JPH1029711A - 搬送用ベルト及び搬送用ベルトのラップジョイント方法 - Google Patents

搬送用ベルト及び搬送用ベルトのラップジョイント方法

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JPH1029711A
JPH1029711A JP20134096A JP20134096A JPH1029711A JP H1029711 A JPH1029711 A JP H1029711A JP 20134096 A JP20134096 A JP 20134096A JP 20134096 A JP20134096 A JP 20134096A JP H1029711 A JPH1029711 A JP H1029711A
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JP
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canvas
transport belt
adhesive
belt
vinyl acetate
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JP20134096A
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Katsuya Yamaguchi
勝也 山口
Akimitsu Sato
昭光 佐藤
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐加水分解性、生体安全性、非汚染
性、埋立安全性及び焼却安全性に優れた搬送用ベルト、
並びに、作業が容易で、強固にジョイントできる搬送用
ベルトのジョイント方法を提供する。 【解決手段】 帆布と熱可塑性樹脂組成物とを積層して
なる搬送用ベルトであって、上記熱可塑性樹脂組成物
は、ポリオレフィンからなる搬送用ベルト、並びに、搬
送用ベルトの両端を重ね合わせてジョイントする搬送用
ベルトのラップジョイント方法であって、合わせ部に接
着剤を塗布し、前記合わせ部を貼り合わせた後、前記合
わせ部の上に補強テープを貼り付けることよりなる搬送
用ベルトのラップジョイント方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、生体安全
性、非汚染性等に優れた搬送用ベルト、及び、ジョイン
ト作業が容易な搬送用ベルトのラップジョイント方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】搬送用ベルトは、食品、嗜好品等の原
料、中間製品、製品等の搬送に広く用いられている。搬
送用ベルトは、一般に、熱可塑性樹脂組成物と帆布とが
順次積層された構造を有するもので、典型的には、表カ
バー(熱可塑性樹脂組成物)/中間帆布/クッション
(熱可塑性樹脂組成物)/底帆布の四層構造を有するも
の等を挙げることができる。
【0003】この搬送用ベルトは、食品、嗜好品等の原
料、中間製品、製品等を運搬するので、生体安全性が要
求される。また、運搬物又は洗浄用洗剤によるベルトの
腐食や物性低下が問題となる。更に、運搬しながら食品
の蒸し、調湿等の加工を行う場合があるので、用途に応
じた耐熱性、耐加水分解性、生体安全性、非汚染性等が
要求される。また、搬送用ベルトは2本以上のローラー
やプーリーに巻回して動的に使用されるので、適度な柔
軟性と耐屈曲疲労性とが必要である。これらの必要特性
を考慮し、従来、熱可塑性樹脂組成物層には、ポリウレ
タン樹脂又はポリ塩化ビニル樹脂を主体とするものが用
いられてきた。
【0004】しかし、近年、環境やごみの問題が盛んに
議論されるようになり、搬送用ベルトに関しても、使用
材料のリサイクルや、廃棄する場合の埋立安全性や焼却
安全性が考慮されるようになりつつある。従来品では、
ポリ塩化ビニル樹脂が燃焼したときには塩化水素ガス、
ホスゲン等を発生し、ポリウレタン樹脂が燃焼したとき
には窒素酸化物、シアンガス等を発生することが知られ
ており、焼却安全性に関しては、これらの樹脂を用いた
搬送用ベルトでは問題があると言わざるをえない。
【0005】このため、ポリ塩化ビニル樹脂やポリウレ
タン樹脂を用いない搬送用ベルトの開発が望まれてい
る。これらの樹脂にかわるものとしては、ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーや軟質ポリオレフィン樹脂が
