JPH10316810A - プロピレン系ポリマーブレンドおよびその製造方法 - Google Patents

プロピレン系ポリマーブレンドおよびその製造方法

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JPH10316810A
JPH10316810A JP13217697A JP13217697A JPH10316810A JP H10316810 A JPH10316810 A JP H10316810A JP 13217697 A JP13217697 A JP 13217697A JP 13217697 A JP13217697 A JP 13217697A JP H10316810 A JPH10316810 A JP H10316810A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透明性、難白化性および低温での耐衝撃性に
優れた成形品用原料として好適なプロピレン系ポリマー
ブレンドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 プロピレン系ポリマーブレンドは、プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)とこのラ
ンダム共重合体(A)とはα−オレフィンの含有量が異な
るプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)と
からなり、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合
体(B)の極限粘度[η]Bが1.3〜3.5dl/g、そのプ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限
粘度[η]Aに対する比が0.5〜1.3、かつプロピレン
−α−オレフィンランダム共重合体(B)とプロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度比と重
量比との積([η]B/[η]A)・(WA/WB)が1.0〜4.5
の範囲にあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン系ポリ
マーブレンドに係り、さらに詳しくは、透明性、難白化
性および低温での耐衝撃性に優れたプロピレン系ポリマ
ーブレンドおよび気相重合によるその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は比較的に安価で、
優れた熱的および機械的特性を有することから今日では
多岐の分野にわたり使用されている。しかしながら、一
般にプロピレンホモポリマーは高い剛性を有する反面、
耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が劣っている。プロピ
レンホモポリマーの低温での耐衝撃性を向上させたもの
として、まず最初にプロピレンホモポリマー成分を、次
いでエチレン−プロピレンランダム共重合体成分を生成
させたプロピレン系ブロック共重合体組成物が、自動
車、家電分野等を始めとして各産業分野に広く採用され
ている。
【0003】これらの従来から使用されているプロピレ
ン系ブロック共重合体組成物は、耐衝撃性に優れる反
面、ホモポリマーに比較して透明性が劣り、また衝撃時
を受けた時の白化が大きい。プロピレン系ブロック共重
合体組成物の衝撃白化の欠点を改良する方法として、こ
れまで共重合体中のエチレンの含有量を増やす方法や、
プロピレン系ブロック共重合体組成物にポリエチレンを
添加する方法が提案されている。いずれの方法も衝撃白
化性を改良するには優れた方法であるが、同時に製品の
透明性が低下する。
【0004】また、特開平5-331327号公報は、プロピレ
ンホモポリマー成分とエチレン−プロピレンランダム共
重合体成分の極限粘度比のみを規定したプロピレン系ブ
ロック共重合体組成物を含むポリマー組成物を、特開平
6-145268号公報は、プロピレンホモポリマー成分の極限
粘度、およびエチレン−プロピレン共重合体成分の極限
粘度との極限粘度比およびエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体成分のエチレン含有量を規定したポリマー組
成物を提案している。また、特開昭56-72042号公報や特
開昭57-63350号公報は、少量のエチレンを含有したエチ
レン/プロピレン共重合体とエチレン/プロピレン共重
合体とをブレンドしたポリオレフィン樹脂組成物を開示
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのポリマー組成
物の射出成形品のヘイズの測定結果からの衝撃白化性や
透明性は、従来のプロピレン系ポリマーブレンドに比較
して改善は見られるもののさらに改善の余地がある。ま
た、ブレンド工程の採用は最終製品における各成分の分
散性のばらつきにより、各種の特性にもばらつきが発生
する可能性がある。
【0006】本発明は、透明性、難白化性および低温で
の耐衝撃性などの諸特性のバランスの優れたプロピレン
系ポリマーブレンドおよびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的達
成のために鋭意研究を行った結果、プロピレン−α−オ
レフィンランダム共重合体(A)とこのランダム共重合体
(A)とは異なるα−オレフィン含有量を有するプロピレ
ン−α−オレフィンランダム共重合体(B)とからなるプ
ロピレン系ポリマーブレンドが、プロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体(B)の極限粘度、両共重合体の
極限粘度比およびこの極限粘度比と両共重合体の重量比
