JPH10295004A - 電気自動車用駆動制御装置 - Google Patents

電気自動車用駆動制御装置

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JPH10295004A
JPH10295004A JP9101466A JP10146697A JPH10295004A JP H10295004 A JPH10295004 A JP H10295004A JP 9101466 A JP9101466 A JP 9101466A JP 10146697 A JP10146697 A JP 10146697A JP H10295004 A JPH10295004 A JP H10295004A
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JP
Japan
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wheel
slip
wheels
vehicle
motor
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JP9101466A
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English (en)
Inventor
Kenzo Okuda
謙造 奥田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4WD制御及びTRC/ABS相当制御を実
行可能なホイルインモータ型の4輪駆動電気自動車を実
現する。 【解決手段】 4個の駆動輪のうち1輪のみがスリップ
しているときは(a)、左側及び右側のうちスリップ輪
と同じ側にある非スリップ輪に、スリップが発生してい
なければスリップ輪に配分されるはずであった出力トル
クを配分する。スリップ輪が2輪ありそれらが左側及び
右側に1個ずつあるときには(b−1,b−2)、スリ
ップしていなければそのスリップ輪に配分されるはずで
あったトルク出力を、同じ側にある非スリップ輪に配分
する。スリップ輪に3輪あるとき(c)、4輪あるとき
(d)及びスリップ輪が2輪ありかつ当該スリップ輪が
いずれも左側又は右側にあるとき(b−3)には、TR
C/ABS相当制御を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、m個(mは3以上
の自然数)以上駆動輪を有し各駆動輪に対応してモータ
を設けた電気自動車に搭載され、スリップ時における走
行安定性が高まるよう各モータを制御する駆動制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】在来エンジン車両に関しては、前後左右
の合計4輪に対しエンジンの出力を分配することによ
り、そのうち1乃至2輪がスリップしたときでも引き続
き走行安定性を維持しながら車両を走行させることを可
能にした4輪駆動(4WD)なる技術が開発されてい
る。この4WDの技術は、車載のモータにて推進される
車両である電気自動車にも適用可能である。例えば、1
個のモータの出力を機械的に4輪に分配するタイプの電
気自動車は、各駆動輪へのトルク供給手法の点では、エ
ンジンの出力を機械的に4輪に分配する在来エンジン車
両と本質的に相違がない。従って、このタイプの電気自
動車には、在来エンジン車両における4WDを比較的単
純に適用できる。
【0003】電気自動車には、各駆動輪にそれぞれ対応
してモータを設け各駆動輪を各々独立に回転駆動できる
ようにした各駆動輪独立駆動型の電気自動車もある。こ
のタイプの電気自動車は、駆動輪毎にモータを設けてい
るためディファレンシャルギア等の分配機構が不要で従
って低伝達ロス低エネルギ消費であるから車載バッテリ
を小型化できる、対応する駆動輪のみを駆動できればよ
いため通常のいわゆるワンモータ型電気自動車に比べモ
ータを小さくできる、等の利点を有している。例えば特
開平2―262806号公報には、前後左右の合計4輪
にモータを設け各駆動輪を各々独立に回転駆動できるよ
うにした各駆動輪独立駆動型電気自動車が開示されてい
る。なお、各駆動輪独立駆動型電気自動車の代表例とし
ては、モータを各駆動輪に埋め込んだ或いは一体化した
タイプの電気自動車即ちホイルインモータ型電気自動車
が掲げられる。ホイルインモータ型電気自動車は、モー
タが駆動輪にビルトインされているため集積性が高く車
室空間が広がる等の利点を有している。
【0004】各駆動輪独立駆動型電気自動車は、ディフ
ァレンシャルギア等の分配機構を用いて機械動力を各駆
動輪に分配する在来エンジン車両又はワンモータ型電気
自動車とは、各駆動輪へのトルク供給手法の点で、本質
的に異なっている。従って、在来エンジン車両又はワン
モータ型電気自動車における4WDを各駆動輪独立駆動
型電気自動車へと単純適用することはできない。そこ
で、例えば特開平2―262806号公報に記載の車両
では、各モータに対する回転数指令の値を路面状態に応
じ決定し、決定した回転数指令値に基づきモータ速度制
