JP3503679B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP3503679B2
JP3503679B2 JP25148797A JP25148797A JP3503679B2 JP 3503679 B2 JP3503679 B2 JP 3503679B2 JP 25148797 A JP25148797 A JP 25148797A JP 25148797 A JP25148797 A JP 25148797A JP 3503679 B2 JP3503679 B2 JP 3503679B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にDVD−R等
の短波長領域のレーザー光により記録及び再生が可能な
ヒートモードによる追記型の光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】文字、図形等の画像や映像あるいは音声
等のデータを記録し、再生する手段としてCD−Rがよ
く知られているが、現在のCD−Rは、波長770〜8
30nmのレーザー光に対応した記録及び再生が可能な
記録材料をその吸光度や光学定数(特に屈折率nや消衰
係数k)を基準にして選択し、使用することが行われて
おり、その具体例としては例えばペンタメチン系シアニ
ン色素を色素層とする光ディスクが用いられている。と
ころが、最近、このCD−Rに使用のレーザー光より短
波長の例えば620〜690nmの赤色レーザー光によ
り高密度記録及び再生が可能なDVD−R(デジタル・
ビデオ・ディスク−レコーダブル又はデジタルバーサタ
イル・ディスク−レコーダブル)等が次の時代を担うメ
ディアとして用いられるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに記録及び再生の波長領域が異なるCD−RとDVD
−Rとでは、前者に使用する記録材料の選択基準を後者
にそのまま用いることはできず、DVD−R用の記録材
料としてその独自の観点からの選択基準が必要である。
すなわち、追記型の光情報記録媒体としてのCD−R
は、波長770〜830nm(λ1 )の半導体レーザー
を用いて記録及び再生を行うので、追記可能な色素層を
有する光干渉層を透明基板上に形成する場合に、記録前
後の適切な反射率(70%以上)や変調度を確保するた
めには、上記λ1 における光干渉層の光学定数、特に屈
折率nや消衰係数kについて、1.6<n<4.0、
0.01<k<0.2が好ましいとされ、前者がその範
囲外では記録再生波長領域における記録後65%以上の
反射率を確保できなくなり、後者がその範囲外では十分
な反射率が確保できなくなるとともに記録感度が高くな
り過ぎるため信号の正確な記録ができなくなる。上記の
n、kの好ましい範囲を満足させるためには、光干渉層
の最大吸収波長λ2 は600〜750nmの範囲が好ま
しいとされているが、上記のDVD−Rは770nmよ
りさらに短波長の620〜690nm(λ2 )で記録及
び再生を行うため、上記のCD−R用の好ましい範囲の
n、kはDVD−R用では適切でなくなり、その記録材
料では記録及び再生を行うことができず、このλ2 の波
長に対応した適切な光学定数を持つ記録材料が選択され
なければならない。
【0004】本発明の第1の目的は、特にDVDの記録
及び再生用の短波長レーザー光に対する光学定数及び最
大吸収波長を適切に選択できる記録材料を用いた光情報
記録媒体を提供することにある。本発明の第2の目的
は、その光学定数の適切な記録材料の選択を色素の構造
の選択により行なえる光情報記録媒体を提供することに
ある 発明の第の目的は、光学定数の選択あるいは
調整により記録感度を調整することができる光情報記録
媒体を提供することにある。本発明の第の目的は、光
学定数を調整するために他の添加物を使用しないで済
み、記録時の蓄熱抑制とより低いジッターの記録を可能
にする光情報記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、波長620nm〜
690nmの範囲で、屈折率nが1.6〜4.0、消衰
係数kが0.01〜0.45の光干渉層を想定した場合
に、反射率シュミレーションの図1、2(波長620n
mの場合)、図3、4(波長690nmの場合)を得た
(「染料と薬品」第37巻第7号1992に記載されて
いる手法に従って算出)。この結果より、CD−Rの記
録材料としてはトラッキングのための反射率70%以上
の制限から、消衰係数k=0.45では十分な反射率が
確保できないが、DVD−Rでは同様な反射率は45%
でよいため、例えば膜厚が110nmより大きくなく、
好ましくは90nmより大きくない範囲では、k=0.
