JPH10273063A - 電子制御式車速感応型パワーステアリング装置 - Google Patents

電子制御式車速感応型パワーステアリング装置

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Publication number
JPH10273063A
JPH10273063A JP9049193A JP4919397A JPH10273063A JP H10273063 A JPH10273063 A JP H10273063A JP 9049193 A JP9049193 A JP 9049193A JP 4919397 A JP4919397 A JP 4919397A JP H10273063 A JPH10273063 A JP H10273063A
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JP
Japan
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ball
piston
vehicle speed
pressure
switching valve
Prior art date
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Application number
JP9049193A
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English (en)
Inventor
Tomohisa O
朝久 王
Yoshihiko Toshimitsu
吉彦 利光
Akihiko Serizawa
明彦 芹沢
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Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 反力機構の中立位置の設定の容易化、装置の
製造の容易化、装置の小型化、所要動力の軽減を図る。 【解決手段】 切換弁10の入力部20が備えるインプット
シャフト21の先端部に内側弁部材23が形成され、これに
隣接してボール保持部材41が一体に嵌着され、反対側に
ピストン42が周方向および軸方向に摺動自在に液密に嵌
装されている。ボール保持部材41にはボール43を周方向
の動きを規制しつつ保持するボール保持部が周方向に間
隔をおいて形成されている。出力部30は端面にボール溝
38が周方向に間隔をおいて放射状に所定数形成された外
側弁部材31を備えている。反力機構40はボール保持部材
41、ボール溝38、ボール43、ピストン42、ピストン42の
両側の圧力室をつなぐ油路47の途中に設けられた可変絞
り48を車速に応じて制御するソレノイド49、一方の圧力
室に排油路61の圧油を導く手段25、24、26、他方の圧力
室から圧油を排出する手段62とからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、車両の電子制
御式車速感応型パワーステアリング装置に関し、特に電
子制御される反力機構の中立位置の設定を容易にし、装
置の製造を容易にした電子制御式車速感応型パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来技術】作動油圧源に連なる給油路と油タンクに連
なる排油路とをパワーシリンダの一対の油圧室のいずれ
かに選択的に切換えて接続する切換弁の入力部と出力部
とが弾性部材で結合され、該切換弁の入力部は操向軸に
連結され、該切換弁の出力部はステアリングリンク・歯
車機構を介して車輪に連結され、該切換弁の入力部と出
力部との相対移動に抵抗する力を車速に応じて変化させ
る電子制御式反力機構を備えた電子制御式車速感応型パ
ワーステアリング装置は公知である(特公平8−297
17号公報参照)。
【0003】前記公報記載の従来のものにおいては、そ
の電子制御式反力機構は、次のように構成されていた。
すなわち、図6ないし図9に図示されるように、切換弁
010 の入力部をなすインプットシャフト( 弁ステム)021
には、その先端部分に切換弁010 の一方の弁要素をなす
内側弁部材023 が一体に形成されるとともに、該内側弁
部材023 より図において上部に、ピストン(力伝達部
材)042 が液密に摺動自在に嵌装されている。
【0004】ここで、前記ピストン042 の内周面042bに
