対する接地電位VG の積分時間Tbの割
合、即ち、上記両積分時間Tb,Taの比(Tb/T
a)を、そのまま表すこととなる。そこで、本実施例の
A/D変換器では、この下位14ビットのデータを、被
測定電圧Vinの値を表す2進デジタル信号として、外部
へ出力するようにしているのである。尚、本第1実施例
では、抵抗器17及びスイッチ素子18からなる電圧設
定用回路と、スイッチ素子16aと、制御回路20内の
アンドゲート34及びフリップフロップF1,F4から
なる部分とが、初期設定手段に相当しており、また、制
御回路20にて上記初期設定手段に相当する部分以外の
部分と、スイッチ素子16a,16bとが、積分制御手
段に相当している。そして、TAD22が、符号化手段
(計時手段)に相当している。
【0110】以上詳述したように、本第1実施例のA/
D変換器では、未知の被測定電圧Vinに応じた加算平均
電圧VH と、予め設定された既知の接地電位VG とを、
積分器の出力変化量が等しくなるように積分した場合
の、両積分時間Ta,Tbの比に基づき、被測定電圧V
inをデジタル値に変換するようにしているのであるが、
特に、加算平均電圧VH の積分時間(第1積分時間)T
aと接地電位VG の積分時間(第2積分時間)Tbと
を、反転回路の反転動作時間或いはその数倍の時間を分
解能として時間を2進符号化可能なTAD22によっ
て、計測するようにしている。
【0111】従って、本第1実施例のA/D変換器によ
れば、非常に小さい時間分解能で積分時間の計測が可能
となり、従来のA/D変換器のように積分時間を長く設
定することなく、A/D変換の精度を高めることがで
き、この結果、被測定電圧VinのA/D変換を高精度に
且つ短時間で行うことができるようになる。そして更
に、積分時間を長く設定する必要がないため、積分器を
構成する積分用コンデンサ12の静電容量や積分用抵抗
器13a,13bの抵抗値を小さくすることができ、当
該A/D変換器を1つの半導体チップに集積した場合の
チップサイズを、小規模なものにすることができる。
【0112】また、本第1実施例のA/D変換器では、
TAD22におけるパルス周回回路23のパルス周回動
作を開始させてからカウンタ26の最上位ビットMSB
が「1」に変化するまでの間、積分器に被測定電圧Vin
と電源電圧VDDとの加算平均電圧VH を積分させ、カウ
ンタ26の最上位ビットMSBが「1」に変化したタイ
ミングで、積分器に積分させる電圧を接地電位VG に切
り換えるようにしており、更に、接地電位VG の積分が
終了した時点でTAD22から出力される2進デジタル
データにて、カウンタ26の最上位ビットMSBに対応
するビットより下位のビット群を、被測定電圧Vinの値
を表す2進デジタル信号として外部へ出力するようにし
ている。よって、被測定電圧VinのA/D変換を高精度
に且つ短時間で行うことができるという効果を、簡単な
構成で得ることができる。
【0113】しかも、本第1実施例のA/D変換器で
は、図4の時刻t2から時刻t3までの期間において、
被測定電圧Vinをそのまま積分するのではなく、被測定
電圧Vinと電源電圧VDDとを加算平均した加算平均電圧
VH を積分するようにしているため、被測定電圧Vinが
基準電圧Vref よりも接地電位VG 側の電圧(つまり、
基準電圧Vref よりも低い電圧)であっても、図4の時
刻t2から時刻t3までの期間において、積分器の出力
電圧Voを下降させることができる。
【0114】よって、本第1実施例のA/D変換器によ
れば、被測定電圧Vinが接地電位VG と電源電圧VDDと
の間の何れの電圧であっても、図4の時刻t2から時刻
t3までの期間と、図4の時刻t3から時刻t4までの
期間とで、積分器の出力電圧Voを反対の方向に変化さ
せることができる。この結果、図15(B)に示した五
相積分方式の「状態3」の如き追加の積分期間を設ける
必要なく、A/D変換が可能な被測定電圧Vinの電圧範
囲を拡大することができ、被測定電圧VinのA/D変換
時間を短縮することができる。
【0115】また更に、本第1実施例のA/D変換器で
は、抵抗器17とスイッチ素子18とを直列接続した電
圧設定用回路を、積分用コンデンサ12と並列に設け、
スイッチ素子18を短絡させた状態で、一方の積分用抵
抗器13aにスイッチ素子16aを介して電源電圧VDD
を印加することにより、積分器の出力電圧Voを、比較
器14の出力信号CMPがロウレベルからハイレベルに
反転する近傍の初期電圧VS に保持させておき、その
後、スイッチ素子18を開放すると共に、スイッチ素子
16a,16bを介して2つの積分用抵抗器13a,1
3bに接地電位VG を夫々印加して、積分器に接地電位
VG を積分させることにより、比較器14の出力信号C
MPがロウレベルからハイレベルに反転するように積分
器の出力電圧Voを上昇させるようにしている。
【0116】よって、本第1実施例のA/D変換器によ
れば、図15(B)に示した五相積分方式の「状態1」
及び「状態2」のように2種類の電圧を順次積分する期
間を設ける必要がなく、より早く比較器14の出力信号
CMPを反転させて実質的なA/D変換動作(図4にお
ける時刻t2以降の動作)を開始することができ、この
結果、被測定電圧VinのA/D変換に要する時間を短縮
することができる。
【0117】尚、上記第1実施例では、カウンタ26の
最上位ビットMSBが「1」に変化したタイミングで、
積分器に積分させる電圧を加算平均電圧VH から接地電
位VG に切り換えるようにしたが、カウンタ26の最上
位ビットMSBよりも下位の所定ビットが「1」に変化
したタイミングで、接地電位VG の積分に切り換えるよ
うに構成すれば、積分時間の計測分解能とA/D変換に
要する延べ時間とを変更することができる。
【0118】そして、この場合には、図4の時刻t4で
第2信号PBを立ち上げたことによりTAD22から出
力される2進デジタル信号にて、カウンタ26の上記所
定ビットに対応するビットより下位のビット群を、被測
定電圧Vinの値を表す2進デジタル信号として、外部へ
出力するように構成すればよい。
【0119】一方、上記実施例のTAD22は、カウン
タ26が10ビットデータを出力し、エンコーダ32が
5ビットデータを出力するものであったが、このような
ビット数は、必要に応じて適宜変更することができる。 [第2実施例]ところで、上述した第1実施例のA/D
変換器では、積分器が2つの積分用抵抗器13a,13
bを備えており、一方の積分用抵抗器13aにスイッチ
素子16aを介して電源電圧VDDを印加すると共に、他
方の積分用抵抗器13bにスイッチ素子16bを介して
被測定電圧Vinを印加することにより、被測定電圧Vin
と電源電圧VDDとを加算平均した加算平均電圧VH (=
(Vin+VDD)/2)を、等価的に積分するものであっ
たが、図5に示す第2実施例のA/D変換器のように構
成しても良い。尚、図5において、図1と同じ部材につ
いては、同一の符号を付している。
【0120】図5に示すように、第2実施例のA/D変
換器では、第1実施例のA/D変換器に対して、非反転
入力端子が上記抵抗器13a,13bのスイッチ素子1
6a,16bとは反対側の端子に接続され、出力端子と
反転入力端子とが互いに接続された演算増幅器50と、
この演算増幅器50の出力端子と積分器を構成する演算
増幅器11の反転入力端子との間に接続された抵抗器5
2とを、追加して備えている。尚、その他の構成及び動
作については、第1実施例の場合と全く同様である。
【0121】即ち、第2実施例のA/D変換器では、積
分器が、演算増幅器11,積分用コンデンサ12,及び
上記追加の抵抗器52によって構成されている。そし
て、制御回路20からの切換信号φ3がハイレベルにな