45でも記録可能であることが分かる。このシュミレー
ションは、溝のない基板に対する膜について行なったも
のであるため、実際の光ディスクで溝のある場合には、
反射率が少し低下するが、これら溝による干渉を考慮し
た場合においても上記シュミレーションにおける反射率
(40%より大きい反射率)のマージンがあるため十分
実用となる。本発明者らは、620nm〜690nmの
波長に対応したこれら光学定数を持った材料に、例えば
トリメチンシアニン色素を用いると、その最大吸収波長
及び2番目に大きい吸収波長が500nm〜655nm
にあることを見出し、本発明をするに至った。したがっ
て、本発明は、(1)、基板上に色素層を含む光干渉層
を有する光情報記録媒体において、該光干渉層が620
nm〜690nmの波長領域から選ばれたレーザー光に
より記録及び再生が可能であり、該光干渉層の該波長領
域から選ばれたレーザー光における屈折率nが1.6〜
4.0かつ消衰係数kが0.01〜0.45であり、か
つ該光干渉層が可視紫外分光光度計による最大吸収ピー
ク波長及び2番目に大きい吸収ピーク波長が500nm
〜655nmの範囲にある光情報記録媒体であって、上
記色素層が記録材料の色素としては1種のトリメチン系
シアニン色素のみを含有し、該トリメチン系シアニン色
素が下記一般式〔化1〕で示される化合物であってトリ
メチン鎖の両側の環構造が非対称のトリメチン系シアニ
ン色素の単成分である光情報記録媒体を提供するもので
ある。また、本発明は、(2)、トリメチン系シアニン
色素がAの環構造とA’の環構造が異なる非対称系トリ
メチンシアニン色素である上記(1)の光情報記録媒体
を提供するものである。
【化1】 〔ただし、Aは下記一般式〔化2〕ないし〔化5〕のい
ずれかを表わし、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 、A’は下記一般式〔化6〕ないし〔化9〕のいずれか
を表わし、
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】 、AとA’は同種であっても異種であってもよく(ただ
し、D1 、D2 はそれぞれ水素原子、アルキル基、アル
コキシル基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アルキルカルボキシル基、ア
ルキルヒドロキシル基、アラルキル基、アルケニル基、
アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルキルスルホ
ンアミド基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルフ
ァモイル基、アルキルスルホニル基、フェニル基、シア
ノ基、エステル基、ニトロ基、アシル基、アリル基、ア
リール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、アルキル
カルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アミノ基、ア
ルキルスルホン基、チオシアノ基、メルカプト基、クロ
ロスルホン基、アルキルアゾメチン基、アルキルアミノ
スルホン基、ビニル基及びスルホン基の群のなかから選
択される置換基を表わし、同種であっても異種であって
もよく、p、qは置換基の数であってそれぞれ1又は複
数の整数を表わす。)、R、R' は置換又は非置換のア
ルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
アルキルカルボキシル基、アルコキシル基、アルキルヒ
ドロキシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキル
アミド基、アルキルアミノ基、アルキルスルホンアミド
基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル
基、水酸基、ハロゲン原子、アルキルアルコキシル基、
ハロゲン化アルキル基、アルキルスルホニル基、金属イ
オン若しくはアルキル基と結合したアルキルカルボキシ
ル基若しくはアルキルスルホニル基、フェニル基、ベン
ジル基及びアルキルフェニル基の群から選択される置換
基を表わし、同種でも異種でもよく、X- はハロゲン原
子、PF6 - 、SbF6 - 、H3 PO4 、過塩素酸、ホ
ウフッ化水素酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、アルキルスルホン酸、ベンゼンカルボン酸、アル
キルカルボン酸、トリフルオロメチルカルボン酸、過ヨ
ウ素酸及びSCN- の陰イオンの群のなかから選択され
る陰イオンを表わす。〕
【0006】本発明において、光干渉層は波長620n
m〜690nm(λ2 )の波長領域のレーザー光により
記録及び再生が可能になるように形成されるが、これは
この光干渉層をDVD−R用に使用可能にすることにあ
る。本発明において、光干渉層とは、有機色素材料から
なる色素層その他の有機材料あるいは無機材料からなる
層から構成され、レーザー照射でピット形成可能な単一
層又は複数層の色素層を含む記録層や、この記録層以外
に光情報記録媒体の光学的物性を調整する目的で屈折
率、膜厚を調整した例えば樹脂材料からなるエンハンス
層、さらには基板と色素層、色素層が複数の場合にはそ
の間に設ける中間層等も含まれ、これらを総称したもの
である。また、この光干渉層の上記λ2 における光学定
数として屈折率n、消衰係数kは、1.6<n<4.
0、0.01<k<0.45とし、かつ光干渉層の可視
紫外線分光光度計における最大吸収ピーク波長及び2番
目に大きい吸収ピーク波長が500〜655nmに存在
するようにするが、これらのことをCD−Rの場合と対
比すれば、前者の光学定数の限定範囲はCD−R用の波
長770nm〜830nm(λ1 )のレーザー光に対す
る光学定数の限定範囲に対応し、両者は重なる範囲もあ
るが異なっており、他方後者の最大吸収波長領域の限定
はCD−Rの場合の600〜750nmの最大吸収波長
