JPH10291373A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JPH10291373A
JPH10291373A JP10042243A JP4224398A JPH10291373A JP H10291373 A JPH10291373 A JP H10291373A JP 10042243 A JP10042243 A JP 10042243A JP 4224398 A JP4224398 A JP 4224398A JP H10291373 A JPH10291373 A JP H10291373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
recording medium
layer
optical recording
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10042243A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kanno
敏之 管野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP10042243A priority Critical patent/JPH10291373A/ja
Publication of JPH10291373A publication Critical patent/JPH10291373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】波長500〜700nmの短波長レーザ−光に
対して充分な感度および信頼性を有した高密度記録が可
能な光記録媒体を得る。 【解決手段】透光性を有する基体1上に下記一般式
(1)のシアニン系色素を主成分とした有機色素薄膜記
録層2および金属反射層3を設ける。 【化1】〔R1,R2は不飽和結合を有する炭素数3〜1
8の置換基を示し、(Y1n,(Y2mはシアニン系色
素分子内で相互に非対称の構造を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は短波長レーザ光によ
り高密度記録及び再生を行う光記録媒体に係り、特に短
波長レーザ光により光反射率の変化する有機色素薄膜を
用い、スポット光を小さくして情報を高密度化記録、再
生することが可能な感度、信頼性等に優れるDVDに準
拠したライトワンス型の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】記録可能な光情報記録媒体は広く普及し
ている。光記録媒体は書き込み(記録)ないし読み出し
(再生)ヘッドが非接触であるので、記録媒体が摩耗劣
化しないという特長を持ち、光ビームのスポット径をよ
り微少なものにすることにより、大容量情報担体として
注目され開発が進められている。
【0003】例えば記録層にレーザ光ビームを集光さ
せ、熱エネルギーに変換し融解・分解・除去等によっ
て、記録膜の性状を変えて変形層ピットを形成すること
により記録を行い、未記録部分との反射光量の変化によ
って再生を行うことができる。記録層としてはテルル系
に代表されるカルコゲナイド型の金属膜が当初実用化さ
れていたが有害であること、膜形成が乾式法であるこ
と、より高密度化にする必要性とより製造コストを安価
にする必要等から、テルル系に替わり、有機色素を主成
分とした記録層を用いる媒体についての提案や報告が増
えてきた。その理由は金属に比べて反射率は低いが、
(1)記録層をスピンコート法に代表される湿式法で薄
膜形成ができること、(2)耐酸化性に優れ腐食されな
いこと、(3)熱伝導性が低いので金属記録層に比し
て、熱の影響を周辺部に及ぼすことがなく局部的な加熱
ができること、(4)高感度化が図れる等の多くの優れ
た性質を備えていることによる。
【0004】構造的には従来、汎用されている色素膜か
らなる記録層上に空気層を設けた所謂エアーサンドイッ
チ構造、CD規格に対応した再生信号を得ることが可能
な光情報記録媒体等が提案されている。これらは特公平
3−759343号公報,特開平2−87341号公
報,特開平5−67352号公報等および日経エレクト
ロニクスNO.469,p107,1月23日号1989に記載されてい
る。
【0005】CD規格に準拠した光記録ディスクとして
は透光性樹脂基板上に、有機色素からなる光吸収層を形
成し、この上に有機色素膜だけでは65% 以上の高い反
射率を得ることはできないために直接または硬質層を介
