JP3835889B2 - 電着塗膜のハジキ防止方法 - Google Patents

電着塗膜のハジキ防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は電着塗膜のハジキ防止方法、特に油分・油滴等の残存付着に起因して生じる塗膜不良の発生を防止し、優れた塗装外観、塗膜性能を得るための電着塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電着塗装方法は、電圧の印加により電気泳動等の過程を経て塗膜を被塗物の表面に析出させる方法である。電圧の印加方法や塗料の種類によって、一般的にカチオン系電着塗装方法とアニオン系電着塗装方法に大別される。例えば、自動車車体の塗装には、主にカチオン系電着塗装方法が利用されている。また、電着塗装は、電着塗装の前後の工程も含めると通常、脱脂処理、水洗、必要に応じて表面調整、化成処理、水洗、乾燥、電着塗装、水洗、及び焼き付けの諸工程が順次行われる。
【0003】
しかし、従来の工程では、ハジキやピンホールなどの塗膜欠陥が発生することがあった。
【0004】
そこで、特開昭57−92196号公報の「電着塗装仕上げ方法」には、予め金属被塗物の表面の汚染物質を除去するため、金属被塗物の前処理後であって電着塗装に先立ち金属被塗物表面をワイピング処理することが提案されている。
【0005】
また、特開昭60−21384号公報の「自動車車体の化成処理後の乾燥方法」には、水洗後、車体部品の表面を濡れた状態に維持しつつ予熱昇温し、次に車体部品を高温で通風乾燥させる方法が提案され、特開昭60−33396号公報の「自動車車体の化成処理後の乾燥方法」には、水洗処理のうち最終スプレー処理を温水又は飽和水蒸気を用い、その後直接乾燥炉で熱風乾燥させる方法が提案されている。いずれの方法も、車体部品が濡れた状態で車体部品の表面温度を予め一定温度まで予熱昇温され、その後の熱風乾燥で一気に乾燥させるため、乾燥ムラが生じずに残存水による塗装不良を防止できる方法である。
【0006】
また、特開昭61−190098号公報の「カチオン電着塗装方法」には、脱脂処理、化成処理、及びその後の水洗、乾燥処理の塗装前工程を経た後、被塗物表面の異物を除去するために、pH5.8〜8.2及び比伝導度10μS/cm以下の脱イオン水を被塗物に、例えば100ml/m2噴霧して、続いてカチオン電着塗装を行う方法が提案されている。
【0007】
また、特開昭63−134697号公報の「カチオン型電着塗装の前処理法」には、クレータリングの生じやすい亜鉛メッキ鋼板において電着塗装後のクレータリングを防止するため、電着塗装前に鋼板にカチオン型熱硬化性水溶性樹脂溶液を通電することなく塗布し、この皮膜を硬化させることなく乾燥させ、更に鋼板にカチオン型電着塗装を行う方法が提案されている。
【0008】
また、特開昭64−25995号公報の「電着塗装方法」には、導電性物品を電着塗装するにあたり、該物品を電着塗装前にパーフルオロカーボン基を有するフッ素系界面活性剤の0.001〜5.0重量%水性液で表面調整処理(例えば30秒〜5分間浸漬又はスプレー)をした後、電着塗装を行う方法が提案されている。
【0009】
また、特開平5−331692号公報、特開平6−33299号公報及び特開平6−93500号公報には、それぞれ被塗物に付着した異物を除去する装置が提案されている。また、特開平7−113197号公報及び特開平8−170194号公報には、電着塗装前に、電着塗装液等を噴霧することによって、被塗物の表面に残存していた水を除去する装置が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭57−92196号公報記載のように、電着塗装に先立ち金属被塗物表面をワイピング処理する場合、ワイピングしにくい部分には、依然として残存した油分・油滴や異物が存在し、塗装外観を劣化させるおそれがある。
【0011】
また、特開昭60−21384号公報及び特開昭60−33396号公報に記載の乾燥方法は、残存水を除去することはできるが、通常のスプレー噴霧で異物が完全に除去できない場合には、やはり塗装外観が劣化するおそれがある。
【0012】
更に、特開昭61−190098号公報に記載のように、脱イオン水を被塗物に例えば100ml/m2で噴霧したとしても、圧力不足で、異物を完全に除去できない場合もあり、かかる場合には塗装外観が劣化する。
【0013】
また、特開昭63−134697号公報に記載のように、カチオン型熱硬化性水溶性樹脂溶液を電着塗装前に鋼板に塗布し、硬化させることなく乾燥させるという煩雑な工程が必要となるという問題があった。
【0014】
更に、特開昭64−25995号公報に記載のように、被塗物を電着塗装前にパーフルオロカーボン基を有するフッ素系界面活性剤の0.001〜5.0重量%水性液で表面調整処理(例えば30秒〜5分間浸漬又はスプレー)を行うと、界面活性剤の濃度が比較的高いので、泡が立ち、被塗物に付着した泡を別手段で取り去らなければならないという問題があった。