った時に、第1実施例で言う積分用抵抗器13a,13
bと、スイッチ素子16a,16bと、上記追加の演算
増幅器50とによって、被測定電圧Vinと電源電圧VDD
とを加算平均した加算平均電圧VH を生成し、その生成
した加算平均電圧VH を、上記積分器の抵抗器52に印
加して積分するようにしている。
【0122】そして、このような第2実施例のA/D変
換器によっても、演算増幅器50及び抵抗器52を追加
しなければならない点では不利であるものの、第1実施
例のA/D変換器と全く同様の効果を得ることができ
る。 [第3実施例]一方、上述した第1実施例のA/D変換
器では、図4の時刻t3から時刻t4までの期間に積分
する既知の設定電圧として、接地電位VG を用いるもの
であったため、図4の時刻t2から時刻t3までの期間
において、被測定電圧Vinと電源電圧VDDとの加算平均
電圧VH を積分して、積分器の出力電圧Voを下降させ
るようにした。
【0123】これに対して、図6に示す第3実施例のA
/D変換器のように、既知の設定電圧として、電源電圧
VDDの方を積分するように構成しても良い。即ち、第3
実施例のA/D変換器では、第1実施例のA/D変換器
に対して、下記の(a)〜(c)の3点が異なってい
る。尚、その他の構成及び動作については、第1実施例
の場合と全く同様である。
【0124】(a)スイッチ素子16aは、制御回路2
0からの切換信号φ1或いはφ3がハイレベルであると
きに、接点が接地電位VG 側に切り換わって積分用抵抗
器13aに接地電位VG を印加し、制御回路20からの
切換信号φ2或いはφ4がハイレベルであるときに、接
点が電源電圧VDD側に切り換わって積分用抵抗器13a
に電源電圧VDDを印加する。
【0125】(b)スイッチ素子16bは、制御回路2
0からの切換信号φ2或いはφ4がハイレベルであると
きに、接点が電源電圧VDD側に切り換わって積分用抵抗
器13bに電源電圧VDDを印加する。 (c)比較器14の入力端子が反対になっており、反転
入力端子の方に、積分器の出力電圧Voが入力され、非
反転入力端子の方に、比較電圧としての基準電圧Vref
が印加されている。
【0126】このように構成された第3実施例のA/D
変換器では、図7の時刻t1以前に示すように、制御回
路20が切換信号φ1をハイレベルで出力すると、スイ
ッチ素子18が短絡すると共に、スイッチ素子16aの
接点が接地電位VG 側に切り換わるため、積分器の出力
電圧Voは、下記の式11に示すように、積分用抵抗器
13aの抵抗値Rと抵抗器17の抵抗値rとで決まる初
期電圧VS ’に保持される。尚、第1実施例で説明した
ように、抵抗器17の抵抗値rは積分用抵抗器13aの
抵抗値Rに対して十分小さい値に設定されているため、
式11から分かるように、初期電圧VS ’は基準電圧V
ref (=VDD/2)よりも若干高い値となる。
【0127】
【数11】 VS ’=(VDD/2)×(1+r/R) …(11) そして、リセット信号RSTがハイレベルからロウレベ
ルに変化した後、図7の時刻t1に示す如く、外部から
のクロックCLKが立ち上がって、制御回路20からの
切換信号φ1〜φ4のうち切換信号φ2だけがハイレベ
ルになると、スイッチ素子18が開放すると共に、スイ
ッチ素子16aの接点とスイッチ素子16bの接点とが
両方共に電源電圧VDD側に切り換わって、積分器が電源
電圧VDDの積分を開始し、これに伴い、積分器の出力電
圧Voは、初期電圧VS ’から下降する。
【0128】その後、積分器の出力電圧Voが比較器1
4の比較電圧(つまり基準電圧Vref )を下回ると、図
7の時刻t2に示す如く、比較器14の出力信号CMP
がロウレベルからハイレベルに反転し、制御回路20か
らの切換信号φ1〜φ4のうち切換信号φ3だけがハイ
レベルとなって、スイッチ素子16aの接点が接地電位
VG 側に切り換わると共に、スイッチ素子16bの接点
が被測定電圧Vin側に切り換わる。そして、これによ
り、積分器は、被測定電圧Vinと接地電位VG とを加算
平均した電圧((Vin+0)/2=Vin/2)の積分を
開始することとなり、これに伴って積分器の出力電圧V
oが上昇する。また、時刻t2の時点から、TAD22
のパルス周回回路23が、パルス信号の周回動作を開始
する。
【0129】ここで、被測定電圧Vinと接地電位VG と
を加算平均した電圧(Vin/2)は、被測定電圧Vinが
接地電位VG と電源電圧VDDとの間の範囲内にあれば、
常に、接地電位VG から基準電圧Vref (=VDD/2)
までの電圧となる。よって、切換信号φ3がハイレベル
になって積分器が上記電圧(Vin/2)の積分を開始す
れば、積分器の出力電圧Voは常に上昇する。尚、この
ように積分器の出力電圧Voが上昇し始めると、比較器
14の出力信号CMPは、前述した時刻t2の反転方向
とは反対の方向、即ちハイレベルからロウレベルへ反転
する。
【0130】その後、図7の時刻t3に示す如く、カウ
ンタ26の最上位ビットMSBが「1」(=ハイレベ
ル)に変化すると、制御回路20からの切換信号φ1〜
φ4のうち切換信号φ4だけがハイレベルとなり、スイ
ッチ素子16aの接点とスイッチ素子16bの接点とが
両方共に電源電圧VDD側に切り換わって、積分器が電源
電圧VDDの積分を開始する。そして、これにより、積分
器の出力電圧Voは、時刻t3の時点から下降すること
となる。
【0131】そして、その後、積分器の出力電圧Voが
比較器14の比較電圧(つまり基準電圧Vref )を下回
ると、図7の時刻t4に示す如く、比較器14の出力信
号CMPが再度ロウレベルからハイレベルへ反転し、制
御回路20からの切換信号φ1〜φ4のうち切換信号φ
1だけがハイレベルの状態に戻る。また、これと同時
に、制御回路20からの第2信号PBが、ロウレベルか
らハイレベルへ変化して、TAD22が、時刻t2から
時刻t4までの時間を表す、15ビットデータを出力す
ることとなる。
【0132】その後、外部からのクロックCLKが立ち
上がると、再び切換信号φ2だけがハイレベルとなっ
て、積分器による電源電圧VDDの積分が開始され、この
時点で、前述した時刻t4でTAD22から新たに出力
された15ビットデータが、レジスタ24にラッチされ
る。
【0133】以後は、前述した時刻t1以降と同様の動
作が繰り返され、本第3実施例のA/D変換器において
も、切換信号φ2がロウレベルからハイレベルに変化し
た時にレジスタ24によりラッチされたTAD22から
の15ビットデータにて、カウンタ26の最上位ビット
MSBに対応するビットより下位のビット群を、被測定
電圧Vinの値を表す2進デジタル信号として、外部へ出
力する。
【0134】以上のように、本第3実施例のA/D変換
器では、第1実施例のA/D変換器に対して、接地電位
VG の代わりに電源電圧VDDを用いると共に、電源電圧
VDDの代わりに接地電位VG を用いている。つまり、図
7における積分時間Tbを計測する既知の設定電圧とし
て、電源電圧VDDの方を用いると共に、被測定電圧Vin
と加算平均して積分する第2の設定電圧として、接地電
位VG の方を用いるようにしている。
【0135】そして、このような第3実施例のA/D変
換器によれば、図7に示されるように、積分器の出力電
圧Voが、第1実施例の場合と比較して逆方向に変化す
る点だけが異なり、第1実施例のA/D変換器と全く同
様の効果を得ることができる。
【0136】[第4実施例]次に、第4実施例のA/D
変換器について、図8〜図10に基づき説明する。まず
図8は、第4実施例のA/D変換器の構成を表す構成図
である。図8に示すように、本第4実施例のA/D変換
器は、第1実施例のA/D変換器に対して、スイッチ素
子16a,16b,18やTAD22を制御する制御回