考えられる。しかしながら、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーは、一般に、エチレン−プロピレン共重合
体とポリプロピレンとを混合し、動的加硫を行うことに
より調製されるが、この際に添加される架橋剤の未反応
物がn−ヘプタンによって抽出される場合があり、昭和
57年度厚生省告示第20号による食品衛生性試験には
合格しない可能性があり、生体安全性の観点から、食品
又は嗜好品の搬送用ベルトに用いるには注意が必要であ
る。
【0006】一方、軟質ポリオレフィン樹脂は、ポリエ
チレンやポリプロピレンに大量のワックス類を添加する
ことにより軟質化したものであるが、樹脂中から経時的
にワックスが失われて物性が低下する傾向がある。ま
た、軟質化の方法としては、このほかにエチレン又はプ
ロピレンと他のα−オレフィンとを共重合する方法があ
る。この場合、α−オレフィンの共重合比率が高まるに
つれ、樹脂の柔軟性が高まるが、同時に融点が低下して
しまい、耐熱性が得られなくなる。従来から市販されて
いるリニア低密度ポリエチレン等の軟質ポリエチレンで
は、搬送用ベルトに実用上必要な柔軟性と耐熱性とを有
するものは見出せていない。
【0007】更に、搬送用ベルトはローラーに巻回して
使用されるので、連続的に屈曲刺激を受ける。これに耐
えるためには、樹脂層と帆布との接着力及び耐熱性が高
いことが必要であるが、オレフィン系材料は、一般に接
着が困難であり、市販されている接着剤では、接着性が
不充分であり、接着力の耐熱性の点で問題があった。
【0008】ところで、搬送用ベルトを製造するために
は、ベルトの両端をジョイントしてエンドレスにする必
要がある。従来、搬送用ベルトのジョイント方法として
は、主に、フィンガージョイント方法、ラップジョイン
ト方法、ダブルフィンガージョイント方法が用いられて
きた。しかし、これらのジョイント方法は、従来、樹脂
コンベヤベルトとして主流であったポリウレタンベルト
やポリ塩化ビニルベルトには適用できたが、ポリオレフ
ィンベルトに適用する場合には以下の問題があった。
【0009】フィンガージョイント方法は、図2のよう
に、ベルトの両端に切れ込みを入れて両端を合わせ、更
に、カバー樹脂と同材質のテープを上にのせてプレスし
てジョイントするものであるが、ポリオレフィンベルト
の場合、ジョイント強度が弱いので、繰り返し屈曲に弱
く、クラックが進展しやすい等の物性の問題がある。
【0010】ラップジョイント方法は、図3のように、
ベルトの両端に段差をつけて合わせ部2及び合わせ部3
を出し、この合わせ部2及び合わせ部3に接着剤を塗布
して重ね合わせてジョイントするものであるが、ポリオ
レフィンベルトの場合、ポリオレフィン用接着剤は一般
に粘着性が低く、加熱を必要とするので、ジョイント成
形作業性が悪く、現場でのジョイント作業には適用でき
ない欠点がある。
【0011】ダブルフィンガージョイント方法は、図4
のように、フィンガージョイントとラップジョイント方
法とを組み合わせたものであり、ポリオレフィンベルト
にも適用できるが、施工が困難で前処理が必要である等
の問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、耐熱性、耐加水分解性、生体安全性、非汚染性、埋
立安全性及び焼却安全性に優れた搬送用ベルト、並び
に、作業が容易で、強固にジョイントできる搬送用ベル
トのジョイント方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】第一の本発明は、帆布と
熱可塑性樹脂組成物とを積層してなる搬送用ベルトであ
って、上記熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィンから
なる搬送用ベルトである。第二の本発明は、搬送用ベル
トの両端を重ね合わせてジョイントする搬送用ベルトの
ラップジョイント方法であって、合わせ部に接着剤を塗
布し、上記合わせ部を貼り合わせた後、上記合わせ部の
上に補強テープを貼り付ける搬送用ベルトのラップジョ
イント方法である。以下に本発明を詳述する。
【0014】本発明の搬送用ベルトは、帆布と熱可塑性
樹脂組成物とを積層してなる。本発明の搬送用ベルトに
おいて、上記熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィンか
らなる。ここに、ポリオレフィンからなるとは、ポリオ
レフィンを主体として構成されていることを意味し、ポ
リオレフィン単独であってもよいし、ポリオレフィンに
加えて、その他の熱可塑性樹脂が含有されていてもよ
い。上記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、軟質ポリオレフィン樹脂
等を挙げることができる。
【0015】上記ポリオレフィンは、その構造から、
ポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体とのブ
レンド;ポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重
合体とを混合し、動的加硫を行ったもの(いわゆるポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマー);ポリプロピレ
ンとエチレン−プロピレン共重合体とを化学反応により
分子レベルで一体化したもの;ポリエチレン又はポリ
プロピレンにワックス類を大量に添加したもの;エチ
レン又はプロピレンとα−オレフィンとを共重合したも
の等に分類される。
【0016】これらのなかでも、、及びは、生体
に対する安全性が優れているので、好ましい。特に、
及びは、使用に伴う物性の変化が極めて小さいので好
ましい。
【0017】更に、のなかでも、エチレンとα−オレ
フィンとの共重合体であって、上記α−オレフィンの含
有率が8〜20重量%であり、かつ、融点が90〜11
5℃であるものが、搬送用ベルトとして実用上必要な耐
熱性と柔軟性とを合わせ持つので、好ましい。上記α−
オレフィンの含有率が8重量%未満であると、柔軟性が
不足し、20重量%を超えると、融点が低下し、耐熱性
が劣るようになる。より好ましくは12〜20重量%で
ある。また、上記ポリオレフィンの融点が90℃未満で
あると、得られる搬送用ベルトの強度や耐熱性が劣り実
用に適さず、115℃を超えると、結晶化度が高くなる
のでベルトとして必要な柔軟性及び耐屈曲疲労性に劣
る。より好ましくは90〜108℃である。
【0018】上記α−オレフィンとは、炭素数3〜12
であって、分子末端に二重結合を有する脂肪族不飽和炭
化水素である。炭素数が12を超えると、共重合反応性
が低下し、目的の共重合比の共重合体が得られないだけ
でなく、組成的に不均一になりやすく、直鎖α−オレフ
ィンの場合には側鎖の結晶化が起こるので、柔軟性付与
効果が得られなくなる。より好ましくは炭素数4〜10
である。上記α−オレフィンは、上記ポリオレフィン中
のポリエチレンの結晶化度を低下させ、適当な柔軟性を
付与するために導入されるものである。
【0019】このようなポリオレフィンは、例えば、チ
ーグラー=ナッタ系触媒を用いて所望のα−オレフィン
の含有率のリニア低密度ポリエチレンを合成することに
よって得ることができる。ただし、この方法で得た共重
合体は分子量分布や共重合組成の分布の幅が広いので、
ベルトとして必要な強度、耐熱性、柔軟性及び耐屈曲疲
労性を満たすことができない。そこで、これを精製して
低分子量成分を極力排除することが必要となる。そのほ
か、メタロセン触媒を用いることにより合成することが
できる。メタロセン触媒を用いて合成したポリオレフィ
ンは、分子量分布や共重合組成分布が狭いので、特に精
製を行わなくても所望の物性を得ることができる。
【0020】本発明の搬送用ベルトにおいて、上記ポリ
オレフィンは、分子量分布及び組成分布が狭く、長鎖分
岐を有し、強度が高く、ヒートシール性がよく、ヘキサ
ン抽出率が小さく、優れた加工性を有するので、メタロ
セン触媒を用いて合成されたものが好ましい。このよう
なものとしては、例えば、ダウケミカル社製、アフィニ
ティー、エンゲージ等を挙げることができる。
【0021】本発明の搬送用ベルトにおいて、上記帆布
としては、ポリエステル糸、綿糸、レーヨン糸等からな
るもの等を挙げることができる。なかでも、強度、柔軟
性に優れ、燃焼時に窒素酸化物等の有毒ガスを発生しな
いので、ポリエステル糸からなる帆布が好ましい。上記
帆布は、織り構造、糸の太さ、及び、モノフィラメン
ト、マルチフィラメント、スパン糸等の糸の種類につい
ては特に限定されない。
【0022】上記帆布は、織るときに油剤、界面活性剤
等が使用されるが、これらについても、焼却安全性の観
点から、窒素化合物やハロゲン化物を含まないものが好
