JP2008074194A - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリップが発生して車輪の駆動力が制限されているときであっても、路面摩擦係数を精度良く検出して目標車両挙動を実現する目標駆動力配分を演算する。
【解決手段】本発明は、四輪をそれぞれ独立に駆動する車両において、スリップ状態にある車輪のスリップ率が、路面摩擦係数における路面反力の最大値である最大路面反力に相当するスリップ率に収束するように、スリップ状態にある車輪に伝達する駆動力をフィードバック制御し(S900)、スリップ状態にある車輪に伝達する駆動力がフィードバック制御されるとき、路面摩擦係数において目標車両挙動を実現するように駆動力配分を補正し(S500)、駆動力配分の補正において、フィードバック制御手段によって駆動力が制御される車輪のうち、少なくとも1輪の駆動力を最大路面反力より大きい駆動力に補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の駆動力配分制御装置に関するものである。
左右輪を独立に駆動(あるいは制動)可能な車両において、ヨーレートや車両横方向加速度を所望の応答とする左右輪の駆動力差をフィードフォワードで求めるモデルフォロイング制御が非特許文献1に記載されている。このモデルフォロイング制御では、各輪の舵角、駆動力、横すべり角等が十分小さいという仮定のもとで車両を線形化(線形2輪モデル)し、この線形化した車両モデルの逆モデルを用いてヨーレートや車両横方向加速度を所望の応答となる左右輪の駆動力差を求めている。
金井喜美雄、越智徳昌、川邊武俊著、「ビークル制御」、槇書店、2004年1月20日、第3章3.2節
上記従来の技術によれば、線形近似された車両モデルに対し、所望のヨーレートや車両横方向加速度を得ることができる。しかし、ヨーレートや横方向加速度等を主として生じさせる各輪のタイヤ横力について考えると、駆動力変化に対するこのタイヤ横力の変化は、横すべり角や輪荷重等によって非線形に変化することが知られている。特に各輪の舵角や横すべり角が大きくなる急旋回時には、各輪の舵角や横すべり角を線形近似したことによるモデル誤差が大きくなる。従って、このようにタイヤの非線形性が強くなりモデル誤差が大きくなるような場合には、上記従来の技術で求めた左右輪駆動力差ではヨーレートや車両横方向加速度を所望の応答とすることができず、目標値に対してオーバーシュートや収束の遅れが発生し、ドライバーの操縦性を損ねるおそれがある。
そこで、フィードフォワード制御によって非線形性を考慮して各輪の駆動力を設定することでドライバーの操縦性を向上させることが考えられるが、当該非線形性を考慮する為には各輪の路面摩擦係数等のタイヤの状況を知ることが必要となる。これらタイヤの状況はタイヤのスリップ率などから推定可能であるが、スリップ発生時にはスリップする路面に合わせて各輪の駆動力をスリップが生じない程度の駆動力であってドライバーの操縦性を満たす駆動力に設定することになるので、その後、路面摩擦力が回復してくるとタイヤ横力も回復して、車両挙動(モーメントなど)が変化してしまうが、車輪の駆動力はスリップが生じない程度に制限されているので路面摩擦力の回復を判断することができない。よって、フィードフォワード制御による車両姿勢の安定化が困難になる。
本発明は、スリップが発生して車輪の駆動力が制限されているときであっても、路面摩擦係数を精度良く検出して目標車両挙動を実現する目標駆動力配分を演算することを目的とする。
本発明は、四輪をそれぞれ独立に駆動する車両の駆動力配分制御装置において、車両の前後方向力、横方向力及びヨーモーメントの目標値である目標車両挙動を演算する目標車両挙動演算手段と、目標車両挙動を実現する各輪の駆動力配分を演算する駆動力配分演算手段と、各輪が路面から受ける反力である路面反力を推定する路面反力推定手段と、各輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、各輪の少なくとも1輪がスリップ状態であるか否かを判定するスリップ状態判定手段と、各輪の少なくとも1つがスリップ状態であると判定されたとき、スリップする直前の路面反力に基づいて路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、各輪の少なくとも1つがスリップ状態であると判定されたとき、スリップ状態にある車輪のスリップ率が、路面摩擦係数における路面反力の最大値である最大路面反力に相当するスリップ率に収束するように、スリップ状態にある車輪に伝達する駆動力をフィードバック制御する駆動力フィードバック制御手段と、スリップ状態にある車輪に伝達する駆動力がフィードバック制御されるとき、路面摩擦係数において目標車両挙動を実現するように駆動力配分を補正する駆動力配分補正手段とを備え、駆動力配分補正手段は、フィードバック制御手段によって駆動力が制御される車輪のうち、少なくとも1輪の駆動力は、前記最大路面反力より大きい駆動力に補正し、当該1輪を前記駆動力フィードバック制御手段によって駆動力を制御させる。
