JP4208509B2 - 圧延プロセスのモデル学習装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属等を圧延する圧延プロセスの制御、特に圧延プロセスを表現したモデルのパラメータを修正するのに好適な、圧延プロセスのモデル学習装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延プロセスの制御においては、通常、圧延プロセスの挙動を表現したモデルを作成し、それに対して制御系を構築して制御を実施する。そのため、圧延プロセスの制御精度は、作成されたモデルがいかに精度良く圧延プロセスを表現しているか、ということにかかっていると言える。そこで、実際の圧延プロセスの実績値とモデルによる予測値との間のギャップすなわちずれを補うため、モデルの学習(適応制御)を行い、モデルの精度向上を図っている。
【0003】
圧延プロセスでは、設定計算でモデルに基づいて次材に対するアクチュエータの初期値を演算し設定している。そのため、圧延材の先端部における制御精度はモデルの精度によるところが大きくなる。従来、先端部の制御精度を向上させてオフゲージ長の短縮を狙った学習方法として、特開平6−15318号公報に記載された方法が知られている。この方法は、学習項目別に低速の圧延状態における同一点データと高速の圧延状態における同一点データを用いて学習することを特徴としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−15318号公報の方法では、圧延材の先端部が低速の圧延状態にあることから、低速の圧延状態における同一点データを用いて学習を行い、圧延材の先端部の制御精度の向上を図ろうとしている。しかし、圧延材の先端部ではデータがばらつくことが多く、その結果、学習が安定しないばかりでなく、むしろ制御精度の悪化を招くことさえあり得る。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、モデルを用いて圧延プロセスを制御する場合において、安定して精度良くモデル誤差を修正できる、圧延プロセスのモデル学習装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、圧延プロセスを表現したモデルを用いて圧延プロセスを制御するモデルのパラメータを修正する、圧延プロセスのモデル学習装置において、予め優先度を設定した圧延プロセスのデータを収集する複数回のタイミングを決定するデータ収集タイミング決定手段と、このデータ収集タイミング決定手段で決定されたタイミングに従って圧延プロセスのデータを収集するデータ収集手段と、このデータ収集手段で収集されたデータと優先度を記憶するデータ記憶手段と、このデータ記憶手段に記憶されたデータのうち優先度の高いデータに基づいて、モデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正するモデル修正手段と、データ記憶手段に記憶されたデータのうち優先度の低いデータに基づいて、修正されたモデルを表す式に含まれる補正項を補正するモデル補正手段とを備えたことを特徴とする。この発明によれば、安定したデータを用いてモデルを修正し、さらに目的とする部分でのデータにより補正を行うため、高精度にモデルの学習を行うことができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、圧延プロセスを表現したモデルを用いて圧延プロセスを制御するモデルのパラメータを修正する、圧延プロセスのモデル学習装置において、圧延プロセスのデータを収集する複数回のタイミングを決定するデータ収集タイミング決定手段と、このデータ収集タイミング決定手段で決定されたタイミングに従って圧延プロセスのデータを収集するデータ収集手段と、このデータ収集手段で収集されたデータを記憶するデータ記憶手段と、このデータ記憶手段に記憶されたデータからデータの優先度を決定するデータ優先度決定手段と、このデータ記憶手段に記憶されたデータのうちデータ優先度決定手段で決定された優先度の高いデータに基づいて、モデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正するモデル修正手段と、データ記憶手段に記憶されたデータのうちデータ優先度決定手段で決定された優先度の低いデータに基づいて、修正されたモデルを表す式に含まれる補正項を補正するモデル補正手段とを備えたことを特徴とする。