は、180゜隔てた2個所に横断面半円形の貫通溝042c
が形成され、前記インプットシャフト021 の外周面021a
にも、180゜隔てた2個所に前記貫通溝042cに対応す
る横断面半円形、縦断面U字形の溝021bが形成され、こ
れらの貫通溝042c、溝021b間にボール043 が液密に嵌合
されており、これにより、ピストン042 は、インプット
シャフト021 に対し軸方向には摺動自在であるが、周方
向にはこれと一体に回動するようにされている。
【0005】また、前記ピストン042 の外周面042dは、
弁ハウジング060 の内周面060aに対し液密に摺動自在で
あるので、ピストン042 の両側には、環状圧力室045 、
046が形成されるようになっている。
【0006】そして、下側の環状圧力室046 には、切換
弁010 の出力部を構成する外側弁部材031 の環状頂面03
7 に形成された複数の上向き凹状カム面038 と、前記ピ
ストン042 の環状下面042eに前記上向き凹状カム面038
に対応させて形成された複数の下向き凹状カム面042aと
の間に挟持された複数のボール(カム素子)043 が収容
されるとともに、インプットシャフト021 の内周面とト
ーションバー022 の外周面との間の間隙により形成され
た軸方向通路024 、インプットシャフト021 に形成され
た半径方向通路026 とを通って、排油路の圧油の一部が
供給されるようになっている。
【0007】前記排油路には、切換弁010 と油タンク06
4 とを接続する管路062 の途中に速度応答制御ユニット
070 が設けられ、該速度応答制御ユニット070 が、車速
に応じて管路062 を通って油タンク064 に戻る排油の量
を制御し、これにより、該速度応答制御ユニット070 が
配置された位置より上流側の排油路の圧油の圧力が、車
速に応じて変化するようにされている。
【0008】すなわち、車速が低いとき、該速度応答制
御ユニット070 が管路062 を絞り、該管路062 を通って
油タンク064 に戻る排油の量を少なくし、これにより、
上流側の排油路の圧油の圧力を増加させ、車速が高いと
き、該速度応答制御ユニット070 が管路062 を開き、該
管路062 を通って油タンク064 に戻る排油の量を多く
し、これにより、上流側の排油路の圧油の圧力を減少さ
せるようになっている。
【0009】さらに、上側の環状圧力室045 には、ピス
トン042 を外側弁部材031 側に付勢するばね050 が収容
されるとともに、下側の環状圧力室046 から漏出した圧
油を油タンク064 に戻す管路066 が接続されているな
お、032 は外側弁部材031 に連結されたピニオン、071
はラック、072 はパワーシリンダ、063 は給油ポンプで
ある。
【0010】前記従来のものは、前記のように構成され
ているので、その反力機構は、次のように作動する。先
ず、車速が低いとき、速度センサに接続された速度応答
制御ユニット070 が管路062 を絞り、該管路062 を通っ
て油タンク064 に戻る排油の量を少なくする。そうする
と、上流側の排油路の圧油の圧力は増大するので、該管
路062 が接続された外側弁部材031 下部の室073 に連通
する軸方向通路024 、半径方向通路026 を通って下側の
環状圧力室046 に供給される圧油の圧力も増大する。
【0011】これにより、ピストン042 をばね050 の付
勢力に抗して上方に動かそうとする力が増大するので、
ピストン042 を回動させてボール043 の上向き凹状カム
面038 、下向き凹状カム面042aとの係合を解くのに必要
な力は小さくなり、該ピストン042 と周方向に一体に回
動するように連結されたインプットシャフト021 を回動
するに必要な力も小さくなって、切換弁010 の入力部
(内側弁部材023 )と出力部(外側弁部材031 )との相
対回動に抵抗する力、すなわち、操向反力は小さくなる
ので、切換弁010 の開度が大きくなり、パワーシリンダ
072 へ供給される圧油の量が増大して、パワーアシスト
量が増大し、車両の操向が軽くなる。
【0012】次に、車速が高いときは、前記と逆に作動
して、下側の環状圧力室046 に供給される圧油の圧力は
減少し、操舵反力は大きくなるので、切換弁010 の開度
が小さくなり、パワーシリンダ072 へ供給される圧油の
量が減少して、パワーアシスト量が減少し、車両の操向
が重くなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のものの反力機構においては、ピストン042 の内周面
