JP3041124B2 - ホットストリップミル仕上圧延機の制御方法 - Google Patents

ホットストリップミル仕上圧延機の制御方法

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JP3041124B2
JP3041124B2 JP4043318A JP4331892A JP3041124B2 JP 3041124 B2 JP3041124 B2 JP 3041124B2 JP 4043318 A JP4043318 A JP 4043318A JP 4331892 A JP4331892 A JP 4331892A JP 3041124 B2 JP3041124 B2 JP 3041124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機の張力
制御に係り、特に、ホットストリップミル仕上圧延機の
入側で先行圧延材の尾端と後行圧延材の先端とを接合し
て圧延するホットストリップミル仕上圧延機の制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットストリップミル仕上圧延機は、粗
圧延機の後方に配置されている。この場合、加熱炉から
抽出された圧延材は粗圧延機にて数パスの繰返し圧延が
なされた後、仕上圧延機にて所定のサイズに圧延され、
ダウンコイラーで巻取られる。これら一連の作業は圧延
材毎に行われるのが一般的であった。かかる圧延に際
し、粗圧延機にて圧延され終えた圧延材は、先行圧延材
(先行材)が仕上圧延機にて圧延されている間、仕上圧
延機の入側にて待機させられる。
【0003】ところで、近年は上記の圧延方法に対して
(1) アイドルタイムを短縮させて生産性を向上させた
い、(2) 先端や後端の寸法が目標値に一致していな
い、いわゆる、非定常部を短縮させて、材料の全長に亘
って寸法精度を向上させたい、(3) 材料の噛込み、尻
抜けを解消して圧延操業の安定化を図りたい、という要
求が強く、これの要求に応えるべく新しい圧延方法が考
えられてきた。
【0004】図6はこの新しい圧延方法の一つを示した
もので、#1,#2,…,#nの各圧延スタンドを有す
る仕上圧延機の前段に接合装置18を設け、先行材1aが仕
上圧延機で圧延されている間に、この先行材1aの後端と
粗圧延機17で圧延され終えた後行材1bの先端とを接合し
てタンデム圧延し、所定のサイズに圧延された圧延材を
ダウンコイラー19で巻取るようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6に示した従来の圧
延方法は、先行材の後端と後行材の先端とを接合してタ
ンデム圧延するため、アイドルタイムの短縮、非定常部
の解消および圧延操業の安定化に有効ではあるが、仕上
圧延機に対する制御方法が確率されておらず、圧延中に
発生する張力や圧縮力によって、接合点に破断や座屈な
ど悪影響が現れ易かった。
【0006】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、接合点に対する悪影響を排除して安定
な圧延を可能にするホットストリップミル仕上圧延機の
制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のスタン
ドを有するホットストリップミル仕上圧延機の入側で先
行圧延材の尾端と後行圧延材の先端とを接合して圧延す
るホットストリップミル仕上圧延機の制御方法におい
て、スタンド間にルーパを配置し、前記ルーパの角度お
よび圧延材にかかる張力がそれぞれ目標値に一致するよ
うにルーパの高さを制御するルーパ制御と、前記ルーパ
を用いずにスタンドの圧延トルクおよび圧延荷重から圧
延材にかかる張力を演算し、この張力が目標値に一致す
るように圧延ロール速度を制御するルーパレス制御との
切替えを可能にし、先行材を圧延しているときは前記ル
ーパ制御を実行し、先行材と後行材の接合点が前記ルー
パから見て上流のスタンドの入側に到達する直前に前記
ルーパ制御から前記ルーパレス制御に切替えると共に、