との積が一定の範囲にある場合に、透明性、難白化性お
よび低温での耐衝撃性のバランスが優れることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】本発明は、プロピレン含有量が90〜99
重量%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(A)とプロピレン含有量が55〜90重量%である
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)とか
らなり、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
(B)の極限粘度[η]Bが1.3〜3.5dl/g、プロピレ
ン−α−オレフィン共重合体(B)とプロピレン−α−オ
レフィン共重合体(A)との極限粘度比[η]B/[η]A
0.5〜1.3、かつプロピレン−α−オレフィン共重合
体(A)とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)との
極限粘度比[η]B/[η]Aとそれらの重量比WA/WBとの
積([η]B/[η]A)・(WA/WB)が1.0〜4.5の範囲に
あることを特徴とするプロピレン系ポリマーブレンドで
ある。
【0009】また、別の本発明は、平均粒径が20〜3
00μmのチタン含有固体触媒成分、一般式AlR1 m
3-m(式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基を、Xは
ハロゲン原子を表し、mは3≧m>1.5の正数であ
る)で表される有機アルミニウム化合物、および一般式
2 X3 YSi(OR4)Z(式中、R2およびR4は炭化水素
基、R3は炭化水素基またはヘテロ原子を含む炭化水素
基を示し、0≦X≦2、1≦Y≦3、1≦Z≦3かつX
+Y+Z=4である)で表される有機ケイ素化合物を組
み合わせた立体規則性触媒の存在下に、気相中において
プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとを共重
合させて全重量の90〜50重量%のプロピレン−α−
オレフィンランダム共重合体(A)を生成させる第1重合
工程、次いでプロピレンとプロピレン以外のα−オレフ
ィンとを第1重合工程とは組成比を変えて共重合させ、
全重量の10〜50重量%のプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体(B)を生成させる第2重合工程の順
に連続的に実施することを特徴とする上記プロピレン系
ポリマーブレンドの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプロピレン系ポリマーブ
レンドにおいて、プロピレン−α−オレフィンランダム
共重合体(A)は、プロピレン含有量が90〜99重量%
のプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのラ
ンダム共重合体である。共重合体(A)のプロピレン含有
量が過小な場合、成形品の耐熱性が低下し、一方、過大
な場合には難白化性が不十分となる。共重合体(A)のプ
ロピレン含有量は、好ましくは92〜99重量%であ
る。
【0011】プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(A)のα−オレフィン成分として、エチレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができ、
製造コストの点からエチレンが好適である。
【0012】プロピレン系ポリマーブレンドの他方の成
分、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)
は、プロピレン含有量が55〜90重量%のプロピレン
とプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合
体である。共重合体(B)のプロピレン含有量が過大な場
合、成形品の低温での耐衝撃性が不十分となり、一方、
過小な場合には、透明性が低下する。共重合体(B)の好
ましいプロピレン含有量は、55〜85重量%である。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)のα
−オレフィン成分として、前記共重合体(A)と同様の化
合物を挙げることができ、ここでもエチレンが好適であ
る。
【0013】プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(B)は、135℃のテトラリン中で測定した極限粘
度[η]Bが1.3〜3.5dl/g、より好ましくは1.5〜
3.0dl/gの範囲にあり、かつプロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体(A)の同一条件で測定した極限
粘度[η]Aに対する極限粘度比[η]B/[η]Aが0.5〜
1.3、好ましくは0.6〜1.2の範囲にある。プロピ
レン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度
[η]Bは直接測定できないので、直接測定可能なプロピ
レン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度
[η]Aおよび最終生成物であるプロピレン系ポリマーブ
レンドの極限粘度[η]WHOLE 、ならびにプロピレン−α
−オレフィンランダム共重合体(B)の重量%WBから、
下記式により求める。 [η]B={[η]WHOLE−(1−WB/100)[η]A}/(WB/100)