してAuに代表される光反射層を形成し、この上に樹脂
保護層を形成したものが知られている。このディスクは
レーザ光を照射すると有機色素層が光を吸収して、融解
ないし分解するとともに基板を軟化して色素と基板とが
界面で混ざり合い最終的に界面が変形した記録ピットが
形成される。このようにして形成された変形層ピットで
は、CDと同様に光位相差により光反射率が変化し読み
出しができる。
【0006】これらに用いられる有機色素はスクワリリ
ウム色素(特開昭56−46221号開報,特開昭63
−218398号公報,特開平1−178494号公
報,特開平5−139047号公報,特開平7−449
04号公報),ナフトキノン系色素(特開昭61−29
0092号公報,特開昭62−432号公報,特開昭6
3−168201号公報,特開平1−139047号公
報),アゾ系色素(特開平7−161069号公報,特
開平7−251567号公報,特開平8−99467号
公報),フタロシアニン系色素(特開昭57−8209
4号公報,特開昭57−82095号公報,特開平7−
156550号公報,特開平7−16068号公報,特
開平7−52544号公報),および下記一般式(II
I)で表されるシアニン系色素(特開昭59−2469
2号公報,特開平6−199045号公報,特開平7−
262611号公報,特開平6−338059号公報,
特開平6−320869号公報,特開平2−87341
号公報,特開昭62−201288号公報,特公平7−
4981号公報等)が知られている。
【0007】
【化2】
【0008】〔一般式(III)においてS1,S2はそれ
ぞれアルキル基,アリール基またはアルコキシル基であ
り、W1,W2はそれぞれハロゲン原子,水素原子,アル
キル基,アルコキシル基,アリール基,アルコキシスル
ホニル基,スルホニルアルキル基,シアノ基を表し、Z
1,Z2はそれぞれ硫黄原子,酸素原子,セレン原子また
はエチレン等を表す。〕 上述の色素のうち感度、S/N比,C/N比、熱的性質
または薄膜化容易性等の点から一般式(III)に示すシ
アニン系色素が主として用いられる。一般に半導体レ−
ザ波長から780nm〜830nm付近に吸収と反射率を持
つ色素で、特にCDに準拠させるために分子構造の中央
のメチレン鎖数は2(一般式(III)においてqは2)
が一般的である。しかしながらメチレン鎖数2のシアニ
ン系色素は短波長レーザには対応することができない。
さらに一般式(III)に示すシアニン系色素は再生劣
化、膜の長期安定性およびジッター成分等に問題がある
とされている。上記の原因は長時間にわたる読み出し光
による露光により記録層に熱蓄積が起こり色素そのもの
が劣化退色するためと、読みだし光の吸収率により変形
層ピット部と無記録部分を判別すべき記録層の境界面に
おいて、徐々に溶融ないし熱変形が起こるためであり、
さらに同様の熱蓄積により変形層ピットの輪郭のくずれ
等が重なって生じるためである。このようにしてC/N
比の低下やジッタ−成分の上昇が起こる。自然光と酸素
等によるシアニン系色素の劣化も色素の吸収率変化の原
因であり、また酸素,水分等による色素同士の会合、凝
集等も吸収率変化とノイズ発生の原因と思われる。この
問題を解決すべく従来から種々提案がなされている。例
えば特開昭62−201288号公報,特開昭62−2
01289号公報,特開昭57−66541号公報,特
開昭59−124894号公報,特開昭59−2032
47号公報,特開昭62−133173号公報,特開昭
63−198096号公報,特開昭59−21339号
公報,特開昭57−11090号公報,特開昭60−4
4389号公報,特開昭60−71296号公報,特開
昭63−1594号公報,特開昭57−11090号公
報,特開平5−38879号公報,特開平7−2626
11号公報,特開平7−4981号公報等にその開示が
みられる。しかしながら、いまだに充分な解決に至って
はいない。
【0009】一方高密度光メモリとしてDVDに準拠し
た記録密度の高い光ディスクの開発が進められている。
スポット径は波長(λ)/対物レンズの開口数(N)で
表されることから半導体レーザの波長は現行のCD用よ
り短くして600〜680nm前後とする方法、さらに
SHG素子等を利用して光の波長を短くして、レーザ回
折限界まで対物レンズで絞り込んでビームスポット径を
小さくして記録密度を高める方法等があり、この方式に
対応した記録媒体が要求されている。
【0010】さらに一般式(III)に代表されるCD対
応のシアニン系色素の改良として短波長用シアニン系色
素の提案がされている(特開平6−199045号公