御を実行するという手法で、4WDを実行している。即
ち、各駆動輪独立駆動型電気自動車の特質であるところ
の“各駆動輪を各々独立に回転駆動できる”ことを利用
して、4WDを実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、モータの出
力制御の方法としては、速度制御(回転数制御)の他
に、トルク制御がある。トルク制御は、車両操縦者から
の加減速要求を忠実に実現しやすいという利点を有して
いる。従って、各駆動輪独立駆動型電気自動車でも、モ
ータのトルク制御を行うのが望ましい。しかし、モータ
出力をトルク制御する各駆動輪独立駆動型電気自動車に
おいては、“各駆動輪を各々独立に回転駆動できる”と
いう特質に着目して4WDを実現しようとすると、新た
な問題が生じる。即ち、“各駆動輪を各々独立に回転駆
動できる”ということは、裏返せば、“設けられている
全てのモータに対し常にその出力値に関する指令を与え
続けねばならない”ということであるから、現在スリッ
プ又はその傾向を呈している駆動輪に対応するモータに
対しどのような値の出力トルクを指令すればよいか、ま
た他の駆動輪に対応するモータに対しどのような値の出
力トルクを指令すればよいか等の事項が、新たな問題と
なる。
【0006】本発明の目的の一つは、ホイルインモータ
型電気自動車に代表される各駆動輪独立駆動型電気自動
車において、各駆動輪におけるスリップ又はその傾向の
発生状況、特にスリップ又はその傾向を呈している駆動
輪(スリップ輪)とその他の駆動輪(非スリップ輪)の
位置及び個数に応じて出力トルクの指令値を決定するこ
とにより、モータトルク制御による4WD(より一般に
はm輪駆動:mWD。mは3以上の自然数)を実現する
ことにある。本発明の目的の一つは、スリップ輪及び非
スリップ輪の位置及び個数に応じ、適宜、在来エンジン
車におけるTRC(Truction Control)又はABS (Anti
lock Break System)に相当する制御を起動することによ
り、車両の走行安定性を維持達成できるようにすると共
に、この制御即ちTRC/ABS相当制御をモータトル
ク制御にて実現し制動用流体の圧力例えば油圧の操作を
不要にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成は、
対応するモータの出力トルクにてそれぞれ回転駆動され
る駆動輪をm個以上有する電気自動車に搭載され、各モ
ータに対し出力トルク値を指令する駆動制御装置におい
て、各駆動輪を現在スリップ又はその傾向が生じている
か否かによりスリップ輪と非スリップ輪とに弁別するス
リップ輪検出手段と、非スリップ輪が車体の左側及び右
側に少なくとも1個ずつあるときに、車体に新たなヨー
方向モーメントが作用しないよう調整を施した上で、各
モータに対し出力トルク値を指令するm輪駆動制御手段
と、を備えることを特徴とする。本構成では、非スリッ
プ輪が車体の左側及び右側に少なくとも1個ずつあれ
ば、各モータの出力トルク制御(例えばスリップ輪に対
応するモータの出力トルクをカットし、非スリップ輪の
みにて要求加減速を実現できるよう、各モータの出力ト
ルクを制御すること)によって、ヨー方向モーメントの
発生を防ぎながらmWDを実現している。これにより、
スリップ時に迅速に走行安定性を回復できる信頼性の高
い走行安定性制御が実現される。
【0008】本発明の第2の構成は、対応するモータの
出力トルクにてそれぞれ回転駆動される駆動輪をm個
(mは3以上の自然数)以上有する電気自動車に搭載さ
れ、各モータに対し出力トルク値を指令する駆動制御装
置において、各駆動輪を現在スリップ又はその傾向が生
じているか否かによりスリップ輪と非スリップ輪とに弁
別するスリップ輪検出手段と、非スリップ輪が車体の左
側に1個もないとき及び右側に1個もないときに、スリ
ップ輪のスリップ状態に応じ調整を施した上で、各モー
タに対し出力トルク値を指令するTRC/ABS相当制
御手段と、を備えることを特徴とする。本構成において
は、出力トルク値に関する指令の調整によりTRC/A
BS相当制御が実現されるため、制動用流体の圧力例え
ば油圧の操作なしで、従ってそのためのバルブ、ポンプ
等を設けることなしに、スリップ時に走行安定性を迅速
に回復できる。また、スリップ輪及び非スリップ輪の位
置及び個数に応じてTRC/ABS相当制御が起動され
るため、適切な状況下でTRC/ABS相当制御が動作
し、従って信頼性の高い走行安定性制御が実現される。
【0009】以下、上記構成に関し、実施形態を以てよ
り詳細に説明する。なお、本願の説明では、本発明を
「駆動制御装置」の発明であると述べているが、本発明
は「駆動制御方法」「電気自動車」等としても表現でき
る。かかる表現への変更は、本願の開示内容を参照した
当業者には容易であろう。また、以下の説明ではホイル
インタイプの三相交流モータを例示するが、本発明は他
の種類のモータにも適用できる。本発明は、4WDのみ
ならずmWDに適用できる。TRC/ABS制御の手法
は特開平8−182119号公報や特願平9−8693
号に開示のものには限定されない。
【0010】
【発明の実施の形態】