この発明によれば、安定したデータによってモデルを修正し、さらに目的とする部分でのデータにより補正を行うことにより、高精度にモデルの学習を行うことができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のモデル学習装置において、データ優先度決定手段は、データ優先度を圧延速度の状態から決定することを特徴とする。この発明によれば、圧延プロセスにおいては圧延速度が重要となることがあり、圧延速度により優先度を決定することにより、モデルの精度向上を図ることができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のモデル学習装置において、モデル修正手段は、優先度の高いデータを予め設定された回数だけ収集するごとにモデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正することを特徴とする。このように同じタイミングで収集された複数のデータを用いて学習することにより、より安定した学習を行うことができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のモデル学習装置において、モデル修正手段は、圧延材の種類で層別化してモデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正することを特徴とする。層別化してモデルを学習することにより、層別化された各クラスでより高精度な学習を実施することができる。
【0011】
請求項項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のモデル学習装置において、モデル補正手段は、優先度に従って修正されたモデルを表す式に含まれる補正項についての補正頻度を変更することを特徴とする。これにより、モデルの学習を安定させつつ精度の高い学習を実施することができる。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記栽のモデル学習装置において、データ収集タイミング決定手段は、圧延速度の状態から収集タイミングを決定することを特徴とする。圧延速度で収集タイミングを決定することにより、あらゆる速度領域でデータ収集を実施することができ、圧延プロセスの制御精度向上につなげることができる。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記哉のモデル学習装置において、データ収集タイミング決定手段は、一本の圧延材に対しデータ収集タイミングを2回とし、収集タイミングのうち1回は圧延材の先端からの距離で決定し、他の1回は圧延速度の状態から決定することを特徴とする。これにより確実に先端部で狙った位置での制御精度の向上を図ることができる。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のモデル学習装置において、データ収集手段は、収集タイミングに従って設定したデータ収集点が圧延機あるいはセンサに到達するごとに該当するデータを収集することを特徴とする。圧延材上の同一点におけるデータで学習することにより、物理的に整合性のとれた学習を実施することができる。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載のモデル学習装置において、データ収集手段は、データ収集点が圧延機に到達するごとに圧延機に隣接する張力検出装置を用いてデータを収集することを特徴とする。モデルの構築上、データ収集点が圧延機に到達したタイミングでの張力が必要となり、物理的に整合性のとれた学習を実施することができる。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のモデル学習装置において、モデルは荷重モデルであることを特徴とする。これにより、荷重モデルの精度を向上させることができる。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記裁のモデル学習装置において、モデルは変形抵抗モデルであることを特徴とする。これにより、変形抵抗モデルの精度を向上させることができる。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のモデル学習装置において、モデルはエッジドロップモデルであることを特徴とする。これにより、エッジドロップモデルの精度を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態を適用対象である熱間圧延機と併せて示した構成図である。同図において、熱間圧延機は第1スタンド1から第6スタンド6までの6スタンドをタンデム配置として構成されている。圧延材7は第1スタンド1から第6スタンド6を通って矢印8の方向に向かって通板されながら、所望の製品となるように圧延され、図示していないコイラーにより巻き取られる。各スタンドは、図示省略の圧延荷重測定装置等を備えており、さらに最終スタンドすなわち第6スタンド6の出側には圧延材7の板厚を測定する板厚検出装置9が設置されている。また、各スタンド間には、圧延材7のスタンド間張力を調整するルーパ装置が設置されるが、ここでは図示が省略されている。