張力の目標値を実質的に零に変更し、前記接合点が前記
ルーパから見て下流のスタンドに到達したとき、前記ル
ーパレス制御からルーパ制御に切替えると共に、ルーパ
角度および圧延材にかかる張力の各目標値を後行材の定
常圧延時の目標値に変更するようにする。
【0008】ここで、ルーパレス制御は、iスタンドの
無張力トルクアーム係数をA0i、ルーパ制御からルーパ
レス制御に切替わる直前のiスタンドの前方の張力実績
値をTiM、圧延トルク実績値をGiM、圧延荷重実績値を
iM、(i−1)スタンドの前方張力実績値を
(i-1)M、圧延スケジュールで決まる定数をαi
βi ,γi,δi として、iスタンドの前方張力Ti
次式
【0009】
【数3】 を用いて演算すると共に、iスタンドの無張力時トルク
アーム係数A0iを次式
【0010】
【数4】 を用いて演算、記憶し、その記憶値を次回以降のiスタ
ンドの前方張力Ti の演算に用いる。
【0011】また、先行材と後行材の圧延スケジユール
が異なる接合点において、各スタンドのロールギャップ
およびロール速度等の設定値を所定の設定値変更時間を
要して変更するに際し、iスタンドの設定値変更前後の
無張力時トルクアーム係数の変化量ΔA0iを演算記憶
し、前記無張力時トルクアーム係数A0iの代わりにA0i
+ΔA0iを用いてiスタンドの前方張力Ti を演算す
る。
【0012】
【作用】以下、本発明の原理を説明した後で作用を説明
する。
【0013】鉄あるいは非鉄のタンデム圧延において、
各スタンドの圧下設定および速度設定が不適切である
と、圧延材の長手方向の寸法変化、材料温度変化等、圧
延中に生じる外乱によってスタンド間の圧延材に予期し
ない張力または圧縮力が発生する。この張力や圧縮力
は、圧延材の板厚や板幅を変動させるばかりでなく、異
常ループや座屈をも発生させる恐れがあった。そこでタ
ンデム圧延ではこれらの現象を防止するためにスタンド
間の圧延材張力を一定に制御している。
【0014】従来より用いられている制御方法として、
スタンド間にルーパ装置を設けルーパが圧延材を押し上
げる力とルーパが材料より受ける力との釣り合いによっ
て圧延材に作用するスタンド間張力を一定に制御するル
ーパ制御と、圧延機の駆動トルクと圧延荷重とから間接
的にスタンド間の張力を推定しこの張力より圧延ロール
駆動電動機の速度修正量を演算し、その電動機速度を修
正することにより圧延材に作用するスタンド間張力を制
御するルーパレス制御とがある。
【0015】以下、これら二つの制御方法を図3および
図4を用いて説明する。図3はルーパ制御の原理説明図
である。同図において、圧延材1はiスタンドの圧延ロ
ール2で圧延された後、(i+1)スタンドの圧延ロー
ル3で圧延される。これらのスタンド間にルーパ4が設
けられる。このうち、ルーパ4はルーパ駆動電動機5に
よって駆動され、圧延ロール2は圧延ロール駆動電動機
6によって駆動される。また、ルーパ駆動電動機5の速
度を制御するために速度制御装置7が、圧延ロール駆動
電動機6の速度を制御するために速度制御装置8がそれ
ぞれ設けられる。ルーパ制御装置11はルーパ高さ制御部
9および張力制御部10でなり、ルーパ高さ制御部9は設
定されたルーパ角度基準θiREFとルーパ角度検出器21に
よって検出されたルーパ角度実績値θiMとの差が零にな
るようなルーパ駆動電動機5の速度指令を演算して速度
制御装置7に加え、張力制御部10は設定された張力基準
iREFと張力検出器20によって検出された張力実績値T
iMとの差が零になるような圧延ロール駆動電動機6の速
度修正量を演算して速度制御装置8に加える。これによ
って、ルーパが圧延材を押し上げる力と、ルーパが材料
より受ける力との釣り合いによって圧延材に作用するi
スタンド前方のスタンド間張力を制御することができ
る。
【0016】図4はルーパレス制御の原理説明図であ
る。同図において、圧延材1はiスタンドの圧延ロール
2で圧延された後、(i+1)スタンドの圧延ロール3
で圧延される。圧延ロール2は圧延ロール駆動電動機6
によって駆動される。この圧延ロール駆動電動機6の速