042bに形成された貫通溝042cと、インプットシャフト02
1 の外周面021aに形成された溝021bとの間に、ボール04
3 を液密に嵌合させて、これにより、ピストン042 がイ
ンプットシャフト021 と周方向に一体に回動するように
しているため、これらの溝加工が必要となり、しかも、
インプットシャフト021 の外周面021aに形成される溝02
1bは、当該反力機構の中立位置(反力零の位置)を定め
るものであり、該反力機構の中立位置は、切換弁010 の
中立位置(内側弁部材023 と外側弁部材031 との間の弁
偏開度が零の位置)と一致させなければならないもので
あるから、その加工には高い精度が要求され、反力機構
の製造、ひいてはパワーステアリング装置の製造が容易
ではなかった。
【0014】また、インプットシャフト021 の外周面02
1aに一旦溝021bが加工形成されると、当該反力機構の中
立位置は定まってしまうので、該反力機構の中立位置と
切換弁010 の中立位置とを一致させることが容易ではな
かった。
【0015】さらに、上側の環状圧力室045 に配置され
たばね050 は、下側の環状圧力室046 に導かれた圧油の
圧力に対抗するため、強いばねとされる必要があり、こ
のため、反力機構をコンパクトにすることができなかっ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した電子制御式車速感応型
パワーステアリング装置の改良に係り、その請求項1に
記載された発明は、作動油圧源に連なる給油路と油タン
クに連なる排油路とをパワーシリンダの一対の油圧室の
いずれかに選択的に切換えて接続する切換弁の入力部と
出力部とが弾性部材で結合され、該切換弁の入力部は操
向軸に連結され、該切換弁の出力部はステアリングリン
ク・歯車機構を介して車輪に連結され、該切換弁の入力
部と出力部との相対移動に抵抗する力を車速に応じて変
化させる電子制御式反力機構を具備した電子制御式車速
感応型パワーステアリング装置において、前記入力部
は、インプットシャフトを備え、該インプットシャフト
には、その先端部に前記切換弁の一方の弁要素である内
側弁部材が一体に形成され、該内側弁部材に隣接してボ
ール保持部材が一体に嵌着されるとともに、該ボール保
持部材に隣接して前記内側弁部材と反対側にピストン
が、該インプットシャフトの外周面および前記切換弁の
本体部のハウジングの内周面に対し周方向および軸方向
に摺動自在に、液密に嵌装され、前記ボール保持部材に
は、ボールを周方向の動きを規制しつつ保持するボール
保持部が周方向に間隔をおいて所定数形成され、前記出
力部は、前記切換弁の他方の弁要素であって端面にボー
ル溝が周方向に間隔をおいて放射状に所定数形成された
外側弁部材を備え、前記反力機構は、前記ボール保持部
材と、前記外側弁部材の端面に形成されたボール溝と、
前記ボール保持部材のボール保持部に保持されて前記ボ
ール溝に係合するボールと、前記ピストンと、該ピスト
ンの両側に形成された圧力室と、該両圧力室をつなぐ油
路の途中に設けられた可変絞りと、該可変絞りの絞り量
を車速に応じて制御するソレノイドと、前記両圧力室の
うちの前記外側弁部材に遠い側の一方の圧力室に前記排
油路の圧油を導く手段と、前記両圧力室のうちの他方の
圧力室から圧油を排出する手段とからなり、車速が低い
とき、前記ソレノイドにより前記可変絞りの絞り量を小
さくして前記両圧力室間の圧力差を小さくし、前記ピス
トンが前記ボールを弱く押圧するようにして、前記切換
弁の入力部と出力部との相対移動に抵抗する力を弱く
し、車速が高いとき、前記ソレノイドにより前記可変絞
りの絞り量を大きくして前記両圧力室間の圧力差を大き
くし、前記ピストンが前記ボールを強く押圧するように
して、前記切換弁の入力部と出力部との相対移動に抵抗
する力を強くするようにされたことを特徴とする電子制
御式車速感応型パワーステアリング装置である。
【0017】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、反力機構の構成要素であるボー
ル保持部材は、インプットシャフトに一体に嵌着されて
おり、インプットシャフトとは別部材として予め製作さ
れてボール保持部が加工形成された後、該インプットシ
ャフトに嵌装して固着することができる構造とされてい
る。このため、反力機構の中立位置を切換弁の中立位置
に一致させる調整が容易に行なえるようになり、電子制
御式車速感応型パワーステアリング装置の製造が容易に
なる。
