JPH10324997A - 電着塗膜のハジキ防止方法 - Google Patents

電着塗膜のハジキ防止方法

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JPH10324997A
JPH10324997A JP13485497A JP13485497A JPH10324997A JP H10324997 A JPH10324997 A JP H10324997A JP 13485497 A JP13485497 A JP 13485497A JP 13485497 A JP13485497 A JP 13485497A JP H10324997 A JPH10324997 A JP H10324997A
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washing
water
treatment
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JP13485497A
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Tsuneo Ukita
恒夫 浮田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装前処理工程から持ち込まれる汚染物質に
よる電着塗膜の欠陥(ハジキ)を防ぎ、良好な塗膜仕上
がりを可能にする。 【解決手段】 (a)被塗物に脱脂処理を施す工程と、
(b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程
と、(c)化成処理を施す工程と、(d)少なくとも1
回の上水による水洗処理を施す工程と、(e)純水によ
る浸漬又はスプレーにより水洗処理を施す工程と、
(f)電着塗膜を形成する工程と、上記の(a)〜
(f)の工程を順次経る工程において、上記(b)、
(d)又は(e)の少なくとも一工程で、上水の浸漬槽
又は貯蔵槽、または純水の浸漬槽又は貯蔵槽に混在した
油分を油吸着ベルトによる油回収手段を具備した電着塗
膜のハジキ防止方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は電着塗膜のハジキ防止方
法、特に油分・油滴等の残存付着に起因して生じる塗膜
不良の発生を防止し、優れた塗装外観、塗膜性能を得る
ための電着塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗装方法は、電圧の印加により電気
泳動等の過程を経て塗膜を被塗物の表面に析出させる方
法である。電圧の印加方法や塗料の種類によって、一般
的にカチオン系電着塗装方法とアニオン系電着塗装方法
に大別される。例えば、自動車車体の塗装には、主にカ
チオン系電着塗装方法が利用されている。また、電着塗
装は、電着塗装の前後の工程も含めると通常、脱脂処
理、水洗、必要に応じて表面調整、化成処理、水洗、乾
燥、電着塗装、水洗、及び焼き付けの諸工程が順次行わ
れる。
【0003】しかし、従来の工程では、ハジキやピンホ
ールなどの塗膜欠陥が発生することがあった。
【0004】そこで、特開昭57−92196号公報の
「電着塗装仕上げ方法」には、予め金属被塗物の表面の
汚染物質を除去するため、金属被塗物の前処理後であっ
て電着塗装に先立ち金属被塗物表面をワイピング処理す
ることが提案されている。
【0005】また、特開昭60−21384号公報の
「自動車車体の化成処理後の乾燥方法」には、水洗後、
車体部品の表面を濡れた状態に維持しつつ予熱昇温し、
次に車体部品を高温で通風乾燥させる方法が提案され、
特開昭60−33396号公報の「自動車車体の化成処
理後の乾燥方法」には、水洗処理のうち最終スプレー処
理を温水又は飽和水蒸気を用い、その後直接乾燥炉で熱
風乾燥させる方法が提案されている。いずれの方法も、
車体部品が濡れた状態で車体部品の表面温度を予め一定
温度まで予熱昇温され、その後の熱風乾燥で一気に乾燥
させるため、乾燥ムラが生じずに残存水による塗装不良
を防止できる方法である。
【0006】また、特開昭61−190098号公報の
「カチオン電着塗装方法」には、脱脂処理、化成処理、
及びその後の水洗、乾燥処理の塗装前工程を経た後、被
塗物表面の異物を除去するために、pH5.8〜8.2
及び比伝導度10μS/cm以下の脱イオン水を被塗物
に、例えば100ml/m2噴霧して、続いてカチオン
電着塗装を行う方法が提案されている。
【0007】また、特開昭63−134697号公報の
「カチオン型電着塗装の前処理法」には、クレータリン