領域に対応し、この場合はCD−Rの場合より低波長領
域にシフトしている。n、kが上記範囲外であると、記
録前後の反射率やプッシュプルが確保できず、記録及び
再生時のトラッキングや記録後の変調が確保できなくな
るなどの不都合が生じる。
【0007】上記の光干渉層に必要な光学定数、最大吸
収波長の光学特性が得られるように調整するには、その
光干渉層に含まれる単数又は複数の色素層に光学定数の
異なるトリメチン系シアニン色素の1種又は複数種類を
含有させることが好ましい。トリメチン系色素の複数種
類を含有させた色素層は、それぞれの色素の吸収スペク
トルの合成スペクトルで示すことができ、この合成スペ
クトルがDVD−Rの記録及び再生のレーザー光に対し
て適切になるようにすることができる。このように異な
る光学定数の色素を混合することにより光学定数を最適
化することができ、その最適化した色素層を有する光干
渉層が得られると、記録感度を調整することができるの
で好ましい。
【0008】トリメチン系シアニン色素は、CD−R用
の記録材料に使用されるペンタメチン系シアニン色素の
分子主骨格鎖長が炭素数で5であるのに対し、その分子
主骨格鎖長が炭素数で3であるので2炭素分短く、これ
により前者のペンタメチン系シアニン色素の最大吸収波
長が600〜750nmの範囲に存在するのに対し、短
波長側の500〜655nmの範囲に最大吸収波長及び
2番目に大きい吸収ピークを存在させるようにできる。
そしてこのようなトリメチン系シアニン色素のなかから
上述した光学定数の好ましい範囲のn、kを有する色素
を選択することによりDVD−R用の短波長レーザー光
により記録及び再生が可能な適切な記録材料とすること
ができる。このようなトリメチン系シアニン色素として
は、上記一般式〔化1〕で示され、この一般式において
Aが上記一般式〔化2〕〜〔化5〕の一般式から任意に
選択され、A’が上記一般式〔化6〕〜〔化9〕の一般
式から任意に選択され、両者のその選択したそれぞれの
個々の全ての組み合わせの化合物が挙げられる。例えば
一般式〔化2〕と一般式〔化6〕〜〔化9〕のそれぞれ
との組み合わせが挙げられるが、その他の一般式〔化
3〕〜〔化5〕のそれぞれについても同様である。A、
A’の置換基(D1 )p、(D2 )qのp、qは少なく
とも1であるが、複数の整数、すなわち2以上の整数で
ある。
【0009】このようなトリメチン系シアニン色素とし
ては、シアニン分子の左右の環構造、すなわちトリメチ
ン鎖の一方の側のAが上記一般式〔化2〕〜〔化5〕の
いずれかで示される一般式と、トリメチン鎖の他方の側
のA’が上記一般式〔化6〕〜〔化9〕のいずれかで示
される一般式における環構造において、両者におけるそ
の選択した一般式の環構造が異なる組み合わせの非対称
系トリメチンシアニン色素を用いることが好ましい。こ
のような化合物は、上記λ2 における吸収波形がシャー
プになりその裾が尾を引かず、色素層の単位膜厚当たり
の吸光度が上がり、記録効率が向上しかつ対称型化合物
のみの場合には不足する光学定数を調整するために他の
添加剤を必要とすることなく、その色素のみによりその
適切な光学定数が得られるのでその単成分の使用が可能
になり、これにより記録時の蓄熱抑制とより低減化され
たジッターの記録が可能になる。また、記録感度を向上
させることもできる。一般式〔化1〕におけるR、R'
は異なることが好ましく、溶剤に対する溶解度を調整す
ることができる。また、A、A’はそれぞれ置換基(D
1 )p、(D2 )qを有することで色素の耐湿性、耐候
性の制御をすることができる。さらにX- の種類を変え
ることでレーザー光による色素の熱分解性を制御でき、
記録時のピット形状を制御できる。
【0010】上記のようなトリメチン系シアニン色素を
用いることにより、短波長の620〜690nm、特に
630〜655nmの波長領域における記録感度を向上
させ、再生時のジーター、変調度、アシンメトリーの良
いDVD−Rを得ることができる。なお、これらの色素
の合成法としては、The Chemistry of
Synthetic Dyes Vol 14に記載さ
れている方法を利用できる。
【0011】本発明の光情報記録媒体を製造するには、
上記一般式〔化1〕で示されるシアニン色素を溶解した
色素溶液を調製し、これを透光性の基板に塗布する。こ
の色素溶液にはクロロホルム、ジクロロエタン、フッ素
化アルコール等のフッソ系溶剤、メチルエチルケトン、
ジメチルホルムアミド、メタノール、トルエン、シクロ
ヘキサノン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコー
ル、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン等
を用いることができる。この場合のシアニン色素の混合
割合は1重量%〜10重量%が好ましい。また、本発明
に用いられる基板には、ガラスや、エポキシ樹脂、メタ
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等のプラ
スチックスが例示される。この基板にはトラック溝ある
いはピットが形成されていてもよく、また、アドレス信
号に必要な信号を有するものでもよい。また、上記シア
ニン色素溶液を基板に塗布するにはスピンコート法を用
いることが好ましい。この場合乾燥後の塗布層の厚さは
従来用いられているものが適用できる。また、本発明に
おいて塗布される記録層には一重項酸素クエンチャー、
光吸収剤、ラジカルスキャベンジャー(捕捉剤)等の他
の化合物を含んでもよい。
【0012】上記の光干渉層のほかに反射層を設けても
よく、また、その反射層の上に保護層、さらには基板面
(レーザー光の入射側)に保護層を有する場合でよい。
反射層としては、蒸着、スパッタリング等により形成し
たAu、Al、Ag、Cu、Pt、これらの各々その他
の合金、さらにはこれら以外の微量成分が添加された合
金等の金属膜等の高反射率材料膜が挙げられ、保護層と
しては光情報記録媒体の保護と耐候性の向上等の目的で
紫外線硬化型樹脂等の放射線硬化型樹脂の溶液をスピン