本発明によれば、スリップ状態であると判定された車輪のうち少なくとも1輪については最大路面反力より大きい駆動力に設定される。これにより、前述の少なくとも1輪はフィードバック制御手段によって駆動力が制御される状態となるので、目標車両挙動を実現するように駆動力配分を制御した後も継続的に路面摩擦係数を推定することができ、路面摩擦係数の推定精度が向上する。よって、目標車両挙動を実現する駆動力配分を精度良く演算することができ、車両の追従性を向上させることができる。
図1(a)、(b)は駆動力、タイヤ横力及び路面摩擦係数の関係を示すマップである。図1に示すように駆動力とタイヤ横力の関係は路面摩擦係数によって異なるため、駆動力補正量の演算には路面摩擦係数が必要であり、路面摩擦係数を推定する必要がある。
路面摩擦係数を推定する技術としては、例えば特開平6−98418に記載された方法に基づいて車輪が路面から受ける反力を推定し、車輪がスリップした時の路面反力とタイヤ径と輪荷重から推定する技術がある。
上記の路面摩擦係数推定技術を従来の駆動力補正量の演算に用いた場合、推定した路面摩擦係数においてスリップを生じずに目標車両挙動を実現するように駆動力指令値が補正される。
これにより、スリップが抑制され路面摩擦係数の推定ができなくなるため、従来技術においては、路面摩擦係数が増加傾向にあっても、スリップを生じた路面摩擦係数において目標車両挙動を実現する駆動力配分指令値を演算し続ける。その結果、目標車両挙動との誤差が大きくなり、目標車両挙動の実現性が低下するという問題があった。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
(第1実施形態)
図2は、本実施形態の車両の駆動力配分制御装置におけるシステム構成概略図である。車両は、バッテリ9から供給される電力により駆動されるモータ11によって左前輪1を、モータ12によって右前輪2を、モータ13によって左後輪3を、モータ14によって右後輪4をそれぞれ独立に駆動する。
モータ11〜14は三相同期電動機や三相誘導電動機等の力行運転および回生運転ができる交流電動機であり、バッテリ9はニッケル水素電池或いはリチウムイオン電池である。インバータ16〜19はそれぞれモータ11〜14で発電された交流電流を直流電流に変換しバッテリ9に充電するとともに、バッテリ9が放電した直流電流を交流電流に変換しモータ11〜14に供給する。各車輪1〜4の速度はそれぞれ車輪速センサ21〜24によって検出され、検出された各車輪1〜4の回転速度はコントローラ8に送信される。
各車輪1〜4の回転半径はRで全て等しく、各モータ11〜14と各車輪間は減速比1、即ち直接連結されている。
車両の前後方向加速度および横方向加速度は車両重心位置に取り付けられた加速度センサ100によって、車両のヨーレートはヨーレートセンサ101によってそれぞれ検出され、検出された車両の横方向加速度とヨーレートはコントローラ8に送信される。
前輪1、2の舵角は、運転者によるステアリング5の操舵によってステアリングギヤ15を介して機械的に調整される。なお、前輪1、2の舵角変化量はステアリング5の操舵角変化量に対して1/16になるように設定されている。また、ステアリング操舵角変化量と独立して制御できるステアバイワイヤを装備して、各輪の舵角を調整する構成でもよい。
各車輪1〜4の舵角は舵角センサ31〜34によって検出され、検出された各車輪1〜4の舵角はコントローラ8に送信される。
運転者によるステアリング5の回転角はステアリング角センサ25によって、アクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量はアクセルストロークセンサ26およびブレーキストロークセンサ27によってそれぞれ検出され、コントローラ8に送信される。
コントローラ8はCPU、ROM、RAM、インターフェース回路およびインバータ回路等からなり、車輪速センサ21〜24、ステアリング角センサ25、アクセルストロークセンサ26、ブレーキストロークセンサ27、加速度センサ100、ヨーレートセンサ101等で検出した信号を受信し、これらの信号を基にモータ11〜14に対して目標とする駆動力配分を実現するトルク配分制御を行う。
次にコントローラ8で行う制御について図3を参照しながら説明する。図3は、図2の電動車両においてコントローラ8で実行するモータ11〜14へのトルク配分制御を示すフローチャートである。制御演算処理は、微少時間(例えば10ms)毎に繰り返し演算される。
ステップS100(目標車両挙動演算手段)では、アクセル開度と車速とステアリング角から、車両の前後方向力Fx、横方向力Fy、ヨーモーメントMの目標車両挙動を演算する。
ステップS200(駆動力配分演算手段)では、ステップS100で演算した目標車両挙動を実現する各輪の駆動力配分を演算する。
ステップS300(路面反力推定手段)では、ステップS200で演算した駆動力配分における各輪の路面反力を推定する。
ステップS400では、1サンプリング前の演算処理において、下流のステップS1000またはステップS1100で演算したFlagが1であるか否かを判定する。Flagが1であればステップS500へ進み、0であればステップS600へ進む。