【0015】
本発明は上記従来の課題に鑑みたものであり、その目的は、油分・油滴等の残存付着に起因して生じる塗膜不良の発生を防止し、優れた塗装外観、塗膜性能を得るために電着塗膜のハジキ防止方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の電着塗膜のハジキ防止方法は、(a)被塗物に脱脂処理、水洗、化成処理を施す工程と、(b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程と、(c)浸漬槽の表面流速が0.2m/sec.以上である純水槽に、浸漬し、純水で水洗処理を施す工程と、(d)電着塗膜を形成する工程と、上記の(a)〜(d)の工程を順次経る方法である。
【0017】
更に、上記電着塗膜のハジキ防止方法は、上記工程(c)における浸漬槽に界面活性剤を0.5〜500ppm添加する方法である。
【0018】
上記工程(c)において、表面流速0.2m/sec.以上である純水槽に、浸漬し、純水で水洗処理を行うので、被塗物の表面の異物をほぼ完全に除去することができる。従って、塗装前処理工程から持ち込まれる汚染物質による電着塗装の欠陥(ハジキ)を防ぎ、従来に比べ塗装外観が良好になる。従来の処理工程では、化成処理、水洗、電着塗装の順に工程が構成されているが、本発明によれば、従来の処理工程に上記純水の浸漬槽を設けるだけで、異物を除去することができるので、改良に際し付帯設備の増設を最小限に留められる。また、浸漬槽中の純水は、従来のように水を加温する必要がない。このため、付帯設備が少なく、経済性に優れている。
【0019】
また、上記工程(c)において、界面活性剤を添加することにより、更に被塗物の表面に付着した異物を容易に除去することができる。なお、本発明の浸漬槽の界面活性剤濃度は、上述の特開昭64−25995号公報の界面活性剤濃度の1/2〜1/100となり、発泡性が低下し、これに伴い処理後の被塗物の表面に泡が付着することない。従って、即電着塗装工程に被塗物を移行することができ、電着塗装までの処理効率を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の電着塗膜のハジキ防止方法は、下記の(a)〜(d)の工程を順次経る方法である。すなわち、(a)被塗物に脱脂処理、水洗、化成処理を施す工程と、(b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程と、(c)表面流速が0.2m/sec.以上である純水の浸漬槽に、浸漬し、純水で水洗処理を施す工程と、(d)電着塗膜を形成する工程とを順次経る。
【0021】
以下、各工程について、説明する。
【0022】
(a)被塗物に脱脂処理、水洗、化成処理を施す工程
被塗物を脱脂、水洗、化成のいずれの処理も一般に行われている方法であれば、どれを用いてもよいが、例えば湯洗処理→噴霧脱脂処理→浸漬脱脂処理→第1水洗処理→第2水洗処理→表面調整処理→浸漬化成処理を経る処理でもよい。
【0023】
脱脂処理に用いる脱脂剤としては、例えば一般的に用いられているアルカリ脱脂剤であれば特に限定されない。
【0024】
化成処理に用いる化成処理剤としては、例えばリン酸亜鉛処理剤、リン酸鉄処理剤等を用いることができる。
【0025】
(b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程
上記水洗処理としては、噴霧水洗、浸漬水洗のいずれを行ってもよい。
【0026】
(c)表面流速が0.2m/sec.以上である純水の浸漬槽に、浸漬し、純水で水洗処理を施す工程
上記純水のpHは、pH5〜7であることが好ましい。また、純水の電導度は、5μS/cm以下であることが好ましい。
【0027】
純水のpHが5未満の場合には、リン酸塩皮膜を一部溶解させることがあるという不都合があり、一方pHが7を超えると、純水中に含有されたアルカリ成分によるコンタミが生じるという不都合がある。
【0028】
また、純水の電導度が5μS/cmを超えると、含有された不純物による電着塗料への汚染が生じるという不都合がある。
【0029】
また、浸漬槽の表面流速は、0.2m/sec.以上であることが好ましい。表面流速が0.2m/sec.未満の場合には、付着物が十分除去されず、電着塗膜のハジキが生じるという不都合がある。
【0030】
(d)電着塗膜を形成する工程
