JPH1034216A - タンデム圧延機の板クラウン制御方法および装置 - Google Patents

タンデム圧延機の板クラウン制御方法および装置

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JPH1034216A
JPH1034216A JP8197932A JP19793296A JPH1034216A JP H1034216 A JPH1034216 A JP H1034216A JP 8197932 A JP8197932 A JP 8197932A JP 19793296 A JP19793296 A JP 19793296A JP H1034216 A JPH1034216 A JP H1034216A
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JP
Japan
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crown
dead zone
amount
work roll
manual intervention
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JP8197932A
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English (en)
Inventor
Masamichi Tsuyuki
真道 露木
Hiroyuki Kobayashi
博幸 小林
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板形状検出装置の設置のような設備投資を必
要とせず、圧延機運転者の負担を増すことなく、圧延ス
タンドにおける形状不感帯を修正しながら、簡便な制御
系により安定的に被圧延材の板クラウンを制御する。 【解決手段】 タンデム圧延機の最終圧延スタンド出側
にて検出される被圧延材の板クラウン量に従って、圧延
スタンドにおけるワークロール・ベンディング力を、予
め推定された形状不感帯の範囲内で変化させて板クラウ
ンを制御するに際し、ワークロールベンディング力に対
する圧延機運転者の手動介入量を形状不感帯の推定誤差
として学習し、その学習結果に従って圧延スタンドにお
ける推定形状不感帯を修正することで、適正化された形
状不感帯内で高精度に、且つ安定的に板クラウン制御を
実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワークロールベンデ
ィング装置を備えたタンデム圧延機にて圧延加工される
製品(被圧延材)のクラウン精度の向上に有効なタンデ
ム圧延機の板クラウン制御方法および装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】熱間タンデム圧延機における板ク
ラウン制御は、専ら圧延スタンドに設けられたワークロ
ールベンディング装置によるワークロールベンディング
力を調整して行われる。例えば最終圧延スタンド出側に
おいて計測される被圧延材の板クラウン量(実績値)に
基づいて、ブログラマブル・コントローラやブロセス・
コンピュータ等を用いて上記ワークロールベンディング
力を自動制御して実行される。ところが圧延加工される
被圧延材の板クラウンとその板形状とは互いに影響しあ
う性質がある。この為、最終圧延スタンド出側において
計測された板クラウン量だけに着目して上述したクラウ
ン制御を行うと、これに起因して板形状が悪化すること
がある。これ故、その制御系の調整に大変な労力を要す
ると言う不具合があった。
【0003】ところで特開昭55−92216号公報に
は、予め実験により求めた板幅,板厚および板の変形抵
抗の関係に基づいて板クラウンに対する板形状の不感帯
領域を求め、この形状不感帯に基づいて決定される板ク
ラウン制御量の最大値を越えない範囲内で被圧延材のパ
スまたは圧延スタンドにおける板クラウン制御量を配分
することで前記被圧延材の板クラウンを最適化する手法
が開示されている。
【0004】また特開平5−96313号公報には、最
終圧延スタンド出側における板クラウンと、各圧延スタ
ンド出側における板形状とをそれぞれ制御するに際し、
板形状検出装置の代わりに圧延機運転者により設定入力
される各圧延スタンドの形状制御情報を用いることで、
上記各制御が他方の制御に予想外の影響を与ることがな
いようにする手法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし前者の特開昭5