ステップS500(駆動力配分補正手段)では、1サンプリング前の演算処理において、下流のステップS800で推定した路面摩擦係数においてステップS100で演算した目標車両挙動を実現するように、ステップS200で演算した駆動力配分の補正量を演算する。
ステップS600(スリップ率演算手段)では、各輪1〜4の車輪速度と、各輪1〜4の車輪速度を基に演算する車速から、各輪1〜4のスリップ率を演算する。
ステップS700(スリップ状態判定手段)では、ステップS600で演算したスリップ率を基に、いずれかの車輪1〜4でスリップ状態になっているか否かを判定する。スリップ状態になっていると判定されるとステップS800へ進み、スリップ状態でないと判定されるとステップS1100へ進む。
ステップS800(路面摩擦係数推定手段)では、ステップS700でスリップ状態と判定された車輪の路面摩擦係数を推定する。
ステップS900(駆動力フィードバック制御手段)では、ステップS700でスリップ状態と判定された車輪に対して、車輪に伝達する駆動力が最大路面反力に相当するスリップ率へ収束するように、駆動力をフィードバック制御する。
ステップS1000では、いずれかの車輪がスリップしたことを示すFlagを1にする。
ステップS1100では、いずれかの車輪がスリップしたことを示すFlagを0にする。
次に、ステップS100の処理について図4のフローチャートを参照しながら説明する。ステップS101では、車輪速センサ21〜24で各輪1〜4の回転速度ω1、ω2、ω3、ω4をそれぞれ検出し、各輪1〜4の半径Rを乗じて各輪1〜4の速度V1、V2、V3、V4(単位:m/S)を得ると共に、車速V(単位:m/S)を式(1)の通り求める。
また、アクセルストロークセンサ26およびブレーキストロークセンサ27によってアクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量AP(単位:%)およびBP(単位:%)をそれぞれ検出し、ステアリング角センサ25によってステアリング5の回転角θ(単位:rad)を検出し、車両の前後方向加速度αx(単位:m/S2)と横方向加速度αy(単位:m/S2)を加速度センサ100で検出し、ヨーレートγ(単位:rad/S)をヨーレートセンサ101で検出し、各車輪1〜4の舵角δ1、δ2、δ3、δ4を舵角センサ31〜34で検出する。VおよびV1〜V4は車両前進方向を正とし、ステアリングの回転角θは反時計回りを正とし、αxは車両が前方に加速する方向を正とし、αyは車両が左旋回時に車両重心位置から旋回中心に向かう方向を正とし、γは車両を鉛直上方からみたときに反時計回りを正とする。
なお、舵角センサ31〜34を持たない車両ではステアリング5の回転角θから各輪1〜4の舵角を求めるようにする。本実施例では前輪1、2の舵角δ1、δ2をδ1=δ2=θ/16とし、後輪3、4の舵角δ3、δ4をδ3=δ4=0とする。このような場合には、コンプライアンスステアやロールステア等、サスペンションの影響を考慮して各輪の舵角を補正できるようにすると尚良い。
ステップS102では、各輪1〜4の横すべり角β1、β2、β3、β4(単位:rad)を推定する。推定方法は、例えば、特開平10-329689号に記載された方法を用い、ステップS101で検出或いは推定した横方向加速度αy、ヨーレートγ、車速V、各輪舵角δiとステアリング角θから車体横すべり角βとβiを推定する。なお、βiの符号は、車輪の前後方向から車輪速度の方向までの角度が鉛直上方から見て反時計回りになっている場合を正とする。
ステップS103では、各輪1〜4の輪荷重W1、W2、W3、W4(単位:N)を式(2)〜式(5)の通り求める。
ただし、Lfは車両重心位置から前輪車軸までの距離(単位:m)、Lrは車両重心位置から後輪車軸までの距離(単位:m)、Ltは前後輪のトレッド長さ(単位:m)、Llはホイールベース長さ(単位:m)でLl=(Lf+Lr)、hは車両重心の高さ(単位:m)、mは車両の質量(単位:kg)、gは重力加速度(単位:m/S2)である。
ステップS104では車両前後方向力の静的目標値Fx *を、アクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量APおよびBPと車両速度Vに基づいて式(6)の通り求める。
式(6)中のFax *はアクセルペダル6の踏込量APおよび車速Vに基づいて目標駆動力マップを参照したものであり、またFbx *はブレーキペダル7の踏込量BPに基づいて目標制動力マップを参照した値である。なお、目標駆動力マップおよび目標制動力マップは例えばそれぞれ図5および図6のように設定される。また、Fx *、Fax *、Fbx *は何れも車両を前方に加速させる向きを正とする。
ステップS105では、ステップS104で設定したFx *とステアリング5の回転角θと車両速度Vに基づいて車両横方向力の静的目標値Fy *を目標車両横方向力マップを参照して設定する。また、ヨーレートの静的目標値γ*を、目標ヨーレートマップを参照して設定する。