報,特開平7−186530号公報,特開平8−306
074号公報,特開平5−38879号公報,特開平6
−40162号公報等)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら目的の波
長に対応した感度や膜の安定性(信頼性)が得られず高
密度化の際に隣り合ったピット同士の熱干渉等によって
再生信号に含まれるジッター成分が増大するなどの多く
の問題が解決されていない。この発明は上述の点に鑑み
てなされその目的は、波長500〜700nmの短波長
半導体レーザ光に高感度である上に化学的、光化学的、
物理的、熱的安定性が良好なシアニン系有機色素を主成
分とした記録膜を見い出すことにより、記録密度が高い
上にジッター成分が低く長期信頼性にも優れるDVD規
格対応の光記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために種々のシアニン系色素につき鋭意研究した
結果、シアニン系色素の二つのインドール核を結合する
メチレン基の鎖数が1であり、インドール核の窒素原子
に結合する置換基が不飽和基を有すること、およびイン
ドール核の二つのベンゼン環に結合する置換基または残
基の示す分子対称性が前記特性を左右することを見い出
し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0013】上述の目的は第一の発明によれば記録層
と、金属反射層と、グルーブのある主面上に前記記録層
と金属反射層を積層して支持する光透過性の基体とを主
として用いて形成される光記録媒体において、記録層は
下記一般式(I)で示されるシアニン系色素の少なくと
も一つを主成分とし、短波長レーザ光に対応可能な有機
色素薄膜であるとすることにより達成される。
【0014】
【化3】
【0015】〔一般式(I)において、X-はヨウ化物
イオン,臭化物イオン,過塩素酸イオン,フッ化ホウ素
酸イオン,テトラフルオロリン酸イオン,テトラフルオ
ロアンチモン酸イオン,メチル硫酸イオン,またはメチ
ルベンゼンスルホン酸イオンを示し、R1,R2は不飽和
結合を有する炭素数3〜18の置換基を示し、Y1,Y2
は水素原子,アルキル基,アリール基,アルコキシル
基,ハロゲン原子,ニトロ基,アルコキシカルボニル
基,スルホニルアルキル基,シアノ基等の置換基を表
し、ヒドロキシル基,カルボキシル基,−OCF3基,
−R3OH基,−R3COOR4基,−CH=CHCN
基,−COOR4基,−R3COOH基,−COR3
(これらにおいてR3は炭素数1〜9のアルキレン基,
4は炭素数1〜9のアルキル基)またはベンゼン環と
縮合して置換されてもよいナフタレン環を形成する残基
であり、n,mは1〜4の整数、(Y1n ,(Y2m
はシアニン系色素分子内で相互に非対称の構造を示
す。〕 第一の発明において一般式(I)で示されるシアニン系
色素が2種以上の複合系であること、第一と第二の発明
において記録層中に酸素クエンチャーが、1%以上含有
されること、第一ないし第三の発明において金属反射層
は高融点であり、光反射率が短波長レーザ光に対して5
5%以上であるAl,Au,Ag,Cu,Ni,Ti またはカルコゲナイ
ド系金属の群の中から選ばれる単独または合金からなる
金属の薄膜であること、第一ないし第四の発明において
基体上に記録層と金属反射層を順次積層しさらに保護層
を積層した一面型であること、第一ないし第四の発明に
おいてグルーブ形成された基体上に記録層と金属反射層
を順次積層し、さらに保護層を積層した一面型の基体
と、無グルーブ基体とを接着剤で貼り合せてなる一面型
であること、第一ないし第四の発明において基体上に記
録層と金属反射層を順次積層しさらに保護層を積層した
一面型の二つを保護層を介して貼り合わせた貼着型であ
ること、第一なし第四の発明において基板である基体の
二つの主面にグルーブが形成されるとともに前記主面上
に記録層と金属反射層を順次積層しさらに保護層を積層
した両面型であることが有効である。
【0016】一般式(I)のシアニン系色素に示すよう
にメチレン基の鎖数が1であり、インドール核の窒素原
子に不飽和結合を有する炭素数3〜18の置換基R1
2が結合し、さらにインドール核の二つのベンゼン環
に結合する置換基または残基が相互に非対称性を示す場
合にはシアニン系色素は短波長(500〜700nm)
に高感度であり、化学的、光化学的、物理的、熱的安定
性が良好となる。
【0017】酸素クエンチャーは紫外線およびレーザ光
等によるシアニン系色素の劣化を防止しシアニン系色素