5−92216号公報に開示される手法にあっては、予
め様々な条件で実験を行って板幅や板厚,板の変形抵抗
等の圧延実績データを収集する必要があり、全ての圧延
条件に対して最適な形状不感帯を決定することが非常に
困難である。更には実際の圧延工程においては、上記圧
延実績データに基づく形状不感帯の推定誤差に起因して
板形状が悪化することがある。その対策として、例えば
最終圧延スタンド出側に板形状検出装置を設けて板形状
を監視し、板形状の劣化が検出された場合には上記推定
形状不感帯を修正することが考えられる。しかしこのよ
うな対策を施すには多大な設備投資が必要となると言う
新たな問題が生じる。
【0006】また後者の特開平5−96313号公報に
開示される手法によれば、圧延機運転者にその圧延期間
中、各圧延スタンドに対する形状制御情報を絶えず入力
操作することを要求することになり、圧延機運転者の負
担が非常に大きい。しかも圧延機運転者による形状制御
情報の入力操作自体、板形状検出装置の代わりとしかな
り得ないので、板形状の制御手法としては別途に用意す
る必要がある。つまり板クラウンと板形状とを互いに干
渉を招くことなく制御する上での本質的な問題解決とは
なり得ない。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、新たに板形状検出装置を設置す
るような設備投資を必要とせず、しかも圧延機運転者の
負担を増すことなく、圧延スタンドにおける形状不感帯
を修正しながら、簡便な制御系により安定的に被圧延材
の板クラウンを制御することのできるタンデム圧延機の
板クラウン制御方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく、請求項1に記載の本発明に係るタンデム圧延機の
板クラウン制御方法は、タンデム圧延機の最終圧延スタ
ンド出側にて検出される被圧延材の板クラウン量に従っ
て、上記タンデム圧延機の圧延スタンドにおけるワーク
ロールベンディング力を、予め推定された形状不感帯の
範囲内で変化させて前記被圧延材の板クラウンを制御す
るに際し、例えば圧延機運転者の目視による板形状判断
に基づいて、該圧延機運転者が手動操作して設定する前
記ワークロールベンディング力に対する手動介入量を、
その圧延スタンドにおける前記形状不感帯の推定誤差と
して学習し、その学習結果に従って前記圧延スタンドに
おける推定形状不感帯を修正することを特徴とするもの
である。
【0009】即ち、本発明方法は、(a)タンデム圧延に
おける形状悪化の最も大きな問題は圧延が継続できなく
なる事態であり、その圧延トラブルを防止するに必要な
板形状は目視判断できる程度であること、また(b)自動
形状制御機能を備えない圧延機では、圧延機運転者の目
視形状判断に基づいて自動板クラウン制御中のワークロ
ールベンディング装置に対して手動介入し、その板形状
を修正しても不具合が生じないことに着目したもので、
(c)圧延機運転者のワークロールベンディング力に対す
る手動介入実績を前記形状不感帯の推定誤差として学習
し、その圧延スタンドにおける形状不感帯を修正するこ
とにより、適正化された形状不感帯内で精度良く板クラ
ウン制御を行う方法を提供するものである。
【0010】また請求項2に記載の本発明に係るタンデ
ム圧延機の板クラウン制御装置は、圧延スタンドにワー
クロールベンディング装置を備えたタンデム圧延機の最
終圧延スタンド出側にクラウンメータを設置し、このク
ラウンメータにて検出される被圧延材の板クラウン量に
従って前記ワークロールベンディング装置によるワーク
ロールベンディング力を予め推定された形状不感帯の範
囲内で変化させるフィードバック系の制御手段と、前記
ワークロールベンディング装置のワークロールベンディ
ング力を圧延機運転者の手動介入量に従って変化させる
手動介入手段とを備えたものであって、特に上記圧延機
運転者の手動介入量を、その圧延スタンドにおける前記
形状不感帯の推定誤差として学習して該圧延スタンドに
おける推定形状不感帯を修正する学習手段を備えたこと
を特徴とするものである。
【0011】即ち、圧延スタンドにワークロールベンデ
ィング装置を備え、且つ圧延最終スタンド出側にクラウ
ンメータを備えたタンデム圧延機において、圧延中は上
記クラウンメータによって検出される板クラウン量をフ
ィードバック信号として、予め推定した形状不感帯内で
前記ワークロールベンディング力を変化させて板クラウ
ン制御を行う制御手段を備えている。更にこの状態にお
いて板形状の悪化が生じ、圧延機運転者の目視によりそ