この目標車両横方向力マップおよび目標ヨーレートマップは、例えばそれぞれ図7および図8のように設定されるマップであり、これら2つのマップの設定方法は後述するステップS200の駆動力配分演算にて説明する。
ステップS106では、ステップS105で演算したヨーレートの静的目標値γ*を微分し、車両のヨー慣性モーメントI(単位:kg・m2)を乗じることによってヨーモーメントの静的目標値M*を演算する。
次にステップS200の処理について説明する。ステップS200では、各輪の駆動力配分Fx1 *、Fx2 *、Fx3 *、Fx4 *をθ、V、Fx *に基づいて駆動力配分マップを参照して設定する。この駆動力配分マップは、例えば図9のように設定される。
ここで、この駆動力配分マップと、ステップS105で用いた目標車両横方向力マップおよび目標ヨーレートマップの求め方について説明する。尚、本実施例では走行する路面の摩擦係数を1.0に固定し、車輪に配分する駆動力を輪荷重比で配分する例を挙げて説明する。
最初に、ステアリング5の角度をθ’、車両前後方向力をFx’としてシミュレーション或いは実験によって車両を走行させる。
次に、走行時の車両横方向力による輪荷重W1、W2、W3、W4の変化に応じて各輪に配分する駆動力を収束演算する。十分時間が経過して車速V’が一定(定常状態)になったときの各輪の駆動力Fxi’、車両横方向力Fy’及びヨーレートγ’を求める。
最後に、今シミュレーション或いは実験を行った時のθ、V’、Fx’に対応したFxi’、Fy’、γ’を駆動力配分マップ、目標車両横方向マップ、目標ヨーレートマップに設定していく。
次にステップS300の処理について説明する。路面反力の推定は、例えば、特開平6−98418号に記載された方法を用いて、各輪1〜4が路面から受ける反力を推定する。路面反力推定方法の詳細については省略する。
次にステップS500の処理について図10及び図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS501では、1サンプリング前の演算処理のステップS800において推定した路面摩擦係数、及びステップS900において車輪に伝達する駆動力が最大路面反力に相当するスリップ率に収束するように制御した駆動力を読み込む。
ステップS502では、1サンプリング前の演算処理のステップS700でスリップ状態と判定された車輪が2輪以上か否かを判断する。1輪である場合はステップS503へ、2輪以上である場合は図11に示す処理2の演算を行う。
ステップS503では、ステップS501で読み込んだ路面摩擦係数推定値において、スリップが発生した車輪の駆動力をステップS900で制御した駆動力とし、他の3輪の駆動力をステップS200で演算した駆動力とした時に実現する車両前後方向力Fx #、車両横方向力Fy #、ヨーモーメントM#を推定する。推定方法について以降説明する。
なお、本実施形態では、左前輪1にスリップが発生し、ステップS200でFx1 *と演算された駆動力が、1サンプリング前の演算処理のステップS900で最大路面反力に相当する駆動力Fx1_cに制御された場合について説明する。
車両前後方向力Fx #、車両横方向力Fy #、ヨーモーメントM#の推定は式(7)〜式(9)の通り求める。
なお、Fy1_C、Fy2、Fy3、Fy4は、現在の車両状態において、Fx1_C、Fx2、Fx3、Fx4が各輪に加わった時に発生するタイヤ横力で、各輪の現在の横すべり角βiに基づいて駆動力とタイヤ横力との関係を表すタイヤ特性マップから設定する。各輪ともこのタイヤ特性マップは共通であり、図1のように設定される。タイヤ特性マップは路面摩擦係数によって特性が図1(a)、(b)に示すように異なり、ステップS501で読み込んだ路面摩擦係数推定値に基づいて、駆動力とタイヤ横力との関係を表すタイヤ特性マップからFyiを設定する。
ステップS504では、Fx *、Fy *、M*とFx #、Fy #、M#との誤差ΔFx、ΔFy、ΔMを式(10)〜式(12)の通り求める。
ステップS505では、ΔFx、ΔFy、ΔMを補正するΔFx1、ΔFx2、ΔFx3、ΔFx4を求める。まず各車輪1〜4で発生する駆動力とタイヤ横力の合力(タイヤ力)の車両前後方向成分Fx’および車両横方向成分Fy’を考える。すると図12に示すように各輪1〜4の舵角をδi(i=1〜4)だけ切った場合におけるFx’とFy’は式(13)および式(14)の通り表される。ただし、Fx’は車両を前方に加速する方向を、Fy’は車両を左方向に加速させる方向をそれぞれ正とする。
従って、各車輪1〜4の駆動力がΔFxiだけ変化したときのタイヤ横力変化量をΔFyiとすると、各車輪の駆動力がΔFxiだけ変化したときのFxi’ Fyi’の変化量ΔFxi’、ΔFyi’は式(15)および式(16)の通り表される。
ここで更に、駆動力とタイヤ横力の関係は図13に示す関係にある。図13は輪荷重と路面摩擦係数に変化が無いとした時の駆動力とタイヤ横力の関係を表した図で、駆動力を横軸に、タイヤ横力を縦軸にとっている。この図13の関係を利用して、各輪1〜4の現在の駆動力Fxiとタイヤ横力Fyiにおける、駆動力変化ΔFxiに対するタイヤ横力の感度をki(i=1〜4)とおく。即ち、kiは図13に示すようにΔFxiおよびΔFyiが微小の時の式(17)の値である。