【0022】
以下では、本発明におけるモデル学習の一例として圧延荷重のモデル学習の場合について説明する。
【0023】
第一の実施形態について説明する。まず図1のデータ収集タイミング決定手段10によってデータ収集のタイミングを決定する。データ収集タイミング決定手段10には予め収集するデータの優先度が設定されている。データの収集タイミングを決定するにあたって重要なことは、データを収集するときの圧延速度とデータを収集したときの圧延材7の特定部位の位置である。以下、データの収集タイミングは同一点について場所を変えて2回であるとして説明する。ただし、データ収集タイミング決定手段10には、後述する高速部でのデータは低速部でのデータより一般に安定しているため、高速部でのデータの方が低速部でのデータより優先度が高いとされているものとする。
【0024】
まず、データの収集タイミングが2回とも圧延速度の状態から決定される場合について説明する。
【0025】
図2に熱間圧延における速度パターンの一例を示す。図2では、低速で通板される圧延材7が熱間圧延機で圧延され、その先端部がコイラーに到達した時点(コイラーon)で加速し始める。加速後、設定計算手段で計算された所定の設定速度に到達したら、以後、一定速度を保ち、定常の圧延を行う。このような圧延形態において、データ収集タイミングの最も簡単な決定方法としては、圧延速度の値を2種類、例えば、低速の値Vと高速の値Vとを予め設定しておき、圧延速度がそれぞれの設定速度V,Vに到達した時点t,tをデータの収集タイミングとする方法である。しかし、この方式によるデータ収集時点では、圧延が必ずしも安定した状態にあるとは言えず、安定した望ましいデータを収集することができるとは限らない。
【0026】
そこで、データ収集タイミング決定手段10は以下のようにしてデータ収集タイミングを決定する。収集タイミングの1回は低速部、もう1回は高速部とする。低速部でのデータはある速度以下、かつ一定速度の状態が例えば5秒間継続した状態のときとし、高速部のデータはある速度以上、かつ一定速度の状態が同じく5秒間継続した状態のときとする。操業の形態によっては、上記条件を満たす場合が数回発生する可能性があるが、一度データを収集したら低速部または高速部でのデータ収集は完了としてもよいし、あるいは再度データを収集し、上書き訂正してもよい。これらは各プラントに合わせて適宜、変更することができる。この方式により安定したデータを収集することができるようになる。
【0027】
一方、設定計算では圧延材7の先端から所定距離の位置にデータ収集点を設定し、その位置に対して各アクチュエータの初期値を演算することがある。その場合、データ収集タイミング決定手段10は低速部でのデータの代わりに圧延材7の先端から所定距離の位置で収集することもできる。以下の説明では、収集タイミングのひとつは、低速部でのデータの代わりに圧延材7の先端から所定距離の位置に設定するものとする。さらに、目的によっては、例えば、通板後あるいは溶接点通過後からの時間や圧延材7の特定点がセンサを通過したタイミング等で決定することも考えられる。以上により、目的に合わせてデータの収集タイミングを決定し、モデルの精度改善に寄与させることができる。
【0028】
次に、データ収集手段11の作用について説明する。データ収集手段11は、データ収集タイミング決定手段10で決定されたデータ収集タイミングでデータを収集する。データを収集する際、その方法としては各圧延スタンドでのデータを含む全データを同一時点で一斉に収集する同一時点方式と、圧延材上の特定点をトラッキングし、その特定点が各圧延スタンドやセンサに到達するタイミングでデータを収集する同一位置(同一点)方式の2通りが考えられる。ここで、モデルが圧延挙動を表していることを考えると、後者の方式がモデルの解析や学習にとっては有効である。すなわち、収集タイミングになったとき、データ収集装置11は、まず、圧延材7の所定のデータ収集位置がスタンド1に到達したときの圧延荷重やロール速度等のデータを収集する。そして、圧延材7のそのデータ収集位置を第2スタンド2までトラッキングし、第2スタンド2に到達したとき、第2スタンド2での圧延荷重やロール速度等のデータを収集する。同様の動作を第6スタンド6まで繰り返し、最後に板厚検出装置9によって圧延材7の板厚を測定し収集する。ここで、スタンド間の張力はルーパ装置で検出し、あるいは推定演算することができるが、スタンド間の張力に関しては、トラッキングしている特定点が該当するルーパ装置に隣接している上流側と下流側のスタンドに到達したときに、データ収集装置11は張力のデータを収集する。このことにより、モデルと圧延挙動の整合性がとれた解析や学習を行うことができる。