【0018】また、ピストンがボールを押圧する力を車
速に応じて可変にするために、ピストンの両側に形成さ
れた両圧力室内の圧力差を利用しているので、ピストン
がボールを押圧する力を得るために必ずしもばねを使用
する必要がなく、また、ばねを使用する場合でも、小さ
いばねでよいので、反力機構を小型化することができ
る。
【0019】さらに、請求項2記載のように請求項1記
載の発明を構成することにより、ボール保持部材をイン
プットシャフトに嵌着する作業が簡単になる。
【0020】また、請求項3記載のように請求項1また
は請求項2記載の発明を構成することにより、ボール保
持部材の回動が滑らかになり、反力機構の作動が円滑に
なる。また、反力機構の全高を低くして、これを小型化
することができる。
【0021】また、請求項4記載のように請求項1ない
し請求項3記載の発明を構成することにより、ボール保
持部材を回動させてボールを外側弁部材のボール溝から
脱出させるに必要な力(その大きさは反力に等しい。)
は、ピストンの両側に形成された両圧力室内の圧力差の
みの関数となるので、反力機構の制御が容易になる。
【0022】さらに、請求項5記載のように請求項1な
いし請求項4記載の発明を構成することにより、ピスト
ンの一側に形成される一方の(高圧側)圧力室に排油路
の圧油を導く手段の形成が容易になる。
【0023】また、請求項6記載のように請求項1ない
し請求項5記載の発明を構成することにより、ピストン
の両側に形成された両圧力室内の圧力差の最大幅を小さ
く設定できるので、可変絞りの制御が容易になり、反力
機構の制御が容易になる。
【0024】また、請求項7記載のように請求項1ない
し請求項6記載の発明を構成することにより、切換弁を
小型化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図5に図示され
る本願の請求項1ないし請求項7に記載された発明の一
実施形態について説明する。これらの図において、10は
本実施形態における電子制御式車速感応型パワーステア
リング装置に用いられる切換弁であって、該切換弁10
は、入力部20、出力部30、反力機構部40の3つの部分か
ら構成されている。
【0026】入力部20は、インプットシャフト21とトー
ションバー22とを備えている。インプットシャフト21
は、その先端部の周壁に切換弁10の一方の弁要素をなす
内側弁部材23が一体に形成され、該内側弁部材23に隣接
してその外周壁にボール保持部材41が一体に嵌着される
とともに、該ボール保持部材41に隣接して前記内側弁部
材23と反対側にピストン42が、インプットシャフト21の
外周面および切換弁10の本体部のハウジング60a の内周
面60c に対し周方向および軸方向に摺動自在に、液密に
嵌装されている。
【0027】内側弁部材23は、周知の構造を有し、その
周壁には、後述する外側弁部材31の給油ポート34に連通
し、かつ該給油ポート34を上下に挟み周方向位相角を異
にされた上下ポート35、36に選択的に切換え連通する切
換えポート(縦溝)27と、該切換えポート27と周方向に
隣接する他の切換えポート27を後述する軸方向通路24に
連通させる連通路25とが形成されている。該他の切換え
ポート27は、上下ポート35、36のうち、先の切換えポー
ト27と連通されなかった側のポートと連通して、そこか
らさらに図示されないパワーシリンダの排油側の油圧室
に連通している。
【0028】ボール保持部材41は、環状リング状にイン
プットシャフト21とは別部材として予め製作され、その
外周には、後述するボール43を周方向の動きを規制しつ
つ保持するボール保持部41a が周方向に間隔をおいて放
射状に所定数形成され、後述する反力機構における反力
に抗して前記ボール43を周方向に移動させるに耐える剛
性を有しており、前記インプットシャフト21に嵌装され
て、かしめられ、これと一体に固着されている。
【0029】ピストン42には、後述するようにボール43
がボール保持部材41の回動とともに転動するとき、これ
をガイドできるボール溝42a が、図においてその下面に
形成されている(図3参照)。該ボール溝42a は、断面
円弧状とされてもよいが、好ましくは、V字状にされ
る。このようにすると、ボール43の転がり摩擦抵抗を小
さくすることができる。
【0030】トーションバー22は、周知の態様でインプ
ットシャフト21の内部に挿通され、その入力側端部はイ
ンプットシャフト21の入力側端部に連結され、他端は出
