JP4568980B2 - プロピレン系ブロック共重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロピレン系ブロック共重合体組成物に係り、さらに詳しくは、透視性、透明性、耐衝撃白化性、剛性および耐熱性に優れた成形品の原料として好適なプロピレン系ブロック共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン樹脂は比較的に安価で、優れた特性を有することから今日では多岐の分野にわたり使用されている。しかし、一般にプロピレンホモポリマーは高い剛性を有する反面、耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が劣っている。プロピレンホモポリマーの低温での耐衝撃性を向上させたものとして、まず最初に生成させたプロピレンホモポリマー成分に、次いで生成させたエチレン−プロピレンランダム共重合体成分を導入したプロピレン系ブロック共重合体組成物があり、自動車、家電分野等を始めとして各種の産業分野に広く採用されている。
【0003】
これら従来から使用されているプロピレン系ブロック共重合体組成物は、耐衝撃性に優れる反面、ホモポリマーに比較して透視性および透明性が劣り、また衝撃を受けた部分が白化し易いという欠点がある。プロピレン系ブロック共重合体組成物の衝撃白化の欠点を改良する方法として、共重合体成分中のエチレン単位の含有量を増やす方法や、プロピレン系ブロック共重合体組成物にポリエチレンを添加する方法が提案されている。いずれの方法も耐衝撃性を改良するには優れた方法であるが、同時に製品の透明性が低下する。
【0004】
特開平5−331327号公報は、プロピレンホモポリマー成分とエチレン−プロピレンランダム共重合体成分の極限粘度比のみを規定したプロピレン系ブロック共重合体組成物を含有するポリマー組成物を、特開平6−145268号公報は、プロピレンホモポリマー成分の極限粘度、およびエチレン−プロピレン共重合体成分の極限粘度との極限粘度比およびエチレン−プロピレン共重合体成分のエチレン単位含有量を規定したポリマー組成物を提案している。また、特開昭56−72042号公報や特開昭57−63350号公報は、少量のエチレンを含有したエチレン/プロピレン共重合体と他のエチレン/プロピレン共重合体とをブレンドしたポリオレフィン樹脂組成物を、特開平10−87744号公報は、エチレン−プロピレンブロック共重合体のプロピレンホモポリマー成分に少量のエチレンを含有させたプロピレン系樹脂組成物を開示している。
【0005】
これら各種のポリマー組成物は、その射出成形品の衝撃白化試験およびヘイズの測定結果から、衝撃白化性や透明性は、従来のプロピレン系ブロック共重合体組成物に比較して改善は見られるものの、さらに改善の余地がある。また、成形品内に光の直進性を阻害する光学的ムラが顕在することにより、その透視性低下が問題となっており、更なる改善が望まれる。また、ブレンド工程の採用は、最終製品中における各成分の分散が不均一となりやすく、各種の物性も製品毎にばらつきが発生する可能性があり、好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする問題】
本発明は、透視性、透明性、耐衝撃白化性、剛性および耐熱性に優れた成形品の原料として好適なプロピレン系ブロック共重合体組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題解決のために鋭意研究を行った結果、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)とこのランダム共重合体(A)とは異なる組成のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)とからなるプロピレン系ブロック共重合体組成物が、両ランダム共重合体の組成、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度、両ランダム共重合体の極限粘度比、およびこの極限粘度比と両ランダム共重合体の重量比との積が一定の範囲にある場合、耐衝撃白化性と透視性が優れていることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)プロピレン単位含有量が99.4〜99.9モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)78〜60重量%と、プロピレン単位含有量が35〜60モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)22〜40重量%とからなるプロピレン系ブロック共重合体組成物であって、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)に含有されるα−オレフィンがエチレンおよび/または1−ブテンであり、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]が0.5〜2.0dl/gであり、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度[η]との比[η]/[η]が0.3〜1.2であり、かつ、この極限粘度比[η]/[η]と、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量比W/Wとの積([η]/[η])・(W/W)が1.0〜3.0であるプロピレン系ブロック共重合体組成物。
【0009】
(2)プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)がプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量基準で80重量%以上の20℃キシレン可溶成分を含有する前記(1)項記載のプロピレン系ブロック共重合体組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物を構成するプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)は、プロピレン単位を99.4〜99.9モル%、好ましくは99.5〜99.9モル%と、プロピレン以外のα−オレフィン単位を0.1〜0.6モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%の割合で含有する。
【0012】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)がプロピレンホモポリマーであるか、もしくはプロピレン単位含有量が99.9モル%を超える場合、前記共重合体(A)の結晶性が高くなり、このため得られるプロピレン系ブロック共重合体組成物中の光の直進性が阻害されることにより、プロピレン系ブロック共重合体組成物を原料とする成形品(以下、成形品という)において、十分な透視性が得られないおそれがある。一方、共重合体(A)のプロピレン単位含有量が99.4モル%未満の場合、前記共重合体(A)の結晶性が低下し、これにより成形品の剛性や耐熱性が低下するおそれがある。