度を制御するために速度制御装置8が設けられる。ま
た、iスタンドの圧延荷重を検出する荷重検出器12が設
けられ、その検出値がルーパレス張力制御装置16に加え
られる。ルーパレス張力制御装置16はトルクアーム係数
記憶装置13、張力演算装置14および速度修正量演算装置
15とで構成されている。
【0017】ここで、圧延材1がiスタンドのみで圧延
されているときを状態A、iスタンドおよび(i+1)
スタンドの両方で圧延されているときを状態Bとする。
トルクアーム係数記憶装置13は、状態Aにて荷重検出器
12によって検出される圧延荷重実績値PiMと、速度制御
装置8が圧延ロール駆動電動機6を制御したときの電流
値から換算される駆動トルク実績値GiMとを取込み、次
式によって無張力トルクアーム係数A0iを演算し記憶す
る。
【0018】 A0i=GiM/PiM … (3) また、張力演算装置14は、状態Bにて圧延荷重実績値P
iM、駆動トルク実績値GiMおよび無張力トルクアーム係
数A0iを取込み、次式によってiスタンドおよび(i+
1)スタンド間の張力Ti を次式によって演算する。
【0019】
【数5】 ただし PiM :状態Bにおけるiスタンドの圧延荷重
実績値 GiM :状態Bにおけるiスタンドの圧延トル
ク実績値 T(i-1)M :iスタンド後方張力実績値 αi ,βi ,γi ,δi :圧延スケジュールで決まる定
数 である。
【0020】そこで、速度修正量演算装置15はこの張力
i と、設定された目標張力TiREFとの差が零になるよ
うに圧延ロール駆動電動機6の速度修正量を演算して速
度制御装置8に加える。これによって、圧延機の駆動ト
ルクと圧延荷重とから間接的にスタンド間の張力を推定
しこの張力が張力設定値と一致するように圧延ロール駆
動電動機の速度を修正することにより圧延材に作用する
スタンド間張力を制御することができる。
【0021】本発明においては、これら二つの制御方法
を巧みに切替えるもので、その概要を図1を用いて説明
する。ここには、仕上圧延機を構成する例えば7スタン
ドのうち、上流側の3スタンドにて接合点が圧延される
場合の張力制御方法の切替えタイミング、ルーパ角度の
変更タイミングおよびスタンド間の張力値の変更タイミ
ングをそれぞれ示したもので、図中、Xは#1スタンド
と#2スタンド間の張力制御に対する上記切替えまたは
変更位置を示し、Yは#2スタンドと#3スタンド間の
張力制御に対する上記切替えまたは変更位置を示してい
る。
【0022】いま、接合点が位置Xに到達するまでは、
先行材のみの圧延であるため、ルーパ制御にて定常の圧
延を行う。そして、接合点が位置Xに到達したとき、ル
ーパ制御時の張力実績値T1Mを保持し、上記(2) 式によ
り無張力時のトルクアーム係数A01を演算し記憶する。
【0023】この無張力トルクアーム係数A01の演算、
記憶が終了した時点で、#1スタンドと#2スタンドと
の間の張力制御をこの無張力トルクアーム係数A01を用
いたルーパレス張力制御に切替える。また、#1スタン
ドと#2スタンドとの間のルーパをパスライン若しくは
パスライン以下に下げると共に、ルーパレス張力制御の
張力基準を実質的に零に変更する。この状態にて接合点
が#1スタンドで圧延され、接合点が#2スタンドを通
過するまでこれと同じ状態で圧延される。
【0024】続いて、接合点が#2スタンドにて圧延さ
れた後は、ルーパレス制御にて#1スタンドと#2スタ
ンドとの間の張力基準を定常圧延時の目標値に変更し、
これに続いて、ルーパレス制御からルーパ制御に切替え
て#1スタンドと#2スタンドとの間の張力を制御す
る。
【0025】一方、#2スタンドと#3スタンドとの間
の張力制御は、接合点が位置Yに到達した時点でルーパ
制御時の張力実績値T2Mを保持し、上記(2) 式により無
張力時のトルクアーム係数A02を演算し記憶する。
【0026】この無張力トルクアーム係数A02の演算、
記憶が終了した時点で、#2スタンドと#3スタンドと
の間の張力制御をこの無張力トルクアーム係数A02を用
いたルーパレス張力制御に切替える。また、#2スタン