【0014】プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(B)の極限粘度[η]Bは、成形サイクル性および成
型品の透明性に影響し、プロピレン−α−オレフィンラ
ンダム共重合体(B)とプロピレン−α−オレフィンラン
ダム共重合体(A)との極限粘度比[η]B/[η]Aは、プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)のプロピ
レン−α−オレフィンランダム共重合体(A)への分散性
に影響する。プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(B)の極限粘度[η]Bが大きいほど成形サイクル性
が低下する。また、プロピレン−α−オレフィンランダ
ム(A)との極限粘度比が大きすぎると透明性が低下し、
小さすぎると低温での耐衝撃性が不足し、目的とする特
性を達成できない。
【0015】本発明のプロピレン系ポリマーブレンドに
おいて、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
(A)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
(B)との重量比WA/WBは、前記した両共重合体の極限
粘度比[η]B/[η]Aとの積、([η]B/[η]A)・(WA/W
B)が1.0〜4.5の範囲となる比率である。両共重合体
の重量比と極限粘度比との積は、組成物の難白化性を表
す指標であり、その値が小さくなると難白化性は改善さ
れるが、耐熱性や剛性の低下が大きくなり、一方、大き
くなると目的とする難白化性の改善効果が得られない。
プロピレン系ポリマーブレンドの具体的な組成は、ポリ
マーブレンドの重量基準でプロピレン−α−オレフィン
ランダム共重合体(A)90〜50重量%およびプロピレ
ン−α−オレフィンランダム共重合体(B)10〜50重
量%である。
【0016】上記諸特性を満足する本発明のプロピレン
系ポリマーブレンドは、透明性、難白化性および低温で
の耐衝撃性が優れた成形品の製造用原料として好適に使
用することができる。
【0017】本発明のプロピレン系ポリマーブレンド
は、上記の諸特性を満足すればいかなる方法で製造して
もよいが、前記した気相中における2段連続重合法を採
用することにより好適に製造することができる。
【0018】この2段連続重合法は、平均粒径が20〜
300μmのチタン含有固体触媒成分、有機アルミニウ
ム化合物、および有機ケイ素化合物を組み合わせた立体
規則性触媒の存在下に、気相中においてプロピレンとプ
ロピレン以外のα−オレフィンとを共重合させて所定量
のかつ所定の組成比を有するプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体(A)を生成させる第1重合工程、次
いでプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとを
それらの組成比を変えて共重合させて残部のプロピレン
−α−オレフィンランダム共重合体(B)を生成させる第
2重合工程、を順に連続的に実施することからなる。
【0019】上記製造方法において、チタン含有固体触
媒成分として、マグネシウム化合物、シリカ化合物、ア
ルミナ等の無機担体やポリスチレン等の有機担体にチタ
ン化合物を担持させたもの、またかかる担持体に必要に
応じてエーテル類、エステル類などの電子供与性化合物
を反応させた平均粒径が20〜300μmの範囲のもの
を公知の触媒を含めて使用することができる。
【0020】たとえば、マグネシム化合物−アルコール
溶液をスプレー造粒して固体成分を部分乾燥した後、乾
燥固体成分をハロゲン化チタンおよび電子供与性化合物
で処理したチタン含有固体触媒成分(特開平3-119003号
公報)、マグネシウム化合物をテトラヒドロフラン/ア
ルコール/電子供与体に溶解させ、TiCl4単独また
は電子供与体の組み合わせで析出させたマグネシム担体
を、さらにハロゲン化チタンおよび電子供与性化合物で
処理したチタン含有固体触媒成分(特開平4-103604号公
報)などが挙げられる。
【0021】チタン含有触媒成分は、平均粒径が20〜
300μm、好ましくは20〜150μmのものを用い
る。チタン含有触媒成分の平均粒径が過小な場合、得ら
れるプロピレン系ポリマーブレンドのパウダーの流動性
が著しく損なわれ、重合器の器壁や攪拌翼等への付着に
よる重合系内の汚染や重合器から排出されたパウダーの
搬送が困難になる等、安定運転の大きな妨げとなる。ま
た、チタン含有触媒成分は、正規分布における均一度が
2.0以下の粒径分布を有するものが好ましい。均一度
が大きくなるとプロピレン系ポリマーブレンドのパウダ
ー流動性が悪化して連続での安定運転が困難となる。
【0022】有機アルミニウム化合物として、一般式が
AlR1 m3-m(式中R1は、炭素数1〜20の炭化水素
基を、Xはハロゲン原子を表し、mは3≧m>1.5の
正数である)で表される有機アルミニウム化合物を用い
ることができる。
【0023】具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキク
ロリド、ジ−n−プロピルアルミニウムモノクロリド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニ
ウムアイオダイド、エトキシジエチルアルミニウム等を
挙げることができ、好ましくはトリエチルアルミニウム
を使用する。これら有機アルミニウム化合物は1種の単
独あるいは2種以上の混合物として使用することができ
る。
【0024】有機ケイ素化合物としては、一般式R2 X
3 YSi(OR4)Z(式中R2およびR4は炭化水素基、R3
は炭化水素基あるいはヘテロ原子を含む炭化水素基を表
し、0≦X≦2、1≦Y≦3、1≦Z≦3かつX+Y+