コート法等により塗布し、乾燥させた塗布層が挙げられ
る。
【0013】このようにして基板の上に色素層を含む光
干渉層、反射層を設け、さらには保護層などが設けられ
た光ディスクが得られる。その光干渉層を少なくとも有
した他の同様な構成あるいは別の構成の光ディスクを貼
り合わせたり、あるいは基板そのものを対向させて貼り
合わせたりしてもよい。この貼り合わせのための材料、
方法としては、紫外線硬化樹脂、カチオン性硬化樹脂、
両面粘着シート、ホットメルト法、スピンコート法、デ
ィスペンス法(押し出し法)、スクリーン印刷法、ロー
ルコート方式等が用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】詳細は以下の実施例により説明す
るが、トラックピッチ長が0.74μm(0.80μm
でもよい)で、wobble信号のみを持つ(プレピッ
ト信号も併せ持ってもよい)ポリカーボネート基板を用
い、光干渉層の色素層を、上記一般式〔化1〕に属する
化合物であって、 上記一般式〔化2〕又は〔化3〕
と、一般式〔化6〕又は〔化7〕の組み合わせからなる
色素、その中で、 特にD1、D2 が共に水素原子で
ある色素、 D1 がメチル基等の低級アルキル基で、
pが1であり、かつD2 が水素原子又はメチル基等の低
級アルキル基で、qが1である色素(好ましくはA、
A’がベンゼン環である)、特に、の中でも、
R、R' がそれぞれエチル基、ブチル基、アミル基等の
低級アルキルであり、同種であっても異種であってもよ
く、さらにその中でも、 特にX- が過塩素酸の陰イ
オン又はヨウ素の陰イオンである色素のそれぞれのイン
ドレニン系のトリメチン系シアニン色素について、これ
ら〜の各々に属する色素の溶液を用いてスピンコー
ト法により形成し、スパッタリングによるAu又はAl
の反射層を設け、その上に紫外線硬化樹脂からなる保護
層をスピンコート法により形成し、さらにポリカーボネ
ート基板をスピンコート法による紫外線硬化樹脂からな
る接着剤層により貼り合わせ、貼り合わせ型光ディスク
を得る。ここで、使用する色素はその分子の主骨格鎖長
の炭素数が3のトリメチン鎖で各官能基を付加すること
によりその最大吸収波長が500〜655nmの範囲
内、特に560〜615にあり、また、その光学定数を
1.6<n<4.0、0.01<k<0.45の範囲
内、特に2.1<n<2.7、0.03<k<0.41
とすることができる単成分としての色素の選択を行うこ
とができ、また、複数の色素の混合によりこの範囲内の
最適な光学定数を選択することができ、特に波長620
〜690nm領域での光学定数を適切な範囲とすること
ができ、これらにより620〜690nm、特に630
〜670nmのレーザー光による記録及び再生が可能な
DVD−Rを提供できる。光学定数の最適化ができれ
ば、例えばプッシュプルで表されるトラッキング用信号
の感度の調整や反射率の調整が容易になる。また、環構
造の非対称のトリメチン系色素の使用により、会合状態
等によってその色素のみからなる光干渉層のレーザー光
の吸収波形はシャープになり、裾が尾を引かない。この
ように吸収波形がシャープであれば、色素層の単位膜厚
当たりの吸光度が上がり記録効率が良くなる。また、環
構造が対称型のトリメチン系色素ではその2種以上を混
合することによるほかは光学定数を調整することができ
ないのに対し、光学定数を調整するために他の添加物が
不要になり、色素単成分のみの使用が可能になり、記録
効率向上により記録時の蓄熱抑制とより低いジッターの
記録が可能になる。
【0015】
【実施例】参考例1 表面に幅0.32μm、深さ100nm、ピッチ0.7
4μmのスパイラル状のグルーブが形成された厚さ0.
6mm、外径(直径)120mmφのポリカーボネート
からなる透明な基板を射出成形法により成形した。次
に、下記〔化10〕で示されるトリメチン系シアニン色
素NK−4285(波長635nmにおいてn=2.7
0、k=0.41)(日本感光色素研究所製)と、下記
〔化11〕で示されるトリメチン系シアニン色素NK−
4270(波長635nmにおいてn=2.41、k=
0.01)(日本感光色素研究所製)とを25:75の
重量比で混合し、この混合物を2,2,3,3−テトラ
フルオロ−1−プロパノール(東京化成社製、以下TF
Pと略記する)に3重量%になるように溶解し、その溶
液を基板の表面にスピンコート法で塗布し、膜厚110
nmの感光色素膜からなる光干渉層を形成した。
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】この光干渉層について最大吸収波長及び波
長635nmのレーザー光における光学定数を測定した
上記結果を表1に示す。この表から、n、kはそれぞれ
1.6<n<4.0、0.01<k<0.45の条件を
満足することが分かる。また、この光干渉層について可
視紫外分光光度計/U−4000((株)日立製作所
製)による吸収スペクトル〔吸光度(Abs)のレーザ
ー光波長400〜800nm範囲の波長依存性〕を測定
したところ、図5の鎖線で示すとおりであった。この図
から、上記の光干渉層は500〜655nmに最大吸収
ピーク波長及び2番目に大きい吸収ピーク波長を有する
ことが分かる。
【0019】この光干渉層上に基板の44mmφから1
17mmφの領域の全面にスパッタリング法により膜厚
80nmのAu膜を成膜し、反射層を形成した。また、
この反射層の上に紫外線硬化樹脂SD−211(大日本
インキ化学工業社製)をスピンコートし、その塗膜に紫
外線を照射して硬化させ、膜厚5μmの保護膜を形成し
た。さらに、この基板の保護膜及びその保護膜が形成さ
れていない光干渉層の上に紫外線硬化樹脂SD−318
(大日本インキ化学工業社製)を滴下した後、上記と同
様に成形した他の基板をその上に置き、その間隙にスピ
ンコート法により樹脂を拡散させた後、再度紫外線を重
ねた基板側から照射して硬化させ、当初からの基板の3
2mmφから120mmφの領域に樹脂からなる厚さ2
5μmの接着層を形成することにより重ねた基板を貼り
合わせ、貼り合わせ型の光ディスクを作製した。このよ