の光安定性を向上させる。金属反射層がAl,Au,Ag,Cu,N
i,Tiまたはカルコゲナイド系金属の群の中から選ばれる
単独または合金からなる金属の薄膜であるとレーザ光に
対する光反射率が大きい。貼着型は一面型の光記録媒体
を利用して製造される。
【0018】両面型は二つの主面にグルーブを形成した
基板を用いて容易に製造される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施の形態に係
る一面型光記録媒体を示す模式断面図である。図2はこ
の発明の異なる実施の形態に係る一面型光記録媒体を示
す模式断面図である。図3はこの発明の異なる実施の形
態に係る貼着型光記録媒体を示す模式断面図である。図
4はこの発明のさらに異なる実施の形態に係る両面型光
記録媒体を示す模式断面図である。
【0020】基体1は例えばディスク形状をなし、基体
の一主面表面(一面型と貼着型)または二主面表面(両
面型)にはトラッキング用のプリピットまたはプリグル
ーブが同心円状にまたはスパイラル状に形成される。こ
のようなプリピット又はプリグルーブを有する基体は生
産性の観点等から射出成形樹脂が用いられ好ましくは記
録光および再生光(500〜700nm程度、特に600
〜680nmの半導体レ−ザ光)に対し実質的に透明な樹
脂(レ−ザ光の透過率は85%以上)が用いられる。図
1ないし図4における積層厚さは1.0〜1.5mm程度
である。貼着型では0.5〜0.65mm程度のものをは
りあわせる。両面型は二主面にプリピットまたはプリグ
ルーブを同時成形する。全て直径は54〜120mm程度
であり、基板を構成する樹脂は特に限定されないが成形
性,光透過性から、ポリカーボネート樹脂,ポリアクリ
ル樹脂,ポリエステル樹脂,アモルファスオレフィン樹
脂,TPX,アートン樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられ
る。トラックピッチは0.7〜1.6μmである。グル
ーブの深さは、レーザ光の位相によりトラッキング制御
や情報の保持等に利用されるが、50〜230nm位であ
り好ましくは70〜200nm位である。グル−ブが浅過
ぎるとグルーブ底面の変形率と金属反射層への影響が大
きくなり易く再生信号歪みを誘発しやすく、ジッターが
大きくなり、変調度が小さくなる原因となる。またグル
ーブが深過ぎると、記録マーク部のグルーブ底面の変形
量が不安定となり、ジッターが増大する。そのために再
生信号やトラッキング信号の波長依存性が大きくなる。
従って高密度記録の際における半導体レーザ光の波長に
依存してグルーブの深さは重要であり、記録膜の特性、
成膜性等によって深さ、形状等を最適化する必要があ
る。
【0021】記録層2には一般式(I)に示されるシア
ニン系色素が用いられる。本発明のシアニン系色素はい
ずれも薄膜化した際に500〜700nmに吸収、反射波
長を有し目的とするレ−ザ波長(600〜680nm)に
対して充分な感度と反射率を有する。特に置換基の内R
1,R2はアリル,ビニル,アリリデン,アリレオキシ,
クロトノイル,スチリル,ビニリデン,ビニレン,メチ
リジン,アクリルキシ,メタアルリルオキシ,イソプロ
ペニル,エチニル,ブテニル等の各基を例示することが
でき成膜性と基板の表面との相性が良好である。炭素数
は3〜18が好ましく、より好ましくは3〜9位がよ
い。炭素数が多すぎると、分子の会合が起き易くなりノ
イズの発生の原因をおこすことがある。
【0022】本発明は前記したR1,R2の導入とともに
1,Y2の置換基を非対称に導入することにより色素の
凝集,会合現象等を抑制できる。以上の効果により成膜
安定性・信頼性に優れた記録層を得ることができる。一
般式(I)に示すシアニン系色素は公知の合成法(例え
ばUSP2,734,900号明細書,USP2,112,139号明細書,USP
2,887,479号明細書,USP3,410,848号明細書,USP2,112,
140号明細書等)を参照して合成することができる。具
体例が以下に示される。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】本発明の前記シアニン系色素は単独で用い
てもよいが2種以上複合化することによりその分光性
(レーザ光の吸収,光反射率等)を調整できるととも
に、アモルファス状態における薄膜の安定性が良くな
り、感度の増大,ジッター成分やノイズの低減効果が得
られ長期保存性が向上する。また記録層2はシアニン系
色素とともに酸素クエンチャー(光安定剤)を1%以上
含有していてもよい。好ましくは1〜20%(より好ま