(1)システム構成 図1に、本発明を実施するのに適する電気自動車のシス
テム構成を示す。この図に示す電気自動車はホイルイン
モータ型の4輪駆動電気自動車である。すなわち、右前
輪10FR、左前輪10FL、右後輪10RR及び左後
輪10RLに、それぞれモータ12FR、12FL、1
2RR及び12RLが組み込まれている。図2に、右後
輪10RRを例として、組み込み方の例を示す。この図
では、タイヤ14と一体に回転できるようホイル16の
内側にロータを固定する一方で、モータ軸20を介しリ
アアクスル22にステータ24を固定し、ベアリング等
を介してステータ24をロータ18と継合している。さ
らに、ロータ18の外壁面にステータ24と微小間隙を
もって対向するようロータマグネット(永久磁石)26
を固定する一方で、ステータ24にはステータ巻線28
を巻回しており、ステータ巻線28に電流を流すための
ケーブル30をモータ軸20内を介してステータ巻線2
8に接続している。このような構造において、ケーブル
30を介しステータ巻線28に交流電流を供給すること
により、ロータ18は回転し、車両の推進力を生む。な
お、本発明の実施に際しては、他種のホイルインモータ
構造を用いても構わない。また、各駆動輪に対応してモ
ータが設けられているのであれば、ホイルインモータ型
でない電気自動車にも、本発明を適用することができ
る。
【0011】図1に示されるバッテリ32は、モータ1
2FR、12FL、12RR及び12RLへの駆動電力
供給源であり、その放電出力はインバータ34FRを介
しモータ12FRに、インバータ34FLを介しモータ
12FLに、インバータ34RRを介しモータ12RR
に、そしてインバータ34RLを介しモータ12RL
に、それぞれ供給されている。インバータ34FR、3
4FL、34RR及び34RLは、電力変換器の一種で
ある。すなわち、インバータ34FRは、モータ制御部
36FRの制御のもとに、バッテリ32の放電出力(直
流)をモータ12FRに適する電力形式(この図では三
相交流)に変換する。同様に、インバータ34FLはモ
ータ制御部36FLの制御のもとに、インバータ34R
Rはモータ制御部36RRの制御のもとに、インバータ
34RLはモータ制御部36RLの制御のもとに、それ
ぞれ、バッテリ32の放電出力を対応するモータに適す
る電力形式に変換する。更に、モータ制御部36FRは
トルク指令TFRに応じて、モータ制御部36FLはト
ルク指令TFLに応じて、モータ制御部36RRはトル
ク指令TRRに応じて、そしてモータ制御部36RLは
トルク指令TRLに応じて、対応するインバータを制御
することにより、対応するトルク指令に相当するトルク
を対応するモータから出力させる。モータ制御部36F
R、36FL、36RR及び36RLに与えられるトル
ク指令TFR、TFL、TRR及びTRLは、いずれも
車両制御部38にて生成されている。なお、モータ制御
部36FR、36FL、36RR及び36RLは、上述
した電力変換制御のほか、対応するインバータと車両制
御部38との間を絶縁分離する機能を有している。更
に、モータ36FR、36FL、36RR及び36RL
による対応するインバータの制御は、図示しない電流セ
ンサから得た対応するモータの各相電流検出値に基づ
き、あるいはロータ角度位置等から求めた対応するモー
タの各相電流推定値に基づき行う。
【0012】車両制御部38は、モータ12FR、12
FL、12RR及び12RLの出力トルクの制御、車載
各コンポーネントの状態監視・制御、車両乗員への車両
状態の報知、その他の機能を担う制御部材であり、従来
から用いられている電子制御ユニット(ECU)の主に
ソフトウエア的な改変にて実現できる。車両制御部38
には、車両各部に設けたセンサ類の出力が入力され、車
両制御部38は、センサ類の出力をモータ出力制御や車
両状態監視に利用する。
【0013】例えば、右前輪10FRのホイルに設けら
れている車輪速センサ40FR(例えばレゾルバ)は、
右前輪10FRの車輪速VFRを示す信号(例えば微小
角度位置変位毎のパルス信号)を生成し、車両制御部3
8に供給する。同様に、左前輪10FLのホイルに設け
られている車輪速センサ40FLは左前輪10FLの車
輪速VFLを示す信号を、右後輪10RRのホイルに設
けられている車輪速センサ40RRは右後輪10RRの
車輪速VRRを示す信号を、そして左後輪10RLのホ
イルに設けられている車輪速センサ40RLは左後輪1
0RLの車輪速VRLを示す信号を、それぞれ生成し、
車両制御部38に供給する。また、アクセルセンサ42
は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量すなわち
アクセル開度VAを示す信号を、ブレーキセンサ44
は、ブレーキペダル56の踏み込み量すなわちブレーキ
力FBを示す信号を、シフトポジションスイッチ46
は、シフトレバー(図示せず)の投入レンジ(及びエン
ジンブレーキレンジ等では当該レンジ内でのシフトレバ
ー位置)すなわちシフトポジションを示す信号を、それ
ぞれ発生させる。更に、センサ48は、操舵の状態や車