グの生じやすい亜鉛メッキ鋼板において電着塗装後のク
レータリングを防止するため、電着塗装前に鋼板にカチ
オン型熱硬化性水溶性樹脂溶液を通電することなく塗布
し、この皮膜を硬化させることなく乾燥させ、更に鋼板
にカチオン型電着塗装を行う方法が提案されている。
【0008】また、特開昭64−25995号公報の
「電着塗装方法」には、導電性物品を電着塗装するにあ
たり、該物品を電着塗装前にパーフルオロカーボン基を
有するフッ素系界面活性剤の0.001〜5.0重量%
水性液で表面調整処理(例えば30秒〜5分間浸漬又は
スプレー)をした後、電着塗装を行う方法が提案されて
いる。
【0009】また、特開平5−331692号公報、特
開平6−33299号公報及び特開平6−93500号
公報には、それぞれ被塗物に付着した異物を除去する装
置が提案されている。また、特開平7−113197号
公報及び特開平8−170194号公報には、電着塗装
前に、電着塗装液等を噴霧することによって、被塗物の
表面に残存していた水を除去する装置が提案されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭57−92196号公報記載のように、電着塗装に
先立ち金属被塗物表面をワイピング処理する場合、ワイ
ピングしにくい部分には、依然として残存した油分・油
滴や異物が存在し、塗装外観を劣化させるおそれがあ
る。
【0011】また、特開昭60−21384号公報及び
特開昭60−33396号公報に記載の乾燥方法は、残
存水を除去することはできるが、通常のスプレー噴霧で
異物が完全に除去できない場合には、やはり塗装外観が
劣化するおそれがある。
【0012】更に、特開昭61−190098号公報に
記載のように、脱イオン水を被塗物に例えば100ml
/m2で噴霧したとしても、圧力不足で、異物を完全に
除去できない場合もあり、かかる場合には塗装外観が劣
化する。
【0013】また、特開昭63−134697号公報に
記載のように、カチオン型熱硬化性水溶性樹脂溶液を電
着塗装前に鋼板に塗布し、硬化させることなく乾燥させ
るという煩雑な工程が必要となるという問題があった。
【0014】更に、特開昭64−25995号公報に記
載のように、被塗物を電着塗装前にパーフルオロカーボ
ン基を有するフッ素系界面活性剤の0.001〜5.0
重量%水性液で表面調整処理(例えば30秒〜5分間浸
漬又はスプレー)を行うと、界面活性剤の濃度が比較的
高いので、泡が立ち、被塗物に付着した泡を別手段で取
り去らなければならないという問題があった。
【0015】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、油分・油滴等の残存付着に起因して生
じる塗膜不良の発生を防止し、優れた塗装外観、塗膜性
能を得るために電着塗膜のハジキ防止方法を提供するこ
とである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の電着塗膜のハジキ防止方法は、(a)
被塗物に脱脂処理を施す工程と、(b)少なくとも1回
の上水による水洗処理を施す工程と、(c)化成処理を
施す工程と、(d)少なくとも1回の上水による水洗処
理を施す工程と、(e)純水による浸漬又はスプレーに
より水洗処理を施す工程と、(f)電着塗膜を形成する
工程と、上記の(a)〜(f)の工程を順次経る工程に
おいて、上記(b)、(d)又は(e)の少なくとも一
工程で、水洗水に混在した油分を油吸着ベルトによる油
回収手段を具備したハジキ防止方法である。
【0017】また、上記油回収手段を、工程(d)又は
(e)の少なくとも一工程に具備するものである。
【0018】従って、上記(b)、(d)又は(e)の
水洗工程において、油が混入した水洗水中から油のみを
回収することができるので、電着塗膜のハジキを防止で
きるとともに水洗水の排水処理が容易になり、場合によ
っては、油を回収した後の水を再利用することが可能と
なる。これにより、ランニングコストを大幅に削減する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電着塗膜のハジキ防止方
法は、下記の(a)〜(f)の工程を順次経る方法であ
る。すなわち、(a)被塗物に脱脂処理を施す工程と、
(b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程
と、(c)化成処理を施す工程と、(d)少なくとも1
回の上水による水洗処理を施す工程と、(e)純水によ
る浸漬又はスプレーにより水洗処理を施す工程と、
(f)電着塗膜を形成する工程と、上記の(a)〜
(f)の工程を順次経る工程において、上記(b)、