の形状が良好となるまで前記ワークロールベンディング
力が手動調整された場合には、そのときの調整量や調整
方向等の手動介入量(実績)を収集し、例えば手動介入
量が前記自動クラウン制御による変化を打ち消す方向に
なされている場合には、これを形状不感帯の推定誤差に
起因するものとして判断(学習)して、前記圧延スタン
ドにおける推定形状不感帯を修正する学習手段を備えた
ことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係るタンデム圧延機の板クラウン制御方法お
よび装置について説明する。図1は本発明が適用される
熱間タンデム圧延機の概略構成を示す図で、タンデム配
置された複数(i段)の圧延スタンドS1,S2,〜Si-1,
Siを備えて構成される。各圧延スタンドSは、一対の
ワークロールWRと、そのバックアップロールBRをそ
れぞれ備えて構成され、所定の圧延荷重の下でロール周
速度が制御されて被圧延材Wを連続的に圧延加工するも
のとなっている。
【0013】また前記各圧延スタンドSにはそれぞれワ
ークロールベンディング装置(図示せず)とその制御装
置1が設けられており、被圧延材Wに対するワークロー
ルWRの撓み(ベンディング)量が可変設定されるよう
になっている。各ワークロールベンディング制御装置1
は、基本的には板クラウン制御装置2によりその作動が
制御されるものであるが、手動操作器3による手動介入
操作量によっても上記ベンディング量が個別に調節設定
されるようになっている。
【0014】尚、板クラウン制御装置2は、後述するよ
うにプロセス・コンピュータ4からの制御指令、および
最終圧延スタンドSiの出側に設けられたクラウンメー
タ5により検出される被圧延材Wの板クラウン量に従っ
て前記各スタンドSにおけるワークロールベンディング
制御装置1の作動、つまりワークロールWRのベンディ
ング量を制御するものであり、機能的には、例えば図2
に示すように構成されている。
【0015】即ち、プロセス・コンピュータ4は、前記
各圧延スタンドSにおけるワークロールベンディング量
を制御するための基礎となる形状不感帯のデータを予め
記憶したデータ・ファイル41と、圧延中の前記各圧延
スタンドSにおけるロールクラウン量をオンライン処理
により推定するヒートクラウン推定器42とを備えてい
る。上記データ・ファイル41に収集される形状不感帯
のデータとは、図3に例示するように板クラウン量(例
えば百分率で示される比率クラウン)に対して板形状が
変化(悪化)しない範囲として定義されるもので、実際
的には形状変化の許容誤差を見込む実用不感帯の範囲を
示す板クラウン量の上限および下限として求められる。
【0016】尚、上記形状不感帯は、圧延中におけるワ
ークロールWRの熱膨張に起因するヒートクラウンの変
化に伴って時間的に変化するので、前記ヒートクラウン
推定器42によって求められる圧延中のヒートクラウン
量の変化分も含めて形状不感帯のデータが求められる。
尚、ヒートクラウン推定器42は、例えばオンライン・
ヒートクラウンの計算モデルとベンディング・クラウン
のモデルとから圧延中のワークロール・ヒートクラウン
量をオンラインで算出し、これを出力する。図4は折れ
線近似して表現された形状不感帯データの例を示すもの
で、横軸を圧延開始からの時間経過、縦軸をワークロー
ル・ベンディング力として、形状の悪化を生じることの
ない上記ベンディング力の上限値および下限値の変化と
して示される。
【0017】しかして前記データ・ファイル41は、例
えば被圧延材Wの合金成分とその用途、また圧延スタン
ドS毎の入側板厚と出側板厚、更に板幅や各圧延スタン
ドにおける目標板クラウン等に基づき、板形状を悪化さ
せることのないワークロールベンディング力の範囲を、
その基本的な形状不感帯データとして収集して保存す
る。この基本的な形状不感帯データは、例えば図5に示
すようにヒートクラウン量を横軸、ワークロール・ベン
ディング力を縦軸として整理し、折れ線近似したデータ
等として前記データ・ファイル41に保存される。
【0018】ちなみにこのような手法にて種々の圧延条
件下(分類ケース)においてそのデータ項目の全てを埋
めて形状不感帯データを構成するものとすると、そのデ
ータ量が極めて膨大なものとなることが否めない。しか
し理論上は有り得るが、実際には有り得ない圧延条件も
あるので、実際には必要部分のデータ項目だけを埋め込
んで形状不感帯データを構成するようにすればよい。ま
たサンプル数の少ない分類ケースについては、似通った
分類条件のケースと連繋させておくようにすれば形状不
感帯データを効率的に整理し、充実した内容のデータと