両の運動状態等を検出するためのセンサ、例えば舵角セ
ンサであり、検出の結果を示す信号例えば舵角δtを示
す信号を発生させる。これらのセンサの出力は、いずれ
も、車両制御部38に入力されるにあたって、車両制御
部38にて処理可能な形式のデータに変換される。車両
制御部38は、変換後のデータを用いて、トルク指令T
FR、TFL、TRR及びTRLの決定、制御方法の切
り換え等を実行する。
【0014】また、図1では、前後左右各輪を油圧及び
回生双方にて制動する制動システムが用いられている。
すなわち、ブレーキペダル56が踏まれると、これに応
じてマスタシリンダ58にて発生した油圧が、車輪10
FR、10FL、10RR及び10RLそれぞれに対応
して設けられているホイルシリンダ60FR、60F
L、60RR及び60RLに伝達され、対応するブレー
キホイル62FR、62FL、62RR及び62RLに
作用し、車輪10FR、10FL、10RR及び10R
Lに制動トルクが付与される。他方で、ブレーキセンサ
44を用いて検出されたブレーキ力(マスタシリンダ5
8の油圧)FBに応じ車両制御部38が回生にかかるト
ルク指令TFR、TFL、TRR及びTRLを発生させ
る。従って、図1の車両における制動力配分は、図3に
示されるようにブレーキ力FB(横軸の“ペダル入
力”)の増大に伴い油圧回生双方が増大する配分とな
る。このように油圧系統と回生系統がブレーキセンサ4
4以降は分離しているため、油圧及び回生のいずれか一
方がフェイルしたとしても他方にて車両を退避させるこ
とができる。更に、油圧系統にはポンプが設けられてお
らず、またバルブとしては油圧制動力を前後に配分する
ためのプロポーショニングバルブ59が設けられている
のみであるので、例えば、回生にてまかなえる間は油圧
を遮断するシステム等に比べ、システム構成が簡素にな
る。なお、油圧系統にポンプを設ける必要がなくまた油
圧系統上のバルブの個数を最低限に抑えることができる
理由の一つは、後述のように、モータ12FR、12F
L、12RR及び12RLの出力トルクの制御を利用し
て走行安定性制御を行うという本実施形態の特徴的構成
にある。
【0015】(2)車両制御部の機能 図4に、本実施形態における車両制御部38の機能をフ
ローチャートにより示す。なお、本発明は、ハードロジ
ックによってもまたソフトウエアによっても実施するこ
とができるが、以下の説明では手順の明示のためフロー
チャートを使用している。車両制御部38は、この図に
示すように、まず車体速VSの検出を実行する(10
0)。車体速VSの検出手順としては様々な手順を採用
することができるが、例えば、図5に示すような手順を
採用するのが好ましい。図5においては、車両制御部3
8は、まずNslip、VS等の作業用変数をリセット
したうえで(200)、車輪10FR、10FL、10
RR及び10RLのいずれかに関し、その車輪角加速度
dω/dtを演算する(202)。車輪角加速度の演算
式としては、次の式
【数1】dω/dt←(1/R)・dV/dt を用いることができる。上式中、Rは車輪半径であり、
V及びωは、現在車輪角加速度を求めようとしている車
輪にかかる車輪速及び車輪角速度である。車両制御部3
8は、このようにして求めた車輪角加速度dω/dtの
絶対値が所定のしきい値を上回っていなければ(20
4)、その車輪についてはスリップ又はその傾向が生じ
ていないと判定し、変数VSにその車輪の車輪速Vを積
算する(206)。逆に、角加速度dω/dtの絶対値
が所定のしきい値を上回っているのであれば、その車輪
についてはスリップ又はその傾向が発生しているとみな
すことができるため、スリップ又はその傾向が生じてい
るとみなせる車輪(スリップ輪)の個数をカウントする
ための変数であるNslipを1インクリメントさせる
(208)。車両制御部38は、ステップ206又は2
08を実行した後、その車輪の位置及び車輪速Vを内蔵
するメモリ等に記憶する(210)。車両制御部38
は、ステップ202〜210にかかる手順を、全ての駆
動輪について実行する(212)。
【0016】車両制御部38は、このようにして全ての
駆動輪についてスリップ輪かそれとも非スリップ輪かの
判定を行った後に、スリップ輪の個数Nslipが4に
等しいか否かすなわち全ての駆動輪がスリップ又はその
傾向を示しているのかそうでないのかを判定する(21
4)。通常は、全ての駆動輪が同時にスリップ又はその
傾向を示しはしないため、車両制御部38は、ステップ
206の繰り返し実行によりVSに積算された値を4−
Nslipすなわち非スリップ輪の個数にて除すことに
より、車体速VSを算出する(216)。逆に、Nsl
ip=4が成立しているときには、過去においてステッ
プ210を実行した際に記憶した情報を利用して、最後
にスリップし始めた駆動輪がどの車輪であるのかをサー
チする(218)。車両制御部38は、このサーチの結
果発見された駆動輪すなわち最後にスリップし始めた車
輪が、スリップし始める直前に有していた車輪速Vの値
を、車体速VSとして用いることとする(220)。
【0017】このように、本実施形態においては、原則
として非スリップ輪の車輪速のみから車体速VSを求め