するとΔFxiおよびΔFyiが微小で、この式(17)の近似が十分成り立つとすると、ΔFyi=kiΔFxiとおけるので、各輪の駆動力Fxiが十分微小なΔFxiだけ変化した時のFxi’、Fyi’の変化量ΔFxi’、ΔFyi’は式(18)および式(19)の通り表される。
ここで、図14の状態において、タイヤ力の総和の車両前後方向成分Fxと、タイヤ力の総和の車両横方向成分Fyと、各輪1〜4のタイヤ力によって発生する車両重心周りのヨーモーメントの総和Mは式(20)〜(22)の通り表すことができる。ただし、Mは車両を鉛直上方からみたときに反時計回りを正とする。
従って、各輪の制駆動力FxiがそれぞれΔFxiだけ変化したときのFx、Fy、Mの変化量ΔFx、ΔFy、ΔMは式(18)および式(19)のpi、qiを用いて、式(23)〜(25)の通り表される。
式(23)〜(25)をまとめると式(26)の通り表すことができる。
ΔFx1を既知と仮定してΔFx2、ΔFx3、ΔFx4について解くと、ΔFx2、ΔFx3、ΔFx4は式(27)の通り表される。
ただし、
従って式(27)より、D1≠0の場合には、現在の動作点周りでFx、Fy、MをそれぞれΔFx、ΔFy、ΔMだけ変化させる各輪の駆動力変化量ΔFxiは、χを任意定数として式(32)の通り求めることが出来る。
同様にしてΔFx2、ΔFx3、ΔFx4の何れか一つを既知と仮定して式(26)を解くと、D2≠0、D3≠0、D4≠0それぞれの場合に現在の動作点周りでFx、Fy、MをそれぞれΔFx、ΔFy、ΔMだけ変化させる各輪の駆動力変化量ΔFxiを求める式が得られる。例としてΔFx4を既知として式(26)を解くと、式(33)の通りとなる。
式(32)や式(33)の任意定数χを決定することで、各輪の補正量ΔFx1、ΔFx2、ΔFx3、ΔFx4を演算することができる。
ここで、最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪については、最大路面反力に相当する駆動力を出力しているものとして、他の車輪の補正量を演算してもよい。本実施形態では左前輪1にスリップが発生した場合について説明しているので、ΔFx1の値を0として式(32)や式(33)の任意定数χを演算すると、式(32)を用いた場合、任意定数χは式(34)の通り演算され、また式(33)を用いた場合、式(35)の通り演算される。
演算した任意定数χで、各輪の補正量ΔFxiを演算する。
ステップS506では、ステップS505で演算した駆動力補正量ΔFxiをステップS200で演算した駆動力配分の各輪駆動力Fxi *に加算し、式(36)の通りFxi #を演算する。
ステップS507では、ステップS506で演算した駆動力を各輪に指令する。ただし、駆動力をFx1_cに制限した車輪については、ステップS200で演算した駆動力を再び指令する。
すなわち、最大路面反力より大きな駆動力を再び指令することで、路面摩擦係数が増加傾向にある場合においても、下流のステップS800で継続的な路面摩擦係数の推定を可能とし、目標車両挙動を実現する駆動力配分を実際の路面摩擦係数に応じて精度良く演算することができる。
次に、ステップS502でスリップした車輪が2輪以上であると判断された場合の演算処理2について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS511では、スリップした車輪の数N(N≧2)の回数分繰り返し演算を行うための初期値loopに1を与える。
ステップS512では、ステップS501で読み込んだ路面摩擦係数推定値において、スリップした車輪のうち1輪を選択して最大路面反力に相当する駆動力とし、その他3輪をステップS200で演算した駆動力とした場合に実現する車両前後方向力Fx #、車両横方向力Fy #、ヨーモーメントM#を推定する。
ステップS513〜S515は図10のステップS504〜S506と同一の処理を行うので説明を省略する。
ステップS516では、初期値loopがNであるか否かを判定する。初期値loopがNであればステップS518へ進み、初期値loopがNでなければステップS517へ進んで初期値loopに1を加算してステップS512へ戻る。
このようにしてステップS512からステップS515までの処理を、スリップした車輪の数であるN回演算する。ただし、ステップS512において選択される、最大路面反力に相当する駆動力とする1輪は、演算ごとに変更される。
すなわち、右前輪2と左前輪1がスリップした場合について例を挙げると、一回目の演算では右前輪2の駆動力を最大路面反力に相当する駆動力とし、他3輪をステップS200で演算した駆動力とした場合に実現する車両前後方向力Fx #、車両横方向力Fy #、ヨーモーメントM#を推定する。二回目の演算では、左前輪1の駆動力を最大路面反力に相当する駆動力とし、他3輪をステップS200で演算した駆動力とした場合に実現する車両前後方向力Fx #、車両横方向力Fy #、ヨーモーメントM#を推定するということになる。ここで、ステップS512において選択される、最大路面反力に相当する駆動力とする1輪は、どのような順番で選択してもよい。