力部30側のピニオン32に連結されている。そして、相互
に連結されたトーションバー22の入力側端部とインプッ
トシャフト21の入力側端部とは、図示されない操向軸に
連結されている。
【0031】また、トーションバー22の外周面とインプ
ットシャフト21の内周面との間の間隙により、環状の軸
方向通路24が形成されており、該軸方向通路24は、イン
プットシャフト21の先端部の内側弁部材23の部分におい
て、前記のとおり、該インプットシャフト21の周壁に形
成された連通路25を介して上下ポート35、36のうちのい
ずれかのポートと連通して、そこからさらにパワーシリ
ンダの排油側の油圧室に連通している。また、ピストン
42より図において上方の位置において、該インプットシ
ャフト21の周壁に形成された連通路26を介して後述する
一方の圧力室45に連通されている。
【0032】出力部30は、外側弁部材31と、これにピン
33により連結されたピニオン32とを備えている。外側弁
部材31は、作動油圧源(給油ポンプ63)に連なる給油路
61に連通するポート34と、該ポート34を上下に挟み周方
向に位相角を異にして形成されてパワーシリンダの一対
の油圧室に連通するポート35、36を有する周知のもので
あるが、そのピニオン32との連結部と反対側の端部の面
37には、断面V字状のボール溝38が周方向に間隔をおい
て放射状に所定数形成されている(図2および図5参
照)。このボール溝38は、断面円弧状にされてもよい
が、好ましくは、V字状にされる。
【0033】ピニオン32は、図示されないラックと噛合
して、そこからさらに図示されないステアリングリンク
機構を介して車輪に連結されている。これらは、周知の
構造のものである。
【0034】前記のようにして構成された切換弁10の入
力部20と出力部30とは、車両が操向されて操向軸が回動
されたとき、トーションバー22の作用により、それらの
相対回動量に位相差を生じる。この結果、内側弁部材23
と外側弁部材31との関係位置は中立位置からそれて、内
側弁部材23の切換えポート(縦溝)27は、外側弁部材31
のポート35、ポート36のうちのいずれかとより多く連通
するようになり、このようにしてより多く連通された側
のポートを通じて、給油路61の圧油がパワーシリンダの
一方の側の油圧室に供給される。
【0035】他方、パワーシリンダの他方の側の油圧室
からは、排油がポート35、ポート36のうちのいずれか他
方のポート、周方向に隣接する他の切換えポート(縦
溝)27、連通路25、軸方向通路24、後述する反力機構4
0、排油路62を通って油タンク64に戻される。このよう
にして、前記車両の操向を助けるパワーアシストが得ら
れることになる。
【0036】前記パワーアシストの量は、車速(車両の
走行速度)に応じて可変にされる。すなわち、車速が低
いとき、パワーアシストの量は大きくされ、操向の軽快
感が得られるようにされ、車速が高いとき、パワーアシ
ストの量は小さくされ、操向の安定感が得られるように
される。このような車速に応じたパワーアシストを得る
ため、反力機構40は、切換弁10の入力部20と出力部30と
の相対回動に対する抵抗(反力)を車速に応じて可変に
制御する。以下、該反力機構40の構造と作用について、
詳細に説明する。
【0037】本実施形態において、反力機構40は、ボー
ル保持部材41と、外側弁部材31の端面37に形成されたボ
ール溝38と、ボール保持部材41のボール保持部41a に保
持されて前記ボール溝38に係合するボール43と、ピスト
ン42と、該ピストン42の両側に形成された圧力室45、46
と、該両圧力室45、46をつなぐ油路47の途中に設けられ
た可変絞り48と、該可変絞り48の絞り量を車速に応じて
制御するソレノイド49と、前記両圧力室45、46のうちの
外側弁部材31に遠い側の一方の圧力室45に排油路61の圧
油を導く手段(連通路25、軸方向通路24、連通路26)
と、前記両圧力室45、46のうちの他方の圧力室46から圧
油を排出する手段(排油路62)とから構成されている。
【0038】前記一方の圧力室45は、インプットシャフ
ト21の外周面と、切換弁10の本体部のハウジング60a の
内周面60c と、ピストン42の図において上側の一側面
と、インプットシャフト21とハウジング60a との間をシ
ールする部材65とにより画成され、その内部には、ピス
トン42を外側弁部材31側に押圧するばね50が介装されて
いる。なお、このばね50は、省略される場合もある。
【0039】また、前記他方の圧力室46は、インプット