ることにより、車体速VSを比較的正確に決定すること
を可能にしており、ひいては後述する手順にて仮確定さ
れるトルク指令値を適切なものとしている。また、4個
の車輪全てがスリップ又はその傾向を示しているときに
も、最後にスリップし始めた車輪がスリップし始める直
前に有していた車輪速をもって車体速VSとしているた
め、比較的信頼性のおける車体速情報をトルク指令値の
仮確定に利用することができる。ステップ216又は2
20実行後は、車両制御部38の動作は、図4に戻る。
【0018】図4においては、車体速VSを検出した
後、まず操舵の状態や車両の運動状態に関する判定が実
行される(102)。操舵の状態や車両の運動状態から
みて必要があると認められるときには、車両制御部38
は目標ヨーレイト適合制御や目標すべり角度適合制御
(例えばすべり角度0制御)を実行する(104)。例
えば、センサ48が舵角センサである場合には、検出さ
れる舵角δtの絶対値が所定のしきい値以上であるとき
に、すなわち車両操縦者が操舵を行っていると認められ
るときに、操舵に伴う車体の走行不安定性の発生を防止
乃至抑制すべく、目標ヨーレイト適合制御乃至目標すべ
り角度適合制御を実行する。
【0019】目標ヨーレイト適合制御乃至目標すべり角
度適合制御の手順の一例を、図6に示す。図6に示す手
順においては、車両制御部38は、まずアクセルセンサ
42の出力に基づき判定できるアクセルオン/オフ状
態、シフトポジションスイッチ46にて与えられるシフ
トポジション、センサ48から与えられる舵角δt及び
これに基づき算出できるdδt/dt等に基づき、結合
係数群を選択している(300)。車両制御部38は、
更に、各車輪毎に、車輪加速度dV/dtを求めこれに
基づき路面摩擦係数μを演算する(302)。車両制御
部38は、路面摩擦係数μ及び舵角δtに基づきかつス
テップ300にて選択した結合係数群を用いて補正係数
kを車輪毎に決定する(304)。車両制御部38は、
アクセルがオンしているときには(306)車輪速V、
アクセル開度VA及びシフトポジションに基づき力行ト
ルクマップから(308)、またアクセルがオフしてい
るときには(306)車輪速V、ブレーキ力FB及びシ
フトポジションに基づき回生トルクマップから(31
0)、各車輪毎にトルク指令を仮確定する。力行トルク
マップは例えば図7に示されるように回転数及びトルク
が共に正の領域におけるモータの回転数トルク特性をあ
らわすマップであり、回生トルクマップは図8に示され
るように回転数が正、トルクが負の領域におけるモータ
の回転数トルク特性を示すマップである。
【0020】車両制御部38は、ステップ308又は3
10にて仮確定したトルク指令にステップ304にて決
定した補正係数を乗ずることによりトルク指令を決定し
(312)、決定したトルク指令を対応するモータ制御
部に出力する(314)。従って、ステップ300にて
選択対象となる結合係数群の値や、ステップ304にお
ける補正係数kの設定手法次第では、目標ヨーレイト適
合制御乃至目標すべり角度適合制御を実行しているとき
のトルク指令が採りうる範囲は、図9に示すようにアク
セルオン時でも回生領域に属する値となることがありま
たアクセルオフ時でも力行領域に属する値となることが
ある。このような制御を行うことで、本実施形態では、
操舵時における車体の走行安定性を向上させている。
【0021】なお、目標ヨーレイト適合制御や目標すべ
り角度適合制御に関しては、本願出願人が先に提案して
いる特願平9−8693号の開示を参照されたい。ま
た、目標ヨーレイト適合制御や目標すべり角度適合制御
に代えて、車体に作用するヨーレイトを含め車両の運動
状態を示す複数の状態量を用いて走行行安定性制御を実
行する手法を採用してもよい。この手法に関しては、本
願出願人が先に提案している特願平9−68571号を
参照されたい。図6に示す手順を終了した後は、車両制
御部38の動作は、図4に戻る。車両制御部38は、こ
の時点で終了要求が与えられていないかぎり(106)
すなわち車両操縦者により図示しないイグニッションス
イッチがオフされる等の操作が行われていないかぎり、
ステップ100に戻り動作を繰り返す。終了要求が与え
られているときには、所定の終了処理を実行して図4の
手順を終了する(108)。
【0022】また、車体速VSを検出した後実行される
ステップ102において、操舵の状態や車体の温度状態
からみて目標ヨーレイト適合制御や目標すべり角度適合
制御を実行する必要がないと認められる場合、車両制御
部38は、原則として4WD制御にかかる手順を実行す
る(110)。車両制御部38は、この4WD制御11
0を開始するに際して、まず、車体速VSを検出する手
順にて検出したスリップ輪の個数Nslipに関する判
定・分類処理を実行する。すなわち、検出されたスリッ
プ輪の個数Nslipが4に等しいときすなわち全ての
駆動輪がスリップ又はその傾向を示しているときや(1
12)、スリップ輪の個数Nslipが3に等しいとき
すなわちスリップ又はその傾向を示していない駆動輪が
1個しかないときには(114)、車両制御部38の動
作は4WD制御110ではなくTRC/ABS相当制御