ステップS518では、目標車両挙動を実現する駆動力補正は可能か否かを判定する。判定方法は、ステップS515で演算したFxi#の内、スリップした車輪に対応する駆動力が最大路面反力以下か否かを判定する。
ステップS800で推定した路面摩擦係数において、各輪の駆動力が最大路面反力以下で目標車両挙動を実現する駆動力配分が存在すれば、ステップS519へ進み、各輪の駆動力が最大路面反力以下で目標車両挙動を実現する駆動力配分が存在しない場合は、ΔFx、ΔFy、ΔMを補正する駆動力配分が存在しないと判定し、ステップS520以降の処理へ進む。
ステップS519では、ステップS515で演算した駆動力を各輪に指令する。ここで、目標車両挙動を実現する駆動力配分が1つだけ存在する場合は、その駆動力配分を各輪に指令する。ただし、スリップした車輪の内、ステップS515で最大路面反力に相当する駆動力を出力するとして演算した車輪の駆動力は、ステップS200で演算した駆動力を再び指令する。
目標車両挙動を実現する駆動力配分が2つ以上存在する場合は、いずれの駆動力配分を各輪に指令してもよいが、ステップS515で最大路面反力に相当する駆動力を出力するとして演算した車輪の駆動力は、ステップS200で演算した駆動力を再び指令する。
また、目標車両挙動を実現する駆動力配分が2つ以上存在する場合、最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪は、駆動力を補正した場合に、最大路面反力より大きな駆動力と制限した駆動力との差が最小となる車輪とする構成としてもよい。
例えば、Fx1 #とFx2 #がFx1_cとFx2_cに制御された場合、ステップS515で演算した駆動力Fxi#が以下の<1>、<2>に示すように2つ存在した場合について説明する。
<1>Fx1 #、Fx2 #、Fx3 #、Fx4 # (ただし、Fx1 #=Fx1_c、かつFx2 #<Fx2_c)
<2>Fx1 #、Fx2 #、Fx3 #、Fx4 # (ただし、Fx1 #<Fx1_c、かつFx2 #=Fx2_c)
<1>の配分におけるFx2_cとFx2 #との差と<2>の配分におけるFx1_cとFx1 #との差を比較し、差が小さい方の車輪を最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪とする。他の車輪の駆動力配分は、最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪が、最大路面反力に相当する駆動力を出力している配分を選択する。
上記の例で言えば、Fx2_cとFx2 #の差がFx1_cとFx1 #の差より小さかった場合、選択される駆動力配分は<2>で、且つFx2 #をステップS200で演算した駆動力Fx2を指令する。
ここで、上記制御を図15を参照しながらさらに詳しく説明する。図15に示す実線の矢印は、各輪に配分した駆動力の大きさ、また点線は最大路面反力に相当する駆動力を示している。図15(a)では、前輪2輪の実線が点線を超えており、この駆動力配分では前輪2輪にスリップを生じることとなる。この場合を例に挙げて説明する。
目標車両挙動Fx *、Fy *、M*を実現するように、スリップ発生以前の駆動力配分の補正量を演算する際、最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪は、最大路面反力に相当する駆動力を出力しているとして、他の車輪の補正量を演算するが、この演算方法は、図15(b)に示すように、左前輪1が最大路面反力に相当する駆動力を出力しているとして各輪の駆動力を補正する方法と、図15(c)に示すように、右前輪2が最大路面反力に相当する駆動力を出力しているとして各輪の駆動力を補正する方法との2通り存在する。
ここで、スリップした前輪2輪の内、最大路面反力に相当する駆動力を出力していない車輪の駆動力とその車輪の最大路面反力との差に注目する。すなわち、図15(b)に示す演算における右前輪の駆動力と最大路面反力に相当する駆動力との差ΔFxA、および図15(c)に示す演算における左前輪1の駆動力と最大路面反力に相当する駆動力との差ΔFxBに注目する。
ΔFxAとΔFxBを比較するとΔFxAの方が小さい。つまり、図15(b)に示す演算の結果で駆動力配分を補正すると、補正をした後の走行状態において、右前輪2の駆動力が再び最大路面反力を超えてスリップが生じる可能性が高くなり、目標車両挙動への追従性が悪化する可能性がある。
従って、図15(c)に示す演算の結果、すなわち最大路面反力に相当する駆動力と車輪の駆動力との差が小さい右前輪2に最大路面反力より大きな駆動力を指令し、タイヤに余裕代のある車輪で駆動力を補正することで、駆動力補正後にスリップが生じる車輪を最小限にすることができ、目標車両挙動への追従性をより確保することができる。
一方、ステップS518において目標車両挙動を実現する駆動力補正は不可能であると判定されると、ステップS520へ進んでステップS515で演算した複数ある駆動力配分の内、車両挙動が目標値に最も近くなる駆動力配分を演算する。