路54が、図9に示すように構成されている点と、レジ
スタ24に代えて、2つのレジスタ56,58及び演算
器60を備えている点とが異なっている。
【0137】ここで、レジスタ56は、制御回路54か
らTAD22への第2信号PBがロウレベルからハイレ
ベルに変化すると(立ち上がると)、そのタイミングで
TAD22から新たに出力される2進デジタル信号をラ
ッチする。また、レジスタ58は、制御回路54からT
AD22への第2信号PBが立ち上がると、その時点で
レジスタ56が既にラッチしている2進デジタル信号を
ラッチする。そして、演算器60は、制御回路54から
の切換信号φ2が立ち上がると、レジスタ56がラッチ
している2進デジタル信号の値から、レジスタ58がラ
ッチしている2進デジタル信号の値を引き、更に、その
引算後の2進デジタル信号の値を、レジスタ58がラッ
チしている2進デジタル信号の値で割り、その割り算後
の2進デジタル信号を、被測定電圧Vinを表す2進デジ
タル信号として出力する。
【0138】一方、第4実施例の制御回路54は、図9
に示すように、第1実施例の制御回路20に対して、下
記の(d)〜(g)の4点が異なっている。 (d)インバータ44の出力がロウレベルの時に他のフ
リップフロップF1〜F5と共にリセットされるフリッ
プフロップF6,イクスクルーシブオアゲート62,及
びバッファ64からなり、外部からのクロックCLKが
立ち上がる毎に、イクスクルーシブオアゲート62から
バッファ64での信号伝搬遅延時間に応じた時間幅のワ
ンショットパルスを出力する、パルス出力回路66を追
加して備えている。
【0139】(e)アンドゲート38の一方の入力端子
に、カウンタ26の最上位ビットMSBに代えて、上記
パルス出力回路66からのワンショットパルス(イクス
クルーシブオアゲート62の出力)が入力されている。 (f)フリップフロップF5のQ出力が、そのまま、T
AD22を構成するパルス周回回路23への第1信号P
Aとして出力される。
【0140】(g)フリップフロップF5のQバー出力
と、アンドゲート38の出力とが、オアゲート48に入
力され、このオアゲート48の出力が、TAD22を構
成するラッチ回路28及びパルスセレクタ30への第2
信号PBとして出力される。次に、以上のように構成さ
れた第4実施例のA/D変換器の動作について、図10
に示すタイムチャートに沿って説明する。尚、図10に
おいて、「FP 」は、フリップフロップF6のQ出力を
示している。
【0141】図10に示すように、本第4実施例のA/
D変換器においても、外部からのリセット信号RSTが
ハイレベルからロウレベルに変化して、外部からのクロ
ックCLKが最初に立ち上がるまでの間は、制御回路5
4からの切換信号φ1〜φ4のうち、切換信号φ1だけ
がハイレベルとなって、積分器の出力電圧Voは、基準
電圧Vref (=VDD/2)よりも若干低い式7の初期電
圧VS に保持され、時刻t1に示すように、クロックC
LKが立ち上がると、切換信号φ1〜φ4のうち、切換
信号φ2だけがハイレベルとなって、積分器が接地電位
VG の積分を開始する。
【0142】そして、積分器の出力電圧Voが、初期電
圧VS から上昇して、比較器14の比較電圧(つまり基
準電圧Vref )を越えると、時刻t2に示す如く、比較
器14の出力信号CMPがロウレベルからハイレベルに
反転し、これに伴い、制御回路54においては、切換信
号φ1〜φ4のうち、切換信号φ3だけがハイレベルに
なる。また、これと同時に、アンドゲート36からフリ
ップフロップF5のクロック端子に立上りエッジが入力
されて、フリップフロップF5のQ出力である第1信号
PAがロウレベルからハイレベルへ変化すると共に、フ
リップフロップF5のQバー出力がハイレベルからロウ
レベルに変化して、オアゲート48の出力である第2信
号PBがハイレベルからロウレベルに変化する。
【0143】そして、上記のように切換信号φ3がハイ
レベルになると、スイッチ素子16a,16bの切り換
わりにより、積分器は、被測定電圧Vinと電源電圧VDD
との加算平均電圧VH の積分を開始し、また、上記のよ
うに第1信号PAがハイレベルに変化すると、TAD2
2のパルス周回回路23が、パルス信号の周回動作を開
始する。
【0144】つまり、初期状態から切換信号φ3がハイ
レベルになる時刻t2までの動作は、第1実施例のA/
D変換器と同様である。時刻t2にて積分器が加算平均
電圧VH の積分を開始すると共に、パルス周回回路23
がパルス信号の周回動作を開始した後、時刻t3に示す
如く、外部からのクロックCLKが再び立ち上がると、
制御回路54において、パルス出力回路66からワンシ
ョットパルスが出力される。そして、そのワンショット
パルスは、アンドゲート38からオアゲート42を介し
て、フリップフロップF1〜F4のクロック端子に入力
されるため、切換信号φ1〜φ4のうち、切換信号φ4
だけがハイレベルとなる。また、上記ワンショットパル
スは、アンドゲート38からオアゲート48を介して、
TAD22のラッチ回路28及びパルスセレクタ30
へ、ハイレベルの第2信号PBとして出力される。
【0145】すると、積分器が、時刻t1の場合と同様
に、接地電位VG の積分を開始することとなり、積分器
の出力電圧Voは、時刻t3の時点から上昇する。ま
た、上記のように、パルス出力回路66からのワンショ
ットパルスが第2信号PBとして出力されると、TAD
22が、時刻t2で第1信号PAがハイレベルになって
から時刻t3で第2信号PBが立ち上がるまでの時間を
表わす15ビットデータ、即ち加算平均電圧VH の積分
時間Taを表す15ビットデータを出力し、その15ビ
ットデータを、レジスタ56がラッチする。尚、このと
き、レジスタ58は、それまでレジスタ56が出力して
いた15ビットデータをラッチする。
【0146】そして、その後、積分器の出力電圧Voが
比較器14の比較電圧(つまり基準電圧Vref )を越え
ると、時刻t4に示す如く、比較器14の出力信号CM
Pが再度ロウレベルからハイレベルへ反転する。する
と、制御回路54において、アンドゲート40からオア
ゲート42を介して、フリップフロップF1〜F4のク
ロック端子に立上りエッジが入力され、切換信号φ1〜
φ4のうち切換信号φ1だけがハイレベルの状態に戻
る。また、これと同時に、アンドゲート40からノアゲ
ート46を介して、フリップフロップF5のリセット端
子にロウレベルの信号が入力されるため、フリップフロ
ップF5がリセットされて、そのQ出力である第1信号
PAがハイレベルからロウレベルに変化し、パルス周回
回路23でのパルス周回動作が停止すると共に、フリッ
プフロップF5のQバー出力がロウレベルからハイレベ
ルに変化して、第2信号PBがロウレベルからハイレベ
ルに変化する。
【0147】このように時刻t4で第2信号PBが立ち
上がると、TAD22が、時刻t2で第1信号PAがハ
イレベルになってから時刻t4で第2信号PBが立ち上
がるまでの時間を表わす15ビットデータ、即ち加算平
均電圧VH の積分時間Taと接地電位VG の積分時間T
bとを加算した時間Tc(=Ta+Tb)を表す15ビ
ットデータを出力し、その15ビットデータを、レジス
タ56がラッチする。そして更に、このとき、レジスタ
58は、レジスタ56が時刻t3でラッチしていた15
ビットデータ、即ち加算平均電圧VH の積分時間Taを
表す15ビットデータをラッチする。
【0148】その後、外部からのクロックCLKが再び
立ち上がると、切換信号φ1〜φ4のうち切換信号φ2
だけがハイレベルの状態となって、積分器による接地電
位VG の積分が開始される。そして、このように切換信
号φ2がハイレベルに立ち上がると、演算器60は、レ