(d)又は(e)の少なくとも一工程で、水洗水に混在
した油分を油吸着ベルトによる油回収手段を具備したハ
ジキ防止方法である。
【0020】また、本発明に係る電着塗膜のハジキ防止
方法では、更に上記油回収手段を、工程(d)又は
(e)の少なくとも一工程に具備するものである。
【0021】以下、各工程について、説明する。
【0022】(a)被塗物に脱脂処理、(b)水洗、
(c)化成処理を施す工程:被塗物に対する脱脂、水
洗、化成のいずれの処理も一般に行われている方法であ
れば、どれを用いてもよいが、例えば湯洗処理→噴霧脱
脂処理→浸漬脱脂処理→第1水洗処理→第2水洗処理→
表面調整処理→浸漬化成処理を経る処理でもよい。
【0023】脱脂処理に用いる脱脂剤としては、例えば
一般的に用いられているアルカリ脱脂剤であれば特に限
定されない。
【0024】化成処理に用いる化成処理剤としては、例
えばリン酸亜鉛処理剤、リン酸鉄処理剤等を用いること
ができる。
【0025】(d)少なくとも1回の上水による水洗処
理を施す工程:上記水洗処理としては、噴霧水洗、浸漬
水洗のいずれを行ってもよい。
【0026】(e)純水による浸漬又はスプレーにより
水洗処理を施す工程:上記純水のpHは、pH5〜7で
あることが好ましい。また、純水の電導度は、5μS/
cm以下であることが好ましい。
【0027】純水のpHが5未満の場合には、リン酸塩
皮膜を一部溶解させることがあるという不都合があり、
一方pHが7を超えると、純水中に含有されたアルカリ
成分によるコンタミが生じるという不都合がある。
【0028】また、純水の電導度が5μS/cmを超え
ると、含有された不純物による電着塗膜への汚染が生じ
るという不都合がある。
【0029】また、スプレー水洗の場合のスプレーの圧
力は、0.2kg/cm2以上、好ましくは0.5kg
/cm2以上である。また、浸漬の場合の表面流速は、
0.05m/sec.以上、好ましくは0.1m/se
c.以上である。
【0030】(f)電着塗膜を形成する工程:本発明に
用いる電着塗料としては、アニオン型樹脂系であって
も、カチオン型樹脂系であってもよく、また水溶性型で
あっても分散型であってもよく、従来のものがいずれも
使用できる。例えば(1) 乾性油又はポリブタジエンなど
の液状ゴムのα,β−エチレン性不飽和2塩基酸又はそ
の無水物付加物、場合によりエポキシ化した樹脂を主骨
格とするもの、及びその変性誘導体、例えばマレイン化
油樹脂やマレイン化ポリブタジエン樹脂及びアミン変性
エポキシ化ポリブタジエン樹脂等、(2) 樹脂状ポリオー
ルの脂肪酸エステルを主骨格とするもの及びその変性誘
導体、例えばエポキシ樹脂、エステル化樹脂等、(3) ア
ルキッド樹脂を主骨格とするもの、(4) アクリル樹脂を
主骨格とするものなどが挙げられる。
【0031】上記電着用樹脂を水に溶解又は分散させる
には、酸性樹脂の場合にはアンモニア、アミン、無機ア
ルカリ等の塩基で、塩基性樹脂の場合には、酢酸、乳
酸、硼酸、リン酸等の酸で中和すればよい。更に、上記
成分の他にメラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート
等の架橋剤、顔料、溶剤、界面活性剤等の常套の添加剤
を適宜配合する。
【0032】電着塗料の塗装は、アニオン樹脂系塗料の
場合には被塗物を陽極として別に陰極を設けて電気析出
させる通常の方法によって行われ、またカチオン樹脂系
塗料の場合には、アニオン樹脂系塗料を用いる場合と電
極を反対にすることによって行われる。電着塗膜は、通
常焼付け後の膜厚が5〜50μmになるように設けられ
る。また、電着塗料浴温は、20〜40℃であることが
好ましい。また、印加電圧は、50〜500Vであるこ
とが好ましい。
【0033】本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法に
用いる油回収手段について、図1〜図4を用いて説明す
る。
【0034】図1には、本発明に係るハジキ防止方法に
用いる油回収手段の第1実施形態が示されている。上記
油回収手段の装置構成は、次の通りである。すなわち、
上記(b)、(d)及び(e)の少なくとも一工程の水
洗工程が、浸漬の水洗処理における場合で、浸漬槽であ
る水洗タンク4に収容されている油の混在された水洗水
5を示す。また、無端帯状の油吸着ベルト1は、水洗タ
ンク4内の水洗水5中に一部が浸漬するように、回転部
3であるローラと駆動部2となるローラとに掛け渡され
ている。また、駆動部2付近には、スクレーパ6が配置
され、このスクレーパ6によって油吸着ベルト1に付着
した油が掻き取られ、油回収タンク8内に回収油7とし
て貯留される。