することができる。このようにして整理して求められる
ヒートクラウンと、板形状の悪化を生じないワークロー
ルベンディング力の範囲(形状不感帯)との関係を図5
に示すように折れ線近似したデータは、例えば[クラウ
ン・ベンダー限界FG]と称され、関数発生器 (Functi
on Generator)により生成出力される。
【0019】但し、上記ヒートクラウンとは、圧延中の
加工発熱などによる入熱と冷却剤による抜熱、更には非
圧延中の冷却抜熱の熱収支により変化する熱膨張による
ロールクラウンのことでである。またFGとは上記関数
発生器により生成される折れ点データを示している。一
方、板クラウン制御装置2は、冷却クラウン補正器2
1,形状不感帯データ解析器22,クラウン制御器2
3,そして手動介入判定器24を備えて構成される。
【0020】上記冷却クラウン補正器21は、前記ヒー
トクラウン推定器42にて求められたヒートクラウン量
に対して、例えば圧延ロット間のアイドル期間中におけ
るロール冷却による上記ヒートクラウン量の補正処理を
実行するもので、これによって圧延中におけるヒートク
ラウン量が的確に求められるようになっている。そして
冷却クラウン補正器21は、上記補正を施したヒートク
ラウン量を、例えばそのロットの圧延開始からの時間経
過を横軸に、またヒートクラウン量を縦軸にとって折れ
線近似した、例えば図6に示す如き圧延時間とヒートク
ラウン量との関係を示すデータを[時間・クラウンF
G]として生成し、これを形状不感帯データ解析器22
に与えている。この[時間・クラウンFG]は、例えば
10秒毎に前記形状不感帯データ解析器22に対して出
力される。
【0021】しかして形状不感帯データ解析器22は、
前記データ・ファイル41から求められる図5に示す如
き[クラウン・ベンダー限界FG]と、上記冷却クラウ
ン補正器21から与えられる図6に示す如き[時間・ク
ラウンFG]とに基づき、その時点における形状不感帯
の上限と下限とを求めている。そしてクラウン制御器2
3は、前記クラウンメータ5によって計測される被圧延
材Wのクラウン量に基づき、そのクラウン量を目標クラ
ウン量に近付けるべく、上記形状不感帯の範囲内で前記
ベンディング制御装置1によるベンディング力を可変調
整している。つまりクラウン制御器23は、クラウンメ
ータ5によって計測されるクラウン量をフィードバック
信号としてベンディング制御装置1を制御するに際し、
その制御量を前記不感帯の範囲内に制限することで、板
形状の変化を招くことのない範囲でワークロールWRの
撓み(ベンディング)量を制御している。
【0022】ところで前述したようにベンディング制御
装置1には、手動操作器3から直接的にベンディング量
が操作設定されるようになっており、圧延機運転者によ
り手動制御可能となっている。この圧延機運転者の手動
介入によるベンディング力の調整は、例えば板形状の目
視判断によってその形状悪化が見出されたとき、圧延機
運転者の目視によりその形状が良好となるように前記手
動操作器3を操作することによってなされる。前記板ク
ラウン制御装置2に設けられた手動介入判定器24は、
このような手動操作器3を介する圧延機運転者からのベ
ンディング力に対する手動介入を判定するもので、所定
の条件下でその手動介入量(操作量)を収集し、これを
学習して前記データ・ファイル41に格納されている形
状不感帯データ、つまり[クラウン・ベンダー限界F
G]を修正する役割を担う。
【0023】即ち、圧延中に圧延機運転者からのワーク
ロール・ベンディング力(量)に対する手動介入があっ
た場合、手動介入判定器24は、その手動介入による上
記ベンディング量の修正方向が前述したクラウン制御器
23によるクラウン制御を打ち消す方向であり、且つそ
の手動介入によるワークロールベンディング力の修正量
が微小でないとき、その修正量を手動介入実績データと
して取り込み、これを前記データ・ファイル41に書き
込むと共に、前記ヒートクラウン推定器42を再起動し
て、その時点でのヒートクラウン量を計算し直す役割を
果たす。
【0024】そして、例えば図7に示すように[クラウ
ン・ベンダー限界FG]のデータの内、算出されたヒー
トクラウン量Aの前後における2つの折れ点B1,B2を
結んで示される形状不感帯上限Bと、その時のワークロ
ールベンディング力Cとの差δに、ワークロール・ベン
ディング力に対する手動介入量Xを加えた量Yだけ前記
形状不感帯上限Bを修正し、これを新たな形状不感帯上
限Dとして前記データ・ファイル41に記憶して該当デ
ータを修正する。尚、形状不感帯の下限データについて