ジスタ56が時刻t4でラッチした上記時間Tc(=T
a+Tb)を表す15ビットデータから、レジスタ58
が時刻t4でラッチした加算平均電圧VH の積分時間T
aを表す15ビットデータを引き、更に、その引算後の
15ビットデータ(つまり、接地電位VG の積分時間T
bを表す15ビットデータ)を、レジスタ58がラッチ
した上記積分時間Taを表す15ビットデータで割り、
その割り算後の2進デジタル信号を、接地電位VG の積
分時間Tbと加算平均電圧VH の積分時間Taとの比
(Tb/Ta)を表す2進デジタル信号、即ち、被測定
電圧Vinを表す2進デジタル信号として出力する。
【0149】尚、本第4実施例では、演算器60が上記
演算を行って被測定電圧Vinを表す2進デジタル信号を
出力すると、その直後に、カウンタ26,ラッチ回路2
8,及びパルスセレクタ30の記憶内容がクリアされる
ようになっている。そして、以後は、前述した時刻t1
以降と同様の動作が繰り返される。
【0150】以上のように、本第4実施例のA/D変換
器では、第1実施例のように、TAD22におけるカウ
ンタ26の最上位ビットMSBが「1」に変化したタイ
ミングで、積分器に積分させる電圧を加算平均電圧VH
から接地電位VG に切り換えるのではなく、外部からの
クロックCLKに同期して、積分器に積分させる電圧を
切り換えるようにしている(図10の時刻t3)。
【0151】そして、本第4実施例のA/D変換器にお
いても、未知の被測定電圧Vinに応じた加算平均電圧V
H と、予め設定された既知の接地電位VG とを、積分器
の出力変化量が等しくなるように積分した場合の、両積
分時間Ta,Tbの比に基づき、被測定電圧Vinをデジ
タル値に変換するようにしているのであるが、加算平均
電圧VH の積分時間Taと接地電位VG の積分時間Tb
とを、TAD22によって計測するようにしている。
【0152】従って、本第4実施例のA/D変換器によ
っても、従来のA/D変換器のように積分時間を長く設
定することなく、A/D変換の精度を高めることがで
き、被測定電圧VinのA/D変換を高精度に且つ短時間
で行うことができる。そして更に、積分時間を長く設定
する必要がないため、積分用コンデンサ12の静電容量
や積分用抵抗器13a,13bの抵抗値を小さくするこ
とができ、当該A/D変換器を1つの半導体チップに集
積した場合のチップサイズを、小規模なものにすること
ができる。
【0153】また、第4実施例のA/D変換器において
も、図10の時刻t2から時刻t3までの期間におい
て、被測定電圧Vinと電源電圧VDDとを加算平均した加
算平均電圧VH を積分するようにしているため、被測定
電圧Vinが基準電圧Vref よりも接地電位VG 側の電圧
であっても、その期間において、積分器の出力電圧Vo
を下降させることができ、この結果、図15(B)に示
した五相積分方式の「状態3」の如き追加の積分期間を
設ける必要なく、A/D変換が可能な被測定電圧Vinの
電圧範囲を拡大することができる。
【0154】また更に、本第4実施例のA/D変換器で
も、抵抗器17とスイッチ素子18とを直列接続した電
圧設定用回路を、積分用コンデンサ12と並列に設け、
スイッチ素子18を短絡させた状態で、一方の積分用抵
抗器13aにスイッチ素子16aを介して電源電圧VDD
を印加することにより、積分器の出力電圧Voを、基準
電圧Vref よりも若干低い初期電圧VS に保持させ、そ
の後、積分器に接地電位VG を積分させて比較器14の
出力信号CMPを反転させるようにしている。
【0155】よって、本第4実施例のA/D変換器によ
っても、図15(B)に示した五相積分方式の「状態
1」及び「状態2」のように2種類の電圧を順次積分す
る期間を設ける必要がなく、被測定電圧VinのA/D変
換時間を短縮できる。 [第5実施例]次に、第5実施例のA/D変換器につい
て図11〜図13に基づき説明する。
【0156】まず図11は、第5実施例のA/D変換器
の構成を表す構成図である。図11に示すように、本第
5実施例のA/D変換器は、第4実施例のA/D変換器
に対し、比較器14に代えて、2つの比較器14a,1
4bを備えており、一方の比較器14aの出力信号CM
P1が、TAD22を構成するパルス周回回路23への
第1信号PAとして出力され、他方の比較器14bの出
力信号CMP2が、TAD22を構成するラッチ回路2
8及びパルスセレクタ30への第2信号PB、及びレジ
スタ56,58へのラッチ信号として出力される点と、
スイッチ素子16a,16b,18を制御する制御回路
68が、図12に示す如く構成されている点と、演算器
60に代えて、該演算器60とは若干異なる演算を行う
演算器70を備えている点とが異なっている。
【0157】ここで、比較器14aの反転入力端子に
は、式7に示した初期電圧VS よりも若干高い第1比較
電圧V1が印加されており、比較器14bの反転入力端
子には、上記第1比較電圧V1よりも高く且つ電源電圧
VDD(=5V)よりも低い第2比較電圧V2が印加され
ている。
【0158】また、演算器70は、制御回路68からの
切換信号φ2が立ち上がると、レジスタ56がラッチし
ている2進デジタル信号の値から、レジスタ58がラッ
チしている2進デジタル信号の値を引き、更に、その引
算後の2進デジタル信号の値を、レジスタ56がラッチ
している2進デジタル信号の値で割り、その割り算後の
2進デジタル信号を、被測定電圧Vinを表す2進デジタ
ル信号として出力する。
【0159】そして更に、本第5実施例のA/D変換器
において、スイッチ素子16aは、制御回路68からの
切換信号φ1がハイレベルであるときに、接点が電源電
圧VDD側に切り換わって積分用抵抗器13aに電源電圧
VDDを印加し、制御回路68からの切換信号φ2或いは
φ3がハイレベルであるときに、接点が接地電位VG側
に切り換わって積分用抵抗器13aに接地電位VG を印
加する。また、スイッチ素子16bは、制御回路68か
らの切換信号φ3がハイレベルのときに、接点が被測定
電圧Vin側に切り換わって積分用抵抗器13bに被測定
電圧Vinを印加し、制御回路68からの切換信号φ2が
ハイレベルであるときに、接点が接地電位VG 側に切り
換わって積分用抵抗器13bに接地電位VG を印加す
る。
【0160】一方、第5実施例の制御回路68は、図1
2に示すように、第4実施例の制御回路54に対して、
下記の(h)〜(l)の5点が異なっている。 (h)アンドゲート34の一方の入力端子に、外部から
のクロックCLKに代えて、パルス出力回路66からの
ワンショットパルス(イクスクルーシブオアゲート62
の出力)が入力されている。
【0161】(i)アンドゲート36の一方の入力端子
と、アンドゲート40の一方の端子とに、比較器14b
の出力信号CMP2(第2信号PB)が入力されてい
る。 (j)フリップフロップF4のQバー出力と、フリップ
フロップF2のQ出力との論理和信号を、切換信号φ1
として出力するオアゲート72を追加して備えている。
【0162】(k)フリップフロップF3のQ出力が、
切換信号φ3として出力され、当該制御回路68からは
切換信号φ4が出力されない。 (l)比較器14aの出力信号CMP1が第1信号PA
として用いられ、比較器14bの出力信号CMP2が第
2信号PBとして用いられるため、当該制御回路68
は、フリップフロップF5,ノアゲート46,及びオア
ゲート48を備えていない。
【0163】尚、上述した事項以外については、第4実
施例のA/D変換器と同様である。次に、以上のように
構成された第5実施例のA/D変換器の動作について、
図13に示すタイムチャートに沿って説明する。まず、
外部からのリセット信号RSTがハイレベルである初期
状態では、制御回路68の全フリップフロップF1〜F