に移行する(116)。また、スリップ輪の個数Nsl
ipが2に等しいときすなわちスリップ又はその傾向を
示していない駆動輪が2個存在しているときであっても
(118)、検出されたスリップ輪が共に左側の車輪で
ある場合や共に右側の車輪である場合には(120)、
TRC/ABS相当制御へと移行する(116)。更
に、前述のステップ102において目標ヨーレイト適合
制御乃至目標すべり角度適合制御が必要とみられる状態
であると判定されたときであっても、スリップ輪の個数
Nslipが非0であるときすなわちいずれかの駆動輪
がスリップ又はその傾向を示していると認められるとき
には(122)、やはりTRC/ABS相当制御へと移
行する(116)。
【0023】TRC/ABS相当制御の手順の一例を、
図10に示す。TRC/ABS相当制御を実行するに際
しては、車両制御部38は、まず、各車輪の車輪速Vの
高低や、アクセルオン/オフ等に応じて、結合係数群、
制御定数群等を選択する(400)。ここでいう結合係
数群は、後述の角加速度判定に使用するしきい値群を決
定するために使用する係数の集合であり、制御定数群
は、フィードバックトルクを決定する際に使用する定数
の集合である。車両制御部38は、アクセルがオンして
いるときには(402)車輪速V、アクセル開度VA及
びシフトポジションに応じ力行トルクマップから(40
4)、アクセルがオフしているときには(402)車輪
速V、ブレーキ力FB及びシフトポジションに応じ回生
トルクマップから(406)、トルク指令を仮確定す
る。車両制御部38は、更に、アクセルがオンしている
ときには(402)アクセル開度VA及びステップ40
0にて選択した結合係数群とに基づき(408)、また
アクセルがオフしているときには(402)ブレーキ力
FBとステップ400にて選択した結合係数群とに基づ
き(410)、しきい値群を決定する。
【0024】車両制御部38は、ステップ408又は4
10にて決定したしきい値群を基準として、各車輪の角
加速度dω/dtを分類する(412)。車両制御部3
8は、分類の結果に応じ、異なる演算式等を使用してフ
ィードバックトルクを決定する。例えば、車輪角加速度
dω/dtが第1の範囲に属するときには第1の演算式
によるフィードバックトルク決定処理を(414−
1)、第2の範囲に属するときには第2の演算式に基づ
くフィードバックトルク決定処理を(414−2)、第
3の範囲に属するときには第3の演算式によるフィード
バックトルク決定処理を(414−3)、・・・第nの
範囲に属するときには第nの演算式に基づくフィードバ
ックトルク決定処理を(414−n)というように、各
車輪毎にその回転角加速度dω/dtの属する範囲に応
じた演算式にてフィードバックトルクを決定する。更
に、ステップ414−1,414−2,414−3,・
・・414−nにかかる演算式中の定数は、ステップ4
00にて選択した制御定数群にかかる値とする。車両制
御部38は、このようにして決定したフィードバックト
ルクを、ステップ404又は406にて仮確定したトル
ク指令値から減ずることによりトルク指令値を確定し
(416)、確定したトルク指令値を対応するモータ制
御部に出力する(418)。
【0025】このような手順を採用することによって、
各駆動輪に作用するトルクを前述の図9に示した範囲内
で適宜変動させることができ、在来エンジン車両におけ
るTRC/ABS制御に相当する機能を実現することが
できる。なお、可能な場合には、ABS相当制御の際に
油圧を併用しても構わない。また、TRC/ABS相当
制御に関しては、本願出願人の先提案にかかる特開平8
−182119号公報や、特願平9−8693号による
開示を、併せて参照されたい。図10に示す手順を終了
した後は、車両制御部38の動作は図4に示すステップ
106に移行する。
【0026】車両制御部38は、目標ヨーレイト適合制
御乃至目標すべり角度適合制御への移行条件やTRC/
ABS相当制御への移行条件がいずれも成立しないと
き、すなわち舵角δtの絶対値がしきい値以上となって
おらず、スリップ輪の個数Nslipが2以下であっ
て、かつ左側の2個の車輪又は右側の2個の車輪がいず
れもスリップ輪となってはいないときに、4WD制御1
10にかかる手順を実行する。
【0027】その際に、車両制御部38は、まず、スリ
ップ輪の個数Nslipが1であるか否かを判定する
(124)。通常の走行路では、Nslip=0である
ので、車両制御部38の動作はステップ126及び12
8に移行する。ステップ126では、車両制御部38
は、全ての駆動輪を配分輪として決定する。ここでいう
配分輪とは、実際にトルク出力を配分する駆動輪であ
る。ステップ128では、車両制御部38は、各配分輪
に対するトルク出力の配分の比重を通常値に設定する。
例えば、全ての駆動輪に対し、配分の比重=1を設定す
る。ただし、この配分の比重は、車両積載重量に応じて
変化させてもよいし、車体の構造に応じて前後の車輪間
で異なる所定比重としても構わない。
【0028】逆に、ステップ124においてNslip
=1であると判定したときや、ステップ120において