【0029】
次に、データ収集手段11によって収集されたデータはデータ記憶手段12によって、データの優先度と併せて記憶される。ここでは、高速部での収集データの方が、圧延材7の先端から所定距離の位置での収集データより優先度が高いものとされている。
【0030】
次に、モデル修正手段13の作用について説明する。各スタンドでの荷重のモデルは、学習用のパラメータおよび補正項を含んで記述すると、次式のように書き表される。
【0031】
P=Z[k]・ZSi[k]・f(hi−1,h,ti−1,t,…) …(1)
ただし、
P:第iスタンドの荷重[kN]
Z[k]:第iスタンドの荷重に対する学習用のパラメータ(k本圧延後)[-]
ZSi[k]:第iスタンドの荷重に対する補正項(k本圧延後)[-]
h:第iスタンド出側板厚[mm]
t:第i-1と第iスタンド間の張力[kN/mm]
である。ここで、各スタンド出側板厚は板厚検出装置9による検出値に基づいて演算されたマスフロー板厚を用いることができる。
【0032】
モデル修正手段13は優先度の高い高速部のデータを用いてモデルのパラメータを修正する。逐次最小二乗法等の手法により任意のパラメータを逐次修正することもできるが、ここでは学習用のパラメータを修正する方法について説明する。まず、高速部でのデータを用いて学習用のパラメータおよび補正項を除いて演算された第iスタンドでの荷重と第iスタンドで検出された荷重との比を演算する。
【0033】
Z =P /f(hi−1 ,h ,ti−1 ,t ,…)
…(2)
ただし、
Z :第iスタンドの荷重の比[-]
P :高速部での第iスタンドの荷重[kN]
h :高速部での第iスタンド出側板厚[mm]
t :高速部での第i-1と第iスタンド間の張力[kN/mm]
である。
【0034】
次に、(2)式で演算された第iスタンドの荷重の比と対応する前回値とを用いて学習用のパラメータを更新する。
【0035】
Z[k+1]=Z[k]+β・(Z −Z[k]) …(3)ただし、
Z[k]:第iスタンドの荷重に対する学習用のパラメータ(k本圧延後)[-]
β:第iスタンドの荷重に対する学習用のパラメータの学習係数[-]
Z :第iスタンドの荷重の比[-]
である。ここで、(1)式では学習用のパラメータを乗法的に表現したが、加法的に表現してもよい。
【0036】
以上により、ばらつきの少ないデータを用いて学習用のパラメータを学習しているため、計算負荷が少なく安定した学習を行うことができる。
【0037】
上記説明では学習用のパラメータの更新は圧延材1本ごとであるが、N本ごとに更新することもできる。その場合、カウンタjを、
j[k]=floor(k/N) …(4)
とし、下記の演算を実施する。ただし、
j:カウンタ
floor:商を計算する演算子
である。
【0038】
<j[k+1]≠j[k]の場合>
【数1】
Figure 0004208509
Z[k+1]=Z[k]+β・(ZNi −Z[k]) …(6)
<j[k+1]=j[k]の場合>
Z[k+1]=Z[k] …(7)
以上に従って学習用のパラメータをN本ごとに更新することにより、より安定した学習をすることができる。
【0039】
さらに、学習用のパラメータを鋼種やサイズ等の種類で層別化し、独立にパラメータを用意することもできる。これにより、層別化した各条件において、よりきめ細かな学習をすることができる。
【0040】
最後に、モデル補正手段14の作用について説明する。モデル補正手段14は優先度の低い圧延材7の先端部のデータを用いて学習用のパラメータを補正する。第iスタンドで検出された荷重P (下記8式の右辺分子)と学習用のパラメータを考慮して演算された第iスタンドの荷重(下記8式の右辺分母)との比ZSi を演算する。
【0041】
ZSi =P /{Z[k]・f(hi−1 ,h ,ti−1 ,t ,…)} …(8)
ただし、
ZSi :学習用のパラメータを考慮した第iスタンドの荷重の比[-]
P :先端部での第iスタンドの荷重[kN]
Z[k]:第iスタンドの荷重に対する学習用のパラメータ(k本圧延後)[-]
h :先端部での第iスタンド出側板厚[mm]