4,F6がリセットされて、切換信号φ1〜φ3のう
ち、切換信号φ1だけがハイレベルとなる。よって、ス
イッチ素子18が短絡すると共に、スイッチ素子16a
の接点が電源電圧VDD側に切り換わり、積分器の出力電
圧Voは、第1比較電圧V1よりも若干低い初期電圧V
S に保持される。
【0164】そして、リセット信号RSTがハイレベル
からロウレベルに変化して、フリップフロップF1〜F
4,F6のリセットが解除され、その後、図13の時刻
t1に示す如く、外部からのクロックCLKが立ち上が
ると、パルス出力回路66からワンショットパルスが出
力され、そのワンショットパルスは、アンドゲート34
からオアゲート42を介して、フリップフロップF1〜
F4のクロック端子に入力されるため、切換信号φ1〜
φ3のうち、切換信号φ2だけがハイレベルとなる。
【0165】すると、スイッチ素子18が開放すると共
に、スイッチ素子16aの接点とスイッチ素子16bの
接点とが両方共に接地電位VG 側に切り換わり、積分器
が接地電位VG の積分を開始する。そして、積分器の出
力電圧Voは、接地電位VGの積分に伴って、初期電圧
VS から上昇することとなる。尚、切換信号φ2がハイ
レベルに変化したタイミングで、演算器70は、レジス
タ56及び58からの2進デジタル信号に基づき前述の
演算を行い、被測定電圧Vinを表す2進デジタル信号を
出力するのであるが、時刻t1の時点では、レジスタ5
6,58のラッチデータがリセット直後のものであるた
め、時刻t1で演算器70から出力される2進デジタル
信号は無視すればよい。
【0166】その後、積分器の出力電圧Voが上昇し
て、比較器14aの第1比較電圧V1を越えると、時刻
t2に示す如く、比較器14aの出力信号CMP1(つ
まり、TAD22への第1信号PA)がロウレベルから
ハイレベルに変化し、TAD22のパルス周回回路23
がパルス信号の周回動作を開始する。
【0167】その後更に、積分器の出力電圧Voが上昇
して、比較器14bの第2比較電圧V2を越えると、時
刻t3に示す如く、比較器14bの出力信号CMP2
(つまり、TAD22への第2信号PB)がロウレベル
からハイレベルに変化する。そして、このように第2信
号PBが立ち上がると、TAD22が、時刻t2で第1
信号PAがハイレベルになってから時刻t3で第2信号
PBが立ち上がるまでの時間Tdを表す15ビットデー
タを出力し、その15ビットデータを、レジスタ56が
ラッチする。尚、このとき、レジスタ58は、それまで
レジスタ56が出力していた15ビットデータをラッチ
する。
【0168】よって、比較器14bの出力信号CMP2
がハイレベルに変化した時刻t3にて、レジスタ56に
ラッチされた15ビットデータは、積分器に接地電位V
G を積分させた場合に、その出力電圧Voが第1比較電
圧V1から第2比較電圧V2までに相当する所定電圧分
だけ変化するのに要する時間(以下、接地電位VG の積
分時間という)Tdを表すこととなる。
【0169】また、時刻t3で第2信号PBが立ち上が
ると、制御回路68においては、アンドゲート36から
オアゲート42を介して、フリップフロップF1〜F4
のクロック端子に立上りエッジが入力され、フリップフ
ロップF2のQ出力がハイレベルになるため、切換信号
φ1〜φ3のうち切換信号φ1だけがハイレベルとな
る。そして、このように切換信号φ1がハイレベルにな
ると、再び、スイッチ素子18が短絡すると共に、スイ
ッチ素子16aの接点が電源電圧VDD側に切り換わっ
て、積分器の出力電圧Voが、第1比較電圧V1よりも
若干低い初期電圧VS に戻される。よって、比較器14
bの出力信号CMP2がハイレベルからロウレベルに反
転し、その直後に、比較器14aの出力信号CMP1も
ハイレベルからロウレベルに反転して、パルス周回回路
23でのパルス周回動作が停止する。
【0170】尚、本第5実施例では、比較器14aの出
力信号CMP1(第1信号PA)がロウレベルのとき
に、TAD22のカウンタ26,ラッチ回路28,及び
パルスセレクタ30の記憶内容がクリアされるようにな
っている。次に、その後、時刻t4に示す如く、外部か
らのクロックCLKが再び立ち上がると、制御回路68
において、パルス出力回路66からワンショットパルス
が出力され、そのワンショットパルスが、アンドゲート
38からオアゲート42を介して、フリップフロップF
1〜F4のクロック端子に入力されるため、切換信号φ
1〜φ3のうち切換信号φ3だけがハイレベルとなる。
【0171】すると、スイッチ素子16aの接点が接地
電位VG 側に切り換わると共に、スイッチ素子16bの
接点が被測定電圧Vin側に切り換わり、これにより、積
分器は、今度は、被測定電圧Vinと接地電位VG とを加
算平均した電圧((Vin+0)/2=Vin/2)の積分
を開始する。そして、積分器の出力電圧Voは、上記電
圧(Vin/2)の積分に伴って、初期電圧VS から再び
上昇することとなる。尚、以下の説明において、被測定
電圧Vinと接地電位VG とを加算平均した電圧を、単
に、加算平均電圧VH ともいう。
【0172】その後、積分器の出力電圧Voが上昇し
て、比較器14aの第1比較電圧V1を越えると、時刻
t5に示す如く、比較器14aの出力信号CMP1(つ
まり、TAD22への第1信号PA)がロウレベルから
ハイレベルに変化して、TAD22のパルス周回回路2
3が、再度、パルス信号の周回動作を開始する。
【0173】そして更に、積分器の出力電圧Voが上昇
して、比較器14bの第2比較電圧V2を越えると、時
刻t6に示す如く、比較器14bの出力信号CMP2
(つまり、TAD22への第2信号PB)が、再びロウ
レベルからハイレベルに変化する。
【0174】このように第2信号PBが立ち上がると、
TAD22が、時刻t5で第1信号PAがハイレベルに
なってから時刻t6で第2信号PBが立ち上がるまでの
時間Teを表す15ビットデータを出力し、その15ビ
ットデータを、レジスタ56がラッチする。そして、こ
のとき、レジスタ58は、レジスタ56が時刻t3でラ
ッチしていた15ビットデータをラッチする。
【0175】よって、比較器14bの出力信号CMP2
がハイレベルに変化した時刻t6にて、レジスタ56に
ラッチされた15ビットデータは、積分器に加算平均電
圧VH (=Vin/2)を積分させた場合に、その出力電
圧Voが第1比較電圧V1から第2比較電圧V2までに
相当する所定電圧分だけ変化するのに要する時間(以
下、加算平均電圧VH の積分時間という)Teを表すこ
ととなる。そして更に、時刻t6にて、レジスタ58に
ラッチされた15ビットデータは、図13の時刻t2か
ら時刻t3までの時間に相当する接地電位VG の積分時
間Tdを表すこととなる。
【0176】また、時刻t6で第2信号PBが立ち上が
ると、制御回路68においては、アンドゲート40から
オアゲート42を介して、フリップフロップF1〜F4
のクロック端子に立上りエッジが入力され、フリップフ
ロップF4のQバー出力がハイレベルになるため、切換
信号φ1〜φ3のうち切換信号φ1だけがハイレベルの
状態に戻る。そして、切換信号φ1がハイレベルになる
と、再び、積分器の出力電圧Voが初期電圧VS に戻さ
れ、比較器14bの出力信号CMP2がハイレベルから
ロウレベルに反転すると共に、比較器14aの出力信号
CMP1もハイレベルからロウレベルに反転して、パル
ス周回回路23のパルス周回動作が停止する。その後、
図13にて示されてはいないが、外部からのクロックC
LKが再び立ち上がると、前述した時刻t1の場合と同
様に、切換信号φ1〜φ3のうち切換信号φ2だけがハ
イレベルとなって、積分器による接地電位VG の積分が
開始される。
【0177】そして、このように切換信号φ2がハイレ