本発明に用いる電着塗料としては、アニオン型樹脂系であっても、カチオン型樹脂系であってもよく、また水溶性型であっても分散型であってもよく、従来のものがいずれも使用できる。例えば(1) 乾性油又はポリブタジエンなどの液状ゴムのα,β−エチレン性不飽和2塩基酸又はその無水物付加物、場合によりエポキシ化した樹脂を主骨格とするもの、及びその変性誘導体、例えばマレイン化油樹脂やマレイン化ポリブタジエン樹脂及びアミン変性エポキシ化ポリブタジエン樹脂等、(2) 樹脂状ポリオールの脂肪酸エステルを主骨格とするもの及びその変性誘導体、例えばエポキシ樹脂、エステル化樹脂等、(3) アルキッド樹脂を主骨格とするもの、(4) アクリル樹脂を主骨格とするものなどが挙げられる。
【0031】
上記電着用樹脂を水に溶解又は分散させるには、酸性樹脂の場合にはアンモニア、アミン、無機アルカリ等の塩基で、塩基性樹脂の場合には、酢酸、乳酸、硼酸、リン酸等の酸で中和すればよい。更に、上記成分の他にメラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート等の架橋剤、顔料、溶剤、界面活性剤等の常套の添加剤を適宜配合する。
【0032】
電着塗料の塗装は、アニオン樹脂系塗料の場合には被塗物を陽極として別に陰極を設けて電気析出させる通常の方法によって行われ、またカチオン樹脂系塗料の場合には、アニオン樹脂系塗料を用いる場合と電極を反対にすることによって行われる。電着塗膜は、通常焼付け後の膜厚が5〜50μmになるように設けられる。また、電着塗料浴温は、20〜40℃であることが好ましい。また、印加電圧は、50〜500Vであることが好ましい。
【0033】
本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法では、更に上記工程(c)における浸漬槽に界面活性剤を0.5〜500ppm添加することを特徴とする。
【0034】
界面活性剤の添加量が0.5ppm未満の場合には、付着油が十分除去されず電着塗膜にハジキを生じるという不都合があり、一方500ppmを超える場合には、水洗工程での発泡及び電着塗料への持ち込みによる電着塗膜の外観不良、塗膜性能不良を生じるという不都合がある。
【0035】
本発明に用いられる界面活性剤は、脱脂及び/又は化成処理工程より持ち込まれた油分を乳化するものであればよく、これには、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれも用いることができる。カチオン電着塗装に対しては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が好ましく、アニオン電着塗装に対しては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が好ましい。
【0036】
<ノニオン界面活性剤>
例えば、ポリエチレングリコール型の界面活性剤として、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレオンオキサイド付加物等を用いることができる。また、多価アルコール型としては、ショ糖の脂肪酸エステル等がある。用いることができる界面活性剤の例としては、具体的には主として以下のものがある。
【0037】
(A) ポリエチレングリコール型の界面活性剤
(i) 高級アルコールエチレンオキサイド付加物:
一般式の例として下記化1のものが挙げられ、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、特にポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテルが挙げられる。
【0038】
【化1】
Figure 0003835889
ここで、R :C11〜C18のアルキル基
1 :C7 〜C9 のアルキル基
n :一般に8〜15
商品としては、「アデカトールLOシリーズ」、「アデカトールSOシリーズ」(以上、旭電化(株)製)、「エマルゲンシリーズ」(花王(株)製)、「ノイゲンETシリーズ」、「ノイゲンEAシリーズ」(第一工業製薬(株)製)等を用いることができる。
【0039】
(ii)脂肪族エチレンオキサイド付加物:
一般式として下記化2のものが挙げられる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルなどを挙げることができ、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ソルビタンモノウラレート及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の使用が好ましい。
【0040】
【化2】
Figure 0003835889
ここで、R :C11〜C14のアルキル基
n :一般に5〜30
商品としては、「アデカトールOEGシリーズ」(旭電化(株)製)、「エマノーンシリーズ」(花王(株)製)、「ノイゲンESシリーズ」(第一工業製薬(株)製)等を用いることができる。
【0041】