ドと#3スタンドとの間のルーパをパスライン若しくは
パスライン以下に下げると共に、ルーパレス張力制御の
張力基準を実質的に零に変更する。この状態にて接合点
が#2スタンドで圧延され、接合点が#3スタンドを通
過するまでこれと同じ状態で圧延される。
【0027】一方、接合点が#3スタンドにて圧延され
た後は、#2スタンドと#3スタンドとの間の張力をル
ーパ制御に切り替える。
【0028】以下、#3スタンド以降のスタンド間張力
もこれと全く同様に制御する。ところで、先行材と後行
材に対するロールギャップ、ロール速度等の設定変更は
接合点を境にして行われる。このように、先行材と後行
材とで設定値を変更すると、無張力時トルクアーム係数
も異なる。上述したように、ルーパ制御からルーパレス
制御に切替える直前の張力からiスタンドの無張力時ト
ルク係数を演算、記憶し、これを用いて次回のiスタン
ド後方張力を演算するとすれば、ロールギャップ、ロー
ル速度等の設定値変更開始から終了までの時間の経過に
対応して演算、記憶した無張力トルクA0iに修正を加え
る必要がある。この修正について、図5を参照してさら
に詳しく説明する。
【0029】図5はロールギャップを設定変更するとき
のロールギャップSおよび無張力時トルク係数A0 と、
時間tとの関係を示した線図であり、時刻t1 にて接合
点が#1スタンドを通過するとき、この時刻t1 の両側
に跨がった設定値変更時間Tを要してロールギャップを
1 から徐々にS2 に変更する。このとき、#1スタン
ドにおける先行材の無張力時トルクアーム係数A01,1
ら後行材の無張力時トルクアームA01.2に徐々に変化す
る。
【0030】この場合、設定値の変更を開始する以前の
先行材における#1スタンドの前方張力T1,1 は次式に
よって演算できる。
【0031】
【数6】 また、設定値の変更を終了した以降の後行材における#
1スタンドの前方張力T1,2 は次式によって演算でき
る。
【0032】
【数7】 一方、#2スタンドにおいて、図3中の無張力時トルク
アーム係数A01,1の代わりにA02,1を用いると共に、#
1スタンドの前方張力T1,1 を用いると、設定値の変更
を開始する以前の先行材における#2スタンドの前方張
力T2,1 は次式によって演算できる。
【0033】
【数8】 同様に、#2スタンドにおいて、図3中の無張力時トル
クアーム係数A01,2の代わりにA02,2を用いると共に、
#1スタンドの前方張力T1,2 を用いると、設定値の変
更を終了した以降の後行材における#2スタンドの前方
張力T2,2 は次式によって演算できる。
【0034】
【数9】 従って、無張力時トルクアーム係数A01,1とA01,2との
差をΔA01とすると、#1スタンドの設定値の変更を終
了した以降の#1スタンドの前方張力T1 は次式によっ
て演算することができる。
【0035】
【数10】 同様に、無張力時トルクアーム係数A02,1とA02,2との
差をΔA02とすると、#2スタンドの設定値の変更を終
了した以降の#2スタンドの前方張力T2 は次式によっ
て演算することができる。
【0036】
【数11】 この場合、無張力時トルクアーム係数補正値ΔA01,Δ
02は設定変更時間Tの経過後に与える。
【0037】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例によって詳
細に説明する。図2はこの発明を実施する装置の構成を
示すブロック図である。同図において、圧延材1は#1
スタンドの圧延ロール2、#2スタンドの圧延ロール
3、#3圧延スタンドの圧延ロール34によって順に圧延
される。このとき、#1スタンドと#2スタンドとの間
にルーパ4が設けられている。ルーパ4はルーパ駆動電
動機5によって駆動され、圧延ロール2は圧延ロール駆
動電動機6によって駆動される。また、ルーパ駆動電動
機5の速度を制御するために速度制御装置7が、圧延ロ
ール駆動電動機6の速度を制御するために速度制御装置
8がそれぞれ設けられる。ルーパ制御装置11は設定され
たルーパ角度基準θiREFとルーパ角度検出器21によって