ベルに立ち上がると、演算器70は、レジスタ56が時
刻t6でラッチした加算平均電圧VH の積分時間Teを
表す15ビットデータから、レジスタ58が時刻t6で
ラッチした接地電位VG の積分時間Tdを表す15ビッ
トデータを引き、更に、その引算後の15ビットデータ
を、レジスタ56が時刻t6でラッチした上記積分時間
Teを表す15ビットデータで割り、その割り算後の2
進デジタル信号(つまり、「(Te−Td)/Te=1
−Td/Te」を表す2進デジタル信号)を、被測定電
圧Vinを表す2進デジタル信号として出力する。
【0178】そして、以後は、前述した時刻t1以降と
同様の動作が繰り返される。以上のように、本第5実施
例のA/D変換器では、積分器の出力電圧Voが第1比
較電圧V1から第2比較電圧V2までに相当する所定電
圧分だけ変化するまで、接地電位VG を積分して、その
変化に要する積分時間(接地電位VG の積分時間)Td
を計測し、また同様に、積分器の出力電圧Voが上記所
定電圧分と同じだけ変化するまで、被測定電圧Vinと接
地電位VG との加算平均電圧VH を積分して、その変化
に要する積分時間(加算平均電圧VH の積分時間)Te
を計測するようにしている。
【0179】ここで、上記積分時間Tdの間(即ち、図
13の時刻t2で比較器14aの出力信号CMP1がハ
イレベルになってから、図13の時刻t3で比較器14
bの出力信号CMP2がハイレベルになるまでの間)だ
け、接地電位VG を積分したことによる積分器の出力変
化電圧Vdは、下記の式12となり、また、上記積分時
間Teの間(即ち、図13の時刻t5で比較器14aの
出力信号CMP1がハイレベルになってから、図13の
時刻t6で比較器14bの出力信号CMP2がハイレベ
ルになるまでの間)だけ、加算平均電圧VH を積分した
ことによる積分器の出力変化電圧Veは、下記の式13
となる。
【0180】尚、式12において、「 ∫_(0)^(Td)[0
−Vref ]dt」は、接地電位VG(=0)と基準電圧
Vref との差[0−Vref ]を時間Tdだけ積分した値
である。また同様に、式13において、「 ∫_(0)^(Te)
[Vin/2−Vref ]dt」は、加算平均電圧VH (=
Vin/2)と基準電圧Vref との差[Vin/2−Vref
]を時間Teだけ積分した値である。そして、式1
2,13において、「C」は積分用コンデンサ12の静
電容量であり、「R」は積分用抵抗器13a,13bの
合成抵抗値である。
【0181】
【数12】 Vd=−∫_(0)^(Td)[0−Vref ]dt/CR =Vref ×Td/CR …(12)
【0182】
【数13】 Ve=−∫_(0)^(Te)[Vin/2−Vref ]dt/CR =(Vref −Vin/2)×Te/CR …(13) そして、上記両出力変化電圧Vd,Veは互いに等しい
ため、式12,13から下記の式14が成立する。
【0183】
【数14】 Vin=2Vref ×((Te−Td)/Te) …(14) よって、式14から分かるように、基準電圧Vref は既
知であるため、被測定電圧Vinの値は、接地電位VG の
積分時間Tdと加算平均電圧VH の積分時間Teとに応
じた値「(Te−Td)/Te=1−Td/Te」によ
って、数値化できる。
【0184】そこで、本第5実施例のA/D変換器で
は、前述したように、演算器70によって、積分時間T
eを表す15ビットデータから、積分時間Tdを表す1
5ビットデータを引き、更に、その引算後の15ビット
データを、積分時間Teを表す15ビットデータで割
り、その割り算後の2進デジタル信号(つまり「(Te
−Td)/Te=1−Td/Te」を表す2進デジタル
信号)を、被測定電圧Vinを表す2進デジタル信号とし
て出力するようにしている。
【0185】尚、演算器70は、上記割り算後の値
「(Te−Td)/Te」に、式14の如く「2Vref
」を乗じ、その乗算後の値を表す2進デジタル信号
を、被測定電圧Vinを表す2進デジタル信号として出力
するようにしてもよい。そして、このようにすれば、当
該A/D変換器からの2進デジタル信号を受けた装置に
て、何ら演算を行うことなく、被測定電圧Vinの値を知
ることができる。
【0186】また、演算器70は、レジスタ58が時刻
t6でラッチした積分時間Tdを表す15ビットデータ
を、レジスタ56が時刻t6でラッチした積分時間Te
を表す15ビットデータで割り、その割り算後の2進デ
ジタル信号(つまり「Td/Te」を表す2進デジタル
信号)を、被測定電圧Vinを表す2進デジタル信号とし
て、出力するようにしてもよい。
【0187】以上詳述したように、本第5実施例のA/
D変換器においても、未知の被測定電圧Vinに応じた加
算平均電圧VH と、予め設定された既知の接地電位VG
とを、積分器の出力変化量が等しくなるように積分した
場合の、両積分時間Te,Tbの比に基づき、被測定電
圧Vinをデジタル値に変換するようにしているのである
が、上記両積分時間Td,Teを、TAD22によって
計測するようにしている。
【0188】従って、本第5実施例のA/D変換器によ
っても、従来のA/D変換器のように積分時間を長く設
定することなく、A/D変換の精度を高めることがで
き、被測定電圧VinのA/D変換を高精度に且つ短時間
で行うことができる。そして更に、積分時間を長く設定
する必要がないため、積分用コンデンサ12の静電容量
や積分用抵抗器13a,13bの抵抗値を小さくするこ
とができ、当該A/D変換器を1つの半導体チップに集
積した場合のチップサイズを、小規模なものにすること
ができる。
【0189】ところで、上記第5実施例では、積分器の
基準電圧Vref を、接地電位VG と電源電圧VDDとの中
心電圧(=VDD/2)に設定したが、この場合、被測定
電圧Vinが電源電圧VDDと等しいと、被測定電圧Vinと
接地電位VG との加算平均電圧VH が基準電圧Vref と
同じになって、加算平均電圧VH を積分した際の積分器
の出力電圧Voが変化しなくなってしまう。
【0190】そこで、基準電圧Vref の値を、上記中心
電圧(=VDD/2)と電源電圧VDDとの間の電圧(例え
ばVDD×3/4)に設定すれば、被測定電圧Vinが電源
電圧VDDと等しくても、図13における時刻t4から時
刻t6までの期間において、積分器の出力電圧Voを上
昇させることができ、上記問題を解決することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のA/D変換器の構成を表す構成
図である。
【図2】 図1のパルス位相差符号化回路(TAD)を
表す構成図である。
【図3】 図1の制御回路を表す回路図である。
【図4】 第1実施例のA/D変換器の動作を表すタイ
ムチャートである。
【図5】 第2実施例のA/D変換器の構成を表す構成
図である。
【図6】 第3実施例のA/D変換器の構成を表す構成
図である。
【図7】 第3実施例のA/D変換器の動作を表すタイ
ムチャートである。
【図8】 第4実施例のA/D変換器の構成を表す構成
図である。
【図9】 図8の制御回路を表す回路図である。
【図10】 第4実施例のA/D変換器の動作を表すタ
イムチャートである。
【図11】 第5実施例のA/D変換器の構成を表す構
成図である。
【図12】 図11の制御回路を表す回路図である。
【図13】 第5実施例のA/D変換器の動作を表すタ
イムチャートである。
【図14】 従来の基本的な積分型A/D変換器を説明
する説明図である。
【図15】 従来の五相積分式のA/D変換器を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
11,50…演算増幅器 12…積分用コンデンサ 13a,13b…積分用抵抗器 14,14a,14