【0035】次に、上記油回収手段の装置の動作につい
て、図1を用いて説明する。水洗タンク4内には、水洗
工程で発生した油の混在した水洗水5が貯留されてい
る。一方、駆動部2が回転駆動することにより、油吸着
ベルト1が回転部3を介して回転する。一般に、油は水
より比重が軽いため、浮上する。従って、油吸着ベルト
1の一部が水洗タンク4上部に浸漬することにより、油
吸着ベルト1は、水洗タンク4内の油に接する。そし
て、油は、油吸着ベルト1の表面に付着し、上方に運ば
れ、スクレーパ6によって掻き取られ、油回収タンク8
に回収される。ここで、油吸着ベルト1は、水洗タンク
4内の油のみならず、水にも接するが、油のみを選択的
に付着するため、油と水とを分離して油のみを回収する
ことができる。
【0036】従って、水洗タンク4内の水洗水5から選
択的に油のみを回収するので、油を回収した後の水を再
利用することが可能となる。これにより、電着塗膜のハ
ジキを防止するとともにランニングコストを大幅に削減
することができる。
【0037】本実施形態で用いる油吸着ベルト1は、例
えば特開昭48−17169号公報の「汚水中より油を
分離回収する装置」に開示されているポリプロピレン系
繊維による不織布、織布のような吸油性シートでしかも
吸水性のないものでもよく、また特開平8−24355
8号公報の「浮上油回収用ベルト」に開示されているフ
ッ素含有率が40〜76重量%であるフッ素樹脂からな
る油回収ベルトでもよい。上記フッ素樹脂としては、例
えば四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩
化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、六フッ
化プロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル類
から選ばれた少なくとも一種のモノマーを構成単位とし
て含み、樹脂全体に対するこれらのモノマーの比率の和
が50重量%以上である熱可塑性フッ素樹脂が好まし
い。更に、前記熱可塑性フッ素樹脂は、油回収運転上、
23℃における曲げ弾性率が10〜1,000MPaで
あり、4.6kg/cm2荷重での熱変形温度が40℃
以上であることが好ましい。また、上記熱可塑性フッ素
樹脂組成物の臨界表面張力は、18〜30ダイン/cm
が好ましく、18〜25ダイン/cmがより好ましい。
臨界表面張力が大きすぎると、水に対する油の選択吸着
性が悪化し、小さすぎる場合にはベルトと油との親和性
が悪くなる。
【0038】次に、本発明に係るハジキ防止方法に用い
る油回収手段の第2実施形態を図2に示す。尚、第1実
施形態の油回収手段の装置構成と同様の構成要素には、
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】図2に示すように、本実施形態の油回収手
段の装置構成は、上記(b)、(d)又は(e)の少な
くとも一工程の水洗工程において、スプレー処理を採用
した場合の構成である。被塗物を水洗するために、水洗
チャンバー14内の対峙する両側面には、ライザー11
が配設されており、このライザー11には、複数のスプ
レーノズル12が配置されている。スプレーノズル12
より噴霧され水洗に使用された上水又は純水は、水洗水
戻り配管13を介して水洗タンク4に貯留される。水洗
タンク4の上層に浮上した油は、油吸着ベルト1により
回収され、油が除去された上水又は純水は、水洗タンク
4の下部から水洗ポンプ9によって吸引され配管10を
介してライザー11に移送される。
【0040】これにより、水洗タンク4内の水洗水5か
ら選択的に油のみを回収し、油を回収した後の水を再利
用できるので、電着塗膜のハジキを防止するとともに、
ランニングコストを大幅に削減することができる。
【0041】次に、本発明に係るハジキ防止方法に用い
る油回収手段の第3実施形態を図3に示す。尚、第1、
第2実施形態の油回収手段の装置構成と同様の構成要素
には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】図3に示すように、本実施形態の油回収手
段の装置構成は、上記(b)、(d)又は(e)の少な
くとも一工程の水洗工程において、スプレー処理を採用
した場合の構成である。第2実施形態では、水洗タンク
4が1槽である(図2参照)が、本実施形態では、水洗
タンク4,4aを2槽並列に並べている。従って、本実
施形態では、水洗水戻り配管13を介して水洗タンク4
に貯留された水洗水5は、油吸着ベルト1によって油が
回収され、その後オーバーフローして水洗タンク4aに
貯留される。このため、水洗タンク4aでは、水洗タン