【0013】
なお、本発明において成形品の透視性は、目視により成形品を透して物体を見た場合の物体の鮮明さによって評価される性質である。透明性はASTM D1003に準拠して測定したヘイズの数値により示されるが、上記透視性と必ずしも相関しない。
【0014】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)に含有されるα−オレフィンとしては、エチレンおよび/または1−ブテンが用いられる。これらはコストの点でも好適である。
【0015】
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物を構成するプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)は、プロピレン単位を35〜60モル%と、プロピレン以外のα−オレフィン単位を40〜65モル%の割合で含有する。前記プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)は、プロピレン単位を40〜60モル%、プロピレン以外のα−オレフィン単位を40〜60モル%の割合で含有することが特に好ましい。
共重合体(B)のプロピレン単位の含有量が60モル%を超える場合、成形品の低温耐衝撃性が不十分となり、一方、35モル%未満の場合には、成形品の透視性および透明性が低下するおそれがある。
【0016】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)に含有されるα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。ここでもエチレン、1−ブテンが好適である。
【0017】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)は、135℃のテトラリン中で測定した極限粘度[η]Bが0.5〜2.0dl/g、より好ましくは1.3〜2.0dl/gの範囲にあり、かつ同一条件で測定したプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度[η]Aに対する比[η]B/[η]Aが0.3〜1.2、好ましくは0.4〜1.2の範囲にあるものである。
【0018】
プロピレン系ブロック共重合体組成物中のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]Bは直接測定できないので、直接測定可能なプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度[η]A、および最終製品であるプロピレン系ブロック共重合体組成物の極限粘度[η]WHOLE、ならびにプロピレン系ブロック共重合体組成物中のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量%WBから、下記式(1)により求める。
[η]B={[η]WHOLE−(1−WB/100)[η]A}/(WB/100) … (1)
【0019】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]Bは、成形サイクルと成形品の透明性に影響し、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度比[η]B/[η]Aは、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)中への分散性に影響する。プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]Bが2.0dl/gを超える場合、成形サイクルが長くなり成形品の生産性が低下する。一方、極限粘度[η]Bが0.5dl/g未満の場合は、成形品にベタツキが生じるおそれがある。
また、前記極限粘度比([η]B/[η]A)が1.2を超えると、成形品の透明性が低下し、0.3未満では低温での耐衝撃性が低下する。
【0020】
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物において、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)との重量比WA/WBは、前記の両共重合体の極限粘度比[η]B/[η]Aとの積、([η]B/[η]A)・(WA/WB)が1.0〜3.0の範囲となる比率である。両共重合体の重量比と極限粘度比との積は、前記組成物の耐衝撃白化性を表す指標であり、その値が1.0未満であると成形品の耐衝撃白化性は改善されるが、耐熱性や剛性の低下が大きくなり、一方、その値が3.0を超えると目的とする耐衝撃白化性の改善効果が不十分となる。
【0021】
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量基準で80重量%以上、好ましくは85重量%の20℃キシレン可溶成分を含有することが望ましい。前記20℃キシレン可溶成分が80重量%以上であると成形品の透視性が優れる。
【0022】
プロピレン系ブロック共重合体組成物中のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)成分の20℃キシレン可溶成分重量%(CXSB)は直接測定できないので、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の20℃キシレン可溶成分重量%(CXSA)およびプロピレン系ブロック共重合体組成物の20℃キシレン可溶成分重量%(CXSWHOLE)、ならびにプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量%(WB)から、下記式(2)により求められる。
CXSB={CXSWHOLE−(1−WB/100)CXSA}/(WB/100)… (2)
【0023】
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物の具体的な組成は、重量基準でプロピレン−α−オレフィン共重合体(A)80〜40重量%およびプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)20〜60重量%であることが好ましく、特にプロピレン−α−オレフィン共重合体(A)が78〜60重量%およびプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)が22〜40重量%であると、成形品の剛性と低温での耐衝撃性とが共に優れる。
【0024】
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物は、上記の諸条件を満足すればいかなる方法で製造してもよいが、気相法による2段連続重合方法を採用することにより好適に製造することができる。