ましい。しかし、仮に含んでいたとしても量的にはごく
微量であり、許容される場合もある。
【0023】なお、上記帆布と上記熱可塑性樹脂組成物
との接着の観点からは、窒素化合物やハロゲン化物を含
む油剤や界面活性剤を用いた方が高い接着力が得られ、
接着力のばらつきも小さい点で好ましい。その理由とし
ては、油剤等の含窒素官能基や含ハロゲン官能基が介在
することによって帆布と接着剤との相互作用が高められ
ること等が考えられる。
【0024】上記帆布と上記熱可塑性樹脂組成物との積
層方法としては、上記帆布にポリエチレン系共重合体か
らなる接着剤を塗布し、乾燥した後、上記帆布に上記熱
可塑性樹脂組成物を薄膜状に溶融押出しながら圧接一体
化させる押出ラミネーション法、又は、上記接着剤を塗
布した帆布に上記熱可塑性樹脂組成物のフィルムを連続
加熱・加圧する方法が、品質の安定性及びコストの点で
好ましい。
【0025】本発明の搬送用ベルトにおいて、上記接着
剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル−カルボキシル基含有モノマー共重合体、
及び、エポキシ樹脂を含有するものが、高い接着力を与
え、かつ、安全性の点でも優れているので、好ましい。
【0026】上記カルボキシル基含有モノマーとして
は、例えば、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸;
これらの酸無水物又は誘導体等を挙げることができる。
上記カルボキシル基含有モノマーとして酸無水物又は誘
導体を用いた場合には、共重合後に加水分解等によって
酸型に変換することができる。
【0027】本発明の搬送用ベルトにおいて、上記接着
剤は、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル
含有率が22〜38重量%であって、上記エチレン−酢
酸ビニル−カルボキシル基含有モノマー共重合体の酢酸
ビニル含有率が22〜38重量%であるものが好まし
い。22重量%未満であると、適当な溶剤に溶解しなく
なるので、帆布の接着処理が困難になり、接着処理コス
トの増大と品質の不安定化の原因となり、38重量%を
超えると、熱可塑性樹脂組成物に対する接着性が低下す
ると同時に、接着層の融点を低下させるので、接着の耐
熱性が劣ってしまう。
【0028】上記接着剤は、上記エチレン−酢酸ビニル
共重合体100重量部に対して上記エチレン−酢酸ビニ
ル−カルボキシル基含有モノマー共重合体は10〜90
重量%が好ましい。上記エチレン−酢酸ビニル−カルボ
キシル基含有モノマー共重合体は、上記ポリオレフィン
と適度な親和性を有するうえ、カルボキシル基によって
上記エポキシ樹脂を介して帆布繊維とも強く接着するの
で、10重量%未満であると、接着性が不足し、90重
量%を超えると、上記エチレン−酢酸ビニル−カルボキ
シル基含有モノマー共重合体はそれ自身の結晶性が低い
ので、引張弾性率や降伏応力等の力学物性が不足する。
より好ましくは、25〜75重量%である。
【0029】上記接着剤は、上記エチレン−酢酸ビニル
−カルボキシル基含有モノマー共重合体の引張弾性率や
降伏応力等の力学物性の不足を補うため、これらの力学
特性に富み、かつ、上記エチレン−酢酸ビニル−カルボ
キシル基含有モノマー共重合体との相溶性の高いエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体をブレンドするものである。上
記接着剤における両樹脂の割合は、接着層の柔軟性、耐
熱性、接着力、帆布への浸透性の観点から、上記熱可塑
性樹脂と上記帆布とに応じて、適宜選択すればよい。
【0030】上記エチレン−酢酸ビニル−カルボキシル
基含有モノマー共重合体のカルボキシル基含有量は、カ
リウム当量(1gの共重合体を中和するために要する水
酸化カリウムの質量(mg))にて5〜25が好まし
い。5未満であると、上記エポキシ樹脂を介した上記帆
布繊維との接着が不充分となり、25を超えると、上記
ポリオレフィン及び上記エチレン−酢酸ビニル共重合体
との親和性が低下し、これらとの接着力が低下してしま
う。より好ましくは、7〜15である。
【0031】上記エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基
を2以上有する化合物であれば特に限定されない。上記
エポキシ樹脂の添加量は、エポキシ当量、分子量、及