しくは3〜20%)位である。このクエンチャーは紫外
線及びレーザ光等によるシアニン系色素の劣化により発
生したラジカルを捕捉し、連鎖反応を停止させる。光安
定性を向上させ特に再生光による退色を防止する。かく
して本記録層は長期保存性とともに光発熱による膜の流
動を抑制することができ、ノイズの発生とジッターの上
昇を抑制することができる。前記の色素とともに用いら
れる酸素クエンチャーの具体例として、以下のものがあ
げられる。 〔金属錯体系〕 Q1 :ビス(4- テトラ- ブチル- 1, 2- ジチオフェ
ノレート)M - テトラ- n-ブチルアンモニウムM はCu,C
o,Ni,Fe 等(住友精化(株)製 BBTシリ−ズ) Q2 :ビス〔4-(ジエチルアミノ)- α,β- スチルベ
ンジチオレート〕ニッケル ((株)日本感光色
素研究所製 NKX-114) Q3 : ビス〔3-メトキシ- 4- (2- メトキシエトキ
シ)- 2'-クロロ- α,β- スチルベンジチオレート〕
ニッケル( (株) 日本感光色素研究所製 NKX-1199 ) Q4:1.2-ベンゼンジチオ−ルニッケル錯体(三井東圧化
学(株) 製 PA-1006) 〔アミン/アンモニウム塩系〕 Q5:ビスイミニウム塩(日本化薬(株) 製 IRG-03) Q6: N,N,N',N"- テトラキス(p- ジブチルアミノフェニ
ル)p-フェニレンジアミン (帝国化学
(株)製 NIR-AM1 ) Q7:4-ニトロソ-4'-(ジメチルアミノ) ジフェニルアミ
ン((株)日本感光色素研究所製 NKX-1549) 特に限定しないが単独または併用して添加してもよい。
【0031】前記のシアニン系色素は酸素クエンチャー
とともに基体を侵さない塗布用溶媒例えばメチルセロソ
ルブ,エチルセロソルブ,メタノール,エタノール,イ
ソプロパノール,ジアセトンアルコール,ジメチルホル
ムアミド,シクロヘキサノン,アセチルアセトン,テト
ラフルオロプロパノ−ル,ジクロロエタン,ジオキサン
等に溶解させ、一般的にスピンコート法等の常用手段に
より、上記樹脂からなりグルーブの形成された基体上に
成膜される。
【0032】記録層2の厚さは約50〜500nm程度で
あり好ましくは50〜300nm程度である。50nm未満
では記録感度及び光反射率が不足し、理想的な記録がで
きない。一方この値が300nm以上を超えるとトラッキ
ング信号が得られなくなり、ピットの重なりが生じる場
合がある。このためにジッターが大きくなり、 再生信号
の波形歪みが生じやすく、クロストークの増大の原因と
なる。この膜厚は膜形成条件、色素濃度及びグルーブ形
状を加味して調整することが重要である。
【0033】金属反射層3は記録層2よりも高融点であ
り、光反射率がレーザ光に対して55%以上好ましくは
65%以上のAl,Au,Ag,Cu,Ni,Ti またはカルコゲナイド
系金属から選ばれる単独または合金からなる金属薄膜で
膜厚は30〜150nmであり、好ましくは50〜100
nm程度である。この薄膜形成法はスパッタリング,真空
蒸着,イオンプレーティング法等が用いられる。
【0034】保護層4は一般に紫外線硬化樹脂をスピン
コート法,スプレーコート法,グラビヤコート法等によ
り塗設した後に紫外線を照射し、塗膜を硬化させて形成
したものであり、その他にエポキシ樹脂,アクリル樹
脂,シリコーン樹脂等が用いられる。またシート状であ
ってもよい。また両面型の保護層4は上記の保護層でも
よいし、SiOX等の無機膜をスパッタ,蒸着法等によって
形成してもよい。またパリレン,ポリアミド,ポリイミ
ド等の樹脂を蒸着,プラズマ等の方法によって重合させ
た高分子膜でもよい。この膜厚は0.5〜50μm程度
である。
【0035】貼着型の光記録媒体はホットメルト,紫外
線・可視硬化型等の接着剤または粘着テープなどで貼り
合わせて得られ片面及び両面記録/再生可能な高密度光
記録媒体となる。この光記録媒体は特定の構造のシアニ
ン系色素を主成分とした記録層を基板上に設けた構成で
あり、短波長レーザ500〜700nmに対応し充分な
感度と光反射率を有し、再生劣化がなく長期信頼性に優
れ、低ジッターの高密度記録が達成される。
【0036】
【実施例】
実施例1 使用した基板は6mm厚でグルーブのトラックピッチが
0.75μmにのポリカーボネート基板を使用した。レ
ーザ吸収色素として化学式(I−2)に示すシアニン系
色素、酸素クエンチャーとして前記したQ3 とQ6 を
2:1の重量比で混合したもの(レーザ吸収色素に対し
て7重量%)をエチルセロソルブ/エタノール/ジアセ
トンアルコール混合溶媒(5:3:2の重量比で混合)