Z=4である)で表される有機ケイ素化合物が使用され
る。
【0025】具体的にはメチルトリメトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、t−ブチルト
リメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシ
ラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラ
ン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキ
シルメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン等を挙げることができる。好ましくは、ジイソブチル
ジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、
ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシラン
が使用される。これらの有機ケイ素化合物は1種の単独
あるいは2種以上の混合物として使用することができ
る。
【0026】前記チタン含有固体触媒成分、有機アルミ
ニウム化合物および有機ケイ素化合物を組み合わせた立
体規則性触媒を、第1重合工程のプロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンとの共重合に用いるが、チタン
含有固体触媒にα−オレフィンを予め反応させて予備活
性化処理して用いることが好ましい。
【0027】チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
は、前記本重合に用いる有機アルミニウム化合物と同様
の有機アルミニウム化合物の存在下または非存在下に実
施できるが、通常チタン含有固体触媒成分中のチタン原
子1モルに対して有機アルミニウム化合物を0.1〜4
0モル、好ましくは0.3〜20モルの範囲で用い、1
0〜80℃で10分〜48時間かけてチタン含有固体触
媒成分1グラム当たり0.1〜100グラム、好ましく
は0.5〜50グラムのα−オレフィンを反応させる。
好ましい有機アルミニウム化合物はトリエチルアルミニ
ウムである。
【0028】予備活性化処理においては、予め前記本重
合に用いる有機ケイ素化合物と同様の有機ケイ素化合物
を有機アルミニウム化合物1モルに対して0.01〜1
0モル、好ましくは0.05〜5モルの範囲で用いても
よい。好ましい有機ケイ素化合物は、ジイソブチルジメ
トキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−
t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジ
メトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランなど
である。
【0029】チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
に用いられるα−オレフィンは、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
セン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペ
ンテン等であり、これらは単独のみならず、他のオレフ
ィンとの2種以上の混合物であってもよい。また、その
重合に際して生成するポリマーの分子量を調節するため
に水素等の分子量調節剤を併用することもできる。
【0030】チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
に用いられる不活性溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状
飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持った
シリコンオイル等重合反応に著しく影響を及ぼさない不
活性溶剤である。これらの不活性溶剤は1種の単独溶剤
または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これらの
不活性溶剤の使用に際しては重合に悪影響を及ぼす水
分、イオウ化合物等の不純物を取り除いた後で使用する
ことが好ましい。
【0031】本発明のプロピレン系ポリマーブレンドの
製造方法において、上記の方法で予備活性化処理したチ
タン含有固体触媒成分の存在下に、気相中においてプロ
ピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとを共重合す
る第1重合工程、次いで第1重合工程とはプロピレン含
有率を変えてプロピレンとα−オレフィンとの共重合を
行う第2重合工程を連続実施する。第1重合工程は気相
重合には限定されずにスラリー重合や塊状重合を採用す
ることもできるが、それに連続する第2重合工程が気相
重合であることが好ましいことから、本発明においては
第1重合工程も気相重合を採用する。第2重合工程とし
てスラリー重合や塊状重合を採用した場合、共重合体が
溶液中に溶出し、安定運転の継続が困難となる。
【0032】プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(A)の重合条件は重合形式で異なるが、気相重合法
の場合、一定量のパウダーを混合撹拌しながら予備活性
化処理したチタン含有固体触媒成分、有機アルミニウム
成分および有機ケイ素化合物からなる立体規則性触媒の
存在下、重合温度20〜120℃、好ましくは40〜1
00℃、重合圧力大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.