b…比較器 16a,16b,18…スイッチ素子 17,52…
抵抗器 20,54,68…制御回路 22…パルス位相差符
号化回路(TAD) 23…パルス周回回路 24,56,58…レジスタ
26…カウンタ 28…ラッチ回路 30…パルスセレクタ 32…
エンコーダ 60,70…演算器 34,36,38,40…アン
ドゲート 42,48,72…オアゲート 46…ノアゲート IV,44…インバータ NAND…ナンドゲート 62…イクスクルーシブオアゲート 64…バッファ 66…パルス出力回路 F1〜F6…フリップフロッ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された電圧を積分して出力する積分
    器と、 被測定電圧に応じた電圧及び予め設定された設定電圧の
    うち、何れか一方の電圧を、所定条件が成立するまでの
    間、前記積分器に積分させると共に、当該積分時間を第
    1積分時間として計測する第1制御動作と、前記被測定
    電圧に応じた電圧及び前記設定電圧のうち、前記第1制
    御動作により積分させる方とは異なる他方の電圧を、前
    記積分器に積分させ、前記積分器の出力変化量が、前記
    第1制御動作による前記積分器の出力変化量と一致する
    までの時間を、第2積分時間として計測する第2制御動
    作とを行う積分制御手段と、 を備え、前記第1積分時間と前記第2積分時間との比に
    基づき、前記被測定電圧をデジタル値に変換するA/D
    変換器であって、 前記積分制御手段が前記第1積分時間と前記第2積分時
    間を計測するための計時手段として、 入力信号を反転して出力する反転回路が複数連結され、
    各反転回路によりパルス信号を順次反転して伝搬する遅
    延回路を有し、該遅延回路を構成する前記反転回路のう
    ち予め定められた複数の反転回路から順次出力されるパ
    ルス信号の位相差時間を分解能として、時間を2進符号
    化可能な符号化手段を備えたこと、 を特徴とするA/D変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のA/D変換器におい
    て、 前記遅延回路は、前記反転回路がリング状に連結される
    と共に、該反転回路のうちの特定の反転回路が、入力信
    号の反転動作を外部からの第1信号により制御可能な起
    動用反転回路として構成され、該起動用反転回路が反転
    動作を開始することに伴い各反転回路によりパルス信号
    を順次反転して周回させるパルス周回回路からなり、 前記符号化手段は、前記パルス周回回路に加えて、 前記パルス周回回路内でのパルス信号の周回回数をカウ
    ントして、該カウント数を表す2進デジタル信号を出力
    するカウンタと、 外部からの第2信号が入力された時に、前記カウンタか
    らの2進デジタル信号をラッチして出力するラッチ回路
    と、 前記パルス周回回路を構成する反転回路のうち予め定め
    られた複数の反転回路の出力信号を取り込み、前記第2
    信号が入力された時に、前記起動用反転回路の反転動作
    開始により発生したパルス信号が前記パルス周回回路内
    の何れの反転回路に到達しているかを検出して、前記起
    動用反転回路から前記パルス信号が到達していると検出
    した反転回路までの反転回路の数に応じた2進デジタル
    信号を出力するパルス検出回路と、 を備え、前記ラッチ回路からの2進デジタル信号を上位
    ビットとし、且つ前記パルス検出回路からの2進デジタ
    ル信号を下位ビットとして、前記第1信号と前記第2信
    号との位相差を表す2進デジタル信号を出力するように
    構成されており、 更に前記積分制御手段は、 前記第1制御動作を開始して前記積分器に前記一方の電
    圧の積分を開始させた時に、前記起動用反転回路へ前記
    第1信号を出力して前記パルス周回回路のパルス周回動
    作を開始させ、その後、前記カウンタの所定ビットが変
    化すると、前記所定条件が成立したとして当該第1制御
    動作を終了すると共に、前記第2制御動作を開始して前
    記積分器に前記他方の電圧の積分を開始させ、更にその
    後、前記積分器の出力変化量が前記第1制御動作による
    前記積分器の出力変化量と一致すると、前記ラッチ回路
    及びパルス検出回路へ前記第2信号を出力するように構
    成されていること、 を特徴とするA/D変換器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のA/D変換器におい
    て、 前記積分制御手段は、 前記第1制御動作として、前記積分器の出力電圧が所定
    電圧分だけ変化するまでの間、前記積分器に前記一方の
    電圧を積分させると共に、その変化に要する時間を前記
    第1積分時間として計測すること、 を特徴とするA/D変換器。
  4. 【請求項4】 所定の基準電圧が非反転入力端子に印加
    された演算増幅器、該演算増幅器の出力端子と反転入力
    端子との間に接続された積分用コンデンサ、及び前記演
    算増幅器の反転入力端子に一方の端子が接続された積分
    用抵抗器を有し、前記積分用抵抗器の前記反転入力端子
    とは反対側の端子に入力される電圧を積分して、前記演
    算増幅器の出力端子から出力する積分器と、 該積分器の出力電圧と所定の比較電圧とを大小比較する
    比較器と、 該比較器の出力信号がハイレベルからロウレベル或いは
    ロウレベルからハイレベルのうちの何れかの所定方向に
    反転するように、前記積分器の出力電圧を変化させる初
    期設定手段と、 該初期設定手段の動作により前記比較器の出力信号が反
    転すると、その時点から予め設定された第1積分時間の
    間、前記積分器に被測定電圧に応じた電圧を積分させ
    て、該積分器の出力電圧を前記比較器の出力信号が前記
    所定方向とは反対の方向に反転するように変化させ、前
    記第1積分時間が経過すると、前記積分器に予め設定さ
    れた設定電圧を積分させて、該積分器の出力電圧を前記
    比較器の出力信号が前記所定方向に再度反転するように
    変化させ、前記設定電圧の積分を開始させてから前記比
    較器の出力信号が反転するまでの時間を、第2積分時間
    として計測する積分制御手段と、 を備え、前記第1積分時間と前記第2積分時間との比に
    基づき、前記被測定電圧をデジタル値に変換するA/D
    変換器において、 前記初期設定手段は、 抵抗器とスイッチ素子とを直列接続してなると共に、前
    記積分器を形成する積分用コンデンサと並列に接続され
    た電圧設定用回路を備え、 前記スイッチ素子を短絡させた状態で前記積分用抵抗器
    に所定電圧を印加することにより、前記積分器の出力電
    圧を、前記比較器の出力信号が前記所定方向に反転する
    電圧の近傍の電圧に保持させ、その後、前記スイッチ素
    子を開放させると共に、前記積分用抵抗器に前記設定電
    圧を印加して、前記積分器に前記設定電圧を積分させる
    ことにより、前記比較器の出力信号が前記所定方向に反
    転するように前記積分器の出力電圧を変化させること、 を特徴とするA/D変換器。
  5. 【請求項5】 予め設定された設定電圧と該設定電圧と
    は異なる第2の設定電圧との間に設定された所定の基準
    電圧が非反転入力端子に印加された演算増幅器、該演算
    増幅器の出力端子と反転入力端子との間に接続された積