も同様に手動介入量に基づく修正が行われる。
【0025】このようにして形状不感帯のデータ[クラ
ウン・ベンダー限界FG]が修正された後には、前記ヒ
ートクラウン推定器41にて算出された[時間・クラウ
ンFG]が前記形状不感帯データ解析器22に再び与え
られる。そして形状不感帯データ解析器22では、修正
された[クラウン・ベンダー限界FG]と、新たに求め
られた[時間・クラウンFG]とを結合して、例えば圧
延時間を横軸、ワークロールベンディング力を縦軸とし
て折れ線近似した形状不感帯のデータを求め直し、これ
を前記クラウン制御装置23に出力することで、修正さ
れた形状不感帯の下でその制御を継続させる。尚、この
修正処理(形状不感帯の学習)は、圧延中に手動介入が
ある都度、繰り返し実行される。
【0026】図8は上述したワークロール・ベンディン
グ制御の一連の実行手順の例を示している。この処理手
順について簡単に説明すると、その処理は圧延中か否か
を判定することから開始され(ステップS1)、圧延中
である場合にはワークロール・ベンディング力に対する
手動介入がなされたか否かを判定することから進められ
る(ステップS2)。そして圧延中でない場合には、つ
まりロット間のアイドル期間中である場合には、前述し
た冷却クラウン補正器21による冷却クラウン補正量演
算を実行した後(ステップS3)、次の実行サイクルを
待ってステップS1からの処理手順を繰り返し実行す
る。
【0027】しかして圧延中であり、且つワークロール
・ベンディング力に対する手動介入がなされている場合
には、その手動介入量に従って前述した如くデータ・フ
ァイル41に求められている形状不感帯のデータ、つま
り[クラウン・ベンダー限界FG]を修正する(ステッ
プS4)。その後、前記ヒートクラウン推定器42を起
動してその時点での[時間・クラウンFG]を求め(ス
テップS5)、更に前記データ・ファイル41の[クラ
ウン・ベンダー限界FG]を参照して(ステップS
6)、当該時点における形状不感帯の上限および下限を
算出する(ステップS7)。
【0028】尚、手動介入がない場合には、前記データ
・ファイル41に求められている形状不感帯のデータ、
つまり[クラウン・ベンダー限界FG]の修正処理は行
わない。そしてこの場合には、ヒートクラウン量の算出
タイミングであるか否かに応じて(ステップS8)、上
記ステップS5〜S7の処理手順を実行し、その時点で
の形状不感帯の上限および下限を算出する。
【0029】以上のようにして手動介入に応じて前記デ
ータ・ファイル41に求められている[クラウン・ベン
ダー限界FG]を修正し、且つその修正に応じて、或い
はヒートクラウン量の算出タイミング時に上記[クラウ
ン・ベンダー限界FG]とその時点での[時間・クラウ
ンFG]とに従って前記形状不感帯の上限および下限を
求めた後には、次に前記クラウン・メータ5によって計
測される板クラウン量(実績値)を入力する(ステップ
S9)。そして前記クラウン制御部23において上記計
測されたクラウン量に従って、ワークロールWRに設定
するべくクラウン制御量を計算し(ステップS10)、
更に上述した如く求められた形状不感帯の上限および下
限に従って、クラウン制御量の形状不感帯をチェックす
る(ステップS11)。そして上記形状不感帯の範囲内
で前記クラウン制御量に基づくワークロール・ベンディ
ング力の制御指令を発し(ステップS12)、前記ベン
ディング制御装置1を作動させてワークロールWRに対
するベンディング力を制御する。
【0030】かくして上述した如く構成されたタンデム
圧延機の板クラウン制御装置と、その板クラウンの制御
方法によれば、最終圧延スタンドSiの出側において計
測される被圧延材Wのクラウン量をフィードバック信号
として圧延スタンドにおけるワークロール・ベンディン
グ力を、予め推定された形状不感帯の範囲内で制御して
圧延を実行するに際し、例えば推定した形状不感帯の誤
差に起因する板形状の悪化が検出され、圧延機運転者の
手動介入によるワークロール・ベンディング力の調整が
行われた場合、その手動介入量を推定誤差の学習値とし
て取り込んで前記推定形状不感帯の修正が行われる。つ
まり手動介入によるワークロール・ベンディング力の修
正が自動クラウン制御による変化を打ち消す方向になさ
れた場合、これを上記自動クラウン制御によって板形状
が悪化した為であると判断し、手動介入量に従って当該
ロットにおける被圧延材と、次ロットにおける被圧延材
に対する推定形状不感帯の修正が行われる。
【0031】従って板形状を悪化させることのない形状