また、推定した路面摩擦係数において、目標車両挙動を実現するように駆動力配分を補正できない場合、推定した路面摩擦係数において実現可能な目標車両挙動に変更するようにしてもよい。
変更する手段の一例としては、図5の目標駆動力マップ、図7の目標車両横方向力マップ、図8の目標ヨーレートマップ、図9の駆動力配分マップを路面摩擦係数ごとに用意し、路面摩擦係数に応じで各マップを切り替えることで実現できる。
新たな目標駆動力Fx **と車両横方向力の目標値Fy **とヨーレート目標値γ**を実現する各輪の駆動力配分はステップS200と同じ処理によって演算する。
ステップS521では、ステップS501で読み込んだ路面摩擦係数推定値において、スリップした車輪のうち1輪を最大路面反力に相当する駆動力とし、その他の3輪をステップS520で演算した駆動力を出力した場合に実現する車両前後方向力Fx ##、車両横方向力Fy ##、ヨーモーメントM##を推定する。演算処理は上述のステップS512と同一である。
ステップS522では、Fx **、Fy **、M**とFx ##、Fy ##、M##との誤差ΔFx#、ΔFy#、ΔM#を求め、ΔFx#、ΔFy#、ΔM#を補正するΔFx1 #、ΔFx2 #、ΔFx3 #、ΔFx4 #を演算する。さらにステップS520で演算した駆動力配分の各輪駆動力にΔFxi #を加算し、各輪の駆動力Fxi ##を演算する。演算処理は上述のステップS513からS515と同一である。
ステップS523では、ステップS522で演算した駆動力を各輪の駆動力として指定する。ただし、ステップS522で最大路面反力に相当する駆動力を出力するとして演算した車輪の駆動力は、ステップS200で演算した駆動力を再び指定する。
次にステップS600の処理について説明する。各輪のスリップ率λiの演算は、式(37)〜式(40)の通り求める。
次にステップS700の処理について説明する。ステップS600で演算したスリップ率λiを基に車輪がスリップ状態か否かを判定する。判定は例えばスリップ判定閾値λ_Sを設け、各輪のスリップ率λiが閾値λ_Sを超えた場合にスリップ状態と判定する。本実施形態においては閾値λ_Sを路面反力が最大となるスリップ率λiとし、路面摩擦係数に応じて変化するものとする。
次にステップS800の処理について説明する。路面摩擦係数の推定には、ステップS300で推定したスリップ直前の路面反力推定値とステップS103で演算した輪荷重W1、W2、W3、W4から式(41)の通り求める。
ただし、μは路面摩擦係数推定値(単位:なし)、Fi’はスリップした車輪におけるスリップ直前の路面反力推定値(単位:N)、Wiはスリップした車輪におけるスリップ直前の輪荷重(単位:N)である。
また、スリップ率λiから例えば図16に示すスリップ率と路面反力の関係を表すマップを用いて、スリップする直前のスリップ率λiと路面反力推定値から推定することも可能である。図16のマップは次のようにしてシミュレーション或いは実験的に求められる。
まず、各輪1〜4で用いられているタイヤの横すべり角を0°にし、駆動力を0から徐々に増やしていく。その時のスリップ率λiと路面反力の関係を路面摩擦係数ごとに演算すればよい。
次にステップS900の処理について説明する。ステップS900では、スリップ状態の車輪の駆動力が最大路面反力に相当するスリップ率λiに収束するように駆動力を制御する。最大路面反力に相当するスリップ率λiはステップS700で設定した閾値λ_Sとする。
スリップ発生時に駆動力をフィードバック制御する公知技術は、トラクションコントロールシステム(以下、TCS)等が挙げられ、本実施形態では駆動力フィードバック制御手段をTCSとする。尚、TCSの詳細な制御手法の説明については、本実施形態では省略する。
以上のように本実施形態では、スリップ状態であると判定された車輪のうち少なくとも1輪についてはステップS200において演算された駆動力に設定される、すなわち最大路面反力より大きい駆動力に設定される。これにより、前述の少なくとも1輪はスリップ状態となるので、目標車両挙動を実現するように駆動力配分を制御した後も継続的に路面摩擦係数を推定することができ、路面摩擦係数の推定精度が向上する。よって、目標車両挙動を実現する駆動力配分を精度良く演算することができ、車両の追従性を向上させることができる。
また、最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪については、最大路面反力に相当する駆動力を出力しているものとして、他の車輪の駆動力補正量ΔFxiを演算するので、車輪の回転速度からスリップした車輪の路面反力を推定しなくても、路面反力を精度良く推定することができる。
さらに、目標車両挙動を実現する駆動力配分が2つ以上存在する場合、最大路面反力より大きな駆動力を指令する車輪は、駆動力を補正した場合に、最大路面反力より大きな駆動力と制限した駆動力との差が最小となる車輪とするので、この車輪に最大路面反力より大きな駆動力を指令し、タイヤに余裕代のある車輪で駆動力を補正することで、駆動力補正後にスリップが生じる車輪を最小限にすることができ、目標車両挙動への追従性をさらに向上させることができる。