うにして作製された光ディスクに、NA(開口率(nu
mericalaperture))=0.6、レーザ
ー波長=635nmのDDU−1000(パルステック
社の記録機)により、線速3.5m/秒で記録し、横河
電機社製タイムインターバルアナライザー/TA−32
0でジッターを測定した。DVDSpecificat
ion for Read−Only DISCの規格
によれば、Data to Clock Jitter
(ジッター)とは、チャンネルビットレート=26.6
Mbps(38.23nsec)を基準クロックとして
バイナライズ・データ・エッジ信号の偏差値σを規格化
したものである。ジッターの評価基準については、最小
ピット長を0.4μmとし、線速3.5m/秒のEFM
信号変調とする。さらにクロックで規格化すると信号を
誤って復調(デコード)しないためには、8%がその限
界であり、8%以下、すなわち大きくても8%であるこ
とが好ましい。また、トラッキング感度を示すプッシュ
・プル(Push Pull(PPと略記))を波長6
50nmのレーザー光を用いて測定し、評価した。その
測定は、図6に示すように、グルーブにレーザ光(円
形)をあてたとき四分割された検出器(四分割フォトデ
ィテクター)に反射してくる光量を電圧に変換し、(I
1+I3 )−(I2 +I4 )/(I1 +I2 +I3 +I
4 )で表した値である。なお、Y軸の矢印はタンジェン
シャルディレクション(Tangential dir
edtion)を示す。PPが低いとトラッキングが不
可能になり、0.13以上(0.13より小さくない、
すなわち少なくとも0.13%)であることが好まし
い。また、反射率、記録後の変調度I3 /Itop 、I14
/Itop を波長650nmのレーザー光を用いて測定し
た。ここで、Itop はHF(EFM)信号における最大
反射光量、I14の最大反射光量とほぼ一致する。I3
記録されるグルーブ内における記録される最短ピットに
おいて回折され、対物レンズに返ってくる光量と非ピッ
ト部で反射され、レンズに返ってくる光量の差からなる
光学的変調成分の信号である。I14は記録されるグルー
ブ内における記録される最長ピットにおいて回折され、
対物レンズに返ってくる光量と非ピット部で反射され、
レンズに返ってくる光量の差からなる光学的変調成分の
信号である。また、反射率が低いとフォーカスが不安定
になり、45%以上(45%より小さくない、すなわち
少なくとも45%)であることが好ましい。上記の各測
定値の結果を表1に示す。この実施例は、使用した色素
が2種類の混合物であり、そのいずれもトリメチン鎖の
両側の環構造が対称の例であるが、波長635nmのレ
ーザー光により記録及び波長650nmのレーザー光に
より再生が可能であり、特に反射率、プッシュプルが高
く、変調度が高く、また、ジッターも高くないことが分
かる。ジッターが高くないということは、蓄熱性も高く
ないことを示し、変調度、ジッターが良いことは再生感
度が良いことを示す。
【0020】参考例2参考 例1において、Auの代わりにAlを用いてスパッ
タリングを行い、厚さ80nmのAl膜からなる反射層
を形成した以外は同様にして光ディスクを作製し、これ
についても参考例1と同様に記録を行なった後、測定し
た結果を表1に示す。この参考例の光ディスクは、参考
例1のものとは反射層の材質が異なるだけであるが、波
長635nmのレーザー光により記録及び波長650n
mのレーザー光により再生が可能であり、ジッターは高
くなく、プッシュプル、変調度、反射率の諸性能も参考
例1よりは劣るが悪くないことがわかる。
【0021】実施例 参考 例1と同様にして作製した基板に、下記〔化12〕
で示されるトリメチン系シアニン色素NK−4321
(日本感光色素研究所製)をTFP溶剤に3重量%にな
るように溶解し、上記基板の表面にスピンコート法で塗
布し、膜厚90nmの感光色素膜からなる光干渉層を形
成した。
【0022】
【化12】
【0023】この光干渉層について最大吸収波長(最大
吸収ピーク波長)及び波長635nmのレーザー光にお
ける光学定数を参考例1と同様に測定した結果を表1に
示す。また、参考例1と同様に吸収スペクトルを測定し
た結果を図5に実線で示す。この図から、上記の光干渉
層は500〜655nmに最大吸収波長及び2番目に大
きい吸収ピーク波長を有することが分かる。
【0024】この光干渉層上に基板の44mmφから1
17mmφの領域の全面にスパッタリング法により膜厚
80nmのAu膜を成膜し、反射層を形成した。また、
この反射層の上に参考例1と同様に紫外線硬化樹脂の保
護層をスピンコート法に形成し、さらに参考例1と同様
に紫外線硬化樹脂からなる接着層により基板を重ねて貼
り合わせ、貼り合わせ型の光ディスクを作製した。この
ようにして作製された光ディスクについても参考例1と
同様に記録を行なった後、測定した結果を表1に示す。
この実施例は、使用した色素のトリメチン鎖の両側の環
構造が非対称の例であるが、波長635nmのレーザー
光により記録及び波長650nmのレーザー光により再
生が可能であり、特にプッシュプルが高く、ジッターが
低く、変調度が大きく、反射率も低くないことが分か
る。ジッターが低いということは、蓄熱性も低いことを
示し、変調度、ジッターが良いことは再生感度が良いこ
とを示す。
【0025】実施例 実施例において、Auの代わりにAlを用いてスパッ
タリングを行い、厚さ80nmのAl膜からなる反射層
を形成した以外は同様にして光ディスクを作製し、これ
についても実施例1と同様に測定した結果を表1に示
す。この実施例の光ディスクは、実施例のものとは反
射層の材質が異なるだけであるが、波長635nmのレ
ーザー光により記録及び波長650nmのレーザー光に
より再生が可能であり、特にジッターが小さく、プッシ
ュプル、変調度、反射率の諸性能も実施例より劣るが
悪くないことがわかる。
【0026】参考 参考 例1と同様にして作製した基板に、上記〔化12〕
で示されるトリメチン系シアニン色素NK−4321
と、上記〔化10〕で示されるトリメチン系シアニン色
素NK−4285とを75:25の重量比で混合し、こ