中で6重量%濃度にして超音波を用いて十分に溶解し
た。本溶液をフィルターでろ過した後に前記基板上にス
ピンコート法により塗布して均一な60nm厚さの記録層
2を得た。続いてスパッタ法によりAlを70nmの厚さに
形成して金属反射層3を得た。さらに多官能性エポキシ
アクリレート系の紫外線硬化塗料をスピンコート法で塗
布し硬化させて保護層4を得た。膜厚は約6μmであ
る。
【0037】貼着型の光記録媒体を得るために二つの一
面型光記録媒体をホットメルト型の接着剤を用いて低温
加熱圧着し保護層同士を対面に貼り合せて所望の光記録
媒体を調製した。 実施例2 化学式(I−2)に示すシアニン系色素と化学式(I−
13)に示すシアニン系色素を2:1の重量比で複合化
する他は実施例1と同様にして光記録媒体を調製した。 実施例3 化学式(I−2)に示すシアニン系色素と化学式(I−
9)に示すシアニン系色素を2:1の重量比で複合化
し、酸素クエンチャーとしてQ1 とQ7 を2:1の重量
比で混合して用いる他は実施例1と同様にして光記録媒
体を調製した。 実施例4 化学式(I−13)に示すシアニン系色素と化学式(I
−24)に示すシアニン系色素を1:1の重量比で複合
化する他は実施例1と同様にして光記録媒体を調製し
た。 実施例5 化学式(−2)に示すシアニン系色素と化学式(−2
8)に示すシアニン系色素を2:1の重量比で複合化し
た色素と酸素クエンチャーQ1 とQ6を1:1の重量比
で混合したもの(レーザ吸収色素に対して10重量%)
をテトラフロロプロパノール中で2重量%濃度にして超
音波を用いて十分に溶解した。本溶液をフィルターでろ
過した後に前記基板上にスピンコート法により80nm
厚さの記録層2を形成し、続いてスパッタ法によりAl
−Ti合金を70nm厚さに形成して金属反射層3を得
た。さらに多官能性エポキシアクリレート系の紫外線硬
化塗料をスピンコート法で塗布し硬化させて保護層4を
得た。膜厚は約1.2mmである。 実施例6 レーザ吸収色素として(−12)に示すシアニン色素と
化学式(−29)に示すシアニン色素を1:1の重量比
で複合化し、酸素クエンチャーとしてQ1 とQ6を1:
1の重量比で混合したもの(レーザ吸収色素に対して1
0重量%)を混合し実施例5と同様にして光記録媒体を
得た。 比較例1 レーザ吸収色素として化学式(II−1)に示すシアニン
系色素を用いる他は実施例1と同様にして、光記録媒体
を調製した。
【0038】
【化11】
【0039】比較例2 レーザ吸収色素として化学式(II−2)に示すシアニン
系色素((株)日本感光色素研究所製 NK4288)を用い
る他は実施例1と同様にして、光記録媒体を調製した。
【0040】
【化12】
【0041】比較例3 レーザ吸収色素として前記化学式(II−2)に示すシア
ニン系色素と化学式(II−3)に示すシアニン系色素
((株)日本感光色素研究所製 NK4400)を重量比2:
1に複合化して用いる他は実施例1と同様にして、光記
録媒体を調製した。
【0042】
【化13】
【0043】得られた光記録媒体につき光反射率と再生
信号特性(C/N比,ジッター,エラーレイト)を測定
した。再生信号特性はディスクの線速度3.3m/s、
波長635nmの半導体レーザ光を用い、対物レンズの
開口数(NA)0.60で集光し記録Pwで記録して評
価装置により評価を行った。初期特性試験と再生劣化特
性試験(1×104回後)と高温・高湿度(70℃、8
0%相対湿度、24時間)加速耐候試験を行った。
【0044】初期特性は比較例1の光記録媒体について
は635nmの半導体レーザ光に感度がなく評価不能で
あった。他の光記録媒体の初期特性は光反射率が55%
より大きく、C/N比は52dBより大きく、エラーレ
イトは1×10-5よりも小さかった。実施例1〜4の光
記録媒体のジッターは12%位であるのに対し、比較例
2,3の光記録媒体はいずれも20%より大きな値を示
した。
【0045】再生劣化後の特性変化率と高温・高湿度耐
候試験後の特性変化率が表1と表2にそれぞれ示され
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】この発明によれば一般式(I)に示すシ
アニン系色素を光記録媒体の記録層に用いるので、上記
シアニン系色素の示す短波長(500〜700nm)対応
性と化学的、光化学的、熱的安定性により、光記録媒体
は短波長レ−ザ光に対し充分な感度と光反射率を有し、
且つ高密度化におけるピット同士の熱干渉、熱蓄積を防
止して再生信号に含まれるジッター成分が少なく、高密
度記録が可能で再生劣化が少なく長期信頼性に優れるD