この2段連続重合方法は、オレフィン重合触媒の存在下に、気相中においてプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとを共重合させて、所定の組成を有するプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の所定量を生成させる第1重合工程、次いでプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとをそれらの組成を変えて共重合させて残部のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の所定量を生成させる第2重合工程、を順に連続的に実施することからなる。
【0025】
上記の製造方法において用いるオレフィン重合触媒は特に限定されず、チタン系触媒またはメタロセン系触媒等公知の触媒を用いることができる。なかでもチタン系触媒はコストの面で好適である。
重合方式は、回分式、半連続式あるいは連続式のいずれでも採用できるが、工業的には連続式重合が好ましい。
【0026】
上記の諸特性を満足する本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物は、透視性が優れた成形品の製造用原料として好適に使用することができる。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物は、射出成形、押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形など各種成形法により種々の形状を有する成形品の原料に供することができる。成形に際しては、プロピレン系ブロック共重合体組成物に、必要に応じて従来のポリオレフィンに用いられているタルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等の無機充填剤や有機,無機顔料を配合することもできる。また、公知の酸化防止剤、中和剤、耐候剤、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、難燃剤、透明造核剤等を必要に応じて添加することができる。
【0027】
【実施例】
本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明する。
各種物性測定法
実施例および比較例において採用した物性の測定方法は下記のとおりである。
a)極限粘度(単位:dl/g):溶媒としてテトラリン(テトラヒドロナフタリン)を用い135℃の温度条件下、自動粘度測定装置(AVS2型、三井東圧(株)製)を使用し測定した。
b)α−オレフィン含有率(モル%):赤外線吸収スペクトル法により測定した。
c)20℃キシレン可溶成分量(単位:重量%):ISO/DIS 1873−1に準拠して測定した。
d)融点(℃):230℃で熱プレスした試料約10mgを、DuPont社製DSC1090を用いて、測定した。
【0028】
「実施例1」
1)オレフィン重合触媒の調整
窒素置換したガラスフラスコ中に四塩化チタン60mlおよびトルエン40mlを装入して、混合溶液を形成した。次いで、平均粒径42μmのジエトキシマグネシウム20g、トルエン100mlおよびフタル酸ジ−n−ブチル7.2mlを用いて別途調製した懸濁液を、10℃の液温に保持した前記混合溶液中に添加した。その後、10℃から90℃まで80分かけて昇温し、攪拌しながら2時間反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン200mlで4回洗浄して、新たに四塩化チタン60mlおよびトルエン140mlを加え、112℃に昇温し、攪拌しながら更に2時間反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を40℃のn−ヘプタン200mlで10回洗浄して、オレフィン重合触媒(A−1)を得た。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径は42μmであり、その組成は、Mg;18.9重量%、Ti;2.2重量%、Cl;61.6重量%であった。
【0029】
2)ポリオレフィン重合触媒成分の予備活性化処理
内容積20リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、ヘキサン17.7リットル、トリエチルアルミニウム100.6mmol、ジイソプロピルジメトキシシラン15.1mmol、前項で調整したポリオレフィン重合触媒(A−1)120.4gを室温で加えた後、30℃まで加温した。
次いで、攪拌しながらプロピレン240.8gを3時間かけて供給し、予備活性化処理を行った。分析の結果、オレフィン重合触媒1g当たりプロピレン1.9gが反応していた。
【0030】
3)第1重合工程
添付した図1に示したフローシートによって説明する。攪拌羽根を有する横形重合器(L/D=6、内容積100リットル)に上記予備活性化処理したオレフィン重合触媒を0.4g/hr、有機アルミ化合物としてトリエチルアルミニウムおよび有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシランを、Al/Mgモル比が6、Al/Siモル比が6となるよう連続的に供給した。反応温度60℃、反応圧力2.1MPa、攪拌速度35rpmの条件を維持しながら、表1に示した組成のエチレン−プロピレンの混合ガスを連続供給した。さらに、重合器内の気相中の水素濃度を表1に示した水素/プロピレンモル比に維持するように、水素ガスを循環配管2より連続的に供給して、生成ポリマーすなわちプロピレン−α−オレフィン共重合体(A)の極限粘度を調節した。
【0031】
反応熱は配管3から供給する原料プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させて重合器1に還流した。
生成したプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となる様に配管5を通して重合器1から連続的に抜き出し、第2重合工程の重合器10に供給した。この時、配管5からプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の一部を間欠的に採取して、エチレン単位含有量、極限粘度および触媒単位重量当たりの重合体収量を測定する試料とした。触媒単位重量当たりの重合体収量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP法)により測定した重合体中のMg含有量から算出した。
【0032】
4)第2重合工程