び、搬送用ベルトとして所望する接着力、屈曲性、耐屈
曲疲労性等により異なるが、上記エチレン−酢酸ビニル
共重合体と上記エチレン−酢酸ビニル−カルボキシル基
含有モノマー共重合体との混合物100gに対して20
〜80gが好ましい。20g未満であると、接着剤層と
帆布繊維との接着力が充分でなくなり、80gを超える
と、接着層が硬く、脆くなる傾向があり、搬送用ベルト
としての屈曲性及び耐屈曲疲労性を低下させる。より好
ましくは25〜45gである。
【0032】上記接着剤は、有機溶剤に溶解させて使用
することができる。上記有機溶剤としては、例えば、ト
ルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤等を挙げる
ことができる。これらは、単独で又は混合して用いるこ
とができる。また、上記溶剤は、上記芳香族炭化水素系
溶剤と、酢酸エチル等のエステル類;ヘキサン等の脂肪
族炭化水素類;メチルエチルケトン等のケトン類;塩化
メチレン等の含ハロゲン系溶剤;アルコール類、エーテ
ル類、アミド類、スルフォキシド類等の溶剤を混合して
用いてもよい。
【0033】上記接着剤溶液の濃度は、10〜30重量
%が好ましい。10重量%未満であると、上記接着剤が
上記帆布繊維中に浸透してしまい帆布表面に残らないの
で、接着力が発現せず、30重量%を超えると、塗工が
困難となる。より好ましくは、12〜20重量%であ
る。
【0034】上記接着剤は、焼却安全性の面で問題のな
い範囲内において、より接着力、耐熱性及び耐水性を高
めるために、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、上記
エチレン−酢酸ビニル−カルボキシル基含有モノマー共
重合体、及び、上記エポキシ樹脂に加えて、ポリイソシ
アネート化合物を含有することが好ましい。上記ポリイ
ソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2
以上有する化合物であれば特に限定されない。
【0035】上記ポリイソシアネート化合物の添加量
は、イソシアネート当量、分子量、所望する接着力等に
より異なるが、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体と上
記エチレン−酢酸ビニル−カルボキシル基含有モノマー
共重合体との混合物100gに対して20〜80gが好
ましい。20重量%未満であると、所望する接着性能の
改善効果が得られなくなり、80重量%を超えると、接
着層が硬く、脆くなる傾向があり、搬送用ベルトとして
の屈曲性及び耐屈曲疲労性を低下させる。より好ましく
は、25〜45gである。本発明の搬送用ベルトは、軽
負荷搬送用ベルトとして好適に用いることができる。
【0036】以下に第二の本発明を詳述する。本発明の
搬送用ベルトのラップジョイント方法は、搬送用ベルト
の両端を重ね合わせてジョイントする。本発明の搬送用
ベルトのラップジョイント方法は、合わせ部に接着剤を
塗布し、上記合わせ部を貼り合わせた後、上記合わせ部
の上に補強テープを貼り付ける。
【0037】上記補強テープは、ジョイント部のボリュ
ーム不足を補強して、ジョイント部の強度が低下するの
を防ぐことができるので、コンベヤベルトと同材質のも
のを用いることが好ましい。上記補強テープは、ハンド
ウエルダー、アイロン等の小型加熱機を用いて貼り付け
ることが好ましい。
【0038】本発明の搬送用ベルトのラップジョイント
方法は、上記補強テープをアイロン等の小型加熱機で熱
融着することにより、上記合わせ部の隙間を埋めて、ジ
ョイント部に強度を与えることができ、また、ジョイン
ト部を固定することができ、ジョイント作業を容易にす
ることができる。更に、小型加熱機を使用するので、施
工が簡便である。
【0039】本発明の搬送用ベルトのラップジョイント
方法において、上記補強テープは、搬送用ベルトの両端
をジョイントしてエンドレスの搬送用ベルトとしたとき
に、外周となる側に貼り付けることが好ましい。。
【0040】本発明の搬送用ベルトのラップジョイント
方法は、上記補強テープをアイロン等で貼り付けるの
で、融点が低く、離型性が高いポリオレフィンベルトの
ラップジョイント方法として好ましく用いることができ
る。特に、本発明の搬送用ベルトをジョイントする方法
として用いることが好ましい。上記接着剤としては、上
記搬送用ベルトを接着できるものであれば特に限定され
ない。