の混合物をTFP溶剤に3重量%になるように溶解し、
その溶液を基板の表面にスピンコート法で塗布し、膜厚
100nmの感光色素膜からなる光干渉層を形成した。
この光干渉層について最大吸収波長及び波長635nm
のレーザー光における光学定数を参考例1と同様に測定
した結果を表1に示す。次に、この光干渉層上に基板の
44mmφから117mmφの領域の全面にスパッタリ
ング法により膜厚90nmのAu膜を成膜し、反射層を
形成した。また、この反射層の上に参考例1と同様に紫
外線硬化樹脂の保護層をスピンコート法に形成し、さら
参考例1と同様に紫外線硬化樹脂からなる接着層によ
り上記と同様の他の基板を重ねて貼り合わせ、貼り合わ
せ型の光ディスクを作製した。このようにして作製され
た光ディスクについても参考例1と同様に記録を行なっ
た後、測定した結果を表1に示す。この参考例は、使用
した色素が2種類の混合物であり、その一方はトリメチ
ン鎖の両側の環構造が非対称であり(実施例のものと
同じ)、その他方はその環構造が対称であり(参考例1
のものの一つ)、光学定数を微調整するためにkの大き
な後者を前者に少量添加し、記録特性を調整した例であ
るが、波長635nmのレーザー光により記録及び波長
650nmのレーザー光により再生が可能であり、ジッ
ターが低く、反射率、プッシュプル、変調度も悪くない
ことが分かる。
【0027】参考 参考例において、Auの代わりにAlを用いてスパッ
タリングを行い80nmのAl膜からなる反射層を形成
した以外は同様にして光ディスクを作製し、これについ
ても参考例1と同様に記録を行なった後、測定した結果
を表1に示す。この参考例の光ディスクは、参考例3の
ものとは反射層の材質が異なるだけであるが、波長63
5nmのレーザー光により記録及び波長650nmのレ
ーザー光により再生が可能であり、ジッターが低く、反
射率、プッシュプル、変調度は実施例5より劣るが悪く
ないことが分かる。
【0028】参考例5参考 例1と同様にして作製した基板に、上記〔化10〕
で示されるトリメチン系シアニン色素NK−4285を
セロソルブ系溶剤に3重量%になるように溶解し、その
溶液を基板の表面にスピンコート法で塗布し、膜厚40
nmの感光色素膜からなる光干渉層を形成した。この光
干渉層について最大吸収波長及び波長635nmのレー
ザー光における光学定数を参考例1と同様に測定した結
果を表1に示す。次に、この光干渉層上に基板の44m
mφから117mmφの領域の全面にスパッタリング法
により膜厚80nmのAu膜を成膜し、反射層を形成し
た。また、この反射層の上に参考例1と同様に紫外線硬
化樹脂の保護層をスピンコート法に形成し、さらに参考
例1と同様に紫外線硬化樹脂からなる接着層により上記
と同様の他の基板を重ねて貼り合わせ、貼り合わせ型の
光ディスクを作製した。このようにして作製された光デ
ィスクについて参考例1と同様に記録を行った後、測定
した結果を表1に示す。この参考例は、使用した色素の
トリメチン鎖の両側の環構造が対称の例であるが、波長
635nmのレーザー光により記録及び波長650nm
のレーザー光により再生が可能であり、プッシュプルと
反射率、再生時の変調度、ジッターが他の実施例、参考
のものより優れているとは言えないが、後述の比較例
のように反射率が低かったり、変調度やジッターが測定
できなかったりすることはない。
【0029】参考 参考において、Auの代わりにAlを用いてスパッ
タリングを行い80nmのAl膜からなる反射層を形成
した以外は同様にして光ディスクを作製し、これについ
ても参考例1と同様に記録を行なった後、測定した結果
を表1に示す。この参考例の光ディスクは、参考
ものとは反射層の材質が異なるだけであるが、波長63
5nmのレーザー光により記録及び波長650nmのレ
ーザー光により再生が可能であり、プッシュプル、変調
度は実施例より劣るが悪くなく、反射率、ジッターは
同じであることが分かる。
【0030】参考例7参考 例5において、上記〔化10〕で示される色素を用
いる代わりに下記〔化13〕で示されるトリメチン系シ
アニン色素を用いた以外は同様にして光ディスクを作製
し、これについても参考例1と同様に記録を行なった
後、測定した結果を表1に示す。なお、最大吸収波長、
波長635nmのレーザー光による光学定数を参考例1
と同様に測定した結果を表1に示す。この参考例は、使
用した色素のトリメチン鎖の両側の環構造が対称の例で
あり、参考例に使用の上記〔化10〕とは一般式〔化
1〕においてA’のベンゼン環がメチル基を有するか否
かの相違であるが、波長635nmのレーザー光により
記録及び波長650nmのレーザー光により再生が可能
であり、プッシュプルと反射率は参考と同じであ
り、再生時の変調度は参考より優れ、ジッターは他
の実施例、参考例のものより優れているとは言えない
が、後述の比較例のように測定できなかったりすること
はない。
【0031】
【化13】
【0032】なお、上記〔化13〕で示される色素の代
わりに下記〔化14〕で示される色素を用いてもほぼ同
様の結果が得られる。
【0033】
【化14】
【0034】参考 参考において、Auの代わりにAlを用いてスパッ
タリングを行い80nmのAl膜からなる反射層を形成
した以外は同様にして光ディスクを作製し、これについ
ても参考例1と同様に記録を行なった後、測定した結果
を表1に示す。この参考例の光ディスクは、参考
ものとは反射層の材質が異なるだけであるが、波長65
0nmのレーザー光により記録及び再生が可能であり、
プッシュプル、変調度は参考より劣るが悪くなく、
反射率、ジッターは同じであることが分かる。
【0035】実施例 実施例において、上記〔化12〕で示される色素を用
いる代わりに下記〔化15〕で示されるトリメチン系シ
アニン色素NK−4370)(日本感光色素研究所製)
を用いた以外は同様にして光ディスクを作製し、これに
ついても参考例1と同様に記録を行なった後、測定した
結果を表1に示す。なお、最大吸収波長、波長635n
mのレーザー光による光学定数を参考例1と同様に測定
した結果を表1に示す。なお、最大吸収波長、波長63