攪拌羽根を有する横形重合器10(L/D=6、内容積100リットル)に第1重合工程からのプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)、およびエチレン−プロピレン混合ガスを連続的に供給し、エチレンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は攪拌速度25rpm、温度55℃、圧力1.9MPaであり、気相のガス組成を表1に示すエチレン/プロピレンモル比および水素/エチレンモル比に調整した。プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重合量を調節するための重合活性抑制剤として一酸化炭素、およびプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の分子量を調節するための水素ガスを配管7よりそれぞれ供給した。
【0033】
反応熱は配管6から供給される原料液化プロピレンの気化熱で除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮させて重合器10に還流させた。第2重合工程で生成したプロピレン系ブロック共重合体組成物は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となる様に配管9を通して重合器10から連続的に抜き出した。
プロピレン系ブロック共重合体組成物の生産速度は8〜15kg/hrであった。
【0034】
抜き出されたプロピレン系ブロック共重合体組成物は未反応モノマーを除去し、一部は極限粘度([η]WHOLE)の測定、および赤外線吸収スペクトル分析によるエチレン含有量の測定、ならびにICP法による重合体中のMg含量の測定による共重合体(B)の生成量の測定に供した。
【0035】
5)射出成形品の製造
上記で得られたパウダー4kgにフェノール系熱安定剤0.004kg、ステアリン酸カルシウム0.004kgを加え高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサー(商品名))を用いて、室温下にて2分間混合し、混合物をスクリュー口径40mmの押出造粒機を用いて造粒した。次いで、射出成形機を用いて、溶融樹脂温度250℃、金型温度50℃の条件で、この造粒物をから下記の試験用のテストピース作成した。得られたテストピースを湿度50%、室温23℃の室内で72時間状態調節して下記の方法に基づき諸物性値を測定し、結果を表1に示した。
【0036】
a)曲げ弾性率(MPa):JIS K7203に準拠して測定した。
b)ヘイズ:上記条件で状態調節した25×50×1mmの平板状のテストピースを用い、ASTM D1003に準拠して測定した。
【0037】
c)透視性:11ポイントの大きさの黒色の文字を印刷した白色コピー用紙を印刷面を上にして湿度50%、室温23℃の屋内の平らな机の上に置き、上記条件で調整した25×50×1mmの平板状のテストピースを前記のコピー用紙の上に重ね合わせ、前記テストピースの枚数を増やしながら、目視観察をおこなった。コピー用紙の上30cmの高さから見て文字が看取できる最大限の重ね合わせ枚数を求め、下記の基準にて透視性を評価した。
なお、照明には蛍光灯を用い机の上の照度は800〜1000ルクスであり、観察者の視力は両眼(矯正)とも1.0である。
最大量ね合わせ枚数 評価
>4枚 ◎
3枚 ○
2枚 △
1枚 ×
<1枚 ××
【0038】
d)アイゾット衝撃値:JIS K7110に準拠して測定した。
e)衝撃白化:上記条件で状態調節した50×50×2mmの平板状のテストピースをデュポン衝撃試験機((株)東洋精機製作所製)を用い、下記の条件下で荷重を落とし、その衝撃により平板に生じる白化点の直径を測定した。
撃芯先端半径0.635cm
受け台内径 3.81cm
荷重 500g
荷重落下高さ1m
【0039】
「実施例2〜4、比較例1〜5」
第1重合工程におけるα−オレフィンの種類、α−オレフィン/プロピレンのモル比、および水素/プロピレンのモル比、ならびに第2重合工程におけるエチレン/プロピレンのモル比、および水素/エチレンのモル比を、表1〜表2に示したように代えた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4および比較例1〜5の試料を得た。
重合条件および諸物性の測定結果を、表1〜表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004568980
【0041】
【表2】
Figure 0004568980
【0042】
【発明の効果】
本発明のプロピレン系ブロック共重合体組成物から得られた成形品は、透視性、透明性、耐衝撃白化性、剛性および耐熱性のバランスが優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた連続重合装置のフローシートである。
【符号の説明】
1および10:重合器
2および7:水素配管
3および6:原料混合ガス配管
4および8:未反応ガス抜き出し配管
5および9:重合体抜き出し配管
11:活性抑制剤添加用配管

Claims (2)

  1. プロピレン単位含有量が99.4〜99.9モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)78〜60重量%と、プロピレン単位含有量が35〜60モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)22〜40重量%とからなるプロピレン系ブロック共重合体組成物であって、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)に含有されるα−オレフィンがエチレンおよび/または1−ブテンであり、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]が0.5〜2.0dl/gであり、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の極限粘度[η]とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)の極限粘度[η]との比[η]/[η]が0.3〜1.2であり、かつ、この極限粘度比[η]/[η]と、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量比W/Wとの積([η]/[η])・(W/W)が1.0〜3.0であるプロピレン系ブロック共重合体組成物。
  2. プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)がプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(B)の重量基準で80重量%以上の20℃キシレン可溶成分を含有する請求項1記載のプロピレン系ブロック共重合体組成物。
JP2000297210A 1999-11-02 2000-09-28 プロピレン系ブロック共重合体組成物 Expired - Fee Related JP4568980B2 (ja)

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