t :先端部での第i-1と第iスタンド間の張力[kN/mm]
である。
【0042】
そして、(8)式で演算された結果と前回値に基づいて補正項を更新する。すなわち、
ZSi[k+1]={ZSi[k]+βSi・(ZSi −ZSi[k])}・Z[k]/Z[k+1] …(9)
ただし、
ZSi[k]:第iスタンドの荷重に対する補正項(k本圧延後)[-]
βSi:第iスタンドの荷重に対する補正項の学習係数[-]
ZSi :学習用のパラメータを考慮した第iスタンドの荷重の比[-]
Z[k]:第iスタンドの荷重に対する学習用パラメータ(k本圧延後)[-]
である。
【0043】
以上のようにして学習結果を反映させたモデルは次材の設定計算で使用され、所望の圧延製品を得るのに寄与することができる。
【0044】
以上により、本実施の形態によれば、安定した高速部でのデータで学習を実施し、先端部でのデータで補正することにより、全体として安定した学習を行うことができるとともに、圧延材7の先端部において精度の高いモデルを得ることができる。また、上記説明では一本の圧延材7についてデータ収集タイミングを2回としたが、収集タイミングが増加するに伴い、補正項を追加することにより上記と同様に学習および補正を実施することができる。その場合、学習用のパラメータと同様に、優先度ごとに更新周期を設定することもできる。また、追加の形も上記の(1)式では乗法的な形で記述したが、これに限定されるものではない。かくして、本実施形態によれば、安定かつ精度の高いモデルの学習を実施することができる。
【0045】
次に図3を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は第一の実施形態との比較において、適用対象の圧延機は同一であるが、データ収集タイミング決定手段10にデータ優先度が設定されておらず、その代わり、データ記憶手段12とモデル修正手段13の間にデータ優先度決定手段15が追加されている点で相違する。以下、第一の実施形態と相違する点を重点的に説明する。
【0046】
第一の実施形態ではデータ収集タイミング決定手段10に予め優先度を設定していたが、第二の実施形態ではデータ収集タイミング決定手段10はデータの収集タイミングを決定するのみであり、データの収集タイミングを決定してデータ収集手段11に出力する。データ収集手段11はデータを収集し、収集されたデータをデータ記憶手段12に記憶させる。
【0047】
ここで、第二の実施形態ではデータ優先度決定手段15が設けられており、データ記憶手段12に記憶されているデータの優先度を自動的に決定する。決定方法のひとつに、圧延速度から決定する方式がある。すなわち、圧延速度が高い方から順に優先度が高いとする。モデル修正手段13およびモデル補正手段14は、データ優先度決定手段15で決定された優先度に従い、各々学習用のパラメータの学習および補正を行う。これにより、優先度を自動で決定するため、優先度の決定に自由度を持たせることができる。
【0048】
なお、上記の実施形態では圧延荷重の学習モデルを例として説明したが、本発明は変形抵抗やエッジドロップ等、圧延プロセスにおける他のモデルの学習にも適用可能であり、必要に応じて圧延機の長手方向に見て両側すなわちドライブサイドとワークサイドで別個に実施することもできる。また、上述の実施の形態では熱間圧延機を適用対象として説明したが、本発明は冷間圧延機やシングルミル等、すべての圧延機を対象として適用することができる。さらに、上述の実施の形態では本発明を圧延プロセスに適用するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、加熱プロセスや冷却プロセス等の、モデルを用いて制御しているプロセスであればすべてのプロセスに適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、安定したデータを用いてモデルの修正を行い、(圧延材の先端部におけるデータを用いて補正を行うため)、安定してモデルの学習を行い、圧延材の先端部における制御精度の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を適用対象圧延機と併せて示したブロック図。
【図2】速度パターンを説明するための説明図。
【図3】本発明の第二の実施形態を適用対象圧延機と併せて示したブロック図。
【符号の説明】
1〜6 圧延スタンド
7 圧延材
8 圧延方向
9 板厚検出装置
10 データ収集タイミング決定手段
11 データ収集手段
12 データ記憶手段
13 モデル修正手段
14 モデル補正手段
15 データ優先度決定手段

Claims (13)