シャフト21およびボール保持部材41の外表面と、ハウジ
ング60a の内周面60c と、ピストン42の下側の他側面
と、外側弁部材31の端面37とにより画成され、その内部
には、前記のとおり、ボール43が、ボール保持部材41に
保持され、かつピストン42に形成されたボール溝42a と
外側弁部材31に形成されたボール溝38とに挟持されて、
収容されている。そして、該他方の圧力室46に、前記排
油路62が接続されている。
【0040】反力機構40は、前記のように構成されてい
るので、次のように作動する。すなわち、車速が低いと
き、ソレノイド49により可変絞り48の絞り量が小さく
(開度が大きく)されて、両圧力室45、46間の圧力差が
小さくされる。これにより、ピストン42は、ボール43を
弱く押圧するようになるので、ボール保持部材41に保持
されたボール43は、図示されない操向軸によりインプッ
トシャフト21およびこれに一体に嵌着されたボール保持
部材41が回動されたとき、ボール溝38との係合から容易
に脱出できて、ボール保持部材41と一緒に転動できるよ
うになる。
【0041】すなわち、切換弁10の入力部20と出力部30
との相対回動に抵抗する力(反力)が弱くなり、内側弁
部材23と外側弁部材31との関係位置を中立位置からずら
すことが容易になるので、給油路61の圧油をパワーシリ
ンダのいずれか一方の車両の操向方向に対応した側の油
圧室に供給することが容易になる。この結果、必要なパ
ワーアシストを容易に得ることができるようになり、操
向の軽快感が得られるようになる。
【0042】また、車速が高いとき、ソレノイド49によ
り可変絞り48の絞り量が大きく(開度が小さく)され
て、両圧力室45、46間の圧力差が大きくされる。これに
より、ピストン42は、ボール43を強く押圧するようにな
るので、ボール保持部材41に保持されたボール43は、該
ボール保持部材41から回動力を受けても、ボール溝38と
の係合から容易には脱出できなくなる。このため、該ボ
ール保持部材41およびこれと一体のインプットシャフト
21、ひいては図示されない操向軸自体の回動が容易では
なくなる。
【0043】すなわち、切換弁10の入力部20と出力部30
との相対回動に抵抗する力(反力)が強くなり、内側弁
部材23と外側弁部材31との関係位置を中立位置からずら
すことが容易ではなくなるので、給油路61の圧油をパワ
ーシリンダのいずれか一方の車両の操向方向に対応する
側の油圧室に供給することが容易ではなくなる。この結
果、得られるパワーアシストの量は小さくなり、操向の
安定感が得られるようになる。
【0044】以上のようにしてなる切換弁10の入力部2
0、出力部30、反力機構部40は、その入力端部分、出力
端部分およびソレノイド49を除いた部分が、共通のハウ
ジング60内に一括して収容されている。したがって、内
側弁部材23、外側弁部材31、ピストン42、両圧力室45、
46等を含む切換弁10の本体部を収容するハウジング60a
と、可変オリフィス48を収容するハウジング60b とは、
一体のものとして形成されている。そして、該可変オリ
フィス48を収容するハウジング60b の開口部60dに、前
記ソレノイド49が取り付けられている。
【0045】本実施形態は、前記のように構成されてい
るので、反力機構40の構成要素であるボール保持部材41
は、インプットシャフト21とは別部材として予め製作さ
れ、ボール保持部41a が加工形成された後、該インプッ
トシャフト21に嵌装され、かしめられて、これに一体に
固着されている。
【0046】このため、反力機構40の中立位置(ボール
43がボール溝38に完全に係合して静止した反力零の位
置)を切換弁10の中立位置(内側弁部材23と外側弁部材
31との関係位置が偏開度零となる位置)に一致させるた
めの調整が、ボール保持部材41をインプットシャフト21
に嵌装してかしめる時点で、容易に行なえるようにな
り、電子制御式車速感応型パワーステアリング装置の製
造が容易になる。また、その固着作業も容易に行なえ
る。
【0047】また、ピストン42がボール43を押圧する力
を車速に応じて可変にするために、ピストン42の両側に
形成された両圧力室45、46内の圧力差を利用しているの
で、ピストン42がボール43を押圧する力を得るために必
ずしもばね50を使用する必要がなく、また、ばね50を使
用する場合でも、小さいばねでよいので、反力機構40を
小型化することができる。
【0048】また、ピストン42には、ボール43を周方向