59〜5.0MPaの条件下にプロピレンとプロピレン
以外のα−オレフィンを供給してプロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体(A)を重合する。有機アルミニ
ウム化合物とチタン含有固体触媒成分の使用率(モル比)
はAl/Ti=1〜500、好ましくは10〜300で
ある。この場合、チタン含有固体触媒成分のモル数は、
チタン含有固体触媒成分中のに存在する実質的なTiグ
ラム原子数をいう。
【0033】有機ケイ素化合物と有機アルミニウム成分
の使用率(モル比)はAl/Si=1〜10、好ましくは
1.5〜8である。Al/Siモル比が過大な場合、プ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の低結
晶成分が増加し、プロピレン系ポリマーブレンドの剛性
が不十分となると共にパウダーの流動性が低下して安定
運転の継続が困難となる。また、Al/Siモル比が過
小な場には重合活性が著しく低下し、生産性が低下す
る。
【0034】プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体(A)の分子量の調節には、重合時に水素のような分
子量調節剤の使用が可能であり、プロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体(A)の極限粘度が本発明の要件
を満たすように実施される。プロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体(A)を重合後、生成したパウダーの
一部を抜き出し、極限粘度([η]A)、メルトフローレー
ト(MFRA)ならびに触媒単位重量当たりの重合収量の測定
に供する。
【0035】第1重合工程のプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体(A)の重合に引き続いて、重合温度
20〜120℃、好ましくは40〜100℃、重合圧力
大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MP
aの条件下で、プロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンとの混合モノマーの組成比を第1重合工程とは変
えて共重合させてプロピレン−α−オレフィンランダム
共重合体(B)を生成させる第2重合工程を実施する。プ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)中のα
−オレフィン単位含有量はコモノマーガス中のα−オレ
フィンモノマーとプロピレンモノマーのガスモル比を制
御して、共重合体中のα−オレフィン単位含有量が10
〜45重量%になるように調節する。
【0036】一方、プロピレン−α−オレフィンランダ
ム共重合体(A)の重量に対するプロピレン−α−オレフ
ィンランダム共重合体(B)の重量は、重合時間の調節や
一酸化炭素や硫化水素等の触媒の重合活性調節剤を使用
して、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
(B)の重量を1.0〜50重量%に調節する。さらに、
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の分
子量は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
(B)の極限粘度([η]B)が前記プロピレン系ポリマーブ
レンドの要件を満たすように水素のような分子量調節剤
をプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の
重合時に加えて調節される。
【0037】重合方式は、回分式、反連続式あるいは連
続式のいずれでも採用できるが、工業的には連続式重合
が好ましい。
【0038】第2重合工程の終了後に、重合系からモノ
マーを除去して粒子状ポリマーを得ることができる。得
られたポリマーを極限粘度([η]WHOLE)、α−オレフィ
ン含量の測定ならびに触媒単位重量当たりの重合収量の
測定に供する。
【0039】本発明のプロピレン系ポリマーブレンド
は、射出成形、押し出し成形など各種成形法により種々
の形状を有する成形品の原料に供することができる。成
形に際しては、プロピレン系ポリマーブレンドに、必要
に応じて従来のポリオレフィンに用いられている公知の
酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤、耐候剤、タルク、炭
酸カルシウム、シリカ、マイカ等の無機充填剤等の各種
添加剤を添加することができる。
【0040】
【実施例】本発明を実施例および比較例により更に具体
的に説明する。 1) 各種物性測定法 実施例および比較例において採用した測定方法は下記の
とおりである。 a) 極限粘度(dl/g):溶媒としてテトラリン(テトラヒ
ドロナフタレン)を用い135℃の温度条件下、自動粘
度測定装置(AVS2型、三井東圧(株)製)を使用して測定し
た。 b) チタン含有固体触媒成分の粒度(μm)および均一