VD規格準拠の光記録媒体が得られる。
【0049】また上述の発明において記録層中には酸素
クエンチャーが、1%以上含有されるので、紫外線およ
びレーザ光等によるシアニン系色素の光劣化が防止され
シアニン系色素の光安定性が増して長期信頼性に優れる
光記録媒体が得られる。さらに一般式(I)に示すシア
ニン系色素を記録層に用いる光記録媒体は、金属反射層
にAl,Au,Ag,Cu,Ni,Ti またはカルコゲナイド系金属の群
の中から選ばれる単独または合金からなる金属の薄膜で
あるので、短波長光に対する光反射率が大きく、短波長
レーザ光を用いて高感度の光記録媒体が得られる。
【0050】さらに一般式(I)に示すシアニン系色素
を記録層に用いる光記録媒体は、一面型,貼着型または
両面型の構造にして用いるので、製造容易で量産性が高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る一面型光記録媒体
を示す模式断面図
【図2】この発明の異なる実施の形態に係る一面型光記
録媒体を示す模式断面図
【図3】この発明の異なる実施の形態に係る貼着型光記
録媒体を示す模式断面図
【図4】この発明のさらに異なる実施の形態に係る両面
型光記録媒体を示す模式断面図
【符号の説明】
1 基体 2 記録層 3 金属反射層 4 保護層 5 接着層 6変形層ピット 無グルーブ基体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録層と、金属反射層と、グルーブのある
    主面上に前記記録層と金属反射層を積層して支持する光
    透過性の基体とを主として用いて形成される光記録媒体
    において、記録層は下記一般式(I)で示されるシアニ
    ン系色素の少なくとも一つを主成分とし、短波長レーザ
    光に対応可能な有機色素薄膜である光記録媒体。 【化1】 〔一般式(I)において、X-はヨウ化物イオン,臭化
    物イオン,過塩素酸イオン,フッ化ホウ素酸イオン,テ
    トラフルオロリン酸イオン,テトラフルオロアンチモン
    酸イオン,メチル硫酸イオン,またはメチルベンゼンス
    ルホン酸イオンを示し、R1,R2は不飽和結合を有する
    炭素数3〜18の置換基を示し、Y1,Y2は水素原子,
    アルキル基,アリール基,アルコキシル基,ハロゲン原
    子,ニトロ基,アルコキシカルボニル基、スルホニルア
    ルキル基、シアノ基等の置換基を表し、ヒドロキシル
    基,カルボキシル基,−OCF3基,−R3OH基,−R
    3COOR4基,−CH=CHCN基,−COOR4基,
    −R3COOH基,−COR3基(これらにおいてR3
    炭素数1〜9のアルキレン基,R4は炭素数1〜9のア
    ルキル基)またはベンゼン環と縮合して置換されてもよ
    いナフタレン環を形成する残基であり、n,mは1〜4
    の整数、(Y1n,(Y2mはシアニン系色素分子内で
    相互に非対称の構造を示す。〕
  2. 【請求項2】一般式(I)で示されるシアニン系色素が
    2種以上の複合系である請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】記録層中に酸素クエンチャーが、1%以上
    含有される請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】金属反射層は高融点であり、光反射率が短
    波長レーザ光に対して55%以上であるAl,Au,Ag,Cu,N
    i,Ti またはカルコゲナイド系金属の群の中から選ばれ
    る単独または合金からなる金属の薄膜である請求項1な
    いし3に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】基体上に記録層と金属反射層を順次積層し
    さらに保護層を積層した一面型である請求項1ないし4
    に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】グルーブ形成された基体上に記録層と金属
    反射層を順次積層し、さらに保護層を積層した一面型の
    基体と、無グルーブ基体とを接着剤で貼り合せてなる請
    求項1ないし4に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】基体上に記録層と金属反射層を順次積層し
    さらに保護層を積層した一面型の二つを保護層を介して
    貼り合わせた貼着型である請求項1ないし4に記載の光