検出されたルーパ角度実績値θiMとの差が零になるよう
なルーパ駆動電動機5の速度指令を演算して速度制御装
置7に加え、さらに、設定された張力基準TiREFと張力
検出器20によって検出された張力TiMとの差が零になる
ような圧延ロール駆動電動機6の速度修正量を演算して
速度制御装置8に加えるようになっている。
【0038】また、#1スタンドの圧延荷重を検出する
荷重検出器12が設けられ、その検出値がルーパレス張力
制御装置16に加えられる。ルーパレス張力制御装置16は
荷重検出器12で検出された圧延荷重実績値P1Mと、速度
制御装置8が圧延ロール駆動電動機6を制御したときの
電流値から換算される駆動トルク実績値G1Mとを取込ん
で無張力トルクアーム係数A01を演算し、さらに、張力
検出器20で検出された圧延荷重実績値P1M、駆動トルク
実績値G1Mおよび無張力トルクアーム係数A01に基づい
て#1スタンドの前方張力T1 を演算し、この前方張力
1 が設定された目標張力TiREFに一致するような圧延
ロール駆動電動機6の速度修正量を演算して速度制御装
置8に加えるようになっている。
【0039】これと全く同様に、#2スタンドと#3ス
タンドとの間にルーパ24が設けられている。ルーパ24は
ルーパ駆動電動機27によって駆動され、圧延ロール3は
圧延ロール駆動電動機28によって駆動される。また、ル
ーパ駆動電動機27の速度を制御するために速度制御装置
29が、圧延ロール駆動電動機28の速度を制御するために
速度制御装置30がそれぞれ設けられる。ルーパ制御装置
31は設定されたルーパ角度基準θ2REFとルーパ角度検出
器26によって検出されたルーパ角度実績値P2Mとの差が
零になるようなルーパ駆動電動機27の速度指令を演算し
て速度制御装置29に加え、さらに、設定された張力基準
2REFと張力検出器25によって検出された張力実績値T
2Mとの差が零になるような圧延ロール駆動電動機28の速
度修正量を演算して速度制御装置30に加えるようになっ
ている。
【0040】また、#2スタンドの圧延荷重を検出する
荷重検出器37が設けられ、その検出値がルーパレス張力
制御装置32に加えられる。ルーパレス張力制御装置32は
張力検出器25で検出された圧延荷重P2Mと、速度制御装
置30が圧延ロール駆動電動機28を制御したときの電流値
から換算される駆動トルク実績値G2Mとを取込んで無張
力トルクアーム係数A02を演算し、さらに、張力検出器
25で検出された圧延荷重実績値P2M、駆動トルク実績値
2Mおよび無張力トルクアーム係数A02に基いて#2ス
タンドの前方張力T2 を演算し、この前方張力T2 が設
定された目標張力T2REFに一致するような圧延ロール駆
動電動機28の速度修正量を演算して速度制御装置30に加
えるようになっている。
【0041】なお、#3スタンド以降の各スタンドにも
上述したと同様な制御系が設けられるが、図面および説
明の簡単化のために#3スタンドの圧延ロール34を駆動
する圧延ロール駆動電動機35およびその速度制御装置36
のみを示している。
【0042】また、接合点Aを検出するための接合点検
出器22が#1スタンドの入側に設けられ、接合点追跡装
置23がその位置を追跡して接合点の位置信号を基準発生
装置33に加える。この基準発生装置33は接合点Aの位置
に応じて、定常圧延時と接合点がスタンド間にある場合
とでそれぞれ異なる張力基準TiREFを出力して各スタン
ドのルーパレス張力制御装置16,32,…およびルーパ制
御装置11,31,…に与え、かつ、各制御方法に応じて変
化するルーパアームの角度基準θiREFを演算してルーパ
制御装置11,31,…に与える。また、接合点Aの位置に
応じて制御方法の切替えのための切替スイッチSW1,
SW2,…がそれぞれ速度制御装置8,30,…の前段に
設けられ、接合点追跡装置23が演算した接合点位置に応
じてこれを切替えるようになっている。
【0043】上記のように構成された本実施例の動作に
ついて以下に説明する。いま、接合点Aが接合点検出器
22で検出されるまでは、先行材のみの圧延であるから、