不感帯を適正に設定して、安定的にクラウン制御を実行
することが可能となる。しかも新たに板形状検出装置を
設置すると言うような設備投資を行うことなしに、簡単
に、しかも確実に形状不感帯を設定してクラウン制御を
実行することが可能となる等の効果が奏せられる。尚、
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えばタンデム圧延機における圧延スタンドの構成段数
や、ロールベンディング装置を設ける圧延スタンドにつ
いては、圧延システムの仕様に応じて定めれば良いもの
である。また板形状の不感帯の推定アルゴリズムについ
ても、従来より提唱されている手法を適宜採用可能であ
り、推定誤差の学習法も特に限定されず、その要旨を逸
脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、板形
状を悪化させることのない形状不感帯の範囲においてワ
ークロール・ベンディング力をフィードバック制御して
板クラウンを制御するに際し、上記ワークロール・ベン
ディング力に対する手動介入量を推定誤差として学習し
て前記形状不感帯を修正するので、新たに板形状検出装
置を設置するような設備投資を行うことなしに、簡単に
して効率的に形状不感帯の推定精度を高めて、その精度
の高い形状不感帯の範囲内で安定的にクラウン制御する
ことが可能となる。しかも装置構成の複雑化を招くこと
なく、また制御系の構成の簡易化を図りながら、クラウ
ン制御を安定に行い得る圧延制御性の良い圧延システム
を構築することができる等の実用上多大なる効果が奏せ
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される熱間タンデム圧延機の概略
的な構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る板クラウン制御方法
および装置を説明する為の、図1に示すタンデム圧延機
におけるクラウン制御装置の機能的なブロック図。
【図3】クラウン量(比率クラウン)に対する板形状変
化と、形状不感帯の関係を示す図。
【図4】形状不感帯データの例を示す図。
【図5】クラウン・ベンダー限界EGのデータ例を示す
図。
【図6】時間・クラウンFGのデータ例を示す図。
【図7】手動介入量に基づく形状不感帯データの修正例
を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る板クラウン制御と形
状不感帯データの修正手順を示す流れ図。
【符号の説明】
W 被圧延材 WR ワークロール S1,S2,〜Si-1,Si 圧延スタンド 1 ベンディング制御装置 2 板クラウン制御装置 3 手動操作器 4 プロセス・コンピュータ 5 クラウンメーター 21 冷却クラウン補正器 22 形状不感帯データ解析器 23 クラウン制御器 24 手動介入判定器 41 データ・ファイル 42 ヒートクラウン推定器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンデム圧延機の最終圧延スタンド出側
    にて検出される被圧延材の板クラウン量に従って、予め
    推定された形状不感帯の範囲内で圧延スタンドにおける
    ワークロールベンディング力を変化させて前記被圧延材
    の板クラウンを制御するに際し、 前記ワークロールベンディング力に対する圧延機運転者
    の手動介入量を前記形状不感帯の推定誤差として学習し
    て、前記圧延スタンドにおける推定形状不感帯を修正す
    ることを特徴とするタンデム圧延機の板クラウン制御方
    法。
  2. 【請求項2】 圧延スタンドにワークロールベンディン
    グ装置を備えたタンデム圧延機と、このタンデム圧延機
    の最終圧延スタンド出側に設置したクラウンメータと、
    このクラウンメータにて検出される被圧延材の板クラウ
    ン量に従って前記ワークロールベンディング装置による
    ワークロールベンディング力を予め推定された形状不感
    帯の範囲内で変化させる制御手段と、前記ワークロール
    ベンディング装置のワークロールベンディング力を圧延
    機運転者の手動介入量に従って変化させる手動介入手段
    と、この手動介入量を前記形状不感帯の推定誤差として
    学習して前記圧延スタンドにおける推定形状不感帯を修
    正する学習手段とを具備したことを特徴とするタンデム
    圧延機の板クラウン制御装置。
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