度:マスターサイザー(MALVERN社製)を用いて測定した
粒度分布から算出した平均粒径を粒度とし、また60%
篩下の粒径を10%篩下の粒径で割った値を均一度とし
た。 c) エチレン単位含有率(重量%):赤外線吸収スペクト
ル法により測定した。 d) メルトフローレート(g/10分):JIS K−721
0に準拠して測定した。
【0041】2) チタン含有固体触媒成分の調製 a) チタン含有固体触媒成分:A−1 窒素置換したSUS製オートクレーブに、95.3gの
無水MgCl2および352mlの乾燥EtOHを入れ、
この混合物を攪拌下に105℃に加熱し溶解させた。1
時間攪拌後、この溶液を105℃に加熱した加圧窒素
(1.1 MPa)で二流体スプレーノズルに送入した。窒素
ガスの流量は38リットル/分であった。スプレー塔中
に冷却用液体窒素を導入し、塔内温度を−15℃に保持
した。生成物を塔内底部に導入した冷却ヘキサン中に集
め256gを得た。生成物の分析結果から、この担体の
組成は出発溶液と同じMgCl2・6EtOHであっ
た。担体に用いるため、篩い分けを行い45〜212μ
mの粒径で球形な担体205gを得た。得られた担体を
室温で、181時間、3リットル/分の流量の窒素を用
いて通気乾燥して組成がMgCl2・1.7EtOHの乾
燥担体を得た。
【0042】ガラスフラスコ中において、乾燥担体20
g、四塩化チタン160ml、精製1,2−ジクロルエタ
ン240mlを混合し、攪拌下に100℃に加熱した後、
ジイソブチルフタレート6.8ml加え、さらに100℃
で2時間加熱した。デカンテーションにより液相部を除
き、再び、四塩化チタン160ml、精製1,2−ジクロ
ルエタン320mlを加えた。100℃に1時間加熱保持
した後、デカンテーションにより液相部を除き、精製ヘ
キサンで洗浄した後、乾燥してチタン含有固体触媒成
分:A−1を得た。得られたチタン含有固体触媒成分:
A−1の平均粒径は115μmであり、その分析値は、
Mg;19.5重量%、Ti;1.6重量%、Cl;5
9.0重量%、ジイソブチルフタレート;4.5重量%で
あった。
【0043】b) チタン含有固体触媒成分:A−2 窒素置換したSUS製オートクレーブに、精製灯油105
0ml、無水MgCl215g、乾燥エタノール36.3g
および界面活性剤(商品名エマゾール320、花王アトラ
ス(株)製)4.5gを入れた後、この混合物を800r
pmで攪拌しながら昇温し120℃にて30分間保持し
た。溶融混合物を高速で攪拌しながら、内径5mmのテフ
ロン製チューブを使用して、−10℃に冷却した精製灯
油1.5リットルを張り込んだ3リットルの攪拌付きフ
ラスコに移送した。生成物を濾過後、ヘキサンで充分洗
浄して担体を得た。
【0044】担体15gを室温下、四塩化チタン300
mlに懸濁させた後、ジイソブチルフタレート2.6mlを
添加し、混合物の溶液を120℃まで昇温した。120
℃の温度で2時間攪拌混合した後、固体物を濾過し、再
び300mlの四塩化チタンに懸濁させた。懸濁溶液を1
30℃で2時間攪拌混合した後、固体物を濾過し精製ヘ
キサンにて充分に洗浄して、チタン含有固体触媒成分:
A−2を得た。得られたチタン含有固体触媒成分:A−
2の平均粒径は72μmであり、その分析値は、Mg;
21.1重量%、Ti;2.4重量%、Cl;64.5重
量%、ジイソブチルフタレート;5.3重量%であっ
た。
【0045】C) チタン含有固体触媒成分:A−3 マグネシウムエトキシシド300g、2−エチルヘキシ
ルアルコール550mlおよびトルエン600mlの混合物
を0.20MPaの二酸化炭素雰囲気下に93℃で3時
間攪拌した後、更にトルエン800mlおよびn−デカン
800mlを加え、炭酸マグネシウム溶液を得た。トルエ
ン800ml、クロロベンゼン60ml、テトラエトキシシ
ラン18ml、四塩化チタン17mlおよびイソパールG
(平均炭素数10のイソパラフィン系炭化水素、沸点156
〜176℃)200mlの混合溶液を30℃に5分間攪拌し
た中に、前記調製した炭酸マグネシウム溶液100mlを
添加した。
【0046】さらに5分間攪拌した後、テトラヒドロフ
ラン44mlを添加し、60℃で1時間攪拌した。攪拌を
停止し上澄み液を除去後、生成した固体をトルエン10
0mlで洗浄し、得られた固体にクロロベンゼン200ml
と四塩化チタン200mlを添加し、135℃で1時間攪
拌した。攪拌を停止し、上澄み液を除去後、クロロベン
ゼン500ml、四塩化チタン200mlおよびフタル酸ジ
−n−ブチル4.2mlを添加し135℃で1.5時間攪拌
した。上澄み液を除去後、トルエン1200ml、イソパ
ールG1600ml、ヘキサン800mlで順次固体を洗浄
して比較用のチタン含有固体触媒成分:A−3を採取し
た。得られたチタン含有固体触媒成分:A−3の平均粒
径は16.2μmであり、その分析値は、Mg;17.0
重量%、Ti;2.3重量%、Cl;55.0重量%、フ
タル酸ジ−n−ブチル;7.5重量%であった。
【0047】3) チタン含有固体触媒成分の予備活性化
処理 内容積15リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器