TRC/ABS相当制御への移行条件が成立していない
と判定されたときには、車両制御部38スリップ輪以外
の車輪を配分輪として決定する(130)。更に、実際
にトルクを出力したときに車体重心を中心としたヨー方
向のモーメントが新たに車体に作用することとならない
よう、すなわち左右がバランスするように、各車輪に対
する配分比重を調整する(132)。例えば、ステップ
130において配分輪に選択されなかった駆動輪すなわ
ちスリップ輪についてはトルク指令が与えられないよう
配分比重を0とし、左側及び右側のうちスリップ輪が属
する側の非スリップ輪の配分比重には、スリップしてい
なければスリップ輪に配分されるはずであったトルク出
力に相当する配分比重を上乗せする。
【0029】車両制御部38は、ステップ128又は1
32を実行した後、アクセルがオンしていれば(13
4)車体速VS、アクセル開度VA及びシフトポジショ
ンに応じ力行トルクマップから(136)、アクセルが
オフしていれば(134)車体速VS、ブレーキ力FB
及びシフトポジションに応じ回生トルクマップから(1
38)トルク指令を仮確定する。車両制御部38は、ス
テップ136又は138を実行した後、ステップ128
又は132にてあらかじめ設定乃至調整されている配分
比重に応じて、ステップ136又は138にて仮確定し
たトルク指令値に調整を施し(例えば配分比重を乗算
し)、これにより各車輪に対するトルク指令値を確定す
る(140)。車両制御部38は、ステップ142にて
確定した各トルク指令値をそれぞれ対応するモータ制御
部へと出力し(142)、その後ステップ106に移行
する。
【0030】従って、本実施形態では、各車輪のスリッ
プ状態に応じて、図11に示されるように、制御状態が
切り替わる。まず、4個の車輪のうち1個のみがスリッ
プしているときすなわちNslip=1であるときに
は、図11(a)に示されるように、スリップしていな
ければ当該スリップ輪にてさせるはずであったトルク指
令が、このスリップ輪と同じ側にある他の駆動輪にて出
力されることになる。尚、図11では、スリップ輪を右
ハッチングであらわしている。またNslip=2であ
るときのうち、図11(b−1)又は(b−2)に示さ
れるようにスリップ輪が左右に1個ずつ存在していると
きには、左右1個ずつ残っている非スリップ輪にてトル
ク指令が実現される。さらに、図11(b−3)に示さ
れるように、Nslip=2でありかつスリップ輪がい
ずれも左側(又は右側)にあるときには、TRC/AB
S相当制御が実行される。更に、図11(c)に示され
るようにNslip=3であるときや、図11(d)に
示されるようにNslip=4であるときには、やは
り、TRC/ABS相当制御が実行される。
【0031】このように、本実施形態によれば、各車輪
におけるスリップ又はその傾向の発生状況、特にスリッ
プ輪の個数や位置に応じて、車両制御部38による各モ
ータ出力の制御モードや各車輪に対するトルク配分比重
を切り換え又は変更するようにしているため、ホイルイ
ンモータ型の4輪駆動電気自動車において好適な4WD
制御やTRC/ABS相当制御を実現し、走行安定性を
維持改善することができる。
【0032】また、図5に示した車体速検出手順に、様
々な変形を施すことが可能である。例えば図12に示す
手順においては、スリップ輪の個数をカウントするため
の変数としてNslip及びNslip0という2種類
のしきい値を用いている。そのうち変数Nslipは車
輪角加速度dω/dtの絶対値が第1のしきい値を上回
っている駆動輪の個数をカウントするための変数であり
(204A,208A)、変数Nslip0は車輪角加
速度dω/dtの絶対値が第2のしきい値を上回ってい
る駆動輪の個数をカウントするための変数である(20
4B,208A,208B)。ただし、ステップ204
A及び204Bにて用いている第1のしきい値及び第2
のしきい値は、第1のしきい値<第2のしきい値に設定
しておく。更に、図5の手順中、ステップ214及び2
16に相当しているステップ214A及び216Bで
は、Nslipが4に等しいか否かの判定ではなくNs
lip0が4に等しいか否かの判定を行い、またVS=
VS/(4−Nslip)の式ではなくVS=VS/
(4−Nslip0)の式を用いて車体速VSを算出し
ている。このようにすることで図4の手順において判定
に供するスリップ輪の個数(Nslip)と、車体速検
出の際に車体速の演算基礎から除外する駆動輪の個数
(Nslip0)とを、別の値にすることができる。こ
れによって、より設計の自由度が高まる。 また、図5
に示す手順を図13に示すように変形しても構わない。
図13に示す車体速検出手順においては、車輪角加速度
dω/dtに関ししきい値より大きいとの判定条件が成
立している駆動輪についても、ステップ206が実行さ
れる。更に、図5の手順におけるステップ216に相当
するステップ216Bにおいては、ステップ204にお
ける条件を満たすスリップ輪ではなく、ステップ222
において統計的にみて除外すべきであると判定された駆
動輪が、車体速演算の基礎から除外されている。すなわ