5nmのレーザー光による光学定数を参考例1と同様に
測定した結果を表1に示す。この実施例は、使用した色
素のトリメチン鎖の両側の環構造が非対称の例であり、
実施例に使用の上記〔化12〕とは一般式〔化1〕に
おいてX- が過塩素酸の陰イオンかヨウ素の陰イオンで
あるかの相違であるが、波長635nmのレーザー光に
より記録及び波長650nmのレーザー光により再生が
可能であり、反射率、プッシュプル、変調度及びジッタ
ーは実施例のものとほぼ同様な性能を示す。
【0036】
【化15】
【0037】実施例 実施例において、Auの代わりにAlを用いてスパッ
タリングを行い、厚さ80nmのAl膜からなる反射層
を形成した以外は同様にして光ディスクを作製し、これ
についても比較例1と同様に測定した結果を表1に示
す。この実施例の光ディスクは、実施例のものとは反
射層の材質が異なるだけであるが、波長635nmのレ
ーザー光により記録及び波長650nmのレーザー光に
より再生が可能であり、特にジッターが小さく、プッシ
ュプル、変調度、反射率の諸性能も実施例より劣るが
悪くないことがわかる。
【表1】
【0038】比較例1 実施例1と同様にして作製した基板に、下記〔化16〕
で示されるペンタメチン系シアニン色素NK−3219
(日本感光色素研究所製)をセロソルブ系溶剤に3重量
%になるように溶解し、その溶液を基板の表面にスピン
コート法で塗布し、膜厚110nmの感光色素膜からな
る光干渉層を形成した。この光干渉層について最大吸収
波長及び波長635nmのレーザー光における光学定数
を実施例1と同様に測定した結果を表1に示す。また、
実施例1と同様に吸収スペクトルを測定した結果を図5
に点線で示す。この図から、上記の光干渉層は600〜
750nmに最大吸収波長及び2番目に大きい吸収波長
を有することが分かる。次に、この光干渉層上に基板の
44mmφから117mmφの領域の全面にスパッタリ
ング法により膜厚90nmのAu膜を成膜し、反射層を
形成した。また、この反射層の上に実施例1と同様に紫
外線硬化樹脂の保護層をスピンコート法に形成し、さら
に実施例1と同様に紫外線硬化樹脂からなる接着層によ
り上記と同様の他の基板を重ねて貼り合わせ、貼り合わ
せ型の光ディスクを作製した。このようにして作製され
た光ディスクについても実施例1と同様に測定した結果
を表1に示す。この比較例は、使用した色素がペンタメ
チン系シアニンであり、その最大吸収波長が長波長側に
あり、また、光学定数のkが0.01<k<0.45の
条件を満足せず、その結果、反射率が低く、再生時のデ
ータが取れず、波長650nmのレーザー光により再生
が不可能であることが分かる。
【0039】
【化16】
【0040】比較例2 実施例1と同様にして作製した基板に、下記〔化17〕
で示されるフタロシアニン色素をセロソルブ系溶剤に3
重量%になるように溶解し、その溶液を基板の表面にス
ピンコート法で塗布し、膜厚90nmの感光色素膜から
なる光干渉層を形成した。この光干渉層について最大吸
収波長及び波長635nmのレーザー光における光学定
数を実施例1と同様に測定した結果を表1に示す。次
に、この光干渉層上に基板の44mmφから117mm
φの領域の全面にスパッタリング法により膜厚100n
mのAu膜を成膜し、反射層を形成した。また、この反
射層の上に実施例1と同様に紫外線硬化樹脂の保護層を
スピンコート法に形成し、さらに実施例1と同様に紫外
線硬化樹脂からなる接着層により上記と同様の他の基板
を重ねて貼り合わせ、貼り合わせ型の光ディスクを作製
した。このようにして作製された光ディスクについても
実施例1と同様に測定した結果を表1に示す。この比較
例の場合は反射率とプッシュプルが悪く、記録すること
ができなかった。この比較例は、使用した色素がフタロ
シアニンであって、メチン鎖を有するシアニン色素では
なく、また、光学定数のkが0.01<k<0.45の
条件を満足せず、その結果、反射率が低く、再生時のデ
ータが取れず、波長650nmのレーザー光により再生
が不可能であることが分かる。
【0041】
【化17】
【0042】これらの結果その他上述したことから、本
願発明に、「反射率が45%より小さくなく、プッシュ
プルが0.13%(より好ましくは0.20)より小さ
くなく(トリメチン鎖の両側の環構造が非対称のとき又
はトリメチン鎖の両側の環構造が対称のもの複数混合し
たときは0.40より小さくなく)、ジッターが8%よ
り大きくなく(トリメチン鎖の両側の環構造が非対称の
ときは7%より大きくなく)、、I14/Itop が60%
より小さくなく(好ましくは70より小さくなく)の少
なくとも1つの限定を加えてもよい。また、上記本願発
明において、「一般式〔化1〕〕を上記一般式の種々の
組み合わせの一部に限定し、あるいは実施例、好ましい
例として挙げたシアニン色素の一部又は全部に限定して
もよく、さらにこれら全てにおいてその他の上述したこ
との中から限定事項を加えてもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、特に高密度の記録及び
再生用の短波長レーザー光に対する光学定数及び最大吸
収波長を適切に選択した記録材料を用い、その光学定数
の適切な記録材料の選択を色素の構造の選択により行な
うこと、すなわち色素層が記録材料としての色素として
は1種のトリメチン系シアニン色素のみを含有し、該ト
リメチン系シアニン色素としてトリメチン鎖の両側の環
構造が非対称のトリメチン系シアニン色素の単成分の使
用により、会合状態等によってその色素のみからなる光
干渉層のレーザー光の吸収波形はシャープになり、裾が
尾を引かず、このように吸収波形がシャープであれば、
色素層の単位膜厚当たりの吸光度が上がり記録効率がよ
くなり、また、色素の光学定数を調整するために他の添
加物を使用しないで済み、これにより記録時の蓄熱抑制
とより低いジッターの記録が可能になり、記録感度を向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シュミレーションによる波長620nmの場合