を窒素ガスで置換した後、40℃での動粘度が7.3セ
ンチストークスである飽和炭化水素溶剤(CRYSTOL-52、
エッソ石油(株)製)8.3リットル、トリエチルアルミ
ニウム525mmol、ジイソプロピルジメトキシシラン8
0mmol、前項で調製したチタン含有固体触媒成分700
gを室温で加えた後、40℃まで加温し、プロピレン分
圧0.15MPaで7時間反応させ、予備活性化処理を
行った。分析の結果、チタン含有固体触媒成分1g当り
プロピレン3.0gが反応していた。
【0048】4) 第1重合工程 添付図1に示すフローシートにおいて、攪拌羽根を有す
る横型重合器(L/D=6、内容積100リットル)に上記
予備活性化処理したチタン含有固体触媒成分を0.5g
/hr、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミ
ニウムおよび有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジ
メトキシシランを表1〜表3に示すAl/Siモル比と
なるように連続的に供給した。表1〜表3に示すC2/
C3モル比のプロピレン−エチレンの混合ガスを反応温
度65℃、反応圧力2.2MPa、攪拌速度40rpm
の条件を維持しながら連続供給し、さらに反応器の気相
中の水素濃度を表1〜表3に示すH2/C3モル比に維
持するように水素ガスを循環配管2より連続的に供給
し、生成ポリマーすなわちプロピレン−α−オレフィン
ランダム共重合体(A)の極限粘度を制御して分子量を調
節した。
【0049】反応熱は配管3から供給される原料プロピ
レンの気化熱により除去した。重合器から排出される未
反応ガスは配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させ
て本重合器1に還流した。本重合器で得られたプロピレ
ン−α−オレフィンランダム共重合体(A)は、重合体の
保有レベルが反応容積の50容積%となる様に配管5を
通して重合器1から連続的に抜き出し第2重合工程の重
合器10に供給した。この時、配管5からプロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体(A)の一部を間欠的に
抜き出して、エチレン含有量、極限粘度および触媒単位
重量当りの重合体収量を求める試料とした。触媒単位重
量当りの重合体収量は重合体中のMg分の誘導結合プラ
ズマ発光分光分析(ICP法)により測定した。
【0050】5) 第2重合工程 攪拌羽根を有する横型重合器10(L/D=6、内容積10
0リットル)に第1重合工程からのプロピレン−α−オ
レフィンランダム共重合体(A)およびエチレン−プロピ
レン混合ガスを連続的に供給し、エチレンとプロピレン
の共重合を行った。反応条件は攪拌速度40rpm、温
度60℃、圧力2.2MPaであり、気相のガス組成を
表1〜表3に示すエチレン/プロピレン(C2/C3)モル比
および水素/エチレン(H2/C2)モル比に調節した。プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重合量
を調節するための重合活性抑制剤として一酸化炭素、お
よびプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)
の分子量を調節するための水素ガスを配管7よりそれぞ
れ供給した。
【0051】反応熱は配管6から供給される原料液状プ
ロピレンの気化熱で除去した。重合器から排出される未
反応ガスは、配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮さ
せて本共重合工程に還流させた。共重合工程で生成した
プロピレン系ポリマーブレンドは、重合体の保有レベル
が反応容積の50容積%となるように配管9で重合器1
0から抜き出した。プロピレン系ポリマーブレンドの生
産速度は8〜12kg/hrであった。
【0052】抜き出されたプロピレン系ポリマーブレン
ドはモノマーを除去し、一部は極限粘度([η]WHOLE)の
測定、および赤外によるプロピレン−α−オレフィンラ
ンダム共重合体(B)中のエチレンの測定、ならびにIC
P法による重合体中のMg分の測定によるコポリマー成
分の重合比率の測定に供した。さらに、プロピレン系ポ
リマーブレンドのパウダーの圧縮度を下記式より算出
し、その流動性を評価した。 圧縮度=(固め見掛け密度−ゆるみ見掛け密度)×100/
固め見掛け密度圧縮度の値が低い程パウダーの流動性は
良い。
【0053】チタン含有固体触媒成分の種類、第1重合
工程におけるAl/Siモル比、エチレン/プロピレン
モル比および水素/プロピレンモル比、ならびに第2重
合工程におけるエチレン/プロピレンモル比および水素
/エチレンモル比を、表1〜表3に示すように変えて実
施例1〜6および比較例1〜8の試料を得た。諸物性の
測定結果を、表1〜表3に示す。
【0054】6) 射出成形品の製造 上記で得られたパウダー4kgにフェノール系熱安定剤
0.004kg、ステアリン酸カルシウム0.004kgを加
え高速撹拌式混合機(ヘンシェルミキサー)を用いて、室