【0041】本発明の搬送用ベルトのラップジョイント
方法においては、上記搬送用ベルトの合わせ部が、貼り
合わせたときにベルトの両端が重なるように、両端に段
差をつけたものであることが好ましい。更に、上記合わ
せ部の段の切れ込みの角度は60°が好ましい。
【0042】上記補強テープの大きさは特に限定されな
いが、上記合わせ部の隙間を補強し、かつ、厚くなりす
ぎない程度の大きさが好ましい。上記搬送用ベルトのラ
ップジョイント方法においては、上記補強テープを貼り
付けた後、プレスで固定する等を行うことが好ましい。
上記搬送用ベルトのラップジョイント方法は、上記合わ
せ部を接着剤で貼り合わせ、更に、接着後に上記補強テ
ープを上記合わせ部の隙間の上に貼り付けることによ
り、強固にジョイントすることができる。
【0043】上記搬送用ベルトのラップジョイント方法
においては、上記合わせ部に接着剤を塗布した直後に、
合わせ部から搬送用ベルトの上面にかけて上記補強テー
プをアイロン等の小型加熱機を用いて貼り付けて、その
後合わせ部を貼り合わせてもよい。これにより、ジョイ
ント部の隙間を埋めて、ジョイント部をより密着させて
強度を出すことができる。この場合、上記合わせ部を貼
り合わせたときに、上記補強テープが圧着されて上記合
わせ部の隙間を埋める形になることが好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を述べ
る。本発明の搬送用ベルトのラップジョイント方法は、
図1にその概略図を示すようにして実施することができ
る。図1において、搬送用ベルト1は、底帆布/中間樹
脂層/中間帆布/カバー樹脂層の四層構造からなるもの
である。搬送用ベルト1は、貼り合わせたときにベルト
の両端が重なるように、両端の中間樹脂層と中間帆布と
の間に段差をつけて、合わせ部2及び合わせ部3を作成
する。合わせ部2及び合わせ部3の段の切れ込みの角度
は、60°が適当である。この合わせ部2及び合わせ部
3に接着剤を塗布し、ベニヤ板等の台上で合わせ部2及
び合わせ部3を重ねて貼り合わせる。更に、貼り合わせ
た合わせ部の上に補強テープ4をのせ、アイロン等で貼
り付ける。これによって、ジョイント部が固定され、そ
の後、プレス等により、容易にジョイントすることがで
きる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0046】実施例1、2、及び、比較例1〜3 カバー樹脂として、ダウケミカル社製、アフィニティー
PF1140を、帆布として、縦横糸ともポリエステル
マルチフィラメントからなる帆布を用いた。接着剤とし
て、表1に示した組成のものを用いた。
【0047】均一に溶解させた接着剤組成物で帆布をデ
ィップ処理し、続けて120℃で5分間加熱乾燥するこ
とにより接着処理を行った。この帆布の上に溶融した樹
脂をラミネートすることによって、底帆布/中間樹脂層
/中間帆布/カバー樹脂層の四層構造からなる搬送ベル
ト素材を得た。樹脂層の厚さは、中間、カバーともに約
0.8mmとした。
【0048】接着試験は、この素材から幅25mm、長
さ15cmの試験片を切り出し、中間樹脂層と中間帆布
との界面のT剥離力を剥離速度50mm/minで測定
することにより行った。また、ベルト実走行試験につい
ては、幅50cmのベルト素材の前後をジョイントする
ことにより周長1mのベルトを得て、これを2本の直径
80mmのプーリーに巻回し、250Nの張力をベルト
に加えつつ、100m/minでべルトを走行させた。
1日当たり連続8時間×30日間の走行に耐えたものを
合格(○)、途中で樹脂層と帆布との接着破壊を起こし
て走行不能になったものを不合格(×)とした。これら
の結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】表1中、1)は、三井デュポンポリケミカ
ル社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体を、2)は、三
井デュポンポリケミカル社製、エチレン−酢酸ビニル−
カルボキシル基含有モノマー共重合体を、3)は、ナガ
セ化成工業社製、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テルを、4)は、化成アップジョン社製、ポリイソシア
ネート化合物をそれぞれ表す。
【0051】
【発明の効果】本発明の搬送用ベルトは、上述の通り構
成されているので、耐熱性、耐加水分解性、生体安全