ち、ステップ222では、ステップ206においてその
車輪速Vが変数VSに積算された車輪のうち、統計的に
みて除外すべき車輪速Vを有する車輪、例えば他の車輪
の車輪速に対して大きな差を有している車輪が検出さ
れ、ステップ216Bでは、除外すべきであることが検
出された車輪の車輪速が変数VSから減算され、当該車
輪を除いた駆動輪数によってこれを除すことにより、車
体速VSが演算されている。このような手法によって
も、同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の第1の構成によれば、非スリッ
プ輪が車体の左側及び右側に少なくとも1個ずつあると
きに、車体に新たなヨー方向モーメントが作用しないよ
う調整を施した上で、各モータに対し出力トルク値を指
令するようにしたため、ヨー方向モーメントの発生を防
ぎながらmWDを実現でき、スリップ時における信頼性
の高い走行安定性制御を実現できる。
【0034】本発明の第2の構成によれば、非スリップ
輪が車体の左側に1個もないとき及び右側に1個もない
ときに、スリップ輪のスリップ状態に応じ調整を施した
上で、各モータに対し出力トルク値を指令するようにし
たため、TRC/ABS相当制御を制動用流体の圧力操
作のための部材なしで実現でき、かつTRC/ABS相
当制御が適切な状況下で動作するため、スリップ時にお
ける信頼性の高い走行安定性制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するのに適する電気自動車のシ
ステム構成を示すブロック図である。
【図2】 ホイルインモータの構造の一例を示す断面図
であり、図中右上の円内は一部拡大図である。
【図3】 図1のシステムにおける制動力配分を示す図
である。
【図4】 車両制御部の動作手順を示すフローチャート
である。
【図5】 車体速検出手順の一例を示すフローチャート
である。
【図6】 目標ヨーレイト(すべり角度)適合制御手順
の一例を示すフローチャートである。
【図7】 力行トルクマップの一例を示す図である。
【図8】 回生トルクマップの一例を示す図である。
【図9】 トルク出力範囲を示す図である。
【図10】 TRC/ABS相当制御手順の一例を示す
フローチャートである。
【図11】 この実施形態におけるスリップ輪の位置及
び個数に応じた制御手法の切り換え及び配分比重の設定
を示す図であり、特に(a)は4個の車輪のうち1個が
スリップしたときを、(b−1)〜(b−3)は2個の
車輪がスリップしたときを、(c)は3個の車輪がスリ
ップしたときを、(d)は4個の車輪がスリップしたと
きを、それぞれ示す図である。
【図12】 車体速検出手順の他の一例を示すフローチ
ャートである。
【図13】 車体速検出手順の他の一例を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
10FR 右前輪、10FL 左前輪、10RR 右後
輪、10RL 左後輪、12FR,12FL,12R
R,12RL モータ、32 バッテリ、34FR,3
4FL,34RR,34RL インバータ、36FR,
36FL,36RR,36RL モータ制御部、38
車両制御部、40FR,40FL,40RR,40RL
回転センサ、V,VFR,VFL,VRR,VRL
車輪速、VS 車体速、Nsilp,Nslip0 ス
リップ輪の個数、TFR,TFL,TRR,TRL ト
ルク指令。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対応するモータの出力トルクにてそれぞ
    れ回転駆動される駆動輪をm個(mは3以上の自然数)
    以上有する電気自動車に搭載され、各モータに対し出力
    トルク値を指令する駆動制御装置において、各駆動輪を
    現在スリップ又はその傾向が生じているか否かによりス
    リップ輪と非スリップ輪とに弁別するスリップ輪検出手
    段と、非スリップ輪が車体の左側及び右側に少なくとも
    1個ずつあるときに、車体に新たなヨー方向モーメント
    が作用しないよう調整を施した上で、各モータに対し出
    力トルク値を指令するm輪駆動制御手段と、を備えるこ
    とを特徴とする駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 対応するモータの出力トルクにてそれぞ
    れ回転駆動される駆動輪をm個(mは3以上の自然数)
    以上有する電気自動車に搭載され、各モータに対し出力
    トルク値を指令する駆動制御装置において、各駆動輪を
    現在スリップ又はその傾向が生じているか否かによりス
    リップ輪と非スリップ輪とに弁別するスリップ輪検出手
    段と、非スリップ輪が車体の左側に1個もないとき及び
    右側に1個もないときに、スリップ輪のスリップ状態に
    応じ調整を施した上で、各モータに対し出力トルク値を
    指令するTRC/ABS相当制御手段と、を備えること
    を特徴とする駆動制御装置。
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