温下に10分混合し、混合物をスクリュー口径40mmの
押出造粒機を用いて造粒した。次いで、造粒物からJI
S形のテストピースを射出成形機を用いて溶融樹脂温度
230℃、金型温度50℃で作成した。得られたテスト
ピースを湿度50%、室温23℃の室内で72時間状態
調整して下記の方法に基づき諸物性値を測定し、結果を
表1〜表3中に示した。
【0055】a) 曲げ弾性率(MPa):JIS K 720
3に準拠して測定した。 b) ヘイズ:上記条件で調整した25×50×1mmの平
板状のサンプルを用い、ASTM D 1003に準拠して測定し
た。 c) アイゾット衝撃値:JIS K 6758に準拠して
測定した。 d) 衝撃白化:上記条件で調整した50×50×2mmの
平板状のサンプルをデュポン衝撃試験機(東洋精機製)を
用い、下記の条件下で荷重を落とし、その衝撃により平
板に生じる白化点の直径を測定した。 撃芯先端半径 0.635cmR 受け台内径 3.81cmφ 荷重 500g 荷重落下高さ 1m
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明の前記物性要件を満足するプロピ
レン系ポリマーブレンドから得られた成形品は、透明
性、難白化性および低温での耐衝撃性ならびにそれらの
バランスが優れている。また本発明のプロピレン系ポリ
マーブレンドの製造方法は、連続工程であるので極めて
生産性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた連続重合装置のフローシート。
【符号の説明】
1および10:重合器 2:水素配管 3:原料プロピレン配管 4および8:未反応ガス配管 5および9:重合体抜き出し配管 6:原料混合ガス配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン含有量が90〜99重量%で
    あるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)
    とプロピレン含有量が55〜90重量%であるプロピレ
    ン−α−オレフィンランダム共重合体(B)とからなり、 プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極
    限粘度[η]Bが1.3〜3.5dl/g、 プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)とプロピレン
    −α−オレフィン共重合体(A)との極限粘度比[η]B
    [η]Aが0.5〜1.3、かつプロピレン−α−オレフィ
    ン共重合体(A)とプロピレン−α−オレフィン共重合体
    (B)との極限粘度比[η]B/[η]Aとそれらの重量比WA
    /WBとの積([η]B/[η]A)・(WA/WB)が1.0〜4.
    5、の範囲にあることを特徴とするプロピレン系ポリマ
    ーブレンド。
  2. 【請求項2】 プロピレン−α−オレフィンランダム共
    重合体(B)の含有量が、プロピレン系ポリマーブレンド
    の重量基準で10〜50重量%である請求項1記載のポ
    リマーブレンド。
  3. 【請求項3】 平均粒径が20〜300μmのチタン含
    有固体触媒成分、一般式 AlR1 m3-m(式中、R1
    炭素数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表
    し、mは3≧m>1.5の正数である)で表される有機
    アルミニウム化合物、および一般式 R2 X3 YSi(OR
    4)Z(式中、R2およびR4は炭化水素基、R3は炭化水素
    基またはヘテロ原子を含む炭化水素基を示し、0≦X≦
    2、1≦Y≦3、1≦Z≦3かつX+Y+Z=4であ
    る)で表される有機ケイ素化合物を組み合わせた立体規
    則性触媒の存在下に、気相中においてプロピレンとプロ
    ピレン以外のα−オレフィンとを共重合させて全重量の
    90〜50重量%のプロピレン−α−オレフィンランダ
    ム共重合体(A)を生成させる第1重合工程、次いでプロ
    ピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとを第1重合
    工程とは組成比を変えて共重合させ、全重量の10〜5
    0重量%のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合
    体(B)を生成させる第2重合工程、の順に連続的に実施
    することを特徴とする、請求項1記載のプロピレン系ポ
    リマーブレンドの製造方法。
  4. 【請求項4】 チタン含有固体触媒成分の粒度の均一度
    が2.0以下である請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機アルミニウム化合物/有機ケイ素化
    合物(Al/Si)モル比が1〜10である請求項3記載の製
    造方法。
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