の屈折率n=4.0としたときの消衰係数kの相違によ
る膜厚に対する反射率の変化を示すグラフである。
【図2】シュミレーションによる波長620nmの場合
の消衰係数k=0.2としたときの屈折率nの相違によ
る膜厚に対する反射率の変化を示すグラフである。
【図3】シュミレーションによる波長690nmの場合
の屈折率n=4.0としたときの消衰係数kの相違によ
る膜厚に対する反射率の変化を示すグラフである。
【図4】シュミレーションによる波長690nmの場合
の消衰係数k=0.2としたときの屈折率nの相違によ
る膜厚に対する反射率の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例、参考例及び比較例の感光色素
膜の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図6】プッシュ・プルの算出方法を示す説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−309069(JP,A) 特開 平7−262604(JP,A) 特開 平8−99467(JP,A) 特開 平8−108625(JP,A) 特開 平3−281287(JP,A) 特開 平4−28588(JP,A) 特開 平9−1934(JP,A) 特開 平10−119434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に色素層を含む光干渉層を有する
    光情報記録媒体において、該光干渉層が620nm〜6
    90nmの波長領域から選ばれたレーザー光により記録
    及び再生が可能であり、該光干渉層の該波長領域から選
    ばれたレーザー光における屈折率nが1.6〜4.0か
    つ消衰係数kが0.01〜0.45であり、かつ該光干
    渉層が可視紫外分光光度計による最大吸収ピーク波長及
    び2番目に大きい吸収ピーク波長が500nm〜655
    nmの範囲にある光情報記録媒体であって、上記色素層
    記録材料としての色素としては1種のトリメチン系シ
    アニン色素のみを含有し、該トリメチン系シアニン色素
    が下記一般式〔化1〕で示される化合物であってトリメ
    チン鎖の両側の環構造が非対称のトリメチン系シアニン
    色素の単成分である光情報記録媒体。 【化1】 〔ただし、Aは下記一般式〔化2〕ないし〔化5〕のい
    ずれかを表わし、 【化2】 、 【化3】 、 【化4】 、 【化5】 、 A’は下記一般式〔化6〕ないし〔化9〕のいずれかを
    表わし、 【化6】 、 【化7】 、 【化8】 、 【化9】 、 AとA’は同種であっても異種であってもよく(ただ
    し、D1 、D2 はそれぞれ水素原子、アルキル基、アル
    コキシル基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、
    アルコキシカルボニル基、アルキルカルボキシル基、ア
    ルキルヒドロキシル基、アラルキル基、アルケニル基、
    アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルキルスルホ
    ンアミド基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルフ
    ァモイル基、アルキルスルホニル基、フェニル基、シア
    ノ基、エステル基、ニトロ基、アシル基、アリル基、ア
    リール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
    ルチオ基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、アルキル
    カルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アミノ基、ア
    ルキルスルホン基、チオシアノ基、メルカプト基、クロ
    ロスルホン基、アルキルアゾメチン基、アルキルアミノ
    スルホン基、ビニル基及びスルホン基の群のなかから選
    択される置換基を表わし、同種であっても異種であって
    もよく、p、qは置換基の数であってそれぞれ1又は複
    数の整数を表わす。)、R、R' は置換又は非置換のア
    ルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
    アルキルカルボキシル基、アルコキシル基、アルキルヒ
    ドロキシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキル
    アミド基、アルキルアミノ基、アルキルスルホンアミド
    基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル
    基、水酸基、ハロゲン原子、アルキルアルコキシル基、
    ハロゲン化アルキル基、アルキルスルホニル基、金属イ
    オン若しくはアルキル基と結合したアルキルカルボキシ
    ル基若しくはアルキルスルホニル基、フェニル基、ベン
    ジル基及びアルキルフェニル基の群から選択される置換
    基を表わし、同種でも異種でもよく、X- はハロゲン原
    子、PF6 - 、SbF6 - 、H3 PO4 、過塩素酸、ホ
    ウフッ化水素酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
    ン酸、アルキルスルホン酸、ベンゼンカルボン酸、アル
    キルカルボン酸、トリフルオロメチルカルボン酸、過ヨ
    ウ素酸及びSCN- の陰イオンの群のなかから選択され
    る陰イオンを表わす。〕
  2. 【請求項2】 トリメチン系シアニン色素がAの環構造
    とA’の環構造が異なる非対称系トリメチンシアニン色
    素である請求項に記載の光情報記録媒体。
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