にガイドするV溝42a が形成されているので、ボール保
持部材41の回動が滑らかになり、反力機構40の作動が円
滑になる。また、反力機構40の全高を低くして、これを
小型化することができる。
【0049】さらに、外側弁部材31の端面37に形成され
たボール溝38は、V溝とされたので、ボール43が転動す
る溝面は平坦面となり、その傾斜は一定となる。したが
って、ボール保持部材41を回動させてボール43を該ボー
ル溝38から脱出させるに必要な力(その大きさは反力に
等しい。)は、ピストン42の両側に形成された両圧力室
45、46内の圧力差のみの関数となるので、反力機構40の
制御が容易になる。
【0050】また、一方の圧力室45に排油路61の圧油を
導く手段は、インプットシャフト21の内周面とトション
バー22の外周面との間の間隙により形成された軸方向通
路24を含んで構成されているので、既存の構成を利用す
ることができ、その形成が容易になる。
【0051】また、一方の圧力室45には、ピストン42を
外側弁部材31側に付勢する弾発手段(ばね50)が設けら
れているので、ピストン42の両側に形成された両圧力室
45、46内の圧力差の最大幅を小さく設定できることにな
り、可変絞り48の絞り制御が容易になって、反力機構40
の制御が容易になる。
【0052】さらに、切換弁10の本体部(内側弁部材2
3、外側弁部材31、ピストン42、両圧力室45、46)のハ
ウジング60a は、可変絞り48のハウジング60b と一体に
形成され、該可変絞り48のハウジング60b の開口部60d
にソレノイド49が取り付けられているので、切換弁10を
コンパクトにまとめることができて、これを小型化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1ないし請求項7に記載された発
明の一実施形態における電子制御式車速感応型パワース
テアリング装置の主要部の縦断側面図である。
【図2】図1の主要部の分解斜視図である。
【図3】図1の実施形態で、反力機構の構成要素である
ピストンの縦断側面図である。
【図4】図1の実施形態で、反力機構の構成要素である
ボール保持部材部分の部分横断平面図であって、ボール
が保持された状態を示す図である。
【図5】図1の実施形態で、外側弁部材の平面図であ
る。
【図6】従来の電子制御式車速感応型パワーステアリン
グ装置の主要部の部分縦断側面図である。
【図7】図6の主要部の部分縦断側面図である。
【図8】図6の他の主要部の部分縦断側面図である。
【図9】図8のIX−IX線で截断した断面図である。
【符号の説明】
10…切換弁、20…入力部、21…インプットシャフト、22
…トーションバー、23…内側弁部材、24…軸方向通路、
25、26…連通路、27…切換えポート(縦溝)、30…出力
部、31…外側弁部材、32…ピニオン、33…ピン、34…給
油ポート、35、36…ポート、37…面、38…ボール溝(V
溝)、40…反力機構、41…ボール保持部材、41a …ボー
ル保持部、42…ピストン、42a …ボール溝(V溝)、43
…ボール、45、46…圧力室、47…油路、48…可変絞り、
49…ソレノイド、50…ばね、60、60a 、60b …ハウジン
グ、60c …内周面、60d …開口部、61…給油路、62…排
油路、63…給油ポンプ、64…油タンク、65…シール部
材。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油圧源に連なる給油路と油タンクに
    連なる排油路とをパワーシリンダの一対の油圧室のいず
    れかに選択的に切換えて接続する切換弁の入力部と出力
    部とが弾性部材で結合され、該切換弁の入力部は操向軸
    に連結され、該切換弁の出力部はステアリングリンク・
    歯車機構を介して車輪に連結され、該切換弁の入力部と
    出力部との相対移動に抵抗する力を車速に応じて変化さ
    せる電子制御式反力機構を具備した電子制御式車速感応
    型パワーステアリング装置において、 前記入力部は、インプットシャフトを備え、 該インプットシャフトには、その先端部に前記切換弁の
    一方の弁要素である内側弁部材が一体に形成され、該内
    側弁部材に隣接してボール保持部材が一体に嵌着される
    とともに、該ボール保持部材に隣接して前記内側弁部材
    と反対側にピストンが、該インプットシャフトの外周面
    および前記切換弁の本体部のハウジングの内周面に対し