さらに、推定した路面摩擦係数において、目標車両挙動を実現するように駆動力配分を補正できない場合、推定した路面摩擦係数において実現可能な目標車両挙動に変更するので、駆動力配分を補正できない場合でも実現可能な車両挙動を新たな目標値として、その目標車両挙動への追従性を確保することができる。また、実現可能な目標車両挙動に変更することで、ステップS500において各輪にスリップが生じない駆動力を演算するが、少なくとも一輪においてはステップS200で演算した、最大路面反力より大きな駆動力を指令するので、路面摩擦係数の推定は継続され、目標車両挙動を実現する駆動力配分を実際の路面摩擦係数に応じて精度良く演算することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
駆動力、タイヤ横力及び路面摩擦係数の関係を示すマップである。 本実施形態における車両の駆動力配分制御装置の構成を示すシステム構成概略図である。 本実施形態における車両の駆動力配分制御装置の制御を示すフローチャートである。 目標車両挙動の演算制御を示すフローチャートである。 目標駆動力マップである。 目標制動力マップである。 目標車両横方向マップである。 目標ヨーレートマップである。 静的駆動力配分マップである。 駆動力配分補正量演算制御を示すフローチャートである。 駆動力配分補正量演算制御の処理2を示すフローチャートである。 駆動力とタイヤ横力の関係を示す模式図である。 駆動力、タイヤ横力及び滑り角の関係を示すマップである。 各輪の駆動力、タイヤ横力及び舵角の関係を示す模式図である。 各輪における駆動力と路面反力との関係を示す模式図である。 スリップ率、路面反力及び路面摩擦係数の関係を示すマップである。
符号の説明
1 左前輪
2 右前輪
3 左後輪
4 右後輪
8 コントローラ
11 モータ
12 モータ
13 モータ
14 モータ

Claims (4)

  1. 四輪をそれぞれ独立に駆動する車両の駆動力配分制御装置において、
    前記車両の前後方向力、横方向力及びヨーモーメントの目標値である目標車両挙動を演算する目標車両挙動演算手段と、
    前記目標車両挙動を実現する各輪の駆動力配分を演算する駆動力配分演算手段と、
    前記各輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、
    前記各輪の少なくとも1輪がスリップ状態であるか否かを判定するスリップ状態判定手段と、
    前記各輪の少なくとも1つがスリップ状態であると判定されたとき、スリップする直前の前記路面反力に基づいて路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、
    前記各輪の少なくとも1つがスリップ状態であると判定されたとき、スリップ状態にある車輪のスリップ率が、前記路面摩擦係数における前記路面反力の最大値である最大路面反力に相当するスリップ率に収束するように、前記スリップ状態にある車輪に伝達する駆動力をフィードバック制御する駆動力フィードバック制御手段と、
    前記スリップ状態にある車輪に伝達する駆動力がフィードバック制御されるとき、前記路面摩擦係数において前記目標車両挙動を実現するように前記駆動力配分を補正する駆動力配分補正手段と、
    を備え、
    前記駆動力配分補正手段は、少なくとも1輪の駆動力は、前記最大路面反力より大きい駆動力に補正し、当該1輪を前記駆動力フィードバック制御手段によって駆動力を制御させることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  2. 前記駆動力配分補正手段は、前記駆動力フィードバック制御手段によって駆動力が制御される車輪に伝達される駆動力が前記最大路面反力に相当する駆動力であるとみなして、前記駆動力フィードバック制御手段によって駆動力が制御される車輪以外の車輪の駆動力配分を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  3. 前記スリップ状態判定手段によってスリップ状態であると判定された車輪が2輪以上である場合、前記駆動力配分補正手段によって前記駆動力配分演算手段で演算された駆動力に補正される車輪は、前記最大路面反力に相当する駆動力と前記駆動力配分演算手段によって演算された駆動力との差が最小となる車輪であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  4. 前記スリップ状態判定手段によってスリップ状態であると判定された車輪が2輪以上であって、前記駆動力配分補正手段が前記路面摩擦係数において前記目標車両挙動を実現するように前記駆動力配分を補正できない場合、前記目標車両挙動演算手段は、前記目標車両挙動を前記路面摩擦係数において実現できる目標車両挙動に変更することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の車両の駆動力配分制御装置。
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