切替スイッチSW1,SW2を図示した状態にしてルー
パ制御装置11の圧延ロール速度補正信号を速度制御装置
8に与えることによりルーパ制御にて定常の圧延を行
う。そして、接合点検出器22により接合点が検出された
とき、ルーパレス張力制御装置16は、ルーパ制御時の張
力実績値T1Mを保持し、 (2)式により無張力時のトルク
アーム係数A01を演算し記憶する。なお、#1スタンド
においては後方張力が零であるため (2)式中のT(i-1)M
は零である。
【0044】このトルクアーム係数A01の演算、記憶が
終了した時点で、切替スイッチSW1を図示したとは反
対の状態にして、#1スタンドと#2スタンドとの間の
張力制御をルーパレス制御に切替える。このとき、基準
発生装置33はルーパ4をパスライン若しくはパスライン
以下に下げるようなルーパ角度基準θ1REFを出力すると
共に、ルーパレス制御の張力基準T1REFを実質的に零に
変更する。この状態にて接合点Aが#1スタンドで圧延
され、接合点が#2スタンドを通過するまでこれと同じ
状態で圧延される。
【0045】続いて、接合点Aが#2スタンドにて圧延
された後は、#1スタンドと#2スタンドとの間の張力
基準T1REFを定常圧延時のそれに変更すると共に、切替
スイッチSW1を図示した状態にすることにより、ルー
パレス制御からルーパ制御に切替えて#1スタンドと#
2スタンドとの間の張力を制御する。
【0046】一方、#2スタンドと#3スタンドとの間
の張力制御は、接合点Aが接合点検出器22によって検出
された時点で切替スイッチSW2を図示したとは反対の
状態に切替え、接合点追跡装置23によって接合点Aが#
2スタンドの直前の位置に到達したとき、ルーパ制御時
の検出張力T2Mを保持し、上記 (2)式を用いて無張力時
のトルクアーム係数A02を演算、記憶する。
【0047】このトルクアーム係数A02の演算、記憶が
終了した時点で、#2スタンドと#3スタンドとの間の
張力制御をルーパレス張力制御に切替える。また、基準
発生装置33はルーパ24をパスライン若しくはパスライン
以下に下げるルーパ角度基準θ2REFを出力すると共に、
ルーパレス張力制御の張力基準T2REFを実質的に零に変
更する。この状態にて接合点が#2スタンドで圧延さ
れ、接合点が#3スタンドを通過するまでこれと同じ状
>態で圧延される。
【0048】以下、#3〜#(n−1)スタンドにおい
てもこれと同様な制御が行われるが重複するためその説
明を省略する。
【0049】次に、先行材と後行材に対するロールギャ
ップ、ロール速度等の設定変更があるときには、前述し
たように、ルーパレス張力制御装置16が設定値変更時間
Tの経過後に与えられる無張力時トルクアーム係数ΔA
01とΔA02を用いて、上記(9) 式によって設定値の変更
を終了した以降の#1スタンドの前方張力T1 を演算
し、さらに、(11)式によって設定値の変更を終了した以
降の#2スタンドの前方張力T2 を演算する。
【0050】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、先行材を圧延しているときはルーパ制御
を実行し、先行材と後行材の接合点がルーパの上流のス
タンドの入側に到達する直前にルーパ制御からルーパレ
ス制御に切替えると共に、張力の目標値を実質的に零に
変更し、接合点がルーパの下流のスタンドに到達したと
き、ルーパレス制御からルーパ制御に切替えると共に、
ルーパ角度および圧延材にかかる張力の各目標値を後行
材の定常圧延時の目標値に変更するようにしたので、圧
延材を接合して連続的に圧延する場合でも異常ループや
座屈の恐れのない安定した圧延が可能となる。
【0050】この場合、上記(1),(2) 式によって各スタ
ンドの前方張力および無張力時トルクアーム係数を演算
することにより、確実な制御が可能となる。
【0051】また、先行材と後行材とで圧延スケジユー
ルが異なるときには、各スタンドの無張力時トルクアー
ム係数の変化量を逐次演算記憶し、元の無張力時トルク
アーム係数に変化量を加算するという手法にて接合点を