(iii) 多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物:
一般式として下記化3のものが挙げられる。
【0042】
【化3】
Figure 0003835889
ここで、R :C12〜C18のアルキル基であり、上記の他にジエステル等も含む。
【0043】
商品として、「アデカノールNKシリーズ」(旭電化(株)製)、「レオドールTWシリーズ」又は「レオドール400番シリーズ」(花王(株)製)、「ソルゲンTWシリーズ」(第一工業製薬(株)製)等を用いることができる。
【0044】
(iv)高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物:
一般式の例として、下記化4のものが挙げられる。
【0045】
【化4】
Figure 0003835889
ここで、R :C12〜C18のアルキル基
n,m :0〜20
ポリオキシエチレンアルキルアマイド
【化5】
Figure 0003835889
ここで、R :C12〜C18のアルキル基
n,m :0〜20
商品としては、「アミートシリーズ」(花王(株)製)、「アミラヂンシリーズ」(第一工業製薬(株)製)等を用いることができる。
【0046】
(v) ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物:
一般式として下記化6のものが挙げられる。
【0047】
【化6】
Figure 0003835889
ここで、n+m+m′=20〜80
n:約15〜50
商品として、「ブルロニックシリーズ」、「アデカノールBシリーズ」(旭電化(株)製)、「エマルゲンPPシリーズ」(花王(株)製)、「エバンシリーズ」(第一工業製薬(株)製)等を用いることができる。
【0048】
(B) 多価アルコール型
ショ糖の脂肪酸エステルタイプ一般式として下記化7のものが挙げられる。
【0049】
【化7】
Figure 0003835889
ここで、R:C12〜C18のアルキル基
商品として、「スパンシリーズ」、「エマルゲンシリーズ」(花王(株)製)等を用いることができる。
【0050】
<カチオン界面活性剤>
本発明に用いることができるカチオン界面活性剤としては、具体的には、第一アミン塩として、ジアルコキシアルキルアミン塩、ジシロキシエチルステアリルアミン等が挙げられ、第二アミン塩として、N−(3−アルコキシ−2−ヒドロキシキプロピル)モノアルキルアミン塩、モノアルキルエステルエチルモノアルキルアミン塩、アルキルアミドエチルモノアルキルアミン塩等が挙げられる。また、第三アミン塩として、N−(3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジアルキルアミン塩、モノアルキルエステルエチルジアルキルアミン塩、アルキルアミドエチルジアルキルアミン塩等が挙げられる。更に、第四級アンモニウム塩として、N−(3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル)トリアルキルアンモニウムハライド、モノアルキルエステルエチルトリアルキルアミン塩、アルキルアミドエチルトリアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。上記の塩の好ましいものとしては、ハロゲンを有する塩であり、好ましいハロゲンとしては塩素である。好ましくは、N−(3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル)トリアルキルアンモニウムハライド、N−(3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジアルキルアミンハライド等を、より好ましくはこれらのクロライド等を用いる。上記各成分のアルコキシ基、アルキル基は、少なくともその2個以上が炭素数10以上である。
【0051】
更に、例えば、トリエタノールアミンモノステアレート、2−ヘプタデセニルヒドロキシエチルイミダゾリン、アルキルベンセンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェース、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート又はその塩(例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニア、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等のアミン類等)が挙げられる。特に好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムオキシエチレントリデシルエーテルサルフェート等が挙げられる。また、アルキルアミン塩第四級アンモニウム塩等を用いることもできる。