ク4で吸着回収されなかった油の混在量の少ない水洗水
が、貯留されていることになる。そして、水洗タンク4
aの下部から水洗ポンプ9によって吸引された水洗水
は、配管10を介してライザー11に移送され、再度ス
プレー洗浄に供される。図3では、タンク4aが一槽の
例を図示しているが、複数層連ねることにより、油の混
在量をより少なくすることができる。
【0043】これにより、第2実施形態の装置に比べ、
更に精製された水洗水を再利用することができる。従っ
て、電着塗膜のハジキを防止できるとともに、水洗水の
再利用の度合いが増し、更にランニングコストを削減す
ることができる。
【0044】次に、本発明に係るハジキ防止方法に用い
る油回収手段の第4実施形態を図4に示す。尚、第1、
第2実施形態の油回収手段の装置構成と同様の構成要素
には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】図4に示すように、本実施形態の油回収手
段の装置構成は、上記(b)、(d)又は(e)の少な
くとも一工程の水洗工程において、スプレー処理を採用
した場合の構成である。第3実施形態では、水洗タンク
4,4aを2槽並列に並べている(図3参照)が、本実
施形態では、水洗水戻り配管13からの水洗水5を一旦
水洗タンク4に貯留し、油を上方に浮上させた後、浮上
した油をスクレープ等で除去しほぼ油が除去された水洗
水5を水洗タンク4の下部から送液ポンプ16により隣
接されていない水洗水処理タンク15に移送し、水洗水
処理タンク15に設置されている油吸着ベルト1によっ
て油を回収する構成になっている。図では示されていな
いが、水洗水処理タンク15は、水洗タンク4と隣接さ
れていてもよい。
【0046】従って、予め大部分の油を水洗タンク4に
より除去した水洗水5を、水洗処理タンク15において
油吸着ベルト1により油回収するので、水洗水5の精製
度合いが向上すると共に、油吸着ベルト1の汚染度も減
少するのでその寿命も長くなる。図4ではタンク4が一
槽の例を図示しているが、水洗水処理タンク15との間
に複数層連ねることにより、水洗水処理タンク15の処
理負荷を低減することができる。
【0047】また、本実施形態の水洗水処理タンク15
の下部から水洗ポンプ9によって吸引された水洗水は、
配管10を介してライザー11に移送され、再度スプレ
ー洗浄に供される。
【0048】従って、第2、第3実施形態の装置に比
べ、更に精製された水洗水を再利用することができる。
従って、電着塗膜のハジキを防止するとともに、水洗水
の再利用の度合いが増し、更にランニングコストを削減
することができる。
【0049】尚、第3、第4実施形態では、スプレー方
式を例にとって説明したが、水洗の浸漬槽を水洗タンク
4と兼用させて使用すれば、浸漬方式(ディップ方式)
にも用いることができる。
【0050】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0051】実施例1〜4及び比較例1 <試験方法> (1)脱脂:「サーフクリーナーSD−550」(日本
ペイント(株)製) ↓ (2)水洗1(浸漬) ↓ (3)表面調整:「サーフファイン5N−8R」(日本
ペイント(株)製) ↓ (4)化成:「サーフダインSD−5000」(日本ペ
イント(株)製/リン酸亜鉛) ↓ (5)水洗2(浸漬) ↓ (6)純水水洗(浸漬):pH6、電導度3μS/cm ↓ (7)電着塗装:「パワートップV−6」(日本ペイン
ト(株)製、カチオン電着塗料)(乾燥膜厚:20μ
m) ↓ (8)水洗 ↓ (9)焼付け:160℃で10分間 上記(1)〜(6)の工程により、防錆油が塗布された
テストピース(冷延鋼板:サイズ30cm×30cm×
厚み0.8cm(日本テストパネル工業(株)製)を5
0枚処理し、(2)水洗1、(5)水洗2、(6)純水
水洗のそれぞれの浸漬槽に油が混在した状態にした。次
に、(2)、(5)、(6)の各工程において、上記の
油の混在した上水、又は油の混在した純水を下記記載の
油回収装置により精製させた水を用いて(下記表1に示
す条件)、テストピース(冷延鋼板:サイズ10cm×
30cm×厚み0.8cm(日本テストパネル工業
(株)製)に対して(1)〜(9)の工程処理を施し
た。
【0052】下記表1に示すように、実施例1〜3にお
いて、上記(2)水洗1、(5)水洗2、(6)純水水
洗のそれぞれの浸漬槽、実施例4において、(5)水洗
2と(6)純水水洗の両方の浸漬槽に図1に示すような
油回収装置を設置した。
【0053】比較例1は、実施例1の(2)水洗1に設
置した油回収装置を除去した以外は、実施例1と同様に
行なった。