    周方向および軸方向に摺動自在に、液密に嵌装され、 前記ボール保持部材には、ボールを周方向の動きを規制
    しつつ保持するボール保持部が周方向に間隔をおいて所
    定数形成され、 前記出力部は、前記切換弁の他方の弁要素であって端面
    にボール溝が周方向に間隔をおいて放射状に所定数形成
    された外側弁部材を備え、 前記反力機構は、前記ボール保持部材と、前記外側弁部
    材の端面に形成されたボール溝と、前記ボール保持部材
    のボール保持部に保持されて前記ボール溝に係合するボ
    ールと、前記ピストンと、該ピストンの両側に形成され
    た圧力室と、該両圧力室をつなぐ油路の途中に設けられ
    た可変絞りと、該可変絞りの絞り量を車速に応じて制御
    するソレノイドと、前記両圧力室のうちの前記外側弁部
    材に遠い側の一方の圧力室に前記排油路の圧油を導く手
    段と、前記両圧力室のうちの他方の圧力室から圧油を排
    出する手段とからなり、車速が低いとき、前記ソレノイ
    ドにより前記可変絞りの絞り量を小さくして前記両圧力
    室間の圧力差を小さくし、前記ピストンが前記ボールを
    弱く押圧するようにして、前記切換弁の入力部と出力部
    との相対移動に抵抗する力を弱くし、車速が高いとき、
    前記ソレノイドにより前記可変絞りの絞り量を大きくし
    て前記両圧力室間の圧力差を大きくし、前記ピストンが
    前記ボールを強く押圧するようにして、前記切換弁の入
    力部と出力部との相対移動に抵抗する力を強くするよう
    にされたことを特徴とする電子制御式車速感応型パワー
    ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記ボール保持部材は、前記インプット
    シャフトに嵌装後かしめることにより、該インプットシ
    ャフトに一体に嵌着されたものであることを特徴とする
    請求項1記載の電子制御式車速感応型パワーステアリン
    グ装置。
  3. 【請求項3】 前記ピストンには、前記ボールを周方向
    にガイドするV溝が形成されたことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の電子制御式車速感応型パワース
    テアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記外側弁部材の端面に形成されたボー
    ル溝は、V溝とされたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項3のいずれかに記載の電子制御式車速感応型パワ
    ーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記一方の圧力室に前記排油路の圧油を
    導く手段は、前記インプットシャフトの内周面と前記弾
    性部材の外周面との間の間隙により形成された軸方向通
    路を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
    ずれかに記載の電子制御式車速感応型パワーステアリン
    グ装置。
  6. 【請求項6】 前記一方の圧力室には、前記ピストンを
    前記外側弁部材側に付勢する弾発手段が設けられたこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の電子制御式車速感応型パワーステアリング装置。
  7. 【請求項7】 前記切換弁の本体部のハウジングは、前
    記可変オリフィスのハウジングと一体に形成され、該可
    変オリフィスのハウジングの開口部に前記ソレノイドが
    取り付けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項
    6のいずれかに記載の電子制御式車速感応型パワーステ
    アリング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261507A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Jtekt Corp 油圧パワーステアリング装置
CN100441462C (zh) * 2005-10-21 2008-12-10 株式会社万都 用于汽车的电子控制动力转向装置

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