    記録媒体。
  8. 【請求項8】基板である基体の二つの主面にグルーブが
    形成されるとともに前記主面上に記録層と金属反射層を
    順次積層しさらに保護層を積層した両面型である請求項
    1ないし4に記載の光記録媒体。
JP10042243A 1997-02-24 1998-02-24 光記録媒体 Pending JPH10291373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10042243A JPH10291373A (ja) 1997-02-24 1998-02-24 光記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3947297 1997-02-24
JP9-39472 1997-02-24
JP10042243A JPH10291373A (ja) 1997-02-24 1998-02-24 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10291373A true JPH10291373A (ja) 1998-11-04

Family

ID=26378872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10042243A Pending JPH10291373A (ja) 1997-02-24 1998-02-24 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10291373A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4821031B2 (ja) * 1999-04-13 2011-11-24 株式会社林原生物化学研究所 シアニン色素

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4821031B2 (ja) * 1999-04-13 2011-11-24 株式会社林原生物化学研究所 シアニン色素

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5976658A (en) Optical information recording medium
US6103331A (en) Optical recording medium comprising organic dye thin film
EP0860821B1 (en) Optical recording medium
JP3961385B2 (ja) インドールスチリル化合物およびこれを用いた高密度記録媒体
JP3097628B2 (ja) 光記録媒体
JP2000033775A (ja) 光情報記録媒体
JPH10337959A (ja) 光記録媒体
TWI304211B (en) Photorecording medium
JP2003276342A (ja) 光記録媒体
JPH06199045A (ja) 光記録媒体
KR100726846B1 (ko) 광정보기록매체
JP3503679B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH10291373A (ja) 光記録媒体
JPH08273193A (ja) 光記録媒体
US6368692B1 (en) Optical storage medium
JP2000043420A (ja) 光記録媒体
JP3257470B2 (ja) 光記録媒体
JP3611170B2 (ja) 光記録媒体
JP2001150816A (ja) 光情報記録媒体
JP4160715B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2001026180A (ja) 光記録媒体およびそれを用いた記録再生方法
JP3713619B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2000177248A (ja) 光記録媒体
JP2001232944A (ja) 光情報記録媒体及び情報記録方法
JP2004042624A (ja) 光記録媒体、これを用いる光記録方法及び光記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041021

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050208