境にした圧延スケジュールの変更にも対処できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を材料の接合点と関連付けて制御の切替
えおよび設定値変更の状態を示した説明図。
【図2】本発明を実施する装置の構成を示すブロック
図。
【図3】本発明の原理を説明するために、ルーパ制御装
置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の原理を説明するために、ルーパレス制
御装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の原理を説明するために、ロール開度お
よび無張力トルクアーム係数と時間との関係を示す線
図。
【図6】先行圧延材の尾端と後行圧延材の先端とを接合
して圧延する一般的な圧延設備の配置図。
【符号の説明】
2,3 圧延ロール 4,24 ルーパ 5,27 ルーパ駆動電動機 6,28 圧延ロール駆動電動機 7,29 速度制御装置 8,30 速度制御装置 11,31 ルーパ制御装置 16,32 ルーパレス張力制御装置 22 接合点検出器 23 接合点追跡装置 33 基準発生装置 SW1,SW2 切替スイッチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスタンドを有するホットストリップ
    ミル仕上圧延機の入側で先行圧延材の尾端と後行圧延材
    の先端とを接合して圧延するホットストリップミル仕上
    圧延機の制御方法において、 スタンド間にルーパを配置し、前記ルーパの角度および
    圧延材にかかる張力がそれぞれ目標値に一致するように
    ルーパの高さを制御するルーパ制御と、前記ルーパを用
    いずにスタンドの圧延トルクおよび圧延荷重から圧延材
    にかかる張力を演算し、この張力が目標値に一致するよ
    うに圧延ロール速度を制御するルーパレス制御との切替
    えを可能にし、 先行材を圧延しているときは前記ルーパ制御を実行し、 先行材と後行材の接合点が前記ルーパから見て上流のス
    タンドの入側に到達する直前に前記ルーパ制御から前記
    ルーパレス制御に切替えると共に、張力の目標値を実質
    的に零に変更し、 前記接合点が前記ルーパから見て下流のスタンドに到達
    したとき、前記ルーパレス制御からルーパ制御に切替え
    ると共に、ルーパ角度および圧延材にかかる張力の各目
    標値を後行材の定常圧延時の目標値に変更する、 ことを特徴とするホットストリップミル仕上圧延機の制
    御方法。
  2. 【請求項2】前記ルーパレス制御は、iスタンドの無張
    力トルクアーム係数をA0i、ルーパ制御からルーパレス
    制御に切替わる直前のiスタンドの前方の張力実績値を
    iM、圧延トルク実績値をGiM、圧延荷重実績値を
    iM、(i−1)スタンドの前方張力実績値を
    (i-1)M、圧延スケジュールで決まる定数をαi
    βi ,γi ,δi として、iスタンドの前方張力Ti
    次式 【数1】 を用いて演算すると共に、iスタンドの無張力時トルク
    アーム係数A0iを次式 【数2】 を用いて演算、記憶し、その記憶値を次回以降のiスタ
    ンドの前方張力Ti の演算に用いることを特徴とする請
    求項1に記載のホットストリップミル仕上圧延機の制御
    方法。
  3. 【請求項3】先行材と後行材の圧延スケジユールが異な
    る接合点において、各スタンドのロールギャップおよび
    ロール速度等の設定値を所定の設定値変更時間を要して
    変更するに際し、iスタンドの設定値変更前後の無張力
    時トルクアーム係数の変化量ΔA0iを演算、記憶し、前
    記無張力時トルクアーム係数A0iの代わりにA0i+ΔA
    0iを用いてiスタンドの前方張力Ti を演算することを
    特徴とする請求項2に記載のホットストリップミル仕上
    圧延機の制御方法。
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