【0054】<油回収装置の構成> 油吸着ベルト:幅10cm×全長1m、材質;ポリプロ
ピレンの繊維状ベルトベルトの回転数:毎分30回転 ベルトの稼働時間:10分間 <評価方法> ハジキ:焼き付け後の塗膜のハジキの個数を目視で数え
て下記基準で評価を行った。
【0055】 ◎ : ハジキ数全くない ○+ : ハジキ数1〜2個 ○ : ハジキ数3〜5個 △+ : ハジキ数6〜10個 △ : ハジキ数11〜20個 × : ハジキ数21個以上 結果を表1に示す。
【0056】
【表1】 これらの結果から、本発明の電着塗膜のハジキ防止方法
によれば、従来に比べ著しくハジキ防止が向上すること
が判明した。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る電着塗膜の
ハジキ防止方法によれば、混在した油を油回収ベルトで
除去することにより、電着塗膜のハジキを防止し、塗膜
不良の発生を防止し、優れた塗装外観、塗膜性能を得る
ことができる。また、上記(b)、(d)又は(e)水
洗工程において、油回収手段により、油が混在した汚水
中から油のみを回収することができるので、排水処理が
容易になるばかりでなく、場合によっては、油を回収し
た後の水を再利用することが可能となる。これにより、
ランニングコストを大幅に削減することができる。従っ
て、経済性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法に用
いる第1実施形態の油吸着手段の装置構成を説明する図
である。
【図2】 本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法に用
いる第2実施形態の油吸着手段の装置構成を説明する図
である。
【図3】 本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法に用
いる第3実施形態の油吸着手段の装置構成を説明する図
である。
【図4】 本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法に用
いる第4実施形態の油吸着手段の装置構成を説明する図
である。
【符号の説明】
1 油吸着ベルト、2 駆動部、3 回転部、4 水洗
タンク、5 水洗水、6 スクレーバ、7 回収油、8
油回収タンク。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)被塗物に脱脂処理を施す工程と、 (b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程
    と、 (c)化成処理を施す工程と、 (d)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程
    と、 (e)純水による浸漬又はスプレーにより水洗処理を施
    す工程と、 (f)電着塗膜を形成する工程と、 上記の(a)〜(f)の工程を順次経る工程において、 上記(b)、(d)又は(e)の少なくとも一工程で、
    水洗水に混在した油分を油吸着ベルトによる油回収手段
    を具備したことを特徴とする電着塗膜のハジキ防止方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の油回収手段を、工程
    (d)又は(e)の少なくとも一工程に具備することを
    特徴とする電着塗膜のハジキ防止方法。
JP13485497A 1997-05-26 1997-05-26 電着塗膜のハジキ防止方法 Pending JPH10324997A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008126515A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Furukawa Sky Kk 成型加工後の樹脂密着性および耐食性に優れたキャップ成型用アルミニウム板
US9115440B2 (en) 2007-10-17 2015-08-25 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film and coated article
JP2022540926A (ja) * 2019-07-16 2022-09-20 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エレクトロコーティング浴を洗浄するための方法およびそのための装置

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