  1. 圧延プロセスを表現したモデルを用いて圧延プロセスを制御するモデルのパラメータを修正する、圧延プロセスのモデル学習装置において、予め優先度を設定した前記圧延プロセスのデータを収集する複数回のタイミングを決定するデータ収集タイミング決定手段と、このデータ収集タイミング決定手段で決定されたタイミングに従って圧延プロセスのデータを収集するデータ収集手段と、このデータ収集手段で収集されたデータと前記優先度を記憶するデータ記憶手段と、このデータ記憶手段に記憶されたデータのうち優先度の高いデータに基づいて、前記モデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正するモデル修正手段と、前記データ記憶手段に記憶されたデータのうち優先度の低いデータに基づいて、前記修正されたモデルを表す式に含まれる補正項を補正するモデル補正手段とを備えたことを特徴とする圧延プロセスのモデル学習装置。
  2. 圧延プロセスを表現したモデルを用いて圧延プロセスを制御するモデルのパラメータを修正する、圧延プロセスのモデル学習装置において、圧延プロセスのデータを収集する複数回のタイミングを決定するデータ収集タイミング決定手段と、このデータ収集タイミング決定手段で決定されたタイミングに従って圧延プロセスのデータを収集するデータ収集手段と、このデータ収集手段で収集されたデータを記憶するデータ記憶手段と、このデータ記憶手段に記憶されたデータから前記データの優先度を決定するデータ優先度決定手段と、このデータ記憶手段に記憶されたデータのうち前記データ優先度決定手段で決定された優先度の高いデータに基づいて、前記モデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正するモデル修正手段と、前記データ記憶手段に記憶されたデータのうち前記データ優先度決定手段で決定された優先度の低いデータに基づいて、前記修正されたモデルを表す式に含まれる補正項を補正するモデル補正手段とを備えたことを特徴とする圧延プロセスのモデル学習装置。
  3. 前記データ優先度決定手段は、データ優先度を圧延速度の状態から決定することを特徴とする請求項2に記載のモデル学習装置。
  4. 前記モデル修正手段は、前記優先度の高いデータを予め設定された回数だけ収集するごとに前記モデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  5. 前記モデル修正手段は、圧延材の種類で層別化して前記モデルを表す式に含まれる学習用のパラメータを修正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  6. 前記モデル補正手段は、前記優先度に従って前記修正されたモデルを表す式に含まれる補正項についての補正頻度を変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  7. 前記データ収集タイミング決定手段は、圧延速度の状態から収集タイミングを決定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  8. 前記データ収集タイミング決定手段は、一本の圧延材に対しデータ収集タイミングを2回とし、収集タイミングのうち1回は圧延材の先端からの距離で決定し、他の1回は圧延速度の状態から決定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  9. 前記データ収集手段は、前記収集タイミングに従って設定したデータ収集点が圧延機あるいはセンサに到達するごとに該当する前記データを収集することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  10. 前記データ収集手段は、前記データ収集点が圧延機に到達するごとに前記圧延機に隣接する張力検出装置を用いて前記データを収集することを特徴とする請求項9に記載のモデル学習装置。
  11. 前記モデルは荷重モデルであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  12. 前記モデルは変形抵抗モデルであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
  13. 前記モデルはエッジドロップモデルであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のモデル学習装置。
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