    分用コンデンサ、及び前記演算増幅器の反転入力端子に
    一方の端子が接続された積分用抵抗器を有し、前記積分
    用抵抗器の前記反転入力端子とは反対側の端子に入力さ
    れる電圧を積分して、前記演算増幅器の出力端子から出
    力する積分器と、 該積分器の出力電圧と所定の比較電圧とを大小比較する
    比較器と、 該比較器の出力信号がハイレベルからロウレベル或いは
    ロウレベルからハイレベルのうちの何れかの所定方向に
    反転するように、前記積分器の出力電圧を変化させる初
    期設定手段と、 該初期設定手段の動作により前記比較器の出力信号が反
    転すると、その時点から予め設定された第1積分時間の
    間、前記積分器に被測定電圧に応じた電圧を積分させ
    て、該積分器の出力電圧を前記比較器の出力信号が前記
    所定方向とは反対の方向に反転するように変化させ、前
    記第1積分時間が経過すると、前記積分器に前記設定電
    圧を積分させて、該積分器の出力電圧を前記比較器の出
    力信号が前記所定方向に再度反転するように変化させ、
    前記設定電圧の積分を開始させてから前記比較器の出力
    信号が反転するまでの時間を、第2積分時間として計測
    する積分制御手段と、 を備え、前記第1積分時間と前記第2積分時間との比に
    基づき、前記被測定電圧をデジタル値に変換するA/D
    変換器において、 前記基準電圧は、前記設定電圧と前記第2の設定電圧と
    の間の中心電圧、或いは該中心電圧と前記設定電圧との
    間の電圧に設定されており、 前記積分制御手段は、 前記第1積分時間の間、前記被測定電圧と前記第2の設
    定電圧とを加算平均した電圧を、前記被測定電圧に応じ
    た電圧として前記積分器に積分させるように構成されて
    いること、 を特徴とするA/D変換器。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のA/D変換器におい
    て、 前記積分器は、前記演算増幅器の反転入力端子に一方の
    端子が接続された2つの積分用抵抗器を有し、 前記積分制御手段は、 前記第1積分時間の間、前記2つの各積分用抵抗器に前
    記被測定電圧と前記第2の設定電圧とを夫々印加するこ
    とにより、前記積分器に前記被測定電圧と前記第2の設
    定電圧とを加算平均した電圧を積分させ、前記第1積分
    時間が経過すると、前記2つの各積分用抵抗器に前記設
    定電圧を夫々印加することにより、前記積分器に前記設
    定電圧を積分させること、 を特徴とするA/D変換器。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のA/D変換器におい
    て、 前記初期設定手段は、 抵抗器とスイッチ素子とを直列接続してなると共に、前
    記積分器を形成する積分用コンデンサと並列に接続され
    た電圧設定用回路を備え、 前記スイッチ素子を短絡させた状態で前記積分用抵抗器
    に所定電圧を印加することにより、前記積分器の出力電
    圧を、前記比較器の出力信号が前記所定方向に反転する
    電圧の近傍の電圧に保持させ、その後、前記スイッチ素
    子を開放させると共に、前記積分用抵抗器に前記設定電
    圧を印加して、前記積分器に前記設定電圧を積分させる
    ことにより、前記比較器の出力信号が前記所定方向に反
    転するように前記積分器の出力電圧を変化させること、 を特徴とするA/D変換器。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のA/D変換器におい
    て、 前記初期設定手段は、 抵抗器とスイッチ素子とを直列接続してなると共に、前
    記積分器を形成する積分用コンデンサと並列に接続され
    た電圧設定用回路を備え、 前記スイッチ素子を短絡させた状態で、前記2つの積分
    用抵抗器のうちの一方の積分用抵抗器に、前記第2の設
    定電圧を印加することにより、前記積分器の出力電圧
    を、前記比較器の出力信号が前記所定方向に反転する電
    圧の近傍の電圧に保持させ、その後、前記スイッチ素子
    を開放させると共に、前記2つの各積分用抵抗器に前記
    設定電圧を夫々印加して、前記積分器に前記設定電圧を
    積分させることにより、前記比較器の出力信号が前記所
    定方向に反転するように前記積分器の出力電圧を変化さ
    せること、 を特徴とするA/D変換器。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし請求項8の何れかに記載
    のA/D変換器において、 前記積分制御手段が前記第1積分時間と前記第2積分時
    間を計測するための計時手段として、 入力信号を反転して出力する反転回路が複数連結され、
    各反転回路によりパルス信号を順次反転して伝搬する遅
    延回路を有し、該遅延回路を構成する前記反転回路のう
    ち予め定められた複数の反転回路から順次出力されるパ
    ルス信号の位相差時間を分解能として、時間を2進符号
    化可能な符号化手段を備えたこと、 を特徴とするA/D変換器。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のA/D変換器におい
    て、 前記遅延回路は、前記反転回路がリング状に連結される
    と共に、該反転回路のうちの特定の反転回路が、入力信
    号の反転動作を外部からの第1信号により制御可能な起
    動用反転回路として構成され、該起動用反転回路が反転
    動作を開始することに伴い各反転回路によりパルス信号
    を順次反転して周回させるパルス周回回路からなり、 前記符号化手段は、前記パルス周回回路に加えて、 前記パルス周回回路内でのパルス信号の周回回数をカウ
    ントして、該カウント数を表す2進デジタル信号を出力
    するカウンタと、 外部からの第2信号が入力された時に、前記カウンタか
    らの2進デジタル信号をラッチして出力するラッチ回路
    と、 前記パルス周回回路を構成する反転回路のうち予め定め
    られた複数の反転回路の出力信号を取り込み、前記第2
    信号が入力された時に、前記起動用反転回路の反転動作
    開始により発生したパルス信号が前記パルス周回回路内
    の何れの反転回路に到達しているかを検出して、前記起
    動用反転回路から前記パルス信号が到達していると検出
    した反転回路までの反転回路の数に応じた2進デジタル
    信号を出力するパルス検出回路と、 を備え、前記ラッチ回路からの2進デジタル信号を上位
    ビットとし、且つ前記パルス検出回路からの2進デジタ
    ル信号を下位ビットとして、前記第1信号と前記第2信
    号との位相差を表す2進デジタル信号を出力するように
    構成されており、 更に前記積分制御手段は、 前記積分器に前記被測定電圧に応じた電圧の積分を開始
    させた時に、前記起動用反転回路へ前記第1信号を出力
    して前記パルス周回回路のパルス周回動作を開始させ、
    その後、前記カウンタの所定ビットが変化すると、前記
    第1積分時間が経過したとして前記積分器に前記設定電
    圧の積分を開始させ、更にその後、前記比較器の出力信
    号が前記所定方向に反転すると、前記ラッチ回路及びパ
    ルス検出回路へ前記第2信号を出力するように構成され
    ていること、 を特徴とするA/D変換器。
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