性、非汚染性、埋立安全性及び焼却安全性に優れてい
る。また、本発明の搬送用ベルトのラップジョイント方
法は、合わせ部の上に補強テープを貼り付けてあるの
で、作業が容易で、強固にジョイントすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送用ベルトのラップジョイント方法
の一実施形態を示す概略図である。
【図2】従来のフィンガージョイント方法を示す概略図
である。
【図3】従来のラップジョイント方法を示す概略図であ
る。
【図4】従来のダブルフィンガージョイント方法を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 搬送用ベルト 2 合わせ部 3 合わせ部 4 補強テープ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帆布と熱可塑性樹脂組成物とを積層して
    なる搬送用ベルトであって、前記熱可塑性樹脂組成物
    は、ポリオレフィンからなることを特徴とする搬送用ベ
    ルト。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンは、エチレンとα−オレ
    フィンとの共重合体であって、前記α−オレフィンの含
    有率が8〜20重量%であり、かつ、融点が90〜11
    5℃である請求項1記載の搬送用ベルト。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンは、メタロセン触媒を用
    いて合成されたものである請求項1又は2記載の搬送用
    ベルト。
  4. 【請求項4】 帆布に、ポリエチレン系共重合体からな
    る接着剤を塗布し、乾燥した後、前記帆布に熱可塑性樹
    脂組成物を薄膜状に溶融押出しながら圧接一体化させて
    得られる請求項1、2又は3記載の搬送用ベルト。
  5. 【請求項5】 接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合
    体、エチレン−酢酸ビニル−カルボキシル基含有モノマ
    ー共重合体、及び、エポキシ樹脂を含有するものである
    請求項4記載の搬送用ベルト。
  6. 【請求項6】 接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合
    体の酢酸ビニル含有率が22〜38重量%であって、エ
    チレン−酢酸ビニル−カルボキシル基含有モノマー共重
    合体の酢酸ビニル含有率が22〜38重量%であるもの
    である請求項5記載の搬送用ベルト。
  7. 【請求項7】 接着剤は、ポリイソシアネート化合物を
    含有するものである請求項5又は6記載の搬送用ベル
    ト。
  8. 【請求項8】 搬送用ベルトの両端を重ね合わせてジョ
    イントする搬送用ベルトのラップジョイント方法であっ
    て、合わせ部に接着剤を塗布し、前記合わせ部を貼り合
    わせた後、前記合わせ部の上に補強テープを貼り付ける
    ことを特徴とする搬送用ベルトのラップジョイント方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の搬送用ベルトの両端を重ね合わせてジョイントする
    搬送用ベルトのラップジョイント方法であって、合わせ
    部に接着剤を塗布し、前記合わせ部を貼り合わせた後、
    前記合わせ部の上に補強テープを貼り付けることを特徴
    とする搬送用ベルトのラップジョイント方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11246018A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Yokohama Rubber Co Ltd:The コンベヤベルト
JP2012211000A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Shinoda Shoji Kk コンベアベルトとその接合方法
CN103964125A (zh) * 2014-03-25 2014-08-06 山东星源矿山设备集团有限公司 一种环形助燃胶带

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