【0052】
<アニオン界面活性剤>
アニオン界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、ナフテン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウムのような脂肪酸金属石膏、ラウジルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウジルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、更に脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、ポリカルボン酸高分子界面活性剤等を用いることができる。
【0053】
<両性界面活性剤>
両性界面活性剤としては、例えばステアリルジメチルベタイン、ラウリルアミノプロピオン酸メチル等を使用する。
【0054】
更に、請求項に記載以外の本発明の好ましい他の実施態様を以下に示す。
【0055】
1.工程(c)の浸漬槽に用いる純水のpHは、pH5〜7であることが好ましく、純水の電導度は、5μS/cm以下が好ましい。
【0056】
2.本発明に用いられる界面活性剤は、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤の少なくとも1種である。
【0057】
3.本発明に用いられる界面活性剤は、カチオン電着塗装の場合には、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が好ましく、アニオン電着塗装の場合には、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が好ましい。
【0058】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
【0059】
実施例1〜10及び比較例1
Figure 0003835889
上記(1)〜(6)の工程により、防錆油が塗布された7×15cm梨地鋼板を100枚処理し、(6)純水工程の油濃度が5ppmの純水を生成し、この純水を試験液として使用した。次に、試験板である上記鋼板に対して上記(1)〜(5)の工程処理を施し、その後(6)工程の純水の浸漬槽の表面流速を下記表1の条件で、更に界面活性剤の添加量を表1の条件で含有させた純水で水洗し、(7)〜(8)の工程を経て、電着塗膜のハジキの状態及び純水の浸漬槽の発泡性を評価した。
【0060】
<評価方法>
(1)ハジキ:目視により評価した。
【0061】
◎ : ハジキ全くなし
○ : ハジキほとんどなし
× : ハジキあり
(2)発泡性:目視により評価した。
【0062】
◎ : 発泡なし
○ : 発泡ほとんどなし
△ : 発泡少々あり
× : 発泡多い
結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003835889
註)ノニオン界面活性剤:「ノイゲンEA−87」(第一工業製薬(株)製;ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル)
カチオン界面活性剤:「アデカミン4MAC−30」(旭電化工業(株)製;第四級アンモニウム塩モノアルキル)
これらの結果から、本発明の電着塗膜のハジキ防止方法によれば、従来に比べ著しくハジキ防止が向上していると共に、純水の浸漬槽の発泡もないことが判明した。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る電着塗膜のハジキ防止方法によれば、ハジキ防止し、油分・油滴等の残存付着に起因して生じる塗膜不良の発生を防止し、優れた塗装外観、塗膜性能を得ることができる。また、従来の処理工程では、化成処理、水洗、電着塗装の順に工程が構成されているが、本発明によれば、従来の処理工程に純水の浸漬槽を設けるだけで、異物を除去することができるので、改良に際し付帯設備の増設を最小限に留められる。また、浸漬槽中の純水は、従来のように水を加温する必要がない。このため、付帯設備が少なく、経済性に優れている。

Claims (1)

  1. (a)被塗物に脱脂処理、水洗、化成処理を施す工程と、
    (b)少なくとも1回の上水による水洗処理を施す工程と、
    (c)表面流速が0.2m/sec.以上である純水の浸漬槽に、浸漬し、純水で水洗処理を施す工程と、
    (d)電着塗膜を形成する工程と、
    上記の(a)〜(d)の工程を順次経る電着塗膜のハジキ防止方法であって、
    工程(c)における浸漬槽に界面活性剤を0.5〜500ppm添加することを特徴とする電着塗膜のハジキ防止方法。
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